平成24年  6月定例月議会 農水経済委員会 - 07月03日−07号

平成24年  6月定例月議会 農水経済委員会

1、開催年月日時刻及び場所
  平成24年7月3日
       自  午前10時0分
       至  午後5時5分
       於  議会会議室
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2、出席委員の氏名
    委員長(分科会長) 山田博司君
    副委員長(副会長) 前田哲也君
    委員        加藤寛治君
     〃        馬込 彰君
     〃        野本三雄君
     〃        溝口芙美雄君
     〃        高比良末男君
     〃        中島廣義君
     〃        徳永達也君
     〃        陣内八郎君
     〃        高見 健君
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3、欠席委員の氏名
     なし
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4、委員外出席議員の氏名
     なし
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5、県側出席者の氏名
    農林部長            上田裕司君
    農林部政策監(農村整備事業・諫早湾干拓担当)
                    鈴村和也君
    農林技術開発センター所長    祢宜 渉君
    農林部次長           井手幹雄君
    農林部次長           加藤兼仁君
    農政課長            木下 忠君
    団体検査指導室長        酒井 繁君
    農業経営課長          中村 功君
    農地利活用推進室長       長岡 仁君
    農産園芸課長          江藤博之君
    農産加工・流通室長       園田秀昭君
    畜産課長            松本信助君
    全国和牛能力共進会推進室長   松永孝三君
    農村整備課長          林田裕興君
    諫早湾干拓課長         宮崎浩善君
    林政課長            下釜一教君
    森林整備室長          佐藤義高君
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6、審査の経過次のとおり
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     −午前10時0分 再開−
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○山田[博]委員長 おはようございます。
 委員会及び分科会を再開いたします。
 これより、農林部関係の審査を行います。
○山田[博]分科会長 まず、分科会による審査を行います。
 予算及び報告議案を議題といたします。
 農林部長より予算及び報告議案説明をお願いいたします。
◎上田農林部長 おはようございます。
 農林部関係の議案等について、ご説明いたします。
 予算決算委員会農水経済分科会関係議案説明資料の農林部をお開きください。
 今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第80号議案「平成24年度長崎県一般会計補正予算(第1号)」のうち関係部分、報告第1号「知事専決事項報告『平成23年度長崎県一般会計補正予算(第7号)』」のうち関係部分、報告第3号「知事専決事項報告『平成23年度長崎県農業改良資金特別会計補正予算(第2号)』」、報告第4号「知事専決事項報告『平成23年度長崎県林業改善資金特別会計補正予算(第1号)』」、報告第5号「知事専決事項報告『平成23年度長崎県県営林特別会計補正予算(第2号)』」であります。
 初めに、第80号議案「平成24年度長崎県一般会計補正予算(第1号)」のうち関係部分についてご説明いたします。
 今回の補正予算の内容につきましては、びわ寒害緊急対策資金の利子助成に係る経費で、歳入・歳出予算、計上事業並びに債務負担行為は、それぞれ記載のとおりでございます。
 次に、先の2月定例県議会の予算特別委員会において、知事専決処分により措置することについて、あらかじめご了承をいただき、3月30日付をもって専決処分させていただきました事項の報告について、ご説明いたします。
 まず、報告第1号「知事専決事項報告『平成23年度長崎県一般会計補正予算(第7号)』」のうち関係部分については、それぞれ記載のとおりであります。
 次に、報告第3号「知事専決事項報告『平成23年度長崎県農業改良資金特別会計補正予算(第2号)』」、報告第4号「知事専決事項報告『平成23年度長崎県林業改善資金特別会計補正予算(第1号)』」、報告第5号「知事専決事項報告『平成23年度長崎県県営林特別会計補正予算(第2号)』」の歳入・歳出予算については、それぞれ記載のとおりであります。
 次に、「平成23年度長崎県一般会計歳出予算繰越明許費繰越計算書報告」のうち関係部分につきましては、それぞれ記載のとおりであります。
 なお、予算決算委員会農水経済分科会補足説明資料として、「長崎県災害対策特別資金融資額について」並びに「繰越明許費について」の説明資料を配付させていただいております。
 以上をもちまして、農林部関係の説明を終わります。
 よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
○山田[博]分科会長 ありがとうございました。
 次に、農政課長及び農業経営課長から補足説明をお願いします。
◎中村農業経営課長 先ほど農林部長から説明がありました長崎県災害対策特別資金融資費について、補足して説明させていただきます。
 お手元に、びわ寒害への緊急対策についてという資料があるかと思いますが、これに基づいて説明させていただきます。
 1ページを開けていただきまして、まず今回の被害額につきましては、総額約7億800万円でございまして、表の右下にございますが、被害率が県全体で約62%ということで、本年産の露地びわの出荷見込み数量は前年の4割程度に落ち込む見通しとなっております。本県につきましては、農水経済委員会におきましても、2月23日に現地調査を実施していただいておりますが、その折の生産者等の現地の要望につきましては、2にありますように、平成24年4月20日に、要望書という形で県に提出されたところでございます。
 要望の内容につきましては、(3)でございますが、びわ再生産に係る資材補助事業の創設並びに経費の支援、びわ再生産に係る低利融資への利子補給、露地びわ寒害防止対策(屋根掛施設)への支援、果樹共済(びわ)加入促進の協力の4点でございました。
 2ページ目をお開きください。
 この要望に対する県の対応(案)につきましてでございますけれども、1番目の補助事業の創設並びに経費の支援の要望につきましては、今回は樹体被害がなく、かかり増し経費は発生しないということから、県といたしましては、災害に強い高品質で安定生産可能となる産地の育成に向けた中長期的な取組に対して、今後支援してまいりたいと考えております。
 2番目の低利融資への利子補給の支援につきましては、今回補正予算計上しております減収補てん等を目的とする無利子の「びわ寒害緊急対策資金」を市と連携して創設したいと考えております。予算計上については、後ほど説明いたします。
 3番目の露地びわ寒害防止対策への支援につきましては、品質向上と寒害回避のための簡易ハウスの試験的導入について検討してまいります。
 4番目の果樹共済の加入促進協力については、関係機関と連携し、加入説明会を開催するなど、共済加入促進に既に着手しており、今後も強力に推進してまいります。
 次の3ページ目をご覧ください。今回補正予算を計上いたしました長崎県災害対策特別資金融資費についてご説明いたします。
 本事業は、今回被害を受けたびわ農家に対し、新たに減収補てん等を目的とした無利子の「びわ寒害緊急対策資金」を創設するものでございます。
 事業内容といたしましては、びわ農家の経営の再建に必要な資金を対象とし、貸し付けに当たっては、農業共済制度の加入を要件としております。
 具体的には、貸付対象者の@認定農業者、A認定就農者、B農業所得が過半以上または、農業粗収益が200万円以上の者に対しては、(5)に書いてございますが、日本政策金融公庫のセーフティネット資金を活用して無利子で融資するものでございます。この資金の対象とならないC上記@〜B以外の者の農家についても、びわ産地堅持の観点から支援を行う必要があるため、農協系統等の融資機関の資金を活用して無利子融資を行うものということでございます。
 融資条件でございますが、償還期間は、セーフティネット資金を活用する場合が10年で、うち据え置き3年以内、農協系統資金を活用する場合が5年で、うち据え置き2年以内としております。貸付限度額は、いずれも600万円で、融資枠は1億円を想定しております。
 利子助成率でございますが、末端金利を無利子とするため、県と市でそれぞれ貸付利率相当の2分の1を負担するということにしております。
 最後に、特記事項に書いてございますが、本年中に実行された融資の償還期間中は、県の利子助成負担が発生することから、平成25年度から平成33年度までについての債務負担を設定いたしております。
 以上、説明を終わります。
◎木下農政課長 平成23年度から平成24年度の繰越明許費につきまして、お手元にお配りしております補足説明資料によりご説明をいたします。
 資料の1ページ目の繰越事業理由別調書をご覧ください。
 農林部におきます繰越額の合計は、上の表の一番下にございますけれども、535件、63億3,281万4,000円でございまして、これは記載をしておりませんが、平成23年度の最終予算額が332億5,014万円でありますが、その19%を占めることになります。
 繰越の理由別内訳といたしましては、1、事業決定の遅れが最も多く、件数にしまして506件、金額で52億4,083万1,000円となっております。これは2月定例県議会におきまして、歳出予算補正に計上しました国の4次補正に伴うもの、件数で26件、金額で34億6,171万4,000円について、年度内の工期が十分に確保できないため繰り越ししたこと及び平成23年の災害に係る団体営災害復旧事業について、件数で452件、金額で4億1,993万5,000円について、予算割り当てが年度末となったことから、事業決定が遅れたことなどによるものでございます。
 次は2番目の欄になりますが、A計画、設計及び工法の変更による遅れによるものが件数にしまして14件、金額で6億4,284万4,000円となっております。これは育成林整備造林事業費におきまして、森林所有者との施業地の境界確認や間伐作業等の受委託契約の締結に時間を要したことなどによるものでございます。
 次は3番目の欄になりますが、B地元との調整に日時を要したものによるものが件数にしまして15件、金額で4億4,913万9,000円となっております。これは、ながさき森林環境保全事業におきまして、作業路開設用地に係る一部所有者の特定に不測の日数を要し、着手が遅れたことなどによるものでございます。
 課別の内訳につきましては、中段の表に記載をしております。
 前年の繰越額と比較をしますと、一番下の表に記載しておりますが、件数で319件の増、金額で6億18万5,000円の増となっております。これはさきにご説明いたしました国の4次補正に伴うもの、資料では経済対策分として整理をいたしておりますが、それが前年度と比べ16億9,204万4,000円増加したことなどによります。
 また、2ページ目以降につきましては、繰越事業について、県の事業・事項ごとに、繰越承認をいただいた件数及び繰越額、平成23年度から平成24年度への実繰越件数及び繰越額を記載しております。
 今後は、残る事業の早期完成に向けて、最大限努力をしてまいりたいと存じております。
 以上でございます。よろしくお願いします。
○山田[博]分科会長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより予算及び報告議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
◆高見委員 びわの災害の部分で、今回は利子補給という形で予算化をされています。内容的には今、説明をいただきましたから、理解をしているつもりですが、せんだっての予算の委員会の中でも高比良(末)委員が質問をされていました。その中で、例えば、共済に加入されている方が130名ぐらいと聞いたんですけれども、それで間違いないですか。
◎江藤農産園芸課長 あの時点で130名の加入意思の確認をしているということでございまして、先ほど説明にもありましたけれども、この融資制度につきましても共済加入が要件になっております。また、長崎市の方が単独で、通常経費に対する栽培管理に伴う農薬代とかの補助事業も計画されておりますけれども、こちらにつきましても加入要件になっております。まだどんどん伸びるよう、説明会等を通じまして加入促進を図るつもりでございますし、期限につきましては、10月まで加入ができることになっております。期限まで、随時増やしていく努力をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◆高見委員 そうすると、現在130名ぐらいということで理解していいんですか。
 その時にも問題になったというか、要するに、今回の支援策の条件として、共済に加入をしてもらうというのが条件になっています。ですから、この条件をクリアしていただく、こういった農家の皆さん方を多くしなければ、今後の災害に対しても対応できないと、こんなことになるんだろうと思うんです。そこで、例えばびわ生産農家は645戸ぐらいだったですか。特に長崎市内。この方々がなぜこの農業共済に入らないのか、躊躇されているのか、そこら辺の理由についてお伺いをしたいと思っています。特に認定農業者あるいは認定就農者、こういった数などもできれば具体的に教えていただきたいと思っています。
◎江藤農産園芸課長 びわ共済の加入率がなぜ低いのかというお尋ねでございますけれども、いろいろ説明会あたりで聞くところによりますと、やはり掛金の割高感、ほかの品目に比べますと、びわ共済は高いということと、近年、災害発生が少ない年が続いたことから、農家の共済に対する関心の低下というのもあったかと思っております。また、びわ共済につきましては全筆加入というのが条件になっておりますので、農家によっては、被害に遭うところだけは入りたいが、かからないところはわざわざ入らないというようなお話も受けております。それと、水稲あたりでは無事戻し金というのがございますけれども、びわ共済についてはないので、そういったところがほかに比べてメリット感がないというようなこともありまして、加入が少なくなってきたと聞いております。こういったことに対応するために、平成19年におきましては、掛金率の安い、凍霜害とか樹体被害に限った半相殺というメニューをつくることによりまして、掛金率を安く、入りやすい形にしたところでございます。
 認定農業者等につきましては、今、把握しておりません。申しわけございません。
◆高見委員 びわの耕作面積は大体どれくらいですか。先ほど言われた凍霜害の新しい制度で、反当たり掛金はどれくらいになるのですか。
◎江藤農産園芸課長 びわの栽培面積につきましては、統調数字でございますけれども、結果樹面積を572ヘクタールございます。このうちの約9割が長崎・西彼半島に固まっているとご理解いただければと思っております。(「この1戸当たりはわかりますか」と呼ぶ者あり)1戸当たりの平均はわかりませんが、聞き取り等によりますと、約3反、30から40アール程度が平均と把握しております。(「反当たりの保険額」と呼ぶ者あり)掛金によって変わるんですけれども、さっき3種類言いましたけれども、全相殺という、すべての災害に対応できる共済メニューでございますけれども、補償割合を5割とした時に掛金は1万9,247円で、今度寒害被害を受けましたけれども、凍霜害にした時には4,730円、それと台風等で樹体被害を生じた場合には2,980円となります。ただ、先ほど言いましたように、補償金額を7割被害にするとか、8割被害までございますけれども、これで掛金は変わってきますが、5割では、先ほど言った数字になります。
 以上でございます。
◆高見委員 耕作面積は3反ぐらい、昔から習ったとおりですね。これ以上はなかなか難しいと。労働力の関係もありますけれどもね。そういうことで承ります。
 掛金額、補償割合によって違うということでありますけれども、ほかの例えば米とかに比べれば、ちょっと高いかなという感じはしますけれども、ただ、びわの場合は、それだけ売って入ってくる金額が高いから、これぐらいは仕方がないのかなと私自身は思うんです。ただ、考え方として、以前、台風被害で潮風を受けたという樹体被害、そしてまた今回は霜で、寒害で凍ってしまったという、こんなことを考えれば、やっぱり備えの意味で保険には加入をするというのが基本的な経営者の心得だと私自身は思っています。ですから、ぜひ言われるように、引き続き努力をしていただいて、確かにこの利子補給の制度そのものの金額は小さくて、なかなかメリット感はあられないかもしれませんけれども、今後の災害に向けて、こういったことが必要、あるいはまたこういったことをするために入っていただくということをぜひ徹底していただきたいとお願いいたします。
 この件については、これで終わります。
◆溝口委員 予算の方で、今回びわの寒害による緊急対策資金の利子助成ですけれども、22万5,000円になっているんですけれども、貸し付けの総額は幾らになっているんですか。
◎中村農業経営課長 今回ご審議をいただきまして決定の折に貸し付けに当たるということになっておりまして、今のところ貸し付けの枠は、先ほど申し上げましたが、1億円の貸付額を考えております。ただ、現地の方々の要望の状況につきましては、全部で49件、5,000万円の要望があっていると伺っておりますが、長崎市と打ち合わせた中で、もっと要望が出てきた場合に対応が必要ということから、1億円の枠を用意させていただいているということでございます。
◆溝口委員 申し込みが1億円あったわけではなくて、1億円の枠をつくっておって、その利子補給としての22万5,000円ということで理解しておっていいわけですね。
 それで、この県の持ち出しはこれだけですけれども、市の方としては、どのくらいの持ち出しがあるんですか。
◎中村農業経営課長 利子補給につきましては、同じ2分の1ずつですので、同額でございます。
◆溝口委員 わかりました。
 ただ、今回融資を受けてやっていこうということでございますけれども、先ほど来言われているように、将来的な対策として、今回から屋根つきを推進していくということでございますけれども、業者の方々は、どのくらいそのことについて、ハウスにしたいという要望等があっているのですか。
◎江藤農産園芸課長 ここで要望がございます簡易ハウス、屋根掛け等につきましては、これからすると。前の委員会の視察の時にもお話があったかと思いますが、今、普通のハウスは大体800万円ぐらいかかるわけですけれども、なかなか高価で手が出ないという中で、もっと安価な、要は災害、寒を防ぐための最低限のぎりぎりのハウス、あるいは雨よけのためのぎりぎりのハウスのコストを抑えた形でどこまで絞れるかということで、今、協議会で検討しているところでございます。大体10アール当たり200万円程度でできないかということで、実験実証事業ということで今回取り組むと。これが成績がいいということでございましたら、導入マニュアル等を作成いたしまして、現地の方に普及させたいと考えております。また、一般のハウスにつきましては、他地区でやっておりますが、農協等団体等によりますハウスリース、こういった制度を導入することで初期投資の軽減等できないかということで、今後、協議会の中で検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◆溝口委員 ただ、寒害はまた今年もすぐあるかもわからないという形の中では、早くそういう希望のある方々には設備投資をしていかなければいけないと思うんですけれども、そのことに対しては、まだ今の段階では、なるだけコストがかからない200万円ぐらいのものにしていきたいという形の中で、生産者とは、このことについては早急に話し合いを進めていっているわけですか。
◎江藤農産園芸課長 長崎びわ産地活性化推進協議会というものがございまして、ここに生産者のメンバーも入っていただいております。その中で協議して進めているということで、この結果につきましては、現地検討会等を通じまして農家の方に幅広くご意見等もいただこうと思っております。ただ、まだこういった取組をやっておりませんので、やっぱりリスクがございまして、それを確認した上で、現地の方には普及したいと考えております。
◆溝口委員 わかりました。やはり屋外より、そういうハウスをした方がいいということでございましたので、ぜひ生産者の方々と話し合いを早く進めていただいて、できる限り早期にその対策をしていただくように要望しておきたいと思います。
◆前田副会長 びわの寒害の予算について質問したいと思います。2月に災害が発生してからこれまで、随分と市と生産者、協議会と協議しながら予算立てを対応していると思います。その点は敬意を表し、ご苦労さまでしたとお伝えしたいのですが、週末にこういう資料等もいただいたので、報告も含めて、びわ農家の方に会ってきました。そうしたら、「よくやってくれました。ありがとうございます」というのを期待しながら行ったんですけれども、会った方に説明した内容は、少し疑問があったり、不満とは言わないまでも、戸惑われているような意見が多く出されましたので、少し質問をさせていただきたいと思います。
 まずもって、共済加入促進を図るというのは、当然これは自助努力の中で、高見委員も言われたように、高めていくのは自分たち自身だという認識は多分あられると思うんですが、今回の支援メニューの前提として、これに加入するということを条件としているというのはどうしてですか。と私が言うのは、その加入促進を図るという作業と支援するというのは私は別だと思うので、どうしてそこを前提とするのかというのがまず私自身がこれはひっかかりますので、ご答弁をいただきたいと思います。
◎中村農業経営課長 今回の無利子の資金で共済加入を要件化させていただきましたのは、今回が初めてでございまして、毎年寒害を受けた場合には、資金を返す金額がどんどん増えていくということになろうかと考えております。平成18年当時も、市と農協でこういった減収補てんの資金を貸し付けされております。ですから、前回借りた方がまた今回借りるとなれば、結局、返さなければいけないお金が増えていくということになろうかと思っております。ですから、共済に加入していただいて、寒害を受けた場合に、資金を借りるんじゃなくて、共済金で経営を安定化していただくということが農家のためになるということから、資金の措置については今回はさせていただきますが、今後については共済で経営を安定化させていただきたいという思いから、要件化させていただいたというのが経過でございます。
◆前田副会長 少し認識不足かもしれませんけれども、資金以外に、再生のための資材補助事業とかもやっていますよね。これについても共済加入が条件となっていますよね。私が言いたいのは、促進を図って、今おっしゃったようなことも当然わかるんですけれども、それはそれとしながら、本当に困っているのであれば、そこの支援、結局、130戸と言っているけれども、それが全体の戸数ではないわけで、全戸が入ってくれればそれはありがたいけれども、まだ入っていない、入らないというか、入れない方もおられるわけで、そういうところに全く支援をしないというのはどうなのかなと。支援が欲しくても、結局できないですよね。将来的な姿、目指すべき姿はわかりますよ。しかし、それはそれとしながら、共済に入らない理由が幾つか挙がっていました。同じようなことをおっしゃっていたんだけれども、その中で、高齢化しているので入りたくても入れないと。それは先方の理由かもしれないけれども、先のことを考えた時に、なかなか高齢では入れないという方もいらっしゃったのと、全筆加入、私はそこの説明を求めたいんですけれども、広さごとの掛金にしてくれたらいいんだけれども、どうやらこれに入るに当たって、樹木を1本1本見ていくんですか、樹齢というか。そういうこともあったり、自分たちはこの部分でいいんだというのもあったりして、そこが加入する際に非常に阻害要件になっているということなんですけれども、そういうことを含めた時に、前提条件のことは余り重きをなしてないんですけれども、共済に入らない理由というのがまた生産者の方にあるような気がするのですが、その点含めて、平成19年に一遍メニューに対応したというように、改めて共済の制度の仕組みというのを見直すような考え方というのはないのでしょうか。
◎江藤農産園芸課長 ただいまのお話につきましては、先ほどちょっと触れたと思うんですが、要は、この圃場は被害を受けるので、ここは入っていいけれども、ここは入らなくていいみたいなことを言われたということで理解してよろしいんでしょうか。要は、通常、びわ共済のメニューにつきましては、全相殺というものがございまして、これは果樹の収入等に対しまして補てんすると。多分、今言われているのは凍霜害の方だと思いますが、これにつきましては半相殺といいまして、圃場ごとにその収入、樹齢等を計算して、これまでの出荷成績あたりも加味して、圃場ごとに計算するということになっております。それはやり方が変わっておりまして、例えば、それが嫌であれば、全相殺という方のすべてのメニューに対するやり方もあるかと思っております。
 私たちとしては、掛金の割高感というのがあるという中で、少しでも安くするために、半相殺あるいは被害を絞ってやったということでございますので、そこについては被害があるよということであれば全相殺、それとびわにつきましては何で掛金が高いのかといいますと、それだけリスクが高い品目であると、逆に、共済に入っていれば、バック、要は戻し金というか、共済金もいっぱいもらっていらっしゃると、そういった品目であると理解いただければと。水稲の場合は、被害が少ないので掛金も低くなっていると。ですから、掛金が高いということは、それだけ戻ってくるお金も多い、回数も多いと理解いただければと思います。実際、これまで昭和56年に、ローマ法王が来られた時に今年以上の大きな被害がありまして、そこからびわ共済加入促進を進めてまいりましたが、そこからの累計で言いますと、アバウトなところで申しわけございませんが、1億円の掛金の延べ金額に対しまして、2億円以上支出されているというふうな状況でございますので、リスクが高いので、やっぱり入っていただきたい。ただ、入った分につきましては戻ってきているよというふうなご理解をいただければいいかなと思います。
◆前田副会長 私の認識不足もあったので、理解をしました。
 ただ、いずれにしても、生産者の中に、私が素人だから理解できなかったかもしれないんですけれども、さまざまこの共済の加入に対して、その人たちの言葉をかりると、入りたくても入れないというようなことをおっしゃっていたので、ぜひ、協議会等を通じているんですけれども、もっともっと共済の制度自身の説明とか、これまでの取組について、コミュニケーション、話し合いする中で、もし仮に、何らか生産者の希望とか改善点というのが出ているようであれば、今後に活かしてほしいということを1つ要望しておきたいと思います。
 ところで、平成18年の経営緊急対策資金の返済を2箇年延長していますよね。本来だったら、平成23年で返済すべきだったんですか。その確認と、返済できているところ、まだ残があるところというのは、今、戸数としてはどのくらいあるんですか。
◎中村農業経営課長 今、副会長からのご指摘の件については、農協と市でつくった資金のことではないかと思っております。市と農協で貸し付けた資金については、合計200件で5億800万円の貸付金だったとお伺いしております。おっしゃったとおり、償還期間が10年で、うち5年以内ということで、据え置き期間が5年ということで、目いっぱい5年の据え置きを行った方が本年度から償還が始まるということになっていると聞いておりますが、全部が全部5年だったかといったら違うみたいで、すみません、その比率については私ども、把握はさせていただいておりません。
◆前田副会長 そうしたら、もう一点だけ。露地びわ寒害防止対策で、屋根掛施設、さっきのハウスです。800万円ぐらいかかるものを、200万円ぐらいの簡易なハウスの実証をするということですが、これもまた私の説明が悪かったんでしょうね、それはどのようなものを言っているのかという話になって、露地でやっているところに広い大きくかかるのかという話と、それとかけたときに、要は、低温対策ですよね。低温対策するならば、加温しなければだめだろう、仕切っただけでは効果がないということと、これは担当課の方もおっしゃっていたけれども、雪とかの重さに耐えられないだろうみたいな話で、本当にそういう簡易のハウスに効力があるのかという疑問を随分おっしゃっていて、そもそも生産者の方が簡易のハウス、今、実証しようとしているものがどんなイメージがわからないと言われていたので、その点を説明してほしいのと、その時あわせて言われたのは、やっぱり800万円かかってでも通常のものにしたいという話の中で、他県においては、建てるのに9割補助しているところがあるといって、それは長崎県はどのようになっているのかという話で、私は9割補助はどうなのかわからなかったので返事しかねて帰ってきたんですけれども、現状のハウスの補助率というのはどんなふうになっているんですか。その2点をお尋ねします。
◎江藤農産園芸課長 申しわけございません、9割補助につきましては、私も存じ上げておりません。通常、国の補助事業でいった時には、低コスト耐候性ハウスというものがございまして、これについては2分の1補助、県が上乗せ10分の1で、農家は10分の6で受けられる補助がございます。また、県につきましては、県単独事業でございますが、農政課所管の構造改善加速化支援事業の中で3分の1事業、それと認定農業者については5分の2だったかと思いますが、その補助事業があります。
 それと、簡易ハウスにつきましては、今、4業者程度に見積もりをしてもらいまして、設計書と構造あたりを考えているところでございますが、柱の間隔をあける、それでしかも一定の強度を持つというところで安くできないかということの試作をやっているところでございます。今月7月につきましては、県外でございますけれども実際に導入しているところにも農家の方も交えた形で見に行く予定にしております。また、農家の方もおっしゃったとおり、暖房は一定の状況の中では必要だと思っております。ここも今、リースで簡易の暖房機も導入できるというようなシステムもあるかと聞いておりますので、こういったものの利用とか、できるだけ投資が少ない形で一つのシステムができないかということを今、検討しているところでございます。簡易ハウスにつきましては、他県で、中晩かん等で小型のハウスとかも検討されておりますし、今やっているのは、軒をつくりまして、軒に被覆資材を張ることで雨よけあるいは保温ができないかといったことも視野に入れて検討しているところでございます。
◆前田副会長 そうしたら、簡易ハウスにしても加温が必要だという理解をしたわけですけれども、加温するんだったら、その機器も高いという話、それは今、リースがあるとかいう話でしたけれども、結局、燃料代がかかるということで、じゃ、燃料代の補助はしてくれるのかとか、そんな話も出ていたんです。補助率の件は、そういうことも含めて9割というのはないんでしょうけれども、今後のことを含めた時に、その上乗せが検討できるのかどうか、そういうものを検討してほしいと思いますけれども、ハウスがいいということは皆さんわかっていて、やれるものならやりたいという話の中で、その中での今、補助率のこととか出てきたし、もう一つは、簡易なハウスのイメージがわかないということだった。ただ、その方たちが言っていたのは、この要望は、長崎びわ産地活性化推進協議会の要望に沿って対応しているものですから、長崎びわ産地活性化推進協議会が提案するぐらいだから、それは有効な簡易ハウスなんだろうということで最後は終わったので、これからそういうものを実証していくのであれば、どんなものなのかというのを早目に生産者の方にお伝えして、またそのことによって生産者から新たに、それでもちょっと難しいとか、それであればこういう補助をしてほしいとか、自分たちはこういうことをしなければいけないなということを理解してもらうような事務作業というか、話し合いを今後やっていただいて、いずれにしても、びわ産地の再生計画というのは今年度で終わりですよね。来年度をつくっていくということでしょうから、そういう計画の中にそういうものも盛り込んでいただいて、正直言って私が行ったところは、生産者の方がこの先どうやっていいかわからないというような声がたくさん聞こえてきたので、それは後継者の問題もあるんでしょうけれども、災害ごとに士気が落ちることがないように万全の備えもしていただかなければいけないし、やる気が出るような支援策、また一緒にやれるような事業というものを今後展開してほしいということを要望しておきます。
◆高見委員 今、前田副会長から、農業生産者に対するバックアップといいましょうか、そういった立場で質問されましたけれども、私自身は、今まで日本の国内で一番のびわ産地だということで、農家の皆さん方も頑張ってこられた。特に、びわを最初に植栽された皆さん方は、そういう産地を目指して取り組んでこられたと思うんですよ。それが代を経るごとに、こういった災害も含めて経験をする中で、今の状態ではなかなか続けることも難しいというような、そんな悩みの中に今いらっしゃると思うんですよ。そういう中でも、日本一と言われるこのびわ産地を続けていきたい、こんな決意も農家の皆さん方にはあられると思うんですが、ただその決意そのものが、具体的に共済にもまだ未加入者が多いというこの現実。自分たちでできることはやっぱり自分たちでやっていく、自分たちでできないことがあるとすれば、それは集団でやっていく。これは例えば農協だとかそういう関連団体。あるいはまた、そこでもできないとすれば公的支援をいただく、自助、共助、公助という、こういった部分だと思っているんですが、その一番大事なところの自助の部分が共済だと私は思っています。
 これまでも、言われるようにリスクの高い作目でございますから、公的支援も含めて、随分とこの間あったと思うんですよ。その公的支援の長崎県としての位置づけは、やっぱり全国一のびわ産地を守りたい、続けたい、こんなところが支援というふうになってきたと思うんです。農業をされていない方々から、支援を続けろよと言っていただいている声は本当にありがたいものがございます。ですから、農家自身も、そういう支援の声に応えて、自分たちで立つべきところは立つというこんな意識、認識が必要じゃなかろうかなと私自身は思って、先ほどからそんな質問をしているわけです。ぜひこういったところを農家の皆さん方には理解をいただいて、少なくとも共済には入っていただく、この手続をぜひ踏んでいただきたいと私はお願いをしたいと思います。そういうことを私は思っているんですが、そんなこともぜひ熱っぽく農家の皆さん方には語っていただきたい。そのことについては農林部長、いかがですか。
◎上田農林部長 長崎のびわは日本の中での本当の産地でございます。これはしっかりと守っていかないといけないと思っております。ただ、守るのは、あくまでも担い手の方々が中心になって、どうやってやる気を出していただくかというのが必要だと思っております。そういう意味では、産地の方々と一緒になった長崎びわ産地活性化推進協議会というものがございますので、そこの中で、特に担い手の問題、労力の問題、行政が支援するだけではこれはできません。生産者の皆さん方がどうやって今からの産地を守っていこうとするのかというのを一緒になって議論をさせていただいて、そこの中で、応援をすべきところについては、しっかりと選択しながら応援させていただきたいと思っております。いずれにしましても、びわの産地というのはしっかりと維持をしていかなければいけないと考えているところでございます。
○山田[博]分科会長 ほかにありませんか。
 なければ、委員長を交代します。
○前田副会長 山田(博)分科会長、どうぞ。
◆山田[博]分科会長 予算の補足説明資料の繰越明細表についてお尋ねしたいと思うんですけれども、災害復旧で438件出ているんですけれども、事業決定の遅れが多いんですね。例えば災害の方で、特に事業決定の遅れというのは、やはり早急に対応しないといけないことがあったと思うんですけれども、これがなかなか事業決定の遅れということで件数もたくさん出ているんです。この事業決定の遅れというのは、大体主たる原因というのは何でしょうか。以前、水産部に確認しましたら、水産部はマンパワーという話が出ていたんです。人員不足という話が率直に出ていまして、あと技術力の低下と。人の手が足りないから外注に出すと。外注に出すと、職員の技術力の向上につながらないものだから、要するに、悪循環になっているというような現状がありまして、そこで水産部におきましては、そういった事業決定というか、繰越が多いとなると、これは地域の経済にも大きな打撃を与えるから、そうであればマンパワーの充実を図らなければいけないんじゃないかという話が出たんです。ここは率直に、こういった状況というのを見解を聞かせていただきたいと思います。
◎林田農村整備課長 今の分で、農村整備課の分でご説明をさせていただきます。農村整備課の繰越が、1ページの表にございますように、全体で31億3,300万円ございます。そのうち、事業決定の遅れが農村整備課で30億5,600万円になっております。繰越のうちの約97.5%が事業決定の遅れでございます。その内訳としまして、経済対策分、これが昨年度の4次補正の分で、今年度の前倒し予算としてとった分でございますので、予算の割り当てが3月ぐらいになっております。これが21億円ございます。それと、災害復旧分、これは平成23年度の災害でございまして、災害査定が終わるのが12月末でございますので、それから国の方から予算措置が来るのが2月から3月ぐらいになっております。この経済対策それから災害復旧以外につきましても、今年につきましては国の東北の震災関係の保留予算あたりが9月とか11月というふうに遅く来たわけでございまして、農村整備課の関係で申しますと、事業決定の遅れというのは、国からの予算が来るのが遅れたということで、間に合っていない状況でございます。
 以上でございます。
◎佐藤森林整備室長 林政課と森林整備室一緒にお答えさせていただきます。1ページの表の一番下の方に繰越額16億3,000万円ほど計上させていただいております。この内訳は、先ほど農村整備課長からもありましたけれども、いわゆる事業決定の遅れ、補助金の決定が遅れたということで計上しているものが16億円のうち6億円ほどございます。ですから、あと10億円の部分が計画、設計の工法変更による遅れとか、地元調整による遅れとなっております。事業決定の遅れにつきましては、先ほど農村整備課長が申し上げたこととほぼ同じような事情において、国の補助金の決定が遅れたということでございます。
◆山田[博]分科会長 そうすると、今回の繰越は、今回これだけ出たのは、あくまでも国の事業決定の遅れだと、予算の決定が遅れたということで理解してよろしいということですね。
 それでは、その中でお尋ねしますけれども、2ページの卸売市場対策費とありますね。長崎市でありますが、これは卸売市場の件を説明していただけますか。
◎園田農産加工・流通室長 2ページにございます卸売市場対策費の2,570万円ですけれども、これにつきましても国の経済対策の関係で、4次補正のところで措置をされたものでありまして、その関係で国からの補助金の内示が遅れたということで繰越ということにさせていただいておりまして、事業の中身につきましては、長崎市の中央卸売市場におきまして、卸売市場の施設の中で、カーテン式の保冷施設を100平米のものを2箇所つくるという事業でございます。その事業が今回繰越ということで整理をさせていただいております。
 以上でございます。
◆山田[博]分科会長 そういったカーテンでね。これは県の所管している市場ですか。直接経営しているわけですか。
◎園田農産加工・流通室長 長崎市の中央卸売市場は国が所管している中央卸売市場になりますけれども、市が事業主体になっておりまして、補助金の制度上、市から県に補助の申請がありまして、県が国に上げるという形で、間接補助という形の事業になっております。
◆山田[博]分科会長 若干予算と離れて1つだけお尋ねしたいんですけれども、国の市場、県が監査する市場とかありますよね。今、水産部で暴力団対策条例というのを準備しているんですけれども、青果市場とか、市場には、そういった条例を動こうとしているような動きがあるのか、その後、予算計上に取り組んでいこうという意向があるのか、それだけ1点だけ聞かせていただけませんか。
◎園田農産加工・流通室長 暴力団排除の関係につきましては、県の暴力団排除条例が今年度の4月から施行されましたので、各卸売市場の開設者にお知らせして、周知を図っているという状況でございます。
◆山田[博]分科会長 わかりました。
 前田 副会長 委員長を交代します。
○山田[博]分科会長 ほかに質疑はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]分科会長 ほかに質疑がないようですので、これをもって質疑を終了いたします。
 次に、討論を行います。
 討論はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]分科会長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
 予算及び報告に対する質疑・討論を終了しましたので、採決を行います。
 第80号議案のうち関係部分、報告第1号のうち関係部分及び報告第3号ないし報告第5号は、原案のとおり、それぞれ可決、承認することにご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]分科会長 ご異議なしと認めます。
 よって、予算及び報告議案は、原案のとおり、それぞれ可決、承認すべきものと決定されました。
○山田[博]委員長 次に、委員会による審査を行います。
 議案を議題といたします。
 それでは、農林部長より総括説明をお願いいたします。
◎上田農林部長 農林部関係の議案についてご説明いたします。
 農水経済委員会関係議案説明資料(追加修正版)の農林部をお開きください。
 今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第85号議案「長崎県鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律に基づく標識の基準を定める条例」のうち関係部分について及び第88号議案から第93号議案「権利の放棄について」であります。
 その内容は、記載のとおりであります。
 次に、農林部関係の前委員会以降の主な事項についてご報告をいたします。
 今回ご報告をいたしますのは、長崎県新規就農相談センター設置について、長崎県立農業大学校研究部入学生の募集停止について、長崎県ブランド農産加工品認証制度の創設について、農地の基盤整備の推進について、耕作放棄地対策について、全国和牛能力共進会について、凍結精液の管理体制について、イノシシによる被害防止対策について、諫早湾干拓事業の開門問題について、諫早湾干拓農地の利用権再設定について、農業者戸別所得補償について、福建省農業科学院との技術交流について、獣医療県計画について、農薬危害防止について、「長崎県『新』行財政改革プラン」に基づく取組についてでございます。また、「政策等決定過程の透明性等の確保及び県議会・議員との協議等の拡充に関する決議」に基づく提出資料について、「獣医療県計画について」、「諫早湾干拓農地の利用権再設定等について」、それぞれ補足説明資料を配付させていただいております。
 以上をもちまして、農林部関係の説明を終わります。
 よろしくご審議賜りますようお願いいたします。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 次に、畜産課長及び諫早湾干拓課長から補足説明をお願いします。
◎松本畜産課長 資料は、獣医療を提供する体制の整備を図るための長崎県計画(案)の概要、及び必要に応じて、資料「獣医療を提供する体制の整備を図るための長崎県計画(案)」をご覧ください。
 獣医療法の第10条では、農林水産大臣は、獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針を定めなければならないとされております。また、同法の第11条においては、都道府県は、基本方針に即して、地域の実態を踏まえ、都道府県における獣医療を提供するための計画を策定することができるとなっております。
 平成22年8月に国の基本方針が改定、公表されたことを受けまして、県では、県計画の改定作業を続けてまいりましたが、このたび、新しい県計画(案)ができましたので、本委員会にご説明いたします。
 県計画は5つの事項で構成されており、巻末に資料を添付しています。
 第1が基本方針でありますが、ここでは1、獣医療の果たす役割、2、獣医師の確保対策、3、家畜伝染病防疫体制の強化、4、高度獣医療への対応の重要性について簡潔に説明しています。
 第2は、獣医療を提供する体制を整備するための地域区分を定めており、本県の場合は、家畜保健衛生所の管轄区分をもとに、中央、県南、県北、五島、壱岐、対馬の6地区に区分しています。
 第3は、家畜診療獣医師及び公務員獣医師の確保対策を定めています。課題としましては、家畜診療獣医師、公務員獣医師ともに、平成32年度までにおのおの20名、また49名の退職者が見込まれますので、これを見据えて計画的な確保対策が必要であります。また、特に個人開業獣医師主体の県南地域では、獣医師の平均年齢が64歳と高齢化の傾向が顕著であり、その数も十分ではないため、診療体制が脆弱な地区も存在しています。このため、数値目標として、平成32年度までの獣医師確保人数を、家畜診療で33名、公務員で49名と定め、計画的な確保に努める必要があります。具体的な対策については、平成22年度創設しました長崎県獣医修学資金貸与事業の活用、また大学・高校生に対する獣医師の職場に関する情報の発信、学生研修の積極的な受入れ、そして近年増加傾向にある女性獣医師を受け入れるための職場環境整備等が挙げられます。
 第4は、家畜伝染病防疫体制の強化です。現在、家畜保健衛生所では、家畜飼養者が家畜伝染病の発生を未然に防止するために、飼養衛生管理基準の遵守徹底を指導していますが、課題として、万一の家畜伝染病発生時に迅速な初動防疫を実施するため、民間獣医師に対して平素から防疫作業の内容を説明し、十分な理解と協力を促す必要があります。対策として、県は、口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザなどの発生を想定した防疫演習を随時実施し、県獣医師会は、これに積極的に参加するものとしております。
 第5は、高度獣医療への対応です。課題は、まず県南地域など獣医療体制が脆弱な地域にあっては、個人開業ではなく、複数の獣医師を有する家畜診療所の整備が必要であること、2点目に、飼養規模の拡大により、畜産農家からは治療行為のみならず、各種検査データに基づく予防衛生を行う高度獣医療の提供が求められていますが、個人開業の多くは検査機器整備が不十分で対応が困難な状況にあること、3点目に、県内に新卒獣医師を対象とした研修体制の整備が必要なことなどです。数値目標としては、複数の獣医師を有する家畜診療施設を新たに1箇所整備することを挙げております。この対策として、@市、NOSAI、JA、県で家畜診療所の整備及び支援体制を検討する。A家畜保健衛生所の病性鑑定機能を広く利活用できるよう体制整備を図る。B諫早市森山町のNOSAI診療・研修センターの機能向上により、若手獣医師の技術向上を図る等を考えております。
 これまで、素案をもとに県内獣医療関係者への説明と意見交換を行ってまいりましたが、県議会のご意見も踏まえた上で、今後、正式な県計画を策定し、公表する予定です。
 以上で説明を終わります。よろしくお願いします。
◎宮崎諫早湾干拓課長 資料の諫早湾干拓農地の利用権再設定等についてをご覧いただきたいと思います。
 諫早湾干拓農地は、672ヘクタールのすべての農地をリース方式といたしまして、5年間の利用権設定を行っております。平成20年の営農開始から4年目を迎え、平成25年3月31日には利用期間が満了となるため、その再設定の進め方についてご説明させていただきます。
 利用権再設定に関する基本的な考え方について、第三者委員会を今月設置し、ご意見をいただき、これを踏まえ、県と農業振興公社が共同で方針を策定し、議会へ報告させていただいた後、8月から農業振興公社の方で利用権の再設定に向けた具体的な作業を進めたいと考えております。
 第三者委員会におきましては、農業者の代表や法律の専門家、学識経験者などで構成いたしまして、専門的かつ公平な立場からご意見を伺うこととしておりますが、その内容としては、利用権再設定の基本的な考え方として、まず現入植者からの利用権再設定の申し出に対し、農地の適正利用や経営の状況などについて専門家による審査を行い、更新の有無を決定すること、その上で、利用権を再設定しない農地が発生した場合には、一般公募による再募集を行い、同様に専門家による選考審査を経て、入植者を決定し、利用権を設定するという案を考えております。
 利用権再設定の条件等につきましては、1つ目に、農業で自立できる意欲と能力を有すること、2つ目に、干拓営農の基本方針に即していること、3つ目といたしまして、認定農業者であり、かつ平成29年度を目標年度とする経営改善計画の更新を行っていること、または行う見込みが明らかなこと、4つ目といたしまして、平成諫早湾干拓土地改良区の組合員であること、5つ目として、エコファーマーであること、6つ目、環境保全型農業を実践していることなどのほか、7つ目といたしまして、申請の時点においてリース料の未納がないことや、8つ目、利用権再設定に当たっての農地の場所の変更等は認めないことなどを考えております。
 利用権再設定の作業につきましては、農業振興公社の方で進めていただきますが、その進め方、特に審査の在り方につきましては、経営状況や経営計画の実現性などについて審査を行うための審査委員会の設置についてご意見をいただきたいと考えております。
 さらには、利用権の再設定をしない農地が発生した場合には、平成19年に策定いたしました公募基準に準じ、募集を行い、同様に透明性を確保した審査委員会により、選考審査を行いたいと考えております。
 平成19年の公募基準におきます募集条件は、3ページの別紙に示しております。1つ目に、公募の対象地域につきましては、入植者は、県内外、増反者につきましては、県内で、通作可能な地域、農業生産法人につきましては、その構成員の居住地が県内にあることなど。2つ目といたしましては、年齢は20歳以上で、50歳以上の入植者及び60歳以上の増反者は後継者が就農もしくは就農が見込まれること。また、新規参入の農業者や農業生産法人の応募も認めること。3番目といたしまして、さらにはエコファーマーであり、環境保全型農業を実践することなどでございます。
 一連のスケジュールにつきまして、4ページに示しておりますけれども、このような再設定の考え方などについてご意見を伺った後、県と農業振興公社が共同で利用権再設定の方針を策定いたしまして、農業振興公社の方で具体的な事務作業を進め、11月頃には再設定の決定を出せるように進めたいと考えております。さらには、11月の時点で利用権の再設定をしない農地、いわゆる余剰農地が発生した場合には、その再募集に向けた作業を進め、3月には入植者が決定できるように進めてまいりたいと考えております。
 以上で説明を終わります。よろしくお願いします。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 次に、提出のありました政策等決定過程の透明性等の確保などに関する資料について、農政課長から説明をお願いいたします。
◎木下農政課長 お手元にお配りしております農水経済委員会提出資料、表題が「政策等決定過程の透明性等の確保及び県議会・議員との協議等の拡充に関する決議」に基づく提出資料によりご説明をいたします。ご覧のとおり、4種類の資料でございます。
 まず、ページが飛んで申しわけありませんが、47ページをご覧いただきたいと思います。この資料は、今回の県議会決議の決議内容要旨と、その処理状況についてまとめたものでございます。
 まず、48ページにありますが、決議第4の内容に基づくものが47ページから58ページになりますけれども、政策等決定過程の透明性等の確保及び県議会・議員との協議等の拡充に関する決議及び入札制度等県の発注方式の改善に関する決議の部分でございまして、処理状況が各部局にまたがる内容となっておりますので、全庁的な処理状況をここに提出させていただいております。
 47ページにある決議第3に基づくものでございますが、1ページでございます。県が箇所付けを行って実施する個別事業に関しまして、市町並びに直接・間接の補助事業者に対し内示を行った補助金について、本年4月、5月の実績を資料1ページから記載をしておりまして、直接補助金が16ページまでございます。内容的には、長崎県中山間地域等直接支払交付金など176件でございます。また、間接補助金は17ページから25ページまでございまして、長崎県担い手総合支援事業費補助金など93件となっております。合計で269件でございます。
 それから次に、26ページをお願いいたします。先ほどの決議でいえば、48ページでございます決議第3の(2)に基づくものでございますが、1,000万円以上の契約案件につきまして、本年4月、5月の実績でございますが、工事以外のものが26ページ記載のとおり3件、工事が27ページ記載のとおり11件、計14件となっております。
 なお、28ページから46ページにかけましては、その入札の一覧表を添付いたしております。
 次に、資料59ページをご覧ください。
 決議第4の(2)に基づくもの、決議そのものは48ページの部分でございますが、知事及び部局長等に対する陳情・要望のうち、本年4月、5月に県議会議長あてにも同様の要望が行われたものは、「TPP(環太平洋連携協定)についての関係国との協議に関する要請書」に対する陳情など計6件となっておりまして、それに対する県の取扱いを記載しております。
 以上でございます。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 なければ、私の方から。委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、どうぞ。
◆山田[博]委員長 第85号議案の鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律のことなんですけれども、この標識の種類というのが、指定猟法禁止区域と休猟区、特定猟具使用禁止区域等とありますね。これを農政課でするんですね。この標識というのは、どういった標識をされるのか。これは要するに、県の方で所管して行うということでしょう。どういった標識をつくって、大体どこあたりの区域をしているかというのを把握されているのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。
◎木下農政課長 お配りしている横長にも記載しておりますが、今おっしゃったとおり、県の場合「特例休猟区」と言いますが、そういう制限区域を定める標識の件でございますが、これまで国、環境省の方でこの標識はすべて所管をして、それぞれの区域に設置をしておりました。この中身の中で、これは第2次の地方分権一括法でございますが、地方分権の関係で、標識のいわゆる規格についての部分が県の方に権限移譲されたというようなことに基づきまして、県が条例をつくってそれを受けて、実際の標識を県で設置するというようなことでございます。
 具体的には、例えば、特例休猟区というのが本県にございますけれども、ひし形の一辺が30センチメートル以上というような規格を規則で定めまして、その条例規則に基づいて今後はそれぞれの地域に県でそういうものを設置していくというようなものでございます。
 以上でございます。
◆山田[博]委員長 標識は大体ひし形であるということはわかったんですけれども、最近、黄色い看板を見たことがあるんです。それで、看板は大体そういうふうなものだろうというのは理解できたんですけれども、この禁止区域等は、県は看板を設置しなさいということでありましたけれども、実際のところ、どこからどこまでが区域というのは把握されているのかです。
◎木下農政課長 議会でもご承認いただきましたが、今年度からは、第11次鳥獣保護事業計画という5年間の計画に基づきましてこの制度を運営しておりまして、例えば、例を挙げました特例休猟区でいえば、今現在は、国見・瑞穂特例休猟区、3,300ヘクタールぐらいありますが、これが平成21年度指定で、平成24年度まで3箇年でございます。ほかには、波佐見西部特例休猟区、布津・深江特例休猟区とか、現在7箇所ございますが、そういうところに必要な数だけをそれぞれ設置していくと。また今年度からも、大体1年度3特例休猟区ずつ指定していくような計画でございます。
 以上でございます。
◆山田[博]委員長 それは大体大まかにわかっていますよ。どんぶりでね。要は、ここからここまでするという、きちんとしたですね。何でかというと、今、各市町で地籍調査をやっていますよね。山とかはほとんどやっていないところが多いんです。田んぼ、畑はずっとやっているけれども、山とかはほとんどやっていないから、禁猟区域とかなんかというのは、何でかというと、後からね。国でやっていたから、何か問題が起こったら国だったけれども、今度は権限移譲だったら、県の方の責任になるわけでしょう。事故があった時に、長崎県は何やっているんですかと。その時、私が農水経済委員長として、例えば地域に出て行ったときに、この看板は、誰が、いつこんな地域を指定されたんですかと、地主の人が「初めて知りましたよ。ここは私の土地ですよ」とかね。何で言うかというと、これは実は、私の五島の地元で、人の木を勝手に切ったといって地元の人が大騒ぎになったわけですよ。地元の市の方でちゃんと事前に説明すればよかったんだけれども、全く説明せずに林道をつくったものだから、地元の人が、林道建設には賛成なんだけれども、人の木を切りやがってといって大問題になったわけです。そういうことがあるものだから私は言っているわけですよ。農政課長、お答えいただけますか。
◎木下農政課長 今回提案しています条例は、先ほど申しましたように、国から今回権限移譲になりましたが、特例休猟区の指定自体は、従前から県で、それぞれ5箇年ごとの鳥獣保護事業計画を策定しまして、県で区域をずっと指定をしてきております。
 指定の仕方でございますが、過去あった休猟区をもとに、3年間終われば、そこは一定の鳥獣の数が増えたというような考えのもとに解除しまして、しばらくたってから、また同じ地区を指定するというような、ずっとそういうサイクルで県下の指定を行っているというような状況がございます。
 指定そのものの手続におきましては、当然、次回指定するというような折に、市町あるいは猟友会、また最終的には県の鳥獣保護審議会などに諮りまして承認を得た上で、指定を行っております。
 以上でございます。
◆山田[博]委員長 農政課長、要は、境界線をきちんと決めてやるのかやらないのかというのを私は聞いているんです。それで、今まで国でやっていたんだろうけれども、再度確認をしておかないと、何でかというと、今、森林にだんだん、だんだん県民も国民も関心が高まってきて、今までは、山を持っていたって財産にならないとか言っていたけれども、最近は外国資本が山を買うとかなんか言い出してきたから、そうすると自分の山の価値にも目が行くようになったわけですよ。だから、林道の木の伐採を思い出してしまいました。こういう事件があったんですよ。だから私は言っているんですよ。
 いずれにしろ農政課長、そういったことがあるから、私はあえて質問させていただいているんです。今でも例えば、保安林の指定の解除についてもいろいろ問題が出てきておりますから、農政課長、それはどうでしょうか。今ここでなかなかお答えにくいところであれば、調査研究をするということでお答えいただければと思いますので、お願いします。
◎木下農政課長 先ほどの説明を補足しますが、休猟区の境界の一つの目安としましては、それぞれの地域の河川とか山の尾根あるいは林道とか、そういうものを境界にしながら区域を大体定めているというようなことでございます。当然、先ほど言いましたように、一定の手続は踏んで、法的に指定を行っておりますが、苦情等がないように、手続について、しっかりと今後も運営していかなければいけないと思っております。
 以上でございます。
◆山田[博]委員長 それはそうですよね。今回、条例の中に、要するに権限移譲ということで、長崎県に対して、これは大きな負担になってくるわけですね。だから、例えば、この指定猟法禁止区域とかを定めて、要するに、トラブルにならないようにしないといけないわけだから、ぜひそこはしっかりやっていくと。より一層やっていくということで理解していいんですね。そういうことであれば、私も理解をさせていただきました。
 それでは、私の質問は一たん終わります。
○前田副委員長 委員長を交代します。
◆陣内委員 「権利の放棄について」ですけれども、実績として、6名が今回対象になったということで、実績と、それから今後の予定というものがわかれば、お聞かせいただきたいと思います。
◎中村農業経営課長 この権利の放棄につきましては、平成16年から平成20年、平成21年にかけまして、県北地域で、本土での新規就農確保のモデル事業という形でさせていただいておりますが、新規就農者の研修生を受け入れて、2年間、先導的な農家で研修をさせるという考え方でございます。今回、平成19年、平成20年の2箇年間、6名の方が研修を受けまして、3年間しっかりと就農していただいたということで、その貸付金を償還免除するということでございます。この方々は6名なんですけれども、4名の方が自営で就農をされております。あと2名の方が地元の農業法人に就職をされて、現在も自営就農それから法人就農という形でしっかりと頑張っていただいている状況でございます。ちなみに、4名の方は、いちごが3名、アスパラガスが1名というような栽培形態になっております。
 以上でございます。
◆陣内委員 効果が本当に上がっていたんだなと察するわけですが、今後この事業そのものはまだ続けていくように、各地域も含めてですが、今、県北地域だけでしょうけれども、そこら辺のことも教えていただきたい。
◎中村農業経営課長 この県北地域というのは、先ほども言いましたように、モデル地区という考え方で平成21年度までさせていただきまして、4期20名を受け入れまして、その20名の方が現在就農されております。今回、3期目の方を償還免除という形でさせていただいておりますが、その後、平成21年度以降も県北地域でもさせていただいておりますが、県下各地に事業を広めていっておりまして、県の単独事業から、市町と連携した事業、それから平成21年度からは、緊急雇用の基金を活用して離職者の方々を対象にした研修事業等をやってまいりまして、例えば、緊急雇用の事業でいきましたら、11地域で26人が就農したという実績もございますが、これらの事業を継続してまいったと、県下各地域で取り組んできたというような流れでございます。緊急雇用の基金が平成23年度までで終了しておりますので、本年度からにつきましては、職業訓練事業を活用いたしまして、県の新規就農相談センターが窓口となりまして、年間56名の研修生を1年間受け入れると。考え方は、2箇月間、基礎研修を農大で、それから10箇月間、先導的な農家のもとでのマンツーマン研修という形で、これまでの研修の中身等を検証いたしまして、こういった形でやったらどうかということで、今年度からは56名対象にやっていくというようなことでやらせていただいております。
◆陣内委員 ありがとうございました。
 そうしますと、平成24年度からやる事業については、貸し付けとかではなくて、やり切りですね。だから、権利の放棄とかそういう課題は出てこないということと理解していいんですか。
◎中村農業経営課長 貸付金の形でさせていただきましたのは県北地域のモデル事業でございまして、平成21年度までで貸付事業は終わっておりまして、その後は、補助事業という形で、やり切りという形にさせていただいております。
◆陣内委員 そのことは本当にすばらしい効果が出てきているんだなということで、ぜひ頑張っていただきたいと思っています。
○山田[博]委員長 ほかに質疑はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ほかに質疑がないようですので、これをもって質疑を終了いたします。
 次に、討論を行います。
 討論はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
 議案に対する質疑・討論が終了しましたので、採決を行います。
 第85号議案のうち関係部分及び第88号議案ないし第93号議案は、原案のとおり、それぞれ可決することにご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ご異議なしと認めます。
 よって、第85号議案のうち関係部分及び第88号議案ないし第93号議案は、原案のとおり、それぞれ可決すべきものと決定されました。
 それでは、お手元に配付いたしております陳情書一覧表のとおり、陳情書の送付を受けておりますので、ご覧願います。
 陳情書について何か質問はありませんか。
 しばらく休憩いたします。
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     −午前11時28分 休憩−
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     −午前11時29分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 質問はありませんか。
 なければ、私の方から質問します。委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、どうぞ。
◆山田[博]委員長 今回、陳情番号22番の「本県における農業生産力強化のための強力な農地の基盤整備の推進」ということであっておりますけれども、これを拝見しておりますと、なかなか基盤整備の予算確保が思うようにならないということと、土地改良区事業における土改連の積極的な活用というのがありますけれども、現状はどのようになっているかというのを、今の農村整備の予算の現状、また土改連を積極的に活用していただきたいという要望がありますけれども、この背景を説明していただけますか。
◎林田農村整備課長 長崎県は、ご存じのように、離島とか中山間地が多くて、基盤の整備が大変遅れている状況でございます。そういう中で、農業の生産性の向上とか経営力の強化、快適で安全な農村を形成するための優良農地の確保、そのための基盤整備とか農道、こういうものは大変必要でございまして、まだまだ整備するところがかなり残っております。そういう中で、昨年の平成22年度に国の予算が大幅に削減されておりまして、本年度の予算も削減された状態が続いております。今年度につきましては、昨年度の前倒し予算としまして、今、大体年間60億円程度の予算が必要だと考えておりますけれども、そのうち20億円程度を補正予算で何とか確保して、今年度の当初予算を何とか60億円程度確保している状況でございますけれども、この補正予算がなければ、予算が3分の2程度になって、大変厳しい状況が続くわけでございます。この補正予算が大変不安定なものでございまして、確実性がないものでございますので、国に対して、当初予算から確実に予算を確保してほしいということで、地元の方から要望が上がっている状況でございます。
 土改連につきましては、随意契約の見直し等、前からそういう話がございまして、土改連に委託する業務につきまして、前は農道とか排水路、そういう業務をかなり出しておりましたけれども、そういう随意契約の見直し等がございまして、今は、換地に伴う圃場整備の区画整理の実施設計、それと積算関係、これは積算は長崎県内で土改連しかシステムを持っておりませんので、そういう特化したものだけにして、土改連に随意契約をしている状況でございます。ただし、土改連としましても、なかなか県の農村整備関係の予算も減っておりますものですから、経営的に厳しいという面がございまして、今回こういうふうな要望をされたと伺っております。
 以上でございます。
◆山田[博]委員長 今回、実際当初予算から予算を確保しないと事業をやっていけないという説明がありました。それで、今現在、私も地域を回っておりますと、特に、ため池の補修とか、ため池を新たに整備してもらいたいとか、いっぱいいろいろ要望があるわけです。だから、県の当局として、実情として、そういったいろんな各地域の要望を承っていて、毎年どれぐらいの要望しかこたえられていないのかというのを現状を説明していただきたい。そんなに細かい数字はわからないでしょうから、大体で結構なんです。説明できるのだったらしていただきたい。
 それと、土地改良事業団体連合会というのは、役割としては、今、随意契約の見直しをしなければいけないということでありましたけれども、土地改良区というのは、皆さん方の地域の農村整備とか、換地とか、いろいろお手伝いしていただいて、地元に関しての、私の地元で土地改良区がありますけれども、皆さんが大変活用させていただいているわけですけれども、土地改良区が、今、随意契約が見直しになっていると。昔は農道とか排水とかをやっていましたけれども、それが今はできないから経営状態は苦しい。苦しいというのも、やっぱりいろいろあるからですね。どこまで苦しいのかと。要するに、火の車だとか、明日にでも倒産寸前だとか、担当課長で、ここまで出したというのは、よほどのせっぱ詰まった思いがあったんじゃないかと思うんですけれども、農村整備課長、もっとしっかりとそこは訴えていただきたいと思いますので、お願いします。
◎林田農村整備課長 予算の方でございますけれども、先ほども申しましたように、計画的に推進するために、ハード事業で年間60億円程度を確保したいと思っております。そのうちに、補正で20億円ですから、当年度予算では40億円でございます。60億円あれば、今実施中の基盤整備地区、それから新規の予定地区等、皆さん方の要望がある分を何とか賄える程度ではございます。ため池等も、今要望が上がっている分については、新規の先送りとか、そういう状況は今のところはございません。ただし、これも補正予算があるからでございます。だから、補正予算がなければ、大変なことになるわけでございます。そういう状況でございます。
 それから、土改連の受託の分でございますけれども、要望書の7ページをあけていただけますでしょうか。これは土改連の県からの受託業務の推移表を土改連の方でつくっていただいておりますけれども、例えば、上の表の平成9年度につきましては、事業計画作成とか、実施計画、圃場整備、農道、こういうものを受託されておりまして、県の委託額が20億円、このうち土改連の方に約10億円程度で委託額の受託率は47%という状況でございました。それが平成16年度におきましては、県からの委託を、先ほど委員長からございましたように、換地に伴う圃場整備だけに特化したような格好でしております。その結果、平成16年度におきましては、県の委託額13億円に対して、土改連が2億7,000万円ですから、約2割程度になっております。昨年度の平成23年度におきましては、県の委託額が8億5,600万円のうち、土改連に委託したものが約8,000万円程度で、約1割程度を切っている状況でございます。また、以前は県以外にも、市町村からの委託等がございましたけれども、今、市町の団体営事業と申しますけれども、そういう事業も少なくなっておりますので、この表から見ても、土改連の経営が厳しいというのは伺えると思っております。
 以上でございます。
◆山田[博]委員長 農村整備課長、土地改良区の予算というのは、当初、毎年大体60億円の予算の獲得があれば計画的にやっていけると。しかし、実際今は当初予算で3分の2の40億円しかないということでしょう。これじゃ大変だということで、計画的にやっていけないと、地域の実情を把握してやっていけないと。農村整備課長も身の縮まる思いで対応しなければいけない状況なわけですね。それは十分わかりました。この土地改良区の事業は、随意契約の見直しということで、最近は県議会でいろいろ議論になりましたけれども、よく見たら、これは平成16年から厳しくなっているんです。平成16年は私はいなかった。私は平成18年からだからですね。あなたの説明も十分わからないから、これは土地改良事業団体連合会から直接聞いて、この実情というのを委員の皆さん方のご理解を得て、土地改良区事業というのはどういったものかと、広くご理解いただかないといけないんでしょうから、林田農村整備課長、あなたの説明が悪いのではないんですよ。実情を当事者から聞いた方が手っ取り早いし、実情もわかる。せっぱ詰まった当事者から聞いた方が早いなと。これは陳情書の中で、実情はどうなのかというのを、林田農村整備課長は土地改良事業団体連合会におったわけじゃないからわからないから、聞いた範囲でしか答えられないわけですものね。だから、これはやっぱり土地改良事業団体連合会の、今見たら、平成9年には県の委託額が20億円あって、うち土地改良区が9億円あって、今は8,000万円でしょう。これは10分の1近くというか、ひどい減少率ですものね。誰がしたかというと、あなたたち農村整備課がこんなにしたんじゃないかと思って、だから、あなたたちに対しても言いにくいところもあるでしょうから、これは土地改良事業団体連合会の人に来てもらって、実情を詳しく聞いた方が。あなたたちもなかなか議会から言われるは、何かとあって、言いにくいものもあるんじゃないかと思いますからね。大体これを見たら、土地改良区の受託は確かに平成9年には9億6,900万円あって、今は8,100万円でしょう。これはあまりにもひどいですものね。しかし、いずれにしたって、この土地改良区というのはないと、これは地域に根づく必要な組織なんですよ。私も改めて地域を回っていて、大変必要な団体ですから、これがなくなったら大変なことになるから、これは農村整備課長の説明じゃ、残念ながら危機感が伝わってこない。ですから、私たちは委員の皆さんのご理解をいただいて、別の機会に土地改良事業団体連合会に来てもらって、参考人かという形で集中審査をして、実情を求めて勉強させていただきたいなと思います。
 一たん、私は質問を終わらせていただきます。
○前田副委員長 委員長を交代します。
◆高見委員 同じく基盤整備の関係ですけれども、本会議の中でも知事が、特に民主党政権にかわって、コンクリートから人へという表現にありますように、特に戸別所得補償の方に随分と財源を回す中で、こういったところに問題を生じていると、こんな話もあっているわけですけれども、言われるように、農産物を量的にも、あるいはまた質的にも確保するためには、基盤整備事業がしっかりとその根底になければならないと私自身は思っているんです。そこで、この陳情の中にもありますけれども、水田の整備率が51%、畑の整備率が24%。そういう意味では、随分とこの間、長崎県が取り組んできた基盤整備事業の割には整備率が低いな、特に水田51%、畑の場合も24%と非常に少ないなと思っているんですが、これは面積的にはどれくらい残っているのかお伺いしたいと思っています。
◎林田農村整備課長 長崎県の耕地面積が5万700ヘクタールございます。そのうち水田が46%の2万3,500ヘクタール、それから畑樹園地が2万7,200ヘクタールございます。そのうち平成23年度末で、3万4,000ヘクタールまだ残っております。ただし、この中には国の補助事業に乗らないような小さいものも全部含めてございます。
◆高見委員 できれば残る面積についての整備計画、できれば年次的に、できれば金額の概算でも出せていれば、今後の毎年度の要望含めて、具体的にお互いに実現に向けて努力のし合いがいはあるのではないか、目標も含めてあるのではないかと思っていますので、そういった計画があるのかどうか。ないとすれば、つくっていただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。
◎林田農村整備課長 この前の委員会の馬込委員のご意見もございまして、どの程度整備すべき面積があるのかを今、精査をしている状況でございます。今、2万5,000分の1の地形図を見まして、その中で、国の補助事業になる、団体の場合は5ヘクタール、県営の場合は20ヘクタール以上の団地をその地図上でピックアップしておりまして、大体100地区程度、面積的に5,200ヘクタール程度がございます。その地区につきまして、今、県の方だけでまず検討しておりますので、それを市町の方にお返しして、市町の方から地元に入っていただきまして、その100地区程度のものをいつ頃整備するのか、そういうものを意見交換しながら計画をつくっていきたいと思っております。その中に、市町の方で当面5年間に整備を要望されている管理計画がございますので、当面は、その管理計画の中から、合意がとれたところを新規として出している状況でございます。今申したのは、国の補助事業を使う分でございまして、国の補助事業に乗らない例えば1ヘクタールとか2ヘクタールとか、そういう小さな団地につきましては、県単とか、市町の基盤整備の事業がございますので、地元から要望があった分については、そういうもので随時整備するように考えております。
 以上でございます。
◆徳永委員 22番の陳情の件ですけれども、15ページの島原半島のことですけれども、島原半島は、皆さんご存じのように、長崎県の農産物の約40%を占める地域ですけれども、ここで農地の基盤整備率は平成23年度末で29.9%と、県全体の37.5%に比べれば約8%、10%近く低いということですけれども、これはちょっと意外なんですよね。これはどういった要因があるわけですか。
◎林田農村整備課長 今、委員がおっしゃいましたように、島原半島は農業が盛んなところでございまして、前から基盤整備の推進はしていた状況でございますけれども、工事をするのに、一作、作付を休まないといけないと、そういうものがネックになって、基盤整備がなかなか進まなかった状況がございます。ただし、噴火災害しました島原深江地区とか、今やっている三会原、そういう既にやっている基盤整備の状況を見られて、ぜひ今の機会にしないといけないということで、今、要望が上がっている状況でございます。
 以上でございます。
◆徳永委員 一作休まなければならないと、盛んなところだからまたそういう問題もあるんでしょうけれども、ただ今、農村整備課長が言われたように、たしか山田原第2も、最初の山田原を見て、基盤整備をした効果が非常にあるということで、第2の方もできたということも聞いておりますけれども、ただ一部では、やろうとしても、予算の問題と、そしてまた県営圃場となれば、それだけの面積が要りますから、なかなかこれはまとめにくいということで、その辺、県と市、この推進をする側にとって、それらの連携をどうされておりますか。地元の方からはいろいろと問題提起もあるわけなんですけれども、その辺が実際、県市との連携がどうなっているのかわからないところがあるものですから、それをお聞かせください。
◎林田農村整備課長 今、委員がおっしゃいますとおり、基盤整備というのは、県だけが一方的にやろうとしてできるものではございませんので、当然、やる場所の選定等につきましても、市町それからJAあたりと打ち合わせをしまして、一緒になって地元の方に入って、合意形成といいますか、説明会とかをやっている状況でございます。
◆徳永委員 それはそうでしょうけれども、ただ、一番盛んなところが30%未満ということであるのがどうなのかなということがありますから、その辺はしっかり地元と、地権者も一緒ですけれども、市町と連携をしながら、これはやはり推進をしていただきたいし、いろんな問題も、一生懸命情報収集していただいて、それ以外にもいろいろな問題があると思うんですよね。やっぱり最低でも、島原とかはリードをするようなことが私は今後の基盤整備の事業推進には大きな影響があると思いますから、そこら辺はしっかりお願いしたいと思います。
◆高見委員 TPPの関係も陳情に出されていますよね。最近はなかなか状況がわからないというか、見えないというか、社会保障と税の一体改革の問題も含めて、政局がどうなるのかというのもあるんですけれども、非常に政権基盤が揺らいでいて、TPPについて今後どうなっていくのかというのが私どもも大きな課題の一つだと思っているんですが、現状、農林部の方でどんなふうにTPPの展開について把握をされているのか、そういったところをお伺いしたいなと思っています。
◎木下農政課長 今、委員のご指摘のとおり、国の動きがよく見えないというところがございます。交渉の実態像もつかめないというようなところだと思います。ただ、これまでも農林部としましても、国の試算などをもとに影響額などをはじいておりまして、非常に深刻な影響があるというふうな認識はしておりますので、今の時点では、これからの国の動きなどを見極めながら、県あるいは地方としての声を出していかなければならないと考えております。また、6月の政府要望でも、情報提供など国に対する要望、あるいは非常に慎重な対応をしてもらいたい、要は、国民的な議論を経た上で判断してもらいたいと、その前に情報提供などをしっかりと行ってもらいたいと、また各分野へのいろんな影響額をしっかりと把握して、その対応策なども出してもらいたいと、そういう意味での要望などを行っておりまして、国の方からも、情報提供を行っていくというようなコメントもいただいたところでございますが、いずれにしても、まだその全容がわからないというようなところですので、国の動きを注視しながら対応を検討していかなければならないと考えております。
◆高見委員 動きはあるんでしょうけれども、なかなか見えてこないというふうな中で、対応をどうするのかということも難しいと思っているんですが、折々においては、県としても農業団体と一緒になって勉強会だとか、あるいは反対の運動継続、こういったものをやっぱりアピールしていかなければ、なかなか見えない中で、ますます見えなくなるような、そんな状況にもなろうかと思いますので、県としての立場は、TPPについては慎重な対応を求めるというふうなことに変わりないと思っていますので、この要望も受けて、そういった関係団体との詰めた協議といいましょうか、行動計画、そんなこともお願いをしたいと思っていますが、いかがでしょうか。
◎木下農政課長 ご指摘の点を踏まえながら、関係団体からの意見を十分聞きながら、またいろんなところからの情報をとって、しっかりと国に要望しながらも、対応策も検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○山田[博]委員長 ほかに質問はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ほかに質問がないようですので、陳情につきましては、承っておくこととし、陳情者へ回答すべきもの及び回答内容についての協議につきましては、委員会最終日の7月6日の委員間討議で行うこととしたいと存じますが、ご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ご異議ないようですので、そのように進めさせていただきます。
 それでは、午前中の審査はこれにてとどめ、午後は、1時30分から再開いたします。
 しばらく休憩いたします。
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     −午前11時54分 休憩−
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     −午後1時29分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 これより、議案外所管事務一般に対する質問を行うことといたします。
 まず、「政策等決定過程の透明性等の確保に関する資料」について、委員長判断として通告外での質問を許可したいと思いますが、質問はありませんか。
◆陣内委員 獣医療県計画について説明をいただきました。この中で、獣医師の方の確保が非常に難しい状況だと。医師の確保についてですが、どういう状況にあるのか、見通し等もお聞かせいただきたいと思うんです。
◎松本畜産課長 農林部では、主に獣医師確保、診療に当たる診療獣医師と県の家畜保健衛生所等に勤務する県職員獣医師、この2つの確保に向けて取り組んでおります。獣医療計画で、確保の目標とか数を定めているわけですけれども、例えば、実際県職員獣医師にしましても、ここ数年欠員が続いておりまして、平成24年現在でも家畜保健衛生所では3名の欠員がございます。そういうわけで、実は、先週の土曜、日曜、獣医師の採用試験を行いまして、県民生活部の方と合わせて5人の目標で臨んでいるんですけれども、今年6人の応募がございました。いろいろ選考した結果、全部が全部大丈夫というふうなことにもならず、今回は6人に対し5人の確保目標を持って今、進めているところです。ただ、例年、国家試験が取れなかったとか、またほかの県に流れたとか、そういうこともございまして、これからも受験者とはよく連絡をとりながら、長崎県に来てもらうような働きかけを続けなければいけないと思っているところです。
◆陣内委員 採用の条件が厳しかったり、あるいは他の県と比べて余りいい条件じゃなかったりとか、いろいろ課題があるんだろうと思うんですが、そこら辺の課題はしっかりしてもらわなければいけないんですが、いずれにしろ、今年の全国和牛能力共進会の後は非常に課題になってくるだろうと思うんです。そういう意味でも、ぜひ獣医師の確保に万全の力を注いでほしいと思っているんですけれども、そのことについて、どういう点で応募者も少ないとか、採用に該当しなかったとか、そういう課題はどういうものがあるか教えてください。先ほどちょっと言われましたけれども、もう少し具体的にお願いします。
◎松本畜産課長 全国にある獣医系のコースを持っている学部から、毎年おおむね1,000人の卒業生が出てきます。ただ、最近では女子学生の比率が高まりまして、男女大体半々ということと、獣医学部に入ってくる目的が、ペットとか、そういう小動物の診療を目的に入ってくる方が増えて、以前と比べまして、家畜とかの大動物を目指す方とか、公務員も含めて、そちらの方を志向する方の数が少なくなっております。数でいいますと、1,000人に対して200人前後が大動物、県の公務員関係です。そういうふうな状況ですので、ペット希望の方に対しては、公務員の県の職場のPRとか、診療獣医師のやりがいとか、そういうものを私どもも大学に足を運んで説明会とかをしておりますが、今後もっともっとそういう形、特に長崎県もすばらしい、離島とかいいところがあると、そういうところも含めてPR活動を進めていかなければいけないというのが1点です。
 それと2点目に、平成22年度から、獣医修学資金ということで、長崎県または長崎県の診療所に大動物の診療獣医師として勤務するということを前提に、毎月10万円の奨学金を貸与しています。目的どおりそういう就職をしていただければ、それは返還義務を免除しています。去年までにそれは5名貸与していまして、非常にいい方が今、貸与してもらって、長崎県に就職していただけるんじゃないかなと思っていますし、今年もまた3名の貸与の目標で進めておりますので、その修学資金も有効に使って、長崎県に来る人を確保してまいりたいと思っているところです。
◆前田副委員長 今のに関連して、修学資金は有効な支援策だと思うので、また積極的にやってほしいんですけれども、例えば、人の場合、医師不足とかいう話の中で、自治体病院でも、給与を高く設定して募集をかけるとかやっているところがありますけれども、獣医師の方の場合は、これは給与体系というのはどうなのかということと、そういうインセンティブを与えることができるのか、また県で採用ということになれば、離島とかの勤務というのもあるかと思うんですが、勤務地とかの配慮とか、希望に沿った形とか、そういうものも何か考えていらっしゃるんですか。
◎松本畜産課長 獣医師の待遇ですけれども、まず県の方の獣医師につきましては、医療職給与表2という給与体系で、一般の体系よりは高いんですけれども、それプラス、一昨年から、大体九州各県と同じようにしているんですけれども、初任給調整で、10年間にわたって上乗せの措置をしております。それで大体九州各県と同程度のレベルになっていると思っています。診療獣医師の給料については、十分な把握ができておりません。すみません。
○山田[博]委員長 政策決定過程の透明性の確保などに関する資料について、ほかに質問はありませんか。
 なければ、委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、どうぞ。
◆山田[博]委員長 それでは、政策決定過程の透明性の確保などに関する資料の30ページを見てもらいたいと思うんですが、これは皆さん見ていただければわかるとおり、ほとんどの方が失格をしていると。ほかのページを見ていたら、例えば38ページも多いんです。事前に失格の多い理由ということで、農村整備課と森林整備室から資料をいただいているんですけれども、30ページの目代地区付帯工事ということで、所管課はどっちになるんですか。お答えいただけませんか。
◎林田農村整備課長 今、委員長からご指摘がございました30ページを見ていただきますと、10者入札に臨みまして、8者が最低制限価格を割って失格となっております。2者だけが最低価格と予定価格の間に入っております。その失格の多い理由を問われているわけでございますけれども、失格の多い理由、本日、資料を配付させていただいております。それを見ていただけますでしょうか。
 まず、その1ページ目の裏を見ていただけますかでしょうか。そこに予定価格等のランダム化による決定の概要図という格好で載せております。これは土木部のホームページでございまして、これによりますと、予定価格、最低制限価格につきましては、情報漏えいの防止と、それから入札の透明性、公正性を図る観点から、予定価格とか最低制限価格にランダム係数を掛けて出すようになっております。ランダム係数というのは、その下のところに四角で小さくありますように、暗号化などのセキュリティ強化に使われる乱数を利用して決定しています。100万通りの値の中から無作為に抽出されるので予測不可能です。こういうランダム係数というのをパソコン上で出しまして、その係数を出すようにしております。
 具体的には、また1枚目に戻っていただけますでしょうか。そこに、目代地区でございまして、読ませていただきます。予定価格・最低制限価格の設定は、まず、入札前に設計価格にパソコンにより抽出したランダム係数を乗じて、予定基本価格・最低制限基本価格を決定します。次に、入札会場で再度パソコンにより抽出したランダム係数を予定基本価格・最低制限基本価格に乗じて、予定価格・最低制限価格を決定します。このため、最低制限価格については、ランダム係数がゼロからプラス1%の範囲内で変動し、最低制限価格が上昇するため、落札者となり得る範囲が、これは広がりと書いておりますが、狭まりの誤りでございます、申しわけございません。落札者となり得る範囲が狭まり、失格者が多くなる場合が有ります。そこに例として書いておりますけれども、工事の場合、2億円以下の場合は最低制限価格は90%という格好で決めております。まず設計価格に90%を掛けまして、最低制限設計価格というものを出します。そしてそれに、最低制限設計価格に事前ランダム係数、これもパソコン上で出すんですけれども、事前ランダム係数を掛けます。このランダム係数はゼロからプラス0.01%の範囲でございます。そして、出しました最低制限基本価格を入札会場におきまして、業者の方がおられる前で再度、公開ランダムみたいな格好で係数を出します。それはゼロからプラス1%の範囲でございます。最低制限基本価格にこの公開ランダム係数を掛けた分がその入札会場で最終的に決まります最低制限価格になっております。
 目代地区について言いますと、2枚目、目代地区付帯工事のところを見ていただけますでしょうか。目代地区付帯工事、これは圃場整備の後のアスファルト舗装とか、砂利舗装、暗渠排水をする比較的簡単といいますか、余り複雑でない工事でございました。設計額は1,213万円でございました。その設計額をもとに、一番下の最低制限設計価格、これは設計額に90%を掛けて出します。これが1,091万7,000円。そして、その1,091万7,000円に先ほど申しましたランダム係数を2回掛けまして、会場で決めた最低制限価格、これが1,105万円で、結果的に、ここが90.7%、0.7%上がっております。金額でいくと8万8,000円。1,091万7,000円から1,105万円の間、8万8,000円上がったところでございます。そして、その最低制限価格で入札しておりまして、結果的に、最低制限価格と予定価格の間に入っているのは、誠大と富陽建設、2者だけになっております。その中で一番低かった誠大になっております。
 今回は、ランダム係数が0.008、上の方に出ておりましたものですから、結果的にこうなっておりますけれども、仮に、このランダム係数がゼロというのが出ておりましたら、そこの設計価格0.9とランダム係数の間、光和土木、ニシケン、山崎建設、岩永組、この4者が入ってきまして、結果的に6者になっている状況でございます。このような格好で、今回はランダム係数が高どまりしたこともありまして、失格者が多くなったんじゃないかなと考えております。
 以上でございます。
◆山田[博]委員長 それでは、今回は最低制限価格が上の方だったということですね。
 そこで、単なるそれだけじゃなくて、例えば、設計的にミスがあったんじゃないかとかという調査はしなかったのか。これは私もいろんな地域を回っていたら、そういう場合があるわけです。そこで、そこまで調査されたかされていないかというのを確認だけしたかどうか、教えてもらえますか。
◎林田農村整備課長 今、委員長からご指摘ございました不自然な入札であったかどうかということでございますけれども、不自然な入札をチェックする要項としまして、長崎県で、談合情報マニュアルというものを決めております。その談合情報マニュアルによりましては、1者を除いて、ほかのすべての参加者が最低価格と予定価格の間の有効な価格の範囲にない場合、要は、1者だけだったら不自然な入札ということで、その場で保留をしまして、再度、設計の調査とかをするようになっておりますけれども、今回の場合につきましては、その間に2者ほど入っておりましたものですから、保留等は行っておりません。当然、設計等もチェックして、問題ないと聞いております。
 以上でございます。
◆山田[博]委員長 それは今回はなかったかどうかというのは確認したかどうかです。要は、これは談合マニュアルで、談合しているわけじゃないんですよ。談合はしていなくても、発注者である行政の方が100%設計図書が正確じゃない時もありますからね。例えば数字を間違えたとか、見積もりを設計に入れていなかったとかなんかあるわけですから、そういったものをチェックしたかしていないかだけです。こういった場合に、ただ単に談合とかじゃなくて、発注者の失敗もあるわけだから、それを確認したかどうか教えてもらえますか。
◎林田農村整備課長 これは入札は県央振興局で行っておりますけれども、県央振興局の担当の方で再度確認しております。(「問題なかったわけですか」と呼ぶ者あり)はい。
◆山田[博]委員長 それで今後は、例えばこういった場合には、問題がなかったかどうかというのをしっかり確認してもらいたいと思うんですよ。というのは、業界の人に聞けば、この土地改良区の仕事は余り利益率が出ないとか、ぶつぶつ言っている人がいるから、そういうふうな声も聞こえてくるから、だから受注につながって、こんな単価の厳しい競争になったんじゃないかと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。それは要望にかえて、終わらせていただきたいと思います。
○前田副委員長 委員長を交代します。
◆高見委員 今の点ですけれども、結果的に談合を防ぐということで、その目的は果たしたと私も理解をしますけれども、ただ、この最低制限価格が上がる。要するに、入札というのは競争でしょうから、一定の品質を確保し、少ない費用というか、工事費でというのが求められるところだと思いますが、今回こういう格好でやったばっかりに、100万円ちょっと価格が上がってしまったという、このことについてどう思いますか。
◎林田農村整備課長 通常の価格よりも著しく低い価格で契約した場合、契約の不履行等が起きるということで、地方自治法において、最低制限価格を設けております。この場合は、長崎県の場合は90%としておりますけれども、その中で、情報漏えい等を考えまして、今はランダム化を結果的には採用しております。今、委員がおっしゃいますように、結果的には高い落札者と契約することになるわけなんですけれども、お金を出す方とすれば、当然安い業者と契約することが望ましいわけでございますけれども、反面、それが非常に低い価格となりますと、契約が履行されるかどうか疑われる部分がございますので、そういう間で今回、長崎県とすれば、最低制限価格を決めて、ランダム係数を決めてしている状況でございます。
◆高見委員 そうしたら、要望にかえておきます。最低制限価格というのは基本的に9割、それにランダム係数を掛けるにしても、1%に近い形で掛けるとかをやめて、低いものを掛けて、当初考えられる最低制限価格と余り乖離しないように取り組んでいただきたいと思います。
◆徳永委員 この30ページのものに関連してなんですけれども、この失格の中でも、ほかのものと比べてここがちょっと違うのは、ほかのところはみんな最低制限価格の近くにいるんですよね。2者だけが予定価格のすぐ下と、差が極端なんですよね。失格者と失格でないこの2者だけは1,211万8,000円の最低で、1,190万円の落札と1,195万円と。だから、これは積算の問題があるのかなと、そういう疑念になるわけです。もう一回いいですか。だって、ほかは全部1,100万円以下なんですよね。普通、積算はほとんど変わらないんですよね。それはどうなんですか。
◎林田農村整備課長 今、委員からご指摘の分でございますけれども、入札する時に、業者の方が見積もりしやすいような格好で条件を提示しております。そこには例えば、見積もりをとった価格については、その価格を載せております。それと、歩掛かりとか諸経費なんかももう公表されておりますので、そういうものを見れば、業者の方は適正に設計価格を出すことができるわけでございます。あとは、入札に臨む時に、いかにその業者が一般管理費といいますか、諸経費のところで割愛して、それをとりにいかれるか、それは各業者の判断だと思っております。今回は、これは私の推測でございますけれども、ちょうど4月頃で端境期で、工事が少なかった時もあったんじゃないかなと思っておりますけれども、業者が8者の方が最低価格に近いところで敷札を入れられて、結果的に、ランダム係数等の関係で8者が失格になったのではないかなと考えております。
◆徳永委員 それはわかるんですよ。ただ、私が不自然だと言うのは、失格者以外でも、例えば1,100万円ちょっとぐらいとかがおってもいいんじゃなかろうかと。1,100万5,000円が最低制限価格でしょう。例えば、1,110万円とか、その辺に何者でもおってもですよ。ところが、失格をしていないところは、落札者ともう1者は限りなく予定価格の近くですから98%、99%になっているものだから、そこなんですよ。ほかのところは落札者と失格者の間というのはそうないんですよ。全部最低制限価格のところにわっと来ているわけです。だから、ほとんど積算は変わらない。あとはランダムの問題と、自分のところの積算で若干違うところがありますから、そこの不自然さを私は言っているんですよ。なぜ2者だけがぽんと。2者はいいけれども、あとの8者が全部失格して、その中には何者かぐらいは最低制限価格のちょっと上ぐらいがいるのが普通なんですよね。ほかのところはそういうふうな状況で落札をしているんですよ。そこを聞いているんです。
◎林田農村整備課長 例えば、ランダム係数がゼロだったらば、この4者は入ってくるわけでございます。
◆徳永委員 ただ、私が言いたいのは、不自然な結果にならないように。それで、業者から積算のミス、やっぱり皆さん、一生懸命なんですよ。そこで、落札者とそう変わらなければいいんですけれども、これは100万円も、10%近く違うんでしょう。だから、ここで落札になれば、変な誤解を生みますから、そこはしっかりと検証していただいて、なぜ失格が8者出て、なおかつ2者はそこで10%近く違ったのか、そこを今後よく研究、検証していただいて、今後の入札の在り方をきちんとやっていただきたいと思います。
○山田[博]委員長 ほかに質問はありませんか。
 なければ、もう一度私が。委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、どうぞ。
◆山田[博]委員長 24ページに家畜導入事業費補助金とありますね。また、次の25ページの高品質乳用牛導入事業費補助金ということで、この補助金の概要におきまして、家畜商から導入した場合と導入していない場合といろいろありますね。そこをきちんと、畜産課から私の方に上がったのは、畜産課も最近は名誉挽回ということで、牛の凍結精液でも不祥事が相次いで大変な目に遭っているということで、畜産課から私の方に、この家畜導入事業であると高品質乳用牛導入事業費補助金におきまして、家畜商を入れた場合に、何と、契約書を交わしていなかったのが発覚したと。これはゆゆしき事態で、畜産課の方が是正をしたいということでありましたけれども、その契約書を結んでいなかったということで、どういうふうに取り組んでいくのかというのを状況と合わせて説明していただけますか。
◎松本畜産課長 委員長お尋ねの家畜導入事業の件ですが、家畜導入事業では、乳用牛を導入するに当たって、その主なルートとしまして、家畜を扱う専門の農協経由で入れるルートと、一部、家畜商を経由して入れるルートと2つございます。その中で、家畜商経由のルートにつきまして指摘があったのですが、家畜商ルート自体がいいとか悪いとかじゃないんですけれども、家畜商ルートの場合に、きちんと契約とか、書面をしっかり残してすべきところを、書面がしっかり残っていないというふうなことが畜産課の方でございまして、そこに注意をして、畜産課では今、家畜商ルートで入れる時は、しっかりした契約なり、導入の約束を記した書面をきちんとつくってから導入するようにという方針を立てまして、関係する事業主体となる酪農協とかには説明会等を開催してその趣旨を説明しております。ですから、今後はそういうふうなやり方で導入事業を適切に進めてまいりたいと考えております。
◆山田[博]委員長 畜産課は最近、不名誉なことが続いて、畜産課としては、そういった適切な対応をしていると。契約書は本来であればあるべきものだったわけですね。なかったわけですね。結局、ないままにずっと補助金を家畜商を通してやっていたと。これが要は、補助金要綱からすると、そうした契約売買していなかったから不適切だったということは間違いないわけですね。お答えください。
◎松本畜産課長 家畜商経由の場合も領収書とか購買の方は確認をとっているんですけれども、どういう条件で、どういう能力でとか、そういう細かいところについて書面で記録が残っていないというのが実態でございまして、それについては今申しましたように、今後はきちんとそこまでがわかるような書面をしっかり残した上で対応していくと、そういうふうに考えております。
◆山田[博]委員長 書面とか記録じゃなくて、補助金をする時には、いずれにしても、家畜商というのが農家の方の代理として農協経由で行くわけでしょう、協同組合で。それで、契約書がきちんとなかったということで、これは記録じゃなくて契約書でしょう。記録と契約書は全く違うわけだから、そこははっきり言って、どういうふうなものか明確に答えていただかないと。契約書でしょう。契約書の不備がなかったということ。畜産課長、やっぱり人間だから、いろいろ不備な点はいっぱいあるわけですよ。不備は不備で、きちんとわかったと、発覚したと。発覚して、それをきちんと是正するのが一番大事だから。ここは別にあなたが悪いんじゃないんだから。あなた個人を責めているんじゃない。そういったことがあったら、是正しなければいけないわけです。その是正が一番大切なんだから、そこはしっかりと畜産課長、あなたが責任を負っているわけじゃないんだから、そういった発覚して、畜産課としては是正に向けて取り組んでいる姿勢等を高く評価して、私はあえて聞いているわけだから。あとは各この農協さんたちが、酪農家の方たちがしっかりわかってもらわないといけないわけだから、それであえて今、確認の意味で聞いているわけですよ。しっかりと答えてください。
◎松本畜産課長 すみません、説明はわかりやすく言うつもりですけれども、この事業では、農協が牛を購入して、それを農家に貸し付けるという事業でございます。ですから、借り受ける農家と農協では、貸し付けの契約を締結します。その契約については、きちんとしております。今、委員長がおっしゃっているのは、農協がその牛を調達するに当たって、調達先とのきちんとした購買の実績がわかるような書面が一部家畜商でなかったというところをご指摘されていると思います。ですから我々としては、農協が牛を導入する時に、価格とか能力、そういうものがしっかりわかるような書面で、そこをはっきりさせなければいけないと考えておりまして、今、その点の改善を図っているところでございます。
◆山田[博]委員長 それは各農協に周知徹底して、今、改善に向けて取り組んでいるということで理解していいんですか。何かあなたが今まで不祥事が続いているから元気がないから、元気に胸張ってやっていますよと、頑張っておりますよと。隣の全国和牛能力共進会のところでは、さだまさしのコンサートをするといって我が会派にも来ましたよね。さだまさしの無料コンサートをするといって、全国和牛能力共進会とさだまさしのコンサートはどういうふうな関係があるのか。全国和牛能力共進会は、農家の方が牛を競うオリンピックと。そのオリンピックとさだまさしのコンサートはどういったつながりがあるのかというのは、今ひもといて調査研究をやっているところですよ。そこは今日、質問項目がないから別の機会で、さだまさしのコンサートと全国和牛能力共進会とどういうふうなつながりがあるかというのを調査研究させていただきたいと思っているんです。私は質問通告をしていないから、これはこの関連にも載っていないからあえて言いませんけれども。畜産課長、もう一度お答えいただけますか。
◎松本畜産課長 家畜導入事業を今後実施するに当たっては、きちんと牛を貸し付ける農協がどういう牛を、どういうルートで導入したか、そこを明確にする必要がありますので、今、委員長がおっしゃるように、そこがはっきり明確になるような書面をしっかり残していくと、そういうことを酪農協とか農協の方に徹底してまいりたいと考えております。
◆山田[博]委員長 それと、それをきちんと明確にして、契約書をつくってじゃないと、家畜商を通して導入等は今のところ無理な話なわけですね。今、そういったことで行政としては毅然たる態度で明文化をしてじゃないと導入はできないんだと。要するに、農家の方が例えば家畜商を通じてそういった牛を入れたと。後でトラブルがあって、これは違う牛じゃないかといって、責任を誰がとるかというと、結局は農家の方が泣き寝入りしなければいけないわけです。だから、明文化をしていただいて契約書を交わしておかないと、最終的には農家の方が泣くわけだから、そこを松本畜産課長が、そういった事業で問題があったというのが発覚して、素早い適切な対応をしているというのは大いなる敬意を表したいと思っております。
 そういった状況であるということは、いずれにしても、契約書をきちんと交わして明文化しておかないと、家畜商を通して乳牛とか和牛は導入しないということで、今、そういった方針であるということは間違いないんですか。それだけ確認でございます。お答えください。
◎松本畜産課長 今、委員長がお尋ねになったことは、今年度になって、そういう不備があるというのがわかりましたので、今後導入するに当たっては、今言ったところ、書面をしっかり残すということでルールをしっかり整えていくということで事業主体とは説明会で話しておりますから、今後はそういうふうに徹底してまいりたいと思っています。
◆山田[博]委員長 ぜひそういうふうにしていただきたいと思うんです。
 それで、松本畜産課長、今まで、ひょっとしたら農家の方がそういったことでトラブルになった場合があるかもしれませんから、それは一度調査してもらいたいと思うんです。万が一、自分が希望している牛じゃないものを入れたと。家畜商に言ったら、ああ言ったじゃない、こう言ったじゃないといってですね。今まで、この事業で何頭入れたんですか。大体計算しているでしょう。お答えいただけますか。
◎松本畜産課長 乳牛につきましては、今年の予定が200頭程度です。
◆山田[博]委員長 今までどれだけ導入したか、乳牛で累計はわかりますか。
◎松本畜産課長 調べさせていただきます。
○前田副委員長 それでは、調べてわかった時点で、ご報告ください。
 委員長を交代します。
◆高見委員 直接この提出資料にかかわった内容とは違うのですが、間接補助金、直接補助金がございますよね。特に間接補助金の場合でいえば、今年1月、大村市で云々というのがございましたよね。ここで内示額あるいはまた補助対象者を見てみますと、以前と変わっていないわけですね。ということは、今までこういった補助対象者に間接補助金を出しながら、最終的にいえば不正を見抜くことができなかったままに終わったというのが現状だったと思います。ですから、今回は過去のそういった不祥事を踏まえて、どういうふうにチェック体制を持っていくのかどうか、このことを間接補助金と言いながらも、やっぱり県を通していくわけですから、きちんと精査されなくてはいけない。そういう意味では、対応策といいましょうか、どんなふうにとられているのか、そのことを確認したいと思います。
◎木下農政課長 資料の17ページからが間接補助金でございまして、昨年度で3件ほど不適切な経理処理が発覚して、大変ご迷惑をおかけしたところでございます。その際、それぞれの事業主体の問題点の調査をしまして、基本的には、支出担当者とチェックする方、管理する方の事務手続がルールどおりいっていないと、簡単に言えば、支出担当者に任せっ放しのような形になっているとか、押印の手続等がうまくいっていないとか、あるいは通帳と印鑑の保管を別々にすべきところを一緒にさせているとか、基本的な間違いが主な原因でございました。その点は、当該団体はもちろん、全体に対しても、こういう事例があっていると、二度とそういう再発がないようにというような指導、通知を行いましたし、説明会などの折にも、機会を通じてそういう指導を行っております。
 当然のことでございますが、今後はそういうことがないように、また今年度も、引き続きそういう事務の徹底にはそれぞれの所管課を通じてやっていかなければならないと思っております。
 以上でございます。
◆高見委員 それぞれ担当の市町あたりでは改善策もとられていると思います。県として、金を出すだけじゃなくて、どんなふうに執行されたのかどうか、その結果、例えば、それぞれの団体で監査報告とかされていると思います。そういう書類を手元に寄せて、きちんと確認するような、それぐらいは徹底してやっていただきたいと思います。
 以上です。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
 なければ、委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、どうぞ。
◆山田[博]委員長 農政課長、高見委員も言ったいろんな補助金です。今、各市で補助金の不正の流用があって、その後、実際どうなっているんですか。こういったことがないように指導はやっていて、どういうふうにしたらいいかというマニュアルとか、例えば、農村整備課の所管の予算も、まことに残念ながら、私の地元でも逮捕者が出ました。参考までに、その時の農林部長は、今の中村法道知事だったんです。そういったことがあった状況だったんですけれども、農政課長、その後、あの状況が続いて、五島市も続いて、次に大村市も補助金のあれがあったんですね。その後、対応はどんなにされていたか、経過を聞かせていただけますか。きちんとどのような経過をとって対応してきたのか。
◎木下農政課長 委員長ご指摘のものは、過去の五島市の蕨集落の件でよろしいでしょうか。(「蕨も大村も」と呼ぶ者あり)最近の大村の分につきましては、職員自体はそれぞれのケースで厳しい処分になっておりますが、大村の分につきましては、いわゆる国庫絡みの返還金をどうするかというようなことで、関係者が分担してするのかどうか、そのあたりが最終的には決まっていないというようなところまでは私も把握をしているところでございます。
◆山田[博]委員長 私は、そうした経過のことじゃなくて、その対応を、二度とそういったことを起こさないために、どういったことに取り組んできたかというのを聞かせてもらいたいんですよ。
○前田副委員長 再発防止ですよね。
◎木下農政課長 再発防止策につきましては、先ほどの答弁とやや重なるところはありますけれども、それぞれの団体に対して、県あるいは市当局と一緒になって、ルールにのっとった再発防止、いわゆる事務手続等のマニュアル的なものをつくりまして、それにのっとって事務をやっていただくというような指導を行っているところでございます。
◆山田[博]委員長 それはもうマニュアルはできているんですね。できているんだったら、後で参考までに各委員に配って、勉強させていただけませんか。
○前田副委員長 農政課長、資料を提出できますか。
◎木下農政課長 当時、事務の通知というような形で事務の手続等を明記したものを通達しておりますので、それを準備させてもらいます。
○前田副委員長 では、後ほど配付していただいて、またその時に議論させていただければと思います。よろしいですか。
◎松本畜産課長 先ほど山田(博)委員長がお尋ねの乳牛の導入頭数でございますが、平成23年からさかのぼった5年間の数字を言いますが、5年で1,003頭の導入実績がございます。
 以上でございます。
◆山田[博]委員長 そうしたら、これは1,003頭、5年間でそれだけ導入したとなれば、各農協を通じて、トラブルがなかったかどうかというのを調査して、しっかりやっていただけませんか。要するに、結果的には農家の方が泣き寝入りしたらいけませんから、トラブルがなかったかどうか、そこをしっかり調査して、また報告してもらいたいと思うんですけれども、どうですか。
◎松本畜産課長 5年間さかのぼって、トラブル等がなかったか、しっかり調査して、ご報告したいと思います。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 ほかに質問はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ほかに質問がないようですので、次に、議案外所管事務一般について、事前通告に基づき、進めさせていただきます。
 事前通告された委員の方で、質問はありませんか。
◆溝口委員 それでは、馬込委員も野本委員もそれぞれ通告しているんですけれども、鳥獣対策について、イノシシの被害等についてのご報告がずっとあっているんですけれども、今回、鳥獣被害防止対策等について、防護とか、すみ分け、あるいは捕獲の3対策を推進するということで、リーダーを対象に研修会を通じて各集落にいろいろな専門知識を有する人材の育成をしたということでございますけれども、これはそれぞれ何箇所ぐらいのところで、それからそのような人材を何名ぐらい育成してきたのか、教えていただきたいと思います。
◎木下農政課長 ここに記載しておりますリーダーの研修の件は、それぞれ柵の設置というような事業を市町単位で行っていきますけれども、まず柵を設置する際の基本的な考え方、どこに設置したらいいかとか、どういう設置の仕方がいいかとか、そのあたりにつきまして、いわゆるとらの巻というものをつくっているのですが、そういうものを事業の実施前に該当集落の方々、リーダーの方々に集まってもらって研修などを行ったというようなものでございまして、人数は、昨年度、地区的には大体400箇所以上の事業を実施したのでございますが、そういう地区ごとのリーダーの方々に対して基本的な知識を持っていただいたというような内容でございます。
 以上でございます。
◆溝口委員 下の方に報告である、県下400地区ということでございますけれども、それぞれ400地区の方々で大体何名ぐらい参加してきたんですか。
◎木下農政課長 先ほど申しました研修につきましては、一度1箇所に集まってもらって、こちらの方の担当者、市の担当者なりが説明を行うというようなことで、400地区のいわゆるリーダー的な方々が来ていただいたというようなものが基本でございます。あと、それぞれ研修というような意味合いで、実際にそういう事業、柵などを設置する現場を点検しながら、集落の方に対してもそういう知識を学んでもらう、覚えてもらうというようなことも行っております。
 以上でございます。
◆溝口委員 わかりました。400地区でということで、400地区から1人ずつということではなくて何名かずつ来ていると思うんですけれども、いいです。
 それで、被害等については昨年度よりは少しだけ減っている形で、3億9,800万円の被害ということでございますけれども、成果的にはどうにかそれぞれ各地区で出てきているということで判断をしていいわけですか。
◎木下農政課長 平成23年度も国庫なり県費なりで相当な額、7億円を超えるような被害対策をしておりまして、それぞれの地域が積極的に取り組んでおりますが、今ご指摘のとおり、平成22年度の4億600万円ぐらいの被害額に対して、平成23年度は4億円をぎりぎり切るぐらいの3億9,800万円ということで、高どまりの状況は変わらないというまだまだ厳しい状況でございます。
 そういう中で、事業の効果がどうかというところでございますが、例えば先ほど申したように、平成23年度全体で400地区以上のところに被害対策を実施しました。そこの地区におきまして、被害対策をしなかった場合にどうなったかというような試算を平成23年度分だけやってみたのですが、被害対策をしなかった場合と比較して1億7,000万円程度、そういう効果はあったものというふうな試算を手元では行っております。
 以上でございます。
◆溝口委員 それでは、今までの対策をしなかったらこの3億9,000万円より1億7,000万円、約2億円近くの被害が出ていたんじゃないかと、そういう試算をしているということで理解をしていいわけですね。結構効果があったということで理解をいたしました。
 それで、今回平成24年度に13億円予算をかけながら鳥獣害に強い地域づくり総合対策事業ということで事業を上げているんですけれども、この中で実施隊活動の重点支援国庫事業での定額補助ということで、これはどのようなことを考えているんですか。
◎木下農政課長 実施隊、これはいわゆる「鳥獣被害防止特別措置法」に基づきまして、鳥獣被害対策を市町が任命して行うというような方の集まりでございますけれども、基本的にそういう方々は鳥獣対策に対する基本的な知識をお持ちでございまして、そういう方々がそれぞれの市町の被害地域に入り込んで指導を行っていくというようなことを基本にしておりまして、その実施隊が行うわなの設置費用などについては国が定額補助、実質100%でわなの設置などを交付金として助成するというようなものでございます。
 以上でございます。
◆溝口委員 100%補助でやっていくということですか。
 それで、もう一つは、すみ分け対策の方で、やぶの刈り払い等による緩衝地整備、それと同時に何かヤギの活用をしていこうかと、そういうことが載っているんですけれども、このヤギの活用というのはどのようにしていこうとしているんですか。
◎木下農政課長 3対策のうち、防護と捕獲というのはこれまでも補助事業等でやってきましたが、すみ分け、草刈り等は少し遅れているというような部分もございまして、それを今回一つのやり方として、ヤギを導入してやるというようなことでございます。県単の予算で250万円確保いただきまして、県内50地区、1地区2頭の50地区で、希望された地域にヤギをこちらの方から配置しまして、実質ヤギによるすみ分け、草を食べてもらってイノシシが出にくくするというような考え方でございます。
 以上でございます。
◆溝口委員 50箇所で2頭ずつ購入してということでございますけれども、それは飼育する方々は結構大変だと思うんですけれども、例えば生い茂っているところをずっと放し飼いにしながら食べさせていくのか、それとも飼育をしながら草を刈ってきたものを食べさせるのかといういろんな方法があると思うんですけれども、この50箇所というのは長崎県のどういうところなんですか。市町でいいです。
◎木下農政課長 今、希望をとった全体で37箇所の希望が出てきておりまして、振興局管内ですが、県央地区が5地区、島原地区が20地区、県北地区が7地区、上五島地区が5地区、合計37地区の要望を受けております
 以上でございます。
◆溝口委員 場所は今言ったんですけれども、方法、飼育してどのようにして草を減らしていこうとしているのですか。
◎木下農政課長 基本的に、ワイヤーメッシュなどの柵を張っておりまして、その柵にヤギをつなぎまして、その柵の周りをきれいにするというようなことを基本に考えております。
 以上でございます。
◆溝口委員 ワイヤーメッシュの柵の周りですね。例えば電気柵でするのもあるんですけれども、そこら辺はヤギも電気に弱いからできないということになってくるんですか。中に入っていくんですか。そこら辺はどのようになるんですか。
◎木下農政課長 基本的に、ワイヤーメッシュの柵のところにヤギを係留して、ずっと草をきれいにするというようなことを考えております。
 以上でございます。
◆溝口委員 わかりました。もう言いませんけど、ただ、被害を減らす方法としては捕獲対策、それと防護対策、先ほどのすみ分け対策とあるんですけれども、やはり減らしていくという形の中では捕獲対策を強く進めていかなければいけないと思うんです。ここの成果について、ここ数年の間に匹数的にはだんだん、だんだん捕獲の数が増えてきていると思うんです。昨年で3万2,920匹。それでもまだ減っていかないということはまだ増えるのが多いのかどうかわかりませんけれども、ある程度年間に集中して捕獲していくという方法があると思うんです。そのためには捕獲する人たち、猟師の人たちが集中して長崎県なら長崎県を全般的にやっていく必要があると思うんですけれども、やはり報酬的なものが、佐世保は5,000円で、今度7,000円にするとか言っていたんですけれども、その辺について県の考え方は2,500円からはもう上がらないのかどうかです。
◎木下農政課長 捕獲報奨金につきましては、部長説明にも挙げておりますとおり、平成23年度の3万4,000頭から平成24年度につきましては4万頭ということで、予算につきましても8,500万円から1億円というようなところでご承認いただき、積極的に対策していきたいと思いますが、その単価自体は捕獲頭数の市町に対する助成を件数をより広く行うというようなことから、県の単価そのものは2,500円としまして、対馬をはじめ、島原半島などは確かに1頭1万円というような単価アップなどしながら捕獲を積極的にされているところでございますが、県の単価としては現行のままで頭数を増やしていきたいと。ただ、市町が実費負担、県の補助裏の分につきましては8割の特別交付税制度がございますから、その特別交付税制度を活用していただきたいと考えております。
 以上でございます。
◆溝口委員 それは8割の補助があって、それから7割交付税が来ると、そういうことは知っているんですけれども、市町の方に行くと、やはりどうしても県の方に、捕獲頭数を上げるかもわかりませんけれども、少しでもいいですから、例えば2,500円を3,000円とかにしていただければ、市の方も、8割の7割補助がありますので、そこら辺については上げやすいんですけれども、なかなか猟師の人たちも、とりに行くといった時に、やはり日当に合うような形で、1日に1頭とはいかないかもわかりません、2頭、3頭ととるかもわかりませんけれども、そこら辺のやりがいのある、仕事的に定着できるようなやり方をしないと、捕獲に対する意欲がわかないんじゃないかと私は思うんです。だから、このことについて、やはり捕獲していくというのが一番減らす方法だと私は思っております。
 それと、先ほど言ったように、集中的に月に何回かという形でもいいんですけれども、1月のうちに1週間連続とか、長崎県全般一緒にするような、集中的に行うという計画は持っていないんですか。
◎木下農政課長 これまでも9月と10月につきましては捕獲月間というようなことで、通常よりは捕獲圧を高めるようなことで行ってきております。また、対馬などでも昨年度末には一部の地域を使って一斉捕獲などもやったところでございますが、結果としましては、一斉捕獲そのものの効果といいますのが、その要した人とか費用に対して余り実績が上がっていないというようなこともございます。
 それで、捕獲も重要でございますが、捕獲そのものにつきましてはイノシシが出そうなところ、あるいは農作物が多いところなど、そういうわなを仕掛けて効果的なところを中心に、これまでのわなによる捕獲を中心に行っていきたいと考えております。
 以上でございます。
◆溝口委員 わかりました。
 ただ、やはり集中的にすることが効果が、対馬の方でしたということですけれども、長崎県全般として、こちらの陸の方を試してみるのも必要じゃないかと思っているんですけれども、そのことについても検討をしていただきたいなと私は思っております。
 それと、500円でも上げるということについては検討をしていただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 時間がないということでございますので、防護対策について、今まで直近の3年間で6倍の2,004キロメートルを整備してきたということでございますけれども、ワイヤーメッシュ等による防護柵が広域的な範囲として一番効果があってくるんじゃないかと思うんですけれども、平成24年度の計画としては、大体どのくらいを計画しているのですか。
 それと、マップ等をつくっていくということで、広域的な防護柵というのを考えていかれるのではないかと思っているんですけれども、その辺のマップ等の製作についてはどのように考えているんですか。
◎木下農政課長 今年度につきましては、先般国の方の内示が決まりまして、国全体の要望額も多いというようなことで、結果的にはハードワイヤーメッシュ等、いわゆる柵の分で5億7,800万円の内示が来まして、これを各市町で有効に活用していくというようなところでございます。
 以上でございます。
◆溝口委員 わかりました。
 5億7,800万円の予算がついたということでございますけれども、それによってどのくらいの計画を持っているんですか。
◎木下農政課長 平成23年度と同様に、2,000キロメートルの要望で上げたところでございます。結果、今の5億7,800万円が6割の内示というようなことでございまして、それからいきますと、今現在では1,200キロメートルが基本にやっていくところですが、ただ、例年入札減等があれば、当然その分につきましてはまたそれを活用して増やしていくというようなところでございます。
 以上でございます。
◆溝口委員 わかりました。
 それでは、今のところは内示の部分では1,200キロメートルの予定だということでございますけれども、要望等については、当初の計画どおり2,000キロメートルの要望等はあっているんですか。
◎木下農政課長 あってございます。
◆溝口委員 わかりました。
 そうしたら、予算が5億7,800万円ついて、1,200キロメートルの予定で、今年度の予定については要望が2,000キロメートルまであっているということでございます。この防護柵についても、これをやっていくことは相当大きな被害の防護になってくるんじゃないかと思っております。このことについては要望のあるだけをぜひしっかりと受けとめていただいて予算化していただきますように、心からお願いを申し上げたいと思っております。
 以上でとりあえず終わりたいと思います。
◆中島[廣]委員 私もイノシシの質問通告を出しておりますのでお聞きをしたいと思います。
 ほとんど溝口委員の方に答弁があったわけですけれども、昨年の11月に県北地域から要望書が出ましたね。有害鳥獣被害防止対策、これは県北に限らずほとんど長崎県の全域なんですね。
 その中で今、捕獲の県費の負担をもう少し上げてもらえないかというような要望とか、県下一斉の捕獲の強化、あるいはイノシシを捕獲した後の焼却施設、こういうものの整備もお願いしたいというような要望が挙がっているわけですけれども、ほとんどが今皆さん方が溝口委員の質問にお答えになりました。
 ただ、捕獲金は今2,500円でしょう。例えば箱わなを設置して捕獲をされるのと、猟友会の人たちが山の中に入って銃でやって処分されるのと全く違うわけです。大体猟友会の方が山に入って足わなとかをかけて、銃で処分したり捕獲をされる。
 例えば、私は波佐見町ですから波佐見町の山を回って足わなとかを仕掛けて捕獲されるでしょう。あなた方は大体費用がどのくらいかかると思いますか。朝早くに行って、そして足わなをかけて、それを捕獲の後は銃で殺傷して運び出して、すぐ処分しなければいかんでしょう。2,500円と町の2,500円の5,000円ぐらいではとてもできませんよ。仕掛けた箱わなに入る分はそのくらいあればいいんじゃないかと思うんですけど、実際山の中に入って足わななんかをかけてやられる猟師の方はとてもじゃない。
 だから、ここに書いてあるような捕獲の負担金というのも、なかなか今は無理だというような話がありましたので、来年度ぐらいからはもう少し上げるような施策をとってもらわなければ、ああいう大きいイノシシはなかなか簡単には捕獲できませんよ。
 それと、メッシュとか、あるいは電柵でずっと今囲ってあります。ほとんど山から、田んぼからね。ただ、囲っていないのが道なんですよ。本当に今、住宅の目の前までイノシシが出てくるんですから。佐世保市からも出ている、県北から出ている住民の安全対策とありますけれども、こういうものも本当に子どもたちが行くところ、あるいは車を運転していてイノシシが出てくるわけですから、そういうものに対する佐世保市、県北地域から出ているこの要望書に対して、今、どういう対策を皆さん方はお考えになっているのか、まずそれをお聞かせください。
◎木下農政課長 いわゆる住宅街に対するイノシシの被害ということも、こちらの方にもいろいろお話を伺っております。農林部としましては、国庫の補助の考え方も含めまして、農地を守る、農作物を守るというのが基本でございますが、柵の張り方につきましても、効果的な柵を設置すると、より効果があるようにするというようなことから、その間に住宅等が入っても、それをわざわざ避けるのではなくて、住宅街への防護になった場合でも、それが効果的な柵の設置になるのであればそれはオーケーだというような国の考え方も伺っております。
 また、実際に町中に出没した場合につきましては、警察当局との密接な協力連携のもとにその被害を抑えると、被害を防ぐというようなことから、警察の方ともそういう連絡は行っております。
 以上でございます。
◆中島[廣]委員 先ほどから、ヤギを使って、あるいは防護柵、来年度は2,000キロメートル要望しているというような話ですけれども、捕獲をしない限りイノシシは増えるんだから。そして、今、農政課長が言ったように、農作物を守るのが基本というけれども、今は人命が、人が襲われて危ないんですよ。
 だから、まず捕獲をすることをある程度優先的に考えてもらった方が。まず数を減らすこと、どんどん増えるんですから。そして、この要望書が出ているように、今度は捕獲をした人が捕獲をしたものの処分に困るんだから、そういう処分のための焼却場とか、これも地域別に設置するような施策を打たなければイノシシは減らないと私は思います。それはヤギを2頭ずつ使って、ワイヤーメッシュにつないで草を食べてもらってやるのもいいでしょう。それはやらんよりましですから。しかし、まず捕獲をして、そしてその捕獲したものの処分場を長崎県の中の地域に何箇所かつくるような、そういう施策に持っていって、捕獲をすること、イノシシを減らすこと、これが第一ですよ。
 だから、ワイヤーメッシュに幾ら金がかかるか知らないけれども、それはそれとして、焼却施設を県内に、せめて振興局のある地域に1つぐらいとか、そういうものはつくって、幾ら何万頭捕獲をしても、焼却をするか処分するところがなければ困るわけですから、そういうふうな施策をなるだけ早くやっていただいて、今すぐしろとは言わないけれども、まず捕獲をすること、減らすこと、こういうことを重点的にやってほしいと私は思います。
 それと、さっき言ったように農作物も大事、今は本当に人も危険になっているんですから。田舎になれば田舎になるほど、目の先に出てくるんですよ。ぜひそういうふうにして捕獲第一、捕獲をして、それから捕獲をする人たちの報奨金というのももう少し、5,000円ではなく、それは町あるいは市がやったら8割出て7割が交付税で来るといいますけど、やっぱり県が主導した形で、もう少し県のを上げてやって捕獲をどんどんしてもらうと、そういう方向にぜひやってほしいと私は思います。農林部長、そこは何か考えはありませんか。
◎上田農林部長 毎年3億円、4億円というイノシシの有害鳥獣被害は、農業所得が低迷する中で非常に問題ということで、私たちも精いっぱい緊張感を持って対応させてもらっているところです。
 イノシシの捕獲、これは大昔に対馬で、陶山訥庵が約20年ほどかけて対馬を何十区画かのブロックにして、シシ垣をつくって、野焼きをして山を焼いて、一斉ゼロにしたことがございます。これは江戸時代でございます。イノシシの習性と繁殖率からいって、対馬みたいに山を焼き払わないと、おそらく全滅までは持っていけないと思っております。ただ、それは現在、現実的ではないということで非常にジレンマを持っております。
 私たちは当然捕獲をないがしろにしているわけではございません。捕獲とすみ分けと防護とやっていく中で、捕獲は非常に重要だと思っております。じゃ、捕獲をどうするか。人を大量に投入してやるのかと。実は以前、自衛隊を投入したことがございます。あるいは他県でも大分県とかでも集中的に、あるいは丹波でも集中的にやるんですけれども、はっきり言って、やぶの中で捕まえ切れないという実態がございます。ただ、私たちはやる中で、じゃ、どこまでとればいいんだと。そこもはっきり言って習性がわからない中で、非常に困っているところであるんですけれども、捕獲は捕獲としてしっかり進める。そこで私たちが一番ネックに思っておりますのは、いわゆる狩猟者の方々の高齢化がございます。
 じゃ、最後に箱わなでとっても、どうやって殺すか。銃で殺すのだったら、これは銃の免許の所持者が増えないといけません。でも、これはなかなか増えません。なおかつ高齢化です。じゃ、銃を使わずに安全に殺す手法、これが確立できないかということで、国とも相談しながら、今試験場でも取組を始めたところでございます。
 ただ、いずれにしても抜本的な捕獲も含めた対策については全国一律の課題になっております。今回も国への政府要望の際には国に要望を申し上げてまいりました。これはしっかりと国の試験場も一緒になって具体的な抜本的なやり方を早急に確立してほしいということで、国に対しては申し上げていきたいと思っております。
 ただ、それが実現するまでの間は、まずは現場第一ということで、各集落に個々に県職員、市の職員、JAの職員さん、共済の職員さんが入り込んで、一つひとつつぶしていく、いわゆる3対策を含めたつぶし方で一つひとつ先ほどのマップを使ってやっていく。そのやり方も、しっかりと行動計画、手順を今つくって示そうとしております。それができれば広域協議会の中で、じゃ、町境のところ、県境のところを一緒にやろうかとか、効率的なやり方がないかという議論も出てまいりますので、そういった取組を早急に進めていきたいと思っているところでございます。
◆中島[廣]委員 とにかく捕獲をして減らすことをひとつ重点的に考えていただいて、捕獲して、あと処分をどうするかと、処分場とか、そういうものを本当に前向きに考えてください。
 関連しておりますので、耕作放棄地、これは私もいろんなところを回ってみて、まだまだ放棄地が多いですね。長崎県は全国一放棄地が多かったですけれども、今、どのくらい解消していますか。
◎長岡農地利活用推進室長 今まで、農業経営基盤強化促進法に基づきまして市町が設定しました要活用農地というのを耕作放棄地の対象にしていたんですけれども、平成21年度に農地法が改正されまして、すべての耕作放棄地ということで、平成20年度に耕作放棄地を全体調査した結果の草刈り程度で解消する俗に言います緑と、基盤整備等を行って使う黄色というのを合わせまして、合計5,834ヘクタールを県の平成22年度から10年間で解消する目標とさせていただいております。そういったことから、平成22年度から5年間ということで、平成26年度までで2,125ヘクタールを解消目標としまして、長崎県の第2次耕作放棄地解消5カ年計画とさせていただいております。
 この目標のもとに解消を進めさせていただいておりまして、平成22年度は380ヘクタール、平成23年度は563ヘクタールの解消ということになっております。内訳でございますけれども、過去5年間の解消品目で申しますと、野菜が18%、放牧は4%、飼料作物が10%、お茶2%、その他作物23%という状況でございます。先ほど解消実績を申しました平成23年度の563ヘクタールに基づきますと、野菜が16%、放牧が1%、飼料作物が8%、その他作物が26%という解消率になっております。
 いずれも5年間通しましても43%、直近の平成23年度につきましても49%が保全管理という形になっているものですから、やはりそこが課題と。保全管理ですとどうしても高齢化でなかなか続いてまいりませんので、そういったことではなくて営農作物として解消できるようなことを進めてまいりたいと考えております。
◆中島[廣]委員 放棄地になったところは言われたように、例えば高齢化で後継者がいなくて田んぼをつくり得ないとか、あるいは山間部になったらもうここでつくっても収益が上がらないというようなところがずっと放棄地になっているわけですね。しかし、それを今は40何%解消していただいて、いろんな作物をつくってもらうというようなことですけれども、一番問題は今言った保全地、そこはおそらく山間部の山に近い、そういうところだと思うんですよ。ここら辺をぴしっとやってもらわなければ、先ほどのイノシシのすみかになりますので。だから、今の放棄地の中が本当にイノシシの繁殖場所とかそういうものになっているわけですから、しっかりとこの放棄地を解消して利用してもらうようにやっていただかなければならないし、今、水田なんかはそれぞれ例えば法人が買ってみたり、集団営農でやっておられるわけでしょう。
 ただ、放棄地を個人で、例えば全く農業に関係なかった脱サラの人たちが借り受けて、自分で農業をやろうかと個人でやっている方もおられるんですか。
◎長岡農地利活用推進室長 委員が言われますように、耕作放棄地の解消で問題になりますのが、例えば認定農業者等が借り受けて営農をやられる場合には、できるだけいい農地がいいものですから、耕作放棄地をわざわざ使いたくないというところがございます。そういったところで国の交付金等を使いまして県が上乗せする形で耕作放棄地を基盤整備するようなこともやっておりますが、例えば認定農業者が約6,000人おりますが、その方たちが1反ずつ耕作放棄地を受けていただいても600ヘクタールの解消にしかなりません。そういったところで、委員が言われたように、今後は一般法人も条件付きで農地を借り受けられるようになりましたので、地域の集落の方とうまくやっていただくようなことを推し進めながら、そういった形の一般法人も取り組んでいただくように、例えばそういったことも進めております。具体的には、平成23年度で実施しましたところで、会社名は申しませんけれども、一般法人で、さつまいもを耕作放棄地につくられたところが1件、事業を採択したところでございます。
◆中島[廣]委員 ぜひそういうふうにして放棄地をなるだけ解消するように、そしてさっき言ったように、保全地域というところが一番問題になりますので、そこの管理を十分していただきたいと。
 それともう一つ、千綿女子農高跡地、あれは県有地ですよ。私はこの前行ってきたけれども、あそこの田畑はずっと草をある程度刈っていただいております。周りはイノシシのすみかです、あそこは本当に。くりの木とかなんとか入口にあるでしょう。あの辺は周りはやぶだらけ。県有地すらあなた方は放棄地にしているんだから。ああいうところほどきちんとやりなさい、県有地は。
 そして今、東彼杵町はあそこの活用で工業団地をつくってほしいとか、あるいは交流人口を増やすのにつくってほしいとか、2案出ていますけれども、あそこはどうするつもりですか。施設なんかは老朽化して、農作業小屋とかはもう崩れ落ちそうにしているんですよ。県有地でああいう放置をしたらだめですよ。建物もそう。周りも本当に放棄されていますし、くり畑なんかは本当にひどいですよ、栗の木は大きいですけど。ああいうところほど、県が真っ先に県有地はぴしっと放棄地をなくすような、地域の人たちに迷惑をかけないような、そういう管理をすべきですよ。そして個人に放棄地を解消しなさいとか、そういう問題じゃないよ。まず県がやりなさい。どういう考え方でいるんですか。
◎中村農業経営課長 千綿女子高等農学園の跡地の活用法についてのお尋ねと思います。
 まず、草払いについては、委員にも大分ご尽力いただきまして、地元の方々、それから自衛隊とも一緒になって管理していただいておりますし、それから委員からのご指摘もありまして、本年度におきましては草刈作業の予算もとらせていただきました。皆様にご迷惑がかからないように、そのような対応はぜひさせていただきたいと思っております。
 それから、活用法につきましては、先般、ご要望もございましたが、まずは地元町でご検討いただいていると聞いております。委員が今お話しされたように、企業誘致の問題とか、その他交流施設としての活用といったこともご要望がございましたが、私たちは今、町の方でご検討されているその報告書をいただくようになっておりますので、まずはそれをいただいて、それをしっかりと中身を精査させていただいて、よりよい方法でやっていくように検討させていただきたいと考えております。
◆中島[廣]委員 ぜひ、千綿女子農高ばっかりじゃなくて、いろんな県有地があるでしょう。学校とか何にしても、本当に草が生えているとか、そういうところはたくさんあるわけですから、特に千綿女子農高跡地はあなた方の農林部の関係であったし、そして田畑があったわけですから。今言ったように、畑に対しては草を刈ってありましたよ。しかし、周りはまだ草ばっかりです。そして、作業小屋とか、いろんな温室とかがあったでしょう。ああいう家の管理も、これは本当に県の施設はぴしっとしないことには市町には言われませんよ。県の施設はああいうふうにしておって、あるいはいろんな団体に、あそこをきれいにしなさいとか言われませんよ。まず県の施設から管理をぴしっとやってください。お願いしておきます。
 以上です。
○山田[博]委員長 しばらく休憩いたします。
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     −午後3時0分 休憩−
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     −午後3時15分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 委員の皆さん方にお話ししたとおり、集中審査を行いますので、集中審査を行う項目の中で、私が出していました長崎県農業振興公社の在り方、また諫早湾干拓の再リースについては集中審査の方で行いたいと思いますので、よろしくお願いします。
 なお、当初の予定のとおり、各委員の皆さん方におかれましては25分ずつ行っていただきまして、それで一巡して、その後に再度質問をしていただければと思いますので、よろしくお願いします。
 高比良(末)委員から出してもらっています諫早湾干拓排水門の問題は集中審査とは大きくかけ離れておりますので、ここで議論していただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 また、理事者の方が配っております資料等についても質問等がありましたらしていただきたいと思います。決議等に関して事務処理についてのマニュアルも出てきておりますので、それについても質問がありましたらしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 質問はありませんか。
◆高比良[末]委員 大きくは6点通告をしておりましたが、時間が25分では足らないようですので、まずはイノシシ、初めて質問しますが、最近興味を持ってきておりますので。
 イノシシによる農作物被害対策の推進、これは昨年度、体制の整備をいろいろやってこられております。まずはイノシシ被害防止対策の取組が遅れている地域、それからまた対策効果の不十分な地域での取組を図る、こういうことを重点目標としてやってきましたよね。それなりの成果は出ていると思いますが、まず、昨年度こういうことをやったことの総括をしていただけますか。かなり成果があったというような農林部長の成果発表も見ておりますが、どうぞ、自信を持って。
◎木下農政課長 今ご指摘の対策が遅れている地域等への昨年度の取組でございますが、平成22年度に被害発生地区が約700地区ございまして、その中で平成23年度に柵を設置するという計画が既にでき上がっているところが約300地区ございました。その残りの400地区についてどのようにやっていくかというようなことを検討しまして、対策が遅れている程度はさまざまでございますが、結果的には400地区全地区につきまして、それぞれの県、市町の職員などが地区に入り込みまして、地区ごとに、どういうところに問題があるか、例えば農作物の残り物を置いていないかとか、あるいはイノシシがどのあたりによく出ているかとか、柵やわなを設置する場合はどういうところが一番効果的にできるかなど、そういうもののチェックの上に計画を立てる集落点検の診断書といいますか、そういうものをつくったというのが昨年度の点検という部分の内容でございます。あとは、先ほど来申し上げていますとおり、昨年度は国のハード予算等を使いまして、総額7億4,000万円程度、わななどの整備を行ったところでございます。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 そういう取組のもと、今年度はイノシシ被害が新たに発生した地区及び対策が十分でない地区、これが103地区ぐらいですか。ここを重点的に、先ほど言ったようなことをやっているわけですね。どこかいろいろやれば、イノシシはずっと移動しているんですかね、新たに発生した地区というのは。そういう状況があるのか、そういう分析をされているのか。イノシシは鉄道をまたがないとよく言われているんですよね。そういうところのイノシシの習性等も把握しておれば教えていただきたいと思います。
 それから、溝口委員の時に話がありました、緩衝地帯整備の推進を図るためにヤギを活用する、この意味合いをもう一回。先ほど、何かよくわかりませんでした。ヤギがどのようにしてイノシシ対策に役立つのか、あわせてお聞きしたいと思います。
◎木下農政課長 イノシシの習性でございますが、縄張りといえば大体1平方キロメートル四方、そういう範囲の中で行動するというようなことのようです。繁殖率は正式なものはないのでございますが、1.3とか1.4とかあるのではないかと。あと、これほど被害が出ておって、年間総数で4万頭ほど捕獲数がございますが、実態として何頭生息しているかというのは、シカと違いましてわからないというようなところでございます。
 それから、いろいろ対策をしていく中で、また被害が発生しているけれども、どういう内容かというようなところでございますが、そこの分析は正直非常に難しいところがありますが、私もそのあたりを何とかわかりやすくできないかと少し検討したのでございますが、例えば平成23年度で3億9,800万円の農作物被害がありますが、中身的には、一番小さく区切ってそれぞれの圃場ベースで見たところ、圃場が全体で大体7,000箇所あるようでございますが、新規の発生地区、新規といっても平成22年度に発生がなくて平成23年度に発生したところということでございまして、もしかして平成20年度に発生したかどうかというのは実はよくわからないところがあるのでございますが、平成22年度は被害がなくて平成23年度発生したというような整理を圃場ベースでしたら、大体80%が新規の発生地区だということでございます。
 その新規の中で、柵とかなんとか、全くそういう対策をしていないところが50%、半分はそういう柵などを設置していないところだったと。それ以外につきましても、ワイヤーメッシュじゃなくて旧来の柵とか、電気柵とか、そういうものがほとんどであったと、そういうような分析をしております。
○山田[博]委員長 農政課長、説明は的確に、コンパクトに答弁をお願いします。
◆高比良[末]委員 時間の関係がありまして、イノシシはこれくらいにしたいと思いますが、中島(廣)委員が言われていたように、なかなか後処理も含めてどうにかしないと大変だというふうに思っておりますし、猟師の人もなかなか育たないし、非常に難しい課題かと思っております。
 次は、諫干の排水門の開門問題について質問いたします。諫干の排水門の開門問題については、賛成、反対の方々から本委員会もいろいろ意見徴取いたしました。それでまず、農林部長も、諫早湾干拓排水門の開門阻止に向けた取組を今年度の重点目標にされておりまして、1つに、開門された場合は甚大な被害が想定されることから、開門の問題点を訴えていくと。2つ目に、専門家からの助言を得ながら適宜適切に国に意見を述べることにより、開門に係る環境アセスメントが科学的、客観的に行われるよう取り組むと。それから、県内外に正確な情報を提供する。それから、風評被害を防止する。こういうものを重点目標にされておりますが、今4つぐらい言いましたけれども、これが今年度、どの辺まで行って、あとどういうことが課題になっているのか、まずはお答えいただけますか。
◎上田農林部長 今、重点目標に掲げている開門問題に対する取組での課題でございますけれども、まずはアセス準備書が公表されまして、それに対する科学的な課題、問題点を106項目国の方に提示をし、これは本委員会、県議会全体含めて要望活動をしていただいたところでございます。この点につきまして、今後、国の方から何らかの回答が出てくるものと思いますので、それをしっかりと分析して、真に回答になっているかどうか、地元に被害を及ぼさないものになっているか、あるいは開門の意義がアセスのはじめにという部分にだけ書いてありますけれども、そのことが本当に科学的なものかというのをしっかりと専門家の意見も聞きながら分析し、必要があれば、国に対して意見を申していきたいと思っているところでございます。
 あと、いわゆる広報活動でございますけれども、こういった現状につきまして、DVDあるいは冊子等で機会あるごとにお話を伝えていきたいと思っているところでございます。
 まずは、今の国のアセスに対する対応について、しっかりと物を申していく、それと、そういう中で準備行為というのが入ってきておりますので、これは地元が反発をされておりますので、そのことをしっかりと受けとめながら対応してまいりたいと思っているところでございます。
◆高比良[末]委員 次に、訴訟の現況といいますか、裁判の状況についてお尋ねしますが、現在継続中の訴訟は、諫早湾干拓潮受堤防北部及び南部各排水門開放差し止め請求事件の本訴と、それから仮処分申し立てについて、この2つありますよね。本訴と仮処分申し立ての関係、今、どこまで行っていますか。特に、仮処分申し立ての方は、かなり頻度高いと思っています。回数がですね。今後の見通しも含めて、裁判の日程等がわかっていれば、状況等含めてお答えいただけますか。
◎宮崎諫早湾干拓課長 訴訟の動きについてのご質問でございますけれども、まず本訴でございますけれども、平成23年4月19日に、地元の方たち、漁業者含めてですけれども、開門開放差し止め訴訟を起こされております。今の進行状況でございますけれども、本年5月21日に第6回の口頭弁論がなされております。今後の予定としましては、第7回が8月27日、そして第8回が10月1日となっております。
 それとあわせまして、実は、その本訴、訴訟中でございますけれども、その審理中にもかかわらず、国が開門を前提といたしました準備を継続しております。その結果、開門の危険が高まったとして、昨年の11月14日に、差し止めを求める仮処分の申し立てがなされております。この動きにつきましてですけれども、5月21日に第4回の審尋が行われております。今後の予定といたしましては、7月9日、8月21日、10月1日、それぞれ審尋が予定されております。
 これらの今後の見込みについてはというふうなお話でしたけれども、どういうふうになるかというのは、なかなかお答えできるような立場にはございませんけれども、できるだけ法律相談等に乗りまして、地元の方たちの目的を達せられるように、アドバイス等をしていきたいと思っております。
◆高比良[末]委員 本訴の方は8月27日の次は9月。ちょっと早口でよくわかりませんでしたから、もう一回。
◎宮崎諫早湾干拓課長 本訴の方につきましては、8月27日が第7回です。10月1日が第8回の口頭弁論が予定されております。
◆高比良[末]委員 ということは、8月27日、仮処分申し立ての方は7月9日、8月21日、10月1日、頻度が大分違うんですね。わかりました。
 次に、国との協議の状況ですが、6月に国に、政府施策要望の時に、私も知事と一緒に同席をしてずっと回りました。大臣には会えませんでしたが、副大臣とかほかの人は、結構何とかしましょうというような話でしたけれども、裁判の結果を重んじて、開けなければいけないという方もおられましたね。その辺になるとなかなか知事も、地盤沈下するということで、お願いじゃなくて抗議になっておりましたけれども、いろんな問題がありますよね。開けたらいろんな影響があると、このことをじっくり国と話し合いをしなければ、今のままじゃ、どうも並行線で、時ばかり過ぎていくような気がするんですが、今後の取組も含めて、まず国との協議、大臣もゆっくり会いたいと言っておりますし、その辺、県としては姿勢はいかがですか。
◎上田農林部長 現在、アセスに対する意見を106項目出しております。これについての見解が国の方から示されるものと思っております。そういう意味で、その見解を国の方から示して話したいということであれば、これは私たちが出した意見でございますので、しっかりとお聞きして、そこで問題点等については議論していく必要があろうと思っております。
◆高比良[末]委員 次に、最近の新聞で、諫早の地下水の調査で、九州農政局が異議申し立てをしていますが、これは農政局は、取水する地下地盤は堅固で、地盤沈下のおそれはないと言い切っていますよね。県と関係者は絶対あると。これは6箇所ぐらい井戸を掘るんですか。その辺の状況と、そういう地質調査は県の方でされているのか、どういう根拠で地盤沈下すると言えるのか、そこをぴしゃっと、どういうデータに基づいてやっているかをもう一回答弁していただけますか。
◎鈴村農林部政策監 今のご質問でございますけれども、国は、300メートルの深いところにかたい岩があるから、そこから水をとれば沈下しませんという話なんですけれども、実際、専門的な学識経験者にお聞きしますと、諫早地区の下は30メートルぐらいの厚さの柔らかい粘土がございます。300メートル下から水を吸い取りますと、上の方から水を吸い取りまして、スポンジが水を吸い取るような形で沈下するだろうと言われています。ですから、1つは岩盤がしっかりしているから沈下しませんとは考えられないということと、あとは現場で平成15年あたり、2箇年に森山町で佐賀大学の先生たちが地下水による影響調査をされています。その時に、たくさん地下水をとりますと、水のバランスを崩しまして地盤沈下するということを言われております。そして、現在、実際に開門して地下水をとるとなりますと、調整池が淡水化になりましたので、今、背後地の農家の皆さんは塩水化のない水を使えるようになったのですが、それはいざ開始されますと、地下水に頼らざるを得ないということでございます。その時の水を全部地下水に頼りますと、1日5万8,000トンという水を新たにとることになります。今は1万2,000トンしかとっていませんので地盤沈下はおさまっていますけれども、これを新たに5万8,000トン加えますと7万トン近くになります。過去、2万6,000トン程度水をとった時点で地盤沈下を起こしました。ということは、1日に2万6,000トン程度とった時に地盤沈下していたのに、代替水源としまして地下水を5万8,000トン新たにとりますれば、当然それだけの水しかないということですから、もっと地盤沈下するだろうということで、地元の皆さんは非常に危惧されています。
 それから、同じ300メートルの地点には諫早市の工業用水がございまして、今、ソニー等に供給しております。その水がかれますと、工業用水がかれたりすれば諫早市の産業にも影響します。
 また、周辺には6集落ございまして、そちらも地下水で上水を賄っています。もしかすると、その上水もかれるかもしれないと。そうすると生活用水がなくなるということでございまして、地元の皆さんも非常に危惧されているということでございまして、もろもろ考えますと、到底国の地盤沈下は起こらないよという話はちょっと信じられないということでございます。
 先ほど農林部長が言いましたように、今度改めて国は、アセスで我々等、質問を出していますので、回答を持ってくると思いますが、その回答の内容を見まして、きちんと確認してまいりたいと思っております。
◆高比良[末]委員 今、農林部政策監が言われた内容はこの資料にも書いているんですが、説明書きをしてもらわないと、皆さん方はわかるけれどもね。そういう資料も今後必要じゃないかなと思っておりますので、しっかり九州農政局、国が言っている地下水の活用は無理だということをよくわかるように、もう少し資料の整備をしていただけますか。立派な絵はあるんですが、これだけ見ても、うん、なるほどというようなことにはなかなかなりませんので、お願いしておきます。
 もう一つは、調整池にユスリカ、ユスリカというのはハエの仲間の昆虫、かなり危険性のある、これがアオコの毒素ミクロシスチンが検出されたと。あそこの調整池の水は毒水だというように言われておりますが、これも今日はいいですから、調整池の水はどれくらいの状況にあるということをもう少しPRするようにしておっていただけますか。これは要望しておきます。
 次の質問に行きます。次は、農業者戸別所得補償について。この補償の状況、今年度35億6,000万円交付があるというお話ですが、どういう状況で交付されるのか。作物別というのか、農家別、ちょっとイメージがわかないんです。長崎県でどれくらいの人が、どういう作物というのか、戦略栽培でこういう交付をいただいているのか、わかるように説明していただけますか。
◎江藤農産園芸課長 農業者戸別所得補償につきましては、平成23年度実績、3月末現在でございますけれども、議案説明9ページ等に書いてありましたけれども、これは平成22年度と比較いたしまして824件増えておりますけれども、1万7,055件、主食用米と水田活用の所得交付金の交付対象面積につきましては1万6,461ヘクタールということで、平成22年度との比較で2,783ヘクタール増えております。また、前回等にもご質問があったかと思いますが、二毛作の助成につきましては3,588ヘクタールと、629ヘクタール増になっておりまして、加入件数及び面積とも増加している状態でございます。交付金額につきましては、農家の口座に直接入るようになっております。水稲にかわって、麦が1,252ヘクタール、大豆が391ヘクタール、飼料作物につきましては4,156ヘクタール、ホールクロップサイレージ、飼料米等新規需要米につきましては446ヘクタールの実績となっております。金額につきましては、先ほど説明もありましたけれども、35億6,000万円が長崎県の方に交付された状況になっております。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 関連して、農林部長が本会議で質問に答えておりましたけれども、この戸別所得補償はかなり活用されて役立っているようだけれども、いろいろ課題もあるということでした。課題については、私どもも国の方に改善を申し入れていきたいと思いますが、改めて本席で、戸別所得補償について、成果と課題を述べていただけますか。
◎上田農林部長 成果につきましては、1万7,000戸に対して36億円入ってきておりますので、そういった意味では、農家経営に一定の寄与がされているものと思っております。ただ、本県は水田農業経営地帯ではございません。東北、北陸、北海道の配分額と比べますと雲泥の差がございます。面積規模に応じての配分になりますので、そういった意味では、全国的に見ると、その恩恵度合いというのは少ないのではないのかなと思っております。ただ、一定の寄与はございます。
 その反面、課題と申しますのは、1つは、所得補償の基準が全国一律の生産単価、経費単価になっております。本県の場合には、圃場が小さい中山間地ということで、生産経費が全国よりも割高になっております。そういう形で本県の実態に沿った形での補償になっていないというのが1つございます。
 また、大きな課題といたしましては、この所得補償制度が導入されるに伴いまして、その財源確保の意味もあって、農業経営に必要な基盤整備それから施設整備、この予算が大幅に削減をされております。そのことが今後、農業経営規模の拡大あるいは継続性にとっては非常に重しになっているところでございますので、これを国に対して今、要望を重ねているところでございます。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 今言われたようなところの要望は国にまだしていませんよね。そういう状況を今後起こそうとしているのか。ぜひ長崎県独自でそういう要望活動をした方がいいかなと思っておりますので、農林部長の見解をお聞かせいただけますか。
◎上田農林部長 これは先の政府要望の際にも、基盤整備、施設整備につきましては重点事項ということで要望をさせていただいたところでございます。ただ、所得補償制度の全国一律単価の問題点につきましては、これは一般項目ということで要望させていただいたところでございます。ただ、基盤整備、施設整備につきましては、絶えず国に対して、特に今から概算要求の時期にも入ってまいりますので、私たちも機会あるごとにこれは要望しないといけないと思っている次第でございます。
◆高見委員 まず、新規就農相談センターの体制ということで伺いますけれども、諫早の小船越に開設をしたと。これは農業大学校の中にという理解でいいんですか。
◎中村農業経営課長 場所は、農大の上の方に昔、農村婦人の家というのがございましたが、その施設に入っております。
◆高見委員 その運営については、どこが中心になってやられるんでしょうか。
◎中村農業経営課長 運営の主体は、長崎県農林水産業担い手育成基金が従来は農業経営課にあったのですが、今回、農業振興公社とか農大と連携して行うという考え方で、ワンストップにするということで、長崎県農林水産業担い手育成基金を農村婦人の家に移したと。あわせまして農業経営課の職員も2名専任を新規就農相談センターの方に持っていったというような状況になっております。
◆高見委員 12名が現在基礎研修に取り組んでいらっしゃると。この12名の方々の過去というか、例えば高校を出てから来られたとか、あるいはUターン、Iターンで来られたとか、いろいろあると思うんですが、その内容についてお知らせください。
◎中村農業経営課長 すみません、この資料を出す時12名だったのですが、自己都合で1名減少しておりまして11名なんですけれども、11名のうち、実家が兼業農家という方が3名おられます。県内の方が10名で、県外、東京の方が1名おられるということで、ほとんどの方がIターンという形になります。
◆高見委員 1年間で何人ぐらいの定員を考えていらっしゃるのか。事務局の体制とかそういったものもありましょうから、そこら辺についてお聞かせください。
◎中村農業経営課長 考え方は、一辺にいっぱいしますと、なかなか受け入れができないということもございまして、年間3回に分けまして20名ずつ受け入れをするようにしております。1年間の研修で、2箇月の基礎研修とマンツーマン研修の10箇月という考え方で、期間を間を3箇月ほどあけまして、3回に分けて受け入れをするという流れにさせていただいております。
◆高見委員 金銭的な支援措置といったものはないですか。
◎中村農業経営課長 まず、この研修につきましては職業訓練という位置づけをさせていただいております。ですので、ハローワークを通じて募集をするという流れでございますので、雇用保険の対象となる方は、まず雇用保険で賄っていただくという考え方でございます。それから、新卒の方等がおられましたら、当然雇用保険はありませんので、こういう場合は月10万円という職業訓練の給付金がございます。そういう対象にもなれなかったという場合には、国の青年就農給付金を対象できるようにしたいと考えております。さらに、職業訓練にかかる運営経費として、基金の方に1人当たり月5万円が入ります。その5万円を使いまして、マンツーマン研修の受け入れ農家に受け入れの手当ということで支給するというような制度にしております。
◆高見委員 制度とすれば、言われていますようにワンストップで支援をするというふうな内容になっていますので、ぜひ20人の3回、それとその後、しっかりと就農していただくという、その目的を達成していただきたいと思っております。
 次に、農業大学校研究部入学生の募集停止、廃止だろうと思うんですが、このいきさつ、どういう形で、どういう経過で研究部を設けようと考えられたのか、そこら辺からいいですか。
◎中村農業経営課長 農業大学校につきましては、3つの部がございまして、高校を卒業して農業後継者なり地域の指導者を目指す方を受け入れる養成部ということで、2年間でございます。その卒業生に対して、さらに高度な技術を研修を受けていただき、それから農業法人等の法人経営を目指していただくような企業的経営能力を持っていただくための研修でありますとか、それから当時は普及員だったんですけれども、高いレベルの指導者を養成すると、こういったことを目的として、これも2年間の研修を行うような形になっております。
 設置のきっかけは、平成6年に農業改良助長法の改正がございまして、その時に、より高度な研修、教育を行う研究課程の設置、それからこの研究課程を修了した者に対して、改良普及員の受験資格を与えるというような制度ができまして、それを受けまして、平成7年の4月に設置したものでございます。
 ただ、この普及員資格については、平成16年にまた改正がございまして、それが取れなくなったというようなところもございます。そういった面で、先ほど言いましたように、平成6年当時は認定農業者制度もつくられたということもありまして、より高度な経営感覚を養っていただくような研修、そのために県では、研究部では、まず試験場での技術研修でありますとか、農業法人の体験研修、流通関係の研修、そういったものも実施しているというような状況でございます。
◆高見委員 農業改良普及員の資格を取るとか、技術者養成という意味からいえば、こういった研究部というのは必要だと思っております。ただ、農業経営をこれからしていこうとした場合に、この研究部の2年間、もったいないですね。養成部から4年間行くのだったら、それは四大に行くよとなるんだろうと思います。こういう研究部を設けようとした検討の仕方が、そういった状況を十分に把握されていなかったと、こういったことではないかなと私自身は思っています。募集停止をやめて募集せよというような意味合いで質問したわけじゃなくて、もう少し状況に明るく、目的をしっかり持ってという、そういう体制を今後も検討していかざるを得ないのだろうというようなことをお願いしておきたいと思います。
 次は、耕作放棄地の関係です。中島(廣)委員が随分と質問をされて、状況はわかりました。私の質問の趣旨は、耕作放棄地を補助金をもらって解消しましたと。問題は、その後に耕作放棄地にならないように受け皿をどうしているのかというふうな質問だったんです。保全管理が49%ですから、ここが課題かなと思っています。これから先、また計画的に放棄地を解消していかれるわけですから、しっかりと受け皿については確保しなければ、せっかく補助事業でやって、またもとのもくあみになってしまうというのが一番問題だろうと思っています。そういう意味では、この受け皿について、今後どういうふうにやっていかれようとするのか、この件についてお伺いいたします。
◎長岡農地利活用推進室長 受け皿につきましては、先ほど申しましたように、認定農業者、農業生産法人が受け皿の中心となっております。そういった中で、平成21年度からの事業実施時期におきましては、農業生産法人も17法人やっていただいております。また、中島(廣)委員の時もお答えさせていただきましたけれども、一般法人につきましても1経営体が事業の受け皿という形になっております。耕作放棄地を使う場合に、認定農業者の個人の経営体では、それをクリアするというのがなかなか難しいと思っておりますので、今後は、農業生産法人、さらには一般法人、そういったところにもそういった事業を使っていただいて耕作放棄地を解消していただくと、さらには営農に持っていっていただいて、どうしても保全管理でございますと、高齢化が続きますと草刈りも大変でございますので、委員が言われますように、どうしてもまた耕作放棄地に戻ってしまうというところがございますので、そこのところは法人の方へ事業を使っていただくような啓発等も進めてまいりたいと考えております。
◆高見委員 耕作放棄地になった原因というのが、高齢化、労働力の問題もあるでしょうけれども、やっぱりつくりにくいところから放棄地になっていったと、こういったことではないかと思うんですよね。ですから、農業生産法人だとか集落営農、そういった集団組織でしっかりやっていただく、そのためには原因となった例えばつくりにくいせまちだというふうなことなんかもあるとすれば、そういったものをきちんと解消した上で受け皿、そういったところにお任せをすると、こういうシステムが大事なのじゃないかなと思っていますので、この件については努めて1つ1つの解消策をどんなふうに具体化していくのか、中で検討をしていただきたいと思っています。
 それから、最後になると思いますが、全国和牛能力共進会について。今回、100日前イベントということで、平戸口の中央家畜市場で開催をされる予定ですね。平戸口で開催をしますよというこのねらいは何かあるんでしょうか。
◎松永全国和牛能力共進会推進室長 7月7日に、県の選考会とあわせて100日前イベントということで実施するようにいたしております。まずは、選考会ですから牛がたくさん集まるわけでございますが、そういう状況を踏まえて、平戸市の家畜市場で実施するということが一つでございます。そういった形で場所は平戸市の中央家畜市場での実施ということを決定させていただきました。あわせて一般の方にも10月の全国和牛能力共進会、それからそういったものの周知を図る必要があることから、100日前イベントということで、その会場の中で大会の魅力でありますとか、いろんな取組についても報告させていただくことにしております。さらに、佐世保市それから島原市におきましても、街頭において大会のPRキャンペーン等とあわせて100日前イベントということで開催させていただく予定にしているところでございます。
 以上でございます。
◆高見委員 せんだっていただいた、祢宜農林技術開発センター所長があいさつを書いておられたセンターニュースを見たら、平戸牛、五島牛は弥生時代からあって、和牛の由来は長崎からというようなところもあったようで、そういったところもねらいだったのかなと思ったんですけれども。先ほど言われたように、佐世保、島原でも同日開催すると。私のところにも佐世保の会場の案内をいただきました。思ったのは、午前中が平戸口であって、午後3時ぐらいから佐世保でと案内をいただきました。同時に案内をいただいていれば一日の計画で立てられたかと思うんですが、ばらばら来たら、平戸口が12時半に終わって、帰ってからほかの用事を済まそうとした時に、つい先日もらったものですから、これはちょっと困ったねというふうな話になりました。そういう一連の行事であるとすれば、できるだけきちんと一つのものとお知らせをいただければ、こちらも参加する心構えができたのかなと思います。それはお願いです。
 2月のこの委員会で私は、長崎和牛を取り扱っている店が少ないと質問しました。それに対して理事者の皆さん方は、ローラー作戦で頑張るよと言われましたね。その後、どれくらいお店の数が増えたのか聞いておきましょう。
◎園田農産加工・流通室長 長崎和牛を食べられる飲食店の関係ですけれども、長崎和牛の協力店という名前を使わせていただきまして、4月27日からお店の方に募集を開始いたしまして、募集の方法としましては、マスコミの記者発表や県の広報媒体を使いまして、新聞、県の広報紙、ラジオ、テレビ等でも募集を行いまして、6月25日までを1次締め切りとしまして、その後も随時受け付けはしておりますけれども、今現在、飲食店で応募いただいたところが133店舗でございます。中身的には、いわゆる焼き肉屋さんや、ステーキを出していただくお店、一般のレストランでありまして、募集に関しましては、県の広報媒体を使うとともに、文書、電話、訪問というローラー作戦を行ったところでございます。
 以上でございます。
◆高見委員 私も数を聞いて、133店舗ですから、まだまだ100日前ですから、これからも努力をしていただいて増やしていただこうと、そのことに努めていただきたいと、お願いをします。
 問題なのは、全国和牛能力共進会を5年に1度、今回長崎で。そうした時に、この結果、成績が悪いと、何のために長崎でしたのかとなるわけですね。既に各ブロックからは選考牛が集められているという状況になっていますけれども、例えば、前回が鳥取で、そこでの能力、多分点数化されてあるんだろうと思いますが、それと比較をして、各地区から上がってきている長崎県内の牛の能力というのはどんなものでしょうか。
◎松永全国和牛能力共進会推進室長 長崎県の代表牛の能力についてのお尋ねですが、委員ご指摘のような点数化というのは特にされておりませんで、そういった意味では、比較は難しい部分は一つにはございます。ただ、今回は本県での大会ということで、5年ほど前からこの出品対策に取り組んでまいりました。やり方といたしましては、非常に遺伝能力の高い雌牛を選んで計画交配をして、そういう取組の積み重ねによりまして、遺伝的な能力の高い牛がそろってきていると思います。特に、肉牛の部、肉になる肥育につきましては、実証展示試験も重ねて、新しいマニュアルもつくって、今、そのマニュアルに基づいて肥育もしているところでございまして、前回大会と比べまして、いい成績がとれるものと期待をしているところでございます。
◆高見委員 それなりにという言い方は悪いですが、それに向けて十分準備体制含めてやられてきたというのは理解をします。ただ、内容からいけば、いろんな手を使ってでも、どうしても最優秀をとらなければいけない。例えば、いろんな試験があって、受かるかどうかといった時にはこれも使わなければいけないしですね。そういったところ、何があるかというのはわかりませんけれども、その可能性を確かめるという意味では、過去のデータと比較してどうなのかなと、こういった突合といいましょうか、そんなものも必要があるのではなかろうかなと、これもあくまでも安心するための一つの材料といいましょうか、そのためにということで申し上げたつもりでございました。何かそんな手があれば、いろいろとご検討いただいて、しっかりと長崎県開催の意義ある、長崎牛の最優秀というものをしっかり手中にしていただきたいとお願いしたいと思います。
 以上です。
◆陣内委員 私の方からも2〜3点質問をさせていただきますが、通告順どおりではないと思います。
 農林部の研究職域における状況で、本当に研究職の人は頑張っていただいて、それなりの成果を上げておられるだろうと思うんですが、そこに一緒にスタッフとして研究職員の補助という形で頑張っていただいている農事員の方、それから畜産技術員の方、こういう方々がその職域において欠員が出ていると。農事員については欠員が3人、そして畜産技術員の方では7人も欠員が出ているという状況のようです。ちょっと調べさせていただきましたけれども、それぞれの職場でトータル的に農事員が3名欠員、畜産技術員が7名欠員ということであります。
 特に欠員のところは、本来は農事員の方に、あるいは畜産技術員の方にやっていただくようなことも研究者の方も一生懸命、研究の傍らしなければいけないと。そういう中で成果をそれぞれ上げていただいているのだろうと思うんですけれども、とはいいながら、やはり農業という1次産業の基幹産業、特に今回、全国和牛能力共進会があるわけですけれども、畜産部門において非常に厳しい状況の中で頑張っておられる、さらにこの全国和牛能力共進会が終わった後が大事だと思うんですけれども、こういう状況でどのようにこの欠員に対して対応していこうとしておられるのかをお聞きしたいと思います。
◎木下農政課長 ご指摘のとおりの状況がございます。農事員、畜産技術員につきましては、県庁全体のいわゆる現業職員の取組の中で整理をされているというような状況でございます。人事部門に確認しましたところ、今現在、現業職員の方が大体170名ぐらいいらっしゃるんですが、全体の妥結の数は150名ぐらいということで、まだ妥結数を上回っているという状況の中におきましては、いわゆる現業職員の方の新規採用というのはなかなか厳しいというような状況がございまして、職種転換とかいうようなことで対応していると。それが無理な場合は非常勤職員で対応を基本に行っているというようなことでございまして、今ご指摘があった部分につきましても、欠員の分につきましてはその業務の内容をすべて補完できるような形で、非常勤職員で対応しているというような状況になっております。
 以上でございます。
◆陣内委員 非常勤で対応するようになっていますと。そういう考えでいいのかなということなんですよ。結局、研究職員のお手伝いをしているわけですから、専門性が非常に高いわけですよね。そして、やはり経験も要るわけですよ。生き物相手、あるいは植物相手、そしてまた自然相手、これは本当に専門職的な職種だろうと思っているんです。それを、掃除をするとか、草を刈るとか、そういう職種だったらまだ違いますけれども、やはり研究職員のお手伝いをしながら、状況を見ながら、いつ、どういうふうにすればいいかというのも長年の経験の中でやってきているわけですので、おいそれと非常勤職員で賄っていますと、これではやはり1次産業を活性化させようという大事な研究機関がそういう状況だったら、その成果をなかなか求めることはできないだろうと思うんですよ。今の答弁には非常に不満があるんですが、いま一度、その考え方を聞かせていただきたいと思います。
◎木下農政課長 試験研究部門などにおきます農事員、畜産技術員の職種の内容につきましては、その研究職を補完するという意味の中において重要な部分があるというのは認識しております。
 その中で、少し繰り返しになりますが、全体の現業職員の数がどうかというような中におきまして、一定の妥結を上回っている以上は、その間につきましては少なくとも新規の採用は難しいという中におきまして、ただ、今いる正規の方を職種を変えていただいて畜産技術員なり、農事員なりになっていただくというようなことも行っておりますが、それがかなわない場合につきましては、その業務をしっかりとしていただくという数を確保するために非常勤職員を雇用するということにしております。それは数的にも時間数を、いわゆる正規の職員の仕事量を確保するというような考え方で非常勤の方の数も確保しているというようなことにしております。
 いずれにしましても、この現業の方の問題につきましては、県庁の現業全体の議論の中でしていかなければならない問題だと認識しております。
 以上でございます。
◆陣内委員 それは現業職の全体的な数の中でという、いわゆる数合わせだけになっているんですね。そうじゃなくて、こういったリードしていく、地域の、長崎県の特産を打ち出していく研究分野ですから、ある程度経験ももちろん必要ですし、研究者としっかりタッグを組んでいかないと、なかなかいい成果は出てこないと思うんですよ。そこら辺の考え方がちょっとおかしいなと。単なる数合わせでやっているということ自体が、こういった研究職域、本当に長崎県の特色ある農産物あるいは特産品を出していくんだと、そういう意気込みが全く感じられないなと思うものですから、この点についてはぜひしっかり考えていただきたいと思います。単なる数合わせじゃないということで、長崎県の1次産業を活性化させるんだと。その牽引者として彼らは頑張っていただいているわけですから、そこはしっかり考えていただきたいと思います。
 そのことで、農林部長、お考えがあれば、聞かせていただきたいと思います。長崎県の特徴を出すために。
◎上田農林部長 試験研究機関の技術員、農事員、それから畜産技術員の問題でございますけれども、それぞれ今、研究員の補助を担っていただいて現場で業務に励んでいただいております。そういった意味では、これはどういう在り方にしろ、そういった業務というのが当然ながら必要になるという現実はございます。それに対して水準を落とさずにどう対応していくかという業務的な話と、それから県庁全体の組織の進め方の考え方もあろうかと思っております。そこの議論の中で、業務の必要性、それはどういう担い方をするかという議論も全体の方向性の中ではあろうかと思いますので、そこは農林部としての業務の必要性は必要性ということで、それをどう組織に受け入れてもらうか、どう組織として扱っていくかというのはまた全体の話として議論に上っていく課題だと思っておりますので、まずはどういった業務が必要なんだということはしっかりと話を出していく必要があろうかと思っております。
◆陣内委員 いわゆる業務内容というものについて、しっかり確認しながらということなので了としますけれども、やはり経験と、そしてさまざまな知識というものがこういう職域では必要だと思うんです。だから、今言われたような業務内容等についてしっかり考えながらやっていくということですので、それはぜひそういうふうにしてください。そうしないと、1次産業の活性化に向けて頑張っておられる、口では言うけれども実態が伴っていないということになりますので、ぜひそこら辺は真剣に考えていただきたいと思います。
 次の質問に移りたいと思います。長崎市の区域の中で、農林部の出先機関が統廃合されましたけれども、長崎市の区域というのは県下では最大の消費地域ですよね。その中で農業も一定されていたという中で、中心部から農業の出先機関が、あるいは林業の方の機関も県央部の方に統合されたということで、その後、長崎市の農林部からか、あるいは農業委員会からか、いろんな要望というのは出されていないか、まずそこら辺を明らかにしていただきたいと思います。
◎木下農政課長 平成21年度以降、再編後というような方でやっていますが、長崎市に事務所を戻すと、そういうことにつきまして個別の要望というような形では私は承っておりません。
◆陣内委員 この統廃合の時は、2月定例県議会の時にもう既に始まっていましたけれども、長崎市からも、農林部も、そして長崎市の農業委員会からも、廃止してくれるなと陳情に来ましたよね。でも、それもつれなく断って、そして統廃合されてしまったということですけれども、それで要望もないということは、何ら課題はないということなんでしょうか。そこら辺はどういうふうにとらえていますか。
◎木下農政課長 課題はないといいますか、当時のお話として、事務所が遠くなって、会議等も行きづらくなったとか、そういうようなお話があっている中において、長崎地域の方を対象とした説明会などにおいては長崎市内で行うとか、そういうような対応を行って、できるだけ効率的に運営を行っていくというようなことをずっとやってきたと伺っておりまして、今現在、個別の問題は伺っておりませんけれども、ただ長崎地域そのもの、びわの関係とか、鳥獣害対策とか、いろいろな問題がございますから、そのあたりについて現場に入り込んで積極的にやっていくということで取り組んでいかなければいけないと考えております。
 以上でございます。
◆陣内委員 最後の方がよく聞こえなかった。現場に入って。
◎木下農政課長 いずれにしましても、昨年度から、長崎地域普及課というような形で組織も改正しまして、それぞれの技術指導に加えて、個々の経営体ごとに所得向上を目指していくと、県全体の考え方の中で、そういうような組織を組んでやっております。長崎地域普及課ということで、窓口も非常にわかりやすくなったというようなことも聞いておりますが、こちらとしては、その長崎地域普及課を中心に、びわの対策とか、先ほど来の鳥獣害対策とか、いろんな課題がございますから、そういうことにつきまして現場に入り込んで対策をやっていきたいと考えております。
 以上でございます。
◆陣内委員 実は、私もつい先日ですけれども、南部のある農業委員の方から、長崎市の農業委員会の農業委員の方からですけれども、いろんな課題が出てきているんですよということで、通りがかりだったものですから詳しくは聞けなかったんですけれども、やはりさまざまな課題が出ているようです。長崎市内になくなったということで、いろんな会議も向こうに行ったりとか、連絡が密にとれなかったりとかすることがあるようだということで、そういう声もあるということだけは、今、農政課長からは、いいことの話しか聞いていないみたいですけれども、実態がどうなのかというのをもう一回、実際にやっている農家の方、代表者の方あるいは農業委員の方々にいろいろ聞くべきだなと思っています。私もまた今後そういう点をお伺いして回ろうかと思っていますので、その時点でまたお願いをしたいと思います。どうぞよろしくお願いしておきます。
 それから次ですが、こういうふうに統廃合になってから、前はそれぞれのブロックで、これは農林水産省の方の統計がなくなったという話も聞きましたけれども、特に長崎地区のことでしか私は言いませんけれども、長崎地区の農業生産額、生産量とかいうものがほかのブロックに比べて劣っているかというと、そうじゃないですね。島原半島地区は4割ぐらいあったわけですけれども、離島はちょっと違うでしょうけれども、そのほかは県央部も県北部も長崎地区もほとんど変わらない。前のデータからしますと、長崎地区も島原の次ぐらいには上がっていたんじゃなかったかなと。そういうことで、旧ブロックの中での生産額あるいは生産量とかいったものがわかるような統計データというのは今出ていませんか。あればお聞きしたいと思います。
◎木下農政課長 ブロック別の統計データが平成18年度まででございます。その産出額におきますと、県下全体で農業の産出額が1,329億円でございまして、その中で、当時の長崎西彼地域が198億円でございます。ちなみに、県央管内が246億円、島原が564億円、県北が190億円などでございます。
◆陣内委員 これは平成18年までですね。現在は、それがどのように分かれているか、これはデータは出ていませんか。
◎木下農政課長 先ほど委員ご指摘のとおり、平成19年度以降は国の再編等の関係で、こういうブロック別のデータはございません。
◆陣内委員 国の食糧統計事務所があった頃は、そういうふうにされていたんでしょうけれども、それをもとにということもあるんでしょうが、本来は、やはりそれぞれの県がしっかり統計データはつくっておかなければいけないだろうと思うんですよ。本来は、その統計データがないと政策の打ちようもないと思うんです。そういう意味で、ぜひ県の方でも、新たなブロック分けをされているわけですけれども、それぞれの地域地域で農業の特色というものがあるわけですし、あるいは生産量、生産額もそれぞれ違うわけでしょうから、それぞれのブロックで農政が、政策の取り上げ方が違ってくると思うんです。そういう意味では、まずデータがなければいけないわけですよ。そういうデータもとらないということが非常におかしいなと私は思うんです。それは相当金がかかるのかどうかですが、まずは聞き取り調査からぜひやってもらいたいなと。そして、一定のデータを積み上げて、それぞれの地域の政策を打ち出していくべきだと思っていますので、県の方でデータ収集、ぜひ統計データをとってほしいと思いますので、そのことについてどうお考えになるか教えてください。
◎木下農政課長 平成19年度以降、先ほどのブロック別の数字がないと、それでトレンドが見えないということ自体は基本的な問題だと思います。国に対しましても、そういうデータの継続というようなことは過去要望したことはございますが、国も全体の再編の中で、それはもうできないというような経過もあるようです。いわゆる統計データの手法そのもの、ノウハウとかもこちらとしては今持っていないというような現状、またそういう統計をするためには相応の人的あるいは財政的な措置も必要というようなことで、国が当時やっていたとおりの中身の産出額というのはできないのではないかと思いますが、昨年度からやっています、ながさき農林業・農山村活性化計画というものをつくりまして、いわゆる品目別の生産額の目標とか、あるいはブロック別、振興局管内別、地域別の振興策など、いろいろ目標を定めてその施策を行っておりますので、そういう目標値の中で指標的なものを確認していきたいと思っております。
 以上でございます。
◆陣内委員 基礎的データがなくて、よく目標値というのができますね。やっぱり基礎的なデータがないと、その積み重ねですから、そこはちょっと無理があるんじゃないかなと。やみくもに目標値だけぽんと挙げてやる、それはぜひ改めていただきたいな、しっかりしたデータをとった中で、それは逐一じゃなくていいんですよ。大まかでもいいですから、大体の傾向をしっかりつかんで、そしてこの地域についてはこういうふうな農政を打ち立てていくんだ、農業方針を打ち立てていくんだということをぜひやっていただきたいと思います。それは要望にとどめておきますけれども、それぞれの振興局で皆さん頑張っておられるわけだから、人が足らない中で、かなり厳しい状況の中で、それをせよというのは無理なところもあるかもしれませんが、それはやるだけの価値があると思いますので、ぜひやっていただきたい。そうしないと、なかなか活性化には結びついていかないと思うんです。そこをぜひよろしくお願いしたいと思います。
 あと1点ですが、実は、私がずっと提唱していました、一般質問でもしましたけれども、いわゆる産業連関表を活用した波及効果、これについてそれぞれのセクションで真剣に、県の方でもその算出基礎といいますか、産業連関表を活用した波及効果の測定あるいは予測、そういったものをソフトを開発されて、それぞれの分野で取りかかったということでございます。産業労働部の時もそうですけれども、特に農業分野にこれだけ投資したら、どれだけの効果が上がってくるんだというところも含めて、ぜひ研究してほしいと思いますし、そして農業分野の中で、どの分野からが一番調達されているのかというのも産業連関表の中でわかりますので、分析効果も活用することができます。ぜひそれも使ってほしいと思うんですが、何か農林部の方で去年からやり始めた活用について事例がないか、今回の全国和牛能力共進会なんかは、うってつけの事例として計測できるだろうと思うんです。そういう意味で、事例があれば教えていただきたいと思います。
◎木下農政課長 産業連関表につきましては、経済波及効果をあらわす手法として確立されていると思いますが、ご指摘のとおり、本年度の全国和牛能力共進会の経済波及効果を鳥取大会の実績などを前提として試算しておりまして、89億円と出しております。
 以上でございます。
◆陣内委員 できれば、その予測しているデータについて、後で結構ですからペーパーでいただければ。よろしくお願いいたします。
 私は以上で終わります。
◆徳永委員 それでは、まず市町農業委員会への県の役割について質問したいと思います。農振地、特に農振除外ですけれども、現状は、私が聞くところによれば、以前までは除外できたところが、今は除外できないと。ただ、その理由があいまいだと。中長期的財政が乏しいということを市町から聞くんですけれども、これは1つは、平成23年に法改正があったんですか。このところが大きく影響しているんですか。
◎長岡農地利活用推進室長 平成21年に農地法改正がございまして、それに伴いまして農振法につきましても、農地を守るというところが強まりまして、そのところが農振の農用地区域につきましても、目標面積を持って確保するという形になっているものですから、そのようなところが以前より厳格になっているというところでございます。
◆徳永委員 確かにそれはそうだということは聞いているんですけれども、ただ農地転用の場合は、窓口は今、市でやっているわけですね。ところが、市の方では可否の判断が非常に困難ということで、市が策定をする計画がありながら、県に相談をしないとわからないというのが現状ということで、申請をされた方も、そういうことを言われるものだから、これは県の判断が必要ということはわかっているんですけれども、県と市の判断の基準というのがどうなのか。通常であれば、市と県がその辺の除外とかどうかということについては大体統一的な見解があるのが普通でありますけれども、その辺が余り統一していないと、いろいろ我々もそういう感じになるわけなんです。その辺、どうなんですか。
◎長岡農地利活用推進室長 農振農用地区域の除外につきましては、全体見直しと随時見直しというのがございまして、全体見直しにつきましては、おおむね5年に1回見直していただくようにしております。委員がおっしゃっていますのは随時の見直しだと思いますけれども、随時の見直しにつきましても、ある一定の基準を示させていただいて、それに基づいて、まず市町の方で判断していただいて、その市町の判断のもとに、判断がつきにくいものについては県の方に相談していただいて、県としましても、現場確認等も踏まえまして、その辺のところを判断させていただいて、県の方でも同意をさせていただいてするという形になっています。この随時見直しでございますけれども、どうしても公告・縦覧、異議申し立て期間というのが30日プラス15日ということで45日ございますものですから、市町の事務手続も含めまして、少なくともワンサイクル、3箇月程度はかかるような仕組みになっております。
◆徳永委員 それは確かにそうでありますけれども、ただ私が聞くところによれば、改正前は、大体5箇月ぐらいで変更の公告ができたと。ただ、今は約1年近くかかるということも聞いております。というのは、除外の方はほとんど本庁でやるわけですよね。そういう中で、本庁の方に除外の申し出が多いものだから、本庁の事務の方が膨大で、非常に忙し過ぎて、なかなか処理ができないのではないかなということも考えるわけなんですけれども、その辺どうなんですか。
◎長岡農地利活用推進室長 委員がご指摘になっている農振農用地区域からの除外につきましては、1年ぐらいかかると申しますのは、おそらく全体見直しではないかと思います。先ほど言いましたように、随時見直しにつきましては最短で3箇月ぐらいのサイクルでございますけれども、市の方から適宜上がってくるものについては、随時見直しでございますから、事前協議に入ってからは、ある程度の期間で処理できるようなことで今、進めているというところでございます。
○山田[博]委員長 農地利活用推進室長、今、徳永委員に対して、それは勘違いしているんじゃないかとか、あなたたちは、事前通告して、きちんと打ち合わせしているんでしょう。そんな言い方はないんじゃないか、君は。徳永委員に失礼だぞ。
◎長岡農地利活用推進室長 言葉足らずですみません。農振農用地区域の除外につきましては、市の方からご相談があって、事前協議をさせていただいて、先ほど言いますように、事前協議として書類が上がってきた段階からは、1年間かかるということは生じていないのではないかなと考えております。
◆徳永委員 それであれば、市の手続が非常に遅いということになるわけですか。現実は、市から上がってくれば粛々と、きちんとやっていると、今のでいいんですか。というのは、この辺がなかなか、あなたたちはそう言うけれども、そこは実際、額面どおりに受け取れないところがあるわけなんですよ。県の関与というか、県がなかなか判断があいまいというか、要するに、以前できたところは、法改正によってもうできないということで、説明が申請者にとっても理解ができないようなことになっていると。その辺を、たださっき言われるように、粛々と手続をやれやれと言うけれども、やる中で、結局県の判断がそういうふうな判断になるものだから、ずっとずれ込んでいくと。
 それともう一つは、小委員会等がありますよね。ここで、市が幾つか上げてくるわけですね。その中で、なるものもあれば、難しいものもあるわけですよね。この辺もどうなのかと。一括で上げるのか、それとも外して、許可が出るものは持っていくのか、その辺の判断も非常に難しいところがあると聞いているんです。その辺どうなんですか。
◎長岡農地利活用推進室長 随時につきましても見直しでございますから、件数が何件もありましたら一括して上げていただくようなことになると思います。その中で、なかなか除外が難しい案件につきましては、県の方で現場確認等もさせていただいて、市の方と相談させていただいて、その案件については、例えば外して協議をさせていただくという場合もございます。
◆徳永委員 ただ、これは1つ私もちょっとあれなのは、今、市町に権限移譲されていますよね。ところが、権限移譲なのに、市町で権限移譲されているところとされていないところがあると。この辺がまたちょっと、私は、権限移譲すれば、21市町すべてそうなれば、島原半島でも、雲仙市だけはそうだけれども、あとの2市は従来のとおりなんだと、そういうところも非常にそういう影響があるのかなと思うんですが、その辺どうなんですか。
◎長岡農地利活用推進室長 今、委員がおっしゃっていますのは、農振の農用地区域のことにつきましては21市町の方でやっていただく形になっております。当然、市の地域の整備計画でございますから、市の方の地域整備計画を変更させていただいて、それに県が同意するという形になっております。今、農地法の4条と5条の転用に関しましては権限移譲ということで、21市町の中で雲仙市だけが権限移譲されて、雲仙市のところの判断で4条、5条の転用がなされるという状況になっております。ちなみに、農地法の3条、農地として所有権を移転する場合でございますけれども、これについても本年度から21市町の方に権限移譲がされております。
◆徳永委員 雲仙市だけがというのは、どういう意味なんですか。
◎長岡農地利活用推進室長 権限移譲を随時やっていく中で、雲仙市の方が先に受けられたということでございます。
◆徳永委員 何かなかなかこの辺が難しくて理解ができないというか。そういう中で、ただ、とにかく多いんですよね。私も農地利活用推進室長にいろいろとご相談をしますけれども、とにかく市の方の審査の手順が悪いのか、県の方がそれに対しての対応が悪いのかと。農地利活用推進室長から言わせれば、県は粛々とやっていると、ただ市の方の問題が大きいということで、それは私も説明の中で、確かにそういうところもあるかもしれませんけれども、ただ、申請の流れ等を見れば、さっき言われた中で、私は、従来よりも長くなっているのは事実ではないかなと思うんですよ。言うように、前に比べれば除外の方が難しくなっているから、いろいろと県の方の事務手続の仕事が非常に多くなっているということで、その辺がなかなか市との連携がとれない。だから市も、要するに、年に4回の協議会が今までに1〜2回しかできないというような状況にもなっていると。そういうところも今後県の立場で指導というのも大事ではないかなと私は思うんですよ。申請をされる方は、とにかく早くしていただきたいと。だから、それがずるずる、ずるずるになってしまえば、それで要するに、なぜできないのかというのがしっかりわからないというわけなんですよ。さっき言った、5年に1回見直しがありますよ。この5年に1回の見直しにひっかかってしまえば、ここがまた大変なことになるんですよね。確かに今、法改正によって農振地除外というのは非常に難しくなっているのは私たちも聞いております。せっかくのいい農地が、昔のやり方でやれば虫食い状態とかになって、いろいろな問題点があるということで、それは当然厳しくしなければならないし、今後、優良農地は守らなければならないということがありますから、それはわかりますけれども、除外というのは除外であるんですから、そこを今後しっかりとしていただきたいんですけれども、その辺を最後にお聞きしたいと思うんです。
◎長岡農地利活用推進室長 委員のご指摘がありますように、許可できる案件につきましては、当然その経済効果もございますので、事務的なところで遅れていくということではなくて、許可できる案件については、できるだけ早い処理をさせていただくという考え方で今進めているところでございます。
◆徳永委員 もう一点、今までも要望はしているということも聞いておりますから、研修会もあるんでしょう。そこでしっかり市との連携をとっていただいて、問題点が何なのか、ここをしっかりお互いに理解をしていただきたいと。農林部長、これはやっぱり非常に大きな問題だと私は思うんですよね。正直言って、我々に言ってくるんですよ。しかし、これは言われているように、そう簡単なものじゃないなということは私も理解しているんですけれども、ただ、さっき言うように、協議会に上がってきて、小委員会に上がってきて、一括なのかどうなのかということで、市の方の対応も非常に難しいところがあるんでしょうけれども、そういうところが後送りされて、非常に大きな問題になっているということがありますから、今後の対応をひとつお願いしたいと思います。
◎上田農林部長 農地法については、委員ご指摘のとおり、厳格化が求められているのは事実でございます。そういうことで、運用基準等も平成22年に国の指示に従って改正しているところでございます。ただ、現場の方で、そこの運用の中で、具体的な問題が手続的にも発生しているのか、そういったことは事務局長会議あるいは研修会等でしっかりとお聞きして、片方での行政サービスの観点で滞りがないようにする必要もあろうと思っておりますので、そのあたりはそこの中でいろんな話を聞かせていただいて、側面的に回答の仕方として、知恵として出せるものは、しっかりお手伝いしようと思っているところでございます。
◆徳永委員 よろしくお願いいたします。
 次に、県農林技術開発センターの役割及び強化対策なんですけれども、先ほども陣内委員から現業職のことも出ました。この農林技術開発センターの役割というのは、重点テーマとして1から5がありますけれども、特に技術開発、研究というのが大きな役割ではないのかなと思います。
 そういう中で、研究員が平成23年度で88人、現業職が42人ということですけれども、農林技術開発センターにとってこの人員というのは、過去に比べ、そして現在の状況の中で、適任の人数なのかどうか、まず質問をしたいと思います。
◎祢宜農林技術開発センター所長 研究員は現在88名置いております。県内に8部門、箇所数で6箇所、有明町に畜産、愛野町にばれいしょ、それから本所は諫早市にございます。あと干拓部門、それから大村市に果樹、東彼杵町にお茶ということで、それぞれの部門ごとに研究に取り組んでおります。
 この人数ですけれども、ここ10年間ほど研究員の数だけで見ますとほぼ横ばいといいますか、維持をいたしております。ただ、先ほどお話がございました現業員の問題、あるいは事務の合理化等の問題で人員は若干減っておりますけれども、研究そのものについては維持をいたしております。
◆徳永委員 それは88プラス42という理解でいいんですか。それとも88ですか。
◎祢宜農林技術開発センター所長 研究員は88名でございます。それから、現業職員が今言われた42名ということでございます。あと、それに行政の職員もいます。全部合わせますと、平成24年4月現在で139名、それに非常勤の関係の職員がございます。
◆徳永委員 私が言っているのは、10年比較されていますけれどもほぼ同じと。その内訳ですよ。要するに、88プラス42で130ですよね。だから、例えば研究員が増えたのか減ったのか、合計が一緒なのかどうなのかという、その辺の内訳です。
◎祢宜農林技術開発センター所長 それでは、わかりやすく平成18年と平成24年、7年前と比較して申し上げたいと思います。平成18年度の研究員は89名でございます。平成24年度88名、先ほど申し上げたとおりでございます。現業職員は平成18年度は59名でございます。平成24年度当初で現員で38名でございます。行政職員を13名配置いたしております。いわゆる庶務とか会計とか、そういう仕事をする職員がおりますので、その13名を合計しますと161名が139名という数字になってございます。
◆徳永委員 平成18年度から現業職は約20名減っているということですね。この現業職はどういう内訳になっていますか。例えば研究の方、運転の方、いろいろおられると思いますけれども。
◎木下農政課長 現業職の方は、農事員の方が19名、畜産技術員の方が18名でございまして37名でございます。1名合いませんけれども、農事員と畜産技術員は今申し上げた数でございます。
◆徳永委員 ということは技術者ということですね。(「そうです」と呼ぶ者あり)ということは、その平成18年度の59人もそういうことでいいんですか。
◎祢宜農林技術開発センター所長 以前は、まず一つは公用車の運転関係の職員は配置としております。現在、公用車の運転手はたしか1名だったと思います。平成18年度といいますと、現在の農林技術開発センターではなくて総合農林試験場、畜産試験場、果樹試験場というふうな組織でやっておりましたので、まずそこが一つあるかと思います。あと、それに電話交換等も入っております。庁務とかが入ってございますので、単純に技術の方で比較するのはちょっと手元にございませんので、申しわけございません。
◆徳永委員 ということは現業職の技術職というのは余り変わらないというような判断でいいわけですね。ここは運転手さんとか電話交換の方も入っているということで、そういう理解の中で。
 それで、今現業職の数が150人以下でやっているということで、それは研究者も運転手の方も入れての150人ということでしょう。そうなった場合に、例えば研究職、こういった技術職の方の減り分というのはどうなんですか、150人になったということで。要するに、運転の方が減り方が大きいのか、例えば研究員の方の減り方はどうなのかと、そういうところですけれども、その内訳はわかりますか。
◎木下農政課長 現業職の数でございまして、先ほどの59名が38名という報告があっている中身でございますが、運転の方が平成18年度は8名おられますが今は1名ということで、その数の減があるということと、あとは先ほどの農事員、畜産技術員の減少があっているというような内容でございます。
◆徳永委員 私がここを聞くのは、特に現業職の中でも技術職というのは非常に大きなポイントになると思うんですよね。150人以下ということであって、ここを数合わせで減らしていって、せっかく長崎県の農林技術開発センターの役割というのが、新品種の改良とか、今、他県とも非常に競争しなければならない。ましてやさっきも県立農業大学校でも研究部の入学は停止という余りよくない話もありますし、そういう中で、要するに、非常勤職員で本当に対応ができるのか。そして、若い研究員をつくっていかなければならないと思うんですけども、今後の影響について、その辺はどうなんですか。
◎祢宜農林技術開発センター所長 現業業務の重要性というのは十分承知いたしております。一定の経験あるいは技能、技術がある方が日々の管理をしていただいて、研究員と一緒に先ほどお話がございましたとおりタッグを組んで研究に努めていくということは非常に重要なことで、現在もそれをしっかりやっているところでございます。
 今、欠員の部分について、特に畜産関係では10名の非常勤対応、いわゆる嘱託職員の対応をしている、それから農事員で3名の非常勤嘱託で対応をしているということであります。やはり仕事にしっかりなれてもらわなければ困るということがあります。牛を飼ったり、田畑を管理したりという仕事でございますので、現業の現在いる方々が嘱託の方々をしっかり教えていくと、そういう教える方をしっかりフォローしていく研究員の体制があるということで、全体で研究業務に支障のないようにしっかり努めているところであります。
◆徳永委員 そうであれば、嘱託で対応ができるということでいいんですか。聞くところによれば、嘱託の方は1日の勤務時間、それと責任、そういう中で、こういう農林技術開発センター等は、試験場等は、やはり仕事が技術職ですから、そこは専門的な人をきちんと育成をして、そしてしっかりと後を継がせなくてはいけないと思うんです。一般事務ならまだまだいいんですよ。こういった技術職、研究職がそれでは、私は今から長崎県の農業を他県にやるためには非常にあれだと思うんですけれども、それはどうなんですか。
◎祢宜農林技術開発センター所長 ご指摘のとおり、じゃ、嘱託の職員ですべて今までの現業の業務が十分できているかと、あるいはこれから大丈夫かというふうなお話だろうと思います。嘱託職員の人数を実は減った分よりも増やしております。特に畜産分野におきましては7名減したところに嘱託職員を10名入れていると。プラス3名入っております。先ほどの週に働く日数の違い等を物理的にはそれで埋めているつもりでございます。あとは嘱託の方を選ぶ時に、牛に明るいといいますか、そういう現場仕事にしっかり理解と能力のある方をお願いして雇用していくということ、なれない方には現在の職員がしっかり指導をしていくということであろうと思っております。
○山田[博]委員長 これは集中審査しよう。
◆徳永委員 それはだから、嘱託を増やせばいいということじゃないから言っているんですよ。こういったところの仕事というのは非常に大切な専門的なところということで私は質問しているんですから、もう少しきちんと私の質問に答えてください。
 これは集中審査と委員長が言っておられますので、また後でやります。
○山田[博]委員長 委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、どうぞ。
◆山田[博]委員長 農林技術開発センター所長、今、陣内委員、徳永委員が言われたことは大事なことで、議論もかみ合わないところもあるし、これは私も実はいろいろ聞いているので、委員の皆さんにご理解いただいて、農林部長、これは大事な今後の農林部行政を支えていく人材の育成と研究機関でもありますから、集中審査をさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
 それと、今日、農村整備課と森林整備室からいただいた資料の中で、今回の6月15日から17日、また18日、19日の2回の最大雨量が約300ミリメートルの豪雨、それと6月23日から6月25日の農地・農業用施設の被害状況、なおかつ林地・治山施設・林道の被害状況について出ているわけですけれども、このそれぞれの農林関係の施設で被害状況というのは、今出ているのは3億円と2億円で、合計大体5億円と、現時点で把握しているのはこれということでよろしいんですか。まずお答えください。
◎林田農村整備課長 この資料は6月25日時点でつくっておりまして、本日付で再度確認しましたところ、農村整備課の分でございます。梅雨前線豪雨、6月15日から6月17日の分、これが5,600万円が今日時点で1億4,900万円、これは被害額でございます。台風4号、6月18日から6月19日、これが1億700万円が1億1,700万円、1,000万円ほど増えております。それから、その下の梅雨前線豪雨、6月23日から6月25日、これが1億4,100万円が1億4,800万円、700万円ほど増えておりまして、合計で3億400万円が4億1,400万円で被害額が県の方に報告があっている状況でございます。
◎佐藤森林整備室長 お手元のページの一番最後になりますけれども、これは農村整備課と時点が違いまして、6月28日時点ということで集約をしております。今のところ、本庁の方に上がっている被害はこれだけでございます。ただ、まだ速報値ですので、特に6月23日から24日の雨が相当大きかったものですから、その後、概況の報告の方で上がるのではないかと考えております。
◆山田[博]委員長 昼休みにテレビを見ていたら、各地域に相当な被害が出ているので、確認なんですけれども、午前中の審査の中で、一昨年は、事業決定が遅れて、繰越が出たじゃないですか。被害総額のね。今回はこれだけの、5億円だと思っていたら、これは今増えたけれども、合わせたら現段階で6億円近くの総額が出ているんですね。そうすると、現時点でこれだけ出ているものを、まだ梅雨に入ったばかりの現時点で、事業決定が一昨年と同様に遅れることがあるのかないのか、それを確認だけ。これは多分、この雨が地元で、夜になったら委員の皆さんもいろんなところから電話がかかってくるでしょうから、一昨年と同じような事業決定が遅れることになるのかならないのかだけ教えてください。
◎林田農村整備課長 災害につきましては、災害が起きてから被害の調査をやりまして、それから市町が災害査定の設計書とかを組みまして、そして10月ぐらいから随時国の査定を受けるようになっております。被害が多い少ないがあると思うんですけれども、被害が多くなれば、おそらく査定が終わるのが12月ぐらいまでかかると思います。そうすると、やはり年度予算の割り当て等が遅れる可能性が十分あると思います。
◎佐藤森林整備室長 森林整備室の方につきましても、特に林道につきましては国の査定がございますので、今、農村整備課長が申し上げたとおりになるという可能性がございます。もう一つ、治山の方につきましては、県が今、災害復旧で持っている予算がございますけれども、ただ、災害の状況によっては、9月の補正でまた議会の方にお願いをするという可能性もございますので、それ以降の着手になるということは考えられると思います。
◆山田[博]委員長 農林部長、これは大体今まで災害になったら、同じような時期になって、同じことの繰り返しなんですね。これはもっと早くできないものでしょうか。行ったら苦情が多いんですよね。徳永委員も農転で苦情が多いと言っていたでしょう。はっきり言って、これはそれ以上に苦情が多いんですよ。農林部長、取組姿勢を聞かせてもらって、終わりたいと思いますので、お願いします。
◎上田農林部長 この災害の対応につきましては、国庫補助事業が採択できる部分については国庫で対応しているんですけれども、九州農政局、財務局も含めて、とにかく査定を早く受けられるように準備はしないといけないと思っております。ただ、この雨がずっと続く中で、どこで被害が確定するかというのもございますので、そこは急ぐことを踏まえながら、なおかつしっかりとした確定を持って対応していかないといけないと思っておりますので、状況は九州農政局等とも打ち合わせながら進めさせていただきたいと思っております。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 本日の委員会及び分科会はこれにてとどめ、明日は、午前10時から行いたいと思いますので、よろしくお願いします。
 本日は、これにて散会いたします。お疲れさまでした。
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     −午後5時5分 散会−
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