平成24年  8月定例月議会 農水経済委員会 - 09月28日−05号

平成24年  8月定例月議会 農水経済委員会

1、開催年月日時刻及び場所
  平成24年9月28日
       自  午前9時31分
       至  午後3時45分
       於  議会会議室
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2、出席委員の氏名
    委員長(分科会長)  山田博司君
    副委員長(副会長)  前田哲也君
    委員        加藤寛治君
     〃        馬込 彰君
     〃        野本三雄君
     〃        溝口芙美雄君
     〃        高比良末男君
     〃        中島廣義君
     〃        徳永達也君
     〃        陣内八郎君
     〃        高見 健君
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3、欠席委員の氏名
     なし
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4、委員外出席議員の氏名
     なし
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5、県側出席者の氏名
    水産部長            荒川敏久君
    水産部政策監          下山満寛君
    水産部参事監          田中郁也君
    漁政課長            山田芳則君
    資源管理課長          柳村智彦君
    漁業取締室長          長嶋寛治君
    水産振興課総括課長補佐     山下隆広君
    水産加工・流通室長       増本正幸君
    漁港漁場課長          壱岐雅夫君
    総合水産試験場長        田添 伸君
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6、審査の経過次のとおり
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     −午前9時31分 開議−
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○山田[博]委員長 おはようございます。
 委員会を再開いたします。
 なお、馬込委員と野本委員から所用により、本委員会出席が遅れる旨、連絡があっておりますので、ご了承をお願いいたします。
 昨日に引き続き、議案外の所管事務一般に対する質問を行うことといたしますが、「政策等決定過程等の透明性の確保及び県議会・議員との協議等の拡充に関する決議」に基づく提出資料を含めて、再度ありましたら、せっかくですので質問していただければと思いますが、よろしいでしょうか。
     〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 では、そのようにいたしたいと思います。
 それでは、委員の皆さん、ご質問はありませんか。
◆陣内委員 何点か質問させていただきます。
 まず第1点に、高比良(末)委員からも質問がありましたけれども、外国漁船との事故の問題についてです。その事例については報告いただきましたけれども、そのほかに県下で、ここ近年にそういった類似案件があったのかどうか、その頻度なども教えていただきたい。そして、それに対しての今後の対応とか、周知徹底させるためにどういう方策を立てておられるのか。あるいは、事故・事件が起こった後に、補償問題等々が当然出てくるだろうと思うんですが、それについての考え方もお知らせいただきたいと思います。
◎柳村資源管理課長 今回の伊万里湾みたいな被害は、例えば外国の貨物船が五島の富江に入港した折に、それが出航していく時に小型定置網を傷つけたという事例が平成19年度、それから平成23年度、それぞれ1件起こっております。
 それから、これも今度は外国の漁船による被害ということですけれども、これがやはり五島の玉之浦というところが、台風等がありますと、必ず海上保安部等が避泊ということで玉之浦湾の奥まで誘導して、そこで避泊させるということをしております。これが平成12年度に定置網を引っかけて傷つけた。それから、平成14年度に養殖いかだを傷つけたというような事故が起こっております。こうした被害については、当然被害者が確定されて、被害者がそれを認めれば、この間の伊万里湾みたいに当然民・民の間でそういう被害が補償されるということになります。このうちの例えば平成19年度みたいな外国の貨物船による被害は、未明に出ていってしまったパナマ船だろうという想像はしているんですけれども、被害を相手が認めないという形になっておりまして、これは結局泣き寝入りをせざるを得なかったという部分がございます。
 こういう漁業被害に対しては、国の方も相手船を特定して、相手船の自認をとにかく取っておく。後日であっても、これを弁護士等を通じて民・民で補償するというのが原則とされております。
 こういうもののほかに、例えばわけのわからない漁具が海上に投棄されているとかというのがありますけれども、こういうものに対しては水産庁の補助を受けて、民間団体である全漁連とか、そういうものがこういう不法に投棄された漁具を引き上げる、こういうところに支援を行うということをやっております。
 以上、何年か置きにこういう外国漁船、外国貨物船による日本国内における漁具被害というものが起こっている状況にございます。
◆陣内委員 なかなか特定が難しいというケースの場合は本当に泣き寝入りという形になってしまうんでしょうけれども、近隣の人たちがそれを認めて報告するという体制はあるんですか。
◎柳村資源管理課長 こういう被害というものは、やはり所有者の方がまず第一番目に気づく、もしくは付近を航行する漁船が気づくというパターンが一番多かろうと思います。
 こういうものを最初にやはり見つけて通報するのは最寄りの海上保安部になります。今回の伊万里で言えば、唐津の海上保安部になろうかと思いますけれども、こういう近隣の海上保安部が通報を受けて捜査をするという形になろうかと思います。
◆陣内委員 続きまして、各部局にお聞きしているんですけれども、東日本大震災復興支援についてです。長崎県も全国から、あるいは世界から、先の普賢岳の噴火災害、あるいは長崎大水害等々で随分支援をしていただきました。そのお礼も兼ねてという形で、今、県は一丸となって取り組んでおられるだろうと思うんです。ただ、非常に厳しい職域環境、あるいは経済社会環境の中で一生懸命にされているだろうと思うんですけれども、水産部の方では特に水産業関係の被害が今回は壊滅的なものがあったということで、特に力を入れて支援をしていかなければいけないだろうと思っています。
 まだ復興は緒についたばかりで、全く先行きわからないような状況だろうと思うんですが、今まで、この1年半の間の水産部としての対応、人的派遣とか、あるいはソフト面とか、ハード面でどういう体制で臨んできたのか。そして、今後、どういうふうな体制を敷いていこうとしておられるのか、そこをお聞かせいただきたいと思います。
◎山田漁政課長 東日本大震災への水産部としての対応についてのご質問でございますけれども、まず、震災直後に県から長崎大学に要請をいたしまして、長崎大学の練習船を派遣していただき、飲料水やかまぼこ等の救援物資を搬送いたしております。これは水産関係団体から提供いただいたものを搬送いたしております。
 それから、県内のカキ養殖業者の方々が宮城県の方に出向きまして、カキの種づけ作業のお手伝いをさせていただいたということもございました。
 さらに、被災地の加工業者の方から、現地で加工原料が確保できないと、魚も水揚げできないし加工場もないということで、加工原料の協力要請がございまして、その時に県内の魚市に働きかけをいたしまして、結果、現在、長崎魚市の方から原料を供給しまして、かまぼこの製造を行っているというふうな加工業者の方もおられます。
 それから、人的支援ということでは、水産部からは昨年の6月から漁港・港湾技術職員、あるいは水産技術職員を派遣いたしておりまして、今年度の3月まで、延べで49名の職員を派遣しまして、港湾や漁港の調査とか、災害復旧のための調査や設計、積算などの業務、あるいは養殖とか加工・流通にかかわる災害復旧の補助業務、こういったものの支援をさせていただいております。
◆陣内委員 人的派遣においても非常に厳しい状況だろうと思うんですけれども、今後はどういうふうな状況になりますか。
◎山田漁政課長 今後につきましては、できるだけ被災地のニーズを踏まえまして、可能な限り人的支援につきましても対応していきたいと思っております。
 それから、直接的な支援ではございませんけれども、東北の復興はまだ緒についたばかりということで、そういった東北の水産業といいますか、東北の水産物安定供給のためにも、県内の水産業者、あるいは加工業者と一緒になって水産物の東北地区、あるいは東北から関東へ送られておりました水産物の補完的な役割にも貢献していきたいと思っております。
◆陣内委員 大変でしょうけれども、ぜひできる限りの支援体制を今後も敷いていただければと思っております。
 次に、長崎県の水産業振興基本計画について述べられております。最後の方に地区分けでそれぞれの課題と対策という形で計画を練られているわけです。実施に入って、まだ1年ちょっとしか経っていないと思いますけれども、この8地区において、それぞれ対応をされているわけですが、1地区だけでいいですから、特徴的なものをぜひお示しいただきたい。
 また、その実施によって一定の成果が見えてきているものがあれば、特にその辺を紹介していただきたいと思います。
◎山田漁政課長 水産業振興基本計画の県内8地域の特性と成果というご質問でございますけれども、西彼地区を例に挙げますと、まず、西彼地区は以西底曳網とか、あるいは大・中型まき網、それから中・小型まき網、刺し網によって多種多様な魚が大量に水揚げされるということもあり、また、長崎魚市場という大きな魚市場もございます。また、近隣に観光地、あるいは消費地があるという恵まれた条件というふうになっておりまして、これらを活かしたさらなるブランド加工品の開発とか、あるいは観光と連携した消費拡大が必要ではないかと考えておりまして、そういった施策を進めているところでございます。
 成果といいますか、まだ今始まったばかりなんですけれども、ブランド加工品につきましては、平成長崎俵物、これは平成21年度で58品目であったのですけれども、平成23年度には4品目追加になっております。
 それから、商標登録のブランド魚につきましても、西海市の「うず潮カキ」とか、「ゑびす蛸」、こういったものが商標登録を検討中でございまして、少しずつですが、加工品の開発も進んでいるところでございます。
 また、平成22年度に出島地区にでじま朝市、それから新長崎漁港では長崎漁港がんばランドといった直売施設、あるいはレストラン、こういったものが開設されておりまして、がんばランドにつきましても、今後増設の予定があるということで、引き続き観光との連携を含めながら、消費拡大を図っていこうということで進めているところでございます。
◆陣内委員 今、ご報告いただいた件と密接に関係するだろうと思うんですけれども、いわゆる6次産業化されたものというのが、国の方で示されている6次産業化というのと、地域での考え方もあろうかと思いますが、長崎県での考え方、それも含めて事例が、まず加工品目、あるいは俵物の認定について4品目ほど増になったということですけれども、そういうものを含めて6次産業化の現況といいますか、そこをお知らせいただきたいと思います。
◎山田漁政課長 6次産業化のご質問でございますけれども、6次産業化には漁業者が魚を捕ってそのまま魚市場に出すというだけではなくて、その加工や販売まで行うといった生産・加工・流通、こういったことを一体的に行うことによりまして付加価値の向上、あるいは資源の有効活用を図るという取組もございますし、あるいはそのほかにも漁家の民宿とか、漁家レストランといったものの経営をしたり、あるいは漁業体験を行いまして、都市住民との交流を図ることによって手取りを向上させたり、雇用の確保を図るといった取組もございます。
 こういった中で県内での取組実績としましては、例えば九十九島漁協が、ここは農協や市の商工会と連携いたしまして、特産品の煮干しをパウダー状にしまして、これを地元の米にコーティングしました「いりこ米」、こういったものを開発して、販売は商工会を通じて販売するといったことで、1次産業、2次産業、あるいは3次産業が連携した取組を行っておりますし、あるいは漁協だけ単独でやるということであれば、例えば大村湾漁協あたりは獲った魚を、あそこは時津とか長与とか大きな消費地を控えていますので、こういったところに移動販売車によって直接団地での魚介類の販売を行うといった取組もございまして、いろんな形での6次産業化が県内でも生まれてきているという状況でございます。
◆陣内委員 その一つひとつの活動が大きく底上げにつながっていくだろうと思いますし、地域の活性化につながっていくだろうと思います。そういう意味では、ぜひいい形での支援をしていただければと思っています。
 そして、これもまた似たようなことですけれども、そういうふうに新たな製品ができたことによって、PRが必要だろうと思います。その中で俵物をはじめ、アンテナショップというのがあり、この前、県外調査に出かける時に、空港のアンテナショップのオープニングに出席させてもらったわけですけれども、確かにアンテナショップという形ではいろんなものがあるので、現物を見て、これとこれとこれを欲しいというふうに、私もその後、出張する時に実際に送らせてもらいました。
 ああいうふうにいろんな物があるというのが、ちょっとわからないんですよね、一般の市民の人自体が多分わからないだろうと。観光客はそこを通るからわかるけれども。長崎市内においても駅前の物産館にある分でしか見ることができないということで、このアンテナショップの充実ももちろんですけれども、もう少し箇所を増やすとかできないのか。
 そして、「長崎県の魚愛用店」という制度を敷かれているようですけれども、これは消費をすることでPRにもつながるし、その店自体がPRをしてくれるのだろうと思うんです。これは直接消費の中で行われるわけですけれども、こういうところにもわかるように、せめてパンフレットとか、リーフレットというものを置くべきではないか。とにかく長崎俵物についても盛んに宣伝をしていただいているんでしょうけれども、まだまだPR不足じゃないのかなと。それはなかなかわかりにくい。直接目で見て選ぶわけですから、なかなかそういう場がないということで、もう少しアンテナショップといいますか、「長崎県の魚愛用店」も含めてPRできるような、俵物も含めてさまざまな長崎県の水産業製品をPRできるようなシステムを構築するべきだろうと思っています。
 というのも、私も体験上、長崎県の物産館に行って、私の友達とか、あるいは親戚関係に何件か送らせていただきましたけれども、そこに物があるから、これがいいな、これがいいなと、これとこれを組み合わせようかとか、そういうことができるんです。あそこに行かないとそういうことができないということで、もう少し自由な選択がどこに行ってでもできるように、そういったアンテナショップみたいなものをもう少し増やしながらPRをしていただければいいと思うんですが、そのことについて見解があればお聞かせいただきたいと思います。
◎増本水産加工・流通室長 県内のアンテナショップにつきましては、今12店舗ございます。陣内委員がおっしゃいましたが、一番大きいのが長崎空港アンテナショップ、それと長崎駅前にある物産館、あと浜屋とか伊王島の方とか、島原の方には「とっとっと」というところもあるんですが、そちらにもアンテナショップを置いております。
 確かに陣内委員がおっしゃるとおり、2店舗につきましては現物が多くて、皆さん商品を目の前で取ってわかるんですが、ほかの10店舗につきましてはPR不足を当室としても感じております。
 それで、PRの予算ですが、そちらにつきましては販売戦略課の方がPRの事業を持っておりまして、そちらの方と連携をしまして、今どういったことが足りないのか、その辺を十分検討しまして、陣内委員がおっしゃったような内容に沿うような形でやっていきたいと思っております。
 それと「長崎県の魚愛用店」につきましても、今始めたばかりなんですが、ロゴ等もテレビ等でお知らせしておりますし、今後、認定後はどこにどういった魚を食べられる店があるというマップをつくるとともに、それらのお店を回るラリーをして特典をもらえるとか、そういった取組を来年度は先駆けてやってみたいと思っております。
 確かにアンテナショップにつきましては、現物を空港、駅前の物産館ぐらいにしか置いておりませんので、その辺につきましては今後十分検討させていただきまして、皆さんの目に触れて、消費者の反応がきっちりもらえるような形で、今後とも販売戦略課、それと関係団体と一層の連携を深めて検討してまいりたいと思います。
◆陣内委員 ぜひやっていただきたいと思いますが、要は市民が、あるいは県民の人たちが、直接住民の方々の目に触れる、市民の方々が言ってみればセールスマンになれるわけですね。だから、ぜひ観光客だけではなくて、市民自身がこれはいいなということで送ってやろうかとか、そういう気になりますので、ぜひ充実したアンテナショップを目指していただきたいと思います。
 それから、藻場の維持計画、回復についてのことでお伺いしたいと思うんですが、つい先日、「長崎における磯焼け対策ガイドライン」というものを見せていただきました。すばらしい報告書ができているわけですし、ガイドラインもできているわけですけれども、一方、この振興基本計画の中でも、いわゆる磯場をとにかく回復しなければいけないということの大きな資源増殖と沿岸環境の保全を目指す漁場づくりという形で大きく打ち出しておられます。これはガイドラインそのものは一番近い実証実験をされているのが2010年の結果を報告されております。この計画は2011年からということですので、今後、このガイドラインに沿った形で県下各地域、それぞれその対策が違うみたいですね、このガイドラインを見てみても、藻場の形成過程、季節、そして藻の種類によっても違うということで、その地域地域でまた違うわけでしょうし、そういった対策の中でこのガイドラインに示すような中での対策というのを今後この計画でやっていこうとしておられるわけですから、その取組状況をスケジュール的なものを含めてお知らせいただきたいと思います。
◎柳村資源管理課長 今般、皆様に配付いたしましたガイドラインは、総合水産試験場がメインとなりまして、これまでいろいろな取組をしてきました。これのガイドラインはあくまでも技術的な部分から、地域地域で取組方が違うんですけれども、こういう手法があるんだということで、全部まとめたものでございます。
 片一方で、現実的にどういう取組をやっているかと申しますと、ハードの方は漁港漁場の方で、昨日からお話もあっていましたけれども、いわゆる魚礁、増殖場のほかに藻を生やす、母藻をきちんと生やすようなブロック、こういうものを入れているところでございます。
 これに伴って、ハードでブロックを設置するだけでは、このガイドラインにも書いておりますけれども、それだけではなかなかうまくいかないということで、公共事業の中に1年限りですけれども、ソフト部分も組み合わせて、いわゆる食害対策、こういうものも取り込めるようなことをやっております。
 このほかのソフト的な事業といたしましては、国と県と市町で100%の交付金を、そういう藻場対策に取り組む方々にグループを組んでいただいて、そのグループに交付金としてお渡しして活動していただこうというものがございます。これが環境生態系保全活動ということで事業をやっております。現在、大体35地区、1億円ぐらいの交付金事業を今このソフト対策で藻場、それから干潟、こういうものに対する交付金、何でも取り組んでいただいて結構ですという交付金事業がございます。
 離島部におきましては、ご存じの離島再生交付金、この事業は例えば種苗放流、藻場対策、何でも集落ができるような交付金ですので、離島部においては、こちらの方で藻場対策も集落ごとにやっていただいている地区があるということでございます。
 こうしたソフト対策が近年では非常に大事だということが言われています。水温がかつてに比べると随分上がってきました。こういうことでアイゴとか、ブダイとか、南方系の魚が入ってきて、冬場でも活動できるような状況になっておりますので、なかなか海藻が大きく育たないということでやっておりますので、もう一つは南方系の海藻というものが長崎県内にも入ってきております。こうした春藻場という話の中でやっているんですけれども、これを総合水産試験場、我々それから地元を指定して、モデル事業を今やっているところでございます。こういうものを、今1箇所でやっておりますので、来年度以降、これを数箇所に増やしてやっていこうというような計画も今もくろんでいるところでございます。
◆陣内委員 総合水産試験場長からも報告があろうかと思うんですが、環境が変わってきて南方系の魚が入り込んできているということですけれども、いわゆる生態系が変わってきているのだろうと思うんですが、南方系の藻をそこに活着させる事業そのものについてはあってもいいのかもしれないけれども、生態系を壊す要因になりはしないか、助長することになりはしないかと思うんですが、そこら辺はどうなんですか。
◎田添総合水産試験場長 今のお答えをする前に、先ほどの藻場造成について、まず説明をさせていただきたいと思います。ガイドラインに当たりまして現状をご報告させていただきたいと思います。
 昭和60年ぐらいから磯焼けという現象が出てきたんですが、水温が上昇したというお話がありましたけれども、特に1998年、平成10年ですけれども、この頃から急に水温が上がっております。この頃からアラメ、カジメ類が大幅に衰退しています。これはアワビ等の餌になるものです。もう一つは、先ほど出ました南方系種の分布が北進している。さらに、近年では、先ほども出ましたけれども、通常は周年生えるんですが、春しか生えない春藻場という藻が出ているということが現状でございます。
 我々も最初は、アラメ、カジメ類を造成しようとか、四季藻場を造成しようということでやってきたんですが、どうしてもうまくいかないんですね。これはやはりもう環境が変わってきているということで、今回のガイドラインにおきましても、まずは現場をよく調査しましょうと。その環境にあった対策をしましょうということです。原因としまして、一番大きいのは、ウニとかアイゴによる食害でなくなる。それから海藻の種がないということでございますので、現場海域をまずよく調査して、まず最初はウニとか、マキガイとかを駆除するんですね。それがいる限りはずっと同じことですから、まず駆除します。次にはそこに合った海藻を投入すると。今まではアラメ、カジメだったんですけれども、先ほど言いましたように、ホンダワラ類、それから現在、南方系のホンダワラ類も北上していますので、それを投入します。そういったことでこのガイドラインに2箇所成功事例として書いているんですけれども、大瀬戸地区では春藻場ということで一応成功しています。それから、野母崎地区では四季藻場がちょっと残っていたので、それを拡大することで成功しております。こういったものを、先ほど資源管理課長が言いましたように各地に広げていきたいということです。なおかつ今、昨年度から5ケ年間で1ヘクタールの藻場造成をしようということで、そこでまたいろんなノウハウが蓄積されますので、それを広げていこうと考えております。
 先ほど、生態系への影響というお話がありましたけれども、我々が現地で調査している限りでは、海自体がもう変わってきていますから、それを繁茂させることによって悪い影響はあっておりません。逆にプラスの効果としましては、例えばウニなんですけれども、今、たくさんいるんですけれども、実入りがなくて商品にならない。これが移植することにより実入りが増えて1.6倍になって商品になったという事例もございますので、こういったことをやることによって、単に藻場を造成するだけでなく、そこにいるウニの商品価値を上げる。それから、サザエの餌としての下草として、小型海藻も生えますので、そういったものの餌になるということで、今まで負のスパイラルだったんですけれども、これをプラスのスパイラルに変えていきたいということで取り組んでいるところでございます。
 そういった中で、今後の取組としましては、継続性が大事なものですから、ずっとウニを駆除しなければいけないですね。ウニを駆除するだけだとお金がかかって、なかなか高齢化の中では難しいということで、ウニの有効利用ができないかとか、そういったことを現在考えております。
 それから、漁業者だけだと高齢化しておりますので、地域住民の参加とか、そういったことをやっていかないと継続ができませんので、いろんなノウハウ、技術を開発しながら、それを皆さんに広げていって、継続していい藻場をつくっていきたいと、そのように思っております。
 ちょっと長くなりましたけれども、以上でございます。
◆陣内委員 ありがとうございました。
 すばらしい形で、指導もしながらされているんだろうと思うんですが、先ほど資源管理課長から報告がありました。いわゆる藻場造成という形での交付金措置でそれぞれの地域に出しているということですけれども、35地区と言いましたけれども、その35地区の指導には行かれているんですか。
◎柳村資源管理課長 この活動組織は11市町、35地区ですね。先ほど全部の総額が1億円と申しましたが、申しわけありません、約2億円です。1億8,000万円ございます。
 こういうところには、いわゆる協議会というものを関係市町と県でつくりまして、その協議会の中で、どういうグループに対して指導していくか、それから、集落ごとに取組は違うんですけれども、その集落の優良事例というものを紹介しながら、そのグループの中に広めていこうということでグループを集めての研修会をやっております。
 それから、我々の現場組織として水産業普及指導センターがございますので、こういうところがそういうグループの活動に向けて連携しながら取り組みをやっていく、もしくは指導、助言するというようなことを随時やっております。
◆陣内委員 本当に大変ですけれども、ぜひ特に水産業普及指導センターに頑張っていただきたいなと思っております。そういう体制を指導監督、あるいはいろんなアイデアを出しながらやっていけるような体制づくりが行政側も必要だろうと思いますので、ぜひ充実していただきたいと思っております。
 それから、これにもかかわっていきますけれども、次の質問ですが、いわゆる前回も質問させていただき、答弁の中で西彼地区に事例があるということをお聞きしたんですが、要するに山づくりですね、「海づくりは山づくりから」というキャッチフレーズで東北の方で運動が起こりました。それが全国に及んできているということを聞いていましたが、長崎県の場合はそこまでまだ聞こえてこないと。ただ、西彼地区の方でちょっとやっているみたいな話を聞きましたけれども、このことについては、その磯場を守るためにもやはり山づくりは必要だという中で、長崎県の場合はどういう状況か、改めてお聞きしたいと思います。
◎柳村資源管理課長 東北、北海道から始まりました漁業者による植樹活動は、長崎県内でも数箇所ですけれども、現在も続けられております。
 実はこの植樹事業につきましては、先ほどの藻場の関連で、植林に関しても水産部でかつて補助金を持っておりました。
 ただ、現在は、森林環境税が創設されました。ということで、平成19年度からはこの森林環境税をベースにして、現在、長崎県民参加の森林づくり事業というのを農林部の方でやっていただいております。この中にすべてを統合して、こういう漁業者がやる植林活動についても、こちらの環境税をもとにした事業の方でやっていただくということに今はなっております。
 この長崎県民参加の森林づくり事業というのは、第1期が平成19年度から平成23年度までの5箇年間、それから今年度からまた5箇年間で続くということをお聞きしております。
 大体年度ごとに50団体ぐらいが、平均すればこういう森林づくり事業をやっていらっしゃるんですけれども、平成19年度から平成23年度までの間で、いわゆる漁業者が参加して行った、もしくは漁業に貢献するだろうという森林づくりは、実は5地区しかまだございません。これが佐世保市で2箇所、それから新上五島町、対馬市、平戸市、以上5地区でございます。
◆陣内委員 ありがとうございました。
 そういうふうにだんだん広がっているということであれば、そういうのももっともっとPRしてやっていただければ、地域にさらに広がってくるし、また地域の住民の人たちもそういうことにボランティアで参加したいという方もおられるだろうと思うんです。そういう意味で、県が進めている施策をどんどんPRすることも必要だと思いますので、ぜひそういう観点から動いていただきたいと思います。どうもありがとうございました。私の質問はそれだけです。
◆溝口委員 もう一項目残っていたと思いますので、地産地消については、昨日、水産加工・流通室長から詳しく答弁をいただきましたので、そこは避けていきたいと思います。
 漁協合併についてですけれども、合併基金を設立してずっと合併を進めてきたと思うんです。その中で成果がずっと上がってきたと思います。今回、上五島漁協と飯ノ瀬戸漁協が合併して69に集約されるということでございます。県の基本計画の中で、合併等については最終的に幾らになる予定だったのですか。25漁協でしたか、50漁協でしたか。
◎山田漁政課長 平成27年度に50漁協にするという計画をつくっております。
◆溝口委員 一応50漁協ということで計画を立てて、もうあと何年もないわけです。その中で小規模漁協というのがかなり出てきているんじゃないか。特に、正組合員が20名を割ると漁業協同組合を解散しなければいけないという事態になってくると思うんですけれども、その中で正組合員が50名を切っている組合がどれだけあるのか、答弁をお願いいたします。
◎山田漁政課長 正組合員が50名を切っているところは11漁協でございます。
◆溝口委員 今、正組合員については、水産庁の厳しい指摘によって、漁協の中で規則が取り決められて、法的に厳しくやっていきなさいということになってきているわけです。今から先、高齢者が多くなってきます。最低でも90日以上、また漁協によっては120日以上の従事ということになっているわけですけれども、この2〜3年の間に20人を割るような漁協がかなり増えてくるんじゃないかと思うんですけれども、その辺についての合併の指導というのをどのようにしていくのかなと思っているんです。それは、合併基金がですよ、来年か今年度かで解散をしなければいけないという、県の方が出資金を引き上げたんですよね。それで基金の方がなくなった状態の中で合併が進められていくのかどうか。特に、小規模の合併ということになると、解散までならないうちに合併をしていかないと、漁業権の問題が出てくるので大変じゃないかと思うんですけれども、その辺の指導について、今後どのようにやっていこうと考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。
◎山田漁政課長 漁協の合併につきましては、特に委員がおっしゃったとおり、正組合員が少ない小規模漁協と言われるものにつきまして特に合併を進めていかなければいけないと考えておりまして、特に正組合員70名以下の小規模漁協、これが現在、漁協の約3割、19漁協ございます。これらを中心に合併を進めていきたいと考えております。
 現在、県内で6地域ほどが合併の取組を進めておりまして、そのうち3地域は合併を検討する組織をつくって、今検討しているところでございます。
 県といたしましても、系統団体、県漁連、あるいは信漁連と一緒になりまして、あるいは市町と一緒になって、まずは合併を進めますけれども、合併を進める組合の中で、事業を一緒にやっていくことによって合併につなげていくとか、そういったことを進めながら合併を推進していきたいと考えておりますし、漁協の検査をやっておりますので、そういった中でも各単協に合併の必要性を説明しながら、合併を進めていきたいと考えております。
◆溝口委員 合併というのは、漁協の形態がそれぞれ違うので、なかなか難しいところがあるんです。しかしながら、今回、水産庁がそのように正組合員としての厳しい通達をして、それをやっていくということになれば、漁協間で正組合員としての考え方というのが少しずつ違う部分があると思うんですけれども、県の方としてやはり正組合員に対する90日とか、120日というのをかなり厳しくチェックをしていかなければいけないと私は思うんですよ。厳しくチェックしているところと、していないところでは組合員の数が、もしかしたら、正組合員の資格を満たしていない人を正組合員として漁協を存続させている部分もあるんじゃないかと私は思うんです。この際、ある程度合併を進めて、平成27年度までに50漁協ということで計画を立てているわけですから、そのように20人を割るような漁協については、ある程度県の指導として厳しく話し合いをしていくような形をとっていかないと先に進んでいかないのじゃないかという気がするわけですけれども、正組合員のチェックを県としてどのように行おうとしているのか、聞かせていただきたいと思います。
◎山田漁政課長 正組合員の審査といいますか、チェックに関しましては、先ほど申しましたけれども、常例検査を2年に1度漁協に対してやっておりますので、そういった中でしっかりと資格審査の状況を検査いたしまして、その定款に基づく組合員の条件を満たしているか、こういったものをしっかりと指導してまいりたいと考えております。
◆溝口委員 常例検査は、今、2年に1回漁協に入っていると思うんですけれども、その時に厳しくチェックして20人を切るような形になったら大変なことなんですよね。だから、その辺については、県の方としてそういうチェックをする前に、どうしても20人を切るような漁協については積極的に指導して合併を進めていかないといけないのではないかと私は思うんですけれども、その辺についての考え方はいかがでしょうか。
◎山田漁政課長 70人以下の小規模漁協につきましても、当然、30人、40人という漁協も、20人台の漁協もございますので、そこはもう早目早目にそういった漁協に対しまして指導といいますか、合併に向けての説明もしながら対応してまいりたいと考えております。
◆溝口委員 やはり合併はあんまりしたくないというのがそれぞれの漁協の本音だろうと思うんですが、このように正組合員が減少してくるということになれば、合併というのも仕方ない部分になってきていると思うんですよね。だから、地域で大きな形での合併というのはある程度考えていかないと、特に50人を切っている漁協が集中している地域があると思うんですけれども、そのような形では全体的な話し合いを持ちかけて、一つの漁協にしていくという形をとった方がいいのではないかと私は思うんです。
 ただ、30人とか40人とかいる漁協があるかもしれませんけれども、例えば70歳以上が何割以上とか、そういう漁協がかなり出てきているのではないかと思うんです。その辺については、厳しいというより、漁協を存続して漁業権を守っていくためには合併しかないという形を、それをしてやらないと、今度は残っている正組合員の方々が漁業を思うとおりにできていかないという形になってくると思いますので、その辺については、今後、漁協の皆さん方と話し合って、できる限り合併を進めていただきたいと思っております。
 特に私が心配するのは、今度合併基金が廃止になるということで、誰が中心的に合併を指導していくのかという、先ほどは県と信連、漁連と一緒になってという話でしたけれども、県の方は今回基金がなくなったので外れてしまったんですよね。だから、その指導は漁連が中心となるのか、信連が中心になるのかわかりませんけれども、私は県の指導を強化していかないといけないのではないかという気がしてならないんですけれども、その辺についての考え方を聞かせていただきたいと思います。
◎山田漁政課長 委員の方からも全体的に合併を進めていくべきじゃないかという話もございました。県といたしましても、今年度から小規模漁協合併支援事業におきまして、市町が設置する漁協の機能強化検討委員会に対しましても支援をしていこうと考えております。そういった地元の市町、あるいは県、そして系統団体、こういったところが一緒になって小規模漁協の合併につきまして支援をしてまいりたいと考えております。
○山田[博]委員長 今、事前通告の質問が終わったのは、高見委員、陣内委員、高比良(末)委員、溝口委員が終わりました。
 ほかの委員の皆さんの質問をお願いします。
◆馬込委員 私は、資源管理に対する取組についてだけ質問します。
 これまでの水産部の予算は、資源管理に力を入れるよりはハード面が非常に多い。先ほど、溝口委員が漁業協同組合の合併を言っていたけれども、世代交代を考えると、50歳から下というのは組合員全体でそんなにいないと思うんです。そうすれば、10年、20年後の漁協のあり方というものは、おのずとある程度の想定ができる。そういう中で資源管理をどうやって進めていくのか。根付け漁業については昨日からいろいろ議論されているから、それほど心配はないと思うんだけれども、やっぱり資源管理を長崎県だけでしても全く効果は出ない。まして後継者をつくっていこうといったって、そんなに簡単に後継者が出てくるわけがない。
 所得を増やす、あるいは漁業者の現場の環境をよくしていくという点から言っても、資源管理がどこまで行われるのかということに非常にリンクしてしまっていると。
 全てがそうじゃないかと思うんだけれども、今後、その資源管理のあり方について、明確な方向性を出さなければいけないと思います。水産部のホームページをチェックしても、後継者対策、あるいは漁師になるためにはどうすればいいかということは書いてある、所得を増やすためにこういうことにも取り組んでいますということを言っているけれども、所得は一向に増えない。
 昨日から言っている養殖の問題にしてもそうなんだけれども、マグロの養殖にしても完全養殖がほぼめどがついたといったところまではきている。ウナギもそうだけれども、なかなかそれが実用化までいけるかどうかというところなんです。やっぱり養殖については、力を入れていかなければならない分野ではあると思うんです。
 だから、資源管理がなかなか厳しいということであれば、海上養殖、陸上養殖、どっちにしても、生産を強化していかなければならないというのは当たり前だと思うんです。やっぱり若い人たちが参入できるような環境整備、まずは養殖関係でどこまでやれるのか。設備投資が非常に大きい。そして、経営が成り立つまでのランニングコストもなかなか厳しいということで、全くのど素人が金もなくてやれる、そういう分野ではないということから考えると、養殖について大手が五島にも入ってきているけれども、やむを得ない部分はあると思うんです。
 まき網関係者が将来性を考えた時に非常に厳しいというのもあるので、そういうところの法人企業を養殖の方に向けてやるとか、そのための支援を、水産部としてはこれまでハード整備に突っ込んでいた金をそちらの方に向けていくとか、何かしないと、今までのようなやり方をしていたら同じ結果しか出ないのではないか。そのことについては水産庁ともよく協議して、今までのようなやり方をしていたら、漁業は、対馬暖流の方を向いているところはもう完全につぶれてしまうよ。
 三陸沖なんかは、今はサンマの盛漁期だけれども、韓国漁船も中国漁船も昔は行っていた。全部けったくった。だから、中国・韓国も捕りに行きたいけれども、入れない。そういう資源管理というか、漁業管理というか、そういうのが太平洋側はしっかりできている。
 だから、そういうことを考えた時に、長崎県の本当の漁業のあるべき姿、あるいは方向性を考えた時には、資源管理のあり方と、それが徹底するまでの間、養殖をどうやって支援していくのかというところを明確に方向性を出すべきじゃないかと思うんだけれども、その点についてはどういうふうに考えていますか。今後の漁業の方向性。
◎柳村資源管理課長 昨日もお答えしましたが、馬込委員がおっしゃるような意味でいくと、今の漁業体系をどう考えていくかというのが基本にないと、なかなか難しい話が出てくるかと思います。
 現状の水産庁の姿勢からいけば、今の漁業権、もしくは許可制度の維持というものをやっております。一部の学者の方から言われている、いわゆるノルウェーみたいなIQ、ITQ導入というところまでの考えにはまだ至っていない。
 我々水産部というよりも、私個人として考えた時に、そのIQ、ITQを本県に導入した時にどうなるかと考えますと、やはり大規模への寡占化というのが進んでいくんじゃないか。そうなると、いわゆる離島漁業の集落というものがどうなっていくかというのは非常に危機感を持つものでございます。
 したがいまして、現状、水産庁が向いている、今までの漁業権、許可漁業というものをしっかり管理していく、今の制度というのがございます。
 先ほど馬込委員からもありましたけれども、本県の以西底曳網漁業、それから大・中型まき網漁業はかつてピーク時から言えば、非常に少ない数に減っております。ただ、現状から申せば、今の減った状態の以西底曳網、それからまき網漁業というのは、採算ラインと言われるところを1カ統当たりペイできる状況まで今なっております。これは許可統数がある程度絞られてきたということもあろうかと思います。そういう意味で言えば、知事許可漁業が現状で5,000件から6,000件ございます。全ての許可漁業というわけにはいきませんけれども、この許可統数が本当に適正なものかどうかという意味から言えば、こういう許可統数を今後もう少し下げていくということもトータルな意味での資源管理に結びついていくのではないかというところはあろうかと思いますので、こういう許可制度のあり方そのものを、もう少し根本的に検討をしていきたいと考えております。
◆馬込委員 TAC制度の中でオリンピック方式でやっているから、早い者勝ちで捕ってしまう。本当にTAC制度も活かされているのかというようなところもあるんだけれども。例えば今、資源管理課長が言われたIQとかITQとか、ヨーロッパがそれを主力で推し進めています。成功しているところは、それを具体化し、漁民と国が一緒になって進めているところがみんな成功している。逆にそれをやっていないフランスとかスペインはうまくいっていない。日本と同じような水産業の状態ではないかと思うんです。
 例えば20年後、30年後の漁業のあり方と、今投資しているものの積み重ねが20年、30年後の漁業をつくっていくことから考えれば、韓国にしても中国にしても、今のような漁業体系をやっていたら水産物は完全に輸入に頼らなければならなくなってしまう。台湾にしても同じ問題を抱えていると思いますよ。
 そういうことを考えた時に、長崎県の若い人たちが漁業に参画、漁業の中に入っていって生活していこうというような魅力ある漁業に育てていくためにも、やっぱり成功したヨーロッパの漁業というものは参考にしなければならない。ああいう形にしかならないのではないかと思うんです。もっと突っ込んだところで長崎県の目指すべき方向性というものをアピールしながら変えていく努力をしていかなければならないのではないかと思うんです。
 今は60歳前後から上の人たちがほとんど漁協の役員をしている。その人たちが10年経って70代になって70代の人たちが役員をしている。10年経ったら、そのころには組合員数は激減している。組合そのものも経営が成り立たないよ。職員を片っ端から首にしないといけないようになる。そうしたら漁業を本当にどこで支えていくのか。支える人たちまでいなくなってしまう。市場だってばんばんつくっているけれども、その市場そのものを支えきれなくなる。そういうことを考えた時に、同じことを繰り返してやっていたら本当につぶれてしまうよ。そういうところは部内でどういう話し合いをし、そして新しい政策、新規政策を立ち上げる時に、どういうふうな協議をされて予算化されているのか。来年も数百億円の予算を計上するだろうと思うけれども、20年後、30年後の長崎県の漁民が求める、あるいは県民が求めるような水産業の姿に近づくような方向に行くということなのですか。
◎荒川水産部長 今、馬込委員が言われたとおり、このまま放置していけば、何の施策も打たなければ、本県の水産業というのは非常に小さくなっていくものと思っております。
 私どもは施策を考える時に一番基本として、水産業の振興と漁村社会の維持活性というところを考えております。
 先ほど資源管理課長からご紹介がありましたTAC制度の中のIQとか、ITQの導入ということをいたしますと、これは水産業の振興という一つの面から考えると非常に有効な手段かもしれませんが、私どもがお聞きしている中でも、そうすると、零細な漁業者が減少していく可能性があると。実際にヨーロッパでもそういうことが起こっているのではないかという意見がございまして、そうなると、漁村社会の適正な活性化というものがマイナスになる。
 私どもは、漁村というのは非常に多面的な機能を持っていると。水産業によって良好なたんぱく質を国民に与えるということ以外にも、そこに住んでいただいて漁業をすることによってその地域を守っているということもあります。それから、都会の方々が来ていただくことによって、都会の方々に対してもメリットを与えるということがありますので、水産業の振興だけに寄与すると考えられるような施策はなかなか難しいと思っているところです。
 ただし、資源の管理というのは、昨日もご答弁させていたただきましたけれども、水産部の施策を打つ上で非常に重要になってくると思います。そうすると、水産業の資源を管理しながら、漁村をどうやって維持していくか、活性化していくかということを考えた時に、これも今馬込委員からご紹介いただいたとおり、漁業で働いている就労人口を漁村地域にどうやって残っていただくかということが重要になってくると思いまして、そのためには加工とか、それから養殖業、これを当面は振興しなければならないと思っています。
 それともう一方、資源を管理するということは漁獲量の増大を望まない、なかなか難しいということですから、その中で漁業者の収益を向上していくためには、販売方法、流通方法を改善しなければならないということを考えておりまして、流通、販売によって魚価を少しでもアップすることによって漁業者の手取りを上げていく。そうすることによって漁業者の収益を向上しながら、資源を守りながら、漁村地域に漁業者が住んでいただけるような体制を整えていきたいと考えて、今までも施策を考えてまいりましたし、事業をつくる時にもそういうことを考えてまいりました。
 ただ、ここまで言ってなんですけれども、まだお恥ずかしいのは、昨日も申しましたように、では、そういうことをやっていって魚は増えているのか、漁業者が増えているのか、漁船が増えているのかというところについては、それはできていないということが現状でございますので、まだまだこの努力は続けさせていただきたいと考えているところでございます。
◆馬込委員 部長、そういう話は20年前の部長答弁ですよ。繰り返し、繰り返しされている部長答弁であります。それは議事録を読んでいただければ十分わかると思うんです。
 漁村社会というのは、私も漁村に住んでいる人間の一人としてよくわかっているんですよ、漁村の意味というものは。それは農村も全く同じですよ。
 ところが、水産加工にしても、私も加工を一時期目指してやろうと思って水産加工場に何箇月間か通った。水産加工の機械も修理も何でもできるぐらいになってやろうかといった時に県議会議員に立候補して、そこで終わったんだけれども、水産加工というのは、確かに魅力のある産業ですよ。入ってみてよくわかる。そして、傷物の魚を、本当にそのまま出したら値段のつかないような魚も加工することによってしっかりと商品化できるという点では非常に魅力のある、そして価値を生み出し、漁村社会そのものを活性化していく、そういう産業であるということは十分わかっているんですよ。
 では、加工に取り組むためにどうするかといった時に、原料を提供する漁協との問題とか、あるいは販路をつくる時の問題、いろんな問題が絡んでくる。そういうものを整理しないと、一般の人たちが入っていってやれるかといった時に非常に厳しいわけですよ。それは十分わかっていると思うんです。そういうところも整理しなければ、漁村社会を活性化するために水産加工場を津々浦々につくってやろうかといったって、それは現実できるのかという話になるわけですよ。
 養殖にしてもそうです。今、宮城県が漁業法の見直しまで踏み込んだ発言をしている。それは確かに今の入会、浜の現状というのは、ほとんどコンクリートでやられてしまって、誰も浜におりる人間はいなくなった。そういうことから考えると、時期的にもそういう時期なのかなと。水産業を支える漁村そのものが、漁業法が述べているような姿ではないというのもある。
 そういうことから考えた時に、目指すべき水産業の姿というのは、これまでの延長上にあるのではなくて、もうそろそろそこら辺で考え方を変えていくべき、そういう時期にきているんじゃないか。
 例えば漁船漁業のあり方、資源管理をすることによってどうなるのか。規模的にヨーロッパの小さな規模の国と比較できる状況ではないけれども、日本の方は少なくなったといっても、本当に資源管理した時に、今漁業をやっている人たちが全てみんな豊かな生活をできるかということについては、まだ少なくならないと。サイズが大きくなると、少なくなった漁民で今の漁獲高はカバーできるというのは計算的には成り立っていると思います。
 ところが、それを目指すべき政策が全く違う政策を積み重ねていったって、そこには全く届かない。届くようにするためにはどうするのか。それが若い人たち、あるいは小学生、中学生が魚の三枚おろしを家庭科でやったとしても、それが漁業に結びつかない。おもしろいなと、水産業に方向性を切らせるぐらいの魅力のあるものにするためには、やっぱり変えるべきではないかと、私は夢と希望のある水産業にすべきだと思うんです。
 さっき部長が答弁されたことは、恐らく同じ質問をしたら、去年も同じことを言っていたと思うんです。それで本当に若い人たちが水産業を目指すか。そこにいる皆さん方が県庁を辞めておれは漁師をやると言う人が半分ぐらいいたらわかるよ。部長の言うとおりだと、おれは県庁の職員を辞めて漁師をやると。中古漁船だったら、退職金に借金したら何とか買えるよと、漁業をやるという人たちが半分以上いたらそれはわかる。誰一人いないと思うよ、今、県庁を辞めて漁師をやる人は。県庁を辞めてでも漁師をやりたいというような政策でないといけないと私は思うんですよ。どうなんですか。
◎荒川水産部長 確かに、ただいま答弁させていただいたことは、去年もきっと同じことを言っております。
 これをやれば水産業が魅力ある、漁村地域が活性化するという、一つのことでやれるような事業なり、施策なりを水産部の中で考えついていないということはもうそのとおりでございまして、私ども今の水産業が置かれている困難な立場、これを克服するために先ほど答弁させていただきましたような施策を、課題はございますけれども、一つずつ解決していかなければならないと思っております。ただし、これで満足するのではなくて、国の方からも情報を得ながら、どのような形をしたらいいのかということを、今後とも部内でも検討いたしますし、また、国を含め、関係団体ともどのようなあり方がいいのかということを、馬込委員からのご指摘も踏まえまして、今後とも十分考えてまいりたいと思います。
◆馬込委員 部長、一つ間違えている。国の指導はもらわなくていい。国に長崎県の情報を上げると。国は、部長よりもっとまずい答弁をしているんです。何も問題ありません、これで結構ですというようなことを水産庁はやっているんですよ。だから、国の言うとおりにしたら、さっきの部長答弁は二重丸ですよ。国の政策が間違っているからこうなっているんです。だから、国の指導はもうやめてくれと、長崎県は聞くなと、金だけもらってこい。
 国の指導は、国会で水産庁の職員がどういうことを答弁しているか、あるいは昨日から言っている大日本水産会なんかでも現状を容認しているんですよ、現状の漁業政策を。今の現状の漁業政策を容認していて、新しい人たちが出てくるわけないですよ。部長が言ったように、所得を増やすと言うけれども、そんなに簡単じゃないですよ、所得を増やすのは。それができていたら今よりもうちょっと豊かになっていますよ。
 だから、部長、もうちょっと政策を切り替えて、長崎県は現場を抱えているんだから、水産庁なんかの職員は入った時だけですよ、現場に2〜3箇月行って勉強するのは。あとは現場から離れてしまう。そうですね、参事監。
 だから、現場を持っているところが強いんだから、水産庁に情報を提供して、漁民が高齢化して若い人たちがいなくなってくる。どうやって水産業を支えるのか、今の政策ではだめだと、方向性を変えろというぐらいのことは上げていかなければならない。国の指導をいただいて云々というのだけは、部長、それだけは私は認められない。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
◆野本委員 非常に高度なご質問のあった後でございますけれども、通告しておりました試験捕鯨船「日新丸」の本県寄港誘致について、現況と取組についてお尋ねします。
 水産庁の考え方等々を含め、そしてマスコミでも「南極海調査捕鯨、今期見送りの検討をしている」という報道があります。一つには日新丸が老朽化しているということで大改修をしなければいけないという問題もあるということであります。しかし、この試験捕鯨については、反捕鯨国等々含めていろいろな問題がありはするけれども、我が国としては今後10年は調査捕鯨を続けられる体制にしたいと考えているということもあるわけでして、この辺の問題について、過去に私はこのことについて質問した経緯もあるわけですけれども、その後も含め、現況はどのようになっているのかお尋ねいたします。
◎柳村資源管理課長 まず、「日新丸」の件ですけれども、新聞で報道されているとおり、非常に老朽化をしているということで、どうも国の事業を用いて新船建造をしたいという意向が日新丸の方にはあるようでございます。
 その前に、日新丸の寄港について、平成8年、それから平成14年、長崎港に入っていただいたわけです。また議会の方からも、平成20年に長崎港に入港してくれないかということで、平成20年3月に要望書を国の方に上げたところですけれども、実は平成21年度に下関寄港を最後に、現在もうこの持ち回りでの寄港というのは行われておりません。
 これは、いろんな環境保護団体の妨害活動で計画どおりの寄港が難しくなったということ、それから寄港によって一般公開のところにこういう反捕鯨団体の方がいらっしゃる、こういう妨害活動が懸念されること、それから、こういう寄港事業の実施に関して相当のお金が要るということ、この3点でもって、平成21年度から全国持ち回りでの寄港は行われていないという状況のようでございます。
 先ほど、私が日新丸の新船建造と申しましたけれども、どうも大幅な改修を行うということのようでございます。ここだけ訂正をさせていただきます。
 今後、こういう寄港事業が再開できるかどうかというところについて、日本鯨類研究所にお聞きしたんですけれども、現在のところ、先ほど申し上げた理由によってなかなか再開を考える状況にないということでございまして、この寄港が今後できないのではないかと考えております。
◆野本委員 そういう今の答弁について、私もこのマスコミの新聞記事を読みながら、今の意味はわかるんですけれども、ただ、調査捕鯨に向けてじゃなくて、商業捕鯨としての取組についてのことを盛んに日本は、我が県もそういう陳情、お願いをしてきた経緯もあるわけです。これはもうかる漁業の方に入ると思うんですよね。
 そしてまた、長崎は、過去に日新丸が寄港して、非常に評判を得ています。他県でやったら在庫が合わなかったとか何とかということで問題があったけれども、長崎県だけは、持ってきた物を販売かれこれしても、最終的に数字がきちっとしていたということで、長崎から遠く鯨を食している地域に持っていくわけですから、輸送の時間はかかるんですけれども、そういうことも含めて非常に長崎県は優秀だったと、その時点ではそういう話も聞いてきたわけです。今の状況で、これは国が動かないといかんことですが、しかし県として今後の取組について、流れとして、今の段階では、マスコミによると、合理化計画を第三者が審査する中央協議会が今日行われる予定であるという記事が載っております。この調査捕鯨等ではなくて、商業捕鯨に向けてはもっともっとハードルが高いような気がするんです。本県は、五島の有川を含めて、鯨に非常にゆかりのある県でありますから、何とかして残せるか、あるいは続けられないかということを思いながら、過去に質問した流れの中で、その後全く行政側からそのことについて現況はこうなっておりますという報告もなかったものですから、あえて今回議案外の質問に挙げたわけです。
 今の答弁は、マスコミの報道と一致するところもあって、そうなのかなと思いますけれども、それではそのままでいいのかという問題を私も危惧するところでありますので、その点、もう一回、資源管理課長のご答弁をお願いします。
◎柳村資源管理課長 調査捕鯨そのものについては、商業捕鯨が再開できるかどうかの見通しは別にして、調査捕鯨については捕鯨にゆかりのある本県ですから、こういう調査捕鯨を今後もぜひ続けていただきたいという部分と、これとは別に、日本国内で許可を受けて捕鯨を受けている地域が5地域ありますので、こういう反捕鯨団体の圧力に屈しないということは非常に大事だというふうに我々も思っております。
 ただ、こういう寄港に関しては、日新丸がちょうど改修に入るだろうという予想もつきますし、日本鯨類研究所、国等も財政が非常に厳しいというところがどうもあるようでございまして、再開の見通しは非常に暗いという印象しか受けておりません。
 ですから、こういう南極海調査捕鯨船の全国各地への寄港が今後本当に再開できないのかどうか、折を見て、また確認をしていきたいというふうに考えております。
◆野本委員 これ以上お尋ねしても堂々巡りじゃないかと思いますが、なんかこの捕鯨船の寄港を含めて、これからの長崎県は、特に鯨と言ったら今のところは高級食材で、我々もいろんな会に呼ばれても、鯨が出るところは本当にわずかです。だから、それにあうとすぐなくなる、一番先になくなるということで、非常に長崎県は鯨とのつながりは深いわけですから、今の資源管理課長が言われたことについて、今後、厳しい問題があるかもしれないけれども、これは黙っておってはどうにもならないので、やはり行動する、そういうことを怠ってはいかんのではないかと思いますので、これからもそういう方向に向けて、そしてまた、その段階でのご報告も賜りたいと思います。
 次に、地球温暖化による魚類の生態系への取組について、これは昨日もちょっとテレビで出ておりましたけれども、海水温がずっと高くなって、北海道関係の魚類が南下してきているということもありました。これは長崎県だけの問題でもございません。しかし、そういうことはやがて、もちろん長崎近郊の魚がずっと台湾の方にくだっていくということになるわけですから、こういう問題について、本県での取組はいろいろ考えて、資料の中にも環境生態系保全活動支援事業ということで県内35組織が活動しているということですけれども、これは県内にとどまることじゃなくして、県外、他県との協働ももちろんやっていると思うんですけれども、この辺の流れ、つかみ方というのは、非常に難しい問題でありますけれども、しかし、やがてそういうことが現実的になると。もう想定外ではなくて、想定内でいかなくてはいかんところに来ているのではないかと思いますので、その辺の現況と今後の取組についてお尋ねいたします。
◎田添総合水産試験場長 今、ご指摘がありました温暖化は、全世界的な問題でございます。
 長崎県周辺海域の現状等をまず申し上げたいと思いますが、気象庁のレポートによりますと、東シナ海北部海域の海水温は、ここ100年間で1.3度上昇しています。これは全世界の上昇約0.5度に比べてかなり大きいということでございます。
 本県の周辺で過去20年間、沿岸、沖合の水温を見ますと、五島灘におきましては表層が0.4度プラス、それから中層が0.3度上昇、それから五島西では表層が0.3度上昇、中層が0.1度上昇ということで、かなり上昇してきております。この0.1度、0.3度というのは、やっぱり生態系に与える影響も大きいと言われております。
 本県の変化はどういうことかといいますと、ポイントを申しますと、魚類では分布域が変わってきております。例えばサワラとか、ゴマサバが北上しまして増加しております。
 それから漁期が変化、クロマグロの子どもであるヨコワの漁期が遅れて短縮しております。9月から12月だったものが10月から12月に変わっております。それから、ケンサキイカも漁期が遅れる、こういった影響が魚類に対しては出ております。
 それから、藻類につきましては、先ほど陣内委員のご質問にお答えしましたけれども、南方系の海藻の北上、それから食害の増加等々がございます。
 長崎県だけではなくて、佐賀県、福岡県、山口県等の情報も得ているんですが、同様の傾向があります。
 それで、本県としてどのように取り組むかということでございますが、現在、我々は水温等の海洋観測、資源調査をやっております。
 それから、本県漁業者からの各種情報、どんな物が捕れているか等を含めまして情報を得ております。それから他県、他機関からも各種情報を収集しておりまして、これを継続して、より綿密に収集していきたいと思います。
 この中には、何か新たに利活用できる資源がないだろうかという視点も含まれております。ただ、残念ながら今のところはこれといった資源は出てきておりませんが、そういった視点も含めております。
 こういったことで得られた知見や情報は、すぐさま漁業者に使いやすい形で、漁期とか、漁場がずれますので、そういったものを速やかに、より正確になるような形で情報を流しております。
 藻類につきましては、先ほど申しましたとおり、現在の温暖化の影響と思われますけれども、変わった状況に併せて、より積極的に藻場対策に取り組んでいきたいと思います。
 先ほどおっしゃいましたように、本県だけの問題ではなくて、全国的な問題でございますので、幅広く情報交換をしながら、現在、九州内とか、山口県を含めた形で情報交換をやっておりますので、そういった中で情報を集めて、どういう対策ができるのか、どういうことがプラスになっていくのかということを検討し、取り組んでいきたいと思います。
◆野本委員 ありがとうございました。今の取組状況については理解をいたしますが、業界紙かれこれ、そういう問題についてずっと言われていることはあるのかもしれませんけれども、やっぱり議会というより、私にもそういう流れについて、年に一遍ぐらいはこういう状況だという報告をしてもらえば、今後質問するについても、そんな整合性がすぐできるのではないかと思います。
 過去に質問した時は、その時は何らかのことをするけれども、しばらくすると、もうそれは過去のものになってしまっているということで、ところが、私は決して昔のことを繰り返してどうこうではなくて、温故知新じゃないけれども、こういう問題を含めていろんなことをやっておっても、そのまま流されてしまってはどうにもならないので、自然との闘いですから、口で言うように簡単なものじゃないということはわかりますけれども、ただ、長崎県としてはこういうことで研究し、情報も収集をしているということについては何らかの報告があってしかるべきではないかと思いますので、それは要望にかえておきたいと思います。
 次に、平成14年に全国豊かな海づくり大会を長崎県で開催したわけですが、私も参加させていただきました。この流れで、その時の決議文もありますし、放流魚も8種類あるわけですけれども、この大会後の本県の取組というのは、その後、追跡調査も必要でしょうし、これからの問題の中で、その大会を実のあるものにしていかないといけないわけですから、その時決議されたもの、あるいはその時から続けているもの等々あろうと思います。その辺の問題について、この大会後の検証も含めて、どのような形で今これにかかわっているのかということを、大きな漠然とした質問ではありますけれども、ただ、そういうことについて、放流した物が実はこういう動き方をしていますよということで、標識なんかもつけてあると思いますけれども、そういうものをある程度つかんであれば、お示しいただきたいと思っております。
◎柳村資源管理課長 第22回全国豊かな海づくり大会、これは平成14年に本県の佐世保市で開催させていただきました。以来10年経っているわけですけれども、一過性に終わらせないというテーマで取り組んでおります。ただ、イベントのその後の動きにつきましては、例えば佐世保市が独自の海づくりの後継事業みたいなものを立ち上げまして、こういう小さな海づくり大会を佐世保市内に限ってですけれども、5年間は続けていただいたというものもございます。
 それから、先ほど山づくりというのが出ましたけれども、こういう豊かな海づくり大会を契機に、例えば近隣の鹿町とか佐世保、こういうところでの漁業者による植樹活動というのがあります。これは姿を変えながら、先ほど申し上げました森林環境税を用いた植林活動にもきっとつながっているんだろうというふうに想像しております。
 この豊かな海づくり大会の一番の目的としますのは、中央の委員会もございますが、ここの目的に書いてございます。こういう海づくり大会を開催することによりまして、水産資源の保護、増殖、こういうものを一般県民、一般国民に啓発、それから漁業者に普及をしていく、もう一つは漁場環境の保全、こういうものを究極として図っていくことが目的だと書いてございます。
 そういう意味で申しますと、全国豊かな海づくり大会、平成14年の後に、いわゆる本県で定着をしたであろうというものが、代表的にはトラフグがございます。これがちょうど平成16年度から事業化を始めましたけれども、有明海の奥にこういう放流魚を大量に放流すれば、九州北部の海域の方できれいに回遊して、もう一回有明海まで戻る。それから、クルマエビに関して、有明の4県で共同放流が進んでいると。それから、新たな魚種として平成17年度からホシガレイ、こういうものが総合水産試験場で技術開発が進んで、具体的にホシガレイの放流ができるようになった。こういうさまざまな放流魚に関するいわゆる追跡、それから事業の確定というんでしょうか、事業の推進、こういうものが海づくりを契機に進んだのではないかというふうに我々は考えております。
◆野本委員 おっしゃるように、その目的に向かってどうこの大会を一過性に終わらせずに、いかに持続させるかということ、長崎県は広いわけですから、地域地域に見合うものがあって、それをやっていけばいいわけですから、そういうことについて、一般県民にもわかりやすいものを、新たに特別な金をかけてつくる必要はないんですけれども、資源管理課長の話、あるいは総合水産試験場長の話等々をわかりやすく、長崎県はこういうふうにやっていまと。もう10年経ったわけですので、10年の経過の中で、もう過去のものだということにならないようにして、常にそういうものをもう一回後ろを顧みながら、そしてそれを活かしていくということが大会の費用対効果にもなるわけですので、やっておられることについては、私はやっていないとは言っていませんけれども、その辺について目に見えるようなものというのはある程度必要ではないかと思いますので、私の勉強不足の部分があるかもしれませんけれども、我々議会におってさえもこう思うわけですから、一般県民についてはかなり距離感があるんじゃないかという気もいたします。そういうことで皆さん方が自信を持って答弁できるし、また、考え方を発表できるということについては、これはもう堂々とやっていってもらわないと困りますので、そういうことについて資料等々もありましたらぜひいただいて、我々もそういうことを関係者に流してみたいなと思っております。
 次に、水産部の重点目標ということで、部長が代表ですから、結局部長にお尋ねをしているわけですけれども、目標達成したもの、あるいは未達成のものとございますね。その中で、達成したと言われていても、その後どうなのかという問題もありますし、達成率は、パーセントでもって、1.2件であれば1.2件で100%ということで上がってくるわけです。だから、そういうだけのものじゃないと思いますので、特に、荒川部長は現場もよく回って、こういうことについては知識の広いものを持っておられるということも考えておりますし、水産部全体がこういうことで数値目標を立ててそれに向かっていっているわけですので、それを統括するのは責任者である水産部長ですから、これからもそういうことについて、私も今、徳永委員と一緒に監査委員でいろんなことを聞いて、見ております。ぜひそういうことについて、これからの明確な進み方というか、方針というものをやっぱり出していただきたいと思うわけです。そういうことを含めて、部長にご答弁をいただきたいと思います。
◎荒川水産部長 今、野本委員からご紹介がありました水産部の重点目標につきましては、今は部長ということではなくて、水産部ということになっておりますので、昨年度のものについても私も責任を取る立場でございます。昨年度から今年にかけてどういう考えを持っているかということでご答弁させていただきたいと思います。
 平成23年度の水産部の重点目標、これが達成できたもの、できなかったもの、今数を数えることはできないんですけれども、達成できないものとか、一部しか達成できなかったものというのが数点ございます。私どもは考える時に、平成23年度の重点施策、こういうことをやっていこうというのを考える中で、それを基本にいたしまして、昨年度、長崎県の水産業振興基本計画を練る時の非常に大きなものにしておりました。この中でこの長崎県水産業振興基本計画の理念を「力強く豊かな水産業を育てる〜もうかる水産業を目指して〜」ということにさせていただいておりまして、とにかく資源の増加が今それほど認められない中、漁業者に収益の向上を図っていただこうと。そうすることによって水産業の振興と漁村社会の地域の活性化を図っていただこうと思っておりまして、今度、平成24年度の水産部の重点目標におきましても、一番最初に「収益性の高い安定した経営体づくり」というものを掲げまして、これについて頑張ってまいりたいと思います。
 また、当然のことでございますけれども、資源管理が重要であるとか、海難事故を防がないといけないとか、それから生産の基礎になる藻場、干潟についても維持、回復をしなければならないということ等々ございますので、1番については収益性の高い安定した経営体づくりでございますけれども、その他を含めまして10点の重点目標を定めさせていただきまして、もう半年経ちましたけれども、一生懸命頑張りたいと考えているところでございます。
◆野本委員 それでは、そういうことに期待をし、そしてまた、私たちも応援できるものは議会としても、議員としても、皆さん方と連携をとりながら、これは車の両輪ですから、これからもそういう関係をさらに深くして、水産県長崎のために我々も頑張っていきたいと思いますので、両方の意見交換を逐次やりながら、そして国に働きかけるという形の中のものも、それぞれ皆様方と同一歩調でやっていかなければ、ここではこうしている、ここではこうしているということになると、これは全く相手にされませんので、ぜひひとつ議会と一体となりながら、もちろん水産部の皆さん方が率先して取り組んでいる問題について、明かりがつくように我々もこれから支援してまいりたいと思います。
 どうもありがとうございました。よろしくお願いします。
○山田[博]委員長 一旦休憩し、11時15分から再開したいと思います。
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     −午前11時7分 休憩−
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     −午前11時16分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 ほかに質問はございませんか。
◆前田副委員長 端的にお尋ねしたいと思います。
 先ほども野本委員から質疑があっておりましたけれども、総合計画の中に数値目標を掲げておりますが、その中で収益性の高い安定した漁業、養殖業の実現という項目がありまして、海面養殖業の生産額が基準年の平成20年の247億円に対して、目標値が平成27年で300億円となっています。漁業就業者一人当たりの生産額の基準値が平成20年の587万円に対して、平成27年の目標値が740万円となっております。この2点について、平成20年が基準年ということであれば、ちょうど中間年ぐらいに当たるわけですから、今現在の数値について、まずお知らせいただきたいと思います。
◎山田漁政課長 総合計画の水産部関係の数値の達成状況でございますけれども、まず1つ目の海面養殖業の生産額につきましては、平成23年の目標値を252億円と考えておりますが、平成23年の生産額がまだ発表されておりませんで、来年の2月か3月頃になるということでございますので、平成22年で申し上げますと、237億円でございます。
 それから、漁業就業者一人当たりの生産額についてでございますけれども、これも同じように生産額が出ておりませんが、平成23年度の目標値を653万円としておりまして、平成22年は516万円ということでございます。
◆前田副委員長 平成23年度の目標値に対してまだ結果が出ていないということで、平成22年度の数値が出たのですが、いずれも平成27年度の目標値もさることながら、基準年の目標値より下がっているんですよね。ということは、このままずっと推移していけば、平成27年度に目標が達成できるかというと、非常に厳しいという話になると思うんです。
 それで、私は今期、農水経済委員会に所属させていただいて、6月定例月議会と8月定例月議会の議案外審査の他の委員の意見も含めてお聞きしながら考えるに当たって、先ほども馬込委員からありましたけれども、そもそもの総合計画の項目と目標値、それに基づいた水産振興計画が昨年度から始まったばかりで2年目なんですけれども、ほかの委員と多分同等の感覚だと思うんですけれども、この計画を平成27年度までに目標値を掲げてやっていって本当にいいのかなというのが、既に今2つ言った数値だけとっても、特にこの収益生産性が上がるというのは一番の課題ですから、その大もとの数値が下がっているのだったら、水産振興計画2年目で恐縮ですが、やっぱりそもそもの視点から、目標値の立て方から、それに沿って振興計画をつくった、それすらの計画を立ち止まって見直さないと、平成27年度までこれを進めていくというのは非常に危険じゃないかという気がしているんですけれども、その点についての部長のご所見をお聞きしたいと思います。
◎荒川水産部長 計画につきましては、見直し等々必要になってくることと思います。ただ、ここで水産業といいますのは、自然界の天然の魚を利用しているということで、私ども人間の行う努力だけで済まない部分があるということで変動はしてくると思います。
 昨年、計画を立てまして、まだ実績が出ているのが1年分だけでございますので、天然界の魚の変動、減少、それを補完するような意味合いもあって私どもはこの計画をつくっておりますので、もうしばらく、これがどういうふうに動いていくのかというのを見極めた上で、必要な時期がきましたら、それでもう全く私どもが計画していた方向と違う方向になりそうだということが明らかになりましたら、その折には見直しが必要になってくるものだと考えているところでございます。
◆前田副委員長 私は、皆様方の取組とか努力を否定するわけではなくて、頑張っていらっしゃると思うんですけれども、取り巻く環境も含めて、長崎県に限らず、今の計画では目標値自身の設定がどうかということは置いておいても、今のような施策、事業では、本当に危険だなという気がしますので、あと1年ぐらい様子を見られて結構ですが、それまでにもう一度自分たちがつくった施策、事業の目標値が妥当なのかということと、チェックリストみたいなものを各部できちんとつくって、それを総合的にまとめ上げて、ではどうするのかというところをこの1年ぐらいで見極めをつけてほしいということを要望しておきます。
 そういう中で生産額が上がらないということは、それらの方の所得も減っていると理解しますけれども、それはそういう理解でもちろんいいんでしょうね。
◎荒川水産部長 所得と申しますと、収入からそれかにかかったコストを引いたものということでございまして、今、コストの方がどれだけ上昇しているかというのがわからないので、正確な数値でのご答弁はできませんけれども、まず、生産額が下がっているということで収入は下がっていると。
 それから、最近見ますと、燃油資材等が上がっておりますので、コストもかかっているということで、所得も下がっているというふうに考えているところでございます。
◆前田副委員長 細かな数値は要らないですが、部長がおっしゃったとおりだと思っています。
 そうした中で、年々漁業者の方の収入が減っているだろうということの中で、その減収対策というか、そこを補完、補てんするような施策が、国も含めて何か仕組みがあるんですか。仕組みがあるとするならば、その中でも足りない部分を国に要望したりしているのかということと、県独自での減収対策を考えるべきではないかと思っているんですが、その点についてはいかがですか。
◎山田漁政課長 不漁等によります漁業者の減収対策につきましては、国の方で資源管理・漁業所得補償対策というものもございまして、これによりまして一定基準よりも収入が減った場合には漁業共済に加入していただいて、補てんをするという仕組みがございまして、それにできるだけ加入していただくということを進めております。ただ、なかなか県としての対策という意味では十分なものはございませんけれども、所得補償と併せて、燃油高騰が進んでおりますので燃油高騰につきましてもセーフティーネット対策ということで燃油が高騰した分の補てんも国の方でやっておりますので、そういった国の対策を活用しながら、収入安定に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
◆前田副委員長 これから養殖業にも力を入れていくという中で、減収が当然起こり得る場面があると思うんですけれども、そういう意味での共済というのはとても大事だと思うんです。6月定例月議会でも、びわのところで、これは農林部ですけれども、加入率が低いという話があったんですが、その加入率について、後で結構なので、もしわかっていらっしゃれば、共済の加入率についての答弁をいただきたいと思います。
 もう一点質問を上げていますが、そういう意味でも後継者対策、若手の育成がこれから大変重要な課題だと思っているんですが、総合計画の中で漁業士という方を育成しようということで項目を掲げていますが、この現況についてお尋ねしたいのと、この漁業士の役割を一度きちんとご答弁をお願いいたします。
◎山下水産振興課総括課長補佐 漁業士とは、沿岸漁業を担うべき青年漁業者の育成や沿岸漁業者の中心的な役割を果たすことが期待されまして、地域で活躍している漁業者を知事が認定するものでございます。昭和61年、国の制度で始まったものが、現在、全国で2,000人ということでございます。
 地域漁村活性化の中心的な活躍が期待される若い方を青年漁業士、すぐれた漁業技術とか、経営能力のある方で青壮年の育成に指導的役割を果たしている方を指導漁業士として認定しておりまして、平成24年4月1日現在で指導漁業士96名、青年漁業士56名、計152名が各地で活躍しているところでございます。
 活動内容を触れますと、県の組織としまして長崎県漁業士連絡協議会を平成2年に結成しておりますけれども、そういうところで漁業士相互の情報交換、他漁業士との交流、会報の発行などをしているところでございます。
◆前田副委員長 今ご答弁をいただいたように、96名と56名の漁業士さんがおられると。制度としてこの方たちが先頭に立っていただいて、若手の方を指導しながら頑張っていくということだろうと思っているので、ぜひこの漁業士さんたちの養成というか、日頃の研修等も含めて充実をさせていただきたいと思います。事前のヒアリングで少しお話した中では、農業関係とかは全国紙とかの農業新聞みたいなものが幾つかあって、当然そういうものを読んでいる方はいらっしゃるんでしょうけれども、漁業に関してはあんまりそういう新聞を見かけることが私自身はないんですけれども、そういう漁業の新聞というのはあるんですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 定期的な情報誌としてはございませんが、漁連だよりという中で漁業士の活動等を取り上げているということで、定期的にはさせていただいております。
◆前田副委員長 漁連だよりとかあるんでしょうけれども、やっぱり若い人たちが、これから養殖においても、いろんな漁業において頑張るに当たって、やっぱり世代間の中で意識が随分違うと思うんです。そうした中では、そういう方たちにターゲットを絞ってというか、こういう漁業士さんがおられることもいいことだと思います。全国的な先進的な取組とか、情報、これは海外も含めた中で、こういうところで頑張っているんだみたいなものも含めて、少し勇気づけたり、何か知識をもっと豊富にさせる作業というのはとても大事なことだと思うので、それを漁連に任せるのではなくて、もう少し県としてもそういう若手指導とか、情報を吸収してこういうことをやってみようかみたいなことを思わせるインセンティブにならないかなと思っているんですが、そういう機関誌、情報誌的なもの、特に若手に絞ったものを発行するみたいなことをご検討いただけないでしょうか。
◎荒川水産部長 今、各漁業士の団体ごとに会報誌はつくっているんですけれども、それのやりとりをやっているという状態でございまして、ただし、県全体でまとめてどのような活動をしているかということを周知していただいて、その中で各浜の活力向上、若手の担い手のやる気を上げるというご提案をいただきましたので、どのようなことができるか検討させていただきたいと思います。
◎山田漁政課長 先ほど前田副委員長から、漁業共済の加入率のお話がございましたが、平成23年度末で54.1%でございます。
 それから、先ほどの漁業共済の中で、一定以上の収入が減収した場合に補てんするということの中で、県といたしましてもその補てん率を上げるための積立プラスというのがあるんですが、その共済金を払うために、県の制度資金を一部使っていただくという形で県も支援をさせていただいております。
◎荒川水産部長 答弁を若干修正させていただきたいと思います。
 前田副委員長からご提案があったことにつきまして、私は、各地区の漁業士会が会報誌ということを申しましたけれども、県一本の漁業士の機関誌を発行しているということでございますので、その内容を見直しを検討させていただきまして、前田副委員長がご指摘いただきましたことができるように内容の検討をさせていただきたいと思います。
◆前田副委員長 共済については54.1%ということで、これはやっぱり率が高い方が多分いいということなんでしょうから、もう少しその辺の啓蒙というか、周知を図っていただきたいと思いますし、県のそのような機関誌があるのであれば、私も目にしたことがないので、後日一度見せていただきたい。いずれにしても、前向きに検討をお願いしたいと思います。
 これで終わります。
○山田[博]委員長 しばらく休憩します。
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     −午前11時32分 休憩−
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     −午前11時33分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開します。
 委員長を交代します。
◆山田[博]委員長 まず、質問通告しております漁業近代化資金償還期限の延長についてお尋ねします。
 この漁業近代化資金の償還期限の延長というのは、現行は船の建造が15年とあるんですね。この15年にしたという理由、根拠を示してもらえますか。
◎山田漁政課長 漁船の償還期限の15年につきましての根拠は存じておりません。
◆山田[博]委員長 私は質問通告しているんですよ。こういったことを質問するということを言っているわけですから。
◎山田漁政課長 国の漁業近代化資金融通法に基づいて償還期限が決まっているということでございます。
◆山田[博]委員長 そうしたら、法律に規定されていると。ということは、長崎県でこの漁業近代化資金によって建造した船の償還期限の延長はできないんですか。県独自で話ができないのですか。まずそこだけお答えください。
◎山田漁政課長 委員長おっしゃるとおり、融通法及び施行令によりまして償還期限が決まっておりまして、現状ではできないということでございます。
◆山田[博]委員長 施行令なんですね。施行令ですから、国会の議決ではなくて、要するに水産庁の中で役人が決めているだけなんでしょう。施行令というのは、県で言うと要綱かなんかでしょう。県にも条例と要綱がありますが、施行令というのは要綱と似たようなものですか。それだけお答えください。
◎田中水産部参事監 通常、法律の施行令と申しますと、政令で規定をしておりまして、これは閣議決定をして決めているものでございます。
◆山田[博]委員長 閣議決定ということですから、施行令というのは重いんですね。
 そうしますと、FRPの船というのは、耐用年数15年ですか。日本人の平均寿命は約80歳です。FRP船の耐用年数というのは定かですか。それをお答えください。
◎柳村資源管理課長 FRP漁船の耐用年数については、旧大蔵省令の税制の方の耐用年数は9年です。ただし、このFRPは、その都度お話をしているように、手入れさえすれば30年、40年、現有船としてもっておりますので、そのくらいの耐用年数は十分にあるものと考えております。
◆山田[博]委員長 資源管理課長はすばらしい答弁をするじゃないですか。漁業者が聞いたら喜びますよ。
 漁政課長、私はなんでこれを言ったかというと、これは漁業者の方からも支払いが15年に短縮されているけれども、後継者対策で償還年数を延ばしてもらった方がいいという話をよく聞くわけです。地元に帰ったら、こういう話を聞いた。
 では、漁政課長にお尋ねしますけれども、今、資源管理課長が言われるように、手入れをすればいいわけです。人間の体と一緒ですよ。手入れをしなかったらぼろぼろになるのと一緒ですから。それで漁政課長としては、このFRPの船の償還期限を延ばそうというような要望を国に対して今までしたことがあるのかないのか、それだけお答えください。
◎山田漁政課長 償還期限の延長につきましては、機会をとらえて国の水産庁の所管課の方に相談はさせていただいておりますけれども、なかなか困難だ、厳しいというご回答をいただいております。
◆山田[博]委員長 それは何ですか、所管課に相談ということは、政府施策要望なりできちんと要望したことはないわけですね。ただ、担当課のレベルだけで行っているんですか。それをお答えください。
◎山田漁政課長 水産部として相談をさせていただいているということでございます。政府施策要望では要望いたしておりません。
◆山田[博]委員長 これは大事なことですよ。私も恥ずかしながらこういったところに気づかずにおりました。今の漁業者の経営状態とか考えてみたら、やっぱりこういったところを含めて考えないといけないと思います。担当者レベルでやっているのはわかるんですよ、これはやっぱり水産県長崎として、政府施策要望に入れようではありませんか。水産部長、どうですか。
◎荒川水産部長 政府施策提案・要望につきましては、この委員会でもご審議いただいておりますし、また、知事と議長との連名で出すということでございますので、議会の本日のご意見を含めまして、どのような形がいいのかということを私ども理事者側も検討してまいりたいと思います。
◆山田[博]委員長 そういうことでお願いしたと思います。
 次に、ウナギです。私の大好きなウナギが絶滅危惧種に指定されているということです。ウナギが環境省の絶滅危惧種に指定されたとなると、水産部は関係ないと思ったら大間違いでして、このウナギの稚魚の管轄は水産部ですね。資源管理課長、私が一番心配しているのは、絶滅危惧種になりますと、要するに稚魚を捕れませんよとなって、マグロみたいにいきなり規制がかかったらいけないから、長崎県として事前にどのように取り組んでいくべきかというのを検討されているのか。検討されているのだったら、どういったことに取り組んでいことうしているのか、お答えいただきたいと思います。
◎柳村資源管理課長 先日、新聞等で報道されましたけれども、環境省へ確認しましたが、現時点でまだ決定しているわけではないということでございます。今後、レッドリストに載っていくように、今検討をしている最中ということです。
 もう一点、水産庁の方にお伺いしておりますけれども、たとえレッドリストに掲載されようと、水産庁として現時点でウナギのシラス採捕数量を制限するとは考えていないということを聞いております。
 本県の今のウナギのシラスの特採はどうかといいますと、実は全国の1,000分の1から2,000分の1の量しか本県では捕っておりません。本県では、シラスウナギをそのまま転売するということは認めておりません。調整規則上21センチ以下は捕ってはならないとしていますので、このウナギの養殖をしたいという方が、現に本当に施設を持って、適正に養殖をされる方がいらっしゃれば、この特別採捕許可を与えるということをやっております。ただ、本県はウナギ養殖が全くといっていいほどありません。4業者で、何十キロ程度のウナギしか養殖しておりませんので、シラスの特別採捕について、本県への影響を聞かれると、ほぼ影響はないという状況でございます。
◆山田[博]委員長 資源管理課長、絶滅危惧種になろうが、本県には影響ないと言うけれども、少なくとも諫早ではウナギの稚魚が不足して値段が上がって大変困っているという話もあるわけです、実際。部長はご存じでしたか。聞いていませんか。
 そこで、今、県水産部としては、この絶滅危惧種に指定されるような、稚魚が捕れない状況であっても本県への影響は全くないんだということですね。これがないのだったらいいんですよ。恐らくこの議事録を後で見たら、諫早市民の方は、そんなに影響がないということはないと思うというふうに多分声がかかってくるんじゃないかと。記録に残っているから慎重な答弁をですね、私は幾分かは影響があると思いますよ。諫早といったらウナギのメッカですから、長崎県内にもウナギの業者はいるわけだから。水産県長崎がそういった答弁をするのはいかがなものかということを心配しながら、今あえて言わせてもらっています。もう一度見解を聞かせていただけますか。
◎柳村資源管理課長 本県の特別採捕許可に限って言えば影響はないと申し上げました。
 それから、前段でレッドリストに環境省が指定をもししたとしても、現在の水産庁に聞き取りした段階で言えば、現状の日本全国の採捕数量について直ちに上限を加えることはないというふうにお伺いしていますので、現時点で影響はないのではないかと考えております。
◆山田[博]委員長 今の資源管理課長の答弁を聞いていたら、九州農政局と似たような感じがしないでもないんだけれども、わかりました。そういった見解であれば、水産部長、そういった見解に間違いはないわけですね。その確認だけなんです。
◎荒川水産部長 国の動き等々を見まして、本県のシラスの採捕並びに本県のウナギ養殖業に関しましては影響がないものと考えているところでございます。
◆山田[博]委員長 わかりました。
 最後にマグロの養殖についてお尋ねしたいと思うんですけれども、先般、五島の方で意見交換された時に、今後は新規のマグロの養殖は一切受け付けないということでしたが、間違いないですね。今、水産庁の規定というのは、6月に通知があったわけですね。あれは今から長崎県で新しく天然稚魚を使って養殖する場合とか、現在でも天然稚魚を利用したマグロの養殖というのは、新規も増殖も一切認めないということですね。
◎山下水産振興課総括課長補佐 山田(博)委員長からご質問の件ですけれども、平成24年8月29日に全国会議がございました。その中での説明でございますが、天然種苗の活込み増大とした養殖は慎重に対応してくださいということですので、天然種苗にのみ制限がかかるものと思います。したがいまして、人工種苗については適切な措置で対応できるものと思っております。
◆山田[博]委員長 これはいきなり6月にぱっと言われたわけですね。そうすると、やっぱり地元とか地域の漁業協同組合とかでも、現在やっている方々も将来の構想としてずっとやりたかったかもしれないわけですね。まず、そういった聞き取り調査をしているか。そういった要望というのが現状あるかどうかを調査したかどうかだけ、まず答えていただけますか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 今般の規制の影響ということで業者に意見を聞いたのかということでございますが、まず全国会議においては、県漁連等はじめ、県内の養殖業者も参加して、その規制の内容等をつぶさに聞いているところでございます。
 現在、県では、県漁連、養殖団体のほか、離島を中心に業者の意見を聴取中でございます。9月18日には五島、今後対馬とか、そういうところの養殖業者等の意見を聞いてまいりたいと思っております。
◆山田[博]委員長 だから、水産振興課の方でお聞きして、何らかの影響があるとか、養殖業者や漁業協同組合もいろいろあるわけですね。それを聞いて、どういった影響があるかというのを取りまとめて、次の議会の委員会に報告してもらうことができますか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 現時点の大まかなご意見でございますけれども、先進地である対馬においては、歓迎されるお話であると。大手の参入ができないので、過剰競争とかが起きないので値段が回復するのではないか、そういう意見もありますし、新規参入される方につきましては、今後、段階的に規模拡大する場合は経営安定するまで時間がかかると、そういった意見がございました。
 なお、今回の五島では、規制内容の詳細が不明というところもありまして、自社にとってどういう影響があるのか、なかなか言えないと。一方、その中間種苗を生産する業者においては国際規制の中でマグロが輸入できないといった事態に陥ると、食文化を守ることが維持できなくなると。そういう意味では歓迎できるのではないかという意見等々がございまして、委員長ご指摘の部分は、次回の委員会等で取りまとめてご報告ということになろうかと思います。
◆山田[博]委員長 それは影響があるかないか、きちんと把握して、影響があるのであれば、また要望があるのであれば、それを国に対してしっかり要望しないといけないわけでしょう。確認ですけれども、あくまでも水産庁はこう言っているけれども、最終的に決めるのは長崎県なんでしょう、これは長崎県知事の許可なんだから。通知は国から来ていて、慎重にしてくださいと言っても、今は地方分権、地方分権と言って、分権社会だから、これはあくまでも最終的には長崎県が決めることになっているんでしょう、許可としては。国の意見は意見として聞いてですね。最後に水産部長、お答えください。
◎荒川水産部長 区画漁業権免許でございますので、知事が免許することになります。
 ただし、それに対しまして、免許する上での技術的助言として国の方から指導を受けておりまして、それが合理的である場合には私どもは聞き入れることになりますし、また、知事が免許した漁業権そのものがおかしい時には、漁業法に基づきまして国がその是正を求めることができるようになっております。
◆山田[博]委員長 わかりました。
 いずれにしても、こういった規制があって地域にどういった懸案事項があるかを水産振興課の方で取りまとめて、次の委員会に報告していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 午前中の審査をこれにてとどめ、午後は1時30分から委員会を再開いたします。
 しばらく休憩いたします。
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     −午前11時49分 休憩−
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     −午後1時30分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 議案外の所管事務一般に対して、また「政策等決定過程の透明性等の確保及び県議会・議員との協議等の拡充に関する決議」に基づく提出資料について、ほかに質問はございませんか。
 特段ございませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 私の方からちょっとお願いします。水産部長、今日は来られておりませんので、提出資料の1ページの4番、五島市の福江地区の産地水産業施設整備支援事業費補助金とありますね。これに至った経過を次の委員会の時に説明資料を提出していただけませんか。よろしくお願いします。
 それでは、ただいまより集中審査を行いたいと思います。
 「五島西方沖の国直轄漁場整備事業について」並びに「県の漁業許可のあり方について」、「県の違反操業の取組状況について」の集中審査を行います。
 それでは、まず、「五島西方沖の国直轄漁場整備事業について」審査を行います。
 まず、水産部参事監より説明をお願いします。
◎田中水産部参事監 では、五島西方沖の国直轄漁場整備事業につきまして、お手元の資料、漁港漁場課の名前で配付させていただいております。それに基づきまして概要等をご説明してまいります。
 まず、資料を開いていただきまして2ページをご覧ください。カラー刷りの紙でございます。これは、国が五島西方沖の事業を説明するために用いている資料でございます。まず、事業をめぐる背景などを簡単にご説明申し上げます。左が現状と問題点、マアジ、マサバ、マイワシというのは、我が国の海面漁業生産量の17%を占める重要な魚種でございますが、日本海西部、九州西海域では、マアジ、マサバなどの漁獲量が減少傾向ということでございまして、下側に示しているのは、当該海域でのアジの漁獲量の推移でございます。このような形で減少傾向にあるということ、そしてこれを放置した場合には安定的な漁業活動、水産物の安定供給の確保に支障が生じるということが背景としてございました。
 また、いわゆる領海の外での漁場整備というのは、地方公共団体はこれまで余り取り組んでこなかった領域でもあるということでございます。したがいまして、こういった広域の回遊性の資源の増大を図るためということで、今回のこの五島西方沖の事業というのは立案をされたものでございます。
 中ほどの事業内容でございますが、マアジ、マサバ、マイワシ資源の増大を図るため、新たに五島西方沖において国による海域の基礎生産力を向上させるための漁場整備を実施するということでございます。
 整備位置でございますが、若干図が小さくて申しわけございませんが、この図中の赤色の線、これが領海を示す線でございまして、その左側にある▲印、これが施設整備を行っているポイントでございます。青方港の北西約54キロの地点となります。ここにおきまして、全体事業費80億円、事業期間として平成22年から平成26年の5箇年、湧昇流漁場の1基を整備するものでございます。費用対効果は2.56となってございます。
 このメカニズムについてはご承知かとは思いますけれども、その下に図を示してございます。底層の栄養分の豊富な海水を、この施設を整備することで光の届く表層まで上昇させまして、そういったところで植物プランクトンの増殖、そして食物連鎖を通じた動物プランクトン、そして小型魚類等の増殖につなげていくとともに、そういったプランクトンの死がい等がデトリタスとして海底に沈降しまして、底魚等の資源の増殖にも資するといった仕組みを想定し、そして施設整備を行うものでございます。
 なお、このアジ、マサバ、マイワシに関しましては、資源回復の措置と連携しながら、この漁場整備を進めていくこととしてございます。それによりまして、当該資源の増大と国民への水産物の安定供給を図っていこうという事業効果を狙っているところでございます。
 1枚戻っていただきまして、1ページでございます。
 これまでの事業の進捗状況でございますが、事業期間を平成22年度からと申しましたが、平成21年度に一部補正予算によりまして調査費が措置されてございます。7,000万円で水深、あるいは地質の調査等が行われまして、平成22年度から工事に入ってございます。平成22年度は5億9,500万円、そして平成23年度は17億9,300万円、平成24年度は12億円という形での事業を実施、予算を計上してございます。
 平成22年度は流況等の調査と石材の投入、平成23年度はブロックの製作、そして石材の投入、これは資料が1点間違っておりまして、訂正をさせていただきます。平成23年度の実施内容、ブロック製作・投入となっておりますが、平成23年度は投入は行っておりませんので、ブロック製作と石材投入ということとなります。平成24年度は、12億円をもちましてブロックの製作・投入並びに石材の投入を実施しているところでございます。
 全体事業費80億円に対しまして、予算ベースでの進捗というのは、平成24年度まで36億6,000万円となっておりまして、進捗率46%となっております。
 続きまして、3ページをご覧ください。
 実際の整備はどのような形で進んでいるかということでございます。現在進めている工事、ブロックの製作工事というのが、福江港でヤードを確保しまして、このような形のブロックの製作工事を進めてございます。同様に青方港にもこのブロックの製作ヤードがございます。
 また、石材あるいはブロックの投入というのは、下に示したイメージ図のように、底が開く台船、底開台船と言っていますけれども、それを開くことによりまして、海底までブロック、あるいは石が沈んでいって山を形成するというような工事を現在進めているところでございます。
 続きまして4ページをご覧ください。
 この湧昇流漁場の完成イメージということでございまして、2つの山、そして峰と峰を結ぶようなものができ上がりまして、この山の高さが、でき上がりの高さで大体30メートル、そして幅が120メートル、長さが250メートル程度の人工の湧昇流漁場、マウンドをつくるというような工事でございます。
 そして、これまでどの程度まで物ができているのかというのを示したのが、この進捗状況の図でございまして、平成24年9月にその出来高を調べるために調査をした結果でございます。この青色の部分というのが海底をあらわしておりまして、大体155メートルから157メートル程度であります。そこからどのくらい物が積み上がっているのかということで見まして、この赤色の部分が目盛りにありますように143メートルということでございまして、大体高いところで15メートル程度まで、今山が積み上がってきているということが、この結果から見てとることができます。
 それを断面図で見ますと、その下の図になりまして、この斜め線を施した部分が、これまで入った部分を模式的にあらわしております。石材と、そして一部黒線で示しました範囲がブロックが投入されている範囲という状況でございます。
 続きまして5ページになります。
 これはこの湧昇流漁場の整備工事にかかる入札の方式を簡単に説明したものでございまして、それにかかる標準点等についてということであります。これは国が発注しますこの工事に当たっては、総合評価落札方式による一般競争入札で行われております。これは施工体制などの評価点と、そして価格の面を総合的に勘案して落札者を決めるという方法でございまして、その中で企業の技術力評価、あるいは技術者の評価といった部分については加算をすることとなってございまして、それは矢印で記しておりますが、これまで当該企業が表彰されたかどうか、あるいは近隣地区の工事実績があるかどうか、あるいは水産庁が発注する漁港漁場整備事業の成績評定がどうであったか、あるいは工事が確実にできるかどうか等々の観点から点数を付けるということとしております。同様に配置予定の技術者の能力というものにつきましても、表彰、そしてこれは優良となっておりますが優秀の間違いでございます。優秀技術者としての表彰がされているかどうか、あるいは水産庁発注工事の成績、同種または類似工事の実績の有無等々について評価をするということがとられておりまして、ちょっと図が見にくくなっておりますが、黒枠で囲んだ部分というのが、水産庁発注工事の成績というのは、平成24年度の工事の発注についてこの項目が加わったということで切り替わっているところであります。
 当該資料の説明は以上でございますが、昨日の審議の際に山田(博)委員長から、このマウンド礁にかかります要望が、これまでどうであったかというお尋ねをいただいておりまして、後刻回答することといたしておりました。それにつきましては、これまで都合6件のご要望をいただいております。要望いただいたところとしては、県離島振興協議会、平戸市、長崎県市長会、そして対馬市と対馬市議会の連名、そして五島市、そして平成24年9月、今回提出されました五島市内の3漁協ということで、6回、6件のご要望をいただいているところでございます。
 説明は以上でございます。
 よろしくお願いいたします。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより質疑を行います。
 ご質問はありませんか。
 委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、どうぞ。
◆山田[博]委員長 今回、国直轄整備事業ということは、地元も大変喜んでいただいているんですが、この湧昇流の断面は今までどういった形で調査されて、勾配ができているのか、その調査方法なりを説明していただけますか。
◎田中水産部参事監 この湧昇流漁場の技術開発にかかる経過でございますが、平成10年度からマリノフォーラム21という団体が人工的に山を築きまして、湧昇流を起こして資源増殖を図るという湧昇流漁場の技術開発を実施いたしました。
 その際にこういった山をつくるに当たってはは、どういった材料を使ったらいいのか、石炭灰のブロックであるとか、そういったものを使ってものがちゃんとできるかどうか。また、水深が深いところになりますので、ちゃんとそれを山状につくることができるかといったところの技術開発を実証事業として行いましたのがきっかけでございます。
 それ以降は、地方公共団体によるマウンド漁場の整備というのが各地で行われるようになりまして、静岡県、宮崎県、鹿児島県、そして長崎県において、これまで約10基程度のマウンド漁場の整備実績がございます。それにつきましては、石あるいはブロックを用いた形でされております。
 そういった補助事業での施工の実績、そしてマリノフォーラムでの技術開発事業の成果等を踏まえて、今般、国直轄事業によりこのマウンド漁場の整備に取り組むこととしたということでございます。
◆山田[博]委員長 私が参事監にお聞きしているのは、この勾配の調査は、実際何回ほどやられているかということです。
◎田中水産部参事監 このブロックなりを使って、この形ができるかという調査に関しましては、マリノフォーラムが実施しました技術開発事業の中で開発された方法だと受け止めております。したがって、現地で実際に落としてみて、現地というのは五島西方沖の地区で落としてみて実験という形でやっているわけではなく、これはもう工事自体として進めているところでございます。
◆山田[博]委員長 参事監、長崎県もいろいろやって、長崎県は勾配を調査しているかどうかというのは、漁港漁場課長、調べているでしょう。長崎県の場合は、実際に勾配ができているかどうかというのを調査しながら工事をやっているでしょう。今回、確かにマリノフォーラムというところで技術開発をしました。今回、石材は石と石炭灰のブロックということであります。長崎県の場合は、水深が大体70メートルのところでしているんですね。今回は150メートルでしょう、今までの倍なんです。そういったところでこれだけの事業をやった時に、果たして勾配ができているのかどうかというのは、初めてなんだから、そこを調査しながらやっているかと。これは長崎県のお金を注ぎ込んでやっているわけですよ。事業自体には皆さんも賛同しているわけですよ。今日、委員の皆さん方から言われているように、魚礁を設置した後にどれだけの効果があったかどうかというのもチェックをしながら、検証しながらやっていかないといけないわけだから、そこをやっているか、やっていないか、そこはどうなんですか。
◎田中水産部参事監 委員長からご指摘のありました、今回、確かにこれまで補助事業でやっていた水深帯よりもかなり深い155メートルという水深帯でやるという部分での技術的な難しさがあるというのはご指摘のとおりであります。したがいまして、入れたものが確実にその形状になっているかとどうかというのは、基本的に工事の毎、ここにあります音響探査等の方法によりまして、その形のチェックいうのはしていくこととしているところでございます。
◆山田[博]委員長 では、これで高さができているということでわかるんですか。数字を見たら、ブルーのところが157メートルなんでしょう。一番赤いところで143メートルになるんですか。そうすると、引くことの14メートル。これは進捗状況として、今、これだけの高さができているということですが、これでいいのか悪いのか、どうなんですか。
◎田中水産部参事監 まだ現時点では、ここの完成イメージ図に示した材料、石、あるいはブロックというのを、当然まだ全て投入をしておりません。現時点では山をつくっている途上の状況でありますので、初期の計画では高さ約30メートルまで積み上げることとしておりますので、現時点では約15メートル程度まで積み上がってきたところでございます。これは整備途上の形としては妥当なものだと考えております。
◆山田[博]委員長 今のところは妥当だと。そうしたらこれは逐一、今のところは妥当だといっても、最終的に完成した時に、果たしてこういうふうになっているかというのがありますから、今後、どういった段階で検査するのか教えてもらって、その検査するたびに随時紹介してもらいたいんですが、その見解を聞かせてください。
◎田中水産部参事監 基本的にこの投入工事が終わった段階で、それがちゃんと想定どおり投入できているかどうかというのは、工事毎にチェックしてまいりますので、そこは国より必要な情報をいただいた上で、情報提供させていただきたいと考えております。
◆山田[博]委員長 そういうふうにしていただきたいと思います。
 それで、今回のこの総合評価落札方式ということで工事に入っています。この入札方法に関しては、国が直轄事業でやっていますけれども、長崎県もお金を負担しているわけですから、その中で工事に当たって、水産部としてどこまで把握されているのか。
 私が一番驚いたことは、5ページにある企業の施工能力とありますね。この中に水産庁発注工事という点数ができました。これが結局は2.25を加えたんですね、そこの部分がね。そうでしょう、参事監。評価項目として、加算点というのが。そうでしょう。こういった項目を設けたというのは、いつからできたのか。そういったのができたのを知っていたのか、知らなかったのか、それを答えていただけますか。
◎田中水産部参事監 水産庁発注工事の成績というのが、項目として加わりましたのは平成24年度の工事からであります。また、その配点につきましては、1.5点というふうに聞いているところでございます。企業の施工能力としての配点は1.5点、水産庁発注工事の成績は1.5点。そして、配置予定の技術者の能力の部分に加えました水産庁発注工事の成績は2.5点というふうに聞いております。
◆山田[博]委員長 これは80点以上は1.5点ですね。これは平成24年度でしょう。長崎県で工事をする場合には、こういった工事で、こういった配点にしますと事前に連絡するわけです。しかし、水産庁としてはこういったことをしたのか、してないのか、それをお答えください。
◎田中水産部参事監 私どもは、年度当初の段階では、この項目が加わったことを承知しておりませんでした。
◆山田[博]委員長 参事監、正直にしっかりと言っていただきました。水産部としては知らなかったことがこうして出てきたんだと。
 お尋ねしますけれども、これは国と県でお互いにお金を出すところであれば、大切な税金でつくるんですから、これは陳情も出ていたんですよね、地元企業をぜひとも入れてもらいたいと。
 そうすると、平成20年度以降における水産庁発注の特定漁港漁場整備の中では、この点数ですると限られてくるわけですよ。そうすると限られた会社で受注を独占的してしまうわけです。ましてや、水産部は知らなかったということですが、こういった経過をどう思われますか。見解を聞かせていただけますか。私としては納得がいかないわけです、こういうやり方というのは果たしていかがなものかと。
◎田中水産部参事監 ご指摘の点につきましては、まずはこの工事自体は、国が事業主体となって、国が主体的な判断のもとで入札の仕方、評価の方法を決めているというのが現状でございます。
 そういった観点から、国の方でよくそこら辺を吟味、検討した結果が、平成24年度の工事の発注形式になっているというふうに受け止めてはおりますが、聞くところによりますと、平成19年度から進めております日本海西方沖での別の直轄事業のやり方等を勘案しながら、こういった方法をとったと伺っているところでございます。
 そしてもう一点、県に対して、あるいは地元のご意見の反映という部分については、水産庁もこの事業を立ち上げるに当たっては数回地元での意見交換会をやらせていただいたとも聞いております。そういったところでの地元との意思疎通を図ろうという意思は水産庁も持っておられるのではないかというふうには受け止めているところでございます。
◆山田[博]委員長 参事監、このやり方は妥当だと思っているということですか。参事監は水産庁から来られているので、これは参事監に聞くのは酷だから、漁港漁場課長か、政策監にしっかり答えていただきたいと思います。普通、誰が考えたってこういうやり方というのは、長崎県に全く連絡もない、いいですか。全くないんですよ。普通長崎県でこういった入札の方法をする場合は周知期間をとるわけです。長崎県が知らないことをいきなりやられて、それは国がやることだからしようがありませんと言うのか、言わないのか。参事監は答えにくいだろうから、政策監か、水産部長、どうぞ。
◎壱岐漁港漁場課長 先ほど参事監が話しましたけれども、入札制度の部分については、国は今回、平成24年度に工事の配点等が変わりましたけれども、この部分については水産庁の一般的な日本海の西方沖と同じようにされたということでございます。
 この工事は平成22年度から始まって、2年間の部分において実績が出てきた、3年目になったということで、新たな実績が出てきたということで一般的なものに変えたというふうには聞いております。その部分が、2年間というのが実績として多いのか少ないのかは発注者側の判断だとは思っております。
◆山田[博]委員長 だから、私が言っているのは、長崎県が公共事業を発注する時は周知期間を設けるけれども、この場合はなかったんでしょうと言っているんですよ。なかったのが果たしていいのか、悪いのかと聞いているんです、漁港漁場課長。そうしたら、長崎県ではこういうやり方をするんですね。このやり方を認めるんですね。長崎県としては、周知期間を置かず、はい、2年間やりました、これでもう期間はいいでしょうと。はい、次からはこうやりますよと、こういったやり方を長崎県として認めるということですね。認めるならいいんですよ。あとはこれが大きな議論になるだけだから。お答えください。
◎壱岐漁港漁場課長 入札制度等の配点等を変える時には、関係各位の方々と意見交換をしながら長崎県の場合はやっているような状況でございます。
◆山田[博]委員長 長崎県の場合はやっていると。だから、国のこのやり方をどう思うかと言っているんです。
◎壱岐漁港漁場課長 十分地元の意見が反映されない部分もあったろうとは思います。
◆山田[博]委員長 そう思っていますと。そうすると、漁港漁場課長、この現状をそのままでいいわけですか。私はこれは納得いかない。来年からこうしますから今年いっぱいちゃんと実績をつくってくださいと言うのだったらわかるんですよ。長崎県も知らない、地元も知らない、いきなりこれをやられたんですから。
 長崎県としてはそういったやり方はしませんと言っているんですよ。それを国だからといって、こんなことを勝手にやっていいんですか。国の直轄事業でも長崎県民のお金が入っているわけだよ、これは。これがまかり通るんだったら、私は納得いかない。私は徹底的にやりますよ、誰が反対しようが。冗談じゃありませんよ。地元の県議会議員として許されることじゃないですよ、こんなことは。参事監、私はなんで言うかというと、私が地元を回れば仕事がなくて出稼ぎに行ったりしている人がいるわけですよ。だから、この前、五島の人が現場で亡くなったんですよ。そういうことがあるから私は一生懸命言うんですよ。
 私がなんか言ったら、どこかの業者に頼まれたんだとか、すぐ言ってくる人がいるけれども、冗談じゃありませんよ。そんなことで言っているんじゃないんだ、私は。(「冷静に」と呼ぶ者あり)どうぞ。
◎田中水産部参事監 水産庁の直轄事業とはいいましても、やはり水産庁の考えも、地元の意向、そして漁業者の意向をよく聞いた上で事業を進めてまいりたいという考えだと聞いております。そのようなことから、この工事の実施の段階で生じるさまざまな問題、あるいは地域のご要望というのは、よく酌み取って進めていきたいというふうに水産庁も申しておりましたし、私どもとしても今回のこういったご意見等は国に伝えた上で、地元との協議調整をよく図りながら進めていただくよう、そのことはしっかり国に伝えたいとは考えております。
◆山田[博]委員長 参事監、それを早く言ってほしかったんですよ。それを言っていただいたら、さっきのように私も声高に言わなかったんですよ。野本委員から「冷静に」と言われて、冷静にしなければいけないな思いました。私は単純だからこうなってしまうんです。参事監、そういった想いがあるということをぜひご理解いただきたいと思います。(発言する者あり)
 最後に一つだけこの件でお尋ねしたいんですが、私は地元の会社の方から聞いたら、型枠はいろんな技術的なものはあるかもしれないけれども、この型枠というのはある特定の業者の受注につながるような型枠になっているから、それはやめてもらいたいという話をしていたわけです。それはどうですか。型枠を取り扱う会社はいろんな会社があったとしても、この型枠というのは、圧縮コンクリートの型枠のメーカー、商社じゃないんですよ、メーカーはどうなっていますか。1社になっていますか、数社になっていますか。それをお答えください。
◎田中水産部参事監 現在、五島西方沖の直轄事業で用いられております石炭灰コンクリートブロックの型枠につきましては、ブロック関係のメーカーとして5社がその型枠を所有している形になってございます。したがいまして、ブロックの製作工事を請け負いました業者は、そこから借りる形でブロックを製作しているものと思います。
◆山田[博]委員長 メーカーといっているけど、それは商社でしょう。実際決まった型枠というのは1社になっているでしょう。どうなんですか。
◎田中水産部参事監 委員長ご指摘のとおり、型枠は1種類でございますので、それが先ほど申しました5社が所有している形になってございます。
◆山田[博]委員長 所有じゃなくて、その型枠に決まったというのは、もともと特許を持っている会社があるわけでしょう。その特許の会社がどこの商社に出すかという形になっているんでしょう、細かく言うと。漁港漁場課長が詳しいでしょう。お答えいただきたい。
◎壱岐漁港漁場課長 この型枠につきましては、1種類でございますけれども、この開発に当たっては、企業9社が商標登録と使用登録を行って、9社の企業の方が型枠の権利を持っておられるという状況でございます。
◆山田[博]委員長 じゃ、なんでその1種類じゃないといけないわけですか。その商標登録された型枠じゃなければだめというわけですか。型枠だから、海に沈むんだから、この形じゃないと海に沈まないわけじゃないんでしょう。何でこだわるんですか。お答えください。(「休憩を」と呼ぶ者あり)
○前田副委員長 委員会を休憩します。
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     −午後2時2分 休憩−
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     −午後2時8分 再開−
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○前田副委員長 委員会を再開します。
◎田中水産部参事監 現在、この五島西方沖では、委員長ご指摘のとおり、1種類のブロックが用いられております。
 このブロックにつきましては、水深の深いところで山を築いていくという過程の中でそういったものが施工上ちゃんと使えるのかどうか、そういったものが確かめられたものとして現在このブロックが工事に用いられているという状況でございます。
◆山田[博]委員長 それは参事監、はっきり言って長崎県は今までそうだったんです。そうでしょう、漁港漁場課長。長崎県は同じ型枠だったんですよ。それは今まで水深が70メートルだったからで、今度は倍なんですよ。それが実証されているのかといったら実証されてない状態で今やっているわけですよ。これは水深が倍ですよ。今までは70メートルの水深のところでやっていたからそれは実績ができたんですよ。しかし、私がさっき、山はちゃんとできているか実証されたのかと言ったのは、水深が倍になって、そういった実証実験もやっていないうちに、今まで70メートルのところでやったから大丈夫ですよと。それが倍の水深のところでやって果たして大丈夫かというと、山がちゃんとできているか調査もしてないうちにやっているから、どうかと思っていっているわけです。
 そうしたら、できていると言ったって、今回初めてなんですよ、これは。140メートルの水深のところでは今までやっていないんです。その140メートルの水深で、この型枠じゃないと絶対だめだという根拠となる資料があるんですか。
◎田中水産部参事監 委員長ご指摘のその点につきましては、現在、手元に資料を持ち合わせておりませんので、所在も含めて確認をさせていただきたいと思います。
◆山田[博]委員長 そうですね、参事監。本当は水産庁の方に来てもらって、どういうふうになっているかというのを議論したかったわけですよ。だから、こういうふうになるわけですよ。これを発注したのは水産庁だから。参事監、これで時間をとるのもいけないから、最後に一つだけ確認します。
 特にこの発注方法におきましては、地元の切実な状況がありますから、これは長崎県が国と地元の間に入って意見交換会の場をセットするということで理解していいんですね、先ほどの話というのは。それだけ確認をお願いします。
◎田中水産部参事監 今般の議論を踏まえまして、この工事の円滑な実施を図るために、地元での意見交換会が必要だという認識のもとで国に対して働きかけをしていきたいと考えております。
◆山田[博]委員長 ぜひお願いしたいと思います。
 水産部長、今のこの議論を聞いて、ある程度ご理解いただいたと思うんです。別に私は私利私欲とか、誰かから頼まれたということではないんですよ。この状態でやれば特定の会社しか取れないおそれがあるから、今から地元に貢献して雇用を確保しようと五島に本社を置いている会社が、受注が困難な状況になるから、こういった国直轄の事業というのはめったにないから、今まではさっき言った平成22年、平成23年は水産庁におかれましては地元に配慮していただいたわけですよ。それをいきなりばっさりとこういうふうになったから、これは何かと、周知をして来年からこうしますと言うんだったら、私もわかったわけですよ。それがなかったから私は怒っているわけですよ。
 最後に水産部長の見解を聞かせてもらいたいんです。もちろん参事監と同じような見解になると思うんですけれども、最後に水産部長の見解を聞かせてもらって、この件に関する質問を終わらせていただきたいと思いますので、お願いします。
◎荒川水産部長 マウンド魚礁というものは、これだけ大型のもので、水産物の増殖に非常に重要なものであって、本県の水産業のために役に立つものだと認識しております。
 ということで、この事業を円滑に進める上で必要だというご意見をちょうだいいたしましたので、国の方にこの意見をしっかり伝えて、地元での話し合いが何らかの形でできるように求めてまいりたいと考えます。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 ほかに質問はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ほかに質問がないようですので、本件についての審査を終了いたします。
 次に、「県の漁業許可のあり方について」審査を行います。
 まず、資源管理課長より説明をお願いします。
◎柳村資源管理課長 お手元にお配りしております県の漁業許可のあり方について、資源管理課という資料の1ページをお開きください。
 まず、一般的な漁業の許可申請から許可になるまで、どういう形になるかというものをフロー図で示しております。
 漁業者がある許可をほしいということであれば、この許可申請書に住民票、その他必要書類、これは*印で一番下の方に書いておりますけれども、申請書、住民票、法人の場合は定款及び登記簿謄本、それから申請の理由書、組合長の意見書、事業計画書、漁具漁法の説明書、それから場合によっては、必要事項ですけれども、漁協の理事会の議事録。それから、海区等の漁業協同組合長会等で合意された事項の許可であれば、こういう組合長会での総会の議事録、こういうものも付けていただいております。
 こういうものを付けていただいた上で、所属の漁業協同組合を通じて資源管理課、または各振興局の水産課に申請書を上げていただく。その上で審査が終われば、漁業許可証を所属漁協を通じて漁業者に配付するという手続で行っております。
 この一般的な許可申請と申し上げたのは、ほかにいろいろ、船が大きかったり、漁業の種類によってはこれ以上の添付書類を必要とする場合がございますので、ごく一般的な許可申請の手続というふうにご理解いただきたいと思います。
 もう1ページお開きください。ここらページを打っております。1ページから6ページまでの資料です。
 「平成24年度中・小型まき網漁業許可一斉更新対応方針の最終案」ということでお示ししております。
 知事許可漁業の一つであります中・小型まき網漁業の許可につきましては、今年の11月1日が一斉更新となっております。この許可のあり方について検討するために、当該中・小型まき網漁業の操業実態の把握、それから全市町、全沿岸漁業者等を対象にこれまで意見聴取等を行ってまいりました。これらの結果を踏まえまして、今般の一斉更新対応方針の最終案を作成したところです。その内容についてご説明申し上げます。
 まず、1ページ、2ページ目は、中・小型まき網の漁業の現状をまとめております。
 生産状況ですけれども、平成5年、6年というところが非常に多うございますけれども、経営状況、生産高が非常に低迷しておりまして、経営状況は厳しくなっているものと理解しております。それに加えて、依然として違反操業に基づく取締り機関の検挙が後を絶たない状況にもございます。これらによりまして、沿岸漁業者の方も非常に経営が苦しくなっていると。ピーク時の平成2年等はどの漁業者もある程度の漁獲ができたということで、ほかの漁業種類に対するクレームとか、そういうものは少なかったんですけれども、ともに苦しくなっているということで、違反操業に対する不満、取締り強化を望む声が多くなっております。
 こうした現状を踏まえまして、3ページをお開きください。今回の一斉更新にかかる許可のあり方というものをまとめております。
 まず、第1点目、許可隻数でございますけれども、現行許可が中型、中型と申しますのは5トン以上の網船を持つ許可です。これが74隻、それから小型、これが5トン未満の小型まき網と呼ばれるものです。これが19隻、これを上限として、この隻数以下で更新を行いたいと考えております。
 第2点目は、4ページをお開きください。
 (2)に休業者の取り扱いとございますけれども、これまでも更新ごとに申し上げていたんですけれども、操業実態のない船舶については原則として許可の更新を行わないということを明記しております。
 それから、第3の「許認可方針」、「制限又は条件」の変更ですけれども、今回の一斉更新で盛り込むところといいますのは、主に違反操業を抑止するという観点から@他の集魚灯使用漁船、例えばイカ釣り船ですね、こういうものとの兼業の制限。A運搬船への許可番号の表示の義務化。B本船及び付属船、許可番号の公表。次の5ページにいきまして、C無届運搬船への転載の禁止。それからDLED集魚灯というものがある程度普及をしつつあります。このLED集魚灯の電球個数制限の整理。以上5項目を考えております。
 なお、以上申し上げた事項以外にも新たな制限の付加や、逆に制限の緩和、こういうものについてご意見をいただいておりますけれども、これらにつきましては、今回の一斉更新にこだわらず、引き続き検討、整理が必要であるという項目として、6ページをお開きください。3のその他ということで、丸印を7つほど書いておりますけれども、こういう項目を今後継続して検討していきたいと考えております。
 以上申し上げました方針につきましては、あらかじめまき網関係漁協及び各海区漁業協同組合長会からの意見を拝聴しているところでありますけれども、現在、各漁業調整委員会への協議を行っているところでございます。
 この協議を経た上で「許可手続」、「許可の制限又は条件」の改正、こういうものを行いまして、関係漁業者への周知の後、10月に入りますけれども、中旬からは許可申請の受付を開始、それから順次、着業検査と申しますか、一隻一隻の検査に入る予定でございます。
 こういう許可の方針に先立って、現地調査をやりますので、今後の申請者に対する個別指導を徹底いたしまして、違反操業がぜひともないよう適正操業の確立を図る考えでおります。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより質疑を行います。
 ご質問はありませんか。
 委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、どうぞ。
◆山田[博]委員長 私の質問が終わった後で、また委員の皆さん方に質問していただければと思います。
 まず最初に、1ページについてお尋ねします。
 漁業許可申請から許可までのフロー図とあるんですが、漁業者は所属漁業協同組合を通じて資源管理課または各振興局の水産課とありますけれども、これは間違いございませんか。
◎柳村資源管理課長 通常この手続でやっております。
◆山田[博]委員長 これは、まず許可の中で、市町の水産課ではだめなんですか。
◎柳村資源管理課長 原則漁業協同組合所属経由でお願いしております。
◆山田[博]委員長 それは原則ということは、どういった根拠があるのか、説明してもらえますか。
◎柳村資源管理課長 漁業調整規則の中には、国の細かなひな形がございまして、このひな形どおりに書かないと調整規則はだめです。
 この調整規則に盛り込めない、いわゆるこういう組合長の意見書を付けるとか、事業計画書を付けるとか、こういう添付書類に関する部分は、いわゆる許可事務の手引きというものをつくっております。これはこれまでも漁業協同組合を通じて配付をしているところですけれども、一般的に公開をしているかというと、なかなかそういうのが見えないところがありますので、将来的にこの方針もオープン化したいと考えております。
 こういう県の内規でもって、こういう手引きの中で定めておるところでございます。調整規則を補完する意味で定めております。
◆山田[博]委員長 私は、市町の方からの経由と聞いた記憶があったんですが、これはそうじゃなくて、もう漁業協同組合からでないと受け付けないと、長崎県の漁業調整規則に基づいてこういうふうにしているというわけですね。コンクリートしているわけですね。それを確認します。
◎柳村資源管理課長 おっしゃるとおりでございます。
◆山田[博]委員長 そういうことですか。わかりました。
○前田副委員長 しばらく、休憩します。
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     −午後2時22分 休憩−
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     −午後2時23分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開します。
 まず最初に、この県の漁業許可のあり方というのは、皆様方のお手元に資料がありますけれども、特に4ページを見ていただけますか。実は県議会の本会議場でも、運搬船の番号表示がされていないと、これをやっぱり義務化すべきではないかという話がありました。
 というのは、理事者も十分理解をしてもらったと思うんですが、ここに要するに大・中型まき網の運搬船と中型まき網の運搬船の転載とかがあって、違反操業をするおそれがある、そういったことが懸念されるということでこういうことになったんです。
 あと、集魚灯の問題もいろいろありまして、例えば集魚灯においても違反をしている集魚灯があったと。これが実は中間的な、先ほどの運搬船もそうなんですけれども、今回、問題が明らかになってきたのは、一斉検査の前に中間的な検査をしたんですね。それに基づいてした結果が、先ほどの集魚灯とか、無届運搬船の転載とか、いろいろ出てきたものですから、今回、そういったものがないように、きちんと是正するべきだということで、今回こういうことになったんです。
 先ほどの海底山脈の件は、中身というのは先ほどの工事の入札の件を県も知らなかった、地元も知らなかった、周知もしていなかった中で、工事の入札方法が大幅に変わって、地元の企業が困惑していたという話も聞くし、特定の会社が受注する可能性が高くなったものだから、あえて私も質問をさせていただきました。
 今回、県の漁業許可のあり方については、そういった問題があるんですけれども、改めて委員の皆さん方からご質問はありませんか。
◆溝口委員 今、委員長の説明の中で、大・中型まき網の運搬船等への転載などが懸念されると言われましたけれども、これは実態的にそういうことがあったということを聞いたんですか。ちょっとわからないんですけれども、県の方がそういうことでこのことを出していると思うんですけれども、噂だけなんですよ。そういうことの中で決めていくということは、私はおかしいんじゃないかという気がするんですよね。
 そうしたら大・中型まき網だけを規制していけばいいんじゃないかと私は思うんですよ。小型船関係の方々が、今15トン以上20トン未満の方々について、さらにこういうことを強化していくということは、切り替えごとに制限条件というのがだんだん付いてきているんですよね。
 ただ、私はこれからの許可漁業と一本釣り関係の仕事のあり方というのは、今日は馬込委員が今後の漁業のあり方ということを一生懸命言っていましたけれども、許可の内容というより、一番最後のその他に出ているようなことを網羅した形での話し合いをしていかないと、許可漁業に制限条件をずっと付けていけば、結局は違反、違反という形にしかなっていかないんですね。
 だから、許可漁業を緩和しながらも一本釣りを守っていくような長崎県全体としての水産業のあり方というのを今後は考えていかないと、私は両方とも立っていかないようになってくるのではないかという気がするわけですけれども、その辺については県としてどのように考えているのか。これはこれとして、もう県がするという形をつくっているわけですから、まき網の方々は反対の意見が多分ある、こういう制限をされたら、もうこれ以上操業できないんですよという意見が出ていると思うんですよ。その辺の県の今後の水産業のあり方というのをどのように考えていこうとしているのか聞かせていただきたいと思います。
◎柳村資源管理課長 この中・小型まき網漁業という許可は知事許可漁業というよりも、長崎県内のいわゆる大臣許可を除く自由漁業、許可漁業の中で非常に重要なポジションを占めていると理解しています。大体8万トンぐらいの水揚げがあって、それを加工とかいろんなところに、地元の加工にも回していらっしゃる。当然、我々が食べるアジ、サバ、こういうものの干物の主原料であるということから、この中・小型まき網をなくすということは、当然我々はできないと思っています。
 ただ、現状で皆さんが非常に経営が厳しくなっている。先ほど申しましたけれども、やはり人を見る目が非常に厳しくなっているというのが、こういう中・小型まき網、それからほかの許可漁業も同じなんですけれども、こういうところに違反するのではないかという想像も含めたところのいろんなクレームが届くということになっております。
 特に、この運搬船につきましては、ここに書いておりますけれども、大・中型まき網と中・小型まき網が同じ海域でというふうにはまき網業界からも聞いてはおりません。ただ、沿岸漁業者から非常に大きい声があることは事実でございます。
 したがいまして、許可番号の表示をするということだけでございます。しかも、今後、本来はその他に書いております、まき網にとって緩和される措置と併せて、本当は緩和と厳しくするというところをやりたいんですけれども、この間、沿岸漁業者との意見の調整が全くできなかったというのが実情でございます。
 したがいまして、厳しくするところ、@からCまで、それからLED集魚灯についてはこれまで少し基準が曖昧だったところを、少し基準を明確化するということでやっていきたいと考えております。
 現在まで、組合長会、それから漁業調整委員会等にもかけておりますけれども、これ以上に厳しい措置をとるべきじゃないかというお話もございますが、それをやると、まき網業界だけに非常な負担が、金銭的なところも含めて出ますので、なかなかそこまでは踏み込めないということで、今、この許可方針で臨みたいと考えております。
◆溝口委員 その制限条件をずっとしていくのは、それは当局の考え方、また、ほかの業者の皆さん方からの要望があったからとは思うんですけれども、やはり私は長崎県の水産業というのを考えた場合、午前中から論議があっておりました養殖、あるいは水産業をどのようにしていくかという形の中では、まき網だけの許可というより、ほかの許可漁業と併せて育成していくという形の中では、もう少し踏み込んだ形での調整というのをやっていって、長崎県の10年、20年先の水産業の振興ということについて、するべきことはしていかないとだめだと思うんですね。
 資源管理は資源管理の中であるかもわかりませんけれども、その資源管理をどのような形でしていくかという形の中では、例えば休漁を設けるとか、去年は土曜日を何箇月間か休んだという形もあります。そのようなことを一般の漁民の方々と話し合いながら、緩和するところは許可の緩和をして、そして守ってやるところは守っていくというような大きな形での水産業の振興を考えていっていただきたいと思うんですよ。だから、その辺について、午前中から出ていた、例えばまき網というのがなくなってきたという形になれば、養殖というのはまずできないですよね。加工もできないですよね。やはり一本釣りだけの魚では加工まで回す余裕がないと私は思うんですよ。
 だから、日本の水産業というのを考えた場合に、許可漁業と、私としては遊漁船との区別を本当はしていただきたいんですよ。本当はもう漁業でご飯を食べる人たちはみんな許可漁業と思うんですよね。それはお互いに話し合いができていくと思うんですよ。
 だから、長崎県の水産業を今後どのようにしていくかという形の中で、やっぱりその辺を部長が、どのように考えていこうとしているのか、その辺が見えないんです、全体的なことが。だから、許可は許可の中で、これは説明もし、今、もう県当局としては進めていこうという形をとっているわけですから、私としては、本当は5トン未満の火船の集魚灯なんかも、こんなことを本当にしていいのかと思うぐらいです。
 5トン未満というのは集魚灯の問題ですけれども、5トン未満というのは、まき網をしながら一本釣りもしたりとかしているわけです。だけど、説明会の中で1日で手続ができて、「イカ釣りをします」と言えばそれで出しますよという話だったんですよ。だから、その辺についてもきれいに考えていただかないと、本当に手続がすぐできるのかという形を考えておいていただきたいと思っております。
 水産部長、今の考え方としてどのように思っているのか、お伺いします。
◎荒川水産部長 今、溝口委員からご質問があった点については、許可漁業というところを超えまして、漁業制度のお話というふうに承りました。これは免許漁業、許可漁業、自由漁業、それから遊漁船業、これらをどういうふうに調整を図りながら本県の水産業を振興していくか、水産資源を守ろうかというところまで踏み込んだ考えを持つべきだというご提案をいただいたと思っておりまして、それはそのとおりだと思います。
 ただし、今回の許可漁業という点で考えますと、許可漁業も資源を守る、資源を維持するという意味で、漁具・漁法を制限することによって資源を守っておりますので、これをいきなり緩くしていった時に、資源に与える状況がどうなるかというところを勘案しなければならないと思っています。
 また、漁業調整という問題がございますので、県が知事許可を出す上においても、漁業の調整、皆様方の理解が得られる範囲でないと許可が出せないというところもございます。
 今回、私どもは特に例示といたしまして、中・小型まき網漁業の許可、これの一斉更新というのが近づいておりましたので、これにターゲットを絞りまして、まずしなければならないところ、やれるところからやったというところがございます。これだけで足りるのかという議論につきましては、そのとおりだとは思っておりますが、全体の漁業制度をこう設計するというところまでは、私ども進んでおりませんで、それについても全体的な許可制度の見直しについても、今回、今の時点ではできておりませんけれども、今後とも検討を重ねてまいりたいと考えているところでございます。
◆溝口委員 ただ、許可漁業も、厳しく、厳しくやっていくということになれば、多分誰も立っていかないような形になると思うんですよ。だから、その辺について、違反というのをつくる許可のあり方というのを検討してほしいし、それはやはり今後の水産業のみんなとの話し合いの中で、それは県の方しか調整に入ることはできないんですよ。漁業者間では何もできないと思うんです。それを今まで見過ごしてきた。戦後50年間ですか、許可がずっとあったわけですから、その中で調整をしなければいけなかったことを見逃してずっときていた形の中で、やはり違反操業という形がずっと出てきたと思うんですよ。だから、今後の形の中では、水産部長も定年になるかもわかりませんけれども、ぜひ足がかりをつくっていただいて、今後の課題として、6ページに載っているような形の調整に入っていただき、その他の条件をぜひ考えていただきたいと思います。
 振興と資源を守るという形を同時に考えていかないといけない部分だろうと私は思っていますので、よろしくお願いいたします。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
 委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、どうぞ。
◆山田[博]委員長 県の漁業許可のあり方について、溝口委員以外の皆さんから質問がないので、私からさせていただきます。
 今回、水産部長、これは本会議でも小林議員から質問があり、私ももちろん質問させていただきました。この中で、先ほど溝口委員が言われるように、懸念されるというか、ここの表現をどのようにしたらいいかというのは大変難しかったんじゃないかと思うんです。ここはそういった懸念というよりも、理由としては誤解を招いたらいかんからという形がよかったのではないかと私は思っているんですね。
 ここの書き方というのは、資源管理課長、必ずやっているというような懸念とかなんかという書き方というのが、難しい表現、これはまた今から配られるわけでしょう。配らないわけですか。
◎柳村資源管理課長 あくまでもこの最終案としておりますけれども、これは地元の沿岸漁業者、まき網漁業者、それから組合長会、海区の漁業調整委員会に、こういう案を県は考えているよということで資料として回しているものです。
 最終的には、いわゆる方針というものがありますから、方針上、文字が出てくるだけですので、こういう理由とか何とかというのは一切出てこないです。
◆山田[博]委員長 そういうことですね。わかりました。
 そこでちょっと大・中型と、中・小型の両方の船舶の持っている法人というか、県内にどれぐらいあるんですか。
◎柳村資源管理課長 2経営体です。
◆山田[博]委員長 そういうことですか。わかりました。
 同じページに、「過去2年以上にわたり操業実態が確認されない船舶」とありますけれども、今までこういったものがあったんですか。今までの事例として何件あったのか、教えてください。休業者の取り扱いというところです。
○前田副委員長 課長、時間がかかるようでしたら、後ほど答弁してください。
◆山田[博]委員長 次のページになると、「本船及び附属船名の公表」とありますね。これは理由として、違反操業が後を絶たず、より有効な抑止措置が必要として、船団構成が確認できるよう措置するものということで、今回の公表については、水産庁からの指導もあることから、県個人情報保護条例上の問題はないと判断されるとあるんですね。これは水産庁から言われたから問題ないだろうということだったんですか。どうなんですか。これは効力としては認めるところなんですけれども、100条委員会とかでは、いつも長崎県個人情報保護条例があって公表できませんとか、黒塗り資料が出てくるから、これは国から言われたから「はい、そうですか」といってされているのか、そこの整合性はどうしているかというのを聞かせてもらいたいんです。
◎柳村資源管理課長 ここで公表しようと思っているのは、許可番号と船名です。ですから、例えば船主さんのお名前とか、住所とか、そういうものを公表するというわけではございません。
◆山田[博]委員長 だけど、知っている人は知っているんじゃないですか。わからないんですか。
◎柳村資源管理課長 実は、この個人保護条例上の問題はないという判断のところは、漁船登録簿というのがあります。これは例えばその所有者本人しか原簿謄本請求ができないということはないんです。誰でもできます。一応そういう許可証自体というのはオープンはされていないんですけれども、漁船登録原簿というのは閲覧、それから原簿謄本が誰でも請求できますので、そういう意味で個人保護条例に漁船名というところは当たらないと判断しております。
◆山田[博]委員長 わかりました。
 このC番の「無届運搬船への転載禁止」とありますけれども、こういった事例が今まであったんですか。
◎柳村資源管理課長 こういう事例を聞いているわけじゃありません。ただし、考えるのは、スルメイカを対象とした魚種違反の時に、積み替えがあるとか、もう一つは大・中型まき網漁業の方も転載禁止という規定があるんです。ただ、この転載禁止をここで我々が明示しているのは、その転載禁止がいわゆる漁港というんですか、陸地に限りなく近づいていって、別の運搬船に積み替えるのは可能かもしれないとか、そういういろいろな解釈の違いが出てくるものですから、もうこれは無届運搬船への転載禁止。これをしたところで運搬船の届け出は何隻でも構いませんので、していただければ構わないというところがございます。
◆山田[博]委員長 このD番のLEDですね、LED集魚灯にかかる電球個数制限とありますけれども、これは結構あるんですか。技術的な革新があって、今じゃなくて、もうずっと技術的なことが日進月歩なので、これはいろいろと考えないといけないんじゃないですか。どうなんですか。技術的進歩が早いでしょう。どうですか。
◎柳村資源管理課長 おっしゃるとおりにLEDは技術進歩が非常に速いわけです。我々今回、こういうふうに制限をしていますけれども、この3年間でもこのLEDの一つひとつの光力がもしかしたら上がるかもしれないとか、今はパネルが主体とか、板のような形が普通なんですけれども、これが例えば水中灯の形で売り出されているとか、いろいろなものが出てまいりますので、これは必要に応じて、また今後も随時検討しなければならないだろうと思っております。
◆山田[博]委員長 そうしたら、ここに資源管理課長、ここはやっぱりそういった方針の中につけ加えてやるべきではないかと思うんです、そういう認識をしているんだったら。そういったことを書いていないから、今回はこういった電球個数を見直すとなっていますけれども、ここはやっぱりしないといけないのじゃないかと思うんですが、どうですか。
◎柳村資源管理課長 5ページの一番最後の3行ですね。「今後、従前灯に比べLED集魚灯の集魚効率や漁獲圧等」こういうものがある場合は、再度検討させていただきたいということで書いております。
◆山田[博]委員長 これは理由として、方針の中にはこれは入らないわけだから、この方針の中に今の理由を付け加えていた方がいいんじゃないかと思いますが、それはどうですか。
◎柳村資源管理課長 方針というのは、いわゆる電球を何個使いなさいとか、その個数しかできていない部分ですね。ですから、現状、今もう普及しているLED集魚灯の部分だけ定義をしております。これとは違うものがもし出てくるような状況があれば、また変えないといけないだろうと思いますけれども、その理由を書くような方針になっておりません。
◆山田[博]委員長 例えば、今回は何年何月の時点ではこうですけれども、今後は技術的なことで見直しをすると、この方針の中にそれを書いていた方がいいんじゃないかと私は思うんです、方針としてね。日進月歩すると認めているのであれば、なおさらね。資源管理課長、どうですか。
◎柳村資源管理課長 現状でどういうものが出てくるかというのはわからないですね。方針というのは、あくまでも何キロワットの電球を何個使いなさいという定義をするしかございません。ですので、そういうところに、今後のことで出てきたら検討しますよということは、方針の枠外で検討すべき話だろうと思っておりますので、方針そのものに盛り込むことは、なかなか難しいと思います。
◆山田[博]委員長 最後に、その他の今後の課題とか、検討を行うということがありますね。これは具体的にどういうふうに今から、例えば発電機とか、作業灯とかいっぱいあるんですね。船尾の船名の表示とか、こういったのがずっとありますけど、これは調整が難しくてできなかったんですか。例えば船尾の船名の表示とかは、これはそうでもなかったんじゃないか。だって、運搬船の船尾に表示をするのだったら、そんなに苦じゃなかっただろうに、いろいろ調整が難しかったんですか。どうですか。
◎柳村資源管理課長 例えば、この中で比較的簡単なのは、船尾への船名の表示です。ただし、これも大きな船は浮かしたままでは書けませんので、ドックに上げたりとか、そういうことで経費がかかります。
 これは例えばまき網だけの話ではありませんということが当然わかりますので、これは今後に向けて、今後と書いておりますけれども、次回以降の義務化に向けて検討されたいと。それ以外はやはり今から相当な時間を要するものだと思っております。発電機のところも調べ始めると、各船でいろんな発電機の使い方が違います。最近はハイブリットとか、いろんなものが出まして、この発電機を一律に制限することがなかなか難しい。他業種との調整というところもございます。これも非常に難しい部分です。
 それから、火船の隻数制限の緩和、それから光力制限の緩和、こういうところはまき網業界から強く要望されるところですけれども、沿岸漁業者から、なかなか難しい部分もございます。
 ですから、これも全県で一律にやるというわけではなくて、例えば海区のある地域でやるとか、そういう提案をいただきながら、今後、検討を続けてまいりたいと思います。
◆山田[博]委員長 資源管理課長、これを見たら、結構調整が大変だったと思っているんですよ。その割には資源管理課長はこたえていませんね。びくともしないというかですね。いずれにしても、これは資源管理課長、方針として、もうこれだけの改革というか方針を見直したのは何年ぶりなんですか。
◎柳村資源管理課長 この中・小型まき網に関して言えば、3年に1回こういう方針の見直しをしておりますけれども、ここまで恐らく盛り込んだ項目が多いのは久しぶりではないかという気がしております。
◆山田[博]委員長 資源管理課長、初めてと言ったり久しぶりと言ったり、どっちですか。
◎柳村資源管理課長 初めてということはないと思います。例えば火船の表示義務というのは3年前に入れさせていただいておりますし、それから5トン以上のイカ釣り船との兼業禁止というものも6年前に入れておりますので、初めてということはないと思います。ですから、項目がこれだけ多いのは久しぶりだということです。
◆山田[博]委員長 資源管理課長、これは溝口委員がいろんな一本釣りの漁業者の制度もしないといけないと。締めるところ締めて、緩くするところは緩くするようにしないといけないということで、一定の理解はできるわけですけれども、いかんせん、私が言いたいのは、やはり違反操業という誤解を招かないために、こういった方針でするんだというのが一番大事だと思うんです。運搬船の表示にしたって、先ほど溝口委員が懸念とか、いかにも転載しているというふうに誤解を招くとか、怒るのはそれは当たり前ですよ。それをやっているみたいなことを言われるからね。やっていないと。そうじゃないんだということを言いたかったわけですよ。
 だけど、そういった懸念というか、そういった誤解を招かないために、最近はこういった表示もあったということで、努力してこれだけまとめたのは、これはいろんな意味で長崎県の水産業において、大きな礎の一つになったんじゃないかと思うんです。
 先ほどの私の質問に対する答えが返ってこないのであれば、もういいですよ。
◎柳村資源管理課長 ここに書いていますように、休業者の取り扱いというのは、これまで積極的に取り上げる、もしくは返納していただくということはやっておりません。ただし、ピーク時の許可数に比べると、やはり自主的に廃業されていく方というのが多うございます。例えば平成6年11月で言えば、中・小型まき網合わせて123の経営体がおりました。これが現状で言えば、先ほども申し上げましたとおり、中型まき網と小型まき網を合わせて93経営体というふうになっておりますので、大体4分の1が減少してきております。
 ただ、その中でも許可を持ったままで休んでいらっしゃるという方も実情としておられますので、ある程度このあたりは整理した方がいいのかなと考えております。
◆山田[博]委員長 その休業という中で、例えば他人の免許を使って、他人の名義を借りて操業したという事例はその中になかったんですか。
◎柳村資源管理課長 現状で私はそういう事実があったということは認識しておりません。
◆山田[博]委員長 例えば、資源管理課長、やろうと思ったらできないことはないんでしょう。そういったことはないと思うんだけれども、やろうと思ったらできないことはないでしょう。
◎柳村資源管理課長 ただ、それをやってしまってわかれば、それは漁業違反、無許可ということになります。
◆山田[博]委員長 わかりました。
 私の方は、今回、こういった県の漁業許可のあり方ということで、資源管理課長としてはこういったのは久しぶりと言ったでしょう。溝口委員から言わせると初めてだと言うし、この見解があった、いずれにしても大きな前進が一つあったのではないかと思います。
 ありがとうございました。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ほかに質問がないようですので、本件についての審査を終了いたします。
 次に、「県の違反操業の取組状況について」審査を行います。
 しばらく休憩いたします。
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     −午後2時53分 休憩−
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     −午後3時6分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開します。
 まず、漁業取締室長より説明をお願いします。
◎長嶋漁業取締室長 それでは、お手元の資料の「県の違反操業の取組状況について」という2枚紙と、後からお配りしております1枚紙をご覧ください。
 まず、1番目に、漁業取締体制についてでございますけれども、現在の漁業取締室の陣容でございますが、陸上職員7名、うち水産部職員4名と県警の派遣警部1名、それから県警OBの嘱託職員2名、これに加えまして取締船の船員が41名の合計48名体制でございます。
 5隻の漁業取締船につきましては、そこの表にあるとおり、「かいおう」、「はやぶさ」、先日竣工いたしました「ながさき」、それと「おおとり」「かいりゅう」の5隻の取締船の体制でございます。
 これに加えまして借り上げのセスナと防災ヘリ等を使いまして、航空取締りを行っております。
 3番目といたしまして、夜間の哨戒、それから船内待機、それから違反情報につきましては24時間の受理体制をつくっております。
 4番目といたしまして、水産部の職員、そして地方機関の水産関係の職員、合計95名を漁業監督吏員に任命いたしまして対応しているという状況でございます。
 下の方の違反情報及び検挙件数につきましては、ここに書いてあるとおりでございますが、過去3箇年度の平成21年から平成23年につきましては、検挙件数が大体20件前後、それから情報件数が90件前後という状況になっております。
 平成24年度につきましては、そこに8月末現在で検挙件数6、情報件数35となっておりますが、本日現在では検挙件数が8、情報件数39となっております。
 次のページに移っていただきまして、外国船の取締りにつきましてご説明いたします。
 まず、外国船の取締り権限についてでございますが、外国漁船の取締りにつきましては、法律は※印のところにあります「排他的経済水域における漁業権等に関する主権的権利の行使等に関する法律施行令」これによりまして「水産庁の漁業監督官」及び「海上保安官」に限定されております。官がつく官吏の方に限定されているという状況でございます。
 県といたしましては、国からの「都道府県は違反している外国の船舶を発見した場合には速やかに水産庁、海上保安部に通報するものとする」という通知内容に基づきまして、漁業取締船の哨戒中に外国漁船の違反操業等を確認した場合には、水産庁等へ通報するということにしております。
 後からお配りしました1枚紙、これが今申しました国からの通知の写しでございます。「外国人漁業の規制に関する法律に基づく取締り等における関係省庁等の連絡体制について」という平成13年7月5日付の農林水産省事務次官通知ということになっております。この通知の一番後段の方に、先ほど申し上げました内容のことが記載されております。
 (2)といたしまして、国境離島周辺海域での哨戒状況です。本県取締船の哨戒状況につきまして、平成23年の実績でそこに書いてございます。
 1年間のうち、対馬海域につきましては25日ということで、2週間に1回程度の哨戒、パトロールを行っております。
 壱岐海域につきましては、50日ということで1週間に1回程度、五島海域につきましては、男女群島、鳥島を含めまして、五島のいわゆる西側を含めまして150日ということで、週に2〜3回の頻度で哨戒を行っているという状況でございます。
 また、航空機による哨戒活動を年間30回以上行っておりまして、これに基づきまして男女群島、鳥島、それから対馬の北部方面も含めまして、国境周辺の監視活動を行っております。これを年間100時間以上行っているという状況でございます。
 最後に、最近の外国漁船の違反操業の情報ですが、ここ5年間調べましたけれども、漁業者及び漁業取締船がそういう違反操業をしているという外国漁船を目撃した情報というのはございません。
○山田[博]委員長 以上で説明が終わりましたので、皆様からご質問を受けたいと思います。
 実は、今日、皆様方に集中審査としてご提案させていただいておりました県の違反操業の取組状況についてということなんですが、先ほど漁業取締室長から説明があったように、今、取締りを行っても、未だに違反操業が後を絶たないものですから、取組状況というのをきちんと説明していただいて、問題点等があれば、またしっかりと皆さん方と議論していただければと思いまして、説明をしていただいております。
 皆さん方からご質問はありませんか。
◆陣内委員 ご報告いただきましたけれども、国境離島周辺海域での哨戒状況ということで、対馬、壱岐、五島の区域においては五島が断トツに頻繁にされている。ということは、確率的にそちらの海域があやしいということなんでしょうか。
◎長嶋漁業取締室長 取締船の配船に当たりましては、漁業者、漁協等からの情報、それから県内13海域で漁場監視をやっていただいております漁場監視協議会からの情報等をもとに、これまで蓄積しましたデータ等を踏まえて、季節ごとに取締りの船を重点的に配備し、体制を変えながらやってきているという状況でございます。その中で、対馬より壱岐、壱岐より五島の方が違反情報が多いという実態に基づいてやっているということでございます。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
 なければ委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長。
◆山田[博]委員長 それではお尋ねしたいと思うんですが、特に外国漁船の取締りということでありますけれども、この外国漁船の違反操業の情報というのはないと。情報はないけれども、違反操業しているということで拿捕された件数はご存じですか。知っているのだったら、まず答えていただけますか。
◎長嶋漁業取締室長 平成24年のこれまでの拿捕状況でございますが、本県及び本県周辺海域での拿捕状況でございます。韓国船が5隻と聞いております。中国船はございません。
○前田副委員長 答弁はしっかりしてください。もう一度答弁をお願いします。
◎長嶋漁業取締室長 もう一度暦年で申します。
 平成24年8月末現在、韓国船5隻、中国船はゼロです。
 過去5年を申し上げます。5年さかのぼりまして平成19年から申し上げますと、平成19年は、韓国船が8隻、中国船が2隻、合計10隻です。平成20年は韓国船17隻、中国船1隻、合計18隻です。平成21年は、韓国船が10隻、中国船1隻の合計11隻です。平成22年は、韓国船11隻、中国船1隻の合計12隻です。平成23年が韓国船8隻、中国船2隻の合計10隻です。
◆山田[博]委員長 やっぱりここを見ますと、韓国船が多いということは、この韓国船が拿捕されたところはどこが多いのか、中国船はどこが多いのか、それはわかりますよね。
◎柳村資源管理課長 全部の取締りが、捕まる場所はばらばらです。ただ、傾向として見えるのは、やはり韓国の船が多く捕まる場所は対馬近海、それから、中国船が捕まる場所は五島西から南の海域ということになります。
 特徴は、韓国船はいわゆる日韓漁業協定の中で、正確に漁獲量を、日本のEEZで捕った魚、それから、日本が韓国に出かける時は、韓国水域で捕った魚の量をきちんと日誌にまとめないといけません。それをごまかしている。日誌の不実記載といいますけれども、非常に軽微な違反ということになります。これが非常に多うございます。
 逆に中国船は1隻、2隻というデータですけれども、これは例えば領海侵犯で捕まるということで、どちらかというと悪質なことで捕まっているという傾向にございます。
◆山田[博]委員長 これで、私が要するに領海侵犯と、資源管理課長が思い切った発言をしましたね。韓国は日誌の不実記載などの軽微な違反だと、しかしながら中国は領海侵犯など悪質な犯罪だと。どっちが漁業取締室かわからんぐらい思い切った発言をしたわけです。
 それで、中国漁船の領海侵犯というのを、これはあくまでも今の長崎県の取締り権限というのは通報だけになるわけですか。
 例えば通報があった時に、私が心配しているのは、この前、船員さんを拝見したわけですね。もう長嶋室長みたいに人の良さそうな顔が乗っていたわけですよ。私のように眉間にしわを寄せたようないかつい人はいなかったわけです。あの人たちが万が一、いいですか、中国とか、韓国で、特に中国なんかは領海侵犯でしょう。資源管理課長が領海侵犯で悪質だと言っていましたけれども、その人たちからいろいろ威嚇とかされた時に、この漁業取締の船は対抗する手段とかあるんですか。
◎長嶋漁業取締室長 威嚇といいますか、そういう場に遭遇した場合には、直ちに水産庁、そして海上保安部の方に連絡して、その状況をお伝えするということしか、今、対応としてはございません。
◆山田[博]委員長 漁業取締室長、ここはやっぱり問題なんですよ。私の地元の五島には、いいですか、取締室長、台風とか何とか来たら、たくさんの船が来るわけです。不法上陸するわけだよ。そして、不法上陸をしているとわかったのは何かというと、道端に脱ぎ捨てられたパンツだったんです。そこをちょうど警察官が通った時に、そのパンツを発見して、道路にパンツを脱ぎ捨てているからこれはあやしいと。このパンツをよく見たら、メイドインチャイナと書いてあると。これは中国人が不法上陸している、間違いないといって、それでずっと探して逮捕されたんです。これは事実ですよ。五島振興局の水産課に行ったら記録が残っているんですよ。資源管理課長は知っていますか。こういうことがあったんですよ。
 私が何を言いたいかというと、今の漁業取締船がそういうものに遭遇して威嚇されたり、ぶつけられた時に、身を守るものは何もないんですね。
◎長嶋漁業取締室長 県の漁業取締船がやれることは、本当に限定されております。ですから、国の方に通報すると、身を守るというのは、とにかく相手に(「あるのか、ないのか」と呼ぶ者あり)寄らず、近づかず、通報するという状況だけでございます。
◆山田[博]委員長 だから、漁業取締室長、これは大事なところなんです。私も認識不足で、もうちょっと勉強しないといけないと思ったんですけれども、要は、日本の船でも何でもぶつけた時に、寄らず、近づかずで逃げていくんですか。捕まえようとして反抗してきたら、「こらっ」とか言われたら逃げるんですか。これは正直に言わないと、現場の人たちの声というのはなかなか聞けないからね、今話を聞いたら通報するだけと。取締りする方が逃げてしまったらどうなるのかとなるわけです。私が言いたいのは、今の海上保安庁みたいに、放水とか、ああいった行為はできないんですか。どうなんですか。教えてください。
◎長嶋漁業取締室長 県の取締船の放水銃等の施設は整備しておりません。ですから、そういう行為はできないということでございます。
◆山田[博]委員長 いいですか、行為ができないのは、機器がないからなのか、法的にそれができないのか、どっちですか。
◎長嶋漁業取締室長 施設的なものもありませんし、外国漁船に対してそういう行為をするということも、今の法律上は認められておりません。
◆山田[博]委員長 それは日本の船でもそうですか。日本の漁船に対してもそうですか。
◎長嶋漁業取締室長 今申し上げているのは、あくまでも対外国漁船に対しての話です。(「日本の船」と呼ぶ者あり)相手が日本の船であれば取締り権限はございます。司法権は行使できます。
◆山田[博]委員長 だから、いいですか。日本の船が、例えば取締船の体当たりした時に、身を守る時のあれがあるのかないのかを聞いているんです。
◎長嶋漁業取締室長 日本の漁船が取締船に対してそういう行為をした場合には、司法権を行使して強制的に停船命令なり、立ち入り検査なりを行います。そういう権限はございます。
◆山田[博]委員長 それはわかるんだけど、例えば、いいですか、石を投げるとか、いろいろな物を投げるとかあるでしょう。その時に身を守る手段というか、放水銃というんですか。そういったものは使えるんですか。使えないんですか。船自体にそういったものを設置できないんですか。
 私が言いたいのは、今、これだけ中国とか韓国の漁船の違反操業とかあった時に、海上保安庁の船にぶつけてくるわけだから、悪質ですよ。私はここでしっかり議論しておかないといけないのは、法律で言えば長崎県の漁業取締船はそういったのができないんですよと。行為もできないし、機械も設置できないんですということであれば、しかし、国境のしまといってこれだけクローズアップされている中に、尖閣諸島の問題もあっている時に、長崎県の漁業取締船がそういったことに遭遇した時に、直ちに通報してくださいと、向こうから攻められた時に私たちはどんな対応をするかなんですよ。今からそれを準備して議論しておかないといけないわけですよ。今まではよかったかもしれないけれども、これからはそういった悠長なことは言っていられないと思いますよ、はっきり申し上げて。
 漁業取締室長、どうですか。外国船にはそういった行為ができないから付けていないんだと。しかし、日本船に対してはそういったことができるとして、設置ができるのか、できないのか、それをお答えください。
○前田副委員長 暫時休憩いたします。
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     −午後3時25分 休憩−
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     −午後3時31分 再開−
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−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
○前田副委員長 委員会を再開します。
◎長嶋漁業取締室長 現在、漁業取締船の体制といたしまして、積極的に妨害をする船舶に威嚇するような行為等は認められておりません。ただ、身を守る対応策といたしましては、こん棒、それから防じんベスト、手錠等は各船に配備しております。そういう最低限の身を守る器具等を装備しながら、必要な、できる限りの対応策をとってまいりたいと思います。
◆山田[博]委員長 私は、委員の皆さん方にぜひご理解いただきたいのは、この国境の離島周辺の海域では、今いろんな情報が来て、海域の取締りを行っているということで、それは大変頑張っていただいていることに感謝しているんですけれども、その中で、やっぱり現場の取締室の船員の人たちにしたら、こういった形で頑張っていただいているんだなと。ましてや資源管理課長が言うように、中国の領海侵犯は悪質だと。悪質なところに住んでいる私たち五島選出の県議会議員としては、あの中国の尖閣諸島のああいった状況というのは人ごとじゃないわけですよ。実際、私たちもそういった海域で前線を守っている漁業取締室が、例えば中国とか、いいですか、私もいろいろ勉強させていただいておりますけれども、中国政府が尖閣諸島に行った時に、一緒になって海上保安庁みたいな船が来るんだから、尖閣諸島に。行って魚を捕るのを邪魔されないようにずっと守っているんだよ、国を挙げて。そういった状況の中で、果たして日本の取締船が、万が一五島沖とかで遭遇し、威嚇された時に身を守るすべがなかった場合に、例えば体当たりとかされた時に、それを身を守るものがあるのかといったら、私は少なくともこういった特に国境のしまを抱えている水産県長崎として、ましてや全国でも水産部があるのは長崎県だけでしょう、水産部長。その中でこういった議論をしていくのが、47都道府県で唯一水産部がある長崎県の価値があると私は思っているんですよ。ましてや国境に面した多くのしまを抱えてやっているんです。そこの中で私はあえて言わせてもらっているんですよ。
 最後に水産部長として、私としてはこれからこういった中国との領海とかの問題が頻繁に起こっている中で、この長崎県の漁業取締船を自己防衛をするためのある程度の整備に取り組んでいかないといけないというのを、私は改めて認識してこれを言っているわけですよ。
 もっと言うと地元の漁業者が言っているんだから。取締船が外国の船と遭遇した時は大丈夫でしょうかと心配している声をもらっているんですよ。ただ単に漁業者は、長崎県の漁業取締船を目の敵にしているわけじゃないんですよ。こういったことを心配しているんですよ。声も挙がっているんですよ。だから、最後に水産部長の見解だけ聞かせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
◎荒川水産部長 私ども長崎県の漁業取締りに与えられている権限の中には、外国漁船に対するものがございませんので、外国漁船を対象とした装備ができるか、できないかというところについては、非常に疑義のあるところでございますけれども、これは外国漁船の取締りを実施していただいております水産庁、海上保安庁、そこのところとどこまでできるのかというお話を聞いてみたいと思います。
◆山田[博]委員長 ぜひそうしていただきたいと思います。
 これは瀬戸内海とか、ああいったところの取締船とはまた違うわけだから。国境に接しているわけだから。ましてや、今、中国や韓国とも日本ははっきり言って国境で問題になっているんだから。領有権でね。領海侵犯とかなんかになっているわけだから、その点はしっかりとやっていただきたいと思うんですよ。
 これは漁業取締室長、最後に取締室の現場の職員の聞き取り調査をぜひしていただきたい。やっぱり私は絶対現場にいて不安でならない点があると思いますよ。実際、あれだけの中国とか韓国とか、特に海上保安庁の船なんかがぶつけられた時は、取締室長、何らかの機会に職員の意見を聞いて、集約して、取締室として現場の声をまとめてやっていただきたいと思います。それを踏まえて水産部長、ぜひ一緒になって取り組んでいただきたいと思うんです。漁業取締室長、何かありましたら。
◎長嶋漁業取締室長 ただいま委員長からもご意見をいただきました。毎月1回、取締船の全乗組員とは意見交換の場を持っておりますので、次の機会に今回の委員会でのお話をいたしまして、そういうやりとりをしてみたいと思います。それを集約して、またご報告したいと思います。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 ほかにご質問はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ほかに質問がないようですので、本件についての審査は終了いたします。
 次に、本日の集中審査に関する審査結果について整理したいと思いますので、しばらく休憩します。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午後3時38分 休憩−
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     −午後3時43分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開します。
 水産部関係の審査の取りまとめをしたいと思います。
 まずは予算議案についてでございますが、予算議案は、漁港漁場整備事業の早期着工、早期完成に努めるようお願いしたいということと、議案に関しては長崎県魚市場条例でございますが、関係機関との再度の調整を図りながら、条例の施行に向けて努力していただきたいということにしましょうか。
 続きまして議案外でございますが、国の指導によるマグロ養殖でございますが、これは関係機関との調整を図りながら、また、マグロ養殖の規制のあり方について議論していただきたいということにしましょうか。
 続きまして、漁協の合併はさらなる推進に取り組んでいただきたい。藻場造成に関しては、今回のガイドラインを踏まえた上で積極的に取り組んでいただきたい。
 なおかつ集中審査の五島西方沖の国直轄漁場整備事業についてですが、国と地元の方々の意見交換会を開いていただきたいということにします。
 続きまして、県の漁業許可のあり方についてですが、今回示された一斉更新対応方針を関係機関と調整しながら、最終案を早期に取りまとめてもらいたいと。
 最後に県の違反操業の取組状況でございますが、特に外国漁船等の取締りについては、関係機関と調整を図りながらしっかりと取り組んでいただきたいということでまとめていきたいということで、よろしいでしょうか。
 ほかにありませんか。
 今の詳細についてはいかがいたしましょうか。
     〔「正副委員長一任」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 それでは、正副委員長にご一任願います。
 それでは、水産部関係の審査につきましては、10月4日午後1時30分から陳情書の60番の審査を行います。
 本日の審査はこれにてとどめ、10月1日は、午前10時より農林部関係の審査を行います。
 本日は、これにて散会いたします。
 お疲れさまでした。
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     −午後3時45分 散会−
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