平成23年 11月定例会 - 12月05日

平成23年 11月定例会 外間議員一般質問関連質問

溝口芙美雄の発言にジャンプする
1.土木行政について、東彼杵自動車道路建設整備促進について

○議長(宮内雪夫君) 会議を再開いたします。
 午前中に引き続き、一般質問を行います。
 外間議員−25番。
◆25番(外間雅広君) (拍手)〔登壇〕佐世保市・北松浦郡選出議員、自由民主党・清風会、外間雅広でございます。久しぶりにこの壇上に立たせていただきます。
 質問に入ります前に、昨日行われました全日本アマチュア相撲選手権におきまして、県立猶興館高校の教員であります松永六十四さんが、見事優勝をいたしました。(発言する者あり)私も少し相撲をやるものですから、もうとっても名誉なことと本当に誇りに思い、冒頭祝福をさせていただきたいと存じます。(拍手)
 それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。知事、関係部局長のご答弁を賜りますようよろしくお願いいたします。
 1、防衛問題について。
 我が長崎県は、対馬をはじめ国境に最も近い位置にあり、国防上も重要なウエートを占めております。その守りは、基地のまち佐世保市をはじめ、駐屯地2つを有する大村市や陸海空を備えた対馬市など、1万人近い自衛隊員を保持し、国の防衛のみならず、災害救助、国際協力など国の崇高な使命を持って、それぞれの任務に当たっていただいております。
 特に、災害派遣・救助では、今回の「東日本大震災」や、「雲仙・普賢岳噴火災害」、「阪神・淡路大震災」などにおいて、全国民の80%以上が自衛隊の貢献ぶりを認めています。
 「ありがとう自衛隊」、「支えてくれた自衛隊」、「感謝・感激」など被災者の方々の感謝の言葉や思いがマスコミを通して全国に伝わっておりますことは、まことに喜ばしい限りであります。
 今回の震災で明らかになったことは、地震や津波などの自然災害のほか、原子力災害事故においても自衛隊が活躍いただいたことであります。
 福島第一原子力発電所事故においては、防護服、防護マスクを装着した自衛隊員が、線量の高い発電所付近で活動する姿に感銘を受けた方も多いと思います。
 しかし、原子力災害に対しては、我が県も十分な備えが必要であると考えます。
 松浦市鷹島町は、玄海原子力発電所から8.3キロメートルの位置にあり、去る11月20日に松浦市で「長崎県原子力防災訓練」が実施され、同僚議員とともに訓練を見学いたしましたが、実にすばらしい、実践さながらの訓練で、自治体の幹部、陸海空自衛隊、警察、海上保安庁、そして県庁の所管部局の皆さんも、真剣そのものに訓練に励まれ、大変見ごたえのあるもので、そのご労苦に敬意を表する次第です。
 さて、原子力発電施設などで災害を引き起こす原因としては、自然災害のほか、ミサイルなどによる武力攻撃等が考えられます。
 武力攻撃事態が発生した場合は、人命救助のため、自衛隊、警察、消防、海上保安庁等が活動すると思いますが、「国民保護法」に基づく「長崎県国民保護計画」において、県としては、どのような役割を担うことになるのでしょうか。
 また、有事に対応するためには、災害対策と同様に、平時における備えが必要と思いますが、県としての体制整備及び関係機関との連携についても、あわせてお尋ねしたいと存じます。
 2、長崎県総合計画について。
 (1) 女性力を活用した地域活性化について。
 中村知事は、平成24年の重点戦略として「長崎県総合計画」の取組をスタートされました。「人が輝く」、「産業が輝く」、「地域が輝く」、長崎県の3つの基本理念の中で「人が輝く」、その中のひときわ目を引いたのは、「女性力を活用した地域の活性化」であります。女性が社会で活躍できる環境整備や、活性化で人を活かす取組を推進していかれるとのこと。
 私の思う「女性力」とは、女性は賢く、美しく、そしてやさしい。子どもを産み育て、家事を行い、常に普遍的であること。女性として、母親としてたくましく生きることができること。いかなる環境にも順応できること。時代の難局を乗り越えなければいけない今こそ、「女性力」を活かす時だと思いますが、中村知事はどのような「女性力」を認め、信じ、支援しようとされていくおつもりか、お聞かせください。
 (2) 地域コミュニティの再生について。
 震災が教えてくれたこと、それはコミュニティの重要性ではなかったでしょうか。地域の主役は、文字どおりそこに住む人たちであり、自立し、活力のある地域をつくっていくために認め合い、支え合い、助け合いのあるまちをつくっていかなければなりません。
 震災の時に、町内会が活発な地域、病院、喫茶店、理・美容店などコミュニティが豊かな場所がいち早く復興したと聞きます。逆に、隣に誰が住んでいるのかわからない高層マンションのひとり暮らしのお年寄りが、たんすに挟まれて逃げ切れずに、発見された時には餓死されていたそうです。
 地域の絆は、例えば、学校の帰り道に聞こえてくる赤ん坊の泣き声、夫婦げんかの声、みそ汁の香り、こういったものがハーモニーとなって調和をしていく、そのようなイメージが私にはあるのでありますが、現代社会は、人の絆や地域の絆が失われつつあると感じています。
 そこで、中村知事は、「人が輝く、地域が輝く長崎県」を目指されておりますが、来年度の県の重点戦略に地域コミュニティの再生事業を掲げておられます。これから地域の絆の再生にどのように取り組んでいかれるのかをお尋ねいたします。
 3、公の施設の指定管理者の指定について。
 これまで県が担ってきた分野について、今後すべてを県が担うことは不効率であり、住民サービスの向上を目指すのであれば、県民の皆様の知恵やアイデアを取り入れることが重要です。
 そのためには、県民やNPO、民間企業などが県政により参加しやすい環境づくりが必要であり、その事例として、公の施設管理に対する指定管理者制度の導入は効果が上がっているものと期待しています。
 平成18年から本格導入して5年以上が経過し、本年度の対象施設は49施設であり、その収支改善額も、年間約3億円の効果が上がっているとお聞きしました。一方で、複数の施設が指定管理者の更新時期に至っており、新たな指定管理者を選定している施設もあるようです。
 制度を本格導入したその効果等についてどのように評価しているのでしょうか。また、より住民サービスの向上を図るために、今後どのような工夫を行おうとしているのか、お尋ねいたします。
 4、西九州統合型リゾート(カジノ構想)による地域振興策について。
 一般質問2日目の久野議員からもご質問がございました。重複するところがあろうかと思いますが、私の視点からの質問とご理解いただいて質問させていただきたいので、お願いをいたします。
 去る2011年11月11日午前11時より、ハウステンボス・ホテルヨーロッパのレンブラントホールにおきまして、「西九州統合型リゾート研究会」の総会が行われました。カジノを含む統合型リゾートの整備推進を図る、国の「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」が議員立法により成立した暁には、全国各地の自治体から、申請や問い合わせが殺到することが予想されます。
 日本にカジノが解禁されれば、それは単なるカジノ施設ではなく、統合型リゾートとなる可能性が高く、その関連分野は、レジャー、アミューズメントに限らず、観光、防犯、外食、建設、金融にまで広範囲に及び、その経済波及効果は非常に大きいものと考えます。
 現在、13都道府県が活発な動きをはじめていると聞き及んでいますが、我が県としても、ぜひとも乗り遅れないよう、県民の一人でも多くの理解を得られるような取組を進め、ハウステンボスの優位性をつくり上げていくべきかと存じます。
 先般、中村知事からは、「県民にカジノの持つメリット・デメリットを明らかにし、まずは県民からの幅広い理解を深めていくための議論が必要である」旨の答弁をいただきました。私もごもっともなご答弁と理解をいたしております。
 デメリットについては、カジノの持つイメージの賭博性、そのことによる青少年の健全育成への影響、依存症、地域の安全性確保など、課題解決が必要です。
 西九州統合型リゾート研究会は、「オール九州宣言」、九州の代表として、ハウステンボスの澤田社長の人脈をおかりし、九州財界の皆様の理解を、そしてご支援を取り付け、ハウステンボスの優位性を展開しようというものであります。法案成立後の他地域との競争も見据えて、県も地域と一緒になって取り組むべきではないかと思いますが、このたび当研究会の特別顧問にご就任いただいた中村知事のご所見を賜りたいと存じます。
 5、土木行政について。
 (1) 東彼杵自動車道路建設整備促進について。
 東彼杵道路建設促進期成会も平成10年発足以来13年目を迎え、いまだ整備格上げに至っておりません。政府施策要望の重点項目に加えることを検討してもらっていますが、政権交代後は、道路の新規計画は凍結とのお話、本当でしょうか。
 長崎県北から県央、県南へ続く西九州自動車道路は、佐賀県への迂回ルートとなり、これは精神構造上、やはりよくありません。国道205号は着実に道路整備は進んではおりますが、朝夕のラッシュ時を問わず、混雑は避けられません。
 先般11月28日も、佐世保市長、平戸市長、松浦市長、西海市長、佐々町長ら、長崎県北広域関係自治体役員の方々と、中村知事へ重点施策4点に絞ってご要望いたしましたが、そのひとつである東彼杵自動車道路を、再び政府へ、整備格上げの要望をすべきと考えますが、再度ご見解を承りたいと存じます。
 6、福祉・医療政策について。
 (1) つくも苑建て替えについて。
 入居者の悲願でもあるつくも苑建て替えにつきましては、俵ケ浦地域の皆様と田中副知事を座長とする協議会をつくって、誠意を持って跡地利用の説明を行っているところであり、大方の理解を得られる方向で進んでいるとお聞きいたしております。つくも苑建て替えにつきましては、入居者のためにも、保護者のためにも、一日も早く手がけていただきたいと存じます。
 そこで、つくも苑の建て替え場所、その決定理由、施設概要と予算、調査設計から完成までのタイムスケジュールなどお聞かせください。
 (2) 若年者の自殺対策について。
 9月定例会の予算特別委員会の総括質疑で取り上げました。私は議員に再選いたしまして知ったのですが、恥ずかしながら、全国の自殺者数が、ここ十数年近く3万人で推移していることを存じ上げませんでした。
 国の「自殺対策基本法」を受けて、長崎県独自のさまざまな啓発活動、対策を講じても増加傾向にあるとのこと。特に、未来を担う若者たちの自殺も決して少ない世代ではありません。その数を過去5年間お示しください。
 啓発活動がいまひとつ説得力に欠けるのではないでしょうか。人は亡くなったらどうなるという明確な事実がないので、自ら命を絶つことの非を私たち大人が伝えあぐねているのではと思うのですが、ご所見を賜りたいと存じます。
 また、県として、啓発活動等具体的な対策を講じられていかれる内容があれば、お示しいただきたいと存じます。
 (3) 佐世保市立総合病院救命救急センターへの県の支援策について。
 平成21年度に県が策定した「地域医療再生計画」の中心事業として、地域医療再生基金により、佐世保市立総合病院に救命救急センターが設置されることになりました。
 しかしながら、県央・県南地域では、設置主体は国立病院、大学病院であるのに対し、佐世保市立総合病院は一自治体病院であり、その運営基盤や医療圏の中での役割は大きく異なっています。
 佐世保市議会でも、「将来にわたる運営上の懸念材料を佐世保市だけが負うのはいかがなものか」との議論がなされていると聞いており、私も全くそのとおりだと考えています。
 事務レベルでの協議の場が設置され、負担のあり方についての議論は平行線をたどっていると聞いています。
 先般、佐世保市長、平戸市長、松浦市長、佐々町長、西海市長らと「県北広域連携促進会議」で、ほかの要望に加え、佐世保市立総合病院救命救急センターの後年度負担に関して県の支援を求める趣旨の要望をしたところであります。後年度の負担については、シミュレーションでは黒字、そして黒字額は積み立てられる。単年度赤字が連続し、積み立てた黒字が底をついて、遂に赤字になった時に、県やほかの自治体に対して負担を求めようとするものであります。
 3次医療機関である救命救急センターは、市のエリアを越えて医療圏全体をカバーしなければなりませんし、特に、佐世保市立総合病院においては、医療圏を越え、県央医療圏の一部や佐賀県西部の患者さんも受診、あるいは搬送されると聞いております。これらのことを踏まえますと、私としては、やはり県は積極的に参画するとともに、現段階における負担のあり方をルール化しておくことについて一歩踏み込み、4市1町の要望に対し対応すべきと考えますが、そのことについてご所見をお伺いいたします。
 (4) ドクターヘリ事業とデリバリーヘリ整備事業について。
 ヘリコプターを利用した救急医療体制としては、現在、自衛隊等による救急搬送とドクターヘリ事業がありますが、これに加えて、第2次の「地域医療再生計画」に盛り込まれたデリバリーヘリ整備事業は、ヘリで専門医師等を直接離島の病院や診療所に乗せて行って、診察後に乗せて帰ることで、現地に連れてきて、運航ダイヤに左右されずに診療時間を設定でき、医師の移動時間の短縮による診療時間の拡大につながるなど、離島医療の充実に寄与する、とても便利な事業だと聞き及んでいますが、この医師搬送事業の内容をお聞かせください。
 また、ドクターヘリ導入以来、その運航状況、効果についてもあわせてお尋ねいたします。
 7、幼稚園の振興策について。
 (1) 私立幼稚園に対する補助金制度の堅持について。
 こども政策局が、平成21年に取りまとめた「長崎県幼児教育振興アクションプログラム」によると、「入園を希望するすべての満3歳児から5歳児に対して、質の高い、きめ細やかな幼児教育を提供する」ことを目標に掲げ、私も共感するところ大であります。
 しかしながら、その施策実現のために欠かすことのできないはずの私立幼稚園の現状を見ると、本当にこの目標が達成できるのか、疑問を感じざるを得ません。
 それというのも、県内私立幼稚園の定員充足率は50%にすぎず、平均園児数も運営継続の下限の100人を下回る90名強であり、全国平均の160名にははるかに及びません。言うまでもなく、主たる幼稚園の帰属収入は園児納付金でありますが、近年の世の中の保育所志向も踏まえた園児数推移からすると、園児納付金による収入減に歯止めがかからず、運営継続に困難を来している園が少なからずあります。それだけに教育振興費補助金をはじめとする補助金制度の重みは一層増してきております。
 幼稚園教育の大切さが改めて言われている昨今、私立幼稚園に対する県単独はもちろんのこと、補助金額の一層の増額が望まれるところですが、県当局としてはいかがお考えでしょうか、見解を求めます。
 (2) 幼稚園の小規模対策について。
 長崎県の私立幼稚園は、さきに述べたように全国と比較しても1園当たりの園児数が少なく、特に、50人以下の小規模園が全体の3分の1を占めています。
 そうなると、前記した補助金だけでは焼け石に水状態を脱却できず、持続可能な園児数を確保するには、抜本的な制度改正、行政の後押しが必要ではないでしょうか。
 そこで、長崎県が積極的に推し進めている認定こども園制度のうち、一定規模以下の小規模園については、認可保育所ができるよう、幼保連携型認定こども園への移行のサポートを県が行うことができないものか、お尋ねいたしますが、このことも、さきに触れた「長崎県幼児教育振興アクションプログラム」に書かれている「離島・過疎地域における幼児教育の確保」とも通ずるところがあると考えますが、いかがでしょうか。ご見解をお願いいたします。
 (3) 幼稚園の学校法人の存廃について。
 現在の幼稚園の多くは、昭和40年後半のベビーブーム時代に法人化され、現在に至っております。その間、設置者の世代交代も行われていますが、公教育たる幼稚園の役割上、経営難による後継者不足のために、高齢化してもやめるにやめられない現状も見られます。マクロ的に見れば、子どもが多かった時に法人化されたのですから、子どもが少なくなれば設置数も減らさざるを得ません。ただし、当時、個人財産を提供させ、法人化の旗振りをしたのは認可権を持つ県であったのですから、その法人の廃止にあたってというか、廃止がしやすくなるよう県当局が特段の配慮をすることは考えられないか、お尋ねいたします。
 8、若者の就労支援について。
 長崎県の将来を担う若者の就業支援は、今後の本県の活性化を図る上で、極めて重要な施策であると考えております。本県の優秀な人材が県内で活躍してもらうことが本県の将来を切り開くかぎとも言えます。
 長崎県においては、県と労働局、教育委員会が一体となって、各種の支援策を充実強化するなど、意欲的に取り組まれており、その結果、昨年と今年の新規高卒者の県内就職割合は60%以上となるなど、その割合も年々上がってきており、また、就職率の方も全国平均にかなり近づいてきているなど、県の取組の効果があらわれているものと評価をしているところであります。
 ところで、先般、10月12日に「経済雇用・災害対策特別委員会」の県外視察で「京都ジョブパーク」を視察いたしましたが、そこでは、公労使が一体となってジョブパークの活動を支えているとともに、ハローワークと連携し、若者の就労支援について、就職相談からハローワークでの職業紹介、さらには定着支援まで、ワンストップで支援する体制をつくるなど、先進的な取組をされておられます。
 私も、その取組に感心するとともに、いたく共鳴を覚えたところであります。このような「京都ジョブパーク」の取組は、非常に参考になると思われますが、本県においても、このような取組を可能なものは取り込んで、若者の県内就職をより加速させたらどうかと考えておりますが、県のお考えをお伺いいたします。
 以上、壇上からの質問を終え、ご答弁をいただいた後、再質問をいたす際には、対面演壇席にて行わせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(宮内雪夫君) 知事。
◎知事(中村法道君) 〔登壇〕外間議員のご質問にお答えをいたします。
 まず、「女性力」を活用した地域活性化についてのお尋ねでございます。
 私は、これまで各地を訪問し、地域の実情をつぶさに見せていただいてまいりましたけれども、女性の皆さんが元気に活躍しておられるところは、企業も地域も生き生きしているとの印象を受けたところであり、女性の力は、活性化の大きな原動力になるものと確信をいたしております。
 これまでも多くの女性の皆様方が地域社会や職場等、あらゆる分野で活躍をされ、家庭においては、子育てや家事の役割を多く担っておられます。
 そこで、まず私は、このような女性の方々がその強みでもある生活者や消費者としての視点などを活かしつつ、その活動を通して、できればボランティア等にとどまらず、所得の向上につながるような取組ができないだろうかと考えたところであります。
 その上で、女性の皆様方が、まさにさまざまな分野において、その能力を発揮しながら主体的な立場で、男性以上に活躍をし、役割を担っていただけるような社会が実現できないだろうかと考えているところであります。
 こうした思いから、先般、大浦お慶プロジェクト事業を立ち上げたところでありまして、県内で独自の視点やアイデアを持ちながら活躍をしておられる方々をメンバーとする「女性力でながさきを活性化!会議」を設置し、議論を重ねていただいてまいりました。そして、先般、女性が社会でもっと活躍できる仕組みなどについて具体的なご提言をいただいたところであります。
 今後、県議会のご意見も賜りながら、提言を活かした具体的な実践活動への支援等を通して、長崎県が元気になるような取組を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 次に、地域コミュニティの再生について、どのように取り組もうとするのかとのお尋ねでございます。
 議員ご指摘のとおり、県内には過疎化、高齢化が進み、地域の担い手が不足しているところや住民同士のつながりが薄くなっている地域も増えてきておりまして、まさに今、人や地域の絆の再生が強く求められていると感じているところでございます。
 「地域が輝く長崎県」を実現するためには、県民のお一人ひとりが、安全・安心に暮らすことができ、身近な地域コミュニティが活発に活動し、地域を盛り上げることが、市町はもとより、県の活性化につながっていくものと考えております。
 そうしたことから、来年度は、住民同士のつながりをいま一度取り戻し、地域を元気にしていくための取組を県全体で進めてまいりたいと考えております。
 具体的には、自主防災組織の強化を手はじめに、高齢者の見守り、買い物支援、子育て、祭りの復活など、地域が抱えるさまざまな課題を市町と連携し、地域の皆様方と一緒になって解決する仕組みをつくっていきたいと思っております。
 また、地域コミュニティの大切さを改めて県民の皆様方に理解をしていただくとともに、積極的に参加していただけるような県民運動を起こしてまいりたいと考えております。
 こうした取組を通して、人や地域の絆を強め、地域発の地域づくりをさらに推進してまいりたいと考えております。
 次に、西九州統合型リゾートの今後の進め方等についてのお尋ねでございます。
 現在、国においては、超党派の議員連盟による統合型リゾートを推進するための法案提出の動きがございます。カジノ導入に向けたこれまでの議論の中では、設置数について、かなり限定的なものになるというお話をお聞きしているところであります。
 西九州統合型リゾート研究会におきましては、このような情勢を踏まえ、今後、統合型リゾートの基本計画の策定や、市民、自治体等を対象とした広報活動に取り組んでいくこととなっております。
 県といたしましては、こうした統合型リゾートを進めてまいりますためには、県議会でのご議論もいただきながら、まずは地域や県民の皆様方のご理解をいただくことが大変重要であると考えているところであり、このメリットやデメリット等も含めて、県も積極的に参画をし、一緒になって幅広く議論を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 残余のご質問につきましては、関係部局長の方からお答えをさせていただきます。
○議長(宮内雪夫君) 危機管理監。
◎危機管理監(坂谷朝男君) 私の方から2点お答えいたします。
 まず、「国民保護法」に基づく「長崎県国民保護計画」において、県としてどのような役割を担うことになるのかとのお尋ねですが、我が国の西端に位置し、国境離島や外洋離島を抱える本県は、国際情勢の影響を直接受ける環境にあります。
 県は、武力攻撃事態等においては、自ら国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施し、関係機関が実施する国民保護のための措置を総合的に推進いたします。
 主な県の役割としては、避難指示、避難誘導の支援など、住民の避難に関する措置、生活必需品、医療の提供など、避難住民等の救援に関する措置、武力攻撃災害への対処に関する措置があり、これらの措置を効果的に実施できるよう、自衛隊、警察、消防などの関係機関と連携してまいります。
 次に、平時における備えとして、県としての体制整備及び関係機関との連携についてどのように行っているのかとのお尋ねですが、本県の国民保護計画を実効性あるものとするため、関係機関相互の協力体制を確立し、連携を強化することが重要であると考えております。
 連携強化のため、平成17年度から国民保護図上訓練を実施してきましたが、今年度は、来年1月29日に、国と共同の実動訓練を大村市において実施する予定であります。
 今年度の訓練は、県民の方々に多数参加いただくとともに、内閣官房と訓練を共同実施することにより、新たな経験を得る実りのある訓練になるものと考えております。
 今後とも、万一の事態に備え、市町をはじめ、警察、消防、自衛隊、海上保安部等関係機関との連携を深めるとともに、体制の不断の見直しや効果的な訓練を行うことにより、県民の安全を守るよう努めてまいります。
 以上でございます。
○議長(宮内雪夫君) 総務部長。
◎総務部長(池松誠二君) 指定管理者制度導入の効果等についてのお尋ねでございますが、指定管理者制度を平成18年度に導入してから、この間、民間ノウハウの活用により、収支改善効果はもとより、施設管理において、開館時間、開館日や利用料金の見直し、新しいイベントの誘致など、利用者の視点に立ったサービスの向上が図られてきたものと考えております。
 こうした効果を踏まえ、更新時期を迎えます施設におきましては、単に管理経費の縮減といった視点だけではなく、より住民サービスの向上につながるような管理ができるかどうかといった視点を最優先としまして、指定管理者の選定を行っているところであります。
 また、「新行財政改革プラン」におきましても、制度導入効果の検証を行うため、各施設におけるモニタリングの強化や、適性かつ公平な選定を行うための選定基準の見直しや、積極的な情報公開などに取り組むこととしております。
 今後とも、利用者の視点に立った適正な制度運用となるよう、ガイドラインの改正や民間のノウハウをこれまで以上に引き出す方策を検討してまいりたいというふうに考えております。
○議長(宮内雪夫君) 土木部長。
◎土木部長(村井禎美君) 東彼杵道路の計画路線への格上げについてのお尋ねでございますが、東彼杵道路につきましては、国が管理している国道205号の並行路線となるため、直轄事業となることが想定されますが、国としては、早期に事業着手できない状況であると聞いております。
 県といたしましては、現在整備が進められております西九州自動車道に続いて整備される路線と考えており、今後、事業着手に向けた調査と、候補路線から計画路線への格上げがなされるよう、引き続き国に対して要望を行ってまいります。
 以上でございます。
○議長(宮内雪夫君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(岩本公明君) 私の方から4点お答えさせていただきます。
 つくも苑の移転・建て替えについて、施設規模やスケジュールはどのようになっているかとのお尋ねでございますが、つくも苑の建て替えについては、運営主体である県障害者福祉事業団と必要な機能等について協議を行うとともに、施設入所者や利用者の方々のご要望を踏まえ、検討してまいりました。
 建て替え場所は、入所者の地域生活への移行、地域の在宅障害児・者の支援を行うため、交通アクセスにすぐれ、緊急時の救急搬送が短時間となり、また、商店や医療機関が近隣に多く、さらに、佐世保特別支援学校との連携が取りやすい佐世保市大潟町の県有地といたしました。
 新施設は、入所定員140名程度とし、敷地面積は約8,200平方メートル、建築面積は約3,000平方メートル、延べ床面積は約7,500平方メートルで3階建てを予定しており、総事業費は約21億円を見込んでおります。
 施設の機能といたしましては、施設入所支援をはじめ、短期入所や日中一時支援、機能訓練及び就労支援などの事業を実施することといたしております。
 建設スケジュールについては、今年度、建物及び土地造成の設計に着手し、平成24年度に造成工事、平成25年度に建設工事に取りかかり、平成26年度末の完成を予定しております。
 今後、事業団と連携し、施設入所者や利用者の皆様のご期待に応えられるよう、つくも苑の移転・建て替えを進めていきたいと考えております。
 次に、若年者の自殺数はどうなっているのか、若年者に対する啓発活動は説得力に欠けるのではないか、若年者に対する啓発活動等、県としてどのような対策を講じていくのかとのお尋ねでございます。
 過去5年間の30歳未満の若年者の自殺者数は、警察統計によりますと、平成18年が36人、平成19年が36人、平成20年が37人、平成21年が31人、平成22年が39人と、全体の約1割で、ほぼ横ばい状態で推移をしており、全国と同様な状況にあります。
 県としましても、若年者に対する自殺対策は重要な課題と考えており、今年度は教育庁において、自殺対策を視点に取り入れた教職員等を対象とした教育相談研修会の開催や、相談窓口を記載した教育相談カードの作成を実施いたしております。
 また、今後の新たな取組として、若年者が命を大切にできなかった時の危機管理能力を早い時期から身に付けることができるよう、インターネット等を利用した普及啓発活動について検討を行っているところでございます。
 次に、佐世保市立総合病院救命救急センターについて、負担のあり方をルール化しておくことについて、1市4町の要望に対応すべきと考えるが、所見をとのお尋ねでございます。
 佐世保市立総合病院の救命救急センター運営に関しては、去る11月28日、佐世保市及び関係市町から運営に係る協議の場に積極的に参画すること、並びに負担のルール化についてご要望いただいております。
 センター設置に当たっては、地域医療再生基金を利用して救命病棟新築、医療機器整備等に対し約11億2,000万円を補助することといたしております。
 運営費につきましては、普通交付税や特別交付税を加味すると3,000万円程度の黒字が見込まれるものと考えております。
 しかしながら、センター設置は、佐世保市民のみならず、県北地域全域の人々の命を守るための施設であることから、県としても、関係市町とともに協議の場に参画し、万が一、不採算となった場合には、要望の趣旨を踏まえながら、負担方法等について誠実に協議したいと考えております。
 最後に、ドクターヘリ事業とデリバリーヘリ事業の内容、活用方法等についてのお尋ねでございます。
 ドクターヘリは、救急医療に必要な機器と医薬品を装備し、救急医療の専門医及び看護師が同乗して救急現場等に向かい、救命医療を行いながら医療機関に搬送する、いわゆる専用のヘリコプターで、「空飛ぶ救命室」と言われております。
 本県では、平成18年12月に導入し、平成19年度は年間394回であった出動回数が、平成22年度には592回と、全国第3位の運航実績を誇るなど、救命率の向上や後遺症の軽減に効果を発揮いたしております。
 一方のデリバリーヘリは、本土の専門医、代診医の離島への派遣、また離島間の医師の相互派遣のため、迅速かつ効率的な移動手段として活用するもので、地域医療振興協会が公益事業として、自ら経費を負担して実施するものであります。
 移動時間を短縮することで、医師が診療時間を有効に使えること、また、専門医の派遣も可能になることなど、この事業が離島医療の確保、質向上に資することから、県として、第2次地域医療再生基金を活用して機体購入費を補助しようとするものでございます。
 以上でございます。
○議長(宮内雪夫君) こども政策局長。
◎こども政策局長(大串祐子君) 幼稚園の振興策について、3点お答えさせていただきます。
 まず、私立幼稚園に対する補助金の増額についてのお尋ねですが、幼児教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、県内の幼稚園児の約8割以上が通っている私立幼稚園は、本県の幼児教育の中核を担っていると認識しています。
 私立幼稚園に対する支援は、教育の振興と保護者の教育費負担の軽減等を図るため、経常的経費及び預かり保育、県単独による同時在園児の負担軽減措置等に対する助成を行っており、平成23年度当初予算における助成総額は約26億2,500万円と年々増額に努めてきております。
 また、保育料の保護者に対する経済的負担軽減につきましては、就園奨励費補助金により、国と市町を合わせ、平成22年度は約12億3,800万円の補助を行っています。
 今後とも、国への要望を含め、私学助成の充実強化に努めてまいります。
 次に、小規模園の幼保連携型認定こども園への移行のサポートについてのお尋ねですが、これまでにも私立幼稚園の空き教室を活用した保育所の認可については、長崎市において、認定こども園を含めて10園行っております。
 今後とも、保育の実施者である市町の方針をもとに、保育所定員10人以上で差し支えないとする特例を活用しながら、幼稚園の幼保連携型認定こども園への移行について支援を行ってまいります。
 次に、学校法人の廃止に当たっての特段の配慮についてのお尋ねですが、私立学校法によると、「解散した学校法人の残余財産は、合併及び破産手続開始の決定による解散の場合を除き、所轄庁に対する清算結了の届け時に、寄附行為の定めるところにより、学校法人その他の教育の事業を行う者のうちから選定された者に帰属する」とされ、当該規定により処分されない財産は国庫に帰属するとされています。
 このような現行法制度のもとでは、法にのっとった解散手続によらざるを得ないものと考えております。
 以上でございます。
○議長(宮内雪夫君) 産業労働部政策監。
◎産業労働部政策監(田平浩二君) 「京都ジョブパーク」のような若者の就職支援に取り組むつもりはないかとのお尋ねでございます。
 議員ご指摘の「京都ジョブパーク」につきましては、公労使による共同運営、ハローワークとの連携など、先進的な取組を行っており、これらの取組につきましては、非常に参考になるものと認識しております。
 本県におきましても、関係機関の連携を推進する観点から、昨年、はじめて県と労働局、教育庁が一体となりまして、「長崎県新規高卒者就活応援プログラム」を策定いたしまして、各種支援策の充実強化を図っております。
 また、県が設置いたします「フレッシュワーク長崎」と国の「ヤングハローワーク」を長崎西洋館に併設しまして、相談から就職に至るまでのワンストップでの支援を行っており、「フレッシュワーク佐世保」におきましても同様に支援体制を取っているところでございます。
 一方、「京都ジョブパーク」におきましては、セミナーへの企業講師の派遣など、企業を巻き込んだ若者への支援を行う「企業応援団」というものを結成するなど、本県ではまだ実施していない効果的な取組も行っているところでございます。
 このような本県にとっても参考となる取組につきましては、平成24年度の「長崎県重点戦略案」に現在掲げているところでございまして、今、どのような形でそれを進めていくのかという検討を行っているところでございます。
 以上でございます。
○議長(宮内雪夫君) 外間議員−25番。
◆25番(外間雅広君) 知事、関係部局長よりご答弁をいただきました。ご答弁に対しまして再質問を考えておりまして、知事からいただきました「長崎県総合計画」では、女性力を活用した地域活性化、そして、地域コミュニティの再生についてが重点施策ということで挙がっておりましたので、知事の考え方、そして、この3つが輝く一番の原動力になるのは、女性力と地域のコミュニティの活性化だと、私もそう思っております。
 実はまず、この地域コミュニティの再生について、自分の最近の経験から、ぜひともこのコミュニティを重層的に充実をさせていかなければいけないのではないかというふうに思うことがあるんです。
 それは私の住んでいる城山町は人口440人、168世帯の小さな町でありまして、市役所の建物の隣の町に位置しております。4年前に、私に町内会長をやってくれということでお鉢が回ってまいりまして、引き受けて、今年5年目に入ろうとしておりますけれども、なかなかこういうお世話役をかって出る役員というのがだんだんいなくなってきております。
 ちょっと紹介しますと、隣は、同僚末次議員の住んでいる町でありまして、やっぱり私の町と同世帯数ぐらいの人口で、その2つの町を合わせた町に宮内議長がお住まいでして、この小さな学校区に3人ものお世話役の議員がおると。俵町という町なんですけれども、その町の町内会長さんは、何と43年間、町内会長をなさっておられます。また、その学校区の先輩町内会長さんは、10年、20年、25年ということで、その負担も非常に大変なもので、今ではなかなか引き受け手が見つからないのが現状であります。
 老人会長、青少年部長、体育部長、いろいろな役回りがたくさんあるんですが、1人で2役も3役もしていかなければいけないということで、人口も多かった時代は世話役も多かったのでよかったんですけれども、人口が激減をしたこういう地域においては、極力かかわりたくないという人がどんどん増えてきた、そういう町の集合体であります。
 ところが、今日、知事からご答弁いただいた中に、地域の活性化の中に、「例えば、お祭りとか」というふうなお話があったんですが、実はこの5箇町の合同で、今回、道行き踊りという踊りと、こどもみこし、獅子太鼓、こういったお祭りに参加をいたしました。参加者数は、総勢200名を超えました。もちろん5箇町町内会総がかりでかかわりまして、物心両面にわたって、みんなでこのお祭りを支えて、見事に成功いたしました。練習も今年の夏あたりから毎週土日、土日の練習が続きまして、本当に4箇月間の間に見事なまでにチームワークをつくり、隣の町も5箇町合同で、今まで疎遠だった町が本当に団結して、いい踊りを披露することができて、もう最高の思い出ができたと大変喜んでもらいました。
 こういう地域のイベントを通して、立派な絆のあるまちづくりがひとつやれたのではないかということで、コミュニティを創造していく上での一端に触れたような気がいたしました。
 知事は、コミュニティという単位をどのようにお考えかなんですけれども、最小単位は、これは家族であります。地縁社会、血縁社会、地域社会、あるいは最近では、同好会やサークルや、そういう好縁といいますか、好きな者同士が集まって好きなことをやっていくような、そういうコミュニティを重層的にとらえていって、そのまちの機能性を活かしていかなければいけないのではないかと思うんです。杓子定規にはまったように、町内会は人口がどんどん、どんどん減ってきても、町の数は同じで、自治体ですら、これだけ合併をして機能性を有していっているわけでありますから、何とかこういう形を変えていくことも必要かと存じますが、改めてこの件に関しまして、知事のご所見を伺いたいと存じます。
○議長(宮内雪夫君) 知事。
◎知事(中村法道君) コミュニティの単位は、いろんなとらえ方があるんだろうと思います。小学校区・中学校区単位、さまざまなとらえ方があろうと思いますが、やっぱり人と人との絆が強いというのは、小さい、お互いに顔が見える範囲の地域のつながり、これが一番強くあるんではなかろうかと思っております。
 したがって、今回の事業をどの単位で組み立てていくかというのは、これはもうそれぞれの地域の事情にお任せする必要もあろうと思いますけれども、ご指摘をいただきましたように、地縁のほかに、さまざまなグループ、あるいはつながりがあろうかと思います。
 そういった中で、その地域が抱えるそれぞれの課題がどんなものであるのか、それを住民の皆様方の知恵と力でこれを克服していただけるような、そういう取組をしっかりと支援していかなければいけないと思っております。
 もちろん実施に当たっては、基礎自治体である市町の皆様方と一緒になって、地域に入り込んで取り組んでいく必要があるものと思っておりますので、一概に、先ほど、消防ほかの課題を申し上げましたけれども、さまざまな課題がほかにもあろうかと思いますので、そうした地域の皆さん方が、これが課題だと思われるような部分について、積極的に取り組んでいけるような仕組みをつくっていきたいと思っているところでございます。
○議長(宮内雪夫君) 外間議員−25番。
◆25番(外間雅広君) 女性力の活性化につきましても、知事は、所得の向上にもつながっていくような活用を図りたいという大変前向きな積極的なご答弁をいただきました。
 今日、この議場にも、大変すばらしい優秀な女性力を持った方々がいらっしゃいますが、果たして、女性力を発揮できるような機能性のある議場かどうかということもあわせもって、さまざまな角度から、この女性力が活かされる、その機能と役割が発揮できるような、そういう場、環境整備というものを、こういう議場の場においても、いろんなところにおいても積極的にやっていけたらよろしいかと存じます。
 それから、知事からご答弁をいただきました「西九州統合型リゾート」につきましては、残念ながら、前回の質問と同じようなご答弁でございました。これはいたし方ないのかもしれませんが、やっぱり県民に広く理解を求める議論を起こしていくことというのが大前提での知事の答弁でありますから、私の方からは、それ以上の答弁をここで望むと言っても、まだ今の段階では順番があるというふうに理解をいたしました。
 そこで、この「IR統合型リゾート」というものについて、本当にこの観光産業の促進の起爆剤に間違いなくなり得ると、私が感じておりますことをちょっとお話を聞いていただきたいんですが、例えば、同じアジアの中でも、シンガポールが最近立ち上がりまして、この統合型リゾート地を2箇所つくり、莫大な観光収益と、25%増に上る世界中の観光客を集めておられます。また、投資額もちょっと半端ではないんですが、2つのリゾート地に対しまして、それぞれ5,000億円と4,300億円をかけて、この統合型リゾートの成功をおさめておられるようであります。
 その時にその仕掛けをやられたお二人の閣僚のコメントを紹介します。
 まず1人目のリー・クアンユー顧問相は、「私は、今でもギャンブルは嫌いです。しかし、世界は変わりました。我々は変化すべきでしょうか。それともカジノがあるというだけでIR統合型リゾートを拒絶すべきでしょうか」というふうなコメントを残されて、この事業に踏み込んでいかれたのではないでしょうか。「シンガポールが急成長を遂げるには、我が国の国際貿易と投資、人材のハブとして魅力的に成長することが不可欠だ」とおっしゃっておられます。
 もう一人の内務相は、「我々がこのチャンスをチャンスととらえ、行動を起こすことに躊躇をしたら、将来、その事業が近隣の都市で実現をした時に、我々は慎重なアプローチを後悔することになるだろう」というふうなコメントでありまして、今の段階で、カジノということで数十億円の観光事業投資を却下することが国益がどうかということを問い、順を踏んで、今、観光収益を上げているという状況にあります。
 今、県の段階では、まだまだ推進法も実施法もでき上がっておりませんので、推進法ではカジノは認められるということではないというふうにもお聞きをいたしましたので、ぜひともその前の「西九州統合型リゾート研究会」を立ち上げてもう既に5年にもなります。その意気込みと着実な準備に対して、県として、何らかの協議会を立ち上げるなど、いま一歩踏み込んでいただけないものでしょうか、再度ご答弁をちょうだいいたします。
○議長(宮内雪夫君) 知事。
◎知事(中村法道君) この「西九州統合型リゾート」の問題につきましては、県北地域の方で官民挙げて検討を重ねてきていただいた経過がございます。私も、実は顧問として参画をするようにというご要請をいただきまして、参加をさせていただくことにいたしたわけでありますけれども、将来、こういった制度が実現をするということになりますと、やはり地域の大きな観光資源の一つになってくることは間違いないものと考えております。
 ただ、このリゾートの中にカジノが入っておりますので、これについてはさまざまなやっぱりご意見があるものと考えておりますので、そういった意味では、ご安心していただくためにも、また幅広く県民の皆様方の意向を把握するためにも、このリゾートの構想そのものがどういったものであるのか、正確な情報発進と意見集約に努めていく必要があるものと思っているところであります。
 当然ながら、関係法令等が前に進んでまいりますと、それぞれの地域で具体的な動きがはじまってまいりますが、県におきましても、地域の皆さん方と一緒になって取り組んでいく必要があるものと考えているところでございます。
○議長(宮内雪夫君) 外間議員−25番。
◆25番(外間雅広君) 西九州統合型リゾート研究会の総会でも、お隣の佐賀県の自治体からも参加してもらって、前回も申し上げたように九州というくくりで、九州の財界も、「じゃ、九州でどこでやるか」と言ったら、「ハウステンボスでやりましょう」というふうに財界も動き出しておりまして、そういう九州というくくりからこの戦略を立てていった時に、ハウステンボスととらえてもらっていただきたい。県としても、今後、積極的な取組をやっていただきますよう強く要望しておきます。(発言する者あり)
 それから、佐世保市立総合病院の救命救急センターの件につきましては、同僚、先輩議員たちからも、ずっとご質問があったとおり、県からの支援策については、積極的な、前向きな答弁をということでいただいております。どうか一自治体が運営をやっていくというふうなハンディ、そして50万人という拠点エリアを一自治体でカバーをしていくわけです。そして、患者さんも、いろんな地域から受診に来ていただいているそのエリアの運営ぶり、機能ぶりというものは、まさに県の支援をいただくにふさわしい役割を持っておりますので、どうかこの件につきましては、くれぐれも支援策をよろしくお願いをして質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(宮内雪夫君) これより、関連質問に入ります。
 瀬川議員−28番。
     〔関連質問〕
◆28番(瀬川光之君) 外間議員の質問に関連をいたしまして、地域コミュニティの再生についてということから質問をさせていただきたいと思います。
 先ほどから議論がなされておりますように、これはコミュニティというものをどういった形で見るかというのは、なかなか難しいものがあろうかと思いますが、時代の背景等々も加われば、ますますいろいろ考え方も変わってくるものだと認識をいたしております。
 特に、私はまだ若いんですけれども、青年団活動をやった経験もありますが、そういった中から思いますと、地域の中の青年や、あるいはご婦人の方々の会というものはもちろん、私たちの青年期にはございました。
 しかし、そういった中でも、多目的とする青年団、あるいは青年組織、ご婦人の組織とともに、単一目的集団と呼ばれるような、極端に申しますればソフトボール、バレーボール、あるいはその他の1つだけのことを目的とする組織も存在をしてまいりました。
 やはりそういうことを考えてみますと、総合的に多目的に活動をする組織の重要性というものが、私は今になってみれば最も大切なところではなかったのかなという思いがいたします。
 そこで、今回、平成24年度重点施策に取り組まれようとされておりますコミュニティ再生のことなんですが、現状、どういった地域での組織が、どういう性格のものがどれくらい存在するのか、あるいはかねての青年団組織、あるいはご婦人の組織等々がどれくらい長崎県内に存在をしておられるのか、その辺を把握して来年度の重点施策に向けた取組というものを考えておられるのかどうか、そこら辺をまずお聞きいたしたいと思います。
○議長(宮内雪夫君) 企画振興部長。
◎企画振興部長(永川重幸君) 地域の元気づくり応援事業につきましては、基本的に大きな事業としましては、まず、地域の自治会を強化していこうと。何で強化するかと。いわゆる自主防災組織を強めていこうという動きをしたいと思っております。
 この地域の自治会が、県下全体で4,200ございます。これを小学校区でまとめてみますと、約380の地域に分かれておるというような状況でございます。そして、このほか育児、あるいは高齢者対策、さまざまな取組を各部でやっていますが、そういったものも同じこの地域の元気づくりという俎上の中でやってまいりたいと、こういうふうに思っております。
 また、個々の取組を今、構成をしているさなかでございますので、まだ私どもの方に基本的なデータが大きなデータしかとっておりませんので、申しわけございませんが、数字的にはそういう話でございます。
○議長(宮内雪夫君) 瀬川議員−28番。
◆28番(瀬川光之君) 私一つご提案をさせていただきたいと思っておりますが、私の幼少の頃、もちろん農村部でありましたから、昔は地区、地区で、その呼び方は違うと思いますが、「結」という制度が残っておりました。田植えの時期には、みんなで田植えをお加勢に回って一緒になって作業をしていくと。極端に言いますと、遅れたところがないように、地域総出で遅れたところをお加勢に行くというようなそういった制度です。金のやりとりはもちろんありません。
 やはり今求められている、「人間の希薄さ」という言葉が先ほど出ましたが、そういう結の精神、結の制度というものを、この際、地域のコミュニティをもう一回再生していくということからすれば、研究する必要があるんではないかなというふうに思うわけですが、どうでしょうか。(発言する者あり)
○議長(宮内雪夫君) 企画振興部長。
◎企画振興部長(永川重幸君) 今、お話にもございました、(発言する者あり)いわゆる各地域での地縁系の団体のことであろうかと思いますが、こういった団体にも目配りができるようなものも念頭に置きながら、いろんな検討をしてまいりたいと思っております。(発言する者あり)
○議長(宮内雪夫君) 溝口議員−43番。
     〔関連質問〕
◆43番(溝口芙美雄君) 同僚外間議員の土木行政について、東彼杵自動車道路建設整備促進について、関連質問をしたいと思います。
 先ほどの土木部長の答弁では、今後、候補路線から計画路線へということで進めてまいりたいということでございましたけれども、やはり外間議員からも申されましたように、この道路は広域的に陳情いたしておりまして、ぜひその計画路線というのを、何か言葉だけに聞こえたんですけれども、やはりいつまでに計画路線として乗せて努力していくという、そういう前向きな答弁がなかったと思うんですけれども、いま一度、土木部長の答弁をお願いいたします。(発言する者あり)
○議長(宮内雪夫君) 土木部長。
◎土木部長(村井禎美君) 東彼杵道路についての再びのご質問でございますけれど、東彼杵道路は、確かに外間議員のお話の中にもありましたように、佐世保方面から空港等の方に行く時に佐賀の方も通っていかなきゃならないような状況におきまして、そういった意味では東彼杵道路を整備していくことが時間的な短縮効果もありますし、心理的な面でも大変有意義な道路であろうかと思っています。
 しかしながら、現在、県北の方では、まず西九州自動車道の整備ということが最優先と考えられておりまして、現時点で候補路線から、いつ計画路線へということについては明言いたしかねるところでございます。
 以上でございます。
○議長(宮内雪夫君) 溝口議員−43番。
◆43番(溝口芙美雄君) 土木部長、先ほど言いましたように、広域的と言っても川棚町にしても、東彼杵町にしても、この整備によって205号の渋滞がかなりなくなってくるんですね。
 それと、先ほど言いました西九州自動車道については、佐々から松浦までの計画は、今のところ全然ないわけですね。そして、見通しがないというような、そういう形も言っているんですよ。
 そういうことを考えれば、やはり平戸市、松浦市、佐々町、佐世保市、そして川棚町、東彼杵町のことを考えれば、この東彼杵道路の建設を早くしていく必要が私はあると思うんですよ。と申しますのも、県といたしましては、どこからでも県庁の方に1時間で来るような、そういう道路の建設を計画いたしているんですね。だから、この東彼杵道路の整備によって、10分ぐらいの短縮はできるんじゃないかと私は思っているんですよ。
 それと同時に、西彼杵道路につきましては、平成24年3月ですか、完成の予定ですよね。それと、(発言する者あり)大串までですよ、大串まで。そして、その先はまだ計画がないわけです。それと同時に、今、島原道路の方を重点的に建設しているわけですけれども。それはそれとして、やはりもう一つ東彼杵道路を計画路線として挙げて、そして早く整備できるようなそういう計画を、私は県として持っていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○議長(宮内雪夫君) 土木部長。
◎土木部長(村井禎美君) 議員ご指摘のとおり、東彼杵道路が時間の短縮効果もあるということ、また、あるいはいろんな要望の中では、高速道の代替としての機能、いわゆるリダンダンシーと申しましょうか、そういったことについての効果があるということの要望もいただいているところでございます。その辺につきましては、全くそういった意味もあるということを理解しているところでございますけれど、何分にも全体の道路事業費の減少というような事情もございまして、現時点で、いつ計画路線というふうなことを申し上げるのはできないところでございます。
 以上でございます。
○議長(宮内雪夫君) 溝口議員−43番。
◆43番(溝口芙美雄君) 土木部長、計画路線として、すぐ仕事にかかれということじゃないんですよね。佐世保市としても、広域的に一応お願いしてきたのは、候補路線から計画路線に何十年も挙がっていないんです。県としての考え方が全然見えないんですよ。だから、私としては、何年度までに計画路線として名前を載せるという形を、土木部長に積極的に取り組んでいただきたいんですよ。いかがですか。(発言する者あり)
○議長(宮内雪夫君) 土木部長。
◎土木部長(村井禎美君) 県といたしましては、まず、西九州自動車道の整備を進めていただきまして、その後、東彼杵道路について計画路線への格上げということで考えていきたいと思っているところでございます。
 以上でございます。(発言する者あり)
○議長(宮内雪夫君) 溝口議員−43番。
◆43番(溝口芙美雄君) 西九州自動車道がなかなか難しいですので、ぜひ東彼杵道路の計画路線への昇格をよろしくお願いしたいと思います。
○議長(宮内雪夫君) これより、しばらく休憩いたします。