平成22年 11月 定例会 - 12月06日−03号
◆28番(溝口芙美雄君) 佐藤議員の長崎の教会群とキリスト教関連遺産の世界遺産登録について、関連質問をさせていただきます。
この問題につきましては、平成19年10月に、カトリック長崎大司教区の高見大司教様にお願いいたしまして、私と佐藤議員、それから小林議員、吉村議員がバチカン市国の教皇庁の文化評議会に赴きまして、知事の親書を持って行きまして、それを渡し、そして、世界遺産登録に向けてのご支援をお願いしてまいったところでございます。
その時に、「バチカン市国としては、全面的に支援をする」という返事をいただきましたけれども、このことについて、その後どのような状況になっているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
もう一つは、暫定リストに登録された当初は、信者の皆さん方は、世界遺産登録についてはありがたい反面、先ほど佐藤議員からも申されましたように、祈りの場であるので、観光化については相当な懸念があったんじゃないかと思うんですけれども、そのことについて現在どのような状況になっているのか、お尋ねをしたいと思います。
◎知事公室長(田中桂之助君) バチカンに対するお尋ねでございますが、ご質問の中にございました平成19年の溝口議員、佐藤議員、小林議員、吉村議員がおいでになりました節には、知事の親書もお持ちをいただきまして、それに対しましてバチカン市から、この長崎県のキリスト教関連遺産の登録に向けた取り組みを高く評価すると。そして、ユネスコのオブザーバーにもその旨を伝えたというふうなことで大変ありがたいご返事をいただいたわけでございます。改めて感謝を申し上げる次第でございます。
その後、平成21年3月にもローマ法王庁のドミニク・マンベルティ外務局長が来県をされました。この際にも直接、この世界遺産登録へのご理解、ご支援をお願いを申し上げました。
さらに、平成20年度には長崎歴史文化博物館で「バチカンの名宝とキリシタン文化の特別企画展」を開催いたしました。このお礼をタルチジオ・ベルトーネ国務長官へお送りした際にも、この世界遺産登録へのご理解、ご支援をあわせてお願いしたわけでございますけれども、これに対しても、ローマ法王庁側からは支援する旨のありがたいご発言、ご書簡をいただいておるところでございます。
今後とも、こういった取り組みを続けて、バチカンの方からもご支援、ご理解をいただきながら取り組んでまいりたいと思っております。
それから、先ほどもご質問がございましたが、登録を進めるに当たっては、何よりも信者の皆様、それから地域の皆様、市町の皆様が一体となって取り組みを進めなければならないと思っております。これまでも直接の説明会、信者の皆様への説明会を8カ所で開催させていただきましたし、大司教区主催の研修会でも説明をさせていただいたところでございます。
今後とも、長崎大司教区に十分ご相談を申し上げながら、引き続き、これらの皆様方と一体となって進めてまいりたいと考えておるところでございます。
◆28番(溝口芙美雄君) ぜひ、バチカン市国とは、やはりキリスト教関連の遺産でございますので、いろいろな情報を交換しながら、協力をしていただいて、世界遺産登録に向けて努力をしていただきたいと思っております。
教会の方ですけれども、信者の皆さん方が、教会の神父さんあたりにも尋ねたんですけれども、今、観光客がかなり多くなりまして、教会の中でお菓子を食べたり、ジュースを飲んだり、そして、たまには弁当を食べたりする人もいるそうでございます。そして、トイレにかぎをかけていると、なぜトイレを貸さないんだという、そういういろんな意見が出ているそうでございますので、そのことについては観光化をしていく上で教会の方々と連絡を取りながら、いろんな情報交換をして、そういうことがないように旅行者とも話し合いをしていただきたいと思っております。このことについて一言だけお願いします。
◎知事公室長(田中桂之助君) これは長崎巡礼の中でそういった支援をやってまいりましたが、引き続き、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。