平成22年  6月定例会 環境生活委員会 - 06月17日−01号

平成22年  6月定例会 環境生活委員会

1、開催年月日時刻及び場所
  平成22年6月17日
          自  午前10時1分
          至  午後4時37分
          於  本館5−A会議室
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2、出席委員の氏名
    委員長(分科会長)  陣内八郎君
    副委員長(副会長)  溝口芙美雄君
    委員         松田正民君
     〃         八江利春君
     〃         三好徳明君
     〃         野口健司君
     〃         高比良末男君
     〃         瀬川光之君
     〃         金子三智郎君
     〃         山口初實君
     〃         西川克己君
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3、欠席委員の氏名
         なし
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4、委員外出席議員の氏名
         なし
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5、県側出席者の氏名
    土木部長       桑原徹郎君
    土木部次長      鶴田孝廣君
    土木部次長      田中修一君
    土木部参事監     加藤 永君
    監理課長       木村伸次郎君
    建設企画課長     宮崎東一君
    新幹線事業対策室長  清水正明君
    都市計画課長     西村博史君
    道路建設課長     大我龍樹君
    道路維持課長     田崎敏昭君
    港湾課長       田村孝義君
    河川課長
               西田正道君
    (参事監)
    砂防課長       松永 守君
    建築課長       安武 清君
    住宅課長       大場光洋君
    用地課長       大場 明君
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6、審査事件の件名
◯予算特別委員会(環境生活分科会)
第55号議案
 平成22年度長崎県一般会計補正予算(第1号)のうち関係部分
第57号議案
 平成22年度長崎県港湾施設整備特別会計補正予算(第1号)
報告第1号
 平成21年度長崎県一般会計補正予算(第10号)のうち関係部分
報告第8号
 平成21年度長崎県庁用管理特別会計補正予算(第4号)のうち関係部分
報告第10号
 平成21年度長崎県港湾施設整備特別会計補正予算(第1号)
報告第11号
 平成21年度長崎県流域下水道特別会計補正予算(第4号)
報告第12号
 平成21年度長崎県港湾整備事業会計補正予算(第3号)のうち関係部分
報告第13号
 平成21年度長崎県交通事業会計補正予算(第4号)
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7、付託事件の件名
◯環境生活委員会
 (1) 議案
第66号議案
 雲仙公園使用条例の一部を改正する条例
第67号議案
 長崎県立自然公園条例の一部を改正する条例
第68号議案
 長崎県未来につながる環境を守り育てる条例の一部を改正する条例
第69号議案
 長崎県県営空港条例の一部を改正する条例
第74号議案
 契約の締結の一部変更について
第75号議案
 長崎県建設工事紛争審査会への仲裁申請について
 (2) 請願
     なし
 (3) 陳情
・陳情書(県工事の直接発注(分離発注)について)
・諫早市政策要望(諫早駅周辺整備への協力と支援について 外)
・要望書(西九州自動車道の調査促進・早期事業化及び主要地方道平戸田平線、国道383号の改良整備の促進について 外)
・陳情書(エコアクション21認証・登録制度の普及と活用にかかるお願い)
・県の施策に関する要望書(医療機関の再編に伴う支援について 外)
・活動費支援のお願い(カネミ油症五島市の会の支援について)
・諫早湾調整池の猛毒アオコに関して、長崎県に対し、緊急に実態調査と対策を求めていただく陳情
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8、審査の経過次のとおり
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     −午前10時1分 開会−
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○陣内委員長 おはようございます。
 ただいまから環境生活委員会及び予算特別委員会環境生活分科会を開会いたします。
 先般の人事異動による新任幹部職員の紹介につきましては、各部局ごとに受けることといたしたいと存じますので、ご了承をお願いいたします。
 これより、議事に入ります。
 まず、会議録署名委員を慣例によりまして、私から指名させていただきます。
 会議録署名議員は、野口委員、山口(初)委員のご両人にお願いいたします。
 今回、本委員会に付託されました案件は、第66号議案「雲仙公園使用条例の一部を改正する条例」ほか5件であります。このほか、陳情7件の送付を受けております。
 なお、予算及び報告議案につきましては、予算特別委員会に付託されました予算及び報告議案の関係部分を環境生活分科会において審査することになっておりますので、本分科会として審査いたします案件は、第55号議案「平成22年度長崎県一般会計補正予算(第1号)」のうち関係部分ほか7件であります。
 次に、審査の方法についてお諮りいたします。
 審査は、分科会審査、委員会審査の順に行うこととし、各部局ごとに分科会による予算及び報告議案、委員会による関係議案、陳情の順に進め、その終了後、議案外の所管事務一般についての質問を行うことにいたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 ご異議がないようですので、そのように進めることにいたします。
 ここで、審査順序について協議をさせていただきますので、しばらく休憩いたします。
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     −午前10時4分 休憩−
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     −午前10時5分 再開−
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○陣内委員長 委員会及び分科会を再開いたします。
 各部局の審査順序につきましては、1日目を土木部、2日目に環境部、3日目に交通局と県民生活部の順で審査を行うことといたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 ご異議がないようですので、そのように進めることにいたします。
 これより、土木部関係の審査を行います。
○陣内分科会長 まず、分科会による審査を行います。
 予算及び報告議案を議題といたします。
 土木部長より、予算及び報告議案説明をお願いいたします。
◎桑原土木部長 おはようございます。
 土木部関係の議案説明に入ります前に、4月1日付の人事異動により幹部職員の異動がありましたので、まず、新任幹部職員のご紹介をさせていただきます。
     〔新任幹部職員紹介〕
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、土木部関係の議案についてご説明いたします。
 今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第55号議案「平成22年度長崎県一般会計補正予算(第1号)」のうち関係部分、第57号議案「平成22年度長崎県港湾施設整備特別会計補正予算(第1号)」、報告第1号「知事専決事項報告(平成21年度長崎県一般会計補正予算(第10号))」のうち関係部分、報告第8号「知事専決事項報告(平成21年度長崎県庁用管理特別会計補正予算(第4号))」のうち関係部分、報告第10号「知事専決事項報告(平成21年度長崎県港湾施設整備特別会計補正予算(第1号))」、報告第12号「知事専決事項報告(平成21年度長崎県港湾整備事業会計補正予算(第3号))」のうち関係部分であります。
 まず、平成22年度補正予算関係についてご説明いたします。
 今回の補正予算は、当初予算が骨格予算となっていたため、公共事業に対する国の内示に伴う調整や単独事業の追加について補正しようとするものであります。
 まず、歳入予算では、分担金及び負担金15億億4,818万1,000円の増、使用料及び手数料1,725万4,000円の増、国庫支出金137億5,475万8,000円の増、諸収入2億5,497万7,000円の増、県債4億9,790万円の増、合計160億7,307万円の増となっております。
 また、歳出予算では、土木管理費7,522万2,000円の増、道路橋りょう費184億9,839万6,000円の増、河川海岸費38億8,751万3,000円の増、港湾空港費32億5,580万4,000円の増、都市計画費52億8,618万9,000円の増、住宅費2億3,792万9,000円の増、合計312億4,105万3,000円の増となっております。
 これにより、土木部関係の一般会計歳出予算総額は、899億8,121万2,000円となります。
 次に、補正予算の主な内容についてご説明いたします。
(海砂採取対策費)
 海砂採取に係る調査等を検討する会議に要する経費として、単独事業146万6,000円の増。
(重要幹線街路費)
 都市計画道路浦上川線ほかの街路事業に要する経費として、単独事業49億4,646万1,000円の増。
(都市公園整備費)
 長崎県立総合運動公園ほかの県立都市公園整備事業に要する経費として、公共事業2億6,054万7,000円の増、単独事業4,337万9,000円の増。
(道路新設改良費)
 一般国道251号(愛野森山バイパス)ほかの改良工事に要する経費として、公共事業42億2,521万8,000の増。
(特殊改良一種費)
 一般県道唐崎岬(からさきみさき)線(対馬市)ほかの局部改良工事に要する経費として、公共事業3億291万1,000円の増。
(地域自立・活性化交付金事業費(道路整備))
 一般県道雲仙千々石線(雲仙市)ほかの改良工事に要する経費として、公共事業1億5,752万3,000円の増。
(国直轄道路事業負担金)
 西九州自動車道や島原道路ほかの国直轄国道の改築及び修繕等に要する経費の県負担金として、公共事業2億1,948万7,000円の増。
(道路改良費)
 平成22年度新規事業である人にやさしい道づくり事業及び主要地方道平戸田平線(平戸市)ほかの改良工事に要する経費として、単独事業49億6,068万円の増。
(橋りょう整備費)
 主要地方道佐世保吉井松浦線(佐世保市)ほかの橋梁整備に要する経費として、公共事業5億3,473万2,000円の増、単独事業13億5,502万5,000円の増。
(交通安全施設費)
 一般国道383号(平戸市)ほかの交通安全施設等の整備に要する経費として、公共事業2億6,032万8,000円の増、単独事業21億2,658万8,000円の増。
(道路災害防除費)
 一般国道384号(五島市)ほかの道路災害防除事業に要する経費として、公共事業5億3,402万6,000円の増、単独事業12億8,081万3,000円の増。
(地域自立・活性化交付金事業費(道路修繕))
 広域的地域自立活性化基盤整備計画に基づく道路修繕整備に要する経費として、公共事業5億8,415万4,000円の増。
(舗装補修費)
 一般国道202号(長崎市)ほかの沿道環境の改善を図る低騒音舗装及び舗装補修に要する経費として、単独事業14億6,910万5,000円の増。
(過疎市町村代行費)
 市道堤線(平戸市)の改良事業の代行に要する経費として、単独事業1億2,565万4,000円。
(橋りょう補修費)
 一般県道平瀬佐世保線(佐世保市)ほかの橋梁補修に要する経費として、公共事業3,413万6,000円の増、単独事業1億2,348万円の増。
(港湾改修費)
 長崎港ほかの防波堤、岸壁、道路等の整備に要する経費として、また、ハウステンボス関連予算7億7,800万円を含む、公共事業23億5,180万4,000円の増、単独事業3億2,750万円の増。
(港湾区域海岸保全費)
 口(くち)ノ津(のつ)港ほかの港湾区域内の護岸等の海岸保全施設の整備に要する経費として、公共事業2億9,304万9,000円の増。
(海岸環境整備費)
 下田港ほかの港湾区域内の海岸環境整備に要する経費として、公共事業1億3,050万3,000円の増。
(総合流域防災費)
 牟田川(五島市)ほかの改修などに要する経費として、公共事業3億610万円の増。
(地域自立・活性化交付金事業費(河川環境整備))
 刈田院川(壱岐市)ほかの環境整備に要する経費として、公共事業1億3,957万2,000円の増。
(河川改修費)
 平成22年度新規事業であるふるさと輝くみんなの水辺づくり事業及び江迎川(佐世保市)ほかの改修に要する経費として、単独事業9億220万円の増。
(河川総合開発費)
 国の内示に伴い、公共事業7億700万円の減。
(情報基盤整備事業費)
 国の内示に伴い、公共事業1億4,668万円の減。
(海岸老朽化対策緊急事業費)
 脇岬西南海岸の老朽化対策事業に要する経費として、平成22年度より新たに、公共事業3億3,600万円。
(通常砂防費)
 大日川(だいにちがわ)(佐々町)ほかの砂防施設の整備に要する経費として、公共事業2億9,707万4,000円の増。
(火山砂防費)
 四郎丸前川(しろうまるまえがわ)(東彼杵町)ほかの火山地域内砂防施設の整備に要する経費として、公共事業2億8,157万5,000円の増。
(地すべり対策費)
 山手(やまて)地区(西海市)ほかの地すべり防止施設の整備に要する経費として、公共事業3億3,071万6,000円の増。
(急傾斜地崩壊対策事業費)
 日野(8)地区(佐世保市)ほかの急傾斜地崩壊防止施設の整備に要する経費として、公共事業13億2,165万5,000円の増。
(砂防基礎調査費)
 土砂災害防止法による土砂災害警戒区域等設定のための調査に要する経費として、公共事業2億699万5,000円の増。
(国直轄砂防事業負担金)
 水無川(島原市)ほかの国直轄砂防事業に要する経費の県負担金として、公共事業2億4,180万円の増。
(砂防事業費)
 山口川(諫早市)ほかの砂防施設等の整備に要する経費として、単独事業2億5,045万円の増。
(アスベスト改修事業費)
 民間建築物のアスベスト除去等対策工事を推進するために面積制限を撤廃し、健康被害の軽減化を図るための経費として、単独事業6,705万3,000円。
(大型工事発注方式調査事業費)
 大型建築プロジェクトにおける新しい発注方式を実施するための調査経費として、平成22年度より新たに、単独事業510万2,000円。
(公営住宅建設費)
 県営住宅の建設等に要する経費として、公共事業1億6,810万4,000円の増などを計上いたしております。
 次に、債務負担行為についてご説明いたします。
 1.幹線街路整備工事について、年度を越えて一括契約を締結するため、重要幹線街路費(単独)2億8,000万円。
 2.道路橋梁整備工事について、年度を越えて一括契約を締結するため、道路新設改良費7億8,000万円の増、地域自立・活性化交付金事業費2億円、道路改良費(単独)15億9,000万円の増、橋りょう整備費(公共)23億円の増、橋りょう整備費(単独)15億2,000万円の増。
 3.港湾改修工事について、年度を越えて一括契約を締結するため、港湾改修費6億円の増。
 4.通常砂防工事等について、年度を越えて一括契約を締結するため、砂防費8億7,000万円の増。
 5.住生活基本計画改定業務委託について、年度を越えて一括契約を締結するため、住宅マスタープラン策定費1,130万円について債務負担行為しようとするものであります。
 次に、第57号議案「平成22年度長崎県港湾施設整備特別会計補正予算(第1号)」についてご説明いたします。
 今回の補正予算は、港湾機能施設整備事業に要する経費について、歳入、歳出それぞれ2億5,700万円を増額いたしております。
 以上が、平成22年度補正予算関係部分であります。
 続きまして、知事専決事項報告について、ご説明いたします。
 本件は、平成22年3月定例会の本委員会において、専決処分により措置することについて、あらかじめご了承いただいていたものでありますが、歳入面で国庫補助金等の額が最終的に確定したこと及び歳出面での年間執行額の確定に伴い、去る3月31日付をもって知事専決処分したものであります。
 まず、報告第1号知事専決事項報告(平成21年度長崎県一般会計補正予算(第10号))のうち土木部関係部分についてご説明いたします。
 補正予算の総額は、歳入5億8,789万4,000円の増、歳出15億3,415万5,000円の減であります。
 これにより、土木部関係の一般会計歳出予算総額は、1,055億6,407万5,000円となります。
 補正予算の主な内容を歳入、歳出別にご説明いたしますと、歳入予算では、分担金及び負担金6億6,331万6,000円の増、使用料及び手数料6,255万4,000円の増、国庫支出金1億3,054万7,000円の減、財産収入2,797万9,000円の増、繰入金477万9,000円の減、諸収入6,372万9,000円の減、県債3,310万円の増、合計5億8,789万4,000円の増。
 歳出予算では、企画費379万1,000円の減、土木管理費3億5,082万8,000円の減、道路橋りょう費1億9,933万円の減、河川海岸費2億9,276万7,000円の減、港湾空港費2億8,402万円の減、都市計画費3,731万8,000円の減、住宅費3億1,466万5,000円の減、公共土木施設災害復旧費5,143万6,000円の減、合計15億3,415万5,000円の減となっております。
 次に、歳出予算の主な内容についてご説明いたします。
(道路改良費)
 橋りょう整備費からの振替等により、単独事業1億3,400万円の増。
(橋りょう整備費)
 道路改良費への振替により、単独事業2億4,100万円の減。
(港湾施設整備特別会計繰出金)
 特別会計の事業費変更に伴い、単独事業1億3,281万1,000円の減。
(国直轄河川事業負担金)
 国直轄河川事業に要する経費の精算に伴う県負担金として、公共事業1億402万5,000円の減。
(公営住宅建設費)
 事業費の変更に伴い、公共事業1億7,481万3,000円の減などをそれぞれ補正いたしております。
 また、歳出予算のほか、繰越明許費の補正をお願いいたしております。
 次に、報告第8号知事専決事項報告(平成21年度長崎県庁用管理特別会計補正予算(第4号))のうち土木部関係部分についてご説明いたします。
 今回の補正は、事業費の変更に伴い、歳入、歳出それぞれ、8,134万9,000円を減額いたしております。
 次に、報告第10号知事専決事項報告(平成21年度長崎県港湾施設整備特別会計補正予算(第1号))についてご説明いたします。
 今回の補正は、事業費の変更に伴い、歳入、歳出それぞれ、7,387万6,000円を減額いたしております。
 次に、報告第12号知事専決事項報告(平成21年度長崎県港湾整備事業会計補正予算(第3号))のうち土木部関係部分についてご説明いたします。
 土地売却収益の減等に伴い、収益的収入で、6,463万4,000円の減、土地売却原価の減等に伴い、収益的支出で、7,035万7,000円の減、建設改良事業費の減等に伴い、資本的支出で、39万5,000円の減をそれぞれ補正いたしております。
 次に、平成21年度長崎県一般会計歳出予算繰越明許費繰越計算書報告のうち、土木部関係部分についてご説明いたします。
 繰越額の内訳は、企画費8億6,562万円、土木管理費94万2,000円、道路橋りょう費207億9,563万7,000円、河川海岸費45億9,005万1,000円、港湾空港費23億6,103万4,000円、都市計画費54億3,654万7,000円、住宅費9億1,422万4,000円、公共土木施設災害復旧費1億1,738万2,000円、合計350億8,143万7,000円であります。
 繰越の理由は、地元関係者との調整難航や用地補償交渉の難航、設計・工法等の変更などによる工期不足により、年度内執行が困難になったことによるものであります。
 繰越計算書報告については、以上のとおりでございます。
 以上をもちまして、土木部関係の説明を終わります。
 何とぞ、よろしくご審議のほどお願いいたします。
○陣内分科会長 ありがとうございました。
 次に、監理課長、道路建設課長、港湾課長から補足説明の申し出があっておりますので、これを許可いたします。
◎木村監理課長 お手元に配付しております予算特別委員会環境生活分科会課長補足説明資料の1ページをご覧ください。
 先ほど部長からも説明がありましたとおり、平成22年度6月補正予算は、当初予算が骨格予算となっていたため、公共事業の内示に伴う補正及び単独事業の追加について補正しようとするものでございます。
 6月補正後の予算、この表でいきますとCのところでございますが、Cの予算と昨年21年度の当初予算@を比較いたしますと、伸び率はEの最下段の三角の15.2%の減となっております。
 ただし、6月補正後の予算が国の内示ベースとなっていますことから、昨年度の当初予算の内示ベースの額が@’でございますが、その額と比較いたしますと、普通建設補助事業につきましては10.9%の減、国直轄事業負担金につきましては35.8%の減となっております。
 これは、国の公共事業予算削減の影響でございまして、今回これを踏まえ、普通建設単独事業を12.8%増といたしまして、その結果、土木部計は5.4%の減となっております。
 国の公共事業関係予算が大幅に減少する中、厳しい県の財政状況ではありますが、可能な限り県単独事業を追加し、県民の暮らしの安全を確保するとともに、地域経済を下支えする公共投資を確保しようとするものでございます。
 なお、6月補正後の予算を前年度と比較しますと、大幅な減ではありますが、2月臨時議会で議決をいただきました経済対策補正予算、4月当初の骨格予算、今回の6月補正予算と切れ目ない予算執行に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 続きまして、繰越計算書報告について補足してご説明させていただきます。
 2ページをお開きください。
 平成21年度の土木部関係の一般会計の予算は、経済対策に伴う追加補正がございまして、約1,056億円と平成20年度に比べ約112億円、11.9%の増となっております。
 繰越が増えた要因の主なものといたしましては、新幹線建設事業が地域振興部から移管されたことに伴い、約7億円の繰越が増となったこと、また、経済対策による追加補正、約146億円につきまして、年度内執行に努めてきたところではございますが、結果として約64億円が繰越となったことが上げられます。
 3ページをご覧ください。
 繰越額理由別調書でございます。
 平成21年度の繰越額は、下から3行目の平成21年度一般会計合計350億8,143万7,000円でございます。
 その下の行の平成20年度の繰越額281億7,484万4,000円と比較いたしますと、69億659万3,000円の増となっております。
 繰越の原因の主なものは、地元調整の難航による繰越が、210億3,644万2,000円でございます。
 具体的には、工事の施工に伴う騒音・振動等に関する要望・苦情等に対し対策を講じ、同意を得るため不測の日数を要したものでございます。
 次に、用地補償交渉の難航によるものが、67億1,468万5,000円となっております。
 今後とも、繰越事業の早期完成に向けて最大限の努力をしてまいります。
 以上が、一般会計の繰越額の概要でございますが、繰越の多い事業につきましては、関係課長より説明させていただきます。
 以上でございます。
◎大我道路建設課長 道路関係の繰越についてご説明申し上げます。
 繰越金額につきましては、道路建設課、道路維持課を合わせて207億9,563万7,000円で、件数は323件でございます。
 昨年度と比較しますと、繰越額で54億1,655万5,000円、約35%の増、繰越件数で90件、約39%の増となっております。
 このうち主なものについて、ご説明いたします。
 西海市小迎の一般国道206号道路改良工事におきましては、設計工法を変更したことに伴い、繰り越しを行っております。
 具体的には、道路土工の山切り工事を施工していたところ、当初、想定した以上に地盤が悪く、法面の滑動が発生しました。そのため、工事を一時中断し、再度調査設計を行い、施工内容を見直して工事を再開しましたが、不測の日数を要したために約10.2億円の繰り越しを行っております。
 また、長崎市栄上の一般国道499号道路改良工事におきましては、地元調整の遅れに伴い、繰り越しを行っております。
 具体的に申し上げますと、栄上工区の都市計画について、昨年9月の長崎県都市計画審議会で決定する見込みでありましたが、継続審議となり、昨年12月での決定となりました。このように不測の日数を要したことから、用地買収への着手が遅れ、結果として約3億円の繰り越しを行っております。
 繰越の主な理由としましては、こうした設計工法の検討や、地元調整に不測の日数を要したことのほか、用地交渉に不測の日数を要したことにより、予算執行時期が遅れたため、年度内施工が困難になったもの等でございます。
 今後とも、引き続き事業の早期完成に向けて、最大限の努力をしてまいります。
 以上でございます。
◎田村港湾課長 お手元の課長補足説明資料の4ページをご覧ください。
 ハウステンボス関連施設公有化事業について、補足してご説明いたします。
 県が行いますハウステンボス再生支援としまして、港湾施設でありますシャトルハーバーとマリーナの県有化を行いますので、両施設の継続に必要な整備を行います。
 内容につきまして、図面でご説明いたします。
 まず、図面中央のシャトルハーバーについては、現在、長崎空港との間に1日5便の定期旅客船が就航しております。県有化後は、佐世保市民や西海市民並びに観光客の空港への海上アクセスの拠点としての利用を見込んでおります。
 シャトルハーバーの右側のターミナルは、現在の施設を引き続き使用いたします。現在、ターミナルまでのアクセス道路がありませんので、市道からターミナル間に、図面右上に赤で示しております臨港道路を、新たに整備するとともに、防波堤基部の突堤に、定期船利用者の駐車場も整備いたします。
 この臨港道路と駐車場の整備は、公共事業で行い、事業費は5億2,000万円を予定しております。また、あわせてターミナルの周辺整備を行いますが、県単独事業による整備を予定しております。
 なお、防波堤、桟橋などの港湾施設とデッキ広場及び臨港道路の用地、ターミナルの底地と建物は、すべて無償で譲渡をしていただきます。
 次に、マリーナについては、既設のマリーナ内の桟橋と左下のマリーナ管理棟、船の修理場、陸上保管場などの土地、修船庫につきましても、無償で譲渡を受け、引き続き使用いたします。
 また、マリーナへのアクセス道路については、ハウステンボスと協議の結果、図面左下の現在のマリーナ用道路を引き続き利用できることになりました。
 なお、道路には無償で地役権を設定します。
 マリーナ部の施設整備としましては、今回の移管に伴い、マリーナ利用者がハウステンボスの有料ゾーンへの出入りができなくなることから、無料ゾーンへのアクセスとして、図面中央の下ほどに図示しています連絡橋を設置いたします。
 また、マリーナ管理棟内の改修を行い、クラブハウスとしての機能を確保いたします。その他、マリーナ内の桟橋が老朽化していることから、補修などもあわせて行うこととしております。
 これらマリーナ関連の事業は、県単独予算で行い、先ほど説明したターミナル周辺の事業とあわせ、県単独事業費の合計は2億5,800万円を予定しております。
 したがいまして、今回、ハウステンボス関連施設の公有化事業としては、公共事業、県単独事業を合わせ7億7,800万円を計上しています。
 以上の施設等は、今年度中に整備するとともに、適切な管理形態も検討し、平成23年4月から、県管理施設としての運用開始を目指しております。
 ご審議のほど、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○陣内分科会長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより予算及び報告議案に対する質疑を行います。
 ご質疑はございませんか。
◆金子委員 予算関係ということで若干ご質問させていただきたいと思います。
 例えば、先日説明に来られましたけれども、道路等々において鉄骨、鉄材の値上げによる補償の上乗せは、今回の補正の中に上がっていると思っております。
 実は、先日は、一番鉄を使うであろう日本で最大手のトヨタがトン当たり約2万数千円の引き上げを行われたようでもございます。ということになれば、建築関係というのは土木にかかわらず、トンネルにしろ必ず鉄筋なり何なりが入ってくるということで、その補正というふうな分がかなり出てくるんじゃないかなと。そうした場合、もう既にどの段階で、その差額計算というのをされているのか。それとも向こうの業者から、こういうふうな形で引き上げになったから厳しいんですよといった段階なのか。それとも事前に県として、この工事には大体何トン、何立米使っているということで鉄筋、もしくは鉄骨、その他さまざまな鉄材の価格を調査されて、一定のイニシアチブをとられているのか、そこを教えていただければと思います。
◎宮崎建設企画課長 鋼材等の単価の変動については、平成21年度からですけど、毎月改定をしております。一度仮に契約された場合、その後大幅な変動があれば、その時に単品スライドという制度を使って、契約額の変更を行っていきます。ただし、これは契約の受注者の方で申し入れをしてもらって、それからの変更というふうになっていきます。
 以上です。
◆金子委員 これを取られて、期間的にそうたっていないんですけれども、確かに鋼材を入れる時には、鋼材会社の方が立場的に非常に強いものですから、そういうふうなことでかなりこれまで、特に、過去、鋼材関係の引き上げがひどいというふうな時には、とてもじゃないけど、工事をやればやるほど赤字が大きくなるよという状況がありました。そういうふうな実態を理解いただいて、鋼材代の引き上げ等々について、実際その差額が出た場合、一定のパーセントで補償されているということは大変ありがたい部分でございます。ただ、これが毎月改定されているんですか。
 そうしますと、それなりの形で、まだ一月になりません。トヨタはかなり安く仕入れたと思うんですけれどもトン当たり約2万数千円の引き上げ、そういうふうな分が出てきたということで、現在それなりの要請というか、単価が非常に厳しいですよというふうに言われて審査中というか、調査中というか、そういうふうな残という分はございますか。
◎宮崎建設企画課長 申しわけありません。今、残と言われたのはどういうことですか。(「それなりの形で要請なり、契約なり、話し合いが継続中、もしくはまだしていないというふうな」と呼ぶ者あり)
 現在聞いている話では、そういう話は聞いていませんので、とりあえず、今の単価で皆さんそのまま仕事自体を進められているというふうに理解しております。
◆金子委員 私も件数的に全体でどれぐらいの量が出ているのかというのは把握しにくいんですけれども、少なくとも道路あたりでも当然下には鉄筋を敷くようなものも当然あるでしょうし、土木の方はよくわからないですけれども、特に建築ということになると物すごい鉄筋量、鉄骨量というのを、鉄筋コンクリートじゃなくて鉄筋だけじゃないかと思うような形で最近建っていますね。これでよくあの部材が入るなと。すごい間隔で入っているようでございます。
 そういうふうに進めていくとすれば、契約時から支払時というのは1カ月、2カ月でないはずですね。少なくとも6カ月単位ぐらいでのスパンの差があるというふうなことがあれば。
 それはどうなんでしょうか、もうそれを業として、業者の皆さん方はやっぱり支払い時点で、「あいた、高うなったよ」という形なのか、それとも鉄鋼関係としては納品の時に、「これは、それじゃ入れられんばい」というふうな形できているんですか、そこの実態はどうなんですか。
◎宮崎建設企画課長 単品スライドでされる場合は、実際に購入単価とその設計単価の差を計算しますので、実際購入される時に、これは高いぞという場合は、それで申し入れをしてもらうと。
 ただし、先ほど委員ご指摘のとおり、1%とかそういう、1%以内は当然受注者がそのまま負担として持ってもらい、それ以上上がった場合は、発注者の方で負担するというふうな考え方になっておりますので、最後でなくても途中で申し入れをしてもらっても構わないということになっております。
◆金子委員 そうですね、設計単価で例えばトン幾らと。トンですね、トン幾らで計算していたと。ところが、実際、設計単価では例えば10であったのを発注していったら12ですよと言われたというふうな時に、これが発生しますよという意味ですね。
 そうすれば例えば施工して、施工スパンが長くなったら、業者としても途中で言ってくるということがあり得ると思うんです。例えば1年半以上たつと、これにも書いてありましたけど、年度をまたがるとかというふうな分もあると思うんです。そういう時にはどういうふうにされているんですか。
◎宮崎建設企画課長 単品スライドの場合は、工期の長短には関係なく申し入れができますので、途中で物すごく上がったという判断を受注者の方がされて、これは申し入れの対象になるという場合に、その時点でしてもらうという話になります。
◆金子委員 設計単価と購入単価について、そうすると途中スパンが長ければ、また改めて6カ月後もしくは8カ月後に購入する時に単価が違えば、その設計単価との差を計算するということですか。わかりました。一応そこだけ確認したかったので。
 終わります。
○陣内分科会長 今の案件については、金子委員、この説明をいただいた中のどれを該当にして質問されたのですか。
 というのは、後ほど委員会の契約案件について物価スライドの件で説明がありますよね。そこで改めて、また質問があればしてください。
◆金子委員 今の分は、基本としては、都市計画道路浦上川線において単価の見直しが行われたというふうなことがありましたね、あれは道路ですね。道路の分で、そういうふうな形で鉄材等々の価格に差があって、その分が補正としても組まれているというふうなことがありましたので、それに関連して質問させていただきました。(「委員会です」と呼ぶ者あり)委員会じゃないです、予算だもの。補正予算ですよ。今のは補正予算でいいんですよね、委員会じゃないと思うんです。
◆溝口分科副会長 スライド式だったら委員会になると私は思う。
◆金子委員 スライドに伴う増額補正でしょう。
○陣内分科会長 だから、そこは、この説明の中にありましたか。委員会で、また質問してください、委員会の方でですね。いいです。
 ほかにありませんか。
◆野口委員 それでは土木部長からご説明がありましたので、説明資料に基づいて幾つかお尋ねをしていきたいと思います。
 まず、2ページの海砂採取対策費ということで、会議に要する経費が計上されておりますけれども、この中身について若干お聞きをしたいと思います。
 ポイントは、佐賀県と長崎県の間で、事務レベルにおいて海砂採取に関する意見の相違点があるというふうなことで新聞等にも掲載をされておりましたから、その辺の経過等々とこの会議費との関係ということ。
 もう一つは、いわゆる水産資源の枯渇というようなことも、新聞等にも、たまに報告をされておるんですが、水産資源云々という話になってくると、土木部が所管して会議をやるというよりは、水産部の方が所管して会議をやるんだろうというふうに単純に思うんですよね。その2点を中心にして、この会議費との関係というものをご説明いただきたい。
◎木村監理課長 2点お尋ねがございました。
 まずもって、現在、佐賀県と長崎県の海砂採取の境界について意見の相違がございます。経過は長くなりますが、最近の状況から言いますと、平成20年11月に佐賀の知事さんが、見通しラインのところで境界を決めておったんですが、むしろ等距離ラインの方にすべきだということを表明されまして、その後、これまで佐賀県と協議を8回行ってまいりましたが、それについては、意見の合致を双方みていないという状況でございます。後ほど予算の中身を説明しますが、この予算と境界の問題と一切関係はございません。
 海砂対策費の補正の中身でございますが、現在、この海砂に関しましては、環境部、水産部、土木部の3部の部長で構成します「海砂採取に関する庁内検討会議」を設置いたしております。その中で海砂採取のあり方について、総合的に協議・検討を行っているという状況でございます。
 この中で、海砂採取が、環境でございますとか、水産資源等に及ぼします影響を調査するとすればどういった手法があるのかとか、そういったことにつきまして、専門の方々にお集まりいただいて意見を求める会議を開催したいということで、今回補正を上げさせていただきました。
 水産資源の枯渇ということが、言われております。これはそういうこともあって、本当に海砂採取が水産資源にどのように影響を与えるのか、また、本当に与えているのかどうかも含めて調査をするとすればどういった調査があるのかというのを検討する会議でございまして、当然ここには水産部も主体的に参加をしていただくということで、予算は土木部の方に計上させていただいておりますが、これは環境部も含めまして、3部でしっかりと取り組んでいくような事柄だというふうに認識しております。
 以上でございます。
◆野口委員 内容は大体わかりました。
 まず、1点目の佐賀県との海域の考え方の違いというふうなことですけれども、私は環境生活委員会におるのですが、これについて今まで何ら説明を受けていない。事務レベルであろうとも、実際新聞等にも報道され、その相違点のなかなか溝が埋まらないというようなことになってくると、そういう問題についてやはり報告をいただきたいと思います。
 したがって、委員長、もう皆さん方は新聞を読んでいらっしゃいますから佐賀県との意見が違うというようなこと等について、委員会の我々委員としても、その辺の話の中身は何なのか、議論のコアは何なのかということについてはきちんと知っておく意味もあろうかと思います。加えて、今回こういう形で予算が計上されているわけですから、無関係と言えなくもないわけであります。
 したがって、昼休みぐらいに、どうぞ資料を用意していただいて、それをご配付いただいて、どういう中身なのかと。今聞いただけじゃやっぱりよくわからない。どこが議論の違うところなのかと、そういうところも含めて、ひとつしっかりと説明をしていただきたいというふうに思います。
 会議に要する経費というのはよくわかるんですが、会議に要する経費にこんなに金がかかるのかな。要するに土木部と環境部と水産部、いわゆる庁内で会議をするぐらいであれば、通常の職務上の会議として、それを消化することができないで、何でわざわざこの会議費を計上しなければならないのかという点で、もう一つ詳しくお聞きをしたいというふうに思います。
◎木村監理課長 今回、146万6,000円の補正をお願いいたしておりますが、その内訳といたしますと、通常の事務費の中でさせていただいている庁内の3部長の会議は、当然コストは全くかかりません。今回お願いしますのは、外部の有識者の方にお集まりいただいた中で、ご検討をしていただいて意見をお聞きするというものでございます。
 今のところ、6名ぐらいの委員さんを想定しておりまして、環境、水産、土木、それぞれの分野からお招きをして、ご意見をいただきたいと。東京とか、福岡とか、そういう県外の方も基本的には想定いたしておりますので、そういう意味で、委員の旅費等に81万7,000円の予算を計上いたしております。あと委員の報償費が24万3,000円などとなっております。
 以上でございます。
◆野口委員 理解しないことはないですよね。ただ、ある種の要するに学者、先生あたりを単発的に呼んできて、ざっくばらんに検討させるにしても、その基礎資料を持ち出すのは県でもあるだろうし、それによって何かがどう変わるかというのは、具体的な見通しでいえば、あまりはっきりしないところがあるわけですよね。
 もう一点は、海砂の採取許容量については、去年に採取許容量というのは定めたでしょう。あれは何年分なんですか、5年分でしょう。要するに採取許容量を決めたのが去年で、それを5年間やるわけだから、既にもうその議論は決着をしておかなければいけないわけですよ。許容量を決めて5年間がようやくスタートしようとする時に、何でわざわざまたこういう会議を開いて、いわゆるゼロベースで話をしていくのかという真意がやっぱりはかりかねないんですよ。
 今までの説明だけで考えると、要するに水産資源が枯渇しているとか、例えば海辺の、海水浴場の砂が激減しているといった声に応えて、帳面消し的にやるんじゃないかというふうな危惧があるわけです。当然5年間やるのであれば、そのスタート時の前にこういった会議はやって、それぞれ専門家の意見をきちんと聞きながら、それで採取許容量を決めなければいけないのだけれども、採取許容量を決めてから、何でわざわざこれを持ち出すのかという本意がわからない。教えてください。
◎木村監理課長 確かに、今から採取をスタートさせるということであれば、委員おっしゃるような手だても考えないといけないだろうと思います。ただ、採取そのものはもう連綿と続いてきた部分でございます。
 もう一つは、この調査でございます。
 調査方法は、逆に今から検討していただくわけですが、本当に例えば定点観測みたいな感じでポイントを決めて、結構期間をとって調査をするようなものもございましょうし、平成23年度から仮に何らかの調査をするとしても、その科学的な知見が得られるまではやっぱりしばらくかかるんだろうなというふうに思っています。
 ですから正直に言いますと、海砂採取が水産資源に対してどのような影響があるのか、ないのか。例えば海岸線の浸食に対してどういう影響があるのか、ないのか。これは単発では、これまでも何度か調査をしたこともありますが、影響をはっきり示すような科学的知見というのは示されておりません。ただ、そうは言いつつもさまざまな声もあるものですから、本当にそういった方法がないものかどうかを、専門的な皆様からご意見をいただきたいということで、お集まりいただくものでございます。
◆野口委員 だからそういうことであれば、別に会議を1年間やらなくたって、何をやるべきかといういろんな調査項目なりを皆さんで調査して、よし、これをやろうということで、後は財政課と話をして、事業費を計上すればいいじゃないですか。皆さんが言っているのは、去年からスタートした5年間はもうフリーズだから、その5年間が終わった6年目以降の問題について、要するにその間をかけてじっくりやっていきましょうという話なんです。そう理解していいですか。
◎桑原土木部長 監理課長と重複する部分もありますが、改めてご説明させていただきます。
 海砂の採取量そのものについては、一昨年度議論して、平成21年度から5カ年の採取量を決めております。この議論の中でも水産資源にどの程度影響を及ぼしているのかというのは、明確には、科学的にもまだ言えないという前提の中で、これまでの実情もあり、実態も踏まえて、採取量の決定に至っているという状況でございます。
 そういった一方で、どうやって科学的知見を蓄積していったらいいのかについては引き続き検討していこうということになっておりまして、そういった考え方の中で、どうやったら科学的知見を蓄積できるのかというのを専門の方々にお聞きしようと。その専門の方々にお聞きした上で、複数年かかるかもしれませんが、そういった基礎的な調査を粘り強くやることで科学的なデータを蓄積して、その議論を、海砂採取の今後の議論に役立てていこうと、そういった考え方で今年度予算を計上させていただいているところでございます。
◆野口委員 趣旨はよくわかるんです。だから私がまとめて話をしているわけであって、昨年度からスタートした5年間分の割当量はもう既に決まったと。したがって、いわばその期間が終わって、その次の新しい5カ年がスタートするためのいろんな科学的知見を踏まえてどういう調査をやって、水産資源を云々すればいいかという話でしょう、基本的には。だったら私が言うように、何も1年間にわたって、ゆったり会議をしなくても、そんなものはあなた方が学識経験者のところに行って、どういうことをやるべきかなんていう情報はすぐ入るわけだから、わざわざ長崎に呼んで、わざわざ航空賃を使って情報を収集しなくても、これくらいの知見を得ようと思ったら、すぐできる話じゃないかと思うんですよ。
 したがって、それに基づいて、本来は事業費を組んでいくと。それで次のいわゆる6年後に向けてやるべきことがあるならやるべきであって。
 そういう意味で言うと、いくらタイムリーなことでも、絶対この予算をかけて、それだけの会議を開かなきゃならない必要性、必然性があるのかなと。だめとは言わないけれども、もう少し工夫の仕方、やるスピード感、そういったものもあってもいいのかなという気がします。
 次に、3ページの平成22年度新規事業である人にやさしい道づくり事業というのは、単独の新規事業ですか。
◎大我道路建設課長 今年度から新たに人にやさしい道づくりということで、単独事業でつくっております。全体として5億円の計上をしております。
◆野口委員 普通の道路改良と何が違うんですか。
◎大我道路建設課長 ご存じだと思いますけれども、合併市町村関係の道路事業について、地域に密着した事業ということで、昨年度までくらしの道づくりという事業をやっておりました。今年度から、この人にやさしい道づくり事業ということで始めております。
 この内容につきましては、地域住民の生活に密着した道路ということで、例えば県道であれば離合が困難な場所とか、線形が悪い箇所、こういう箇所について部分的な拡幅をしたり、場合によっては側溝整備をしたりとか、そういうことを目的に事業として立ち上げたものでございます。
 以上でございます。
◆野口委員 結局、道路改良するわけでしょう。今お話があったように離合が必要だとか、側溝を整備しないといけないというのはわかるんです。そうすると、この新規事業の人にやさしい道づくり事業でやるんですか。例えば全く同種同内容の事業が他にも存在するということは、道路改良事業としてあり得ないんですか。
 私が言っているのは、わざわざネーミングして、わざわざ別立てでやるべき根拠はどこにあるのかというのを聞きたいわけです。私に言わせれば、今の説明でいくと、普通の道路改良じゃないかとしか思わないわけです。合併市町村の事業があったよね、だから合併市町村だけでしかできない事業なのか、どうなのかということを聞きたい。
◎大我道路建設課長 今回の人にやさしい道づくりにつきましては、合併市町村という縛りは設けておりません。全県下の市町について、該当箇所があれば事業を進めていくということでございます。
 先ほど委員からのこれが今までの改良事業とどこが違うんだ、もう同じような場所があるのではないかというご指摘につきましては、道路改良ということで道路建設課の所管でやっております。確かに、事業費として、そこそこの大きさがあるというか、事業規模がございます。今回の人にやさしい道づくりというのは、それのすごく小規模版というふうな事業を対象にしております。
 先ほども申しましたとおり、今まで改良事業でも多くを設定してやってきたところでございます。
 これにつきましては、また、同じお話を申し上げますけれども、側溝にふたをかけるとか、側溝を整備化するということで、地元からの要望があった場合に、小規模ではございますけれども、それをするとすぐ効果があると、そういうところをやっていこうと。どちらかといえば維持の工事と改良の工事の真ん中、中間というような位置づけでやっていきたいと思っているところでございます。
◆野口委員 私の聞きたい趣旨はわかるでしょう。だから道路建設課長がおっしゃっているような事業は、この人にやさしい道づくり事業のワンパッケージなんだということを聞きたいわけです。
 要するに、全く同じような小規模で離合場所をつくるとか、側溝をつくるとかという事業が例えば100ぐらいあるとします。それを恣意的に1番から50番までは、この人にやさしい道づくり事業でやります。51番から100番までは普通の道路改良でやりますというぐらいの仕分けなのか。それともワンパッケージで、同種同規模の事業については合併という枠も取り払ったことだし、要するに1から100まですべてこの事業でやるんですよということなのか。
 今までの説明を聞いていると、同種同規模の事業が100あったとして、適当に切っているように聞こえるんだけれども、その辺を明確にしていただきたい。
◎大我道路建設課長 私の説明が、まずくて申しわけございません。
 委員ご指摘のように、道路関係で全体で100カ所あったと。その場合に、地元の要望が出てきたら事業規模がおのおの違います。例えば全体事業が何億円というお話ではございませんけれども、事業規模が同規模なものは従前の道路改良でやっていきたいと思いますし、事業規模が非常に小さいものについては、この人にやさしい道づくり事業ということでやっていきたいと思っております。
 ということでございますので、今まで全体で100カ所あった改良事業で小規模のためできなかった部分をすくってというか、拾い上げていこうというふうに考えておるところでございます。
◆野口委員 そうすると、ある程度事業費で区切るということだね。そう考えていいんだね。そこをはっきりしてもらえばいいわけです。事業費でくくるんだと。要するにこれまではなかなかちょっとしたことができないので、事業費でくくって、それ以下についてはワンパッケージで、いわゆる人にやさしい道づくり事業というのを県単で立ち上げたんですよという説明ならばよくわかるんですけど、それでいいですね。
◎大我道路建設課長 そうでございます。
◆野口委員 今、額は幾らですか。
◎大我道路建設課長 今年度の予算では5億円を計上しているところでございます。(「箇所、箇所の話」と呼ぶ者あり)
 事業費ベースで全体5億円でございますけれども、今年度、この予算に計上していますのは14カ所でございます。その14カ所全体で1箇所あたり4,000万円未満ぐらいを計上しています。
 ただ、委員ご指摘のように、今、線をはっきりと引いているところではございませんで、今後そのあたりの線引きは必要だと思っています。
◆野口委員 だから結局今答弁したように、全く線を引いていませんという答弁だろう。だから新しい事業をつくる時には、どういう事業か、どういう規模で、どういうメニューか、どういうことをやりますかというのは、あらかじめきちんとあってしかるべきじゃないんですか。だから私が最初印象を持ったとおり、100の事業があったら適当に1番から何番までは、このワンパッケージでやりまして、他の部分は通常の道路改良でやりますよということにしか聞こえないんですよ。
◎田中土木部次長 委員ご指摘の件は、まことにごもっともだというふうに考えてございます。
 今回の事業につきまして、既存の県単独の道路事業との基本的なすみ分けというのはどのように考えているかと。
 通常の道路改良事業というのは、一定の区間、例えば500メートルであるとか、200メートルであるとか、そういう一定の区間でございます。場合によっては1キロメートルとか、そういう単位で工区を設定して改良していく、これが通常の道路改良であるというふうに考えてございます。
 しかしながら、今回の事業につきましては、あくまでも局部的な部分を改良していく。例えば非常に見通しが悪いところ、突角の山をちょっと切ってやることで見通しが確保されて、道路の安全性の効果が非常に上がる。あわせて、例えばそこを通られる通学児童の安全性も確保できるとか、そういうほんのちょっとしたところをやれば、物すごく地域の皆さんのニーズにタイムリーに応えることができるという事業をやっていきたいというふうに考えてございます。
 ただ、これも一概に金額で幾らかということで縛り過ぎますと、この事業の特性そのものを欠く要素もございますので、その点はしっかり考えていきたいというふうに考えてございますが、ただ、いたずらに、この事業費を膨らませればいいということではなくて、おおむね5,000万円前後が一定の区分と考えております。
 ただ、それぞれケース・バイ・ケースでいろんな状況等もございますので、そこはある面をフレキシブルに考えていきながら、一つのめどというのは5,000万円未満で、そして一定期間の地域のニーズがあって、速効性があるというものを、この事業でやっていきたいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。
◆野口委員 だから、それは道路建設課長の答弁から大分わかるわけです。
 今言ったような例えば県道のちょっとしたそういう5,000万円以下のグレードという話が出ておりますけれども、それは別に補助事業に乗らないことはないんでしょうか。補助事業に乗らないものをするんですか。それともあえてフレキシブルにスピード感を持って、ニーズに合っているような形だから単独でやるんですか、その辺の分け方はどうなっているんですか。
◎大我道路建設課長 我々としてできる事業については、補助事業でやっていきたいと思っております。結果的に、なかなか補助事業に乗らない部分について、単独でやっていきたいと思っております。
◆野口委員 時間がないので、もうやめますが、だからその辺のことも含めてきちんとスキームをやっぱり持っておかないと、今、土木次長の答弁では、今年は5億円で、その枠については乗れるつもりはないとおっしゃったけれども、実際その辺の一つのきちんとしたものがないとどうなるかわからないから、今、道路建設課長も答弁したように、国庫補助に乗らないもの、かつ事業費はおおむねこれぐらいのもの、かつ地元の要望が高いものとか、その辺のきちんとした考え方というのは一定持っておかないと、新規事業として立ち上げるということでいえば、当然そういった作業が本来あってしかるべきだと私は思いますので、予算に反対するものではないけれども、ひとつご検討方をお願いしておきたいと思います。
 次に、4ページの中段からちょっと下に過疎市町村代行費とあるんだけれども、これは市道でしょう。市道の改良事業の代行に使った経費というのは戻ってくるんだよね。これはどういう仕組みで、どういう支出になっているんですか。
◎田崎道路維持課長 この市道堤線につきましては、市道を県が代行して事業をやるということでございます。
○陣内分科会長 休憩します。
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     −午前11時16分 休憩−
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     −午前11時16分 再開−
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○陣内分科会長 再開します。
◎田崎道路維持課長 この財源でございますが、通常の県事業みたいに、国の補助事業と県の持ち出し分でやる事業でございます。
◆野口委員 だから、どうしてこの道路を県が代行してやるのかと聞いているんです。
 他に市道はいっぱいあるわけだろう。その道路改良を全部市がやっているんだよ。基本的には市の財源に国庫補助金をもらってやっていると思うんだけれども、この道路だけ県が代行して、かつその財源は県と国で、これは市の負担もちょろっとはあるんだろうけども、どうしてこの道路は代行するのかと聞いているわけです。
◎田中土木部次長 この過疎市町村代行事業というのは、当然、過疎地域にある市町村が対象になるということは書いてあるとおりでございます。
 その中で、今回のところは現在トンネル工事を実施しておりまして、通常の市道の整備であれば、それはやはり管理者である市が整備をするのが筋だというふうに考えておりますが、市の方ではトンネルの施工実績とかも持ちませんし、技術的にも難易度が高いということで、県が代行の要請を受けて、現在実施をしているということでございます。
 以上でございます。
◆野口委員 いやいや、よくわからないのは、元来は市の事業だった。今、土木次長がおっしゃったように、トンネルは特殊なもので非常に難しいと。だから市にそういうノウハウがないからということですが、いわゆる本来市でやる事業を県がやるのであれば、市が事務委任にするとか、それでやる話であって、財源まで全く変わってくるという話はあまりよく理解できないんです。もし市にそういうノウハウがあって、市がトンネルをつくった経験があって、通常どおり市でやるのであれば、その財源については市と国で持つんですよと。自分たちにはそういうノウハウがないからといって、県に代行させて、しかも、その財源が問題で、「県と国でやります」と言ったら、それはどう理解すればいいんですか、よくわからないよ。
◎桑原土木部長 技術的難易度が高いものについて、県が代行するものです。これは例えば国の場合でもございまして、県が管理している国道であっても、技術的難易度が高いものについて、一定その部分は国の代行事業としてやるという仕組みもございます。
 そういったことで、今回のこの市道の部分についても同様な考え方で、県が代行して行っていると。ただ、これが無制限に広がるものではございません。非常に限定的に運用されているものでございます。
◆野口委員 例えばそういう議論で言うと、技術的に難易度が高いというのはどのボーダーラインなのかですね。
 さっき言ったように、市がやる場合と県が代行してやる場合の財源が要するに一緒、そもそも市道なんだからということでのスキームだったら、あまりおかしいと私は思わないんだけれどもね。代行したら、その財源までも県が負担しなきゃいけないというところが非常にタイトな疑問を必要とする部分だよね。本来は市が事業費を払うべきなのに、県が事業費を出さないといけない。それは技術的に難易度が高いからということであれば、県がその応分の支出をするためには、技術的難易度が高いというのを客観的にどういうところでとらえるか。この客観的なラインに従って、これは市では無理なので県がやりますということを、きちんと証明できて、かつその説明責任をしっかり果たさなければおかしいと私は思うんだな。市がやるべき事業だけど難しくてできないから県でお願いしますと。だから市が県に事務委任しますと。市が県に事務委任しますから、いろんな業者選定とか、いろんな業者との設計段階からのいろんな打ち合わせを県にお願いしますというんだったらわかるんだけれども、そもそものいわゆる財政出動をどうして県がしなければいけないのかというところが、ボーダーとしてはっきりしないんだけれども。
◎田崎道路維持課長 この過疎代行の市道につきましては、平成10年から国道を補完する市道ということで事業をやっております。そして国道接続までは県の代行事業と市の独自の事業、この両方を組み合わせて、早期完成を図るということでやっております。
 どうして県の代行を入れたかということにつきましては、財政力の低い過疎地域の代行を県が行うことを認められてやっておるということでございます。
○陣内分科会長 休憩します。
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     −午前11時22分 休憩−
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     −午前11時22分 再開−
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○陣内分科会長 再開します。
◆野口委員 今のをしっかり行ってください。
 それと担当課長さん、それぐらいの質問は出るわけだから、やっぱりきちんとポイントを絞って答弁ができるような状況にはしておかないと、後で説明しますからということで、すべからく何の議論もそれで終わりというのではやっぱり問題ですよね。その辺のきちんとした根拠が何なのか、ボーダーは何なのか、こうこうこういう理由だから代行なんだという説明責任がきちんと出せるぐらいにはやっぱり担当課長さんは勉強しておかないと、今日の答弁じゃよくわかりませんでしたよ。
 次は5ページ、下の方なんですが、これは簡単な質問になると思いますが河川総合開発費、ダムなんだろうけれども、国の内示による7億700万円の減額、この要因は何だったのか伺います。
◎西田河川課長[参事監] 通常、ダム事業につきましては、年末に国の方から内示がありまして、予算が決定するということがあります。ただ、今年度といいますか昨年12月には、その予算の内示がなかったということで、今年の3月に出たということがございます。
 そういうことで、県の当初予算としましては、いわゆる最大執行可能額を当初予算に計上させていただいたという経緯がございます。今回は内示に合わせて減額させていただいたというところでございます。
 以上です。
◆野口委員 最大執行可能額ということで、通常、予算を求めているわけよね。そこからすると7億700万円の減額だったということでしょう。県議会にも上程した段階では、いわゆる最大執行ということを目標に予算は計上しているわけだから、それがどうしてこんな大幅に減額されたのかという中身を聞きたいわけですよ。
◎西田河川課長[参事監] 全体の公共投資事業予算が伸びていないというところがございます。
 それとダムにつきましては、本体着工の予算は満額ついて、それ以外のところではなかなかつかなかったというところがございます。
 確かに当初予算から7億700万円の減額になっていますが、昨年度と比較しますと、長崎県としては前年度並みにいただいたというところはございます。
 以上です。
◆野口委員 聞いていることの答えが返ってこないんだよな。
 最大執行可能額ということで予算要求して、県議会にも提案して、それを了とされたのが減額された理由は何かと。今言ったのは、本体工事はできましたけど、取りつけ部分ができないのでと。何で取りつけ部分ができなかったのかということも含めて聞いているんですよ。
 要するに、最大執行可能額の予算要求をして、国にも一応了解を取ってスタートしましたと。しかし、いろんな複合的要因でもって、その最大のレベルでできるか、できないかというのはやってみないとわからないというところがあると思うんです。ただ、そこの考え方がいわゆる野放図だったら、そういうことがまかり通るんだよ。いつでも最大予算可能額で国にも要望し、県議会にも予算を提案し、しかし、それと実際は違いますもんね。結果的にはこうですもんねということになるから、それは工期の組み方とか、いろんなタイムスケジュールも踏まえて、最大は最大なんだろうけど、それを議会に上程して、了としてもらっている以上、そこがうまくいかないという話はやっぱりよくないんだよな、基本的にはね。だから何がよくなかったのか、何で減額したのか、何ができなかったのか、何でできないものを当初計画に入れたんだということを本当はしっかり議論しないといけないと思うので、その辺を聞きたいわけですよ。
 さっき監理課長の補足説明があったけれども、用地交渉がなかなかうまくいかなかったとか、もろもろこんなことがあったから、要するに繰り越すんですよという、その繰り越す理由としてはよくわかるんだよ、中身は別としてもね。だから減額された中身は何なのかと聞いているんです。自分たちがこれだけやろうと思ったのがやれなかった。そのやれなかった部分は一体何が原因で、どうしたのかというのをきちんと明確にしていただきたいです。
◎西田河川課長[参事監] 同じような説明になる部分もあるかと思いますが、先ほど申しましたとおり、通常だったら12月末に予算の内示があります。そういった内示に基づいて当初予算としては計上させていただくんですけど、今回につきましては、国の予算の内示、国の予算の動向が見えなかったというところがございます。
 国全体のダム事業の予算としては、伸び率が0.8程度であったというところがございます。その中で、全国的枠の中での話だと思いますが、本体着工の予算にはちゃんと位置づけられたと。逆に本体着工していないところについて減額されたというところがございます。
◆野口委員 ということは、要するに政権交代によって民主党政権下で公共事業が18.3%削減をされたと。その余波で、事業費について当初国との協議であらかた見込まれていたものが、政権交代によって公共事業費が大幅に減らされたしわ寄せがきたということをあなたは言っているんだと思うんだけれども、それでいいですか。
◎西田河川課長[参事監] 全国的にダム事業をやっていますので、その中の予算として全体の枠は0.8しかなかったというところは確かにございます。
 ただ、県といたしましては、その予算の見込みが全然見えないというところがございまして、先ほど申しましたとおり、最大執行額を計上させていただいたというところがございます。ただ、結果として、長崎県にとって前年度内示程度はいただいたというところでございます。
◆野口委員 最大執行可能額といっても、その数字そのものも県が勝手に決めるわけじゃないので、当然国との協議の中で、あらかたこれぐらいでいきたいと思いますという話であるだろうから、一方的に県だけで最大執行可能額というのは決めたわけじゃないんだと思うよ。違うと建設企画課長が首を振っているけど。
◎宮崎建設企画課長 ダムの予算要求の流れを説明します。
 ダムの場合は、全国的に多数のダムをやっていますので、あるダムは本体をやっている。あるダムはまだ用地交渉をしている。あるダムは付替道路をやっている。最大執行可能額というのは、県が独自に出すんです。県が独自に国に相談せずに出して、その中で国が、自分たちが持っている予算の中で止められない、例えば本体はもう既に3年、4年の債務でやっていますので、そこは止められないと。だからそこには満額つけざるを得ない。ところが付替道路とか、まだ途中のダムについては、もう金がないから、そこは押さえましょうということで国がつけてくるんです。
 先ほど河川課長が説明したように、本来であれば、今までであれば12月に決まっていたんです、内示額が。ところが今回は12月にまだ決まらずに3月に決まったので、とりあえず県議会に上程した予算というのは、県の最大執行可能額で要求されていると。それで最終的には、国の金の配分が下がってきたので減額させていただきますということです。
◆野口委員 大体わかりました。了としましょう。
 次に7ページ、債務負担行為ということなんですが、例えば1番の幹線街路整備事業というのは、年度を越えて一括契約をするくらいの事業規模とはとても思えないんだけれども、それを何で年度を越えてやる必要があるのかどうか。特に単独事業です。橋梁以外は、大体素人ながら予想がつくんですよ。これは1年間じゃ無理だろうなと。2年ぐらい工期も必要だろうし、やっぱり複数年にまたがるので債務負担行為をしなきゃいかんのだろうなというのはわかるんだけど、単独事業というのは、そう額もでかくないから、こんなものは早期に発注すれば年度内にしっかり終わると思うんだけど、いかがですか。
◎西村都市計画課長 単純に申しますと、これは橋梁の工事でございます。その辺の詳細がわかるのは、横長の予算特別委員会環境生活分科会説明資料の4ページに債務負担行為調書として挙げております。これは佐世保市と佐々町にまたがる真申川という河川が行政界になっております。実態としては連続しておりますけれども、路線が2つに分かれていると。ちょうどその境界部分に、仮称ですけれども1号橋と呼んでおります橋梁の上部工工事を2カ年に分けて実施するというものでございます。
◆野口委員 そうすると、この債務負担行為と7ページにそれぞれ額が書いてあって、かなり大きな額になるんだけど、これはすべて橋梁工事ということで理解していいですか。私が聞いている趣旨をよく聞いてくださいよ。
 だから言ったように、橋梁とか、あらかた複数年かかるだろうなというのは、債務負担行為というのがあり得るだろうけど、例えば事業費が2,000万円とか、3,000万円とか、5,000〜6,000万円の事業で年度を越えてやる必要がどこにあるのかということを聞きたいんです。だからそんな2,000万円、5,000万円の工事はありませんと、すべて債務負担行為でやらなければいけない事業ですよということで、それを明確に答弁していただければ、それはそれでいいんですよ。そういうことを聞いているわけです。
○陣内分科会長 休憩します。
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     −午前11時34分 休憩−
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     −午前11時34分 再開−
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○陣内分科会長 再開します。
◎田中土木部次長 委員ご指摘のとおり、私ども債務負担行為は一括で発注するべき内容であって、それがたまたま複数年度にまたがらざるを得ないというふうなものを債務負担行為で上げさせていただいております。ですから単年度で調整ができるような工事については、債務負担行為ではやらないというふうなことでやってございますので、そういうご理解でお願いいたします。
◆野口委員 今の答弁でよくわかります。よくわかりますけど、果たして今次長が言ったとおりかどうかというのを見てみたいので、今回、債務負担行為として上がっている事業の一覧表を昼休みにつくっていただいて、ひとつご提出方をお願いしたいというふうに思います。(「ここにある」と呼ぶ者あり)載っていますか。では、またそれを今から見ますから、だれか質問されるので。何か今の答弁と比較して「うん」というところがあれば後ほど聞きます。何もなかったら、次長がおっしゃたような趣旨でやっているんだなということで、もう再質問はしませんので、ではそれでいきます。
 それと最後の12ページの繰り越しで1点だけ質問します。
 繰り越しの額が相変わらず多くて、この問題意識はそれぞれ持っていただいておると思うんだけれども、例えば3カ年以上にわたって繰り越している事業というのはありますか。用地交渉が本当に進まないと、用地交渉が3年以上にわたって相も変わらず前に進めないで繰り越しているという事業があるのかどうか。
○陣内分科会長 休憩します。
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     −午前11時36分 休憩−
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     −午前11時37分 再開−
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○陣内分科会長 再開します。
◎田中土木部次長 はっきり箇所は申し上げられませんが、そういう箇所はあるというふうに思ってございます。
 その一番の原因は、用地ストックが非常に厳しいということにございます。ですから事業について地域の皆さんのいろんな要請がございますので、そういうことをお受けするためにはやはり道路改良とかを進めていかなければならないというふうに考えてございますが、正直なところ、自転車操業状態であるということは間違いございません。ですから用地を買って工事に着手する。ところが、用地の取得が年度後半までまたがってしまいますと、どうしてもその工事が繰り越さざるを得ない。そしてまた、繰り越した間に、また用地に着手するわけですが、用地を購入してからでないと、工事がまた発注できないというふうな自転車操業状態にあることは間違いございません。数は定かではございませんが、そういう箇所があるということは十分認識してございます。
 これについては、やはり根本的な解決を図りたいと。そのためには、用地ストックの確保と設計ストックの確保が一番大事だろうというふうに考えてございます。
 設計ストックは、何とか確保できたとしても、用地ストックはどうしても相手がいらっしゃいますし、一定の交渉の期間がかかりますので、ここが非常に私どもはつらいところがございます。ですから、これは何とか解消していきたい、そして年度内にやはり予算を消化していきたいというふうに考えてございますが、この縮減については、用地ストックの確保も含めて引き続き努力していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
◆野口委員 次長の説明はよくわかります。しかし、我々もその辺の情報というのはほとんど持ち得ていないんですね。繰り越しは、こうやって説明にもあるし、わかるんですよ。その原因も、ここに書いてあるから多分そうだろうなと思うし、やっぱり繰り越して、次の年度でそれがうまくできましたというんだったら、それはいいと思うんです。それをやっぱり積み残していくというか、もう明確なそこに根拠があるから積み残っていくんだろうけれども、それが大体何件ぐらいで、事業費ベースでいけば、予算ベースでいけばどれぐらいかというのがやっぱり全然私たちのところに伝わってないんですよ。
 したがって、それは用地交渉だからプライバシーの問題もあるので、どの路線の、どこというのを私は要求するつもりはないけれども、大体何件、いわゆる予算ベースで繰越予算にかかわった事業がどれくらい進捗していないというのを、2年なのか、5年なのか、10年なのか。それは私が知っている大村と諫早の鈴田峠の農免農道のぶつかるところなんて、もう20年前から全く何も手のつけられていない状況だってあるわけですよね。さすれば、それをやっぱり我々が情報としてしっかりつかまえておくというのも非常に必要なことだから、簡単な資料でいいので、これは今日の昼休みじゃなくても後ほどでいいから、しかるべき資料として私にいただきたいというふうに思っております。
 最後の質問でハウステンボスの問題です。
 これは、はっきり見解を聞いておきたいのは、結果としてハウステンボスを何とか立て直さないといけないというのは、そのとおりであって、議会も含めて前向きに、建設的にという部分で、それは全く同じなんです。しかし、一方やっぱりエイチ・アイ・エスが参入してきて、今後どうなるのかというのは予断を許さない。エイチ・アイ・エスの社長自身が、これは2年たってだめだったら撤退するんだという話にもなってくると。
 今回、臨港道路も含めて県が事業費を投資して、いわゆる県民の財産として、そこに予算をつぎ込むのは了とするんだけれども、ハウステンボスに万が一なことがあった時には、こういう投資は一体どうなんだろうかと不安に思うんだよね。だからそういう点で何か見解があったら、土木部長でもしっかりひとつどういうことを考えていらっしゃるのかお尋ねしておきたいと思います。
◎桑原土木部長 今回、シャトルハーバー及びマリーナについて、県有化のための予算措置についても予算計上させていただいているところでございます。
 この部分については、今後ハウステンボス本体部分がどうなるかということとは別に、港湾機能として、また、マリーナ機能としては、当然機能を維持していかなければならない部分でございますので、私どもが今回予算措置をして整備する部分については、ハウステンボス本体の経営がいかんであるかということにかかわらず、将来にわたって、県管理として維持していくべきものと考えております。
◆野口委員 土木部長、そのとおりだと思うんだよね。そういう立ち位置に立っていると。
 さすれば、その港湾を活かすためにどういうことが考えられるのか。例えばどこから定期航路を結ぶのかとか、その港湾を佐世保とか、あの辺の地域の活性化にどうつなげるかというのは、ハウステンボスと切り離した中で、関係者を集めた形で1回きちんと議論しておく必要があるのではないだろうか。
 要するに、ただ単なるハウステンボスにおんぶにだっこ、ハウステンボスのいわゆる再建事業に、県としても何かやらなければいけないということでやっておるだけであれば、もし本体に何かあった場合には共倒れという可能性になってくる。そうじゃなくてやっぱり佐世保市のためにとか、もろもろいわゆる公共性がある中で、今回の港湾整備をどう活かすかというのを、もう少しいろんな関係団体とかと、可能性として詰めてほしいと思うんですね。
 かつて何年前かな、10年以上前かな、県の港湾課の方で大村湾の海上航路何とか計画とかというのを立てたんだよね。一応立てて、今は空港と時津間に定期航路があって、あと空港とハウステンボス間にあるのかな、定期航路が。その航路事業者をもっと参入させようとか、もしくは新規の航路を開拓しようとか、いろんなことをやっぱりそこで話し合った経過があると。それがすべて今日できているかというと、ほとんどできていないと私は思うんだけれども、少なくともそういう検討の中でやるべきことはやった部分はあるわけですよ。空港の桟橋をつくるとか何とか。
 だから今し方の土木部長の答弁を、より具体的なものにするためにも、今回7億円以上かけて整備する港湾なんだから、それは大村湾の例えば海上交通のどういうバックボーンがあるのか。そして、そこを整備することによって他にどういう波及効果があるのか。例えばハウステンボスは関係ないにしても県北と県南の往来、要するにそういう航路による往来の広がりとか、そういったものが可能性としてあるのではないかというような議論をしっかりしていただきたいんです。
 本当に前に戻って言いますけれども、ハウステンボスにおんぶにだっこ、何かしなきゃいけない。だったら県がやるべきところはここだというぐらいの話でいくと、それは2年後、3年後、場合によってはどうなるかわからんという部分もあるわけで、ぜひともそういうところをひとつ要望しておきたいと思いますので、ひとつ部内で、また、ご協議をいただければというふうに思っております。
 以上で終わります。
○陣内分科会長 今のことで見解はございませんね、いいですね。
◎桑原土木部長 ご指摘のとおり、大村湾における県北の海の玄関口という考え方で、この早岐港の県有化をするというのが基本的な考え方ですので、その考え方に沿って、関係機関とも議論をさせていただきたいと思います。
○陣内分科会長 ほかにございませんか。
◆高比良[末]委員 幾つか質問をさせていただきます。
 まず、道路関係予算で舗装補修費14億6,900万円程度計上されております。この中で低騒音舗装と一般の舗装がありますね。これはどれくらいの割合なんですか。
 低騒音舗装というのは、年次計画でずっとやられているのか、全体でしなければいけないのが県内にどのくらいあって、ここはやっぱり低騒音補修をするとか、しないとかいう判断はどういうふうにされているのか、まず、その辺についてお聞かせいただきたいと思います。
◎田崎道路維持課長 低騒音舗装の割合でございますが、今年度、低騒音舗装は、この中で2億円を計上しております。
 それとどういうところをやるかといいますと、都市計画区域内の騒音が夜間とかに激しいところ、基本的に幹線道路で、長崎市でいいますと国道202号。そういうところについて年次計画を作成して実施しております。長崎市でいいますと駅前、大橋、松山、松が枝、4車線の国道については、この低騒音舗装でほとんどやっております。要は、これをやりますと舗装の路面が車道の音を吸収するということで、環境にいい舗装ということでやっております。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 道路舗装というのは、1回やったら寿命はどれくらいなんでしょうか。交通量の激しいところは傷みがあると思いますが、1回ちゃんと舗装をしたらどれくらいはもてるという基準はあるかと思いますが、大体のところどうでしょうか。
◎田崎道路維持課長 交通量とかでかなり差異がございますが、約10年前後はもてます。
◆高比良[末]委員 約10年はもてる。よく道路の舗装をやっていますよね。10年じゃなくて毎年やっているところもあります。そういう声もありますが、これは経済対策も含めて今回は14億6,900万円ですか。通常これくらいの年間予算ですか、経済対策がかなり入っていますか。
◎田崎道路維持課長 舗装補修につきましては、道路は10年ぐらいで舗装は傷んできますので、順次この程度の予算でやっております。
◆高比良[末]委員 わかりました。
 次は、海岸老朽化対策費が3億3,600万円。海岸が老朽化するというのはどういう状況なのかわかりません。それで住民が危険にさらされているのか。脇岬の海岸に3億3,600万円をかけてどういう工事をやるんですか。
◎西田河川課長[参事監] 脇岬西南海岸の老朽化の状況ですが、昭和30年代、40年代にできた施設がございまして、海岸の護岸ですけど、そこに少しクラック等が入ったりしております。そういうものに対応するために、この海岸の老朽化対策事業というのができておりまして、そういったコンクリートにクラックが入っていますので、そこの上にコンクリートを打って、あわせて越波等の被害も受けていますので、波が越えるような被害も受けていますので、あわせてその前面に消波工を置くというようなことを考えております。
 以上です。
◆高比良[末]委員 わかりました。
 次に、大型工事発注方式調査事業費、補正で510万円ですね。いろいろ検討会をずっと継続すると思いますが、この調査を建築だけに限定しているのはどういうことなんでしょうか。土木の方も同じような問題を抱えていると思いますので、そっちも一緒にやるのがベターかなと私は思っているんですけれども、なぜ建築だけに限定しているんですか。
◎田中土木部次長 建築について、これまで研究をしてまいっております。
 なぜ建築に限定をしているかということでございますけれども、建築関係につきましては、多様な専門業種が混在をしていると。そういう中で、県内企業に波及効果を及ぼすような発注の方法というのはどのように工夫をしていった方がいいのかということを、そもそも考えてございます。
 特に、土木工事においてのご質問でございますが、土木工事におきましては、これは建築も一緒ですが、WTOの対象工事につきまして、基本的には、WTO以外の工事にはほとんどのものが県内に発注をされているということがございますので、県内波及効果については、95〜96%の県内発注率も達成してございます。そのような中で、土木については一定めどがついているのかなというふうに考えてございます。
 ただ、建築については、いろんな専門工事業種の方の適正な元請け・下請けの関係、そしてまた、いろんな労働保険関係の経費等が適正に元・下関係の中でちゃんと約定されているかどうか、そういうことも含めて研究をしていくためには、もう少し詳しく研究をしていく必要があるのかなということも含めまして、今回の検討を行っていこうということで、必要な経費を計上させていただいているところでございます。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 また、所管の事項のところで、この点はやりたいと思います。
 次に河川の関係ですが、水辺対策費河川の費用という予算があります。この中で河川の通水機能の維持とか、環境の保全に要する費用というのは、今回の補正でどれくらい入っていますか。例えば堆積した泥を収集する等の予算というのは今回補正で入っていますか。
◎西田河川課長[参事監] 河川の維持関係につきましては、当初予算で計上させていただいておりまして、休憩をお願いします。
○陣内分科会長 休憩します。
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     −午前11時54分 休憩−
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     −午前11時54分 再開−
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○陣内分科会長 再開いたします。
◎西田河川課長[参事監] 伐開とか、維持の関係の予算です。通常は1億円ぐらいなんですけど、今回、雇用対策関係も入れまして平成22年度予算としては1億5,700万円程度の予算を、当初予算において計上させていただいております。
◆高比良[末]委員 今回の補正にはなくて、当初予算で1億5,700万円。私が言った通水機能の維持と環境保全は、かなり河川課に要望があっていると思いますが、どれくらいの要望が地元からあっていますか。それにどれくらい答えているんでしょうか。
 それと、こういうのをあまり積極的にやる姿勢が見えないんですが、そういう取り組む姿勢についてお聞かせください。
◎西田河川課長[参事監] 確かに県が管理している河川は376河川で、1,200キロぐらいございます。細かく把握しているかどうかはわかりませんけど平成21年度でございますが、県に来た要望ですけど維持関係が470件ぐらいございまして、そのうち掘削、伐開に関する要望が120件程度、それに約75%ぐらいは対応できたのではないかというふうに、私どもの方では把握している状況でございます。
 確かに掘削ばかりの要望が多いことはありますが、まず、治水上の影響を第一義的に考えておりまして、治水的にどういう影響があるかというところから取り組ませていただいているような状況でございます。
 以上です。
◆高比良[末]委員 75%も対応していますか。かなりやっておるなと、私の認識とは大分違いがありましたが、これは、今、掘削と言いましたがしゅんせつのことでしょうか。
◎西田河川課長[参事監] 補足して説明させていただきます。
 平成20年度は、1億円程度の予算があったわけですが、実は、平成21年度は経済対策とか雇用対策のお金がありまして、2億3,000万円ぐらいの維持関係の予算がございまして、先ほど申しましたとおり、75%ぐらいの対応ができたのではないかというところでございます。
 ちなみに、平成20年度でいけば55%ぐらいの対応しかなかったというところは事実でございます。
 以上です。
◆高比良[末]委員 わかりました。経済対策で何とかこういうところ、金がないとされないですしね。あまりこういうのに金をかけたくないようなことも聞いておりますが、ひとつこういうしゅんせつとか、草が生えても今度害虫が来てたまらないとかいろんな要望がありますので、応えていただくようにお願いして、質問を終わります。
○陣内分科会長 昼からも質問は続行したいと思います。
 午前の部はこれにとどめたいと思いますが、よろしいでしょうか。
     〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○陣内分科会長 昼は1時30分から再開させていただきます。
 午前の部は、これで終わります。
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     −午前11時59分 休憩−
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     −午後1時30分 再開−
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○陣内分科会長 分科会を再開いたします。
 午前中に引き続き土木部関係の予算及び報告議案の質問を行います前に、午前中の野口委員からの質問で説明を求めていました過疎市町村代行について説明をお願いします。
◎田崎道路維持課長 過疎市町村代行費についてご説明いたします。
 この事業につきましては、過疎地域自立促進特別措置法第14条に基づきまして、過疎地域における基幹的な市町村道の新設・改築を都道府県が行うものでございまして、本県の採択基準としましては、国県道の道路網を補完し、その代表的性格を有するもの、また、トンネルとか橋梁についてより高度の専門的技術を必要とするもの、財政力指数が県の財政力指数に比べて著しく低いこと、当該計画路線において地元要望が強く、地権者を含めた協力体制と同意書が得られるもの、当該路線について既に地元市町村が努力を重ねているということでございます。
 本事業につきましては、全体計画が1,363メートルございまして、全体事業費18億3,000万円でございます。そのうち県がトンネルを含む重要構造物の区間740メートルを12億7,000万円、平戸市が残りの一般土工部623メートル5億6,000万円、平成24年度完成ということで、この完成によって国道につながる道路網が完成するということでやっております。
 予算につきましては、通常の県の事業と一緒でございまして、最終的な県の実質負担としましては事業費の約21%ほどでございます。
 以上でございます。
○陣内分科会長 野口委員よろしいですか。(「いいです」と呼ぶ者あり)
 それでは、引き続き質疑を行いたいと思いますが、どなたかおられますか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内分科会長 それでは、ほかに質疑がないようですので、これをもって質疑を終了いたします。
 次に、討論に入りますが、討論はございませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内分科会長 討論がないようですので、これをもって討論を終了します。
 予算及び報告議案に対する質疑・討論を終了しましたので、採決いたします。
 第55号議案のうち関係部分、第57号議案、報告第1号のうち関係部分、報告第8号のうち関係部分、報告第10号及び報告第12号のうち関係部分について、原案のとおり可決、承認することにご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内分科会長 ご異議なしと認めます。
 よって、予算及び報告議案は、原案のとおり可決、承認すべきものと決定されました。
 次に、委員会による審査を行います。
 議案を議題といたします。
 土木部長より総括説明をお願いいたします。
◎桑原土木部長 土木部関係の議案及び主な所管事項についてご説明いたします。
 今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第69号議案「長崎県県営空港条例の一部を改正する条例」、第74号議案「契約の締結の一部変更について」、第75号議案「長崎県建設工事紛争審査会への仲裁申請について」であります。
 はじめに、議案についてご説明いたします。
 まず、第69号議案「長崎県県営空港条例の一部を改正する条例」につきましては、県営空港の重量制限の変更について所要の改正をしようとするものであります。
 次に、第74号議案「契約の締結の一部変更について」は、平成20年9月定例会で可決された浦上川線高架橋建設工事(上部工P10〜A2)につきまして、物価の変動等に基づく請負代金額の変更に伴い、契約を変更しようとするものであります。
 次に、第75号議案「長崎県建設工事紛争審査会への仲裁申請について」は、県が発注した島原港フェリー乗降施設改修工事において、工事完成後に乗降施設が使用不可能となったため、請負者に対し、かし修補に伴う損害賠償金を請求しましたが、請負者がこれに応じず、当事者間での解決が見込めないため、長崎県建設工事紛争審査会へ仲裁を申請しようとするものであります。
 続きまして、議案外の報告事項について、ご説明いたします。
(起訴前の和解及び訴えの提起について)
 県営住宅の明渡し及び滞納家賃の支払いにつき、提訴前の和解の申し立て5件、訴えの提起3件の専決処分をさせていただいたものであります。
 起訴前の和解につきましては、起訴まで至らない段階において簡単な裁判手続きにより、分割支払いを認めて滞納解消を促すものであり、また訴えの提起は、度重なる支払い督促や催告にも応じない悪質な滞納者について、訴訟手続きにより建物の明渡しと滞納家賃の支払いを求めるものであります。
(公共用地の取得状況について)
 平成22年2月1日から4月30日までの土木部所管の公共用地の取得状況につきましては、環境生活委員会説明資料の2ページのとおり、五島市における道路事業ほか1件であります。
 続きまして、土木部関係の主な所管事項について、ご説明いたします。
(幹線道路の整備について)
 本県では、地域格差の解消や地方の自立を図るため、企業立地や観光振興等を支援する道路の整備が必要であることから、西九州自動車道、島原道路、西彼杵道路等の広域的な幹線道路や、離島架橋などの生活に密着した道路の整備を進めております。
 本年3月には、西九州自動車道の佐世保みなとインターから相浦中里インターまでの区間が開通したほか、大村市の都市計画道路久原池田線が全線開通いたしました。
 また、4月1日からは、平戸大橋と生月大橋について、通行料金を無料化しました。平戸市では、この無料化を記念して市内観光施設の無料開放を行うなど、無料化を契機に、観光客を増やすための新たな取組が始まっております。
 都市計画道路浦上川線につきましては、長崎市松山町から元船町間3.25kmについて、昭和50年から整備を進め、これまで完成した区間から順次供用してまいりましたが、残る梁川橋交差点から稲佐橋交差点までの区間860mについても、年内の全線供用に向け高架橋工事などを進めております。
 長崎自動車道の長崎インターから長崎多良見インターまでの4車線化につきましては、去る4月9日、前原国土交通大臣は、工事の着手を見合わせると発表しました。
 同区間の4車線化は、対面通行の解消による安全性・高速性の向上、交通の隘路解消、事故による交通不能リスクの低減、災害時の基幹道路としての機能の確保、さらには、物流機能の向上など、非常に効果が高いものであることから、国土開発幹線自動車道建設会議においても、事業の必要性が認められたところであります。
 このため、昨年の新政権発足により事業が凍結されたものの、県としては、4車線化の必要性を繰り返し説明し、要望を重ねてきただけに、着手が見送られたことは、大変残念であります。
 今回、国は、繁忙期の渋滞がないことなどから、長崎バイパスの無料化などの社会実験による交通状況の変化等を踏まえて、改めて確認するとしています。
 しかしながら、暫定2車線のままでは、ひとたび事故等が発生すると、長時間全面通行止めとなるほか、市内の道路交通も含めて大渋滞となり、また、長崎南環状線が今年度末に開通することで、長崎港臨海部からの物流などによる交通需要が高まり、同区間の安全性・高速性の向上が更に求められることなどから、引き続き、早期着手がなされるよう要望してまいります。
 また、伊王島大橋につきましては、維持管理や有料事業を導入した場合の採算性、無料化した場合の維持管理に対する長崎市からの協力、さらには地域の活性化などを総合的に勘案し、通行料金については、開通当初から無料にしたいと考えております。
(石木ダムの建設推進について)
 石木ダムにつきましては、知事が、残る地権者の皆様と早期にお会いしたいとの思いから、去る4月15日に、川原地区の地権者の皆様あてに、4月25日に水没予定地内の「生活相談所」で、知事が皆様の思いを直接お聞かせいただきたい旨の手紙をお送りいたしました。
 このような中、4月20日に地権者の皆様などが県庁にお見えになり、知事と面会したいとの申し入れがありましたが、知事が不在であり、お会いすることができませんでした。
 このため、知事は、4月22日早朝に川棚町へ出向き、道路工事の現場での面会は、通学、通勤される方などの交通安全上危険であるため、川棚町長とともに、石木ダム建設事務所でお待ちいたしましたが、地権者の皆様は、現場での面会を主張され、お会いすることができませんでした。また、4月25日につきましても、地権者の皆様にお越しいただくことはできず、大変残念でありました。
 今後、地域住民等から広く意見を聴取する公聴会などの法的手続きが進められ、中立・公正な第三者機関である社会資本整備審議会の審議を経て、事業の公益性等について判断されることになりますが、県としては、こうした手続きを通じて、ダムの必要性を地権者の皆様にご理解いただき、話し合いが促進するよう誠心誠意対応してまいります。また、この手続き以外にも、あらゆる機会を通じて、地権者の皆様との話し合いの場を持つため、県、市、町が一体となり、最大限の努力を傾注し、石木ダムにご理解いただけるよう取り組んでまいります。
(長崎県住宅供給公社について)
 このほど確定した長崎県住宅供給公社の21年度決算では、諫早西部団地第1工区の販売完了に伴い分譲収入が減少したものの、賃貸住宅の入居率向上等により、約2億円の当期利益を計上することができました。特定調停成立後の16年度決算から、6年連続で当期利益を計上しております。
 資金繰りも、引き続き順調に推移していることから、県への繰上償還を5年連続で行いました。本年4月末における借入残高は、調停申立時の315億円から72%減の約87億円となっております。
 諫早西部団地第2工区先行開発地区につきましては、去る5月21日に施工者による安全祈願祭が行われ、約6.2ヘクタールの造成工事に着手しております。
(九州新幹線西九州ルートについて)
 九州新幹線西九州ルートの武雄温泉〜諫早間につきましては、鉄道・運輸機構において、本県区間で鈴田トンネル、彼杵トンネル及び千綿トンネル工区の工事が進められており、今年度は東彼杵町内の江ノ串トンネルの工事発注が予定されております。
 また、県では、新幹線建設に係る用地取得業務をより効率的に推進するため、今年度から「新幹線用地事務所」を大村市に設置いたしました。今後、円滑な工事促進に向け、鉄道・運輸機構及び地元市町と連携を図りながら、計画的な用地取得に取り組んでまいります。
 新幹線建設工事に伴う県内企業の優先活用では、鉄道・運輸機構の入札参加要件の緩和により各トンネル工事において、県内企業が各JVの構成員として参加しており、用地測量、補償調査業務、地質調査業務においても、県内企業の受注機会が確保され、実績を上げております。
 厳しい経済状況が続く中、県内企業の受注機会の確保は、雇用の確保や地域経済の活性化につながるものであり、今後とも、資材、製品等を含めた地元活用の推進に向けて、鉄道・運輸機構へ要望を行ってまいります。
(世界遺産登録に向けた公共事業のあり方ガイドラインについて)
 世界遺産登録を目指している構成資産候補の周辺で実施する県の公共事業につきましては、登録の支障とならないよう、平成20年度から、関係市町の意見を聞くとともに、長崎県公共事業等デザイン支援会議の意見を聞いて進めてきたところです。
 昨年度は、より一層の円滑な事業推進や良好な景観形成を図るため、学識経験者等で構成する委員会において、構成資産候補周辺における公共事業のあり方やデザインの考え方等を取りまとめた「世界遺産登録に向けた公共事業のあり方ガイドライン(暫定版)」を策定し、今年度から試行することといたしました。
 今後とも、関係市町と十分に連携を図り、策定したガイドラインや長崎県公共事業等デザイン支援会議の意見を踏まえ、公共事業における景観への配慮と円滑な事業実施に努めてまいります。
(美しいまちづくりについて)
 美しいまちづくりの推進につきましては、地域の魅力的な景観を保全・創造していくため、平成15年に策定した「長崎県美しいまちづくり推進計画」に基づき、市町や地域住民等が取り組む美しいまちづくりを財政・技術両面で支援しております。
 昨年度までに、「長崎県美しいまちづくり審議会」により承認された重点支援地区は推進計画の目標である10地区に達し、まちづくり景観資産の登録についても合計で156件となるなど、地域特性を生かした優れた景観の保全と創造によるまちづくりの推進に、一定の効果があったものと考えております。
 また、現行の「長崎県美しいまちづくり推進計画」が、平成22年度までであることから、同制度の見直しや景観法に基づく制度活用のあり方など、より良好な景観形成に向けて県として取り組むべき方向性について、去る3月26日「長崎県美しいまちづくり審議会」内に設けた景観施策検討部会から「長崎県美しいまちづくりビジョン」が示されたところであります。
 このビジョンに示された、長崎県におけるこれからの景観形成のあり方等について、県議会や県民の皆様のご意見を伺いながら検討を重ね、具体的な計画等の策定を進めていくこととしております。
 今後とも、県民の参加、協力のもと、地域特性を活かした景観の保全と創造を図り、住民が誇りと愛着を持つことができ、人々が訪れたくなるような魅力的なまちづくりに努めてまいります。
(港湾及び漁港における不法投棄、不法占用防止制度について)
 港湾・漁港における廃船、廃車等の不法投棄の未然防止と迅速な是正措置を推進するため、港湾法に基づく放置禁止区域を陸域にも新規に指定するとともに、「港湾・漁港不法投棄等監視パトロール事業」や「港クリーンアップ推進事業」を実施するなど、管理権限の強化による不法投棄等の抑止力向上を図ってまいります。
 今後とも、県、市町及び関係機関が緊密に連携しながら、港湾の適正利用の促進に努めてまいります。
(生月大橋のひび割れの復旧について)
 昨年12月、生月大橋において発見された部材のひび割れにつきましては、直ちに応急対策工事を実施した後、工法の検討など本復旧工事の準備を進めてまいりました。
 3月末には本復旧工事に着手し、最も重要な作業である損傷部材の取替えについては、5月24日から30日にかけての夜間作業により無事終了いたしました。工事は今月末に完了する予定であります。
(県営住宅家賃算定の誤りについて)
 県営住宅3団地において、家賃の過大徴収及び過少徴収をしていたことが、本年4月に判明いたしました。過大徴収をしていたのは、長崎市の深堀団地98世帯と佐世保市の上本山団地3世帯で、総額は利息分を含め約7,123万円、また、過小徴収は、佐世保市の新田団地3世帯で、総額は約1万円でありました。
 この主な原因は、法律の改正により、平成10年度に新しい家賃制度へ移行する際、家賃算定根拠となる住戸面積及び建物の経過年数等の電算入力の誤りによるものであります。
 関係者をはじめ、県議会及び県民の皆様に、多大なご心配とご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
 算定を誤っていた家賃については、4月分から正しい家賃に修正を行い、また、3月までの過大徴収分については、5月21日から還付の手続きを進め、全ての方への還付を終えております。
 現在、県営住宅全住戸について、同様の誤りがないか確認を行っております。今後、このようなことが二度とないよう、電算システムの改善やチェック体制の強化を図り、再発防止に努めてまいります。
(公共事業の事前評価について)
 平成22年度6月補正予算(案)に係る公共事業新規箇所について、事前評価を実施しました。その結果につきましては、資料としてお配りしているとおりであります。なお、評価結果については、ホームページ等を通じ、県民の皆様にも広く公表いたしております。
(「長崎県行財政改革プラン」に基づく取組について)
 「長崎県行財政改革プラン」に掲げる土木部関係の具体的項目に関して、その主な取組内容を説明いたします。
 まず、「県民参加の促進」につきましては、事業の実施において、計画内容等の情報の公開や地域住民からのご意見を伺いながら、計画・事業を進めていく仕組である「簡易PI」に積極的に取り組んでまいりました。昨年度は56件で実施しており、引き続き、地域住民との協働を進めるため、可能な限り「簡易PI」を実施してまいります。
 次に、「電子入札等の推進」につきましては、入札参加者の利便性や入札の公正性の更なる向上を図るため、電子入札の対象範囲の拡大に取り組んでおります。今後とも建設業者への説明会や模擬入札、研修等を実施し、円滑な導入を図ってまいります。
 次に、「地方公社の経営の健全化」につきましては、住宅供給公社において、平成17年3月の特定調停成立後、平成16年度決算から6年連続で経常利益を計上し、特定調停時の債務超過及び繰越欠損金を完全に解消するとともに、調停成立時の県貸付金も5年連続で繰上償還を行うなど、再建計画の着実な履行を進めております。また、昨年度は、土地開発公社が保有する長崎市の神ノ島工業団地に全日本空輸株式会社のコールセンターの立地が決定しております。さらに、道路公社を含めた三公社において、適正な人員体制の整備のために職員数の削減を進めたことなど、一定の成果を上げつつありますが、今後とも、経営の健全化を図るため、適切な指導監督に努めてまいります。
 このほか、基本方針の柱の一つである「行政コストの効率化と健全性を維持した財政運営」の達成を図るため、1.公共事業のコスト縮減、2.公共事業の事前・途中・事後評価の実施、3.港湾整備事業会計、港湾施設整備特別会計の経営健全化などに取り組んでまいりましたが、引き続きその取組を促進してまいります。
 現在の行財政改革プランは今年度が最終年度であり、プランの達成に向けて一層の取組を進めてまいりますので、引き続き委員の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
(新幹線大村保守基地に関する図面について)
 今月初めに新聞報道されました新幹線大村保守基地に関する図面について、ご説明いたします。
 これは、今年度の用地測量及び用地買収を議員に説明するため、新幹線事業対策室で作成した概略の図面であります。
 保守基地が竹松地区に建設されることは、平成20年6月の同地区での地元説明会などで説明していたため、新幹線事業対策室長は、議員への説明時に、議員に図面をお渡しすることは、問題ないと考えておりました。また、渡した図面が外部に出ることは、全く考えておりませんでした。
 しかしながら、土木部としては、お渡しした図面に配慮が足りず、たとえ、お渡しするにしても、概略の範囲を丸印で表記するなど、用地境界の具体性がなくなるような工夫が必要であったと考えております。
 行政情報の取扱いについては、昨年の石木ダムの反対署名コピー問題を受けて、職員研修や部内会議などあらゆる機会を通じて、注意喚起を図ってまいりました。
 今回の件を受けて、改めて、部内の職員に対して、提供資料の内容については、上司や関係部局と相談するなど、適切に対応するよう指示したところであります。
 今後さらに、情報提供の適正化を図るため、部内の情報管理のあり方等を検討してまいります。
 以上をもちまして、土木部関係の議案及び所管事項の説明を終わります。
 何とぞ、よろしくご審議のほどお願いいたします。
○陣内委員長 ありがとうございました。
 次に、建設企画課長、都市計画課長、港湾課長、住宅課長から、それぞれ補足説明の申し出があっておりますので、これを許可いたします。
◎宮崎建設企画課長 「世界遺産登録に向けた公共事業のあり方ガイドライン(暫定版)」について、補足して説明いたします。資料は、冊子の「ガイドライン[暫定版]」と書いてある分です。
 本ガイドラインは、構成資産候補周辺で実施する公共事業について、世界遺産登録の支障とならないよう、周辺環境に調和し、良好な景観形成を行うとともに、円滑な事業の実施を目的として策定しました。
 それでは、本ガイドラインについて、お手元の冊子に沿って概要を説明いたします。表紙をお開きください。目次のところを見ていただいてご説明いたします。
 「1.ガイドラインの概要」、「2.関係市町の景観計画」、「3.景観形成の基本的な考え方」、「4.公共事業におけるデザインの考え方」及び具体的な事例を収集した「参考資料」から、このガイドラインは構成しております。
 初めに17ページをご覧ください。「4.公共事業におけるデザインの考え方」として、まず、公共事業における手続きの進め方について「事業化・デザイン検討フロー」を示しております。
 このフローにありますように、地域住民などからの公共事業の要望に対して、関係市町と県が情報を共有・連携しながら、事業化・周辺景観への配慮について検討を進めていくことにしております。
 また、次の18ページは、基本となるデザインコンセプトと公共事業のあり方となり、そこでは@にお示ししているとおり、「@構成資産候補近傍においては、景観に影響を与える公共事業は原則行わない」との基本的な考えを示した上で、必要な事業については、周辺景観に十分配慮した計画やデザイン等を検討して対応することを示しています。
 さらに次の19ページからは、道路や橋梁など施設ごとにどのような配慮を行うかというデザイン整備方針を掲げております。
 なお、本ガイドラインは、構成資産候補やその周辺に設ける景観に配慮すべき区域、いわゆるバッファゾーンが未確定であることなどから[暫定版]としておりますが、今後、関連要素等の確定状況を踏まえ、随時改訂を行っていく予定です。
 以上で補足説明を終わらせていただきます。
◎西村都市計画課長 都市計画課関係の契約変更案件について、補足してご説明申し上げます。資料は変わりまして、環境生活委員会課長補足説明資料でございます。
 第74号議案「契約の締結の一部変更について」浦上川線高架橋建設工事(上部工P10〜A2)における契約変更の案件でございます。
 資料の1ページから9ページまでは、契約変更についての議案、位置図、契約の締結内容、平面図、構造図、単品スライド条項適用の文書、算定根拠、算定表を載せております。
 まず、2ページの位置図をご覧ください。
 工事の場所でございますが、長崎市茂里町から幸町にかけての、浦上川沿いの梁川橋と稲佐橋の間でございます。
 3ページをご覧ください。
 契約の相手方は、横河・名村特定建設工事共同企業体でございまして、現在の契約金額15億360万円を2,139万4,800円増額し、今回15億2,499万4,800円に増額するものでございます。
 工事の内容でございますが、4ページに平面図、5ページに構造図を載せております。工事延長316メートルの高架橋上部工工事で、橋桁を工場で製作し、現場で架設した後、その上に鉄筋コンクリートの床版を設置するものでございます。
 今回、増額変更を行わせていただくのは、本工事で使用しております鋼材類が、設計時点の価格と調達時点での価格に大きな差が発生したため、その差額を増額する、いわゆる単品スライド条項を適用することによるものでございます。
 単品スライドとは、長崎県建設工事標準請負契約書第25条第5項の、「特別な要因により工期内に主要な工事材料の日本国内における価格に著しい変動を生じ、請負代金額が不適当となったときは、請負代金額の変更を請求することができる」という条文に基づきまして、設計時点の価格と調達時点の価格との差が大きくなった資材について、その差額の増額や減額を行う制度でございます。
 6ページ、7ページをご覧ください。
 平成20年6月13日に国が特定の資材価格の高騰を踏まえ、本条項を発動したことを受けまして、県としても平成20年7月1日から本条項の適用について発動いたしました。
 単品スライドは、250万円以上の工事で、変動額の総額が、請負代金額の1%以上となる資材がある場合に行います。
 また、契約額を増額する場合、請負代金額の1%分は、請負者の負担となっており、これを上回る金額が単品スライド額として増額変更の対象となります。
 適用品目につきましては、現在、鋼材類、燃料油に加え、平成20年12月よりアスファルト類が追加になっております。
 では、今回の事例を具体的にご説明いたします。
 8ページをご覧ください。
 ただいまご説明いたしました内容を簡単な図にいたしております。
 現在の契約額15億360万円に対し、単品スライド、つまり鋼材類の価格変動分を除いた現場での実施における数量の変更等に伴い、工事費は14億9,712万9,900円、右側の図の下の方になりますけど、対象工事費(C)でございます。
 この工事内容に基づき、鋼材類の価格変動は、図中の資材変動額(A)という約4,284万円となり、請負代金額の1%約1,497万円を上回ったことから、単品スライドの対象となったわけでございます。そして、差し引き2,787万円を対象工事費(C)に加えたものが、最終契約予定額15億2,499万4,800円となります。
 9ページをご覧ください。具体的な計算の例は表のとおりでございます。
 例えば、一番上の異形棒鋼(D13ミリ)につきましては、価格の変動により、1トン当たりの設計単価9万2,000円が調達時に約1万6,000円価格が下落し、採用単価が7万6,115円となりました。
 また、上から5番目の鋼板(厚さが50ミリから75ミリ)につきましては、1トン当たり設計単価17万5,652円が調達時に約2万8,000円価格が上昇し、採用単価が20万3,689円となっております。
 各鋼材において、この単価の差額に使用数量を乗じて求めた差額を合計した結果、4,784万4,000円の変動となっております。
 なお、変動額は、この額に落札率85.27%を乗じ、さらに消費税を加え、約4,284万円となります。
 8ページに戻っていただきまして、先ほどもご説明いたしましたけれども、資材の変動額を除いた最終工事費(C)の1%は請負者の負担となることから、これを差し引いた約2,787万円が単品スライドによる増額変更分となります。
 したがいまして、最終の契約額は、14億9,712万9,900円にスライド増額分の2,786万4,900円を加えた15億2,499万4,800円となり、現契約額から2,139万4,800円増額変更するものでございます。
 以上で、都市計画課関係の契約変更案件についての補足説明を終わらせていただきます。
◎田村港湾課長 同じく課長補足説明資料の10ページをご覧ください。
 第69号議案「長崎県県営空港条例の一部を改正する条例について」、補足してご説明いたします。
 現行条例では空港に離着陸できる航空機の重量制限について、航空機の車輪が1個であると仮定して、その車輪が空港の舗装に与える荷重である換算単車輪荷重を算定して判断するようにしております。しかしながら、現行条例では、福江空港においてはボーイング737の離着陸に際し、条例のただし書きに基づき、国の運用基準を参考に判断せざるを得ない状況が続いておりました。
 昨年度、国の運用基準が、より精度の高い方式に改定されたことに伴い、各空港における航空機の重量制限について検討した結果、大幅に緩和される可能性が生じたため、今回、所要の条例改正を行おうとするものであります。
 なお、これによって、現在、運航されている定期便に影響はございません。
 次に、第75号議案「長崎県建設工事紛争審査会への仲裁申請について」補足して説明をいたします。11ページをご覧ください。
 本件は、かし修補に伴う損害賠償金の支払いを求めて長崎県建設工事紛争審査会へ仲裁申請を行うものでございます。
 仲裁申請を行うに至った経緯は、次のとおりです。
 島原港外港地区のフェリー乗降施設の改良として、島原港フェリー乗降施設改修工事を、平成19年3月13日に久保工業株式会社と3,321万2,550円で契約いたしました。
 平成19年12月14日に、検査指導幹による完成検査を受け、同日、引き渡しを受けましたが、7カ月後の平成20年7月14日に、油圧シリンダーからの油漏れを確認しました。
 原因究明のため、久保工業と合同でシリンダーを調査した結果、平成20年8月29日に、シリンダーの傷を発見し、この傷が油漏れの原因と考えられたことから、平成20年9月26日、同社に対し、瑕疵請求の意向を伝えました。
 しかしながら、久保工業からは瑕疵の根拠を示してほしいと主張があったことから、詳細な原因究明を行なうため、平成21年7月10日、第三者機関である「社団法人日本技術士会科学技術鑑定センター」へ鑑定を依頼しました。平成21年11月30日に、「油漏れは油圧シリンダーの傷が原因である」との鑑定が示されましたので、県は、平成21年12月9日にシリンダーの取替費用等に相当する924万5,250円を久保工業に対し瑕疵請求しました。
 これに対し、久保工業からは、県の瑕疵請求は不当であり承服できないとの申し出があり、協議が不調となったところです。
 以上より、長崎県建設工事標準請負契約書第55条に基づき、建設工事紛争審査会へ仲裁申請を行うため、地方自治法第96条第1項第12号の規定により議会の承認をお願いするものであります。
 次に、港湾及び漁港における不法投棄、不法占用防止制度について補足して説明させていただきます。13ページをご覧ください。
 現在の港湾・漁港において、陸上部では、廃船、廃車等により港湾・漁港活動が阻害され、また、周辺環境へも大きな影響を及ぼしていると、県議会からも指摘を受けておりました。
 また、海上部においても、プレジャーボートの不法係留により利用者間において不公平感を増幅している状況があります。
 いずれも、公共空間における不法投棄、不法占用であることから、これらを一括して改善、防止する制度について検討してまいりました。
 これら現状における課題、問題点を、大きく6項目に整理いたしております。
 主なものとしては、港湾は通常使用の許可等を市町に権限移譲していることから、管理者の役割分担が今まであいまいなところがあったこと、また、監督処分や罰則等管理上の法的権限が弱かったこと、あるいは、不法投棄者を特定することが困難な場合が多いことなどが挙げられます。
 これらの課題に対処するための今後の県の基本方針として、次の3つを掲げて取り組むこととしております。
 第1の基本方針としては、県市町、関係機関がそれぞれ自らの責務と役割を自覚し、相互に緊密に連携しながら、不法投棄、不法占用等の防止、是正に努めること。
 第2の基本方針としては、現状における原因者を特定できない廃船や廃棄物等の一掃を行うこと。
 そして、第3の基本方針として、管理権限の強化等により新たな不法投棄、不法占用を未然に防止すること。
 以上3つの基本方針のもと、これらを実現するための具体的方策として、次のような制度の導入や事業実施に取り組んでまいります。
 基本方針(1)の方策としては、まず、県と市町の役割分担を明確化すること。県の役割としては、是正対策の企画・調整、市町の指導、監督処分などであり、市町の役割としては、日常監視により違法状態を早期に把握し、是正や適正利用の指導を行うものであり、今後、県市町が、それぞれの役割を明確に自覚しながら取り組んでまいります。
 次に、関係機関との連携強化を図るために、漁協、小型船舶安全協議会等への定期的指導や、刑事訴追も視野に入れた海上保安部等との連携の強化、また、県市町担当者の定期的意見交換などを行うこととしております。
 次に、基本方針(2)の方策として、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用して、「港クリーンアップ推進事業」を実施することにより、原因者不明の廃棄物等を一掃し、環境保全の確保と施設の適正利用の増進を図ってまいります。
 また、簡易代執行による速やかな撤去を可能とするため、従来の水域に加え陸域についても「放置禁止区域」を指定してまいります。
 また、基本方針(3)の方策として、先ほどの「放置禁止区域」を指定することにより、罰則の強化による抑止力の強化を図ってまいります。
 また、「港湾施設用地における廃棄物にかかる占用許可基準」を新たに制定し、飛散防止柵の設置や連帯保証人の義務化など使用許可条件を整備し、施行いたします。
 あわせて、不法投棄や不法占用の未然防止、早期発見、早期対応に対処するため、県内6ブロックに6名の不法投棄等監視員を配置し、監視パトロールや調査、情報収集、関係機関との連絡調整等を行うための事業として、「港湾・漁港不法投棄等監視パトロール事業」を実施してまいります。
 以上ご説明した各事業については、いずれも平成22年9月の施行を予定しております。今後、「放置禁止区域」の指定告示や各事業にかかる契約手続等を進めてまいりますが、これらの事業の円滑な実施を図るため、県の各種広報紙や関係機関等への説明など、県民や関係者等への事前の周知を図ってまいります。
 以上が、不法投棄、不法占用防止制度の概要説明ですが、次に、14ページをご覧いただきたいと思います。
 この図表は、不法投棄等防止制度の実施によるその効果をイメージするために作成した表でありますが、横軸に時間の経過を、縦軸には、監視活動の頻度及び不法投棄等の放置件数の関係を表しております。
 平成22年9月から不法投棄等監視パトロール事業を実施することにより、従来の市町による通常監視に加え監視活動が強化され、これに伴う撤去指導、監督処分等が推進されるとともに、「港クリーンアップ推進事業」により、所有者不明の物件については、港湾法に基づく簡易代執行による放置物件の撤去が可能となり、平成24年3月までには、多くの放置物件の撤去処分ができるものと考えております。
 なお、「港クリーンアップ推進事業」と「港湾・漁港不法投棄等監視パトロール事業」が平成23年度までの2年間の事業であることから、平成23年11月ごろまでに、これまでの事業効果の検証を行い、平成24年度以降の対応策を検討していくこととしております。
 以上で、港湾・漁港における不法投棄、不法占用防止制度についての補足説明を終わります。
 ご審議のほどよろしくお願いいたします。
◎大場住宅課長 県営住宅家賃算定の誤りについて、補足してご説明いたします。
 資料の15ページをご覧ください。
 誤徴収の期間でございますが、深堀団地が、平成10年度から12年間の過大徴収、上本山団地が平成19年度から3年間の過大徴収、新田団地が平成19年度から3年間の過小徴収でありました。
 還付額でございますが、県営住宅の家賃は、私法上の債権とされておりますので、過徴収期間の全期間について還付することとし、還付額には、民法の法定利率5%で計算した利息を加算しております。
 その結果、還付対象者101世帯に対し、元金約5,476万円、利息加算金約1,647万円、総額約7,123万円の還付を行っております。
 還付額の概要でございますが、深堀団地98世帯においては、一世帯当たりの最大還付額は、利息分を含め約192万円、平均還付額は72万円となっており、上本山団地3世帯においては、最大で約1万円となっております。
 新田団地3世帯分の過小徴収額9,200円については、請求しないものといたしております。また、滞納のある方については、未納額分を差し引いて返還いたしました。
 還付財源につきましては、早期返還を再優先に考え、当初予算の、「償還金、利子及び割引料」から支出を行っております。
 過大徴収があった世帯については、過徴収の事実が判明した後、平成22年6月1日を利息確定基準日といたしまして、速やかに還付の手続を進め、死亡等により承継された方も含め、既に、すべての方への還付を終えております。
 現在、県営住宅全戸について、同様の誤りがないか確認を行っており、作業が終わり次第、結果を公表いたします。
 再発防止策といたしましては、電算システムの改善のほか、数値等の入力過程のチェック体制や入居者の家賃算定の基礎となる数字について定期的な確認を行うなど、再発防止のためのマニュアル化を検討しております。
 今回は、多大なご心配とご迷惑をおかけしましたことを深くおわび申し上げます。
 以上で、補足説明を終わります。
○陣内委員長 引き続きまして、午前中の分科会において野口委員の方から説明を求めていた海砂関係について説明をお願いいたします。資料を配付いたします。
◎木村監理課長 午前中、野口委員からのご質問がございました本県と佐賀県の海砂採取にかかります許認可区域の境界についてのご説明をさせていただきたいと思います。
 資料を2枚お配りしておりますが、1枚目が文字の方でございまして、これまでの経過とか、本県、佐賀県の主張等を記載したものでございます。2枚目の方が図面になっておりまして、まず、この図面の方で概略ご説明をさせていただきたいと思います。
 ここは、呼子沖から唐津にかけての図面でございますが、まずは、青い線が漁業取り締まりラインでございまして、現在、佐賀県との間に引っ張っているこの青いラインよりも北側の海域で本県は海砂採取の許可をしているという実態でございます。佐賀県は、これよりも南側の方で許可をいたしております。
 今回、佐賀からの申し入れの内容といたしましては、青いラインではなくて赤いライン、この等距離ラインでございますが、この等距離ラインで、本来、境界を決めるべきではないかということで、交わっております斜線で「両ライン中間海域」と書いておりますが、この斜線の部分で、現在、採取認可を出しているのをやめて、ここから北側、等距離ラインよりも北側の方で長崎県は許可を出してもらいたいというのが、佐賀県の主張でございます。
 1枚目の方に戻っていただきまして、これまでの経過について概略ご説明をさせていただきます。
 平成13年度以前の長崎県と佐賀県の境界につきましては、長崎県は等距離ライン以北で許認可を出しております。佐賀県は漁業取り締まりライン、先ほどのラインで言いますと青いラインよりも南側で許認可を行っておったという実態がございます。
 平成13年度に、長崎県内の採取業者から、その両ラインの間、先ほどで言いますと「両ライン中間海域」と書いておりますが、この間で採取申請がなされたということから、平成13年11月に本県から出向きまして、佐賀県と協議し、最終的には平成14年7月に課長名で壱岐市長に通知を出して、実際の許可は14年10月から長崎県が許認可を出したという実態でございます。その後も同様に継続して、同区域内で採取の許可をいたしておりますが、これについては佐賀県から特段の異議はございませんでした。
 その後も、平成18年1月と平成20年6月と11月の3回、本県の担当者が佐賀県に出向きまして、漁業取り締まりラインをもって両県の許認可区域とすることについて、佐賀県側からは異存のないことを確認いたしております。
 ところが、平成20年11月18日、佐賀県知事の定例記者会見の中で新聞記者の質問に対して知事の方から、「海砂採取の許認可海域に係る本県との境界については等距離ラインと考えるべきであり、長崎県と協議をする」というような発言がございました。これを受けまして平成20年11月25日以降、佐賀県の方と協議をいたしておりますが、先ほど申しましたように、佐賀県からは長崎県の許認可区域を等距離ラインまで後退してほしいというような申し出の内容でございます。今年の5月26日まで8回の実は協議をしておりますが、両県の主張は平行線のままでございます。
 佐賀県側の主張を整理いたしますと、ここに主な主張を書いております。平成13年度の長崎県との協議では、漁業取り締まりラインを境界とすることに同意はしていないという主張、このほかには県境の決め方、県境の決め方については等距離ラインが最もふさわしいんだという言い方、3つ目といたしましては、かつて長崎県も等距離ラインを主張していたじゃないかというふうなことがございます。
 これに対しまして長崎県の主張等も書いておりますが、確かに正式の公文書は交わしてはおりませんが、13年度に両県で協議したことは事実でございまして、その後、本県が許可をした後も、佐賀県からは何ら問題とする意見はあっていないということ。また、その後も平成17年、平成20年度にも異存のない旨を確認しているということ。
 等距離ラインが最もふさわしいという佐賀県のお考えにつきましては、いろいろ考え方はあると、等距離ラインだけではないということでございます。
 また、2枚目の地図でございますが、先ほどの青で引っ張られた漁業取り締まりライン、これは壱岐と佐賀県の間側でいくと真っすぐ横に寝ているんですが、あと途中から縦に、北の方に伸びているラインがございます。これは、実は長崎県と福岡県の採取区域を決めるに当たってのラインでございまして、漁業のゴチ網、漁業の取り締まりラインをもって長崎県と福岡県では境界というふうにいたしております。ですから必ずしも等距離ラインが一般的だというわけではないというようなことを、本県では主張いたしております。
 本県の考え方といたしましては、両県の実務上の了解事項として、これまで平成14年度以降ずっと続けてきた経過も踏まえまして、現在の取り扱いが最もふさわしいんじゃないかというふうに考えております。
 今後とも引き続き何か方策はないのか事務方で十分協議を行いたいというふうなことで、こちらの方としては話をしておりますが、佐賀県の主張の最後の丸の方に書いておりますが、佐賀県側としては膠着状態でなかなか解決の糸口がつかめないということであれば、自治紛争処理委員の設置を国に対して求めるというよう報道も一部なされているところでございます。
 以上でございます。
○陣内委員長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより各議案に対して一括して質疑を行います。
 ご質疑はありませんか。
◆野口委員 議案について、1点だけ確認しておきます。
 1ページの第75号議案でありますが、長崎県建設工事紛争審査会というのが出ておりますけれども、この会はどういう会でしょうか。法的根拠、審査会のメンバー、そういったこと等の概略を教えてください。
◎木村監理課長 建設工事紛争審査会についてご説明いたします。
 これは、建設業法第25条に基づきまして設置しているものでございまして、委員は全体で10名いらっしゃいます。この中で選ばれた3名の方でもって、それぞれの案件を処理していただくというふうになっております。
 以上でございます。
◆野口委員 説明による経過を聞くに当たって、今のところ請負者に対する修補に伴う損害賠償金の請求ということになっておりますが、もし審査会である種の和解案等が示されたとして、それを相手側が守らないという時にどうなるのか。いわゆる審査会の決定そのものの法的な位置づけ、こういったものはどのようになっているのかお示し願いたい。
◎木村監理課長 建設工事紛争審査会では、今回は仲裁でございますので、仲裁であれば準司法的な措置ということで、基本的には、ここで示される仲裁判断に両者従っていただくという形になります。
○陣内委員長 ほかに質疑はございませんか。
 ほかに質疑がないようですので、これをもって質疑を終了いたします。
 次に、討論に入ります。
 討論はございませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
 議案に対する質疑・討論を終了いたしましたので、採決いたします。
 第69号議案、第74号議案及び第75号議案は、原案のとおり可決することにご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 ご異議なしと認めます。
 よって、各議案は原案のとおり可決すべきものと決定されました。
 次に、お手元に配付いたしております陳情書一覧表のとおり陳情書の送付を受けておりますが、これについて何かご質問はございませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 質問がないようですので、陳情については承っておくことにいたします。
 次に、土木部の議案外所管事務一般に対する質問を行うことといたします。
 ご質問はありませんか。
◆八江委員 午前中に質問するチャンスがなかったもんですから関係して、振り返って、お尋ねしたいと思います。
 総合運動公園の問題の中で、諫早市の体育館が現在の駐車場のところにできる。サブグラウンドは今改修中と。その前にあります樹木園の問題なんです。樹木園という立派な樹木があるんですけれども、そこに駐車場をつくらないといけないということもありまして、樹木園をどうしていくのかという問題を検討いただいているのじゃないかなと思います。今のままでは当然駐車場はできませんし、そしてまた、今ある樹木がどのようにされるのかということを確認しておきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎西村都市計画課長 委員ご指摘の諫早運動公園に、教材園と私ども呼んでおりますけれども、現在、子どもたちの一部遊具とそういう樹木のスペースがございまして、今度の国体の際にはどうしても駐車場が不足するということで、駐車場の候補地として計画を進めているところでございます。
 ご存じのとおり、諫早運動公園は32ヘクタールの供用面積のほとんどをいろんな施設が占めておりまして、非常に施設密度が高い公園でございます。しかも、非常に立地のよさから人気の高い公園でございますので、開設する部分に駐車場をつくるということになると、委員ご指摘の教材園の部分しかないということで、約500台の駐車場を設置するという計画を進めております。
 公園という性格上、教材園の樹木についても配慮が必要だということは十分認識しておりまして、現在進めております教材園の計画では、駐車場にはするんですけれども、できるだけ既存の樹木を残す形、それから、大きなイベント以外の時には緑地広場として使えるような計画にできないかということで進めております。
 ちなみに樹木に関しましては、樹木医さんにも見てもらったりしながら検討しております。全体で約640本ほど樹木がございまして、計画の中で使えると考えられているのが、端数は変わると思いますけれども214本、公園内、もしくは公共施設の中に移植できるんじゃないかというのが260本、差し引きの約165本については伐採やむなしということで考えております。
 いずれにしましても、駐車場確保の用地がない公園でございますので、極力計画の中で樹木を保存する努力はいたしますけれども、現在申しましたような状況でございますので、ご了解お願いしたいと思います。
 以上でございます。
◆八江委員 もちろん駐車場も非常に大事なことですし、我々も駐車場だけはしっかり確保してほしいと。確保というのは、運動公園内だけでの確保のみならず、周辺も含めて、台数はこれでいいのかというのを盛んに言ってまいりましたし、少なくとも数千台の駐車場が必要じゃないかと今でも思っております。思っていますけれど、ただ、教材園にある樹木というのを、今のお話のようにほとんど伐採してしまうという話を私は聞きましたので、それでどんなになっているかなということでお尋ねしたら、移植をするということでありますけど、国体が開かれた昭和44年以降に教材園として、しかも、数十年、40数年余りあった大事ないえば樹木、木は大きくなるほどいいものにもなるし、また、逆に長くなって悪くなるのも中にはないとも言えませんけど、そういうものを伐採してしまうということでいいのかどうかというのを感じたものですから確認しておきたかったのです。
 今のお話のように260本分は移植をするということ、あと214本が残すということでしょう。残りが伐採というようなことですけど、皆さん方の地元といいますか、それぞれ関係者の方に聞けば、何で伐採するのかと。あれだけ立派な樹木なのに切ってしまわないといけないのかという話です。
 そうすると、その樹木を県民、あるいは市町に、言えば払い下げというか、売る必要はないですけど移譲していいじゃないかと。記念すべき樹木がたくさんあるはずです。だからそういったことができないのかなという話も出たので、まず、そのことについては検討されたのかお尋ねしておきたいと思います。
◎西村都市計画課長 一般県民の方にお譲りするということとは別に、移植自体が可能かということを樹木医さん等にご相談して、判定していただいております。
 そういったことから、残せるものは計画の中で活かしてできるだけ残すし、移植できるものについては、公園内の別の場所であるとか、あるいはほかの公共施設ということで移植を考えておりまして、具体的に県民の方にお譲りするという発想での検討は、正直言って行っておりません。
 以上でございます。
◆八江委員 まずは、諫早市の中にありますから諫早市、あるいは場合によっては大村市、その市町に対して要るか、要らないかという問題もあって公共的、あるいはまた県有施設のところに、こういう記念すべきものだから持っていってもいいんじゃないかと。持っていくには、堀取り、移植を含めて、大きければ大きいほど金はかかりますけど、そういったこともあってよかったんじゃないかなと、そういう検討をされた上で、それはもう必要ないということだったのか。それとも今申し上げたように県民に譲るということになりますと、県民も個人からいろんな団体とかあるわけですけど、これとこれとは必要だけど、これは要りませんよとした時に、自分たちで持ち帰っていいから何月何日までに、後はちゃんとして戻してくださいよということで樹木を配布してもいいんじゃないかなという発想が出てくるんです。また、皆さんからの話もそういうのがあるんですけど、そういった検討はなされたんですか。
◎西村都市計画課長 繰り返しになりますけれども、実際に私どもが検討いたしましたのは、委員もおっしゃいましたように県有施設とか、周辺の市町への打診、問い合わせは行っております。そういった中で移植の可能な樹木というのは把握しておるわけです。
 ただ、委員がおっしゃいましたように、県民の個人の皆様にお譲りするという発想での検討は正直行っておりませんので、今のご意見を踏まえさせていただいて、可能かどうか検討はさせていただきたいと思います。
◆八江委員 大きければ個人が持っていって庭に植えるわけにいかないでしょうけど、場合によっては学校の記念樹とか、卒業記念にもらっていくということだってあると思うんです。ただ、時間の問題がありまして、改修工事も今年からもう始めていかないといけない立場ですから、いつまでもそうしろということではないんですけど、そのようなこともないと、私たちは木に関係している者の一人でもあるし、私は森林関係の仕事にも関係している。やっぱり木というのは育っていけばいくほど大事なものであり、また、それを伐採するという発想が、我々にとってみれば非常に問題があるなと。せっかく教材園として長い間何十年とたったものを切るというのは、いえば一番能なしの話で、まず、移すということを前提で考えた上で、工期を考えながら、やっぱりできるだけ多くのものを紹介していくというのが必要じゃないかなと、こういう思いです。
 もう一つだけそのことに加えれば、諫早市等の話をしました。過去の経緯もありますけど、諫早湾干拓には木が1本も生えていないのと一緒なんですよ。それで生えていないために、どの木があそこに合うのかということで、県で旧農林試験場の樹木試験を長い間やってきたんですよ。試験場のところでずっと植えてやってきました。やってきましたけど、植えようとしたところに、今の農林技術開発センターが移転する前に樹木を植えずに出ていってしまったと。それは道路管理の問題とか、景観の問題とかいろいろあったんでしょうけど、話していると何で干拓に植えられないのかなということも、自らも申し上げておったし、あそこに持っていけば、木が必要だと。それはできないのかというと、皆さんが大手を振って「それはそうだ」と、こういう話になるんです。
 例えばそういう話があるけど、それではだれが植えるのか。だれが持っていくのかという問題になってくると、切った方が一番早いということになってしまうけど、何とか木を活かしてほしいなという思いです。ですからそういうところに移植が可能なのかどうか、どこが担当すればいいのかということも含めて、もう一度考えて、切るのは最悪の時に切っていただきたいと、それだけをお願いしたいんですけど、いかがですか。
◎西村都市計画課長 都市計画課も公園を所管している部局でございますので、緑の大事さというのは非常によく理解しているつもりでおります。委員おっしゃいました趣旨は十分理解できますので、ぜひそういう方向での検討もさせていただきたいと思います。
◆八江委員 今言われたように、都市計画の方が公園を所管している部門でありますから、やたら片づけるという話じゃないと思いますし、また、運動公園には移植をしながら、また、そこに持ってくるということもあるでしょうし、最大限に活かしてほしいなということを、そしてまた、残った100何十本かの幾らかをできれば諫早湾干拓の中に移植して、公園の一部として使えないかということだけ要望しておきたいと思います。
 それから、もとに戻って申しわけないですけど、今度知事さんが「人が輝く、産業が輝く、地域が輝く」というテーマで、知事選を戦って見事当選したんです。
 先ほど話が出ておりますように地域の輝く中で河川の整備、ふるさと輝くみんなの水辺づくり事業費とか、人にやさしい道づくり事業費を5億円ずつ、合計10億円というものをつくっていただいた。野口委員からいろいろ質問もあっておりましたが、私は非常にいいことだと。名前も、知事がこういうことで地域を活性化させよう、輝かせようという思いですから大いに結構だと思います。そう思いますけど、その5億円は5億円でいいですけど、これは単年度じゃなくて時限立法、何年間という限定をしておられるのか、その辺を確認しておきたいと思います。いかがですか。
◎西田河川課長[参事監] ふるさと輝くみんなの水辺づくり事業ですが、これは河川の愛護活動をされている河川などにおいて、その愛護活動を支援するということで階段とか、通路の舗装のために、こういった事業を行う予定にしておりまして、事業年数として、今のところ3年間を考えております。年間5億円ということで、総事業費15億円を見込んでおります。
 以上です。
◆八江委員 個々の内容には、清掃などの愛護活動に取り組まれていると、いろんなものをつくり上げることができるということですから、それは大いに結構だと思うし、県民がいろいろ求めておるのは、道路の問題もしかりですけれど、やっぱり一番困っているのが除草作業、これが一番問題で、何事かあれば県民サービス、きめ細かな県民サービスと言われれば、道の清掃の問題とか、河川の改修とかもろもろがあるんですよ。だからそれをしていただくということは大いに結構だと、また、それをやるべきだと私は思います。そして県民が見えるところのサービス、大きな事業を何十億円とやったって、一部のところには見えるけれども、ほかの県民には見えません。ですから以前は10土木事務所がありましたけど、今は振興局なんかがあって、それが変わりました。私が土木委員長をさせていただいたころは、10土木事務所管内の1つの予算が平均700万円しかなかったんです。だから合計の7,000万円だったんです。その7,000万円が、いえば3年間の時限立法ですから5億円ですけど、つけていただくということは、もっと県民が期待するものだと思うし、今いろんなことが出ています。本明川なんかの支流はダンチクでいっぱいです。だからそれを早く除草してくれと。国土交通省の一級河川の本明川流域は草1本生えていない、草もきれいに払ってある。県の河川の担当との格差がひど過ぎて、これはどこが管理しているのかと言われるぐらい、もう極端に違うんです。国土交通省は本当にきれいにやっていますよ。ところが、一つというか、治水支流になってくれば、もう草ぼうぼうというか、竹ぼうぼう、もうどうにもならないと言われるぐらい余りにも格差がある。国土交通省のしないところはわからないとは思いますけど、するところは余りにも格差がひど過ぎるから、河川改修というよりも管理者上的なものについても、これは3年と言わずに5年また延長してもやるべきですよ。
 それから、道の問題もそうです。合併で近回りできるように道をつくるようになったけれど、合併が終わったら名前が変わってということもあります。できるだけ短時間で各役所に届けるようにするのが、ふるさとの道づくり等の問題になってくるんじゃないかと思いますから、そのあたりが見えないと、やっぱり県民も約束が違うねと、マニフェストと違うんじゃないかということになりますから、この件についてはしっかり守ってほしいと思うんです。道の問題と河川の問題の延長も視野に入れて考えてもらいたいと思いますけど、これは次長が技術屋のトップでしょうから、あなたの考え方でどんなにでもなるだろうかと思います。いい事業だと思っているから、今のうちに、もう一度、あなたに確認しておきたいと思います。
◎田中土木部次長 委員ご指摘のとおり、県民の皆さんの期待に応えるのが私どもの使命であるというふうに考えてございます。
 また、知事が今回の選挙の中で掲げられた大事な約束事を、私どもはしっかりやっぱり守っていくということが大事なことであろうというふうに考えてございます。
 両事業とも3年間ということでございますので、この効果をしっかり見極めた中で、少し修正することもあろうかと思いますが、また、議員の応援等もいただきながら、県民の皆さんの期待に応えられるような事業をしっかりやっていくということが、我々の使命であろうというふうに考えてございますので、これらの事業の効果が出るように一生懸命努めてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
◆八江委員 もう一回ぐらい私たちも見届けできるように期間まで頑張って議員をしておきたいと思いますから、お願いをしたいと思います。
 それから、愛野バイパス、あれは愛野森山バイパスの件が先ほど出ておりました。ここは改良事業で一気に進めていただいておりますから、本当に島原半島の人も期待感を持ってやっておられると思うんですよ。それはそれとして大いに結構です。
 ところが、愛野森山バイパスから57号の尾崎交差点間が全く見えないんです。ここは直轄事業です。それはどのように進められていくのか。一緒に用地買収なんかはどんどん進んでいくのかなと思うけど、国体までは、それが見えないのかなと地元の方が心配をしております。このことも一度この際確認をしておきたいと思いますけど、いかがでしょうか、57号の延長の問題です。
◎大我道路建設課長 委員のご指摘は、森山拡幅の件だと思います。
 森山拡幅につきましては、現道の拡幅の4車化について、長野交差点から尾崎交差点まで完成しております。その先、尾崎交差点から県でやっております愛野森山バイパスに接続する区間がございますけれども、その区間につきましては、国の方で57号のバイパスということで自動車専用道路を2車線つくりまして、それが県でやっております愛野森山バイパスに接続する形になっています。直轄事業で進めていただいております。
 現在の状況はと申しますと、用地買収とか、一部工事着手できるような状況になっているところでございます。基本的には、島原道路の区間も一部区間でございまして、直轄の方でも、その区間を進めていただいて、県でも進めていくということでございます。
 完成時期等については、まだ用地に着手したばかりで、工事も今からという状況なものですから、まだ明確にはされておりません。
 いずれにしましても、国の方では重点的に進めるということで、県も一緒になってやっている状況でございますので、そのあたりは一緒に頑張って進めることになるかと思っております。
 それと田尻インターと言っておりますけども、旧森山町の田尻インターのところ、先ほど申しました国で進めている区間と県で進めている区間のちょうど接続部でございます。その部分は委員ご存じかと思いますけど、今の国道の57号のつけかえの工事を地盤改良等もやっておりまして、事業としては、工事も一部進んでいるような状況でございます。
 以上でございます。
◆八江委員 あそこは距離が短いから一気にしていただきたいと思います。国の国道予算が厳しいというような状況もありますけど、あっちも外され、こっちも外されはしないだろうと思いますから、あれはやれやれということで国の方にもしていただく、あるいは民主政権もそこまでは邪魔はされないでしょうから、どうぞひとつやってほしいと思います。
 もう一つ、今度は諫早南バイパスの件でインターから日大高校の方に出てから行くあたり、これも国体に間に合うようなことで期待感を持って栗面の交差点までぐらいは何とかならないか、インターにならないかと期待していたけど、地権者である2地域の人が強力な反対を、今のところまだしているというような状況です。
 先の方は、今描いてもらっている長野インターから栗面交差点方面は、トンネルとほとんど、同意できるところであるから、予算はいくらでもあると。こういう予算があるなら、そこからやっていって、トンネルなんかは新幹線と一緒ですから、穴を開けながら、その間に解決していくはずだと思うから、逆の方からし始めていいんじゃないかと思うんですけど、そういう感覚はないんですか。そうしないと完成が遅くなってしまって、ずっと遠のいてしまうんじゃないかと思うんですけど、その点いかがですか。
◎大我道路建設課長 今、委員ご質問の件については、島原道路の一部として、現在、高速道路の諫早インターから栗面インターと我々は申しておりますけれども、栗面、平山あたりになります。その区間から長野というか、鷲崎の両区間について、昨年度から都市計画決定の手続を進めているところでございます。
 県としましても、早期の都市計画決定ということで、昨年度頑張ってまいりました。しかしながら、委員ご存じのように、地元の同意等がなかなか難しいこともございまして、今年度も引き続き都市計画決定の手続を進めているところでございます。
 我々としましては、諫早インターから栗面インター間については既に事業化しておりまして、早期の予算等もついております。
 そういうこともございまして、今年度できるだけ早い時期に地元の了解を得ながら都市計画決定をして、事業を進めてまいりたいと思っております。
 あと1点でございます。委員ご指摘のトンネルの計画があるので部分的に反対の方から着工できるというお話でございますけれども、現在、都市計画決定自体がまだ確実にできておりません。
 それと、まだ都市計画決定ができていないということは、地元の十分な理解がまだ得られていない状況でございまして、そういう中において、もちろん用地も買っておりませんので、そういうまだ状況ではございません。
 いずれにしましても、県としましては、一日も早く都市計画決定をするために地元の了解を得るように最大限の努力をして、頑張っているところでございまして、そういう状況であるということで、よろしくお願いします。
◆八江委員 今の後の話ですけど、場所は鷲崎じゃなくて長野です。間違わないように。鷲崎は隣です。だからそこと栗面間はほとんどトンネルと地元のインターのところが同意に近い状況にあって、いつするのかというぐらいなんです。手前の方の平山と貝津の方が問題です。それはあなたの近くですから、あなたがよく知っているでしょう。
 そういうふうな状況ですから、何とか早く都市計画決定して、される方からしていかないと、新幹線だってされるところはして、後で用地交渉をして追っかけているような状況ですから、方針が変わっていいなら、多少の遅れはあってもトンネルだけは掘れるわけですから、それくらいのことをして、せっかくの予算があるならば、地域活性化のためにも含めて進めてほしい。そして、同意ができるところからしていけば、同意していないところも同意しないといけないなという思いもするし、また、場合によっては、国体にも貢献できる道にもなるんじゃないかと思いますので、そのことだけ次長に最後にお尋ねしてから、必要であれば、また質問します。
◎田中土木部次長 先ほどの道路建設課長の答弁に若干補足をさせていただきます。栗面と長野の間を先行してやったらどうかというご質問でございました。
 私どもも島原道路全体を早く整備する必要があるだろうということにつきましては、委員と全く同感でございます。そのような中で栗面と長野間につきましては、今2つの課題がございます。
 1つは、区間が事業区間として国からまだ認められていないというところがございます。
 先ほど道路建設課長が申しました諫早インターから栗面までは、事業区間として認められてございますが、まだ認められていないというところがございます。
 もう一点は、諫早インターから長野までを都市計画決定していこうということで頑張っているんですが、まだその都市計画決定に至っていないと。
 この都市計画決定に至る経過といたしましては、まず、市の都市計画審議会にかけていただいて、そして市の都市計画審議会で了解をいただいて、県の都市計画審議会にかけて、最終的に決定というふうな手続になってまいります。
 今、諫早市さんと一緒になって、都市計画審議会に早くかけていただけるような調整をしてございますので、そのような整備促進につながるよう一日も早く持っていきたいというふうに考えてございます。今後とも、また、ご支援のほどをよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○陣内委員長 お諮りします。
 まだまだ質問があるでしょうから、ちょっと休憩を設けたいと思いますが、よろしいでしょうか。
     〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 3時15分まで休憩をしたいと思います。よろしくお願いします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午後3時5分 休憩−
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     −午後3時15分 再開−
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○陣内委員長 委員会を再開いたします。
◆山口[初]委員 お尋ねをいたします。
 この2ページから3ページにかけて4車線化の問題について記載されているんですが、この件については、昨年の金子知事の時でしたけれども、4車線の必要性についていろいろやり取りをやった経緯で、土木部長にもいろいろとご答弁をいただいたんです。その時の話の趣旨としては、4車線もいいけれども、長崎県内においては3けた国道、住民の皆さんの生活に常に密着した道路を整備してほしいという声が圧倒的に多いという、そういう議論をしました。その後、3けた国道に対して、県土木部として新たな思いというか、何らかの施策を打たれたのか、打たれていないのか、まず、その辺についてお尋ねをしておきたいと思います。
◎大我道路建設課長 委員がご指摘の高速道路の4車線化につきましては、今県議会においても本会議等で質問がございまして、お答え申し上げたところでございます。
 3けた国道でございますけれども、3けた国道と高速道路は性格が違いまして、高速道路につきましては、地域高規格道路も含めまして県の骨格となる路線でございます。
 そういうことでございまして、県としては重点的に進めたいということで、九州横断自動車道の一部につきましては、2車線で供用しておりまして、また、現在、西九州自動車道について、重点的に国の方で整備されているところでございます。
 一方、3けた国道、例えば県で管理しております202号とか、206号とか、499号とか、207号とか、そういう路線があります。それにつきましては、県の方で補助国道として整備しているわけでございますけれども、当然それは西九州自動車道とか、九州横断自動車道とか、それをある意味補完する道路網の重要な路線でございまして、規格の高い道路とともに補助国道と3けた国道についても、県としては取り組んでいる状況でございます。
◆山口[初]委員 まず、3けた国道の話に入る前に、この4車線化の問題で出島道路の利用率というか、当初計画率が6割程度というのが去年の資料に載っていたんですけれども、今はどうなんですか。出島道路は、あそこの出口ですから、4車線と関係して長崎〜多良見間の車の利用率は、当初計画に対して今どの程度の状況にあるんですか。
◎大我道路建設課長 出島道路と九州横断自動車道の交通量の計画時と実際はどうかというお話だと思います。
 現在、九州横断自動車道のお尋ねの区間につきましては1日あたりの交通量が約9,100台程度でございます。現在の車線数が2車線でございますので、計画交通量は大体1万台を超えるぐらいとなりますが、国の方での計画が幾らというのは発表されておりません。
 また、一方、出島バイパスの計画交通量につきましては、平成21年度の計画交通量が1万3,000台でございまして、それに対して実績は約8,700台、計画の比率としては67%でございます。
◆山口[初]委員 60数%、少し伸びているようですけれども、この議論をしたら長くなりますので、本筋の2けたの整備の関係なんですが、あの時の趣旨というのは、生活密着型の道路としては大村湾沿岸道路が、今まで無整備の207号の5キロメートルの部分が残っているわけですね。そこが2車線にきちんとなれば、ある程度一定の格好がつくといいますか、それなりの国道で、湾沿岸道路としての体をなすというふうに思っているんですよ。
 そういうことで、そこをやはり整備しておかないと、今度長崎国体がきまして、諫早、長与、時津での各競技種目が決まりましたし、あそこを行き来するようになるんです。そうしますと、今でもまだ離合がままならないもんですから、地元の人は、よそから来る車を待っているわけですよ、ずっと。そして通過してから入っていくというような状況になっています。道路建設課長は今度新しく来られたものですから、一度見てほしいと思うんです。そこのところだけは、いま一度整備を加速してほしいので、国体までには、それなりの格好をつけておかないと、本当に知事がおっしゃっている「人が輝く、産業が輝く、地域が輝く」ということにはならないわけですね。なぜかというと、人にとっては極めて危険な道路であるし、あるいは産業にとっては、唯一230年のミカン産地の道路になるわけです。そして、当然そこが整備されて、地域が輝くということにつながっていくわけでありますから、知事もかわられましたし、道路建設課長もかわられましたし、そのことについては新しい感覚で着手をしてほしいと思っておるんですけれども、その辺のお考えをお聞きしておきたいと思います。
◎大我道路建設課長 委員ご質問の件は、国道207号ということで、従前から207号の整備促進という要望も多々ございまして、それに対してお答えしているわけでございますけれども、現状からご説明申し上げます。
 207号につきましては、現在、工区としましては長与町側の潮井崎工区と諫早市側の木床工区とを整備しているところでございまして、未完了区間と申しまして、まだ整備が進んでいない大きな区間が、長与町側に近い側については約3.8キロメートル、諫早市側について4.3キロメートルの未完了区間が残っているところでございます。
 その整備をということでございまして、我々としましても、全くその整備をやっていないというわけではございませんで、ただ、全体の予算的なものもございまして、この区間につきましては、従前もお話ししているかと思いますけれども、特に佐瀬工区のことを取り上げさせていただきます。
 佐瀬工区につきましては、先ほど申し上げましたとおり、全体で4.3キロメートル区間の中に入っているところでございますけれども、幅員が4メートルとか、それぐらいで非常に狭いということがございまして、県としましても地元の方と一緒に現地等も歩きまして、全体の整備ということで要望がなされたと。ただ、なかなかそういう難しいものがございまして、特に、緊急を要する箇所の待避所について、これまで11カ所ほど要望がございまして、その整備を11カ所してまいりました。
 あと残りの待避所の計画というか、要望がございまして、それにも対応していこうとしているところでございます。ただ、地元との話で、将来的に全体の路線の改良計画を入れてということでございまして、その中で部分的にもやっていこうということで、我々としましても、昨年の平成21年6月にそういう質問等もございまして、昨年の10月には4.3キロメートルのうちの2.2キロメートル区間の概略の設計をやりまして、地元に対しても、こういう形になりますという図面等も提示して、地元に了解をいただいているところでございます。
 そういうことでございまして、その計画を一遍にそういうのは当然できませんので、その中でも一番最初に着手できるような区間、部分的ではございますけれども、全体の計画の中で部分的にやって、当然その対象としても十分できるということである130メートル区間について、工事と用地の説明会を平成22年3月にした経緯がございます。
 そういう説明を行いまして、今年度の夏ぐらいになるかと思いますけれども、まず、その区間について用地交渉をやりまして、できればその区間については工事をやりたいということで進めているところでございます。
 いずれにしましても、一度にはもちろんできませんので、今まで整備してきた一連の流れの中で、今回の約100メートルぐらいについて用地を買わせていただいて、用地交渉が解決すれば、部分的な改良にも着手していきたいなと、そういうふうに思っているところでございます。
 今後も、そういうふうに緊急を要するところについては、部分的に事業を進めていきたいと思いますので、地元の方々と着手する優先箇所を協議しながら進めていきたいと思っているところでございます。
 以上でございます。
◆山口[初]委員 そういうことで、ランクを1つ格上げして、積極的にやっていただくことが一番望ましいと思っておりますから、その辺をぜひよろしくお願いします。
 ちょっと一言言わせてもらえば、4車線化は、ある地域の人たちにとってみれば、もう今既に2車線でビフテキぐらいには見えるわけですよ。4車線にするということは、ビフテキにキャビアをかけて食べるような状況で、非常に格差があるというふうに思っており、私もそう思っていますしね。
 そういう面では、皆さん方は長崎県内のそういう遅れたところにきちんと目を向ける、それが皆さんの行政に与えられた課題だと思うんです。で、私たちの課題でもあると思うものですから、その辺をぜひお願いします。
 お金の世界からいうと400億円対4億円ぐらいの差で済むわけですから、そこもやっぱりちゃんと配慮してやらないといけないんじゃないかというふうに思っています。逆に言えば、こっちがお願いする立場でもあるわけですけれども、これはまた一般質問でもやりますので、ぜひ早急によろしくお願いいたします。時間がありませんので、終わります。
◆西川委員 道路改良予算のところで聞いてもよかったんですけれど、せっかく改良の予算をつけていただいた主要地方道の紐差から獅子、獅子から高越、春日、そして生月大橋の根元の白石まで行く道路のことです。文化庁とのやり取りで、このガイドラインに載っておりますように足かせが物すごくひどいようなことを聞いております。それで実際に予算の執行ができるものか。
 今は平戸の例を挙げましたけれど、各地区で世界遺産登録に向けた準備があっておりますので、その環境を守る立場と道路をつくる立場の違いから土木部のお考え方をお知らせ願いたいと思います。
◎大我道路建設課長 今ご質問の件は、平戸田平線の道路改良工事の件だと思います。その中で世界遺産の関係なものですから、春日工区の件についてご説明申し上げたいと思います。
 懸案になっている平戸田平線の春日工区については、平成21年度、昨年度に新規事業化しているところでございます。我々今計画しているのは延長約600メートルぐらいございまして、その中で400メートルのトンネルを計画しているところでございます。
 そういうふうに事業をやっているのでございますけれども、平戸市が世界遺産関係で、特に春日地区、獅子地区、根獅子地区の3地区が重要文化的遺産ということで、文化庁の文化財として平成22年2月に選定なされておりまして、この区域の中の春日工区が、道路改良計画に入っているところでございます。
 そういうことがございまして、文化遺産に全体の景観そのものが指定されているものですから、当然道路改良をやる場合におきましては、いわゆる改変をするわけですから、文化庁との協議が必要になってくるところでございます。
 それで事業として、平成21年4月と9月に地元への説明会をやっているところでございますけれども、このルートにつきまして、文化庁の方から難色を示されているというところでございます。
 今我々が計画している約600メートルの区間について、トンネルの土工部がございまして、当然山を少し切ったりとか、そういうような部分がございます。
 そういう計画でありますので、景観を少し改良すると文化的重要な遺産の景観を変えてしまうものですから、そのあたりでなかなか難しいというふうに伺っているところでございまして、文化庁の方としては、正式ではもちろんございませんけど、話に聞くところによると、できるだけそういう改変はもうやめてほしいと、事業そのものもなかなか難しいんじゃないかと、そういうお話もいただいているところでございます。当然それは継続で協議等をしているところでございますので、正式ではございません。
 ただ、我々道路サイドとしましては、もともとその計画自体も地元の要望がございまして、計画した経緯もございます。
 それと先ほど建設企画課長がお話ししたと思いますけれど、景観関係のガイドラインに基づいて、このルートについても、基本的に我々が今計画している形ということで、そういう委員会にかけた経緯もございます。
 そういうことがございまして、我々としては景観に配慮した事業を継続するというふうに考えているところでございます。ただ、世界遺産関係の指定というのがございまして、我々としては世界遺産の指定とこの道路計画が両立できるものであれば、我々としては進めていきたいと思っているところでございます。ただ、それは我々の道路サイドが決めるというものでもないという状況なものですから、やはり地元平戸市と地元の方々がどのように考えているか、そのあたりを尊重して我々は判断していきたいと思っているところでございます。
 以上でございます。
◆西川委員 平戸の地域住民、特に春日地区の方は学校に行くにも、買い物に行くにも、そして仕事に出ていくにも大変曲がりくねった道を、時間をかけて行っているんですね。それと生月からは平戸市の中部の市民病院への通院、また、平戸高校の通学などの人たちもおります。生活道路として大変重要な道路でございますので、市民は絶対道路を早急につくってほしいという願いがあります。
 それで土木部道路建設課におきましても、平戸市民は道路の早期完成を望んでいるということを頭に置いておいていただきたいと思いますし、文化庁などとの折衝の折にも、平戸市の方にもよきアドバイスをしていただきたいと思います。
 参考のために、五島とか、外海とか、県内の他地区などで世界遺産登録に向けて道路建設に支障を来していないのか、その辺もお尋ねいたします。
○陣内委員長 道路建設課長、簡潔に回答してください。
◎大我道路建設課長 平戸と同じように、そのエリアの中に道路計画そのものが入っているところは今のところございません。(「平戸だけですか」と呼ぶ者あり)はい。
 以上でございます。
○陣内委員長 ほかにございませんか。
◆高比良[末]委員 まず、石木ダム関係で質問をいたします。
 地権者の皆さんと知事がすれ違っているもんですから、もう一回じっくりぜひ会う機会をと私も思っております。それで地権者は、この道路工事の現場での面会を、やっぱり会うということでしょう。ところが県側は、「そこは危ないからだめ」と、こう言っている。そんなに危ない場所なんですか。通勤・通学の時間帯でないですよね。外したところで、ある程度の交通規制とかというのはおいて、そこで会うというわけにはいかないんですか。まず、会うことが先決でしょう。何か避けているような気もしますが、少々危険なところでも、まず、会わないと先に進まないのじゃないかなと私は思っているんですよ。
 「20日に会おうと来たけど、知事はいなかった」と言いましたが、ほかの要件で、東京に行ったりして会わなかったんですか。だから代理がきかないもんですから、何かそういう動きがあった時には、すぐ知事を呼んで会うような努力をしないといけないなと思っておりますが、まず、その辺について県の見解を聞きたいと思います。
◎西田河川課長[参事監] まず、4月20日に来られた時の状況でございますが、もともと20日に来るというお話があった段階で、知事は不在で会えないので、土木部で対応するという了解をいただいていた経緯がございます。それと25日に現地の方でお会いしたいという旨の連絡もしておった状況でございます。
 あわせて何で現場に行かなかったかというお話だと思いますが、実は3月末に、3月29日だったと思いますが、当時の所長が抗議活動をされている中に行った時の状況が、もうほとんど道路を封鎖するような状況で、逆に取り囲まれたといったら語弊があるかもしれませんが、そういった状況でもございました。
 ということもありまして、ぜひきちんとしたお話ができるようにということで、4月22日につきましては、石木ダム事務所の方できちんとした話し合いができるようにというお願いをしたところでございます。ただし、向こうの方が来られなかったという状況がございます。
 ただ、知事は、川原地区の地権者の皆様とですけど、その後きちんとしたお話し合いができる場所が確保されるということであれば、現場に行ってもいいというふうに現在もしております。
 以上です。
◆高比良[末]委員 そんなこっちが条件をつけて会ってやるという姿勢がいけないんじゃないんですか。私は住民とかの交通安全上危険であるのかと思ったら、知事の身を危惧して、そこで会わないと言っているんですか。相手も暴力なんか振るうもんですか。
 それにしても、まず、会おうという熱意を見せないと、そんなことじゃ、この問題は片付かないですよ。今言ったように何か条件つけて、こうしたら会いましょうという姿勢では、絶対この話は先に進みませんよ。土木部長、もう少し本気でしないと、一担当だけじゃ、この問題はだめですよ、今のままでは。
◎桑原土木部長 河川課長の繰り返しの部分が出てまいりますが、特に危惧しておりましたのが3月29日でございます。当時の所長が出向いた際も、県道上で反対の皆様方に取り囲まれて、ある意味、帰ろうとしても帰られない状態で黒山の人だかりになったと、もみくちゃになったと、そういったことでございます。県道上でございますので、当然一般車両も通行をしている状況でございます。
 ですから先ほど通勤・通学と申しましたが、通勤・通学時間帯以外だったらいいかといったら、そういうことではございません。
 そういった意味で、まさに反対の皆様方も県道に出てくるような状況になりますので、そういった場面を現場でつくるというのはいかがなものかということで配慮をしたということでございます。決して知事の身を案じてということだけのものではございませんで、一般通行車両及び反対の皆様方も含めて、安全を考えた場合には行かない方がいいという判断でございます。
 その上で、先ほど河川課長が申し上げましたけれども、現場で、まず、反対の皆様方の抗議行動の状況を見た上で、別途場所を移して皆様方のお話を十分お聞きするということについては、安全上問題がないということで考えて、そういった提案をさせていただいておりますが、反対の地権者の皆様方は、それはだめだというふうにおっしゃっているというのが現状でございます。
◆高比良[末]委員 どっちがどうかよくわからないようになりましたが、やっぱりそれなりの配置をして、まず、現場で会わないといけないのじゃないですか。少しこっちが条件つけ過ぎじゃないですか。それなりの人格者でありますので、そう相手も暴力を振るうようなことはしないと思いますよ。
 3月の時にはいろいろ肌に触ったり、いろいろ所長の体に触ったり、そういう状況もあったんですか。これはとても危険で、とても行けないというような経験をされたんですか。
◎鶴田土木部次長 3月29日の状況でございますけれども、当時の所長と本庁から2人参りました。その時横断幕等で周りを囲まれまして、外に行けないような、そこから動くことができないような状況でございました。ただし、暴力とかを振るわれたわけではございません。そういう状態が1時間ほど続きまして、マスコミ等の取材も多かったもので、交通の支障になったという状況はございました。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 マスコミの皆さんが多かった。しかし、そこは何とか交通整理とか、何かもう少し工夫して、1回そこで会わないといけないんじゃないのかと思います。知事も、「私は行かない」とは必ず言っていないはずですよ。どこでも私は行くという気持ちを持っていると思いますが、周りがどっちかというと止めているんでしょう。もう一回知事の気持ちもよく聞いて、やってみたらいかがかなというふうに思っておりますので、この件は、これくらいにしておきたいと思います。
 次に、公共事業関係で、これは6月5日の長崎新聞ですが、「2009年度の県総合評価方式、落札企業増え76社に」と大きな見出しで、平成20年と21年に制度の見直しをして、大幅に受注機会が増えたというような、かなり評価した記事が載っておりました。まず、この関係で質問をしたいと思います。
 この制度については、いろいろ私どもの耳にも入ってきます。今、県には、この制度についていろんな意見があるということをお聞きしておりますが、どういう意見があっているのか。そして、それを2009年に見直しました。どういう形で見直したのか。これは県サイドだけでしたのか、いろいろ関係者が集まってこういう方向にいこうとしたのか。それで改善はされましたが、もう一年ぐらい試行して、もう少しよりよい制度にしようという方向があるようですが、この辺を今後どうしていこうとされているのかについてお聞きしたいと思います。
◎宮崎建設企画課長 いろいろなご意見ということで、対外的に県の方はいろんな協会とか、いろんな組織と意見交換会をやっております。去年は合計38回、意見交換会、もしくは向こうからの要望等を受けております。
 その中で、主な意見としては、今、委員がおっしゃったように偏っているという話もあります。逆に、もっと進めてくれという話もあります。あとはもっと地域が取れるような制度にしてくれという話もあります。
 総合評価落札制度検討委員会というのがあるんですけれども、平成21年2月にそこからのご意見を伺って、特別簡易型を導入しないかというご意見をもらっております。
 特別簡易型というのは、施工計画上の工夫の余地が小さい工事と、金額が一定以下で、あまり施工計画を重視しなくていいという工事については、技術者と企業の実績、要は技術力で評価してはどうかというものです。
 平成21年度に特別簡易型を導入いたしました。その導入をする中で、企業の評価で地域要件といいますか、地域のいろんな実績を評価するやり方にしております。
 今、委員が言われた長崎新聞のこの数字でいけば、地元の落札業者の割合が平成20年度は68%でした。それが平成21年度に、これは農林部との合計ですが、地元が85%落札するような形になっております。
 もっと拡げてくれという話については、まだそういういろんなご意見があるので、総合評価の定着を図るという意味で、要は皆さんに理解をしてもらおうということで、1億円以上で現在試行しております。
 地域が取れるようにというのは、先ほど言いました特別簡易型を導入したらそういう形になってきたということで、県としては、ご意見を伺いながら制度を検討している状況です。
◆高比良[末]委員 いろんな意見を聞く場を36回設けたと。ということは幅広い層からの意見はいろいろ聞いているということですか。そういう理解でいいですか。
 それから、地域限定といいますと、平成21年に五島市で玉之浦のトンネルについて資格要件が、この五島振興局管内にあるものというのがずっと条件となっておりましたけれども、そういう要件を今後も入れていくんですか。例えば今度は対馬でトンネル工事をする時には、対馬の人たちが取りやすいようなそういう見直しもしていくということなんですか。2月に玉之浦でやりましたね、あの時の要件は1番目に「地元での業者であること」と明記されておりましたが、そういう方法も今後とっていくということですか、離島振興も含めて。
◎田中土木部次長 それは、多分、五島市玉之浦町の井持浦トンネルの工事公告の件だろうと考えてございます。
 その地域性の評価の中で、五島地区に本社のある人については、ちょっと今手元にその資料がないので明確には答えられませんけれども、業者の方について地域性を評価する中で、「工事の確実かつ円滑な実施体制としての拠点」ということを評価するようにしてございます。その中で、その管内に主たる営業所があるかというのは、その管内に本社があるかどうかということでございます。また、管内に営業所があるか、ないかということで3段階の評価をしてございます。
 配点がいかがだったか私も定かに覚えておりませんが、主たる営業所があれば、その分だけ加点の点数を高く、そして営業所があれば、それより低く中位の加点を行って、その管内に営業所がなければ、その実施体制拠点としての加点評価はないというふうな評価をしていることは、委員のご指摘のとおりでございます。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 資格要件に事務所がそこの管内にあること、ここを例えばアとします。イには県内にあることと2つ書いてあるんですが、これは上の段が優先されるんですか。両方とも入れるようにしていますが、こういう書き方をしたのはあんまりないですもんね。3番目ぐらいに地元業者もベンチャーで3社ぐらいした時にはなっていますが、今後、それを対馬とか、壱岐とかでも取り入れていくのはいいんですが、その辺の関係についてお尋ねします。
◎田中土木部次長 ここのところをひとつ整理したいんですが、まず、入札参加の前提となる要件のところのお話なのか。今、私が申し上げましたのは、総合評価の加点評価の評価項目のお話をしたんですが、委員ご質問のところが入札参加の要件のところなのか、そこのところを、もう一度はっきり確認をしてから、ご答弁を申し上げたいと思っております。お願いします。
◆高比良[末]委員 私は公共事業を初めて質問するものですから、よくわからずにあっちこっち飛んでおりますが、制限付きの一般競争入札の要件です。
◎田中土木部次長 今、工事区分が手元にございませんので定かに覚えていませんけれども、まず、3つぐらいの多分書きぶりがあったんじゃないか。最低2つはあったと思います。
 まず、1つは、五島振興局管内に本社がある、主たる営業所がある業者については、たしか総合数値が1,000点で、主観点が100点以上、そして多分それ以外の管外、五島振興局の管外にある例えば長崎とか、佐世保とか、そういう業者については総合数値が1,200点で、主観点が100点以上とか、そういうふうな分け方をしているというふうに考えてございます。このいずれかを満足すれば参加できるということでございます。だから、五島振興局管内の業者だけしか参加できないということではなくて、そういう一定の要件を満足すれば、県内の業者は参加できますよという要件設定にしたと記憶してございます。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 わかりました。ある程度地元の業者に少し優位になるような配慮はしているわけですよね、点数が低いですからね。こういうのを、例えば対馬でも今後やろうというお考えなのか、たまたまここだけしたのか、今後はどうされるんですか。
◎田中土木部次長 これまでもそのような公告をしてきてございましたし、五島だけではなくて、基本的な土木部の方針としてこれをやっていきたいと。これは土木部と申しますよりも、県全体の公共事業の発注方針はそういう考え方で今進んでおります。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 次に今後の方向性ですが、平成20年に簡易型とか、新聞に載ったもので落札した企業が年間に17回という企業がありましたけれども、平成21年は11回になっていましたよね。今後もう少し平準化しようという取り組みを考えているんですか。もう大体これでいいかなという状況なんですか。
◎宮崎建設企画課長 今言われたのは、平成20年度に17回落札した業者が1社、15回落札した業者が1社、それと平成21年度は11回落札したのが1社、9回が1社と、それを平準化と言えるのかどうかわかりませんが、平成21年度がこういう状況だったので、平成22年度はとりあえずそのまま、今の考え方をそのまま1年間持っていこうと考えております。
◆高比良[末]委員 これで平成20年から21年の受注が11社増えたわけですね。これは全体の分母は、それに加えて184社ですか。
◎宮崎建設企画課長 平成21年度のAクラスが184社です。平成22年度は180社になっております。
◆高比良[末]委員 180社。184社のうち76社が大体受注ができたと。ほかはまだなかなか受注機会がないということでなんですか。私としては、やっぱり機会均等に、ある程度ほかの企業にも受注できるようなシステムにならないかなと。
 もう一度、いろんな品質とか、安全の管理とかは要りましょう。しかし、優秀な企業にも多くの仕事がいかなければいけないというのもわかりますが、あまりそうレベルが変わらないところに、入札要件が厳しくてなかなか入札にも入れないと、同じ企業がずっと取っていくわけですよね。そうすれば、やっぱり強いものはより強くなりますので、そういう方向ばかりでなく、機会均等になるように、多くの人が公共事業の恩恵に浴するようなシステム、制度であってほしいなと素人ながらに思ったもんですから、その辺について少し私も疑問を感じておりますので、このことについてお答えをいただければと思います。
◎田中土木部次長 総合評価落札方式と申しますのは、これまでの価格だけで落札者を決定するということではなくて、価格と品質を総合的に評価して、調達する相手、契約者を決めていこうという制度でございます。
 これは通常、公共工事の品確法という法律の中で決められた方式であるというふうになってございますが、一般的に考えてみますと、私はよく例えばと、こういう話をさせていただきます。
 例えば私どもが家をつくる時に、同じ1,000万円の家をつくる時に、1人の方は過去に優秀な家をつくって、すばらしい家をつくったと、いろんな施主の方が喜ばれる大工さん、もう一人は同じ1,000万円で家をつくる時に、初めて家をつくりますと、その方をどういうふうに選別をしていくか。仮にAという大工さんが、過去にそういう実績もあって、そして値段も同じだと。Bという方は、大工さんの資格は持っておられるけれども、経験はあんまりない。その時どちらを選ぶか。それは確かにその時の施主の考え方だろうと思います。
 しかしながら、私どもはやはり過去にそういう実績を持っておられて、結果的に私どもが調達をして、そして、でき上がった公共施設というのは、県民の皆さんが安全で、かつ安心して使えて、耐久性がある施設を私どもは調達しなければならないという使命がございますので、そこの中で、この総合評価落札方式が工夫をされてきたと。しかしながら、この制度がすべての面で完全に定着をしているか。そしてまた、今、私どもが行っているやり方がすべて満足をしているかということについては、今後もずっと改善を加えていかなければならないと考えてございます。
 委員からご指摘がございました偏りの問題、この偏りの定義をどのように考えていくべきなのかということも、やはりいろいろな意見があろうかと思ってございます。
 そのために、私どもは、学識経験者や業界団体の方も含めました中で、今年度も第1回を行ったところでございますが、長崎県総合評価落札制度検討委員会を引き続き開催いたしまして、現状の報告、そしてまた、ご意見等をいただきながら、この制度の改善にも加えていきたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 今、次長が言われたのは、そういう大型工事のマネジメント研究会以外にも、そういう総合評価制度を検討している組織というのがあるんですか、構成されたものが。それでやっていっているわけですね。この大型工事マネジメント研究会は、建築だけをやっているんでしょう。土木のことについては全然調査研究していないのでしょう。機関が2つあるということですか。
◎田中土木部次長 総合評価そのものは、落札を決定する方式の問題でございますので、今回の大型工事マネジメント研究会とは全く別個でございます。ですからあくまでも落札者を決定する方式をどのように検討していくべきかということを総合評価落札制度検討委員会で行っているということでございます。
 大型工事マネジメント研究会というのは、特に建築分野を中心に、今後のそういう大型の建築工事の発注のあり方をどういうふうに工夫していけば、やはり専門工事業者でございますが、その適正な元・下関係の確立でございますとか、適正なその契約に基づきます経費の計上の仕方とか、そういうことをどういうふうに行っていけば、現場で働かれる専門の技能者とか、それを雇用されている専門工事業者がどのように今後、技能とか、技術を継承していけるかとか、そういうことを含めて研究をしたのが大型工事マネジメント研究会でございます。
 なぜ建築のところを主にやったかといいますと、基本的な枠組みは、土木も建築も変わらないところがあるわけでございますが、建築部門は、特に、当委員会の金子委員は非常にその面では造詣が深うございますが、そういう中で専門工事とか、そういう技能関係の問題を今後どういうふうに考えていくべきかということにつきましては、建築が特にそういう多様性を持っておりますので、建築に特化した研究をしておけば、その考え方は土木にも活用できるんじゃないかということで現在進んでいるところでございます。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 次は、共同企業体(JV)の組み方です。素人でわかりませんが、制限があるんですか。今回はこれは2社で組みますとか、3社以上でもいいとか、それはもう入札する方で勝手に決めていいんですか。
 というのは、実績がないからどうのこうのというのもありますが、入札の条件が厳しくて、なかなか入れないところもあるんですよね。点数は810点からAクラス上でしょう。しかし、900点以上とかになっていますので、そういうところもたまには土俵に上げられるようなシステムにしないと、いつまでも経験がない、実績がない、売り上げがないということで上に上がってこられないわけですよ、入札の機会がないんですよね。その辺を計算する方法は何かないですか。
◎田中土木部次長 先ほどの五島市玉之浦の井持浦トンネルの公告文がございますので、これに関連してご説明をさせていただきます。
 まず、従前は、県が発注するトンネル工事というのはほとんどが県外の業者がやっていたという状況でございます。しかしながら、その後、県外の業者とトンネルの実績を持たない県内の業者がJVを組むことによりまして、そのJVの中で培った経験をもって、今は県が発注しておりますWTO以外のトンネル工事は全部県内業者に発注しております。ですから、五島の玉之浦のトンネルも県内の業者で結成をしたJVが取っているということでございます。
 この主たる構成員は先ほど申し上げましたが、参考までに事例で申し上げますと、五島管内に本社があるものについては総合数値が1,000点以上、主観点が100点以上。五島以外の県内の業者につきましては、総合数値が1,100点以上、主観点が100点以上ということになってございます。
 その他の構成員が2つございまして、その他の構成員の一番下、その他の構成員の2というところでございますが、その他の構成員の2というところは、土木一式工事にかかる総合数値が850点以上あれば参加できますよと。
 確かに、今委員からございました、Aランクは850点からでございますから、850点以上持っておられれば、この構成員になる要件は満たされるということでございます。私どもは決して過度な制限をして入られないということではなくて、なるべくそういうJVの中で経験を積まれて、そして、最終的には代表構成員になっていかれるような方を育成できるようなシステムとして、このJV方式を有効に活用してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 また、勉強してから、この次の機会に質問しますが、いろんな企業の皆さんは努力されております。県として、指導・育成という形から、どうやって経験を積ませるのか、そういうところにも今後力を入れていってほしいなと思います。
 仕事を与えられないと経験もないですから、優秀なところにたくさんというのも、大分平準化になってきましたが、やはり元気になるためには多くの企業が生き生きしていかなければいけないですから、もう少し平準化もしたらいいかなというふうに思っておりますが、意のあるところを酌んでいただいて、今度制度の見直しもいろんな幅広い声を聞いてやって、今は試行期間だと思いますので、ひとつ偏らないようによろしくお願いして終わりたいと思います。
◆金子委員 私は、2点ぐらいに絞りたいと思っております。
 まず、一つ、土木部長をはじめとして皆さんは、住宅の不況というのがけた違いというのはご存じだろうと思っております。長崎県内でも新築住宅が1万4,000〜5,000戸建っていたと。過去においては、新設住宅着工戸数の統計による建物だけでも1万4,000〜1万5,000戸、1万2,000戸という時代が結構長くて、1万戸を切った。そのうち戻るだろうと思っておったら、どんどん、どんどん減っていって去年は5、000戸台と、6,000戸を切ってしまっているという状況がございます。実は、そういう状況の中で、はっきり言って住宅を建てるというのは小規模事業所がほとんどでございます。
 そういうふうな中で、本会議の中でも質問があっていたようです。その時の答弁としては、個人資産を増やすという形で県費は使えないよというふうな話でございましたけど、住宅リフォーム関係というのが最後の砦であるというとらえ方がされているようでございます。
 これは、公共工事を入札で取るというような仕事になるんですけれども、そうじゃなくて、せっかく本人が頑張って取ろうというふうな時のほんの一滴の誘い水なんですね。過去においては、不況対策費という形で、そういうふうな一定の助成というのはあっていたという実績はあるんです。そういうふうな形で何かいい方法はないのか。
 介護の云々であるとか、グリーン・ニューディールの問題であるとかと言われていますけれども、それをやることによってなかなか施工というのがやりにくいという問題もございます。まず、一つ、ここで一定の助成措置的なものを、ぜひ知恵を絞ってやっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎加藤参事監 住宅リフォームへの助成制度につきましては、本会議でもご質問がございましたが、その時にも土木部長、あるいは知事からもお答えいたしましたけれども、このリフォームの工事そのものが、波及効果も含めまして、いろいろな分野において地域経済へのプラスの面が非常にあるということは、知事はじめ、私どもも同じ認識でございます。
 ただ、知事からもご答弁させていただきましたとおり、また、委員からも先ほどご指摘が既にございましたけれども、やはり個人の資産がよくなる、その特定の方に税金で助成をするということについての議論は、非常に根本的な難しい問題だというふうに思ってございます。
 一方で、これも委員からもご指摘がございました。例えばバリアフリー化する、耐震化をする、あるいは環境に優しいものにリフォームする。こういう観点であれば、もちろんお住まいの方、その住宅をお持ちの方自身も当然メリットは受けますけれども、地球環境であれば地球全体でございますし、バリアフリーであれば将来的な医療費等の抑制にもつながると。
 耐震化につきましても、地震の時にその建物が倒れることで周辺の道路をふさぐことがなくなるというような、本人以外に対してもメリットが一定考えられるというような趣旨で、税制上の優遇措置、あるいはエコポイント制度等、そういう体系が組まれてございます。
 したがいまして、確かにご指摘のとおり、断熱のための工事ですとか、耐震化の工事等々それぞれ特定の目的を持った工事は、それなりに非常に手間のかかる大変な工事でございます。そういうものについてのいろいろな議論というのは、これまで他県でも幾つか事例がございますけれども、一般的にリフォームということで税金をつぎ込むというのは、まだまだ研究すべき課題が多いのではないかというふうに考えております。
◆金子委員 実は、私、最初自動車ですね、トヨタのハイブリッド車がエコの云々だということで、それに対してポイントという名目で、ポイントなんでしょうかね、補助は30何万円とかとついていますよね。あれこそ個人のCO2に対する補助の最たるものじゃないかなと。これで、個人資産に対する補助というのはやれませんよというのが消えたんじゃないかなと思います。
 確かに、「エコだ、エコだ」と言われますけれども、この前タクシーに乗ったんです。燃費が11.5キロメートルですよ。数字的には20何キロメートルとかと出ているみたいです。それでそういうふうな認定を受けたんですけれども、それぐらいしか走らないですよというふうなこと。
 そういう形でやるというふうなことになれば、車を買いかえるというのは個人資産の最たるものじゃないですか。そういうふうな発想で、今まで個人資産、個人資産ということできて、何かやっぱりプラス・アルファになるとすれば、太陽光発電の設備だけで200何十万円持っていかれるわけですから、結局乗せただけで、自分としては指をくわえておかないといけないというふうな状況があります。
 また、バリアフリーの問題等々については、家主さんがいやがるんですね。これはご存じのとおりです。廊下を広くしないといけない。水回りはまだいいとしても、さまざまな制約があるということになる。
 不況を何とか打破しましょうと。先ほど言いましたように10倍、20倍の経済効果があるというんだったら、ぜひそこが一つのポイントになり得るというふうに思うんですけれども、もう一度、お願いしたいと思います。
◎加藤参事監 確かにいわゆるエコカーといいますか、地球環境に配慮した自動車につきましての助成制度が、ある意味で、日本国内でも画期的な仕組みだったのではないかというふうに、私も個人的には思ってございます。
 ただ、これも車を買う方ならどなたにでも助成をします。買いかえるなら助成をしますと言っているわけでは全くございませんで、あくまで特定の性能を持ったものに買いかえるのであれば、地球環境にとって非常にいい面があると、社会全体にとってのプラスがあるということを前提にした助成だというふうに私どもは理解してございます。
 そういう意味で申し上げますと、土木部所管ではございませんが、一般的な住宅への太陽光施設設備の設置につきましても、国の制度等も活用して、県として環境部で所管してございますけれども、そういう意味では個人の資産と最終的にはなるものであっても、特定の公共性の高いものについての助成というのは十分考えられる余地のある分野だというのが前提かと思います。
 そういう意味で、先ほどと少し同じ答えになってしまいますけれども、あくまで今お住まいの家の本人が使い勝手をよくするために少しさわりたいという工事まで含めて助成をするのかどうか。経済波及効果というご指摘がございますけれども、この助成金をつくることによって、新たにリフォームの件数が何軒増えるかのというところもなかなか予測が難しいところでございます。制度を仮につくったとして、リフォーム件数そのものが増えなければ、全くその効果としてはゼロだと。税金をつぎ込んだだけマイナスだということにもなりかねませんので、これは本会議で土木部長からも答弁させていただいておりますけれども、そういった経済波及効果という観点も含めて、まだまだいろいろ研究をしていきたいというふうに考えております。
◆金子委員 結果について、例えばこれをしたからどれぐらい利用者がおるのかどうかということ、もしそれを言うんだったら、民間の耐震化はとうの昔にやめておかなければいけないですよ。1年目なんていうのはさんざんたるものだったでしょう。だれもほとんどしない。あの耐震診断さえもしないというふうな状況があった。それもやはり一定のてこ入れなりしてやってきた。それでも、あの工事自身が経済を活性化するだけの効果というのは、とてもじゃないけどあるとは言えない、そういう状況がございます。
 ぜひ一定の方策で、やっぱりあれを入れたから、予算は5,000戸ぐらいしていたけれども、こうやって1万戸ぐらいきたというふうに、ぜひこれはしていかないといけないですよ。していこうというふうな形でいって、一定の不況対策が少しでも解決していくという方向にしないと、今のまま何もないという形では、だからいいじゃないですか、県内の業者は当然県内の分でしかやらないんだから、長崎県は佐賀県と違って、よそと違っていいよというふうな形で、ぜひやっていただければなと思っております。
 この前、秋田ですか、若干こうやっているようです。私もあれはよくわからない部分がありますけれども、ぜひ研究していただきたいなと思っております。
 次に、2つ目です。今度は大型工事の分で、これは本会議でも一部質問させていただきました。
 今回、そういうことで、試しに躯体と内装の2つに分けてやってみたいというふうなこと、一歩の進歩だといって、そこはそこで評価するんです。躯体の方は、これまでのゼネコンといいますか、大手建設業の皆さん方はやっている部分なんです。それ以外2つに分けた時の内装工事を元請けするのは、やっぱりこれも大型建設会社だという話を聞いたんですけれども、それは間違いないんですか。
◎加藤参事監 今年度も補正予算でお願いしてございますけれども、建築工事について、躯体工事と内装工事に分類して発注することができないか、検討経費ということで補正予算で計上させていただいておりました。
 今イメージしておりますのは、基礎から柱、外壁、屋上の防水、雨漏りというのが建物にとっては非常に問題になりますので外壁のサッシ、防水などまでを一つの企業なり、JVで工事をしまして、その後、別の企業なり、JVが内装関係、床ですとか、壁、天井、内部の建具、これらについて一括して工事をするということをイメージして、そういう形ができないかということを想定してございます。
 内装工事をさらに細かく分けるという議論も従来からございますけれども、分ければ分けるほど、そのつなぎ目の部分での調整をどうすればいいのか、あるいは将来、瑕疵があった場合の責任がどちらにあるのかというあたりの整理が非常に難しくなってまいりますので、いきなり細かく分けたものからスタートせずに、まず、内装を一括して切り出してみるということを検討してみたいというふうに思っております。
◆金子委員 一方、そういう形で内装を進めていく。例えばこの部屋なんて天井でしょう。電気でしょう。壁でしょう。床でしょう。ちょっと見ただけでも、そういうふうな分があります。そういう工事だけの部分も、せっかく内装と分けていただいたから、一つで出せという言い方はしません。そのことは非常に高く評価はしたいと思うんですけれども、それを1社にして天井をやる人、壁をやる人、床をやる人、建具をやる人、もしくは和室があったら表具をやる人、当然畳も入りますね。左官さんとか板金屋さんが当然入ってきますけど、それを一手にというふうな業者の方が、躯体を除いた内装仕上げだけでという、そんな大手で、自分のところでやっている業者はいないんですよ。結局は、自分がふだん懇意にしているような人をほかから呼んで来て、仕事をさせないといけないというふうになるんです。せっかくテストパターンでやるんだったら、分けてみてもいいんじゃないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎加藤参事監 テストパターンでやるので試してみろというご指摘は、私どもの中でもどんなやり方があり得るのかいろいろ議論をいたしました。
 ただ、テストパターンとは言え、あくまで公共建築物の小規模なものとして、まず、テスト的にやってみようということを想定しています。そこで実際に不具合が生じてしまっては全く意味がございませんので、内装を一括して切り出したらどうなるのか。その検討の中では、さらにそれを分割したらどんな課題が出てくるのかというふうなことも含めて、今回の補正予算で計上しております検討の中では、さらに分割・分離をした場合にはどんな問題があるのか、ないのか、こういうことも含めて、ぜひしっかりと勉強し、研究して、将来に活かせるようにしていきたいと思っております。
◆金子委員 実は、この前、土木部長が答弁の中で言われたんですけれども、分離すると。分離発注することによって、その建物に不具合が出るという形の発想というのは絶対間違っています。分離することによって不具合が出るということはないんですよ。ただ、その接点が問題だというわけでしょう。接点をやるというなら、それを例えば一つのゼネコンなり、大手建設業に頼めば、それが出ないという発想が理解できないんです。頼めばそういうふうな不具合が出ないけど、一つひとつに頼んだら不具合が出るんですよというふうな発想は考えられないんですよ。もし一つひとつ頼んで不具合が出るんだったら、これは全部一括して頼んでも不具合は出るんです。出る時には、例えばこういうふうな天井をやったとして、最悪ですよ、ちょっとばかりボルトをうまく締めていなかったから天井がぼきっと折れて落ちてきたよとか、そういうのは通常不具合なんですよ。だからそれを一括でやろうと、1社でやろうと、そういうふうな業者だったらなるでしょうけども、少なくともこれだけきちんとした管理を受けながらやっている業者、しかも、皆さん方がきちんと総合評価なり、何なりという形でその会社を採点化して、Aランクの業者だ、Bランクの業者だということで分けているわけでしょう。それなりに信頼しているんでしょう。そうすれば内装工事を分けたといっても、通常言っている不具合というのはない。だからつなぎ目を、壁と天井の取り合いがどうなのかという、もしそういうふうな不具合が出るんだったら、一括して業者が受けた場合でも同じような形で出るんじゃないかなと思っているんですけれども、そうじゃないですか。そのために皆さんがランク付けをされているんじゃないんですか。Aの工事にBの業者は入れないでしょう。そういうふうな形だとするならば、それなりのきちんとした仕事はされる方を選ばれていると。その方が不具合を起こすということは通常は考えられないんですよ。いかがでしょうか。
◎加藤参事監 土木部長が答えましたけれども、そこで私どもとして考えておりましたのは、一つひとつの工事に細かく分けていった場合に、まさに取り合いのところで調整が必要になってくるという趣旨でございます。その時に、その調整をだれの責任においてやるかというところが非常に悩ましいという趣旨でございます。
 すべての工事を一括で発注いたしますと、それはまさに元請けの責任において調整ができるわけですけれども、別々に発注した場合には、そこの調整を発注者自らが行う、あるいはその専門の委員、かねてからご指摘いただいておりますCM(コンストラクション・マネージャー)と呼んでいるような専門の方にお願いをするということになってくるかと思います。
 その不具合の部分の、要は工事と工事の取り合いのまさに調整をだれがやるか。そこの調整がうまくいかないと、隠れた瑕疵として残ってしまう可能性があるということで、将来に瑕疵を残す可能性があるという意味で、責任の所在も不明確になっていく、そういう意味で建物の品質全体としての不具合といいますか、不満足なところが出る可能性があるという、そういう趣旨でございまして、決して一つひとつの工事自体ができないという趣旨ではございません。
 以上でございます。
◆金子委員 最後に確認しておきます。
 そういうふうな形で、もしそれができないんだったら、今くしくも参事監が言われましたけれども、躯体工事については、そういうふうに分けることによって当然問題が出てくるんですよ。鉄筋コンクリートのビルを建てる時に、型受けさんと鉄筋屋さんと、もしくはその中に鉄骨屋さんがおって、それを分離して発注するというのは無理ですよね。鉄骨のボルトが緩んでいたかどうかわからないとかという問題が、コンクリートを入れてしまったらもうわかりませんから、そういうふうな分についてはどこかがきっちり確認していくというふうなことを。だからこの躯体工事の表側、雨が入らないように窓枠まで、サッシまできちんと一つの業者に責任を持ってもらうということと、内装における瑕疵なり、何なりの欠点の問題というのは、根本的に違うんじゃないかなという気がしております。
 この不況の中、みんなそれぞれ給料の問題にしろ、仕事の問題にしろ、あっぷあっぷやっているんです。大手から、中堅から、小零細まであっぷあっぷやっています。そういうふうな中で、ぜひ1社でも多く元請けの対象としていけるというふうな形を大前提で考えていただければ、長崎県のこの冷え切った経済も少しは上向くんじゃないかなと思っております。
 よろしくお願いいたします。終わります。
○陣内委員長 ほかにご質問はございますか。
◆野口委員 簡単に、海砂に関する資料もちょうだいしたので確認という意味でお尋ねをしておきます。
 こういう経過があって、県は県で、うちの方もきちんと主張すべきは主張していらっしゃるので、それはいいんだけれども、地方自治法に基づく自治紛争処理委員の設置ということで、これは「佐賀県が検討中」というふうにありますけれども、実際のところはどうなんですか。佐賀県は、この自治紛争処理委員に話を持ち込もうという、まず、具体的なアクションがあるのかどうかというのをお尋ねします。
◎木村監理課長 私が5月下旬に佐賀県の担当課長と長崎でお会いして、ご協議を申し上げたんですが、その段階では、「そういうのも視野には入れているけれども、まだそういうことを決めたわけではない」という回答でございました。
 ちなみに、この自治紛争処理委員制度を活用する場合は、自治法の定めによりまして、当然県議会の同意が必要でございます。ですから佐賀県がもしそういう国に申し込むということがあれば、佐賀県議会での同意というのが必要になってこようかと思います。
 以上でございます。
◆野口委員 そうすると開催要件というのは、まず、佐賀県側が議会の同意を得て、いわゆる話を持ち出すということですよね。その時に、もしうちの県が特段何もしない、リアクションを起こさないということで、片方からだけの委員会の開催要求というのが成立した場合には、実際、この委員会というのは開かれるのかどうかですね。
◎木村監理課長 自治法の定めによりますと、例えば都道府県同士でございますと、基本的に他方の県から議会の同意を得て、総務省の方にそういう申請がなされます。そうすると、総務省の方は3人の調停委員を選任いたしまして、その中で調停案が協議されるという形になります。ですから当然長崎県もそこに行って、本県の主張はきちんと述べて、双方の県の意見を各処理委員が実際に聞いて、調停案をお出しになるという形になります。
 ただ、この調停案をのむか、のまないかは当然各県のご判断でございますので、そこで両方、もしくは片方が、その調停案をのめないということになると、この件については、もうそこでおしまいになるということになります。
◆野口委員 そうすると佐賀県側から議会の同意を得た上での発議というのがあれば、実際に、その委員会というのは開かれるということになるわけですよね。
 そうすると私が不思議と思うのは、長崎県としての対応というのは冒頭申し上げましたとおり、時系列を追ってきちんとされているわけですよね。そういうところにあって、佐賀県側が突如として、そのバックグラウンド、バックボーンに何があるかがよくわからないけれども、知事が記者会見されて、そういう話になってきたと。しかし、うちの県はうちの県として、これまでの対応も含めてしっかりしてきたことをやっているわけですよね。
 さすれば、逆にうちの県から議会の同意を踏まえた上で委員会に持ち込んで、こういう経過があるではないかと。なのにどうしてそういうことを途端に言いだすのかというふうな、うちからの要するにアクションというのが一定あっていいんじゃないですか。実際は、うちの県のいわばやってきた現状があるから、それに対して物を言いたいということであれば、佐賀県側が当然発議はするんだろうけれどもですよ。
 だから逆に言えば、佐賀県側が一方的に発議したので委員会が開催されたといった場合に、議論の中身は、私ももう少し聞いてみないとわからないんだけれども、いわゆるこの等距離ラインでやれというふうな、例えばある一定の見解が出た時に、これは法的拘束力がないから、長崎には全く出来ませんという、そういう対応で実際通るかどうかということになってくると、実際、地方自治法に基づいて総務省が委員会をつくって、委員としてそういった案が出た時のことを考えると、多少また問題がややこしくなるおそれがあるのではないかというのを危惧しているんですけれども、その見解はいかがですか。
◎木村監理課長 確かに委員おっしゃるように、どのような調停案が出てくるかというのは、とりあえず進まないとわからないというのがあります。ただ、これは双方本当にのめるのか、のめないのか。ただ、今の佐賀のご主張は、等距離ラインにすべきだというお話でございますが、私どもといたしましては、等距離ラインがすべてではないという話。あと当然福岡県との境界の問題もございます。それ以外にも例えばNTTの海底ケーブルの話とかいろいろございますので、そこは本来であれば、そういう第三者のものではなくて、当然第三者のところに持ち込んでも、調停でございますので互譲、お互いに一歩ずつ譲ってというような世界の話でございますが、多分真ん中の案が出てくるというような形でございますので、そういう国の機関に持ち込むのではなくて、本来であれば、双方の話し合いの中で解決すべきものだというふうに考えております。
◆野口委員 こういう問題は、どこで、またどういうふうな流れになっていくかというのは非常に予断を許さないというか、わからない場合がありますので、ぜひとも佐賀県の動きとか、いろんなものがあったら、せめて環境生活委員会のメンバーには経過報告なり、向こうは、また議会にかかわる話ですから、今の話を聞いているとね。議会の同意を得て発議をするということだから、そういうことを踏まえていうと、しっかり情報を伝えていただくように要望して終わりたいと思います。
○陣内委員長 ほかにご質問はございませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 ほかにご質問がないようですので、これをもって土木部関係の審査を終了いたします。
 それでは、本日の審査はこれにてとどめ、明日は午前10時から環境部の審査を行います。
 本日は、これにて散会いたします。
 どうもご苦労さまでした。
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     −午後4時37分 散会−
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平成22年  6月定例会 環境生活委員会 - 06月18日−02号

平成22年  6月定例会 環境生活委員会

1、開催年月日時刻及び場所
  平成22年6月18日
          自  午前10時0分
          至  午後4時15分
          於  本館5−A会議室
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2、出席委員の氏名
    委員長(分科会長)  陣内八郎君
    副委員長(副会長)  溝口芙美雄君
    委員         松田正民君
     〃         八江利春君
     〃         三好徳明君
     〃         野口健司君
     〃         高比良末男君
     〃         瀬川光之君
     〃         金子三智郎君
     〃         山口初實君
     〃         西川克巳君
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3、欠席委員の氏名
         なし
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4、委員外出席議員の氏名
         なし
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5、県側出席者の氏名
    環境部長       徳永孝二君
    環境部次長      出口澄洋君
    環境政策課長     大串近太郎君
    未来環境推進課長   赤木 聡君
    水環境対策課長    古賀義人君
    廃棄物対策課長    小嶺和伸君
    自然環境課長     中島順一君
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6、審査の経過次のとおり
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     −午前10時0分 開議−
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○陣内委員長 おはようございます。
 ただいまから環境生活委員会及び環境生活分科会を再開いたします。
 これより、環境部関係の審査を行います。
○陣内分科会長 まず、分科会による審査を行います。
 予算及び報告議案を議題といたします。
 環境部長より予算及び報告議案説明をお願いいたします。
◎徳永環境部長 おはようございます。4月1日の人事異動で環境部長を拝命いたしました徳永孝二でございます。環境部次長から引き続きではございますが、改めまして、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、環境部の議案説明に入ります前に、同じく4月の人事異動により新しくなった幹部職員をご紹介させていただきます。
     〔各幹部職員紹介〕
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 環境部関係の議案についてご説明いたします。
 今回、ご審議をお願いいたしておりますものは、第55号議案「平成22年度長崎県一般会計補正予算(第1号)」のうち関係部分、報告第1号「知事専決事項報告『平成21年度長崎県一般会計補正予算(第10号)』」のうち関係部分、報告第11号「知事専決事項報告『平成21年度長崎県流域下水道特別会計補正予算(第4号)』」の3件であります。
 それでは、第55号議案「平成22年度長崎県一般会計補正予算(第1号)」のうち関係部分についてご説明いたします。
 歳入予算は、分担金及び負担金362万8,000円の増、国庫支出金5,606万2,000円の増、繰入金4億1,610万4,000円の増、計4億7,579万4,000円の増。
 歳出予算は、環境保全費7億1,083万1,000円の増、農地費1,000万円の増、都市計画費5,468万2,000円の増、計7億7,551万3,000円の増となっております。
 次に、補正予算の主な内容についてご説明いたします。
(地球温暖化対策の推進について)
 低炭素社会の実現に向けて、地域において環境産業の活性化を図り、環境負荷削減技術の展開等を積極的に推進する市町を環境実践モデル都市として選定し、支援してまいります。
 あわせて、一般住宅における太陽光発電設備と省エネ設備を複合的に設置する者への助成や運輸部門の二酸化炭素排出量削減のためエコドライブの普及に取り組むこととしており、これらに要する経費として、9,430万5,000円を計上いたしました。
(資源循環型社会の推進について)
 ごみのない資源循環型の長崎県「ゴミゼロながさき」の形成を図るため、産業廃棄物税を活用した産業廃棄物の排出抑制やリサイクルの促進に寄与する施設設備に対する支援を行うとともに、レジ袋有料化に向けた取組を推進することとしており、これらに要する経費として、3,358万4,000円を計上いたしました。
(浄化槽の整備促進について)
 生活環境の保全や公衆衛生の向上を図るため、市町等が行う浄化槽の整備及び普及促進に対し助成する経費として2億4,268万円を計上いたしました。
(新汚水処理構想の策定について)
 市町の人口減や市町村合併など社会情勢の変化を踏まえ、新たな汚水処理構想を市町と協働して策定する経費として、639万4,000円を計上いたしました。
(海岸漂着物対策について)
 海岸漂着物対策の推進のため、海岸漂着物の回収・処分等を行う経費として、2億591万3,000円を計上いたしました。
(廃棄物処理計画の策定について)
 県内の廃棄物の発生・排出及び処理状況の実態を調査し、長崎県廃棄物処理計画の次期計画を策定する経費として、960万4,000円を計上いたしました。
(九州自然歩道・世界文化遺産教会群巡礼ルートの整備について)
 本県のキリスト教関連遺産の世界文化遺産登録に向けた動きに合わせ、交流人口や滞留時間の拡大を図り、五島列島や平戸島などの美しい自然とふれあいながら教会群を巡ることができる長距離自然歩道の整備を行う経費として、7,470万円を計上いたしました。
(生物多様性保全戦略の推進について)
 平成20年度に策定した「長崎県生物多様性保全戦略」の普及啓発を図るため、幅広い層の県民が生物多様性に親しみをもって接することができる「いきものつながりアート展」を開催する経費として、342万7,000円を計上いたしました。
 次に、平成22年3月定例会の本委員会において、知事専決処分により措置することについてあらかじめご了承をいただき、3月31日付けをもって専決処分させていただきました事項の報告であります。
 まず、報告第1号「知事専決事項報告『平成21年度長崎県一般会計補正予算(第10号)』」のうち関係部分についてご説明いたします。
 歳入予算は、分担金及び負担金19万3,000円の減、国庫支出金211万8,000円の減、財産収入450万2,000円の減、繰入金3,463万7,000円の減、計4,145万円の減。
 歳出予算は、環境保全費2億675万6,000円の減、農地費9,000円の減、都市計画費446万4,000円の減、計2億1,122万9,000円の減となっております。
 歳入予算の主な内容について、ご説明いたします。
 産業廃棄物税収を活用した事業費の確定に伴う産業廃棄物税基金繰入金の補正として、2,477万5,000円の減。
 環境保全対策臨時基金を活用した事業費の確定に伴う基金繰入金の補正として、986万2,000円の減であります。
 次に、歳出予算の主な内容についてご説明いたします。
(環境保全対策費について)
 小規模改修等事業費における県有施設単独浄化槽転換事業等の事業費確定等に伴い、2,740万円の減。
(資源循環型社会推進費について)
 長崎県産業廃棄物税基金積立金及びゴミゼロながさき環境産業支援事業補助金の確定等に伴い、3,119万9,000円の減。
(地球温暖化対策推進費について)
 一般住宅における太陽光発電設備整備事業に対する補助金の確定等に伴い、2,624万1,000円の減。
(浄化槽対策費について)
 市町が行う浄化槽設置整備事業に対する補助金の確定等に伴い、1,858万9,000円の減。
(一般廃棄物対策費について)
 市町が行う廃焼却炉の解体事業に対する補助金の確定等に伴い、3,973万2,000円の減。
(産業廃棄物対策費について)
 市町が行う漂流・漂着ごみ前処理施設整備事業及び海岸漂着物の回収・処分等に対する補助金の確定等に伴い、2,158万9,000円の減。
(環境緑化推進事業費について)
 市町が行う緑化等事業に対する補助金の確定等に伴い、1,188万6,000円の減。
 その他、職員給与費の過不足の調整、事業の年間執行額の確定に伴い補正をいたしております。
 次に、報告第11号「知事専決事項報告『平成21年度長崎県流域下水道特別会計補正予算(第4号)』」についてご説明いたします。
 歳入予算は、分担金及び負担金4,195万5,000円の減、国庫支出金6,480万円の減、繰入金15万7,000円の減、県債3,000万円の減、計1億3,691万2,000円の減。
 歳出予算は、流域下水道費1億3,681万4,000円の減、公債費9万8,000円の減、計1億3,691万2,000円の減となっております。
 これは、歳入面で地元負担金等が最終的に確定したこと及び歳出面で建設及び維持管理等の年間執行額が確定したことに伴うものであります。
 次に、平成21年度長崎県一般会計歳出予算繰越明許費繰越計算書報告のうち、環境部関係部分についてご説明いたします。
 繰越額の内訳は、一般廃棄物対策費3,961万2,000円、産業廃棄物対策費6,493万5,000円、自然公園施設整備費1億3,270万円、環境緑化推進事業費2,000万円、地球温暖化対策推進費1億409万6,000円、環境保全対策費1億3,283万円、農業集落排水費3,360万円、農村漁村生活環境整備事業交付金費1,247万円、下水道費7,385万5,000円であります。
 繰越の理由は、設計の変更や地元調整などにより、年度内完成が困難になったこと等によるものであります。
 次に、長崎県流域下水道特別会計歳出予算繰越明許費繰越計算書報告についてご説明いたします。
 繰越額の内訳は、大村湾南部流域下水道建設費1,720万円、大村湾南部流域下水道維持管理費273万円であります。
 繰越の理由は、全体計画の見直しにあたり、関係機関からのデータ収集に不測の日数を要したこと等によるものであります。
 繰越計算書報告については、以上のとおりでございます。
 以上をもちまして、環境部関係の説明を終わります。
 よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
○陣内分科会長 ありがとうございました。
 次に、環境政策課長から補足説明の申し出があっておりますので、これを許可いたします。
◎大串環境政策課長 環境部関係の平成22年度6月補正予算、平成21年度知事専決事項報告及び繰越計算書報告について、補足説明をさせていただきます。
 お手元にお配りしております補足説明資料1をご覧いただきたいと存じます。
 まず、第55号議案「平成22年度長崎県一般会計補正予算(第1号)」のうち関係部分につきまして、歳入予算は、表のAの欄、少し黒く塗っている欄でございますけれども、環境部で合計4億7,579万4,000円を計上いたしております。
 補正の内容といたしましては、[補正(歳入)の内容]というところの@からBに記載のとおりでございますけれども、主なものといたしましては、B繰入金でございます。これは今回の6月補正におきまして、産業廃棄物税基金及び環境保全対策臨時基金を活用した事業の財源に充当するための各基金からの繰入金でございます。
 2ページをお開きいただきたいと思います。歳出予算でございますが、表のAの欄、同じく少し黒く塗っている欄でございますけれども、環境部で合計7億7,551万3,000円を計上いたしております。
 補正の内容につきましては、[補正(歳出)の内容]の2ページから4ページの@〜Qに事項ごとに記載をしておりますけれども、新規事業を中心に主なものにつきまして、ご説明をさせていただきます。
 まず、Aの「ゴミゼロながさき推進事業費」のレジ袋削減への取組支援でございますけれども、これはレジ袋削減対策協議会で行うレジ袋の有料化も含めた削減への取組みを支援し、一斉行動について県民へ広く情報発信するものでございます。
 次に、Cの「『みんなで止めよう温暖化』推進事業費」のエコドライブ普及促進事業でございますが、これはCO2排出量削減を目的とした県民参加型の普及啓発事業を実施しようとするもので、具体的には、県内各地でエコドライブ講習会を開催するということにいたしております。
 Dの「一般住宅省エネ設備設置促進事業」につきましては、一般住宅において、太陽光発電設備と、太陽熱温水器等の省エネ設備を複合的に設置する場合に、1件につき8万円の補助を行うというものでございます。
 3ページをお開きいただきたいと存じます。Eの「環境実践モデル都市推進事業」でございますが、これは地域資源を活用した環境保全対策や環境産業振興を効果的に推進するため、「環境実践モデル都市」を選定し、その取組みを支援しようとするものでございます。
 Iの「長崎県汚水処理構想策定費」でございますが、これは市町の人口減や市町村合併などの社会情勢の変化を踏まえ、平成17年度に策定された現行の汚水処理構想について、市町と協働して見直すものでございます。
 Kの「長崎県廃棄物処理計画策定事業」でございますが、これは廃棄物の発生、排出から処理状況に至るまでの実態を調査し、長崎県廃棄物処理計画の次期計画を策定するものでございます。
 Mの「海岸漂着物地域対策推進事業」でございますが、これは海岸漂着物処理推進法に基づきまして、海岸漂着物の回収・処理を県及び市町が行うものでございます。
 4ページをお開きください。Nの「九州自然歩道・世界文化遺産教会群巡礼ルート整備事業」でございますが、これは世界遺産として暫定登録された「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を結ぶルートを九州自然歩道として整備するもので、平成22年度は、福江島及び久賀島を実施箇所として予定いたしております。
 Qの「生物多様性保全戦略推進事業」でございますが、これは財団法人日本野鳥の会との合同イベント「いきものつながりアート展」を開催し、生物多様性の普及啓発を促進しようとするものでございます。会場につきまして、長崎県美術館を予定いたしております。
 なお、ただいまご説明をさせていただいた中で、おそれいりますが戻っていただきまして、2ページのDの「一般住宅省エネ設備設置促進事業」と、次の3ページのMの「海岸漂着物地域対策推進事業」の2つにつきましては、地球温暖化対策や海岸漂着物処理対策などの環境問題を解決するため、昨年度、国の補助金、いわゆる地域グリーンニューディール基金の交付を受け創設いたしました環境保全対策臨時基金を活用した事業でございます。
 それでは戻りまして、次に4ページの下段をご覧いただきたいと存じます。報告第1号「平成21年度長崎県一般会計補正予算(第10号)」、知事専決事項報告のうち関係部分につきましては、歳入予算は表のAの欄、3月補正後予算より、環境部の計で4,145万円の減となっておりまして、その主な内容は、長崎県産業廃棄物税基金及び長崎県環境保全対策臨時基金充当事業費の確定に伴う繰入金の減等でございます。
 5ページをお開きいただきたいと存じます。歳出予算につきましては、合計2億1,122万9,000円の減となっており、補助金の実績による減や委託料等の入札執行残、事務費の節約等による減でございます。
 所属ごとの主な内容は、6ページの上段まで@からKに事項ごとに記載をしているとおりでございます。
 続きまして、6ページ上段の報告第11号「平成21年度長崎県流域下水道特別会計補正予算(第4号)」、知事専決事項報告につきましては、大村湾南部流域下水道建設事業費の確定及び修繕・委託等の維持管理経費の年間執行額の確定により、歳入、歳出予算ともに、3月補正予算より、1億3,691万2,000円の減となっております。
 7ページをお開きいただきたいと存じます。「平成21年度一般会計歳出予算繰越明許費繰越計算書報告」のうち関係部分につきましては、工事施行箇所の選定や設計変更及び地元関係者との調整に不測の日数を要したこと等の理由によりまして、7ページから8ページの@からHに記載のとおり、一般会計で合計6億1,409万8,000円の繰越をいたしております。
 最後に、8ページ中段の平成21年度「長崎県流域下水道特別会計歳出予算繰越明許費繰越計算書報告」につきましては、全体計画の見直しに伴い、関係事業費について、合計1,993万円の繰越をいたしております。
 以上をもちまして、補足説明を終わらせていただきます。
○陣内分科会長 以上で説明が終わりましたので、これより予算及び報告議案に対する質疑を行います。
 ご質疑はございませんか。
◆高比良[末]委員 新しい取組みを中心に質問します。余り新しい取組みはありませんが、1つに、環境実践モデル都市推進事業、これが新しい取組みとして出ております。環境実践モデル都市1団体を選定し、その取組みを支援するということなので、詳しく教えていただきたいと思います。
◎赤木未来環境推進課長 環境実践モデル都市推進事業についてご説明いたします。事業の中身ですけれども、地域の資源を活用した環境保全対策あるいは環境産業振興を効果的に推進するために、環境実践モデル都市を選定して、その取組みを支援していくという内容でございます。具体的には、長崎県内にはいろんな地域資源というものがございます。例えば、対馬でありますと森林資源、そして島原半島では家畜等から出てくる汚泥、それと温泉熱とか、いろんな地域資源がございます。また、長崎県内には自然豊かな環境というものがございます。例えば、太陽光、あるいは風力に適した地域とか、そういった自然エネルギーを活用する部分とか、あるいはそういった地域資源を活用しながら環境保全対策を実施するということと、あわせて低炭素社会の実現、そういったものを組み合わせながら環境産業にも役に立つような市町を選定して、モデル都市として推進していきたいと考えております。
 都市の選定に当たっては、推進会議という組織を立ち上げまして、その中で、どういう基準で選定していくのかといったことを論議したりして、県内各市町に募集をかけて、意欲のある市町を後押しというか、支援をするというような仕組みを整えて、技術的あるいは財政的な支援を考えていきたいと考えております。
◆高比良[末]委員 かなり欲張っておりますけれども、予算は100万円ちょっとですものね。というのは、各団体、各都市がしているものを、環境実践に熱心なところは大体未来環境推進課長の方で把握されておって、一生懸命やっているから、その辺を支援したいなというぐらいでしょうね。財政的支援とか技術的支援にしても、120万円、これはどういう予算ですか。人件費とかなんとかあるでしょう。
◎赤木未来環境推進課長 122万3,000円の内訳でございますが、基本的には、会議の立ち上げ経費を考えております。その会議に参加する行政の担当者もおれば、環境の専門家などをその会議の中に入れて、内容を論議していくというような作業をしていくんですけれども、主には、会議の立ち上げ経費と考えております。初年度は122万3,000円ですが、翌年度以降については、基本的には、国のいろんな財政支援制度というものがありますので、そういったものを活用しながら、その地域に合った技術的あるいは財政的な支援を行いたいと考えております。
◆高比良[末]委員 わかりました。
 次に、ゴミゼロながさき推進事業費で、補正が280万円ほどあります。新しい事業として、レジ袋削減への取組み支援と。この補正は、すべてこのレジ袋削減の取組み支援に予算化されたのかということと、「レジ袋削減対策協議会で行うレジ袋の有料化も含めた削減への取組を支援し」と。これはレジ袋の有料化への取組み状況、今後も含めて、教えていただきたいと思います。
◎赤木未来環境推進課長 循環型社会の推進についての3,358万4,000円の内訳でございますが、ゴミゼロながさき環境産業支援事業で3,077万9,000円、そしてゴミゼロながさき推進事業費のレジ袋関係で280万5,000円。レジ袋なんですけれども、現在、レジ袋削減対策協議会というものを組織しておりまして、主に、スーパーマーケットとかの事業者が25団体、そして消費者団体としては婦人団体とか生活学校、学識経験者等が入ったメンバーで構成をされておりますけれども、これまで3回ほど議論をしてまいりました。今年度、レジ袋の無料配布を中止するというようなことに取り組んでいきたいということで、現在、その詰めの作業を行っております。予定としては、今年の10月ぐらいをめどに、協定書を締結したいと考えております。これは行政、事業者、消費者団体などが協定書ということで締結をして、来年の4月からレジ袋の無料配布を中止する、いわゆるレジ袋の有料化に向けた行動を起こしていこうと考えております。この280万5,000円の中身なんですけれども、主に、10月以降、協定を締結した後、県民に対するPR、広報経費です。テレビスポットとかの経費と考えていただければと思っております。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 レジ袋の有料化、今までごみ袋の有料化も理解を得るのに、実施までかなりかかりました。消費者団体も推進会議に参画していますので、有料化になることは、あながち絶対だめというわけでもないのでしょう。事業者は、いい方にいくかと思います。しかし、売り上げの問題とかいろいろ絡んで、全体的な合意形成を得るのは、いろいろこれから大変だなと思っております。そういう中で、ごみ袋の有料化、値段ですが、サイズでどれくらいという方向性まで出ていますか。まだこれからですか。
◎赤木未来環境推進課長 今の私どもの案としては、レジ袋の販売価格は一律ということにしておりまして、その価格については、まだ決まっておりません。ただ、最終的には協議会の中で決定していきたいと思っております。我々の案としては、5円とか、そういった価格でできていけばいいかなと思っておりますが、これも委員が言われたとおり、事業者の意向もありますので、そこら辺は今後、協議会の中で詰めていきたいと考えています。
○陣内分科会長 ほかにご質疑はございませんか。
◆西川委員 補足説明資料1の3ページのIとKとLについての支出の内訳は、外部業者、例えば調査会社などへの委託費なのでしょうか、会議費とか、または印刷物とかの経費なのでしょうか。詳しくお願いいたします。
◎古賀水環境対策課長 お尋ねの10番についてお答えいたします。長崎県汚水処理構想策定費ですが、大半が業者への委託費で、コンサルタントへの委託費でございます。あと事務費が若干ございます。
 以上でございます。
◎小嶺廃棄物対策課長 12番の長崎県廃棄物処理計画策定事業でございますが、これにつきましては産業廃棄物の実態調査及び処理計画策定の業務委託ということで、774万4,000円を計上しております。そのほか、計画を策定するため環境審議会の中に地域計画部会をつくりますので、その部会の運営費等183万円、合わせて960万4,000円を計上いたしております。
 それから13番でございますが、不法投棄残存事案支障状況等の調査事業でございます。これは国の地域グリーンニューディール基金を活用して、産業廃棄物の不適正処理事案とか、不法投棄事案に対する水質調査、土壌の検査などをしまして、周辺の生活環境の支障の状況を把握する事業でございます。今回は、県が1カ所、長崎市が1カ所、佐世保市が1カ所ということで、3カ所のそういう支障の調査をいたすことにしておりまして、これも調査については委託ということで、総額1,132万4,000円となっております。
 以上でございます。
○陣内分科会長 ほかにご質疑はございませんか。
◆山口[初]委員 高比良(末)委員の質問とちょっとかぶるんですけれども、私は今回の一般質問の関連質問の中でも通達をしておった関係もございまして質問させていただきます。環境実践モデル都市推進事業の関係なんですけれども、6月は環境月間ということで、それぞれ環境部関係の皆さんは、ある意味では、年間では一番大事な時期にあるのですが、今回の6月の補正で、ナガサキ・グリーンニューディール事業ということで、環境部と産業労働部と合わせて6億5,000万円の予算が組まれているわけですね。そういうことで、いろいろありますが、4つの柱を中心に、今から事業を展開しようということが言われているのですが、その中も含めて、新しい環境実践モデル都市推進事業として、今回は予算としては122万3,000円ということで、大した額じゃないのですが、これは将来的に大きく発展させ得るための予算であろうと判断をしているんです。
 そこで、お尋ねをしておきますが、いわゆる環境というものは、鳩山総理になったときも、全世界にも、CO2の25%削減ということも含めて大々的に発信をしたんですけれども、ある意味では、21世紀の極めて重要なテーマは環境なんですね。そういう意味では、これは大事なところをついた事業だと思うんです。というのが、これはやれやれと言っても、なかなか皆さん、申しわけないのですが、そう簡単にはやれるものじゃないんです。そういう面では、それぞれの自治体、各団体、企業なりにきちっとした目標を持たせてやらせないと、環境政策というものは、世界の単位で言うと、国単位できちっとしたものをシステム的にやっていかないと発展しない性格のものだと思うんです。そういう面では、その一つのやり方として、長崎県では環境実践モデル都市推進事業というものを今計画しているのですが、これをいかに自治体に周知を図って取組みを進めていくか。そういうことで、優秀な取組み、いろんな画期的な取組みをしたところについては、モデル都市として当然奨励をしていくわけですが、わかりやすく言うと、そこにある意味の褒美的なものを出すようなことを考えて、もっと奨励していくべきではないかなと思うのですが、そのことについて考え方をお聞きしておきたいと思います。
◎赤木未来環境推進課長 環境実践モデル都市というものは環境負荷削減計画を持っておりまして、環境技術の導入が見込め、さらに地域全体で環境負荷削減に取り組む意欲があるなど、一定基準を満たす市町をモデル都市に選定して、その取組みを支援していこうというものでございます。選定されたモデル都市については、まず県、市及び環境専門家で構成する検討会議の中で、環境負荷の削減などの実行計画策定の支援を行ってまいりたいと考えております。効果ある事業の導入に当たっては、国、県の助成制度等の活用を図り、支援をしてまいりたいと思っています。一定効果が出るということに関しては、ある程度の時間がかかると思うのです。そういったモデル都市に選ばれた成果については、仮称ですけれども、グリーンニューディールフェアというような、その取組みの成果を県内各市町に周知を図るようなところを設けまして、広く県内の自治体にも環境技術の負荷削減の効果等をお知らせしたいと考えております。県全体の底上げにつながっていけばと考えております。
◆山口[初]委員 ぜひそうしてほしいのです。私が何を言いたいかというと、要は、今まで私たちがそれなりの生活を享受できるのも、ある意味では、地球環境を少し食いつぶしながら、この繁栄があるわけですね。だから、それに対して、私どもがこれから先、生きていくためには、そのツケをどうやって補っていくかというのが今、全世界的、全人類的な課題になってきていると思うのです。だから、そこには当然お金が必要になってくるということだと思うのです。だから、逆に言うと、環境対策においては、おっしゃっているような産業も生むわけです。今からの雇用も生むわけです。ですから、ぜひ優秀な環境対策に対する自治体が出てきたら、そういうテーマが出てきたら、積極的に支援をして、お金の面においても積極的な支援をして、どこかを特化させて、そこに各自治体が追いつけ追い越せの形で、オリンピックじゃありませんけれども、そういう形で持っていかないと、環境政策というものもうまくいかないのじゃないかなと思っていますので、今後は122万円のけたが違う予算規模になっていくんだと思いますが、そのことについては積極的に対処していただきたいと思っております。環境部長、何か意気込みでもありましたらお聞きをします。
◎徳永環境部長 委員がおっしゃるとおりだと思います。我々もはじめて環境モデル都市を選定していきますので、基金等の活用についてはこれからになりますし、また予算支援の話については、これから先の話だと思っています。基本的には、現行制度でいろいろ支援制度がございますので、まず、そういったところをもって応援したいと思います。取組みについては、それぞれの中で、また具体的なものについては改めて支援制度も含めて、できるだけ県内あちこちにこういったものをつくっていきたいと考えております。
 以上でございます。
◆八江委員 海岸漂着物地域対策推進事業というものがありますが、この回収の場合、海岸漂着物処理推進法が制定されておりますが、この予算の2億591万3,000円の内訳はどうなっているんですか。国からの支援事業ということで対策をいたしていると思いますけれども、その辺の内訳を教えてください。財源の問題。
◎小嶺廃棄物対策課長 海岸漂着物地域対策推進事業につきましては、今年度の当初予算が、骨格予算ということもありまして、海水浴シーズンの前等、早くから回収、清掃をしなければいけない分と大量に漂着物があって景観が悪化しているようなものを当初予算で計上いたしております。そして、7月以降に実施する分を今回の6月補正予算ということで、2億591万3,000円を計上いたしております。それで、当初予算4億1,998万1,000円と合わせて、平成22年度は総枠で6億2,586万4,000円となっているところでございます。この平成22年度の内訳でございますが、168箇所実施することとしておりまして、昨年度、県が海岸漂着物の実態調査をいたしました。そのデータを基に、県内に海岸漂着物が約8万立米あるという推計をいたしまして、そのうちの約3割の回収処理を実施する予定です。(「財源の内訳」と呼ぶ者あり)」財源は、グリーンニューディール基金でございます。
○陣内分科会長 暫時休憩いたします。
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     −午前10時43分 休憩−
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     −午前10時44分 再開−
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○陣内分科会長 分科会を再開いたします。
◎小嶺廃棄物対策課長 失礼しました。全額県の環境保全対策臨時基金を財源にしております。
◆八江委員 じゃ、その基金はどこから積み立ててあるんですか。私は、海岸漂着物というのは、海水浴の話もありましたし、長崎県は海岸線が非常に長くて、漂着物も多岐にわたっていると思いますけれども、そういう中で、対馬とか壱岐、五島の問題で、外国から寄せてくる海岸漂着物ということも考えながら、どうなるのかなとお尋ねしたかったものですから、その予算の内訳はどうかということを確認したんです。基金からということですけれども、基金が国の方から補助されるものなのかというのをもう一度、確認をしておきたいと思います。
◎出口環境部次長 環境保全対策臨時基金でございますけれども、これは地域グリーンニューディール基金という別名がございまして、平成21年度、国から、地域環境保全対策費等補助金の交付を受け、全額19億円という多額の額をこの基金に入れ込んでいるわけです。この基金は、先ほど未来環境推進課長が申しましたように、地球温暖化対策とか、不法投棄の調査、そして今、廃棄物対策課長が説明しましたように、漂着ごみの対策とかに使われるということでございまして、3年間、この基金を取り崩して、今言った各種の事業に充てられるということでございます。3年間の内訳は、漂着ごみ対策を言いますと、11億数千万円がそれに充てられるということでございます。先ほど八江委員がおっしゃったように、対馬での外国からのごみの回収、撤去についてもこの基金、100%国の財源でございます。これを有効に活用して撤去してみたいと思っております。これは3年間の事業でございます。今年で2年目に入りました。
◆八江委員 特に一番問題になっているのが海外からの漂着物で、新聞紙上でもいろいろ出ているわけですけれども、こういったものを長崎県の一般財源でやっているのかどうかというのが気になるものですから、お尋ねしたわけです。国から全額基金へ積み立てたものから使うということであれば問題はないわけですけれども、これは国対国の問題になるところに、何で長崎県が財源を出してまでしなければいけないのかなというものがありました。都市周辺のところについては、当然ながら、地元市町あるいは県などがしていかなければならないけれども、特に海外からの漂着物については、やっぱり国が責任を持ってやるべきと。そのために、そういった処理法の法律が制定されているものと思っていますので、確認をいたしたかったためにお尋ねしたわけです。
 その点は、外国から、例えば韓国の皆さん方が応援に来ていただく、中国からも来ていただく、あるいはまた逆のこともあるでしょう。そういったときには、費用はどのように、ボランティアなのか、それとも何かこういう基金の中から措置をされているのか、それも確認をしておきたいと思います。
◎小嶺廃棄物対策課長 毎年対馬で、韓国の大学生が来て、地元の住民と一緒に海岸清掃をしているのですが、そのときはボランティアで清掃してもらっています。処分の費用につきましては、グリーンニューディール基金を使って処分をしようと考えております。
 以上でございます。
◆八江委員 費用持ちで、ボランティアでということですから、こういう基金の中からは出ていないというようなことは確認させていただきました。
 やっぱり国とのかかわりというものになりますと、しっかり県は県の立場で協力要請をしながら、国で解決していただく。一時は、南方から出た木材の漂着ごみもありました。そのときもそういう措置をいただきましたけれども、どうぞそういうことで措置をしてほしいと思います。
 それと、自然環境課の全体予算が補正後は4億2,000万円ということになっているようですけれども、今、地球温暖化とか、いろいろ自然保護の関係から話が出てくる中で、予算が少ないといえば少ない。一番取り組んでいかなければならないことでありながらも、金額的に十分満足できるような予算が確保できていないんじゃないかと。そのために、国等に対策に対する要望というものがもうちょっと不足しているのかな、それともそういう予算が限定されているのかなということを全体的に感じますけれども、自然環境課長、その辺はいかがでしょうか。
◎中島自然環境課長 地球温暖化に係る自然環境課の取組みはということでのお尋ねですが、地球温暖化対策で自然環境課で所管しておりますのは緑化関係、植物を植栽して温暖化対策に資するというようなところがあると思いますが、これに対する財政的なものは、国からの援助はございません。それで、県としては、単独で県有施設の緑化等に取り組んでおりますが、その中では、2月に交付金関係で、景気対策ということで予算をつけていただきまして、県有施設の緑化ということで2,000万円を計上し、県立高校ですとか、県が持っております事業所等の緑化を今進めているところです。
 以上でございます。
◆八江委員 今、緑化だけをお尋ねしたわけじゃなくて、地球温暖化で、森林資源を含めて、CO2の削減に努めるというような大義名分でいろんなことが措置されてきていると思うんです。そういう中で、自然環境の中で、県立自然公園のみならず、そういったところに対するいろんな事業が展開されるのじゃないかなといういろんな期待もあっておりましたし、我々もそういう期待も持っておりましたので、今のようなことをお尋ねしたわけです。施設整備とかはここに書いてありますが、これはこれとしていいんですけれども、全体でもう少しやっていくべき事業が想定されるのじゃないかな、そのために、こういう予算に限定されているからできないのかなと。県の一般財源だからできないのか、それとも、それをもう少し広げて国の方の支援がないのか。環境税その他も使って、いろんな形で進めていることは事実ですけれども、私は、今、山が一番大事だと、長崎県は観光県でもあるし、景観も大事にしていかなければならない、あるいは遊歩道あるいは歩道、そういったものをしていくためには、もう少し積極的に自然環境の対策としてやるべきじゃないかという全体的な考えの中で質問したつもりですけれども、そのような考え方は、私が要望するのがおかしいのか、お尋ねするのがおかしいのかわかりませんけれども、私はそういうふうに思います。地球温暖化対策をこれから進めていくためにも、そしてまた自然環境を守るためにも、そういうものは自然環境課が必要なのか、ほかの未来環境推進課が担当なのかわかりませんけれども、環境全体として考えてみたときに、もう少し積極的に、前向きにそういったものも取り入れながら、景観あるいは森林資源、そしてまた観光開発、こういったものにもう少し積極的に取り組む姿勢が必要ではないかと思いますけれども、その点は全体的に環境の担当部署の責任者の皆さん方から発言いただければと思います。
◎徳永環境部長 おっしゃるとおり、地球温暖化対策は各部で取り組む必要があると思っています。委員がおっしゃるような森林の保護、整備とか、そういった部分は今、農林部サイドでやっているところだと思っております。ナガサキ・グリーンニューディールという取組みを今後やっていくということを本会議等でご説明いたしておりますが、まさに各部がそれぞれ技術とかを持ち合わせて、総合的な対策をやっていこうというのが今、温暖化対策の大きな動きになってございます。環境部で森林とか景観、そういった事業も一部持ってはございますけれども、温暖化対策だけではなくて、どちらかというと資源を活用して県民の皆さんに便宜供与といいますか、そういったものを与えていこうというところでございますので、多少その部分は温暖化対策とは異なるかもしれませんが、全体的には、それぞれの立場の中で、活用の部分と、あるいは制限とは言いませんけれども、温暖化対策に向けた事業、こういったところを協働、連携してやっていこうと考えています。
 以上でございます。
◎大串環境政策課長 予算の全体面でご報告させていただきますと、平成21年度と平成22年度の部の全体予算で申し上げますと、対前年比が、昨年の当初と今年の6月の肉づけ補正後と比べますと127.8%ということで、県の一般会計予算の伸びが100.9%ですので、かなり大幅な伸びになっているということが1つと、あと、県の一般会計予算に占める環境部予算の割合でございますけれども、昨年が0.37だったのですが、今年は0.46ということで、構成比も上がっており、伸び率につきましても、県全体の予算の伸び率からすると伸びているという状況でございます。
 以上でございます。
◎赤木未来環境推進課長 先ほど環境部長が申しました各部局が対応していくべきというお話なんですけれども、現在、未来環境推進課で地球温暖化対策推進法に基づきまして、県内の温暖化対策を総合的かつ計画的に実行するための長崎県地球温暖化対策実行計画の策定作業を進めております。策定に当たりましては、昨年度から、県の環境審議会の中で、国が打ち出しました温室効果ガス25%削減目標を前提としながら議論がなされてきております。ただ、今国会で、地球温暖化対策基本法案が廃案になりました。しかし、秋の臨時国会ではまた再提出がなされると聞いております。国の動向も見極めながら、県の実行計画の中で削減目標を立てまして、県全体で地球温暖化対策に取り組んでまいりたいと考えております。
◆八江委員 この予算の中にも、先ほど質問がありましたように、環境実践モデル都市推進事業も120万円余り、それは1団体ということですから、それでいいかもしれませんけれども、そういうふうなものとか、「みんなで止めよう温暖化」推進事業、これはエコドライブにしても、それからゴミゼロながさき推進事業にしても280万円とか、いろいろ多岐にわたっておりながら、それだけ金額は要らない事業であるかもわからないけれども、それともっと山の方とか、自然環境について考えれば、もう少し積極的な展開をしておかなければ、環境部の位置としても認められないんじゃないかなという思いで、もう少し奇抜なというか、もう少し積極的に展開をして、新しいことの開発をすべきじゃないかと、そういった思いがありましたので、私は皆さんに応援をするつもりで物を申しているわけです。少しずつ小出しにやっているようなことでは、なかなか今の時代にそぐわないんじゃないかと、もっともっと全体を引っ張っていけるようなものが欲しいとこの予算書を見ながら考えたものですからお尋ねしたんですけれども、改めて環境部長、そのあたりを前向きに取り組む、してあるかもしれませんけれども、もうちょっと勢いよくやらないとだめじゃないかと。前の部長よりも今度の部長はもっとやる、次の部長はもっとやるというようなことにならないと環境というものはおさまっていかないと思いますが、いかがでしょうか。
◎徳永環境部長 先ほど申し上げましたように、各部で環境対策といいますか、環境関連の事業をたくさんやっております。今、手元には取りまとめておりませんけれども、おっしゃるような温暖化対策につながるもの、自然環境の保全につながるもの、そういったものを各部各課で取り組んでおります。我々はそれを環境対策として全体をまとめていって、進捗状況についても我々が取りまとめている状況でございますので、改めてそういったところをきちっと整理しながら、全体ではこういった事業をやっていますといったところをお示ししたいと思いますし、我々自身ももう少し積極的に、温暖化対策は大変重い問題でございますので、これからしっかり事業を組み立てて対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○陣内分科会長 ほかにご質疑はございませんか。
◆野口委員 1点だけ関連して確認しておきたいと思いますが、八江委員の質問の中にあった、海岸漂着物の処理費、処理のためのいわゆる基金の問題です。100%国庫であるという趣旨の基金だったんだけれども、いわば外国由来の漂着物、ごみに対する費用というのは、他の都道府県と比較して、ある種、他のいろんな環境関係の対策費とは別枠の費用として乗せられて本県に国から交付されて基金が造成されたのか、それとも外国由来の漂着物であっても、別枠じゃなくて、ワンパッケージで他の都道府県と同じように交付されたのか、そのところだけ確認させてください。
◎小嶺廃棄物対策課長 今回の海岸漂着物対策事業でございますが、国の地域グリーンニューディール基金が総額で550億円、そのうち海岸漂着物事業が60億円ということで、別枠になっております。それで、当県の分が約11億3,000万円、海岸漂着物対策の財源としているところでございます。
◆野口委員 そうしますと、外国由来の漂着物については別枠だということですね。他のもろもろに使う基金については、これは他県並みと。私が聞きたいのは、海岸漂着物の予算は別枠なんだけれども、それが要するに、他のそもそもの事業の枠に入り込んだりして、そこに影響があるのか、それとも、それは全くなくて、全く別枠として国が基金の拠出金として出したのかというところだけを確認したいんですけれども、それはそういうことでよろしいんですね。わかりました。結構です。
○陣内分科会長 ほかにご質疑はございませんか。
◆溝口副会長 ゴミゼロながさき推進事業費ですけれども、昨年、当初予算がどのくらいあったのかわかりませんが、418万3,000円の減額がなされております。高比良(末)委員も先ほど質問しておられましたけれども、今回280万5,000円なんですね。この辺について、昨年度の当初予算として、どのような事業をしてきたのか聞かせていただきたいと思います。
○陣内分科会長 暫時休憩いたします。
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     −午前11時5分 休憩−
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     −午前11時6分 再開−
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○陣内分科会長 分科会を再開いたします。
◎赤木未来環境推進課長 418万3,000円ですけれども、産廃税の効果検証の委託というものが262万5,000円あります。それと、事務費の節約で45万1,000円、ゴミゼロながさき推進会議等の謝金の減ということで110万7,000円ということで、418万3,000円です。
◆溝口副会長 418万3,000円の内容を聞いているんじゃなくて、当初予算としての組み方が幾らだったのか、それで事業をしようとしたけれども、できなかったのかどうかを聞いているんです。それで、また今回280万5,000円入れているんですけれども、レジ袋削減への取組み、この辺に関連して、事業が昨年度できなくて、今度はこの事業に変えてきたのかどうかわからないんですよ。減額が400万円あるのに、今度は200万円の予算を組んだでしょう。だから、事業が前のときに実行できなかったんじゃないかという気がするわけです。
○陣内分科会長 暫時休憩いたします。
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     −午前11時7分 休憩−
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     −午前11時8分 再開−
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○陣内分科会長 分科会を再開いたします。
◎赤木未来環境推進課長 平成21年度の当初は1,519万2,000円ということであります。平成22年度の当初は1,253万円ということで、それにプラス6月補正の今回の208万5,000円ということで、1,533万5,000円で、平成21年度当初と変わりはない額ということでございます。ですから、平成21年度と平成22年度の当初予算としては、大きな差はないということでございます。
◆溝口副会長 わかりました。事業はしたけれども、418万3,000円は、何かの事業をやらなかったじゃなくて、先ほど言った理由の中で下がってきたと理解しておっていいんですか。わかりました。
 レジ袋の削減への取組みも、280万5,000円ですけれども、県民に広く情報を発信して、できる限りごみがないように努力をしていただきたいと思っております。
 それから、一般住宅省エネ設備設置促進事業です。今回8,800万円を組んでいるんですけれども、この補助額は8万円としているのですが、これは国からの繰り入れで賄って、県の単独的な補助は全然ないと聞いているんですけれども、その辺については県としてどのように考えているのですか。
◎赤木未来環境推進課長 一般住宅省エネ設備設置促進事業の財源ですけれども、地域グリーンニューディール基金で賄っております。委員がおっしゃりたいのは、県費を持ち出さなくてもいいのかというようなご趣旨でよろしいでしょうか。
◆溝口副会長 国の方針として、鳩山さんが国際的にも、CO2の削減を25%まで持っていくということを発表しているんですけれども、その中で、県に対して、削減率をどのくらいしなさいという国からの指示というのはないのですか。
◎徳永環境部長 先ほど少しお話をしましたけれども、国の方が25%削減というものを打ち出しました。片一方で、法律に基づきまして、県の方では地球温暖化対策実行計画を検討しております。その際に、県としても何%の目標をということで今、検討はしているんですけれども、国の方が25%を打ち出したのですが、その具体的な取組み自体をまだまとめておりません。したがって、県の方も、国がどういった方法で25%を目指すのか、具体的な方法を踏まえないと、なかなか県独自の取組みは難しいところがございますので、現在のところでは、我々として目標は立てておりません。国の方からも、何%にしろというような目標について、指導はございません。
 以上でございます。
◆溝口副会長 ありがとうございます。CO2の削減はまだ国からの指示はないということですけれども、県の方としても、削減について考え、検討していかなければいけないということです。その辺について、一般住宅に省エネで太陽光発電を設置していくということは、私は大事なことだと思うんです。ただ、前回も質問したんですけれども、県の方としては、国からの補助を当てにしてというか、国がするからしようと、そういう考えになっているんじゃないかと思うんですけれども、県としてもCO2削減のために、地球温暖化のために、やはり国から指示がある前に県としての検討をして、積極的に取り組んでいくということが必要じゃないかと私は思うんですけれども、その点、お尋ねしたいと思います。
◎徳永環境部長 確かに一般住宅の太陽光発電は効果があるという認識を我々も持っております。ただ、件数的に見ていきますと、財源としては、かなり高額になっております。今年度につきましても1億円を超えるような補助額になってございます。たまたまと言ったらおかしいんですけれども、国の方がグリーンニューディール基金というものをつくりまして、それを地方に交付すると。財源が100%になりますので、その中のメニューとして太陽光発電がございましたので、これを機会に、国の基金を活用して十分対応していこうと思っております。ただ、基金自体も3年間でございますので、いずれ基金そのものがなくなっていくという段階になりますので、そのときはまた我々の環境部といいますか、県の財源を見ながら、どの程度の基数になっていくのか、これはこれから検討していかなければならないとは思いますけれども、片一方で、これだけ全国的に需要が伸びていきますと、太陽光発電設備の費用そのものが少し低廉化してくるだろうと、そういう期待も持っております。全体的には下がっていく中で、個人個人のご負担の部分が果たしてどれぐらいが適当かと、そういったところもこれから見て、支援の方法については考えていきたいと思っております。
 以上でございます。
◆溝口副会長 わかりました。ただ、国の事業が3年間あるから、その3年間の間にということですけれども、県の方としても、持ち出しでも県民の方々に、県もこういうふうに努力してやっているんですから、一般の住民の皆さん方にもぜひ太陽光とか省エネに関する事業をしてくださいということの環境部としての発信がないと私は思うのです。私は、国からの指示だけで動いているような感じがしてならないんです。前回も言ったんですけれども、県単独では無理ですとか言われたと思うのです。だから、今度、グリーンニューディール基金があるからやっていこうというだけでは、私はCO2の削減にはつながっていかないと思いますので、県は県としてのしっかりした考えを持って検討していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎徳永環境部長 タイミングといいますか、グリーンニューディール基金があったというところで我々も制度をつくったのは、時点的にはそうだと思います。ただ、我々も大変効果的な方策と認識をしておりますので、そういったところがぜひ続けていけるように検討したいと思います。ほかにもいろんな温暖化対策の方法があろうかと思います。そういった比較の中で、どれが一番そのときに効果的か、そういったところも含めて検討していきたいと思っております。
 以上でございます。
◆溝口副会長 ぜひ環境対策として、どうしても温暖化防止のための検討委員会を早急にして、県の方針を早く決めていただきたいなと思っておりますので、要望しておきたいと思います。
 それから、西海国立公園九十九島海のダイヤモンド事業が860万円組まれているんですけれども、この860万円の事業の場所と、それから今年度で終わるのか。来年度で終わりになっていたと思うんですけれども、この事業についての考え方を聞かせていただきたいと思います。
◎中島自然環境課長 西海国立公園九十九島海のダイヤモンド事業費につきましては、補足説明資料に挙げておりますように、今年度補正では860万9,000円を計上しております。内容につきましては、これまで平成16年度からこの海のダイヤモンド事業に取り組んでおりますが、利用拠点がある程度整備されたということで、これらの利用拠点におけます九十九島の自然にふれあい施設の総合的な案内ができるような施設をということで、今考えておりますのは、弓張岳ですとか鹿子前、白浜、それから小佐々につくりましたカヤックセンター等に総合案内板を整備したいと思っております。ダイヤモンド事業そのものは、平成16年度から平成24年度までということで、環境省、佐世保市、県ということで3者で取り組んでおりまして、県の事業につきましては平成22年度で完了予定です。あと平成23年度、平成24年度につきましては、環境省の事業及び佐世保市の事業が当初の計画の中で残っておりますので、具体的な詰めは、県も含めまして、3者の中で残された事業につきましては今後検討したいと思っております。
 以上でございます。
◆溝口副会長 わかりました。県の方は平成22年度で終わるということです。平成23年度、平成24年度は市と国の関係で話し合っていくということでございますけれども、市の方がまた事業にどうしても取り組んでいくという部分が出てくるんじゃないかと思いますので、県の方としても、先ほど言ってくれましたように、積極的に参加していただいて、西海国立公園九十九島海のダイヤモンド事業に積極的に取り組んでいただきたいと思っております。九十九島は、私は、ほかの松島とかの自然よりも大変すばらしいものだと思いますので、ぜひこの事業を大いに活用して、まだまだ全国的に発信をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
◆瀬川委員 2点お伺いいたします。
 県の汚水処理構想策定費なんですが、市町の人口減とか、市町村の合併等に絡んで、どんな問題点がこれまでの構想の中で出てきたのか、どういうところを目指そうとこの構想の中で考えておられるのかというようなことが1点。
 次に、廃棄物処理計画も同じく策定が予定されておりますが、この件については、例えば、大村湾沿岸地域、あるいはこれまで西海市が県の指定となった環境の保護指定区域というような関係等々ありますが、そういった事項についてはどういう考えを持っておられるのかお伺いいたします。
◎古賀水環境対策課長 最初のご質問であります長崎県汚水処理構想策定費についてでございますが、社会情勢の変化ということですけれども、平成17年に策定した当時も人口減が見えておりましたので、人口減を予測しておりましたが、平成22年度、5年後、ほぼ5年ごとに見直すということになっておりますけれども、今回は人口減がかなり進んだような形の予測になろうと思っております。
 この構想は、下水道や浄化槽でする汚水処理をどういう区域に、どういう設備を整備していくかという計画であります。最近、都市部ではかなり整備が進んでおりますけれども、今後は、田舎といいますか、人口閑散地区の整備が主になってまいります。そこでは人口流出がかなりのスピードで進んできておりますので、その点を考慮した計画になろうかと思っております。下水道という一括した処理でやりますと、そういう地域ではかなり空き家が多くなっておりますので、今後は浄化槽による整備が有利になってくるというようなことも考えた計画になろうかと考えております。
 以上でございます。
◎小嶺廃棄物対策課長 長崎県廃棄物処理計画の策定事業でございますが、この事業につきましては、廃棄物処理法の第5条の5の規定に基づきまして策定をするものでございます。現在、平成18年3月につくっております第2期の計画の終期が今年度で満了するのに伴いまして、平成23年度を始期とした新たな5カ年計画を策定することとしております。この計画の性格としましては、長崎県における廃棄物の発生抑制、減量化、リサイクル、適正処理を進めるためのマスタープランという位置づけでございまして、県民、事業者、行政がその目標に向けて取り組んでいくための指針という形になるものでございます。現在のところ、先ほどおっしゃいました大村湾、西海市、環境保護地域、そういうものにつきましては今回、この循環型社会を目指す計画の中では盛り込む予定にはいたしておりません。
 以上でございます。
◆瀬川委員 先ほど下水道の汚水処理計画の中での考え方については、人口減が著しくなってきておって、住宅閑散地域での公共下水というのはどうなのかというような観点からも考えていきたいというような話でありましたし、前にも話をしたことがあったわけですが、私が知っている地域のことを申し上げますと、60戸の集落に7億円近くの下水処理事業費を使ってやったところがあります。1軒にしますと1,000何百万円という巨額を投じたわけです。その当時、合併浄化槽が5〜6人、7人槽で150万円、住宅の改装を含めても200万円から250万円で済むわけです。費用対効果という観点から考えてみても、巨額の補助金、血税を使って公共的な下水道を整備する方がいいのか、それとも自己負担分も含めてですが250万円から300万円でできるわけですから、むしろ、そっちをやった方がいいというような議論もやってきたわけですが、ただ、合併前でありましたから、よその町はどんどん、どんどん公共下水道をやろうというようなことで、どんな山間部であっても、その地域にしますと、それでやってきたわけですよね。だからその辺を、基準線というものができるかできないかは別にして、それは市や町の考え方もあることなんですが、県も、県費をある程度負担するわけでありますから、ある一定の線引きというのはやはり持っておく必要があろうかと思います。どういったところでも、幾らでもというような発想では、今後ちょっと無理があるのではないか。そしてもう一つ、この汚水処理の大きなデメリットというのは、当初整備をした自治体と、全地域にわたって処理を完了する時期というのは、少なくとも20年、30年かかると私は思うんですよ。だから、汚水処理の公平性という観点からいけば、恩恵を受ける人たちは、20年、30年間恩恵を受けない人たちの分を受けて処理をしてもらっている環境を得ているということになるわけですから、そこら辺を含めて、今後、そういった処理構想というものは判断をしなければいけないと思ってもおりますし、実質処理計画区域内で100%汚水処理施設につなぎ込んでいるかどうかというところもまた疑問な点があるのではないかなということを私はもう一度、この際、申し上げておきたいと思っております。大村湾沿岸区域の汚水処理率は60%以上というような話も聞いておりますが、実質本当にそうなのかという疑問点があるということも申しておきたいと思っております。
 もう一つ、廃棄物の処理計画なのですが、5年ごとの見直しということで話は承りましたが、先の方で出てくると思いますが、たびたび産業廃棄物処理場の問題が出てきているわけです。やはり一旦事故等が起きたら、取り返しがつかない状況になって、とめる、何らか処置をしなさいという命令を出しても、なかなかそれを改善することができないのが現状じゃないかと思うわけです。だから、何か担保となるようなものがあればいいのですが、今の法体系では、例えば何らかの対策をしなければならないときに、スムーズに事業者がやらないときには、その担保するものをもって行政が代理的に執行するというようなことができると思うのですが、そういった担保的なものもない。じゃ、そのことも含めて、もう一つ踏み込んで、県全体の地域として、少なくとも、ここに新たな処分場を計画する場合には、もう1ランク上の条件を課した上で、新たな処理場の許認可を与えるというような考え方も考えていいんじゃないかと、そういう議論があってもいいんじゃないかと思いますが、そういった観点ではどうでしょうか。
◎古賀水環境対策課長 汚水処理の問題でございますけれども、委員がご指摘のように、いろいろな問題がございますので、集合処理、下水処理、それと浄化槽、メリット、デメリットを詳細に検討いたしまして、地域を決定してまいりたいと考えております。ご指摘のように、加入率とかの問題もありますので、今後はやはり浄化槽の区域がかなり増加していくものと考えております。
 以上でございます。
◎小嶺廃棄物対策課長 前回の委員会のときから、供託金制度の創設というご質問等があったわけでございますが、現在の許可制度自体が国からの法定受託事務ということもありまして、今の段階で県独自に許可時に供託金とかの制度を織り込むというのはなかなか難しいと考えております。
 そのかわりといいましてはなんですが、今年の5月に廃掃法の一部改正がなされております。その中で、最終処分場については維持管理積立金という制度がございまして、毎年度、事業者が埋め立てた量に比例して、終了時に、その維持管理をするために取り崩せるような制度が法の中にございます。これまで、その法の改正があるまでは、積み立てた本人にしか取り戻しができなかったのですが、法改正の後には、周辺環境に支障があり、知事が自らその維持管理を講じる場合には、知事がその積立金を取り戻せるという制度になっております。そういう制度になりましたので、そういう事例がありましたら、その仕組みを活用しながら進めてまいりたいと思っています。
 それと、規制をする場所を、できるだけ自然保護の水源の場所とか、住民の近くとか、そういうところで最終処分場が立地できないような規制ができないのかというお話だろうと思うのですが、県では、産業廃棄物適正処理指導要綱というものをつくっております。これは平成5年に作成をしたのですが、何回か改正を進めておりまして、平成19年6月の改正のときに、立地基準に適合することということで、水源の保護とか、自然環境の保護、医療施設とか住宅のそば、そういうものから離れた場所でなければ立地できないという立地規制をいたしております。この立地規制につきましては、都道府県レベルでは当県が一番厳しいというお話を聞いております。
 以上でございます。
◆瀬川委員 その立地規制というのは、法に基づいた規制じゃなくて、県独自のものということですよね。だから、法体系として制度があるわけですが、その中で最大限立地規制は全国の中でも長崎県はトップレベルで厳しくやっているというようなことなんですね。だから、そこら辺をもう少し踏み込んで、大村湾沿岸域ということを言えば、県土のほとんどが集約されてしまうような感じなんですが、特にどこどこはこういった環境規制がなされている、あるいは天然記念物があるとかというようなもろもろの要件というものを踏まえて、もう一歩踏み込んで議論できないかということなのですが、今のところは無理ですか。
◎徳永環境部長 先ほど少しお話をしましたが、前回この委員会の中でご指摘がありまして、何らかの担保という制度を考えてはおります。今の段階で、なかなか法的に難しいという部分はございますけれども、ここら辺についてはまた引き続き検討していきたいと思っています。
 それから、立地基準の方は、先ほど申しましたように、地域的にかなり制限をしたような形で、なかなか建設がしにくいようなところで、内部的ではありますが、基準を設けてございます。したがって、従来からすると、かなり地域的な縛りがございますので、立地は難しいと思っています。ただ、あくまでもそれは県独自の要綱でございますので、大もとになる法律等、そういったものがあれば、我々も大変心強く改正ができるのですが、国の方も、従来は、建設に当たっての同意とか、そういったところを見た経過がございますけれども、逆に国の法律がそういった同意とか、かなり厳しい部分を解除いたしまして、どちらかといいますと、つくる際にいろんな意見を聞く、専門家の意見を聞くとか、あるいは縦覧、告示の中で市民の意見を聞くとか、そういう制度に変えてございます。どちらかというと国の方は、つくってはいくけれども、法律の中で厳しく監視をして、取り消しとか、法の体系がそうなっておりますので、つくる段階での規制はなかなか厳しいとは思っています。ただ、我々にできること、要綱の中で一定、基準あたりをつくっておりますので、今後またそういったところも含めて、しっかり見ていきたいと考えてございます。
 以上でございます。
○陣内分科会長 ほかにご質疑はございませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内分科会長 ほかにご質疑がないようですので、これをもって質疑を終了いたします。
 次に、討論に入ります。
 討論はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内分科会長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
 予算及び報告議案に対する質疑・討論が終了しましたので、採決いたします。
 第55号議案のうち関係部分、報告第1号のうち関係部分及び報告第11号について、原案のとおり可決、承認することにご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内分科会長 ご異議なしと認めます。
 よって、各議案は、原案のとおり可決、承認すべきものと決定されました。
○陣内委員長 次に、委員会による審査を行います。
 議案を議題といたします。
 環境部長より総括説明をお願いいたします。
◎徳永環境部長 環境部関係の議案についてご説明いたします。
 今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第66号議案「雲仙公園使用条例の一部を改正する条例」、第67号議案「長崎県立自然公園条例の一部を改正する条例」、第68号議案「長崎県未来につながる環境を守り育てる条例の一部を改正する条例」の3件であります。
 第66号議案「雲仙公園使用条例の一部を改正する条例」につきましては、雲仙公園内の土地及び源泉について、公有財産としての適正な管理を行うため、これらの使用許可申請の際に連帯保証人を立てることを新たに規定した施行規則を整備する必要があることから、所要の改正をしようとするものであります。
 第67号議案「長崎県立自然公園条例の一部を改正する条例」につきましては、自然公園法の一部改正に伴い、県立自然公園における生物多様性の保全対策を強化するため、本条例に基づく特別地域内での生態系に被害を及ぼす行為について規制を追加する必要があることから、所要の改正をしようとするものであります。
 第68号議案「長崎県未来につながる環境を守り育てる条例の一部を改正する条例」につきましては、自然環境保全法の一部改正に伴い、県自然環境保全地域における生物多様性の保全対策を強化するため、特別地区内での生態系に被害を及ぼす行為について規制を追加する必要があることから、所要の改正をしようとするものであります。
 以上をもちまして、議案関係の説明を終わります。
 次に、議案以外の所管事項についてご説明いたします。
(長崎県環境基本計画の見直しについて)
 長崎県環境基本計画については、平成22年度末に終期を迎えることから、現在新たな計画の策定作業を進めております。
 昨年の6月、8月、12月に開催された環境審議会において、計画の体系について審議いただいており、「海・山・人・未来につながる環境にやさしい長崎県」をめざすべき環境像として、地球温暖化対策を充実するとともに、生物多様性の保全や環境産業の育成といった最近の新たな視点も盛り込みながら、検討しているところであります。
 今後、さらに審議会のご意見や庁内関係部局での調整等を踏まえて計画素案を作成し、県議会や県民の皆様のご意見を十分に伺いながら、次期計画を今年度中に策定してまいります。
(光化学オキシダントについて)
 光化学オキシダントについては、去る5月8日16時に壱岐市壱岐局及び平戸市紐差局において各々0.137、0.121ppmを観測し、注意報発令の基準値0.12ppmを超過したため、壱岐市、平戸市、佐世保市宇久町、小値賀町の3市1町に注意報を発令しました。
 全国的に発生要因として大陸からの汚染物質の移流による影響が指摘されており、本県においても人為的な汚染源が乏しいと考えられる離島地域での注意報を発令していることから、国に対して引き続き、原因の究明や国際的な取組などを要望してまいります。
 また、同時期に佐賀県内においても注意報が発令されたことから、九州各県等とも連携しながら、監視を継続していくとともに、県民の皆様へ迅速で的確な情報を提供してまいります。
(平成21年度のダイオキシン類の調査結果について)
 ダイオキシン類につきましては、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく大気、水質、底質、土壌の環境調査を県内97地点で実施した結果、全ての地点で国の定める環境基準を達成しておりました。
 また、同法に定める特定施設の設置者による自主測定の報告があった107施設のうちの2施設、及び立入検査を実施した17施設のうちの2施設がそれぞれ国の定める排出基準を超過しておりました。これらの超過した4施設については、直ちに使用停止及び改善計画書の提出を指導した結果、現在では改善された2施設が再稼働し、残り2施設は使用停止中となっております。
 ダイオキシン類の排出事業所につきましては、今後も、立入調査など適切な監視・指導を行い、環境の汚染の防止等に努めてまいります。
(ナガサキ・グリーンニューディールの推進について)
 地球温暖化は、地球規模で早急に対応すべき重要な環境問題であり、国においては、温室効果ガス排出量の25%削減を盛り込んだ地球温暖化対策基本法案の成立に向けて取組まれております。
 県においては、地域活性化・経済危機対策臨時交付金等を活用して、一般住宅や事業者の太陽光発電設備の普及を図っておりますが、今後は、去る5月26日に庁内に設置したナガサキ・グリーンニューディール推進本部を中心として、本県が持つ産業、技術を活用し、環境産業の振興や雇用の創出に積極的に取り組んでまいります。
 また、地域の資源を活用して、環境の課題解決や産業振興、雇用創出を図る市町を「環境実践モデル都市」に選定し、地域の特性を活かした温暖化対策等の取組を支援してまいります。
 今後、国が示す温室効果ガス削減の目標達成に向けたロードマップ等を踏まえ、本県の温暖化対策に係る総合的な実行計画を策定し、地球温暖化対策を積極的に推進してまいります。
(産業廃棄物最終処分場に係る現状について)
 大村市内の産業廃棄物最終処分場につきましては、本年1月26日に廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反で刑事告発を行いました。その結果、3月に不法投棄の疑いで同社代表取締役が逮捕・起訴されているところであります。
 また、刑事告発に係る警察の現場検証に引き続いて、県が実施したボーリング調査や水質検査の結果から、保有水の水質が改善されていないこと、更に5月12日には基準を大幅に超過する浸透水が出ていることを確認いたしました。
 今後は、事業者及びその関係者に対して、保有水や浸透水の水質改善を強く求め、併せて、速やかに梅雨への対策を講じるよう指導するとともに、引き続き周辺の環境状況を監視してまいります。
(漂着ごみ対策について)
 美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律に基づき、昨年度、県民、民間団体、行政等で構成する「長崎県海岸漂着物対策推進協議会」を設置し、これまで3回の協議会を開催し、漂着ごみの発生状況や対策を重点的に推進する区域などについて協議いたしました。
 現在、本県における海岸漂着物対策の基本方針や重点区域などを定める「長崎県海岸漂着物対策推進計画案」を取りまとめ、6月14日からパブリックコメントにより県民の皆様の意見を求めているところであります。今後は、協議会及び県議会のご意見を踏まえ、本年10月を目途に計画を策定してまいります。
(九州自然歩道・世界文化遺産教会群巡礼ルートの整備について)
 世界遺産への登録を契機として交流人口や滞留時間の拡大を図るため、関係市町の要望を踏まえ、平成21年度から3カ年で、国の自然環境整備交付金を活用した九州自然歩道の新たなルートを整備しております。
 本年度は、五島市福江島及び久賀島において、歩道、標識類、ベンチ等を整備することとしております。
 今後とも、美しい自然とふれあいながら教会群を巡る長距離自然歩道の整備を引き続き実施してまいります。
(島原半島ジオパークの推進について)
 去る4月12日から15日まで、島原半島ジオパーク推進連絡協議会会長など世界のジオパーク関係者ら約500人が参加し、マレーシアのランカウイで第4回ジオパーク国際ユネスコ会議が開催されました。この会議において、平成24年に同会議が島原半島で開催されることが決定されました。
 県においては、これまでジオサイトの解説板の整備やガイド養成などの支援を行なってまいりましたが、今後とも同協議会との連携を図りながら、地質遺産の保護、ジオパークを活用した環境教育やエコツーリズムの推進に取り組んでまいります。
(温泉法違反行為に係る対応について)
 去る4月8日、五島市玉之浦町にある五島市所有の温泉施設を立入調査したところ、温泉法第11条第1項に規定する知事の許可を得ないまま、くみあげポンプが設置されていたことが判明しました。
 五島市に対しては、直ちに現地調査を行ったうえで、厳重注意するとともに、併せて経緯の詳細及び今後の対応策について報告を求めたところ、同施設は、高齢者等のデイサービス等に利用されており、くみあげポンプの稼働を停止した場合、利用者への影響が大きい旨の報告がありました。ポンプの設置については、能力等許可条件に適合することから、県環境審議会温泉部会の意見も伺ったうえで、温泉法に基づく許可を行い、適正な利用状態に是正いたしました。
 なお、県内の自噴源泉について調査し、本件のような違反行為がないことを確認するとともに、源泉所有者等に対しても、適正な管理を行うよう周知を図ったところであります。
 今後は、関係機関と連携を図りながら、定期的な監視を行うなど再発防止に取り組んでまいります。
(緊急雇用創出臨時特例基金の活用事業について)
 当該基金を活用して、自然公園内の県有施設の現況をデータ化する事業、公害関係法規に基づく各種届出内容をデータ化する事業、家庭における省エネのアドバイザーを派遣する制度を構築するとともに、当該アドバイザーを養成する事業及び外来生物の生息・生育状況を調査し、その結果を今後の対策に生かすための事業を実施することとしており、これらを通して雇用の拡大を図ってまいります。
(「長崎県行財政改革プラン」に基づく取組について)
 「長崎県行財政改革プラン」に掲げる環境部関係の具体的項目に関して、その主な取組内容を説明いたします。
 「南部流域下水道事業の移管」については、諫早市及び大村市が参加する大村湾南部流域下水道連絡協議会の中で、平成32年度の事業完了時の円滑な移管について協議を重ねているところであります。また、経営健全化につきましては、平成17年度以降は黒字経営を続けており、さらに、平成21年度からは包括的民間委託の導入により経費縮減を図るなど、移管に向けた環境の整備にも努めております。
 今後とも、当該事業の適切な運営を図ってまいります。
 「県有施設の見直し」については、仁田峠循環自動車道路の無料化により利用促進を図り、観光地雲仙の交流人口を拡大するため、平成21年4月に当該道路を雲仙市へ移譲いたしました。当該道路の平成21年度の通行量は、前年度比で約50%増となっており、利用者の増加に大きな成果を上げております。
 現在の行財政改革プランは今年度が最終年度であり、プランの達成に向けて一層の取組を進めてまいりますので、引き続き委員の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 以上をもちまして、環境部関係の説明を終わります。
 よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
○陣内委員長 ありがとうございました。
 午前中の審議はこれにてとどめ、各課長の補足説明が要求されておりますが、午後からの説明にさせていただきたいと思います。午後は、13時30分より委員会を再開いたしますので、よろしくお願いいたします。
 しばらく休憩いたします。
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     −午前11時49分 休憩−
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     −午後1時30分 再開−
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○陣内委員長 委員会を再開いたします。
 自然環境課長、未来環境推進課長、廃棄物対策課長から補足説明の申し出があっておりますので、これを許可いたします。
◎中島自然環境課長 それでは、今回提案しております条例議案について、補足説明をいたします。
 補足説明資料1をご覧ください。
 まず、第66号議案「雲仙公園使用条例の一部を改正する条例」につきましては、適正な公有財産の管理を行うため、本条例に権利の譲渡の禁止、使用期間、原状回復等について規定するとともに、連帯保証人を立てることを規定した使用許可申請書様式等を新たに施行規則で定める旨規定することから、条例の一部を改正しようとするものであります。
 改正の経緯といたしましては、昨年度の普通会計定期監査におきまして、「今後の公有財産の使用許可に当たっては、収入未済の解消及び発生を抑止するため適正な財産管理の対策を講じること」との意見を受け、具体的な対応策について、管財課を中心に庁内関係各課で構成する検討会議において協議した結果、去る平成22年2月10日付け、総務部長名で「公有財産の使用許可等に関する連帯保証人の取り扱いについて」の通知が各課(室)長あてなされ、長崎県公有財産取扱規則に規定する連帯保証人について、具体的な取り扱い基準が定められました。
 このため、本条例において、連帯保証人に関する事項等について別途規則で定めることを内容とする関係条項の改正等について行うほか、権利譲渡の禁止等の規定の整備など、適正な公有財産の管理を行うこととしております。
 施行日は、公布の日からとしております。
 次に、補足説明資料2をご覧ください。
 第67号議案「長崎県立自然公園条例の一部を改正する条例」についてご説明いたします。
 自然公園内における生物多様性保全の役割が重視されるようになったことから、平成21年6月、国立公園・国定公園に関して自然公園法が改正されたことに伴い、県立自然公園についても、生物多様性の観点から保全対策が必要なことから、条例の一部改正を行うものです。
 改正内容といたしましては、生態系に被害を及ぼす行為について規制を追加いたします。知事が指定する区域内における木竹の損傷や植栽、種子の散布等の行為を加えます。
 また、公園事業の適切な執行を図るため、事業執行に関する規定を条例に定め、改善命令、原状回復命令等への違反について罰則の追加等による監督権限の強化等を行うこととしております。
 なお、施行日は、行為規制内容の周知を図る必要があることから平成22年9月1日を予定しております。
 次に、補足説明資料3をご覧ください。
 第68号議案「長崎県未来につながる環境を守り育てる条例の一部を改正する条例」についてご説明いたします。
 これも先ほどの自然公園条例改正と同様に、自然環境保全地域内における生物多様性保全の役割が重視されるようになったことから、平成21年6月、自然環境保全法が改正されたことに伴い、県自然環境保全地域についても、生物多様性の観点から保全対策が必要なことから、条例の一部を改正するものです。
 改正内容といたしましては、自然公園条例の改正と同様に、生態系に被害を及ぼす行為について規制を追加するほか、自然環境保全地域等に係る罰則を県立自然公園条例と同等の罰則に引き上げることとしております。
 なお、施行日は、行為規制内容及び罰則の周知を図る必要があることから平成22年9月1日を予定しております。
 以上をもちまして、補足説明を終わります。
◎赤木未来環境推進課長 ナガサキ・グリーンニューディールについて補足説明いたします。
 補足説明資料4をご覧ください。
 まず、1の基本的な考え方についてご説明いたします。私たちは、現在、地球規模の環境問題に直面しており、早急かつ思い切った対策が求められております。一方、厳しい状況にある経済の活性化のためには、新たな需要を起こす必要があります。ここに至り、温暖化対策への合意形成など、世界的なグリーン化の中で経済の潮流の転換が起こりつつあります。
 「ナガサキ・グリーンニューディール」は、このような状況を踏まえ、2にお示しております本県の強みを生かしながら産業振興・雇用の創出とあわせて低炭素社会の実現とグリーン化を同時に推進しようとするものです。
 具体的には、3にお示ししますように、@再生可能エネルギーの利活用、A省エネルギー技術の導入、B環境保全型産業の振興、C社会システムの構築という4本の施策の柱を立てております。
 この柱のもとに、4にお示ししております主要プロジェクトを進めてまいります。
 例えば、(1)の「木質系バイオマスによるバイオメタノール製造及び利活用推進プロジェクト」では長崎総合科学大学と九州沖縄農業研究センターが共同開発した農林バイオマス3号を活用し、林地残材などのバイオマスからバイオメタノールやガス燃料を生成するプラントの実証を行い、県内外への普及促進を目指してまいります。
 (3)の「漁船漁業の低炭素化技術の開発・活用」では長崎次世代エネルギーパークで実証した日本初のオール太陽光電力駆動のソーラーシップなどの実用化を進め、環境に優しく燃料の負担が少ない漁業の実現を目指してまいります。
 5の推進体制ですが、このようなプロジェクトの推進体制として、去る5月26日、庁内の横断的組織として、ナガサキ・グリーンニューディール推進本部を立ち上げたところであります。
 2ページをご覧ください。この図では、左側に経済の状況、右側に環境の状況をお示ししております。経済と環境における本県の課題に同時に取り組むために、太陽光、LEDといった環境技術を活用しようとするものです。
 本県には、太陽光、風力、森林バイオマスあるいは地熱といった自然エネルギーに恵まれた地域もございます。これらの地域の特性を活かしながら二酸化炭素といった温室効果ガスの削減を図ろうとするものであります。
 3ページをご覧ください。主要プロジェクトに関連して、本6月議会の補正予算として、新たな事業を提案させていただいております。
 ナガサキ・グリーンニューディール推進本部では、推進方針、主要プロジェクトの創出等について各部局との横断化を図りながら、まずはプロジェクトとしての中期目標の達成を目指します。
 さらに、企業等との連携を図りながら、事業としての採算性などの課題についても検討し、経済対策と地球温暖化対策を実現するという最終目標に向かって取り組んでまいります。
 以上、終わります。
◎小嶺廃棄物対策課長 それでは、「長崎県海岸漂着物対策推進計画」(案)について補足説明をさせていただきます。
 お手元にお配りしております補足説明資料5をご覧ください。
 海岸漂着物対策につきましては、昨年7月に処理責任の明確化、財政上の措置を盛り込んだ「海岸漂着物処理推進法」が新たに制定され、このたび同法に基づき、「長崎県海岸漂着物対策推進計画」(案)を取りまとめたところございます。
 まず、1の計画の目的でございますが、本県の海岸においては、海流の影響を受けやすい地形的な特性から、毎年多くのごみが漂着し、景観、自然環境、水産資源などへの影響が深刻な問題となっております。このため、昨年7月に制定された「海岸漂着物処理推進法」に基づき、海岸漂着物等の回収や発生抑制対策等を実施するための「長崎県海岸漂着物対策推進計画」を策定し、本県の海岸の良好な景観、多様な生態系の確保、水産資源の保全など総合的な海岸の環境の保全を図ることを目的としているところございます。
 次に、2の計画の概要でございますが、本年3月に閣議決定された国の基本方針に基づき、主に4つの項目を記載いたしております。
 まず、(1)海岸漂着物対策の基本方針でございますが 海岸における良好な景観及び環境の保全を図るため、本県における海岸漂着物の円滑な処理及び発生抑制を図ることとしており、@海岸漂着物の円滑な処理の推進、A海岸漂着物等の効果的な発生抑制、B多様な主体の適切な役割分担と連携の確保、C国際協力の推進、D普及啓発や環境教育、技術開発など、その他の海岸漂着物対策について、基本方針を定めおります。
 次に、(2)重点区域(海岸漂着物対策を重点的に推進する区域)でございますが、重点区域につきましては、国の基本方針により定めた選定基準に基づき、長崎県海岸漂着物対策推進協議会で審議した後、市町海岸管理者などの意見を聞き、選定いたしております。表にございますように、本土地域で、67カ所、約1,400キロメートル、離島地域で、83カ所、約2,300キロメートル、合計150カ所、約3,700キロメートルとなり、長崎県の海岸延長の約9割(88%)を選定しているところです。
 3ページご覧ください。重点区域を地図でお示しいたしております。地図上の赤線で示している箇所及び黄色の丸印の箇所が重点区域でございます。黄色の丸印は、赤線の区域に入っていない、利用客の多い海水浴場でございます。
 重点区域は、区域ごとに海岸の自然環境や利用状況等を評価するとともに、海岸管理者の意見を聞いた上で選定をいたしております。
 また、計画の後ろの原本の方には、県下8沿岸のブロックごとの詳細な重点区域の地図を掲載いたしております。
 2ページにお戻りください。(3)重点区域に関する海岸漂着物対策でございますが、地域における自然的条件や海岸の利用の状況などを踏まえて、県民、事業者、民間団体、行政などが互いに連携・協力して、重点区域における海岸漂着物対策を継続的に実施するとしており、@海岸漂着物等の回収・処理対策、A海岸漂着物の発生抑制対策、B普及啓発または環境教育対策について、各主体の役割分担と対策の内容を記載いたしております。
 次に、(4)関係者の役割分担及び相互協力に関する事項でございますが、国、県、市町、海岸管理者、民間団体等の多様な主体が、適切な役割分担と相互協力によって海岸漂着物対策を推進することが重要であるため、情報を共有し、連携・協力するためのネットワークづくりを目指すこととしております。
 次に、3の計画案の策定手順でございますが、学識経験者、民間団体、公募委員、関係機関など、19名の委員からなる「長崎県海岸漂着物対策推進協議会」を平成21年11月に設置しております。これまで3回の協議会を開催して重点区域、海岸漂着物対策などを協議し、この計画(案)を取りまとめたところでございます。
 次に、4の今後の予定でございますが、今週はじめの6月14日から7月13日まで、計画(案)について県民の意見を伺うためのパブリックコメントを実施いたしております。
 その後、県民の意見を踏まえました計画(案)を第4回協議会で審議した後に、9月の定例会で最終案を説明させていただきたいと考えております。
 以上で補足説明を終わります。よろしくお願いします。
○陣内委員長 どうもご苦労さまでした。ありがとうございます。
 以上で説明が終わりましたので、これより各議案について、一括して質疑を行います。
 ご質疑はありませんか。
◆金子委員 議案の中の「雲仙公園使用条例の一部を改正する条例」の件について若干お尋ねいたします。
 今回、こういう形で国立公園内のさまざまな自然を守るという形を趣旨としながら条例改正が行われるんですけれども、ちょっと疑問に思うというか、時代遅れというのか、時代錯誤というのか、この改正内容の中に連帯保証人に関する云々ということで、連帯保証人を求めるということになっております。
 今既に、例えば一般の貸金業その他においても、この連帯保証人自身が非常に問題化している現状はご存じのことだろうと思います。そのような連帯保証人ということで人に対してまた一定の責任を求めていくということ自身が今問われている時代の中で、新たに連帯保証人を求めていくということ自身がどうなのか。それ以外に、連帯保証人はさまざまな弊害があるから、新たな形の保証とかさまざまなものが検討されている時代に、この連帯保証人というものを求めることについてのお考えをお聞きしたいと思っております。
◎中島自然環境課長 先ほど補足説明の中でご説明いたしましたように、公有財産の貸し付けということで、民間の方に貸し付ける場合、使用料の徴収ができなくて収入未済が発生しているという状況が背景にありまして、公有財産を適正に管理する上からは連帯保証人をとって応分の責任をとっていただくというところで、昨年度、管財課を中心として庁内で検討会議を設置いたしまして、こういう連帯保証人をつける状況、基準につきまして1年かけて協議をしていたことが背景になっております。これによりまして連帯保証人をつける場合の基準等が整備されましたので、自然環境課で管理しています雲仙温泉街におきます県有地についても、同様の規定を今回設けようとしているところです。
 以上でございます。
◆金子委員 そうしたら、連帯保証人の資格要件等々、今言われたようなことを連帯保証人に求めるとするならば、相当な資産なり、本人にかわって原状回復義務等々が果たせるぐらいの能力がないといけないということになってまいりますが、資格要件はどういう形で定められているんですか。
○陣内委員長 暫時休憩いたします。
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     −午後1時48分 休憩−
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     −午後1時49分 再開−
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○陣内委員長 委員会を再開いたします。
◎中島自然環境課長 先ほども申しました、今年の2月に出されました総務部長通達の要件の中には、「連帯保証人は、申請者と生計を異にするものであることを要件とし」ということで、資産等の審査の要件については定めがございません。
 以上でございます。
◆金子委員 今、そういう形だということだったら、ただ単に名前だけ。これがおやじが借りて、時期があるからその息子が継承していくことを含んで連帯保証人になるというなら、まだわかるんですよ。そうじゃなくて、ただ単に連帯保証人ということになると、おやじがつぶれたら息子もつぶれろということを強制するだけだというふうな感じがするんです。現在、例えば借金の連帯保証人になって、自殺などの原因になっているのも連帯保証人だという事実があるじゃないですか。そういう中で、ただ単に連帯保証人ということで決めて、それで安心ですよというこの規定の改正というのは、なぜこういうふうな立場に立つのかなと思うんです。もっとほかにあるじゃないですか。
 所管事項の中でもやりますけれども、ほかのところにもありますけれども、何かその付近、ざるというより、底抜け規定だというのが非常に多いと思うんです。こういうことで、これじゃないとだめなんですよということで連帯保証をしたのだったらいいけれども、まだほかにあるでしょう。金融機関だってどこだって、今、連帯保証人は極力やめて、そのほかの保証にかえていこうということがされていっている時代的背景の中で、連帯保証人という前近代的な保証を求めていくという感覚自身が理解できないんですけれども、責任あるお答えをいただきたいと思います。
◎大串環境政策課長 連帯保証人の関係で私が承知していることを申し上げたいんですけれども、昨年の決算審査特別委員会の最終的な報告の中で、収入未済が多額に上っていて、その債権管理はしっかり把握をしていくべきだと。その中に債権管理の方法として連帯保証人を立てるということも一つの方策として検討すべきだという意見を踏まえて、会計課の方で統一的な基準をつくって、今回のようなご提案の趣旨で全庁的に検討されて、県の債権をきちんと確保していこうという趣旨でこういう検討がなされたと私は承知をいたしております。
 以上でございます。
◆金子委員 もうこれ以上質問してもあれでしょうけれども、ぜひこれが変わるような形で、こんな旧態依然の、もう民法からも削除されるんじゃないかという感じのものを立てるのではなくて、もっとほかの道を今後の宿題といいますか、課題といいますか、ぜひそういう形で考えていっていただきたいと思います。人的な保証という形だったら、私の保証、こっちが責任を持ってやりますというのは格好いいですけれども、私がつぶれたときにはこっちもつぶしてしまうという、現状はそうですよね。そういうことにならないような形で考えていただければと思っております。
 終わります。
◆高比良[末]委員 私も関連して質問したいと思いますが、今回は監査の指摘によって連帯保証人とかがいるようになりました。雲仙公園で、事例としてどういうことで収入未済があったのですか。その中身がよくわからないまま論議されているものですから。雲仙公園で、収入未済になるような大きな何か使用料か、使用して、莫大な収入未済を出したという例があるのですか。全体的にあるから、雲仙公園を見たときに、「それならこれも追加しよう」と、そういう内容なんですか。雲仙公園で具体的に不具合が発生していますか。
◎中島自然環境課長 今回の改正は、全般的な公有財産の適正な管理をということを背景にしておりまして、雲仙での具体的な収入未済を契機にということではございません。全庁的なものです。ただ、以前、雲仙公園の中で、ホテルに温泉を引いてくる引湯管敷を貸し付けていたんですけれども、そのホテルが倒産をして、破産管財人が立ちまして清算処理を行うときに、それを3年間破産管財人に貸し付けたまま破産処理を行っていたんですけれども、最終的には買い手があらわれずに、その分については破産処理の中で全額を回収できずに、一部が収入未済になった事例がございます。
◆高比良[末]委員 雲仙公園ではそういう事例もあっているわけですね。
 Aに書いている譲渡の禁止、雲仙公園でこれを規定するというのは、物件かなにか、譲渡するようなものがありますか。
◎中島自然環境課長 譲渡といいますか、貸し付けている上物の会社の清算とか、新たな会社を起こして、そのままホテルとしてはあるんですけれども、ホテルの運営会社がかわるということは事例として発生しております。その場合には、借りている土地を譲渡するということが出てきます。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 雲仙公園で不具合になった部分を是正したという受けとめでいいわけですね。
 次に、第67号議案と第68号議案、大体同じような内容なんですが、国の自然公園法が改正されて今回の改正になっておりますが、今、ここに新たに規制を設けたように、木立とか竹の損傷とか、植栽、種子の散布、それから動物なんかの放出、こういう事例は長崎県の自然公園全般で頻繁にあっていますか。その状況について。
◎中島自然環境課長 今、委員がご質問の今回の改正に伴います県立自然公園の中での現状ですが、現在のところ、こういう事例は発生しておりません。ただ、将来的に、生物多様性の観点からこういう事例が出たときに対応できるように、今回、条例にこういう規制の内容を追加するものです。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 ということは、今回の改正は、国の自然公園法が改正されて、この辺もちょっと強化しておこうかということで見直しをやったということですね。わかりました。
 以上です。
○陣内委員長 ここで委員長を交代させていただきます。
○溝口副委員長 委員長を交代します。
 ほかにご質疑はございませんか。
◆瀬川委員 第66号議案の中に経過措置というものがありますね。これは1年に1回ずつの許認可の条項の中で、1年に満たない許可を得ている当該の方は、次の許可までは保証人を立てなくていいということですか。
◎中島自然環境課長 今、瀬川委員がおっしゃったように、現在借り受けておられる方につきましては、この適用を受けないと、今までのままということです。次の切りかえのときに、この条例の適用を受けるということになります。
 以上でございます。
◆瀬川委員 若干関連をするわけですが、この連帯保証人を立てないといけなくなった背景というのは、大体雲仙公園内にどれくらいの該当者がいて、どういう状況になったからというような、その大まかな背景といいますか、そこら辺を説明していただけますか。
◎中島自然環境課長 今回の改正は、雲仙公園の中だけの特異な事例ではなくて、県庁の中での公有財産の管理ということで、通常の公有財産の管理ですと、管財課が所管しております県有財産、それと港湾、漁港とかが抱えております公有財産、それぞれで規定を設けて管理をしていたんですけれども、そういうものにつきましては一律の収入未済を防ぐための対策を施そうということで、今回こういう改正を図られたわけです。
 雲仙公園の中の土地の貸し付けの現況ですけれども、現在、雲仙温泉の中に持っております県有地で、有償で貸し付けています案件が21件ございます。面積にして2万7,000平米ほど、収入といたしましては2,621万円程度の収入が上がっております。これにつきましては先ほど説明しましたように、引湯管敷の一部の収入未済が発生しましたけれども、それ以外につきましては、今まで収入未済の状況が発生した事例はありません。
 以上でございます。
○溝口副委員長 ほかにご質疑はございませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○溝口副委員長 ほかにご質疑がないようですので、これをもって質疑を終了いたします。
 次に、討論に入ります。
 討論はございませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○溝口副委員長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
 議案に対する質疑・討論を終了しましたので、採決いたします。
 第66号議案ないし第68号議案は、原案のとおり可決することにご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○溝口副委員長 ご異議なしと認めます。
 よって、各議案は原案のとおり可決すべきものと決定されました。
 次に、お手元に配付いたしております陳情書一覧表のとおり、陳情書の送付を受けておりますが、これについて何かご質問はございませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○溝口副委員長 ご質問がないようですので、陳情については承っておくことにいたします。
 次に、環境部の所管事務一般に対する質問を行うことといたします。
 ご質問はありませんか。
◆金子委員 所管事項についてお伺いしたいと思います。
 まず、確認しますけれども、下水は環境部ですが、上水道も環境部でよろしいんですか。まず、そこを確認いたします。
 ここには書いてございませんが、さきの読売新聞で、災害時のライフラインということで水道管の耐震化の問題について報道されておりました。これは全国的に水道の耐震化というのは遅れていると。今、建物の耐震化はいっぱいやっています。学校でもすべて耐震化だと言っておりますけれども、水道の耐震化について、県内の各水道事業の耐震化率がおわかりだったら示していただきたいと思います。
◎古賀水環境対策課長 県内の耐震適合性のある管の割合でいけば22.7%、全国が28.1%という状況でございます。
◆金子委員 全国が28.1%。新聞では34%と書いてあるみたいですが、ちょっと違いますね。それはいつの資料なんですか。
○溝口副委員長 暫時休憩いたします。
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     −午後2時4分 休憩−
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     −午後2時5分 再開−
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○溝口副委員長 委員会を再開いたします。
◎古賀水環境対策課長 厚生労働省の今年5月の発表では28.1%ということですので、私どもとしてはこれしか把握しておりません。
 以上でございます。
◆金子委員 これでいきますと、震度6強程度の揺れに耐えられるのは約34%にとどまることがわかった、水道管の被害が大きかった1995年の阪神大震災以降、耐震化工事の助成を拡充してきたが、なかなかそれが進んでいないよというふうな書き方をされているんです。それはいいでしょう。
 ただ、その中で、一部には長崎県内も出ているというのですが、私はインターネットでそれを引っ張り出すことはできなかったんですけれども、長崎のさまざまな市あたりでは、非常に耐震化率が悪いと。例えば、全国平均の28.1%と比べても、それに満たない、市町もほとんどそういう状況であると。佐世保市も0.2か0.3しかないと聞いたんです。
 今、ほとんどのところにやりなさいよと厚生労働省は言っているみたいですけれども、その実があらわれてきていないというところがあります。県内の主要な市町の耐震化率は出ませんか。
◎古賀水環境対策課長 県内の主要なものが出ております。これは上水道の事業者ですけれども、長崎市52.6%、佐世保市が2.8%、諫早市13.0%、大村市が93.5%ということで、主要な都市はそのようなことになっております。
 以上でございます。
◆金子委員 これは建物の方は、地震が起きたらぺちゃんこになりかねないということで、かなりクローズアップされているんですけれども、水道あたりはほとんど言われていないですね。水道は破裂しないものと思われているのかもしれませんけれども、やはり建物が倒れる、そして水道管がめちゃくちゃになるとすれば、そのときには給水車があるさと言いますけれども、部分だったら給水車でいいでしょうが、市全体がつぶれてしまう、市全体の給水ができないということになれば、多分1カ月単位どころではないぐらいの水道ストップ、高台になれば、それ以上のストップということも当然考えられるわけです。
 そういうことで、今、せっかく耐震化の問題がここまでクローズアップされてきている。そして、大村市においては93.5%ということで、非常に高い数字が示されているという中であれば、少なくとも50%以上というものをまず第1次目標みたいな形で進めるべきじゃないかと思っているんです。というのが、今まで環境部の議案の中に、そういう水道の耐震化の問題というのを見たことがないんですね。今、学校の建物、幼稚園の建物、どこの建物という形で公共物は耐震化が進んでいますけれども、やはり市の水道というのも公共物です。これこそ市がほとんど予算を使っている部分でもございますけれども、一定の促進を図っていく必要があるんじゃないかと思っていますけれども、いかがお考えでしょうか。環境部長、いかがですか。
◎徳永環境部長 委員がご指摘のように、ライフラインの重要性は我々も思っているところでございます。また一方で、市町の事業ということで、水道料金を取りながら事業として運営されている面もございますので、基本的には、事業でどこまで賄っていかれるのかという市町の考え方が大変重要かと思っています。運営そのものについては、基本的にそういったところで考えていかれるべきと思いますが、我々も今から水道ビジョンを構築といいますか、策定をしていく予定にしてございます。その中で、これまでの水道行政といいますか、水道の取り組みだけではなくて、これから温暖化とか、いろんな場面が出てくると思いますので、そういった中で少し検討させていただければと思っております。
 以上でございます。
◆金子委員 その問題は、ちょうど阪神大震災が起きたときに、神戸が復旧じゃなくて、仮復旧するのに3カ月かかったと。全体を復旧するためには多分1年以上かかっているんじゃないかと思いますけれども、そういう状況も考えられます。せっかく今、こういう形で耐震化の機運が高まっている中で、よろしく啓発等々をお願いしたいと思っております。
 続いて、産業廃棄物処理法が今度改正されたようでございます。その問題について若干お伺いします。
 まず1つは、産業廃棄物処理に関しての元請事業所処理責任が新たにはっきり出てきたという問題がございます。これは具体的にはどういう形で規定され、どういう運営をされるのかまで含めてお願いしたいと思います。
◎小嶺廃棄物対策課長 廃棄物処理法の一部改正につきましては、今年の5月に改正されたところでございます。その中で、廃棄物を排出する事業者による適正な処理を確保するための対策の強化ということで、建設工事に伴い生ずる廃棄物について、これまで元請業者とか、下請業者、孫請業者、工事現場にはいろいろなものが存在して、その業務形態が多様化、複雑化しておりまして、個々の廃棄物はだれが処理責任を有するかということが非常に不明確であったという点がありまして、今回の法改正では、排出事業者を工事現場では例外規定を除いて元請業者に一元化するという改正がなされております。
 県としましても、これに対する通知が5月の法改正の後に出ましたので、市町、建設関係団体に通知をいたしたところでございます。
◆金子委員 たしかこれは建設業法では、産業廃棄物は元請責任だということは、かなり昔から決まっていたんですけれども、その実態、運用が、運用が違う云々ではなくて、本当はお金の負担がそれぞれ不確定だったということがあるんですね。だから、そういうことで今回、産業廃棄物処理法を改正するということになれば、きっちりとお金の問題を含めて元請責任ですよというふうに変わったと理解していいんでしょうか。
◎小嶺廃棄物対策課長 処理責任が元請業者に一元化されましたので、そういう経費の面も含めて廃棄物の処理責任はかかっていると理解しております。
 以上でございます。
◆金子委員 それに関連しまして、産業廃棄物最終処理場に係る現状についてということで4ページに提案されております。この中の「今後は」のところからちょっと気になる文章ですけれども、「今後は、事業者及びその関係者に対して、保有水や浸透水の水質改善を強く求め、併せて、速やかに梅雨への対策を講じるよう指導する」というふうなことでございます。これは大村の業者の件ですね。これはもう昔からこの委員会の中でも言われておりますように、速やかに対策を講じるよう強く求めて指導し云々と書いていますけれども、実際上、もう検挙されてしまっているから会社として倒産した状況ですね。なくなっていますね。そこに指導しても、期待が持てるのかどうか、まずそこをお聞きしたいんです。
◎小嶺廃棄物対策課長 大村の不適正最終処分場につきましては、今年1月に刑事告発をしまして、現在の社長が逮捕、起訴されているところでございます。
 現状では、梅雨対策ということで、社長にお会いして、梅雨対策を講じさせているところでございます。5月の中旬から、梅雨対策ということで、処分場内に雨水が入らないような対策とか、排出水が河川の下流に流出しないような対策、そういう対策を元従業員が実施しているところでございます。
 ただ、先ほど委員がおっしゃいましたように、会社はもう事実上動いておりませんし、今後どのような恒久的な対策の指導をしていくのかというお話だと思うのですが、現時点ではまだ従業員等を含めて梅雨対策も現場で行っておりますので、県としては引き続きその指導を徹底して、可能な限り事業者に対策を求めていきたいと思っております。
 最終的に行政代執行という手段もあるわけではございますが、どうしても費用の回収ということが代執行については非常に難しいと県も考えておりますので、そういう面では可能な限りの対策を今の事業者に求めていこうと考えております。
◆金子委員 これはまた同じことを繰り返すのかなという感じがしております。長崎でタイヤ等を放置して、代執行をやりましたね。あれでたしか数千万円かかったと思うんですけれども。そのためには当然、流れとして求めていって、求めていってもやらない。しかも、この場合には浸透水その他で明らかに被害が及んでいるわけです。これを放置しておけばもっと被害が大きくなるということでしょう。そうすれば、何らかの代執行をしなければいけないというふうに、問題が起きたら必ず悪い方に循環していくということがあるんですね。だからといって、最終処分とかなんとか、今、産業廃棄物処理をやられている方が全部悪人であるとは言っていないんですよ。そういう形でするならば、例えば、ずっと継続して10年間やられているような方については、一定の許可の更新などのときにもそのままずっといきますよ、しかし、初めてとか、処分あたりを受けた人については、更新の段階では一定以上の供託金を納めてもらうとかという方策はとれないのでしょうか。先ほどは連帯保証人などと一部では言っているじゃないですか。それで、何で産業廃棄物処理が何もないんですか。1円もないでしょう。供託金も何もないでしょう。保証金もないでしょう。
 そういう形だから、前の代執行をやったときも、数千万円使って、入金として1万何ぼしか入っていないじゃないですか。その繰り返しを全部環境部が負担するんじゃなくて、一定の保証金、名目は供託金でも何でもいいんです。優良な人については供託金、保証金というものが免除される、もしくは半減していくという形をとって、一定の指導とかしたものについては安くはなりませんよというシステムをとるということも必要だろうと思うんですよ。1カ所なくなったといったら次、ここが解決したら、またよそといって出てくる可能性が非常に高いんですよ。そういう形をとるつもりはないのかどうか、お聞きしたいと思います。
◎小嶺廃棄物対策課長 確かに廃棄物処理業者が不適正処理をした後に、是正ができずに放置するという事例があるわけでございますが、そういう場合に何か手だてがないかということで、前回からいろいろ話があっております。
 供託金制度につきましては、先ほどもお話しましたが、法の許可の時点ではなかなか法定受託事務である限り難しいというお話をしたところでございますが、法の改正の中で、最終処分場については維持管理積立金が強化されまして、知事が支障を除去するときに、その積立金を取り戻すことができるという制度が今回の改正でできておりますし、また、その積立金をしない最終処分場につきましては許可を取り消すことも新たな項目として加わっておりますので、その積立金自体もかなり強制力が出ております。法の中で整備されたもので対応ができればしていきたいと考えております。
◆金子委員 その積立金方式というのは私は初めて答弁で聞いたんですけれども、その仕組みを教えてください。
○溝口副委員長 暫時休憩いたします。
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     −午後2時20分 休憩−
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     −午後2時21分 再開−
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○溝口副委員長 委員会を再開いたします。
◎出口環境部次長 産業廃棄物最終処分場維持管理積立金制度というのは、ウイックの最終処分場、これは安定型でございますけれども、平成18年からこの制度というのは始まっております。このねらいというのは、委員がご指摘のように、資金不足で、埋め立てが終了した後、適切な処理をせず放置されている最終処分場は非常に多いということででき上がったものでございます。
 そして、この最終処分場に物を入れる、ごみを入れる埋め立て期間、操業期間中に準備積立金を事業者が積み立てるということになります。そして、最終処分場でございますから、これが満杯になると、あとは廃止をして、適正にもとに戻さないといけないんですけれども、その準備金をそこに充てるということでございます。
 今、廃棄物対策課長が言ったように、その準備金を支払わない者については許可の取り消しをすることができる場合もございますし、また代執行という話がございましたけれども、我々が代執行をした場合には、その積み立てたお金を代執行した者、長崎県であれば長崎県がそれを取り崩すことができるという制度でございます。
◆金子委員 その積立金は強制ですか、義務ですか。幾ら積み立てることになっているんですか。
◎出口環境部次長 これは一律に幾らということではなくて、そこの最終処分場に搬入した量によって、ある係数を掛けまして額が出てくるということでございます。
◆金子委員 搬入量は、予定と実態はかなり違うというのがありますからね。予定は500だけれども、実際は2,000入っておったとかいうことをよく聞きます。ここも実際そうだったでしょう。予定と違っていた。そういうことをきちっとして積立額というのは決めていく。そして、それを積み立てなかったら、さまざまなペナルティー云々と言われましたけれども、どこでそれをとめるのかというのは、何か規定があるんですか。積み立てをやっていないと、それで必要以上に入れていた、そういうものはどこでとめるんですか。営業の許可という形で。
◎徳永環境部長 不適正な処理、埋め立ての量でございますけれども、基本的には許可容量をオーバーした時点で、これは法律の命令でもって停止することになります。
 以上でございます。
◎出口環境部次長 維持管理積立金は、毎年搬入した量に応じて一定額を積み立てるということで、この資金管理というのは国が指定する法人がございまして、環境再生保全機構というところで資金管理をしております。
 以上でございます。
◆金子委員 ぜひその積立金なり何なりという形で、最悪の場合にはこういうことが多いんだからということで、法改正なり何なりずっと上げていくという必要があると思います。たしか私は同じような問題で前回の委員会でも言ったと思うんですけれども、ぜひそういう前向きな形で、やるだけやってやり得だということだけにはしないでいただきたいと思っております。
 特に代執行をやってから、実際に入る予定はないでしょう、前回のタイヤの問題にしてもですね。そのあたりはきちっと処理していただきたいと思っております。
 次は、2ページに「平成21年度のダイオキシン類の調査結果について」ということで述べてございます。この中には、特定施設の設置者による自主測定の報告があったと。ほぼ問題なかったんですよと、4施設ぐらいでしたよということでしたけれども、それについての基本的な環境部としての立場、まずそこからお願いしたいと思います。
○陣内委員長 委員長を交代します。
◎大串環境政策課長 ダイオキシン類の調査につきましては、まず県下の97地点を定点として選んで、常時監視をしていくということが1つございます。それから、法に基づきまして自主的に年に1回は調査をして、その結果を県に報告する義務がございます。それで押さえる方法が1つございます。もう一つは、県の方で立入調査をいたしまして、特に、今回、設置者による自主調査の中で3件報告がなかったんですけれども、その報告がなかったところとか、数値が高いところを中心に立入検査をするという計画にいたしておりますけれども、そういう3つの方向性に沿いまして、ダイオキシン類の状況を絶えず把握いたしまして、環境汚染の防止等に努めていきたいと考えているところでございます。
◆金子委員 そういう形で約107施設の立入検査をしましたよということですけれども、それ以外の施設というんでしょうか、そういうものがございますね。5〜6年前、ダイオキシンが相当問題になってきたころ、小学校、中学校、全部じゃないと思いますけれども、結構撤去されました。そのときの皆さん方はもういないでしょうから、そのときの状況を聞いてもわからないでしょうけれども、そういう小規模の焼却炉等々の処理についてはどういうお考えをお持ちでしょうか。
◎大串環境政策課長 ダイオキシン類対策特別措置法に基づきまして対象となる焼却炉ですけれども、これは焼却能力が1時間当たり50キログラムの燃焼能力以上、または火が起こる面積、火床面積が0.5平方メートル以上、いわゆる直径が約79センチメートルということでございますが、どちらからに該当する焼却炉がダイオキシン類対策特別措置法の届け出の対象施設ということになっております。
 ただ、県の関係の焼却炉でありますとか、そういう焼却炉を中心とした施設につきましては、学校関係で言いますと、県の所管の分はほとんど解体が進んでおりますし、県の庁舎等の関係も平成22年度をもって、1カ所を除いてほぼ解体処理が済むという状況になっております。
 以上でございます。
◆金子委員 やはり問題は、実はこの107カ所以外の本当に小さな焼却炉で、今言われました直径79センチメートル以上ということだったら、これは学校にあった焼却炉はすべて該当すると考えてよろしいですね。それと79センチメートルより小さい、0.64平米以下の部分ぐらいだと思います。学校関係ですから小学校、中学校は県立ではないからわかりませんと言われるのかどうかわかりませんが、県立があと1カ所、小中学校に残っている焼却炉があとどれくらいあるのか、わかれば教えてください。
◎大串環境政策課長 私どもが教育庁から入手した情報ということで申し上げますけれども、今年の4月1日現在で、焼却炉設置数が120校ございます。これにつきましては幾つか解体処分をしていないところもございますけれども、ロープを用いて立ち入りできないようにしたり、使用していないとか、今年中に撤去予定ということで、挙がっている学校につきましてはそれぞれ対応がなされているというふうな情報をいただいているところでございます。
◎出口環境部次長 学校の廃焼却炉がどれくらいあるかというご質問でございましたけれども、平成21年度に高等学校の廃焼却炉につきましてはすべて解体されているわけでございます。学校以外の施設についても、平成21年度末をもってすべて解消しているということでございます。さらに、小中学校につきましては、120校がまだ現存しているということでございまして、長崎県下に小中学校が幾らあるかちょっと覚えておりませんけれども、まだ20%程度残存しているという状況でございます。
 以上でございます。
◆金子委員 私の手元の資料はちょっと古いですけれども、平成21年3月31日現在、県環境部資料で、長崎市関係は、小学校、中学校、市立とか、幼稚園とか、さまざまな公的施設等々で671残っているという数字があるんです。県内全部でいきますと2,393です。これから減っているとは思うんです。ただ、半減しているとは思えないですね。これからまだどんどん、どんどん処理していきますよというふうな形、実は、もう4〜5年昔、小学校、中学校の焼却炉がどんどん破棄されました。そのときにほとんどなくなったと私は思っていたら、まだこれだけ残っている。最近、ほとんどダイオキシンの熱が冷めてきたのかどうか知りませんけれども、言われなくなってきた関係上、ちょっとテンポが遅いんじゃないかなと。また、破棄するとしても、実はその単価が出ていないようなんですよ。一つの建物、これなんかは小さいですよね。耐火れんがでつくっても1メートルちょっと真四角ぐらいです。中身がたとえ80センチメートルぐらいあったにしても、表は1メートル50センチメートルもないですよね。そうしますと、それを解体するのは、例えば機械でばんと崩してしまえば、何もかからないのです。崩してダンプカーで持っていけばいいけれども、腹いっぱいダイオキシンをばらまいていくということです。
 だから、それの飛散防止が一番問題なんですけれども、その飛散防止の経費をいかに見積もられているかというのが、ちょっと目に見えないみたいですけれども、そのあたりの指導というか、飛散防止の経費というのをどういうふうに見られているのか、お聞きしたいと思います。
◎小嶺廃棄物対策課長 廃焼却炉の解体につきましては、ダイオキシン等の飛散防止とか、そういうものにつきまして労働局の暴露防止対策要綱というものがございます。そういう中で大型の焼却炉等については規制が設けられているところでございますが、先ほど委員がおっしゃいました小型のものについては、その暴露防止対策に準じるような形で処理をしなさいとなっていると理解いたしております。
 そういう中で、県としましても、労働局からの依頼を受けて、小型であっても暴露防止対策に準じたような取り扱い、それと解体するまでの間にダイオキシンが飛散しないような対策をするようにということで市町に通知をいたしております。それは平成19年と平成21年7月に県内の市町へ周知徹底を図っているところでございます。
◆金子委員 この文書が出たのかどうかわかりませんけれども、それなりの文書が出ておりますね。ただ、これを見ても、撤去みたいな形はありますけれども、これ自身、あんまり解体その他についての注意事項みたいなものは入っていないみたいなんですよ。入っていますよと言われれば入っているのかもしれませんけれども、撤去しなさいという、そういう注意事項を実際やっているとおり、例えばダイオキシンが出てきても、もう手のつけようがないんですね。それに排気の機械云々をつけなさいというような規模じゃないから、小さいものは撤去するか使うか、どっちかですよ。それはご存じのとおりです。大きければ、焼却炉にそれなりの規模があれば、煤煙施設云々というものをつくって、そこで飛散防止等々やりなさいよというふうな効果はあるのかもしれませんけれども、小さいものになれば、使うなと、基本的にはもうそこですよ。だから、全部撤去したというのもそうでしょう。過去に学校から一斉になくなってしまったというのは、まず撤去しろという考えに立ったからそういうことをした。
 実は、その撤去する現場に私は偶然立ち会ったことがありますけれども、ひどいものでした。一番下を根切りして、土台の基礎の部分を全部はつってしまって、クレーンでつり上げて、裸のままトラックで持っていきました。これでいいのかなと思ったら、実はよくないんですね。一定の飛散防止策をとってやりなさいと言うけれども、実は、その発注が来たときも、まず撤去してくれしかなかったんです。飛散防止をどういうふうな形でやるかというのはなかったみたいですけれども、今、そういうふうなことについては、どういう形で環境部としては指導等々をされているんでしょうか。まだこれから撤去していかなければいけないと思いますけれども、いかがですか。撤去なんてないんですか、その数字については。小さいものです。この百何ぼ以外ですよ。
○陣内委員長 暫時休憩いたします。
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     −午後2時39分 休憩−
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     −午後2時40分 再開−
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○陣内委員長 委員会を再開いたします。
◎徳永環境部長 おっしゃるとおり、小型焼却炉については、廃棄物処理法とか、ダイオキシン類対策特別措置法とか、あるいは労働局の被爆防止の要綱、ここら辺の所管に係らないところがございます。私は手元に実際の数を持ちませんのでお答えができませんけれども、そういった小型焼却炉の撤去について、いろいろ話を聞いております。要綱等に具体的な処理基準あたりがないものですから、場所によってはそういった要領が余り守られずに撤去されているというところもございますし、また撤去する側がなかなかそういう具体的な知識がないといいますか、技術的なものを持っていないといったところもあるようでございます。そういったお話を我々も最近お聞きしておりますので、まずは労働局あたりと一緒になって、具体的に撤去される事業者の方々、建設業者の方が多いとは思いますが、こういった方々にそういった要領あたりを十分説明して、できるだけ適正な処理をしていただくということを考えております。
 それと従来から、市町に対しては、そういった小型焼却炉も含めて、ダイオキシン関係の適正な処理をという通知を与えておりますので、改めてそこら辺はまた市町に周知をいたしまして、もし仮に現状まだ残っているようであれば、おそらく使ってはいないと思うんですけれども、改めて適正な保管、適正な処理について指導をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◆金子委員 時間が押し詰まっておりますのでこれで終わりますけれども、一つ言いたいのは、この数字の中で、公立高校だけはゼロで数字が出ているんですよ。県の公立高校はゼロ、そのかわり公立の小中学校が三百何ぼ、私立の小中学校も数字が出ていると、ゼロじゃないんです。ゼロは公立高校だけです。よく言いますけれども、教育長がしょっちゅう答弁しているのも公立高校ばかりという形で言われていますけれども、そこだけ徹底している。これははっきり言って行政上のミス、片手落ちと言わざるを得ません。ほかの部分についても十分な配慮をぜひやっていただければなと思っています。
 終わります。
◆野口委員 関連です。午前中、瀬川委員、また午後は金子委員から、産業廃棄物の供託金の話が出たので、幾つか質問したいと思います。これは最初、話が出たのは1年ぐらい前ですね。共通の問題意識があって、何とかしたいということで、別に環境部の肩を持つわけじゃないけれども、出口環境部次長が課長のときに、何とかならないかということで動き出した話で、今回、法の運用の中で、積立金制度ができて、これは本当に画期的なことですね。今まで、こういうことは全然やらない。何でまたこんな画期的なことを急に国の方でやるんだろうと思ったら、どうも出口次長が全国47都道府県の課長会議のときに、この供託金の話をしたと聞いたんだけれども、違いますか。何か、どこかオフィシャルなところで、しっかり現状認識した上で、こういう制度の必要性というものを熱く訴えられたと、その話を聞いたものだから、要するに、そういうアクションが国のいわゆる事務方の方にもしっかり伝わって、そういった積立金制度ができたのだなと私は理解していて、これはもし本当にそうならば、長崎県の担当部局はよく頑張ったと、こういう評価をしたいところなんだけれども、その辺はどうなんですか。
◎出口環境部次長 去年、全国廃棄物課長会議というものがございまして、その中で、私の方からではなかったんですけれども、共同提案という格好で、こういう供託金あるいは委託金あるいは保証金みたいな制度を前もってできないのかなという提起がございました。また一方、私は国に行った際にも、長崎県大村市の実情を強く訴えてまいりました。何とか後手に回らないで済むような法的な仕組みづくりができないものかどうかというのを国の産業廃棄物課の方に訴えてきたわけでございます。それがこのようになったかどうかはわかりませんけれども、国も一歩前進していただいて、我々としても今後、その法律に従って、活用できるところは利用していきたいと思っております。
◆野口委員 そういうことですね。ただ、問題はここからなんです。そういう流れの中で、県としても十分にその辺はわかって次長も課長も取り組んでこられて、積立金の制度はできたということなんですね。だから、今からはいいんですよ。ウイックみたいな要するに過去の分については何もないわけだから、ここをどうするかということにかかってくるんだけれども、今回国が法の運用を変えたということは、もともと産業廃棄物処理法は国の法律であり、県は法定受託事務でそれをやっているわけです。法律に基づいて県が法定受託事務でしっかりそれにのっとって許可を与えたけれども、残念ながら、いろんな問題が出てきたとなれば、その後処理を業者に任せられない、代執行で県がやらなければならないのだったら、国が代執行の財源は支出すべきじゃないですか。国の法律をあなた方は法定受託事務でやっているだけなんですよ。あなた方が、例えばウイックにしても、その前のタイヤにしても、許認可を与える際に、法にのっとらない不手際があったわけではないわけです。皆さん方は、法にのっとった形で許可を出したんです。その中で業者がやったけれども、あんなことをやってしまっているのであって、これは県に落ち度はないわけです。県に落ち度がないのに、どうして代執行するときに県が自前で財源を構えなければならないかということなんです。だからこそ、国も産業廃棄物処理法に基づく、国の法律に基づく問題だから、それを認めて、この運用を変えて積立金制度というものをつくったんです。当然、国も責任の一端があるということは十分わかっているんですよ。だとするならば、今からは積立金で何らか代執行にしても処理できますよというのでいいんだけれども、過去のウイックとかそういった部分についてどうするんですかというのを皆さんはもう一歩言う必要があるんじゃないかと思うのです。今の時点から先は、国が法の運用を見直したからできますよということで、国の一定の責任の中でやってきた。しかし、過去のものについては、これまでも何かあったら県が代執行してくださいね、その財源は県が丸抱えしてくださいねというのはおかしな話ですよ。一貫して流れているのは国の責任なんです。だったら、こういう機会に、またもう一歩踏み込んで、過去に認可したものでこういう現状があった場合の代執行の予算についても、あらかたその財源措置を国に求めるのが筋だと思いますけれども、どうですか。
◎小嶺廃棄物対策課長 代執行に係る経費につきましては、現在、国の方の産業廃棄物処理事業振興財団で不法投棄等の原状回復支援事業というものがございます。それは代執行に要した費用の4分の3をその財団で支援するということでございまして、この費用につきましては産業界と国から出捐して基金を持っておりまして、その基金の中から回復支援事業を実施しているという状況でございます。ただ、4分の3でございますので、4分の1につきましてはやはり県費ということになりますので、それを事業者から回収できない場合は、県費を使うことになると思います。
◆野口委員 だから、4分の1は県費なんでしょう。かつ、財団の資金は民間の産業界のお金も入っているわけで、そこでの運用になるんです。皆さん方は4分の1県費を出しますけれども、ウイックとかタイヤのあれも、県の事務に何か非があったんですか。違うでしょう。県は法にのっとって適正に事務を行っているわけでしょう。その法を所管するのは国なんですよ。だったら、本来、受託事務として県はやっているわけだから、そういうものがあって、どうしてもそれで税金を投入しなければならないということは、法を所管する国の責任でやるべきだと私は思っています。
 これ以上答弁は求めませんが、この際、国は、自分たちのこれまでの法の運用の非を認めたから、また皆さん方の、出口環境部次長のいろんな頑張りもあったから、この積立金制度をつくったんです。これは逆にチャンスじゃないですか。国は非を認めているんだから。運用のあり方を変えようと実際動いているんです。だったら、過去の話、どうなんですかと、これは積立金では到底できませんよ、そもそもは国の事務をやっているわけでしょうという話になって、しっかりそこにもう一回踏み込んでいくということができないかなと私は思っているので、ぜひとも検討していただいて、議論を整理して、ひとつ前に進めていただきたいということを要望しておきます。でないと、実際問題、ウイックの件が全然前に進まないんです。さっきから議論があっているように、どうしようもないでしょう。それをやる手だてとして、もう一歩踏み込んで、ひとつ国に訴えるべきものはしっかり訴えていただきたいことを要望しておきたいと思います。
 以上です。
◆瀬川委員 私も関連でお願いしたいのですが、この報告の内容の業者というのは、1月に刑事告発、3月に逮捕、起訴と。それで今の時期に強く要請というような流れですが、今回のこのケースにおいて、県が実施したボーリング調査の費用というのは、最終的にだれが負担するのですか。
◎小嶺廃棄物対策課長 県におきましては、刑事告発の警察の現場検証に引き続き、県の方で、処分場に1カ所、区域外に3カ所、計4カ所のボーリング調査を行っております。ボーリング調査の区域外につきましては、今回は廃棄物の不法投棄という罪名なんですが、量が確定しておりませんでしたので、その量を確定するためのボーリングということで、こちらから命令をかけたり、撤去させるための必要なボーリングでございます。それから、埋立区域に1カ所ボーリングを掘っておりますが、これにつきましては処分場からこれまで、改善命令を出して、浸出水が出てこなかったものですから、改善されているかどうか全く状況がわかりませんでした。そういうことで、埋立処分場の中の状況を確認して、その後、法的な指導をしていくために必要なボーリングということで、今回、県の方でボーリングを4カ所いたしております。(「費用は」と呼ぶ者あり)費用については、県の方で持ってボーリング調査をいたしております。
◆瀬川委員 果たして、それが本当に適正なことかというと、ある意味からすれば、行政指導がかからなかった、あるいはその事業者がきちんとした指導を守れなかった、あるいは守らなかったために、これ以上の環境被害等も含めて、どういった拡大されるかどうかわからない状況だから、そういった懸念に対する必要な費用ということになるのかもしれませんが、一般的に、法を犯さない、あるいはきちんとした対策をもって処分場を建設したんだから被害が出ないという判断のもとにやっているわけですよね。しかし、必ずしも当事者本人がそうじゃない人物も、あるいは施設もそうじゃない、県もなかなかわからない、だから県の予算でやったんです、だから認めてくださいと、こうおっしゃる気持ちはわかりますが、県民が果たしてそれを納得するかというと、ちょっとそれは疑問なところがあると私は思います。言うことを聞かなくてずるずるいっておったら、県でやってくれるんでしょう。あるいは代執行という形で最終的には逃れていけるということが前提となるような事項をやっているということじゃないんですか。違うんですか。
◎出口環境部次長 これはどちらの負担かということを問題提起とされていると思うんですけれども、我々は、立入検査をいたしまして、立入検査拒否というのを何回も受けております。この調査のデータをとり、結果をしっかりと客観的にとらえまして、その後の行政指導、行政命令、あるいは先ほど言われましたように行政代執行、そういうものに被害の程度がどこまであるのか、どの範囲にあるのか、その辺をしっかりと押さえないといけないということで、我々独自で調査をやっております。調査結果がやっぱり信憑性がないといけないんですね。相手が、やりましたと、それを丸のみにはできない。この不法投棄においても、彼は300立米不法投棄したと言っているわけです。ボーリング調査した結果、1万6,000立米あったということでございます。もし、彼らに調査させたなら、300立米ぐらいで終わったかもしれませんし、立入調査では拒否もされましたけれども、告発をするということで、警察の強制捜査と一緒になってやって、この結果が出たということでございます。
◆瀬川委員 いろいろ行政サイドからのお話としては、言いたい気持ちはわからないこともないのですが、今の状況からして、立入調査をしたい旨の申し出をして行政が行ったときに、拒否すること自体が、姿勢として、許可の取り消しに当たるんじゃないですか。ましてや、元職員が一生懸命やっておられる、対策を講じておられるというような旨の発言もあったかと思いますが、こういうこと自体が許可の取り消しの状況じゃないんですか。そして、先ほどから話があっている積立金等々を新たなこととしてこれからやっていかれるそうですけれども、これは十分な財源がきちんと確保されるのかなという思いもあるのですが、そこら辺も含めて、どうですか。
◎徳永環境部長 許可の取り消しのお話ですけれども、ここは法律の中に具体的に要件がございますので、そういったところに準拠しないと取り消しは難しかろうと思います。ただ、当初の許可申請あるいは更新の許可申請の中で、経営的に不十分といいますか、そういったところが確実に確認できれば、許可の拒否といいますか、不許可はできると思います。ただ、許可が続いてきている中で、経営というものは多少の変動があろうかと思いますので、それをもって直ちに取り消しというのは、なかなか難しいと思います。現実的に、結果として、こういうなかなか処理がうまくされなかった、不適正であった、それを隠していたと、そういったところが重なった案件でございますので、今から見ると、我々も十分だったかどうかというところは疑問は持っております。ただ、現実的に、先ほどから指摘されますように、これからどうするかというところが問題だと考えておりますので、先ほど野口委員からお話がありましたように、財源の問題も含めて、我々としては十分対応していきたいと思っています。先ほど、前回の代執行を参考にお話があったものですから、あれにつきましても代執行自体は、あそこの付近に高速道路が通っていたとか、現実的にいろいろ付近の住民の方に迷惑をかけていると、そういったおそれがあったものですから代執行に踏み切ったところでございます。そのうちの3分の2についても、別途、県費以外のところを財源として持ってきて、いろいろ努力はした結果でございます。今回の案件について、確かに不適正な部分で今、いろいろ対策を講じている段階でございますが、水等も今のところは量が少ないし、まだ場内でため込んでいる部分がございますので、それでよしとはいたしておりませんが、そういった中で適正な処理ができるよう努力をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○陣内委員長 暫時休憩いたします。
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     −午後3時0分 休憩−
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     −午後3時11分 再開−
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○陣内委員長 委員会を再開いたします。
◆瀬川委員 光化学オキシダントについて、被害の確認というのは、これまでどういう範囲で、どれだけ出てきているのか、注意報の発令等の近年の状況、実際に人体やいろんなところにかかわる被害というのはどういうものがあるわけですか。
◎大串環境政策課長 目やのどに刺激を感じたりとかいうことで、ぐあいが悪くなったということで症状が出るというのが一般的じゃないかと私どもは聞いておりますけれども、今年は具体的に長崎県でそういう報告はいただいておりません。5月8日に注意報の発令をいたしましたけれども、今回の注意報の発令に伴いまして、そういう身体的な影響を受けたという報告はいただいていない状況でございます。
◆瀬川委員 例えばここ2〜3年ぐらいは、どういう発令状況ですか。
◎大串環境政策課長 本年が5月8日に注意報を発令いたしておりますけれども、過去3年で申し上げますと、平成21年が5月8日、9日に連続して注意報を発令しております。それから、平成20年はございませんで、平成19年が4月27日と5月8日と5月27日、それから平成18年が5月30日という状況でございます。
◆瀬川委員 わかりました。
 次に、温室効果ガス排出量についてなんですが、ナガサキ・グリーンニューディールの推進というのは先ほどから説明がありましたけれども、国においては、1990年比で、2020年に25%削減ということなんですが、長崎県において、グリーンニューディールの温室効果ガスの排出削減の数値目標というのは立てておられますか、おられませんか。
◎赤木未来環境推進課長 現在のところ、まだその数値目標というのはつくっておりません。ナガサキ・グリーンニューディール推進本部を立ち上げたところなんですけれども、さらにその作業部会というか、課長等会議の中で、今後、プロジェクトごとにいろんな中期目標を立ててまいりたいと考えております。
◆瀬川委員 それは数値目標を含めて、きちんとしたものを設けるということですね。その設ける時期というのはいつごろになりますか。数値目標というのは、国の25%というのは一つの基準として考えておられますか。
◎赤木未来環境推進課長 国が言う温室効果ガス排出量の25%削減ということをナガサキ・グリーンニューディール推進本部の中でどうするかということは、まだきちっと決まってはおりません。もう一つ、県の実行計画の方では、明らかに数値目標を立てなければいけませんけれども、ナガサキ・グリーンニューディール推進本部におきましては、各プロジェクトごとに、どれぐらいCO2の削減効果があるのか、経済効果はどれぐらい出てくるのか、あるいは事業の採算性とか、そういったものも含めて議論していきたいと考えています。
◆瀬川委員 実際の行動計画の中では数値目標は入ってくるというようなことでしょうけれども、考え方として、2020年に25%削減というのは、長崎県にとって、長崎県としての考え方で、どう考えておられますか。
◎赤木未来環境推進課長 国は25%削減という目標を打ち出しておりますが、長崎県としても、それに見合うような数値目標を立てていくべきだろうと思っています。ただ、国が今後、目標達成に向けたロードマップがどういう工程で2020年までに25%削減していくのかというところがまだはっきり見えておりません。そういったところも踏まえて、県として、どういうふうに2020年の絵姿を描いていくかといったところは、今後、環境審議会あるいは県議会のご意見等も踏まえながら検討していきたいと考えています。
◆瀬川委員 これは目標を高く設けるというのは、ある意味、立派なことではあると思いますが、それに伴って、デメリットというか、別に大きな負担というものもまた出てくる可能性が大きくあると思っておりますし、個別の負担等についても、はかり知れないものが出てきはしないかなというようなことも含めて考えていけば、私は、きちんと、数値目標というのは、ある程度、手の届く範囲内で、県民に理解を求めながらやっていく必要があるんじゃないかと思いますので、数値を出すということについては、慎重に、具体的にできるという見込みがある数値を出していただきたいと思っております。
 委員会で大変恐縮なんですが、1つお尋ねしたいことがあります。火災の現場で、焼け残ったものが廃棄物として残ります。それを自治体によっては、こういうとらえ方をしております。焼け落ちたものは一般廃棄物、まだ立って残っているはりや柱は解体という手を加えなければならないから産業廃棄物。一般廃棄物は市町の焼却場に搬入できる、立ったままの柱は、産業廃棄物ですから、産業廃棄物処分場に搬入しなさいという見解を持っているところもあるとお聞きしましたが、その見解でいいわけですか。産業廃棄物と一般廃棄物との区別というのはそうなんですか。
◎小嶺廃棄物対策課長 火災で被災した建物でございますが、確かに委員がおっしゃるように、柱が立っていない、燃え落ちてしまっているものについては一般廃棄物という考えでよろしいかと思います。ただ、柱とかが半焼している状況で、それを解体しなければならないという形であれば、やはり建設系の産業廃棄物という理解が正しいのかと思っております。ただ、火災という現場で被災した人たちのことを思えば、できるだけ市町の焼却場、処分場で処分していただければということも考えておりまして、そういう相談があったときには、そういうお話もしているような状況でございます。
◆瀬川委員 それは法は産業廃棄物、一般廃棄物とこうだけれども、そこまで法はきちんと区別しなければいけないというところまではないよと。解釈の中で、あるいは気持ちの上でも、被災した、火災に遭われた方々に対しては弾力的に、応援のうちとして考えてもいいんじゃないかということですか。
◎小嶺廃棄物対策課長 基本的に一般廃棄物の処理は市町なのでございますが、市町の処理施設においては、産業廃棄物もあわせ処理という形で処分ができますので、そういう考えの中で、適正に処理をしていただければと思っています。
○陣内委員長 ほかにご質問はありませんか。
◆高比良[末]委員 3点お尋ねをします。
 1点目は、先ほど瀬川委員が質問しました光化学オキシダントが0.12ppmを超えたので発令をしたと。あとは、監視を継続していくことと、国に引き続き原因の究明とか、国際的な取組み要請と、こういうことで報告がありましたけれども、今、人体への影響ということで環境政策課長から、目とかのどにいろいろ影響があると。これは発令をしたというところで、壱岐、平戸とか小長井、この地域は、これになったら何かしなければいけないというような認識はあるのでしょうか。というのは、光化学オキシダント警報が鳴るということは、「皆さん、こういう注意をしなさい」というのが事前に啓発されているのかどうか、その辺、どうなんでしょうか。
◎大串環境政策課長 注意報を発令する場合には、関係機関、もちろん市町もですけれども、学校関係の教育庁を通じまして、市町立だと市町から行く場合もあるし、県立学校だと教育庁を通じて、そういうきちんとしたマニュアルがございまして、関係機関には直ちに連絡が行くようなシステムをつくっておりまして、学校にも連絡が行くようにお願いをしているということでございます。
◆高比良[末]委員 長崎で発令されても、どういう対応をしていいか、私自身がわからないものですから、みんなにそういうものが徹底していればいいんですよ。「何のサイレンか、鳴っているな」というところを、もう少し徹底して、いろいろ発生しないようなことはまた別のところでしなければいけないのですが、何のために注意をしているのか、それならマスクをしなさい、窓を閉めなさいとか、その辺、どういう状況なのか把握をして、効果的になるように、発令ばかり、サイレンか、どういう方法でしているか知りませんが、その辺の取組みはお願いしておきたいと思います。それ以上質問しません。
 次に、温泉法違反行為に係る対応について、五島市で起こった関係ですが、これまでの経緯、今、調査の過程でしょうが、現在判明している状況、この辺について、もう少し詳しい説明をお願いしたいと思います。
◎中島自然環境課長 温泉法違反に係るこれまでの経緯についてご説明いたします。施設は、五島市玉之浦町にあります温泉センターです。これは荒川の廃校になった小学校に旧玉之浦町が温泉センターとして、平成4年にでき上がった施設です。この温泉センターに温泉を供給する目的で、平成2年に温泉の掘削許可が出ております。一度、500メートルということで掘削許可申請が出たんですけれども、その後、2度増掘ということで、最終的には1,130メートルの増掘を翌年の平成3年に許可を受けております。この許可の時点では、自噴ということで、そのまま勢いよく出てくる温泉を使っていたんですけれども、その後、温泉センターの方で温泉プールに使うという計画が挙がりまして、そのときに温泉の量が足らないということで、本来であれば、法に基づくポンプ等をつける動力装置の許可申請が要るのですが、その手続を当時の玉之浦町が失念いたしまして、許可を受けずにポンプを使って温泉をくみ上げていたということが続いておりまして、今年の4月に現地に立入調査をしたときに、許可を受けていないポンプが設置されているということを現地で確認いたしまして、五島市に、温泉法違反に対する厳重注意ということで文書と、それから経緯の報告等を求めたのが4月20日です。5月になりまして、五島市から報告が上がりまして、また現地調査した結果、本来、温泉法違反であれば、その場ですぐとめさせるという方向で現地立会調査に行ったんですけれども、現在の利用がデイサービスということで、福祉関係の方が毎日日帰り入浴で利用されているということで、ボイラー等の設備がないものですから、これらの方が温泉がないと入浴サービスができないということで、今回は温泉の停止の処分は無理だろうということで、温泉の動力装置の使用はやむを得ないとその段階で判断いたしました。ポンプ等の能力を調べましたら、通常、申請していれば許可できるような容量で、温泉の資源への影響がないという判断をいたしましたので、改めて五島市には申請をしなさいということで、あと長崎県の環境審議会に内容につきまして諮問いたしまして、ポンプの能力については適当だろうということで意見をいただきまして、今月6月4日に動力装置の設置については許可を出して、今は適切な状況になっております。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 詳しい経緯はわかりました。
 これは資源管理上、水と一緒のような、勝手に一定量以上くみ上げてはいけないというような管理がされているわけですね。それを知らなかったんでしょうか。ばんばん出ていたから、これをつけてもいいだろうということでしたんですか。知っておって、知らないふりしておったんですか。その辺、どうなんですか。
◎中島自然環境課長 当初は、井戸を掘ったときに、温泉が持っています圧力でお湯が吹き出していて、動力装置をつけなくても利用できたという状況で、途中で計画の変更でプールを追加して、容量そのものが足らないから、動力装置をもって、より多くくみ上げようということがきっかけになって、ポンプを設置したということです。手続については、五島市も合併しておりまして、当時の担当者等についてもなかなか明確な理由というのは見出せなくて、手続を失念したんだろうということになっております。
◆高比良[末]委員 次に、高齢者等がデイサービス等を利用されていることからとわざわざ書いてありますが、先ほど言いましたように、ボイラーもないし、一定の温度以下の、例えば「ああ、冷たいな」というような温泉に高齢者を入れておったという意味ですか。そういうことになるんですか。
◎中島自然環境課長 平成4年当時には、不特定多数が入る温泉センターということでつくられましたけれども、その後、利用の形態を変えまして、デイサービスということで、今、福祉関係の施設として、五島市から社会福祉協議会に事業を委託されまして、社会福祉協議会の方でデイサービスをされておりますが、そこでは近隣の利用者を対象にして入浴等のサービスをされているということが実情です。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 次に、諫早湾干拓の調整池の水質について、今日も雨が降りそうですし、大雨が降ると、あそこの水をどうして出すのか、私も心配している1人なんですか、陳情でも出ておりましたけれども、意識して陳情では質問をしておりませんが、あそこの水が一般的に毒水のように思っている人も少なくないんですよね。しかし、県としては、そうでないということを言っておりますが、今度の陳情書でも、そういう書き方をしていますよね。この調整池の管理は農水、土木、それから環境部としておりますが、環境部は、この水質保全あるいは改善のために、どういう役割をされていますか。そこからまず改めて質問したいと思います。
◎大串環境政策課長 私どもの方では、「諫早湾干拓調整池水辺環境の保全と創造のための行動計画」というものをつくっていまして、これは平成20年度から平成24年度までの5カ年でございます。その中で目標を決めていまして、1つは生活排水対策、2つ目が工場・事業等排水対策、それから3つ目が面源負荷削減対策、4つ目に調整池及び調整池流入河川・水路の浄化対策ということで、これは環境部だけではございませんで、関係機関それぞれ一体となって水質浄化に取り組んでいくということでございますけれども、その4つの大きな柱を立てまして、水質の保全対策に取り組んでいるところでございます。
◆高比良[末]委員 水の分析は環境部が担当しているのでしょう。農水とかじゃないんでしょう。私としては、この水が第二の水俣病とも言える健康破壊が危惧されるような水だとか、いろいろそういうことが出回っているわけですよ。これはいかんなと思っているわけです。私どもは、あそこは排水門をあけないということで取り組んでおります。そのために浄化をしよう。公式的には、あそこの水はきれいな水だよと、佐賀とかよそのところから出てくる水よりも、そういうことを言っていますが、片や、県民が誤解するようなことが出ているわけです。これはやっぱり県として、県民に、そういう水ではないということを証明するのは、私は環境部が水質検査をするべきだと思っているのですが、どうもここの所長が3つも4つも余りやるから、責任が明確になっていないという気がします。これではいけないですよ。どこが責任を持つんですか。環境部長、あなたは、私のところという認識がありますか。あれは農水、いや土木だと。ここをまずはっきりしないと、国を動かして、本気で水質浄化をしようという動きになりませんね。どうも県全体にそういう、これだけあそこの水が毒水のように言われながら、「いや、そうじゃない」という対策もしている、「こういう状況です」というのをどこが発信するかです。どこもしていない。ここを私はどうも疑問に感じておりますが、まず環境部長、何かお考えがあれば。
◎徳永環境部長 先ほどお話をしました行動計画をつくっている中心としては環境部でございます。ただ、中身の取組みは、農水の国、あるいは国交省、河川関係、それから県の中の農林であるとか水産、それぞれの分野の中で、具体的に取り組む事業を全体としては取りまとめて計画にしております。したがって、実施そのものは各部それぞれということになりますが、全体としては、進行管理を含めて我々がやっているという状況です。ただ、先ほど水質調査のお話がございましたけれども、これは干拓をはじめる前後からだと思いますけれども、農水省の調査があったり、県がやっている部分とか、重なる部分ではないと思いますけれども、それぞれの経過の中で水質調査をやってございます。もう一つ、こういった要望に対するいろんな発信の部分でございますけれども、この件に関しては、確かに関係部局が集まって検討した経過がございます。ただ、ここの部分のいわゆる調整池等の水質の問題については、全体的には、極端に言うと農業生産物の風評被害とか、いろいろな問題がございますので、ここは諫早湾干拓室が中心になってまとめて整理をしていると聞いております。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 「聞いている」ですか。水質検査は環境部独自で、環境部しかノウハウとか、いろいろの技術を持たないでしょう。よそに頼んでいるわけですか。外部委託をして、例えば農水の方とかそういうあれで行動計画はつくるけれども、どうも環境部の入り方が弱いなという気がしているんですよね。こういうものは対外的に環境部が一番信用を置けるところなんですよね。そこがちゃんとした専門かなにかをして、公表するようにしていただきたいなと思っているんです。水対策、浄化対策に力を入れることを環境部が警告をして、「もう少ししなさい」とか言うのは、私は県の中では環境部がリーダーシップをとるべきだと思いますので、今後、もう少し力を入れて調整池の水質改善対策には環境部がリーダーシップをとっていただきたいということをこの際、要望しておきたいと思います。
 終わります。
○陣内委員長 ほかにご質問はありませんか。
◆八江委員 今の諫干の水質に関連して、私もさっき陳情文を見ながら、猛毒のアオコと書いてあるんですよ。あたかもアオコが発生すれば猛毒のごとく表現をしている。アオコは、佐賀のクリークなんかにもいっぱいあるわけで、そういったものが諫早湾に発生したものがすべて猛毒のごとく書いてあると。そのことが我々も非常に不思議でならない。それはやっている方々は、民主医療機関連合会とかという名前で出てきたりしていますけれども、ここにあるミクロキスチンというものがくせ者だろうと思うけれども、その中にアオコと書いて、シアノバクテリア、ここでは「猛毒アオコ」と書いてあるように、ミクロキスチンの中に、アメリカとか海外で、猛毒を含んだものがあるのだろうと思います。それを一概にアオコがすべてそんなものだという表現をしてある関係から、我々は非常に心配して、高比良(末)委員と同じように、もう少しはっきり反論してほしいなと。環境部がしないと、農林部とかは守ろう、守ろうとするところで言うから、環境部がぱっとやってほしいという思いがあるわけです。私もそう思います。
 そしてもう一つ、私は地元である関係から、有明海と淡水湖との区別が、飛行機で行けば、片一方は濁り切って黄緑、あるいは何か汚染されたような水に映ります。片一方は海ですから、ずっと流れていきますから青さがあると。ところが、皆さん方によくわかってほしいのは、ずっとこれまでも、もっと黒いといいますか、土色のものが巻き上げて満潮時には上ってきて河川に来ておったんです。下も何も全く見えない。今の水はきれいな方です。だから、そういうものを見ていないから、区別してあると、そこだけが毒水が集まっているようなものに受けとめられますけれども、それは湖というのは大体そんな色ですよ。だから、そんなものを出されて、全国のニュースになりますと、あたかもそこだけが悪水のように感じますけれども、そのことを証明するためには、やっぱり水質がそうじゃないんだというのをはっきり環境関係の皆さん方が表現をしていただかないと、それをずっとつついてこられるということに我々も危惧をしておりますので、アオコについても、どのようにアオコを認識しておられるのか、その点も含めて担当課長のご答弁をいただきたいと思います。
◎大串環境政策課長 今、アオコについてのお話がございましたけれども、アオコといいますのは、干拓地の調整池に限らず、委員がご指摘のように、広く全国の農業のため池、ダム、クリーク等、また琵琶湖とか霞ヶ浦等の国内の淡水湖でも普通に発生しているという状況でございます。そしてまた、日本において、アオコの発生した湖水を農業用水に利用することによって農作物に被害を与えたり、人間の健康に影響を与えたりというふうな報告はないとお聞きをしています。また、全国の湖沼とかため池等でアオコが発生して、ミクロキスチンが検出されておりますけれども、日本ではミクロキスチンによる健康被害の発生報告はありませんで、食品衛生法や水道法などにおいても規制対象とはなっていないと私は理解をしております。
 以上でございます。
◆八江委員 そういったものをもう少しはっきりと表現をしてほしいなと、そして県民の皆さん方、国民の皆さん方が何かの偏ったニュースを聞くと、それが本物のごとく見えてしまうということです。だから、この陳情文の書き方の中にも、この問題についてはマスコミも風評被害を懸念し慎重に対応したようだというのは、自分たちにそれがないから、それを大げさに言っているから、マスコミも少し慎重に扱っていることは間違いない。それは今、環境政策課長が答弁したように、全く何もないのに、それをあえて外国で発生したことを、あたかも日本でもあるようなことを表現するから、マスコミすら表現はできないけれども、しかし、そういうことを書く新聞、ほかのマスコミの状況もあります。ですから、それはしっかりと表現をしてほしいと要望しておきたいと思います。
 そして、水質については、今、諫早市も下水道施設ももう70%ぐらいになっているんですが、どこの都市も一緒で、有明海沿岸は有明特措法の中で、特に佐賀あたりも盛んに浄化装置をつけてやっているのも、有明全体の問題だと我々は認識をしていますけれども、諫早湾干拓の部分だけが特筆されている部分がありますから、他県の河川と諫早湾干拓の調整池の部分を明確に表現してもおかしくないということは農林部が図表で出しておりますけれども、そのあたりも環境部もはっきりそういうことをしていけば、「間違いないんだな」ということになりますから、それはぜひひとつ強く表現をしてほしい。そしてまた水質についても積極的に、少しでも悪かったら、いい方にしていくのは当然のことですから、それをするなとか言うつもりはありませんし、それは競って、もっといい水にしていくということの対策はそれぞれの事業の中でやってほしいと思いますので、その点を最後に確認しながら、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
◎大串環境政策課長 水質の改善につきましては、県の方でも改善目標を定めまして、汚水処理人口の普及でありますとか、二枚貝、実際上の浄化の研究でありますとか、アオコ対策、水生植物を植生した浄化の試験、いろんな対策をとっておりますけれども、これからも考えられるいろいろな方法を研究しまして、水質浄化については積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◆山口[初]委員 いわゆるISO国際規格についてお尋ねをします。ご承知のとおり、9000番台が品質、1万4000台が環境ということで、いわゆるISO14001は国際環境規格でありますけれども、この環境の規格については、世界的に平成4年から計画がはじまって、平成8年ぐらいに発効されたということを聞いておりまして、今では民間あるいは自治体も、それぞれのステータスということで、いわゆる世界に通用する規格として、今、認証を取得してきていますね。県としても、また自治体としても、これを積極的に奨励してきたと思いますけれども、県はこのISO14001の認証を破棄したということをお聞きいたしましたが、認証から破棄に至るまでの経緯について、明確に承知しておりませんものですから、ご説明をいただきたいと思います。
◎大串環境政策課長 ISO14001につきましては、平成15年に導入をいたしまして、3年後に一度更新手続をして、平成20年度まで6年間継続した経過がございますけれども、そのシステムを推進する中で、まず一つは、システムのマニュアル整備とか運営、特に地方機関にどう拡大していくかということで、ISOの場合、それぞれの事業所ごとに審査対象になるということで、費用もかなりかかるということで、そういうシステムのマニュアル整備の問題と、地方機関への拡大をどうするかということと、全体的な費用の問題を総合的に勘案して、それまでの6年間で蓄積したマニュアルのノウハウを活かして、県庁独自の管理システム、これは地方機関も対象に含めた独自のEMSという環境管理システムに平成21年度から移行したところでございます。
◆山口[初]委員 平成15年に認証取得をされたんですか。そうしたら、その後、毎年更新をして、定期更新の2回目ぐらいで廃棄しているようですね。民間は、この1万4000と9000については、特によその国と貿易をするような企業は、これを持っておかないと、相手との信用性の関係があって、ある意味では、貿易とか友好を進めるツールとしても、この認証取得をしているわけです。そういうことで、はっきり言って、県は、マネジメントシステムをつくってこれを運営していくということは、煩雑だし、お金がかかるし、どなたかが担当されておったんでしょうけれども、私も経験したことがございますけれども、これは大変ですよ。だけれども、大変ゆえに、そこに価値があるわけですよ。効果があるわけです。1人でやる規格ではありませんからね。県庁マンみんながやらなければ意味がない仕掛けなんですよ。そういう仕掛けをきちっとつくらなければ、PDCAというのが機能しないようになっているわけです。だから価値があるし、いわゆる環境を志向する長崎県としては、このことは大事な、いいことだなと思っておったのですが、それにかわるものとしてEMSというものを設置したということですけれども、このことを県民に対してどういうふうにアピールをされたのかなと。はっきり言って、ここにおられる環境生活委員会の委員が十分に知っているのかなと。私自身も正直言って、余りよく知らないです。ということは、県民はほとんど知らないのじゃないかと思うんですよ。長崎県の環境課題を率先して解決していこうというこの部局が、どうやってそのことを県民に発信されているのか、したのか、あるいは我々一番よく知っておかなければいけない県議会の委員会の委員ですらも、私だけかもしれないけれども、よくわからないというのは、やはりこれはちょっとまずいのではないかなと率直に思っているんですよ。そのことについて、もう少しかみ砕いてご説明をいただきたいと思います。
◎大串環境政策課長 県としては、ISO14001のノウハウを活かして、前提としてその思想を受け継いでいくということで、システムのかなりの部分を継承して、地方機関も今度新しくその思想を受け継いで広げていこうということでやっているわけでございます。そうは言いながらも、委員がご指摘のように、ISO14001でありますとか、独自のものもありますけれども、ほかにもEA21というふうに、マネジメントシステムというのは、いろんな種類の特徴があるものがございます。委員がご指摘のように、ISO14001は世界標準ということで、海外に進出する企業の方はかなり取られていますし、EA21というのは中小企業向けということで、それぞれ費用の問題もありますし、特徴もございますので、マネジメントシステムに取り組むというのは県としても、環境に負荷をかけないということで、大いに推進すべきことでもありますので、マネジメントシステムの県内普及につきましては、これからもいろんな場面を通じてやっていきたいと考えております。ただ、県庁の場合は、今申し上げましたように、ISO14001の思想を受け継いで、それを出先機関にも広めていこうという思想のもとに、独自のEMSに発展的につなげていったということがあるということを申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。
◆山口[初]委員 EMSは第三者のチェック機能が働くようになっているんですか、それとも働くようにはなっていないのですか。いわゆる自己管理型なのか、第三者のチェックが入るようになっているのか、ここはどうなんですか。
◎大串環境政策課長 委員がご指摘の評価につきましては大事な視点だと思っておりまして、ひとりよがりにならないといいますか、ちゃんと第三者の目で見るという必要はございますので、EMSに移行する際にも、外部のISO14001の有資格者の方でありますとか、長崎大学の環境関係のご専門の方々など、民間の有識者の方にちゃんとチェックをしていただくということで、第三者の視点というのは県庁独自のマネジメントシステムの場合も継承していくということにいたしております。
 以上でございます。
◆山口[初]委員 外部審査委員を入れてやるんですね。わかりました。
 余りこの話を細かくやってもあれですから、後でゆっくり聞きますけれども、もう一つ聞きます。これは一番大事なことだろうと思うのですが、長崎県の環境対策の指針は何かと問われたときに、私はまだ自らに長崎県の環境対策の指針はこうですよということも答え切れない状況なんです。長崎県の環境に対する俗に言う憲法的なものが、どういうものを旗印にされてあるのか、すみません、勉強不足な部分があって、まずそのところをお尋ねします。
◎大串環境政策課長 私どもが考えておりますのは、県の環境に対する基本的な進め方の最上位にありますのは長崎県環境基本計画と考えておりまして、これは冒頭、環境部長からもご説明させていただきましたけれども、今年終期を迎えるということで、現在、新たな計画の策定作業を進めているところでございます。その中で、県の環境政策についての基本的な考え方というものを明らかにしていきたいと考えております。
 以上でございます。
◆山口[初]委員 長崎県環境基本計画、これは従来からあるものですね。これが一つの基本的な指針になっているということですね。わかりました。
 いずれにしましても、こういうことを我々自身がきちっとよく認識して環境に対する施策を進めていかないと、環境というのは、ある意味では地味で、何もしないなら何もしなくてもいいんですよ。だれも文句を言わないし、だからそこに第三者の認証機関なり何なりを入れて自らをチェックしてもらおうとしないと進んでいかないものですから、ISOの規格なんというものがあるわけですね。そういうことで、空気にしても、水にしても、土壌にしても、人間が生きていく上の基本的な部分を皆さんが管理されているわけです。さっきのアオコの話も一緒ですけれども、いろいろな物づくりも含めて、今、環境の施策なくして産業もないわけですから、そういう面では、しっかりもっと発信力を発揮していただいて、長崎県の環境に対する姿勢をもっとアピールしてほしいなと思っておりますので、ぜひよろしくお願いします。環境部長、決意をよろしくお願いします。
◎徳永環境部長 ご指摘のとおり、環境基本計画をつくっています。今回見直しますが、基本的には、我々行政の方がどういう施策を進めていくか、ここは基本計画に掲げようと思ってございます。もちろん我々は県民、事業者、行政が一緒になってやっていこうということを随時言っておりますので、事業者の皆さんあるいは県民の皆さんにやっていただく部分は、個々の事業計画、具体的なところでまた決めていくところがございます。例えば、温暖化については、温暖化対策の実行計画をこれからつくっていきますが、そこの中で県民の皆さんにやっていただきたいこと、そういったところは具体的に示しをしていきたい。あるいはゴミゼロに関しましても、別途ゴミゼロの計画をつくっておりますし、あるいはそこの中に県民の皆さんが入って、自分たちで取り組む計画をつくっておられます。そういったところは我々は積極的に今、広報等もやっておりますし、参加した方々が口々に広めていただいているものと認識をしております。ISOの話も、どちらかというとISOは内部の管理システムの話ですから、我々としては、ここをどうこうと外向けには余りお話をしてこなかったとは思っています。ただ、先ほど申しましたように、ほかにもEAとかさまざまな制度がございますので、それはそれぞれの事業者の皆さんが自主的に取り組まれることでありますので、制度全体としては、これからも積極的に広報していきたい、こういった状況の中で、一緒になって取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
○陣内委員長 ほかにご質問はございますか。
◆西川委員 先ほどの高比良(末)委員、瀬川委員に関連して、光化学オキシダントについて追加してお尋ねします。実は、このモニタリングポストが私の家から500〜600メートル、少し高台に行ったところにありまして、この施設は松浦火力発電所ができたときの空気、大気の検査的な機械があると聞いておりましたが、まさかこういう身近になるとは思っていませんでした。今年の5月8日は土曜日で、私はおりませんでしたが、数年前は、小学校児童、中学校の生徒が集団下校をして対応したと思っております。その前は、私の地区ではありませんが、日曜日に当たりまして、小学校の運動会の途中で、運動会を何十分か後にやめて解散したということを聞いております。それで、時期的に5月、しかも5月8日が何かおかしいんですね。それで、例えば、ここだけの話ですけれども、北朝鮮の何かの記念日とか、中国の何かとか、そういうことがひょっとしてあるんじゃないかということもありますが、それは半分冗談ですが、本当に国際的な検査というか、調査などができていないものか、また日本の気象レーダーだけじゃなく、米軍の気象レーダーとか、衛星とかの大気圏の調査の資料などが手に入って研究されていないものか、もう少し詳しくお尋ねしたいと思います。
◎大串環境政策課長 オキシダントがどこからやってきてという原因についての究明、発生メカニズムにつきましては、まだまだはっきりしない部分もございまして、これは政府施策要望ということで、国に対しても、大陸からの汚染物質の移流状況に関する測定体制の整備でありますとか、発生メカニズムの解明など、早急な汚染原因の究明、それから国際的な対応を視野に入れた光化学オキシダント対策の実施ということで要望しておりますけれども、これからもその抜本的な問題につきましても、国の方に要望してまいりたいと考えております。
◆溝口副委員長 1点だけ聞きたいと思います。ナガサキ・グリーンニューディールの推進ですけれども、先ほど瀬川委員が聞いたと思うのですが、この事業については、今、環境の問題が大変指摘されている中で、私は意を得た推進事業ではないかと思っております。その中で、目指すものとして、本県の強みを活かしながら産業振興、雇用の創出、低炭素社会の実現、グリーン化を同時に推進していくということですけれども、やはりこれは雇用の創出にもかなりつながってくるんじゃないかと思うんです。その中で、これで示されている市町を環境実践モデル都市に選定していくということですけれども、これは市町からいろいろなアイデアが出たことに対してモデル都市として指定してやっていくということですか、県の方が何市町か選定していくということでしょうか。
◎赤木未来環境推進課長 選定の方法のご質問かと思うんですけれども、県としましては、一定基準を満たす市町をモデル都市として選定し、その取組みを推進会議が支援していくというふうに考えております。その一定基準なんですけれども、地域産業の活性につながる取り組む計画があるのかどうか、そして環境負荷削減に係る計画が策定済み、あるいは予定があるのかどうか、それと先ほどの環境マネジメントシステム、そういったものに取り組む意思があるのかどうか、そして地域特性を活かした取組みがあるのかどうか、そういったもろもろの基準を満たすようなところを推進会議の中で選定していきたいと考えております。
◆溝口副委員長 わかりました。それで、今、いろいろな3つか4つの基準を言われましたけれども、そのことについては今後、要綱を定めてやっていくということになってくるわけでしょうか。
◎赤木未来環境推進課長 先ほど推進会議と言いましたけれども、そういう組織を立ち上げまして、その中で論議していきたいと考えております。
◆溝口副委員長 推進本部は5月26日に設置をしているんですよね。その中で話し合っていくということだと思うんですけれども、知事を中心とした推進本部としての組織と思うんです。その中で、まだ要綱については、いつごろまでにつくっていくという計画的な考え方はないのですか。
◎赤木未来環境推進課長 ナガサキ・グリーンニューディール推進本部というのは、県の庁内組織ということで位置づけております。これはいろんなプロジェクト、その中の一つに環境実践モデル都市推進事業というものも入ってくるんですけれども、全体のプロジェクトを進行管理するという意味で、ナガサキ・グリーンニューディール推進本部というものを立ち上げたところでございます。今、委員がおっしゃっている環境実践モデル都市の選定というものは、別個にモデル都市専用の推進会議というものを立ち上げて、その場で論議していこうと考えております。構成メンバーとしては、行政とか、環境の専門家を入れた形で検討していきたいと思っております。
◆溝口副委員長 わかりました。推進会議を立ち上げるということですけれども、その推進会議はいつまでに立ち上げるというスケジュール等はあるんですか。
◎赤木未来環境推進課長 この議会が終わり次第、早急にその作業に入っていきたいと考えております。
◆溝口副委員長 わかりました。
 それと、国が示す温室効果ガス削減の目標達成に向けたロードマップができて、本県の温暖化対策に係る総合的な実行計画を策定していくということですけれども、この国のロードマップ等については、まだ示されていないということになるんですか。
◎赤木未来環境推進課長 国のロードマップでございますけれども、試案という形で今年の3月に出ております。ただ、これはあくまでもまだ環境省の試案ということで出ているわけで、今回の基本法案が通れば、この試案が「案」が外れた形で出てくるのだろうかと我々としては思っていましたけれども、基本法案の動きとかを見ながら今後検討していきたいと思っています。
◆溝口副委員長 それでは、先ほど瀬川委員から言われていました実行計画を策定する中で、温室効果ガス排出量も決めていくということでしたけれども、この計画をつくるのは、国ができてからというと、今年中には間に合わなくて、国ができてからしかこの実行計画はつくらないということなんですか。
◎赤木未来環境推進課長 実は、県の実行計画は既に作業に入っております。ただ、先ほど瀬川委員も言われましたけれども、目標をどこに設定するかといったところと、2020年の絵姿を県としてどういうふうに描くかといったところが非常に大切なところだろうと思っております。太陽光発電をどれぐらい普及させればいいのかとか、いろんな投資というか、費用負担というか、そういったものが出てくると思っています。ですから、数値目標と、その中身の絵姿については、十分慎重に議論した上で今後進めていきたいと思っています。ただ、国がつくっていないから県もつくらないのかと言われますと、温暖化に対して消極的ではないかというようなご意見かと思うんですけれども、我々としては、国の動きも見ながら、そして2020年の絵姿をどういうふうに描いていくかというような同時並行的な作業を進めて、実行計画の策定を進めていきたいと思っております。
◆溝口副委員長 わかりました。ただ、未来環境推進課長が言うように、何か県の取組みというのが、先ほど私も太陽光発電のことも言ったんですけれども、私は少し消極的な感じがしてならないんです。だから、この実行計画を早く策定していかないと、県の目標が定まってこないということになるわけですけれども、環境部長、このスケジュール等について、県として、いつまでにやっていきたいという目標はないのですか。
◎徳永環境部長 先ほど申し上げましたように、我々も昨年から実はこの実行計画の検討をはじめておりまして、できれば今年度の早い時期にというのが当初の目標でございました。ただ、国の動きが今回のように、基本法案自体が廃案というところまで来ておりますし、先ほど言いましたように、ロードマップというのは大変貴重な問題だと思っております。全国的に、どういったところに集中的に投資をして、どこまで下げていくか、そこの絵姿を国がある程度、見せていただかないと、長崎県の中でも、なかなかそこら辺の割合とは言いませんけれども、集中的にやるところがどうも見定めにくいのかなと思っています。ただ、検討は常々やっておりますし、先ほど瀬川委員からは、慎重に目標を定めるべきというご意見がありました。そういったところも十分踏まえながら、我々としては、実行計画ですから、どこまでできるのかというところを今回中心に検討していきたいと思います。ただ、策定の時期については、先ほど申しましたように、既に検討作業をはじめておりますし、それが今年度いっぱいなのかどうかというのはまだ私もはっきり申し上げられませんが、できれば早い時期にまとめたいと思っております。
◆溝口副委員長 わかりました。ただ、この推進体制として、知事、環境部局ということで、県庁舎内が中心になってやっていくような形になっているんです。先ほど環境実践モデル都市については推進会議を開いて基準を決めていきたいということですが、私としては、県の強みということの中で考えていけば、ここに出ているんですけれども、産業、技術拠点の存在ということで、三菱重工とかSSK、長崎大学、長崎総合科学大学、東京大学との連携と、こういう形のものをつくっていくと思うのですが、第三者的な検討委員会というものも施策を実行していく中で戦略的に要るんじゃないかと思うんですけれども、その辺については環境部としては考えているんでしょうか。
◎徳永環境部長 少し整理をいたしますと、環境基本計画とか、地球温暖化対策の実行計画、これは県の責任においてつくっていきますので、県の中の関係部局長の会議でありますとか、そういった部局の中で整理をしていきたいと思っています。それから、委員がご指摘のように、プロジェクトが9つあるナガサキ・グリーンニューディールの話は、また別の推進会議を本庁内に持っております。これは先ほど未来環境推進課長が申し上げましたように、今の時点では、各関係部局長に入っていただいておりますが、資源、素材そのものは、確かに三菱、SSKとか、そういったところを我々は見ておりますので、必要に応じては、民間の方々に入っていただいて、そのプロジェクトを練る段階では、そういった参画をお願いしたいと考えています。
 以上でございます。
◆溝口副委員長 主要プロジェクト関係は、9つ挙げているんですけれども、それぞれ専門的なことなんですね。だから、私としては、せっかく強みとして挙がっている大学とか、SSK、三菱重工と、そういう専門的なところが入って、この9つの施策を実行していけるような検討、推進委員会というものも私は必要ではないかと。先ほど環境部長が言ったように、そういう形で入れていただいて、ぜひ民間の力を取り入れて実行に移せるようにしていただきたいと思います。その辺について、もう一度、環境部長からの強い決意のほどをお願いします。
◎徳永環境部長 おっしゃるとおりだと思います。これ自体をつくっていくときに、もともと民間をどうしようかという考えはございました。具体的な事業については、産業労働部で今年度の補正とかそういった事業で既に組み立てたものがございます。そこに今言いましたように、SSK、三菱とか、そういったところの現状の取組みあたりを踏まえたところで動いておりますので、これから具体的にやっていく上では、当然、そういった方々のご協力を必要とすると考えております。我々も、そういったところを聞きながら進めていきたいと思っています。
 以上でございます。

○陣内委員長 ほかにご質問はございませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 ほかにご質問がないようですので、これをもって環境部の審査を終了いたします。
 以上で環境部の審査を終了し、6月21日は午前10時よりまず交通局の審査を行います。その後、県民生活部の方に移ります。
 本日は、これをもって散会いたします。どうもご苦労さまでした。
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     −午後4時15分 散会−
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