平成23年 11月定例会 総務委員会 - 12月09日−03号
溝口芙美雄の発言にジャンプする。
1.孫文と梅屋庄吉の問題
2.事務の削減
3.アジア・国際戦略の推進について
平成23年 11月定例会 総務委員会
1、開催年月日時刻及び場所
平成23年12月9日
自 午前10時3分
至 午後5時31分
於 第1別館第1会議室
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2、出席委員の氏名
委員長(分科会長) 山口初實君
副委員長(副会長) 小森明人君
委員 橋村松太郎君
〃 楠 大典君
〃 溝口芙美雄君
〃 江口 健君
〃 中島廣義君
〃 浅田眞澄美君
〃 山田朋子君
〃 前田哲也君
〃 友田吉泰君
〃 中島浩介君
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3、欠席委員の氏名
なし
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4、委員外出席議員の氏名
なし
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5、県側出席者の氏名
企画振興部長 永川重幸君
企画振興部政策監(離島・半島・過疎対策担当)
山田伸裕君
企画振興部政策監(新幹線・総合交通対策担当)
坂本潤一郎君
企画振興部次長兼新幹線・総合交通対策課長
西元英隆君
企画振興部参事監(まちづくり担当) 加藤 永君
政策企画課長 岩崎直紀君
地域振興課長 松尾明彦君
土地対策室長 金子由彦君
国際課長 天野俊男君
まちづくり推進室長 松元栄治郎君
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文化観光物産局長 坂越健一君
文化観光物産局次長 深堀辰之介君
文化観光物産局参事監(観光振興担当) 松尾英紀君
文化観光物産局参事監(販売戦略担当) 松川久和君
文化振興課長 宮崎 誠君
世界遺産登録推進室長 田渕和也君
観光振興課長 柿本敏晶君
販売戦略課長 辻 亮二君
アジア・国際戦略課長 中崎謙司君
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6、審査の経過次のとおり
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−午前10時3分 開議−
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○山口委員長 おはようございます。
委員会及び分科会を再開いたします。
これより、企画振興部関係の審査を行います。
○山口分科会長 まず、分科会による審査を行います。
予算議案を議題といたします。
企画振興部長より、予算議案説明をお願いいたします。
◎永川企画振興部長 企画振興部関係の議案について、ご説明をいたします。
予算特別委員会総務分科会関係議案説明資料(追加修正版)の企画振興部をお開きいただきたいと思います。
今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第116号議案「平成23年度長崎県一般会計補正予算(第3号)」のうち関係部分、第145号議案「平成23年度長崎県一般会計補正予算(第4号)」のうち関係部分であります。
歳出予算は、記載のとおりであります。
なお、補正予算の内容につきましては、第116号議案が鉄道対策費、職員給与費、第145号議案が職員の給与改定で、記載のとおりであります。
また、企画振興部関係予算説明資料について、補足説明資料を配付させていただいております。
以上をもちまして、企画振興部関係の説明を終わります。
よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げます。
○山口分科会長 ありがとうございました。
次に、文化観光物産局長より、予算議案の説明をお願いいたします。
◎坂越文化観光物産局長 文化観光物産局関係の議案についてご説明いたします。
予算特別委員会総務分科会関係議案説明資料(追加修正版)の文化観光物産局をお開き願います。
今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第116号議案「平成23年度長崎県一般会計補正予算(第3号)」のうち関係部分、第145号議案「平成23年度長崎県一般会計補正予算(第4号)」のうち関係部分であります。
歳出予算は、記載のとおりでございます。
なお、補正予算の内容につきましては、第116号議案が職員給与費、企画費、第145号議案が職員の給与改定で、記載のとおりでございます。
また、文化観光物産局関係予算説明資料について、補足説明資料を配付させていただいております。
以上をもちまして、文化観光物産局関係の説明を終わります。
よろしくご審議賜りますようお願いいたします。
○山口分科会長 ありがとうございました。
以上で、説明が終わりましたので、これより各議案に対する質疑を行います。
質疑はございませんか。
◆楠委員 今の鉄道対策費についてお尋ねしたいと思うんですけれども、今回、3,132万4,000円の追加がなされているわけでありますが、予算書を見ると、補正前の額が2億2,116万9,000円でございます。今回、約3,100万円の追加がなされているわけですが、この財源内訳を見ますと、国3分の1、県6分の1、市6分の1となっております。もちろん、鉄道のバリアフリーあるいはトイレの改良、これはしなければならないわけですけれども、こういった鉄道駅のバリアフリーとか、身障者用トイレの改良、設置、そういうものの要望等についてはJR側から出るのか、あるいは逆に県の方から言うのか、市の方から話を持ってくるのか、まずルールとして、どのようになっているのか。それから、今回、一般財源で賄っておられるんですけれども、特に国等の負担というのはないのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
◎西元次長兼新幹線・総合交通対策課長 今回、11月補正予算で鉄道駅バリアフリー化設備整備費を計上いたしておりますが、今回計上しているのはハウステンボス駅のバリアフリーでございます。今ご質問の件でございますけれども、平成23年の3月に、国のバリアフリーの基本方針が改定になりました。これまで、1日当たり5,000人という基準でございましたけれども、これが3,000人に引き下げられております。もう一つ、3,000人未満であっても、特急停車駅とか、重要な観光施設が周辺にある場合など、要件を満たせば対象とされることになっております。県内には、これまでの5,000人以上の駅が3つございました。長崎駅と、諫早駅と佐世保駅でございますけれども、これは既にバリアフリーは終わっております。3,000人以上になったことで、あと4駅対象になっております。それが今年の当初予算で計上しております大村駅、それから浦上駅、喜々津駅、長与駅の4駅でございます。今回のハウステンボス駅は、1日2,222人ということで3,000人を切っておりますけれども、特急停車駅及び観光地が近くにあるということで、もともとJRと国の方で、ここは対象にするということで話は進んでいたと聞いております。平成24年度の対象事業ということで、国の方がJRとの協議の中で認めていたものでございます。ただ、平成24年度に対象にされると、10月に和牛能力共進会がございますけれども、そこにきれいに工事がはまってしまうものですから、佐世保市がJRと国の方に前倒しをお願いしたという経緯がございます。国とJRの方でも協議をされて、1月から3箇月で設計を大体終わるんですけれども、その後、半年で施工ができるということになりましたものですから、今回お尋ねの件につきましては、JRと国の方で次年度事業で合意をしていたものが、佐世保市と県の要望で前倒しになったということでございます。
以上でございます。
◆楠委員 今、もう一つ質問しておりました国及び市の負担、それぞれ3分の1、6分の1、6分の1という負担の割合があるんですけれども、今回3,132万4,000円の補正がされているこの補正の内訳には、国庫支出金その他というのは書いてないんですけれども、どうなんでしょうか。
◎西元次長兼新幹線・総合交通対策課長 失礼いたしました。これは国の負担が全体の3分の1、事業者の負担が3分の1、それから地元の負担が3分の1で、今回、長崎県と佐世保市が6分の1ずつを負担するということで、総事業費は1億8,794万7,000円でございます。そのうちの6分の1の負担で、3,132万4,000円ということになっております。国の負担額は、その倍でございますので、6,264万8,000円ということになります。
◆楠委員 わかりました。
当然、バリアフリーとかトイレの改良というのはやらなければならないんですけれども、残る4駅、大村、浦上、喜々津、長与、これは今からということですか。もうされたんですか。ちょっと聞き取れなかったんです。
◎西元次長兼新幹線・総合交通対策課長 JRの方での予定でございますけれども、この駅については、今後、JRと国の方でまた協議をするんですが、今言われた大村駅については、同じような負担をみんな合意していますので、県の方も今年の当初予算で計上して、今、工事を進めております。あと浦上駅、喜々津駅、長与駅につきましては、JRの方は、国が大体平成32年までのうちに3,000人以上の駅は全部行ってしまうというような方針を持っておりますので、近々、この3つの駅については、同じようなバリアフリー施設をつくるということになっております。喜々津駅、長与駅については地元市町の協議も要るのですが、早ければ来年か再来年には、こういう内容で行っていこうと。それから、浦上駅につきましては、1日の利用者数はかなり多いのですが、現在、都市計画で進めております連続立交の中でそれをつくっていくということになっております。
○山口分科会長 ほかに、質疑はございませんか。
◆江口委員 今のに関連してですけれども、私は予算総括には意見を出しておりませんので。国の1日乗降客についての目安というのが5,000人から3,000人に変わったということで、大村駅も含めて残り4駅と。そのうち、大村駅については当初予算で、今もう行っておりますけれども、あと残りの3駅については、今の説明のとおりだったと思いますが、私は前々から、浦上駅がどういう観点にあるかということで、これはどこよりも早くバリアフリーをすべきだということで主張もしておりました。ところが、連続立体交差に絡んで、そういうことで工事が行われるということでありますので、それはそれで了としたいと思いますけれども、私は、皆さん方が浦上駅の位置づけをどうとらえているかということが一番問題だと思うんです。ここには福祉施設が、ハートセンターがあるし、総合福祉センターがある、そしてブリックホールがある、原爆病院もありますし、そういう面では福祉施設もしくは公共施設が固まってあるわけです。ここでは必ず浦上駅を利用する障害者の人たちが多いわけです。ということで、浦上駅については、どこの駅よりも早くバリアフリーを優先してやるべきだということを申し上げてもおりましたけれども、今回、ハウステンボスを行うということで、それも来年の和牛能力共進会があるからということでありますが、そのあたりも理解しないわけではありませんが、いずれにしましても、皆さん方の浦上駅周辺、浦上駅の位置づけ、とらえ方、どうとらえておられるかということを一回確認しておきたいと思いますので、そのあたりについてはいかがでしょうか。
◎西元次長兼新幹線・総合交通対策課長 浦上駅につきましては、昨年の段階で、大村駅が5,000人をわずかに切っておりました。実は、大村駅と浦上駅は利用者数がほとんど変わりません。そして、委員ご指摘のとおりに、近くにいろんな福祉関係の官公庁、施設がございます。そういう中で、要望はずっと続けておりまして、都市計画の話では、かなり線路を付け替えたり、戻したりする事業がありまして、平成30年ぐらいの完成ではないかと。その途中でも、こういうバリアフリー化ができないのかというのは、現在でも要望を続けております。それと、特に、浦上駅周辺は交通が非常にふくそうするものでございますから、連続立交というのが先に着手いたしましたものですから、その中で、ここの駅について、逆に、バリアフリーの施設が遅れてしまったことについては、申しわけなく思っております。ただ、確かに5,000人前後という駅が、大村駅が着工しますと、あと浦上駅だけなので、この辺については今後も協議を続けていきたいと考えております。
◆江口委員 連続立体交差については、所管の都市計画が今日は来ていないんでしょうけれども、今の話ですと、平成30年に連続立体交差が上がってしまうということですか。これから当然、連続立体交差するためには、線路の付け替えをしながら最終的に行っていくという段取りになるんでしょうけれども、それが完成が何年ぐらい先になるか、その工事段取りが、いつから入るかということによっては、ハウステンボスだって県の負担が3,000万円ぐらいでできるのであれば、3,000万円相当が無駄になるのかならないのかという議論になるんですね。そのことと、今、私が申し上げているように、浦上駅を利用されている障害者の方も含めて、この駅の位置づけについては、ほかの駅もそうでありましょうけれども、浦上駅については、そういう面での位置づけ、ポテンシャルといいましょうか、かなり高いところはあるんじゃないかと私は思っているんです。だから、今後、連続立体交差があるから、それまで待っておこうということが、果たしてそれでいいのか。3,000万円ぐらい出すのは非常にもったいない、無駄なことになるんだということであれば、それはそれでまた私は議論をしたいと思いますが、そのあたりについてはいかがでしょうか。だから、いつぐらいに連続立体交差が動いて、完成の暁はこういう段取りになっているんだということが見えなければ、これはいつまでも待たされるのか。そういう状況の中で、あそこを利用されている方々が随分おられるということについての認識は多分あると思いますので、いかがでしょうか。
◎西元次長兼新幹線・総合交通対策課長 連続立体交差事業の中で、浦上駅の駅部につきましては、都市計画に確認したところでは、今、委員がおっしゃるように、仮設の線路、これは北九州予備校側に線路を一たんつくって、また戻すというような工事を行うらしいんですけれども、仮設が平成25年、それからもとに戻すのが大体平成30年ぐらいになるだろうと聞いております。全体の工事はまだもう少しかかるらしいのですが、駅部周辺については、そういうことではないかと考えております。
もう一つは、確かにあそこの近くにいろんな福祉施設がかなりたくさん建っておりますので、信号とか道路あたりのバリアフリー、それから今後、電停のバリアフリー等も含めて、バリアフリー施設は最終的にはできるんですけれども、県の負担は3,000万円なんですが、一般的に、エレベーター、障害者トイレをつけた基本的なバリアフリーだと、今回もハウステンボスは1億8,700万円でございますが、大体2億円近くの事業費がかかるように聞いております。そういう中で、駅のバリアフリーについては、今おっしゃるように、仮設の段階で何とかそういう対応ができないかどうか、今後はそれが焦点になるかと思いますが、それまでは道路のバリアフリーについて検討してまいりたいと考えております。
◆江口委員 私は何でこんなにしつこく言うかというと、要するに、県の支出の3,000万円、そしてまた今回のハウステンボスの総事業費が2億円切れるぐらいですよね。引き合いに出して申しわけないんですけれども、今度も港湾整備のために松が枝に債務負担行為を入れて2億9,000万円ですよ。これは本格的に松が枝ふ頭が完成するまでの間の仮設としてターミナルをつくるんですね。本格的に今から松が枝ふ頭は整備に入っていくんですよ。あれが10年も15年もかかるということじゃないと思うんです。最短で5〜6年ぐらいで目鼻だちがつくかもわかりませんね。そうすると、あそこに対しては2億9,000万円出して、これはあくまでも仮設の工事でやっていくのが無駄になるのかならないのか。今の駅については、毎日利用者がいるわけですよ。これが今の話だと、平成25年に何とか線路の付け替えが始まっていくみたいな話ですから、あと2〜3年後には具体的な工事に着手ということになれば、2年、3年の間にあと3,000万円ぐらい負担して行うかというのは、これは県だけじゃなくて、長崎市も当然負担をしてもらわなければいけないんですけれども、そういうことを考えると、同じ金額が無駄になるのかならないのかということと、もう一つは、例えば、浦上駅を利用する人たちにとって、これは毎日の利用ですからね。その価値観ということをどこで判断していくかということをよくよく判断してもらわなければならないと私は思っておりますので、これから浦上駅の連続立体交差が予定どおり、計画どおり平成25年ぐらいから工事着手して、平成30年過ぎには上がっていくんだということであれば、それはそれでこの件については了としたいと思いますけれども、こういう問題については、幅広く、いろんな方々の意見も聞きながら検討もしていただきたいということを要望しておきたいと思います。
○山口分科会長 ほかに、質疑はございませんか。
◆前田委員 今回、予算計上されている文化観光物産局の「孫文・梅屋庄吉と長崎」発信事業費について、内容を詳しくお知らせいただけませんか。
◎宮崎文化振興課長 前田委員の三人像の台座設置の内容についてのご質問でございます。局長の議案説明資料(追加修正版)の5ページをお開きいただきたいと存じます。孫文と梅屋夫妻の三人像につきましては、中国国務院新聞弁公室及び中国社会科学院から贈呈を受けまして、ただいま長崎歴史文化博物館のエントランスで公開をしているところでございます。その経緯でございますけれども、昨年の7月に、中国政府のシンクタンクでございます中国社会科学院から、辛亥革命100年を記念して、80年前に梅屋庄吉が贈った孫文像の返礼として日本の方に梅屋像を贈りたいという申し出がございました。その後、いろいろ中国政府の方とお話し合いをさせていただきまして、最終的に、孫文先生と梅屋庄吉夫妻像を贈っていただくことになりました。
今、長崎歴史文化博物館で公開中でございますけれども、展覧会が3月末をもって終了いたしますので、その後の設置箇所についてどうするかが課題でございまして、去る10月14日に設置場所の検討委員会を立ち上げまして、日中友好の新しいシンボルとして、両国民の方が親しんでいただける場所に設置したいので、どういう場所が適当か検討させていただきまして、このたび、松が枝エリアが適切ではないかというふうなことで意見の一致をいただいたところでございますので、提言をいただいた後は、こちらの方に設置をしたいと考えております。そのための工事費ということで、所要の金額を計上させていただいているということでございます。
◆前田委員 内容はわかりました。
基本的なことを確認したいんですけれども、11月1日に知事が高田元知事とともに、北京市において、唐家セン名誉顧問と会見されていますね。その中で、日中国交正常化40周年を契機として、青少年交流と経済貿易交流の促進が重要であるというような考えを名誉顧問が示されたということで、これから展開していくわけでしょうけれども、辛亥革命100周年並びに孫文・梅屋庄吉というのは、対象は上海だから、上海の中でそれぞれ認知度がどれぐらいあるのかというのと、辛亥革命自体と孫文・梅屋庄吉については、県内の各種世代において、今、どの程度の認知度があると思っているんですか。
◎宮崎文化振興課長 ただいまご質問にございました上海における孫文と梅屋庄吉の関係の認知度でございますけれども、梅屋庄吉の業績につきましては、梅屋庄吉の遺言にございましたように、公にしないようにということで子孫の方には申し伝えられて、ここ10年前ぐらいから表に出てきたということがございまして、まだ認知度も低うございます。ただ、昨年8月に上海万博がございまして、この時に、「孫文と梅屋庄吉展」というのを上海の日本館で行っております。この時には約2万人の方が訪れておりまして、またその運営に当たりましては、中国側の学生のボランティアの方も手伝っていただくというふうなことで、そういうかかわりを持った学生の方は、こういうすばらしい話があったということで認知度を深めていると聞き及んでおります。ただ、多くの中国の方、特に若い方が知っているかと言われれば、まだまだ浸透していないというのが現状じゃないかと思っております。一方では、私どもが「孫文・梅屋庄吉と長崎」プロジェクトを進めていく中にあって、その周知の一環として、いろんな共同の記者発表とか、プロモーション事業とかをやっております。その結果が必ず中国のインターネットに乗るような形です。この件数が数百件に上っておりますので、徐々にではございますけれども、認知度は高まっているのかなと考えております。
それから、日本の若者の方ですけれども、今、長崎歴史文化博物館で企画展を行っております。入館者の動向を見ますと、やはり年配の方が多いということはあると思います。ただ、若い方でも、来ていただきまして、こういった歴史的な事実、中国と日本の友好関係、今日にもつながるような関係が100年前にあったというような事実を知りますと、やはり新しい感慨を持って認知を深めていただいているというふうなことでございます。
まだこれからの課題だと思いますので、この点についてはしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
◆前田委員 私は、孫文と梅屋庄吉にスポットを当てて日中、特に、長崎との友好というか、そういう歴史を伝えていくというのは大事な作業だと思います。しかし、これは一つには、ただ単にそういう歴史を伝えるだけじゃなくて、そのことによって人の交流をさせるという意味では、ある意味、例えが悪いかもしれませんけれども、企画商品だと思っているんですよ。そう考えた時に、孫文と梅屋庄吉がそもそも、日本というよりも長崎県内で置きかえてもらっていいと私は思うんだけれども、どれぐらい認知されているのかというのは、この事業を進めていく中では、どこかでしっかりした数字をつかむべきだと私は思うんです。漠として長崎歴史文化博物館の特別展に年配の方が多い傾向があるとかいうことではなくて、いろんな世代、地区によって違ってくると思うけれども、私は、そこを押さえていかなければまずいのかなという気がしています。そういう意味において、孫文と梅屋庄吉という、私は商品に例えて言いましたけれども、この商品というのは来年度までですか、それとも、これから先ずっと商品として生き続けていくんですか。そこの認識を確認させてください。
◎宮崎文化振興課長 2点目の点からお答えさせていただきます。孫文と梅屋庄吉のプロジェクトにつきましては、昨年から始めてまいりまして、この成果といたしましては、一つの面では、中国の湖北省あるいは香港、それから広東の方で、これをきっかけにして、文化交流にとどまらず、いろんな分野での交流につながっていく、その端緒となったと考えております。したがいまして、これは一過性に終わらせるのではなく、来年以降も発信事業というのは着実に進めていって、他の交流に発展できるような下地をつくってまいるのが一つの責務かと考えてございます。
それから、きちんと認知度についての把握をということでございました。ご指摘のとおりだと考えます。今、長崎歴史文化博物館でもアンケートをとっておりますので、こういったものも分析しながら、どこの年代層が弱いのかというのがわかりますので、こちらに対するアプローチも進めてまいりたいと考えてございます。今、私どもの取組としては、若年層、若い方、学生さん、こういった方には今後の日本、長崎の発展を考える上で、ぜひ知ってもらいたいという認識を持っておりますけれども、逆に余り知られていないということがございますので、いろいろ教育委員会ともご相談させていただきながら、あるいは大学等々にもお願いして、できるだけ知っていただくような努力を進めてまいりたいと考えております。
◆前田委員 歴史的な位置づけというのは誰が見ても変わることはないからいいと思うんだけれども、プロジェクトという中で、これを何かの活性化に使うということであれば、そもそもの、商品と言ったら失礼ですけれども、孫文と梅屋庄吉がそういう企画商品としての価値があるのかどうかというのは、私は、どこかできちんと判断、見てもらわなければいけないと思っております。
そうする中で、今言ったように、長崎歴史文化博物館を訪ねてきた人のアンケートでは、私は正確な数値はつかめないと思うので、こと長崎市内に関して言えば、梅屋庄吉はほとんどまだ知られていませんよ。名前は聞いたことあると思うけれども、どんな人かというところまで知っている方というのはまだまだ少ないと思います。そういう意味では、発信事業に力を入れてほしいと思うんですけれども、構えとして、一過性でないということであるならば、特別展以降の孫文と梅屋庄吉をどう伝えていくかという話の中では、そこまで見据えているんだったら、私は、きちんとした展示するような単独の施設も要るんじゃないかなと思うのですが、そういう検討は何かされているんですか。
◎坂越文化観光物産局長 商品というお言葉がありましたけれども、「孫文・梅屋庄吉と長崎」プロジェクトは今後も重要なプロジェクトだと考えております。中国の若い世代の認知度はまだまだかもしれませんけれども、今後、そこは努めてまいりますが、政府関係者とかメディアからは非常に高く評価されておりまして、本県がたくさん報道される根拠ともなっておりますので、長崎ブランドを確立するために非常に重要だと思っています。来年度以降も事業を継続していくことが重要だと思っていまして、具体的には、例えば、今、三人像の話で補正予算をお願いしておりますけれども、三人像を観光スポットの一つとして、上海航路とかクルーズで中国人の方がたくさん来られる時に寄っていただくとか、それから先般も、コスタクルーズの乗客の人に孫文・梅屋展に10月10日に600人程度行っていただいて、大変感動していただきましたけれども、そういうような取組を今後も続けるとか、今ご提案がありました特別企画展を一過性のものにせずに、常設展のような形で何らかのことがやっていけないのかということにつきましても、長崎市としっかりと検討してまいりたいと考えています。
それから、10月1日に、中国の孫文関係の歴史資料館の方々と館長会議を開きまして、こういう会議を次年度以降も何らかの形で継続していきたいということを長崎アピールということで採択しておりますので、それにつきましても今後継続してまいりたいと考えております。
また、認知度を上げる取組としましては、9月定例県議会でご採択いただきました、教科書に載せていくという取組をやっていくべきというご決議をいただいておりますので、その点につきましても、先般、出版社とかを回っておりまして、好意的な感触を得ておりますので、力を入れていきたいと考えています。
◆前田委員 教科書はともかく、さっきおっしゃったような副読本的なもので結構だから、まず長崎の子どもたちからきちんとそういう歴史を知ってもらうという意味では、早急に教育委員会と連携をとっていただいて、そういう事業を展開してほしいと思うのと、一過性のものでなくて、これが長崎の大きな財産ということで活用させてもらうということであるならば、この像を松が枝にもし建てるということになれば、やはりあのターミナルの中とか、その近くで、きちんと、いつでも見られるようなものを私はつくるべきだと思っていますし、もうその検討に入る時期だということを要望として、意見とさせていただきます。
以上です。
◆溝口委員 今の関連です。孫文と梅屋庄吉の問題ですけれども、先ほど前田委員からも申されましたように、ある程度、その場所というか、常設関係も考えてということを答えたと思うんですけれども、その場所の選定を、ある程度絞った形での検討委員会に入っていかないといけないんじゃないかと私は思うんです。例えば、今回は長崎歴史文化博物館でしたけれども、長崎県美術館もあるし、ある程度絞った形でその設置場所を考えていった方がいいんじゃないかと私は思うんですけれども、その考え方ははっきり持っているんですか。
◎宮崎文化振興課長 三人像の設置箇所についてのお尋ねでございます。委員ご指摘のとおり、これから恒久的に設置しまして、皆さんに見ていただくことになりますので、そういう趣旨を踏まえまして、どういう場所が一番適切であるかというのを行政サイドだけではなく、民間のまちづくりとか、そういった方のご意見も伺いながら絞っていきたいと考えております。そういう観点から、10月14日に三人像の設置場所検討委員会を立ち上げまして、10月25日に第1回を開催しまして、長崎市内でございますけれども、ゆかりの地中心に、12箇所程度に絞り、それについてのメリットとか、デメリットとか、そういった意見をいただきました。そして、そのうち5箇所ぐらいに絞りまして現地を調査いたしております。松が枝のふ頭、新地の広場とか、5箇所候補に挙げまして、そこを実際、委員の方も歩いていただいております。そして、11月25日に2回目の検討委員会を開催したわけでございますけれども、委員の方からは、おおむね松が枝ふ頭がいいんじゃないかと。松が枝のエリアにつきましては、ご案内のとおり、年明けてから上海航路が本格就航になってまいりますので、こちらの方にいろんな人の流れができる、中国からも人がお見えになるというふうな条件がございます。それから、港は景観上も割とゆったりしたスペースでございますので、こういったもろもろの点から、委員さんは、おおむね松が枝のエリアということで一致をいただいているところでございます。したがいまして、近く検討委員会から提言をいただく予定になっておりますけれども、松が枝ということでいただくのではないかと考えております。この地区につきましては、環長崎港地域のアーバンデザインをチェックする機関がございますので、こちらの方とも相談する必要はございますけれども、おおむね松が枝地区ということになるのではないかと考えております。
◆溝口委員 松が枝ふ頭ということでございますけれども、私はそれはそれで構わないと思うんです。ただ、設置場所が、多分、室内にするのではないかと思うんですけれども、外にするか、室内にするか、そのことによって違うと思うんですけれども、孫文と梅屋庄吉のいろんなDVD、そしてまたいろんな資料も展覧できるような形のものが要るんじゃないかと思うんです。ただこの像を設置するだけでは、見に来た人たちは「これは何だろうか」と思って、ちょっと説明書を見るだけでは、私は広まっていかないと思うんです。そこに飾る時には、祝賀会で見ましたDVD、ああいうものがやはり要るんじゃないかと思うんです。あれを見たら、私たちも「ああ、こういうことがあったんだな」と理解ができたんですけれども、そのことについては何か考えているんですか。
◎宮崎文化振興課長 ご指摘がございました像とDVD等々の内容について、どういうふうに説明していくのかということでございますけれども、像につきましては、今のところ、松が枝エリアのおそらく野外になろうかと思います。この像には、きちんと中国語と日本語の銘を入れます。簡潔な説明を入れて、どういう意義があるんだというふうなものは像の中に入れ込みたいと考えております。それから、もっと内容をきちんとお伝えしていくためには、ご案内のとおり、DVDとかパネル、そういった説明も必要になってこようかと思います。この点につきましては、孫文と梅屋庄吉の資料とか研究成果というのをどういうふうに常設していくかと、そういう在り方の検討会を近く立ち上げるようにしておりまして、この中で検討しまして、像とも関連づけながら、有機的に考えてまいりたいと考えております。
◆溝口委員 わかりました。
ただ、松が枝ふ頭ということは、船で中国人とか、いろいろな外国の人たちが来るのを想定してやっていると思うんですけれども、先ほどの前田委員の考え方としては、まず日本全国に知らしめて観光客を呼ぶ宣伝というのが要るということで、副読本にでもと言ったと思うんですけれども、そのようなことを考える時に、バスとか、駐車場のスペースをかなりとっていかないといけないんじゃないかと思うんですけれども、その辺についてはどのように考えていますか。
◎宮崎文化振興課長 松が枝地区に設置する場合は、まず中国から来た方々の動線がどうなっているか、それから長崎市民の方がどういうふうな形でこの地域においでになるか等々、そういったものを考える必要があろうかと思います。それから、駐車場につきましても、今、上海航路の本格就航に備えまして、この地域の仮設ターミナルとか、そういう話も出ておりますので、そういった中で一体的に、十分協議しながら考えていって、全国に発信できるような一つのモニュメントにしたいと考えております。三人像、孫文と梅屋夫妻像、こういう像が贈られたというのは、もちろん言うまでもなく日本でも初めてのことでございます。また、歴史上も大きな背景がございますので、この点は長崎の一つのシンボルとなるように、交流人口の拡大につながるように、そういったものも視野に入れながら、きちんとした設置を考えていきたいと考えております。
◆江口委員 関連ですけれども、私も先ほどの前田委員のように、梅屋庄吉なるものがどこまで認知されているかということは非常に疑問がありまして、私も今度上海に行きまして、復路、乗ってきたんですけれども、我々が乗ったバスのガイドさんさえ知らないのですよ。何の目的で我々が今度行ったかというのは、上海の紹興公園の梅屋庄吉像の除幕式というのは大きなメーンのイベントだったんですけれども、そのことを含めて行きました。我々を担当してもらったバスの中国の地元のガイドさんですよ。男の人ですけれども、バスに乗って聞いたんですよ。「孫文を知っているか」と。「知っている」と。「梅屋庄吉を知っているか」と。聞いたにもかかわらず、全然問題をはぐらかして違う話を始めるんですよね。この人は全然知らないと思いましたね。そのことで行ったにもかかわらず、そして担当したバスのガイドが梅屋庄吉なる人物を知らないわけだからですね。だから、一部で盛り上がっても、どこまでこの話が浸透していっているかということは非常に大事なことで、私も全く知りませんでした。昨年から、藤井副知事がこのことに徹底して取り組んで、このことをずっとやりながら、ここまで来たのではないかと思っています。私は、藤井副知事が別名藤井庄吉と言われてもいいような、藤井副知事が梅屋庄吉、梅屋といえば藤井副知事というぐらいに、藤井副知事が本当に一生懸命やって、こうなったんじゃないかなと思うぐらいあるんですよ。
私は、そういうことを含めて、この前、ジャッキー・チェン主演の「1911」という映画を見に行きました。梅屋庄吉が孫文をお金の面で、辛亥革命であれだけやった人をわきから本当に支えてやったという、それだけ宣伝、PRを今しているのですが、その映画の中にどこか登場するのかなと思って期待をしながら観ておりました。皆さん、観た方はおられますか。私は、字幕はスーパーが出てくるものですから、ずっと観ておったんですけれども、余りそういう場面はなかった。
だから要するに、我々のサイドでは、ここでは梅屋庄吉がそれだけ辛亥革命の中心的人物だった孫文を、梅屋庄吉がいなかったら、この革命は本当にできておったのかと言われるぐらいに今、話は盛り上がりがあるんですけれども、その割には、梅屋庄吉なるものが、どこまで知られているかなと思うと、非常に疑問があります。だから、梅屋庄吉については、どこまでこの話をしていくのか、そして、まず県民にどこまで知ってもらうかということは大事なことですから、先ほどの話のように、どれだけの認知度があるかということを一回確かめないといけないと思っています。このことについては、上海に行って、バスガイドさえ知らないわけだから、これは大事と思いましたよ。このガイドは話をはぐらかして、違う話をしているといって、みんなびっくりしたんですよ。そのことだけが今、印象に残っていますけれども、本来ならば、我々の車を担当するバスガイドであれば、普通、知らなくても、にわか仕込みでいいから、そのぐらいのことは知った上でガイドになってもらいたいなという気持ちはありましたけれども、そのガイドは正直だったというか、知らないとは言わなかったけれども、知らないことをごまかしながら違う話をしたということはちょっといかんなと思いました。だから、あえて一言言っておきたいと思いまして、この意見を言っています。
とにかく、梅屋庄吉については一部の人しか知りませんよ。だから、せっかくここまで盛り上げてやっていることであれば、少なくとも、長崎市内、また県民の人たちがこのことについては、名前を聞いたけれども、この人物はこういう役目をした人だということがわかるぐらいのことはせめてやっていただきたい。改めて文化観光物産局長から答弁を求めます。
◎坂越文化観光物産局長 県内の認知度については、「孫文と梅屋庄吉」発信プロジェクト推進協議会をつくっておりまして、県内の各種団体、民間の団体に入っていただいて、みんなでPRしていこうという取組を1年前からやっておりまして、例えば、新聞社、テレビ局とかは、連載物で今までも何度も報道していただきました。それから、民間の銀行でもロビーで展示会をやったりとか、それぞれの企業さんで相当努力していただいて、若者にはまだ認知度はいま一のところはあるのかもしれないんですけれども、この1年間で、相当浸透したのではないかと思っておりますけれども、数字で把握することが重要というご指摘はもっともだと思いますので、何らかの方法を工夫して、認知度がどれくらいあるのかというのを把握していきたいと思いますし、認知度を高める取組を引き続きやっていきたいと思います。
◆江口委員 私は上海の船の中でも同じ話をしたじゃないですか。文化観光物産局長、あなたたちは孫文また梅屋庄吉については、かなり人に知れ渡っているような錯覚をしているんじゃないかと、だけれども、これは全く知られていないよと、だからこれは必ず、どういう形でもいいから、もっともっと県民に浸透してもらうようなことをやらないといけないよという話をしたんですけれども、そういうことも含めて、だんだんこのことが県民の皆さんに知られてきたなということが実感としてわかるように取り組んでいただきたいと思います。
◎宮崎文化振興課長 まだ事業が始まって2年目でございまして、言いわけではございませんけれども、しっかり取り組んでいきたいと思っております。そのための仕掛けというわけではございませんけれども、展覧会を中国の方に見ていただきたいということで、かなり政府の方にもアプローチいたしました。そういった地位にある中国の要人の方に来ていただきまして、だんだんそれが浸透しておりまして、今、長崎に見に来るというのが一つのステータスじゃございませんけれども、大きな話題になっていると聞いております。ただ、それが一般の国民の方にどうなのかと言われますと、ご指摘のとおり、まだ浸透されていない面もあると考えております。ただ、先月から今月にかけまして、北京市のユネスコの校長先生の集まりの会、武漢の外国語の中学校の団体、天津市の学校教育関係の方々、それから江蘇省の方も今、お見えになっております。それから、山東省の教育関係の方が約10名前後お見えになっております。この方は教育界の核の方でございますので、こういう方が孫文と梅屋庄吉の関係をしっかりご理解いただければ、中国に帰って、今後の中国側からの修学旅行にも組み入れていただけるんじゃないかと考えております。そういった動きが実際見られております。それに呼応しまして、こちらの方も、アウトバウンドの方も当然やっていく必要はあろうかと考えております。そういったことで若者に対してはまた一層努力しまして、周知を図ってまいりたいと考えております。
◆江口委員 とにかく、まず長崎県民にこのことを幅広く理解をしていただくと、そして浸透していただくということは徹底してやっていただきたいと思います。今年は辛亥革命100年、来年は日中国交正常化40周年ということで、また長崎県と福建省との30周年ということもありますし、今年の辛亥革命100年と梅屋庄吉の問題も含めて、来年はそういうことでまたずっと続いていくでしょうから、今、始まったばっかりと、そんなことを言わないで、本来ならば、始める前にこのことはずっとやらなければならない問題だと思いますよ。だから、そのあたりは皆さんたちが中心軸におって、かなり浸透しているぐらい思って、そういう錯覚だけはやめていただきたいと思っています。常に反復作業しながら、どの程度わかってもらっているのか、またあの有名な「君は兵を挙げよ」とか、ああいう文句があって、梅屋庄吉がいなかったら本当に辛亥革命はできたのかということまで迫っていくならば、やっぱりそのことを言いながら、片や、全く知られていないということになると、余り落差がひど過ぎるんじゃないかと思います。だから、ぜひこれは徹底してやっていただきたいということを最後に要望しておきたいと思います。よろしくお願いします。
◆楠委員 関連。まず、三人像の設置場所は大体あそこだろうなと私はわかっているんですよ。というのは、長崎にいる時は毎日朝から歩きますから、松が枝エリアはわかりますから。そうすると、立派な公園ができています。海が見えます。そして長崎の町が見えます。多分ここだろうなと私は思いながら、この議案を見ておりました。立派な公園ができているあそこは最適の場所だと私は思っているんですけれども、文化振興課長、私の気持ちと大体一致しますか。
◎宮崎文化振興課長 委員のお気持ちは私も大体共感していると思っております。
◆楠委員 わかりました。多分あそこですよ。今日は場所はまだ言えないのでしょう。言えるのなら言ってください。
◎深堀文化観光物産局次長 設置場所に関する委員会の方からは、エリアの単位で設置場所をご提言いただくことになっております。おおむねその意見としては、松が枝エリアとなっております。松が枝エリアの中でどこにするかということに関しましては、都心臨海部の都市デザインについては、アーバンデザインの専門家のご意見をお伺いしながら調整をしなければいけないということで、今、ご意見を伺っている最中でございますけれども、おおむね、現在の松が枝のターミナルの北側に新たなターミナルができることになりますけれども、そこの道路側が出入り口になると思いますから、そのあたりに設置することになるのではないかと思います。アーバンデザイン専門家会議の全員にまだお聞きしているわけではございませんけれども、今まで意見をお伺いした範囲では、そこが中国の方々が乗降する時にご覧いただける場所なので、そこが適当ではないかというご意見をいただいております。
◆楠委員 どうも違ってきたみたいです。松が枝エリアの中に大浦警察署がありますよね。大浦警察署も含めたアーバンデザインを考えるべきじゃないかなと私は思うんです。
それと、先ほどの設置場所の関係ですけれども、これは今、場所はずばりは言えないでしょうけれども、一番いい場所にしてほしいなと要望しておきたいと思います。
先ほどからずっと議論されておりますように、梅屋庄吉さんがなかなか県民には知られていない。島原方面でも梅屋庄吉さんという方は知りませんよ。辛亥革命の本当に重要な役目を果たした方がまだ知られていない。残念ながら、荒尾の同じ革命の同志であった宮崎滔天さんは、市民ぐるみで非常に盛り上がっているということもお聞きしておりまして、そういうことからしても、梅屋庄吉さんは今からだと思っておりますけれども、ぜひ頑張っていただきたいと思うんです。
私は、辛亥革命というものがどういう革命であったのか、歴史的にどういうふうに評価されておったのか、そういうところもきちっと県民に知らせてほしいと思うんです。というのは、辛亥革命というのは、清朝を打ち倒して今の中国政府の基礎をつくった、いわゆる民主主義の基礎をつくった革命ですから、日本で言うと、ちょうど江戸幕府が倒れて明治維新になった、あの時代のことを思い浮かべると、それに匹敵するようなことじゃないかなと私は思っているんですけれども、県議会で、学校教育の中にも、子どもたちに梅屋庄吉というものをぜひこの機会に歴史の中でひとつ学ぶために取り入れてほしいということも意見書で採択しましたよね。そういうことからして、辛亥革命というものが日本における明治維新的な世の中が移り変わる大きな出来事だったんだということの歴史的なものを私は県民に広く知ってもらう必要があるのではないか、それだけ大事な世の中の移り変わりの中で梅屋庄吉が大きな役割を果たしたんだと、そこの意義が今一、漠然としているんじゃないかなと。今回、「1911」、映画を観に行こうかなと思っていたら、いつの間にか終わっておったわけですけれども、皆さんもほとんど観ていらっしゃらないんですよね。だから、辛亥革命が歴史的にどういうものであったのか、私は、そういうことをまず知らせるべきだと思いますし、孫文も、そして東南アジア諸国も東アジア諸国も、特に、その国の封建社会を打ち破って、より民主的な社会をつくっていこうということを明治維新のあの政府に多く学ぼうということで、多くの外国人が勉強のために日本に来たんです。だから、そういう歴史的なことをぜひ私は県民に、特に、意見書でも採択したように、学校教育の場でも教えるべきだと思っているんですが、その辺はどうでしょうか。
◎宮崎文化振興課長 数点ご指摘をいただきました。
教育の中でもしっかり教えていくべきじゃないかという点でございます。今、教育委員会の方で中学校の副読本をつくっておられまして、その中の資料のページですが、見開きで2ページに梅屋庄吉の人物の紹介をしていただいておりまして、今のところ、こういう形で触れるようにしております。それから、将来的には、文化観光物産局長が申しましたように、教科書にも掲載していただくように取り組んでまいりたいと考えております。
それから、雲仙、島原半島の方とかは余り知らないというご指摘でございます。その辺は我々、努力すべきでございますけれども、雲仙につきましては、辛亥革命のころに、上海からの航路も使ったんですけれども、多くの中国の方が亡命で長崎に来ておりまして、260とかそういう数も言われておりますけれども、その方が雲仙の方に避暑に行っております。蒋介石もそうでございます。そういう中で、実は、大変な人物が島原半島に行っているわけでございまして、そこでゴルフとか、温泉、ダンスとか、そういうものが今の音楽祭なんかにもつながっておりますけれども、そういう種をまいていった事実がございます。こういった話はもっともっとPRすべきかなと考えております。それから、映画につきましても、江口委員からもございましたけれども、ジャッキー・チェンは黄興という役で、孫文がプランナーということであれば、黄興は実務派ということで、実際戦ったわけでございますが、その黄興につきましても長崎に来ております。これも試写会の時に、小坂文乃さんが最初、15分ぐらいスピーチをされました。その試写会を観てみますと、若い方が結構来ておりました。その前で小坂さんは、梅屋庄吉は出てきませんけれども、黄興というのは長崎に来ているんですよ、そこである程度、滞在したんですよというふうなことも紹介されておりました。この点については若い方もご理解していただいたのかなと考えております。
それから、市民レベルの取組という意味では、荒尾市の取組がやっぱり進んでおります。宮崎滔天は有名でございます。先月、シンポジウムがありましたので私も行ってまいりました。市民の方からの作文コンクールを開いたりとか、そういった市民を挙げての取組があります。こういった面も見習って進めていかなければいけないと考えております。
それから、辛亥革命の評価についてでございますけれども、これは歴史上の大きな事件というのは言うまでもございません。一般的に言われておりますのは、2,000年以上続いた封建制度の打開と、最近、新聞なんかをよく見てみますと、国家主席も、これに加えまして、西洋からの抑圧の打破と、そういうふうなことも込められているようでございます。中国の公式見解としても、中国の方も、革命を引き継いで今の政権があるんだというふうなことも公式の場で申されているというところでございます。かかる意味で、梅屋庄吉がそれに大きくかかわったというのは本当に大きなことでございますので、自信を持って、着実にプロジェクトを推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○山口分科会長 暫時休憩いたします。
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−午前11時9分 休憩−
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−午前11時10分 再開−
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○山口分科会長 分科会を再開いたします。
ほかに、質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山口分科会長 ほかに、質疑がないようですので、これをもって質疑を終了いたします。
次に、討論に入ります。
討論はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山口分科会長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
予算議案に対する質疑、討論を終了しましたので、採決いたします。
第116号議案のうち関係部分及び第145号議案のうち関係部分について、原案のとおり可決することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山口分科会長 ご異議なしと認めます。
よって、予算議案は、原案のとおり可決すべきものと決定されました。
○山口委員長 次に、委員会による審査を行います。
議案を議題といたします。
企画振興部長より総括説明をお願いいたします。
◎永川企画振興部長 企画振興部関係の議案についてご説明いたします。
総務委員会関係議案説明資料(追加修正版)の企画振興部をお開きください。
今回、ご審議をお願いいたしますものは、第122号議案「長崎県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例」のうち関係部分、第129号議案「公の施設の指定管理者の指定について」、第130号議案「公の施設の指定管理者の指定について」であります。
内容については、記載のとおりであります。
次に、議案以外の主な所管事項についてご明いたします。
今回ご報告いたしますのは、長崎〜上海航路について、長崎県と中国との交流について、第20回日韓海峡沿岸県市道交流知事会議について、新アジア軸構築プロジェクトについて、九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)について、離島振興対策について、「がんばらんば長崎」地域づくり支援事業について、「元気!ながさき」地域・コミュニティ応援事業について、施策評価の実施について、事務事業評価の実施について、平成24年度の重点施策についてで、内容については記載のとおりであります。
また、「長崎〜上海航路」11月就航第1便の結果について、「しまは日本の宝」戦略、平成23年度施策評価(事後評価)の概要について及び平成23年度継続事業の途中評価及び終了事業の事後の評価について、補足説明資料を配付させていただいております。
以上をもちまして、企画振興部関係の説明を終わります。
よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
○山口委員長 ありがとうございました。
次に、文化観光物産局長より総括説明をお願いいたします。
◎坂越文化観光物産局長 予算議案の関係を除く文化観光物産局関係の議案はございません。
文化観光物産局関係の主な所管事項についてご説明いたします。
総務委員会関係議案説明資料(追加修正版)の文化観光物産局をお開きください。
今回、ご報告いたしますのは、平成24年度の重点施策、アジア・国際戦略の推進について、「孫文・梅屋庄吉と長崎」の取組について、文化の振興について、世界遺産登録を目指した取組について、観光の振興について、亜熱帯植物園のあり方検討について、県産品のブランド化と販路拡大について、施策評価の実施について、事務事業評価の実施についてで、内容については記載のとおりでございます。
また、平成24年度長崎県アジア・国際戦略の取組(案)、長崎〜上海航路就航記念便(2011.11.3〜6)乗船者アンケート調査結果中国人メディア・旅行社乗船者分、平成23年度施策評価(事後評価)の概要について及び平成23年度継続事業の途中評価及び終了事業の事後評価について、補足説明資料を配付させていただいております。
以上をもちまして、文化観光物産局関係の説明を終わります。
よろしくご審議賜りますようお願いいたします。
○山口委員長 以上で、説明が終わりましたので、これより各議案について、一括して質疑を行います。
質疑はありませんか。
◆楠委員 第129号議案についてお尋ねしたいと思うのですが、雲仙岳災害記念館条例及び土石流災害家屋保存公園条例の指定管理者を新たにまた指定しようということですね。この議案について、今回また新たに雲仙岳災害記念財団と、土石流被災家屋保存公園については南島原市ということでありますけれども、経過があって、二つの施設については、特に雲仙・普賢岳災害から島原、深江、そして島原半島が立ち直るための大きな施策としてできた雲仙岳災害記念館及び土石流被災家屋保存公園でありますけれども、この雲仙岳災害記念館及び土石流被災家屋保存公園の入館については、今どのような状況になっておりますか、お尋ねいたしたいと思います。
◎松尾地域振興課長 入館状況についてでございますけれども、まず雲仙岳災害記念館の方でございます。過去3年を申し上げます。平成20年度が15万9,000人、平成21年度が15万8,000人、それから平成22年度が14万2,000人でございます。無料でも入ることができますので、その分の数字はまた別にございますけれども、今申し上げましたのは有料ゾーンの入館者でございます。それから、土石流被災家屋保存公園でございますけれども、こちらの方は無料施設でございますので、正確な来訪者の数は把握していないんですけれども、隣接しております、みずなし本陣の来訪者の方がそのまま見ていただくと仮定いたしますと、年間約50万人の方と考えております。
以上でございます。
◆楠委員 目標からすると、かなり減っているんじゃないかなと私は思っているんですが、雲仙岳災害記念館については、特に、雲仙・普賢岳災害の立ち直るシンボルとしてのこの記念館でありますから、繰り返し、修学旅行はもちろんですけれども、リピーター客として、全国はもちろんですけれども、福岡方面からのお客さんにぜひ来ていただきたいという思いの中でずっと取組がされているんですが、残念ながら、横ばいないし少なくなっているというような状況でありますね。このお客さんを増やす工夫というのはいろいろされていると思うんですけれども、来年はジオパーク国際ユネスコ会議があるし、また和牛能力共進会サブ会場として島原が予定されているわけです。そして、あと3年後には長崎国体が実施をされるわけですけれども、すぐそばにサッカーの国体会場があります。あるいはレスリング、男子バレーがあるわけですけれども、そういった大きなイベントを控えているんですが、お客さんを増やす努力というのは、どのようにされておりますでしょうか。
◎松尾地域振興課長 ご指摘のように、年々下がってきている状況でございます。今年は、雲仙岳噴火災害の20周年ということで、これは今年の4月から来年3月までなんですけれども、入館料を半額にしております。その効果は出ておりまして、今のところ、年間16万人は達成できるのではないかと考えております。ですから、料金設定の問題を検討する必要があるということが一つあるんじゃないかと思っています。それから、ご指摘ありましたように、修学旅行の子どもさんたちに対して、噴火災害のいろんな教訓とか、災害に関する情報、そこをお伝えするというのも非常に重要な役目だと思っておりますので、今年は展示施設のリニューアルを行っております。具体的には、サイエンスステージというものを設けまして、そこで簡単な実験をして、土石流の発生の仕組みとかを実際の模型を使って子どもたちに教えながら、発生のメカニズム等について興味を持っていただくという取組をいたしております。そのほか、来年、ジオパークの世界大会がございますけれども、雲仙岳災害記念館の無料ゾーンのところに、ジオに関する情報展示を設けるという改修を今行っているところでございます。こういった改修費につきましては、実は雲仙岳災害記念財団の方がもともと義援金の配分の残りをちょうだいいたしておりますので、その財団の設置目的も、全国への感謝と雲仙普賢岳の災害の脅威を伝承するということでございますので、その中で、財団の基金を取り崩して、今申し上げたような展示物のリニューアルをやっている状況でございます。こういったことで、特に、修学旅行の子どもさんたちを中心に、今後は入館者の増加を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
◆楠委員 雲仙岳災害記念財団及び土石流被災家屋保存公園、土石流被災家屋保存公園というのは県が直接所有する公園ですよね。経過はあるんですけれども、それぞれ今までの指定管理者にそのまま指定させようというふうなことですけれども、他のからの応募、「私もしてみたいんだが」というふうな団体等はなかったのでしょうか。経過をお知らせください。
◎松尾地域振興課長 今回、その2つの施設とも非公募で選定をさせていただくことについてご説明差し上げます。まず一つは、雲仙岳災害記念館の運営でございますが、入館料だけでは実はここは毎年の運営費が賄えませんで、3,000万円程度埋める必要がございます。その埋めるお金が雲仙岳災害記念財団が先ほど申し上げました義援金の残を今26億円ぐらい持っておりまして、それを運用した果実をここに補てんをしている状況でございます。しかも、先ほどご説明いたしたように、リニューアルについても、噴火災害を伝承するためということで、今年は財団が自ら基金を取り崩してリニューアルを行っております。そういったことがございますので、県の方の負担金は、実は、全くゼロでございまして、まさに財団の運営の中で、経費も含めて負担が出されているといった状況でございます。ですから、こういった施設でございますので、公募しても、そういった形で運営費に対する負担でありますとか、あるいはリニューアルとか、そういうふうなところを負担するところはおそらくないだろうと考えておりまして、これは発足以来、雲仙岳災害記念財団にお願いをいたしております。
土石流被災家屋保存公園の方でございますけれども、これは無料施設でございまして、土石流で埋まった家屋を展示しているものでございまして、特に収益力というのは全然なくて、こちらの方は年間150万円から200万円お金を出しております。余った分については、これは清算で交付しておりません。そういった施設でございまして、南島原市が隣の道の駅、それからふれあい公園、これは南島原市の所有する施設でございますけれども、そこと一体的に管理をしておりますので、実際ここにかかる経費は非常に少なくて済むといったことがございます。それから、この施設につきましても大野木場小学校のみらい館とか、そういったところとあわせて、南島原市としても、災害の伝承という非常に大きな位置づけを与えておりますので、これも市の施策とほとんど一体的になっていると判断いたしまして、非公募にさせていただいております。
以上でございます。
◆楠委員 わかりました。
この二つの指定管理者を指定することについては異議はないんですけれども、より入館者が、あるいは土石流被災家屋保存公園についてはお客さんが増えるように、指定管理者としてもより努力をしていただきたいし、そのバックアップを県としてもぜひお願いをしたいと思います。もう20年になりますけれども、噴火災害で全国の皆さんからの多額の義援金が今、本当にありがたいことに、その運営に大きく寄与されているということをお聞きすればなおさら、この二つの施設の運営をより効果あらしめてもらいたいし、一つは、大きな伝承施設、言い伝えをする、災害を忘れない、こういったことでの大きな取組と思いますので、ぜひ効果あらしめるように希望しまして、終わりたいと思います。
◆江口委員 私も確認だけさせていただきたいと思いますが、この雲仙岳災害記念財団の体制はどうなっていますか。
◎松尾地域振興課長 雲仙岳災害記念財団は、理事長が島原市長です。そして、そのほかは半島内の商工業者の経営者の皆様方に理事になっていただいております。半島内の商工会とか、そういった民間の方になっていただいております。県の方は、島原振興局長が理事の1人に入っております。
◆江口委員 運営については、義援金の基金の中から、利息というか、運用益の中から運営費に充てる形で、リニューアルについては基金の取り崩しでやっているということですか。
◎松尾地域振興課長 毎年の運営経費につきましては3,000万円ほど不足をいたします。義援金で造成されております運用財産と基本財産が27億円ございますので、その運用益でその3,000万円については賄っております。それから、リニューアルにつきましては、それだけでは足りませんので、そのリニューアル分と、今年、入館料を半額にしておりますので、その減収分が新たに出てまいります。それを合わせた約1億円をその27億円から崩して今年は使わせていただいております。
◆友田委員 私も第129号と第130号について少し確認をしたいのですが、先ほど、選定方法については、非公募で選定をしたと、その理由についても説明がありましたので理解をするところですが、手続の在り方として、それぞれの候補者の方が「引き続き、平成24年度から3年間についても私たちがやりますよ」という申請なりがあって、こういった手続が動いているのか、そのあたりについて教えていただけますか。
◎松尾地域振興課長 これは当該団体の方から申し出がございました。客観性を担保するために、外部の審査委員会を開催いたしまして、そこで審査もしていただきまして、両団体とも継続して指定管理者になることについて妥当だというふうな判定もいただいてございます。
○山口委員長 ほかに、質疑はございませんか。
◆溝口委員 第122号議案なんですけれども、法律の改正によって、事務の削減ということになっているわけですけれども、3番目に、あらたに生じた土地の確認に係る届出の受理に関することとなっているんですけれども、今回新しく南島原市が移譲されているようですけれども、ほかの市町は、もうそれぞれ移譲しているんですか。
◎松尾地域振興課長 横長の1ページの下の方に米印で書かせていただいておりますけれども、新たに生じた土地の確認につきましては、今まで長崎市、島原市以下5市1町に移譲しております。今回、これに南島原市が加わるということでございます。
◆溝口委員 他の市町については移譲をされていないようですけれども、いろいろなそれぞれの市町の都合というか、そこら辺は事情があるわけですか。
◎松尾地域振興課長 実は、この事務というのが21市町で年間で34件でございます。したがいまして、各市町ごとで申し上げますと1件ないし2件、もしかしたら何年かに一度しかないところもあるものですから、このあたりで、私どもとしては、できるだけ権限移譲で受けていただきたいということはお伝えしておりますけれども、数年に一度の事務であった場合、わざわざ受けなくてもいいのかなと思われるところもあるんじゃないかと思います。その中で、今申し上げました5市1町と南島原市については、これは移譲いたします処理の期間が、県に届け出を出す期間が省かれますから、1月ぐらい処理が早くなります。ですから、そういった早さを優先して、権限移譲してくれと言ってくださるところが今のところ、5市1町プラス南島原市ということでございます。私どもとしては、できるだけ移譲をさせていただきたいと考えてございます。
◆溝口委員 法律の改正によって事務移譲していくことになっていると思うんですけれども、その辺については県は各市町に強制的にと言ったらおかしいですけれども、それは移譲しなくてもいいんですか。
◎松尾地域振興課長 すみません、この横長の表現が縮めて書いているものですから、わかりにくいんですけれども、今ご指摘がありましたように、地域主権改革一括法が今度成立をいたしまして、それまで県の事務とされていたものが初めから市町村の事務になるといったものがございます。今、溝口委員がおっしゃったように、横長の@とAが地域主権改革一括法の関係でございまして、これは移譲というか、初めから固有の事務として市町の方に移ります。したがいまして、今まで権限移譲の対象でございましたけれども、その項目から外すといったものが@とAでございます。
BとCにつきましては、今回の地域主権改革一括法の中には載っておりません。ですから、これについては今までと全く同様でございまして、知事の事務で残っております。ですから、これについては希望する市町に対して、県の条例で移譲していくといったものでございます。
○山口委員長 ほかに、質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 ほかに質疑がないようですので、これをもって、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
議案に対する質疑、討論を終了しましたので、採決をいたします。
第122号議案のうち関係部分、第129号議案及び第130号議案について、原案のとおり可決することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 ご異議なしと認めます。
よって、各議案は原案のとおり可決すべきものと決定されました。
次に、お手元に配付いたしております陳情書一覧表のとおり、陳情書の送付を受けておりますが、これについて、何か質問はございませんか。
◆楠委員 51番の企画振興部の九州西岸軸構想についてお尋ねしたいと思うのですが、今度の10日にも3県架橋推進のため、島原で3県の野球の交流大会があるようになっているんですが、細々と3県では、鹿児島県、熊本県、長崎県の間で交流のためのサッカー大会をやったり、あるいは決起大会をやったり、絵画展をやったり、いろいろされているんですけれども、3県架橋の夢はまだ続いているんですよ。ぜひ九州西岸軸構想というものを実現してもらいたいという強い要望があるんですけれども、しかし残念ながら、なかなかこれが前に進んでいかない現状もまた確かな中で、国におけるこの3県架橋の取組というのは、現状、どういうふうなことになっているんでしょうか。
◎松尾地域振興課長 国の方の動きでございますけれども、今、足踏みをしているような状況でございます。平成20年の国土形成計画の中で、海峡等連絡プロジェクトについては、長期的視点から取り組むといった表現になっております。3県架橋以外にも大型の海峡プロジェクトはあるんですけれども、すべてこれは今、凍結といいますか、調査を取りやめられております。したがいまして、なかなか目に見える形で動いていないわけでございますが、一方、地元選出の国会議員の皆様からなる「三県架橋議員連盟」が先月の11月10日に発足をいたしました。先ほどご指摘にありましたように、12月10日には講演会も予定されております。ですから、今、国の方では動きが見えない状況でございますけれども、地方の方では、これはぜひとも実現していただきたいプロジェクトとして、国の方に要望活動をこれからも行っていきたいと考えております。
◆楠委員 以前、橋脚の部分の地質調査とか、そういった調査をするための調査費が毎年約1億円ずつずっとついておった時期があったんですよね。しかし、ここ数年、その調査費がついていないということもお聞きしているんですけれども、今言われたように、足踏み状態だというふうなことですが、この3県架橋が前に進むことを地元としては、特に、南島原方面では、3県架橋によって南からの高規格道路の関係があるものですから、特に3県架橋には大きな期待をされているんですけれども、しかし残念ながら、現状は、なかなか先に進んでいないと、今言われたような状況でありますけれども、県においては、引き続きこの3県架橋の推進については取組を強力にされていく考えはあるんでしょうか、お伺いします。
◎松尾地域振興課長 今のご指摘にありましたように、国の方の技術調査につきましては、平成19年を最後に、現在は行われておりません。ただ、3県の単独調査といたしまして、3県で、風の観測調査とか、地震の観測調査、金額は3県で合わせて900万円と低いんですけれども、これはずっとその後も県独自で3県ともお金を出してやっております。したがいまして、県といたしましては、今ご指摘がありましたように、これは島原半島と九州西岸軸、これが広い意味でネットワークを結ぶことによる経済波及効果とか、あるいは災害における避難路の確保とか、そういった面で非常に重要だと考えておりますので、これからも3県で連携しながら要望を続けてまいりたいと考えております。
◆楠委員 3.11の東日本大震災から、さらに複数のルートが今、見直されて、新幹線にしても、高速道路にしても見直しがされて、やっぱり必要だということが強く主張されているわけですけれども、3県架橋についても、まさに今言われたように、例えば、大災害があって島原半島の南の方で孤立した時に、どう逃げていくのか、あるいはどう物流、救援物資を運ぶのか、そういった時には、非常に重要なルートになると私は思うわけです。したがって、さらに声を大にして、県におかれても取組をしていただきたいと要望申し上げておきたいと思います。
◆前田委員 46番の「平成24年度 離島・過疎地域の振興施策に対する要望書」が出されておりますが、県の方では、離島振興法のまた延長ということで、各自治体も含めて一生懸命取り組んでいるのは承知しているんですが、一方、過疎地域を支援する国の法律もある中で、私がお聞きする中では、離島振興法もそうですが、10年スパンで継続されていたものが、今回に限っては6年の時限立法となったと聞いていますので、それが事実かどうかという確認と、その背景と、この法律が6年後で終わるということであれば、最終の時限立法として、いろんな施策を打っていかなければいけないと思っているのですが、過疎地対策として、どれぐらい今まで効果があったのか、成果があったのかについて、概略で結構ですので、お知らせいただきたいと思います。
◎松尾地域振興課長 過疎法が昨年延長されまして、今ご指摘がありましたように、6年間になりました。この過疎法の延長につきましても、これは議員立法でございまして、超党派の国会議員で議論された結果、10年とか、5年とか、いろいろ案が出たそうでございますけれども、結果として6年に落ちついたということでございます。したがいまして、本県といたしましては、6年後も継続してほしいという思いはありますので、これはまた継続期間が間近に迫りましたら、そういったことでまた要望の運動をするという形になろうかと思っております。
今、数字としてないんですけれども、過疎債の場合には、今、ソフト分がいろいろ話題になっていますけれども、ハード分についても、これは道路、港湾とか、7割の補助金と一緒でございますので、非常に使い勝手がよくて、しかも財政的には非常に有利な起債であるというふうなこともあって、毎年積極的に使わせていただいております。本県の場合でしたらば、過疎団体の数は12団体でございますけれども、ハード分だけで年間に40億円ほど使わせていただいている状況です。そのほかに、ソフト分が27億円ぐらいございますので、それを使わせていただいております。そういった形で、過疎債は非常に有利な起債で、非常に大切な起債と思っておりますので、今後とも、その活用については市町の方にもいろいろ助言をさせていただきたいと考えております。
以上でございます。
◆前田委員 昨年切りかわったばかりなので、当然、この延長については、また将来的に多分、そういう声が起こってくるだろうと思うんですが、平成22年で6年にしたということは、結局、平成の大合併が平成18年がピークでしたよね。多分、それから市町村の合併特例債を含めた10箇年というところを見据えて、平成28年という一定の整理をしていると私は思っております。ということであれば、その次の6年以降、もともと10年あるものを6年であえて切っているわけですから、その後が本当にまた継続できるのかということについては、もしかすると、一定役割を果たしたというような認識のもとに平成28年度を迎えるんじゃないのかなと危惧する中で、今おっしゃったように、ハード、ソフトを含めて、かなり起債の条件もいいですし、使い勝手もいいというような各市や町からの声も聞いておりますので、そういう意味では、「また延長してくれるだろう」ということではなくて、この6年を最終の期限だという気持ちも含めて、じゃ、この6年間でどうやってこの有利な過疎債を使って市町の整備を整えていこうかということについては、こういう時期だからこそ、しっかりとした長期的な計画も含めて立てていただきたいということとあわせて、県がそれをリードしていく立場という意味で、積極的に各市町との相談や施策の展開に心がけていただけるよう要望しておきます。
○山口委員長 ほかに、質疑はございませんか。
◆友田委員 52番の関係で、今回は西海市の方から出されていますけれども、「合併財政支援措置の拡充について」ということで陳情が出ています。その中で、これは長崎県は全国で最も合併を推進してきた自治体でもありますし、そういった意味では、合併特例債の問題については、長崎県はもっともっと国に対して声を上げていくべき責任があるのではないかと思っています。
そこで、まずこの1番の特例債の充当範囲の拡大については、自治体からいろんな要望が出ておりますけれども、これらについての現在の見通しと、あわせて特例債のいわゆる10年ですね、最も早いところはすぐ間近に迫ってきているわけでありますけれども、その後の5年間の経過措置を過ぎた後に、長崎県全体で普通交付税が総額どのくらい減ると見込みが出ているのか、そのあたりについてもお聞かせをいただきたいと思います。
◎松尾地域振興課長 まず、合併特例債の延長を先にご説明させていただきます。この要望の中で、5年間延長するということについて、今、国の方で法案が出されております。これはご承知のとおり、最初は被災地に限って5年間延長が認められました。その後に、さらに今度の国会で、プラス5年、被災地は10年間延ばすということで、その時に、被災地以外についても5年間延ばすということになりました。これは審議中でございますので、まだ可決されておりませんけれども、これが認められますと、本県は昨年からずっと合併特例債の延長期限を10年から15年にしていただきたいと思っておりましたので、これが実現すれば非常にありがたいことだと考えております。
あとは、この合併特例債の弾力的運用なんですけれども、実は、長崎県は弾力的運用をまず働きかける県でございまして、これまでも、病院建設への充当とか、いろいろ弾力的運用を国に対して働きかけて、認められた経緯がございます。それでも、いろいろケース・バイ・ケースで、もうちょっと使いやすくしてもらえないのかという声があるたびに、国の方に積極的に、国で一番合併が進んだんだから、そこは認めてほしいということで要望させていただいております。おおむね認めていただくような取り扱いもしていただいております。ですから、このあたりは各市町の方から出てくれば、またその都度、国の方に話をさせていただきたいと思っております。
それからもう一つは、交付税の合併算定替の状況でございます。合併算定替で増えておりますものが、県内全部で2,287億6,300万円が今、合併算定替ということで載っている状況です。この額が合併終了後の11年目から9割、7割、5割、3割、1割ということで5年間で漸減してきてございます。ですから、これはあと年限が少ないところにとっては喫緊の課題でございます。合併算定替が終了しても、どうしても経費が縮減できないものもございます。例えば、支所の経費でありますとか、あるいは島を合併されたところとか、これはスケールメリットが働きようがないところがありますから、その分については合併算定替をゼロじゃなくて、必要な部分はちゃんと見てくれというふうな要望をする準備には入っております。交付税の世界でございますから、その辺の要望は数字であらわさないといけないので、そのあたりは関係市町と研究会みたいなものを立ち上げまして、今年から本格的に調査を進めてまいりまして、切れる2年ぐらい前には国の方にそれを示して要望したいと考えております。
以上でございます。
◆友田委員 今言われたように、長崎県内には、西海市さんもそうでありますけれども、地理的条件不利な条件を抱えて合併しているというところがあるわけです。地続きの合併することによって一つの円になるような自治体であればいいんですけれども、点で結ばれているような、それが離島航路などで結ばれている場合は、松浦市や対馬もそうだと思います。あれだけの広大な島が一つの自治体という、これは全国的に同じような物差しではかれないところがたくさんある。長崎県にはそういった自治体が数多くあって、そういった万難を排して合併をしてきたわけでありますから、そういった点については長崎県として強く国に働きかけていただくと同時に、それぞれの基礎自治体の実情を十分把握していただくように要望をしておきます。
◆小森副委員長 関連して。今の友田委員の質問の中で、現状の2,287億円が合併算定替で実際幾ら減るのか、そこの数字は幾らなんですか。
◎松尾地域振興課長 今申し上げた分がゼロになるということでございます。2,200億円というのは、合併算定替で増えている額を申し上げましたので、これが5年間で、6年目はそれがゼロになります。ですから、これは非常に大きな影響があります。
◆小森副委員長 ゼロになると。合併算定替、長崎市でたしか20億円ぐらいだったですか。だから、この2,287億円がゼロになるということですか。それはおかしいんじゃないですか。
○山口委員長 しばらく休憩いたします。
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−午前11時53分 休憩−
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−午前11時53分 再開−
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○山口委員長 委員会を再開いたします。
午前中の審査はこれにてとどめ、午後は1時30分より再開いたします。
しばらく休憩いたします。
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−午前11時54分 休憩−
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−午後1時31分 再開−
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○山口委員長 委員会を再開いたします。
午前中に引き続き、企画振興部関係の陳情について質問を行います前に、午前中、小森副委員長より資料要求があっております件について、お手元に配付しております。
資料につきまして、地域振興課長より説明をお願いいたします。
◎松尾地域振興課長 お手元に合併算定替の資料をお配りいたしております。午前中は答弁が不正確でありましたので、おわび申し上げまして、改めて合併算定替についてご説明させていただきます。
これは平成23年度の普通交付税の算定の状況でございますけれども、長崎市のところをご覧いただきますと、合併算定替では、ここに挙がっておりますように472億円の交付税でございます。Bの欄が一本算定といいまして、初めから今の規模であったと仮定しました時の算定額でございます。その差額が38億9,600万円でございます。
これのCの欄を縦に見ていただきますと、平成23年度の合併算定替の効果が381億1,700万円でございます。午前中お答えしました数字は、注意書きのところにありますけれども、平成16年度から平成23年度までの累計額が2,288億円ということでございます。
この合併算定替につきましては、合併した年度から10年間続くということになっておりまして、その10年間を過ぎますと、この増減額のCの欄が割り落としになります。
それを図であらわしたものが一番下にかいてございます。11年目に1割減、そして3割、5割、7割、9割というふうに減りまして、16年目からは、これが一本算定と同じ額になります。
以上でございます。
○山口委員長 以上で説明が終わりましたので、質問を継続します。
質問はありませんか。
◆小森副委員長 この表を見て、やはり相当の額が算定替で、長崎市の場合は、たしか平成26年度から算定替のまず1割減から始まる、そういう形になっていくんだろうと思います。今、政府の方で合併特例債の期間の延長とか、あるいはこの合併算定替の算入の延長とか、そういう議論がされているという話ですけれども、いずれにしても、何年後か先には、こういったことが当然起こるということになると思うんです。今現在、それぞれの各市町で、この合併算定替に対する対策を具体的にとっているところというのはまだ少ないと思うんです。ただ、来るべき時期が来るんだという準備は、ある程度しないといけないというふうになっているんだろうと思うんですけれども、この辺について県としては、合併算定替に伴う交付金措置の減額に対して、どういうふうな対策を講じるべきだと、指導というのは地方自治体として独立しているから、その点についてはないでしょうけれども、基本的に、県のスタンスとしては、どういう助言をしていこうと、あるいはどういうふうなスタンスでこの合併算定替については挑もうとされているのか、その辺をお示しいただきたいと思います。
◎松尾地域振興課長 今ご指摘のとおり、こういった状況が早いところではあと3年か4年後には始まります。したがいまして、そのあたりは市町の方でも、特に、長期的な財政見通しの際に、このあたりを織り込んだところでそろそろ対策を始めています。投資事業について、合併特例債を借りる場合にしても、ちゃんと返せる額で借りようというのが一つ。それからもう一つは、行革をさらに進める必要があるだろうということで、行革のさらなる取組を検討しているところもございます。
私どもといたしましては、先ほどちょっと申し上げましたけれども、この一本算定といいますのは、初めからその規模だったという場合で、合併算定替は、今でも旧市町村があったとした時の合算額でございます。ですから、ある程度、合理化によって経費は少なくなるものもありますけれども、一方では、例えば、支所を必ず設けていたり、あるいは先ほどお話があったように、離島を抱えているところは、なかなか減らないんですね。ですから、一本算定のところまで落とされると、これは大変な結果になると思いますので、私どもといたしましては、市町と一緒になって、この合併算定替にかわる補正というのを交付税の中で実現していただきたいと考えておりまして、そのためには、国を説得させるだけの「これだけの経費が減らない」といったものを国の方に出さないといけないと思っています。ですから、今、そのための準備を進めている状況でございます。
◆小森副委員長 その辺の準備をされている中で、うまくいけばいいんでしょうけれども、やはり国としても、税と社会保障の一体改革とかいろんな問題、財源的な問題を含めて、国自体も大変なんですよね。そういう中で、この実現が可能なのかという話になれば、結構厳しいんじゃないかなという見通ししかないと思うんですけれども、ここに示されています増減率の中でも、これは各市町の立場もあるでしょうけれども、この交付税の算定替で一番影響を受ける市町というのはどこなんですか。シミュレーションとして、わかれば教えていただきたいんです。例えば、長崎市の場合が38億9,600万円と、約40億円ですよね。これでも結構厳しいんだろうと思うんですけれども、それでも全体の影響額からすれば増減率9%と。ところが、南島原市43.3%、これは全体の予算の中の交付税額ということで、どの程度かわかりませんけれども、こういう形の表を見た時に、どこが一番厳しいのかなというところを示していただきたいと思います。
◎松尾地域振興課長 今おっしゃったように、交付税に一番頼っているところでございますから、財政力指数が低いところほど、この影響が非常に大きいと思います。県内の市町の中で財政力指数が一番低いところは、合併団体で申し上げますと、対馬市が0.19でございます。それから、あとは離島が0.2とか、それくらい低いところがございますので、財政力指数が低いということは、自前の税収が少ないというところでございますから、交付税が減ると、それだけ財政運営を直撃するといったことになろうかと思います。したがいまして、本県の場合には離島とか過疎地が多うございますので、このあたりが合併算定替が終了した場合には、特に大きな影響を受けるのではないかと懸念いたしております。
◆小森副委員長 今回、離島振興法の継続という形の中で、今、法案の取りまとめをこれも議員立法で進めていますよね。そういった要望の中に、この合併算定替の問題を取り入れるというようなことは可能なんですか。それは私たちが皆さん方に聞くのはちょっとやぼな話かもしれませんけれども、今回の離島振興法の延長については、新たな視点として、こういうものを取り入れるべきではないかなと私は思うんですけれども、そういう議論がされているのかどうか、ご存じであれば教えていただきたいと思うんです。
◎松尾地域振興課長 今回の新たな離島振興法の中には、こういったものはまだないと思っています。今回の新たな離島振興法の場合には、地理的な特殊性に注目して、さまざまな優遇措置を県の方でも今、要望している状況でございます。したがいまして、合併に伴う合併算定替の問題につきましては、過疎地等もありますので、そういったところで交付税の話として、これは総務省の方に要望したいと考えております。
○山口委員長 ほかに、質問はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 ほかに質問がないようですので、陳情については承っておくことにいたします。
次に、企画振興部の議案外所管事務一般に対する質問を行うことといたします。
なお、質問につきましては、事前通告のあった質問を優先的に、関連質問も含めて1項目ずつ行っていただきます。
議案外所管事務一般について、事前通告された各委員の方で、質問はありませんか。
◆浅田委員 上海航路からさせていただきたいと思います。先日、私たちは総務委員会の方でハウステンボスさんの方に行って、HTBクルーズの社長からもいろんなお話をちょうだいいたしました。その時に、非常に気になる点が幾つかあって、議場でも、予算に絡めて江口委員からも質問があったかと思うんですけれども、フライ・アンド・クルーズの在り方を私がその場で社長に問うたところ、そのようなことは考えていないというようなお話ですとか、それが一番象徴的だったんですけれども、どうしても県側が説明することとの乖離が非常にあるのではないかなということが多々ありました。そのあたりの今の状況を改めてお聞かせいただければと思います。
◎岩崎政策企画課長 フライ・アンド・クルーズの点は交通の方からになろうかと思いますけれども、連携という点で、私ども政策企画課が県庁全体の中のいわゆるまとめ役として、ハウステンボス及びHTBクルーズ等ともかかわっておりますので、まず答弁をさせていただきます。
答弁の中でもあったかと思いますけれども、私どもは、特に副知事等を中心としながら、必要な際には、直接澤田社長、山本社長ともお話をいただく機会もありますし、私ども事務方としてHTBクルーズ、また船舶代理店、CIQ等関係機関、いろんな機会にお話をさせていただいているということはございます。直近で言いますと、一昨日でございますけれども、県の中では私がトップといいますか、交通の次長も一緒でございましたけれども、HTBクルーズ、それからCIQ関係機関とかも含めて、いろんな話し合いをさせていただく、そういった形でポイントポイント、当然、事務的にはメール等を使いながら常に情報交換はさせていただいているところでございます。
◆浅田委員 しかしながら、なぜ中国が発展するのかというような話の中から、スピード感の共有が必要であり、情報感度のアップとかを今後は求めたいというようなお話をしていたのですが、一方で、フライ・アンド・クルーズというよりも、中国側からのお客さんに関しては、やはりクルーズ・クルーズというような形で進めていきたいと、あちらとしては当たり前の話なんですけれども、そういうお話があったんです。何よりも、午前中からも梅屋庄吉等々のお話がるる出ていたんですけれども、これは文化観光物産局長にもお伺いしたいんですけれども、それと同時に、長崎の知名度の低さが非常に問題であるということをはっきりあちら側からおっしゃられて、上海では、手軽に行ける日本ツアーとして売ることを予定したいと言われておりました。そういうふうな状況というものを逆に言うと、どのようにお思いなのか。今お話ありましたけれども、その辺の話は、私は、県側が言っていることと社長が言っているお話が非常に違う感じがしたものですから、いかが思いますか。あちらとしては、長崎の知名度の低さが問題であり、上海では、手軽に行ける日本ツアーとして売っていきたいと。だから、今後は、もっともっと船自体のよさを売っていって、船を改良することによってクルーズ・アンド・クルーズというような手法をとっていって、船の中でいかに遊ばせるか、今後はライブハウス会場とかもつくったりしていきたいというようなお話があったんですね。今のご説明を聞いても、そのあたりがどうなのかなという部分があるんですけれども、いかがでしょうか。
◎坂越文化観光物産局長 確かに長崎の知名度を上げるということは誘客の一番大きな柱の一つにはなろうかと思います。知名度を上げるための試みとしましては、今まで努力してきたつもりではありますが、「孫文・梅屋庄吉と長崎」プロジェクト、上海万博での展示とか、いろんな企画を通じて、今年度も6回ぐらい中国でプロモーションを開催して、そのたびに、孫文・梅屋庄吉だけではなくて、観光のプロモーション、上海航路のこともあわせてPRしてきて、機会あるごとにそれをやってまいりましたけれども、今後も続けていかなくてはいけないと思っています。
さらに、長崎の知名度に加えまして、上海航路というものを東アジアの新アジア軸としまして、これを利用して九州各県に行っていただくとか、日本の各地に行っていただくルートとしても柱にしていきたいと思っていますので、そういう意味では、九州各県の周遊にもつなげていく航路にもすることで、誘客も同時に図っていく必要があると考えています。
◆浅田委員 私は残念ながら、先日の第1便の時に行けなかったので、そのあたりの詳しいお話はまた江口委員などからご質問があろうかと思うんですけれども、県側が上海航路に望んでいることと上海航路を運営しているHTBクルーズ自体のお話が何度聞いても合わないような感じがあって、方向性の違いの流れの中で、例えば、HTBクルーズの社長はきっぱりと「私たちは民間でやっています」と、余り県側からの支えがないようなので、もっと頑張ってくださいみたいなことを言われたんです、情報発信とかに関しても。その一方で、観光の業界の方からすると、ハウステンボスに対しての、ハウステンボスだけとは言わないですけれども、上海航路は文化観光物産局長たちがおっしゃるように、これからの地域全体、長崎県内全体、そしてひいては九州までに広げたいという思いがあるのはわかってはいるんですけれども、こちらとしては、それに対してもすごくお金を注いでいるのに、それが観光客の方から、一企業にすごく注いでいるんじゃないかというようなはっきりとしたご意見がある中で、ハウステンボスさんからは、もっともっと協力をしてほしいと、いろんなことをやってほしいという要望がかなり出ているかと思うんです。そのあたりの解決策というのは、どのようにお考えでしょうか。
◎永川企画振興部長 HTBクルーズの山本社長さんに先日、総務委員会と、私も一緒に行かせていただきました。山本社長は、経営は自分たちの責任でやっていくんだということを強く言われておりましたし、これは今までも、私どもにもそういう言われ方をしておられます。そうした中で、県に支援してもらいたいのはということで、端的に出てくるのは、やはり港湾施設の整備等についてのご意見がかなり強いかと思います。
先ほどフライ・アンド・クルーズの話もあったのですが、基本的には、フライ・アンド・クルーズはぜひ必要だと私どもは思っておりますし、そこを進めていかないといけないと思っておりますが、要するに、HTBクルーズのいわゆる経営戦略の問題だと思います。いろんなエージェント、旅行会社がツアーを組んでいく。そういった中で、HTBクルーズの船が非常にお客様を引き寄せるという実態をつくっていく中で、しっかりした地盤を築いていきたいという経営戦略は当然あると思います。そういったものを築いた上で、いろんなものとのマッチングもしていきたいとかいう思いもあるのではないかなと思っております。
そういった中で、その次のところに来るのは、船で往復するだけではなくて、片道飛行機の方がもっとお客様が集められるのではないかとか、そういったところにも広がっていくと思っておりますし、実際、私どものこういった考え方については、HTBクルーズさんには、ぜひ県の方もこういった形のご協力をしたいというお話はしておりますし、そういった中で、HTBクルーズさんの戦略がいつも同じだとは限らないと思っています。航路の進み方でどんどん、どんどん変わっていくと思いますので、そこら辺も見ながら適切な手を打っていく、そのための準備を私どももちゃんとしながらやっていくということだと思っています。
この航路につきましては、私どもとしても、ぜひ大成功させないといけない航路だと思っていますので、各部局協力しながら、全力で当たっていきたいと思っております。
◆浅田委員 確かに今、企画振興部長がおっしゃっていたように、港湾のことに関しては、あちら側もすごく求められていましたが、そこに関しては、まだまだいろんな問題とか、解決していくこと、あとそれ全体のまちづくりの部分にもかかわるようなことも要望なさっておりましたので、それはまた今後の問題かと思うんですけれども、あちら側が、その一方で、ソフト面では情報発信、長崎が知られていないから、もっともっと頑張ってほしいという戦略の中で一つお伺いしたいのが、その際に、企画振興部長はいらっしゃいましたけれども、中国全土に関しては、非常にマーケットがある中で、新中国人というのをねらいたいと。その中で、特に、20代女性に対して幅を広げていきたいというようなお話ですとか、新中国人の一般的な状況というものをご説明いただきながら、過去の旅行者とは違うようなことも考えていかなければならないというような戦略の部分のお話があったと思いますが、そういう意味で、今、長崎県が行おうと思っている戦略的なものがあれば、お聞かせいただけますでしょうか。
◎坂越文化観光物産局長 来年度の予算の重点戦略案の中にも書いておりますけれども、そういう若い層をターゲットとした上海航路の誘客という観点から、今回、上海航路に乗って現地へ行った際にも、今、中国ではやっていますツイッターのウェイボー、これがものすごく効果があるといろんな人に言われましたけれども、これでのPRということにも力を入れていくなど、テレビとか新聞よりも、インターネットでの広告が非常に意味があるんだというふうな指摘をたくさんいただいておりますので、ハウステンボスと協力して、そこら辺に力を入れていきたいと思っています。
それから、山本社長が20代がメーンターゲットだということはよくおっしゃっていますが、加えて、今回の船に乗られた方で、澤田社長とか、中国のメディアの方、旅行会社の方、いろんな方がいらっしゃいますが、皆さん、いろんなターゲットがあるという声もあります。今日お配りしている資料にも書いてありますけれども、老人もターゲットになるんじゃないかとか、ファミリー層を対象に、ミニクルーズみたいな感じでファミリー層も乗ってくる可能性もあるんじゃないかというのもありますので、いろんな層をターゲットにして、いろんな戦略を重層的に組み合わせていくことが一番いいのかなと。当然、若い層も一生懸命やるのですが、そういう観点でも誘客を図っていく必要があるのかなと考えております。
◆浅田委員 もちろん、確かにおっしゃるとおり、いろんな方々にと、梅屋庄吉とかだと、やっぱりどうしても年配な感じのイメージが私たちにもあって、若い方たちが望む、80年代生まれの方たちとかは、日本に対しては、どうしてもアニメの方から入っていったり、ツイッターとかそういうものを通じての情報発信であったりということがあろうかと思いますので、予算をかけるだけのものがきちっと返ってこないと、税金を注いで、ということになりますし、重点目標等々をあわせて見ても、そのあたりをしっかりやっていただきたいなという部分がありました。前回の決算審査特別委員会の際にも、そういった資料お出しいただきたいと言ったら、これは中国ではなくて韓国の記事だったんですけれども、ブログとかツイッターで、ブロガーの方を呼んだことによって、長崎のことを発信していただいているとか、女性誌に載っていたり、新聞に載っていたような記事等々もあるということですので、こういう形で今、長崎が中国にどのような形で見られているのかというものも、ぜひ私たち議員にもお示しいただければ、またどうやって皆さん方が戦略を組もうとしているかとかといったところも予算とあわせて見られるかと思いますので、お願いします。
ほかにもありますが、この件はまだ皆さんもたくさん通告なさっていますので、一度やめます。
○山口委員長 ほかの通告した人の質問を今から受けるわけですが、事前通告として全部で37項目出ていますので、後の今日の時間配分を考えれば、1項目5〜6分をめどにやっていただければ、全部済ませ切るのではないかと思いますが、ご協力いをいただければ。
項目名「上海航路」に関して、事前通告が関連している委員の方で、関連の質問はありませんか。
◆山田[朋]委員 上海航路で引き続き質問いたします。
中国からの本就航の許可がまだ出ていないと思うんですけれども、そのあたり、どのように進んでいるか、その状況を教えてください。
◎岩崎政策企画課長 航路の許可の関係ということでございます。私どももその辺は常に一番気にかけているところでございまして、日々確認しているような状況でございます。先ほど答弁いたしましたように、直近では一昨日、私も直接HTBクルーズの船の担当者とお会いして、どういった状況であるかということをお聞きしております。その中では、手続的には、10月中旬に、中国の国務院交通運輸部に対して申請をしております。その際に、知事名でも添え状といいますか、協力依頼の文書もお出ししているところですけれども、申請手続は特に問題なく進んでおりまして、近々許可が下りる見込みであるとお聞きしております。許可が下りたら、すぐに運航スケジュール、料金体系等も速やかに公表をしたいということを一昨日、お聞きしたところでございます。
以上でございます。
◆山田[朋]委員 近々ということではありますが、次の就航予定が1月、3月でしたか。
◎岩崎政策企画課長 今お聞きしている情報では、中国の春節に合わせて1月下旬に週1〜2便、それから3月のできるだけ早い段階に週3便程度の定期運航に入りたいというのがスケジュールでございます。
◆山田[朋]委員 わかりました。
今日は12月9日ですね。近々というのがどういうことなのかがよく理解できないんですけれども、最低1月の下旬に船を出さないといけないとなると、ここまでには近々が下りてもらわないと困るというのは、いずれの日だと考えていらっしゃいますか。
◎岩崎政策企画課長 もちろん一日も早くということでございますが、私どもも懸念しておりますのは、1月20日以降のいわゆる集客、当然でございますが、ツアーの商品の売り出しが認可が下りないとできないということでございますので、その辺あたりが大丈夫なのかというようなお話もさせていただいております。HTBクルーズのお話としては、許可が下り次第、日中双方の旅行会社と具体的な協議を進めていくけれども、1月下旬からの営業運航の部分については、非常に期間がないということもありますので、エイチ・アイ・エスが主体となって集客を行う予定だというお話は聞いております。
◆山田[朋]委員 わかりました。近々、本当に早急に下りていただくことをお願いするところであります。
次に、上海航路で、各県の方から各団体に対して、動員要請じゃないけれども、乗船のお願いということをしているかと思います。いろんなところから若干聞いております。それで、このアンケートに、設備がまだ中途半端なのに、有料じゃなくて無料だったらよかったけどとか、いろいろな結構厳しいご意見が入っていたかと思います。それで、いろいろな中から200人ぐらい集まっていると思うんですけれども、一般の本当に純粋にこの航路に参加したいという部分で入られた方がどれくらいいらっしゃるのか。一部、ツアーかなにかの申し込みもあったと思うんですけれども、そういう状況を教えていただけませんか。
◎岩崎政策企画課長 往路198名、復路255名という数でございました。往路の場合には、大きく分けまして、15周年記念団、航路利用の促進団、新幹線期成会、空港活性化、またコンテナ団、それから就航記念団、それと中国の旅行メディア団、そういった団編成をしております。それと、一般の乗船枠としてお乗りいただいたのが、政策企画課の方で主体となって一般の方に乗船していただく呼びかけをさせていただき、一般県民の方40名に乗っていただいたということでございます。
以上でございます。
◆山田[朋]委員 その40名というのは、どういうふうなあれですか。一般の県民というのは、各種団体にお願いじゃなくて、バランスよくモニターとるためにとかですか。
◎岩崎政策企画課長 これはもともと一般の方にも乗っていただいた方がいいんじゃないかというようなお話もこの総務委員会でも早い段階でいただいておりました。私どもも、なかなか一般公募というのが、11月3日というスケジュールが決まらない中で、やきもきはしておったところですけれども、少しでも一般の方々にも乗っていただきたいということで、旅行社を通じて一般に公募をかけて、全く一般の方々が旅行会社に申し込んでいただいて、帰りは飛行機になりましたけれども、行きの方に乗っていただいたと。全く一般の方でございます。
◆山田[朋]委員 わかりました。
その時のツアー代金がわかっていらっしゃれば、教えていただけますか。
◎岩崎政策企画課長 約10万円でございます。
◆山田[朋]委員 いろいろと厳しいご意見もあったかと思います。これを受けて、もちろん主体的にやるのはハウステンボスだけれども、県として、こういったことを受けて、もちろんこのアンケート結果というのはハウステンボスの方と共有されていると思いますけれども、我々が総務委員会の視察でハウステンボスに行った際にも、ハウステンボスさんの方で100何十箇所ぐらいか見直しをするようなところが見つかったようなことを言っていたと思うんですけれども、あちらは商売があるから全部オープンにできない部分もあるかもしれないけれども、お互い、そういうことの情報交換というか、共有化みたいなものをしたのかどうか、その辺をお聞かせいただけますか。
◎岩崎政策企画課長 私も総務委員会のHTBクルーズの視察には同行させていただいておりました。HTBクルーズの山本社長はその際にも、社内でレビューを行った結果、40項目の課題を整理したということで、ペーパーで皆様にもお示しをさせていただいておりました。ただ、残念ながら、私どもも直後にその40項目について、県の方にもいただけないかということをお願いいたしましたけれども、さすがにそれは営業戦略にもかかわることでもありますのでということで、県にかかわる事項として、雨天時の対策をどうするかというようなお話とか、ボーディングブリッジの検討ができないのか、さらに入国のスピード化について、もう少しいろいろしないといけないというお話、それから手荷物をどうするのか、そういったところは今後県、CIQも含めて一緒に議論させていただきたいというお話。それ以外につきましては、サービス全般、調理、客室設備、附帯設備、電源等のカテゴリーで、これらはすべてHTBクルーズで責任を持って対応するので、そういった項目であるということでご了解いただきたいということで、口頭でご報告を受けました。
なお、アンケートにつきましては、私ども、集計結果が出ましたら、すぐにHTBクルーズにも提供させていただいて、今後に活用していただきたいとお願いしているところでございます。
○山口委員長 項目名「上海航路」に関して、事前通告が関連している委員の方で、関連の質問はありませんか。
◆江口委員 いろいろ何から聞いていいかというぐらいにあるんですけれども、まず、この件については、皆さんは「第1便就航」と言いますけれども、HTBクルーズ側は、あくまでも試験運航という形のとらえ方なんですね。山本社長はそう言っていました。私も、試験運航と思って乗ったつもりだったんです。だけれども、皆さんのPRが、70年ぶりに上海航路が復活すると、ましてや辛亥革命100年、そして上海と長崎との友好交流関係樹立15周年を記念してとかいう話で、いろいろ意義づけはあったのですが、とらえ方そのものにHTBクルーズと皆さん方では、かなり落差があったんじゃないかなとも思っていますし、私の第一印象、乗った印象からすると、改造して船が完全にこれでオーケーだという形で乗せた方がよかったんじゃないかなという感じも受けました。今からここをこうするんでよ、ああするんですよと説明を受けながら乗らなければいけないんですね。ましてや、私は帰りに乗りましたけれども、この船に20数時間も乗って、エンターテインメントみたいな話もありましたが、どこをどういうような形で改造して、どんな雰囲気になってくるのかなと、全く想像がつかないんです。
だから、予算総括の時も話しましたが、最初に乗った時、部屋に入った時に、久しぶりに特急さくら号に乗ったなという感じがしました。ブルートレインに乗ったような、部屋が、2段ベッドがあるわけですからね。窓はありましたけれども、狭いところに、まさに昔のブルートレイン、夜行列車に乗ったような感じがしました。そして、一つは、改造したらこんな部屋になりましたよと、モデルルームがありました。後で見たら「こんな感じに改装されればいいな」と思ったぐらいです。ということで、乗ったからこそ、そういうことがよくわかったんですけれども、まずHTBクルーズの皆さんと県の皆さんたちとの受けとめ方が違うんじゃないかと思ってですね。
もう一つは、今いろいろ話が出ていますが、要するに、HTBクルーズと県とのやりとり、連携をどこまでやったらいいのか。いまだに新しい料金の設定がわからないであるとか、どうであるとかということがはっきりしませんね。せっかく乗った私たちも、県民の皆さんにPRはしたいけれども、どういう形になるかわからないと。今の話のように、1月になったら定期就航みたいな形で1便ですか。当初は2便とかおっしゃっていました。3月になると3便就航するんだという話を今までもずっとやっていますけれども、果たして、今の段階で、12月のこの時期になって、1月に乗ってもらう人たちにどういう形でPRができるのかなという感じがするんです。余りにも時間のない中で、いろいろやらなければいけない。ましてや、今の話のように、どういう形で船が改造されて、当たり前の定期便が就航するに値するようなものに変わっていくのか、今でもわかりません。
上海航路については、私は決してやめろということじゃないんですよ。これはぜひ大成功してもらって、今後の交流人口の拡大ないしはいろんな面で経済の波及効果をもたらすような形で定期就航をやってもらいたいなという気持ちがありますので、そういうことからすると、余りにも心配な面がたくさん出てくるものですから。
◎岩崎政策企画課長 何点かご指摘をいただいております。
1月以降のスケジュールについて、まだ決まっていないというご指摘については、ご意見のとおりでございまして、この点については、11月の第1便の際にも、なかなかその発表がなく、議員の皆様にも非常にご心配をおかけしましたし、私どもも非常にそこで苦しんだ面もございます。
第1便なのか試験運航なのかという点でございますが、これにつきましては中国及び当然日本政府もそうでございますが、正式な営業運航の許可が下りていない中で、「第1便」という表現がなかなかできなかったという面はあろうかと思います。ただ、澤田社長とのいろんな新聞取材等において、「記念するべき第1便」というような発言もされておりますが、私としては、許可との関係、営業運航ではないという点もあると考えております。
また、本格改装前になぜというご指摘もあったかと思いますが、この点につきましては、今年が上海市との友好交流関係樹立15周年、また辛亥革命100周年という非常に意義のある年、さらに東日本大震災からの復興という本県の観光を日本観光の復活にも結びつけたいという県としての非常な思いもございました。そういった中で、HTBクルーズ及び澤田社長としても、ご判断をいただいて第1便を本年に就航していただいたという点はあろうかと思います。
それから、どういった改装が行われるかにつきましては、私どもも書類ベースで正式にいただいてはおりませんが、構想としては、今、層でいきますと5階、6階に当たると思いますが、広大な車両デッキがございます。まず、それを大きく3層ぐらいに鋼板で仕切って、その一部には、ニトリで開発した、いわゆるリクライニングシート席を約500程度設置する、また劇場、シアター、そういったブース、さらにはギフトショップ、そういったものをその層を利用して大改造すると。それから、委員が先ほどおっしゃったように、モデルルームとして7階、8階、9階にあったかと思いますけれども、各部屋についても魅力アップするというようなことで大改装を加えている最中であると認識しております。
以上でございます。
◆江口委員 今のようなことも、何か絵があればわかりやすいんですけれども、イメージ的に非常にわかりにくいんですよね。だから、イメージもなかなか描きにくいぐらいな現状があるわけですから、これを1月とか3月に本当に大丈夫かなと、みんな心配するんじゃないでしょうか。まず、料金がわからないわけですからね。最初は片道7,800円とかおっしゃっていましたよね。それにオイルサーチャージがついて幾らになると。これは要するに、リクライニングシートだったら幾らとか、部屋を借りたら幾らなんですよということがまだはっきりしていない現状じゃないかなと思うんですが、ところで、試験運航じゃなくて第1便と言っていいでしょうけれども、県の持ち出しで、総トータルで幾らぐらいかかったんですか。いろいろアンケートとかそういうものもあるんですけれども、トータルして、我々議会も派遣という形で行かせていただきました。だから、すべて県の持ち出しでかかったものが第1便就航に幾らかかったのか出されていますか。私は、この議会で、当然、総務委員会が行われるわけですから、アンケートの結果であるとか、第1便就航したものについて、いろんな意見が出たとかということにあわせて、金額的にどれぐらいかかったのかということを数字で出してもらえるかと思って今日は委員会に臨んでいます。
◎岩崎政策企画課長 第1便にどのくらいかかったということで、資料で入っていないということについては、申しわけございません。私として、どのぐらいかかったのかということは計算をさせております。概算で、約1,450万円程度かかっております。大きな内訳といたしましては、3日から6日までの就航でございましたけれども、その前日のお昼からイベント、レセプション等をやっておりますけれども、そういう出航前のレセプションでございますとか、3日当日の出航セレモニー、船内のアトラクション、それから向こうに着いてからも、同じようにセレモニー等をやっております。そういったもので約1,000万円。それから、イベント関係で、上海さるくでございますとか、船内の二胡演奏、和太鼓、ジャズ、いろんなものをやっておりますけれども、そういったイベント関係の出演者の謝金、旅費等合わせて450万円程度ございました。県として、第1便に合わせて1,450万円程度お金を投じているということでございます。
◎柿本観光振興課長 ただいま政策企画課長から説明がありましたものに加えまして観光関係の方で、主に復路で、中国の方からメディア関係、旅行会社、それから高齢者大学の関係者、こういった方々を招聘いたしまして航路に乗っていただきまして、長崎に着きましてからも、県内の観光地を周遊していただいております。県内に入りまして3泊4日程度の周遊をしている形になっております。そういったことで、関係者の招聘に要しました経費といたしまして、およそ1,200万円程度を要しております。
◆江口委員 それぞれ各所管所管、部署部署ということじゃなくて、要するに、細かい数字は省いても、総トータルで3,000万円かかったとか、5,000万円かかったとか、そこらあたりはつかめてないんですか。これは最終的にどこがつかむんですか。政策企画課じゃないんですか。一回全部その数字を出してください。
◎岩崎政策企画課長 申しわけございません、まとめるとすれば、私の方でまとめるべきだと思います。今、そういうお話をいただきましたので、今、私の答弁と観光振興課長の答弁がございましたけれども、それ以外に何かかかったものがないかという部分というのは、きちんと精査した上で、後ほどお出しできればと思います。
◆江口委員 今の件は、そんなに時間がかからないうちに掌握をして、数字を一回出していただきたいと思います。
こういうことは、第1便が就航して、これだけの予算をかけてやったということが、これから定期便就航になって、それぐらいのことはすぐ取り戻せるというぐらいの中身にしていかなければいけないわけだから、そのために、いろんなアイデアを出してやっていこうということでしょう。私はそういう面では、最初に申し上げましたように、この企画に反対しているわけじゃないんですよ。賛成もして、何とかこれを大成功に終わらせたいな、週3便になった時に、上海から一回で1,000人で、3便で3,000人ぐらい来ると。じゃ、長崎から向こうに行く人がどれぐらい集まるかなと。これがなかなか難しいということも、それは当然現実の問題としてあるでしょうけれども、そういうことも含めて、これから定期便になった時に、どういう仕掛けをしたら上海航路がうまくいくのかなということも心配な面がありますので、とにかく数字は全部署から集めて、どれぐらいになったのかは、できればこの議会が終わるまでの間に委員会に出していただければと思います。
◎岩崎政策企画課長 第1便に要した経費が幾らかというのは、確認すればわかると思っております。ただ、2つだけではなくて、ほかにもないかというのはきちんと確認した上で、今議会終了までに委員会の皆様に資料としてお出しすべきだと思います。
○山口委員長 今の件は、月曜日までに数字をまとめるぐらいはできると思いますので、よろしくお願いします。
◆江口委員 それから、行った我々もそうなんですけれども、感想もありましたけれども、出航する、そしてまたこっちに帰ってくる時の入管の手続も含めて、かなり時間がかかったということは、皆さん同じ気持ちだったと思います。ということで、要するに、松が枝ふ頭のこれからの港湾の改修ということで、新しいターミナルをつくって、そこで入管手続に必要な10ブースプラス、20ブースにして、1,000人を50分ぐらいで片づけようというのが計画なんでしょうけれども、そこで入管と、もしくは、CIQとさっきおっしゃったんですけれども、税関の問題、それから検疫の問題、このあたりを考えた時に、私もちらっと聞いたんですけれども、10ブース、10ブース単純に分けていいのかどうか、検疫とセットで置かなければだめだ、そうしないとなかなか難しくなると。合理的というか、「作業がうまくいかないのにな」という意見も聞いたことがあるんですけれども、そのあたりは、入管も含めて、検疫の皆さんとか、いろいろ皆さんが話をされているんでしょうか。私は長崎の検疫の方から聞いたんですよ。県は単純に10ブースまたプラスして別な建物でと考えているみたいですが、今のターミナルをうまく活用して、入管と検疫とが一緒におった方が都合がいいんですよという話があるような感じなんですけれども、そのあたりについては、あれが完成するのが7月ということですから、まだその決定はされていないのでしょうけれども、そういうことも含めて、いろいろ関係の機関と連携をとられているのかどうか、いかがですか。
◎岩崎政策企画課長 私は先ほど、一昨日、12月7日に、CIQ関係、HTBクルーズともお話をしたと申し述べましたが、その際、CIQ関係との関係機関協議ということで、長崎税関、入国管理、福岡検疫長崎検疫所、動物検疫、門司植検の方、HTBクルーズ、船舶代理店、それと県の方では、政策企画課、港湾課、観光振興課、アジア・国際戦略課、新幹線・総合交通対策課みんな集まりまして、その際に港湾課の方から、今議会の提案している新しいターミナルの構想についてもご説明をさせていただきました。その際にも、7月に向けて、どういった機能配置がいいのかと。確かに今、委員からお話があったように、10、10に分けた方がいいか、まとめた方がいいのか、そういったところをこれから議論をさらに進めていこうというお話は出ておりましたので、今後、そういったことについては、さらに詰めさせていただきたいと思っております。
◆江口委員 この件については、まだこれから時間もありますので、よろしくお願いしたいと思いますが、要するに、週3便とかという定期便になるのが3月とかという話だものですから、松が枝ふ頭の改修ができ上がるのが7月ですから、私は予算総括の時も話しましたけれども、その間というのは、結局、1,000人を扱うのに、今のターミナルで、ブースが10しかとれなければ当然100分かかるわけでしょうけれども、そういう状態なのか、無理してでも、あのターミナルの中に、入管に関するところをあと10ブース増やして20つくるんですよということになるのか。
もう一つは、大型の国際クルーズが入ってくるのと上海航路とダブるのが最短でいつごろになるのか、また多い時は、アジア・国際戦略の中にも述べてあるように、3隻がトリプルで入ってくる可能性もあるというわけですから、そうなると1隻は水辺の森公園に接岸すると。もう1隻は松が枝、もう一つは小ケ倉の柳ふ頭と。柳ふ頭に行くのは上海航路ですよ。もう決めてあるんでしょうけれどもね。こういうことになった時に、今の入管の設備というか、やりとりが果たして今、皆さんが考えている中で大丈夫なのかなと思って、そのあたり、どうなんですか。どんどん長崎の港に入ってくるのは大歓迎なんですよ。来てもらいたいというのはありますよ。だけれども、来た時に、そういうことがなかなか対応が難しいということにならないように、今から考えておかなければいけないのでしょうけれども、だからダブルで入ってくるのが最短でいつごろなのか、トリプルで入港するのはいつごろなのかということは大体おわかりなんでしょうか。
◎柿本観光振興課長 クルーズ船の関係につきましては観光振興課で所管をしておりますけれども、クルーズ船につきましては、ある程度、来年の入港の予定というのは予約が入ってきたりしておりますけれども、まだ年度の途中から入ってくる、年明けてからまた入ってくるものもあるような状況でございます。
そして、上海航路につきまして、はっきりと曜日が何曜日と何曜日と、週何便というところがまだ正式に決定をしていないところでございますので、今の時点ではっきり、最初にいつバッティングするというところは明確にはなっておりませんけれども、ある程度の回数が出てくるであろうということは港湾課の方でも想定をいたしまして、今回、そのようなターミナルの整備を考えてあるというところでございます。
◆江口委員 私は、今の時点でこういう議論が、来年に入ったら実際に動き出すわけですよね。それで、何回も言うように、3月から週3便とかということでしょう。そして、ここにもあるように、10万トン以上のボイジャー・オブ・ザ・シーズが年9回入ってくることも確定予定になっていますよね。そのほかに10万トン級の客船が入ってくると、この年9回入ってくるというのは、乗客の定員が3,840人と書いてあるんですよ。乗組員は船からおりないにしても、乗客は当然、船からおりて、3,840人ですよ。ほかの10万トン級の船が入った時、これも2,500人〜2,600人いるんですよ。そして、上海航路は1,000人なんですよ。今、上海航路の1,000人の入管を何とかスムーズにいくようにということで、20ブースで50分で片づけようということでしょう。それがダブル、トリプルで入った時にはどうなるかということは、数字的に私も非常に心配なんですけれども、そのあたりの対応が、柳ふ頭が完成するのが4月でしょう。違いますか。柳ふ頭の倉庫をターミナルに改修して、あそこに入管のブースというのは幾らぐらい置く予定なんですか。
◎岩崎政策企画課長 直接的には土木部の所管であろうかと思いますが、私も庁内で情報交換する中で聞いている情報としてお伝えしたいと思いますが、小ケ倉ターミナルビルの中には入管ブースは最大12ブース設ける予定だと聞いております。
◆江口委員 12ブースということは、今、10ブースで足らなくて、倍の20に増やそうと。10ブースで100分ですね。20にしたら50分で終わるわけですよ。12ブースということは、柳ふ頭につけられたら、当然50分では終わらないわけですよね。だから、これは土木の問題、港湾の話とかじゃなくて、こういうものは政策企画課もしくは観光振興課の方で、要するに、お客さんを受け入れするわけだから、こういう面での横の連携というのはしっかりとっておってもらなければいけないわけですよ。再来年ぐらいからこの船が入ってくるということであればいいですよ。だけれども、1月になったら上海航路は週1便か2便でしょう。その時に、例えば、満杯で来た時、1,000人来るわけですよ。今の状態でどうかとなると、厳しい。ましてや、ダブルで入ってきた時には、当然、上海航路が柳ふ頭に回されるわけだから、12ブースしかないということになると、それは予定されている50分どころじゃないですよ。かなり時間がかかりますよ。
それとあわせて、前から、我々も現地視察に行った時に、小ケ倉・柳ふ頭の周辺は、あのままで大丈夫かと。要するに、柳ふ頭のターミナルが仕上がるころに、周辺の整備も同時にやるべきだと私は思っていました。今から予算つけてどうだこうだとなると、何となく、この問題というのはちぐはぐじゃないでしょうか。もうちょっとしっかり、これはちゃんとした形でやってもらわなければ、上海航路もしくはアジア・国際戦略とか言いながら、なかなかこの問題が、ハード面の整備ですよ、うまくいかないのではないかと思う。それは心配なんですよ。そう思いませんか、皆さん。タイムスケジュールを並べてみないですか。そして、今のように、年9回12〜13万トン級が入ってきた時には4,000人近いんですからね。3,840人と書いてあるんだから。そうなったら、最大トリプルで来た時に、1,000人プラス3,840人、もう1隻来た時に2,500人とすると、どのぐらいになりますか。だから、その時の入管の手続なんかはうまくいくのかなと思ってですね。今、最大でも20でしょう。違いますか。それで入管の職員が足らない。入管も検疫も税関の対応も含めて、これは当然、国に要請して、長崎にどんどん派遣してもらわなければいけないわけだから、そういうことも含めて、もうちょっと納得ができるような説明をいただきたいんです。
◎柿本観光振興課長 クルーズ客船の関係で、ボイジャー・オブ・ザ・シーズという最大定員3,800人程度の船が来年9回入港するということでございますけれども、来年入ってきます9回につきましては、9回のうち8回が、一回日本に入りまして、2回目以降に長崎に入ってくると、そして日本国内の別の港を経由して海外に出るということで、9回のうちの8回は入国の手続が今のところは必要ないということで、ボイジャー・オブ・ザ・シーズに関して、現在のところ、CIQ関係の手続が必要なのは1回ということになっております。ただ、1回ではありますけれども、今後またさらに再来年以降入港というふうな話が当然出てまいりますので、そこにつきましては今回、ボイジャー・オブ・ザ・シーズが新しく日本国内で入港をする予定になっておりますほかの港と連携をいたしまして、法務省にCIQの対応について、適切に対応していただけるようにと要望もしております。そして、また来週も福岡の入国管理局の方から長崎に見えるというふうな話もあっておりまして、その時にも協議をするようにしておりまして、そういった形でいろいろ調整は急いでやっていかないといけないということでございますけれども、入国管理局といたしましても、CIQの関係で船の入港ができないということはできるだけ避けたい、できる限りのことはしたいというふうな話を福岡入国管理局の方からも聞いておりまして、ただ現実に、できること、できないことというのは出てくると思いますので、そこら辺の調整は、また今後、具体的にしっかりとやっていかなければいけないと思っております。
◆江口委員 今のように入管とかになると、国の機関ですから、当然、国に要請しなければいけないですけれども、そういうことになると、そういうことになったことも含めて、我々もそれはお手伝いしますよ。国に要請して、ちゃんと長崎に入ってきてくれというぐらいのことは我々もやりたいと思います。野党ですけれども、そんなこと関係なしに頑張りますけれどもね。よろしくお願いします。
要するに、私は心配しているのは、せっかくこれだけのことが、全国ナンバーワンの長崎の港に横浜にも入れない船が入ってくるわけだから、来た時に、一回きりじゃなくて、もっともっと長崎で、今まで長崎の港に、昭和62〜63年でしょうか、外国クルーズが50隻ぐらい入ってきた時がありましたね。これは最高ですけれどもね。これを上回るような形で今後も松が枝の港、長崎の港にどんどん外国観光船が入ってきて、そしてそのことによって長崎がほかの面でも活気がつくようにやってもらいたいな、やりたいなという気持ちなんですが、いろいろ心配な面があるものだからですね。ましてや、もうすぐそこに定期航路になる時期は迫っているわけですよ。迫っている割には、なかなか具体的なことが皆さんから伝わってこないものですから、今の時期において、大丈夫かなと心配になるんです。
もう一つは、帰りに乗った1人として残念だったなと思うのは、先ほども、どれぐらいの予算を使いましたかという話で、復路には中国のマスコミの関係者を皆乗せたわけですよ。帰りの上海の港を出る時に、誰も見送りがいないし、非常に寂しい復路だったなということを感じました。それだけマスコミの皆さんをご招待して呼んでいるならば、せめて中国のマスコミ、テレビ、新聞にも呼びかけながら、復路で長崎に帰るぐらいのことは、こういうことは宣伝に使う必要があるんじゃないかなと思ったんですよ。誰1人もいないのです。猫もいなかったですね。第1便就航にしては、長崎から行く時は、長崎の人たちが見送りに大分出たみたいです。我々が帰ってきた時も、松が枝で迎えていただきました。だけれども、上海から第1便が出る時のあの雰囲気は、全く人も誰もいないし、寂しい帰り方だったなと思いましたよ。あれはもうちょっと政策企画課の方で呼びかけができなかったのかなと思いました。せっかくそれだけの予算を使ったわけだから、取材してもらって、テレビ電波に乗せてもらうだけで、また多くの上海の皆さんたちが「上海航路がこうやって来たんだな」ということもあったんじゃないかなと思うんですよ。もったいなかったなと思いますね。私は素朴にそういう感じがいましたが、企画振興部長、いかがでしょうか。
◎岩崎政策企画課長 言いわけになりますけれども、今回使用しましたバンド地区の国際ターミナルといいますのが非常に規制が厳しくて、出国者以外ターミナルの中に入れないというようなこともございましたけれども、今、委員がご指摘ありましたように、何らかの工夫がもっとできなかったのかということは、反省すべき点もあったかと思います。
◎永川企画振興部長 港の件については、今、政策企画課長がお話ししたようなことでございますが、今回の航路をどううまく成功させるかということが非常に大事だと思っております。そういった意味で、今、江口委員からさまざまなご指摘がございました。特に、長崎の港に着いた後、ブースが10が20になるのが少し遅れる、7月になるから、その間どうするのかとか、いろんなご指摘がございました。10しかないという状況がしばらく続くのは、これはある程度、仕方がないと思っておりますが、そうしたら、10しかない形の中で、どうお客様に満足しておりていただけるのか、ご不満をいただかずにおりていただけるのかということで、工夫ができることはいっぱいあるんじゃないかと思っています。ツアーのお客様に分散しておりていただく、そしてその間、お客様に楽しみを船の中で味わっていただきながら、「ああ、もう私の順番が来たのか」というような感じでおりていただく、そういう工夫を船会社と一緒にやっていきながら、そしてもちろんCIQ機関との意見の調整をしていきながら、気持ちよく長崎を楽しんでいただけるように、最大限努力をさせていただきたいと思っております。
◆江口委員 HTBクルーズの船は1隻しかないんですよね。週3便ということになると、要するに、ピストン輸送ですね。行ったら帰ってくる、行ったら帰ってくるという感じになるんでしょう。1日かかるわけだからですね。ましてや、あそこで霧が発生すると2時間、3時間、ざらに待たされるわけですよ。そうすると、組んだダイヤがうまく運航できるのかという心配も出てきます。私は、1隻でピストンで、果たして今考えられていることが大丈夫なのかなということが、我々も帰る時に、霧が発生したということで2時間ちょっと待たされたんです。ひょっとしたら2時間どころじゃない、ずっとあそこで待たされると、次の長崎から出航する時、影響するんじゃないかと思うんです。それに合わせて申し込みをされた人たちにどんな影響が発生するのかなとか、そういういろいろ心配な面が出てくるんです。それは皆さんに言っても、「それならもう1隻増やそう」と簡単にはいかないわけでしょうから。いずれにしましても、11月3日が試験運航じゃなくて第1便の就航だった。そうすると、定期航路になった時、第1便就航になって、これが今から定期航路として運航された時に、また新たなそういう今心配しているような問題が必ず出てくるんじゃないかなと思っています。だから、今からHTBクルーズの社長、会社の方とも、そのようなことも含めて、緊密な連携をとっていただいて、この航路が何としてでも成功になるようにしたいからこそ、心配な面で、先ほど言いましたように、こういう意見、苦言も今言わせていただいておりますが、ぜひそういうことも含めて取り組んでいただきたいと思っています。
◆前田委員 江口委員と同様な意見になるかもしれませんけれども、まず、小さなことですけれども、今、最後に江口委員が言われた1隻体制で週3便本当に組めるのかというところから始まると、どんな計算しても組めないんですよね、ピストン輸送でないと。そうすると、観光の方がおっしゃっていましたよね。こっちに来た時の3泊4日のツアーを組んでみたということなんだけれども、シップ・アンド・シップで仮定すると、3泊4日の日程というのはどうやっても組めないんですよ。だから、そもそもその辺の入り口のところから全くもってHTBクルーズ側とのすり合わせができていないのかなと私は思っています。ピストンで来たら、例えば、月曜日に上海を出たら、火曜日の午後着いたとして、遅れたら、ご存じのとおり、夕方とかになりますよね。それから水曜日に滞在したら、どうなるのですか。何せ、2泊しかできないんですよ、どう計算しても。まずもって、あり得ないんですよね。だから、どんな感じでできるのか、1週間で3便というのを表で出してみてもらえませんか。それと、そのやったという3泊4日のモニター、全く合わないですよ。3泊4日しようと思ったら、片道どっちか飛行機で帰るしかない。それでしか組めないと私は思っているんだけれども、どんな感じで1週間流れるのかというのをペーパーで出してみてください。まず、それを資料要求します。それは後からでいいです。
その上で質問に入りたいと思っているんですけれども、前回の委員会なんかでも何度も指摘しているんですけれども、そもそも長崎〜上海航路の県としての位置づけをもう一遍確認させてほしいのですが、施策としては、交流人口の拡大ですよね。それしかないと思うんです。交流人口の拡大で、その時におけるHTBクルーズというのは、県にとって、どんな位置づけをしているんですか。それをまずお聞きしたいのと、その上に立って、HTBクルーズと県の間で、これまで何を確認できていて、さっき政策企画課長から一部言われましたけれども、お互いにどんな要望を出し合っていて、何を検討課題としているのかをこれもペーパーで資料で出してみてください。まずもって、立ち位置の関係を答弁いただけますか。
◎岩崎政策企画課長 上海航路に関する県の立ち位置ということでございますけれども、今回の議会において、知事の方からも説明はさせていただいていると思っておりますけれども、県といたしましては、今回の上海航路を活用して観光交流を活性化させるとともに、教育や青少年交流、より幅広い分野での長崎〜上海航路の活用を促進して、交流人口の拡大という点については、先ほど委員がおっしゃったとおりでございます。交流人口の拡大を図っていくと。また、長崎をいわゆる日中交流の懸け橋の拠点として再構築することで、本県経済の活性化にもつなげていくということが県としての立ち位置でございまして、航路の運航そのものについてはHTBクルーズが行うと。県としては、長崎〜上海航路のPRでございますとか、集客に向けたいろんな情報発信、そういったことも含めて、HTBクルーズと連携できるところは、そういったものも深く連携をさせていただきながら、役割分担をして支援していくということであると考えております。
◆前田委員 であるとするならば、HTBクルーズに対する県民の税金を投入するという支援の論拠は何ですか。
◎岩崎政策企画課長 一企業に対する支援というような点ではないかと思いますけれども、県としては、先ほど申し上げましたように、長崎〜上海航路をいかに県内経済の活性化に結びつけていくかということで、一民間企業に対する支援であるということでは考えておりません。上海は中国経済の最大都市でございます。後背地まで含めますと1億4,000万人の大経済都市でございまして、そういったところからの観光客の入り込み、その経済効果というものを県内に引き入れるために、県として、先ほども答弁した点と重複はいたしますけれども、上海航路にかかわるいろんな中国大陸における活用に向けての情報発信でございますとか、いわゆる県内周遊に関する旅行会社等への支援を通じて交流人口の拡大を図っていき、県の経済活性化に結びつけていく、それが当然県民の皆様のためになるという認識のもとに行っております。
◆前田委員 いただいた資料の「長崎県アジア・国際戦略の取組(案)」の3ページに、「長崎〜上海航路復活」プロジェクトということで、今後の主要事業等を書いていますが、これはまさに全部HTBクルーズの商売を繁盛させるためにやっているということにもなるんじゃないですか。県の施策としてやっているということは理解しますよ。しかし、私が言いたいのは、一企業の航路でそのことをすべての施策というか、行政の目的を頼っていいのかというのが一つ疑問なんです。仮に、HTBクルーズが、エイチ・アイ・エスとでも言いましょう、採算が悪くなって撤退したら、この県としての施策は遂行できないということになるんですか。
◎永川企画振興部長 今、前田委員がおっしゃったことは、多分、ここにいるみんなが心配していることであろうと思いますし、私どももそういう心配はいたしております。ですから、そうならないように最大限努力をしないといけないし、そうならせたらいけないと考えております。
それで、ここにアジア・国際戦略で出させていただいております分も、HTBクルーズという船会社の運営を助けるというつもりではございません。長崎県の交流人口の拡大、あるいはこれをキーにした長崎県の経済の振興、そういったことのためにやる対策だということで、これは本会議場でもお話をしたかと思いますが、あくまでもHTBクルーズの経営あるいは運営については、船の運営につきましてはHTBクルーズの責任でやっていただくと。あくまでも県としては、県内の活性化につながるところをやっていきながら、船の運航というものについて最大限支援をしていく、そういった立場でございます。
◆前田委員 であるならば、県としての上海〜長崎航路の重要性とか、人流、物流の計画をきちんと示すべきですよ。その中で、今回、長崎〜上海航路、HTBクルーズがその取っかかりとして入ってくれるのだから、そこを応援するというのはわかりますけれども、何もかもHTBクルーズに乗っかったような形で、その延長線上で進めていこうとするのは、余りにもリスクが大き過ぎるし、県の主体性が見えないんじゃないかと私は思っています。それは考え方が違いますか。
例えば、予算総括で時間切れでしたけれども、物流もこれから活性化させていきたいと知事は言いましたよね。物流でコンテナを運ぶのは、これはどこがやるんですか。HTBクルーズに今現在、コンテナの依頼をしていますか。
◎岩崎政策企画課長 今、上海航路で使っている船はローロー船でございますので、貨物の輸送も可能なタイプではございますが、現時点で、ハウステンボス側としては、まずは人流でやっていくと。物流については、将来的な構想の中での一つの構想としてはHTBクルーズとしてもあるということでございます。ただ、現時点で、当面はまず人流で進んでいくということでございます。
◆前田委員 だから、堂々めぐりになりますけれども、長崎と上海の物流を促進しようという県の気持ちがあるんだったら、HTBクルーズが当分の間は、経営上ちゃんとしてやっていかなければならないから、人しか運ばないと言っているんでしょう。仮にできるとしたら、順調にいけば2隻目をつくりたいという話をされていますよね。しかし、それができるのは2年後か3年後でしょう。それも、順調にいけばという前提でしょう。その順調にいけばを頼りにして、長崎県のアジア、特に上海との物流を県がそういうタイムスケジュールで乗っかっていこうというのは、まさしく一企業の展開次第ということにしかならないじゃないですか。
まして、もっと言えば、コンテナの物流の長崎県としての計画というのは産業労働部でも扱っていないし、今は交通の方と港湾でつくっているでしょう。そもそも、それだって経済政策という意味では、私は、産業労働部でやるべきだということをこの間、質問したかったけれども、そこまでは行かなかったけれども、しかし、物流をやろうとしていて、一企業に頼り切った中で展開しようという方向性自身がおかしくないですか。
◎永川企画振興部長 確かに物流については、今後伸ばしていくべき分野だと私自身も思っております。長崎港の物流については今、土木部の方で、ここをどうしていくのかということで具体的な検討をしております。これは上海航路だけではなくて、ほかの航路も含めて、もっと活性化できないかということを考えているとお聞きしております。これは一企業にだけ頼ってやるべきではないのではないかというご指摘も確かにございます。実際上はHTBクルーズだけに寄りかかかって計画を進めるというような形にはなかなかならないと思っておりますけれども、ただ船会社というものは、そう数は多くあるわけではございません。従来から、長崎港活性化センターなどと一緒になりながら、県も市と一緒にポートセールスをやっております。そうした中で、いろんな船会社に働きかけをしますが、なかなか実際上は、話は聞いていただけるけれども、新しい航路の開発に結びつかないという状況もございます。ただ、ここはそのままでいいのかということにはならないと思っていますので、土木部とも協力しながら、物流についてもしっかり検討していかなければいけないと思っております。
◆前田委員 なかなかかみ合わないんですけれども、私は、成功してほしいと思っているから言っているということをまず理解いただきたいんですけれども、例えば、県でこの航路をしっかりやろうと、ここを切り口としてアジアをターゲットにしていこうということであるならば、県で船をつくればいいじゃないですか。だって、1便じゃもたないんだから。私は、人と物が同時に動いていかないと、この航路の成功はないと思っているんです。だから、はなから言っているのは、企業ばかりに頼らずというか、その立ち位置がどうなんですかという話をしているんだけれども、どう見たって、HTBクルーズに乗っかかっているとしか思えないじゃないですか。
じゃ、仮にHTBクルーズが撤退したとしましょう。そこまでに投じた税金はどうするんですか。それと、概算の状況でしょうから、来年度、この上海航路にかける予算は今、総額どのくらいあるんですか。両方教えてください。
◎岩崎政策企画課長 まず、平成24年度当初でどの程度の上海航路関係予算が要求されているかという点についてお答えいたします。企画振興部以外に、港湾課のハード関係の設備も含めますと、6億6,700万円程度が予算要求されている状況でございます。そのうち、企画振興部と文化観光物産局を含めた、いわゆるソフト的な面が約3億円、それから港湾課のハード関係で3億6,000万円程度が要求されている状況でございます。
◆前田委員 今からやることを応援すると言いながら、こういう発言を公式にしていいのかどうかわかりませんけれども、仮に、1年間やってみて、だめでしたという話になってしまうと、今の税金が全部無駄になるんじゃないですか。その時は誰が責任をとるんですか。そんな気が私はするわけですよ。新たにやる事業だから、そういうリスクもあるだろうと言われるかもしれないけれども、そもそも論として、余りにもHTBクルーズの上海航路というところから始まったところに乗っかっている事業施策になっているので非常に危険だし、どこかできちんと将来を見据えた中での計画と、企業との役割分担をきちんとすべきじゃないのかなと思っているんですよ。HTBクルーズとしても、かなり県に対して期待していますよ、いろんな意味で。その期待にどこまでこたえるかというのは、税金をどこまで出せるのかというところだと思うんです。そうした時に、今のような話ではなくて、きちんとそれぞれの役割というか、立ち位置をはっきりしておくことと、現時点で何が確認できていて、どんな要望が出ていて、「どれは協議の場に乗れるけれども、これは全く乗れません」というのがあるのかというのを議会に示していただかないと、一蓮托生で、やってみなきゃわからないという上海航路に対して県民の税金を出すことに、議会としてオーケーが出せるとは私は到底思えないんです。大きな期待をしていますよ。しかし、期待が成功に行くだろうという裏づけをきちんと出してください。
話は変わりますけれども、9月からインバウンドとアウトバウンドの実行委員会ができていますよね。その検討状況、その中身についてお知らせをしてください。
◎中崎アジア・国際戦略課長 9月に「長崎上海旅遊ネットワーク」ができておりまして、部会が4つございます。そのうちのインバウンドに関する部会である受入態勢・誘客部会については、アジア・国際戦略課が事務局をしておりますので、私の方からご説明させていただきます。これまで、9月21日と11月11日、2回の部会を開催しております。いずれも60名、民間の方は大体半分の30名ですけれども、多くの方にご参加をいただいております。部会の中では、上海航路に対する県や市町、民間の課題や取組状況について報告して、お互いの情報共有や今後の連携確認を図っておりますけれども、特に、商店街につきましては、銀聯カードの導入であったり、無線ラン環境の整備、ウェブサイトの開設やフリーペーパーの作成、あるいはバス協会におきましては、貸切バスについて、指さし会話用のボードをつけるというようなご報告もいただいております。先ほどから話が出ておりますように、実際のスケジュールとかツアー行程がまだわからない中で、どれだけ長崎に来てくれるのかということで、商店街の方を含め、不安の声もありましたけれども、やはり出席した皆様の上海航路に対する期待は非常に大きく、受け入れ体制に係る意識の高さというのは感じているところでございます。1月から本格就航も始まりますので、来年の1月中旬に3回目の部会を用意しておりまして、残された課題につきましても、もう一回ご報告いただきまして、一定の課題については整理して、就航に対応してまいりたいと思っております。
以上でございます。
◆前田委員 部会ではそういう機運も盛り上がっているでしょうから、ぜひ、そういういろんなことに対しての検討と、またそれが実行に移せるような事業体系というのをとっていただきたいということを要望しておきます。
私が言った資料は出せますか。確認してください。
○山口委員長 しばらく休憩いたします。
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−午後2時55分 休憩−
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−午後3時15分 再開−
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○山口委員長 委員会を再開いたします。
◆楠委員 かなり質問も出尽くしつつありますので、単純にお尋ねしたいんですけれども、オーシャンローズが来年の不定期便に合わせて船内改装中なんですけれども、これは不定期便に合わせて完成するんでしょう。
◎岩崎政策企画課長 船内の大改造については、1月20日以降の不定期運航に合わせてすべて完了した上で、1月下旬から投入すると聞いております。改装はすべて完了すると伺っております。
◆楠委員 ちまたに間に合わないという声もあるから、私は、間に合うと言うんですけれども、「それはわからぬ」という声が聞こえてくるものですから。間に合うわけですね。そこを信じておきたいと思います。
先ほどインバウンドの話もありましたけれども、結局、インバウンドにしろ、アウトバウンドにしろ、中国政府の運航許可が下りないことには何も企画商品もできないし、それから先にできないということで、しかし、果たしてそれで大丈夫かなと私は思うんですよね。許可が下りるのが間もなくだろうということは言われましたけれども、もう来年の1月末には不定期航路が始まるのですが、それからでもインバウンド、アウトバウンドの対応というのは大丈夫なんですか。
◎柿本観光振興課長 インバウンドの商品づくりの関係でございますけれども、ご指摘のとおり、1月の不定期運航まで1箇月余りという時点になってきておりますけれども、中国の方では、正式に認可が下りなければ具体的な価格を提示したり、スケジュールを提示したりして旅行商品を造成するということは非常に難しいと伺っております。ただ、HTBクルーズにおきましても、明示的にではありませんけれども、旅行会社あたりとは、説明できる範囲で航路の紹介でありますとか、そういった話をするようなことは持たれていると聞いておりますし、それから中国からのインバウンドの旅行商品の場合ですと、日本の方で中国から観光客が来られた時に受け入れをするような旅行会社が必要になってきますけれども、そういったところとの調整も準備としては進められていると伺っております。実際にこれで認可が下りてスタートということで、確かに時間的には厳しい段階にあろうとは思っておりますけれども、先ほど政策企画課長からも話がありましたとおり、エイチ・アイ・エスさんがまたそこで商品造成をされるとかいうこともあると思いますし、正式に認可が下りて発表されれば、中国の旅行会社に対しては、正式なご説明はすぐにでもやっていきたいというふうな話は伺っております。
◆楠委員 ぜひ間に合うように取り組んでいただきたいと。これは間に合わせないことには大変なことになりますからね。
それから、中国から来られたマスコミ関係の方々を招待して、県内各地に行っていただいておりますよね。中国から来られた方々は総体的に、日本人がオーシャンローズに乗って行ったことよりも、非常に満足度が高いようなアンケート結果が出ているわけです。ここに記述による意見、感想をということで書いてあります。これをよく分析すればわかるんでしょうけれども、中国から来客された方々の満足度が高い理由というのは何でしょうか。
◎柿本観光振興課長 今回、中国の方からメディア関係の方、旅行会社の関係の方をお招きしまして県内を周遊していただきましたけれども、全体のアンケートを通じてありましたのが、今回の航路についての満足度という部分では、改装前ということではありましたけれども、比較的満足度が高かったといいますか、「満足」と「やや満足」を含めると8割ぐらいということで、そこが一つは、中国上海の方はクルーズを大変好まれるということもあるんですけれども、船旅については余り抵抗がないといいますか、どちらかというと船で旅行するということに関しては、一定の関心を持っておられるということは改めて感じたところであります。
それから、実際に県内を周遊していただいた中でのご意見でいいますと、今までは、どちらかというと中国から旅行で来られる方は、東京、大阪あたりを中心に来られていると、ほぼ8割以上がそういったコースに来られていたという状況がありまして、今回長崎を周遊していただいた際も、どちらかというと、これまで余りコースの中に入っていなかったようなコースを回っていただきまして、平戸でありますとか、大村の体験型の農園、小浜の足湯、加津佐のイルカパーク、島原の武家屋敷とか、それから島原半島から船で熊本の方に渡っていただいて、その際も、船の上でカモメが船に寄ってくるというところがありまして、そこが非常に好評だったとか、これまでそういう自然とか、動物とか、そういったものに触れるようなツアーが余りなかったということで、そういった部分については非常に関心が高く、好評だったということで、そのあたりは新しくそういった点を活かしていかなければならないと思っております。
ただ、一方で、そういいながらも、中国の方の場合の旅行の目的の中にショッピングというのがどうしても大きなものとしてありますので、アンケートの中では、ショッピングの時間を十分にとってほしかったとか、そういった点の指摘もあっておりますので、そういう部分は今後、十分参考にしていかなければならないと考えております。
◆楠委員 かつて、海外旅行をする時の交通の手段というのは、少なくとも戦前までは、ほとんど船ですよね。飛行機で行ったり来たりするというのはほとんどなかったと思います。どこに行くにも船旅で行っておったという時代から急速に、特に、昭和40年代から、私どもは東京に行くにしても、大阪に行くにしても、国内でも飛行機で移動するというふうなことに慣れ切っているんですけれども、しかし、ちょっと前というのは、日本人も外国の人もそうでしょうけれども、外国に行くためには船で行くしかなかったと、特に、日本の場合は島国日本ですからね。だから、私は思うんですけれども、日本人が余りにも飛行機に慣れ過ぎて、旅行というのは飛行機で行くしかないんだというふうな感覚になり切ってしまっているんじゃないかなと。だから、この機会に、上海航路によって、日本人の旅意識を変えてみるチャンスになるんじゃないかなと私は思っているんですけれども、豪華客船とはいかないまでも、豪華客船にやや近い形で、船内でもいろんな催しがあるし、そういう意味では、なかなか豪華客船に乗るということは、お金もたくさんかかるし、また暇もたくさん要るわけですから、そういう意味では、私は大きなチャンスがあるんじゃないかなと思っているんですけれども、どうでしょうか。
◎柿本観光振興課長 今回のアンケートの意見の中でも、このクルーズのセールスポイントをきちんと持っておく必要があるというふうなご意見がございました。日本に来まして上陸した時だけ国内で観光するということで、上陸したその日のうちの8時間とか、長くても10時間とか、そういった中で周遊をするような形で、それから船にも戻りまして、夜は船の中で過ごすというふうな形で、次の港に行くというものが一般のクルーズでございます。それに対して、上海航路の場合には、船に乗って1日かけて日本に来るわけですけれども、その間、通常のクルーズと同じように、船の中では、その時間を有効に過ごすことができると。エンターテインメントがあれば、なおさら楽しむことができるということで、日本に来て上陸した後は、通常の旅行と同じように、国内はホテルにも宿泊して、温泉にも行くことができるとか、先ほど言いましたようなそれぞれの観光地、自然とかそういったものもゆっくりと旅行することができる、観光することができるということがありますので、ある意味、クルーズと少し違って、船旅を楽しんで、さらにまた国内の旅行も楽しめるという点が観光面で言えば、上海航路の一番の売りではないかと思いますので、今後、情報発信、それからPRしていく時に、そういった魅力をはっきりと、きちんと伝えていくということが大事なのではないかと思っております。
◆楠委員 孫文が日本に何回も来られているように、また梅屋庄吉が何回も外国に行ったように、あの頃は、行ったり来たりというのはほとんど船でしかしていないわけですから、今言われたように、そういった魅力をぜひ発揮していただいて、私も上海航路が大成功に終わるように、先ほどいっぱい心配の声も出ました。そういうことも十分皆さん方、認識していただいて、成功のために頑張っていただきたいと思います。
○山口委員長 上海航路に関して、事前通告をされていない委員の方で、関連の質問はありませんか。
◆友田委員 上海航路に対して、前田委員からいろいろと心配の声がありました。その思いについて、私も同じような思いを持っておりますので、少し関連をしたいと思います。前回の定例会においても、いろんなところの問題点はHTBクルーズの方に委ねられていて、情報がなかなかこっちに来ないと。そういった段階で県がいろいろ前向きに動くことが本当に正しいのかどうか判断できないという話をしていました。まさに、上海にも行って、上海事務所の担当者にも聞きましたし、HTBクルーズの社長とも会いました。しかし、前回私が心配していると言ったことについて、いまだに解決できていないんです。今日の前田委員と皆さんとのやりとりを聞いていて、やっぱり何だか不透明だなと、まさに霧がかかった状態だなという思いがあるんです。
先ほど前田委員がおっしゃったとおり、もちろんうまくいくように頑張ると企画振興部長はおっしゃいましたし、そのために皆さんが努力されるということは十分承知をしていますけれども、ハウステンボス、HTBクルーズという会社は民間の企業ですから、採算ベースに合わないという時には撤退する可能性だって十分あるんです。その時に、投じた県費はどうなるんだ、それに対する責任は誰がとるんだという話は、これは県民であれば誰だって思うことなんですよ。私も地元で、県の絡んだいろんな問題について地元の皆さんと話すと、「それは余りにもリスクが大きいだろう」と、「誰が責任とるんだ」と。「我々は税金を一生懸命納めているのに、その使い方を決めるあなたたちがしっかり責任とってくれなければ、どうやって我々は税金を納めたらいいんだ」と、こんな厳しい声が出てくるんですよ。この上海航路の問題も、まさにそういう心配を県民の皆さんはお持ちだろうと私は思うんです。
例えば、来年度について、6億6,700万円ぐらいの予算を組んでいるというお話がありました。確かに松が枝の国際ターミナルのブースについては少ないということはわかります。しかし、本当に現在ある10ブースで足らないという状況が生まれているかというと、まだこれはわからない状態なんですね。なのに予算をつけて、もう増設をしますよという話にもなっているし、そういう話が本当に確信が持てない段階で、予算とか、こういった問題について我々が今後オーケーとゴーサインを出していいのかというところが私たちが思っている不安なんです。ですから、先ほどの6億6,700万円については次回の2月定例会の中でしっかり予算として、例えば、ソフト面と言われた3億円については総務委員会の中でしっかり審査することになるでしょうから、その際には、この不安が払拭されて、確信が持てるような形で予算が提案されるものと思いますが、こういった声があるということについて、いま一度、企画振興部長から、どのようにお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
◎永川企画振興部長 今、友田委員から、非常にリスクが大きいのではないか、県の予算について、本当に大丈夫かというご意見でございました。私どもも、多分、県民の皆様も、そういった気持ちを持っておられる方は少なくないと思っております。こういった県民の声にしっかりおこたえをしていく責任が私どももあると思っております。HTBクルーズとしっかりしたお話をしていきながら、しっかりご説明をしていかないといけないということだと思います。ただ、今、民間の企業がやっているから、いつ撤退するかわからないからと。それでは、そういうリスクがあるところでは県はやらないのかということになりますと、全体を見て、長崎県をもっとよくしていくためには一歩踏み出さないといけないというところについては、しっかり踏み出していきたいと思っております。ただ、そのためには、県民の皆様にしっかりご説明できるようなものをつくり上げていって、議会のご審議をいただいて、しっかり物を進めていきたいと思っております。もう少し時間がかかるところはございますが、そういった姿勢で臨んでいきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
◆友田委員 意気込みはよくわかるんですけれども、例えば、先日、HTBクルーズに行った時も、オーシャンローズをどこで改修するか等については、こういったことはインサイダー取引の何とかに抵触するので言えませんと社長はおっしゃるんですよ。我々は、そういった不安があって、本当にこれから県費を使っていいかどうかということを判断するために言っているにもかかわらず、これは経営上の秘密だと。それはそのとおりだと思いますよ。彼らの立場から言えば、そのとおりだと思うけれども、HTBクルーズと長崎県が両立し合って初めて成り立つ事業であるのであれば、そういったところについては、やはり相手側も十分説明をしてくれる姿勢が必要だと思うんです。それが我々に直接言えないのであれば、そういった点について県の担当者の皆さんがHTBクルーズとの間で詳細なやりとりをして、我々に納得するような説明や資料の提出がなければならないと思うんですよ。まだあと2年先のことですよというのであれば、それは今の時期としても遅くはないと思います。しかし、江口委員もさっきからおっしゃっているとおり、もう来年ですよ。4月ですよ。もうすぐですよ。なのに、まだこんな状態だということが本当に不安なんです。だから、成功したい、させたいと私たちも思っていますよ。でも、そのためには県費を投入しなければならない。その県費の投入が本当に正しいと私たちが太鼓判を押せるような中身の提示がいただきたい、このことはぜひわかっていただいた上で、速やかにそういった対応をしていただきたい。これ以上やってもきっと水かけ論ですから、私は要望しておきます。
○山口委員長 ほかに、質問はございませんか。
◆中島[浩]委員 私も皆さんと同じように、大変心配をしております。そういうことで、先ほど前田委員に対する政策企画課長の説明の中で、上海航路をHTBクルーズが担当するんだというような答弁をされましたね。そのほかのことは、「長崎〜上海航路復活」プロジェクトの中に、今後の対策として、事業として掲げられております。中国からの誘客対策、日本からの集客あるいは受入態勢、こういうものに対して、主なもの、県内周遊ツアーへの助成、あるいは上海航路と航空路線を組み合わせた旅行商品に対する支援、企業・修学旅行に対する助成、そして日本からの集客に対する旅行商品造成の支援、あるいはホテル、旅館、商店街の受入態勢整備への支援、こういうものを具体的に、どういうものをやるのか、そしてこれに対する、先ほど全体で来年度は6億6,700万円の予算計上というけれども、こういうものにどのくらいかけるのか。この整備だけは一度やったらいいわけですけれども、ほかのものは毎年予算を組んでいくわけでしょう。だから、具体的にどういうことをやるんだということをまず知らせてください。
◎岩崎政策企画課長 来年度、上海航路関連予算として、先ほど6億6,700万円程度というお話をしたかと思います。企画振興部と文化観光物産局で3億円程度、それから港湾課のハード整備でございますが、まずハード整備の部分は、松が枝地区の新しい旅客ターミナルと小ケ倉地区の景観形成が3億6,000万円ぐらいございますけれども、あとソフト的な部分としては、上海航路の活用推進ということで、船内を活用した、いわゆる動くパビリオンというような形で、いろんな情報発信をしていくような予算、それから。
◆中島[浩]委員 私が言ったのは、県内周遊ツアーに対する中国からの誘客に対する、こういうものを助成しますというのは、どういう助成をやるのかと。主なものだけ挙げたでしょう。上海航路と飛行機を組み合わせた旅行商品に対する支援、こういうものはどういうことをやるのかと。
◎柿本観光振興課長 私の方から、まず県内周遊ツアーへの助成の関係ですけれども、県内周遊ツアーの助成につきましては、今年度の当初予算におきましても計上をいたしておりますけれども、ツアーで中国からお見えになられた時に、県内を周遊する場合の貸切バスを使う時のバス代相当額を想定いたしまして、それを1人当たりで換算いたしまして1,125円という数字を出しまして、中国からの観光客の方ができるだけ県内に滞在していただくということのために、原則的に県内に2泊以上宿泊する場合に1,125円の支援をしていくというものでございます。それから、企業報奨旅行と修学旅行等への助成もDにございますけれども、これも今年度も予算措置をしており、これは大規模な団体旅行があった場合に、延べ宿泊で200泊以上といった場合には、1人当たり1,000円相当の支援をしようというものでございます。
以上でございます。
◎西元次長兼新幹線・総合交通対策課長 交通部門が所管をいたしておりますのが、上海航路で言うと、「アウトバウンド」と言っておりますが、基本的には、日本人の旅行者が中国に行く場合、船についての支援の分と、それから先ほどご質問がありましたフライ・アンド・クルーズ、これは交通部門でMU(東方航空)を所管いたしておりますから、この2つを現在、財政課の方に出しております。簡単に申し上げれば、上海航路を使って日本人が行く場合、この部分につきましては今年の補正で約1,500万円ぐらいの補正をいただいております。この部分は基本的には、エージェントに対して、これはエージェントにツアーをつくっていただく部分の奨励費及びエージェントが実際にはツアーをつくらずに、単純に手配をして、グループ旅行で行く場合がございますので、こういう部分についての支援でございます。単価的には、基本的に、1人当たり約1,500円ぐらいの金額になるかと思っております。
もう一つ、フライ・アンド・クルーズにつきましては、先ほどご質問もありましたが、基本的に、1回当たり1,000人の方が船に乗って来られるとして、その中には、当然、中国人の方がかなりたくさんおられて、日本人が大体20〜25%ぐらいだと見ています。ただ、フライの方から見ると、実は、機材の大きさから申し上げて、飛行機のキャパの問題がありますから、現在、50%ぐらいのキャパがありますので、残り50%だと、1回当たり大体60人なんです。ですから、全体で申し上げると、フライ・アンド・クルーズで、クルーズで来られた方が圧倒的に多くて、飛行機をご利用される方は、キャパの問題から、非常に少ないと思っております。
そういう中で、先般、上海に行きまして、知事もMUに要望いたしましたが、増便であるとか、前から言っている機材の大型化であるとか、そういう部分を含めて、フライ・アンド・クルーズの商品をエージェントにつくっていただくというような考え方で、来年の予算で申し上げますと、先ほどの上海航路利用促進分が約6,000万円、それからフライ・アンド・クルーズの部分が、これは航空部門の方で約1,000万円計上させていただいております。
◆中島[浩]委員 さっき浅田委員が言ったように、船を利用し、飛行機を利用すると言っているでしょう。これはこの前、ハウステンボスに行った時、山本社長は、そういうことはありませんと言っているわけだ。飛行機は割引が往復はありますけれども、片道ではありませんと、そういうことは考えていませんと言っているわけです。山本社長はですよ。だから、そういうこと、いろんなことを考えたら、本当に来年度は6億6,700万円、しかし、長崎港のハード整備にかなりの金がかかりますから。ほかの部分は毎年助成に県費を使うわけでしょう。だから、1,000人規模でお客さんが県内に入られる、それに対しての助成が全部あるわけですから、相当な助成、支援が旅行会社にしても、今からはつぎ込むんですね。だから、本当にどこまでがHTBクルーズが役割を分担するのか、長崎県がどこまでやるのかということははっきりさせてやるべきですよ。運航だけをHTBクルーズにお願いしたいと、あとのことは長崎県がある程度、誘客かなにかやりますよと言うが、私は本当にリスクは大きいと思いますよ。だから、しっかりとそこら辺は、HTBクルーズがここまではやるんだと、長崎県はここまでやるんだということをはっきりと協議をして、約束をしてやるべきだと、私もそう思いますので、しっかりと協議をやってください。
○山口委員長 ほかに、質問はございませんか。
◆浅田委員 今、フライ・アンド・クルーズの話が出たので、飛行機のことについても通告していたので、そのまま続けたいのですが、この推進事業というのは、今、企画振興部次長兼新幹線・総合交通対策課長は、MUさんとか、フライ・アンド・クルーズを見込んだ上での増便とかも話しているという一方で、昨年の目標達成率を見ると、この部分も下がっている。下がっているからこその今後の努力もしたいということが掲げられています。この事業とそのあたりをどのように考えているのかということと、例えば、飛行機会社にしてみれば、長年、長崎〜上海便をずっと運航していて、過去には、グループに何人いると、そこに助成を払ってとか、さっきの1人当たりの1,500円と一緒で、グループ団体に関しては、また幾ら払うみたいな事業をずっとやってきたわけですけれども、それが年々落ちている中で、今回、クルーズ・クルーズというような上海航路という話がある中で、これに関しては、どのようなお話をしているのかと。クルーズを見込んでの増便とはまた別のところの角度からお答えをいただきたい。これはジャルパックさんとかとの仕事の絡みになると思うんですけれども、そういったところには今後の歩みというのをどのようにご説明しているのかを教えいただけますか。
◎西元次長兼新幹線・総合交通対策課長 今回、上海航路が定期的に運航するようになって、MUの搭乗率が、昨年は約1万5,000人ぐらいあったのですが、震災以降、今年度になりまして、最終的には、決算ベースで言うと約半分ぐらいの利用者かと思っております。これは4月、5月、6月はかなり運休も相次いだんですけれども、そういう中で、まずMUのお客さんを戻す必要があります。私どもは交通部門ですので、例えば、航空路も、それはMUという一つの会社が経営をいたしておりますが、今回、上海航路も民間の会社が経営するという中で、利用者をどうやって増やすかという部分に、航空路は前からそういう支援を打っております。今回、上海航路で中国のお客様がたくさん来られる。先ほど日程とかの関係もありました。これはまだハウステンボス側も公表していませんから、実際には何曜日に出て、何曜日に帰るのかがわからないのですが、先般、上海に行ってみて、ツアー商品という考え方の中で言うと、例えば、長崎から出て、次の日に着いて、その次の日に出航するというような便では、基本的にツアーが組めません。そうすると、上海に4泊か5泊、もしくは中国から来られたお客さんは九州の方に4泊か5泊ぐらいになるだろうと思っています。そういう中で、もちろん大半は船・船というツアー料金は安いと思います。ただ、時間的にその余裕がない方については、やはり飛行機で帰られる方もいらっしゃるのではないかと。
私どもがしなければいけない点が実は二つあります。それは今回、ほとんどの団員の方が船と飛行機と片々で利用されたのですが、実際には、それで費用がかなりかかっています。どこがかかっているかというと、飛行機の値段が往復団体割引でなければ落ちないという最大の問題があるんです。この部分を航空会社と協議をするという考え方が一つあります。
それともう一つは、空港の利用促進対策の中で、佐賀に中国上海からLCCも入りますから、それの対応の問題とかがあって、今回の上海航路のお客様を少しでも乗せることで、長崎空港のMU便の維持、それから利用者の増につなげていきたいと考えております。
◆浅田委員 長崎空港からのということをおっしゃっていましたけれども、それ自体が今、月曜日と金曜日ですよね。両方、長崎から行くのも月、金、向こうから来るのも月、金。そういう流れの中で、今、HTBクルーズがいつ運航するかもわからない中で、それ自体のマッチングがすごく難しい状況になって、本来、上海に行こうかなと思う人は、5泊もしたいというよりも、それこそHTBクルーズの社長も言っていたように、手軽に行ける旅行として考えているという流れを考えると、この間、県から行った人たちも、大抵、福岡に行って、長崎に帰ってくるというような方が多いというのが逆に非常に問題だなと思って、これからまた交通政策の中で、飛行機の方も伸ばしていきたいとは言いながらも、その辺がどううまくかみ合うのかが、理想の部分と、じゃ、上海航路の日程に合わせてMUにも動いていただかなければいけないのかとか、その辺がすごく不透明な部分といいますか、合理的にできないと、逆に言うと、福岡にお客さんを逃してしまう、帰り側もそうなってしまうというような、フライ・アンド・クルーズの状況ですらつかみづらいかなというのが今、すごく心配としてあるんですけれども、いかがでしょうか。
◎西元次長兼新幹線・総合交通対策課長 あくまでもフライの方からの立場で申し上げますと、基本的には、運賃の問題を解決した路線が生き残るのかなと思っております。
それともう一つは、このツアーをつくるのは、実は、輸送事業者ではございません。これはあくまでもエージェントでございますけれども、基本的に、MUとの長い関係の中で、上海側のエージェント、それから日本国内の10数社に上るエージェントについては、ずっとこちらとの取引がございます。調整もずっとやっておりますので、そういう中で、逆に言うと、同じMUであっても、福岡よりもツアー料金を落とすことができれば、これは確実に長崎に入って、九州を回られても、長崎から出て行く、もしくは長崎に増便及び機材の大型化のチャンスが来ると考えております。
◆浅田委員 考えていると、そのご努力はわからなくはないですし、今までの長年のつき合いということがあろうかと思うんですけれども、やっぱり現実路線をもう少し考えて動いていかないと、どちらも中途半端にはなれない。達成率もだんだん厳しくなっているような状況で、昔は、ホームページを見ても、例えば、上海便、ソウル便とか、県のホームページから見てもわかりやすかったんですけれども、ごめんなさい、私が探せなかっただけかもしれませんが、何となく最近は上海航路のことは推し進めている感じがあるんですけれども、飛行機の方がすごく探しづらくなっていて、観光客の方にとってどうなのかなと、もしかしたらこれは私の不手際なのかもしれませんが、ちょっとたどり方が難しい部分とかがあって、簡単に逆に福岡便に飛ばれてしまうような気がしたものですから、この辺も、ご努力もわかるのですが、来年に向けて、船と両方しっかり考えていただければと思います。これは何度も繰り返しになりますので要望にとどめますが、次の委員会の時はメンバーは変わっているかもしれませんが、もう少ししっかりしたご答弁をいただければと希望して、終わります。
◆橋村委員 じっとやりとりを聞いておりました。ただ、今回のフライ・アンド・クルーズあるいはこういう計画について、まだいまだに我々が安心できるような計画が提示できていない。にもかかわらず、前へまだ進んでいる。そして、先ほどの企画振興部長の話では、リスクを伴うということでしたけれども、リスクを伴うようなことにあえて手を染めていいのかどうか、公金の執行に当たって、どの程度までのリスクならば許せるのか、そういうことを思う時に、本当にそのリスク、非常に大きいものがあるんじゃないかと。だから、同じような意見が発言されたと思うんです。
今までに、ハウステンボスがスタートした時、あれが最初は埋立地だったでしょう。そして、ハウステンボスをつくろうというようなことで数百億円、数千億円を投じて、そしてリゾートとして、あるいは観光誘致のためにと、高田元知事も一生懸命になって、救世主だというような感じで、これに随分てこ入れをしてきた。その経過で、どれぐらいの公金を支出したか把握されておりますか。
◎永川企画振興部長 ハウステンボスの建設から現在に至るまで、どのくらいの公金かというお話でございましたが、申しわけございませんが、手元に資料がございませんので、今のところ、わからないということで、申しわけございません。
◆橋村委員 いつか、当初からの経緯を検証しておってもらいたいと思うんですよ。今、いろんなことを思い起こすわけですけれども、例えば、企業誘致をしなければならない、就業の機会を確保しなければならないと、各市町村、79市町村あったわけですけれども、どうにかして企業誘致を、企業誘致をということで進めてきたんですよ。私も随分企業誘致を進めろと言われたんです。しかし、のどが渇いた時こそ水は吟味しなければならないということをずっと言ってきたんです。ところが、安易にこうやった。あなたの出身地の愛野もそう。すぐゴルフ場ということで、ばっと突っ込んだ。頓挫した。あるいは明治乳業も進出をした。2〜3年もしないうちに、企業論理というのは経済論理だから、ここは閉鎖するということで、よそに行ってしまったでしょう。そういうケースをずっと見ているから、企業誘致には特に慎重にならざるを得ない。企業誘致とは何か。地方税である固定資産税と、もう一つは、就業の機会を確保すると、そういうことなんですよ。しかし、それが継続性があるのかどうかということを十分吟味して取り組まなければならないと思って取り組んできたんですよ。
だから、「こういう場合にはリスクがあるのは当然だ」ではなくて、リスクをいかに最小限に食いとめて、我々を安心させるように、県民が安心できるようなバックデータで説明をすることなんですよ。経済、企業論理だから、これは企業秘密、これは企業秘密ということならば、もうパートナーになり得ないじゃないですか。あなたはまだなったばかりだから、今までの経過からは引き継がざるを得ないといえばそれでいいかもしれないけれども、もう少し内部でも立ちどまって、どれだけリスクを最小限に抑えるか、今までの計画より、もっと計画をこれだけ詰めてきましたよと、ずさんな計画ではもう相手にできないと、だからここまで詰めてきた。6月の段階はこうでした、9月の段階こうでした、11月のこの議会では、ここまで詰めてまいりましたと。一歩も進んでいないじゃない。もう一度、そういうことに対する見解を言ってほしいと思います。
◎永川企画振興部長 私は4月に来ましたけれども、一歩も進んでいないということではなくて、かなり進んできたとは思っております。5月末に、まだはっきりしなかった就航自体をはっきりさせることができましたし、就航の第1便といいますか、試験運航というお声もありましたけれども、これもすることができました。この11月の第1便の効果は非常に大きかったと思っておりますし、ここをどうにか乗り越えることができた。そして、今から本格の営業運航が始まるという状況がございます。
橋村委員がおっしゃったリスクを最小限にするということは、本当におっしゃるとおりだと思っております。そのとおりに私どもも、しっかりした協議をして、議会にもしっかりご相談ができるようにしなければいけないと思っております。ただ、片方では、どうしても企業経営でございますので、なかなか外には出しにくいという情報もあろうかと思います。そこをどういった形で県議会の方にわかりやすく実態を上手にお伝えできるかというのも私どもの役目だと思っておりますので、そこをしっかりやらせていただきたいと思っております。
以上でございます。
◆橋村委員 いわばパートナーでしょう。だから、外部の人間とは違う。そして、公務員にはちゃんと守秘義務もある。だから、これはマル秘情報なんですよと、ここまではこうなんですよと、そういう話で、公にはできませんけれども、ある程度の詰めはやっておりますと、この段階ではこうなんですということであればいいんですよ。しかし、あなたたちは進んでいる。それはあなたたちの意識がそうであって、我々が半年余り経過を見ていると、本当に確実な一歩ずつ進んでいるかどうかというものについては、否と言わざるを得ないんです。
今まで、県はいろんなものにチャレンジしてきたんですよ。長崎サンセットマリーナもそう、あるいはバイオラボも。私は、ベンチャーというのはアドベンチャーだと言っている。かけじゃないかと。だから失敗するぞと言って、案の定なんです。だから、そういうベンチャー、アドベンチャーには公金執行してはならない。だから、確実性を一つずつチェックしていって積み上げていって、「これならばやっていけるぞ」と、それが役人の務めなんですよ。あなたが企業経営者だったら、「もうけるか、損するか、やってみなければわからない。もうかった時はもうけ物たい」と、それはそれでいいんですよ、企業というのは。しかし、公僕というのはそういう立場にないということを十分認識しておってほしい。課長たちもそう。あえて私は言わずにおこうかなと思ったけれども、浮かれておってはいけませんよ。今日、みんなが心配されて発言されていたのは、みんな同じ思いなんです。あなたたちの執行に対してチェック機能として県議会は何をしていたのかとしか言われない。甘いじゃない、ずさんではないか、追認じゃないか。だから、「こういうデータもあって、公表は控えているけれども、見通しは明るいんですよ」と、「こういうことで、職員も頑張っております。会社もこうなんです」ということであればだけれども、ただ試験就航があったというだけじゃないですか。それ以上に進んでいるものは何にもないですよ。テスト運航くらいはできるさ。しかし、これから着実に週に2便か3便という計画をきちっとして、一歩一歩それを実行していくと、そういう計画を提示すべきと思いますよ。
もうこれ以上言ったって同じだけれども、事慎重にやっておってもらいたいと。また予算については改めて苦言を呈したり、あるいは修正を願うかもしれない。ただ、リスクを背負うんだということでは、我々は了解はできないということを、あえて重ねて申し上げておきたいと思います。
○山口委員長 ほかに、質問はありませんか。
◆小森副委員長 橋村委員から大分まとめていただきましたので、私の方から、少し具体的にお話をさせていただきたいと思いますけれども、企業というのは事業計画をつくるわけですよね。それに基づいて事業運営をしていくわけですけれども、今、長崎県が勇み足といいますか、先ほど言われたように、自分たちで企画をして、「こうなるんじゃないだろうか」、「こういう事業計画になるんじゃないか」というような予測をしながらやっているような気がしてならないんです。ですから、来年度予算についても当初予算要求をしているんだということであれば、それはHTBクルーズの会社の事業計画はこうであるから、これに対する予算を要求しているんですよということであればわかるんですけれども、どういう事業計画に基づいて事業を展開しようとしているのかわからない段階で、何で平成24年度の予算要求ができるのかなと、私はそのように思いました。
そこで、お尋ねしたいのですが、直近のHTBクルーズの上海航路における事業計画書というのは、いつ、どの時点で県はもらっているんですか。今年はいろんな、3.11の東日本大震災の影響もあったのでしょうけれども、「5月当初はこうでしたよ」というのを我々は聞いておったんですけれども、残念ながら、私は10月、11月と入院しておったものですから、上海航路で行ってないんですけれども、その辺の動きというのはどうなっていますか。
◎岩崎政策企画課長 計画書という形での入手というのはございませんけれども、5月に船の所有権移転が行われ、それから協議をする中で、第1便を、営業運航という形ではございませんでしたので、県が主体となった集客を行いながら運航し、帰ってきた後、今、1月下旬からの投入に向けて、SSKの方で改装工事を行っているということは、既にはっきりしている事実でございまして、改修が終わったところで試験的な運航もしながら、来年の年明けの春節は1月23日からだったと思いますが、中国の春節の需要が発生する、それに合わせて週1〜2便の運航をする、それそのものは決定されていることでございます。ただ、はっきりしていないのは、何曜日に長崎を出発し、それが何時出発かというような詳細なスケジュールが確定できるものがまだいただけていないと。それに向けたすべての動きは、手続も改修も順調に行われているということでございます。
◆小森副委員長 じゃ、週2〜3便という話と、春節祭に合わせて航路が開設される。しかし、現時点では、航路の開設許可も出ていない。そして、クルージングの運賃は幾らとかはわかっているんですか。要するに、詳細に企業側が提示している事業計画とか、あるいは収益計画とか、そういうものが県の方に何らかの形で来ないと助成をするにもできないと、そういうスタンスでやらないといけないんじゃないかなと思うんです。確かにパートナーシップでやろうということであれば、パートナーシップの形態はとれると思うんです。しかし、あくまでも航路開設者はHTBクルーズですよと、一企業ですよと。ですから、この一企業がどう判断するかによっては、実際、撤退する、あるいは拡大していくという形の中で、選択肢はこの企業にしかないんだということであれば、県としては、どこまでできるのかという部分をやっぱり明確にせざるを得ない。逆に、パートナーシップでやりましょうということであれば、もう少し予算をどうするのか、具体的に「こういうふうな予算づけをしたい」とか、そういうものの相談というのができるんだろうと思うんですけれども、今回みたいに、どういうスタンスでやっておられるのかというのが全くわからない中で、ましてや企業そのものが事業計画をディスクローズが本当にできないのかどうかはわかりませんけれども、実際入ってこない。そういう状況の中で、議会で「来年度予算までこういうふうに予算要求しているんですよ」という話はないと私は思うんです。その辺、総括的に答弁をしていただいて構いませんので、今後、事業計画書を照らし合わせながら県としても予算要求、予算の箇所づけ、あるいは「こういう政策を行う」というようなことが大事だと思うのですが、その点を含めて答弁をしていただきたいと思います。
◎岩崎政策企画課長 ご指摘の点はごもっともでございます。私どもも、計画書というベースでいただいていないということは、繰り返しになって申しわけございませんが、先ほどの答弁にはなりますけれども、1月、3月、それが具体的に動くための諸準備はきちんと進められているということを私どもとしてもHTBクルーズと常に確認をしながら、それをもとに必要な予算、それから県とHTBクルーズの役割分担については、前のご質問でも再三お答えしておりますけれども、そこははっきりとした役割分担をしながら進めてまいりたいと思いますし、予算要求においても、それはやっているつもりでございます。今後、予算要求を委員会の中等で議会でご議論いただく際にも、その辺はきちんとご説明できるようにしながら進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
◆小森副委員長 やはり事業書、事業計画そのものを文書でいただくとか、「準備はされているんですよ」と、「こういうふうに考えられているんですよ」と、「それに合わせて県としてはこういうふうに動くんですよ」と、そういう口頭でどうのこうのとか、お互いにどういうやりとりでやっているのかというのを全く明確にできない状況の中で公金を動かすというのは非常に危険だろう思うんです。ましてや、上海航路というのは、これから長崎県にとっても、日本にとっても、対アジア戦略上非常に重要な航路であるという認識は皆さんお持ちなんですよ。ですからこれを、最初はパートナーシップじゃなかったけれども、開設者の一企業が「これは採算に合わないよ」という話になった時に、「撤退します」という話になってもらっては困るわけですよ。そうなった時には、長崎県としてもどうしないといけないかという話にもなってくるわけです。基本的に、対アジア・国際戦略として考えた時に。新幹線だって、結局、上海航路で来たお客さんを新幹線で運んでいきましょうというようなことも一つの計画の中に入っているわけですから。そういうことを考えた時に、先ほど政策企画課長が言われた、口頭でどうのこうのじゃなくて、そういう事業計画書なるものをもう少し的確にいただいて、そのいただいた中で、県としては、どこまでできるのかという判断をしていただき、そういう県と企業との施策を実現して、これからしっかりとした上海航路に構築していくという考え方になるべきだと思いますけれども、それについては事業計画書とかそういうものを求めようと思っていないんですか。
◎永川企画振興部長 今、小森副委員長あるいは橋村委員、その他の委員からも、要するに、この航路について、私どもと運航の会社でございますHTBクルーズ、そこはしっかり連絡をとって、私どももきっちり情報をつかんで、そしてそこを議会にしっかりご説明できるような準備をせよということだと思います。そこはしっかりやらせていただきたいと思っております。
◆小森副委員長 今までいろんな議論を聞いた中で、皆さん同じだと思うんですが、一言確認の意味で。今、上海航路については、県がやろうという意気込みは当然わかるんですけれども、HTBクルーズという企業が実際上海航路を開設するんだよと、開設して、ビジネスに結びつけていくんだよと、そういうお互いのバランスという意味では、どうも県が先走っているような気がしてならないのですが、そうじゃないんですか。そこだけ。
◎永川企画振興部長 上海航路につきましては、中村知事が就任しました直後から、ぜひ検討したい、やりたいというお気持ちはあったと私も聞いております。そういった中で、昨年の9月にハウステンボスの方から検討したい、やりたいというお話があったと。そこら辺を受けて、これをやりたいという思いは、ハウステンボスの方も当然、ビジネスとしてしっかりやりたいと、先々は、もっといろんな航路も、先ほど週2ないし3便程度というお話をさせていただきましたが、デイリーに、毎日運航になるようにやりたいとか、あるいはほかの航路も考えていきたいとか、そういうお話はハウステンボスの方からも実際上ございます。長崎県の方も、長崎はいわゆる日本の西の果てという考え方を脱却していくためには、東アジア、特に中国、韓国としっかり人、物が動けるような対応をとっていかないと長崎県は非常に厳しいのではないかと思っておりますので、東アジア戦略を中心に据えてやっていくということにいたしております。そういったことも含めまして、県が先走っているというよりも、これは両方ともやろうという気になっております。ただ県の側も、コントロールができないといけないと思っておりますので、そこはしっかり情報交換をしながら、意見交換をしてやっていきたいと思っております。
○山口委員長 事前通告をされていない委員の方で、関連の質問はありませんか。
◆江口委員 話を蒸し返して申しわけないんですけれども、フライ・アンド・クルーズということなんですけれども、これは確かにそういうやり方はあるのですが、今までもずっと議論しているんですけれども、どこまでこの話が、東方航空に行った時、私も同席しましたから、あの時に知事が自ら、フライ・アンド・クルーズということで、片道飛行機、片道船という話もして、何とか飛行機ももう1便増便していただけないかとか、また機内食でも県産品を何とか使っていただけないだろうかとか、そういう話もしました。その時に東方航空の方では、それぞれ双方で窓口を決めて、これから話していきましょうという話でしたね。ところが、さっきの話のように、我々が総務委員会でHTBクルーズに行った時に、山本社長が、この話になった途端に、とんでもないという話でしたでしょう。あの雰囲気を見ると、フライ・アンド・クルーズという話は今、どこまで、どういう話で行っているのかなというのが非常に気になるところです。
ましてや、まだ上海航路が定期便化されたわけでも何でもないですね。これが東方航空の長崎〜上海の飛行機だったら、もうかなり歴史があります。実績がありますね。上海航路も、スタートして、実績がある中で、片道飛行機、片道クルーズ、船ということであれば、それはそれでいいかもわからないけれども、今からスタートするところに対して、そういう話を持っていくこと自体が、HTBクルーズとすると、当然往復船だと思ってあるのは間違いないんじゃないかと思うんですよ。それを片道ずつやった場合に、そうしたらどの程度割引がきくのかになると、これはお互い難しい問題ですよね。飛行機往復の場合、船往復の場合だったら割引はやりやすい。ところが、片道切符ずつになると、これはなかなか難しいんじゃないかなと思うし、これが今スタートする、まさにこの時に、この話が果たしていいのかなというのは、私は非常に疑問があるんです。
やり方としてはいいですよ。ある面では、そういう商品になるようなことまで県が考えてやらなければいけないのかなと思ったり、もう一つは、佐賀と上海の間にローコストが就航した。片道3,000円と。あっと言う間に売り切れたと。そうしたら、ひょっとしたら、佐賀空港を使って、片道上海航路を使って、佐賀空港から向こうへ行こうとか、逆のコースもあるかもわからない。そういう場合だって今後考えられないことはないわけですね。だから、いろんなことがこれから想定される中で、フライ・アンド・クルーズと、ひとり歩きするようなことが果たしてどうかなと心配なんですが、このあたりはもう一回確認をしておきたいと思います。
上海航路を運航するのはHTBクルーズですよ。あとは、さっき西元次長兼新幹線・総合交通対策課長が話をされたように、商品をつくるのはエージェントですよね。だけれども、フライ・アンド・クルーズなんていうのは、私は、案外商品に近づいた、似たようなところの話じゃないかなと思ったりするんですよ。ましてや、東方航空に行った時の話と、山本社長とハウステンボスで会った時のあの雰囲気は落差があり過ぎるものだから、この話はどこで折り合いがついて落ちつくのかなと思ったりするんですよ。
そんな話よりも、利用する人たちが今後選択をするというか、いろんな選び方があるんじゃないかなと思ったりしますけれども、今からスタートするに当たって、このことを徹底してやらなければいけないのかなというのが私は今でも納得しがたいというか、逆に言うと、この件についてはちょっと不安というか、心配な面があるんですけれども、いかがでしょうか。
◎西元次長兼新幹線・総合交通対策課長 まず、山本社長のご発言の時に同席しておりませんでしたけれども、基本的には、ハウステンボス側からも、中国においてフライ・アンド・クルーズ、これは先ほどおっしゃいましたけれども、既に10月の段階で、中国の新聞にも出ております。春秋航空に申し入れをされております。また、MUの方も、実際には、MUの福岡支店に、まだ具体的な詰めではなくて、どこかと組みたいというような話は実は来ております。そういう中で、飛行機も長崎は2便、そして船も、2便か3便かわかりませんけれども、デイリーの空港、港というのは余りありませんけれども、そういうところと組み合わせるか、長崎の場合は、今の2便が今回、ある意味で最大のチャンスだとも思っておりますが、増便を果たしていく中で、そういう商品、特に、山本社長のご発言は、意味は理解できます。これは運航会社として、お客さんは船で来たら船で帰っていただく、それは当然のことだと思いますが、現実の問題として、いろんなパターンの旅行商品を上海側と長崎側で今後つくることになります。そういう中で一番ネックになっているのは、ある意味で、船ではありません。飛行機の運賃、ここの部分が一番大きい。特に、船と飛行機のエージェントは全然違います。そういう中で、飛行機のエージェント、それから航空会社との調整を行って、現在、飛行機・飛行機のツアーでは、九州で一番安いものを長崎線で持っております。これは3888商品といって、同じ3泊4日でも、普通、5888といいますか、九州周遊が大体6万円ちょっと。これがMUの往復で、現在、4万円ちょっとというのを持っておりますので、これはエージェントにも当然、働きかけをして、航空会社にも働きかけして、今、実現している商品で、実際には九州の中で、長崎商品では一番売れております。こういうものを今後、船は、はっきり申して、片道の運賃はそんなに高くないので、そういう中で、いろんな航空エージェントを合わせて、長崎で安い商品がつくれないか、そういうものを今、フライ・アンド・クルーズと申し上げているわけでございます。
◆江口委員 今、西元次長兼新幹線・総合交通対策課長の話を聞くと、長崎県の旅行会社のような感じがしたんですけれども、いずれにしても、要するに、心配な面というのは、せっかく今から上海航路がいよいよ本格的に定期航路になっていくに当たって、余りにも不透明なといいましょうか、不確実なところが多くあるものですからね。ましてや、そこにフライ・アンド・クルーズなんていうことが本当に実になってくるのかなと、そういう心配もあるものですから、これは一回確認をしておこうと思いまして今、発言したんですけれども、いずれにしましても、何回も言いましたけれども、もう定期就航まで時間がないわけですけれども、ひょっとしたら「間に合わなかったらちょっと遅れます」となるのか、それはわかりませんけれども、しかし、ここまで来て、3月もしくは1月からという話もありますので、計画されたものが実際計画どおりに行けば本当にいいんですけれども、何とかそういう方向で行くように希望したいと、これぐらいしか言えないのですけれども、後、よろしくお願いいたします。
○山口委員長 上海航路に関して、事前通告をされていない委員の方で、関連の質問はありませんか。
委員長を交代します。
○小森副委員長 それでは、山口委員長、発言をどうぞ。
○山口委員長 私から、意見だけ述べさせていただきたいのですが、これだけ長崎県としても力を入れて、議会としても本当に注目をした中で、この上海航路がもう間近に迫っているわけです。そういうことでは、失敗しないというか、失敗させられない状況に立ち至っているような気もします。そうすると、我々としては、執行部側としても、議会としても、どうあらなければならないかというと、やはり人を動かす仕事ですから、世論喚起といいますか、周辺環境の整備を短期間のうちにやって、ある意味での上海航路というブームをつくるぐらいの気概を持ってやらなければ、週に3便もするとなると、片道ずつ行っても1,000、1,500人が両国から動くわけですよね。そういう意味からすると、本当の意味での、マスコミの方にも当然お願いをすることになると思いますが、上海航路ブームというのを長崎県が巻き起こすというか、わき起こすというか、それくらいの気概を持ってお互いにやらなければ、これは簡単にいかない状況にある思いますので、一言意見を申し述べさせていただきたいと思っております。
以上です。
○小森副委員長 委員長を交代いたします。
○山口委員長 上海航路以外の通告の質疑をお受けいたします。
◆楠委員 これも上海航路とも関係はしてくるわけですが、新アジア軸構築プロジェクトの経過について、まずお伺いをいたしたいと思います。取組状況は。
◎岩崎政策企画課長 新アジア軸構築プロジェクト、いわゆる国の特区制度を活用した取組についてであると思います。これにつきましては今回の企画振興部長の説明の中でも入れておりますけれども、9月に一度国の申請が締め切られまして、公開ヒアリング等も行われているところでございますけれども、部長説明の6ページに記載しておりますように、本県におきましては、「海のインバウンド戦略」、それから「シームレス物流の実現」、「造船業の国際競争力向上」という3つの柱をもとに検討を進めているところでございまして、他の地域の審査状況も参考としながら、来年3月の申請に向けて、今、内容を充実させているところでございます。
以上でございます。
◆楠委員 他地区から出された他地域の審査状況も参考にしながらとここに書いてあるんですが、他地域の競合している状況というのは全くわからないんですか。
◎岩崎政策企画課長 まず、第1次申請の状況等についてご説明をさせていただきたいと思います。先ほど言いましたけれども、8月15日から9月末まで第1次の申請が行われておりまして、この特区制度につきましては大きく二つに分かれております。国の経済成長のエンジンとなるような産業、機能の集積拠点の形成、これが国際戦略総合特区、もう一つは、地域活性化総合特区といいまして、地域資源を最大限活用した地域の活性化の取組、そういったところの二つございますけれども、国際戦略総合特区が11件の申請、地域活性化総合特区が77件の申請、合わせて88件の申請が全国からなされております。このうち、専門家及び事務局による1次評価、2次評価、そういった審査を経まして、公開ヒアリングが11月の中旬から行われておりますが、そのヒアリングの対象となったものは、国際戦略総合特区7件、地域活性化総合特区が34件、計41件ということで、ヒアリングの対象となったものが申請の半数程度というような現在の状況でございます。現在、ヒアリング等は終わりまして、国の方で検討が進められておりまして、年内には1次の指定が行われるスケジュールになっております。
◆楠委員 特区ですから、いろいろと有利な施策ができると思っているんですけれども、長崎県が申請している特区の内容というのは、ここには全く書いてないんですけれども、説明にも何も書いてないのですが、新アジア軸構築プロジェクトは説明する必要はないんですか。以前説明したからということで、今回の場合は省略されているんですか。
◎岩崎政策企画課長 先ほどご説明もいたしましたが、これにつきましては現在、3月申請に向けて、先ほどの3つの柱に沿って、内容をさらに詰めているところでございます。もともと9月の申請というのもにらみながら準備を進めておりましたけれども、今年6月の法案成立後に示された中身を見ますと、投資に係る法人税の減税の対象措置等が非常に限定されましたことから、私どもが検討しておりました内容についても、再度練り直しをする必要が出てまいりました。そういったことから、現在、まだ中身を詰めているところでございまして、今回の議会で詳細な中身をお示しすることはできておりませんが、今、詰めているところでございますので、中身が詰まった段階で、さらに案として、議会の中でもご議論いただけるようにしたいと思っています。その上で、最終的な3月の申請を目指してまいりたいと思っているところでございます。
○山口委員長 新アジア軸に関して、事前通告が関連している委員の方で、関連の質問はありませんか。
◆前田委員 新アジア軸を通告していますので、1点だけ確認させてください。特区の中のシームレスが3月に申請を目指したいというご説明だったと思うのですが、コンテナを積み替えないでいいこの制度というのは、今、交渉をしているのは相手はどの国ですか。韓国ですか、中国。両方ともやっているんですか。トラックの積み替えをしなくていいというのは、どちらと交渉しているんですか。
◎岩崎政策企画課長 主体的には港湾課の方を中心に検討いただいているところではございますけれども、現在、日本と中国、日本と韓国、双方ともに、いわゆる荷台、「シャシー」と言っていますけれども、荷台の自由な行き来ができない状況でございまして、国際ローロー船とかフェリーでは積み替えが必要でございます。そういったところから、そういった規制が特区の中でできないかというようなことを構想を練っているところでございます。
◆前田委員 国が違うということで、いろんな法的な規制が違う中で、その調整が難航しているとお聞きしましたけれども、それでは今おっしゃったように、日本と韓国、日本と中国ということですので、それぞれの物流のコンテナの現況の量をお知らせください。
◎西元次長兼新幹線・総合交通対策課長 韓国と長崎の国際定期航路、これは高麗海運のコンテナ量でございますけれども、まず昨年度12箇月の実績としては、輸入が2,289TEUでございます。輸出が437TEUで、合計で2,726TEUということになっております。ちなみに、動向でございますが、ここ10年間では、平成15年に輸入が5,490TEU、輸出が324TEU、合計5,814TEUで、これは三菱の客船とかが入って、荷物が増えた時期と合致いたしております。
◆前田委員 韓国はわかりました。韓国とのすり合わせの中で、この特区が制度として成立すると、積み替えの必要がないので、今のTEUというか、コンテナ量が伸びることを期待しておりますが、中国については、航路がないから、多分、今現在、物流がゼロだという理解をしているのですが、間違いないですか。
◎辻販売戦略課長 航路ということでおっしゃいますと、確かに直接の航路がございませんけれども、ほかの港を使ってということの数字で申し上げますと、長崎から中国へのコンテナ数は平成22年で輸出が4,540TEU、輸入が6,129TEUという数字は持ってございます。
◆前田委員 そうすると、この特区を取ると、中国から入ってくるコンテナについても、そういう形で大幅に伸びる要素があるという理解をしていいんですか。私は、そういう意味では、また戻りますけれども、長崎〜上海航路で物流を起こしていかないと、この特区は生きてこないと思うんです。そういう意味では、しっかり頑張ってください。要望だけにしておきます。
◆浅田委員 長崎県の発着貨物ということで私も通告していたのですが、今、前田委員が言っていたお話が、昨年度の達成率が満たっていないと。国内外とも、訪問活動の一層の強化と助成制度のさらなる拡充を行うということにもかかわるのでしょうか。そこがわからなかったのと、伊万里港とか博多港など他港に流れていたそういったものに関して、もっとこちらも確保できるように目指していくということになっておりますが、例えば、物流の部分で言うと、伊万里港や博多港と何が、どう違ってという部分が一番大きいのでしょうか。
◎西元次長兼新幹線・総合交通対策課長 施策評価の分で、長崎県の発着貨物についてお答えをいたします。これは基本的には、長崎県内の着貨物、それから発貨物で目標を立てたものでございます。中身が鉄道貨物、それから内航海運、外航海運、それから自動車、これはトラックでございますが、それと航空のこの五つから成っております。先ほどのご質問の中では、この中の外航海運については、コンテナとか輸出・輸入分が入ってくるかと思います。少し数字が落ちているのは、これは国土交通省が毎年出します貨物地域流動調査のデータ、数値を目標値化したものでございますけれども、そちらに記載いたしておりますように、平成10年当時から比べると、国内の経済の落ち込みとか、そういう部分で目標を達成できないということになっていると考えております。ただ、全体のこの数字の中で、県として何ができるかというと、外航海運の貨物量の増加、それから航空貨物の増加については、県の施策としてやれることがあると考えておりますので、そこが港の整備であるとか、航空貨物の荷主の開拓とか、そういう部分を今、関係課で行っております。
◆浅田委員 すみません、別の項目だったかもしれませんが、アジアの国内外の輸入貨物の伸びもなかったということが記されていたものですから、この項目で尋ねさせていただきました。ありがとうございます。
その他港との違いというのもそこになるんですか。博多港とかそういうところという部分になると。
◎永川企画振興部長 伊万里港、博多港と並べて書いておりますが、港の性格が少し違います。伊万里港は、ここ20年ぐらいでかなり急激に伸びてきた港でございます。当初は、一番伸びたのは、木材の加工したものを輸入してくるという形で、大川の家具の材料をかなり大量に持ってきたというところがございます。それでだんだん大きくなって、今、航路数もたしか5航路ぐらい持っていると思います。博多については、一番大きい荷物はブリヂストンのタイヤだと思います。そういういわゆる主要なものを持って、そして今、港湾整備もどんどん進めておりますが、規模を大きくしているというところで、長崎は今、週1便ないし多くても2便というような状況で、荷主として、要するに、便数が少ないので荷が集まりにくいという状況がございます。客観的な状況で言いますと、そういった状況でございます。
○山口委員長 しばらく休憩いたします。
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−午後4時43分 休憩−
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−午後4時52分 再開−
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○山口委員長 委員会を再開いたします。
◎辻販売戦略課長 さっき前田委員のご説明の時に、私、参考までに、中国からの数値を申し上げたんですけれども、輸出が454で、輸入が612と、これは単位がTEUと申し上げましたけれども、100万円でございまして、この修正をさせていただきたいと思います。失礼いたしました。
○山口委員長 そうしたら、修正の数値をきちっと言ってみてください。
◎辻販売戦略課長 輸出の方が45億4,000万円、輸入が61億2,900万円。単位をTEUと100万円と間違っておりました。失礼いたしました。
○山口委員長 それでは、事前通告された各委員の方で、質問はありませんか。
◆楠委員 「アジア・国際戦略の推進について」ということで、クルーズ船をかなり誘致しますよね。ボイジャー・オブ・ザ・シーズが9回、上海航路が1,000人ずつずっと週2便ないし3便ですから2,000人ないし3,000人ということになると思うんですけれども、こういったクルーズが長崎港に入港することによって、上海航路も含めて、本県に限れば、どれくらいの経済効果があると見ていらっしゃいますか。まず、それからお聞きしたいと思います。
◎柿本観光振興課長 まず、クルーズの経済効果についてでございますけれども、クルーズ船につきましては、近年、東アジア、特に、中国からのクルーズの入港が増えておりまして、平成22年は国内、海外のクルーズを合わせまして65隻の入港があっております。クルーズ船が入港した場合に、オプショナルツアー等で周遊、食事、買い物等をされますので、船の規模により大小はありますけれども、小さな船で400万円程度、それから5万トンを超えるような大きな船であれば、1隻当たり2,000万円から3,000万円近くの経済効果があるという調査が出ております。おおむねそれをもとに平成22年の経済効果を算定いたしますと、10億円程度の経済効果があるのではないかと思っております。
◆楠委員 平成22年度で10億円ぐらいの効果があっておるだろうということですね。そうすると、平成24年、来年が中国からのお客さんが、週2ないし3便ですから2,000人ないし3,000人、プラス豪華客船が9回寄港する、ほかにも寄港するということになると、平成24年度は大幅に増えることになるんですよね。どれくらいと見込んでいらっしゃいますか。平成22年度はわかりました。来年度は。
◎柿本観光振興課長 上海航路の経済効果につきましては、今年2月に、ながさき地域政策研究所で試算をされておりますけれども、その際、週何便というふうな運航のところが決まっておりませんので、幾つかの試算が示されておりますけれども、このうち中国人が10万人程度、そして日本人が5万人程度利用した場合の試算というものがありまして、これでいきますと直接効果で約67億円、総合効果が約112億円というふうな試算がされております。
◆楠委員 それは本県における経済効果ですよね。日本全体か、本県か、確認を。
◎柿本観光振興課長 この数字につきましては、県内で宿泊される宿泊日数あたりを試算されておりますので、県内ということでございます。
◆楠委員 112億円ですから、大幅に増えるということになりますので、こういうことを見ても、上海航路等については特に期待をしていいと思うんですけれども、それだけに失敗させてはならないと、どうしても決意を込めて私は言わなければならないと思っております。
それから、本県における、長崎市もそうだし、県内の各市が中国あるいは韓国の都市と友好交流を結んでいる市がありますよね。そういうものの実態を明らかにしてみてください。
◎中崎アジア・国際戦略課長 委員ご指摘のとおり、本県は中国、韓国とは地理的、歴史的にも関係がありますので、県も含めて、多くの市町等が交流をしております。市町におきましては、孫文・梅屋の取組の経過もあって、本年、長崎市と中山市が交流締結をしておりますし、全体でいきますと、7つの市町において、現在、中国の10の都市と友好交流関係にございます。韓国につきましては、近年、市町の交流が盛んになっておりまして、現在、4つの市町において友好交流関係を結んでおります。
以上でございます。
◆楠委員 外国との友好交流が結ばれるということは、島国日本において、私は、非常に発展の余地があると思うんですけれども、それぞれの長崎市をはじめとする各市が活発に交流をされていると思っているんですけれども、その交流の中身といいますか、行ったり来たりということなんでしょうけれども、どういった交流の中身がされているのか、お伺いしたいと思います。
◎中崎アジア・国際戦略課長 今、活発な交流ということで、中身を幾つか教えてほしいということでございます。特に、中国におきましては、佐世保市が瀋陽市と本年5月に交流締結しておりまして、これにつきましては来年春に、チャーター便による市民レベルの交流が予定されておりますし、市の職員につきましても、瀋陽市に派遣することが予定されております。韓国につきましては、特に、対馬市と一番近い影島区(ヨンドク)から対馬の方も見えるんですけれども、そこにおきましては特に、対馬のアリラン祭りであるとか、ちんぐ音楽祭、あるいは韓国大学生と対馬住民のホームステイ交流など、そういった形で活発な交流が行われていると聞いております。
以上でございます。
◆楠委員 これをきっかけに、昔は、げた履きで上海に気軽に行っていたというふうな時代があったわけですから、まだまだ戦前の特に中国との交流を考えれば、それは時代が違うと言えばそれまでですけれども、上海航路にしても、各県内の市町の特に中国との交流、韓国との交流にしても、今からだと私は思うんですけれども、ぜひ活発な交流をさらに促進していただいて、国際的な感覚を本県においても身につけなければならないと思うし、特に、小学生、中学生、高校生、そういった学校における生徒たちの交流は最も大事なことではないかなと私は思っているんですけれども、そういう面では、教育委員会との連携も十分密にしてやらなければならないと思っているんですけれども、教育委員会との連携等も十分とれていると思うのですが、どうなんでしょうか。
◎中崎アジア・国際戦略課長 まさしく委員ご指摘のとおり、そういった青少年を中心とした交流というのが友好交流の基盤になると思っています。特に、本県が今回、辛亥革命発祥の地である湖北省と友好交流関係を結んでおりまして、これからいろいろ交流を拡大していきたいということで、来週も職員が湖北省の方に参るんですけれども、湖北省の方が一番やっていただきたいというのが青少年の交流でございまして、特に、ホームステイを絡めた交流をしたいということでございますので、そこは教育委員会の方とも連携しながら、ぜひ受け皿も探していきたいということで、そういった要望も教育委員会に伝えております。次回、湖北省ともう少し詳細な打ち合わせをする時は一緒に教育委員会も行きましょうというようなことで連携を図って進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆楠委員 特に中国との交流については、本県は他県に先駆けて久保元知事時代に交流が始まった、日中国交の回復時期に合わせて、真っ先に交流を始めた本県でありますから、さらに力を入れて頑張っていただきたいと思います。
東日本大震災以降、外国人の観光客が減少しておったと。そして、県産品の輸出も停滞が生じたが、戻りつつあるとここに紹介されておりますけれども、そこのところの状況について、お伺いをいたしたいと思います。
◎柿本観光振興課長 東日本大震災以降の観光の動向につきまして、資料をお配りさせていただいてよろしいでしょうか。
○山口委員長 しばらく休憩いたします。
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−午後5時5分 休憩−
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−午後5時6分 再開−
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○山口委員長 委員会を再開いたします。
◎柿本観光振興課長 東日本大震災以降の県内の観光の動向でございますけれども、まず県内の主要な宿泊施設の宿泊者の状況を示しておりますけれども、日本銀行長崎支店の調査と、県の私ども観光振興課の方で調べている数字でございます。3月、4月につきましては、震災の影響で、宿泊者数はかなり減少しておりましたけれども、5月以降は、おおむね前年を上回るような傾向で推移をしておりまして、日銀では46施設を対象に調べてありますけれども、私ども観光振興課の方では120施設を対象にして調査をしておりまして、若干動きに差がございますけれども、5月以降は、前年を大きく上回る月もございますし、日銀の調べでは、7月、10月がマイナスになっておりますけれども、全体として見れば、宿泊客数は前年を上回るような傾向にございます。
それから、2番目の方で、主要宿泊施設の外国人の宿泊者の状況を示しております。外国人全体といたしましては、10月時点で前年比マイナス29.0%ということで、おおむね3割程度の減という状況になっております。5月、6月、7月あたりまでは震災の影響というのが主な影響でございましたけれども、現時点では、特に韓国をご覧いただきますと、韓国が依然としてマイナス50%程度にとどまっておりまして、これはどちらかといいますと円高・ウォン安の景気、為替の影響を受けているというのが特徴でございます。ただ、今後につきましては、例えば、韓国、中国等からの修学旅行が震災以降、ほぼ全面的に中止となっておりましたけれども、年明けには中国の方も再開がされるということで、韓国の方も修学旅行は現在も来始めておりますので、そういった点では、円高の影響は依然ございますけれども、今後、回復に向かうという部分の期待も出てきているところでございます。
クルーズ船の状況につきましては、入港中止が23隻ございましたけれども、その後、追加で9隻の入港もあっておりますので、これにつきましても少しずつ回復の傾向にあるということでございます。
以上でございます。
◎辻販売戦略課長 東アジア各国への農林水産物の輸出額、輸出の状況ということでございます。これは日本全国ということで申し上げますと、震災後、4月から9月までの主な国別の対前年との比較を申し上げますと、中国が43.2%のマイナスでございます。香港は9.8%のマイナス、韓国は13.4%のマイナス、台湾は7.4%のマイナスということで、どこの国も軒並み減少しております。ただ、その減少の幅が9月、10月になって少しずつ少なくはなっている状況でございます。
本県の県産品につきましては、最も中心となっております鮮魚の中国への輸出が4月9日から5月30日まではとまって、5月31日に再開している状況ですけれども、1月から10月までの輸出額が対前年比で66%、ただ10月に限っていきますと対前年比で76%、要するに、マイナス24%まで回復しているということですので、少しずつ数字は戻ってきているのかなというふうな状況でございます。
◆楠委員 わかりました。徐々に戻りつつあるなと。この数字を見ても、韓国は半分程度しか戻っておりませんけれども、来年度に期待いたしたいと思います。
ところで、本県産の輸出の停滞の問題でありますけれども、長崎県は放射能は全く関係ないんですけれども、やはり風評被害といいますか、そういうことで本県産品も大きく影響されているなと思っているんですけれども、ここに「新たな放射能検査機器の導入など輸出体制の充実により」と書いてありますが、今まで本県産品が輸出をされておった中で、すべての産品をこういう測定器によって測定をして、「安全ですよ」ということで輸出がされているのかどうか、そういうことはしなくても、安全だということがわかって、既にそういう手間は省いてどんどん輸出ができる状況になっているのかどうか、お伺いしたいと思います。
◎辻販売戦略課長 委員お尋ねの放射性物質の検査証明書の添付を要する輸出というのは、中国に対する水産物の輸出だけでございます。それ以外は、放射性物質の検査証明書はございませんけれども、国によっては、産地証明書の添付を求めております。これは国あるいは長崎県の方で証明をして、添付して輸出すると、そういう状況でございます。
◆楠委員 ということは、水産物は証明書つきでなければならないということでありますが、輸出相手国については、農産物等については、本県産品であれば、もう安全ですよということの一定の認識があって、向こうからすれば、輸入オーケーだということで、本県産品ということの安心感が対輸入国については確立しているというか、一定のそういう状況にあるということで、もう安心していいわけですね。
◎辻販売戦略課長 これも国によるんですけれども、委員おっしゃいますように、例えば、ある国で申し上げますと、震災が起きました東北、関東周辺の県については輸入を停止していると、それ以外の県については、今申し上げました産地証明書の添付をもって輸入することはオーケーだ、そこら辺は国によって若干温度差はあるわけでございますけれども、結論的に申し上げますと、本県産品は、その証明書を添付することによって、問題なく輸出できるということです。
◎松川文化観光物産局参事監 補足させていただきますが、中国は先般、11月24日付で一部解禁をいたしましたが、野菜、茶、乳製品、果実、薬用植物産品につきましては、産地証明と放射性物質の検査証明書、この二つを求めておりますが、この放射性物質検査証明書の様式がまだ定められていないということで、まだこれの輸出ができない状況でございます。ただ、水産物は、先ほど販売戦略課長が答弁いたしましたとおり、証明書の様式がございまして、輸出が5月31日から再開されているという状況でございます。
○山口委員長 事前通告をされていない委員の方で、関連の質問はありませんか。
◆溝口委員 「アジア・国際戦略の推進について」の関連について質問させていただきますけれども、今回、この戦略の取組ということで、九つの大項目の中で活動していこうということでございますけれども、先ほど来、長崎〜上海航路の復活ということで、それぞれいろんな厳しい意見が出ておったと思いますけれども、ただし、ハードの面では、やはり港の整備というのは、この戦略からいって、大型客船の受け入れ、誘致という形の中ではぜひ必要なことだと私は思っております。そのような中にあって人流、物流を深めていくということがこの主な取組ではなかろうかと思っておりますけれども、その中で、今回、長崎上海旅遊ネットワークの設立を行っているわけですけれども、9月に設立したということで、第1回目の会議を開いていると思いますけれども、行政とか民間企業あるいは団体等が連携強化ということで、その体制をつくっていると思いますが、大体どのような人たち、何名ぐらいの組織でつくったのか教えていただきたいと思います。
◎岩崎政策企画課長 長崎上海旅遊ネットワークの概要についてのご質問でございます。長崎上海旅遊ネットワークについては、9日8日に設置をしたところでございますけれども、大きく四つの部会に分けているのですが、特に、構成団体、機関等のご質問であったかと思います。実際には37の機関ですが、この中には、県内21市町を一つの機関として数えておりますので、そういった意味では、実際には団体数としては57ぐらいになります。それから、長崎税関等CIQ関係機関、それから医師会の皆さん、海上保安部、そういった方々にもアドバイザーとして8名入っていただいているということでございまして、それぞれ部会を中心にしながら、各部門の取組を進めていっているところでございます。
以上でございます。
◆溝口委員 四つの団体といったら、どういう団体があるんですか。易しく教えてください。
◎岩崎政策企画課長 四つと言いましたのは、四つの部会を設けてということでございまして、正確に言いますと、旅遊ネットワークの下に、ターミナル部会、受入態勢・誘客対策部会、アウトバウンド対策部会、緊急時等の対応部会ということで、大きくは四つの部会を設けて取り組んでいるところでございます。
◆溝口委員 わかりました。
これはすべて57の団体の方々と8名のアドバイザー、いろいろということでございますけれども、ただ、これは長崎県の方々だけでつくっているんですか。
◎岩崎政策企画課長 この組織については、県内の関係機関及び団体等でございます。
以上でございます。
◆溝口委員 私としては、観光客の誘致という形の中では、やはりアジアとの交流を深めながら、ほかの九州地区の関係もつくっていきながら観光の振興に力を入れていかなければいけないんじゃないかと思うんです。そのような中にあって、旅行会社が入っていると思うんですけれども、九州各県とのつながりというのは、この中ではつくってないのですか。
◎柿本観光振興課長 観光の関係で補足をさせていただきますと、上海航路につきましては、ご指摘のとおり、長崎県だけではなくて、九州も含めて中国からの観光客の誘客を図って、そして周遊を図ることで航路の安定化につながっていくと考えております。そういったことで、今回、長崎上海旅遊ネットワークの中にも、九州の観光を代表いたしまして、九州観光推進機構の方からは参加をしていただいて、受入態勢・誘客対策部会に入っていただいております。さらに、九州各県につきましては、先般の第1便の時も佐賀県、熊本県、大分県には乗船をいただいております。そして、ほかの各県にも、いろんな機会あるごとに上海航路について協力を呼びかけておりますので、今後、正式な運航のスケジュール等決定をいたしましたら、強力にまた働きかけを行っていきたいと考えております。
◆溝口委員 上海航路については、私は、九州各県もですけれども、日本の人たちが、新幹線は今度、長崎までということで、ほぼできつつあるということなんですけれども、そのつながりを持てば、先ほどから出ておった上海航路というのがものすごく活きてくると思うんです。ただ、日本からの乗客をたくさん送ることによって、中国からのお客さんもたくさん呼べると思いますので、その辺については、しっかりと旅行会社とも一緒になって組んでいただきたいと思いますし、それからこれを観光振興につなげていって、先ほどからの説明のように、県の経済活性化につなげていかなければいけないと思うんです。そのための投資というのは、この上海航路がもしなくなったにしても、観光客の誘致という形の中では、私は、大きな意味があってくると思うんです。だから、その辺について、しっかりと考え方を持っていただきたいと思うんですけれども、観光客の外国からの誘致については、上海航路だけではなくて、しっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎坂越文化観光物産局長 今、委員ご指摘のとおりの考え方で取り組んでおりまして、旅遊ネットワークのアウトバウンド部会につきましても、上海航路のため、多くの方々、民間の方々が集まって、いろんな課題に取り組んでおりますが、それは結果的に、クルーズ客船で来られた方々とか、その他の外国人の方々のおもてなしの向上に相当資すると考えております。また、CIQの拡充、ターミナルの拡充とか、いろんな施設整備にも取り組んでおりますが、それは上海航路のみならず、クルーズ船の受け入れについても非常に本県の優位性を増すと考えておりますので、上海航路のために一生懸命やるのですが、ひいては一石二鳥で、ほかの部分についても、長年課題であったおもてなし能力の向上に資するように取り組んでいきたいと考えております。
◆溝口委員 わかりました。
先ほどから、上海航路についてのいろいろな苦言を皆さん方が強く、県税が無駄になるんじゃないかという話が出ていたんですけれども、私としては、上海航路がもしなくなったにしても、先ほど言ったクルーズ船、大型客船ですね、これを誘致する努力をすれば、そのハード面での港の整備が活きてくるんじゃないかと思うんです。そのことによって経済の発展につながっていくと思うんですけれども、そのためには、このような九つのメニューの中で取り組んでいくべきことは、私は、外国からの誘致を、大型客船についても、できれば長崎に泊まっていただけるような考え方も今後取り入れていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎柿本観光振興課長 クルーズ船の誘致につきましては、アジア・国際戦略の方でも一つのプロジェクトを設けまして積極的に取り組んでいくという形でございます。現在、外国船の誘致に当たりましては、入港して、その日のうちに出て行くというふうな形でございますけれども、まずは一つの船が継続的に年に何回も来ていただくということで、それをクルーズの関係では「定点化」とよく言っておりますけれども、そういったことに力を入れまして、それをずっとやっていくことによって、将来的には、委員ご指摘のようなクルーズの拠点になるようなところにも結びつけていければということで取り組んでいるところでございます。
◆溝口委員 わかりました。
ただ、今回、上海航路の復活によって、スムーズにこの航路が実現していけば、外国人の方々、特に、中国の方々がかなり来ると思うんですけれども、今回、特区ガイド制度の創設ということで、通訳ガイドの育成・研修などということ、これが大変重要になってくると思うんです。今もしていると思いますけれども、このことについての取組はどのように考えているんですか。
◎柿本観光振興課長 特区ガイド制度の創設を見据えた通訳ガイドの育成ということでございますけれども、この特区ガイド制度につきましては、特区制度の中で、通訳案内士制度の特例が設けられまして、これにつきましては九州各県同じような課題を抱えているということで、九州全体でこの特区制度を活用して、通訳案内士の特例になるようなガイドの育成を図っていこうということで、例えば、留学生の方のガイドとしての活用ということができるような制度を実施していくように取り組んでおります。県の方では、そういった特区ガイドで設けられた通訳の皆さんを長崎の方でガイドをしていただけるようにということで、長崎の観光をガイドしていただけるような観光の内容についての説明、研修を行って、それによってガイドの確保を図っていこうということで、今後取り組んでいこうと考えております。
◆溝口委員 ただ、通訳ガイドを育成して、研修させても、特に若い人たちは、それが収入につながっていかないと、なかなか定着ができないと思うんですけれども、そういう通訳ガイドをどのような形で長崎県の中にとどめておこうとしているのか。例えば、勉強して、中国語を習ったからということで、すぐよそに行ってしまえば、長崎県としては何の意味もないわけですよね。その辺については、どのように考えているんですか。
◎柿本観光振興課長 ガイドの育成につきましては、これまで長崎県では、国の方の制度であります通訳案内士の特例というふうな形で、特別な試験を実施しまして、長崎県だけの観光案内ができるようなガイドの育成を行ってきたところでございますけれども、なかなか通訳案内士の皆さんにつきましても、収入が安定的に確保できるようなガイドの機会が量的に少ないということがございまして、そういったことがありますと、ご指摘のように、県内から出て行かれてしまうというふうなことも懸念されますので、私どもとしては、通訳案内士、地域限定通訳案内士の資格を持たれた方を、ご本人のご了解をいただいて、積極的に名簿等を旅行会社に提供することで活用していただくというふうな形で取り組んでいるところでございます。
◆溝口委員 今、長崎県としては、観光立県ということで力を入れていこうという形の中で、このアジア・国際戦略ができていると思うんです。だから、このことについて私は、今、長崎県が経済的にも冷え込んでおりますので、観光客をたくさん誘致するような計画をつくって実行して、そして経済の活性化につなげていっていただきたいと、このように思うんですけれども、最後にお願いいたします。
◎柿本観光振興課長 委員ご指摘のとおり、このアジア・国際戦略のねらいといいますのは、人、物の流れを東アジアの方から取り入れて、その活力を県内の経済の活性化につなげていくということでございます。特に、人の流れということでは、観光が一番のメインのターゲットになってまいりますので、海外からの、特に、東アジアからの観光客というのは、今後、国内の観光客が人口減少とか少子化といった影響でなかなか伸びていかないというふうな状況もございますので、ここで海外からの観光客をいかに取り入れて県内の活性化につなげていくかというのは非常に重要な課題といいますか、そういったことにきちんと取り組んでいかないといけない時期に来ていると考えております。そういったことで、東アジアの重点市場ということで四つの国・地域定めておりますので、それぞれの国・地域の市場の特徴をきちんと踏まえて、それぞれの市場に合った施策を展開して、観光客の誘客を図っていきたいと考えております。
◆溝口委員 長崎〜上海航路の復活というのは、長崎県にとっては大きな一つの転機だと私は思っております。だから、県が全体で、それぞれの部署が一緒になって、この成功のためにいろんな知恵を出し合っていただいて、施策を練って、それを実行していただきたいと私は思っておりますので、皆さん方に頑張っていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○山口委員長 アジア・国際戦略に関して、事前通告をされないない委員の方で、関連の質問はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 それでは、本日の審査はこれにてとどめ、12月12日は、午前10時より引き続き企画振興部関係の審査を行います。
本日は、これをもって委員会及び分科会を散会いたします。
ご苦労さまでした。
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−午後5時31分 散会−
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