平成22年 9月定例会 環境生活委員会 - 09月28日−02号
平成22年 9月定例会 環境生活委員会
1、開催年月日時刻及び場所
平成22年9月28日
自 午前10時2分
至 午後4時16分
於 本館5−A会議室
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2、出席委員の氏名
委員長(分科会長) 陣内八郎君
副委員長(副会長) 溝口芙美雄君
委員 松田正民君
〃 八江利春君
〃 三好徳明君
〃 野口健司君
〃 高比良末男君
〃 瀬川光之君
〃 金子三智郎君
〃 山口初實君
〃 西川克己君
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3、欠席委員の氏名
なし
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4、委員外出席議員の氏名
なし
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5、県側出席者の氏名
土木部長 桑原徹郎君
土木部次長 鶴田孝廣君
土木部次長 田中修一君
土木部参事監 加藤 永君
監理課長 木村伸次郎君
建設企画課長 宮崎東一君
新幹線事業対策室長 清水正明君
都市計画課長 西村博史君
道路建設課長 大我龍樹君
道路維持課長 田崎敏昭君
港湾課長 田村孝義君
河川課長
西田正道君
(参事監)
砂防課長 松永 守君
建築課長 安武 清君
住宅課長 大場光洋君
用地課長 大場 明君
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交通局長 永川重幸君
管理部長 古川敬三君
営業部長 濱洲 俊君
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県民生活部長 立石一弘君
県民安全課長 永友千恵子君
男女参画・
水畑順作君
県民協働課長
人権・同和対策課長 水町良雄君
交通安全対策課長 西田洋雄君
統計課長 友廣良満君
生活衛生課長 坂田祐輔君
食品安全・
平尾眞一君
消費生活課長
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6、審査の経過次のとおり
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−午前10時2分 開議−
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○陣内委員長 環境生活委員会を再開いたします。
昨日に引き続き、土木部関係の議案外所管事務一般に対する質問を続行したいと思います。
長崎県総合計画素案について、質問はありませんか。
まず、質問通告をしていた山口(初)委員、いかがですか。
◆山口[初]委員 おはようございます。
この総合計画というのは、土木部だけではなくて全体につながるものですから、特に土木部を指定して通告したのではございませんが、ご指名いただきましたので質問させていただきます。
総合計画の素案、まずこのタイトルですが、中身を見ますと、平成12年、10年前に長崎県長期総合計画として策定をされておりますが、今回の分は「長期」というのが抜けておりますね。
それと、これは10年ごとにつくり直すということになっておるようですが、その中間年には「ながさき夢・元気づくりプラン」というので長期総合計画を補っていたんだろうと思います。
その辺の全体の考え方について、まずお伺いをしておきたいと思います。
◎宮崎建設企画課長 従前の総合計画は10年ということでやられておりましたけど、最近の人口減少とかアジアの経済成長など、いろいろ本県を取り巻く社会・経済情勢が大きく変わっております。こういう時代の潮流を的確にとらえるように、およそ10年後の本県の姿をしっかりと見据えながら、平成23年度を初年とする5カ年ということで、今回、5カ年計画を示しております。
◆山口[初]委員 そういうことで総合計画が策定されておるんですが、具体的に政策9から10にかけて、土木部所管の部分が記載されて、計画がされてあるようでありますけれども、ざっと、この10年間の土木部としてのいわゆる総合計画の目玉といいますか、あるべき姿といいますか、目指すものといいますか、そういうところについてお示しをいただきたいと思います。
◎宮崎建設企画課長 概要をご説明いたします。まず、12ページ、13ページをご覧ください。
ここに基本理念3つ、政策が10個、それと46の施策が書いてあります。このうちに土木部の主要事業は、政策5の「次代を担う産業と働く場を生み育てる」から政策10の「地域づくりを支えるネットワークをつくる」までの6つの政策、その下に13の施策に20の関連する主要事業を計上しております。
その中で主なものをご説明いたします。
素案の94ページをお願いいたします。94ページの政策9と政策10が、土木部が特に力を入れているところです。
「政策9.安全・安心で快適な地域をつくる」ということで、95ページに「(1)災害に強く命を守るまちづくり」ということで上げております。
主要事業は、96ページの「C耐震化の推進」ということで、建築物や住宅の耐震化や港湾における耐震岸壁の整備ということを計上しております。
次の「D自然災害等に強い県土づくり」では、石木ダムをはじめとした洪水や高潮、土砂災害防止対策の推進、これを計上しております。
「E公共施設の適切な維持管理の推進」ということで、高齢化する公共施設を計画的に維持管理していくことなどを計上しております。
次に、104ページをお願いいたします。104ページで「政策10.地域づくりを支えるネットワークをつくる」ということで、105ページの「(1)高速・広域交通体系の確立」には、主要事業の「A高規格幹線道路・地域高規格道路の整備による高速交通ネットワークの構築」ということで、西九州自動車道や島原道路等をはじめとする高い規格の道路から、地域を支える国・県道の整備を計上しております。
106ページに、「B航空路の安定と利用促進」ということで、安全な運航のために県内空港の施設更新等を計上しております。「C地域を支える港湾物流環境の整備促進」ということで、港湾物流の効率化のためのふ頭整備等を計上しております。
この他にも建設業の再生、景観形成、クルーズ観光や東アジア地域との物流、県民との協働、都市公園の整備等いろいろ計上しております。おのおのの施策を推進、そして下支えしていくことが土木部の事業ということで計上しております。
以上、簡単ですけど、素案の土木部の主な取組についてご説明いたしました。
◆山口[初]委員 ただいまそれぞれの骨格になる部分についてお示しをいただいたんですが、質問の順序としてちぐはぐな部分もあるんですが、実は平成12年度に制定された長期総合計画における土木部所管の部分の、いわゆる政策評価といいますか、その実績についてどのようにとらえられているのか、その辺も含めてお尋ねをして、その後に、今後の課題についてまた少しお尋ねをしたいと思いますが、よろしくお願いします。
○陣内委員長 わかりますか。
暫時休憩します。
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−午前10時10分 休憩−
−午前10時11分 再開−
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○陣内委員長 委員会を再開します。
◎宮崎建設企画課長 現在の長期総合計画は、今年度が最終年度となりますので最終的な評価ではありませんが、平成21年度末時点での進捗について、まもなく公表を予定しています。
◆山口[初]委員 わかりました。いずれにしても、今、最終年度になっているわけですね。
そういうことで、今後10年間、この計画に基づいて県の施策をやっていくわけですが、恐らく10年前に策定されたものは、見たことはあまりないんですが、この10年間、相当の世の中の変化があっておりまして、政策課題そのものが大きく変化してきておるであろうと推定するんです。今後の10年間も恐らくいろいろ、ITを含めてまだ世の中はいろんな変革があると思います。そうなってくるとこの総合計画というのは、せっかくつくったわけですから、お題目といいますか絵に描いた餅にしないためにも、皆さん方が行政をしていく大きな指針になるところでありますから、的確に5年ごとなりに見直していくというふうな作業が必要になってくるんだろうと思います。
その辺について、将来見通しも含めてどう取り扱って、どういう目標を立てて、その政策評価をどうやっていくかというようなあらましの部分で、今後のことについて、土木部長、見解をお願いいたします。
◎桑原土木部長 もともと10年を5年にしたというのは、非常に社会の動きが早くなっているからということでございます。その上で、人口減少、そして高齢化、さらには情報社会の進展、また経済・社会情勢も、非常に財政も厳しくなっているという周辺情勢の中で、10年というのを5年にして、5年間をしっかり見据えながら取り組んでいこうということでこの計画を考えているところでございます。
また、この計画を策定しただけで終わりにせず、しっかりとフォローアップをしていこうと、毎年毎年しっかり議論をしようということで、115ページでございますが、最後のところに第6章として、計画の実現に向けた基本姿勢ということで4項目を記しております。「県民主役・地域主役の県政を進めます」、「限られた行政資源の中大胆かつきめ細やかに施策を推進します」、「県民の『総合力』を結集して取り組みます」、そして、最後でございますが「徹底した検証と見直しを行います」ということで、それぞれの施策の進捗を年度ごとに点検すると、こういった作業をしっかりと行う、また事業についてもゼロベースで見直す、そして社会経済情勢の変化についても柔軟に見直すということで、計画を推進するに当たっての見直しの手続、検証の手続をしっかり掲げることで、この計画の実現性を担保していきたいと、そういうふうに考えております。
◆山口[初]委員 そういうことで、それぞれ各部の部長さんたちが業務目標を掲げますね。それも当然これに基づいた形でやっていかれるんだと思いますが、その辺との整合性を図りながら、見直しも含めながら、粛々とやっていただければと思っておりますので、よろしくお願いします。
◆高比良[末]委員 それでは、具体的施策についてですね。60ページに、「D建設業の再生に向けた取組への支援」と、ここは土木の所掌ですかね。
建設業は、建設投資の減少、価格競争の激化、景気後退、非常に厳しい経営状況にあると、この辺はこのとおりだと思います。
今後の生きていく道は、県としては、経営革新とか新分野進出、やっぱりこの道しかないというような書き方なんですが、その分野での支援をしていくと、こういう方向性を出しています。ということは、現状では生きていく道は難しいから、経営革新をしなさい、新分野進出に取り組めと、こういうメッセージを建設業界に送っているような感じがしますが、そういう受け取りでいいんですか。
どういうふうにして建設業の再生の道を県として考えているのか。もう少しこうすれば先に灯りが見えるというような方向性のものなのか。これは大事なところなんですよ。建設業をどうしていこうとしているのか、ここに書いているだけではちょっとよくわかりませんので、考え方をちゃんと整理していただければと思います。
◎木村監理課長 60ページに記載がございます「D建設業の再生に向けた取組への支援」という形で、具体的項目を4つ挙げております。上から、情報提供、支援相談窓口の設置、支援セミナーの開催等、現在も実はやっておりまして、今後も引き続きやっていく必要があるというふうに考えております。
建設業の置かれた現状につきましては、委員ご指摘のとおり非常に厳しいものがございます。県内の建設投資額というのはピーク時に比べますと半減いたしておりますが、例えば建設業の許可を得た建設業者の方の数は8割程度まだ残っておりますので、小さくなっていくパイを多くの業者さんで分け合わなければいけない、そのパイがどんどん、どんどん減っているというような状況がございます。
結果といたしまして、例えば一つの建設業者が請け負う金額というのがかなり大きく減っている、当然それに伴って各会社の利益率というものも大きく減っているというような状況がございまして、これはここ数年ということではなくてかなり前からの傾向でございますので、構造的な問題なのかなという認識をいたしております。
このような経営革新なり新分野進出等々、これまでも私ども取り組んでまいったわけでございますが、なかなか、そういう危機的な状況を打開するには至っていない状況でございます。
この3つの項目の下に1つ、「有識者会議の提言に基づく建設産業に対する支援策の検討」という項目を入れておりますが、これは、9月2日に建設産業に関する研究会というのを新たに立ち上げまして、まさに委員ご指摘の分野のところを今、さまざまな有識者の方等に集まっていただいてご検討をいただいているところでございます。
確かに非常に難しい問題がございます。元請け・下請けの問題、技術の向上・継承の問題、従業員、若手の担い手の確保の問題、地域バランスの問題等々、本当に多様な問題、非常に複雑な問題、利害が対立するような問題も多く内在しているところでございまして、しかしそこを何とか解決していかないと、明日の長崎県の建設産業というものが存続できないのではないかというような認識でおります。そういう危機感を各委員にも共有していただいて、現在、議論を進めているところでございまして、9月に第1回の会議を開きまして、今後、年度末に向けてご議論をいただき、提言をいただくというふうな考えでおります。
以上でございます。
◆高比良[末]委員 あまりよくわかりませんでしたが、それだけに難しいんですよね。しかし、何かこう、とにかく項目を書いて置いておかなければいかんということで書いたような気がするんですよね。何か決め手になるようなものがないものですからね。
関連質問があるかもしれませんので、次の質問にいきます。
96ページに「アスベスト改修の推進」とありますが、今後、アスベスト対策はどういう方向にいくんでしょうか。1,000平米から、それより以下の取組もされておりますが、なかなかアスベスト対策が。これは改修だけ書いてありますが、アスベスト対策といったら環境部になるんですかね。だからアスベスト改修ということで。民間の1,000平米以下のところまで、国からいろいろ通達もきておりますが、それに本気で取り組むのかどうか。今、どうもその辺は県の場合は、大体、アスベスト対策は一応終わったというような感じがしてならんのです。しかし、まだアスベストを使った1,000平米以下の民間も含めたいろんな建物はかなりあるんですが、なかなか進んでいないですね。
この辺について、一応書いておりますが、どういう方向を目指しているのか、お聞かせください。
◎安武建築課長 委員ご存じのとおり、アスベスト改修につきましては、1,000平米以上を平成19年度から取り組み、3カ年でやってきて、一定の目途がつきました。まだ1,000平米以上でも取り残しはありますが、建築物の解体時期に差しかかってきているとか、そういうこともありますので、今年度から1,000平米未満に取り組むということで予算化して、今、一生懸命やっているところでございます。今後も、アスベストゼロを目指し取り組んでいきたいと思います。
ただ、相手が民間ですので、予算とか、そういうのがありますが、安全・安心という意味から重要なことだと考えておりますので、誠心誠意取り組んでまいりたいと思っております。
◆高比良[末]委員 次に、106ページに「C地域を支える港湾物流環境の整備促進」。
私も感じるんですが、水深が浅くて船が着けられない、そのためにいろいろ問題が生じているような気がしますが、県の方も水深が浅い、こういうところを指摘して今後整備をすると、いい方向だなというふうに思いますが、具体的にこの中で考えられている岸壁というのは、どの辺を想定しているんですか。
例えば、神の島もよかったけど、整備をする時に水深が浅くて、これはちょっと使い物にならんなというところで、企業の進出がならないケースもありましたよね。そういうところも入っているのか。これは具体的にどのあたりを想定していますか。
◎田村港湾課長 この項目については、県内の貨物を取り扱っている港で、岸壁が浅いとか使い勝手が悪いというようなところを対象にしておりまして、主な港としては、島原、肥前大島港、あるいは小長井港、厳原港等を想定といいますか、予定をしております。
◆高比良[末]委員 工業団地のあるところは、もう一応整備済みという観点ですか。例えば、先ほど言った神の島、あるいは小江とか、工業団地があるところの岸壁がありますね。その辺の整備というのは全く考えていないんですか。
◎田村港湾課長 長崎港につきましては、82ページの「E東アジア地域を結ぶ港湾物流環境の整備促進」ということで、ここで予定していますのは、小ヶ倉柳ふ頭の拡張とか改良計画でございます。主にコンテナ、あるいはバラ積み貨物等で、昨日も港湾特別会計のところで説明いたしましたが岸壁の改良中でございまして、そこを予定しております。
神の島については、工業団地がございますが、小ヶ倉柳ふ頭が女神大橋でつながりまして、そういう物流機能といいますか、工業団地等から発生する、あるいは入り込む物流等については小ヶ倉柳ふ頭を考えております。このふ頭についての改良を今後進めていきたいと思っております。
◆高比良[末]委員 長崎県はいろんな港があります、港を中心に栄えた長崎でありますので。
その割には、ある時期に港の整備を外がした時にせずに、一時期は観光に特化するというような考えがありましたけど、やっぱり整備をしなければですね。鶏が先か卵が先かになりますが、整備しておかないとやっぱり仕事も来ませんし、この辺は十分に港の整備の重要性を頭に入れて、今後、総合計画の中で、今言ったところのほかにないのか、十分に関係先との連携をとりながら、今後整備に取り組んでいただければと思いますので、よろしくお願いしておきます。終わります。
○陣内委員長 ほかにございませんか。
◆金子委員 せっかくの機会ですので、この総合計画の土木部所管の問題、若干ご質問させていただきたいと思っております。
さっきの監理課長の答弁の中で、許可業者が8割ぐらいになっていると、建設業の許可業者、登録じゃない、許可ですね。この認識はちょっとないんですけど、いつの数字に対して8割と言われたのかなと思って、まず確認したいと思います。
◎木村監理課長 監理課の方で建設業許可を出しておりますが、すみません、今、手元にデータを持ってきていないんですが、ピーク時に比べてということでございます。
◆金子委員 ピーク時ということになりますと、かなり昔のピーク時の意味でしょうかね。
もうこの数年、10年ちょっとぐらいだと、1社倒産すると4社ばかり増えてくるという現象が起きて、そんなに減っていないし、横ばいの数字、もしくは一次的にはかえって前年度よりもアップしたという数字が私の記憶の中ではあるんですけれども、違ったですかね。
◎木村監理課長 誠に申し訳ございません、失礼しました。
○陣内委員長 休憩します。
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−午前10時28分 休憩−
−午前10時29分 再開−
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○陣内委員長 委員会を再開します。
◎木村監理課長 建設業者数は、平成16年ピーク時が6,309社でございまして、現在はそのピーク時の88%でございます。
◆金子委員 ありがとうございます。88%ですね。
基本的によく言われているのが、許可業者の問題ではなくて、経営審査を受けている件数その他というふうな形からいけば、逆に増えているという状況もあるんじゃないかという感じがします。
景気が悪くなって、中規模の会社等々が例えば倒産したとすれば、そこの下請けをされていた会社が許可をとって、それが指名願いを出してくるというふうな状況が続いて、これが今の建設現場というか建設業の請負の入札に対する状況が一番如実に出ているんじゃないかなというのがあります。
それを受けて60ページで、建設業の再生に向けたという形でされています。その中では、ある程度のことで価格競争があります。景気後退があります。厳しい状況が続いています。そういうふうな中で1つ気になるのが、「新分野進出などの取組に対して引き続き支援します」という形で書いてあります。確かに一時、3年ぐらい前かな、かなり新分野ということで研修会、セミナーあたりが開かれたと記憶しているんですけれども、まだやるんでしょうか。これははっきり言って失敗したと私は思っていたんですけれども。
こういうふうな新分野にどんどん、どんどん、新分野をすることによって建設業を減らそうという形での動きでこう書いているのか、ちょっとそこをお願いしたいと思います。
◎田中土木部次長 建設産業は、本県の主要な産業だろうというふうに考えております。この建設産業をしっかりすることが、県民の安全・安心を守るということでは非常に大事なことだというとで、現在、有識者の会議も開催いたしまして、今後のあり方について検討いただいているところでございます。
新分野のところでございます。現状から考えてみますと、建設事業費といいますか、建設投資のパイそのものが縮小しております。これが従前のように右肩上がりという状況ではなくて、右肩下がりはあっても、せいぜい頑張って維持ができるかどうかという中でパイそのものが縮少してきている。そこの中で、先ほど委員ご指摘のように、1社倒産しますと、その後に雨後の竹の子のようにまた新たな建設業者さんが生まれてくるというふうな状況で果たしていいのかということについては、県民の就業者の就業形態そのものを考えていった時に建設産業で受入れをずっと考えていくと、これはなかなか難しいだろうと。
そうしますと、今言われておりますのが、1つの例として考える必要があるのかなと考えておりますのが、今、農林部にもお話をしていますが林建、林業と建設業の連携。例えば里山とか山の手入れがなかなか行き届かないと、環境問題も含めて山の手入れをしっかりやっていこうじゃないかと、これは施策としてしっかり国もやっていこうじゃないかと。そういう中で、建設業の方が林業の中の路網を整備して作業路を整備する。作業路を整備することについては建設業者の方は非常にノウハウがございます。一方、木を切るとかということについてはまだノウハウを持たないということでございますので、そういうことで連携をすることで、今持っているノウハウの脇を広げていただくことでいろんな分野に出ていくと。180度全く違う業種に出ていく新分野進出もあろうかと思いますが、少しウイングを広げることで新たな分野に進出していき、そしてそこにまた地域の雇用を確保していくということも一つの工夫じゃないかと考えております。
今後、さらにまた環境問題等も重要視されてくる。そうすると、環境産業の中に建設業がどういうふうに関わっていけるのかということも、一つの建設業の今後の将来の活躍の場にも繋がっていくんじゃないか。そういうことも含めて、幅広い意味での新分野進出を考えていかないと、結果として県民の安全・安心を守る技術と経営に優れた建設業が残っていかないんじゃないかというふうに懸念をしておりますので、しっかりとその点は有識者会議におけますご意見等も踏まえながら取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
◆金子委員 確かに新分野進出というのも、今の業者数と建設業の仕事数からいきますと、当然そういうふうに。今、民間、公共含めて仕事数が今の建設業者数に見合わないという現状はあると思うんです。そういうふうな形で新分野と。
前回も確かそういうふうな形で、従業員さんを一定抱えていると、その中の若干でも余剰が出た分は、きちっと何か他の産業等々、新分野に進出しましょうという形でいきましたけれども、基本として業者さん自身が考えていたのが、アルバイト感覚と、新しい分野を。
そういう状況で考えたら、また同じ失敗をすると。今度の場合には、もう建設業をあなたは辞めなさいと、そしてこっちの方にいきなさいと。もし本気でやるんだったらそういうふうな形で、新しい産業の創造といいますか、先ほど言われました林業とのタイアップといいながら、建設業のノウハウは活かしながらも新しい道でやるというふうな方向性でも示さないと、またアルバイト感覚で、駄目だったらいいやと、あれすればいいじゃないというふうな安易な考えでいきかねないというのがやっぱり根底にあるんじゃないかと思うんですよ。
そこ辺りを、新分野でも作ってやっていくんだというふうな形の提案までこれは伸びていくのかどうか、そこを教えていただけませんか。
◎田中土木部次長 有識者会議の中のご意見を一部披露させていただきますと、建設産業に従事されている方、建設業の方自らも、そういう危機感を持って自ら取り組むべきじゃないかというご意見も一部にございました。
私どもとしましては、建設産業の今後のあり方をしっかり見据えていきながら、お手伝いできるところはどういうことなのか。建設産業の方自らが工夫をされる、そこに対して我々はどういう支援が必要なのかということと合わせていかないと、手法とか、そういうことを提供しお金も提供しということではなかなかいかないんだろうと。委員ご指摘のとおりアルバイト感覚でいくというふうなことでは、構造転換が進んでいかないんじゃないかというふうに考えておりますので、そこは行政としても支援できるところは非常に限定的でございますので、そういうことも踏まえながら、しっかり議論をしていきながら、今後のあり方を見定め、またご提案申し上げていきたいと考えております。
◆金子委員 先ほどから有識者会議という言葉がずっと出てまいっております。これは今回1回開催されたと聞いておりますけれども、そのメンバーがちょっと、学者さんばかり寄って、現場の人は建設協会の会長とあと1人ぐらい、2〜3人しかいなかったような気がするんです。学者さんが駄目だという言い方はもちろんしませんけど、それで本当に今の現場で働いている皆さん方、現場を支えている皆さん方の声が反映されたような有識者会議になり得るのかどうか。まず根本ですね、それはね。
それと、開きました、そこで提案されました、だからこういうふうな形で進むんですよというお墨つきをもらうためのこういうふうな有識者会議であってはちょっと困るんです。どういうふうな突っ込み方、どこまで現場の声を吸収できるかという形でこれを開かれているのか、内容等々も一部含んで教えていただければと思うんですけれども。
◎木村監理課長 まず、構成メンバーのお話でございます。メンバーにつきましては10名の委員で構成されまして、建設産業に関係のある専門家の方はもちろん、地域行政、まちづくり、経済、労働、行政、環境分野など幅広い分野でそれぞれご活躍の方に参加をしていただいております。
逆にいえば、建設業関係だけでメンバーを固めてしまうと、議論の幅と申しますか、本当に今後5年、10年先を見据えた建設産業のあり方というものの議論になるのかなと。そういう意味では、できるだけ幅広く、現にそこの建設産業に従事しているとか、関係しているという方のみを集めるのではなくて、できるだけ幅広い方に入っていただきたいということでメンバーを選定いたしました。
要は、現場の声をどのようにそこの中で議論していくのかという話でございますが、当然建設業界の会長さんだけではなくて、例えば建設産業の専門団体の九州連合会の会長さんにもご参画いただいております。我々も当然事務局といたしまして、そこら辺りの現場の情報等についてはしっかりと提供させていただきながら議論を進めていきたいと考えております。
◆金子委員 これ、よかったら議事録なり何なり、まとめたものをいただけませんでしょうか。せっかくだったら、どういうふうな観点からね。
広くと言われましたが、確かに広い意見というのは大事だと思うんですが、どういうふうな論点で話をされているのか、私も勉強させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
◆八江委員 時間があまりないですから、この総合計画、全体の計画でしょうから、個々にわたっては質問をしにくいわけですけど、ただ、一つ考えるのは、長崎県の予算が7,300億円余りだったと思います、今の時点ではですね。土木部の予算が800億円か900億円未満だったかと思いますけど、補正その他も加えていくと増えるのかと思いますが、そういうことから考えた時に、7,000億円余りの予算の中で1割以上を土木部が持っていると。それをどのように長崎県の発展に寄与できるかというものが一つは考えられるんじゃないか、金額とかバランス的に考えた時にですね。
しかも、ハード的なものが皆さん方に要求されておるわけですから、そんなものを考えると、皆さん方の役割というのは、長崎県の発展ということには大きな意味があると。道路網の整備についても、もう一つは景観等についても、やっていくのは皆さん方。そしてそれが、観光立県といわれる長崎県に寄与する役割、これから国体を迎えるスポーツへの役割、都市計画を含めてそういったものがあると思いますけど、そういったものを考えて十分活かされるのかなということをいろいろ見ていますけど、詳細がわからないわけです、ちょっと見ただけでは。項目が細かくは書いていないから。
そういう観点に立ってやっていくためには、まず長崎県が観光立県だということ、それにはどうすれば自分たちが寄与できるのかという、それがひいては長崎県の発展に大きく寄与できると、経済効果をもたらすというようなこと。それからもう一つは、人口減少がどんどん、どんどん進む中で、どうすれば人口減少に歯止めできるかという問題。
こういったものと組み合わせながら、いろんなことをやってもらっていると思いますけど、私は、市街化調整区域の問題などもここにはいろんな問題が出てくると思います。まちをどのように作っていくかというのも土木の大きな役割だろうと思いますから、そういったものがあまり活字でも出てきていない、見えにくい部分があります。そういったものをもっともっと出すべきではないかと思うし。
美しい県土づくりという項目はあります。ありますけど、こういったものをどうすればいいか。先ほどの観光の問題とかと含めると、そういったものへの配慮といいますか、取組というか、そういうふうなものが若干不足しているかなという、土木部の出番の活字がやや小さ過ぎるんじゃないかという思いがあるんですけど、その点いかがでしょうか。
◎西村都市計画課長 今、委員のご指摘の中に、例えば市街化調整区域の問題というのが、これは都市計画区域を開発、建築ができる市街化区域と開発を抑制する調整区域に区分するという制度、いわゆる線引きの制度のことを指しておっしゃったと思います。
いわゆるコンパクトシティづくりというのに平成18年ぐらいから県も取り組んでおるところです。人口が減少し、高齢化が進んでいく中で、従来は人口が増えていく、産業が拡大していくということを前提に、市街地自体も拡大していくということで進めておりましたけれども、近年になりまして人口も減少し、高齢化が進むという時に、果たして車の利用を前提とした市街地の拡大というのが本当に正しいことかと全国的にも言われるようになりまして、今、コンパクトシティをつくるというのは全国的な流れになっておりますので、一都市計画の考え方というだけではなくて、今後の日本の国土形成の方向性はコンパクトシティづくりを目指すべきだというふうに今、言われていると認識しております。
おっしゃいました調整区域の問題、これもそれぞれの市町村において、将来の市街地をどうするかという計画の中で市街地をどう捉えていくか、まちの規模をどう捉えていくかということの中で出てくる話だと思います。線引きとか、あるいはほかにも地区計画とか開発許可、いろんな制度がありますけれども、これはすべてまちづくりの道具でありますので、将来のそれぞれのまち、規模をどう考えるかということの中で、そういう道具をうまく使って進めていくべき問題だと思いますので、道具そのものをどうしようということではなくて、将来のそれぞれのまちをどういうふうに考えていくかということが一番優先されるべきだと思っております。
以上でございます。
◎桑原土木部長 土地利用のご指摘でございますが、これについては施策としましては政策8の「地域発の地域づくり」を進めるということで、それぞれの地域をどういうふうに取り組んでいくかという項目の中で議論されるべきものではなかろうかなと思いますが、より具体的に地域、県土の土地利用はどうあるべきかということについて、もう少し委員ご指摘の観点が盛り込めないか、検討したいと思います。
それから、観光等景観づくりにつきましては、72ページに「長崎らしい景観形成の推進」ということで、地域の景観を形成する「まちなみ」、「建造物」、「文化的景観」等の登録制度等々含めて記されておりますが、こういった景観形成を推進するとともに、観光の推進といった観点でも土木部として担える部分をしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
◆八江委員 総体的なことですから、具体的にあれをこれをということではないんですけど、土木部の施策の中で県勢を引っ張っていく要因が土木にあるんじゃないかと。見えないと県民も見えない。人づくりとか何とかというのはまた別の話だけど、そういった意味からすれば重要な役割を果たしている部分だと思うからですね。何を求められているかというのは、いろんな形でわかっておられると思いますので、今、私は私の観点で申し上げました。観光立県である長崎県は、どのようにすれば、作り上げていけば人が集まって来やすいのかということ、そしてまた、土木行政でいえば道路網の整備、幹線道路を含めてですね、昨日もいろいろお願いしたけど、そういったものを産業道路も含めて考えていくことによって大きな展開ができるんじゃないかと思いますので、そういった面を中心に、より強力に、土木部は自信を持って、ハード事業は任せろというつもりでやってもらいたいという思いで申し上げたところです。
何か感想があれば。次長が何か言いたいということです。(笑声)
◎田中土木部次長 八江委員の方から、土木部に対して激励をいただきましたし、これを全うする土木部の責務も非常に重たいというふうに考えております。この次期総合計画の中に、ご意見ございました本県の産業振興も含めました観光立県、並びに人口減少の歯止めに対して本県の産業振興、また地域をいかに活性化していくかというふうなことを、しっかりと盛り込めるよう努力してまいりたいと考えております。
◆松田委員 建設産業の再生ということについてでありますが、大変大事な分野だと思います。4項目挙がっておりますが、先ほどの質疑の答弁を承っておる上においては、グローバルというか、大まかな大筋だけの。総合計画ですから、これから具体化していくことになると思いますが。
建設産業、本当に厳しい今の実情を迎えているわけです。登録業者等についても先ほどお答えをいただきました。一番のピーク時で6,300社余りですか。知事登録、大臣登録、こういう一切がっさいの登録業者を含めての6,300社前後だというふうに私は受け止めておりますが、今現在は、80数%という数字を引き合いに出した時に5,500社余りということでありますね。
そういたしますと、5,500社前後の登録業者に対する事業高というのがどうなのかということを分析した時に、公共事業、今年度の予算が870億円余りですか。しかし、一番ピーク時の公共事業の発注が、たしか雲仙・普賢岳の大きな事業が伴った時、それこそ経済投資効果ということで1,600億円余りの発注事業量だったというふうに私は推察をいたしておるわけであります。そういたしますと、事業高としては半分から半分以下に推移をしてきておる。
しかし、一方では登録業者がそう大きな目減りになっていないということを考えた時に、それぞれの業者の皆さん方のご意見を聞くと、もうほとんどの業者が、事業の受注高が今までの半分になりましたという嘆きの声を、悲痛の声を、叫びともいえるようなそういう話を聞くわけです。
そこで、建設産業の再生に向けて、次長から、環境産業であるとか、あるいは現実的には農業、林業に携わるアルバイト的な発想ではちょっと困りますよというような意見もありましたけれども、そういう具体的なビジョンというものをこれから5年間の総合計画の中で打ち出していくためには、つかみ的な動きではなくて具体的な計画というものを、実務的な計画というものを、建設業者に安心させられるような情報発信というものを強く求めたいと思うんです。
本当に建設業者は不安な中に毎日を送っておるような感じ、叫びともとれるような動きを私なりに客観的に掴みとることができるわけで、その模様、状況というものをどういうところまで部長が見解をお持ちであるのか。あるいは技術的に、あるいは事務的に次長のレベルでどういうふうなご判断をお持ちであるのか。そういったことを総合的にご意見を伺いたい。
私は、総合計画はグローバル的な話になるわけでありますが、技術的に、事務的にも詰めていただきながら、そして建設業の育成というもの、将来に対する展開というものを具体化していただきたいと、これについては要望をしたいわけであります。
いずれにいたしましても、私は、今のような考え方、ベースでいくならば、近い将来、それこそもう荒波というか、大きな怒濤のごとく業者が潰れると思いますよ。今は業者が倒産するケースも少ないですけれども、本当に腐心をしたような状態で取り組んでおられる建設業者であります。だけど、もう潰れかかってからでは本当に遅いですよ。ですから今のうちに政策的な、技術的に、事務的にも具体的なアクションというか、そういうビジョンというか、具体性の中で取り組んでいただきたいというふうに、強くこのことについては要望をさせていただきたいと思います。部長なり、両次長に、これからの建設産業に向けた4つの展開ということが挙がっておりますけれども、大まかな動きでありますので、どういう視点の中でこれからのお考えをお持ちであるのか、合わせてお伺いをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
◎桑原土木部長 長崎県にとって建設産業は非常に重要な産業でございます。地域をつくり、そして守る、そしてまた県内の雇用を創出していくという観点で非常に重要な産業だと考えております。
しかしながら、まず需要面で考えますと、公共投資がピーク時の4割強ぐらいでございますし、また民需も含めて、これからの社会情勢としまして建設投資額が飛躍的に回復するというようなことは見込めない状況と考えております。
需要面では非常に厳しい状況の中で、供給側の建設業者、そしてまた建設産業に従事する方々がどういう形で産業として、また長崎県民の生活という観点で暮らしていけるか、そういったことをしっかりと考えなければいけないと。そうしますと、一建設産業だけに止まらず、産業施策全般、長崎県の就業構造、そういったもの全般についての議論もこれまた必要かなというふうに考えております。
建設産業の再生がまさに、政策分野で申し上げますと「産業が輝く長崎県」の中で、一次産業、二次産業、三次産業全体の中の位置づけで取り扱われているのはまさにそういった意味でございますので、こういった位置づけの中で長崎県の建設産業というのがどうあるべきか、それぞれの地域で建設産業というのは不可欠ではございますが、一方でそういった現状がある中でどういうふうに取り組んでいったらいいのか。
繰り返しになりますが、先ほどから申し上げている建設産業に関する研究会を立ち上げております。そういった中で中期的な考え方をしっかりと整理し、また、整理するに当たってはいろいろな方々のご意見をお聞きしながら整理をして、その整理の結果をもとに産業政策に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
◆松田委員 いずれにいたしましても、建設事業、公共事業の予算というものが半分になっていることは事実でしょう。そういう現実を踏まえた時に、この4つのテーマ、産業の再生に向けての取組への支援ということで、この4つの項目については的を得た考え方であるというふうに思いますので、どうぞこれからこれを具体化して、情報発信というものも必要になってくると思いますので、どうぞこれから建設業が安心した見通しの立つような、そういう行動を伴って実行に移していただくことを強くお願いをしておきたいと思います。
○陣内委員長 約束の時間がもうまいりましたので、ここらで閉じたいと思うんですが。(発言する者あり)
◆西川委員 104ページからの政策10につきましては大変すばらしい文章が書かれており、106ページの西九州自動車道から東彼杵道路までは大変路線も明確にされております。
最後の「国県道の整備促進」につきましては、道路建設課、道路維持課の予算が各路線に今後どのように割り振りされていくものでしょうか。1年1年、整備工事をしながら、さらにはまた要望が増えているんじゃないかと思いますし、あそこが便利になればここもと、次から次に県民の要望が増えております。そのような中で予算の措置がどのような見込みがあるのか。
離島航路とかもいいですか。109ページの「(3)離島・半島等のくらしを支える地域交通や情報通信の確保」の中で、(発言する者あり)港湾整備などがその中にかかってくるわけですが、例えば小離島の桟橋、岸壁付近のトイレの整備などについては、担当が違うのか、また担当であったらどのように考えておられるのか。トイレのないところもあると思います。
◎大我道路建設課長 国・県道の整備促進についてのご質問でございますけれども、これにつきましては、本県はまだまだ整備が遅れている箇所があります。整備の要望も非常にたくさんあるところでございますので、今後とも引き続き計画的に道路整備は続けてまいりたいと思っております。
◎田村港湾課長 トイレ等の整備についてでございますけれども、県では港湾の基本施設の整備を担当しておりまして、待合室のトイレ等については基本的に市町の方にお願いをしているところでございます。
ただ、緑地等があれば、そこにトイレ等の整備もできますので、市町ともよく相談しながら対応していきたいと思っております。
○陣内委員長 時間も経過しましたので、あとお一方ですね。
◆野口委員 1点だけですけど、JRの在来線にまつわるいろんな施策を、どこかにワン・フレーズ入れてほしいんですよ。やっぱり土木部が書かないと、ほかの部も課も書かない、JRの在来線の問題は。「周辺整備」という書き方にはなっているんだけれども、あとは新幹線を起点にしたいわゆる二次交通網という話も載っているんだけれども、JR在来線、これを何とか書けないか検討してほしいんですよ。
もうご案内のとおり港湾も道路も都市計画道路も、それぞればんばん、ばんばん進んでいるんだけれども、JR在来線だけは10年前とほとんど変わらない。10年前どころか20年前と変わらない。いや、30年前とほとんど変わらないよね、僕らが小さい頃とあまり変わらないです。
それをどうもっていくかという話と、あとは一括交付金を、今までやれなかった部分を一括交付金という制度をもとにしながらどう新しく発想していくかということだと思うんですよね。
今後の総合計画を見た時に、その新しい取組なり広がりというもの、一括交付金という制度のもとでの広がりというものはあまり感じないと。離島の基幹航路の運賃低廉化だけは明確でよくわかるんだけれども。
そういうもろもろと組み合わせて、JRの在来線を一体今後県としてどうすればいいのか。その時にJR九州の考え方もあるだろうし、国の考え方もあるだろうけれども、何とかワン・フレーズ、JRの在来線の例えば新駅の設置なり、バリアフリー化なり、そういったものを踏まえて一言書いて欲しいんだけれども、いかがですか。
◎宮崎建設企画課長 JRの在来線については、土木部所管ではないんです。JRの在来線のことをいろいろ考えるところは、新幹線総合交通対策課だろうと思いますので、そことちょっと調整したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
◆野口委員 もちろんそうなんです。そういうこともあって、これまでほとんど手つかずの状態になってきたわけです。事業予算を持たないから、どこかで事業予算をお願いしなきゃいかんということになるから、基本的にはやっぱり発想できるのは一括交付金を持っている土木部だというふうに私は考えているわけです。
今の答弁で了としますので、ちょっと向こうの方と話をしていただいて、どこかでJRの在来線の整備ということについて、いわゆる長期的な視野の中でワン・フレーズ、この総合計画に盛り込めないかという議論をぜひやっていただきたいんです。どうですか、いいですか。(発言する者あり)
○陣内委員長 休憩します。
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−午前11時5分 休憩−
−午前11時6分 再開−
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○陣内委員長 委員会を再開します。
◎田中土木部次長 委員ご指摘の趣旨も踏まえまして、関係部局並びに市町とそこの点は十分打ち合わせをして、この中身にいかに盛り込むかということが必要かなというふうに考えております。そういう場を今後設置するように、関係部局と調整してまいりたいと考えております。
○陣内委員長 約束の時間が超過いたしましたけれども、副委員長が、どうしてもこれだけはお聞きしたいということなので。
◆溝口副委員長 先ほど建設業の再生関係があったんですけれども、土木部としては、「安全・安心で快適な地域をつくる」と「地域づくりを支えるネットワークをつくる」、主にここを中心としてやっていきたいということですけど、産業というのは競争をしていかなければいけないという部分があるんですけれども。
自然災害等に強い国土づくりというのがあるんですけれども、道路関係ばかりで、災害があった時の土木部としてのネットワークづくりというものがないんじゃないかなという感じがするんですよね。
建設業は、土建関係とあわせて災害時の対応のためにそれぞれの地域にやはり県として育てておく必要があると思うんです、つぶしていくばかりではなく。随意契約などあると思うんですけれども、その中で例えば1,000人単位でここに建設業を置いておかないといけないという部分とか、そういうものを何か理念的に土木部として持って、建設業をそれぞれの地域の場に育てていただきたいと思うんです。
今、県庁舎も耐震化の問題で建て替えようとしているんですけど、もし地震があった場合に、遠くから土建の関係の人たちを運ぼうとしてもできないと思うんです。だからそういう意味では、土木部の中で災害時のネットワークというものをつくって、そこの地域、地域に建設業を育てておくということも必要じゃないかと思うんですけれども、その辺についてどのように考えていますでしょうか。
◎田中土木部次長 全く委員ご指摘のとおりだと考えております。建設業界とはこれまでに、各支部と各振興局単位でもって防災協定等を結びまして、具体的にはそれに伴いまして防災訓練等も行っていただいております。
先般は、口蹄疫が発生した時点では、県北の佐世保支部を中心に具体的な埋却の実施訓練も行われたというふうなことで、地域の建設業が県民の安全・安心に果たす役割は非常に大きいというふうに考えておりますので、そういう意味も含めてしっかり盛り込ませていただきたいと考えております。
◆溝口副委員長 そこら辺が、この総合計画の中のどこを見ればいいのかちょっとわからなかったもので尋ねたんですけれども。
もう一つは、安全の中では急傾斜が抜けているんですよね。急傾斜は随時やっていくから、5カ年計画の中にわざわざ入れなくてもいいということになっているのかどうか、そこについても尋ねておきたいと思います。それを載せる、載せないはまた別ですけれども、やはり急傾斜地も大事ではないかと思っていますので。
◎松永砂防課長 急傾斜という言葉はございませんが、96ページの「D自然災害等に強い県土づくり」の上から2番目の項目「土砂災害防止対策の推進」ということで、土石流、地滑り、急傾斜を含めた形で表現しております。
○陣内委員長 まだまだご質問はあろうかと思いますけれども、お約束の時間をもう経過しておりますので、また機会を設けられればと思っていますが、今日のところは、土木部の関係の審査を終了させていただきたいと思います。
しばらく休憩をしたいと思います。
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−午前11時11分 休憩−
−午前11時20分 再開−
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○陣内委員長 委員会及び分科会を再開いたします。
これより、交通局関係の審査を行います。交通局におきましては、今回、予算議案がなく、認定議案のみとのことですので、分科会審査は行わず、早速、委員会審査を行います。
認定議案を議題といたします。
交通局長より、総括説明をお願いいたします。
◎永川交通局長 交通局関係の議案についてご説明いたします。
今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、認定第2号「平成21年度長崎県交通事業会計決算の認定について」であります。
交通局においては、今後の経営見通しにおける収支不足を補うため、平成20年度から24年度までを期間とする中期経営計画を策定し、県央地区子会社化などの経営健全化策に取り組んでおります。平成21年度においては、景気低迷の影響に加え、高速道路料金上限1,000円化等の影響も相まって、運輸収入が厳しい状況になることが当該年度の早い時期から見込まれたことから、利用実態に即した高速バス路線の見直しや職員一人当たり貸切バス2台受注に向けた取組等の追加収支改善策を実施するなど、収支均衡に向け、最大限の努力を行ったところであります。この結果、平成21年度の決算においては、軽油価格が一時期と比べて大きく低下したこともあり、6,414万6,126円の純利益を計上することができました。
収益的収入及び支出の決算額は税込みで、事業収益53億5,687万5,510円(対前年度比4.9%減)、事業費用52億7,459万4,933円(対前年度比7.0%減)、資本的収入及び支出の決算額は税込みで、資本的収入5億216万5,615円(対前年度比 32.6%増)、資本的支出11億8,249万4,249円(対前年度比2.1%増)で、資本的収入が資本的支出に不足する額6億8,032万8,634円は、当年度消費税及び地方消費税資本的収支調整額1,647万8,876円、過年度分損益勘定留保資金 5億3,710万7,443円、及び当年度分損益勘定留保資金1億2,674万2,315円で補てんいたしております。
次に、平成21年度の主な事業内容についてご説明いたします。
乗合部門では、住民の足の確保のため、諫早営業所及び大村営業所管内のバス運行を、新たに設立した子会社である長崎県央バス株式会社に委託したほか、長崎市東部のオナーズヒル団地から長崎市中心部間の増便など利用者の利便性向上及び効率的なダイヤ編成に努めました。
高速部門では、乗客数が大きく減少傾向にあった北九州線を減便とする一方で、需要が見込まれる鹿児島線を新たに平成21年11月から運行いたしました。
また、貸切部門では、職員受注体制の強化に努めるとともに、オフシーズン対策として、雲仙小浜温泉特急などのツアーバスを運行しました。
平成21年度末における免許路線は1,912.13キロメートル、保有車両数は387両となっております。
年間の業務量は、延べ使用車両数10万9,990両(一日平均301両)、延べ走行距離1,824万6,429キロメートル(一日平均4万9,990キロメートル)、延べ輸送人員1,525万8,893人(一日平均4万1,805人)で、前年度に比べ、延べ使用車両数は4.1%減、延べ走行距離は3.5%減、延べ輸送人員は6.3%減となっております。
以上が平成21年度決算の概要でありますが、この決算に対しまして、既にご審査いただいた監査委員から『当年度は、燃油価格が前年度に比べ大きく低下したものの、長期的には乗合バスの乗客は減少しており、さらに景気低迷や高速道路通行料の休日特別割引等の影響もあって、引き続き厳しい経営環境にある。今後とも公営交通として地域の生活路線の確保に努めるとともに、運営に当たっては、中期経営計画(平成20年度〜平成24年度)に基づく経営健全化策を着実に実施し、経営基盤強化に努めるべきである』というご意見をいただいております。
私ども交通局の職員一同、この審査意見を真摯に受け止めるとともに、一段と厳しい経営環境の中、「中期経営計画」に基づく経営健全化策を着実に実施するとともに、今後とも「地域住民の足の確保」「経営基盤の強化」を基本に最善の努力を傾注していく所存であります。
次に、主な所管事項についてご説明いたします。
(ハウステンボス線の運行について)
10月2日から、土日祝日限定で、長崎市内とハウステンボス間を結ぶ直行バスを運行することといたしました。
当該バス路線は、西肥バスが本年3月末に撤退して以降、定期運行便がない状態にあります。私ども県営バスも、採算上の理由から平成17年3月末で撤退いたしましたが、この度、土日祝日限定の運行とすることにより、採算性が確保できる見込みがあると判断し、運行を再開するものです。
運行内容につきましては、運行日を土日祝日とお盆、年末年始のみとし、便数は、1日2往復、運行経路は、長崎市内から、ながさき出島道路、長崎自動車道(長崎IC〜東そのぎIC)、一般国道205号を経由して、ハウステンボス及びウインズ佐世保前までで、所要時間は約1時間15分、運賃は大人片道 1,350円といたしております。
経営再建に向けて大きく動き出しているハウステンボスへのアクセス向上に寄与するものと期待いたしております。
(高速熊本線の期間限定の運賃割引等について)
長崎〜熊本線につきましては、現在、九州産交バスと共同で「りんどう」号を運行しておりますが、10月1日から11日までの11日間、期間限定の運賃割引を実施することといたしました。
通常の大人片道運賃3,600円を、約3割引の2,500円とするもので、秋の大祭「長崎くんち」や大河ドラマ「龍馬伝」効果による長崎への誘客と、九州新幹線鹿児島ルート全線開通を見据えて発売される熊本城など熊本市内22箇所の共通入場券「満遊くまもとパスポート」の発売日に合わせ、秋の観光シーズンに長崎〜熊本間の交通手段として、高速バスのPR効果を狙ったものであります。
また、この他、熊本市西部方面からのアクセス向上等を図るため、10月1日から、熊本側出発地を、現在の「熊本駅前」から「西部車庫」に延伸するとともに、これまで降車のみとしていた熊本市内繁華街に位置する「通町筋」バス停において、乗車の取扱いも行うことといたしました。今後とも、利用者の動向を的確に捉えながら、高速バスの増収策に努めてまいります。
(高速シャトルバスの運行経路変更等について)
4月1日から運行しております「高速シャトルバス」につきましては、お客様から大変ご好評をいただいており、特に、長崎〜大村線については、目標を大幅に上回るなど利用者数も順調に伸びているところでありますが、更なる利便性の向上を図るため、アンケート調査の結果等を踏まえ、10月1日から、長崎市内の運行経路を一部変更することとしております。
現在、ながさき出島道路から中央橋に向かう際、長崎新地前を経由しておりますが、朝夕の渋滞により到着時間が遅れる場合があることから、渋滞回避と定時性の確保のため、運行経路を変更し、県庁裏門前を経由して、中央橋に向かうよう改めることといたしました。
また、同日付けで、運行ダイヤを一部変更することとしており、今後とも、お客様からのご意見を十分踏まえながら、運行内容の更なる改善、PRの強化等に努めてまいります。
(小集団活動の取り組みについて)
これまで以上に、利用者の安全・安心とサービスの向上を図るため、本年7月から新たに小集団活動の取り組みを開始いたしました。
これは、小集団での活動を通じ、現場の職員自らが、課題解決に向けて、主体的に考え実行することにより、職員の一層の意識向上を図ろうとするものであり、まずは、「事故防止」をテーマに「輸送品質の向上」を目指すこととしております。
現在、一部の営業所において、先行的に取り組みを進めておりますが、来年度以降、全営業所に拡大することとしており、今後とも、県民サービスの更なる向上に努めてまいります。
(資金不足比率について)
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づき、交通事業会計における資金不足比率の算定を行いましたのでご説明いたします。
平成19年6月に制定された「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」は、財政の悪化を早い段階で把握し、速やかに健全化に向けた取組を行うための制度等を定めたものであります。
公営企業会計においては、一般会計の実質赤字額に相当する資金の不足額が事業の規模に対してどの程度かを示す資金不足比率を算定し、監査委員の審査に付した後、議会に報告することになっており、これが20%以上となった場合は、経営健全化計画を定める必要が生じます。
今回、平成21年度決算に基づく資金不足比率を算定したところ、交通事業会計において、資金の不足額は生じておりません。
今後とも、経営状況の把握・分析を十分に行った上で、経営の健全化に努めてまいります。
以上をもちまして、交通局関係の説明を終わります。
よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
○陣内委員長 ありがとうございました。
次に、管理部長から補足説明の申し出があっておりますので、これを許可します。
◎古川管理部長 平成21年度の長崎県交通事業会計決算につきまして、補足して説明をさせていただきます。恐れ入りますが、お手元にお配りをしております平成21年度長崎県交通事業会計決算と書かれた横に長い資料でございますが、こちらの資料に沿ってご説明をさせていただきます。
資料の1ページをご覧ください。前年度との比較でございます。
平成21年度の事業収益(A)欄は53億5,687万6,000円、資料中段の事業費用(B)欄は52億7,459万4,000円でございまして、その結果、消費税込み収支、(A)−(B)欄は8,228万2,000円の黒字、消費税を除いた当年度純損益は6,414万6,000円の黒字となっております。
先ほど局長からご説明いたしましたが、平成21年度は、景気低迷等の影響により厳しい収入状況となったものの、長期経営計画に基づく経営健全化策や追加収支改善策の取組のほか軽油価格の低下もございまして、黒字決算となっております。
それでは、まず、上段の収益についてご説明いたします。運輸収入のうち乗合収入でございますが、前年度に比べ1億6,600万円減少をしております。このうち約1億400万円は、子会社である県央バスに対して、県央バスの独自運行分として一部路線を移譲したことによるものでございまして、乗客逸走による減は、それを除いた約6,200万円、率にして2.1%の減となっております。
高速収入でございます。平成21年度11月から鹿児島線を新たに運行するなど、路線見直し等に積極的に取り組みましたが、景気低迷のほか高速道路料金上限1,000円化等の影響もございまして、前年度比2.9%の減となっております。
また、貸切収入につきましても、職員1人当たり2台受注を目標とした取組とかツアーバスの拡充等に取り組みましたが、ボート関連収入の減や景気低迷の影響などによりまして、前年度比4.6%の減となっております。
また、運輸雑入は4,400万円の減となっておりますけれども、これは、平成20年度末で松ヶ枝駐車場が廃止になったことに伴う駐車場収入の減などでございます。
また、営業外収益は、その大部分が補助金でございますが、退職手当債等元利償還金補助金の減などによりまして、前年度比2,074万2,000円、2.6%の減となっております。補助金の内訳については、後ほどご説明をいたします。
特別利益は、旧雲仙ターミナル敷地の売却益でございまして、前年度比1,242万9,000円の増となっております。
続きまして、下段の費用についてでございます。
まず、営業費用でございますが、人件費が6億6,400万円の減となっております。このうち、県央バスへの運行委託に伴いまして人件費から委託料に振り替わったことによる減が5億5,800万円となっておりまして、これを除けば実質1億600万円の減となっております。これは、県央バス独自運行分移譲に伴う減や、経営健全化策として昨年4月に全職員を対象に実施いたしました12月の昇給延伸の効果等によるものでございます。
物件費が1億9,300万円の減になっておりますが、軽油費の減等によるものでございます。
また、経費が5億300万円の増となっておりますけれども、これは、先ほどご説明した、主に人件費の一部が人件費から委託料に振り替わった運行委託料の増や減価償却費の減等によるものでございます。
次の営業外費用でございますが、退職給与金の繰延償却費が大半を占めております。これは、希望退職による退職金等について、一旦資本的収支で支出し、後年度5年間で収益的収支において償却をいたしておるものでございます。
営業外費用が4,100万円の減となっておりますが、県央バスへの運行委託料増などに伴う消費税の減等によるものでございます。
その結果、下段の表になりますが、消費税抜きの収支で6,414万6,000円の黒字となりました。また、表の一番下に累積欠損金の額を記載しておりますが、平成21年度の利益計上により、2,580万9,000円に減少をいたしております。
続きまして、2ページをお開きください。補助金の内容でございます。
平成21年度決算についてご説明いたしますと、まず、国・県の制度により公営、民営を問わずバス事業者に対し交付された補助金が、上段のバス運行対策費補助金1億2,993万9,000円、生活バス路線等運行対策費補助金5,631万2,000円、運輸事業振興助成補助金344万5,000円でございます。
次に、中段からの退職手当債等元利償還金補助金8,354万円、基礎年金拠出金補助金6,433万円4,000円、共済追加費用補助金1億1,132万1,000円、児童手当補助金1,248万3,000円、経営健全化推進補助金4,900万円でございます。これが、一般会計からの繰入金でございます。
なお、このうち退職手当債等元利償還金補助金につきましては、平成19年度末退職者までが対象となっております。また、経営健全化推進補助金は、県央地区の子会社化の前倒しを推進するため、平成21年度に創設されたものでございます。
一番下の生活路線確保対策市町単独補助金2億4,687万円は、関係市から不採算の生活路線に対し公営、民営を問わず補助を受けているものでございます。
次に、3ページは、長崎県交通局の子会社であります県央バス株式会社の平成21年度決算を合算したものについて、前年度の決算数値と比較した資料を参考までにお付けいたしております。
次に、追加でお配りをいたしております「交通事業会計決算における資金不足比率について」という1枚紙の資料をご覧いただきたいと思います。
公営企業におきましては、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づき、資金不足率を算定し議会に報告することとなっております。資金不足比率は、資金の不足額を事業の規模で除した数値でございまして、この比率が経営健全化基準でございます20%以上となった場合は、法令に基づき経営健全化計画を定めることとなっております。
具体的な算式は資料の中段に記載しておりますが、資金の不足額とは、流動負債と建設改良費等以外の経費の財源に充てるために起こした地方債現在高の合計から流動資産を差し引いた額でございます。交通事業会計の平成21年度決算における数値は、流動負債が5億4,672万円、算入の対象となります地方債現在高、これは交通事業会計では退職手当債が該当いたしますが、これが9,660万円、流動資産12億284万8,000円となっております。この結果、分子に当たります資金の不足額は、差し引きマイナス5億5,952万8,000円で、流動資産が流動負債等を大幅に上回ることから資金の不足は生じていないという結果になっております。
以上が、平成21年度交通事業会計決算及び資金不足比率の概要でございますが、今後とも中期経営計画に基づきまして経営健全化策を着実に実施し、より一層の収支改善に努めてまいります。
よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げます。
○陣内委員長 以上で説明が終わりましたので、これより認定議案に対する質疑を行います。
なお、質疑につきましては、事前通告のあった質問を優先的に、関連質問も含めて1項目ずつ行っていただきます。
認定議案について事前通告された各委員の皆さん、質問をどうぞ。
◆高比良[末]委員 幾つか質問しますが、まず、職員1人当たり貸切バス2台受注の取組を前年度やられておりますが、いろいろ経営努力はされておるというふうに感じております。どれぐらい実績としてあったのか。
それからまたオフシーズン対策として、雲仙小浜温泉特急のツアーバスも企画しておりますが、この辺の状況について、まず教えていただきたいと思います。
◎永川交通局長 まず、職員の2台受注の関係でございますが、これは実は昨年6月から始めた取組でございまして、前年度に比べまして17%ぐらい職員受注が伸びましたが、まだ2台には届いておりません。1.4台というところでございます。
小浜雲仙特急の方は営業部長の方から。
○陣内委員長 休憩します。
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−午前11時44分 休憩−
−午前11時45分 再開−
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○陣内委員長 委員会を再開いたします。
◆高比良[末]委員 乗合収入が減っておりますが、そのうち2.1%減の乗客逸走と書いております。これは乗客が減ったというパーセントを示しているんでしょう。人数にしてどれぐらい減っているんですか。パーセントではちょっとわからないものですからね。
先ほど言われた、昨年6月から行った1人2台受注というのも、17%といったら全体で何台ぐらい職員の人が頑張ったかというのが、パーセントだけではわかりません。実数を教えてください。
◎永川交通局長 まず、1人2台受注の関係でございますが、手元に台数を控えていないんですが、金額ベースでよろしゅうございますか。金額ベースで申し上げますと、平成20年度が3,472万円でございます。平成21年度が4,094万円でございます。1台大体5万円程度でございます、平均の貸切りの額が。ですから、800台ぐらいと700台ぐらいで、100台ぐらい増えているという感じであろうと思います。(発言する者あり)
◆高比良[末]委員 さっき1人当たり1.4台と言うから、かければ出るんじゃないですか。金のことばかりじゃなくて、その辺ちょっとわからないかな、そういう管理の仕方をしているのかな。
次の質問をします。人件費です。6億6,000万円とかなり減っていますね。減らされた方は大変かと思いますが、その中で昇給延伸、これは1年だけですか。この数字は書いていませんが、昇給延伸をしただけでどれぐらいの金額になりますか。
◎古川管理部長 昇給延伸につきましては、先ほどもご説明いたしましたが、毎年4月1日が昇給月ですが、その昇給を全職員に対して1年間留保したということでございまして、効果額は3,400万円の減となっております。
これは復元いたしませんので、ずっとこの効果額は続いていくということでございます。
○陣内委員長 先ほどの質問は、わかりますか。
◎濱洲営業部長 職員1人当たり2台の貸切りの受注の件でございます。これにつきましては、平成20年度が656台でございまして、平成21年度が761台ということで、平成20年度が1人平均1.2台、平成21年度が1.4台ということで、平成20年度と平成21年度は105台増えている状況でございます。
もう1点の雲仙のツアーバスの件でございます。そちらにつきましては、平成21年11月24日から平成22年3月31日まで、128台運行いたしております。その収入につきましては、304万8,000円でございます。
◆高比良[末]委員 人件費、かなり削減に取り組んでおりますが、他社との比較でかなり下がっているんじゃないかと思います。いろいろ職種がありますけど、運転手で他社との比較をしたことがありますか。どういう位置づけにあるのか、ちょっと気になっております。
◎古川管理部長 県内他社との比較で給与の関係を申し上げますと、私ども交通局を100とした場合に、私どもより高いところが1社、同水準のところが1社でございまして、私どもより低いところが2社、これは県内大手で申し上げますとこういう数字となっております。
ただ、今申し上げたのは平成20年度の時点での比較でございまして、先ほど申しました12月留保につきましては平成21年度でございますので、平成20年度において同水準にあったところを今現在は下回っている状況にあるのかなというふうに見ております。
○陣内委員長 ほかに、議案に対しての質疑はございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 ほかにないようでございますので、これをもって質疑を終了いたします。
次に討論に入ります。
討論はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
議案に対する質疑・討論が終了しましたので、採決をいたします。
認定第2号議案は、原案のとおり認定することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 ご異議なしと認めます。
よって、認定議案は原案のとおり認定すべきものと決定されました。
次に、議案外所管事務一般について、質問を行うことといたします。
なお、質問につきましては、事前通告のあった質問を優先的に、関連質問も含めて1項目ずつ行っていただきます。議案外所管事務一般について、事前通告された各委員の方で質問はありませんか。
◆金子委員 まず、所管事項の最初に書いていますから、私の方からさせていただきたいと思います。
ハウステンボス線の運行についてということで。これ、しばらく運休していたということですけれども、今回、採算の見込みが立ったということで再開されるのは非常にいいことだろうと思っております。
ただ、一番後ろの方に、ハウステンボスへのアクセス向上に寄与するものと云々と書いてありますけれども、この運行については、ハウステンボスとの何らかの話し合いとか、そういうふうなものがあっての運行なのかどうか、そこをお聞かせいただきたいと思います。
◎永川交通局長 ハウステンボスにつきましては、もともと県としても支援すべきだと考えておりましたので、県の方から私どもの方に、何かできないのかというお話がまずございました。その後、ハウステンボスの方と私どもお話をいたしまして、それではこういう案ではいかがでしょうかということでハウステンボスともお話をしております。今後は、ハウステンボスのいろんな事業内容を含めて、もっと魅力的な商品ができるのではないかということについても話し合いをしていきたいと思っております。
◆金子委員 今、ハウステンボスに対してはさまざまな、例えば入場料の割引であるとか、そういうふうなことがかなりされていると思うんです。JRがたしか、ハウステンボス号というのを今度新たに導入して、色も鮮やかな形でできております。入場料と交通費とタイアップというか、割引的な形での取組があります。
ちなみに、これは1,350円という形しか書いてありませんけれども、一応これでやっているけれども入場券とあれですよとか、往復ではプラスアルファの割引がありますよとか、そういうふうな部分はないんですか。
◎濱洲営業部長 委員おっしゃいましたのは、ハウステンボスとバスとのセット券のことかと思います。
JRにつきましては、片道列車運賃が1,430円、往復が2,500円という運賃になっておりまして、ハウステンボスとのセット券が今現在4,000円で発売されております。私たちが情報を得た中では、10月1日からこの金額が4,300円になると聞いております。
私どもも、11月1日からJRと同じように4,300円で、ハウステンボスと打ち合わせを行っているところでございます。11月1日から実施したいと考えております。
◆金子委員 11月1日からというふうな形で、ぜひそういうふうな形でせひ対抗策を。
若干時間的にはバスの方が速いんでしょうかね。これは東そのぎインターで降りて、あとは国道で行くという形。こっちの方が速いということでございます。ぜひそういうふうな形で、利便性。
ただ、将来的には。土日祝日とお盆、正月、これは一番確実な。土曜、日曜が多いですからね、盆、正月等の経過を見ながら拡充していくというふうな計画はお持ちですか。
◎永川交通局長 今、委員から、土日祝日だけじゃなくて平日もというお話でございますが、もともと私どもが平成17年に撤退しましたのは、なかなか全体の収支がうまくとれないということで撤退したわけでございます。
今、ハウステンボスはかなり頑張っていらっしゃいますので、私どもも、この土日祝日で頑張っていく中で毎日運行ということを目標にさせていただきたいと思っております。先ほど委員からもお話がございましたような、ハウステンボスの方との協力関係を築いていきながら、いろんな魅力的な商品も頑張ってつくっていきたいと思っております。毎日運行ということを目標としたいと思っております。
◆金子委員 確かにそういう形で毎日運行ということも当然ありますし、1日2往復というのがちょっと気になるんですが。朝行って、夕方のその2往復と。1日2往復というのは、朝は行って、朝の分で戻る。そうすると、朝は多分、空便ですね。ハウステンボスから長崎行きが空便になるし、夜は、長崎からハウステンボスへ行くのがほとんど空便で、帰ってくる時に乗せて帰ると、そういうふうな意味なんですか。ちょっとよくわからないんですけど。
◎永川交通局長 朝からの便は、長崎からハウステンボスに日帰りで行かれるお客様でございます。そのかわり、着きました便は、ハウステンボスにお泊まりの方が長崎に入って来られるということを念頭に置いております。夜の方は、それとまた逆でございまして、日帰りで帰られる方をハウステンボスから長崎の方にお連れするんですが、ハウステンボスの方に向かう分は、お泊まりのお客様ということを念頭に置いております。
なかなか2便では厳しいのではないかというお話であろうかと思いますが、今回の土日2便という体制につきましては、実は土日は交通局全体の運行便数を、いわゆる日祝ダイヤという関係で減らしておりますので、車両と人員が若干余裕がある。その分を利用しますので、車両、人員を増やさなくて、いわゆるコストを安く抑えられるという形で、今、2便を組み立てております。ですから、この便数を増やすという形になりますと、そこら辺の分の単価が、原価の方が少し上がるのではないかなというのがございます。
これはもう増やしませんよということではございません。増便も当然視野には置いております。やっていきながら、路線を育てながら、そういったことも考えていかないといけないというふうには思っております。
◆金子委員 県自身もハウステンボスに対してかなりの支援策強化というふうな形でさまざまな支援策をやっております。その支援策がぜひ実を結んで、やってよかったなという結果がですね。ほかの部分でありました。大村からのシャトル便等々が非常にいいというふうな結果が出ております。これも、いい結果に結びつくことをぜひ期待したいと思っております。終わります。
○陣内委員長 事前通告をされた方で。
◆高比良[末]委員 大きくは2点ですが、長崎市内におけるバスの運賃の格差是正について、いろいろ県営バスの方に要望がきているんじゃないかというふうに思っております。
県営バスは、平成17年4月から、通勤に限って割引率の高い6カ月定期を販売したり、通学についても長崎バスの40%に対して45%の割引率に設定したり、いろいろ努力をされておりますが、一部の路線で格差があるという指摘のようです。
県営バスは、基準賃率1キロメートル当たりの運賃は31円50銭、長崎バスは21円50銭と10円の差がありますね。まず、県営バスの31円50銭は、前回も出ておりましたけど、改めて、どういう位置づけにあるのか、まずそこからお答えください。
◎永川交通局長 今、委員からお話がございましたように基準賃率というのがございます。これは、1キロメートルを幾らの料金で走るかということでございます。長崎バスの場合は21円50銭、県営バスの場合は31円50銭でございます。
これは、県下で定期路線バスをやっていますのは、本土については5社ございますが、この中では安い方から2番目でございます。長崎バスの次に安いのが県営バスということでございます。全国で、いわゆる30両以上のバス会社というのが177社ございますが、その中では安い方から15番目でございます。
とはいいましても、実際上、長崎バスは県営バスに比べて3割ぐらい安いという料金になっております。これはなぜかということでございますが、やはり乗っていらっしゃるお客様の数が違うというのが一番の原因でございます。
実は輸送の原価といいますのは、県営バスの方が安うございます。ただ、乗っていらっしゃるお客様の数が、長崎バスさんの方が1.7倍ぐらい乗っていらっしゃる。要するに路線の違いがかなりあろうかと思います。県営バスの場合は、諫早、大村がございます。長崎市内でもどちらかというとお客様の少ないところも走っておりますので、そういった意味で非常に収支が厳しい、いわゆる生活路線を走っておるといったところが出ておるのではないかなというふうに思っております。
◆高比良[末]委員 これが競合路線になったら、例えば1キロメートル21円50銭と31円50銭を足して2で割ったぐらいの運賃になっているところもありますよね。それができれば乗る人はいいんでしょうが、経営実態もあってなかなか、いかんところもあろうかと思います。
今、いろいろ路線がありますが、県営バスはここに路線図がありますけど、別のところに他社が参入しようとした場合にはどういう条件があるんでしょうか。その辺を教えてください。どこかに申請するんでしょうが、そのプロセスについて、まず教えてください。
◎濱洲営業部長 路線につきましては、全く会社を立ち上げる場合と既存のバス会社が路線を延伸する場合がございまして、委員がおっしゃいますものについては路線の延伸のことだと思っております。基本的には既存の路線への参入、また撤退ということにつきましては、原則自由になっておる状況でございます。
○陣内委員長 質問の趣旨にお答えください。
◎濱洲営業部長 路線に仮に参入をした場合は、お客様の人員は変わりませんので、その中で例えば数社が入ってきました時にはどうしても供給過剰という形になりますので、その場合は既存のバス会社の方としましてもかなり収益が。
◎永川交通局長 すみません、ちょっと補足してご説明をさせていただきます。
手続的には、既存のバス会社、要するに体制を持っている、施設、車両と人員、そういうものをきっちり持っているところにつきましては国の方に申請をしていただくんですが、従前はこれが路線ごとの免許制になっておりましたが、平成14年からはこれが事業者ごとの許可制になっております。この許可制は基本的に、先ほど申し上げましたように体制が整っておれば大体許可が下りるということで、先ほど営業部長が申しました、いわゆる自由参入、自由撤退というような考え方がとられておるというふうに思っております。
◆高比良[末]委員 県内にバス会社は多くありますが、それぞれ紳士的にやっているということですか。
例えば矢上までのコースに長崎バスが入ってこようとすれば自由なんですか。そういう手続も要らずに、採算性があれば、そこの事業者が決めればいけるということなんですか。
◎永川交通局長 手続なしでいけるということではございません。手続は必要でございます。国の許可を得ていただく必要がございます。
今までは路線免許でございましたが、これが許可となりました。この許可の要件が、施設だとか、車両だとか、運転手だとか、運行管理体制だとか、損害賠償の能力だとか、そういったものがあるんですが、既存の業者でございましたら、ほとんどこの要件は満たすことができますので、国に申請をすれば認められる可能性が非常に高いというふうに私どもは思っております。
◆山口[初]委員 事前通告はしていませんでしたが、お伺いします。
鹿児島ルート、鹿児島ラインを昨年11月に導入されて、それは相当の上がりも上がっておるようですね。この記述からいきますと、5カ月で3,500万円ですから、1月に700万円、1日に23万円ぐらい、勝手にこっちで計算しますと、それぐらい上がっているようですが、1日何便運行されているんですか。
◎濱洲営業部長 運行便数につきましては、長崎発が2便でございます、朝と夕方と。鹿児島発についても、同じ朝と夕方の2便、2往復運行いたしております。
◆山口[初]委員 ということは、1便大体6万ぐらい上がっておるわけですね。23万円の往復ですから、4便あるわけでしょう。
ちょっと心配なのは、それで採算ベースがどうなのかということが一つ。
来年3月になりますと、新幹線が全線開業するわけです。その時にこのバス路線にどういう影響があるのかなというのが、ある意味では皆さん方にとっても心配な部分になりはせぬかなと思っておるんですが。
そこで、バスとしてちゃんと新幹線と対抗していくためには、時間帯と価格の部分で勝負をしないと、全線開業した新幹線に乗ってみようかという方がたくさんいらっしゃるんじゃないかと思うんですが、その辺の戦略についてはどうなんですか。
まずは、長崎から新鳥栖までと新幹線との料金のトータルと県営バスの料金の価格差、その辺も含めて見通しをご説明いただきたいと思います。いわゆる戦略的な部分も含めて。
◎濱洲営業部長 今のところ新幹線の料金は、まだ情報を得ていない状況でございます。
新幹線と高速バスの競合関係につきましては、私が知る限りでございますけれども、競合しても、お客様が時間を選ぶのか、運賃を選ぶのかということで、新幹線ができてからでも、お客様が使われる層が違うのではないかと思っていまして、他社でも、新幹線ができたからこっちも減ったということではないというふうに伺っております。
それと、鹿児島線の輸送人員の状況あたりを先ほどおっしゃったかと思いますけれども、採算ラインは11.9人と前回申し上げたんですけれども、今現在も大体それぐらいで、8月まででしたらそういう状況で推移しているところでございます。これから先も私たちは、鹿児島線につきましては鹿児島側と営業関係あたりも連携をとって、お客様を増やす努力をしていきたいと思っております。
◆山口[初]委員 ということは、今の状況では鹿児島線は採算ベースにのっているというふうに見ていいんですか。(「現時点ではそうでございます」と発言する者あり)わかりました。
ちなみに、料金は幾らですか。
◎濱洲営業部長 片道が6,500円の運賃でございまして、往復割引では1万1,000円でございます。こちらの方につきましては、お客様が多人数で利用されるということで、回数券も4枚綴り2万円で発売をいたしております。
◆山口[初]委員 ちなみに新幹線はほとんどわからないんですか。わかるでしょう、料金は。わかっていないと商売にならないんじゃないですか。
◎永川交通局長 新幹線の価格は、まだ把握をいたしておりませんが、JRは往復切符で鹿児島まで2万円でございます。県営バスの場合ですと4枚切符だったら2万円でございますので、2枚使えばいいので1万円で済むということで、今のJRの料金の約2分の1の価格でございます。新幹線になりますと、これがもうちょっと高くなります。
ですが、やはり新幹線というネームにどうしても引かれてしまうお客様が出るのではないかなという心配をいたしております。
今、ここは私どもだけの単独でやっております。鹿児島側は南国交通というところとタイアップして実際はやらせていただいているんですが、鹿児島側の準備が整えば、一緒に両方で共同運行をするという形に今後していきたいというふうに思っております。そういたしますと、鹿児島側のお客様に対するPRももっと行き届きますし、長崎側は私どもが一生懸命頑張ればいいということになりますので、そういったところも含めて頑張ってまいりたいと思っております。
◆山口[初]委員 お話を聞くと、勝負するためにはやっぱり価格、客層、時間帯、あと一つは発着駅も要素になりはせぬかなと思うんですが、その辺はどうなんですか。今、どこからどこを、鹿児島は。
◎永川交通局長 鹿児島の方でいいますと、まず鹿児島空港南、下伊敷、天文館、そして鹿児島中央駅でございます。中央駅は、駅前に南国交通のターミナルがございますので、非常に便利なところかなと。天文館もまちの中心部でございます。そこら辺でやらせていただいているところでございます。
◆山口[初]委員 頑張ってください。わかりました。(発言する者あり)
◎濱洲営業部長 すみません、先ほどの鹿児島線の便当たりの輸送人員の訂正をさせていただきたいと思います。
先ほど私は、8月現在で11.9と申し上げましたが、11.6でございます。4月から8月まででございます。すみませんでした。
◆山口[初]委員 その11.6人の採算ベースというのは、何名以上おったら鹿児島線はペイできるんですか。
◎濱洲営業部長 採算ラインは11.9人でございます。(「わかりました」と発言する者あり)
◆野口委員 今の山口(初)委員との議論の中で、新幹線の鹿児島ルートの話が出て、そこの与える影響という議論が出ているんだけれども、新幹線の鹿児島ルートをいわば県営バス事業に活かす、いわゆる前向きな、建設的な発想というか、そういったものは今あるのかどうかですよね。
例えば鹿児島新幹線は新鳥栖駅というのができるわけだけれども、新幹線鹿児島ルートの駅でいえば、新鳥栖が長崎と一番近いと思うんです。そうすると、長崎とか佐世保から新鳥栖間にバスを走らせたらどうなのかとかね。要するに鹿児島ルートの効果をバス事業でもって長崎県の方に引っ張っていくような検討はなされているのかどうかというのをお聞きしたい。
◎永川交通局長 交通局内での検討というものは、確かに新幹線、あるいはほかの要素、いろんなものについていろんな検討をいたしております。
ただ、いずれにしても、これは組む相手方がいないと難しゅうございます。鳥栖だとなりますと佐賀県のバス会社、あるいは西鉄とどうするかというのがあるんですが、片方では九州急行というバス会社もその近辺を走っておるという関係もございまして、なかなか急に話を持っていくというのは難しいところもございます。ただ、検討は内部ではいろいろなケースでしております。
◆野口委員 時間がないのでこれで最後にしますけれども、早急に議論をして、建設的な展開ができないかどうか。やっぱり新幹線の鹿児島ルートというのは、非常に大きな変化をもたらすと思うんですよね。
関西近辺からの観光客は、これまで長崎に来るには博多で降りたわけですね。博多で降りてJRの長崎本線を使って長崎に入ってきたという経過があると思います。しかし、今度からは、関西からの観光客が新鳥栖駅で降りる可能性があるわけです。でも、新鳥栖駅で降りた時に、残念ながら鉄道網はしっかり整備されていないわけです。そうすると、そこにきちっと長崎行きのバスがあることによって、いわゆる新幹線の鹿児島ルートをうまくつなげて長崎まで引っ張って来られる可能性も出てくると思うんです。
いずれにしても、幾つかの障害とかいろんな課題があるだろうけれども、まずは鹿児島ルートの開業に合わせて、長崎県として何か果実がないかどうかというのを早急に局の方で議論して、あらかたの案なり素案ができた段階でまたご報告をいただくことを求めておきたいと思います。
◆八江委員 今の鹿児島ルートの問題も含めてですけど、我々長崎県、熊本県、大分県、3県の観光議連で、熊本駅から九州横断のルート開発をお願いする決起大会まで、長崎で今年4月に開きました。熊本の方でも昨年やりました。来年の2月までに大分県別府で開く予定であることは皆さんご存じのとおりです。そのことが今後どのように推移していくのか。これは、議連のみならず3県での申し合わせ事項にもなっているはずです。
ですから我々は、長崎県営バスも含めて、どこのバスがあるのか、あるいは熊本県は産交になるのか、大分県は亀の井バスになるのか、こういったものの連携をして、昭和30年代、40年代にあったやまなみハイウエイの復活を図ろうと、横断を図っていこうと。そして、より長崎−大分間を、西九州道路とはまた別でやっていこうとしてきたんですけど、そのことについての検討はなされているかどうか、確認しておきたいと思います。
◎永川交通局長 八江委員からは以前からも強く、要するに九州の横軸というんですか、ここをしっかり考えるべきだというお話をいただいていました。
実は、今度の10月1日から来年3月までになりますが、熊本から島原に入りまして、雲仙を経由して長崎、そしてハウステンボスまで、産交さんがやっていただくということになりました。1日1便でやっていただく形になるんですが、当然県営バスの方もターミナルを提供するというご協力をさせていただく、両県の観光サイドの方も補助金を出す、九州観光機構も補助金を出していただくという形で、今年の10月からこの取組を始めるということになっております。
◆八江委員 産交と協力してということだと思いますけど、長崎県内はどういう形で引き継ぐのか、地域の企業体が連携することによって、より一層効果が上がるんじゃないかと思っておりますので、今度は逆にハウステンボスから行くということであれば。
それは1日に1便、10月1日から運行開始ですね。そうなりますと、1便を2便にするということだってあるわけですから、今度は長崎県営バス含めて熊本まで、あるいは場合によっては大分まで、別府まで延ばすことだってできるんじゃないかと思いますけど、まずは熊本の駅を中心に、両方に行けるというのが目的の話し合いも進めておるわけですから、その点を積極的に取り組む必要があるんじゃないかと。
産交と共同運行している部分がありますけど、それは高速道路の話ですから、横軸をもっともっと充実して、また我々もそのために観光議連挙げてやっているわけですから、もう少し前向きに県営バスとしても取り組む必要があるんじゃないかと思うんですけど、その用意はないんですか。
◎永川交通局長 今度の10月1日からやります分は、熊本発で長崎の方へ、ハウステンボスへ最終的に来るという形でございまして、長崎の方から熊本の方へ行くという便はございません。これは長崎県の観光にとっては一方的に熊本からお迎えするだけでございまして、実は熊本の方からは、逆の方もないといかんのじゃないかという話があっております。
もともとこの路線については収支が厳しいのではないかというのがございまして、両県からも補助をいただく、あるいは九州観光機構からも補助をいただくという形でやるようにしておりますが、まずは今度の運行状況、お客様の状況を見て、そしてその次の展開、当然長崎から出ていくというふうになれば、今度は私どもがやらないといけないというふうになっていくと思っております。
要するにここは、収支をある程度とれるか、補助金をいただけるかという形になるんですが、できるだけ収支がとれる路線という形の中で、どれだけやれるかということも含めて検討をしていかないといけないと考えております。
一応、産交の方とは、10月1日からの分がうまくいけば次の展開もありますねという話はいたしております。
◆八江委員 産交が行うということはわかるんですよね。産交ももともとの産交じゃなくて、旅行会社のHIS、ハウステンボスもHISということになったから、両方でつないでいこうということですから、それは我々も歓迎はいたしますけど、交通の問題になりますと、長崎県は長崎県の立場で、そして両県が、あるいは3県が一緒にやっていこうという時ですから、もっともっと積極的にやってほしいなと。場合によっては、あまりもたもたしていると長崎バスだってどこだって手を挙げてくる可能性がある。うまく採算がとれるかどうかという問題もありますけど、ぜひ、我々議会も進めておることですから、できるだけやまなみハイウエイを目指して頑張ってほしいと思います。
その点は営業部長、採算とか何とか、別に勘定をやったことはあるんですか。検討は十分にしたことはあるんですか。
◎濱洲営業部長 採算の点につきましては、熊本の方が運行を開始した中で、その状況を見ながらというふうに考えている次第でございます。今現在は、需要予測はまだいたしておりません。
◆八江委員 熊本の「りんどう」に、10月1日から11日まで11日間、おくんちあたりを目指して誘客をしようと。それはそれとしていいけど、そっちだけに集中をするということも大事なことだけど、我々が目指しているのは、熊本駅から熊本新港、それから島原新港、雲仙経由長崎というのが一つの大きな目的だと思いますから、若干ルートが変わると流れも変わってくると思います。そういった面を考えて積極的に取り組んでほしいとお願いをいたしたいと思います。
それから、県央バスの件ですけど、何回か申し上げましたが、諫早を中心とした路線というのは結構、半分以上、県央バスの中では大村と一緒にあると思いますけど、その拠点となるのが諫早の駅前のターミナルと思います。ご存じのとおりターミナルだけで十分集客ができるかというよりも、もう私は、諫早市役所をメーンにして、そこから分散する。一番中心にあるわけですから。1市5町が合併して、距離の短縮問題も盛んに言われながらも、十分な路線の確保ができていない。道路の問題もありますけど。それをもう一度構築してほしいと、市役所と相談してほしいと申し上げてきたんですけど、その点はお話し合いをされた経緯がありますか。
◎永川交通局長 諫早の交通に関しまして、八江委員から以前も委員会の中で、諫早市役所周辺の交通ということを考えていったらどうかというお話がございました。
この時は、委員会を終わりましてすぐ諫早市の方には、こういう議論が県議会であっております、そちらの考え方を聞かせてほしいと申し上げてきておりますが、まだ、「それじゃあ、やりましょう」とかいうことにはなかなかなっていないというのが今の状況でございます。
諫早市の交通につきましては、ターミナルが駅前という関係で少し入り込んでおりますので、全体として非常に難しい構造になっております。そういったところで、少し市役所周辺が手薄な状況もあるのではないかなという考え方はあるんですが、これはどうしても市の公共交通体系の基本をなすところですから、やはり市の方とよくご相談をしながらやっていかざるを得ないというふうに考えておりますので、また今日もこういうご意見があったということで、もう一度またお話をしてみたいと思っております。
◆八江委員 諫早市役所の新庁舎ができて、旧庁舎の方が今、解体作業中です。そこは芝生広場になる予定です。祭り広場、避難場所。
今、諫早高校側の方に停留所があるんですけど、そこは2台ぐらいは並んで停車できるようになっていますけど、せっかく今、旧庁舎の解体をして、その後の利用の仕方というか、広場を使うためにはどうすればいいかという問題があるわけです。それも市の方には申し上げておりますから。
そこで動線をというのは、小長井から来たのも必ずそこを通って駅前に行く。先ほど話があるように、駅前に行ってから、乗り換えてこっちに来ないといけないわけです、今の時点ではですね。小長井とか高来方面から来るバスは、全部駅前に、市役所の横を通過して行ってしまうわけです。横といってもかなり離れていますけど。それを市役所経由で行くと、飯盛も森山も多良見も一緒なんですよ。そうすると、合併した効果がより一層現れるんじゃないかということ。
コンパクトシティと、まちづくりを検討しておりますから、そういったものとの連携も必要だと思いますし、大事な部分、大事な時です。それを早急に検討してほしいし、話し合いを進めてほしい。
これは、先ほど局長はやるということですから、早急に当たってやっていただきたい。これは今後の問題として非常に大事なことです。路線の問題もそれで解決していくわけですから、よろしくお願いします。
◎永川交通局長 今、委員からお話にございました、市役所を経由してターミナルに至るような路線の見直しにつきましては、地元の市とよくご相談をさせていただきたいと思っております。
○陣内委員長 ほかにご質問はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 質問がないようですので、これをもって交通局関係の審査を終了いたします。
しばらく休憩いたします。午後は2時からということで、よろしくお願いします。
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−午後零時35分 休憩−
−午後2時2分 再開−
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○陣内委員長 それでは、午前中に引き続きまして、委員会及び分科会を再開いたします。
これより、県民生活部関係の審査を行います。
県民生活部においては、今回、予算議案及び予算議案以外の議案がないことから、これより、県民生活部長より所管事務一般について総括説明を受けた後、陳情の審査を行い、その後、所管事務一般についての質問を行いたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
それでは、県民生活部長より総括説明をお願いいたします。
◎立石県民生活部長 今回、県民生活部関係の議案はございませんので、議案以外の主な所管事項についてご説明いたします。
(犯罪のない安全・安心まちづくりの推進について)
県民が安全で安心して暮らすことができる地域社会を実現するため、県、市町、県民、事業者及び防犯ボランティア団体等が一体となって、犯罪防止のための自主防犯活動の推進に取り組んでいるところです。
その一環として、県民の自主防犯意識の高揚を図るため、「防犯まちづくり講習会」を松浦市で開催したほか、地域に根ざした地域防犯リーダーの資質向上を図るため「地域防犯リーダースキルアップ講習会」を長崎市と佐世保市でそれぞれ開催いたしました。
また、子どもの安全対策として、子ども自身の危険を回避する能力を高めていくため、「地域安全マップづくり事業」に取り組み、佐世保市、松浦市、平戸市、佐々町の小学校10校に指導者を派遣していくこととしております。
さらに、「長崎県犯罪のない安全・安心まちづくり条例」に基づく10月11日から20日までの「犯罪のない安全・安心まちづくり推進旬間」中の12日に、県民総ぐるみの運動として、7,500人の参加を目標に「県内一斉防犯パトロール」を実施するほか、警察等と連携して啓発活動を展開することとしております。
今後とも、県民と一体となって犯罪のない安全・安心まちづくりに努めてまいります。
(石油製品の価格動向等について)
(財)日本エネルギー経済研究所石油情報センターの調査による本県のガソリン価格は、本年8月には140円(全国平均134円)となっております。このうち本土の平均価格は136円、離島の平均価格は167円で、依然として本土と離島の価格差が生じております。
また、本県独自調査によるガソリン価格の、離島全体の平均価格は166円となっており、地域ごとに下五島164円、上五島161円、壱岐167円、対馬170円となっております。
この離島地域と本土との価格差是正に関しましては、去る6月に長崎県町村会からも、県及び国に対し要望があっており、県といたしましては、五島市における「石油製品流通合理化支援事業」を支援するとともに、本年度開催する「長崎県離島振興懇話会」の場で、離島地域に係る揮発油税の減免措置も含め、現行の離島振興法失効後の新たな離島振興策について幅広く検討していくことといたしております。
今後とも、石油価格の動向を注視し、必要な情報について関係各方面へ積極的に提供してまいります。
(女性力でながさきを活性化!会議〜大浦お慶プロジェクト〜について)
県内の各分野において、女性が新たに活躍する様々な場を創出することによる、本県の地域の振興や経済の活性化を目的として、女性力により地域を活性化する「大浦お慶プロジェクト」を立ち上げることといたしました。
このプロジェクトでは、県内の各分野で活躍する女性をメンバーとする「女性力でながさきを活性化!会議」を設け、会議で生み出されたアイデアを生かし、地域の活性化に繋がるよう取り組んでまいりたいと考えております。
(交通安全対策の推進について)
平成22年7月末現在の交通事故発生状況は、発生件数4,047件、死者数38人、負傷者数5,281人となっており、昨年同期に比べ発生件数で210件、死者数で2人、負傷者数で205人といずれも減少しておりますが、65歳以上の高齢者の死者数は20人で、半数を超える状況となっております。
このため、9月21日から9月30日までの期間で現在実施中の「秋の全国交通安全運動」において、高齢者の交通事故防止を重点項目として掲げ、地域・職場・家庭等に対する広報・啓発に努めております。また、高齢運転者等を対象とする参加体験型の交通安全教室を実施し、交通安全知識の普及に努めてまいります。
今後とも、警察、市町、関係機関との一層の連携を図り、交通安全対策に取り組んでまいります。
(平成22年国勢調査の実施について)
我が国に住んでいるすべての人を対象に、人口・世帯を知るための最も基本的な調査であります「国勢調査」が、本年10月1日を基準日として県内全市町で実施されます。本調査は大正9年以来5年ごとに行われており、特に本年は10年に一度の大規模調査の年に当たります。
今回の調査は、我が国が本格的な人口減少社会となって実施する最初の国勢調査であり、各種行政施策に必要な基礎資料を提供する極めて重要な調査であります。
また、個人情報保護意識への配慮及び昼間不在世帯等の増加への対応として、調査票の提出に当たっては、封筒に入れて封をした上で調査員に渡していただくか、市町に郵送で提出していただく方法が新たに導入されております。
調査の結果は、インターネットや報告書などにより公表されます。なお、人口・世帯数の速報結果は平成23年2月に、男女・年齢別人口、世帯の状況などの詳しい結果は平成23年10月までにそれぞれ公表される予定となっております。
国勢調査の実施に当たっては、市町と十分連携を図りながら、円滑な実施に努めてまいります。
(カネミ油症対策について)
昭和43年の事件発生以来、毎年取り組んでおりますカネミ油症検診について、本年度は、去る7月27日、28日の両日に五島市の玉之浦町と奈留町において、8月18日に長崎市において実施いたしました。
受診者は、平成21年度より13人増え、207人が受診されました。
特に、本年度は、本県が独自に行った実態調査の結果に基づき、未認定者に対して油症検診受診を勧奨したことにより、初めて検診を受けられた方が平成21年度より16人増えております。
今後とも、受診者の利便性の向上を図りながら、国や全国油症治療研究班等と連携し、被害者の健康管理の支援・相談等に適切に対応してまいります。
(動物愛護の推進について)
長崎県動物愛護管理推進計画に掲げる「人と動物が共生できる地域社会」の実現を目指し、平成22年7月5日、動物の愛護及び管理に関する法律第39条の規定に基づき「長崎県動物愛護推進協議会」を設置いたしました。
この協議会は、県、市、関係団体などで構成され、去る7月30日に第1回目の会議を開催し、動物愛護に関する情報の共有化を図るとともに、本年度の動物愛護活動方針等について協議を行いました。
本年度中には西彼地区、県央地区、県南地区、長崎市の4地区にモデル地域として協議会支部を設置することとしており、さらに、平成24年度以降はこれを県内全域に広げ、地域に密着した幅広い活動を展開してまいります。
今後とも市町や関係団体等と連携を図りながら、動物愛護事業の推進に取り組んでまいります。
(多重債務者対策について)
平成21年度の県消費生活センターへの消費者からの相談件数は、4,558件で、前年度に比べ11.0%減少しました。このうち多重債務に関する相談は394件で、前年度に比べ225件(36.3%)の減少となっております。
多重債務の要因については、上位から生活費88件、遊興費62件、保証人等42件、事業失敗31件などとなっております。
県では、平成19年に県弁護士会や県司法書士会、各市の消費生活センターなどの関係機関で設置した「長崎県多重債務者対策協議会」を去る8月9日に開催し、各機関の取組状況や同協議会の取組方針等について協議を行いました。
本年度は、改正貸金業法が去る6月18日に完全施行されたことに伴う国の啓発キャンペーンに合わせて、6月29日には、長崎・佐世保両市において、多重債務者向け無料相談会を開催いたしました。さらに、8月30日、9月17日の両日には、多重債務に関する無料の電話相談を実施いたしました。また、例年9月以降に実施されている全国一斉の「多重債務者相談強化キャンペーン」につきましては、上記協議会において本年度の実施要領を踏まえて本県として所要の対応をしていくことを確認いたしております。
今後とも、「多重債務は必ず解決できる」ことを広く啓発し、市町や関係機関との連携のもと、積極的に多重債務者対策に取り組んでまいります。
(食品の安全・安心確保対策について)
食品の安全・安心確保につきましては、平成19年12月に改定した「長崎県における食品の安全・安心確保基本指針」及び「基本指針に基づく施策の実施計画」に基づき、食品の生産から消費に至るまでの安全・安心対策を総合的、計画的に推進しているところであります。
平成21年度の実施計画の進捗状況につきましては、目標値を設定している49項目のうち、達成率100%を超えているものは、エコファーマー認定者数、食品営業者に対する講習会の受講者数、食品ウォッチャー一人当たりの調査商品数など40項目で、全体の82%となっております。また、達成率80%を超えているものは47項目で、全体の96%となっており、概ね計画どおり進捗しているものと評価しております。
本年度は、事業完了に伴い削除した3項目を除く全46項目について引き続き数値目標を設定し、関係施策の進行管理を適切に行い、食品の安全・安心確保対策を推進してまいります。
(食育の推進について)
県民一人ひとりが自らの「食」について考える習慣を身につけ、生涯を通じて健全で安心な食生活を実現できるよう、「長崎県食育推進計画」に基づき市町及び関係団体等と連携しながら食育を県民運動として展開しているところです。
その一環として、去る7月16日「食育推進活動知事表彰」を行い、地域社会への貢献度が高く、他のモデルとなる実践的な食育推進活動に取り組んでいる5団体、1個人を表彰いたしました。
その後引き続き、「長崎県食育推進県民会議」を開催し、昨年度の食育推進計画の進捗状況を報告するとともに、次期計画の基本的考え方等について審議を行ったところであります。
今後とも、地域、学校、生産者、食育活動団体、市町等と連携を図りながら、県全体の食育を推進してまいります。
(「長崎県消費者基本計画」の改定について)
計画期間が平成23年3月までとなっている「長崎県消費者基本計画」につきましては、次期計画の策定に向けて関係部局と調整・協議を行いながら「長崎県消費生活審議会」において検討を進めており、今後、県議会をはじめ、パブリックコメントの実施など県民の皆様のご意見を伺いながら本年度中に策定し、消費者行政の計画的・総合的な推進に努めてまいります。
(新たな総合計画の策定について)
昨年から策定を進めている新たな総合計画については、概ね10年先の本県を取り巻く社会経済情勢などを見据えながら、平成23年度を初年度とする5カ年計画として策定し、重点的かつ戦略的に取り組む政策を県民にわかりやすく体系的にお示ししたいと考えております。
現在作成している計画素案では、「人が輝く、産業が輝く、地域が輝く長崎県づくり」を基本理念として、10の政策を掲げておりますが、このうち、県民生活部は、「一人ひとりをきめ細かく支える」、「人を育てる、人を活かす」、「地域発の地域づくりを進める」、「安全・安心で快適な地域をつくる」に関連しております。
「一人ひとりをきめ細かく支える」については、安全・安心な消費生活の実現、食の安全・安心の確保に取り組むとともに、「人を育てる、人を活かす」については、あらゆる分野における男女共同参画の総合的な推進や、人権が尊重される社会づくり、食育の推進、NPO・ボランティア活動の推進に取り組みたいと考えております。
また、「地域発の地域づくりを進める」については、NPOとの協働を推進するとともに、「安全・安心で快適な地域をつくる」については、犯罪のない安全・安心なまちづくりの推進や交通安全対策の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
今後、県議会のご意見を十分にお伺いするとともに、県民の皆様の声も踏まえつつ、本年度中の計画策定を目指してまいります。
以上をもちまして、県民生活部関係の説明を終わります。
よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
○陣内委員長 ありがとうございました。
次に、県民安全課長、食品安全・消費生活課長から補足説明の申し出があっておりますので、これを許可します。
◎永友県民安全課長 県民安全課の原油高騰対策について、資料に基づきご説明をいたします。
補足説明資料1の1ページをご覧ください。
原油高騰をめぐる動きについてですが、原油の高騰につきましては、平成19年当時からその兆候が見られており、県としましても、平成19年6月から庁内連絡会議、12月には離島市町や関係団体も入っていただいた緊急検討会議を開催し横の連携を図ると同時に、本土と離島の価格差について、その要因と対策等を調査、検討することとし、平成20年2月には、その調査を実施いたしました。
平成20年6月に政府施策要望で「原油価格高騰対策に関する要望」を行ない、翌7月には知事を本部長とする「長崎県原油価格高騰対策本部」を設置しました。その後、国に対し「原油価格高騰に関する要望」を行なった結果、9月に国庫補助事業「石油製品流通合理化支援事業」が創設されました。10月に各離島市町へ事業実施について働きかけを行った結果、新上五島町、対馬市、五島市がこの事業を実施することになりました。
ガソリン税関係の大きな流れといたしましては、平成20年4月に1カ月間、ガソリン税等の暫定税率が廃止され、翌5月に復元されております。また、平成21年4月には、ガソリン税の道路特定財源としての位置づけが一般財源に変更されております。さらに、平成22年4月には、石油関係税の暫定税率は廃止されましたが、当分の間、同額分の特例税率として課税されることとなっております。
この間、県議会におかれましては、平成19年12月、平成20年4月、同年7月において、それぞれ意見書を国に対しご提出いただいております。
本年5月には、離島振興協議会が「離島地域に係る揮発油税の減免措置について」国等へ要望を行なっており、翌6月には、県町村会が同趣旨の要望を、県及び国等へ行なっております。
2ページをご覧下さい。
本県のガソリン価格の推移についてですが、(財)日本エネルギー経済研究所石油情報センターの調査によりますと、表の2段目の本県のガソリン価格は、原油価格の高騰により、平成20年8月に1リットル当たり192円となったのをピークに、その後値下がりを続けておりまして、平成21年1月には113円まで下がりましたが、2月以降再び上昇に転じておりまして、ここにはまだ記載しておりませんけれども、最新の9月の価格は、全国平均が133円、本県の価格が138円ということで、ここ数カ月は少しずつ値下がり傾向にございます。
また、9月の本土平均価格は135円、離島の平均価格は165円となっており、依然として離島と本土との価格差が30円生じた結果になっております。
3ページをご覧下さい。
本土と離島のガソリン価格比較についてでございますが、上の表は、離島のある他の道県の状況と本県を7月時点で比較してみました。北海道、鹿児島県の離島は、本県の五島、壱岐、対馬とほぼ同じ価格となっているものの、新潟県の佐渡、島根県の隠岐については、本県の離島よりも安い価格帯となっております。
中段表には、本県の8月のガソリン価格を示しております。
一番下の表の右側2列に、長崎県内の1給油所当たりの人口、1給油所当たりの自動車台数を掲載しておりますが、離島は本土に比べ1給油所当たりの人口、自動車台数がそれぞれ4割程度であり、離島のガソリン販売量が本土に比べて少ないことが容易に推測されます。
県石油商業組合の情報では、1給油所当たりのガソリン取扱量の平均について、離島地区は1月当たり20〜40キロリットル、本土地区は1月当たり80〜90キロリットルぐらいで、離島は本土の3分の1、4分の1程度ということになっております。
4ページをご覧下さい。離島の石油製品流通形態についてお示ししております。
一番上段の本土の場合ですけれども、石油製品は、原油を精製する製油所からタンカーで本土油槽所に運ばれ、さらにタンクローリーで各ガソリンスタンドに運ばれてまいります。
離島の場合、流通形態は実情に応じて違ってまいります。2段目以降を見ていただきますと、まず、島に油槽所がある大規模離島は、本土と同じ流通形態で、製油所からタンカーで直接、離島油槽所に運ばれ、タンクローリーで各ガソリンスタンドに運ばれてまいります。これは対馬市、壱岐市、五島市が該当いたします。
次に、油槽所がない中規模の離島は、タンクローリーを本土からフェリーで運び、ローリーで各ガソリンスタンドへ運ばれてまいります。新上五島町がこういう形になりますけど、新上五島町はちょっと変わっておりまして、ローリーがフェリーではなくて貨物船で運ばれているようでございます。
さらにこれより小さな離島は、タンクローリーをフェリーで運べないため、コンテナやドラム缶をトラックに積み込みまして貨物船で運び、トラックで各ガソリンスタンドへ運ぶという形をとっております。その他の小離島がこういう形になります。
5ページをご覧下さい。5ページは、長崎県におけるガソリン流通についてお示ししております。
本県に入ってくる石油製品は、右側の下にありますように主に瀬戸内海に面する石油コンビナートの製油所から運び込まれてまいります。
対馬市には油槽所が3箇所ありまして、石油製品は、元売り系列ごとにそれぞれ500キロリットルのタンカーによって輸送されてまいります。今、製油所からラインは1本出ているかと思いますが、実際にはタンカーは3隻、元売りごとに行っております。
壱岐市は、既に油槽所が1箇所に集約・設置されておりまして、500キロリットルタンカーによって輸送されております。
五島市の福江島には、油槽所が2箇所ありまして、元売り系列ごとにそれぞれ500キロリットルタンカーによって輸送されております。
新上五島町の中通島には、油槽所がございません。本土油槽所から、干尽港の方から、貨物フェリーでタンクローリーによって輸送されております。
6ページをご覧下さい。
6ページは国庫補助事業「石油製品流通合理化支援事業」についてですが、この事業は、離島の流通コストの低減等について検討するため、地元市町の検討会において油槽所を1箇所に集約させるなどの「流通合理化計画」を策定してもらい、地元合意が整ったところで合理化を実行に移してもらおうというものです。中段の表を見ていただければ、1段目が検討会や計画策定に要する経費を2,000万円まで、さらに、2段目の計画が合意に至った場合の共同タンクの設置、共同配送のためのタンクローリーの購入、不要な設備の廃棄などハード事業に要する経費の2分の1から4分の3の補助を国が行なうというものです。
下の表に記載しておりますとおり、平成20年度から21年度にかけて、対馬市と新上五島町でこの事業を活用していただきました。それぞれ地元自治体、地元ガソリンスタンド、元売り、特約店がメンバーとなり、国、県がオブザーバーとして参加した「検討会」を立ち上げ、地域ぐるみの流通合理化に向けた具体策「流通合理化計画」を策定しました。
対馬市においては、現在ある3つの系列の油槽所を1箇所に集約し本土からのタンカーを大型化し、島内配送も共同化することで流通コストを低減する合理化案が検討されました。しかしながら、多額な投資が必要になる上、価格低減は1リットル当たり約1円と期待していた効果が見込まれず、検討会の結論として、現時点では本計画の実施を断念することになりました。
新上五島町におきましては、島内に油槽所がないため、計画案として元売り、特約店が共同して油槽所を建設し、今までの「タンクローリーを利用した輸送」から「タンカーによる輸送」にかえることで島内に持ち込む回数を抑え、また島内の配送も共同化することでガソリン価格を低廉化することができるのではないかという案が出されました。
国、県、町、地元ガソリン関係者が4回の検討会で検討した結果、今後の人口減、電気自動車の普及など将来のガソリンの需要増が期待できない中、国の補助は受け入れるにしても、一定の金額を負担するハード事業を実施することは得策ではないのではないかという結論になりました。
今年度は、五島市で同事業を実施し、島内の流通合理化に向けた具体策の検討を行なう予定でございます。
7ページをご覧下さい。
7ページは「石油製品流通合理化支援事業」の全国の実施状況でございます。全国で実施している県は本県を含め5道県となっております。
北海道の利尻、礼文、奥尻島につきましては、島民の冬の防寒対策のため、灯油のみの800キロリットルタンクを2基ずつ、町自ら所有しておりましたが、実際の需要がそれを下回っていたため、規模を縮小し500キロリットル未満の油槽所を2基ずつ建設することで油槽所の維持管理経費を節減する計画を立てまして、検討委員会で決定されました。今年度、ハード事業が実施されております。
佐渡島につきましては、さきに視察していただいたとおりでございます。島内2箇所ある油槽所を1箇所に集約し、海上輸送タンカーの大型化、島内共同配送の実施、共同地下タンクの設置の計画が立てられましたけれども、今のところ実施の目処は見えていないようでございます。
島根県の隠岐の島は、島前地域と島後地域でそれぞれに流通していた輸送を一体的に取り扱う合理化計画を立て、平成21年度に事業が実施されております。
鹿児島県におきましては、甑島、奄美大島の北ブロック、南ブロックでそれぞれ計画が立てられておりますが、ハード事業を実施するという合意にまでは至っておりません。
本県の状況は、さきにご説明したとおりでございます。
8ページをご覧下さい。8ページから9ページは、県が平成20年2月に委託した石油価格の地域格差についての調査結果の概要でございます。
平成20年3月に県内給油所に対し価格低廉化のためのアンケートを行なったところ、8ページの一番下の方にありますように、石油製品価格引下げの手段として、「輸送の共同化」、「貯油の共同化」という回答がございました。
これを受けて、9ページにありますように、対馬市をモデルに3油槽所の運営共同化、海上輸送、島内陸上配送の共同化を実施した場合における改善効果額を試算し、一番下にありますように1リットル当たり6.5円の改善効果があることを試算いたしました。
県では、これをもとに国に対し、石油製品の流通合理化支援を訴えまして、国の国庫事業の実現となったことは、先ほど申しましたとおりでございます。
10ページをご覧下さい。10〜14ページにわたっては、新上五島町石油製品流通合理化施設設置事前調査報告書の概要でございます。
13ページを見ていただきますと、「A.現状の輸送コスト」と「B.共同油槽所を設けた場合のコスト試算」及び両方のコストの差を示しております。これによると、農協・漁協販売分を含む全販売量を取り扱う場合、1リットル当たり8.2円、民間販売店の販売量のみ取り扱う場合は7.4円のコスト削減が図れることがわかりました。
14ページを見ていただきますと、ここには将来推計人口に基づく石油販売量の推計を出しております。これによりますと、将来の石油製品の販売量は軒並み減少を示しておりまして、このような状況の中で、共同タンク新設の建設主体、管理運営主体になるところが現れませんで、下の枠囲いに記載しておりますとおり、現在のフェリーによるタンクローリー輸送のままがベターであるという結論になっております。
15ページをご覧下さい。
15〜20ページにわたりましては、対馬市石油製品流通合理化に関する調査報告書の概要です。
16ページをご覧下さい。ここでは、現在3つの油槽所からガソリンスタンドまで届けられている現状をお示ししております。そこから下の方にまいりまして、枠囲いの中ですけれども、タンクの状態等から3つの会社の中で新出光の油槽所を共同の油槽所と決定いたしました。
17ページを見ていただきたいんですけれども、ここには対馬の地図に油槽所を落としております。地図上の1が美津島町の緒方地区、地図上の2、3が厳原町の久田地区、地図上の4が美津島町のケイ知で、この3地区の油槽所を表示いたしております。
19ページをご覧ください。
改善効果額の試算がなされておりますが、3箇所を1箇所に集約することとした場合、1リットル当たり、合計ですけれども、0.884円の改善効果額となっております。
それに比べ、共同油槽所の整備等には、そこにありますように約7億円の費用をかけることになり、下の方の枠内に記載しておりますとおり、7億円という多額な投資が必要な上、改善効果額が1リットル当たり約1円ということで集約効果が認められないことから、対馬市としては、油槽所集約化は断念せざるを得ないという結論になっております。
20ページには、対馬市流通合理化検討委員会のまとめ及び対馬市議会に関する新聞記事を掲載しております。
21ページをご覧下さい。ガソリン税制についてお示ししております。
ご承知のようにガソリン価格には、揮発油税及び地方揮発油税のガソリン税が含まれております。ガソリン税の本則税率は1リットル当たり28.7円、揮発油税24.3円及び地方揮発油税が4.4円ですが、これに特例税率25.1円、揮発油税24.3円、地方揮発油税0.8円という形で加わっております。全体としてガソリン税は53.8円、揮発油税で48.6円、地方揮発油税で5.2円が課税されております。
このガソリン税につきましては、平成20年度までは道路特定財源という目的税で、そのまま国・県・市町の道路事業の財源に充てられておりましたが、平成21年4月からは一般財源として位置づけられております。
22ページから23ページにかけて、関係法等の抜粋をお示ししております。
24ページをご覧下さい。
揮発油価格の高騰時の課税停止措置についてですけれども、国は、本年4月1日にガソリン税の暫定税率、1リットル当たり25.1円を廃止する一方で、地球温暖化対策税(環境税)を導入するまでの当面の間は、租税特別措置として特例税率1リットル当たり25.1円を上乗せすることで、それまでと同じ暫定税率の課税水準を維持する措置をとりました。
その際、ガソリン価格の急激な高騰に対する緩和策として「トリガー条項」なるものを設けております。これは、総務省の小売物価統計でガソリン価格の全国平均が連続3カ月にわたって1リットルにつき160円を超えることとなった場合は、ガソリン税、揮発油税、地方揮発油税ですけれども、特例税率25.1円を停止しガソリン価格の高騰を抑え、逆に小売物価統計でガソリン価格の全国平均が連続3カ月連続で130円を下回ることになった場合は、特例税率を復元して元の税率水準にするというものでございます。
ただ、これにつきましては、総務省の小売物価統計のガソリン価格は全国平均の価格を基準にするものでして、特例税率の停止、復元は全国統一したレベルのものであり、離島だけを特に優遇するものではないため、本土と離島のガソリンの価格差を是正することにはならないものです。
25ページをご覧下さい。
県内のガソリンスタンドの数の推移についてですが、平成21年度末の県内の給油所数を見てみますと、その数は598で、そのうち本土地区の給油所は460、離島地区の給油所は138です。10年前の平成11年当時と比較しますと、県全体で175の給油所の減になっております。本土地区で176の減ということになっておりまして、離島地区では結果として1増となっております。本土地区においては、ガソリンスタンド間の競争激化等により、その数が減少したものと考えております。
26ページをご覧下さい。
長崎県内の市町別給油所数についてでございますが、平成21年度末の県内の給油所数598の市町別数でございます。そのうちセルフは101で、率にして16.89%となっております。時津町、川棚町で半数以上を占める結果になっておりますけど、反面、壱岐市、小値賀町、新上五島町ではセルフスタンドがない状況にあります。
ちなみに、全国平均では20.56%がセルフの割合となっております。
以上で、説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
◎平尾食品安全・消費生活課長 続きまして、長崎県消費者基本計画の改定について補足説明いたします。補足説明資料の2をご覧いただければと思います。
まず、今回の改定は、項目1にありますとおり、平成18年3月に策定しました現行計画の計画期間が今年度で終了することから、次の第2次計画として平成23年度から27年度までの5年間の計画として策定するものでございます。
改定の背景といたしましては、項目2に記載いたしておりますとおり、6つの消費者を取り巻く経済・社会環境の変化という形で整理をしております。
まず一点目は、「高度情報化社会の進展」というところで、近年、消費者の間にもインターネットが急速に広がっております。これに伴い、インターネット取引も急速に拡大しております。いつでも、どこからでも自由に取引ができるようになっておりますが、その半面、見えない相手との取引きというリスクを抱え、商品、サービス、さまざまなトラブルが増えている状況でございます。
2点目の「経済のグローバル化」と3点目の「食の安全及び製品事故への関心の高まり」ですが、日常的に輸入製品が購入できるようになった反面、中国製ギョーザ中毒事件、あるいは食品偽装表示など食の安全・安心を脅かすような事件の続発、さらにはガス給湯器に係る死亡事故など身近な製品による重大事故なども発生してきている経過がございます。
4点目の「多重債務問題に関する新たな展開」につきましては、多重債務者の発生が深刻な社会問題となっていたことから、平成18年に貸金業法が改正され、本年6月に完全施行されました。また、平成19年には多重債務問題改善プログラムが策定され、国・自治体・関係団体が一体となって多重債務者の発生の防止及びその救済に取り組んできているところでございます。
そのほか、5点目として、訪問販売等において、高齢者や契約に不慣れな若年者等に対する消費者被害が拡大していること、6点目として、地球温暖化といった地球規模での環境問題への関心が高まっていることから、消費者の立場からも環境保全への自主的、積極的な取組が求められていることなどが挙げられております。
以上のような背景を踏まえまして、新たな施策等を盛り込んだ計画を今年度中に策定、改定することとしているわけでございますが、ここで、今回の改定のポイントをご説明いたします。
資料2、裏のページをご覧いただければと思います。
ここに項目5として、新規施策として取り込みます今回の改定のポイントを掲げております。また、3ページ目に別紙として、施策の体系を一覧的に整理しております。
3ページの体系の表を見ていただきますと、左の「展開方向」でございますが、現行計画と同様に、大きく4つの分野から展開方向を整理しております。これを推進する施策が、中央、それから右側の欄にございますが、それぞれの施策、内容の欄に太字で記載している部分が、今回の主な改定のポイントとなる部分でございます。
それでは、少し具体的にご説明いたしますが、今回提出しております別添の「第二次長崎県消費者基本計画(素案)」をご覧いただければと思います。この素案に即しまして、主な改定ポイントの中身を説明いたします。
まず、別添の素案の14ページでございますが、「展開方向」の1の「消費者トラブルの防止と救済」の分野でございます。
昨年9月に施行されました消費者安全法において、「消費者からの相談及びあっせん等の第一義的な対応は、市町村で行うこと」とされております。都道府県は、「市町村に対する技術的援助や広域的な見地を必要とする苦情相談、あっせん等の処理を行うこと」と規定されていることを踏まえまして、県においては、市町相談員の養成等を行うことを(1)の「市町消費生活相談体制の整備」として明確化をしております。また、(2)の「県消費生活センターの機能強化」の中に広域的専門的相談への対応などを具体的に盛り込みまして、県と市町の役割分担を意識した内容にしております。
次に15ページをご覧下さい。
深刻な社会問題となっており、国においても改正貸金業法が施行されるなどの対策がとられております多重債務問題につきましてですが、(3)の「多重債務者問題に関する施策の充実」として新たに項目を設けまして、15ページから16ページにかけまして、市町も含めた相談機能の充実、あるいは啓発活動の強化、県自殺対策連絡協議会等の関係機関との連携などを施策として盛り込んでおります。
次に18ページをご覧下さい。
展開方向の2番目で「主体性のある消費者の育成支援」の分野ですが、ここでは、(1)消費者にわかりやすい啓発活動の推進の@の多様な情報発信という部分で、3つ目の◯でございますけれども、消費者行政活性化基金を活用いたしまして、テレビCM、新聞、ラジオ等による消費者被害に関する注意情報、あるいは県内相談窓口のPRを実施し、広く周知するということをうたっております。
また、19ページになりますが、Aで、市町における啓発講座を推進するため、県から講師を派遣することなどを新たに追加しております。
また、同じく19ページの(2)「消費者教育の体系的・総合的な推進」では、@「学校における消費者教育の推進」の一番目の◯で、同じく基金事業として新たに小・中学校の生徒のための副読本の作成や教職員に対するセミナーを実施することを新しく盛り込んでおります。
次に、ちょっと飛びますが、22ページをご覧下さい。
展開方向の3の「消費生活の安全・安心の確保」の分野でございますが、22ページから26ページにかけまして、現行計画ではかなり集約した形で書いておりましたが、今回は、それぞれの商品、あるいはサービス等に少し区分けをいたしまして、具体的な記述にさせていただいております。
また飛びますが、27ページをご覧ください。
(2)「消費者事故情報の適正処理」ということで、昨年9月に施行されました消費者安全法に基づきまして、消費者事故情報の対応ということが新たに明確化されております。それに関する部分の項目を新たに整備させていただいている状況でございます。
概略、端的でございますが、以上が、今回の改定のポイントでございます。
なお、具体的施策の内容等につきましては、県議会のご意見をはじめ、パブリックコメントの実施など県民の皆様のご意見を伺いながら、本年度中に内容を固めまして、計画として取りまとめ、策定を図り、来年度以降の消費者行政の計画的、総合的な推進に努めてまいりたいと考えております。
よろしくご検討、ご審議いただきますようお願い申し上げます。
○陣内委員長 ありがとうございました。
次に、お手元に配付しております陳情書一覧表のとおり、陳情書の送付を受けておりますが、これについて、何かご質問はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 ないようでしたら、陳情については承っておくことにいたします。よろしいでしょうか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 次に、議案外所管事務一般について、質問を行うことといたします。
なお、質問につきましては、事前通告のあった質問を優先的に、関連質問も含めて1項目ずつ行っていただきます。
議案外所管事務一般について、事前通告された委員の方々で、質問はいかがでしょうか。
◆高比良[末]委員 第二次長崎県消費者基本計画について、幾つかお聞きをしたいと思います。
世の中の進展とともに消費者被害、さまざまな被害があっておりますが、やっぱり基本は、先ほど子ども自身の危険を回避する能力を高めていくと、やっぱり消費者もこういう視点に立って能力を高めていかなければというふうに思っております。
本県における消費者の被害の具体的内容といいますか、相談件数は項目に書いておりますが、どのような被害に遭っているのか、類似して幾つかに分かれると思いますが、そういう類似種を、今まで被害に遭ったものをまとめていますか。
実は私どもも、具体的にどういう手口で被害に遭ったのかというのを知りたいんです。それがわかれば、いろんな場所でいろんな人の集まりに行きますので、いろいろワンポイントのアドバイスもできると思うんです。そういう情報がなかなか伝わってきません。
そういうのは、まとめてどこかに発信していますか。そこをまずきちんとやることが大事だと思うんです。やはり自分で守るといいますか、そのためには知識を持っておくというのが大事と思います。そのために啓発活動も進めていくようにされておりますが、そういう下準備というのはできていますか。
◎平尾食品安全・消費生活課長 お尋ねは被害の事例集の作成はということであるかと思いますが、現時点で冊子として具体的にまとめた形というものは、一般の方々に配布するものとしては、特にまだ現行では作っておりませんが、2つ、実はパターンがございまして。
1つは、県の消費生活センターの方で情報誌を隔月で出させていただいております。これは、1回に約1万4,000部程度、各市町商工会議所、事業所、学校、生活学校、公民館、図書館あたりにリーフレット的な冊子を出させていただいております。その中に具体的な相談事例を毎回掲載しておりますし、あとはホームページの中で、これまで県の相談窓口に出てきた相談事例を随時発信して、リスト的な形の中で見ていただくような形にしております。
それから、一般用ではございませんけれども、県の消費生活相談員と市町の相談員用に作成、配布しております相談員必携というふうなマニュアルがございますが、その中にはそれぞれの特定商法を含めた具体的な手口等々についてのパターンを取りまとめて、それに対する対応等を整理したものはございます。
そのほか、県内各地で地域リーダーとか、あるいは高齢者向けの講座を年間に約100回程度いたしておりますけれども、その中で具体的な事例をその都度パンフレット等を活用した形で出させていただいている状況でございますので、被害の事例集として一般的なものとしては特にございませんが、その点についてはまた今後、啓発等の中で整理、工夫をしていきたいと思っております。
◆高比良[末]委員 かなりそういう被害の事例集は出されておると。私どもはもらっているんですかね。見たような、どうですかね。
◎平尾食品安全・消費生活課長 委員が今ご指摘いただきました事例集で、過去にどういうパターンがどのくらいあるかというふうな厚い冊子的なものは、製本している部分はございません。先ほど申しました市町の相談員、あるいは県の相談員が手元にマニュアルとして持っているような手引きの中に入れているものはございますし、その都度その都度、発生している悪質商法の手口等を紹介していくような形を随時、単発的にホームページ、あるいは情報誌の中で出している状況でございます。
◆高比良[末]委員 いろんな手口がずっと時代とともに変わってきますよね。昔1回やった手口で消費者をだましても、次はずっと変わっていくから、どういうのを作った方がいいのか、タイムリーに作るのもなかなか難しい面もありますが、なるべく多くの人にそういう情報がわかって、それをみんなで啓発、教えてやるという、ここの量をもう少し増やさないといかんのじゃないかなと思っているんですよ。だから、特別の人ばかりではなくて、例えば我々にも。作ったら買ってもいいですから。必要だなと思っているんですよ。いろんなところに行きますし、議会だより等も出しますし、いろんな媒体を使ってですね。
市民が被害に遭うということは私どもも避けなければいけませんので、遠慮なさらずに、もっと大きく情報を知らしめるという方法をとっていただければというふうに思っておりますので、今後の取組に期待しておきたいと思います。
次に、環境に配慮した消費者行動の推進ということがうたわれておりますが、これは、環境部とのすみ分けというのはどういうふうにされていますか。
◎平尾食品安全・消費生活課長 今回の消費者基本計画の改定素案の中でも、第4の展開方向として環境に配慮した消費者行動というのを出させていただいておりますが、基本的には私どもの今回の計画、別途国におきましても基本計画の第一次計画が期間満了して、今年の3月に第二次計画が出ております。その中でも同様の環境配慮の部分が出てきておりますが、すべての生活、あるいは消費者という中では、消費者問題はかなり間口が広くて、多様な分野にわたっております。
私どもの基本計画の今回の素案の中でも、今ご指摘があったような悪質商法などの消費者の財産的被害を所管しております我々の生活センター、あるいは市町の消費生活センターあたりの部分につきましては私どもの県民生活部の主管という形でやってきておりますが、それ以外に、例えば消費者に関心の高い食品安全の分野、あるいは各課で所管する関係法令に基づく事業者の指導、行政的な処分対応というのも各部局にそれぞれまたがってきております。
そういうふうな意味で、先ほどご指摘がありました環境の分野につきましても、私どもの方が県の関係部局を総合的に調整して計画を作っていく、あるいは計画の進捗状況を把握・管理、あるいは状況について必要な各部局との連携を図っていくというようなことをやっております。計画の中で述べておりますような環境分野については、基本的には環境部局で、先ほど申しました項目の中では、所管である未来環境推進課が基本的な部分ということで、私どもは総合調整、それから環境部で所管されている部分の中身につきましては環境部の方で具体的に計画、それから進捗等々を図っていただくような形の中の連携、連絡をとらせていただいているというような状況でございます。
◆高比良[末]委員 すると、これに書いている環境に配慮した消費者行動の推進というのは、ほとんどは未来環境推進課がやっているんですね。
環境部でも言いますが、例えば県下一斉のノーマイカーデー運動などやりますね。県民生活部もこれはしてほしいと思いますが、その効果がどうであるかというのを、取り組んでいる人に知らしめることが大事だと思うんです。1日やった時に、CO2削減が幾らというような報告もありましたけど、これをやったら環境問題にどれだけの効果があるというのをよく知らしめて協力してもらわないと、ただ、「何日はノーマイカーデーですので協力をお願いします」では、なかなか効果は薄いと思いますから、ぜひぜひその辺は、効果についても今まで検証していますし、その辺のPRをしながら取り組んでいただければというふうに思っております。
あとは、よくできているなというふうに思っておりますし、特に、いろんな消費者が困っていることについて、県は本当に積極的に取り組んでいこうという基本計画だというふうに思っておりますので、以上、2点を質問して終わります。
○陣内委員長 関連してご質問のある方はおられませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 なければ、次の項目での質問をお願いいたします。
◆金子委員 石油製品価格動向ということで質問させていただきます。
今回、石油製品の価格動向についてということで、随分と詳しい資料が出てまいりました。事の発端は、原油の高騰によって県内の価格が上がりました。全国平均と比べて長崎は非常に高い。その中でも離島あたりは極端に高いということで、対馬あたりにおいては200円を超すんじゃないかというふうな時期がございました。
そういうふうなことから、一定の問題化というよりも、これを何とか解決するための対策が必要じゃないかという形でこれまで来たという経過があったと。様々な形でこの経過が載せられておりますし、平成20年7月には原油の高騰対策の本部が設置されたと、これは全ての部長がその委員、副知事が本部長となったという記憶もあります。
そういうふうな形で、いま一つぴんとこない。せっかくここまで分析して、大山鳴動して実はネズミ一匹みたいな感じで、1円しか差がない。これは前回も聞いておりました。1円しかない。これにも新聞までご丁寧に付けておられるんですけれども、結局は、対馬とか壱岐とか五島とかでやっていた様々な対策では、流通コストを解消しても価格的には無理だというふうな結論が出たとされております。じゃあ、この後ですね。
情報をこれだけ作られました。26ページにわたったような形でやりました。それから減免価格云々というふうな形で離島振興策という形でやって、その分を県が全部補助しますよということは多分あり得ないだろうとも思いますけれども、この情報を各方面へ積極的に提供していきますよという形で終わってしまっているんですけど、この資料をどう活用する、また県民生活部でどう、この後、石油価格の問題について取組を進めようとしているのか、そこをまずお聞きしたいと思っています。
◎永友県民安全課長 現在、新上五島町と対馬市が終わった段階ですけれども、それぞれの議会なり住民の皆様方にその結果についてのお示しが、市町自体であっているようでございます。
私たちとしましては、こういう情報も含めて、県独自に石油の価格等も調べておりますので、そういうのもあわせて、いろんな機会をとらえてお示ししていこうと思っております。
それから、今後についてですけれども、平成20年2月に調査をするところに県も踏み込んだわけでございます。それまでは、離島と本土とのガソリンの価格差というところでは踏み込めなかった部分がずっと続いてきたわけですけれども、調査をして一つの方向性を見つけ出して、国に働きかけて国庫事業をつくっていただいて、それに基づいて市町に事業をやっていただくということは一段踏み出せた部分かなと思っております。
ただ、結果としてはなかなか厳しい状況で、次の段階には踏み出せていないわけでございますけれども、即これをどうするということにはなかなか行き着かないわけでございます。
独占禁止法の関係等々も、例えば価格の廉価販売をしているようなところについての申告を受け付けたり、警告を発したり、また、今年の1月からは課徴金も課せられるような制度も始まっております。
それから、全国の石油商業組合連合会の方でも積極的にそこら辺で声を上げていこうというふうな取組があっております。
国の方としても、独禁法の関係でどこまでもやれるという部分ではありませんけれども、全国の石油商業組合連合会とも手を組んでいけるところはいきましょうということで、新しい取組も始まっているところでございます。そこら辺に私たちも期待をしておりますし、そういった情報も逐次、収集して提供していかなければいけないかと思っております。
◆金子委員 ちょっとわかりにくかったんですけれども。
これはどうなんですか、県民生活部県民安全課なり、部なりの限界という形で。例えばこういう結果が出ましたと、もうこれは前々から、価格差だけだったらその時の相場をすればいいんですけれども、少なくとも30円は差があるということはわかっていたわけですね。だからその原因を究明しましょうということで、さまざまな輸送コストとかやりましたよね。タンクの共同化とか、さまざまな案が出されて、それで試算された。しかし、それでやっても価格差は1円しか変わりませんよということですね。
そうすると問題は、もうおのずとわかってくるのが、給油所の規模が小さ過ぎる、それも実際上わかってきているわけですね。例えば1万リットル売る店と1,000リットルしか売らない店とは、当然10倍ぐらいの差が出ると。そこを1人でやっているとすれば、当然所得は10分の1しかないという形がわかってくるわけですね。
そうすると、県民生活部でそこに対して例えば共同化とか何とかという働きかけまではできないんですかね。そういうのがわかっていてもできないんですか。それはどうですか。
◎永友県民安全課長 国の補助事業がまさに、共同化をしてコストを下げて、少しでも価格に反映させようという事業で取り組んだわけでございます。現在の価格低廉化は本当にわずかなものしか見込めていないんですけど、地元の状況、それから既存のタンクを活用する場合の整備にかかるお金とか、そういったものを具体的に考えていった場合、それと、例えば対馬でいえば3箇所の油槽所がありますけれども、1箇所にしたいという場合に、雇用者の方は3箇所分は必要ではないんですけれども、そこら辺の対応をどうするか。あとは、1箇所に集約される油槽所の地域の方々のご判断というものも、この結果には反映されております。
もろもろ、そういう地域の実状というものが入り込んできておりまして価格帯も示されておりますし、結果として実現には至っていないというところでございます。
◆金子委員 なかなか解決策は出ないなと思うんですけど、実態としてこれまで長崎の方に住まわれていて、県の職員も皆同じ、学校の先生も一緒、広域人事で動きますね。そうしたら、急にガソリン代が30円以上上がるわけですよ。そうしますと、1リットルで1月動いてくれれば大したあれじゃないんですけど、1回入れるたびに50リットル、月でいきますと100リットルは当然超す。程度にもよりますけどね、超してきます。そうすると、100リットルで3,000円。それ以上いきますと5,000円ぐらい毎月差があるとすれば、年間では6万円の差になってくるという現実問題があって、なんでそんな高いのと話として出てくる。それに対して何らかの方策はないのと、やっぱり言われるわけですね。そう言って当然だろうと思うんですよ。若干の差ぐらいだったら、それはやむを得ぬだろうけど、30円、40円ということになりますと、どうしてと。
そこで調査されたのが、当然船で持っていく、何で持っていくという形で、ここにもわざわざ図まで出されていますね。これでいっても1円ぐらいしか差がないというわけでしょう。1つはタンカーで、それなりに大きな車で持っていく、1つはただ単にドラム缶に入れたような形で持っていっても、その差というのはそんなに変わるものじゃありませんよという形しか出てこないとすれば、やはりこれはもうちょっと抜本的な方策をとらないと、30円、40円のこの差、もうしようがないんですよと。
せっかく調査しても、それぞれの小売り体制、販売体制なりを変えないといかんですよというふうな形だったら、一定の方向性というものをやっぱり示していくというのも必要じゃないかなと思うんです。これは当然本土側の旧郡部関係もそういうのがありましたね。いっぱい小さい給油所がありましたけれども、今じゃあ、道路がよくなったということもありますけれども、ほとんど消えていってしまっている。まちの中のガソリンスタンドも統合化をされていっているという現状の中で、どういうふうな形でこの県民生活部としての指導なり、全体的な行政的な一定の対応をしていくのかというのがやっぱり一番求められていると思うんですけど、そこはどうなんでしょうね。
◎永友県民安全課長 やはり商品の価格というのは独禁法上にかかるものですから、行政の指導なりというような部分がなかなか行えないというところはもう一番大前提になっております。
それと、離島の方は価格競争が本当に緩やかであることは事実ですけれども、本土並みに価格競争をした場合に、例えばある地域からスタンドが消えてしまう。そうなった場合にはまたご不便をかける形になりますし、ガソリンだけではなくて灯油も手に入らないという形になることもあるかと思っております。これは西彼地域でも同じだと思いますけど、離島はほかの地域に購入するすべがないですから、そこら辺の兼ね合いも非常に大事であるし、そこに踏み込むということがなかなか、そういう結果を招くことになることについては行政としても非常に難しい部分だなと感じているところでございます。なかなか、これがいいというふうな解決策というのは見込めないんですけれども。
ただ、今回、対馬市と新上五島町におきましては、この計画を立てる際に、元売り、地元のスタンド、石油商業組合の方たちとか、そういう人たちに集まって話し合いをしていただきましたので、一定いろいろお話をできる形はつくれたかなと思っております。次の段階として、そういう部分で何かを見出せていければなという気はしておりますけれども、それは今後もう少し時間をかけないと難しい部分じゃないかと思っております。(「関連」と呼ぶ者あり)
◆瀬川委員 ちょっと関連をいたします。先の陳情要望の中にも今回のこの問題については上がってきておるんですが、要は、揮発油税を何とか減免してくれというような要望が離島地域からは上がってきているわけですね。これは全国的にも資料をお示しになって、北海道から鹿児島までそれぞれ単価もお示しいただいておるところですが、例えば特例分の24.3円を減免していただければ何とか本土と離島との価格の差が縮まるんじゃないかというようなことを今後求めていかなければならないと思うんです。
これまで国の施策や、あるいは離島も一緒になって協議を重ねた結果、1リットル当たり1円コストを下げるのに7億円も幾らも大きな投資が新たにかかると、これでは何のための値下げの議論なのかというようなことだろうと思うわけです、一言で言えば。
そこを行政側から、税を免除せよというような話は言いたくとも言えない部分があろうかと思いますが、しかし、離島地域の自治体、あるいは自治体の議会等々の要望について、こういう陳情とかを受けながら、率直なご意見というのはどういうお気持ちですか。まずそこをお聞きします。
◎永友県民安全課長 町村会、それから離島振興協議会と、同じように減免措置についての陳情をいただいているところでございます。国の方にも同じように上げていただいておりまして、私どもの行政レベルの方も、全国的につくっております離島の協議会の方で国の方に減免の措置についてお届けをしているところでございます。
今、瀬川委員からは、地方揮発油税ではなくて国税の方の揮発油税の特定税率分をどうかというお話がありまして、そこら辺も具体的に検討はしているところでございます。
国の方もいろいろ数字をはじいておられるところは見受けられますが、先週でしたか、与党の税制関係のプロジェクトチームがようやく動き出しまして、11月までに租税特別措置法関係の提言をするとお伺いしております。そして税調の方でまた協議という形になるかと思うんですけれども、そういったところに声が届いて、そのプロジェクトチーム等で議論をしていただいて、ぜひ実現していただければと思っているところでございます。
◆瀬川委員 今、国税の部分を申し上げましたが、地方揮発油税まであわせると29.5円、約30円の金額になるわけですよね。
仮に地方の声として、市町村はもちろん議会も一緒になって、県も課長がおっしゃったようなお気持ちと考えていきますと、そういう方向に動いていって国がそれを受け止め、特例分を何とか減免しようということになった時に、この地方分の本則、特例あわせて5.2円の部分も、国だけではなくて地方も、本土と30円の差を埋めるに当たっては24.3円に5.2円を足して地方分をあわせてどうかというような声だって、国が動いていけば当然国からも出てくるだろうし、長崎県内で考えますと離島からもそういったことが出てくると思うわけですけれども、そういう部分について、今の段階で県の考え方というのはどうですか。
◎永友県民安全課長 地方揮発油税の部分であれば地方譲与税の方にいただく形になるわけですけれども、そこら辺の整理も国の方にお願いしないといけないと、地方にいただけるのはいただいた上で減免もお願いしたいという形が望ましいと思っております。
今まで、ここら辺までは離島振興の部分もなかなか国の方としても踏み込めていない部分ですけれども、先般の県議会の一般質問での知事の答弁でもありましたように、離島振興法が平成25年3月で失効いたしますので、その次の後継法成立に向かって、県の方では離島振興の懇話会の中でガソリン税も含めて全般検討したいと、そういう形をとる方向で、離島振興の懇話会の第1回はもう開かれたところでございますが、やはり今までと違った離島振興の位置づけなり、考え方なり、そういう部分をもう少し。ハード事業に費やしてきたような離島振興策から、もっと県民の生活に密着したような、離島で生きていけるような、そういう部分の離島振興法にもっていくために抜本的な考え方を、専門家の識者の皆さん方のご意見もいただきながら検討していかないといけないんじゃないかと、そういう中で一つガソリン税等が位置づけられれば、確固たるものになっていくんじゃないかなと思っております。
◆瀬川委員 ありがとうございます。課長がおっしゃったように、これまでと違った考え方、観点から離島振興というものをどうすべきかということを考えた上で検討をし、判断をされるという思いは理解をしたところです。
もし仮に国が、この揮発油税の特例部分を離島に限っては見直そうというようなことになった場合、全国の離島を抱える都道府県に先がけて長崎県としてはきちんと、これまでの離島振興法とは違った、今おっしゃった課長の考え方に基づいて、新たな離島振興策というものを確立していただきたいという思いでおります。
なお、自民党会派として総務委員会の方で、この揮発油税減免にかかわる意見書等を採択いただけるように提案があろうかと思いますが、本会議でこの委員会の各委員の方々もご判断をしていただくような機会になってくるというふうに思っておりますので、よろしく。そのことも付け加えておきたいと思います。ありがとうございました。
○陣内委員長 ほかに関連質問はございませんか。
なければ、次の質問に移りたいと思います。
◆山口[初]委員 それではお尋ねをします。
この総合計画について、土木部にもお尋ねをしたんですが、向こう5年間の総合計画が策定されておりまして、県民生活部といたしましても、基本理念の中のそれを実現するための10の政策の中で大きく4項目、まず政策2の「一人ひとりをきめ細かく支える」、政策3の「人を育てる、人を活かす」、政策8の「『地域発の地域づくり』を進める」、政策9の「安全・安心で快適な地域をつくる」と、大項目の中にそれぞれ具体的な施策がうたい込まれておるというふうに理解をします。
県民生活部として、この長期総合計画の中での特徴的な取組といいますか、県民の皆さんにアピールするポイントといいますか、要するに県民生活部として力を入れて積極的に取り組んでいくという項目について、いま少しご説明をいただきたいと思います。
◎立石県民生活部長 県民生活部の施策事業につきましては、県民の安全・安心の確保など県民の皆様の日常生活、暮らしに極めて密着した分野でございます。また、県民、あるいは地域、団体などとの連携を図るなど、いわば人といいますか、県民の総合力を発揮できる環境づくりを行う分野の施策事業の推進にこれまでも取り組んできたわけです。
今回の次期総合計画の計画素案で、「人が輝く、産業が輝く、地域が輝く長崎県づくり」を進めていくための県政の基本的な方向性というのが示されているわけでございます。
とりわけ、この基本理念のうち「人が輝く」という部分を具現化するものといたしまして、消費者行政、あるいは食品の安全・安心、男女共同の参画、人権、食育、それからボランティアの推進など、いわば人を支える、人を育て活かすという人に着目した事業を推し進めるということにしております。
また、「地域が輝く」という基本理念を具現化するものといたしまして、NPOとの協働の推進であるとか、犯罪のない安全・安心まちづくり、あるいは交通安全対策など、いわば地域に着目した事業として位置づけるということにしておりまして、これらを着実に推進することによりまして、県民の皆様の安全・安心な暮らしづくりとか、人づくり、人を活用する、人を活かす政策の満足度といったものが向上することを目標に、基本的に今度の計画で位置づけた上で、その施策、事業の推進に取り組んでいきたいというのがポイントと考えているところでございます。
◆山口[初]委員 概略的にそういうことでご説明いただきました。
総合計画の冒頭にも記載されておりますが、長崎県長期総合計画が2001年に策定されていますね。今年度が2010年度ですが、この延長線上にこの総合計画があるというふうに判断をしておるんです。だとすると、この長期総合計画の中に皆さんが今までやってこられたことがうたわれているわけですが、その政策評価といいますか、これにどう活かされたのか、活かされていないのか。時代は変わっていますけど、そのことについて、いま少しご説明があればいただきたいと思います。
◎立石県民生活部長 策定に当たりましては、これまで県が進めてきた取組の評価なり成果の検証という部分を十分に行った上で、新たな総合計画を策定することが大切であろうかと思います。そういう意味では、その年々の事業評価を通じて、これまで県民生活部は現行の計画に基づく施策、事業の評価についてやってきております。それを踏まえた上で、今度は特に人、あるいは地域ということで県民生活部の政策に密接に関連する部分が基本理念の中に盛り込まれておりますので、今度の新しい理念の展開というか、そういったものが十分できるように計画に計上し、それを着実に実行していく、実施していくという部分にかかわってくるかというふうに考えております。
◆山口[初]委員 そういうことで、この総合計画を設計するに当たっては、県民生活部としての5年後の我が長崎県の理想型といいますか、あるべき姿というもの、いわゆる目標値を数値で評価できるものについては数値目標を立てて、そういう形での計画がなされているんだろうと思いますが、いま少し、項目で特徴的にアピールできるポイントというのは。これを読めばわかりますが、結果としては若干総花的になっているものですから、何が県民生活部の本当のねらいなのか、アピールポイントなのかというのがいま少し読みとりづらいといいますかね。みんな大事なんでしょうけど、その辺について特徴的なものがあればお示しをいただきたいと思います。
◎立石県民生活部長 特に、これまでの視点をまた1歩踏み込んでやる部分として、例を挙げますと、例えば男女共同参画の中に、新たに女性力といったものによる地域社会の活性化というか、そういう女性の力をもっともっと発揮できるような環境づくりといったものをうたい込んでおりますし、先般、記者発表等もさせていただきましたけど、そのためのプロジェクトにも取り組むことにしております。
それといま一つ、NPOとの協働事業ということで、これについては現行の計画の中でも推し進めてまいりましたけれども、協働を更に推進する新たな仕組み等を考えた上で、平成23年度以降の次期計画においても、もっともっと協働の推進が図られるよう、システム等も構築をしながら進めていくということで、女性力、あるいはNPOとの協働といったこれまでにない部分で踏み込んだ表現をしているところでございます。
◆山口[初]委員 わかりました。
この10年前に策定したものの目標値等々を見てみますと、この10年間で世の中はものすごく変化しているんですね。そうしますと、これは直接関係ないかもしれませんが、離島の先ほどのガソリンの関係もあるんですが、航路、空路の関係で126万人を140万人に増やすとか、あるいは壱岐でも94万人を130万人に増やすということになっているんですが、実態としてはそのようになっていないのが我が長崎県としては極めて残念な状況にあるんだろうと思いますがね。そういう意味では、県民生活部として今回立てられた目標に、県民がきちっとそういう形で着地ができるように、この5年間、皆さん方にはしっかり頑張っていただかなきゃならんのじゃないかなと思っております。よろしくお願いいたします。
○陣内委員長 関連質問をお受けします。どなたかいらっしゃいますか。
なければ、通告をしている方で、次の項目について、どうぞ。
◆金子委員 多重債務者対策についてお伺いしたいと思います。
様々な要件において多重債務になっている方に対して、消費者生活センターで様々な相談等々を行ってきているという形でここに書いてあります。多重債務は必ず解消できるというふうな形でやっているわけです。
この中に載っていないなと思ったのは、3分の1以上は借りられませんよというふうになっているのはもうご存じのとおりですね。その問題が、あの後あまり表面化していないという事実もあるんです。3分の1の方がどうされているのかですね。今まで、3分の1が決まる前から3分の1借りていないですよというふうなことはあり得ないですね。じゃあ、3分の1にするために、3分の2借りていた人が、その3分の1はにこにこ笑って返せましたよという現状にはないという認識があるんです。そうした場合、そういう分がただ単に相談業務とか何とかで、どうなっているのか、相談とか解決策とかいう形で実態的にどうだったのかというのをまずお聞きしたいんですけれどもね。
◎平尾食品安全・消費生活課長 3分の1の総量規制の関係のご指摘で、実態がどうかというふうなお尋ねかと思っているんですが、正直申しまして、借り手の方がどういうふうな年収状況とか、あるいは3分の1が具体的にどうかというふうなところの実態把握は難しいのが実情かと思っております。
私どもも、貸し手の方、貸金業協会あたりとも多重債務者対策協議会の場とかで意見交換とか情報もいただいておりますが、なかなか状況把握が難しいという実態がございます。
それと3分の1の総量規制の話は、ご承知のとおり、本来、借り手が返済できる能力を上回る貸付けを過度にやっていたことが多重債務の大きな状況ではないかというようなことで、今回の改正貸金業法の完全施行に至った一つの大きな改善要素だと思っております。
年収の3分の1を超える借り入れは基本的にもう認めませんよということで、貸し手に対しては、借り手の年収、収入状況の把握、所属の把握をきちんとやりなさいと義務づけられてきている中で、新たに3分の1を超える借り入れはできないというところがポイントであろうかと思っております。
私どもの方も、改正貸金業法の完全施行を踏まえてどんな影響が出るかというのを非常に危惧しながらその状況を見ておりますが、今のところ私どもの消費生活センターへの相談の状況、あるいは貸し手の貸金業協会の長崎の状況を見ておりますと、具体的な相談が急に増えたとか、そういうふうな状況にはまだ至っていないように見ております。
ただし、委員ご指摘があったような、恐らく今後かなり影響が出てくるのではないかというようなこともマスコミ、あるいは識者のご意見、ご指摘が出てきておりますので、その状況を注視しながら、必要な対応等も検討していかないといけないし、実態把握もしていかないといけないと思っております。そういう状況でございます。
◆金子委員 実態把握が難しいのはそのとおりだろうとは思いますけれども、この実態把握については、貸金業者をどれぐらい一定の形での把握ができるかによるだろうと思っているんです。ある程度の把握ができていれば、その実態はそれぞれ出てくるんじゃないかと。現に大手を中心だとは思うんですけれども、年収確認は貸金業者自身もかなりの程度で進められているようですし。
ただ、進めるのと一緒に、過払い金の訴訟で、武富士ですか、武富士が潰れたといったら、これは貸金業界は全滅だなと思うぐらいあるんですけど。ああいうふうな大手が潰れていくというのは自然の成り行きなのかなと思う反面、これは完全に闇に隠れてしまう可能性もあるなと、逆に言えばですよ。今でもまだ闇の金融業者はいっぱいおるわけですから。そういうふうな形に広がっていくんじゃないかなと。
借金がある人は、この法律ができて3分の1までしか借りられませんよとなっても、これは諸刃の剣なんです。貸す方も貸してはいけませんよというのと一緒で、借りる方も借りてはだめですよと。しかし、借金は消えないんです。それ以上借りている借金は消えない。そうすればどうするのかといえば、どんどん、どんどん闇の方にいってしまう可能性が高いなという気がしてならないんです。
そうしますと、この実態把握は難しいじゃなくて、その実態を把握するのが、この相談強化につながる部分じゃないのかなと思っているんですけれども、そこはどうなんでしょう。多重債務者相談強化キャンペーンとかいいますけど、それは表面だけで、海の底の方は全くキャンペーンの対象にもならないし、救済の手は今以上にいかない。
びっくりしました、この武富士。最近はそういえばコマーシャルが随分変わったなと。花いっぱいにしてくださいと言ったら、小さな鉢を持ってきて、これぐらいにしませんかと。自分のためにあの広告をやっていたんだなという感じがするんですけどね。
この問題は諸刃の剣で、腹いっぱい今まで借りている、それでにっちもさっちもいかないでサラ金で借りている人たちが多いわけですから、そういうふうな人をどう救済していくのか。例えば通常の金融機関に一遍載せて、それで相談にのるとかいうふうな方策でもしないと、多分表に出てこない人たちではないかなという気がしてたまらないのですけれども、そこはどういうふうな対応を考えられていますか。
◎平尾食品安全・消費生活課長 今、委員ご指摘のところは、私どもも実態がなかなか見つけにくい、把握しにくいというのは事実でございます。
過去において年間自殺者が3万人ぐらいずっと続いてきているわけですが、その中の主な部分については経済的困窮で、1万人ぐらいがひょっとしたら多重債務等々の経済的困窮の中に原因があるのではないかというようなことがもともとベースにあって、こういう改正貸金業法の完全施行に至るような総量規制、あるいはグレーゾーンの金利の引き下げというようなことが施策的、政策的に出てきたと思っております。
ただ、片方では、おっしゃるとおり借り手の方が多重債務をどう解消するかというのは非常に大きな問題。これに対しては私どもも、相談にまず来ていただきたいと。そこら辺がまず大きなところだと思って啓発等々も努めているところでございますし、もう一方では、相談に来ていただき、法的な立場での対応で解決できる部分については、弁護士会、司法書士会と連携をとって、法的整理に至るような形のつなぎをしていく。
それともう一つは、セーフティーネットをもっと具体的に活用充実というようなことが当然出てきますので、例えば社会福祉協議会の方で持っております総合福祉資金の貸付制度の問題、あるいは労金とかグリーンコープがやられているような生活再建相談、あるいは場合によっては貸付けの適用というようなことも出てきますので、そこら辺についてはそれぞれの分野、所管も県の多重債務者対策協議会の中に全部参加していただいておりますので、その中でそれぞれの制度の情報共有も進めながら、あるいは具体的に困っている方をつなぐような筋道もつくらせていただいております。
本当に困っておられる方がどこに相談していったらいいかというのが、まだまだ浸透されていない部分があるかと私どもも思っておりますので、なおさらそこの部分については啓発に力を入れていくということと、関係するところの相談、救済のところと結び付けをさらに強化していくような形にしていきたいと思っております。
◆金子委員 今、労金とか社会福祉協議会の様々な制度とか言われました。今現在、そこらが対応して一定の手立てができて何カ月ですかね、前回の委員会の頃だったと思いますから、4カ月、5カ月、半年ぐらいのものでしょうか、この3分の1条項になって、施行されてといいますか、実際に問題化してきて。
その中で、大体そういうふうな分で相談に来た、もしくは何らかの解決方法が出ましたという分はどれぐらいありますか。
◎平尾食品安全・消費生活課長 具体的にはとらえにくい部分がございますけれども、セーフティーネットの生活福祉の資金貸付けにつきましては、昨年10月に大幅に制度が改善されまして、資金の拡充、それから連帯保証人要件緩和、貸付利子の引き下げ等々が進みまして、平成21年度中におきましては218件、7,000万円相当の貸付けがされていると多重債務者対策協議会の中で情報提供がございました。
その他の具体的なことについてどれだけ解決ができたかというのはなかなか捕捉しがたい部分がございますが、そういうふうな実績もかなり出てきておりますので、そういうところとの連携を深めながら対応していきたいと思っております。
◆金子委員 218件ですか、それで2,700万円ですか、ちょっと確認します。
◎平尾食品安全・消費生活課長 これは、必ずしも多重債務に限った話ではないかと思いますが、総数としては、平成21年度中に10月以降で218件の貸付実績で、7,176万円の貸付けを行っているというご報告を承っております。
◆金子委員 この数字が大きいのか、218で割ってしまいますと10万円ですね。単純に金額にすれば1件当たり10万円。これがどういうふうな数字なのかというのはちょっと私も理解しにくいですけれども、多重債務じゃなくても218件が来られている、1年間でこれは少ないなという感じがちょっとするんですけど、ぜひこういうふうな部分をもっと分析されて、それを横に広げていくという形で。
多分、今言われているのは数千以上おられるというふうな話を当初、聞いたんですけどね。この3分の1になってしまうと、今まで借りている方が払えないよと、改めて借り換えもできない方がそれぐらいおられるとちょっと聞いたような気がするんですけど、ぜひそういうふうな形で広げていただければと思っております。終わります。
○陣内委員長 金子委員の関連質問、どなたかおられますか。
ございませんか。
まだ項目はあるんですが、いいですか。(発言する者あり)
ほかに質問はございませんか。
◆八江委員 男女共同参画のことでお尋ねをします。
最近、男女共同参画型の問題など、議論はいろいろありますけど、差し当たってもう要らないのではなかろうかなと私は思ったりしております。というのは、もうそれぞれの地域で非常に頑張っていただいておるし、家庭に帰れば、地域に帰れば、もう女性が上位で、私たちは家庭に帰れば使われる立場でありますし。ただ、外に出て男性対男性の場合だったら血気づいてまだ男性もやりますけどですね。
そういうふうな状況の中にあるとすれば、どうかなという気がしますけど、まだ男女共同の社会参画を云々というのが、もっともっと必要なのかなと。今、男女平等というのも浸透しているし、行政には必ずしもそうではない部分がありますけど、こういったことについて、私は、もう終わったという意味じゃなく、同じような立場であるんじゃないかと。ただ、課長とか部長とか、そこも差別されているというように考えればまだまだ、今日も女性の課長は一人しかいないし、そういうことも考えられるかと思うんですけど。
せっかく男女参画の課長もいらっしゃいますので、どうぞひとつご答弁いただければと思います。
◎水畑男女参画・県民協働課長 八江委員おっしゃいますとおり、男女共同参画基本法が国で制定されまして、内閣府を中心に男女共同参画行政は、大分進んできております。
国も今回、第3次男女共同参画基本計画を策定しようとしておりますが、経済不況や地域の沈滞化という課題等がございまして、これまでもちろん、委員もおっしゃいますとおり、男女それぞれに各地域でそれぞれの力を発揮して頑張ってこられたわけですが、比較的な目で見ますれば、まだまだ女性が本来発揮できる力というのがやはりあるのではなかろうかと思います。そういう意味で知事も、今回マニフェストに女性力を活用して長崎県をもっともっと元気にしていこうとおっしゃっておりまして、私どももそれを具体化すべく今回、「大浦お慶プロジェクト」というものを立ち上げさせていただきました。
男女平等ということに関しましてはいろいろなご意見がございます。価値観に基づくもの、心の中のものでございますから、それを行政が強制するのはどうかというご議論も、県議会等でもこれまでもございましたし、そういう意識の意味において一定整理が進んでいるのではないかというご意見があることも承知はしておりますが、私どもの男女共同参画推進センターには数々のご相談が寄せられます。やはり地域によってはまだまだ、女性が外に出て行けないのではないかと。出たくない方は出なくてもいいんです。主婦で頑張るという方は頑張ればいいし、地域で活動したいという方は活動すればいい。企業に入ってばりばりやりたいという方はやればいいんですが、自分はこうしたいんだけれども、なかなか環境や風土がそれを許さないというような相談や悩み等もまだまだ寄せられているところでございますので、そういう意味ではやはり2つの面で。
女性が今と違う活躍の仕方、生き方をしたいというのがあって、それが何らかの状況でできないというのであれば、やはりそれは行政もお手伝いをしながら解消をしていかなければいけないと思っております。
もう一つは、この元気のない日本国、そして長崎県をもっともっと活発にしていくためには、今、もしかしたら活かされていないかもしれない女性の能力があるのであれば、それを活用して男性も女性もともに元気に、より活発な地域を作っていくという意味で、男女共同参画もまだ一定の役割があるというふうに考えております。
◆八江委員 私も、男女共同参画といったものが何もかも必要ではないという意味ではなくて、それぐらいのレベルにはお互いなっているから、あえて固執することによって、まだ差別をされているのかなと思うところに問題があるんじゃないかと思ってですね。今言われる長崎県の活性化は、あるいは日本の活性化は女性の出方による、出方というのは失礼になるけど、やり方によっては大きく発展につながってくると。そう言われると、それはもう大した立派なお話でありましてですね。それを聞いて、安心をいたしましたが。
長崎県の100歳以上は90何名かおられましたね。その中の9割は女性であります。100歳以上の方が世の中にどれだけ貢献できるかと。これまで貢献しておられたから、これからまたということはあまり求めなくてもいいんですけど、ただ、75歳以上の。
敬老会もこの間ありました。活躍しているのは女性が大半ですね。リーダー的なものは男性の方ももちろん、敬老会の会長さんとか何とかは多いですけれども、そんなことを考えればもう逆になっているんじゃないかなとつくづく感じる部分がありましてですね。我々男性ももっとしっかりせよと、そしてもっと長生きをするために女性に学べというようなことで、掃除、洗濯から子育てを一生懸命しておかないと長生きできないのかなと。男は外に出てのほほんとしているじゃないかもわかりませんけど、仕事に専念したために生きる力がなくなってきて、定年退職したらあっという間に、2〜3年もしたらあの世に行ってしまうというケースにそういったことが現れているのかなと思ったりしますから、今の課長のお話を聞いて、安心しました。
この間の一般質問で、副知事も女性にという人も中にはおりましたね。だから、副知事でも部長でも大いに結構ですし、ひとつ頑張ってほしいと、女性の皆さん方には応援をしたいと思います。
この前も婦人会のことで申し上げましたが、婦人会もそれぞれ活躍をしていますけど、ところが世の中が多様化してしまって、婦人会の出番が少なくなったというよりも、出るのが多過ぎたりしてなかなか会員が集まってこないと。そういう現象もありますから、それも含めて男女共同参画の担当課の皆さん方は、そういう別の角度で盛り上げていただくようにお願いいたしたいと思います。
それからもう一つ、交通安全対策課長にですね。老人の事故が多過ぎると。ご存じのとおりです。やっぱり年を取ったら機敏な活動ができないということと運転をするのにも非常に問題があるということで、対策は考えてはいただいておりますけど、その感想も含めて、どのようにすれば事故が少なくなってくるかということ、その点をしっかり聞かせていただきたいと思います。
◎西田交通安全対策課長 8月末の交通事故の統計を見てみますと、発生件数が4,734件、死者42名、負傷者6,172名となっております。死者の42名のうち半数は、今ご指摘のあった高齢者でございます。65歳以上の高齢者です。その中で、運転していて亡くなった方というのが7名ほどおられます。残りは自転車とか同乗中とか、11名は歩行中であります。11名中の10名は道路を横断中であります。その10名のうち7名は横断歩道外横断でございます。
県警と連携をとっておるんですけれども、横断中に亡くなった高齢者を見てみますと、交通安全教育を受ける機会が少なかった方が交通事故に遭うおそれが十分に考えられます。そこで県警の方では歩行者対策として、65歳以上の高齢者の訪問活動をして交通安全を訴えて教育をしようという話であります。
県といたしましては、運転者対策をやっていこうということで、昨年から5年計画で、県内4箇所、高齢者の事故の比率が大きい市を指定しまして、自動車学校とタイアップして運転者の交通安全教育をやって、自分の体の衰えであるとか、あるいは基本にのっとった法規走行とか、こういうものを繰り返しやっていこうという施策をしております。
歩行者の死者をいろいろ分析してみますと、いろんな講習会で、警察とか安全協会とか県から反射材をもらっている。ところが、大切に仕舞われてしまって、なかなか反射材を身に付けていないということが散見されております。ですから、今も高齢者の方の会合には反射材を持っていって、たすきであるとかリストバンドを配っておりますので、夜間、早朝、ウオーキングをされる時でもそれをぜひ使っていただきたいというふうに広報、PRをしているところでございます。
以上でございます。
◆八江委員 我々はそれに近い立場になりますから、考えていかなきゃなりませんけど、女性がそういう事故が多いのか、男性が多いのかという問題もあるかと思いますけど、しっかり指導してほしいと思います。
もう一つ、動物の愛護精神について。色々ありますけど、犬、猫の問題から、いろんなペットかれこれもありますけど、そういう問題も社会問題が出てきているわけですね。これはどういう形での動物愛護をやっていこうと。犬、猫をもっと飼えとか、もっと飼育せよとかという意味なのか、その辺がいくらかわかりませんけど、せっかくの機会ですから、そのことを確認して。どのようなことでこういう協議会をつくって、どういう方向性に県民をもっていこうとしておられるのか、それを確認しておきたいと思います。
◎坂田生活衛生課長 動物愛護の対策といたしましては、平成20年3月に長崎県動物愛護推進計画を立てております。その中で冒頭、この部長説明の中にありますけれども、人と動物の共生できる地域社会を目指すということを計画の大きな目標としております。
それを確実に実施していく施策といたしまして、今一番問題になっているのが、安易に動物を飼って、安易に人の都合で捨ててしまう、いわゆる遺棄といいますか、飼養をしなくなってしまうというのが一番大きな問題になっています。それに伴いまして県行政がやっている処分頭数が増えているということで、やはり動物の生命を軽く感じているのではないかというふうなことがありまして、動物も生命体でありますので、人と動物が共生するような形の中で地域社会をつくっていこうというのが大きな目的でございます。
まず、そういう軽く考えておられる県民の方に対して啓発をしながら、動物は大切なパートナーだというふうなことを啓発することによって生命の重要性を知っていただくということで、捨てる犬とか猫を少なくしていこうと。
これは犬がほとんど対象になるわけですけど、犬は鎖でつないだり、あるいは室内で飼ったりして、ほとんど管理が行き届いているわけですけれども、猫に関しては、ほとんど室内で飼われるところが一般的に少ないと。血統等がある猫につきましては室内で飼われているんですけど、ほとんど一般の猫は外飼いであると。外飼いであるゆえに交配ですね、すぐ妊娠して子どもが生まれる率が高くなる。そういうことで野良猫が増える。その結果、ふん尿被害とか鳴き声、入り込みとかいうことで、いろんな苦情が発生しております。地域間、自治会でのトラブルにも発展しているというふうな苦情もございます。
そういうことで、地域にいる野良猫をどうにかして少なくしていこうと、地域の野良猫の避妊をして、そこで増やさないような方向で地域の人が管理をしながら猫が生まれる数を少なくしていこうと、そして最後まで命が尽きるまでそこで飼っていこうというふうなことで、今、そういうふうな運動を「地域ねこ」といっていますけど、そういうふうな地域ねこ対策という形で殺処分する猫とか犬の数を少なくしていこうと考えております。
◆八江委員 いろいろな飼育をするというか、ペット屋さんで買う犬にしても猫にしても、いろんな小動物にしても、いろいろな問題があると思うんです。飼う時に番号を付けたり、いろんなことができれば、だれが放置したかとか、いろんなことがわかる。そういうことを他国ではやっていると、この間の新聞に出ておりました。
この前、諫干で騒動したワニの問題。これはワニだったかスッポンだったかということで、最終的にはスッポンではなかったかという話ですけど、長崎県内のペット屋が売ったものは、ちゃんと鑑札というか印をつけているから、捕獲したらわかると。もしそれがついていなければ他県から持ってきて放置したというような話もありました。そのあたりのところも協議しながら、特に危険動物みたいなものについては管理をしてほしいと思います。
野犬、あるいは猫、相当苦情が出ているようでありますから、その点はしっかり管理をして、事故がないようにお願いして終わりたいと思います。
◆野口委員 せっかく八江委員が男女共同参画で質問されて、課長の答弁に拍手まで起こったものですから、ちょっと意地悪な質問をあえてさせていただきたいと思いますけれども。
課長、住民税とか市・県民税にかかる配偶者控除を縮小、廃止する方向と、あなたが言っている男女共同参画社会の実現というのは、どういうふうに考えていますか。
◎水畑男女参画・県民協働課長 配偶者控除の廃止の議論は私も承知しておりますが、それと必ずしも男女共同参画の考え方が結びつくとは思っておりません。
多分それは、働いていらっしゃる女性の側から、働いていないことを理由に税金が控除されるのは不公平だという議論のために配偶者控除の廃止の議論が起こってきているんだと思います。
間接的には関係しているかもしれませんが、例えば男女共同参画行政があるからとか、男女共同参画行政が男女共同参画を進めようとしているから配偶者控除の話があっているとは思っておりません。
◆野口委員 思っていないということね。
ワン・モア・クエスチョン。
ある企業の管理職を何割以上女性にすれば、法人税、税制面でいわゆる恩典がありますよ、恩恵がありますよという政策は、あなたが言う男女共同参画社会とどうリンクして、どう考えますか。
◎水畑男女参画・県民協働課長 それは非常に難しい問題だと思います。2つの側面があるかと思います。1つは、例えば登用すべきではない女性を無理に登用したがために優遇措置を受けられるという側面もなきにしもあらずかと思います。そういう意味では、手放しでほめられるものではないと思いますが、もしそれがインセンティブとなって、本来登用すべき方だけれども、例えば会社の雰囲気とか制度上の問題でできていないという状況が変わるということがあれば、それはいい面かと思いますので、そういう意味で、一つのお答えができませんが、いい面、悪い面、両方があるのではないかと思っております。
◆野口委員 そうすると、ただ数だけで何割の女性を登用すれば税制面で優遇するような政策は、これは手放しに歓迎できないという話ですね。第1点目の切り口から言えばね。
この2つの点を私がどこから質問したか、あなたはわかるでしょう。わからないのか。
今、仙石官房長官を議長として、あなたがさっき答弁した第3回目の基本計画を国がつくるに当たって、官房長官を議長として委員会をつくって、諮問した内容に書いてあるんだよ。あれを読んでみて、私はびっくりした。配偶者控除を縮小、廃止に導く方向が、まさに男女共同参画社会をつくる方向なんだよと断言されていた。それと、今言ったようにある企業の役員に何パーセント以上女性を登用すると税制面で優遇すべきだというような答申が、官房長官名、いわゆる議長名で既に出ているよ。それを読んでいないのか。
◎水畑男女参画・県民協働課長 答申を一通りは読んでおりますが、すみません、県の行政に直接関わるところではないと思って、あまり深くは認識しておりませんでした。
◆野口委員 これ以上はしませんけどね。
男女共同参画社会の実現というのはいいんだけれども、いろんな切り方、考え方というのがあって、だから八江委員も心配されて質問があったわけですよ。どこまでがどうかという発想なんだよね。その中で、さっき言ったように、配偶者控除を縮小から廃止するとか、自由であるべき企業に、何割以上の役員を女性にすれば税制面で優遇するなんていうことは、我々の感覚からすれば、男女共同参画社会の実現とは全く無関係だと思うんだけれども、それが喫緊の官房長官を議長とする総理あての答申内容に書いてあるんだよ。それを受けて、国が新しい基本計画を策定するんですよ。だから、これは大変なことだと、こんなことをやられたら大変なことだということで、それを読みながら我々は危機感を持っているものだから、さっきの課長の答弁を聞いていて、なんだこれはという話にもなるわけで。しかも今聞いたら、答申内容を読んでいないとか。読んでいないのかね。(発言する者あり)
これは県政とは無関係ではなくて、そういう流れの中で国が基本計画をつくったら、それを今度は地方自治体が、地方公共団体が国の流れの中においていろんなプランを立てていくべきであってね。しっかり勉強してほしいというふうに思います。そして、いろんな意見を謙虚に聞きながら、どこまでが本当にそうなのか、ここからここは違うんじゃないかというぐらいの腹を持ちながら、しっかりと仕事をしていただきたいということを要望しておきます。終わります。
○陣内委員長 ほかに質問はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 ないようですので、これをもって、県民生活部の審査を終了いたします。
以上で、県民生活部の審査を終了し、明日は午前10時より、環境部の審査を行います。
本日は、これをもって散会いたします。お疲れさまでした。
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−午後4時15分 散会−
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平成22年 9月定例会 環境生活委員会 - 09月29日−03号
平成22年 9月定例会 環境生活委員会
1、開催年月日時刻及び場所
平成22年9月29日
自 午前10時2分
至 午後3時54分
於 本館5−A会議室
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2、出席委員の氏名
委員長(分科会長) 陣内八郎君
副委員長(副会長) 溝口芙美雄君
委員 松田正民君
〃 八江利春君
〃 三好徳明君
〃 野口健司君
〃 高比良末男君
〃 瀬川光之君
〃 金子三智郎君
〃 山口初實君
〃 西川克己君
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3、欠席委員の氏名
なし
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4、委員外出席議員の氏名
なし
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5、県側出席者の氏名
環境部長 徳永孝二君
環境部次長 出口澄洋君
環境政策課長 大串近太郎君
未来環境推進課長 赤木 聡君
水環境対策課長 古賀義人君
廃棄物対策課長 小嶺和伸君
自然環境課長 中島順一君
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6、審査の経過次のとおり
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−午前10時2分 開議−
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○陣内委員長 おはようございます。
委員会及び分科会を再開いたします。
これより、環境部関係の審査を行います。
なお、本日、瀬川委員の方から遅れるという連絡が入っておりますので、ご了解いただきたいと思います。
環境部においては、今回、予算議案及び予算議案以外の議案がないことから、これより環境部長より所管事務一般について総括説明を受けた後、陳情の審査を行います。その後、所管事務一般についての質問を行いたいと存じますので、ご了承をお願いいたします。
それでは、環境部長より総括説明をお願いいたします。
◎徳永環境部長 おはようございます。
今回、環境部関係の議案はございませんので、議案以外の主な所管事項についてご説明いたします。
(長崎県環境基本計画の見直しについて)
新しい長崎県環境基本計画については、昨年から策定を進めており、去る8月4日の環境審議会において、めざすべき環境像を「海・山・人、未来につながる環境にやさしい長崎県」として「地球環境保全をめざす社会の実現」など4つの基本目標を掲げ、地球温暖化対策の推進や生物多様性の保全といった新たな視点を盛り込んだ計画の体系をとりまとめるとともに、本県の現状や課題を踏まえた施策の方向性等について、審議いただいたところです。
今後、更に審議会のご意見や庁内関係部局での調整等を踏まえて計画素案を作成し、県議会や県民の皆様のご意見を十分に伺いながら、次期計画を今年度中に策定してまいります。
(平成21年度の各種環境調査の結果について)
大気については、大気汚染防止法に基づき、県内46局で二酸化硫黄や二酸化窒素、浮遊粒子状物質等の大気の常時監視を実施するとともに、県内8箇所でベンゼン等の有害大気汚染物質の調査を実施いたしました。その結果、二酸化硫黄、二酸化窒素及び有害大気汚染物質については、良好な状況にありましたが、浮遊粒子状物質については、42測定局中28の測定局において環境基準を超過しております。これは、平成22年3月に全国的に観測された黄砂の影響が大きかったことが考えられます。
今後とも環境調査や工場、事業場の監視、自動車排出ガス測定などを通じて、大気環境の保全に努めてまいります。
また、河川、湖沼、海域などの公共用水域については、水質汚濁防止法に基づき水質調査を実施いたしました。河川については、環境基準の類型が指定されている55水域全てにおいて環境基準を達成しております。湖沼については、本明川(調整池)においてのみ有機物汚濁の指標であるCODが環境基準を超過しておりました。また、海域については、14水域のうち、大村湾、諫早市の東大川河口水域など5水域で、CODが環境基準を超過しておりました。
地下水については、96地点で水質調査を実施し、このうち、22地点で、硝酸性窒素等が環境基準を超過しておりました。
今後とも、これらの調査を継続するとともに、関係部局とも連携しながら、生活排水対策の推進、工場、事業場の監視及び指導、環境保全型の農畜産業の推進などに取り組み、水質等の環境保全対策を講じてまいります。
(島原半島窒素負荷低減計画の見直しについて)
平成18年12月に策定した島原半島窒素負荷低減計画については、5年目を迎え、現在、計画の見直し作業を進めております。
去る5月31日には対策会議を開き、これまでの対策の検証と次期計画の方針について決定し、健康被害を防止するための飲用水の安全対策や良質な地下水を保全するため、施肥対策や、畜産対策、耕畜連携対策、及び生活排水対策などの窒素負荷低減対策について、関係機関と連携し見直しを進めているところです。
今後、さらに庁内関係部局との調整等を踏まえて計画素案を作成し、県議会や県民の皆様のご意見を十分に伺いながら、次期計画を今年度中に策定してまいります。
(平成21年度長崎県汚水処理人口普及状況について)
本年8月に、平成21年度末の長崎県汚水処理人口普及状況を取りまとめ、全国の状況と併せて公表いたしました。
本県の汚水処理人口普及率は、平成20年度末の72.2%に比べ、1.4ポイント増加し、73.6%、人口にして106万7,000人となっております。
今後とも、市町への支援等を通じて汚水処理人口普及率の向上に努めてまいりますとともに、平成17年12月に策定しました長崎県汚水処理構想を今後見直す予定にしており、その中で効率的な整備手法等について検討してまいります。
(ナガサキ・グリーンニューディールの推進について)
環境産業の振興、雇用の創出と併せて低炭素社会を実現する「ナガサキ・グリーンニューディール」の取組の一つとして、環境対策の実践と環境負荷削減技術の地域展開を目指す「環境実践モデル都市」を選定、支援するため、産・学・官で構成する環境実践モデル都市推進会議を、去る7月27日に設置しました。
また、8月16日には、内閣府や国のモデル指定を受けた北九州市並びに民間企業から講師を招き、県下全市町・関係企業を対象に環境実践モデル都市推進事業の周知を図ったところであります。
その結果、4市から応募があり、今月7日の同推進会議の選定会議において、本年度は対馬市が環境実践モデル都市に選定されました。
今後は、選定したモデル都市に対し、環境技術導入計画等の策定及び環境対策の取組等を支援してまいります。
(地球温暖化対策について)
地球温暖化による影響が深刻化している今日、県民の皆様と一体となり将来に向けた温暖化対策等に早急に取り組む必要があります。
その具体的取組の一つとして、昨年から引き続き実施している太陽光発電設備を含む一般住宅省エネ設備の設置補助について、本年度は9月16日現在で534件の申請を受け付けており、更に普及促進に努めてまいります。
今後とも、県民や民間団体等で構成される長崎県地球温暖化対策協議会や地球温暖化防止活動推進員等との連携により、啓発活動やノーマイカーデー運動及びエコドライブの推進など低炭素社会の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。
(漂着ごみ対策について)
昨年7月に制定された海岸漂着物処理推進法に基づき、県民、民間団体、行政等で構成する「長崎県海岸漂着物対策推進協議会」を設置し、本県における海岸漂着物対策を重点的に推進する区域や関係者の役割分担などを定める「長崎県海岸漂着物対策推進計画」の策定を進めております。
本年6月から7月にかけて実施したパブリックコメントに寄せられたご意見を踏まえ、8月5日に第4回協議会を開催し、計画案を取りまとめたところです。
今後は、県議会のご意見を伺った上で計画を決定し、海岸管理者、市町及び地域の民間団体等と連携しながら、総合的な海岸漂着物対策を推進してまいります。
(産業廃棄物最終処分場に係る現状について)
大村市内の産業廃棄物最終処分場での区域外埋立につきましては、本年1月に廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反で刑事告発を行いました。その結果、3月に不法投棄で処分業者の代表取締役が起訴され、裁判が行われておりましたが、9月21日に長崎地方裁判所において実刑判決が言い渡されたところです。
同処分場では、平成20年7月に発出した水質基準違反に係る改善命令の履行が確認できない状況にありましたが、本年5月に浸透水が流出し、水質基準超過を確認したことから、改善命令が履行されていないことが明らかになりました。
また、本年7月には処分場下の沢から流出している汚水と浸透水が同一であることを確認しております。
このため、今後も引き続き、事業者等に対して、施設の改善を強く求めるとともに、法に基づき厳正に対処してまいります。
(生物多様性保全戦略の推進について)
本年は、国際生物多様性年であり、10月には名古屋で、生物多様性条約第10回締約国会議が開催されるなど、生物多様性について全国で様々な取組が行われます。
本県においても、野生生物の姿とその生息環境を表現したぬいぐるみやステンドグラスなどのアート作品を通して、いきものの世界と人間とのつながりを感じ、理解を深めてもらうため、幅広い層の県民を対象とした、「いきものつながりアート展」を、来る11月27日から12月6日の10日間、長崎県美術館で開催することとしております。
事業者、市町、ボランティア等のご協力をいただきながら、子ども達をはじめ、多くの県民の皆様へ来場を呼びかけ、生物多様性について意識の向上を図ってまいります。
(島原半島ジオパークの推進について)
本年2月18日、第64次雲仙岳警戒区域設定等の調整会議において、雲仙市から、ジオサイトの一つとして雲仙普賢岳登山道の新ルートを整備し、島原半島ジオパークの顔である平成新山の景観を活用するよう提言がありました。
このため、国、県、地元3市及び九州大学等で構成する「普賢岳周辺地域の活用に関する担当者会議」を設置し、ルート案や整備するための条件などについて協議を行っているところです。
県としては、去る7月14日に地元の3市とともに、取組状況を環境省へ示すとともに、直轄事業としての登山道整備について強く働きかけたところであり、引き続き、関係機関と連携しながら新ルートの整備に向けて積極的に取り組んでまいります。
(資金不足比率について)
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づき、流域下水道特別会計における資金不足比率の算定を行いましたのでご説明いたします。
平成19年6月に制定された「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」は、財政の悪化を早い段階で把握し、速やかに健全化に向けた取組を行うための制度等を定めたもので、公営企業会計においては、一般会計の実質赤字額に相当する資金の不足額が事業の規模に対してどの程度かを示す資金不足比率を算定し、監査委員の審査に付した後、議会に報告することになっております。
今回、平成21年度決算に基づく資金不足比率を算定したところ、流域下水道特別会計においては、資金の不足額が生じていないことから0%となっており、経営健全化計画の策定が義務付けられる、経営健全化基準20%を下回っております。
今後とも、経営状況の把握・分析を十分に行ったうえで、経営の健全化に努めてまいります。
(新たな総合計画の策定について)
昨年から策定を進めている新たな総合計画については、概ね10年先の本県を取り巻く社会経済情勢などを見据えながら、平成23年度を初年度とする5か年計画として策定し、重点的かつ戦略的に取り組む政策を県民にわかりやすく体系的にお示ししたいと考えております。
現在作成している計画素案では、「人が輝く、産業が輝く、地域が輝く長崎県づくり」を基本理念として、10の政策を掲げておりますが、このうち、環境部は、主に「安全・安心で快適な地域をつくる」と「地域発の地域づくりを進める」に関連しております。
「安全・安心で快適な地域をつくる」については、地球温暖化対策の推進や環境への負荷の削減と循環型社会づくり、人と自然が共生する地域づくりに取り組むとともに、「地域発の地域づくりを進める」については、他地域をリードする先進的な取組の展開として、自然環境を活かした地域づくりの推進に取り組んでまいりたいと考えております。
今後、県議会のご意見を十分にお伺いするとともに、県民の皆様の声も踏まえつつ、今年度中の計画策定を目指してまいります。
以上をもちまして、環境部関係の説明を終わります。
よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
○陣内委員長 ありがとうございました。
次に、環境政策課長、未来環境推進課長、廃棄物対策課長から補足説明の申し出があっておりますので、これを許可いたします。
◎大串環境政策課長 資料1と資料2につきましてご説明をさせていただきます。
まず、現在見直し作業を進めております「長崎県環境基本計画」についてご説明いたします。
補足説明資料1をご覧ください。
1ページに計画の目的及び背景、計画期間を記載しておりますが、現行計画が、本年度を終期とすることから、社会情勢の変動や新たな視点等を加え、本年度内の策定を目途に、見直しを行っているところであります。
計画期間は、現在策定を行っております次期総合計画とあわせた形で、平成23年度から平成27年度までの5カ年といたしております。
現在策定を進めております計画の目標案、体系でございますが、「めざすべき環境像」を、現行の計画の環境像を更に推し進める必要から、そのまま引き継いだ形で、「海・山・人、未来につながる環境にやさしい長崎県」としております。
この環境像の達成のため4つの基本目標を「地球環境保全を目指す社会の実現」「環境への負荷の削減と循環型社会づくり」「人と自然とが共生する快適な環境づくり」「県民・事業者・行政のパートナーシップによる環境づくり」と定め、総合的、計画的に施策を展開するものでございます。
それでは、具体的な体系について、ご説明をさせていただきたいと存じます。恐れ入りますが、6ページから9ページにかけまして、基本目標ごとに関連する項目を設け、体系的に記述させていただいております。
まず、6ページをお開きいただきたいと思います。
4つの基本目標の一つ「地球環境保全をめざす社会の実現」に係る体系が、このページとなります。
表の見方でございますが、最上段の若干薄い網掛け部が基本目標がございまして、「第1節 地球環境保全を目指す社会の実現」と書いております。その下の、「1.地球温暖化対策の推進」と書いている部分が大項目でございます。この大項目の下に丸数字で記述しているのが中項目、中項目に含まれる施策を丸印の例示という形で構成させていただいております。
基本目標「地球環境保全を目指す社会の実現」につきましては、「地球温暖化対策の推進」と「広域的な環境汚染対策の推進」という2つの大項目に整理し、「温室効果ガスの排出抑制」、「地球温暖化への適応策」、「光化学オキシダント等に関する対策の推進」、「漂着ごみ・漂流油対策の推進」等といった視点から、施策を展開することといたしております。
7ページをご覧いただきたいと思います。
7ページと8ページにかけまして、基本目標「環境への負荷の削減と循環型社会づくり」に関する体系を記述いたしております。
負荷の形態、負荷が加わる環境から6つの大項目「1 廃棄物対策の推進」「 2 大気環境の保全」「3 水環境の保全」「4 土壌・地盤環境の保全」「5 騒音・振動・悪臭対策の推進」、8ページにまいりまして、「6 化学物質の環境リスク対策の推進」を設定いたしまして、それぞれにおいて、施策を展開していこうとするものでございます。
8ページの中段以降をご覧いただきたいと思います。
基本目標「人と自然とが共生する快適な環境づくり」に関する体系を記述しております。
平成21年3月に策定いたしました「長崎県生物多様性保全戦略」の基本方針を基に、大項目を「1 生物多様性の保全」「2 自然とのつながりの回復」としてとらえるとともに、生活環境と歴史的環境の視点を加えた「快適な生活環境と歴史的環境の保全と創造」を設定し、各施策の推進により目標の達成を図ろうとするものでございます。
9ページをご覧いただきたいと存じます。
上段の表に、基本目標「県民・事業者・行政のパートナーシップによる環境づくり」に関する体系を記述しております。
現在定められている「環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する長崎県基本計画」を念頭に入れまして、「1 環境教育・環境学習等の推進」「2 自主的な環境保全行動の推進」「3 環境情報の収集、発信の強化」として、3者がともに連携、協働し取り組んでいこうとするものでございます。
最後に、9ページの下段に「第5節 環境保全のための共通的基盤的施策」として、4つの基本目標を実現するために共通する施策及び基盤的な施策を記述しております。
以上が本計画に係る体系でございます。
10ページ目をご覧いただきたいと存じます。
今ご説明いたしました4つの基本目標を達成するため、特に重要な事項として、2つの重点施策、その重点施策に含まれる6つのプロジェクトを定めております。
「ゴミゼロながさきプロジェクト」「ナガサキ・グリーンニューディール」「生物多様性保全プロジェクト」の3つのプロジェクトを含んだ地球環境保全の取組と、「大村湾再生プロジェクト」「諫早湾環境対策プロジェクト」「島原半島窒素負荷低減プロジェクト」を含んだ本県の地理的・自然的特性である「豊かな水環境」の保全・創造に関しての取組でございます。
これらの施策について、庁内で横断的連携を図りながら、県民・事業者・行政が一体となって総合的、計画的に推進してまいりたいと考えております。
以上が、現在、環境審議会の環境基本計画検討部会におきまして、ご審議をいただいている環境基本計画の体系の概要でございます。
恐れ入りますが、1ページに戻っていただきまして、今後のスケジュールでございますけれども、県議会とも十分ご相談、ご意見を伺いながら、この計画に関する詳細な詰めを経た後、予定としては10月にパブリックコメントを実施し、翌年1月の環境審議会の答申を経て、3月に議案として定例会に上程したいというふうに考えております。
引き続きまして、資料2でございます。
平成18年に策定いたしました「島原半島窒素負荷低減計画」が、5年目を迎え、本年度で終了いたしますことから、現在、その見直し作業を進めているところでございます。その状況についてご説明をさせていただきます。
まず、計画の目的でございますが、島原半島の地下水に含まれる硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の濃度が環境基準及び水道基準、これはいずれも基準値は10mg/Lでございますが、この基準を超える割合が県内の他の地域に比べて高いことから、その低減を図り、健康被害の未然防止を図ろうとするものでございます。
2の地下水の現状でございますが、ここに島原半島における地下水の環境モニタリングポイントにおける環境基準の超過状況を表にしております。
モニタリングポイントは全部で17地点あり、第1期計画策定の前年度、平成17年度の環境基準超過地点数は11地点、平成21年度は10地点で、1地点でございますけれども改善が見られております。
次に、第2期計画案の概要について説明をさせていただきます。
なお、現行の第1期計画につきましては、お手元にその概要版をお配りしております。
まず、計画の期間でございますが、これは第1期計画が終了する年の翌年である平成23年度から平成28年3月までの5カ年間といたしております。
次に、計画の目標でございますが、地下水質の改善目標として、短期、中期、長期、それに最終の4つの目標を掲げております。
短期目標は、毎年度を計画期間とするもので、超過地点数が21年度の実績の10地点を越えないことといたしております。
中期目標は、平成27年度を目標年度として、環境基準超過率が50%以下、17地点の観測ポイントのうち基準値を超過する井戸の数を8カ所以下になることといたしております。
長期目標は、策定年度から10年後の平成32年度でございますが、中期目標からさらに低下しないようにするものでございます。
また、最終目標は年度を決めているものではございませんが、定期モニタリング調査地点の17地点全地点が環境基準以下になることを目指すものでございます。
2ページをお開きいただきたいと思います。
計画の体系についてご説明いたします。
第2期計画は、ご覧のように、1)水道水の安全確保 2)飲用井戸水の安全確保 3)施肥対策 4)畜産対策 5)生活排水・事業場等排水対策の5つの項目から構成されております。
なお、計画の策定スケジュールでございますが、今年5月の第1回島原半島窒素負荷低減対策会議で、第1期計画の検証、評価を行うとともに第2期計画の策定方針を決定し、その後幹事会を2回開催して、第2期計画の素案を検討してまいりました。
今後、幹事会等での検討結果を取りまとめて計画案を作成し、11月には広く県民の皆様のご意見をお伺いするためパブリックコメントを実施することといたしております。
その後、12月には対策会議を経て、県議会でのご説明、その後計画の決定、公表を予定しているところです。
以上で補足説明を終わります。
◎赤木未来環境推進課長 環境実践モデル都市の選定について補足説明をいたします。
補足説明資料4をご覧ください。
まず、「1」の環境実践モデル都市推進事業の目的についてご説明いたします。
環境部では、環境産業の振興、雇用の創出と併せて低炭素社会を実現する「ナガサキ・グリーンニューディール」の取組の一つとして、「環境実践モデル都市推進事業」に取り組んでおります。これは、地域資源を活用した環境保全対策、環境産業振興を効果的に推進するため、環境実践モデル都市を選定し、その取組を支援するとともに、取組の成果を県内市町に普及、還元するというものであります。
「2」の事業の概要についてですが、推進に当たっては、長崎大学、三菱重工業、ながさき地域政策研究所などの産・学・官で構成する「環境実践モデル都市推進会議」を本年7月27日に設置し、まず、モデル都市のあり方や選定基準の検討を行いました。
その後、全市町を対象に、環境実践モデル都市の募集要領等の説明会を開催するとともに、内閣府環境モデル都市の取組など先進事例を紹介したところでございます。
その結果、島原、大村、対馬、雲仙の4市から応募がありました。応募内容について、去る9月7日選定会議を開催し、平成22年度の環境実践モデル都市は対馬市が選定されました。
選定の基準としましては、「4」にお示しておりますように、環境実践モデル都市として目指そうとする将来像をはじめ、そこに向かう取組の5つの項目と併せて推進体制についても審査いたしました。
選定された対馬市の将来像と取組の内容については「5」をご覧ください。
対馬市は、低炭素型エコ・アイランドの創造として、「自然や環境に優しい地域資源循環型しまづくり」を将来像に掲げております。
取組の内容については、裏面の2ページに掲載しております。
対馬市は、豊富な森林資源に恵まれておりますことから、木質バイオマスの積極的な利活用を進める中で、林業を核に地場産業の振興等を図る取組を展開することとしております。
最後に「6」の今後の予定ですが、選定したモデル都市については、計画実行に向けた技術的、財政的支援を実施することとしています。
また、平成24年度まで各年度1市町のモデル都市を選定することとしています。
以上をもちまして、補足説明を終わります。
◎小嶺廃棄物対策課長 それでは、引き続きまして長崎県海岸漂着物対策推進計画(案)の策定について補足説明をさせていただきます。お手元にお配りしております補足説明資料3をご覧ください。
昨年度より策定に取り組んでおります本計画案につきましては、本年6月14日から7月13日までパブリックコメントを実施し、8月5日の第4回長崎県海岸漂着物対策推進協議会において協議し、最終案を取りまとめたところでございます。
まず、パブリックコメントの実施結果についてご説明いたします。
今回、11名の県民の方々から30件のご意見をいただき、その回答を8月31日に公表いたしております。
対応の内容としましては、A「素案に修正を加え反映させたもの」が6件、B「素案にすでに盛り込まれているもの」または「素案の考え方や姿勢に合致し、今後、具体的な対策を遂行する中で反映していくもの」が10件、C「今後検討していくもの」が10件、E「その他」が4件でございます。
いただきましたご意見のうち素案に修正を加え反映させた主なものについて、ご説明をさせていただきます。
まず、「目標、計画期間を設定すべきである」とのご意見をいただきました。
この計画案につきましては、海岸漂着物対策の基本理念や方向性を定める計画であり、また、漂着ごみについては、気象条件や外国由来のごみに影響されることから目標を定めておりませんでしたが、ご意見に基づき、海岸の将来像として「ごみのない美しく豊かな自然あふれる海岸を目指す」という理念的な目標を掲げたところでございます。
次に、「基本方針の国際交流について、具体例を記載した方が良い」というご意見をいただきましたので、毎年対馬の方で行われております韓国の学生との交流事業を事例として記載いたしております。
その他、進行管理に関する意見などについて、本計画案に反映したところでございます。
また、対応区分B、C、Eについては、資料記載のとおりでございますので、説明を省略させていただきます。
次に、裏面2ページの「長崎県海岸漂着物対策推進計画(案)について」をご覧ください。
この計画案については、6月定例会でご説明をさせていただいておりますので、今回は前回からの変更点についてのみご説明いたします。
まず、「2計画の概要」の「(2)海岸の将来像・基本目標」をご覧ください。
先ほどご説明いたしましたが、海岸の将来像として「ごみのない美しく豊かな自然あふれる海岸を目指す」としております。
また、基本目標としまして、ア「海岸漂着物の円滑な処理」については、現在漂着している海岸漂着物の円滑な回収処理について。イ「県民生活で生じる廃棄物の発生抑制」につきましては、海岸漂着物の原因となる県内の廃棄物の発生抑制について。ウ「外国由来の海岸漂着物の削減」につきましては、本県の特徴である外国由来の海岸漂着物の発生抑制について取り組むことといたしております。
次に、「(3)計画の進行管理等」につきましては、県と協議会が連携・協力しながら進行管理を行っていくことといたしております。
最後に、「(4)重点区域」をご覧ください。
本年7月に平戸市及び松浦市から、平戸大橋周辺の旧田平町から松浦市星鹿町までの計4カ所について追加の要望があり、協議会において協議を行い、重点区域として追加することといたしました。これにより重点区域は合計154カ所、計3,800kmとなっております。
引き続きまして、株式会社ウイックの産業廃棄物処理施設について補足説明をいたします。
お手元の補足説明資料5をご覧ください。
まず、「1.株式会社ウイックの概要」でございます。
代表取締役は、和崎正衞、施設の所在地は、大村市東大村一丁目に位置しております。
許可の内容としましては、廃プラスチック類やがれき類などの安定型産業廃棄物を埋立処分する最終処分業であり、平成10年に県が施設の設置と処分業の許可をいたしております。
次に、「2.現在の処分場等の状況」についてご説明いたします。
まず、(1)でございますが、平成20年10月より処分場からの浸透水が停止しておりましたが、本年5月に、再び水質基準を超過した浸透水が出てきたことから、改善命令に違反していることが明らかとなったところです。
なお、この浸透水については、貯留タンクに溜まっており、河川には流出いたしておりません。
次に、(2)の下流河川の状況でございますが、処分場下の河川には、汚水の流出が現在も確認されております。
次に、(3)でございます。
施設の敷地境界においては、現在のところ、硫化水素は検出されておりませんが、処分場内の縦坑等からは、硫化水素やメタンガスなどが発生している状況でございます。
次に、(4)でございます。
許可区域外には、事業者が約1万5,000立方メートルの産業廃棄物を不法に埋め立てており、現在も、依然として廃棄物が埋め立てられているというふうな状況でございます。
続きまして、「3.違反の内容」でございます。
記載のとおり、許可区域内につきましては、廃棄物処理法第14条第12項に規定されている「産業廃棄物処理基準」の違反、また、許可区域外につきましては、第16条に規定する「投棄禁止」に違反をいたしております。
続きまして、「4.主な指導及び経過」でございます。
まず、(1)の「浸透水基準超過等について」でございますが、県は、浸透水の水質基準超過に対しまして、平成13年と18年に改善勧告を行いました。
また、平成20年7月には施設の改善命令及び使用停止命令を行いましたが、命令の履行期限であります同年10月1日に浸透水が停止をしたため水質検査ができず、命令の履行が確認できないというふうな状況になり、判断を保留いたしておりました。
続きまして、裏面をご覧ください。
平成21年8月には、処分場下の沢から汚水の流出が確認されましたが、浸透水が流出しておらず、その関係が確認できませんでした。
そうした中で、本年5月には浸透水が再び流出し、基準超過を確認したことから、改善命令の不履行が明らかになったところでございます。
続きまして、「(2)区域外埋立について」でございます。
許可区域外への廃棄物の埋立に対しましては、平成21年2月に措置命令を行い、区域外埋立物の全量撤去を命じております。
しかし、命令は履行されず、事業者は、その後、再三の催告にも応じなかったことから、本年1月26日に刑事告発を行い、その結果、3月に不法投棄で社長が逮捕・起訴されました。
その後、公判が行われ、今月21日に長崎地方裁判所において、懲役3年、罰金500万円の判決が言い渡されたところでございます。
なお、社長は判決が不服ということで、即日、福岡高等裁判所に控訴をいたしております。
続きまして、最後に、「5.今後の対応」でございます。
まず、県としましては、事業者等に対して、引き続き、施設の改善を強く求めていきたいと考えております。
次に、ご説明したとおり、産業廃棄物処理基準違反により、処分場及びその周辺には、汚水やガスによる生活環境保全上の支障のおそれがあることから、その支障を除去するために、廃棄物処理法に基づく措置命令を現在検討しているところでございます。
以上でございます。
○陣内委員長 ありがとうございました。
次に、お手元に配付しております陳情書一覧表のとおり陳情書の送付を受けておりますが、これについて何かご質問はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 ご質問がないようですので、陳情については承っておくことにいたします。
次に、議案外所管事務一般について質問を行うことにいたします。
なお、質問につきましては、事前通告のあった質問を優先的に関連質問も含めて1項目ずつ行っていただきます。
議案外所管事務一般について事前通告をされた委員の方で質問はありませんか。
◆山口[初]委員 前回の委員会でも環境実践モデル都市について積極的にやったところには褒美を出したらどうかというような形でのご質問をしておりましたが、ここに具体的に4つの市から応募があったということで、今ご報告をいただいたところです。
まず、雲仙市、大村市、対馬市、もう一つは島原市ですか、どのようなものが応募されてきたのか、まず、その辺についてご報告をいただきたいと思います。
◎赤木未来環境推進課長 8月27日に4市から応募がありました。まず、選定基準を推進会議の方で設けております。
対馬市においては、目指すべき将来像として、「自然や環境に優しい地域資源循環型しまづくり」というのがございます。そういう中で、対馬市は、そもそもが森林資源の豊富なところでございますけれども、森林の木質バイオマスが現在20%ぐらいしか利用されていないのですが、こういったものを50%まで引き上げていこうというような目標を掲げております。
さらには、1990年比でCO2の排出削減を2030年までに40%、2050年までに60%削減していくという大きな目標を掲げております。
取組の内容として、地域特性を活かした取組とか、環境マネジメントシステム、環境負荷削減にかかる計画、人材育成計画、推進体制、こういった選定基準にもろもろ対応していきたいということで、ほかの3市に比べて熟度が非常に高いということで選定に至りました。
ほかの3市ですけれども、大村市につきましては、目標に関しては温室効果ガスを2004年度比で6.2%削減するというような目標はあっております。ただ、取組の内容の中で、地域産業の活性化につながる取組や、全体を動かす推進体制といったものについては、まだ取組の予定がないとか、決定していないとか、まだ熟度が足りないようなものがあっております。
島原と雲仙につきましては、島原半島の中の市町ということで、将来像としては温泉熱などを利活用して新エネルギーに取り組みたいというような将来像を掲げております。
環境マネジメントシステム等についても取り組むということはありますが、すぐにという話ではなくて、しばらくおいてからというか、後年度に回った段階で計画に取り組むとか、選定された対馬市の内容に比べると熟度がちょっと足りないというようなことでございます。
以上です。
◆山口[初]委員 4市ではそれぞれの取組があって、対馬市が環境実践モデルとしては抜きん出ているということのようです。
今年の夏は、本当に物凄い暑い夏でしたね。連日猛暑日といいますか、酷暑の夏で、9月になっても昼間はまだまだ暑い日が続いているような状況で、確かに地球環境といいますか、地球の温暖化が現実のものになってきているんではないかなという気がします。
そういう意味では、全国の各都市も今年史上最高の高温を記録したりしていますから、これが単なる地球環境の世界だけの話ではないというような気象学者もおりまして、エルニーニョとか、ラニーニャでしたか、そういう関係で日本の上空に暑い塊が残ったために今年度は非常に暑い状況になったという話もあったんですが、いずれにしても、その根底にある地球環境というものを、今から、我々一人一人が、全世界的に全人類一人一人が取り組んでいく性格のものであろうと思っているんです。
地球環境をより進めていくということでは、色々な技術的な面とか、あるいはそれをやるための財政的な支援というのが、それぞれの自治体には求められているんだろうと思うんです。
そういうことで、今後、技術的にも、財政的にも支援をしていくということは記載をされておりますが、では、県として具体的にどのような支援をそれぞれの環境実践モデル都市に対して行おうとしているのか、その辺についてのお考えをお聞きしたいと思います。
◎赤木未来環境推進課長 今後どのような支援をやっていくのかというお話ですけれども、環境実践モデル都市推進会議のメンバーと、今回選定された対馬市の職員の方々と一緒になった支援会議というものを設けます。その中で対馬市としての環境負荷削減技術の導入、どういった技術を導入すればいいのかとか、どういうふうな環境保全対策をしていけばいいのか、さらにはどういう環境マネジメントシステムを構築していけばいいのか、より具体的な内容について支援会議で詰めていきたいと思っております。
県としましては、財政的な支援として、現在、地域グリーンニューディール基金というのがございます。その基金を活用して、対馬市に支援ができないかというのも現在検討を始めております。既に対馬市からは、この計画の中では木質チップとか、いわゆる森林バイオマス、木質バイオマス等を活用して地域活性化、あるいは再生エネルギーの方に向かいたいという意向もありますので、地域グリーンニューディール基金が活用できれば、そういったものに充てて、対馬市を財政的に支援していきたいと考えております。
以上です。
◆山口[初]委員 各年度にそれぞれ1つの市町をモデル都市として選定していくということですが、その公募を今後ともずっと続けていかれる予定でしょうか。
◎赤木未来環境推進課長 先ほど補足説明でも行いましたが、今年度、最初の選定の手続を始めております。平成24年度まで市町を一つずつ選んでいくということですので、今後もその手続を始めていくということにしております。
先ほどの支援の内容ですけれども、実はこういった実践モデル都市にどういった支援ができるかといったことで、環境部内に支援プロジェクトチームというものも立ち上げておりまして、選定された対馬市に対して、どういう充実した支援ができるのか、そういった検討を既に始めております。
◆山口[初]委員 その財政的支援のもとになるグリーンニューディール基金というものがあるということを今伺ったんですが、具体的にその基金の使い方といいますか、総額どれくらいあって、どのようなものにどういう使い方が適正なのか、その辺も含めて財政支援の関係について、いま少しご説明をいただきたいと思います。
◎赤木未来環境推進課長 地域グリーンニューディール基金のことについて若干ご説明をさせていただきます。
平成21年度に国から県に約19億5,000万円の交付があり、この使い道として、地球温暖化対策とか廃棄物対策、漂流・漂着ごみ対策の3つのメニューで使っていくことになります。
この地球温暖化対策の中で、太陽光発電設備や一般住宅の太陽光発電設備への補助制度とかをこれまで組み立てておりますが、全体19億5,000万円の枠の中から対馬市に支援できるようなものが生まれてきそうな部分がありますので、そういったものに一部を活用できればというふうにも考えております。
財政的支援の中身ですけれども、国にもいろんな支援メニューというものがありますので、国や県のそういった支援メニューを活用して、選定されたモデル都市について応援をしていきたいと考えております。
◆山口[初]委員 大体わかりました。
いずれにしても、「21世紀は環境の世紀」と言われておりますから、そのような施策を財政面も含めて、技術的な面も含めて積極的に支援をして、一歩でも地球環境を改善して、長持ちさせるための先頭に立っていただきたいということをお願いいたしまして、この件については終わります。ありがとうございました。
○陣内委員長 グリーンニューディールについての関連質問はありませんか。
◆金子委員 今の山口委員の質問に関連してお伺いします。
これは、私も通告の中に書いておりました。私が質問しようと思ったことのほとんどを山口委員が言ったものですから、どうしようかなと思っていたんですけれども、これはいま一つ実はわからないんです。何をどうするんだろうかということが、はっきり言ってわかりません。
何かをやります。例えば、今回、対馬がモデル都市に選定されましたと、これはいいことなんですね。ただ、対馬に対して何をやりたいか。この中でいえば「取組等を支援していきたい」という言葉で最後は締めくくられているんですね。取組を支援すると。取り組んでいきますよという形ではなくて、それを支援するということはどういうことなのか。
それとともに、財政的なもの、何かをやるといったら、これは少なくとも経費がかかっていきます。その経費については、基金を活用したいと、それも検討中だと。「その原資は19億何がしかありますよ」と言いますけれども、そのうち幾ら使うというのは検討中と。
ナガサキ・グリーンニューディールに関する質問ですが、これは全体的に書いてあって、補足説明資料にもさまざまな形で書いてありますけれども、何かまだ具体的にどうするのかというのが、手探りの取組という印象しか受けないし、それ自身アバウト過ぎないかなと。
応募が4市あったわけですから、その4市というのは、その前に説明を聞いたか何かで、取り組みたいということで応募されたというのはあるんでしょうけれども、この1ページ半の資料を読んでも、ましてやこの部長説明の3ページを見ても、こんなものかなというのまではわかっても、具体的になってくると何一つわからない。幾らぐらいのお金をつぎ込んで、こういう効果を期待しているんですよというふうな形をもうちょっと具体的に示してもらえませんか。
◎赤木未来環境推進課長 そもそも環境実践モデル都市の大きな目的としましては、温暖化対策、産業振興に結びつくような取組を支援していきましょうということで始まっております。
現在、対馬市といろんなやり取りをさせていただいているんですが、対馬市は木質バイオマスといったものを今まで以上に利活用していきたいという意向を持っております。
例えば、木質チップの熱利用、いわゆるボイラーに使っていろんな施設へのエネルギーとして利活用したいというお話とか、現在、地球温暖化対策で、国内クレジットということで森林から生まれるCO2排出削減量というものをお金に換えるような時代になってきていますので、そういったものに森林資源として利活用できないかというような計画があります。あるいは廃棄物や堆肥等を利活用した産業の創出とか、今、計画としてもろもろ上がってきています。それをどういうふうな優先順位で、どういう手順で進めていくのかという作業を、支援会議でもんでいくという作業を今から進めていこうと考えております。
その中で、地域グリーンニューディール基金が活用できれば、そういった木質チップのボイラーとか、新しいエネルギーの施設整備にお金を充てるということも可能であり、そこら辺は今から詳細に詰めていきたいと考えております。
◆金子委員 今、未来像の問題、その他まで若干含めてあなた方のお話がありました。
まず、事業の概要の欄で、「産・学・官で構成する『環境実践モデル都市推進会議』で支援していきます」といって、その(1)推進会議、その(2)全体会議、その(3)選定会議、その(4)支援会議とそれぞれあるんですよ。これは当然構成が変わるんですね、当然変わらないとおかしいですよね。
そういうふうな形で、(1)、(2)、(3)、(4)の支援会議で、「実施計画の策定について助言・指導をやっていきます」というのが、このテーマについての具体的なマネジメントシステムなり、アクションプログラムを進行していく母体になるということですね。
そうしたら、その支援会議で助言・指導をするということは、この人たちは何もしないということですね。助言・指導はするけれども、具体的実践はしないというのが、通常言う助言・指導なんですよ。
対馬がやるということですので対馬市が母体、それに対する必要な資金があったら、この支援会議が決定して出していきましょうというシステムになってくるんですか。そのシステムがわからないんですよ。
◎赤木未来環境推進課長 支援会議のメンバーは、この環境実践モデル都市推進会議と対馬市が合体したものと考えていただければと思います。
推進会議のメンバーとしましては、長崎大学や三菱重工業、地域政策研究所等々、県の環境部長も入っていますが、それがまず母体になって、それに今回選定された対馬市が入り込んで、対馬市の計画をどういうふうに今後実効性あるものにしていけばいいか、そういった部分について助言・指導をやっていくということでございます。
◆金子委員 先ほど言われたように基本的に基金が19億円あって、この分が19億円かなと思ったら、そうじゃなくて太陽光発電とかも含めて19億円の中から出していくというふうな部分でいくと、これに何億円ぐらいを予定しているんですか。
◎赤木未来環境推進課長 このグリーンニューディール基金というのは平成23年度まで使えるものとしてございますが、平成23年度までの予定を除いたところで、この対馬市に充てられる額として、最大で1億3,000万円ぐらい想定しております。
◆金子委員 ではお聞きしますけれども、この19億円というのが平成23年まで、今後の予定としては、各年度、一都市のモデル都市を選定、これは平成24年まで。平成24年の財原はどこから引っ張ってくるんですか。
◎赤木未来環境推進課長 グリーンニューディール基金は平成23年度までしか使えません。平成24年度につきましては、財政課との交渉にもよるんですけれども、一般財源を投入するとか、そういうことも検討をしていきたいと考えております。
◆金子委員 大変恐縮ですけれども、もっとわかりやすくした資料を作って、もうちょっと練ったものを、今回の委員会には当然間に合いませんから、改めてこういうふうな形というのを示してもらえませんか。これだけではどうしてもわかりにくいし、はっきり言ってわからなさ過ぎますので。お願いします。
◆山口[初]委員 冒頭申し上げればよかったんですが、対馬市が応募されたものを後で見せていただけませんか、今日でなくて結構ですから。
○陣内委員長 ほかに関連質問はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 なかったら、次の項目に入りたいと思います。
◆高比良[末]委員 それでは、まず初めに、産業廃棄物の関係について幾つか質問したいと思います。
まず、1点目に廃棄物の排出量、年間の量を知りたいんですが、5年に1回ぐらいしか調査していないということで、近々の資料はないと思いますが、一番新しいデータで結構でございますので、年間にどれくらい排出量があるのか。それをどういうふうに処分しているのか。
というのは、県内に十分な処理能力はないと思っておりますし、長崎県から排出されたものは県外に多くをゆだねているんじゃないかと思っております。そういう関係で、県内でどれくらい処理し、県外でどれだけ処理しているのか、その辺の数値までわかれば教えてください。
◎小嶺廃棄物対策課長 産業廃棄物の排出状況でございますが、現在、県の廃棄物処理計画を策定しておりまして、その中で直近のデータを調査中でございます。5年前の平成16年のデータでは、県全体の排出量が456万トン、そのうち県外で処理をされている量が62万1,000トン、約13.6%が県外で循環利用、適正処理をされているところでございます。本県の特徴でもございますが、そのうち火力発電所のばいじんが53.6万トン、約86%です。その残りが汚泥とか鉱さい、金属くずで8万6,000トン、約2%も県外に出ているという状況でございます。
以上でございます。
◆高比良[末]委員 数字を聞いたら、私の認識はちょっと違うんです。総排出量が456万トンで、県外には62万1,000トンだけ、あとは県内で処理されているということなんですか。今後の見通しも含めて、最終処分場について当面は問題ないという認識に立ちますか、どうですか。
◎小嶺廃棄物対策課長 現在、県内で出ている産業廃棄物につきましては、約60%が再資源化されております。
県としましては、県の廃棄物処理計画に基づいて、県内から排出される廃棄物については可能な限り県内で循環利用、適正に処理するということを目指しております。
ただ、おっしゃるように、質的とか量的に、県内においてどうしても処理ができない廃棄物というのがございますので、そういうものにつきましては、広域的な見地から、県内、県外で現在処理がされているところでございます。
◆高比良[末]委員 逆に、県外から長崎県に持ち込まれている産業廃棄物というのはどういうものがあって、どれくらいありますか。
◎小嶺廃棄物対策課長 県外から受け入れている廃棄物の量でございますが、平成21年度の実績で約2万6,000トン、主なものとして汚泥等がございます。
以上でございます。
◆高比良[末]委員 それでは、今後の取組で、「最終処分量の削減に寄与する施設整備に対する支援を行っていく」ということが明記されておりますが、これは削減ですので、リサイクルとかをするような施設をつくった場合に支援をしていくということでしょうか。
◎小嶺廃棄物対策課長 県としましては、やはりリサイクルの向上というのを大きな目標としておりますので、今回、策定を進めております環境基本計画の中におきましても、県内で排出される産業廃棄物を地域資源として循環型環境産業の育成とか、産業廃棄物の排出抑制、リサイクルの促進を図っていきますということで、施策として盛り込ませていただいております。
◆高比良[末]委員 ちょっと聞き取りにくかったんですが、最終処分量の削減ということは、例えばリサイクルするための施設をつくったら支援するよと、そういうことですね。(「はい」と呼ぶ者あり)わかりました。
それでは、今後の産業廃棄物対策の課題について、重要な取組はこれとこれだというのがあれば、ひとつ担当課長の方からお答えをいただきたい。
◎小嶺廃棄物対策課長 廃棄物対策としましては、まずは排出削減、排出されたものについては適正なリサイクルをし、どうしても処理できないものについてはやはり適正な処理をしていくということで考えております。
そういう意味におきましても、可能な限り本県における再資源化率というのを高めるような施策を展開していかなければならないと考えております。
それと廃棄物の適正処理ですね。不適切な処理は絶対今後起こさせないような監視体制とかパトロール、そういうものをやっていきたいと考えております。
◆高比良[末]委員 改めて確認しておきたいんですが、実は県外に廃棄物をゆだねていますが、将来の方向を見ると、よその県の廃棄物を受け入れないという方向にどこの県もなってくるんじゃないかと思います。
というのは、最終処分場をつくるのは非常に困難な時代になっていますので、今のところは62万トンぐらい受け入れてもらっておりますが、全量じゃなくても枠がだんだん縮まってきますよね。そうした時に長崎県としてどうするか。今、最終処分場は特段問題がないというふうなお答えのようでありましたが、長崎県にとってもやっぱり産業廃棄物の地産地消を展開して、なるべく他県に迷惑をかけないようにしていくことも重要でないかなと思っております。長崎県の今ある最終処分場は、何年までもてるのか、今後そのままで推移していいのかについて、県としての見解を求めておきたいと思います。
◎小嶺廃棄物対策課長 県内で処理できないものについては、県外の最終処分場で処理をされているということでございますが、確かに他県のものを受け入れないという施設があることも理解はしております。
ただ、現在、県外に62万トン出ておりますが、その廃棄物について受け入れを断られているという情報は現在のところ聞いておりません。
そういう状況ではございますが、委員がおっしゃるように、本県で出た廃棄物については県内で処理をするという県の基本的な方針もございますので、そういう意味で、県としましては、可能な限りそのリサイクル技術を進めていくような施策をしていきたいと思っております。
最終処分場につきましては、やはり産業廃棄物でございますので、民間での処理というのを原則と考えております。そういう意味でも最終処分場につきましては、最終処分場で処理をしなくていいように、できるだけ再資源化を本県としては進めていきたいと思っております。
それから、本県の最終処分場の残余年数でございますが、管理型の最終処分場が12.5年、安定型が10.3年ということになっております。
ただ、この管理型につきましては、すべてが自社処理、会社で最終処分場を持っていて、自分のところで処理しているという処分場でございます。
以上でございます。
◆高比良[末]委員 本県の最終処分場の能力はあと10年ぐらいですよね。行政ではなく民間がするのが建前と言いながらも、先ほど出たように他県も今受け入れていますが、年々総量が少なくなってくると私は思います。他県だって、最終処分場を延命したいんですから、まず、どこをストップするかといったら、他県から持ってきているのをストップして、自分のところを優先するんじゃないかと思いますので、この辺、民間が主体でやるものと言いながらも、行政も一緒になってひとつ10年後どうするのか。もう今から100%しておかないと、最終処分場なんかは新しいのをつくるのはなかなか難しい状況ですので、リサイクルも結構ですが、そんなに理想的にはいかないですよ、リサイクルもですね。両方にらみながら、この問題については長期的展望の中でしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
以上、終わります。
○陣内委員長 この項目についての関連質問はほかにございませんか。
◆金子委員 産業廃棄物の問題に関連してご質問させていただきます。
大村の方のウイックですか、今日の資料の方でもご説明がありました。あの原因という部分、ただ単に、あそこが銭儲けのために余計集めて入れて、結果的に不当な利益を得たと。そのことが産業廃棄物処理法に違反した。だから有罪なんだというふうな形だけでは済まないと思うんです。そういうふうな形をどう認識されているのかというのを、まず、第一番目にお聞きしたいと思います。
◎小嶺廃棄物対策課長 不法に埋め立てている産業廃棄物につきましては、平成21年2月に全量撤去という措置命令をいたしております。
そういう意味でも、福岡高裁の方で控訴されて、刑はまだ確定しておりませんが、県としましては、その措置命令の履行を今後とも強く事業者に求めていきたいと考えております。
◆金子委員 私も3年近くこの環境部にお世話になっているんですけれども、ずっとこの問題を引きずっています。大村の産廃業者といったら、実はここだったんですね。そういうふうな形でずっと引きずってきております。
今回は地裁で、あくまでも刑事事件として有罪判決があったんですけれども、高裁に控訴しましたから、まだ確定しておりません。高裁にいっても、いやと思ったら多分最高裁までいくかもしれません。そうしたら、また2〜3年かかるのかなという気がしているんです。
これは多分、前回の時も、前々回の時もずっと問題になってきたと思うんですけれども、一定の行政としての強制力にも問題があるし、また、さまざまな要素における対応が必然的に後手、後手に回らざるを得ないという問題点、今回の場合もまだ確定していないから、多分次の民事的な手というのは打っていないと。打てても、まだここは倒産をしていないんです。「株式会社」と書いてあるから倒産していないと思いますけれども、実質上は倒産ですね。営業活動も何もしない。だから1年間、2年間、3年間と収入はない。だから、当然資金はありませんと。もうここから先の予想がほぼつくんですよ。
だから、原状回復命令を出しても、原状回復をするだけの財政能力はありませんという形で終わりかねないという部分があるんです。そこあたりへの行政的な対応としては、今後、残された課題の問題をどういうふうにされようとしているのか、お伺いします。
◎小嶺廃棄物対策課長 先ほど補足説明の中でも説明いたしましたが、この不法投棄とあわせて処分場自体から汚水やガスが出ており、生活環境保全上の支障のおそれがございますので、まずは、事業者に対して、改めて、その支障の除去についての措置命令をかけてみたいと思っております。
事業者も、裁判の公判が終わった後に、こういう計画をやってみたいということで県の方に出向いて計画書も持ってきております。当然、その計画が抜本的な計画ではなかったものですから、再考ということで指示をいたしておりますが、そういう意思も見せておりますので、まずは措置命令で、こういう措置をしっかりするんですよということを指示していきたいと考えております。
◆金子委員 私とかなり認識が違うんです。だから聞いたでしょう。株式会社として存在はしているけれども、実質上、その能力はないんじゃないかと。能力がない会社に措置命令をやって、そういうふうな形の相談にきました。あなた自身書いているじゃないですか、「改善命令の履行期限がきたけれどもしていない」と。ずっとそれできているわけでしょう。だから、まず、私はどうするのかと、何か方法があるのかどうかということを聞いているんですよ。はっきり答えてくださいよ。
◎小嶺廃棄物対策課長 生活環境保全上の支障の除去につきましては、廃棄物処理法上は一番強い命令というのが措置命令でございます。
先ほどおっしゃいますように、どうしても事業者が、財政力がなくて措置命令を履行しないという場合には、法律の中では第19条の8ということで、行政自らがそういう支障の除去をするという形のことも法律では定められております。
ただ、措置命令を今から発出いたしますので、措置命令をしっかり履行させるということが第一だと考えております。
以上でございます。
◆金子委員 ではそういう形で措置命令をぜひやってもらいたいんだけれども、同じことを2度繰り返すだけだと思いますね。どうせまた代執行になるんでしょう。そしてまた、何千万円か使わないといけない。今度の場合にはかなり規模が大きいみたいだから、もっとかかるかもしれない。もうそういうふうなイタチごっこをずっと続けている。1個片づいたと思ったら1個出てくる。また多分同じようなことが出てきます。それの根本的解決策としても、それぞれ言われている、一定の財政的な担保が取れないのかというのを前の委員会でも言ったですね。そういうふうな形の条例化なり何なりということは検討されてないんですか。お願いします。
◎小嶺廃棄物対策課長 確かに以前の委員会の中で保証金制度、そういうふうなものについてお話をいただいたと思っております。
県としましても、環境省や関係機関といろいろ協議をいたしましたが、許可事務自体が法定受託事務ということもありまして、県独自で特段の制限を持つことはできないという話がありましたので、その件については、保証金的な制度は県単独ではなかなか難しいと現在判断しているところでございます。
◆金子委員 国と相談して、そういうふうな結果しか出てこないということでしょう。前回もほぼそういう感じの答弁を言われました。
これは長崎県だけじゃないじゃないですか。いつだったか四国の島自身が云々とかということもあったじゃないですか。あれも莫大な費用をかけて、島に船で行って全部乗せて、そしてまた持っていって処分するということばかりやっている。それに対して国の方に相談に行って、そういう方法は取れませんよというんだったら、それにかわる何らかの方策をするということを国は言わないんですか。
◎出口環境部次長 最終処分場の供託金みたいな制度があればいいんでしょうけれども、それに似た制度というのを、安定型については平成18年度、管理型についてはもう既に平成9年から最終処分場の維持管理の積立金制度というのがございます。
これは、委員ご指摘のように、資金不足で、埋め立ての終了後、適切な処理のないままほったらかしにされている最終処分場が現時点も多いということで、事業の開始時点から、要するに安定型については、埋め立ての操業中の段階から最終的な廃止に向けての資金を積み立てる制度が18年度から発足しております。
そして、長崎県がもし代執行した場合については、この積み立てた維持管理積立金を取り崩して、それによって代執行することはできるという制度も、制度改革の中で、平成22年からの施行でございますけれども改正になっているということで、国の方もこの最終処分場の後始末について、一歩一歩考えていただいているというような状況でございます。
◆金子委員 今はもうこういう形でやりっ放し、それでそのまま放置する。代執行する。代執行の代金について、前の分も1万何ぼか入れただけ。そういう部分で、もうやり逃げというのが当然みたいな感じで言われている。全部が悪くはないんですよね、ほんの一部ですよ。そういう部分まで全部同じような色眼鏡で見られるという状況もあるんです。
それで、実は今回の大村のウイックは第2ですね。第1番目がありましたから、その前もあったのかどうか知りませんけれども、このままいけば当然第3番目が出てきますよ。
だから、そういう部分については、施設に対して改善というよりも、その改善命令が一定の有効な方法という形にしていかないと、特に長崎みたいに処分場が非常に少ない、だから九州管内で造りましょうというのも流れてしまった。長崎県もどこかにまとめて造りましょうというのも基本的に流れてしまった。
本来だったら、先ほど「民間処分が原則ですよ」と言われましたけれども、「なぜ」というふうなものもあるんですよ、これは昔から。何で民間じゃないといけないのか。公が何でこういうふうな処分場を造らないのか。当初は官と民と合わせて造りましょうという話でどんどん進んでいたでしょう。それがなぜ民間だけになってしまったのか。それはただ単に県の都合ですか、市の都合ですか。
そういうふうな形で、根本的にこの問題を解決しないと、全部押しつけて、ふたを閉めてしまおうという姿勢に立てば、必ずモグリで通常の安定型のところに安定じゃないようなものを入れてしまうとかという形が出てくるということになります。
もうちょっと根本的な部分、これを減らすのは大切です。確かに10万トン出るのを減らして5万トンになりました、それは大切ですけれども、その5万トンはやはり処分していかないといけないという現実は残ります。そういうものを根本的な形でできないものか、ぜひ検討はしていただきたいと思っております。このあたりはどうでしょうか、環境部長。そのあたりはもう一歩踏み込む必要があるんじゃないかと思っているんですよね。
◎徳永環境部長 先ほどから体制の問題が1つございまして、我々も幾つかこういったものを経験しておりまして、命令をかけてきたものがございます。我々もそこの反省に立ったのは、やはり免許、許可を与えた時点からしばらくたってこういった不適切な部分が起こってくると。監視の部分が初期の段階から非常に大事ということを認識いたしました。
委員会等のご指摘もありまして、監視体制は従来の倍以上の数で監視をやっておりますし、事業者への立入件数もかなりの回数で実際行ってございます。
これから先のことを確定的に言うことはできませんが、現段階では、こういった大規模な事案については承知をいたしておりません。今後もそういった監視の中で、これからの発生については抑制を図っていきたいというのが1点ございます。
仮にどういった改善策ができるのかというお尋ねがございましたけれども、これも以前、野口委員からご指摘がございましたように、国の負担の中でやるべきと。
先ほど言いましたように、受託事務といいますか、国の委託の中でやっている許可事務の中で発生した問題であるから、こういった不適正処理については国の全面的な支援が必要というご提言をいただいております。それは我々もこれからやっていく上では当然考えていきたいと考えております。
先ほどご指摘のあった四国あたり、あるいは青森の大規模な不適正処理がございますが、これは国が、何百億円という金を国自身がつぎ込んでやっている事案でございます。規模の大小でないとは思います。規模が小さくても本県にとっては非常大事な案件と思っておりますので、法律でそういった補助制度を作る、国ができるようなのが一番いいんですけれども、それがなければかわりになるような、国の負担を受けながら、我々自身ができるだけ負担をしないような格好で、これから進めていきたいと思っております。
我々は法律に基づいてどうしても手順を踏んでやっていくところがございますので、おっしゃるように、確かにちょっと後手という感じはいたしますが、今回の案件は事業者が非常に悪質ということも裁判所が言っております。我々もそういった認識を持っていますので、まずは法律に基づいて、できるだけ強く働きかけをやっていきたいと考えております。
以上でございます。
○陣内委員長 ほかにありませんか。
◆野口委員 今のウイックの問題ですね、これは大村ですから私も関連して幾つかお尋ねしてみたいと思います。
金子委員からご指摘があって、全くそのとおりのご指摘であります。ここは一つ尚更謙虚に、かつ考えて、今後につなげていっていただきたいということです。
そこで、今後の一つの方向性とすれば、浸透水の環境基準値超過の問題について、この対策が履行されておらないということで、これはもう措置命令をしなきゃいかんだろうと思うんですね。今、「検討している」という答弁はあったんだけれども、そこが問題なんです。
要するに検討しているということで何カ月か、もしくは1年、2年とたっちゃうわけであって、どの時点で改善命令をかけるのかというのは、本当はこういった、特に法律に基づいてある種のそういった勧告命令を出す場合には、客観的な事柄がないとだめだと思うんだよね。
ですから、例えば改善命令を出して、大体半年たっても何らそれがしっかりやられていなかったら措置命令だよということが流れとしてはきちっとないとだめだよ。だから、あるところでは改善命令を出して、半年後には措置命令を出した。しかし、あるところでは何かもやもや、もやもや、やりそうでもあるし、やらないふうでもあるしという感じで時間だけ経過して、2年たってようやく措置命令というパターンとかのばらつきがあるだけではなくて、そこをあらかた法律に基づいて、法律を補完する県の要綱でも作れるものなら作って、やっぱり厳密に対応していくということだと思うんですよ。
今日も報告がありましたけれども、そもそも最初の改善勧告が出たのが平成13年でしょう。そこからすると判断の客観的指標と、判断を起こすための客観的な時間の経過というかな、これがやっぱり統一的じゃないんだよね。その問題が1つあると思うんだな。
そういうことから言うと、まずは、もうここまできたわけだから、早急に措置命令を出すと。それに伴って改善命令、措置命令、改善勧告、こういったものを出した時に相手がどう対応したら、どうするのかというのをきちっとマニュアル化してほしい。法律を補完する意味で、あらかた判断の目安というのをきちっと作っていただきたい、こういうふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎徳永環境部長 幾つか我々も改善命令、あるいは措置命令というのを出した経験がございます。今回もウイックに対して、まずは改善命令を出して、その履行ができていないというのは最近確認をしました。
ほかの案件も少しあるんですけれども、色々指導をしていく中で、すべての業者が対応しないということではなくて、逆に言うと、指導の中で改善されていくのが多数ございます。
今回の案件についても、平成13年当時、改善の勧告ということで指導をしていく中で、廃棄物の投入を一旦停止して改善を図った時期がございます。その後についても、我々の指導の中で一端停止をしたとか、あるいは覆土をしたとか、そういう時期がございました。そういうものを見ていきながら、どうしても次の段階に移っていくところがありますので、結果的に間が空いているというところはございます。
ただ、今回の案件につきましては、改善命令についての改善がなされていないというのを確認いたしましたので、できるだけ速やかにといいますか、その措置命令に向かって手続を始めたいと考えております。
◆野口委員 結局、経過を見ても、平成20年10月1日に改善命令の履行期限がきているわけだよね。履行期限がきたんだけれども、我々にあえて強く指摘してほしいのかどうか括弧書きしてあるけれども、「浸透水が停止したため履行の判断を保留」となっているわけだな、「保留」と。こういうところが、何の根拠があって履行の判断を保留するのかと私は思うわけだよ。たまたまこの時に浸透水が出なかっただけであって、ここで判断を保留しちゃったら、また1カ月後に浸透水が出てくることだってあるわけでしょう。これが要するに行政の一つの恣意的な判断だと言っているわけです。少なくとも改善命令を出す時には、例えば浸透水の対策をどういう形でやるかというのは詰めるんでしょう。覆土をするのか、上にシートをかぶせるのか、もっと大規模な浸透水の排水溝でも造らせるのかというのをきちっと判断するわけでしょう。だったらそれは期限を設けて、期限までにやっていれば一応よし、やっていなかったら、ここは履行期限を守ってないとして、本来は、この時点で措置命令をしなきゃいかんと私は思うね、平成20年10月1日現在で。
そして、もしそういう流れがあって、客観的な指標があってやって、平成20年11月ごろに、もし県が措置命令を出したとしても、だれも文句は言わない。「県の判断はおかしいですね」という人はだれもいないと思う。逆に言えば「平成20年10月1日に浸透水が停止したため」と。どれだけの調査をもって、そう判断したかわからんけれども、ここで保留したこと自体の方が恣意的な判断と取られかねないと思いますが、どうですか。
◎小嶺廃棄物対策課長 浸透水の改善命令につきましては、施設から基準を超える浸透水が出ていると、その基準を守るような施設の改善をしなさいということで7月4日に改善命令、使用停止命令をかけております。その後、10月1日に浸透水が停止をして、その間、事業者が覆土とかいろんな措置をしていたものですから確認をしたいと思っていたのですが、10月1日の履行期限に浸透水が全く出ない状況になってしまったと。そういう状況の中で、水質が改善されているかどうかということが、今日まで確認できなかったという状況でございます。
ただ、県としましても、水が出ないのも状況としてはなかなか理解できなかったものですから、事業者に対して確認を求めたところですが、やはり立入検査の限界といいますか、事業者が拒否をしたりする場合には、そこを排除してまで立入検査ができないということでございまして、現在まで浸透水が基準超過をしているかという確認ができなかったということでございます。
措置命令につきましては、当然、改善命令が履行されていないということもありますが、生活環境に支障があるということが措置命令の大前提でございますので、今回は、そういう汚水が沢の方から出ている。その内容も浸透水と同一であったということも確認しましたので、早急に措置命令については発出をしていきたいと考えているところでございます。
◆野口委員 結局、改善命令を出す時に、浸透水が出てきた段階で、業者が自発的に改善命令でやるわけじゃないです。あくまでも改善命令なんだよ。改善命令ということは、業者と廃棄物対策課の方で、その事態を受けて、どうすれば浸透水対策ができるかというのは話をするわけでしょう。だから、覆土であろうがシートを敷こうが何をやろうが、少なくとも業者がやっているんじゃなくて、廃棄物対策課と話した上でやっているんですから、その結果については業者だけに責任を負わせちゃいかんよ。
あなた方は平成20年10月1日に、浸透水が停止したため履行の判断を保留しているんですよ。この保留した責任はどう取るんですか。しかし、結果的にはまた出ちゃったわけでしょう、21年8月3日に。履行の判断を保留するのであれば、もうほとんど出ませんよという、廃棄物対策課が考えても完璧な浸透水対策をやらせて、それをきちっと業者も納得ずくで履行させて初めて保留するならわかるけどさ。
結果的には覆土とかをして、たまたまその時に浸透水が出ませんでしたということにおいて履行の判断を保留するのは、私としては責任の所在を、改善命令という法的措置における責任を業者だけにかぶせているという気がするよ。その辺はどうですか。
◎徳永環境部長 ご指摘のように改善命令をかけて、これは基本的に事業者の方にさせるという命令でございます。
おっしゃるように、我々も改善の方法については、事業者から計画を出させて、それについて一定の判断をして、効果が出るものについてはさせていくという手段をとっています。
この場合については、覆土、現場の方に一端土を入れまして、雨水等が入らないような措置を講じることで、まず施工をさせました。実際、業者の方がその施工をし、その後浸透水が出てこなかったので確認ができなかったものですから、覆土自体の効果が果たしてあるかどうかという判断ができなかったという状況の中で、結果的にオーケーという答えでもないし、それでは足りないという答えも出せなかったものですから、保留という措置にいたしました。
以上です。
◆野口委員 だから、今、環境部長が認めたように、平成20年10月に改善命令を出した段階で、要するにきちんとしたことを業者にやらせていないからだよ、一言で言えば。
今、覆土というのが具体的に出てきたけれども、覆土をやればいいという話だったんですか、この時の改善命令の内容は。それでもう浸透水対策ができますよというのは、改善命令を出した方にも責任の一端があるんじゃないかと言っているわけですよ。
改善命令を出す。それで何をやらせるかというのは、県がその内容をしっかり見ながら指導する。それで判断を保留なんていう意味がよくわからないんだな。
◎出口環境部次長 平成20年は私が廃棄物対策課長でございましたので、この辺のところを少し詳しくご説明したいと思います。
覆土は、相手方には50センチの命令をかけております。これは環境省の廃止の際の一つの基準でございます。相手の履行は20センチでございました。この覆土も結構効果があるということで、通常、浸透水対策において、雨水対策に使われている手法でございます。
それから、雨水が溜まらないようにということで、排水管を整備するようにという指導もしていますし、水が短時間で最終処分場から排出するように傾斜の指導もしておりました。
そしてまた、縁石も造り、外部から最終処分場に水が入り込まないようにという指導もいたしましたけれども、我々の指導が十分でないところも一部ありました。それは反省するところでございますが、この浸透水が停止したために履行の判断を保留というのは、浸透水は最終処分場のごみ層を伝わって流れてくる水でございます。最終処分場がどうなっているかというのを、その浸透水を調査することによって間接的に判断するということですけれども、これが全く出なくなったということでございます。我々が言った改善の指導がどうだったのかというのが、水をもって判断をするものですからその判断ができなかったということでございます。
先ほど廃棄物対策課長が言いましたように、それは立入検査でもっと強制的にやればというご意見もございますけれども、これは相手の抵抗がかなりございました。この立入権限というのは、相手の拒否を排除してまでもできるという権限は行政サイドに与えられていないのでございます。
この補足説明でも説明いたしましたように、最終的には告発をし、不法投棄の分とこの水質の分につきまして、あわせて履行ができたか、できないかというのも、最終的にはそこで判断をしたということでございます。
◆野口委員 だから部長説明では、平成20年10月段階の話では覆土という話が出てきた。今、次長からは、排水管、傾斜、縁石と出てきたね。例えば排水管なんていう話が出てきたけれども、20年10月1日の段階で排水管の改善命令は業者は履行しているんですか。
◎出口環境部次長 排水管と申しましたけれども、排水路ということでございます。その十分なことを向こうがしたのかどうかという判断ができなかったと。要するに十分なことをしていただければ、当然のことながら、浸透水からの水が40mg/リットルを下回ると我々思ってはいたんですが、その判断をすべき浸透水が浸透水管からは出なかったということでございます。
◆野口委員 だから、聞く方と答弁が支離滅裂になってきているでしょう。法に照らして改善命令を出すわけですよ。その時に、あれもやりなさい、これもやりなさい、これもしてくださいと業者と打ち合わせるんでしょう。その内容を含めて改善命令を出すわけですよ、ここを改善しなさいというのを出すわけだよ。
ところが、今言ったように、排水路をきちっとやりなさいよと改善命令を出しているにもかかわらずやっていないんですよ、わからないんですよ。傾斜も縁石もそうでしょう。私に言わせれば平成20年10月の段階では、覆土、排水路、傾斜、縁石、今答弁で4つあったけれども、業者がやったのはせいぜい覆土ぐらいなもんですよ、私の知っている範囲内では。だから、これは明らかに改善命令違反、改善命令の履行ができなかったということじゃないの。浸透水をどれだけのスパンで、どれだけの地点で、どれだけの頻度で検出するかはともかく、改善命令というのは、そもそもここを改善しなさいというものを、まず打ち合わせた中で、それをきちっと履行しているかどうかじゃないんですか。
◎出口環境部次長 私が少し舌足らずのところがあったかもしれませんけれども、覆土は向こうは20センチの覆土をやっておりますし、排水も縁石もやったということでございます。ただ、それが結果として十分になされたかというのが、この浸透水をもって判断するものですから、それが全く出なかったために判断ができなくなってしまったということを申し上げました。
◆野口委員 浸透水で判断するというのは何を根拠に言っているんですか。浸透水が基準値を超過したわけでしょう。だから対策を講じましょうということで、まずは覆土をしなさい、何をしなさい、これもしなさい。まず、それがきちっと履行できるかどうかの確認じゃないんですか。それでも浸透水が出るのであれば、また今度はあれもやりなさい、これもやりなさいということでしょう。
だから言ったように、結局この時点で浸透水が出るか、出ないかというのも、どの地点で、どれだけの頻度で、どれだけ計測したかよく知らんけれども、浸透水が出るか、出ないかというだけの判断で、そうすると改善命令なんて、結局は業者と県の方で何をどう改善するかというのを具体的に話す必要性なんてほぼなくなるじゃないですか。
◎小嶺廃棄物対策課長 平成20年7月の改善命令の内容としましては、「CODが基準に適合するよう必要な措置を講じること」ということで、浸透水の基準をクリアできるような措置をしなさいという改善命令を出しております。
そういう中で、事業者の方から覆土をしたい、勾配の確保もしたいとか、そういう計画が上がってきて、その内容について措置をするという計画がありましたので、その内容を認めて、うちとしてもやらせているところです。
ただ、その最終的な措置に対してどういう浸透水が出て、それが基準をクリアしているかどうかが改善命令の履行できているかどうかの判断でございますので、その判断をするための浸透水が、履行期限だった10月1日に突然出なくなったということで判断を保留せざるを得なかったと、改善の履行の判断を保留してしまったということでございます。
以上でございます。
◆野口委員 時間がないのでこれで終わりたいと思いますが、私が言いたいことはわかるでしょう。改善命令を出す段階で、あれをやります、これもやります、あれもやりますと業者が言ってきたと、今の答弁ではね。ところが、次長の答弁だと、それを本当に業者がやったかどうかも全く確認できないと。強制的に立ち入りもできないという話なのでね。結果的に10月1日の履行期限に、これはたったのワンポイントで計測しているんですか。複数でやったのか。複数でやっているんですね。
いずれにしても、その段階で浸透水が出なかったということで保留しているわけですね。ところがどっこい、結局は浸透水がまた出てきたということでしょう。基本的には、このあり方そのものを検討する必要があると思うよ。
だから、改善命令をかける段階で、業者に何をどうやらせるのか。業者は経費がかかることは一切やりたがらないんだから、それをどうやらせて、どう判断していくかということですよ。結果的には業者の責任、改善命令を出した行政の責任というのはなきがごとしの答弁になってくるんだけどね。この辺の考え方の組み立てというのが私はどうもしっくりこない。結果的に、それがずっと長い期間にわたって、こういう問題をずっと引きずっていくということになると思います。
したがって、冒頭申し上げたとおり、措置命令を出すということの意味、その時に業者とどういう打ち合わせをして、どうやらせるのか、そして、その履行確認はどうするのか。浸透水ももちろんそうなんだろうけれども、果たして業者と県とで調整したような、先ほど具体的に幾つか項目があったけれども、そういったものをきちっとやったかどうかの確認とか、一つひとつそういうことをやっていくべきですよ。そういうふうな考え方を変えていかないと、先ほど金子委員がおっしゃったように、こういった問題が再三繰り返す、私はそう思っていますよ。
この問題が発覚して、廃棄物対策課長が次長になられた時点ぐらいから非常によくやっていらっしゃる。それは私もよく知っている。いろんなことが変わってきた。いろんなことが変わってきて、取組もかなり強化されたし、今後はこういう問題はほぼ起こらないだろうということで私も安心はしているんだけれども、もう一歩踏み込んで、今後も措置命令を出せば、これは代執行になる可能性が十分あるわけですよ、金子委員がおっしゃるようにね。であるならば、改善勧告とか、改善命令とか、いわゆる措置命令とかというものと、県が一体どういうふうにアクションを起こして、どういう客観的な指標で、それをどう判断していくかといった一つの流れをきちっと押さえておかないといかんと思う。
そうしないと冒頭申し上げたとおり、あるところでは改善命令から措置命令までが1年間だと、あるところでは改善命令から措置命令まで3年かかったと。それはもうそれぞれいろいろ違いますからねではなくて、それはきちっと一つの判断基準というのを、この際検討していただきたいというのを強く要望しておきたいと思います。
もう一つは、環境部長から先ほどあったように、もとをただせば、これは国の法律に基づいてやっているわけであって、県はその中で、本当はもっとやりたい、立ち入りもやりたい、何もやりたい、もっとがんがんやりたいと思っているんだけれども、それができないわけだから、あくまでも国の法律に基づいて県がやっている話なんです。だったら、こういうものに対して国が一定のきちっとした責任を負うのは当たり前であって、100%県費で代執行するなどというのは、元来おかしな話だから、環境部長からも先ほど答弁があったように、これをもう少し具体的にどういう議論ができるのか、国がそれに対してどういう見解を持っているのか、各都道府県が同じような問題を抱えて、どういうふうにアクションを起こしているのかというのを、先ほどの答弁よりも増して、ぜひともしっかりと取り組んでいただいて一つの実を上げていただきたいということを考えておりますけれども、もう一回、最後にその辺のお気持ちをお聞かせいただきたい。
◎徳永環境部長 先ほど改善命令のお話があったので、もう一点だけ押さえておきたいんですが、改善命令をかける時に、廃棄物処理法の違反であるというところの違反の認定が、要は浸透水の基準がオーバーしたことで改善命令がかけられるという基準になります。先ほど申し上げましたように、浸透水が1カ所からしか出てこない構造になっていますので、その水質で判断をせざるを得ない、そういう状況がございました。
我々も先ほどから申しますように幾つか措置命令を経験しました。いろんな予防対策というか、監視体制を強化しました。ただ、こういった手続が、おっしゃるようにケース・バイ・ケースという感じになってはいけないと思っています。ただ、先ほど申しましたように相手方が命令に従って改善をする事例もあるんです。そういった部分はどうしてもやっぱりしばらく見ないといけないというか、行動を見ていく必要がどうしてもあるものですから、そこの差はどうしても出てくるかと思います。
ただ、今回のように改善命令をかけて、それで足りないという部分で措置命令をかけますので、措置命令については、先ほど言いましたようにこういったことをしなさい、これを解除しなさいとか、そういった幾つかのメニューで命令をかけていきますので、それは結果的に水質だけではなくて、現場はどういうふうに改善をされていくのか、そういったところも見ながら、ぜひしっかりやっていきたいと思います。
手続については、我々の経験を活かして、これからどういった手順の中で厳しくやっていくか、内部的にも定めていきたいと思っております。(「国に対しては」と呼ぶ者あり)
国に対しても、まずは我々が改善をやっていこうという部分について、どういった支援がいただけるのか十分相談はしていきたいと考えております。
以上です。
○陣内委員長 午前中の審査はこれにとどめ、休憩いたします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−午前11時59分 休憩−
−午後1時31分 再開−
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○陣内委員長 委員会を再開いたします。
午前中に引き続き、事前通告をされた質問者の質問を受けたいと思います。
◆山口[初]委員 それでは、通告いたしておりましたのでお尋ねしますが、土木部にもお聞きしましたし、県民生活部にもお聞きしたんですが、この総合計画に関する質問と、それにかかわる大村湾の環境改善という形で質問させていただきます。
まず、全く同じようなことを聞きますけれども、2001年から2010年までは「長崎県長期総合計画」というのが策定されていますね。その延長線上で今度総合計画が策定されたものだと思いますけれども、これの政策評価といいますか、総合評価といいますか、それに基づいて今度の総合計画が策定されたものか。その辺の兼ね合い、関連性についてお尋ねをいたします。
◎徳永環境部長 新しい総合計画でございますけれども、これまでの総合計画、後半については「ながさき夢・元気づくりプラン」、こういったものの取組の評価をしまして新しい総合計画をつくってございます。環境部としても前計画を踏まえて、一定評価をした上で新しい総合計画につなげていこうと考えてございます。
以上です。
◆山口[初]委員 そういうことで、過去10年間の計画と今後の5年間の計画というのは基本的に、大局的でいいんですが、時代はずっと変遷しているわけですね。私どもを取り巻く環境そのものも変化をしてきているんですが、今後5年間、何を重点としてやるかということが大きなポイントだろうと思うんです。
この総合計画を見てみますと、施策8の「地域発の地域づくりを進める」、あるいは「安全・安心で快適な地域をつくる」ということで、もろもろの項目が記載されてあるんですが、環境部として本当にこの5年間で何を目玉として、何を県民の皆さんにアピールをしながら、何を県民の皆さんにやっていただくのか。そして、そういう中で皆さんは何をやろうとされているのか。そのことについて、いまひとつ環境部の意欲といいますか、そういうものについてお聞きしておきたいと思います。
◎徳永環境部長 新しい総合計画でございますけれども、先ほど申しましたように、前回の総合計画を一定評価して進めていきたいと思っております。
その中で、特に地球温暖化対策、こういったところが大きなねらいといいますか、大きな課題というふうにとらえてございます。
前回の10年前の総合計画でございますが、確かに計画の中では「地球温暖化」という言葉は出ておりました。ただ、それにつけての具体的な取組というか、そういったところは今ほど深くは記述してないと感じてございます。この10年の間、特にこの5年ぐらいの間に温暖化に対する非常に大きな課題といいますか、関心も高まっていると我々は認識をしております。
したがって、その温暖化対策、行政だけでは取り組むことができないという認識をしておりますので、こういった新しい計画の中で県民の皆さん、事業者の皆さん、そして我々が一緒になってやろうと。そういった方向に向けて、できるだけ具体的な取組を示していきたいと考えてございます。
以上です。
◆山口[初]委員 もう一点、基本的なことについてお伺いします。
先ほどこの長崎県環境基本計画の見直し版をご説明いただきました。これはいわゆる平成23年度から平成27年度までの向こう5年間の長崎県としての環境基本計画というものが、今、見直し策定されようとしているわけですね。
それと、この総合計画も具体的な実行年度といいますか、計画年度というのは同じ平成23年度から平成27年度の5カ年であろうと思います。
そういう意味で、これらを策定するに当たって、環境政策ですから同じであろうとは思うんですが、基本的にどういうスタンスでそれぞれをお作りになろうとしているのか、お伺いいたします。
◎徳永環境部長 環境基本計画と総合計画、整合性を図って進めたいということで考えてございます。
環境基本計画につきましても、これまでは10年間の計画にしてございました。今回は長期総合計画も10年先を見据えてですが、5年計画ということで今後策定を進めております。
先ほど委員ご指摘のとおり、環境に対する周りの状況が急激に変化をしている。その中ではやっぱり5年ぐらいの計画の中で進めた方がより効率的といいますか、対応が柔軟にできるだろうと、そういう認識もあって5カ年計画にしてございます。
それから、中の体系のお話ですが、先ほど委員からご指摘があったように、「地域発の地域づくり」とか、「安全・安心で快適な地域づくり」、こういったところの大きな中で環境部関係につきましては、まずもって環境基本計画の中で「地球温暖化対策」を真っ先に掲げてございます。
従来の環境基本計画の中では、順番は大事なのかもしれませんけれども、「地球温暖化」というのは3つ目、4つ目ぐらいの施策というか取組の順番で、最初はどちらかというと「循環型社会」といったところを先に掲げてございましたけれども、今回は環境基本計画のトップに「地球温暖化対策」を掲げてございます。
それと、総合計画と同じように「環境への負荷の削減」、それから「人と自然が共生する地域づくり」、柱は同じようなものを立てて取り組むようにしてございます。
以上でございます。
◆山口[初]委員 わかりました。
それぞれ項目としては当然やらなければならないことを網羅というか、記述されているんですが、この環境基本計画も総合計画もそれぞれの項目を見てみますと、ある意味での精神論にはなっているんですけれども、具体論としての数値目標というようなもの、具体的な目標というのが、この短い文章の中にどう表現するかというのはあるんですが、それがないものですから、読む者にとってインパクトが、みんなが「いや、本当にこうしなければいかん」というような部分が、5年後はこうなるんだというのがやはり見えづらいんですね。
そういう面では、これを成案にする時には一行一行見てもらって、その辺の文言についても工夫をされた方がいいんじゃないかと思います。個々についてはもう省略をいたしますが、そこのところは読む者にとって、あるいは皆さん仕事をする者にとって、これは大きな指針ですから、目標を持たせるというか、目標を感じ得る計画にしてほしいなと思っています。
具体的に質問しますが、そういう中でこの総合計画の100ページ、あるいは環境基本計画の7ページの3の1項あたりに「閉鎖性海域に対する改善策」というのがうたわれているんですよ。
具体的に何を言おうとしているかといいますと、諫早湾干拓の調整池も閉鎖性海域、大村湾もまさにそのとおりなんですが、この前、大村湾に関して一般質問で一通りのことはお尋ねいたしましたので、今日は細かい部分といいますか、ちょっと掘り下げた部分的な部分についてお尋ねをしたいと思っております。
まず、一般的な話です。環境政策課長、大村湾のCODは調査地点17箇所のうちの14箇所が基準値をオーバーしていますね。平均が2.2mg/リットルです。一番悪いところが久山港の沖合あたりが2.7mg/リットルぐらいになっていますね。そして、喜々津川の河口域地点あたりは2.4mg/リットルぐらいということで、要するに大村湾の中で環境基準を上回っておるというのは、西海橋の入口のところの早岐とか、北部とか、もう一点早岐の3箇所がクリアしているだけであって、大村湾の奥に行くに従ってだんだん数値も悪くなっているんです。ということは、まさに閉鎖性海域の象徴たる部分は湾奥にあるわけであります。
そういうことで、まず、その要因はどこにあるというふうにお考えでしょうか。そして、その改善策はどう考えるかということについてお考えをお示しいただきたいと思います。
◎大串環境政策課長 大村湾につきましては、委員ご指摘のように閉鎖性が強く、外海との海水の入れ替わりが少ないということで汚濁しやすいという性格がございます。加えまして都市化の進展でありますとか、流域人口の増加によりまして生活排水、あるいは工場排水などに含まれる水質の汚濁物質等によりまして水質が悪くなってきていると、その結果環境基準を超過した状態が続いているんじゃないかと考えております。
◆山口[初]委員 大村湾が今駄目になっている要因は、要するに表面の水、もう一つは湾の底質にあると思っています。
そういうことで、まず水の部分、底質の部分、相共通する抜本的な部分というのは、要は大村湾に流れ込んでいるもろもろの物質、俗に言う「排水」ということになると思います。
そういうことで、今、大村湾は流域人口27万7,300人程度いますし、その中の排水処理をやっている流域人口というのは大体24万人ぐらいということで県は資料を出しておると思います。大体87%ぐらいの普及率ですから、そこそこの数値には努力をされているとは評価します。
しかし、問題は、そこに流れ込む汚水処理のクリーン度といいますか、それがいま一歩であるということを流域の漁業者の皆さんたちはおっしゃっています。どういうことかというと、窒素と燐がまだ含まれたままで、二次処理まででそれぞれの河川、あるいは海域に流入しているということです。これをもう少し改善しない限り大村湾の浄化というものには至らないというふうに思います。人口が増えている状況にはありませんけれども、大村湾流域の人口はある一定量の水準でずっと推移していくというふうに判断もされております。
そういうことで、窒素とか燐とかをいかに今後浄化していくか、減らしていくかというのが大村湾再生の水の部分での鍵だというふうに思っておるんですが、そういう面での高度処理、三次処理を今後は進めていかなければ閉鎖性海域、水がずうっとよどんでおるわけですから、そこに入ってくる元を絶たないと改善はできないということになります。
そういう意味では、そこには高度処理するための設備投資も含めまして、きちっとした計画を立ててやっていかないとできない話なんですが、一つは100%になるまでまずつくるというのはこの前の一般質問の中でご答弁いただいておりますので、それはそれで当然そうやっていただくということが大事なんですが、高度処理に対して、今、長崎県としてはどのようにお考えになっているのか。
そのお考えに基づいて各市町は、具体的な汚水処理対策・計画というのを今後立てていかなければいかんと思うんですが、その辺の考え方についてお尋ねをいたします。
◎古賀水環境対策課長 三次処理についてのご質問でございますけれども、大村湾内で今処理場が何カ所かありますけれども、そこで三次処理を行ったと仮定した場合、いろんな試算方法があるんですけれども、50億円から100億円ぐらいかかるであろうと考えられます。
窒素や燐をとるためには三次処理が必要ですけれども、生活排水部分でどれだけ削減できるのかということとか、農業系の家畜からの窒素や燐もかなり多うございますので、そこら辺を総合的に大村湾全体を解析する「大村湾流域総合計画」ということをやり、生活排水とか農業系で一体どこをどう削減すれば一番費用が安くて削減効果があるかと、そういう総合的な計画をまず立てて、しかる後に、市町村がどういう計画をやるかといったようなことで、県が主体になってそういう計画をつくるべきだと考えております。そういう作業をこれから進めていきたいと考えております。
以上です。
◆山口[初]委員 今、極めて前向きなご答弁をいただいたと思います。
ただ、これを具体的にどうやっていくかというのが極めて大事な部分だと思いますが、いわゆる流域の総合改善計画ということですね。もう少しお尋ねしますが、いつ、どのような形で、どのような皆さんを対象としてそういうものを設定していこうとされているのか。ある意味では期限を持ってやらないと、こういうものはずるずるっと行ってしまう可能性もありますので、その辺についてお尋ねいたします。
◎古賀水環境対策課長 先ほど申しました大村湾流域総合計画というものは、過去にも一度試算をしたことがございます。いろんな情勢の中で、正式な計画ということにはなっておりませんけれども、それをまた今後引き続きやっていこうと考えております。
期限については「なるだけ早く」というご回答をしたいと思います。
◆山口[初]委員 その「なるべく早く」というのが極めて怪しい話で、例えば今年度中にするのか、あるいは次年度中にするのか。具体的にはこの総合計画の中にも、よくよく呼んで見ますとそういう項目はうたわれてあるんですよ。環境基本計画にもうたわれてある。だとすれば、それをいつ、どういう形でやるかというのは、やはりその根底にぶら下がっておかないと、ただ単に絵に描いた餅になってしまうと考えておりますが、努力目標でも結構ですけれども、お考えをお聞きします。
◎古賀水環境対策課長 その計画立案の具体的なスケジュールについては、後ほどお示しをしたいと思います。
以上です。
◆山口[初]委員 ということは、もう具体化に向けて腹案はあると理解しておいてよろしいんでしょうか。
◎古賀水環境対策課長 具体的なスケジュールは、まだ今のところは白紙の状態でございます。今後、それを詰めましてご提示したいと思います。
◆山口[初]委員 次回の11月定例会ぐらいまでには、まだ3カ月ありますので、しっかり対策をお示しいただければと思っております。
もう一つ大事な部分は、今、表面の水のことについて申し上げましたけれども、基本的にはそれだけの汚濁物質が大村湾内に流入して、閉鎖性の湾奥でよどんで堆積しているという実態があるわけですね。いわゆるヘドロ化して海底に沈殿しているという実態があります。
ただ単に、普通の土が堆積しておるということについては海底が浅くなるだけの世界でありますけれども、実態はその底質の物質がいろいろな汚染物質を含んだまま海底にあるということです。基本的には硫化水素等を含んだ状態であるということで、魚がすむ環境としては極めて悪い状態になっているということです。要するに貧酸素状態をすぐ起こしますし、赤潮、青潮の原因にもなっており、魚が生まれてもきちっと育ちきらない。ある程度動けるようになったら、もうその海域からは逃げてしまうということで、藻も育たないという悪循環を来しているのが大村湾の今の実態です。
そういうことで、そのヘドロをどういうふうに改善するかというのが近年の大村湾再生の課題になっていると思いますけれども、その底質を改善する方策についてどうお考えになっているのかお尋ねをいたします。
◎徳永環境部長 大村湾の活性化といいますか、環境改善の話でございますけれども、具体的な取組については、「大村湾の活性化に関する行動計画」の2期行動計画の中で具体的に進めようとしてございます。
この中では、それぞれ関係部局、あるいは市町と一緒になって取り組む施策を考えてございますけれども、我々は底質の方についての知見がなかなかございません。水産部等にお聞きしますと、従来は海底耕うんとか、具体的な現場での改善工事あたりをやってきた経過がございます。同じように諫早湾干拓の中でもそういったことを行っておりまして、一定効果があったというふうに我々は伺ってございます。
また、そういった方法も含めてこれから効果が上がったもの、あるいは新しく効果があるような手法があれば、検討がなされて実施されていくものというふうに考えてございます。
以上です。
◆山口[初]委員 今、環境部長から具体的な海底耕うんという技術的な話もございましたが、従来行われている海底の改善策といいますか、改善技術としては海底耕うん、海の中をある意味では耕すわけですが、攪拌するわけですね。そして無酸素状態にある未分解物を物理的に酸素と接触させて海の中を活性化しようというのが海底耕うんですね。
あと一つは曝気、いわゆる強制的に空気を送り込んで、ヘドロの中の酸素量を高めるというやり方があります。あるいは覆砂といいますか、砂をかぶせて境界をつくってしまって水とヘドロを接触させないというやり方もあります。あるいは、そこにあるヘドロ状のものを全部浚渫してしまうというような方法があると言われていますね。実際そういう方法で、その場所に応じて今やらていると思います。
ただ、ここで問題なのは、それがすべてそれぞれに長所短所があって、一番問題なのはやはり閉鎖性海域においてどれが適正なのか、どういう改善技術が適正なのかというのがそこにあると思うんですが、要するに海底耕うんとか曝気とかすれば、一時的にその瞬間は上手くいくんですが、底にあった汚濁物質をその周囲にまき散らすだけなんです。なぜかというと、海流そのものが発生しませんので、ずっと沖合まで運んでいってその汚濁物質を薄めてくれる作用がないわけですね。浚渫というのはものすごくお金がかかるということですから、そう簡単にはいかんということになります。
そういうことで、今考えられているのが、そのヘドロをそのままにして魚の住める環境に変える、要するに汚濁物質を普通に魚が住める程度の普通の土、あるいは砂の状態に戻してやるという手法です。
どういうことかというと、魚が住みやすい環境というのは、pH8程度の弱アルカリ性であれば魚は住めるという研究成果が出ておるようですし、そういうふうに変えていけばいいということで、ヘドロの上に水酸化マグネシウム等々を散布しまして、底のヘドロの質そのものを変えていくというようなことが今研究されて、実態として成果も上がっているようです。そういう手法で大村湾の湾奥部を改善することによって、大村湾は徐々にでありますけれども再生していくというふうに思います。一気にやりきれば一気に再生するというふうに思っておりますが、その手法について、今、県としてどのように現状認識されているのか、お伺いをいたします。
◎徳永環境部長 委員ご提案の改善を図っていく手法でございますが、具体的に効果があるかというのは我々はちょっと知見を持ってございません。
仮にそういった方法をとっていく、あるいは適切な方法を探していく場合に、海底の改善ということでございますので、どちらかというと水産行政、あるいは水産漁業者の皆さんの関係等が大変重要になってくると思います。
したがいまして、我々もそういった関係部局に、いろいろな手法が検討できないか相談してみたいと考えております。
以上です。
◆山口[初]委員 ぜひそのようにお願いしたいんですが、今は魚が住めない状態だけでなくて、湾奥はもう異臭がするような状況になっているんですよ。ここにもその周辺にお住まいの方がいらっしゃるかと思うんですが、風向きによっては民家に海の中から妙な臭いが漂ってくるというような苦情もあっておるのが実態です。
そういうことで、今、魚が住む環境じゃなくて人が住む環境にまでも影響を及ぼそうとしていますので、何とかしなければいかんというふうに思っています。
そういう意味では、その底質の改善は有機物を分解させる手法というのが一番手っ取り早いんじゃないかと思います。ただ、世の中どんどん進んでいきますから、いろんな技術が開発されていくんだろうとは思いますが、そういう意味では、水産部と環境部で連携を取っていただいてやってほしいと思っています。
ここ10年ぐらいの間に、この総合計画ではちゃんとした海の改善もうたわれていると思いますけれども、実態はヘドロが大村市の飛行場の近くまでずっと拡大していると言われております。ぜひそれをどこかで食い止めないと。
この前一般質問でも申し上げましたように、今、大村湾は魚の産卵場です。タイとか、アジなどは大村湾で生まれて、育って西海橋を出てから長崎県の湾沿岸漁業に貢献して、我々の食卓に上ってくれるという状況なんですが、それすら今失われようとしている実態にありますので、ぜひ改善をお願いしたいと思います。
ただ、それをやるにしても予算が絡む話ですから、長崎県だけではこれは難しいんじゃないかなと思っています。なぜかというと、やはり10億円、20億円、30億円というようなお金がかかるということも聞いておりますので、このことについては農林水産大臣にも大村湾沿岸の9漁協の組合長、あるいは周辺の自治会長、そのほか「大村湾をきれいにする会」とか、大村市長からも県に要望書が上がっている状況にありますし、県だけでできない大きな問題です。
そういう面では、国家プロジェクトとして大村湾を再生させるというような働きかけを県が主導的に先頭に立ってやっていただかなければならないのではないかと思っておりますが、その辺の働きかけについてどうお考えになるのか、お伺いいたします。
◎徳永環境部長 現在、大村湾の環境保全についても県の政府施策要望の中に入ってございます。これも先ほど申し上げましたように、環境部だけではなくて、関係部局が一緒になってそれぞれの観点から要望してございますので、今ご指摘のようなことも含めて、まずはそういった中に含むことができないか、これも併せて検討させていただきたいと思います。
以上です。
◆山口[初]委員 はっきり言って相手が自然ですから、自然で一番浄化させる技術を用いることが一番安くて的確な処置だと思いますが、どうもそういうふうにあそこの環境はなり得ないような状況でありますので。
そうは言いながらも小手先ではよくならないというのはおわかりのとおりですから、ぜひそこのところは県が主体となって積極的に取り組んでいただくことをお願いしておきます。
終わります。
○陣内委員長 それでは、山口(初)委員におかれましては3項目すべて触れたみたいですので、それを含めてですが、ほかの委員の方々の関連質問をお受けしたいと思います。
1つは長崎県総合計画について、もう一つは環境調査、大村湾の環境改善、底質改善、そして、あと一つが汚水処理の普及についてということで、まとめて質問されたようですので、その関連についてご質問がある方はどうぞ。
◆野口委員 総合計画と環境基本計画の中に盛り込んでいただくべく検討していただきたいことがあるので、要望しながらお尋ねします。
というのは、先ほど来の山口(初)委員のご指摘にもあったんですけれども、やっぱりより具体的に見える形でひとつ環境政策の前進を図るべきだというのは、全くそのとおりだと思うんですね。
そこで、具体的にお願いしたいことがあるんですが、大村の火力発電所跡地の活用でメガソーラーの誘致をしていますね。この問題については、一頃、もうすぐにでもできないかという大変な期待もかつて高まった時があって、新聞報道等にも「もう来年頃には」という話でもって3〜4年前の新聞に出てきたと。
その時の規模から考えると、このメガソーラーは九電のメガソーラーなんだけれども、九州では完全なトップクラス、全国でも有数規模のメガソーラーということになって、長崎県の温暖化とか、太陽光による発電のことになるので非常に具体的だと思う。
九電サイドには、これまで県としても大村市と一緒になって要望活動もされておったわけだけれども、この辺のこれまでの経過報告と現状、それを具体的に総合計画に「メガソーラーの誘致」ということで盛り込めないかどうか、それについてお尋ねをしておきます。
◎赤木未来環境推進課長 メガソーラーの件につきましては、そもそも産業労働部の方で取り扱っておりまして、環境部としてはそこら辺の経緯については触れてないということでございます。
ただ、九電と産業労働部とのやりとりを聞いていますと、九電の計画について、大牟田についてはメガソーラーの計画が上がっているんですが、大村については九電の今後の計画として表に上がっていません。そこら辺は国の補助制度も見ながらというふうなことも聞いております。
ですから、九電が今後どういうふうな対応をしていくのかは、国の制度等も勘案しながら進んでいくのかなと推測をしております。
以上です。
◆野口委員 環境サイドとしてメガソーラーを誘致して、それを長崎県の一つの環境行政に結びつけたいという意思を今の答弁から全く感じなかったんだけれども、環境サイドとしてはそれでいいんだろうか。
それと、九電の方はあらかたまとまった計画としては存在していると思うんですよね。計画がないんじゃなくて計画としては存在していると。ただ、今、未来環境推進課長がおっしゃったように、要はもう少し国から補助金が出ないかなとか、もう少し国策も含めての環境行政を高める中から有利な政策等が出てこないかなと、そういうスタンスだと思うんです。
もう一つは、長崎県にしても大村市にしても、もっと誘致活動に前向きに対応することが必要じゃないかと思うわけです。
そういうことからいうと、やっぱり環境行政の一つの大きな目玉として、我が国の有数規模のメガソーラーを誘致するということは、非常に意義が高いものだと私は思っているわけです。さっきの答弁はちょっとそれを感じなかったんだけれども、その辺はどう考えますか。
◎徳永環境部長 ちょっと具体的なところを我々が把握してない部分で、直ちにというところではございませんが、確かに我々の目指すところで、これから温暖化対策の重要な柱の中で太陽光発電とか、新しい別のエネルギーとか、そういった部分の利用、あるいは開発というのは重要な位置付けをしてございます。
これから具体的に温暖化対策の実行計画というものをつくっていく必要もございますので、その中では新エネルギーの創出、あるいは活用というのは重要な位置付けをしてございます。そういったところでございますので、温暖化対策の一つとしては今後検討をさせていただきたいと思います。
ただ、企業の誘致とか、そういう部分になると、ほかの部局との調整というか、協議もかなり必要となってきます。そういった中で、必要性については我々も十分把握しながら、そのエネルギーが県内の方でどう活用できるか、そこら辺は環境部としてもしっかり検討させていただきたいと思ってございます。
以上です。
◆野口委員 結局環境部が主導的にやらないと、産業労働部の方でこの話はあんまり進展しないと思うよ。今、環境部長からも答弁があったように、これは我が県の環境行政にとっては非常に大きな目玉となり得る好機といえば好機なんですね。
九電の対応にしても何にしても、ほとんど正しい情報が入ってきてない。正しい情報が入ってきてないというのは、それなりのセクションがそれなりの思いで動いてない証拠ですよ。過去、副知事と大村市長あたりが1〜2回陳情に行っただけでね。
そうすると、そういうことの反省点も踏まえて、この問題をしっかり環境部として、もうこっちでもやるんだぐらいの腹を持てないのかどうか、主導権を持てないのかどうか。その辺を産業労働部としっかり打ち合わせをして、私が冒頭に申し上げましたとおり、この総合計画あたりにしっかり明記していくと。その可能性、その実現に向けて努力していくと。そこはもう努力規定でも何でもいいから、明確にそのメガソーラーというのをきちんと記載していただきたい。
そのためには環境部が主導的な役割を担っていただきたい。これまで産業労働部だったからうまくいってないんですよ。進んでないんですよ、絶対やらなければという意思がないから。この問題は産業労働部よりも環境部の方がそういう好機は絶対見逃したくないと、そういうことが可能であれば誘致をしたいという気持ちがないとおかしいからね。
そういう点で強く要望しておきますので、今後私のこういう意見を踏まえて、産業労働部と協議をして、現状を分析して、どこまで書けるかどうか、また具体的に協議して、書けるものなら前向きな具体的な案としてこの総合計画及び環境基本計画の中で、どういう形になるかは別にしても、文言として正確に書いていただきたいということを要望しておきます。
以上です。
○陣内委員長 ほかに関連して質問のある方はおられますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 では、次の質問に移ります。
◆高比良[末]委員 アスベスト対策で、総合計画には土木部の方が今度「アスベスト改修の推進」と17文字ぐらいで済ませておりますが、本会議でもいろんな方からいろんな要望もあって、これは「静かなる時限爆弾」と言われております。今、そういうアスベストについても、体に抱えていても何十年も先に発病するものですから、あんまり深刻に扱われていないなという気がします。
総合計画を見ても環境基本計画を見ても、土木部が総合計画にちょっと触れておるだけで、環境ホルモンとかダイオキシンはいろいろ具体的に書かれるけれども、私は非常に残念だなという気がしております。非常にやっかいなものですので、私は「アスベストレス長崎」を早く実現したい、こういう気持ちでおります。
そういうことから質問をしますが、まずは県としてアスベスト対策はもう終了したという観点でおるのか。この問題についてどういう基本的な考えをお持ちなのか。まず、そこからお聞きしたいと思います。
◎大串環境政策課長 アスベスト対策につきましては、今、委員の発言がございましたように、「静かな時限爆弾」ということで、肺に吸入をして20年から40年潜伏をした後、肺がんとか中皮腫の病気を引き起こす確率が高いと言われております。
このため、県では、まず、県庁の中でアスベスト対策連絡協議会を開催しまして、情報の共有化、あるいは健康被害に対してきちんと取り組むべきだということでの意識の共有等を行っているところでございます。
本年度につきましても、去る8月20日に関係部局に集まっていただきまして連絡会議を開催したところでございます。
以上でございます。
◆高比良[末]委員 庁内のアスベスト対策連絡協議会を本年8月に開催したんですか。ご苦労さまですね。どういう連絡調整ですか。これは連絡調整ですもんね。だから、環境政策課長がリーダーで、各部署、例えば国でいえば総務省とか文部科学省とか国土交通省とか、いろいろ縦割りで連絡が来ますよね。その辺の情報を集めて何かしようとしているのか。音頭をとる人がいなくて、ただ話し合いというのか、そういう通達か何かの確認だけのような気がするんですが、この協議会でどういう話をされているんですか。
◎大串環境政策課長 この会議におきましては、各関係部局でそれぞれアスベストの使用状況等の調査等も行っておりまして、学校とか公共施設、それから建築課所管の民間の建物を含めて情報を共有化して、アスベストに対する措置がどのように進んでいるかの集計をいたしまして、情報の共有化等も行っているところでございます。
あと、県民からどういう相談があったかとか、関係課の役割分担等についても確認をしたりということで、単なる会議のための会議ではないように、資料等を収集して情報の共有化に努めているところでございます。
◆高比良[末]委員 そういうふうにしているけれども、今後の環境基本計画等に載せるまでの問題ではないということですか。土木部が載せているのが、これはおもしろいですね、土木部は「自然災害等」の項目に載せているんですね。これを入れるとしたら、環境部はどこに入れますか。そういうのは今回の計画にはもう全く入れないということで整理しているんですか。そのくらいの大した問題じゃないと認識しているのかどうか。ここをまずはっきりしてもらわないといけないですね。
◎大串環境政策課長 私どもの環境基本計画の中で申し上げますと、本日お配りした資料の中には、施策は例示ということで掲載はしておりませんけれども、具体的に環境部、土木部でそれぞれ取組を行うということで位置付けをして記載をするようにいたしております。
具体的に申し上げますと、環境部の方では、「長崎県アスベスト対策連絡会議において情報の共有、実態把握に努め、施設における除去対策の取組を推進します」というふうなこと。それから、土木部につきましては、「飛散性アスベストが使用された民間建築物に対し、アスベスト除去等対策工事を推進し、県民の健康被害の低減を図ります」というふうな形で、今回お示しした概要版の方は例示ということでアスベストの例は載せておりませんけれども、環境基本計画の中には「大気環境の保全」というところに入れております。
◆高比良[末]委員 アスベスト対策は、国の方がやっておるけれども、長崎県は独自に1,000平米以上の建物をやろうとしているんですか。国の方は基準を設けてないんですよね。まずは1,000平米以上の建物をやろうと。
しかし、それ以下のところにかなり相当量のアスベストを含んだ建物が存在しているというのは調査でわかっているんですね。そういうことがありながら、計画段階でアスベスト対策は大した問題じゃないということで1項起こさなかったのか。通常の何かの取組でやればいいだろうというふうにしているのか。私は非常に大事な問題だと思いますので、どこかに明記すべきだと思っているんですよ。その辺の取り扱いについてどうなんですか。
ダイオキシンとか、環境ホルモンとか、酸性雨対策とかあるけれども、「アスベストレス長崎」をつくること、これはほかの県のいろんな事例を見てもいろんな事件が起こっていますよね。それからすると、私は大きな項目として載せるべきだというふうに思うのでありますが、いかがでしょうか。
◎徳永環境部長 現在、環境基本計画の中では、大気汚染防止対策という大気環境の保全の中で幾つか項目を設けて、その中の一つとしてアスベスト対策を掲げてございます。
この中でやっていくのは、ほかにもばい煙対策とか、浮遊粒子状物質の関係とか、いろんな化学物質、そういったものも含めてこの中で位置付けて整理をいたしております。
具体的な取組については、先ほど申しました協議会等、対策会議等を通じながら、個別のそれぞれの取組はおっしゃいますように土木部とか、福祉保健部とか、我々とかたくさんございますので、具体的にはそういったところが一緒になって対策は講じてまいりたいと考えております。
以上です。
◆高比良[末]委員 総合計画は、96ページに「自然災害等に強い県土づくりと県民の安全・安心な生活を確保するための防災対策を推進します」と、防災対策の方で、土木部は「アスベスト改修の推進」と1行入れておりますね。
こういう観点からだけじゃなくて、環境部が取り組むアスベスト対策はちょっと違う観点から、大気汚染の中に入れるべきではないか。これはプリントミスでしょう。印刷漏れじゃないんですか。そういう気がします。そのくらい重要であると私は思っておりますので、ここにはないけれども、そういうのはどこかにきちっと明記しておかないと、どうも県民の思いと県の取組はかなり温度差があるような気がしております。
先進県は、そういうところをどうしているのか。国の方も、自分たちが一回許可した関係もあって、民間の方にあんまり強い指導をしておりませんが、本当は県民の健康を考えると、これから先、昔つくった建物が解体時期になります。ここを疎かにすると作業者も、あるいは近隣の住民もこのアスベストを吸って、何年か後には肺気腫になるとかあるんですよ。従事者の奥さんが、作業着を洗濯するだけでそういう肺気腫になったりした例もあるんですよ。
だから、民間の建物を解体する時はぴしっとさせないと、まず作業者が一番危ない。近隣の人もそこを通る人も危ないんですよね。それくらい恐いアスベストであるという認識を持って校正を入れていただきたいと思いますが、もう一回答弁をお願いします。
◎徳永環境部長 総合計画の中では、政策の中で「安全・安心で快適な地域をつくる」、こういった大きな項目の中に入ってございます。
おっしゃるように、安全で安心なというところでは共通部分と考えてございますけれども、施策自体が土木部にも関係することでございますので、これから土木部と協議をさせていただきたいと考えてございます。
以上です。
◆高比良[末]委員 今、部長が言われたのは、今私が読んだところですか。確かに「安全・安心で快適な地域をつくる」の中の「自然災害等に強い県土づくり」、防災対策の中に入るんですか。これは土木部でしょう。環境部も一緒に「アスベスト改修の推進」、これ一本ですか。土木部もここに入れているんですか。(「はい」と呼ぶ者あり)総合計画には入れているけれども、環境基本計画には入れ忘れていたと理解していいですか。大体大きなものは載せるでしょう。こっちには全く何も書いてないということはどういう取り扱いをしているのかなと思います。
◎徳永環境部長 まず、総合計画の中の位置付けでございますが、10本の柱の中で9番目に「安全・安心で快適な地域をつくる」という大きな項目がございます。その中におっしゃるように「災害に強い命を守るまちづくり」とか、環境部の中の施策の「地球温暖化対策の推進」とか、「環境への負荷の削減」とか、「循環型社会づくり」とか、たまたま安全・安心のくくりの中で両方に今入っている状況がございます。ここの中で「災害に」がふさわしいのか、「環境」のところが適当なのかというのはちょっと土木部とも相談をさせていただきたいと考えてございます。
それから、環境基本計画の中でございますけれども、大きな柱の中で基本目標が4つございます。2番目に「環境への負荷の削減と循環型社会づくり」という大きな柱を環境基本計画では立ててございます。この中に「大気環境の保全」という項目がございまして、こういった中の施策としては「自動車排ガス抑制対策の推進」とか、大まかなものを書いてございますけれども、この中の1番の「大気汚染防止対策の推進」の中にアスベストの取組については書き込んで位置付けてございます。
今日お示ししたのは、体系の概略的なものでございますので、細かい文章を今回はお見せしておりませんので、書いてございますのは書いてございます。
以上でございます。
◆高比良[末]委員 どこかに書いてあるんでしょうけれども、やっぱり目に見えるような形で出しておいてほしいなと思います。
それから、今民間がずっと建て替えたりして、アスベストを含んだ建物を壊していますよね。その辺は全部把握されているんですか。まさかそういうところを疎かにしてまき散らしているというような状況にはない、それだけの取組は万全にやっているという認識でいいですか。
◎大串環境政策課長 建物を解体する場合には、大気汚染防止法とその施行令によりまして、その解体を行う2週間前までに保健所に届けるようになっているんですけれども、その際は飛散防止のために、例えば掲示板を置いたりとか、作業場所を隔離したりとか、排気のためのフィルター付きの排気の小屋を造りなさいとか、作業場に隔離して一般の人が吸い込まないようにするというようなことで、一応その作業基準等がございますので、そういうことを保健所に届出があった際は徹底をさせて現場の確認をするというふうな飛散防止のための指導等を行っているところでございます。
◆高比良[末]委員 その解体時の届出義務ですか、民間の工事施工者はアスベスト含有の有無をまずチェックしなさいと、それが含まれている場合は適切な処置をしなさいということになっているんです。
しかし、県の方は全くそれがわからないんでしょう、その建物を解体した時にアスベストが入っておるかどうか。これは報告を保健所にしろとか義務づけていますか。それはしなくても解体していいんでしょう。
たまたまそこにアスベストが含まれた建物を解体してまき散らす、そういう心配もあるものですから、この辺をきちっと取組をしてくださいということと、やはりこれだけの大事な項目でありますので、我々の見てないところに載せていますとか言わないで、もう少し目に見えるところにちゃんと1項目うたってほしいと思いますが、改めて見解を伺いたいと思います。
◎大串環境政策課長 先ほども環境部長がご説明しましたけれども、計画の素案というものを今、策定中です。その中には先ほど私が申し上げましたような環境部の取組や土木部の取組について、具体的に施策として書き込むようにいたしております。
本日お示しした資料は概要版ということです。施策がいっぱいあるものですから例示として幾つかしか挙げておりません。たまたまアスベストの施策が今回載っていなかったんですけれども、施策がいっぱいある中で紙数の関係等もございまして載せてなかったのは申しわけなかったと思うんですけれども、具体的にアスベスト対策については環境基本計画の中に盛り込んでおりますし、記載をしておりますのでご理解をいただきたいと考えております。
◆高比良[末]委員 環境基本計画の中ではうたっている。基本計画体系、素案の中には入ってない。(「そこの中の大気汚染防止対策の推進の中に項目が幾つも」と呼ぶ者あり)
幾つもあるけれども、いっぱい書かれないからとりあえずこれで出したと。次にちゃんとなった時には入っておると、そういう理解でいいですか。(「はい」と呼ぶ者あり)
では、それを了としておきたいと思います。
○陣内委員長 委員長を交代します。
関連です。
今の答弁の中で、確かに高比良(末)委員がおっしゃるように全然見えてないわけですね。概要版に入ってくるぐらいの重要な項目だという認識が足りないんじゃないかということを言っておられると思うんですよ。
それで、今、「大気汚染防止対策の推進」の中に入っていると言いましたけれども、これはむしろ6の中の「環境リスク対策の推進」、この中に本来ならば1項目挙げてするべきじゃないかという気がするんですが、そういうところも含めて、項目立てをこういう概要版にでもやはり表に出してくるんだという思いを環境部としては表明してほしいというのが高比良(末)委員の思いだと思うんです。私もそういうふうに感じますので、そこのところについてちょっとお考えをお聞かせください。
◎徳永環境部長 我々も決して順番をつけているわけではございません。今回の説明資料が大変不十分で申しわけなかったんですが、大変大事な項目として一つ挙げてございますし、そのために関係部局から成る対策会議を設けて対策を講じているところでございます。
今後の説明に当たっては、十分そういったところも含めてご説明をしたいと思います。
以上でございます。
○陣内委員長 了とします。
○溝口副委員長 委員長を交代します。
◆溝口副委員長 環境部の今度の基本計画では、最初に「地球温暖化対策について」を持ってきたという説明でした。個々には住宅とか、それから市町がすることに対してのいろいろな手だてをするということなんです。先ほど野口委員からも出たんですが、やはり今から設備投資をどんどんやらせて活性化していくためには、会社等がすることに対してもこの省エネに関する助成というか、その推進を環境部としては積極的にしていって、CO2の削減につなげていかなければいけないんじゃないかと私は思うんですけれども、環境部長の答弁を求めます。
◎徳永環境部長 先ほど申しましたように、温暖化対策は、県民、事業者、我々一緒になってやっていくべきと考えてございます。それぞれの役割の中でまずはやっていただきたいというのが1点でございます。
それと、現在、太陽光等については一般住宅等に対して我々環境部の方から補助を出しております。それと事業者に対しては、今、産業労働部の方から補助制度をつくって出してございます。それぞれの立場でいろいろ応援することができますので、そこら辺は総合的にやっていきたいと思いますし、温暖化対策は我々も各部と一緒になってやっていくことでございます。そこの役割分担の中でしっかり事業者に対しても応援はしていきたいと考えてございます。
以上です。
◆溝口副委員長 産業労働部の方でしているのはわかるんですけれども、この環境基本計画の中に、そういう会社関係が事務所を建て替えたり、また工場を建ててそこに太陽光発電設備をつけたり、いろんなことをすることも、この5年間の問題ですから環境基本計画の中に入れておいた方がいいんじゃないかと私は思うんですね。
県の方としても国の方に強くそこを要望して、入ってくるような長崎県の発信としてお願いをしていっていいと思うんですけれども、その辺について環境部長の見解を聞きたいと思います。
◎徳永環境部長 国には政府施策要望においてもそういった要望を既にやってございます。国にもそういう働きかけをしながら、おっしゃるように我々としてもしっかり書き込んでいきたいと考えます。
以上です。
◆溝口副委員長 わかりました。ありがとうございました。
それから、この「重点的に取り組む施策」の中で、先ほど大村湾関係の再生プロジェクトということで出たんですけれども、生活排水の処理ですね。それは個人的にしていくのも指導していると思うんですけれども、ここに生活排水の処理を重点的に大村湾の中には入れておいた方がいいんじゃないかと思うんです。
できる限り大村湾をきれいにしないと、自然の生産というか、魚でも大事な大村湾の位置付けがあると私は思うんですね。だから、そこら辺について、大村湾沿岸で今何%ぐらいの普及になっているのか聞かせていただきたいと思います。先ほど県全体では73.6%になったということですけれども、大村湾関係のところはどのくらいになっているんですか。
◎古賀水環境対策課長 大村湾流域でいいますと87.5%ということで、かなり進んでおります。現在は、西海市などの未普及のところや山間部の浄化槽あたりを今後整備をしていくということになります。
◆溝口副委員長 数字がすごいですね、87.5%と。もう大体行き渡ったということでございますけれども、やはり大村湾を早く浄化していくためには、それが必要ではないかと思っていますので、住宅を建てる時の指導というのは、建築許可の中では浄化槽をつけるようにお願いをしているんですか。
◎古賀水環境対策課長 下水道区域外で新築する場合、浄化槽をつけることになるんですけれど、義務としてはありません。ただ、最近では、新築の場合はほとんど浄化槽を設置されているという状況になっております。
◆溝口副委員長 義務になっていないということですけれども、できれば大村湾海域についてはある程度義務的な形でお願いして、新築する時には三次処理の浄化槽をつけるような指導を環境部がしていくべきじゃないかと思っているんですけれども、その辺についてはどのように考えていますか。
◎古賀水環境対策課長 委員ご指摘のとおり、浄化槽にも高度処理タイプというものがありまして、それについては大村市などでは積極的に補助対象にして、補助額のかさ上げとかもやっておられるようですので、県としては特別な対策は行ってないんですけれども、そういう市町の支援を行ってまいりたいと考えております。
◆溝口副委員長 わかりました。
やはり閉鎖性の湾内とかは、私は補助率を上げてでもやっていくべきではないかと、そういう気がするんですけれども、環境部長、どうですか。
◎徳永環境部長 浄化槽あたりについては、一つは市町村の事業といいますか、市町村が事業主体で個人に対して補助をしていく仕組みになってございます。大村市等もそういったものに一定の割合上乗せをして推進をしているところでございます。
確かに補助をできればというところがございますので、閉鎖性水域についても我々の交付金制度の中では一定割合上乗せの制度をつくってやってございますので、そういったところを既に助成はしている状況でございます。
以上です。
◆八江委員 今、大村湾のことが出ていますので一言だけ、私も、してもらいたいというお願いをしたいと思います。
というのは、湾奥にある、我々が住んでいる横島、あるいは久山港、あるいは津水湾の一部は、遠浅でもう干潟というよりも汚泥が堆積してしまっているために、幾ら水質を保全しようとしても、上から流れてくる水はよくなっても、そこに堆積している汚泥が影響して水質の保全が完全にうまくいかないという部分がある。
だから、それをどうすればいいかとなってくると、やっぱりそこの汚泥を浚渫して埋め立てる。併せてそれを用地に確保するということにしていかなければできないと私は思うんです。もうずっと永久的に続くと思うんです。遠浅ですから、行っても、1キロはないにしてもずっと1メーター以内の浅いところです。
ですから、これまでも環境部が土木部等との協議を進めてこられたと思いますけれど、これからなお一層それを進めていくことが、水質保全を確保していくためには必要ではないかと、このように思いますけれども、その点、部長なり課長なり、ご答弁をお願いします。
◎徳永環境部長 先ほど山口(初)委員からご指摘があったように、底質等の関係と同じように底地の部分をどう改善していくかというお話だと思います。水産部、あるいは土木部あたりとも協議をさせていただきたいと思っています。
以上でございます。
◆八江委員 背後地からの排水がうまくいってない部分があると。そしてまた、うまくいってないというのは、堆積しているために、また次々に堆積するということになりますから、その点は現場をよく見ながら、地域、地域によってはそういったものもあるということを十分確認した上で協議を進めていただかないと説得力がないんじゃないかと。そして、それを併せて有効活用して、いろんな工業団地を含めて進めていくという一石二鳥の役割があると思いますから、ぜひ一つお願いをして、今日は終わりたいと思います。
◆溝口副委員長 ちょっと聞いたんですけれども、大村湾の底の浄化のことで、産学官で新しい機械を使った形での清掃ができるような、そういう機械ができたんじゃないですか。そのことについて知らないですか。(発言する者あり)できているんですよ、20センチぐらいを取り上げていくような、そういう浄化するような機械がですね。長崎大学と建設会社がしていたと思います。そういう機械がありますので、ぜひ検討していただいて、大村湾の再生に利用していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
○陣内委員長 そのことでの見解は求めなくていいですか。(発言する者あり)
ほかに関連質問はありませんか。
◆瀬川委員 環境基本計画の中でエコドライブの講習会とありますが、このことについてもうちょっと具体的にお知らせいただきたいと思います。
◎赤木未来環境推進課長 エコドライブの事業でございますけれども、今年度から3カ年事業でエコドライブの普及促進事業というものを行う予定にしております。
エコドライブそのものが何かということですが、具体的にはアイドリングストップとか、一定速度での走行を心がけたり、急発進・急停止をしないというような試みを行っていただくということでございます。
具体的な事業の内容でございますけれども、県民、事業者、行政向けにエコドライブの講習会を開催しまして、通常3〜4キロメーターの距離を通常の運転で運転していただいて、エコドライブの講習を受けた上でエコドライブを心がけて運転していただきます。その燃費の差をもってどれぐらい効果があるかといったところを講習会でインストラクターの方々から教えていただくというような取組でございます。
これまでの報告を見ますと、エコドライブをすることによって約2割燃費が改善するというような報告が上がっております。県民の皆様、事業者、行政、行政というのは通常公用車を運転している方々ですけれども、そういった方々を対象に10月、11月に向けてこのエコドライブの講習会を県下で進めていく予定です。
以上です。
◆瀬川委員 もちろん知事の公用車の運転手とか、議長の公用車の運転手とかも受けていただくようになると思うんですが、この計画の5カ年の中で、そういった知事や議長の車の運転手から、例えば出先の機関の農業指導員が自ら普及センターという車を運転して現地に走っておられるわけですが、5年間の中でそういった公用車を運転される職員の方々のどれぐらいまでやろうとしているのか、そこらをちょっとお聞かせ願いたい。
それと、講習を受けた運転手は、それなりの講習を受けたという証しとなるようなステッカーなどを新たに作って、知事の公用車と書くわけにはいきませんが、一応この車の運転手はエコドライブの講習会を受けたんだよというようなことを第三者が見てもわかるような、そういう啓発活動というのも一つの考え方じゃないかなと思うわけですけれども、そこら辺についてはどう考えておられますか。
◎赤木未来環境推進課長 まず1点目のどれぐらいの人数かというお話ですが、5カ年じゃなくて3カ年事業です。3カ年事業で単年度で約500名を対象に講習会に参加していただこうと思っています。ですから、3年間ですので全体で1,500名ということになります。
それで全部カバーできるかというお話ですけれども、我々の考え方としては、自動車学校が県下にございます。自動車学校の教官の方々をまず指導者といいますか、インストラクターになっていただいて、自動車学校自体が県民に対してのエコドライブを推進していただきたいというふうに考えております。
行政の公用車の運転手たちも行政向けの講習会を開催しますので、こちらがそういった行政機関に呼びかけて積極的に参加していただくように周知を図っていきたいとも思っています。
もう一点のステッカー、いわゆるエコドライブ講習を受けたその後、受けた方が自らエコドライブをやっていますよということを知らしめるようなステッカーということでございますが、いいアイデアと思っていますので、今後受講をされた方々にはそのステッカーを配付するなりしていきたいと考えております。
認定証そのものについても、紙として認定することは必要かとは思うんですが、どっちが効果的なのかというのは、今後また検討して判断をしていきたいと思います。どちらかといえばステッカーの方がいいのかなというふうに今思っています。
以上です。
◆瀬川委員 3年間でこれをやられるということですが、公用車のハンドルを握られる方々はすべて講習を受けていただくということを基本的に原則として考えていただきたいと思います。
行政側ばっかり申しておりますが、我々議員だって自家用車で県庁に来るわけです。末吉議長も来ておられるようですが、委員長たちも車を運転して来ておられますが、議員もそのステッカーをつけて車に乗ってこないと衛視が停めさせないというぐらいの、(笑声)計画は実践にきちんと移すような、議会も計画を了承したら、議員自らがそういうふうにやると、ステッカーを貼ってくるというぐらいの意気込みでやらないと、やはりこれは努力目標に終わってしまって、「努めなければならない」とか何とかというふうなくだりになってしまって、どこからどこまでが目標だったのかなというぐらいになるんじゃないかと思いますよね、委員長。(「おっしゃるとおりです」と呼ぶ者あり)
「おっしゃるとおり」ということでありますから、委員長、議会事務局を通じて、議員向けにも講習会をぜひやっていただくというようなことを要望しておきたいと思っておりますし、議員も全議員、公用車を回す職員も全職員、3年間でとにかく目標をきちんと「全員」ということで立ててやっていこうというような強い気持ちで、未来環境推進課長、ひとつやっていただきたいと思います。(発言する者あり)
ついでと言っては申しわけないんですが、五島で電気自動車が普及しておりますね。長崎県庁には電気自動車の充電設備というのはないですよね。これもやはり民間とか事業者というふうな幅広い県民に向けてばかり言っているんじゃなくて、21市町あるわけでして、議員の駐車場、玄関の左側にはずらっと議員が停められるようですが、あそこの3台分ぐらいは電気自動車充電専用駐車場というふうにして、議員はその分とめられない、これは仕方がないです。しかし、電気自動車に乗ってきた方々は優先的にとめて、県庁で用事を済ませる間充電をして帰ると、もちろん有料にしていいと思います。
ただ、そこを21市町の公用車と県庁をつなぐ、そういうエコ的な行政との連絡協調といいますか、そういうシステムを形にきちんとするということも一つ大切なことではないかと、こう思うわけですが、こう考えた時に市町の反発というのはありますか、どうですか。おもしろい試みと思うんですが、担当が違うかどうかわからんのですけれども、どう思いますか。
◎赤木未来環境推進課長 電気自動車の件に関しましては、今、五島で取り組まれておりますが、EVプロジェクト推進室の方が一応所管をしております。今、委員が言われたアイデアは、私としてはいいアイデアかなというふうにも思います。
今後、温暖化対策等を進めていく環境部でありますので、委員の考えについては電気自動車を所管しております産業労働部にも伝えて、今後どうしていくか、そこら辺は協議をしてみたいと考えます。
◆瀬川委員 2つのことをお尋ねしたり提案をさせていただいたりしたわけですが、中村さんが知事になられて、ナガサキ・グリーンニューディールということをきちんと打ち出されておりますね。そういう政策を具現化していくのは、いろんな部署、例えば電気自動車の場合は産業労働部であったりするのかもしれませんが、部局をまたがるようなことについては積極的に、越権行為までしなくてもいいですが、提言としてどんどん言っていただいて、できたらこういった環境部門での今後の計画というところにきちんと当て込んでいただければと思います。
例えばさっき申しましたように、県庁には21市町対応、あるいは民間対応の電気自動車専用駐車場が3つできたと。そして、県の公用車を運転するすべての運転手は、エコドライブの講習を受けた職員が担当して仕事をしているんだというようなことを県民に知らしめたりすれば、さらなる県民の環境負荷に対する意識の改革というのが促されていくのではないかなと思うわけです。
環境部全体、先ほどからの議論を聞いておりますと、なかなか各産業での副産物とか、生活での副産物に対するいろんな負荷に対しての取組など暗い議論ばっかりあるように感じるわけですが、少しおもしろく先を見越してやっていただきたいという願いを込めてご提案をいたしたいと思います。
以上です。
◎赤木未来環境推進課長 委員の貴重なご意見をありがたく思います。
「ナガサキ・グリーンニューディール」という言葉がありますけれども、この事務局は環境部の方でさせていただいております。庁内を横断的にまたぐ「ナガサキ・グリーンニューディール推進本部」というものを本年の5月末に設置をしまして、いろんなプロジェクトを進めておりますが、今回の委員の意見も、こういったナガサキ・グリーンニューディール推進本部の中でも取り上げていきたいと考えております。
以上です。
○陣内委員長 盛り上がっているところですが、ここで休憩を入れたいと思います。
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−午後2時58分 休憩−
−午後3時10分 再開−
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○陣内委員長 それでは、委員会を再開いたします。
◆金子委員 また、気持ちを入れかえて質問させていただきたいと思います。
漂着ごみ対策についてお伺いしたいと思います。
漂着ごみについては、今、当局の皆さん方の方でも海岸漂着物対策推進計画の策定を進められているということでございます。ちなみにパブリックコメントを受けて、8月5日には第4回の協議会を開催して計画も一応取りまとめたということですけれども、この計画案についてまずお示しいただけないかと思います。これは廃棄物対策課ですか。
◎小嶺廃棄物対策課長 計画案につきましては、補足説明資料にも載せておりますが、6月定例会の時に概要等は説明いたしましたので、今回パブリックコメントで変更した点だけを説明いたしたところでございます。
内容につきましては、補足説明資料3の2ページ目から3ページ目でございます。その中で目的としましては、本県の海岸の良好な景観、多様な生態系の確保、水産資源の確保等の総合的な海岸の環境保全を図ることとしておりまして、現在、重点区域としては、先ほどご説明したとおり合計で154箇所、距離にして約3,800キロを重点区域と定めて、重点的な海岸漂着物対策を総合的に実施する計画として定めたところでございます。
重点区域の概要につきましては、資料の最後のページの方にも本県の地図の一覧表ということで重点区域の部分を赤線で示させていただいているところでございます。
◆金子委員 大体のところはそこあたりで書いてある分ですけれども、私も離島までは行ってないんですけれども、野母崎方面、川原、高浜、野母の脇見崎の海水浴場あたりをずっと清掃作業その他に行かせていただくんですけれども、最近は意外と漂着がないんですね、不思議なことに。あれはやっぱり海流の関係かなと思うんですが、ある時にはびっくりするぐらい来る。ところが、ない時には、あるのは木材の木切れ、草の木ぎれみたいな感じがある程度だというふうな形があっているようでございます。
そうした場合に、基本的にあんまり時間をかけないでいきたいと思うんですけれども、この文面の中で4つばかり出ているんです。さっきの分はその分だけ一定の形で廃棄物対策課長が書かれていましたからあれですけれども、総合計画の素案の方が今回の議案の文章よりも詳しく実は書いてあるんですね。この中で「漂着ごみ対策の推進」というふうなことでいいますと、これでは「長崎県海岸漂着物対策推進計画に基づき」ということで、これはもう既にできたものでの書き方をされていますけれども、それはそれでいいと思います。
その中では、国、市町、民間団体のそれぞれの連携を図りながらやりますよと。その中では4つ、「海岸管理者等が実施する云々」、「国等と連携した国際協力・調査研究ネットワーク」、それから「発生抑制に係る啓発」、「環境等の教育」という形で書かれています。
そういうふうな国内対策という形では、ごみの発生抑制という形でいけば、長崎あたりも「ポイ捨て禁止条例」、県がして、その後市がしたら県の方はやめて市だけという形になりましたけれども、最近びっくりするように長崎のまちの道路はきれいになっています。たばこの吸い殻は見えなくなりました。ちょうど東京の東京駅からおりて渋谷まで行く間の道路が、昔はたばこの灰皿かというぐらいあった分が今全くないのと同じように、長崎も本当にたばこが消えました。
そういうふうな形で、啓発等々というのは国内向けですね。それあたりは、結構日本人というのは勤勉さがありますから、全体で止めましょうよと言ったらぐっと減ってくると、そういうふうな感じはあります。
ただ、やはり問題は、国と連携した国際協力という形で、私はぜひこれは条約を結んでいきましょうよというふうな運動までいかないとだめだと思うんですね。流れてくる時には、対馬あたりでは韓国が一番多いと言われています。あと中国文字、中国文字は台湾なのか中華人民共和国なのかちょっとわかりませんけれども、その国でしょう。意外と東南アジアがあんまり聞かないんですね。同じ潮の流れ、西から東に流れるという流れがあるみたいですけれども、意外と聞かない。
そうしますと、やっぱり今一番問題になってくるのは、対馬では韓国と協働して海岸清掃運動というのはもう定着してきていますね。そのことによって多分韓国においては、向こうの国で啓発運動が進んでくるだろう。しかし、中国にはまだそういうふうな状況というのは起きておりません。たまに起きれば、要らぬ島の領地の問題が出てくるぐらいですね。
そうじゃなくて、そういう形の啓発をぜひ国家間でやっていきましょうよと。しかも、じゃ、何で長崎県かといえば、多分沖縄県よりも長崎県の方がそのグローブの幅が広いと思うんですよ。長崎県はこうやって壱岐、対馬まで行きますと、かなりのキャッチスペースがありますから、それだけ全国のごみの海外流出の中のかなりのウエートを占めているということも考えられます。
そういうふうな意味でも、海外に対しての音頭は長崎県がとっていくべきじゃないかなと思うんです。ぜひその働きかけを、せっかくここに「国等と連携した国際協力」としかここに書いていませんけれども、協力というのはボランティアの協力を要請するという意味なのかなと、韓国だけを意識した言葉なのかなとちょっと思うもんですから、そのあたりのお考えを聞かせていただきたいと思います。
◎小嶺廃棄物対策課長 委員おっしゃいますように、本県の地理的な特性といいますか、離島が多いということもありまして、離島を中心に外国由来の漂着ごみというのは非常に大量に漂着しているというところでございます。
確かに根本的な解決については、やはりそういう関係国に対して強く要望とか、対策を求めていくというのが非常に重要だとは認識いたしております。
ただ、国際的な外交上の問題でありますので、県単独ではなかなか要望等がしづらい面もございますので、国に対する政府施策要望の中で、毎年外交上に対する適切な措置をしていただきたいと関係国に対して強く要望していただきたいという要望もいたしております。
県も、先ほどありましたように、対馬で韓国の学生等と一緒になって協働で漂着ごみの回収をしたり、あと、国が韓国と2国間で実務者協議「きれいで豊かな海をともに守るための実務者協議」というのを平成20年度から行っております。そういう中にも県も参加をさせていただいて、本県の現状を韓国の方にもしっかり訴え要望しておりますし、また、今年の3月に平戸市の方でもNOWPAP(ナウパップ)が開催されましたので、その折にも本県の状況もしっかり訴えたところでございます。
そういう活動をしながら、関係国に要望をしたり、今後も国に対してしっかり要望を行っていきたいと考えております。
◆金子委員 1つあるのが、例えば対馬もそうですけれども、いろんなところで特にこのごみ問題その他というのは、ほとんどが民間ボランティアが主力になってやっておられます。今回そういうふうな形で国も若干入ってきた、県も支援しているといいますが、どういう形での支援なのか。
民間ボランティアということになれば、例えば私たちもそうですけれども、対馬まで行くとなったら、例えば長崎から対馬まで行くだけで1万何ぼ、往復で約2万円、タクシー代を入れると2万5,000円超します。そういうふうな状況がありますね。
そういうものへの一定の援助と言ったちょっと言葉はあれですけれども、やはり一定のかかわり合いの中で少しでも経費的な部分等々、また、様々な民間ボランティア団体という形で登録等々されておれば、そういうふうな形に対する間接的な援助とか、そういうふうなのは何かされているんですか。
◎小嶺廃棄物対策課長 海岸清掃とか海岸漂着ごみの回収のボランティアにつきましては、その地域ごとに現在ボランティアが活動をしております。それで、その海岸管理者であります市町とか、そういうところでボランティアと連携をしながらごみ袋の支給とか、軍手・手袋、あと収集運搬を市町がするとか、いろんな形でボランティアに対する支援とか連携というのは地域ごとに実施されているということを把握いたしております。
◆金子委員 把握しておるけれども、何もしておらんという意味ですか、今のは。
◎小嶺廃棄物対策課長 県の方で今実施しております海外漂着物推進事業の中で、市町に海外漂着物対策の支援をしております。その支援事業の中で、市町海岸管理者はボランティアに対して支援等を実施しているところでございます。
◆金子委員 参考で結構ですから、具体的にどれぐらいの支援をされておりますか。
◎小嶺廃棄物対策課長 額については、すみませんが、今のところ把握しておりません。
○陣内委員長 関連してございますか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○陣内委員長 なければ、事前通告をされてない方の質問をお受けしたいと思います。
◆八江委員 島原半島の窒素負荷低減計画の見直しということを先ほど説明もいただいたわけですけれども、ここの地帯はご存じのとおり県下の5割ぐらいを占める農業地帯であるし、そこには畜産、あるいは蔬菜園芸、農産物の出荷も多くあるわけですけれども、環境基準を当然クリアしていかなければならない、土壌の問題はありますけれども、それが農産物の生産・出荷に関係して、この基準をオーバーした時にどのように影響してくるのか。その辺のところがもしおわかりだったらまず教えていただきたいんです。
超過率が例えば平成21年度は58.8%、平成20年度も58.幾らと、あんまり下がってないようでありますけれども、そういうことを踏まえた時に、農産物に対する問題がどのように変わってくるのか。影響があるのか。それはわかりませんか。
◎大串環境政策課長 今回のこの計画によりまして、農業生産に対して影響があるというふうには私どもは考えておりません。
むしろ環境にやさしい農業をするということによって、特に肥料関係が流通をしていって、きちっと対応されていくということになってくれば地下水の汚染というものがよくなってきますし、施肥対策についても、その基準に従ってちゃんとやっていくということも関係部局とも調整して行っておりますので、今回の計画によりましてそういう影響があるというふうには考えておりません。
以上でございます。
◆八江委員 私が一つ懸念するのは、基準がだんだん厳しくなってきて、施肥をする時にあれも使うな、これも使うな、こうなったら何をせよとなってきた時に生産高が落ちてしまう可能性がある。そうすれば農業離れもするし、またいろんな問題も抱えてくると、そういうことをちょっと心配をするところもあるんです。
だから、農林部は農林部として有機の肥料を使うとか、いろんなものを使うとか、今はそういう時代になっていますけれども、そういったものがより過度に基準をクリアするために強固にやっていくと、生産が今まで、あるいは今まで以上にうまくいかなくなってくれば、これもいろいろな問題が起こるんじゃないかと、このように思ってお尋ねしたわけですけれども、そのことに対して差し支えないというのは、増産をすれば差し支えないという意味ですね。もう一度。
◎大串環境政策課長 この対策の中でも「適正な肥培管理の推進」ということで、具体的な施肥の低減技術の開発につきましても、農業技術センター等と連携をしながらそういう技術開発についても進めていただいておりますし、過度の肥料をやるということがなくなって、そういう農業者みんなが適正な肥料をやっていくということで、またいい品物ができるということになれば、地下水に対してもまた負荷が少なくなるわけですので、そういう意味ではそのことによって農業生産者が影響を被るということは現在のところ聞いておりません。
以上でございます。
◆八江委員 何かわかったようでわからんのですけれども、(笑声)私が言いたいのは、環境基準、あるいは水質基準その他を、水はじかに飲むわけですから、それはそれに匹敵したものでなければならないけれども、環境基準が政治問題まで大きく影響して、農産物の生産に大きく支障を来すようなことであってはならないんじゃないかという思いが一つあります。
そういうのはここに書いてあるように、「基準を超える割合が県内の他の地域に比べて高いことから、低減と健康被害の二元防止を図る」ということなので、健康にかかわりますよということに通じるものじゃないかと。そうしたら、そういった生産されたものが今どんどん出荷されておれば、これまたいろんな問題があります、葉菜、根菜にしてもですね。
だから、そこにちょっと心配があったから、あんまり強く求め過ぎてもどうかなと。その基準をクリアしていく、計画では平成27年までには50%以下になること、平成32年には中期目標からさらに低下するようにということで、それはそれで目標はいいんですけれども、それが農産物の生産に大きな影響を与えるかどうかという問題があったからお尋ねしたわけです。
というのは、これまで島原半島は農産物の生産が非常に多くて、どんどん肥料から与えられた硝酸性の窒素などが堆積に堆積して、これまでにほかの地域よりも農産物生産が多かったから堆積しておったということも考えられると思うんです。
もう一つは、一番大きくなったのは、この前の養豚業の排水問題が一部分でありました。それは部分的なところなんですよ、有明町とか一部のところ。ほかの島原半島の17箇所ぐらいを調査地点としておられるのがどこの部分になっているかわかりませんけれども、島原半島全域にわたっているとすれば、そういう問題に影響してくる可能性があるから、これがもしいろんなことから世間に知れて、島原半島から出荷されたものはこういうものに汚染されていますよとなってくると、もう即問題が出ますから、その辺は下げておく必要があるならばしっかりやっておかなければなりませんけれども、そうじゃない場合については余り過度な要求はどうかなという思いがあります。
そして、この説明書の中には、「関係機関と連携し見直しを進めているところである」と。そして、「さらに庁内の関係部局との調整も踏まえてやります」ということが書いてあるから、そこら辺は心配ないと思いますけれども、そのことが私たち農業の分野でやっている者の中では非常に心配だったということですので、その点を総括して環境部長に答弁をいただきたいと思います。
◎徳永環境部長 この問題はご指摘のとおり、畜産業者が家畜ふん尿等を不適正に処理をした。そういったところからこういう問題が発生して、協議会をつくって計画をつくったところでございます。
ここで基準というのは17地点を考えてございますが、周辺の井戸水等についても調査を行ってございます。
基本的にはここの基準をオーバーした水、地下水等については飲用ができないということが一つの縛りでございます。健康被害を与えるおそれがありますので飲用ができないというところで縛りをかけていきます。
ただ、農業との関係でございますが、通常農作物は窒素を肥料として育っていくわけでございますので、逆に肥料とかを通常まいていく分は、適正な肥料であれば植物が吸収して育っていくことになりますので、それが残って地下水に影響を与えることはありませんので、特に問題はないかと思います。
ただ、先ほどの「これからの対策」の中に2つほどございますけれども、家畜ふん尿をやはり適正に処理をしていかないと、不適正な処理分の窒素分が地下に潜って、処理をされないままに地下水に含有されるとか、あるいは施肥が非常に多くて植物の吸収以上にまいてしまうと、それがまた地下水に悪さをすると。
そういったところは対策を講じて、適正な部分で窒素を与えることで農業は進めていきますけれども、地下水の影響を抑えていこうという手段でございますので、基準が上がるとか、極端に農作物が育たない程度の施肥にするとか、そういった問題は生じてこないと考えてございます。
以上です。
◆八江委員 過度の肥料の使い方になってくると堆積もしていくし、またそういった被害を招くものもありますから、その点は今いろんな農業関係の技術者も含めて調整しながら、政治の問題について解決をしてもらっている。
だから、我々が心配するのは、余りに追及してくるとそういったものに影響がないかなという思いと、もう一つは他産業に対して環境関係が、例えば工場の排水とか、いろんな環境基準とかを求めると、非常に問題があることも事実なんです。だから、それは基準に合わせてやってもらうように指導はしていかなければいかんけれども、一気にはなかなかできにくい分もあるかと思うんです。私は否定をするわけじゃなくて、そういった面についても他産業に与える影響等も十分考慮しながら進めてほしいと、このように思います。
それから、地球温暖化に関係すること、これは総合計画も含めての中にあると思います。
私は一つ、いろいろ話もありましたが、環境部の役割は、国民、県民、あるいは市民に対して住みやすい環境を作り上げていくための環境整備をしていくというのが一つの大きな基本であり、安全で安心した生活ができる社会を作り上げるのが目的だろうと思います。
そういう中で、私がかかわり、気になることがあるのは、山、あるいは森林というものをどのように環境部と位置付けながら森林資源、あるいはそうしたものへの対策を考えていくのか。これは農林部との関係とか、いろんな諸団体との関係があるかもわかりませんが、私たちが地球温暖化の問題で、CO2の25%削減目標をやっていくためには一番有効的であり、また進めていかなければならない国の対策としては、やっぱり山をどうしていくか、森林資源をどうしていくかということが一番大きな目標だろうと思います。
それ以外に車の問題とか、いろんなものもあります。そういったものに対して環境部として、山というのをどのように評価して、どのようにこれから一緒に進めていこうとしているのかを確認しておきたいと思います。
◎大串環境政策課長 環境基本計画の中でも森林の大切さということについては、この基本計画自体が農林部とも十分連携しながら計画を立てておりまして、農林部の方で、「県民に森林の触れ合いの場を提供することにより、森林及び林業についての理解、並びに森林が精神の高揚を図ります」とか、森林の持つ大切さについての事業の実施については十分盛り込むような形で環境基本計画を策定することにいたしております。
◆八江委員 それはそのとおりでありますけれども、その取り組み方の姿勢が、あなたたちに与えられた環境というテーマの中で考えれば、山に関することはより重要な問題だと。だからといってやってないとか言わないんですけど、その取り組み方の姿勢がどこまで山の問題をもっていろんなCO2の削減などに皆さんが提言をしながら、お願いをしながら農林部あたりを強力に推進させていくという、そのことがなければならないんじゃないかなと、リーダーシップが皆さんに求められていますよと。
だから、どのような思いで農林関係が所管する山などをしていくかというのを、私は皆さんの意気込みを確認してみたいと思ってお尋ねしたいんですけれども、環境政策課長のお話はわかりましたから、環境部長の山に対する考え方をもう一度確認しておきたいと思います。
◎徳永環境部長 先ほど環境実践モデル都市のお話を申し上げましたけれども、対馬の方ではその森林資源をまさに地域の資源として重要視して、それを次の環境対策に使っていこうと。エネルギーに変えていくとか、あるいはほかの温暖化対策に使っていくとか、自らの資源として有効に使っていこう、環境対策に使っていこうということで考えています。
我々も森林資源はそういった意味で新しいエネルギーの一つとして十分活用できるという認識を持ってございますし、一方で温暖化対策のCO2削減の吸収源になる算定ができるという強みも持ってございます。
それから、対馬市の方でも森林の吸収源を排出量取引みたいなところで十分に使って、経済的な価値を得ようという新しい試みも考えてございます。そういったところで我々としては、温暖化対策の中で、まず一つ重要な位置付けをしてございます。
それから、もう一点はもう少し別の意味で、やっぱりこれは対馬もそうですけれども、森林資源というのが自然環境の資源と我々はとらえてございます。人工林というところは少し違うのかもしれませんが、全体的な森林資源が各地にございますので、そこは人と自然が共生するような公園も含めたところで十分に活用していきたいと考えてございます。
以上です。
◆八江委員 環境の中では、山というのは大きなウエートを占める役割のあるものではないかと私は思います。管理するのみならず、CO2の削減ということから考えれば非常に大きな役割を果たすわけです。とすれば、それをどうすればみんなと一定の協調をしながら山の再生を図って生産基盤を上げながら、しかもCO2の削減ができるかということをしっかり考えながら他の部との接触を図り、むしろ国のそういった制度を活かしながら、もちろんリーダーシップを発揮して支援をいただきたいと、このように要望しておきたいと思います。
ここにも環境学習の推進とか、いろんなことを書いてあります、将来のことについてもですね。ですから、そういったものも含めてやってほしいと思います。
それから、せっかくですから、諫干の水質保全について、とやかく言われるわけですけれども、空から見た目は、潮水である外海と堤防の内側の淡水の方とが色が違うために相当汚れた水だと言われています。確かに水の透明度は悪いかもわかりませんが、水質そのものについてはそんなにひどくないということを我々は聞いております。それは他県の河川と比べても遜色はないし、むしろ佐賀の方の河川が水質が悪いと言われております。
だから、それの対策はいろんな意味で功を奏してきているものと思いますけれども、今後の諫干の中の水質保全についての取組というのは、今までやってこられた以上に何を考えてどういうふうにしようと、また、していただくのかというのを一度確認しておきたいと思いますけれども、いかがですか。
◎大串環境政策課長 諫早湾の干拓地の関係につきましては、行動計画をつくりまして、関係機関と連携をしながら進捗管理を図りながら水質の改善に取り組んでいるところでございます。
県の方でもその水質の改善目標を毎年度定め、それに向かって努力をしております。
まず、県が実施しているということで申し上げますと、汚水処理人口普及率の向上とか、水質浄化の研究、それからアオコ対策で実証試験を実施したり、水生植物による浄化試験を行ったりということもしております。
それから、他の機関で実施しているものといたしましては、農林部の方では面源負荷の削減対策ということで環境保全型農業の推進に取り組んでいただいておりますし、水質保全対策ということで民間の団体の方でクウシンサイのフロート式の水耕栽培による浄化、それから、農政局の方では、まき上げ抑制対策の効果の検証等、それぞれ関係部局一体となって、これは水質の浄化というのはなかなか一朝一夕にはできないということは私どもも理解をしておりまして、それぞれの機関がそれぞれの持ち分で一生懸命取り組んでいくということが大事だと思っておりますし、これからも新しい対策の可能性も含めて新規の事業も今後とも研究をしながら、これまでの事業を地道に継続的にやっていくということがまず大事じゃないかと考えております。
以上でございます。
◆八江委員 これまで何回となく皆さん方にも要望があり、また進められてきた事業、これでだんだんよくなってきていることは間違いない話だと思います。
そしてまた、諫早市、あるいは関係市の下水道の普及率もだんだん高まってきておりますし、そういったものが100%近くになってくると、家庭の雑排水等についても、水質の保全はぐっと上がってくるものと期待をいたします。
ただ、今の淡水湖の中でいいものもたくさん出てきておるわけですね。いいものといえば何かというと、海水で生きている生物と淡水で生きている生物というのは相当差がありますから、今非常に期待されているというか、珍しがられているというもので生物の多様性の問題がありまして、いろんなものがそこで発生をし、寄生がされ、それが一つの教材等にもなるぐらいの大きなことになってきておりますから、そういったものをもっと活かしてほしいし、淡水魚は淡水魚の中でいろんなものが今のところ出ております。先般はワニまで出てきたんですけれども、実際はワニじゃなかったということです。ワニも飼っておれば一番よかったかなと思ったりもしますけれども、そういった淡水性のものというのが、よくいえばうまく淡水が活かされて、水質保全とは若干違いますけれども、利用できる部分が出てくるんじゃないかと思って期待もいたしております。それは一つこれからも引き続き一緒に進めてほしいと思います。
それから、自然環境課長には国立公園とか、県立公園とか、いろんな管轄があるものと思います。そういったものと先ほどのCO2の問題とは直接関係ないと思いますけれども、景観その他を完全にするためには山の整備というのが出てくるんじゃないかというのを今ちょっと思い出しながら質問するんですけれども、自然環境課の方は具体的にはどのようなことを環境保全のために進められているのか、それを1点確認しておきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎中島自然環境課長 自然環境分野での山の整備が重要とのお尋ねですけれども、自然環境課独自で大きな面積の山の改善ということはやっていませんけれども、農林部の林政課の方が森林施業計画ということで、森林をどうやって施業していくかという計画をつくる時には自然環境課の方へ合議がありますので、その中で国立公園や国定公園の中の森林施業についてはこういうところに気をつけてお願いしますよという担当の連絡調整で森林施業が行われるということをやっております。
もう一つは、雲仙の平成新山の噴火に伴います国立公園の自然植生が荒廃した時は、「緑のダイヤモンド事業」ということで、自然復元を早めるような整備、また、そこを復元する過程を環境学習の場と使えるような自然とのふれ合いの場の整備ということでこれまでは行ってまいりました。
以上でございます。
◆八江委員 伐採等については、国立公園、国定公園関係は余り好まれてはいないわけですけれども、植栽することについては特段問題がないだろうと。そのために「緑のダイヤモンド計画」とか、いろいろ進めてまいりましたけれども、そういったものをこういう機会に、環境を整えるためにもっともっと積極的に、長崎県は皆さんが管理している公園等が非常に多いわけですから、そういったものを活かして地球温暖化、CO2削減のために広葉樹の植林などをやるべきだと、こう思っておりますので、それは要望して私の質問を終わりたいと思います。
○陣内委員長 ほかにご質問はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 ご質問がないようですので、これをもって環境部関係の審査を終了したいと思います。
以上で、本委員会及び分科会関係の案件の審査はすべて終了いたしました。
次に、閉会中の委員会活動について協議をしたいと思いますので、しばらく休憩いたします。
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−午後3時50分 休憩−
−午後3時53分 再開−
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○陣内委員長 それでは、委員会を再開いたします。
閉会中の委員会活動について、何かご意見ございませんか。
〔「正副委員長一任」と呼ぶ者あり〕
○陣内委員長 ありがとうございます。
それでは、正副委員長にご一任願います。
これをもちまして、環境生活委員会及び環境生活分科会を閉会いたします。
どうもお疲れさまでした。
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−午後3時54分 閉会−
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