平成20年  7月定例会 経済労働委員会 - 07月18日−01号
(交通局関連)
◆溝口委員 第12号報告の方で、1ページ目ですけれども、補助金及び繰入金ということで営業外収益があるんですけれども、その中で生活路線確保対策市町単独補助金ですか、これが9,300万円収入不足になっているんです。ここは、ちょっと説明をお願いしたいと思うんですけれども。
◎日高管理部長 ご質問の趣旨を理解するのに時間がかかりまして、すみません。
 生活路線確保対策市町単独補助金は、今回の専決補正で9,308万1,000円の減額をお願いいたしております。
 非常に大きな金額ではございますが、もともとは私どもは大村市、諫早市を中心に補助をいただいておるわけでございますが、ここの補助金の額の決定が非常に遅れたということで、前回の2月の補正に間に合いませんでしたので、今回専決で、交付決定額に合わせて減額をさせていただいたものでございます。
◆溝口委員 一応減額補正はわかるんですけれども、例えば諫早市と大村市と契約をしていますよね、1年間に幾らという補助金の。それで、前回も中期計画の中でも一応言わせていただいたんですけれども、これを確実に回収をしていかないと、交通局として大変じゃないですかということで、中期計画は大丈夫ですかということを聞いていたんですけれども。諫早市と大村市からもらえなかった部分が減額になっているんですか。そこら辺はっきり言ってください、幾ら幾らになっているのか。
◎日高管理部長 平成19年度分として私どもがお願いをしていただけなかった部分が、諫早市でおよそ8,000万円、大村市で3,000万円でございます。合計1億1,000万円でございます。
 そういったものも含めて、いろんな算定、査定等も含めて今回の補正ということで、諫早・大村県央地区で、今私どもが1億1,000万円程度、まだ赤字を抱えているという事実でございまして、それが先ほどの県央地区の見直しにもつながる話でございます。
 ご指摘のように、中期経営計画を今年の2月の議会にお出しをいたしましたときも、大変ご心配をいただきました。地元の市とも、当然、今まで継続もして続けておりましたし、4月以降も交通局長をはじめ、関係市とはお話をしておるわけでございますけれども、なかなか補助金の増額、確保等については厳しいというような判断のもとに、今回のような見直し提案といったことにつながっておるわけでございます。
◆溝口委員 そうしたら、一応請求した部分で1億1,000万円がまだ入っていないということですけれども、これは未収金の中に入っていることになるんですか。
◎日高管理部長 この補助金の性格は、私どもが請求権とかに基づいていただくものではありません。もちろん要望はいたします。「これだけ赤字が出るからください」ということはしますけれども、補助主体は諫早市、大村市であって、市の補助要綱に基づくものでございますので、いわゆる広い意味では、査定減のような形になっておるわけでございます。したがって、未収金という概念は発生いたしません。
◆溝口委員 それでは、未収金関係について、先ほどの報告の中で5ページですか、貸借対照表の中で6億2,311万5,191円、約6億円の未収金があるんですけれども、その大まかな内容については、どのようになっているんですか。
◎日高管理部長 未収金でございますけれども、過年度分、現年分ございますが、この場合の未収金は、過年度の不良債権等に該当するような未収金の部分と、それから、事業をやっておりますので、3月時点で入らなかった未収金の部分とあるわけでございます。もちろん額的に多いのは、例えば補助金でございますとか、運輸収入でございますとか、その他雑入もたくさんございます。
 そういう中で主なものといいますと、例えば臨時運輸収入などは1億円ほどの未収金になっております。補助金も3億7,000万円が年度内に入らず、次に、月を変わって入ったと、そういうことでございまして、決して普通に言うような不良債権的な未収金が5億円もあるということではございません。
◆溝口委員 わかりました。
 では、聞きますけど、不良債権は、大体大口でどのくらいか、何件かはあるのか、たくさんあるのか、そうしたら、そこら辺の不良債権を教えてください。
◎日高管理部長 未収金の中で、過年度未収金のうち回収が困難となっているものがございます。それは、今年度期末現在で3,473万円と考えております。
◆溝口委員 全体で3,400万円ぐらいということですけれども、監査指摘の中で未収金について、「大口滞納者で返済計画が履行されず、回収が進んでいないものがある」ということですけれども、このことについて、一応指摘を受けているんですけれども、どのように回収をしようとしているのか、そこら辺についてお知らせください。
◎日高管理部長 今申し上げたものの中に、実は、県営銅座川駐車場の清掃委託料の不正受給事件といったものがございまして、これは平成17年12月に調停が成立しております。その中では、交通局への返還計画も示されておったわけでございますけれども、平成18年1月から3月まで3回分は、調停に基づく履行がなされていたのでございますが、それ以後滞っていたという事実がございました。したがって、私もまいりましたが、もともとの損害発生者が、今熊本に住んでいらっしゃるというようなことで、私も熊本まで行って督促もしてまいりました。また、連帯保証人である方が西彼杵郡の方に住んでいらっしゃいますので、そちらにも再三お伺いをして、支払っていただくようにお願いをしております。
 ただ、これは総額2,400万円という未収金になっておりまして、実は、家庭事情等も勘案して話し合いをやっているところなんですが、今のところ毎月2万円ずつきちんと入ってはおるわけですが、総額に比べまして、あまりにも小さい金額なものですから、今後回収に頭を悩ましておりますが、家庭事情等も考えますと、なかなか増額も、今難しいといったところであります。常に接触はしながら、債務の存在を確認していただいて、少額でもいいから定期的に返してもらいたいということで、今話しているところでございます。
◆溝口委員 わかりました。
 大体わかったんですけれども、現在、これ以外に、そういう未収金が重なっていってる部分というのがあるんじゃないかと思うんですけれども、そのことについては、不納者の方々に対して何かの形で使用というか、何かを貸しているとか何とか、そういう物件については何もないんですか。
◎日高管理部長 施設の使用料の関係でございますけれども、私どももかなりあちこち財産を持っておりまして、雲仙の敷地でありますとか、施設のターミナルの賃借料でありますとか、そういったことについて滞納が発生をいたしております。
 私は、今手元に、平成13年度からの分を持っておりますけれども、長崎ターミナル、諫早ターミナル、大村ターミナル、あるいは雲仙の敷地といったところで滞納が発生いたしております。
 このうち平成19年度までに回収した金額もございますし、現在未収金額が、全部で597万2,803円ございまして、平成20年度回収額が、現在のところ216万5,060円で、大体3分の1程度は回収しているかと思っております。今後、またさらにやっていきたいと思っております。
 今のは平成19年度未収発生分でございましたので、平成13年から18年までの発生分でいきますと、未収が453万7,000円ございまして、そのうちの2%に当たる9万2,960円しか回収できておりません。
 以上のような状況でございます。
◆溝口委員 未収金に関連して、先ほど言った土地の賃貸借契約書、そういうことがあるんですけれども、土地の部分についても、やはりここで監査指摘をされて、地価は下落しているのに見直してないんじゃないかと、そういう指摘を受けてるんですよね。だから、そういうことも考えながら、先ほどのターミナルビル関係にも、賃貸になって、そこら辺が高過ぎるという部分もあるのかどうかわからないんですけれども、土地についてはどこを指摘されているんですか。賃借料のことについて、更新して契約しなければいけないんじゃないかと、そういう指摘を受けているんですよね。このことについての検討はしているんですか。
◎日高管理部長 監査からご指摘を受けたものは、長崎ターミナルビルの敷地の契約でございます。
 これについては、ここ数年といいますか、5〜6年にもなりますが、だんだん地価が下落傾向になっておるということで、本来は見直すべきではないかと、見直してないぞというご指摘を受けております。
 それはご指摘のとおりだと私どもも理解をしておりまして、地権者等にも2回ほどお話も申し上げて交渉をやることにしております。
◆溝口委員 その辺の努力もしないと、交通局としては、経営の改善はなっていかないんじゃないかと思うんですね。そして、未収金についても、やはり不良債権をずっと延ばすということは、私はあまりよくないんじゃないかと思うんです。
 だから、そこら辺について、やはり監査指摘があっているわけですから、すぐに動いてその努力をして、私たちにも報告をいただきたいと思うんです。
 一応私は、これで終わりたいと思います。
◆溝口委員 軽油の価格高騰等が続いておりますね。それと延べ輸送人員の関係もあると思うんですけれども、中期経営計画基本方針の中で、平成15年度から19年度まで一応やってきたわけですけれども、監査の方から意見書としても出ているんですけれども、かなり大幅な見直しが必要な部分が、必要というか、達成していない部分があるんじゃないかと思うんです。だから、軽油価格の高騰は、平成15年度の計画をつくったときよりもどのくらい、平成18年から19年にかけて値段が高くなって、経費が増えてきたのか、そこら辺をちょっと聞かせていただきたいと思います。
◎日高管理部長 計画の中で、平成15年から19年まで一つの計画でございまして、平成20年から新しい計画になるわけでございますが、細かい数字を持ち合わせなくて恐縮でございますが、平成15年ごろは65円ぐらいではなかったかと記憶しております。また、最近では、平成18年が92円90銭、平成19年が96円22銭、平成20年6月が133円と、ここ2年ほどでは非常に急騰していることがおわかりいただけると思います。今申し上げたのは、税抜き数字でございます。
 そういう中で、平成15年のころは、今より少し走行キロ数も多うございましたので、軽油の単価そのものは70円以下でございましたけれども、走行キロが長いという関係で、ちょっと平成15年の数字を持っていないんですけれども、今、6億円の軽油費を払っておりますけれども、それよりも安い金額を払っていたというぐあいに考えております。
 すみません、今数字が入りましたので、もう一度訂正をしてから申し上げます。
 平成15年には728万キロリッターの軽油を購入し、4億6,856万円金額がかかっております。平均単価が64円29銭でございます。
 前回の中期経営計画でも、都度都度見直しをしておりましたので、平成17年度にも一回見直しをしております。そのときの軽油単価を80円台とか、82円とかで設定をしていたということもございます。そのときはそのときで、それなりの見込みではあったとは思うんですけれども、やはり実勢は、例えば平成17年には平均単価が82円79銭となり、平成18年には92円90銭、平成19年には96円22銭と、非常に高騰しているということでございます。
 ちなみに、今年3月に策定をいたしました、次期の中期経営計画では、軽油単価、税抜き100円で計画をいたしておりまして、もう既に、そのことだけをとりましても、現在の価格とは2億円以上の差が出てくるということでございます。
◆溝口委員 今指摘をされている部分で、平成19年度だけでもよかったんですけれども、そのことがかなり大きな、今後の新しい中期計画に向けてやり直しをしていかなければいけない部分になってくるんじゃないかと思うんですよね。平成19年度だけでもいいですから、延べ輸送人員を、予定していた部分よりか、大体前年でそのくらいはあるんですけれども、自分たちで予定していた輸送人員がどれくらい狂ってきたのかわからないと、今後の計画もできていかないんじゃないかと思うんですけれども。
 それと駐車場収入ですね、駐車場収入が、今後の中に入れてなかったのかどうか、平成19年度は駐車収入も計画どおり入っているのかどうかですね、この点。
◎日高管理部長 平成19年の当初予算を策定しますときには、実は、前年度から乗客が3%ぐらい減少するであろうという前提で当初予算は組んでおりました。しかし、平成19年度は、結果的には1.7%の減と推定をしております。やはり原油高騰等の影響も若干あるのではないか、あるいはイベント等の影響もあるのではないかと思っております。
 それから、駐車場の収入のことでございますが、平成19年の当初予算から、既に、銅座の駐車場は廃止されるという前提で予算を組んでおりましたので、それは松ヶ枝の分しか組んでおりません。ただ、中期計画をつくる前は、松ヶ枝も平成20年度いっぱいあるという計画ではございましたけれども、具体的には、今年の12月で終わりというようなことにもなっているところが、計画と違っているところでございます。
◆溝口委員 そのようなことになれば、やはり平成19年度までの中期計画を見ても、原油高ですね、軽油の価格高騰で2億円ぐらい違うようになってきているということになれば、やはり前回提示していただいた中期計画を早急に見直していかないと、今後の経営がやっていけないんじゃないか、そういう感じがするんですけれども、交通局長、どう思いますか。
◎永川交通局長 燃油の値上がりは、ご指摘がございましたように、ここに入って、かなり厳しいものがございます。これまでは年に5円とか、10円という値上がり方でございましたが、今年に入りまして、4月以降、月に10円、20円という上がり方でございます。
 私どもが買います軽油は、燃料タンクを持っております関係上、市価よりも安うございますが、それでも140円台を推移してくるという状況ではないかと思っております。
 この状況で年間額を試算しますと、今のところ、年間2億3,500万円が燃油代として余計にかかるであろうということを見込んでおります。ご指摘にもございましたように、そうなると、中期経営計画を見直さないといけないんじゃないかということは、ご指摘のとおりでございます。
 ただ片方で、実は、先ほど乗客の逸走率、減少率のお話がございましたが、これまで、大体5年、10年前ぐらいですと、毎年4%あるいは5%という料金収入が、乗合は減っております。これは、最近、減り方がだんだん、だんだん少なくなってきていると。ここ5年間ぐらいでも、3.9%、3.3%、2.8%とか、去年が1.7%と。
 実は、今年の4月、5月、まだ2カ月だけでございますが、両月平均でプラス3.3%になっております。我々は一般の乗合収入が、高速を除きまして、大体30億円ございますので、3.3%伸びるということは、約1億円収入が増えるということになります。もちろん燃油高騰ということでは、2億3,500万円ということで、まだ差額が1億3,500万円あるわけでございますが、もう少し状況をしっかり見て、そして対策をつけていかないといけない。お客様が、ここ何十年ぶりに少し増える傾向にきておるのではないかというところがございますので、やはり対策を積極的、かつ慎重に立てていかないといけないのではないかなと思っております。
 2カ月の動向では、少し心配でございます。やはり3カ月、4カ月ぐらいの期間の動向を見て、そして打つ手を考えていかないといけないのではないかなというふうに思っております。
 以上でございます。
◆溝口委員 わかりました。
 一応平成20年度から新規の中期計画になっているんですよね。だから、そのことについて、そういう変化があったら、監査の方から意見が出てるんですね。そういうことについては、本当は、今日の冒頭の中で、この見直しについても、ある程度考えを言っていただかないといけないんじゃないかと私は思ったんですけれども、その辺については、今、交通局長の方から言われましたので、ぜひ早めに、新規中期経営計画をつくっていただくように要望しておきます。
◆溝口委員 私も関連になりますけど、県央路線の運営委託について。
 子会社を設立して、今のところは両市から、先ほど小林(克)委員からも言われましたけれども、それぞれ2億3,000万円と1億1,500万円ですね、それでもまだなお、単年度で1億500万円の赤字があるということですけど、そこら辺のところ、さっきの話では、1億1,000万円は今年はもらわなかったということですね。そうしたら、来年度から、子会社にした場合、そこら辺の採算をどのように試算的に見ているのかどうか、そこら辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
◎永川交通局長 平成18年度、19年度と、大体1億円ちょっとの額が市からいただけなかったということで、実は、今年度までは、もともとの計画上も、ほかの収入の中からどうにか補てんをしていけるということで予定もいたしております。
 ただ、平成21年度から、これは中期計画でも上げていますが、1億500万円の収入が市から入ってくると、お願いを完全にしていくんだということで、毎年1億500万円の額を上げさせていただいていると。
 現実問題としまして、子会社化をしたからといって、すぐに1億500万円の効果が出てくるわけではございませんので、この分については、別途対策を考えていかないといけないということになると思います。やりはじめた年の効果は、多分1,000万円ぐらいしか出てこないのではないかなと思っていますので、あと9,000万円の対策を別途考えないといけないと。それが、先ほど吉村委員がおっしゃった中期計画の見直し、そういう要素にもなっていくものだというふうに思っております。
 今、既に手をつけましたのは、今年度の車両購入を大体2億円ぐらい考えていますが、これを若干抑えることにしたいと思っています。抑えていくことによって、来年度の支出、要するに、これは今年買った分が来年、減価償却で上がってきますので、今年抑えないと、来年できないものですから、そこをしていくと。何年間か車両購入を抑えていくことで、当面、子会社のコスト削減を待つと。その間、改善できましたら、今度はためておきました車両更新をやっていくというのが、基本的に大きな考え方でございます。
 ですから、なるべく早く子会社の完成を見て、そして、交通局全体の車両更新をしていくというのを大枠で考えておりますが、今年の車両購入の予定自体は、まだ現実的には固まっておりませんので、それだけで対応ができるのか、それ以外の対策もやらないといけないのか、ここら辺についてはもう少しお時間をいただく必要があろうかと思っております。
◆溝口委員 一応車両購入の中で抑えていくということですけれども、ただ、先ほど言ったように、子会社をつくって、県央部分だけで今から営業していくことになるんですけれども、先ほど嘱託の方々は最初から子会社の方に入ると言ったんですかね。その形の中で、やはり両市からの補助をいただいても、1億500万円というのが増えてきて、それを今度は子会社に対して何らかの手だてをすることは、委託料をその分高く上げてから、交通局の方を少しでも抑えていくということになるわけですかね。
◎永川交通局長 子会社の経営は、実際上は収入は交通局からの委託料だけになりますので、子会社の運営ができるだけの委託金は、交通局から支払ってまいります。
 ですから、そういった意味では、交通局は料金収入と市からの補助金、それにどれだけすき間があくのか、そのすき間については、交通局の本体の方から継ぎ足してでも、交通局の業務を委託しているだけですので、そこを入れて子会社の方に出していくという形を考えております。
◆溝口委員 ただ、子会社にしていっただけで、本体の交通局の方が経営改善がなされていくというのはあまり考えられないんですよね。こちらは10年間もかかるわけでしょう。10年間でやっととんとんというか、今の採算ではとんとんになってくるんですけれども、ここだけがとんとんになれば、一応本体の交通局としては黒字になっていくという計算になってくるわけですかね。
◎永川交通局長 子会社の要素だけで言いますと、子会社の部分が、要するに1億500万円足りないという形の中でございますので、足りない中で、それがあってやっと中期計画が成り立っております。ですから、そこを別途の方策で埋めるものをとらない以上は、全体の収支は整合してまいりません。
 それともう一つは、燃油の高騰の問題も含めて、そこをどうしていくかという対策をきちんととっていかないと、全体の収支は均衡していかないという形になります。
◆溝口委員 そういうことになれば、9月に提案すると、先ほどの話であったと思うんですけれども、子会社の設立の提案ですか。そうしたら、それまでの間に、本体の交通局の収支計算をしっかりとしたものを出さないと、これを認めていくかいかないかということに対しては、かなり論議があってくるんじゃないですか。
◎永川交通局長 中期の経営健全化の対策については、できるだけ早くまとめたいとは思っております。ただ、今度の9月に間に合うようにできるものと、そうでないものとが多分出るんではないかなという心配もしております。
 溝口委員がおっしゃるように、全体の流れが見えない中で、なかなか審議がしにくいというご指摘はよくわかります。私どもはそれに間に合うようにいろんな準備をさせていただきたいと存じますが、すべてが間に合うかどうかにつきましては、最大限論議をしていく、あるいは論議ができる素材を準備していくという形になるかもしれないということは、申しわけないですが、ご理解をお願いしたいと思います。
◆溝口委員 やっぱり子会社を設立するなら、ある程度交通局として5年とか、10年のスパンで考えていかないと、10年かかってやっと、この路線がパーパーになってくるわけでしょう。そうしたら、その間に交通局としては、まだいろいろな要素で落ち込んでいく要素があるんですよね。だから、そういうことを考えれば、10年間のことを考えたら、全体的に交通局自体が、今度は民間移譲というのを考えに入れながら話し合いをしていかないといけなくなってくるんじゃないですか。
◎永川交通局長 問題は、今度の分は子会社の分だけではないわけでございまして、2億3,500万円という燃油が、今後どう動いていくのか。もっと上がるのか、逆に下がる方向にいくのか、お客様の動向がどうなるのか、ほかの要因がどうなるのか、そこら辺も、子会社以上に金額的に大きな要素でございます。そこを全部できないと、全部できるように努力はいたしたいと思っております。もちろん、ゆっくりやろうとか、全然思っておりません。早めにつくらないといけないと思っていますので、努力はいたしますが、今までの分析手法とは違った手法、要するに、数字の集め方からして変えないといけないものだと私は思っておりますので、今までの職員が長年経験してきた交通事業形態と、もう一つ、プラスアルファで考えないといけない部分がございますので、その部分についてもできるだけ間に合うようにいたしたいと思っております。しませんと、間に合いませんと、今の時点で言うつもりはございません。できるだけ間に合うように努力をいたしたいと思っております。
◆溝口委員 わかりました。
 ただ、子会社だけをつくって、何かそこに逃げていくような形が見えてならないんですよね。だから、そこら辺が、やはり交通局自体がしっかりとした計画を、健全な計画をつくっていただかないといけないと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。


平成20年  7月定例会 経済労働委員会 - 07月22日−02号
(長崎県総合水産試験場新調査船建造に係る請負契約に関する件)
◆溝口委員 第83号議案の「契約の締結」、長崎県総合水産試験場新調査船建造に係る請負契約を締結する件ですけれども、前回の委員会のときに、一応指摘をしていたと思うんですけれども、入札のあり方については、今のところ4者が候補として名前が出ているということが前回のときにあったんですけれども、その入札がどのような形でされたのか、そこら辺について詳しく説明をお願いしたいと思います。
◎上原科学技術振興課長 一般競争入札を平成20年3月12日に、4者の参加により行っております。
 本入札は、県有財産であります船舶、動産の製造の請負に該当しまして、本県では、落札者がいない場合は3回まで入札を行うこととされております。
 第1回目の開札の結果、落札者が決定しなかったため、2回目の入札を実施しております。2回目の開札の結果、3者の入札書に「辞退」の記載があり、残った1者についても予定価格を上回っていたため、落札に至っておりませんでした。
 そのため、引き続き3回目の入札を実施しました。3回目は、井筒造船所様のみが応札いたしましたが、この応札において、井筒造船所様は、他の3者が辞退したことを知らないで投函に至っておりますので、競争性は確保されていると判断しております。
 3回目の開札の結果、落札に至りませんでしたので、地方自治法施行令第167条の2第1項第8号の規定に基づき、最低価格入札者の意向を確認し、他の参加者の立ち会いのもとで、透明性を確保しながら、見積書を徴取いたしております。
 その結果、予定価格を下回りましたので、今回、契約締結の議案として上程させていただいております。
 以上でございます。
◆溝口委員 前回のときに、一応公正に競争性のある入札のあり方をしてくださいということでお願いしてたんですけれども、最初は4者の方々がそれぞれ出したということで、あと3者について、2回目、3回目は出てないというのは、どういう理由があったんですか。その理由は聞かれないんですか、業者の皆さん方には。2回目のときに、もうはっきりわかってたんですよね、出てないのが。
◎上原科学技術振興課長 2回目の入札時に、入札書に「辞退」ということが書かれておりました。2回目の時点では、私ども県の方で辞退がわかったということでございまして、3回目の入札を入れるときには、井筒造船所様は、ほかの方が辞退をしたということは存じないでいらっしゃいました。
 したがいまして、井筒造船所様が3回目に入札をするときには、ほかの方が辞退したということを存じておられませんので、そういった点では競争性が働いているものと認識しております。
 途中で辞退がどうしてあったかということでございますけれど、それについては、県内の中小造船所におかれては、2〜3年分の工事量を確保しているやに聞いておりますので、そういった面で採算性に合わないのではないかというふうに判断したものと思います。
 以上でございます。
◆溝口委員 わかりましたけど、何か私たちが考えた場合に、3者から1者になって、2回、3回という形で入札をするということは、何か競争性がなくて、科学技術振興局長は、前回のときには、「そういう競争性がないときには、取りやめてでもまた行います」という発言をしたかなと思ってるんですけれども、そこら辺について、確実に競争性があったという形で考えているんですかね。
◎小林科学技術振興局長 前回、確かに、1者になったときには取りやめるというふうに申し上げました。
 これは、あくまでも入札の開始時点でのことでございまして、始まった以降は、3回まで入札を認めるというふうな規定になっております。今、科学技術振興課長の方から申し上げたとおり、まずは、もちろん競争性の確保というのは重要なんですが、一応そういう形で、最終的に残られた井筒造船所さんには、辞退ということがわからない形で進めておりましたので、まず競争性は保てているということと、そういった中で参加された方の入札をしようという努力も考慮しないといけないということで、3回までさせていただいたということでございます。
 以上でございます。
◆溝口委員 それでは、科学技術振興局としては、競争性はあくまでも最初の時点であったということで、2回、3回についてはその流れできたということになってくるわけですね。
 ただ、私たちとしたら、やっぱり1者になって、3回目をしても最低価格に到達しなかったということですけれども、そういう事態の中で、井筒造船所さんとの随意契約になってきたと思うんですけれども、その中で他者とはしなくて、3回参加した人だけが随意契約というのは、やはり法的に権利が出てくるんですか。そこら辺について、お尋ねしたいと思います。
◎上原科学技術振興課長 地方自治法施行令第167条の2の第1項第8号の規定がございます。再度の入札に付し落札者がいないときには、随意契約ができるということでございます。
 それで、私どもは最低価格入札者、3回目のときに一番低い価格の札を入れてらっしゃいます井筒造船所様の意思を確認しまして、ほかの3者の立ち会いのもと、透明性を確保しながら見積書を徴取し随意契約を実施いたしました。
 以上でございます。
◆溝口委員 わかりました。
 ただ、最低価格で、ほかの3者は参加できなかったということですけれども、今の最低価格というのが、今、物価の高騰でものすごく鉄鋼なんかが上がってきていると思うんですよね。長崎の造船所ですので、私としては地元に落札していただいたということはうれしいんですけれども、やはりこの最低価格が、ほかの3者は、これで契約したら、自分たちは経営が成り立たないという形の中できていると思うんですよね。それをさらに、自分たちが決めた最低価格で随意契約をするならということで今回して、今の物価の高騰の中で、もし造船所がそれ以上やれないという事態がくることも想定されると思うんですけれども、そのようなときにはどのような対策を考えていくんですか。
◎上原科学技術振興課長 契約案の中に条文を一つ盛り込んでおります。それは、工期内に鋼材等の主要な材料が値上がりし請負代金等が不適当ということになった場合には、請負代金額を変更することができるようになっております。
 以上でございます。
◆溝口委員 せっかくですから、資料があるようですので、もしよかったら、契約内容の資料をいただきたいんですけれども。
 それからまた、質問させていただきたいと思います。
◎上原科学技術振興課長 はい。
◆溝口委員 抜粋できてるんですけど、全体的に見たかったなと思っていたんですけど、第22条の第5項で、「特別な要因により工期内に主要な新調査船建造材料の日本国内における価格に著しい変動を生じ、請負代金が不適当となったときは、甲又は乙は、請求代金額の変更を請求することができる」ということになっているわけですけれども、この判断をどこがするかなんですよね。
 造船所の方がして、それを皆さん方に問いかけるか、それとも皆さん方が物価の上昇等をいろいろ見ながら判断をしていくのか、そこら辺で全然違うと思うんですよね。業者の方々から言われるままの判断だったらおかしいし、ただ、行政も、この契約を交わしている以上は、それを無視できないと思うんですけれども、ここら辺の判断についてどのような形をとっていこうとしているんですか。
◎上原科学技術振興課長 最近、この条文にありますように、著しく価格が上昇しているというのは鋼材だと思いますけれども、鋼材の代金の変動額が請負代金全体の1%を超えたときには、その超えた分を県の方で契約額を変更したいと、そういうふうに思っております。
◆溝口委員 今、鋼材関係について、1%上昇したときにということですけれども、この1%の判断は、契約を交わした段階の値段からになるのか、それとも完成する時期の値段になるのか、そこら辺で全然違ってくると思うんですよね。そこら辺については、どういう判断をしていいんですかね。この1%というのは、日本全国を見た形での鋼材の値上げということになってくるわけですか、それとも長崎県だけが関係する値上げになってくるんですか。そこら辺でも全然違うと思うんですよね、いろいろな角度で。
◎上原科学技術振興課長 まず、11月に設計をして予定価格を決めておりますので、そのときからどれぐらい上がったかということでございます。
 それから、請求できる期間においては、工事が満了する60日前まででございますので、契約後、工事が満了する60日前までの期間においていつでもできると。
 それとあと、値上がり分については、実際に幾らで井筒造船所様が仕入れたかと、購入したかということが基準になります。
 以上でございます。
◆溝口委員 去年の11月ですよね、それだったら、今はもう半年以上たっているんですよね。その中で1%以上の値上がりは、私はあっているんじゃないかと思うんですけれども、そこら辺はどのように考えているんですか。
◎上原科学技術振興課長 まず、一般的な鋼材ですね、その値上がりでございますけれども、鋼板の19ミリの単価でございますけど、これは設計時、平成19年11月でございますけれども、トン当たり8万2,000円しました。それが、直近の平成20年6月末現在では、トン当たり12万4,000円で、約50%ほど上がっております。
 しかしながら、船舶用の鋼板というのは、一般的な流通と違っておりまして、トン当たり、平成19年11月が8万5,000円で、平成20年6月末現在で9万円でございます。この値上がり分が7億8,540万円という金額の1%を超えた場合に、その超えた分を県が負担させていただくと、そういったことでございます。
◆溝口委員 これからいくと、1%といったら、もう1%以上上がってるんですよね、多分。どうなっているんですかね。1%でしょう、8万5,000円から9万円ということは、もう上がってるんですよね。5%ぐらい上がってるんじゃないですかね。
◎上原科学技術振興課長 材料そのものが1%値上がりしたらということではございません。ちょっと私の説明がまずかったと思いますが、要するに、コストはいろいろございます。鋼材があったり、いろんなものがあるわけでございますけれど、主要な材料である鋼材が上がった場合、それを比較するものが請負代金でございます。要するに、請負代金は7億8,540万円でございますので、7億8,540万円と比較して、その1%ですから、785万4,000円でしょうか、それを超えれば超えた分を負担すると、そういったことでございます。
◆溝口委員 すみません。私の理解不足で。
 最初、鋼材が値上がりしたらと聞いたものですから、全体的な7億8,540万円が1%上がったらと、そういう話ではなかったような感じがいたしましたので、よくわかりました。ありがとうございます。
 ただ、今の状況の中で、平成21年3月までにこれが完成する予定になるわけですかね。その中で、そういう事態が今のところ、特に原油を使ったいろいろな資材というのは、ものすごい勢いで上がってきてるんですよね。だから、1%以上の値上がりになる可能性は、私は大ではないかと思っているんですね。だから、そこら辺について、工事として手抜きをしないように、せっかく何十年に1回しかつくれない船ですから、そこら辺についてしっかりと業者の方々に言って、皆さん方が、1%でも上がったときはその保証をするという形をしっかりと契約の中で受け継いでいますので、していただきたいと思うんですね。
 ただ、この入札のあり方については、法的なものが、先ほど言った第167条の2かな、そう言っていましたけど、その法律的なことを前回のときには全然ちらつかせないで、今回、入札の段階で法律がありましたと言ってから持ってくるということは、何か私たち議会に対して説明が不足しているような感じなんですよね。せっかく前回の2月定例会のときに、あれだけ公正な入札のあり方をするようにということで要望していたと思うんですけれども、議会に対する説明がものすごく不足しているような感じが私はいたしております。
 だから、今回の入札のあり方が、今後もこのような形がどこかで出てくるのかと思うと、何か不信感が募ってくるわけですけれども、この辺については、先ほど委員長も言いましたけれども、資料とか、いろいろな入札のあり方があるときには、そのときにやはり説明していただきたいと思っていますので、このことは要望しておきたいと思います。
◆溝口委員 平成22年のNHK大河ドラマが本県を舞台として、「龍馬伝」が決定されたんですけれども、テレビ等についても、佐世保でNHKの朝ドラがあったときには、ハンバーガーが全国的に知られてきたんですけれども、それとまた同時に、「釣りバカ日誌」が映画で佐世保の方を舞台としてあったんですけれども、そのときには九十九島が、やはり全国的に知られていったと、そういう経緯があるんですけれども、せっかく「龍馬伝」がきて、長崎を大いにPRする機会になってきているんじゃないかと思いますので、このことについて、県の方としてどのようにかかわりをもっていこうとしているのか、それとまた、支援の要請等がそちらの方からあっているのかどうか、そこら辺について聞かせていただければと思っています。
◎松尾観光振興推進本部副本部長 NHK大河ドラマ「龍馬伝」につきましては、ただいま委員の方からお話がありましたとおりでございます。
 県の方としましても、これは観光客だけではなくて、歴史・文化とか、物産とか、農林水産分野とか、幅広い分野で長崎の活性化に資するものであると考えております。そういった趣旨で、全庁的な形で取り組みをしてまいりたいと思います。
 ただ、やはりこういうドラマ等が放映されますと、長崎にたくさんの方に来ていただけるという効果のところが非常に多うございますので、私ども観光振興推進本部の方で、事務局と申しますか、担当させていただきまして、総合的に推進をしていきたいと考えております。
 さらに、これは県だけではなくて、特にゆかりの深いところでいきますと、長崎市が非常に中心になってこようかと思います。さらに、岩崎弥太郎の視点から見たドラマということで、三菱さんの方にもかなり関係が出てくるかと思いますので、これは知事が本会議の方でも答弁しましたように、県下、行政のみならず、経済界等を含めて、広い形で推進を図っていくような取り組みをやってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◆溝口委員 よくわかりました。
 せっかくの機会でございますので、長崎県全体が一緒になって「龍馬伝」に協力していくような、そういう体制をつくってほしいと思うんですね。
 ただ、「釣りバカ日誌」のときには、佐世保の方では、観光コンベンション協会が特に中心になってしていたんですけれども、このことを支援するためのそういう組織づくりというのは、やっぱり要るんじゃないかと思うんですけれども、そこら辺についてはどのように考えているんですか。
◎松尾観光振興推進本部副本部長 私どもも大河ドラマが決定しまして、先行県等の事例も少し調査をしているところでございます。
 実施の方法としては、いろいろなパターンがございまして、全体を包括するような形で推進するケースであるとか、それぞれ役割を持ちながら推進するようなケースがございますので、特に今回の場合は、長崎市が非常に中心的な舞台になってまいりますので、まず、長崎市の方とよく協議をしながら、全体枠というのをつくってまいりたいと考えております。
◆溝口委員 4月30日から「長崎和牛指定店」ということで40店が認定されておりますけれども、認定されて、これを県としてどのように支援していこうとしているんですか。ただその人たちに、業者任せで、業者の方々がそれを売り込んでいこうとしているのかどうか、そこら辺について。
◎松川物産流通本部副本部長 「長崎和牛指定店」に対するお尋ねでございますが、これは長崎和牛銘柄推進協議会という組織を全農長崎県本部、また、県内7農協ほか消費者団体と一緒になって、20団体で組織しております。そこには県、私ども物産流通推進本部、それから畜産課が入っております。
 これは、先ほどご質問がございましたように、4月30日に40店舗の指定をいたしました。これを今、どうやってPRしていくかというお尋ねでございますが、これにつきましては、現在、全農県本部のホームページの中におきまして、全店舗の指定店のPRをしておりますし、県といたしましては、これまで県の広報媒体、テレビ、それから地元の長崎新聞で日曜日に配布されている、日曜版の「とっとっと」という媒体がございます。こういったものを使いまして、PRを重ねております。
 「長崎和牛指定店」は、長崎和牛を常時販売、または銘柄の普及、宣伝に努める店舗でございますので、この普及を進めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
◆溝口委員 認定については、県の方が認定という形をとったのか、協議会の方でつくっているのか、そこら辺についてもちょっと聞かせていただきたいんですけれども、これは、今言うように、全国に発信しているという形をとっていると思うんですけれども、観光と結び合わせた形というのも、やはり必要ではないかと思うんですよね、観光振興と。そこら辺についてのお互いの話し合いというのは、何もしてないんですか。
◎松川物産流通推進本部副本部長 まず、認定はどこが行ったかというお尋ねでございますが、先ほど申し上げました、20団体でつくっております長崎和牛銘柄推進協議会、こちらが認定をいたしております。
 それとあと、PRの件でございますが、これにつきましては、今、全農県本部の力をいただきながら、長崎和牛銘柄推進協議会でパンフレットを作成いたしました。これは先週できたばかりでございますが、指定店が掲載されてございますので、これを今後、ぜひ観光振興推進本部の方にも情報提供しまして、PR等に努めていただきたいと思っております。観光振興推進本部の協力も得て、これから進めてまいりたいと思います。
◆溝口委員 せっかくこのようなすばらしい長崎和牛を全国に売り出していこうということでつくってきているわけですから、観光振興推進本部と一緒になってPRをしていただければ、まだまだ幅が広くなってくるんじゃないかと思っておりますので、ぜひそこら辺を協力的にやっていただきたいと思います。
◆溝口委員 関連で。長崎キヤノン株式会社が設置されることを大変うれしく思っております。本当にご苦労さまでございました。
 先ほどから末次委員の方から質問があっておりますけれども、キヤノンさんが立地するにあたっての地元に対する要望等というのはなかったんでしょうか。
◎加藤企業振興・立地推進本部副本部長 キヤノンさんは、7月7日に立地表明されましたけれども、その前後からの要望等についてですが、先ほど1,000人というお話がございましたけれども、ほかに交通渋滞とか、そういった交通アクセスの問題がございます。したがいまして、周辺のアクセス道路、この辺を十分配慮していただきたいということ。
 それから、先ほどからご質問があっております、雇用の関係でございます。雇用については、確実に雇用を確保できるようにご協力をということがございまして、いずれにしましても、この2点につきましては、私どもも、今、関係の機関と対応について、すぐ協議をいたしておりまして、雇用等につきましては、特に産業労働部とも十分、あるいは教育委員会とも十分連携をとりながら対応を現在しているところでございます。
 以上でございます。
◆溝口委員 わかりました。
 それと、もう一つは、大規模な会社でございますので、これに関係する企業関係ですか、関連企業がたくさんあると思うんですけれども、その辺については、今のところ長崎県の企業で対応できるのか、それともまた、新しくそういう企業を近くに誘致しないといけない状況になっているのか、そこら辺についてはいかがでしょうか。
◎松尾企業振興・立地推進本部長 私どもとしましては、できるだけ県内の企業の新規参入であるとか、もしくは、それでも足りないようなところ、県内の企業ができないような部分があったら誘致もするということで、両面をにらんで、長崎キヤノンさんの成功というんですか、立ち上がりのスムーズ化ということを支援していきたいと思っております。
 第一優先は、長崎県内の地場の企業がキヤノンさんの仕事ができれば一番いいと思っていて、どの時点かでマッチングフェアとかキヤノンさんにお願いをしようと思っております。
 以上でございます。
◆溝口委員 長崎の企業で対応できる部分はそれでいいんですけれども、もしそういうふうにキヤノンさんが、どうしてもこういう企業を近くに引っ張ってきたいということがあれば、そのために工業団地ですね、また造成していかなければいけないと思うんですけれども、そのことについては、企業振興・立地推進本部の方では何か考えているんですか。
◎松尾企業振興・立地推進本部長 従前から佐世保市の朝長市長、もしくは佐世保市の商工関係の当局、並びに地元波佐見町、近隣の大村市等も含めて工業団地というものは、キヤノンさんの関連会社が進出してくる可能性にかかわらず、私どもは必要性を感じておりまして、各市町にそういう県の支援体制も含めてお願いをしているところでございます。
 特に、佐世保市の朝長市長には、十分議論をして、そうお願いをしたいと。できれば、キヤノンさんの希望も、1時間とかということではなくて、30分ぐらいでそういう協力会社があればいいなというのが希望でございますので、そこは我々もそう認識をしております。
 以上でございます。
◆溝口委員 わかりました。
 近隣の佐世保市にしても、また、波佐見町の方でも、町の方で工業団地の計画をするという話も聞いているんですけれども、キヤノンさんに関係する近くの市町が、そういう工業団地を造成するということであれば、ぜひ県の方としても力強くバックアップをしていただいて、工業団地がスムーズに完成していくように、造成ができるように協力をよろしくお願いしたいと思っております。
 以上です。
◆溝口委員 9日の帝国データバンクから出た統計で、上半期、1月から6月までの倒産が、九州・沖縄で過去5年間で一番多かったという話が出てるんですけれども、負債総額も2,450億円ということで、長崎県だけの部分で見ますと、これは東京商工リサーチの長崎支店の方ですけれども、280億円超だったということで、部長報告には、2月から6月までで260億円とあったんですけれども、このように長崎県でも過去4番目の高水準ということになれば、かなり不況感が漂ってきているような感じなんですけれども、県として、この辺の統計を、上半期だけでもこのような形が出ているということをどのようにとらえているのか、ちょっと聞かせていただきたいなと思っております。
◎佐藤商工振興課長 申しわけございません。今、手元に年度ごとのデータは持っておりますけれども、平成19年度全体で見ますと、負債総額1,000万円以上で166件、負債総額が573億9,600億円ということで、前年度に比べて、件数で41.9%、金額で51.4%というふうな増加が出ております。
 これは大型倒産が幾つかございまして、例えば長崎ゼリーが82億円でありますとか、オーケーエンタープライズが61億円、サンアイの57億円、千日電設39億円ということで、負債総額の増加というのは、そういう大型倒産が幾つか出たということでの結果であろうというふうに考えております。
 業種別で見ますと、建設業が43.4%を占めておりまして、公共工事の削減によりまして、建設業が非常に大きな影響を受けているというのが、数字としてもあらわれているという結果だろうというふうに思っております。建設業の次に多いのが、27.7%でごさいますけれども、販売業ということになっております。これも先ほど申し上げましたように、消費が低迷しているということで、販売業の業者さんも非常に大きな影響を受けているという結果であろうというふうに思っております。
 原因別で見ますと、全体の81.3%が販売不振ということでございまして、昔は放漫経営とかいうのが多かったわけですけれども、最近、販売不振ということで、これも景気低迷の影響が非常に大きく出ているという結果であろうというふうに思っております。
 以上でございます。
◆溝口委員 平成19年度で言っていただいたんですけれども、私は2008年の上半期のことで新聞発表がありましたので、一応それについて聞いているんですけれども、過去4番目で280億円超ということは、かなり大きな不況がきてるんじゃないかと思うんですね。それで、県の方としてもこのことについて、やはりある程度、今後の対策としては真剣に受け止めて考えていく必要があるんじゃないかと思うんですね。だから、本当は原因をよく究明していかないといけないんですけれども、やはりこれには原油高等もかかわっているし、公共事業が減って、建設業界の方も困っているとは思うんですけれども、何が原因かというのを、やはり県としては早めにつかんでいく必要があるんじゃないかと思うんですよ。このことについて、どのように考えているんですか。
◎佐藤商工振興課長 原因として考えられるのは、先ほど申し上げましたように、公共工事が減少しておりますとか、あるいは景気低迷で販売額が落ちてるんだと、あるいは先ほど委員もおっしゃいましたように、原油あるいは資材の高騰で経営状況が悪化しているということが、非常に大きな原因であろうというふうに思っております。
 県におきましては、県内の商工会議所と商工会連合会5カ所に、「倒産防止の特別相談室」というのを設けておりまして、倒産を回避する手だて、あるいは円満に収束をしていただくような手だてなどのご相談に専門家を配置しましてご相談に応じているという状況でございますし、あるいは倒産を回避するために制度資金が必要だという方につきましては、それなりの、例えば中小企業振興資金の経営安定枠でありますとか、あるいは他社倒産の余波を回避するための連鎖倒産防止資金等を用意いたしまして、倒産の回避にも努めているという状況でございます。
 以上でございます。
◆溝口委員 今言うように、今までのメニューの中ではわかるんですけれども、金融については、かなり優しいようで厳しいんですよね、保証協会の保証等があってですね。それで、今、業者によっては、私たちにも言ってくるんですけれども、制度資金をつくるために県の方が銀行関係に預けていて、それを借りれるような体制をせっかくとっているんですけれども、あまりにも厳しくて、資金の借り入れができないと。去年まで借りられていたのが、急に貸さなくなるとか、県の方として、せっかくそういう制度を設けて、自分たちでは中小企業のために一生懸命やってるんだという感じが、自負があるんですけれども、それがなかなか中小企業の方々には反映してないと私は思うんですよ。
 だから、そこら辺をもう少し検討して、倒産して資金が回収できなくなるというのは問題なんですけれども、やはりある程度の保証人とか何とかをいただければ、そういう形をつくっていただきたいと思うし、前回は、去年までか、一昨年までか、中小企業診断士の中で、そこと話し合えば企業再生ができるような、そういう体制をとれれば貸すとか、そういうシステムがありましたよね。そのことについては、それも受け継ぎながら形をつくっていきたいと言ってましたけれども、そのことについては、今どのような形で、先ほど倒産防止とか言いましたけど、そこにちゃんと話に行けばそういう指導をして、ちゃんと資金を借りれるような会社の改善を指導していただけるんですか。
◎佐藤商工振興課長 今お話の制度資金の関係でございますけれども、昨年10月から中小企業振興資金に事業再生枠という枠を設けております。これは、例えば再生支援協議会の支援を受けて再生計画をつくられた方でありますとか、あるいは金融機関の支援を受けて事業再生計画をつくられた方に加えまして、昨年10月から商工会議所とか、商工会の支援を受けて改善計画を作成されて、商工会、商工会議所の推薦を受けられた方も使えるという形で制度を改正いたしました。
 それから、先ほどちょっとご答弁申し上げられなかった平成20年1月から6月の上期の分でございますけれども、倒産件数が87件、これは前年同期に対しまして45%増加をいたしております。それから、負債総額は280億8,700万円、これも前年同期に比べまして24.6%増加をいたしております。負債総額は、上期だけで見ますと、過去4番目でございます。
 原因別で見ますと、先ほどから申し上げましたとおり、販売不振というのが、全体の約9割を占めておりまして、一番多いという状況でございます。
 業種別で見ましても、建設業が最も多くて36.8%という状況でございます。
 以上でございます。
◆溝口委員 先ほど言いましたように、平成20年のことについては今答えてもらったんですけど、それを受けて私は今質問しているんですけれども、この上半期だけでも、九州・沖縄地区を見ても、過去5年間の中で最多なんですね、倒産としては。だから、その辺について、もう少し県として危機感を持ちながら、この対策とか、対応について考えていかないといけないと思うんですよ。例えば県全体でそういう対策本部を立てることができないなら、少なくとも産業労働部の中ではぴしっとしたものをつくって考えていかないと、今年1年だけでも、どのようになってくるかわからないんですよ。先ほど企業誘致がせっかくできても、そのように倒産して、従業員が右往左往している中で、長崎県が人口が減っているのは、多分、倒産件数が多いために、よそに働きに行かざるを得ないという形が出てるんじゃないかと思うんですね。努力はわかりますよ、フレッシュワーク関係の中で、昨年度だけでも2,884人の就職が決まったということですけれども、やはり長崎県は有効求人倍率も0.59ですか、0.5台ですから少ないんですね。だから、私はもう少し産業労働部として考えていかないといけないと思うんですよ。新聞等の発表がありましたように、明確に出ているわけですから、これは7月9日に出ているわけですよ。このことについて、もう半月以上たってるわけですよ。だから、ある程度の危機感がないと私は思うんですね。それを考えていただきたいなと思っております。
 特に燃油高については、材料なんかについても、いろんなものに原油高がかかわってきているんじゃないかと思うんですね。だから、原油高に対する県としての対策は、中小企業に対して融資等だけが対策なんですよ、私がずっと見ても。先ほど言ったように、倒産する会社についても、金融の支援ですけれども、難しい金融の支援の仕方なんですね。だから、何か産業労働部としての対策を、危機感を持ちながら、対策本部ではないですけど、産業労働部の中でもつくっていただきたいなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎永渕産業政策課長 委員ご指摘のように、最近、大きなホームセンターとか、物販業の倒産が多くて、それが今年度の倒産額を押し上げる結果になっていると。
 これは、私どもが先週、原油価格高騰に伴う中小企業の緊急調査を実施しましても、やはり小売業の方、特に郊外型の小売業あたりは、やっぱりガソリン価格の高騰あたりでかなり影響を受けている。あるいは、郊外型のレストランなんかも非常に客足が細っているというような声も、実際聞こえたところでございます。
 今ご説明しましたように、昨年度から中小企業振興資金の経営安定枠の中に、そういった意味で企業が銀行に行ってもなかなか借りられない状況があるということを銀行から、あるいは商工会議所からお聞きしたものですから、そういった意味で、商工会議所はもうちょっと踏み込んだ支援をして、経営内容が見えるような資料をつくって持っていけばいいような仕組みをつくったわけですけれども…
◎永渕産業政策課長 おっしゃるように、原因等を早急に商工会議所、あるいは中小企業再生支援協議会、こういったところからも話を聞きまして、県として原因分析と、この後の対応について考えてまいりたいと考えております。
◎小島産業労働部長 倒産の防止とか、原油高に対する対策本部のようなものをつくればどうかというお話でございます。
 これは産業労働部だけでなくて、商工会連合会、あるいは商工会議所、中央会、それから地元の銀行等にも声をかけまして、早急にそういう連絡会議、あるいは対策本部というようなものを立ち上げたいと思います。
 以上でございます。
◆溝口委員 ありがとうございました。
 ぜひ県を巻き込んで、県庁ということではなくて、産業労働部が中心になって、そういう商工会とか、皆さん方と話し合いをして、対策をどのようにしていくかということを明確につくっていかなければ、長崎県の景気はよくならないと思うんですよ。だから、原因を突きとめるだけではなくて、原因を突きとめたならば、対策をどのようにしていくか、対応をどのようにしていくかということを、やはり的確に産業労働部としての政策の中に反映をしていただきたいと私は思っております。これは要望としておきます。
 それから、太陽光発電を共同研究としてハウステンボス事業の方で採択になったということでございますけれども、このことについては、総事業費が大体8億円ぐらいかかるということですけれども、そのうちの半分をNEDOが負担するということで、5年間かけて共同研究をしていくということですね。その中で県として、また佐世保市としてどのような支援を考えているのか、聞かせていただきたいと思います。
◎沢水新産業創造課長 委員ご指摘のとおり、今回、ハウステンボスが「長崎次世代エネルギーパーク」の一環として、NEDOの太陽光の発電のフィールドテスト事業に申請をいたしました。それが共同研究先として採択をされましたけれども、現在、事業費として具体的に固まっているわけではございませんが、ハウステンボスが申請をされている申請事業費が約8億ちょっとあるということで聞いておりまして、この制度といたしましては、その2分の1をNEDOが負担をして、5年ぐらいかけて共同研究をやっていくということになっているところでございます。
 具体的な中身につきましては、今後また、NEDOとハウステンボスとでこれから契約を結んでいかれるということになりますので、その時点で確定をしていくんじゃないかと現時点は思っております。今、次世代エネルギーパーク運営協議会をつくっておりますが、運営協議会の中で運営していくことでできるものがあれば、県としても協議会の中で支援をしてまいりたいと考えております。
◆溝口委員 そうしたら、NEDOとハウステンボスの関係の中での共同研究であって、県と市については、まだ今のところどのような支援をしようかという話はなされてないということで理解していていいわけですか。
◎沢水新産業創造課長 この部分につきまして、直接県と佐世保市が何か支援をするというようなことにつきましては、現時点ではまだ決まっておりません。
◆溝口委員 わかりました。
 ただ、今、環境問題で、温暖化の問題がかなり出てるんですよね。それで、県としてハウステンボスが共同事業の中で研究をやっていこうという中で、県としては、今のところ何のかかわりもないといったら、私は何を温暖化の問題で考えているのかという部分があるわけですよ。だから、この太陽光発電について、県としてももう少し力を入れて、民間のそれぞれの家屋に設置することに対してのいろいろな助成策をもう少し積極的に考えていいんじゃないかと思うんですね。そのことを国の方にも発信していっていいんじゃないかと私は思うんです。
 テレビ等でやっていたんですけれども、ドイツの方では、これを一般の民間の方々にも、年間1万円ぐらいを支出していただいて、それをそのような設備をする人たちに助成をしているとか聞いたんですけれども、長崎県としても、そういう大きなやり方というのを何か政策的に考えてもいいんじゃないかと思うんですけれども。
◎沢水新産業創造課長 まず、次世代エネルギーパークということで国が推し進めております内容につきましては、CO2削減のような温暖化防止よりも、太陽光等の新エネルギー設備、これを体験施設とか、そういう設備を整備して、新エネルギーについて国民にふれる機会を増やして、次世代エネルギーのあり方を理解していただこうというのが趣旨でございまして、本県におきましては、その整備計画について計画申請をし、それの認定を受けております。
 当然、本県といたしましては、長崎の薄膜形の太陽電池ですね、これは生産拠点として長崎の大手企業の製品がありますから、それを全国的に周知するというようなことで、当然、長崎県の交流人口を拡大するとか、観光振興に役立てるとか、長崎県の新エネルギー産業の振興に役立てるとか、そういう趣旨でこの計画を推進しているところでございます。
 それともう一つ、太陽光発電設備の一般家庭への普及の話でございますけれども、確かにドイツについては、フィードインタリフという制度がありまして、一般家庭が負担する電気料金に上乗せをして、その太陽光発電を使って売電をした人について、電気代の3倍ぐらいの値段で買い取るというようなことを、これは国策としてやっているということで理解しております。
 今後、経済産業省の方でも、新しい普及制度ということで、平成17年度に廃止をいたしました家庭用の太陽光発電設備の普及への助成について、今回復活して、制度が検討されるということも聞いておりますので、そういうのを見極めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◆溝口委員 最後に、CO2の問題の中で、削減で、それぞれ国として課せられた分があると思うんですけれども、例えば長崎県なら長崎県にこれだけの削減をしなさいとか、そういう話はきてないんですか。
◎沢水新産業創造課長 国レベルの話でございまして、私が理解している限りでは、長崎県へのそういう割り当てというのはないのではないかと考えております。
 以上でございます。