平成16年  2月定例会 経済労働委員会 - 03月04日−01号

◆溝口副委員長 (県営バス)ダイヤ改正のことについて、ちょっとお尋ねをしたいんですけれども、3月27日に長崎の出島道路の開通があると思うんですけれども、それにあわせて空港リムジンバスについては、一部を経路変更して運行を開始したいということでございますけれども、ほかの高速、例えば佐世保までとか、福岡までの路線についてはどのように考えているんですか。
◎杉光営業部長 副委員長のご質問ですが、佐世保線とか、ほかの高速バス、大分とか、北九州いろいろございますけれども、リムジンバスにつきましては、浦上、それから本数は少ないんですけれども諏訪神社、それから今回出島ということで、それぞれ3経路になるということで、利用者の方々の選択肢がいろいろできます。ほかの高速バス路線の場合に、もし出島道路に乗りかえますと、今、浦上経由でバイパスを通って行っているわけでございますけれども、長崎市北部の利用者の方も随分いらっしゃいまして、なかなかそれをまた半分にするわけにも、我々の路線の便数の中ではいかがなものかと思っておりまして、ほかの高速バス路線につきましては、現状のままでいこうかと思っております。
◆溝口副委員長 現状のままということですけれども、例えば、佐世保までの運行の場合、長崎の出島道路を通った場合に、どのくらいの時間短縮があると考えているのでしょうか。
◎杉光営業部長 これは実際に報道されたと思いますが、道路をつくる側の資料でございますけれども、バイパス経由で県庁まで来るのと、出島バイパス経由で県庁まで来るのでは、8分の差があるというふうに聞いております。
◆溝口副委員長 今のところ、高速バスは浦上の方を通るのと、それから西山トンネルの方を通るのがあっていますよね。だから、そこら辺を柔軟に考えて、ある程度、何便かは出島バイパスを通れるような形も考えていいんじゃないかという気がするわけですけれども、そこら辺についてどのように考えていますか。
◎杉光営業部長 実は、私どもも、出島バイパスが開通した場合に、市内の交通もどういうふうになるのか、どこが混んでどうなるのか、ちょっと予想をしかねている状況でございます。
 それから、今、副委員長がおっしゃいましたように、例えば便数の多い路線ですと、利用者の方からもそっちを通してくれとか、いろんなご要望が出てくるかもしれません。ただ、便数の少ない路線については、なかなか難しいのかなと思いますけれども、その辺は私どもも走らせてみて、本当にどのぐらいの短縮になるのか、まだ、実際上我々もバスで走っておりませんので、その辺の混みぐあいが、実際上どうなのかというのは、今後また状況を見ながら、そういうご要望とか、実態としてもそっちの方が乗られる人が増えるんじゃないかと思えば、そういう形で検討したいと思っています。今後の検討という形にさせていただきたいと思っております。
◆溝口副委員長 わかりました。できれば、やはり混む時間、朝とか夕方とか、そういう時間帯を利用して、できれば出島バイパスの方を通れるような検討をしていただきたいなと思っております。それについては、先ほど言うように、どのようなところが、どのように混んでくるかというのがわかりませんので、様子を見て、ぜひ経路の変更をしていただきたいなと考えております。
 それともう一つ、不採算路線ですか、高速路線の廃止ということでございますけれども、今のところ雲仙〜福岡ということでございますけれども、ほかにそのような赤字路線があるのかどうか、そこら辺についてもお願いします。
◎杉光営業部長 高速路線でございますけれども、福岡を除きますと5路線が残るわけでございます。大阪、熊本、呼子、北九州、大分という5路線が残るわけでございますけれども、この中で、今いろんな状況を申しますと、呼子線とか、その辺が赤字と申しますか、ちょっと厳しくなってきているなと。どんどん利用者数も減っておりまして、1便当たり10人を切るようになってきている状況でもございます。今すぐとはまいりませんけれども、これはほかの共同運行会社もございまして、先ほどから申しておりますように、高速バスというのは乗合を補完する機能というふうに我々はとらえておりますので、いろんな面で不便になるかもしれませんけれども、今後とも検討していきたいと思っております。
◆溝口副委員長 一応、今のところ呼子線がだんだん少なくなっているということですけれども、平成19年度までの中期経営計画の中には、その部分については全然入っていないのかどうか。
◎杉光営業部長 中期経営計画には入っておりません。
◎横田地域振興部長 地域振興部関係の所管事項についてご報告いたします。
(「行政システム改革大綱」への取り組みについて)
 「大綱」に掲げる地域振興部関係の具体的項目に関して、その主な取り組み内容をご説明いたします。
 県営交通事業の存続のあり方につきましては、昨年6月の長崎県県営交通事業在り方検討懇話会からの提言を踏まえ、これまで、地方独立行政法人、県等出資株式会社などの経営形態や完全民間移譲について、収支見通し、県の負担額、職員の雇用確保等を検討し、当委員会でご審議をいただくとともに、県民の皆様からもご意見を伺ってまいりました。
 その結果、県営交通事業については、当面、地方公営企業として存続していくこととし、今後は一層の経営改善を進めることにより収支均衡を図りつつ、将来的には路線譲渡方式による民営化も有力な選択肢として視野に入れ、経営規模の見直しを段階的に行っていくとの基本方針を決定いたしました。
 この基本方針の実現のために設定した、地域の実情に応じた路線の見直し、県繰入金の縮減、経営の外部評価の実施などの5つの具体的取り組み項目について、現在実施中の中期経営計画との整合を図りながら、今後、交通局において早急に取り組むことといたしております。
 今後とも、行政システム改革大綱に基づき、積極的に県政運営のシステム改革に努力してまいりたいと存じますので、引き続き委員の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 以上をもちまして、地域振興部関係の説明を終わります。
 よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
◎藤原交通政策課長 県営交通事業のあり方に関する方針につきまして、お手元に配付をいたしております資料に基づき、ご説明を申し上げたいと思います。
 長崎県県営交通事業のあり方に関する方針をごらんいただきたいと思います。
 1ページをお開きください。
 この基本方針につきましては、先ほど地域振興部長がご説明をいたしましたとおりでございますが、地方公営企業として存続させることに対して、県議会をはじめ、県民の皆様からこれまでいただいたご意見等により、県民の方々のご理解を得ていくためには、一層の経営改善などの取り組みが必要と考えており、2ページ目と3ページ目に、この基本方針に基づく主要な具体的取り組み項目を掲げておるところでございます。
 2ページをごらんいただきたいと思います。
 これらの取り組み項目といたしましては、県民の皆様からのご意見をお聞きした中で、一層の経営改善を求めるもの、県の繰入金に対する厳しいご指摘、生活路線の維持の要望などが強く出ておりましたので、(1)経営改善の具体的取り組み、(2)県繰入金の縮減、(4)地域の交通対策への取り組みについて盛り込んでおります。
 また、昨年6月の懇話会からの提言に、経営改善の取り組みとして、民間企業経験者の登用や外部の意見を反映させるための仕組みが必要とされており、(3)民間的な経営施策の推進、(5)経営の外部評価の実施について盛り込んだところでございます。
 これらの項目につきましては、現在実施中の中期経営計画との整合を図りながら、交通局において早急に取り組んでいくこととしております。
 次に、添付資料についてご説明を申し上げます。4ページをお開きください。
 「1、これまでの経過等」につきましては、平成12年12月に県議会から提出されました「行財政改革に関する意見書」を受けたことを始まりとした経過の中で、今回あり方の検討を行うに至ったものでございます。
 同じく4ページの「2、県営交通事業のあり方検討」の(1)県営交通事業の現状と課題につきましては、地域振興部として検討するに当たり、把握すべき現状と重要な課題として、@経営規模、それから5ページのA乗合路線の状況、B収支見通し、C繰入金について別添資料とともにまとめております。
 次に、6ページの(2)調査及び課題の整理につきましては、路線移譲や民間委託についての先進事例調査と経営形態ごとの課題、県負担額や収支の試算等を別添資料とともにまとめております。
 また、7ページの(3)県民の意見の聴取につきましては、生活路線の維持・確保等の方策を協議する場として設置しております長崎県バス対策協議会の全県下8地域分科会において聴取をいたしました意見や、民間バス事業者からの意見を記載しております。
 ここまでの内容につきましては、これまで本委員会において、ご審議をいただいているところでございます。
 次に、8ページの中ほどにあります(4)経営形態別の検討につきまして、ご説明をいたします。
 @地方独立行政法人につきましては、移行により想定されるメリットとして、法人の長により、広範囲な権限が認められることで、自立的な経営が可能になるなど、記載をしておりますように3点ほどございますが、県営バスの場合、既に経営努力を行い、収支均衡を図るなど、移行したとしても現状を上回る効果が期待できないこと。また、移行事務や経費の増大が考えられることから、移行する理由に乏しいという判断をいたしました。
 次に、9ページのA県等出資株式会社につきましては、移行時に一時的に多大な負担が生じること、移行後の収支見通しが地方公営企業の場合よりも悪化すること等から適当ではないと判断をいたしたところでございます。
 また、10ページのB完全民間移譲につきましては、これまでお伺いしてまいりました民間バス事業者のご意見も踏まえまして、不採算路線の維持や職員の雇用確保の観点から、現段階では困難であると判断をいたしたところでございます。
 次に、C地方公営企業につきましては、県からの繰入金が必要でございますが、これまで経営努力により収支均衡を図ってきており、また、今後の収支不足につきましても、新たな改善策を実施していくことといたしております。
 なお、D公設民営方式につきましては、道路運送法上の取り扱いで、使用車両数、または路線の長さの2分の1までという制限があり、事業全体の経営形態とはなり得ないため、検討対象から省いております。
 以上の検討結果を総合的に勘案し、11ページに記載しておりますように、県営交通事業のあり方といたしましては、当面、地方公営企業として存続することとしたものであります。
 以上で、ご説明を終わらせていただきます。