平成24年  8月定例月議会 農水経済委員会 - 10月04日−09号

平成24年  8月定例月議会 農水経済委員会

1、開催年月日時刻及び場所
  平成24年10月4日
       自  午前10時3分
       至  午後4時10分
       於  議会会議室
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2、出席委員の氏名
    委員長(分科会長)  山田博司君
    副委員長(副会長)  前田哲也君
    委員        加藤寛治君
     〃        馬込 彰君
     〃        野本三雄君
     〃        溝口芙美雄君
     〃        高比良末男君
     〃        中島廣義君
     〃        徳永達也君
     〃        陣内八郎君
     〃        高見 健君
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3、欠席委員の氏名
     なし
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4、委員外出席議員の氏名
     なし
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5、県側出席者の氏名
    農林部長            上田裕司君
    農林部次長           井手幹雄君
    農林部次長           加藤兼仁君
    農政課長            木下 忠君
    農業経営課長          中村 功君
    畜産課長            松本信助君
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    水産部長            荒川敏久君
    水産部政策監          下山満寛君
    漁政課長            山田芳則君
    総合水産試験場長        田添 伸君
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6、参考人の氏名
    壱岐市漁業協同組合長会会長   西  寛君
    壱岐市漁業協同組合長会幹事   浦田和男君
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7、審査の経過次のとおり
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     −午前10時3分 開議−
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○山田[博]委員長 それでは、委員会を再開いたします。
 これより、口蹄疫対策の取組状況について集中審査を行います。
 まず畜産課長に説明を求めるわけでございますが、今回、皆様方のお手元に資料をお配りしている、この取組状況でございますが、このたび全国和牛能力共進会が控えておりまして、残念なことに宮崎県で平成22年に口蹄疫の事件が起きております。全国和牛能力共進会になりますと、日本のみならず世界各国からも来られますので、万が一のことを考えて、今後の取組をどのようにしているのかという認識と、また、その後の宮崎県の状況を踏まえた上で説明を求めて、万全の態勢で臨みたいということで、この口蹄疫対策の取組状況についての集中審査を行うことになりました。そういったことでご理解いただきながら、畜産課長の説明を受けていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 それでは畜産課長に説明を求めます。
◎松本畜産課長 それでは、口蹄疫対策の取組状況について、宮崎県の口蹄疫発生後の取組状況と本県の対応についてご説明します。
 お手元の資料、3つありますが、「農水経済委員会集中審査 説明資料」と書いた資料をご覧ください。
 まず、表紙に5つの項目を書いております。
 1つ目が、平成22年の宮崎県口蹄疫発生から終息に至る主な経緯。2つ目が、口蹄疫対策検証委員会が指摘した問題点。3つ目が、「口蹄疫からの再生・復興方針」工程表、これは宮崎のものですけど、この改訂版について。4つ目が、長崎県の防疫対応。5つ目が、口蹄疫対策検証委員会が指摘した問題点に対する本県の対応。この5つの項目について順番にご説明します。
 1ページをお願いします。これは、平成22年の宮崎県口蹄疫発生から終息に至るまでの主な経緯でございます。
 平成22年4月20日に、宮崎県都農町の肉用牛で最初の発生を確認しました。後で判明したのですが、この発生農家では、4月9日時点で異常を示す牛が報告されており、結果的に発見が遅れてしまいました。
 翌21日には川南町で発生を確認し、その後も発生が続きまして、28日には県南部のえびの市でも発生するとともに、川南町では豚でも発生が確認されました。
 その後も発生が拡大し、宮崎県知事は、5月18日に非常事態宣言を発令しました。
 政府は、22日に、川南町とその周辺地域でワクチンの接種と接種家畜の殺処分を開始しました。ワクチン接種家畜の殺処分と埋却がすべて完了したのは、6月30日でした。
 その後、発生は終息に向かいまして、7月27日には県内すべての移動制限区域が解除され、1箇月後の8月27日に口蹄疫終息が宣言されました。
 2ページをお願いします
 口蹄疫発生から終息に至る過程において、農林水産省の口蹄疫対策検証委員会が取りまとめました、宮崎県における防疫対応の問題点を7つ記載しております。
 1点目が、10年前の宮崎県での口蹄疫の発生を踏まえてつくられた防疫態勢が十分に機能しなかった。国と宮崎県、市町村などとの役割分担が明確でなく、連携も不足していたということです。
 2点目が、畜産農家段階において飼養衛生管理基準が守られていたとは言い難い。また飼養衛生管理基準の内容自体も緊迫感や具体性に欠けていたということです。
 3点目が、宮崎県の家畜防疫員一人当たりの管理頭数、農家戸数は他県に比べ格段に負担が大きく、この結果、農場の所在地、畜種、頭数などについての把握を宮崎県では十分に行っていなかったということです。
 4点目は、今回の事例では異常畜の発見の見逃しや通報の遅れがあり、感染を広げる大きな原因となったということです。
 5点目は、診断確定後24時間以内の殺処分、72時間以内の埋却ができなかったことが感染を拡大させたと、殺処分、埋却などの具体的なイメージがないため作業が円滑に進まなかったということです。
 6点目が、宮崎県が所有する種雄牛の特例措置は現場に多くの混乱をもたらしたということです。
 7点目は、国際空港、海港においては、靴底消毒などの検疫措置を実施していたが、オーストラリアやニュージーランドのような徹底した入国管理は行われていなかったということです。
 以上の問題点に対する長崎県の取組状況については、最後の5として記載していますので、その時にご説明いたします。
 次に、3、「口蹄疫からの再生・復興方針工程表〜再生・復興に向けたロードマップ〜」の改訂版についてです。
 宮崎県では、平成22年8月に「口蹄疫からの再生・復興方針」を策定して、緊急的な対応を要する事項を優先し、さまざまな取組を実施しています。また防疫態勢の強化、畜産農家の経営再開に向けた取組、経済雇用対策等で中・長期的な対応を要する事項については、工程表を策定し、さまざまな取組を行っています。その概要をご報告します。
 資料4ページをお願いします。
 再生・復興の目標として、@早急な県内経済の回復、県民生活の回復、A全国のモデルとなる畜産の再構築、B産業構造・産地構造の転換、以上3つを掲げ、その取組としては、防疫態勢の強化・見直し、畜産経営再開への支援、6次産業化や農商工連携の促進、みやざきブランドイメージの回復、経済雇用対策、埋却地の保守管理と農地の再生利用、地域振興対策等を開始しました。
 そのため平成23年5月に、「口蹄疫からの再生・復興方針」のうち中・長期的な対応を要する課題について9つの項目に整理した上で、平成23年度から平成25年度までの3年間の工程表を策定し、スピード感をもって取組を進めるとともに着実な進行管理を行うこととしました。
 工程表の9項目についてご説明いたします。5ページをお願いします。
 3、工程表の進捗状況・課題です。
 まず、防疫態勢の強化ですが、家畜防疫員の確保については、家畜保健衛生業務に従事する獣医師とは別に、新たに県の畜産職等83名と民間獣医師等136名を家畜防疫員に任命、任用して、その確保を図りました。
 関係機関との連携については、宮崎県は21の関係団体と防疫協定を締結しました。
 宮崎大学との連携については、新たに設置された「産業動物防疫リサーチセンター」と連携して、獣医師の育成研修に取り組みました。
 マニュアルの整備については、県の口蹄疫防疫マニュアルを全面改訂し、県の機関や市町村でもマニュアルを策定、改訂しました。
 防疫演習ですが、県や市町村を対象とした演習を行っています。
 水際防疫の徹底ですが、空港、港湾、ホテル、ゴルフ場、駅を設置、利用する団体と防疫協定を締結しました。
 飼養衛生管理基準の徹底については、原則、家畜防疫員による巡回指導を年1回実施しています。
 埋却地の確保については、課題に掲げますように、すべての畜産農家における埋却地の確保を進めており、一旦埋却地が確保されても、地下水等の理由で精度の高い埋却地を確保することとしています。
 2、畜産経営再開への支援ですが、経営再開の支援については、畜産経営への現地指導やプレミアム牛肉商品券発行を支援しました。
 適正飼養密度等の検討については、農業団体との協議を踏まえて、「家畜の適正な飼養管理に関するガイドライン」を策定しました。
 3、産地構造・産業構造の転換ですが、耕種への転換や6次産業化を進めています。
 4、安全・安心の確保ですが、これについては畜産飼料自給率の向上を進めています。
 5、埋却地の環境対策等ですが、埋却地の管理対策については、関係市町と協力して、陥没の修復や草刈り等を実施しています。
 次に埋却地の環境対策については、埋却地周辺井戸等の水質モニタリング調査を実施しており、調査した331地点中4箇所については詳細調査を実施中です。
 6、今回の経験を全国に伝える取組ですが、全国への情報発信について、九州各県担当者を集めた防疫研修会を実施しました。
 7、こころと体のケアですが、口蹄疫に係る精神保健対策マニュアルを作成しました。
 8、地域振興対策ですが、これについては、西都、児湯地域で、口蹄疫復興対策運用型ファンドによる支援を行いました。
 7ページですが、9、経済雇用対策で、中小企業支援についてはプレミアム商品券の発行、地域活性化イベント開催や誘客対策を支援しました。
 雇用対策については、ふるさと雇用再生特別基金事業等による雇用創出を図っています。
 観光ですが、公益財団法人みやざき観光コンベンション協会等と連携して、イベントの実施やコンベンション誘致、県外での観光PRや修学旅行誘致を実施しています。
 商業、サービス業及び製造業については、口蹄疫復興対策運用型ファンドにより、商工団体が実施する販路拡大や新商品開発の取組を支援しました。
 8ページをお願いします。
 4,再生・復興の状況ですが、(1)畜産経営の再開状況については、平成24年4月20日に取りまとめた経営再開状況は、農家数ベースで60%、頭数ベースで59%となっています。
 経営再開が進まない理由としては、中国や台湾等での口蹄疫の相次ぐ発生などによる再発への懸念、高齢化や後継者不足、飼料価格の高騰や枝肉価格の低迷、TPP等による先行き不安等の要因が考えられます。
 このようなことから畜産経営の再開を予定している農家に対しては、再開後の経営安定に向けて、きめ細やかな支援が必要となっています。
 9ページをお願いします。
 (2)県内経済の状況については、有効求人倍率は口蹄疫発生直後と比べて改善傾向にありますが、宮崎空港国内線乗降客数や主要ホテル・旅館宿泊客数は、口蹄疫終息以降、徐々に持ち直しの動きも見られたものの、高病原性鳥インフルエンザの発生、新燃岳の噴火に続いて東日本大震災の影響もあり、対前年度比でマイナスの傾向が続くなど県内経済は大変厳しい状況にあり、商工業や観光業の振興を着実に図る必要があるとしています。
 10ページをお願いします。
 5、工程表の改訂に当たっての考え方です。工程表の進捗状況、畜産経営の再開や県内経済の状況等を勘案し、平成24年4月、次のように工程表を改訂しました。
 1点目は、「畜産経営再開への支援」、「経済活性化対策」について、現状を踏まえてしっかり取り組むとしています。
 2点目は、「宮崎県畜産の新生」に向けた取組を具体的に進めるとし、具体的には「生産性の向上」、「生産コストの低減」、「販売力の強化」、「畜産関連産業の集積」、以上4つの課題への的確な対応を推進するとしています。
 3点目は、防疫対策等について引き続きしっかりと取り組むことを掲げ、近隣諸国では口蹄疫が相次いで発生しており、また、口蹄疫の発生から2年が経過し、防疫意識の風化を防ぐことも重要となっていることから、防疫対策として県境防疫の充実、農場防疫の徹底等を図るとともに、引き続き産地・産業構造の転換、地域振興対策等にしっかりと取り組むとしています。
 7、財源の活用ですが、これまでの各種財源の活用状況を踏まえ、口蹄疫復興対策基金、口蹄疫復興対策運用型ファンド、中小企業応援ファンドとともに国庫補助事業、農畜産業振興機構の口蹄疫畜産再生基金を有効に活用するとしています。
 12ページをお願いします。ここから長崎県の防疫対応です。
 (1)は、長崎県での平成22年の主な経緯です。平成22年4月20日午前、宮崎県での口蹄疫発生が報告されましたので、その日の午後に畜産関係団体を召集して緊急の防疫対策会議を開催し、注意喚起するとともに、宮崎県から家畜導入した農家に対し、家畜保健所の立入検査を行い、また、その他のすべての偶蹄類飼養農家に、電話での聞き取り調査を実施しました。
 5月中旬は、県内家畜市場の開催が予定されていましたが、宮崎県での発生が続いたため、13日の五島市場を最初に県内すべての家畜市場の開催を延期しました。
 6月1日から県は、県内すべての畜産農家や家畜市場、と畜場へ消毒薬を配布して消毒の徹底を支援しました。
 6月22日からは、県境の10ポイント、その後2ポイント追加しまして合計12ポイントで畜産関係車両の消毒を開始しました。
 その後、宮崎県での発生がかなり収まってきたので、6月27日の平戸口中央家畜市場を皮切りに、開催を延期していた家畜市場を再開しました。
 8月26日に県境消毒ポイントでの車両消毒は終了し、9月以降については、今後の有事に備え、口蹄疫初動防疫マニュアルを改訂したり、防疫演習を開始しました。
 13ページをお願いします。
 13ページは、長崎県が口蹄疫終息するまでの間に実施した対策を具体的に記載しています。緊急防疫対策会議、口蹄疫警戒連絡会議の開催、県内に異常牛がいないかを確認する目的での農家立入検査や聞き取り調査の実施、異常通報への対応、農場消毒や県境の消毒ポイントにおける車両消毒や埋却予定地の確保、家畜防疫員の確保、家畜伝染病発生時における支援活動に関する協定締結、県有種雄牛の緊急避難施設の整備、防疫資材の確保等を行いました。これについては、後ほど5のところで詳しくご説明します。
 15ページをお願いします。宮崎県の口蹄疫終息以降の長崎県の対応を書いています。
 平成22年9月に、口蹄疫初動防疫マニュアルを改訂し、車両消毒を円滑に行うため県消毒業協同組合と協定を締結、また、家畜防疫員を確保するため公益社団法人長崎県獣医師会とも獣医師派遣に関する協定を締結し、団体も参加した防疫演習を実施しました。
 そして、16ページ中段ですが、発生を予防するために最も重要な飼養衛生管理基準を畜産農家が遵守するよう全戸巡回指導を行っています。この中身については、これから5の項目で詳しくご説明します。
 17ページをお願いします。
 冒頭の2でご説明した、国の口蹄疫対策検証委員会が指摘した7つの問題点に対する本県の対応をご説明します。
 まず、問題点の「@10年前の口蹄疫の発生を踏まえて作られた防疫態勢が十分機能しなかった。国と宮崎県・市町村などとの役割分担が明確でなく、連携も不足していた」につきましては、本県は、まず防疫態勢を強化しております。具体的には、従来から実施していた防疫対策に加えて、国内発生段階で口蹄疫警戒連絡会議を開催して、県庁内及び各振興局単位で県、市町、関係団体と情報を共有し、防疫対策を迅速・的確に実施しています。
 本県発生時には、口蹄疫防疫対策本部を設置して防疫対策を実施してまいります。
 併せて、定期的に全国一斉防疫演習を行うとともに、農家等からの異常通報があった時点から国と情報を共有し、発生時には農林水産省から直ちに防疫専門家を発生地に派遣するということにしています。
 「A畜産農家段階において飼養衛生管理基準が守られていたとは言い難い。また、飼養衛生管理基準の内容自体も緊迫感や具体性に欠けていた」につきましては、本県は、飼養衛生管理基準の遵守率100%を目標に、現在、家畜保健衛生所獣医師による全農家巡回指導を実施しています。
 記載している表は8月末時点の結果です。この時点では遵守率100%になっていませんが、できるだけ早期に100%となるよう、現在、家畜保健衛生所が総力を挙げて指導を行っているところです。
 また、飼養衛生管理基準が緊迫感に欠けるとかという点につきましては、国の方で平成23年4月の家畜伝染病予防法の一部改正に伴い、より具体的な内容に改正されており、平成23年の10月に施行されております。
 次に18ページの、「B宮崎県の家畜防疫員一人当たりの管理頭数・農家戸数は他県に比べ格段に負担が大きく、この結果、農場の所在地、畜種、頭数などについての把握を宮崎県では十分に行っていなかった」については、本県は、宮崎県に比べると家畜保健衛生所獣医師一人当たりの家畜頭数は少なく、農場の所在地等基本的な情報を把握しております。家畜伝染病発生時に備えて県職員獣医師全員を家畜防疫員に任命したり、公益社団法人である長崎県獣医師会と獣医師の派遣に関する協定を締結するなどして、家畜防疫員の確保に努めています。
 「C今回の事例では、異常畜の発見の見逃しや通報の遅れがあり、感染を広げる大きな原因となった」については、本県は、農家及び家畜診療獣医師に異常畜の通報の徹底を図っております。このため、農家に意識啓発のためのリーフレットを作成、配布し、併せて農家を対象とした研修会を実施しています。
 家畜保健衛生所に実際の通報があった時は、すべての事例で直ちに家畜保健衛生所の獣医師が農場に立入検査を行い、その牛の舌や蹄等の口蹄疫の特徴が出る部位を写真撮影して、これを直ちに動物衛生研究所へメールで送信して、写真判定という形で判定しています。その結果、現在、長崎県で通報があった事例は、すべて口蹄疫を否定しています。
 なお、写真判定が導入されたのは宮崎県で発生してからのことで、導入される以前は、必要に応じて異常畜の検体、血液や、のど等のぬぐい液を動物衛生研究所へ送付して遺伝子検査を行い、その結果、長崎県のものはすべて口蹄疫陰性ということを確認してきました。
 次に19ページ、「D診断確定後24時間以内の殺処分、72時間以内の埋却ができなかったことが感染を拡大させた。殺処分・埋却などの具体的なイメージがないため、作業が円滑に進まなかった」については、本県は、すべての農家で埋却予定地を確保するとともに、県内4地域で防疫資材を備蓄し、ホームセンター等とは資材調達のための協定を締結しています。また、県の建設業協会や県造園業協会、そして県の消毒業協同組合とも、迅速な防疫活動を行うための協定を締結しました。そして、防疫マニュアルを改訂し、毎年、防疫演習を実施しています。
 次に20ページ。「E宮崎県が所有する種雄牛の特例措置は現場に多くの混乱をもたらした」については、本県は、緊急時の県有種雄牛の避難場所を小値賀町に確保しまして、ここで平茂晴等の貴重な遺伝子資源を守っていくこととしております。
 最後に「F国際空港・海港においては、靴底消毒などの検疫措置を実施していたが、オーストラリアやニュージーランドのような徹底した入国管理は行われていなかった」については、平成23年4月の家畜伝染病予防法の一部改正により、農林水産省の家畜防疫官は海外からの入国者に対し、それまで質問等はできなかったんですけど、質問や携帯品の検査ができるようになりまして、検査の結果、消毒が必要な物品を発見した場合は消毒することができるなど、動物検疫所としての水際防疫が強化されました。
 また、現在、農林水産省動物検疫指定港に指定している、本県の場合は長崎港、長崎空港、厳原港、比田勝港では、動物検疫所の門司支所の職員により、国際線の入国者の靴底消毒が行われています。
 この資料の説明は以上であります。
 この他に資料1として、農林水産省の口蹄疫対策検証委員会報告書の概要版を付けております。
 また、資料2としては、平成22年9月に改訂した長崎県口蹄疫初動防疫マニュアルを準備しております。このマニュアルの1ページ目、目次にありますように、ここでは組織体制、また、口蹄疫発生時の防疫対応時のタイムテーブル、時系列の対応、それと防疫対応のイメージ、そういうものを示し、その後、異常畜の発見、通報から病性鑑定への対応とか、疑似患畜決定までの作業、疑似患畜決定後の作業、発生時の消毒ポイント設置に関する対応、こういうものをここで定めております。すみませんが、時間の都合でここの説明は割愛いたします。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願いいたします。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより質疑を行います。
 ご質問はありませんか。
◆溝口委員 やはり口蹄疫にかからないような最初の予防が必要ではないかと思うんですけれども、そのことについては、大体どのような経過で口蹄疫にかかるのかということが一番重要になると思うんです。
 一つは飼養衛生管理基準をつくっているようですが、やはり餌からの感染が多いということになっているんですか。
◎松本畜産課長 口蹄疫はウイルスで発症しますが、基本的に日本国には現在、口蹄疫のウイルス等はないということなので、その原因としては海外から持ち込まれるということになります。そういうことで、まず、国境で持ち込みをしっかり阻止することが一番大事かと思っています。
◆溝口委員 ウイルスですから海外からということになれば、飼料からということではなくて、やはり人の体に付いてくるということも考えられると思うんですけれども、入国の際の検査は、聞くことができるそうですけれども、対策としては、飛行機とか船とかになってくると思うんですけれども、その辺の徹底をしていかないと、やはり難しいのではないかと思うんです。その辺については、長崎県としてはどのように考えていこうとしているのですか。
◎松本畜産課長 今、委員おっしゃるように、ウイルスを持ち込む原因としましては、人が靴底等に泥と一緒に持ち込むことが想定されます。もう一つは、旅行者等が口蹄疫で汚染された肉製品をカバンに入れて持ち込んで、それを国内で食べたりしてですね。大きく分けてそういうようなことが予測されます。
 空港とかでは動物検疫所が、すべて靴底消毒を実施するように、日本全国でしております。
 肉製品の持ち込みにつきましては、飛行機の中でアナウンスして、肉製品等の持ち込みはできませんと、持ち込みがある場合は通告してくださいということで、アンケートみたいなものをとるんです。そういうものに書いてある方は、すべて検疫所の検疫官が調べると。持ち込みが禁止されている肉製品等であれば、そこで没収して持ち込まれないようにすると、そういうふうになっております。
◆溝口委員 靴底等を、海外から来た人たちは全部、一応消毒するというような施設になっていると理解をしていいわけですか。(「はい」と呼ぶ者あり)わかりました。
 それと飼養衛生管理基準の遵守と書いてありますけれども、それぞれの農家に、靴底の消毒とか、車両消毒とか定期的に、これをすべてマニュアルどおり、それぞれの農家で管理していると理解していいわけですか。
◎松本畜産課長 農家が守るべき飼養衛生管理基準項目というのが、9つほど大きな項目を整理しているんですけど、県の方では、こういうふうなプラスチックの、口蹄疫はこういう病気で、こういう症状が出たら通報してくださいと書いたものを全農家に配って、牛舎に備え付けてもらっています。この裏の方に「飼料衛生管理基準を遵守しましょう」ということで、具体的にどういうことかと、例えば「衛生管理区域へ病原体を持ち込まないように農家の入り口では消毒をしましょう」とか、「野生動物の侵入による病原体を防ぎましょう」とか、そういうことを具体的に書いております。
◆溝口委員 例えば農家1戸1戸に1頭でも2頭でも、たくさん飼っているところはそのような設備をしているかもわかりませんけれども、全戸数と資料には書いていますので、その指導とか検査とか、ちゃんとやっているのかどうかというのを聞いているんです。
◎松本畜産課長 失礼しました。個々の農家の指導につきましては、原則すべての農家及び偶蹄類家畜飼養農場を、最低年1回は家畜保健所が現場を回って、直接農家の方に飼養衛生管理基準を説明して、これを守るよう指導をしているところです。
◆溝口委員 守るよう指導だけではなくて、せっかく基準の遵守ということで、100%を目標にしている、この目標を100%ということになれば、指導だけではいけないんじゃないかと私は思うんです。徹底したこの基準を守るように、ちゃんと守っているかどうかというのを検査していかないといけないと思うんです。
 その辺について指導だけで終わっているということは、こういう形をまだつくっていないと理解していいわけですか。
◎松本畜産課長 今のご質問に対しては、説明資料17ページの下の方に、飼養衛生管理基準の遵守状況を書いています。例えば、靴底消毒設備の設置については、乳用牛で91.4%、肉用牛76.7%、豚で95.7%ということで、項目別に実施状況を把握していまして、実施されていない農家につきましては、必ず実施するようにということで指導をして、実施されたかどうか、そこにはまた家畜保健所が出かけまして遵守状況を確認すると、そういうふうな進め方をしています。
◆溝口委員 わかりました。
 特に、農家の方々が海外に行った時には、そこら辺についても、もし体とか靴底なんかにあるかもわかりませんので、海外に行った方々には特に注意して仕事に当たるように指導していった方がいいんじゃないかと思っているんですけれども、その辺についての考え方はどうですか。
◎松本畜産課長 委員がおっしゃるように、特にアジア等、海外に出かけることも農家の方はあると思いますが、行った場合は必ず入国の時に、さっき言いました持ち込みのこと、消毒を徹底することはもちろん、帰った後も1週間は他の農場へ訪れることは絶対しないと、そういうふうなことを徹底してくださいという指導をしております。
◆溝口委員 発生時の初動体制が大事ではあるんですけれども、発生をさせないような予防をしっかりとしていただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
◆高比良[末]委員 異常な家畜が出てから、東京まで持って行って、検査結果がわかるまでのルートですが、かなり時間がかかりますよね。長崎で発生したら、農家が通報して家畜保健所の人が行く、いろんな手順を踏んで送って、連絡がくるまで最低何時間かかりますか。
◎松本畜産課長 現在は写真判定が導入されましたので、まず写真判定の方から説明します。
 通報が家畜保健所にありますと、大体1時間前後で農場に到着します。農場で写真を撮影したり、当該病畜の状況を確認したり、また、農場全体でほかに同様の牛がいないか、ほかの牛も調べたりということで、農場で大体2時間ぐらいは要します。そして、2時間ぐらいをめどに、写真を撮って、これを畜産課の方にすぐメールで送ってもらっています。畜産課の方では、これが届いたらすぐに農林水産省に送ります。農林水産省では、動物検疫所にこれを送ります。
 今までの経験から言いますと、農林水産省に写真が届いてから2時間以内ぐらいに結果がきます。ですから、通報があって約1時間、家畜保健所が農場に行って約2時間、農水省の判断が出るまで2時間で、5時間後ぐらいに結果が出ます。これが写真判定です。
 写真判定で否定されない場合は、血液とかを採って、これを東京の動物衛生研究所に送ります。この場合は当然時間がかかります。送るのに半日ぐらいかかって、遺伝子検査の結果が出るのにやっぱり6時間ぐらいかかるんです。実際の経験では、朝、通報があって、朝早く行って検体を採って送った場合でも、搬送に東京まで大体4時間、PCR検査結果が6時間とか、そういうのを加味すると、大体翌日の朝6時ぐらいに結果が出るということです。
◆高比良[末]委員 写真判定でできるということであれば速やかですので、初期にどういう手を打つかが大事だと思うんです。それでほとんど大体わかるんでしょう、経験されていますから。こういう症状の時はほとんど間違いないなと、最終的に検体を送って確認はするけど、その間、疑わしい時には適切な処置をしていくというような取組をするということで認識していいんですか。
◎松本畜産課長 今お尋ねの点につきましては、平成22年に宮崎県で発生した当初は、家畜保健所の獣医師も、口蹄疫は重要な病気ですから、それなりの知識はあったんですけど、個別に、こういう症状が口蹄疫で、これは違うとかと明確に獣医師個人で判断できるかというと、非常にその時点では自信がなかったということでしたが、宮崎で発生して、特徴的な症状はこうですよと、写真とかの情報もたくさんくるようになりました。
 ですから、今の時点では、現場に行った獣医師が見て、これはまず口蹄疫じゃないと思われるが、念のため農水省に連絡して写真判定をするということで、一人ひとりの獣医師のそういう意味での見方の技量も上がってきていると思います。
◆高比良[末]委員 私が何を言いたいかというと、長崎県内で判定ができるレベルまでね。東京まで行っていろいろ聞かないとわからないんじゃ、これはいかんと思いますし。
 そうなった時に、技術が要るのか、測定機器が要るのか、あるいは、判断するのは裁判所のようにそこだけに委ねられているのかというところなんです。身近なところで速やかに、これは口蹄疫だというふうに判断をして、念のために東京に確認する、そういう組織というのか、取組になっておかないと大変な問題が出るなというふうに思ったものですから、年々そういう方向にいっているのですか。
◎松本畜産課長 今のお尋ねですが、現在、家畜保健所の獣医師は、口蹄疫の具体的な症状についてかなり詳しくなっていますから、実際は現場に行ってほとんどのケースで、これは口蹄疫をほとんど否定していいのではないかと、獣医師の診断としては口蹄疫ではないが、しばらくの間、1週間ぐらい経過観察をすると、そういうのが現場の獣医師の判断ということで、そういう判断を農林水産省に伝えます。いわば念のためです。念のため伝えて、こういう判断でいくが、それでいいかということで、農水省が写真判定して、そういう判断でいいですということで。
 今、委員がおしゃったように、基本的なところは県の方で判断できるようになっていると思います。ただ、本当に最終的に口蹄疫かどうかを疑った時は、どうしても遺伝子検査をしなければいけませんので、これは東京にしかできるところがないものですから、その場合はサンプルを送ることになっています。
◆高比良[末]委員 東京でしか遺伝子検査ができない理由が、予算的なものなのか、技術的な問題なのか、人材の問題なのか、そこしかしてはいけないように法的に決まっているのか、その辺を聞きたいんです。
◎松本畜産課長 私も詳しくは説明できないんですけど、遺伝子検査をする時の口蹄疫の標準というか、そういうものを国は東京の動物衛生研究所にしか置かない、他の所には置かせないと決めているのです。つまり、口蹄疫が万一、テロとか何かで盗られたりして、何らかの形でばら撒かれたら大変なことになるということで、平成22年に宮崎で発生した時、これを九州でできるように改正してほしいと要望したのですが、その方針を国は変えませんでした。
◆高比良[末]委員 そういう検体を全国にあちこちばら撒けば、そこからまた伝染する、だからそこの1箇所に完全に保管して、ここだけ一極に集めようということですか。そういうことならわかります。あちこちに持って行って、保管が悪ければいろいろありますので。わかりました。
◆高見委員 「災害は忘れた頃にやってくる」というようなお話であったろうと思うんです。最初に委員長からありましたように、今回の口蹄疫の集中審査は、10月25日からの全国和牛能力共進会を控えての対応、対策といったものだというふうに私も理解をしていますので、そういう立場で質問したいと思います。
 一つに、宮崎県で口蹄疫が発生した、それを受けて緊急防疫対策会議とか口蹄疫警戒連絡会議、こういったものが開催されていますよね。今回は、発生はしていない状況の中で、仮に発生をしたら、大会が終わってから発生したらと、こんなこともありましょうから、予防を喚起するという意味で、こういう連絡会議のようなものを事前に開催するべきではなかろうかと思いますが、そういう予定はないですか。
◎上田農林部長 警戒連絡会議そのものは開催をいたしておりませんけれども、そもそも全国和牛能力共進会で全国から牛が集まります、人も参りますので、全国和牛能力共進会の実行委員会の防疫対策部会の中で、これは徹底しようということで、農業団体、農家の方も入る中で、当然獣医師も入っておりますけれども、そこで水際対策を徹底して講じようということで今回、3段階消毒というのをとっております。まずは、そこで徹底した封じ込めをやっていこうということで、口蹄疫の連絡会議という場面は設けておりませんけれども、まずは実践として、とにかく防ぐ。それを最優先していきたいと思っているところでございます。
◆高見委員 わかりました。
 それからもう一つは、宮崎県で発生したことを受けて、消毒などを実施されていますね。今回、宮崎県で発生した時並みの対応がとられるのかどうか。例えば空港とか、駅とか、波止場とか、特に佐世保の会場周辺、また県境ポイントの道路の消毒、こういったことをやるつもりはあるのですか。
◎松本畜産課長 全国和牛能力共進会に伴う消毒のお話ですが、現在、まず会場での消毒を強化する予定です。
 ちなみに、これまでの共進会では、消費者とのふれあいとか、そういうことを大事にするあまり、消毒は現在と比べたら非常に弱かったと思います。今回は、口蹄疫を絶対、そういう心配をなくすように、部長が言いましたように3段階、会場を消毒しています。
 まず、皆さんが入る1段階のところでは、靴底消毒ができるマットをすべて備えています。
 さらに、家畜の審査などが行われる会場に入るためには、全員の方にミスト消毒を。宮崎の時にお酢の希釈液が口蹄疫に有効とありましたけど、そういう口蹄疫に有効な消毒液を使ったミスト消毒をして、靴底だけではなく衣服等も消毒を行います。
 最後、3段階は、家畜が飼養されているところですけど、基本的にここには関係者以外は入れないと、そういうふうな消毒・防疫体制をとっています。
 あとは消毒ポイント等についてのお尋ねですが、現在は発生段階ではないので、会場に代表牛が各県から届いた段階で、そこでしっかり消毒を行うというふうにしております。
◆高見委員 どの程度すればいいのかということについては、主催者側の方で検討いただきたいと思っています。
 言われていますように、防疫マニュアルが実施できなかった宮崎、そういうふうになっていますから、いい機会じゃないかというふうにも思っていますので、検証する意味でも、できるだけマニュアルに近い形でやっていただきたいと、これは要望とします。
 会場周辺とか、多くの人が他県から入ってくる、そういったところの防疫体制というか、警戒体制というのはわかりました。
 あと大事なのは個人の畜舎、こういったものの管理だろうと思っています。先ほど、溝口委員も言われていました17ページの遵守状況。遵守率100%を目標にと。遵守率100%は当たり前のことなんですけど、ここにこういうふうに書かれれば、100%にいかないのではないかと。結果が下に書いてありますように91.4%、72.8%とか、さまざまありますよね。
 この巡回戸数と全戸数との関係、全部回れていないんですね。要するに戸数は、例えば肉用牛の場合3,236戸、巡回戸数は2,016戸となっているわけですね。全戸回りますよという目標はあるんでしょうけれども、実際にこの表で見れば目標を達成していない。今も目標は達成されていないということになるんですか。
◎松本畜産課長 委員おっしゃるように、全戸数に対し、8月末時点では、すべてはまだ回りきれておりません。これは基本的に法律で定められた遵守事項でございますから、県としましては、全農家に守っていただくというつもりで、最低1回、回るのはもちろんなんですけど、遵守されていない農家につきましては、2回、3回回ってでも絶対にこの項目については100%遵守していただくように強く指導をしていくと今は考えております。
◆高見委員 年度途中ということで、まだ100%にいっていないという理解でいいわけですね。わかりました。
 気になったのは、獣医師が足りているのか、足りていないのかなという思いもあったものですから、仮に100%回りきれないとすれば、やっぱりそこら辺からきちんと考えていかなければいけないのかなと思ったものですから、そういうことは現在のところないということですから、ぜひ、きちんと最低1回は、言われるように守られていないところには2度3度と足を運んでいただいて、事の大事さをきちんとお知らせいただきたいと思います。
 それから、これだけ徹底をしていないわけですけれども、畜産農家の皆さん方の意識といいましょうか、そこら辺はどういった状況でしょうか。
◎松本畜産課長 畜産農家につきましては、私も、すべての農家の反応はもちろん知らないんですけど、平成22年に宮崎県で口蹄疫が発生した時に、本当に非常に怖い思いをすべての農家がしたと思っています。そういうことで、ものすごく真剣になって、県への対策とかの要望は私も何度も受けました。ですから、あの時点ではものすごく切迫して、この防疫に努めなければいけないという感覚でしたが、危惧しているのは、あれから2年たちましたから、やや、そういう気持ちが弱くなっている面も否めないところがあります。
 特に遵守率が低い項目は、肉用牛の繁殖農家で飼育している方がご高齢の方等なんですけど、説明してもなかなかですね。牛舎の入口に踏込消毒槽を置いてくださいとか、また、牛舎に誰が入ったか記録をしてくださいとかとお願いしているんですけど、徹底されないところがございますので、やはり平成22年のことをよく思い浮かべて、やるべきことはしっかりやるという指導をしっかりやっていきたいと思っています。
◆高見委員 特に、言われるように実施率の低いところ、車両消毒設備の設置、あるいは靴底消毒設備の設置。
 それと、農場出入りの人、車の記録については、必ずしもご本人が記録をせずとも代わる手立てというのはあるんです。車の出入り、人の出入りは、防犯カメラを付けて、それを記録だけとっておいていただければ、もちろんカメラの設置費用はかかりますけれども。
 ですから、もう少し手を入れてもらえれば、もう少し金をかけてもらえばでき上がるようなものだと思うんです。今後については100%完全につけてもらう、あるいは記録をしてもらう、こういったものの達成のために、幾らかでも補助をしながら、背中を押しながら実施できるようなことを考えていただきたいと思います。ということで、私は終わります。
◆陣内委員 私の方からも2〜3点質問させていただきます。記憶に新しいところから、高見委員の質問の確認をさせていただきたい。
 今の遵守状況という表がありましたが、この表のパーセンテージの表す意味は、巡回できた戸数に対しての割合というふうに解釈するべきですよね。そうでないと、例えば100%となっているんだけど、全戸数は179戸あるけれども、162戸しか巡回していないんだから、数値的に100%にはならないはずですよね。そういう意味では、100%としてあるのは巡回戸数でということですね。だから、まだ調査途中だと解釈していいわけですね。
 確認の意味です。わかりました。
 それから、いざ起こった時に、ウイルスが発症するまでに潜伏期間があるだろうと思うんですが、その点でお聞きしたいと思います。潜伏期間というのがあるのかどうか、そこら辺をお聞かせいただきたいと思います。
◎松本畜産課長 口蹄疫ウイルスの潜伏期間は、約1週間程度と言われています。
◆陣内委員 そこで問題になるのは、連携プレーがいかに早くできるかということだろうと思うんです。
 説明資料の17ページに、国との連携の中で農林水産省が直ちに防疫専門家を発生地に派遣するとありますけれども、これは確定してからの話ということになるんですか。発生地域で、獣医師の判定である程度、疑わしいので検体を送ると、かれこれの手続に時間がかかりますよね。そして、結果が出てから来られても、なかなか厳しいだろうと。潜伏期間が1週間ということであればですよ。
 そういう意味で、防疫専門家そのものは農林水産省にしか、あるいは九州農政局にもおられるんですか。要するに、近くに県に委託された獣医師の方がおられれば、それがいいんでしょうけど、そこら辺の状況も教えていただけますか。
◎松本畜産課長 2点、質問がございましたが、まず1点目、どのタイミングで国は防疫専門家を県に派遣するかにつきましては、結論から言いますと、検体を送って検体の遺伝子検査の結果、陽性になった時点ということですけど、写真判定が今、一般的になりましたから、検体を送るということは、非常に発生する可能性が高まるということになりますから、農林水産省の方では、検体を送るという決定をした時点で専門家の派遣についても準備を進めているということです。
 2点目は専門家ですけど、具体的に防疫専門家というのは、農林水産省に動物衛生課という防疫を所管する課がございまして、ここの職員を直接派遣するということです。
 宮崎県の場合も、発生が広がって、ご承知のように途中から農林水産省の現地対策本部を宮崎に置くようになりましたが、そういうふうなことが必要かどうかを早期に判断するために、動物衛生課の職員だけが対象となっております。
◆陣内委員 ということは、それぞれの地域に委嘱するようなことはないんですね。わかりました。
 そういう点で、非常に連携を密にしておかないといけないんだろうと。極めて潜伏期間も短いということで、そこら辺はマニュアルにのっとって進めていかれるだろうと思うんですけど、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 それと、全体的な対策として獣医師の方が、高見委員の質問では不足は感じていないということでしたけれども、あるところから聞くと、どうも獣医師が不足しているという話を聞いたんですが、現状はどうなんですか。
◎松本畜産課長 獣医師が家畜防疫員になって防疫対応に当たるんですが、宮崎県で発生する以前は、長崎県の場合は家畜保健衛生所に勤務する獣医師を防疫員としていました。ですから、約70名ぐらいでした。
 宮崎県での対応で、獣医師不足が切実な問題になりましたので、長崎県も平成22年度途中から、県民生活部のと畜検査にも獣医師が約70名近くいますから、こちらの方の獣医師も、口蹄疫とか、いざという時は防疫員になっていただくというふうにいたしました。それで家畜防疫員の数自体は、初動対応に今の人数140名でやっていけるというふうに今は思っています。
 宮崎は、発生が拡大して非常に問題になったんですけど、基本的に宮崎は、説明資料の18ページにも書いていますが、Bの答えの3行目に家畜単位数、牛、豚とかを全部総合しての話ですけど、全国平均が4,244というのに対し、宮崎県は1万5,342と突出して獣医師が足りなかったんです。長崎県は3,304ですから全国平均並みなので、そういう意味では長崎県は全国並みの獣医師は確保できています。
 しかし、いつも獣医師確保で問題になるんですけど、どうしても若い学生はペット指向があって、なかなか県への就職を希望してくれないというような問題は別にございます。
◆野本委員 非常に当局はこの問題について熱心に検討されて、その足跡が見えるわけで、敬意を表するわけであります。私も過去に、ほとんどの委員もそうだったと思いますが、ここにまとめられた問題についてはいろいろな角度で質問をし、あるいは要望をしてまいったと。それが今日こういう資料で出てくることについて、私は、この過程を見ると、皆さん方のご努力を評価するわけであります。
 ところで、すべての家畜で、長崎県から初めて影響が出たというものは、過去に何かあるのかお尋ねします。何でもとにかく、インフルエンザでも何でも、家畜に対して。
◎松本畜産課長 一つ、BSEが乳用牛で出ましたけど、平成18年3月に、全国で初めて和牛、黒牛で壱岐の方で出ました。和牛で出たのは長崎県が初めてでした。今、思いつくのはBSEです。
◆野本委員 そういうこともあったということですので、どこでいつ何が起こるのかわかりません。
 私が不思議に思うのは、鳥インフルエンザもそうだけれども、口蹄疫もということで、宮崎県はよくこういう問題が起こるなと思って、宮崎県に対して、どういうものが欠如しているのか、あるいはどこから入ってくるのか、そういうものもなかなかつかめないと聞いておりますけれども、我々が考えると、宮崎県というところはそういうことが多いなと。我々が情報収集できる範囲については結構、宮崎県に初めて入り込んでくるというような感じがするんですけど、その辺の問題について、何か地域的なもの、あるいは交通的問題とか、いろいろなことがあるのかどうか知りませんけれども、どのような理由で宮崎県にこういうことが多いのかということについて、何か研究というふうなものがされているのかどうかお尋ねいたします。
◎松本畜産課長 お尋ねの点についてですけど、私が考えますに2点ほどございます。
 まず一つが、先ほどから宮崎県の家畜保健所の獣医師の数が少ないという話があるんですけど、いろいろな獣医師の普段の活動のお話を聞けば、宮崎県では、農家さんが家畜保健所に自分のところの病気について相談が来るとか、そういうものに対応の主体が置かれているということで、逆に言えば家畜保健所が現場に出て農家の牛や豚を直接自分の目で対応するという機会が非常に少なかったそうです。その点につきまして長崎県は、家畜保健所の獣医師が現場を回って指導するというのを基本にしていましたから、そこら辺の違いもあるのではないかなと思っております。
 もう一つは、確かに平成22年の口蹄疫が8月に収まった後、半年後の平成23年に宮崎県で鳥インフルエンザが多発しました。これを我々も非常に不思議に思ってはいるんですけど、考えられるのは、宮崎県は暖かいところですから、渡り鳥の休息地が長崎と比べると多いとなっていますから、そういうようなことが考えられます。
◆野本委員 渡り鳥の話はよく出ておりましたので、そういうものがあったのかなと。
 しかし、そういうものにとらわれず長崎県としては、過去も含めて対応をよくしていると。そして、獣医師の問題についても、現場を巡回しているということですから、ある意味では、そういう対応について県は頑張っていると、獣医師会も含めて県の職員の皆さん方もそうですが、そういうことが結果的に言えるのではないかと思います。
 先ほど高見委員から話が出たけれども、こういうものは忘れたころにやってくるということでありましてね。大丈夫だろうという判断がそもそも、こういうことの足をすくうことにもなりますので、ましてや、すぐ25日から全国和牛能力共進会が始まるわけですので。
 高見委員も畜産課長も、ちゃんと「かさべこくん」が入ったシャツを着て、高見委員は昨日も違ったシャツの色じゃなかったかなと思うけど、PRをやっておられて、私も購入しないといかんのじゃないかなと思ったけど、こういうのが大事なことでですね。そういう意味では、高見委員の積極性を評価しておきたいと思っております。
 この全国和牛能力共進会の問題についてはもう目の前でありますので、参加することも大事でありますし、こういうことを勉強していくことによって、自分が原因者にならないようにしなくてはいかんということもあるわけですから、ぜひ成功するためにも一番大事な問題でありますので、畜産課をはじめ農林部、あるいは長崎県一体となって取り組んでいただくよう、我々もまた、それぞれのできる範囲で協力しなければいけないと思っておりますので、今からでもまだ遅くないわけですから、何か新しい取組があるとするならば、いろいろとご意見等々、ご要望もいただければと思っております。
◎松本畜産課長 全国和牛能力共進会を含めてエールいただき、ありがとうございます。
 もう1点だけ、うちの取組でご報告した方がいいと思う点を説明します。
 18ページのCで異常畜の発見や通報の遅れのところで、長崎県の通報件数を平成22年から24年まで書いています。平成22年は23件ということです。これが全国的にどうなのかということですが、正直、各県が何件通報したかということは公表されていません。しかし、私どもも九州各県とかいろんな県に聞くんですけど、ほかの県は、通報は3件か4件ぐらいで終わっているみたいです。長崎県は、非常に愚直に、異常があったら通報をしています。
 実際にご承知の委員もいらっしゃるかもしれませんが、平成22年4月20日に宮崎県で発生する4日ぐらい前に、県北の島で口蹄疫を疑う牛があるという通報があったので、マニュアルどおり獣医師が行って、その時は写真判定もなかったものですから、検体を採りまして農林水産省に送って、PCR遺伝子検査をして、その結果、4月19日の6時頃に、これは陰性だということで、畜産課職員一同ほっとしたんですけど、翌日に宮崎で発生したということがあって、非常に緊張したことを今思い出しました。
○山田[博]委員長 ほかに質問はありませんか。
 なければ、委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、発言をどうぞ。
◆山田[博]委員長 今回、畜産課におかれましては、全国和牛能力共進会を控えていまして、改めて口蹄疫対策をどのようにしているかということを確認したい意味で集中審査をさせていただきました。これはやはり万全な体制をもってやっていただきたいと。その際に万が一、全国和牛能力共進会の際に宮崎県のようなことが起きたら元も子もありませんから、改めて畜産課に確認をさせていただく意味で集中審査をさせてもらったわけです。
 まず最初に、資料をいただいた中でお尋ねしたいと思うんですが、すべての市町で口蹄疫の防疫マニュアルをつくられているのかどうか、確認させていただきたい。
◎松本畜産課長 口蹄疫の防疫マニュアルにつきましては、現在、県本庁段階と県の振興局段階ではつくっておりますが、市町段階でのマニュアルは長崎県ではございません。
◆山田[博]委員長 宮崎県では、すべての市町でマニュアルの策定、または改訂をしたとありますけど、長崎県はね。長崎県で畜産が盛んなところは、離島であると壱岐、下五島、本土では県南、県北とありますよね。確かに県北振興局でやるに当たっても、今日は後ろにも実際、五島振興局に勤めた方もいらしゃいますけど、実際に県の職員でやるには、マンパワーが限られているわけですね。
 実際、宮崎県の方では、いいお手本というか、あるわけですね。宮崎県の市町では、口蹄疫の事件があってからマニュアルを策定、または改訂したとあります。
 特に五島市とか壱岐市とか、そこはしっかり連携しないといけないわけだから、そこがなぜしないのか、理由を聞かせてもらえませんか。
◎松本畜産課長 地域での口蹄疫に対する防疫の対応としては、振興局の段階でマニュアルをつくっていますけど、このマニュアルの中で振興局の役割、市町の役割、農業協同組合の役割というのを明確に決めて、これを見て市町、また農協も動くというふうな形になっています。例えば委員長がおっしゃった五島については、五島振興局がマニュアルをつくっていますから、このマニュアルに基づいて、市町、農協も一緒になって動くと、そういうような体制になっております。
◆山田[博]委員長 万が一五島市で発生しましたと。その現地の最高責任者はどなたになるんですか。
◎松本畜産課長 責任者は、防疫に関しては、五島の家畜保健所長が防疫の本部長ですが、防疫のことと人への健康問題とか、その他、産業への影響とかございますから、地域段階での最高責任者は、五島振興局長ということになっております。
◆山田[博]委員長 私が心配しているのは、万が一発生した時に、誰が責任者で陣頭指揮をとるかというと、振興局長になっているということで理解していいんですね。
◎上田農林部長 各振興局単位でつくっております対策本部は、振興局と市町、JAが合わさったところで対策本部、あるいは警戒本部をつくっております。組織いたしております。そこの中で防疫対応マニュアルというのを全体として構築をいたしております。そういった意味では、振興局長が現地対策本部、あるいは現地警戒本部の責任者でございます。そこにぶら下がる市町、JA、あるいは県の役割を明確にして、動ける体制をとっているところでございます。
◆山田[博]委員長 わかりました、そういうことですね。
 続きまして6ページに、宮崎県では、埋却地の影響を受けているということで、周辺井戸等の詳細調査を行っているということですけど、大体、今お聞きしている範囲で、どういった影響があるのかおわかりですか。調査をして、どういった影響が出ているのか。
◎松本畜産課長 宮崎県の方に、埋却地のその後の状況とか影響というのはお聞きして、教えてもらっています。
 まず、埋却地では、埋めた直後から始まるんですけど、しばらくすると埋めたところが陥没するそうです。また、雑草とかがどんどん生えてきますから、一定期間たったら、陥没したところのレベルを元に戻すとか、そういうふうなことが必要になると、当然草刈もしないといけないということを言われていました。
 あとは、埋却したところで水質への影響というのが懸念されますので、モニタリング調査をしているわけですけど、説明資料の6ページに書いていますように、4箇所では、家畜を埋めたことに起因すると思われるような物質が検出されているということなので、この4箇所については詳しい検査を行っているということでした。
◆山田[博]委員長 そうすると畜産課長、宮崎県の方では、口蹄疫の牛を埋却した後に周辺の水質調査をやっていると、何らかの影響が出ているということで調査中なんですね。詳しい結果は出ていないんですね。後で、それがわかったら教えていただきたいと思います。
 資料の20ページに、宮崎県は種雄牛の特例措置が現場に混乱をもたらしたということで、長崎県の場合は避難場所を小値賀にしたわけですね。小値賀には船で運ぶようになるわけでしょう。小値賀に行く場合の船というのは、緊急時の場合、建設業とかといろいろと取り決めをしていましたけど、万が一の場合は船とも協定を結んでいるのか、確認の意味で聞かせていただけますか。
◎松本畜産課長 緊急時の肉用牛改良センターの種雄牛の搬送計画ですけど、10トントラックを3台借り上げて、フェリーで小値賀へ運ぶということを基本に考えています。
○前田副委員長 畜産課長、委員長は、その辺の協定を結んでいるのかという質問ですよ。
◎松本畜産課長 失礼しました。搬送に関しては、フェリー会社との協定はまだ締結しておりません。
◆山田[博]委員長 畜産課長、これは大事なことですよ。やっぱりよかったじゃないですか、今日は。別にそちらの重箱の隅をつつくとかじゃなくて、これは安全対策だから、今の段階でよりよいマニュアルをつくる上でですよ。
 なぜかというと、恐らく大分混乱すると思うんですよ。初歩的な問題で、小値賀へ運ぶ時にどこの船で。やっぱり優先してもらわないといけないわけだから、そこをきちんと協定を結んでいないというのはね。今からでもすぐに対応をしておかないと、どこの会社に結ぶのかというのはそちらで決めていただいて、早急にちゃんとやっていただけませんか。これは大事なことなんですよ。
 今、長崎県の平茂晴とか、勝乃勝とか、種雄牛があるじゃないですか。この前、朝日新聞に載っていたけど、1回で5ccですか、50ccですか。結構出るんですね、牛の精液。すごいなあと思ったんですけど。
 それを守らないといけないわけだから、そこはしっかり、早急にやっていただきたいと思うんですが、見解をお聞かせいただけますか。
◎松本畜産課長 確かに委員長がおっしゃるように、いざ発生した時に、どこの船会社でどういう形でと、一応想定はしていたんですけど、おっしゃるようにさらに具体的な形で検討をすべきと思いますので、船会社との協定も念頭に置いて早急にそこの検討を進めたいと思います。
◆山田[博]委員長 これはなぜかというと、実は私の地元、五島でも貨物船が、採算が合わないということで撤退したんです。そういったこともありますので、早急に提携しておかないと、いざという時に船会社ができませんとなると大変なことになるから、ぜひお願いしたいと思います。
 それと、マニュアルの26ページを見ていただけますか。「汚染物(堆肥・糞尿・飼料等)の上から4%炭酸ソーダを散布し、その後石灰を散布する」とありますが、4%の炭酸ソーダというのは、どうやって農家の方がわかるのかなと思ってですね。実際に容器を用意するとか、目安とか何かがあってやっているのか。
 私は今、お茶のペットボトルを持っています。ここに原液を入れたら4%になるんですよとか、そういうのを具体的にやっているのかどうか聞かせてもらえますか。
◎松本畜産課長 4%の炭酸ソーダをどうやって散布するかというお尋ねですが、基本的にここら辺の作業につきましては、本来は発生した畜産農家の責務となっているんですけど、こういうところまではできませんから、実際の場面では家畜保健衛生所が一緒に入って、こういう薬品を扱う作業は家畜保健衛生所の獣医師がするように考えています。
◆山田[博]委員長 では、家畜保健衛生所の職員がすることになっているわけですか、これは。
 五島でも結構多いわけです。万が一の場合、一般の農家でもできるようにですね。農家とか普通の作業員でも、そこはきちんとしっかりされた方がいいんじゃないかと私は思いますよ。獣医師だって手が回らない時もあるでしょうから、そこはしっかりと誰でもできるようにした方がいいと思いますよ。いかがですか。
◎上田農林部長 この防疫対応マニュアルは、初動でとにかく蔓延を防ぐ、これがもし起こった場合には瞬時に蔓延を防ぐための対応をとっていく、これを鉄則としてつくっております。そういった意味では、農家の方にお願いして、やってくれる、やってくれないと、こういう協議をしている時間はございません。これは行政としてやります。そういった意味で、事前に埋却地の確保を農家とあらかじめやってきたところでございます。この防疫対応という形では、迅速にやろうということで考えているところでございます。
 ただ、全般的に薬品の扱いとか、こういったものについての指導というのは、日ごろから農家にはしていかないといけない事項だと思っているところでございます。
◆山田[博]委員長 基本的には獣医師がやるということでありましたけど、農家にも指導していくという話であれば、農家の方も4%炭酸ソーダ水がわかるようにされた方がいいと思いますから。
 それと、同じページに「設置した消毒ポイントで確実に行うこと」と。これは、例えば農家の方々が、消毒のポイントはどこですよと全部わかっているわけですか。埋却地も、あなたの牛はどこどこに埋めてくださいとか、全部わかっていらっしゃるのかどうか、それを答えていただけますか。
◎松本畜産課長 消毒ポイントについてのお尋ねですが、消毒ポイントは、実際に発生した農家の場所がどこなのかによって決定するんですけど、今準備ができている部分は、想定として、ここで発生した場合は消毒ポイントをここに設けるとか、そういうふうな想定の場所は決めております。実際発生した場合は、想定をもとに消毒ポイントを決めて、その段階で農家に消毒ポイントを通知して消毒を励行していくということになろうかと思っています。
◆山田[博]委員長 わかりました。そういうことですね。
 じゃあ、埋却地で確認ですけれども、宮崎県ではいろいろと発生していると、水質の問題が出ていると。宮崎県では、口蹄疫が発生した後に牛を埋却したところでは、土壌改良に大きく負担がかかっているということでありますね。一般の公有地もあれば、一般の土地の方もいらっしゃるんでしょう。割合はどれくらいですか、一般と公有地とは。
◎松本畜産課長 埋却地のお尋ねですが、宮崎県で公有地と一般地の、(「長崎で」と呼ぶ者あり)長崎県の埋却予定地につきましては、説明資料の19ページの上の表が埋却地の状況で、合計のところを見ますと、3,541戸の農家が埋却地を確保する必要がありますが、このうち私有地が3,303戸、公有地の方が238戸となっております。
○前田副委員長 畜産課長、説明資料の19ページですか。もう一度説明してもらっていいですか。
◎松本畜産課長 もう一度説明します。冒頭に説明しました、本日の集中審査の説明資料の19ページです。
◆山田[博]委員長 19ページに私有地、公有地とありますが、公有地はいいとして、私有地はこういうふうになっていますよと。
 土地とか何かでも一番問題になるのは、私も地元で地域を回っていたら、牛の施設の反対が多いわけです。五島市でも、そういった施設をつくろうとしてもものすごく反対があって、結局できていないわけです。
 私が何を言いたいかというと、土地の所有者は別として、この地域の周りの方々は納得しているのか、そこが一つ。実際、私有地も公有地も、周りの人の同意をとっているのか。
 もう一つは、宮崎県では、2年しても土地の改良の負担が大きいと、土壌改良をしないといけないということになっているわけですね。そういった保障もありますということで同意をとっているかという2つの点があるわけです。
 私はなぜこんなことを言うかというと、後から、こうじゃなかったとか、こんなつもりじゃなかったとかと言われて、いろいろされたら困るし。
 宮崎県は口蹄疫が発生して、ずっとこういうふうになってきましたと、だんだんと出てくると思うんですよ。
 そうすると、長崎県は口蹄疫が発生した場合の埋却地として確保しましたと、「私の近くでそんなことをされたらたまったものじゃない」とかと言われたら困るから、そういったことにきちんと同意をとっているのか、とっていないのかというのを聞かせていただきたいと思います。
○前田副委員長 畜産課長、今の質問の答えもですが、私有地となっているのは、それぞれの畜産をやっている農家の土地なんでしょう、多分。違うんですか、そこも含めてお願いします。
◎松本畜産課長 この私有地3,303件というのは、畜産農家が自己の所有地も含め、それ以外の借地というか、自分が持たなくても、ここを使っていいですよという持ち主さんの同意が取れた土地、それが私有地3,303件です。ですから、この3,303件は土地所有者の了解がとれているという意味です。
 委員長がお尋ねの土地の周辺の方々の同意ということですけど、結論から申しますと、周辺住民の方の同意までは現時点では取得できていません。
 宮崎県で2年後も土地改良の負担が重いということですけど、ここにつきましては、発生時点ではここら辺の事情が私どももよくわからなかったんですけど、宮崎県でこういうことが今はわかってきましたので、再度ここら辺も含めて家畜保健衛生所と、埋却地を選定する、また見直す場合に十分そこを参考にしながら決めていきたいと思っています。
◆山田[博]委員長 ぜひやっていただきたいと思うんですよ。皆さん方はよかれと思ってやっていることが、後から非難されたらたまったものじゃないから。
 私の地元でも家畜保健衛生所があるわけです。そこで死亡牛を焼却するということで、農家のために一生懸命やっているわけです、職員がね。そうしたら、かわいそうなことに職員に苦情の電話がかかるわけです、燃やすたびにね。くさいとか、煙が出てくるとか、洗濯物に黒いほこりがたっているとか言われてですね、実際にそういった状況になっているわけです。
 そういうことからすると、よかれと思ってやっていることが、口蹄疫が万が一発生した場合にもそうなったらいかんから、これは現場の職員の皆さん方がいざという時にですね。
 恐らく宮崎県でどんどん出てくると思うんですよ。口蹄疫で反省した場合、長崎県としては、ここがこういうふうになりますよというのがわかったら、周辺の皆さん方がそれじゃ困るとか。実際、今、水質の問題が出てきているのであれば、そういった議論がされて、皆さん方がよかれと思ってやったことが、逆に仕事がしにくくなるようなことになったらいかんから、今から準備をされて、地域住民の皆さん方にご理解いただくようにぜひしていただきたいと思います。
 最後に、今、外国の方で口蹄疫が発生しているか、していないか、それを教えてもらえますか。
◎松本畜産課長 近隣国における口蹄疫の発生状況ですが、韓国では、ご承知のように平成10年11月に発生して、その後、かなりの被害がありましたけど、治まっておりまして、現時点では韓国は発生していません。
 そして中国です。中国は広いものですから、例えば内陸地のウイグル地区とか、ああいうところでは発生が最近もずっと報告されています。
 台湾も、過去に豚で大発生して、その後、ワクチンを使って防疫、治めたんですけど、今年に入っても、台湾で遺伝子検査をしたら陽性と出ているという報告があっております。
◆山田[博]委員長 そうしたら畜産課長、中国とは隣国として、尖閣諸島の問題があって、観光客が減っているという話がありましたけど、国交は開いているわけだから、中国、台湾と隣国としてあるのであれば、やはり全国和牛能力共進会におきましては全国から来るわけだから、まだ隣国で発生しているのであれば、空港とか何とかで、特にそういった関係者が来るとなると、その対応をしっかりとやらないといけないんじゃないかと思うんです。実際、中国とか台湾で発生しているのであればね。
 世界でも、把握しているのは中国と台湾ぐらいなんでしょう、今。発生していなかったら、私もそんなに言わないんですけど、長崎県で全国和牛能力共進会があって、それで発生のきっかけとなったら目も当てられないから、ぜひ万全の体制をしていただきたいと思うんですよ。いかがですか。
◎松本畜産課長 今、口蹄疫の発生国は台湾、中国と申しましたけど、実際にほかにも多くの国で発生がございます。例えばベトナムとかもあります。
 そういう状況ではございますけど、委員長おっしゃるように、今回の共進会の会場でそういうふうなことが持ち込まれるとか、それは絶対あってはならないことです。
 私も先般、大村にある動物検疫所の所長にお会いしに行って、現在の状況と取組について確認したんですけど、やはり動物検疫所でも、共進会があるということで、普段以上に目をしっかりと光らせて入国管理しなければいけないとおっしゃっていました。会場で顔だけ見て、この方がどこの国の方とか当然分からないので、先ほど言いましたように、会場に入る時には1次防疫、2次防疫、3次防疫、これをしっかりと徹底して、口蹄疫等の発生は絶対ないようにしたいと思っています。
◆山田[博]委員長 長崎空港の動物検疫所の所長さんとお会いしたと、その人は目を光らせていたということで、どんな目を光らせていたのかはわからないけど、目を光らせたらストップするというか、防御できるのかどうかわかりませんね。私が言いたいのは、目を光らせようが何をしようがね。
 実際に説明資料20ページに、「国際空港・海港において、靴底の消毒などの検疫措置をしていたが、オーストラリアとかニュージーランドのような徹底した入国管理は行われていなかった」とあるでしょう。ここはやはり全国和牛能力共進会に向けて万全の体制を踏む上で、もうちょっと踏み込んでやられた方がいいと思うんですよ。最近はハウステンボスは中国の観光客が激減しているとはいえ、あそこは多いわけだから、あそこからずっと広まったらたまったものじゃないからね。
 私は何度も言うように、今回、委員の皆さん方にご理解いただいてこの集中審査をしたのは、改めて口蹄疫の恐ろしさを理解して、万全の体策をどのようにしないといかんというようなことを理事者と委員の皆さんで協議して、万全の対策をとっていこうと。
 先ほど幾つか、見てみたらやっぱりこういったことも抜けていた、こうした方がいいんじゃないかと議論があったり、前向きな建設的な意見が出てきたと思うんですよ。実際、台湾とか中国でも発生しているのであれば、万全の体制をしてですね。「備えあれば憂いなし」だから、そこはしっかりとやっていただきたいと思うんですよ。所長が目を光らせるよりも実際の行動をするのが大事ですから、ぜひそれをやっていただきたいと。具体的にしっかり取り組んでいただきたいと思うんですよ。見解があれば。
◎上田農林部長 まず、口蹄疫の国境対策、いわゆる外国からの侵入防止対策は、国の役割として各国際空港は、先ほど申しましたように、外国人が訪れる空港に対してはすべて行っております。これは、清浄国にまだなっていないということもありますので、それは国が今、徹底して行っているところでございます。
 それに加えて、この全共対策としては、本県として、先ほど申し上げたように3次にわたる消毒体制を組んで。
 特に、牛には部外者は触れさせません。近づけません。遠くから見られる審査会場に入るに際しても全身のミスト消毒を。これは、今まで全共大会ではやったことがございません。入場者の方々には事情を説明しながら、しっかりとここに取り組んでいきたいと思っております。
 牛がおります牛舎には、関係者以外は立ち入り禁止ということで、入れる方の名前の管理、人の管理、これを警備として徹底してやっていくことにいたしております。
 起こってはいけない問題ということで、全国和牛登録推進協会、これは今回の全共大会の国レベルでの本部でございますけれども、その管理については一緒にやっていこうということで、そこが各県に対して発信いたします。今回の消毒体制の協力ということをしっかりと伝達をいたしておりますので、万が一でも起こらないように、最善を尽くしていきたいと思っているところでございます。
◆山田[博]委員長 今回、全国和牛能力共進会の中で初めての対策を盛り込んだと、九州でああいったことがあったからですね。そこはあまりですね。大会が始まるに当たって、今日はちょうどマスコミの方も来ていますから、しっかりとそこはPRして、今回の大会を成功に導いていただくよう頑張っていただきたいと思います。終わります。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 他にありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ほかに質問がないようですので、口蹄疫対策の取組状況に関する審査結果について、整理したいと思います。
 今回の口蹄疫対策の取組状況は、委員の皆様のご議論を踏まえた上で対策を十分図っていただいて、来る全国和牛能力共進会に向けて全力を挙げて取り組んでいただきたいということでまとめたいと思いますが、よろしいでしょうか。
     〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 それでは、午前中の審査はこれにてとどめ、午後は1時30分から、農林部の所管する研究機関、学校施設等の耐震化状況について、集中審査を行います。
 しばらく休憩します。
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     −午前11時46分 休憩−
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     −午後1時31分 再開−
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○山田[博]委員長 それでは、委員会を再開いたします。
 これより、農林部の所管する研究機関、学校施設等の耐震化状況について、集中審査を行います。
 前定例月議会の委員会で水産部の耐震化調査対象の審査を行ったわけでございますが、農林部の方をまだ行っていなかったので、今日は、皆様のお手元にお配りしております資料に基づいて説明をしていただいて、審査に入りたいと思います。
 皆様方もご存じのとおり、学校関係の耐震化が進んでいるわけでございますが、農林部におきましては特に、建築年が古い施設が多数見られるということで、今日は、皆様方にご理解とご協力をいただきまして、この状況をどのようにしていくかということで議論を深めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、農政課長に説明を求めます。
◎木下農政課長 お配りしております、農林部の耐震化調査対象施設の資料に基づきまして、ご説明いたします。
 農林部関係施設で、非木造の2階以上、または延床面積200平米を超える施設を記載しておりますが、この中で耐震基準を満たしていない施設としましては、昭和56年に建築基準法が改正されまして新しい耐震基準となり、昭和56年以前に建築された建物については耐震レベルが低いと考えております。
 まず、農政課が所管いたします農村婦人の家と農林技術開発センターの9施設のうち、耐震基準を満たしていない施設が、右の方に丸印をしておりますが、4施設でございます。
 同じく農業経営課が所管いたします病害虫防除所と農業大学校の12施設のうち、耐震基準を満たしていない施設が6施設ございます。
 畜産課が所管いたします肉用牛改良センターにつきましては、耐震基準を満たしておりません。
 合計22施設のうち、半分の11施設が、耐震レベルが低いものと考えられます。該当施設につきましては、耐震化改修が必要と認識しておりますが、今後、この関係機関のこれから求められる機能や課題につきまして議論を行いまして、必要な施設整備を明らかにした上で、耐震化改修については結論を出したいと思っております。
○山田[博]委員長 以上で説明が終わりましたので、これより質疑を行います。
 ご質問はありませんか。
 なければ、委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、発言をどうぞ。
◆山田[博]委員長 理事者の方から説明いただいた、農林部所管の公共施設で建築基準法の耐震基準にそぐわない建物が幾つかあるわけですが、現実のところ、こういった耐震化の状況を踏まえた上で、改めて農林部としてはこれをどのようにしていくのか、考えを聞かせていただきたいと思います。
◎木下農政課長 今、お配りしている資料のとおり、建築から50年以上経過している施設もございまして、耐震化基準に見合うような改修の必要性は認識しているところでございますけれども、まず、耐震化をする、あるいは施設改修を行う前提としまして、現在求められている、今後求められる、農林技術開発センター、あるいは農業大学校としての機能を、これから再度議論を行いまして、その中身、結論、考え方を出した上で、耐震化の改修などにつきまして具体的に結論を出していきたいと考えております。
◆山田[博]委員長 農政課長、要するにあり方を今から考えていきたいということでしょう。そうすると、あり方もなくてですね。実際この中の農林技術開発センターの本館は、昭和35年と大変な、耐震化もしていないし。
 実際に全部耐震改修するとなったら、大体どれくらいの予算が必要かというのは、もう把握されておりますか。
◎木下農政課長 具体的な工事はしておりませんので、他の部の例としまして、例えば学校における耐震化の工事の例としまして、単価が平米当たり約2万5,000円と伺っておりまして、例えば上から2つ目の農林技術開発センターの本館は4,161平米ありまして、この場合に約1億円かかるというふうな試算をしているところでございます。全体は、また合計したいと思います。
◆山田[博]委員長 合計した金額を後で話をしてもらいたいと思います。それでまたいろいろ質問したいと思うんです。
 以前、農林技術開発センターは、あり方を検討したわけですね、工業団地をつくるということで。あの各種団体の方に議論してもらったのは、生きているんですか。もうなくなっているんですか。
◎上田農林部長 当時、農業大学校のあり方検討委員会ということで、外部有識者の方に検討をしていただいております。
 基本的な方向性は、高度な経営能力を持った実践的な就農者を育成すると、そのための教育機関として進んでいくというふうなご提言はいただいているところでございます。
 この間、カリキュラムの組みかえとかはやってきておるんですけれども、実践的な、就農につながるような学校のあり方ということで、あり方と申しますか、機能の強化ですね、そういった視点で現在、内部的に検討をいたしているところでございます。
 また、農林技術開発センターにつきましては、科学技術振興局の所管当時に科学技術振興ビジョンということで方向性が示されているところでございます。その中で、まだまだ強化が必要な部分というのもあろうかと思っております。これも現在、内部的に検討を進めているところでございます。
 今後、このあたりをしっかりと煮詰めて、基本的な機能の計画、それに見合う施設、そういった具体的な検討を進めていく予定にしているところでございます。
 ただ、この資料でもお分かりのように、かなり古くなってきておりますので、耐震化で補修して使うのか、あるいは、いわゆる改修をするのか、改築をするのか、そういったことも引っくるめて考えていかないといけないと思っております。
 ただ、いずれにしても老朽化しておりますので、劣化に伴う簡易的な補修は、緊急的にやらないといけない部分については現在もやってきておりますので、これは引き続きやらせていただきたいと思っているところでございます。
◎木下農政課長 先ほどの費用の件でございますが、必要な11施設の合計で3億600万円でございます。
◆山田[博]委員長 今、改修したとしたら大体3億600万円、試算では3億円ぐらいかかると。改修でいいのか建て替えが必要なのかというのは、農林部長の答弁では、今から鋭意検討していきたいということでしたけどね。
 農業大学校のあり方への提言は、平成何年でしたか。
◎中村農業経営課長 農業大学校のあり方検討委員会の提言につきましては、平成19年9月でございます。
◆山田[博]委員長 あれは、確かに学校の充実もそうでしたけど、新たな移転先を含めて、工業団地の話もあったわけですね。要するに基本的に農業大学校というのは、今のところは、機能を充実したいけれども、現地建て替えという方向で落ち着いていると理解していいんですか。平成19年につくって、かれこれ5年もたっているわけです。それから全く進んでいないわけだから、基本的に現地建て替えということで理解していいのかどうか、しっかりとお答えいただきたいと思います。
◎中村農業経営課長 まず、平成19年9月のご提言の内容については、確かに現地での必要最小限での改修という提言がございました。
 ただ、今も検討を続けていると申しますのは、活性化計画の中で、自営就農者はもとよりですけれども、認定農業者とか青年農業者の経営力の強化にも取り組むということになっておりまして、さらに国の動向も踏まえまして、そういった自営者養成機能の強化といったものも必要かと思っております。さらに経営力の強化を果たすための研修機関、研修機能の強化というものも検討すべきと考えておりまして、そういったものをあわせて検討していきまして、平成19年当時は現地という言葉がありましたけれども、今後そういった検討を進める中で、移転ということも考えられないことではないというふうに今は考えております。
◎上田農林部長 移転というのが考えられないこともないというよりは、まずは施設の機能のあり方、それに伴う施設にどういった規模が必要なのか、そこをまずはじかせていただきたいと思っております。それが、現在の建物、施設、あるいは敷地で満足できるのかどうか、そういったところも比較をしていかないといけないと思っております。
 確かに前回、平成18年、19年、工業団地の話がございました。現在はそういう話は、農林部は聞いていないところでございます。ただ、いずれにしても、現在地であろうが、別の場所であろうが、まずはどういう機能を付加し、強化していかないといけないのかと、それに伴う施設の規模が現状で足りるのか、そこの検討を進めていかないといけないと思っているところであります。
◆山田[博]委員長 以前は工業団地の話があったので、移転を含めてあり方を検討したわけです。しかし、今は工業団地の話はないわけですね。まず、それがあるか、ないかを答えてください。
◎上田農林部長 工業団地の話は、農林部の方は聞いていないところでございます。
◆山田[博]委員長 そうすると、工業団地の話がないというのであれば。大変に老朽化しているわけですね、この農業大学校だって3年後ですかね、100周年というのは。100周年でしょう。いずれにしたって、そういったことがなければ、現地建て替えぐらいのですね。建て替えするか、改修するかは別として、100周年に向けて学校を強化するというふうな方向を見出さないといけないと思うんですけれども、それはいかがですか。
◎中村農業経営課長 当然100周年のこともございますけれども、やはり農業大学校のあり方はしっかりとしたものにしなければいけないと思っておりますので、しっかり検討してまいりたいと思います。
◆山田[博]委員長 農業経営課長、平成19年に農業大学校のあり方を検討してもらって答申が出たわけですね。現地建て替えするか、移転するかというのは、あの時は工業団地の話があったからそういう話だったけれども、なくなったから今止まっているわけですね。
 私は何が言いたいかというと、あれだけの議論をしたら、本来であれば着手してね。今、農業大学校はこれだけのですね、寮にしたって男子寮、研修棟、肉用牛改良センター管理棟、拠点施設以外も大変な老朽化をしているとなれば、これは早急に対応すべき喫緊の課題だと思うんですよ。
 改修をした方がいいのか、建て替えをした方がいいのかというのは今から議論をするということでありますけど、この機会に農林部長、財政当局と話しながら早急に対応して、耐震化がいいのか、しっかりとやっていただきたいと思います。年度内というか、早急に着手して方向性を出してもらって、少なくとも来年度に向けて取り組んでもらいたいと思うんです。そうしないと進みませんからね、これは。どうですか。
◎上田農林部長 農業大学校のあり方検討委員会につきましては、当時の工業団地の話とは全く関係ないところであっております。いわゆる農業大学校の機能をどうしていくかということでのあり方検討委員会が設置されて、今後の方向性が示されたところでございます。
 これは平成19年当時の話ですので、それから5年たっております。その間、情勢も変わってきております。あるいは、ながさき農林業・農山村活性化計画ということで具体的な目標を立てて、強い農業者の育成に向けて今、走っているところでございます。付加機能として付加しないといけない部分、新たな要素として付加しないといけない部分も出てきていると思っています。そういった意味では、早急に検討を進めていきたいと思っているところでございます。
◆山田[博]委員長 そうすると農林部長、この施設の耐震化工事か、建て替えか、農業大学校のあり方も含めて、再度あり方検討委員会を立ち上げて、また検討していくということで理解していいんですね、今の答弁ですと。
◎上田農林部長 あり方検討委員会は、もう既に平成19年に1回あっております。基本的な方向性は出ております。
 今、私が申し上げましたのは、その後の状況にプラスアルファして付加すべき機能が出てきているのではないか、これは、ながさき農林業・農山村活性化計画の観点でございます。
 実は、外部有識者からなります、ながさき農林業・農山村活性化委員会というのを設けております。そういった外部の意見、あるいは学校在学生、卒業生、そういった方々のご意見も今後聞いていかないといけないと思っております。ただ、その前に、基本となる考え方は、内部的に今、早期に整理を進めているところでございます。
◆山田[博]委員長 進め方ということで、いつをめどに話をして、また委員会に報告してもらえるのか、それだけ答えてもらって、一旦終わりたいと思いますので、お願いします。
◎木下農政課長 いわゆるたたき台、事務的な整理ということを今年度中を目標にしたいと考えておりまして、その後、来年度にかけまして農業関係者のご意見とか、部長が申し上げました活性化委員のご意見とかをお伺いしながら、来年度を目標に何らかの形の整理をしたいというふうに考えております。
◎上田農林部長 内部的なたたき台の検討材料ができ上がりましたら、県議会の方にもご報告してご審議を賜ればと、ご意見を賜ればと思っているところでございます。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 ほかに質問はありませんか。
◆高見委員 先ほど来、農業大学校を含めたところのあり方検討委員会という話も出ているんですが、確かに委員長が言われるように、工業団地をつくるというような産業労働部のお話でもあったように、農業大学校を含め、農林技術開発センターも含めて、背後地の山が県有地だからという状況もあったんだろうと思います。
 それと、一つはやっぱり諫早干拓の完成、入植、こういったところで農業大学校をどうしたらいいんだろうかというようなことも含めて検討されたのかなというふうに思っております。
 当時、農業大学校も北部3県で一緒にどうなのかというような話もあったように思っています。ですから、あそこの現地で建て替えをするのか、あるいはほかの地点に移るのか。ただ、私としては、結論として受けているような感じはないんですが。
 一つ質問としては、このRC構造といいましょうか、建築構造の造りを表示しているんですが、こうしたRC造りの場合に耐用年数はどれくらいになっているのか。そして、耐用年数があって、その年数に沿って改築なり、あるいは新築なり、こういった計画がどのように立てられているのか、ここら辺をお伺いしたいと思います。
◎木下農政課長 耐用年数は50年というふうに伺っております。
◆高見委員 平気で50年と言われてもですね、もう既に50年過ぎているものがあるから、そこら辺をどのように考えているのかというところまで、できれば答弁を。
◎木下農政課長 外壁などのいろんな補修とか、あるいは内部の小規模な改修とか、いろんな問題が出てきておりまして、そういうものにつきましては、予算の問題がありますけれども、随時必要なものから要求し、必要最小限の補修などは行っているという状況でございまして、まさに50年以上たっていることでの議論と思いますけれども、そういう意味合いからも、今申し上げているようなあり方について、早急に議論をした上で結論を出していきたいと思っております。
◆高見委員 50年、耐用年数を経過しているものについては特に、予算の関係もあろうかとは思いますが、昭和56年の建築基準法改正が一つの区切りというか、線引きかなと思いますし、そういったものを考えていくと、きちんと新しく造り替えるなりというふうな計画を立てなくてはいけないんだろうと思います。
 それと、ここで書いております農業経営課の農業大学校の研修棟とか、寄宿舎とか、こういったものはかなり耐用年数を過ぎていますし、耐用年数を考えてということもありますけれども、当時とすれば、規模が随分変わっているのではないか。これは農業大学校の今後のあり方といいましょうか、目指す方向性などとも関連をすると思いますが、そういう意味では、いろんな角度から検討しなくてはなかなか具体的なものとはなってこないと判断しますので、こういったところも遅まきながら検討に着手をしていただきたい。これをお願いします。
◆野本委員 この問題については、建て替えか耐震補強かという問題に分かれると思うんです。それについてもこれまで検討されてきているんですから、この辺は集約して方針を出してもらわなければいけないんじゃないかなと思います。委員長の話もそういうことだと思いますので、ぜひ私もそれは賛成しますし、そういうものは、金が幾らかかろうが放っておけない問題ですから、この問題については、ぜひひとつそういう視点で考えていただければと要望しておきます。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
 では、委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、発言をどうぞ。
◆山田[博]委員長 農林部長、先ほど、年度内にある程度、一定方向性を出したいというふうな話がありましたけど、農業大学校は100周年を迎えるわけですね。それに向けて、この機会にぜひですね。ああいった事件もあったことだし、盛り上げるためにも、100周年に向けて、農業大学校はどうするんだということで方向性をぜひ出していただいて、盛り上げていただきたいと思うんですよ。
 私の地元の離島におきましては、農業が基幹産業であるものですから、ぜひこの農業大学校のバックアップをですね、地元の人からもよく声が聞こえるものですから、100周年に向けて方向性をぜひやっていただきたいと思うんですよ。
 農業経営課長、どうですか、ちょうど100周年になるわけでしょう。3年後ですか。
◎中村農業経営課長 100周年は平成26年度でございます。現在、実行委員会を立ち上げまして、その準備をしているところでございます。
◆山田[博]委員長 実行委員会を立ち上げてですね。農業大学校の、例えば体育館なり、相当古いのは昭和55年とか、男子寮は昭和45年でしょう。ここをやはり100周年に向けて。聞いたら、建物も2人部屋だとか。議員だって今、1人部屋、1人部屋と言っているわけだから。大人でも1人部屋と言っているわけだから、そこを100周年事業の一環として、農業大学校の一つのシンボルとして、ぜひそういったものを取り組んでもらいたいと思うんです。
 農業経営課長、いかがですか、この機会にちょうどいいんじゃないですか。女子寮だって2人部屋でしょう。この機会に、委員会から強く話があったと、100周年を盛り上げてもらいたいということでですね、いかがでしょうか。
◎上田農林部長 農業大学校100周年、これは一つの大きな節目であろうと思っております。今後、飛躍的に発展していく、そういう意味での節目であろうと思っております。
 現在、施設のあり方の前に機能の強化について検討してきておりますので、それをまず先にしっかりと構築をして、その上で、それに見合う施設というのをしっかりと検討していく必要があろうと思っておりますので、そういう手順で進めさせていただきたいと思っているところでございます。
◎中村農業経営課長 今、部長が申したとおり、やはり農業大学校が羽ばたいていくためには、長崎県農業の発展に大きく寄与するものにならなければいけないと思いますので、まずは機能をどうあるべきか検討しながら、併せて、どういう施設の機能が必要か、十分検討してまいりたいと思います。
○前田副委員長 それは、私が議案外で出した、一貫教育も含めて検討するということで理解していいんですか。
 だって、議案外でそれだけ聞いているのに、何も言わないから。
◎中村農業経営課長 人材育成システムといいますか、教育のカリキュラムといった面でも当然、農業高校との連携なり役割分担なり、そういったことも当然関係すると思いますので、カリキュラムの検討の中で十分検討してまいりたいと思います。
◆山田[博]委員長 農業経営課長、適当な答弁をすると、副委員長みたいにカウンターパンチが飛んでくるわけだな。やっぱり気をつけないと、不意打ちというのがあるからですね。
 いずれにしても農業経営課長、副委員長が言われたように、一貫教育も含めてしっかりと、100周年に向けて取り組んでいただきたいということで終わりたいと思いますので、よろしくお願いします。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 それでは、農林部が所管する研究機関、学校施設等の耐震化状況についてに関する審査結果について、整理したいと思います。
 農林部の所管する研究機関、学校施設等の耐震化状況については、各施設の耐震化状況等をしっかりと調査を行い、あり方を、建て替えもしくは改修等、機能を含めて早急に検討し、また委員会に報告してもらうということでよろしいでしょうか。
 それでは、以上をもちまして、農林部関係の審査を終了いたします。
 次は、午後3時から水産部関係の陳情書の60番の審査を行いますので、よろしくお願いします。
 しばらく休憩いたします。農林部の皆さん、お疲れさまでした。
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     −午前2時0分 休憩−
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     −午後3時6分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 これより、9月26日の委員会でご決定いただいたとおり、陳情書60番の参考人として、壱岐市漁業協同組合長会会長 西 寛氏、同じく壱岐市漁業協同組合長会幹事 浦田和男氏にご出席いただいており、理事者の出席範囲を含め、お手元に配付いたしております配席表のとおり決定したいと存じますので、ご了承を願います。
 本日、ご出席いただいた皆様には、地方自治法第109条第6項の規定により、当委員会へのご出席をいただいている関係で、「参考人」という言葉を使わせていただきますので、ご了承を願います。
 ここで、参考人の方へ念のために申し上げますが、発言される際は、挙手の上、委員長が指名した後、ご発言いただくようお願いします。
 また、ご発言は、委員からの質問に対して、案件の範囲を超えることなくお答えいただきますようよろしくお願いします。
 なお、参考人は、委員に対しての質問ができないこととなっておりますので、どうぞよろしくお願いします。
 それでは、陳情書60番「長崎県海砂採取限度量に関する検討委員会の委員への漁協関係者の選任の要望」に関する審査を行います。
 各参考人より、陳情書の内容について説明をお願いしたいと思うんですが、委員の皆様方におかれましては、壱岐市漁業協同組合長会会長の西 寛氏からいただいている要望書をお手元に配付していますので、ご覧いただきながらご説明を受けていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 当委員会におきましては、直接的な所管ではありませんけれども、西参考人の方から、委員長あてにもこれに関する要望書がきております。ぜひともご理解を賜りたいという趣旨の同じ要望書がきておりましたので、やはり漁業協同組合を所管する当委員会におきましては、しっかりと、こういった組合長の皆様方のご意見なり要望を承りまして、そういったことを施策に反映したいと思いまして、今日はご多忙の中、来ていただきました。そういった点でご説明いただきながら、質問等を行っていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 それでは、参考人より、陳情書の内容について、説明をお願いします。
◎西参考人 皆さん、こんにちは。私は、壱岐から参りました、壱岐の漁協長会の会長を仰せつかっております西 寛と申します。
 委員長の方から、説明をしてくれということでございますので、簡単に説明だけをさせていただきます。
 まず最初に、壱岐の5つの漁協の中で、採取の同意を出している漁協は、箱崎漁業協同組合、壱岐東部漁業協同組合、石田町漁業協同組合の3組合でございます。
 採取量につきましては、一昨年ぐらいまで210万立米というようなこともあります。今度は190万立米ぐらいに下げるというお話も聞いているところであります。
 なぜ、私たちがこの要望書を出したかといいますと、壱岐の組合長会の中で3回ぐらい検討して、組合長会の中で同意をいただきまして、私の名前で当委員会、議長さん宛、そして委員の皆さん方に提出をしたところでございます。
 理由といたしましては、さきに検討委員会の中に7海区の会長が入って検討させていただいておったという経緯もございます。今、それがなくなったということを私たちに報告がなされて、それでは漁業関係、いろいろな県の諸般の中にありますように、漁業等も関係がありますから、ぜひその検討会に参画をさせていただきたいということが組合長会で決定され、同意をして、皆さん方に要望、陳情をいたしたということでございます。
○山田[博]委員長 浦田参考人はないですか。
◎浦田参考人 西参考人と同じ意見でございます。
 私も壱岐東部漁協の代表理事を務めさせていただいております。やはり非常に海砂関係でですね、現状、私たちの漁業情勢が非常に悪いものですから、こういう陳情をお願いしたわけでございます。
○山田[博]委員長 以上で説明が終わりましたので、委員よりご質問はありませんか。
◆高比良[末]委員 確認ですが、今回、選任をお願いした関係は、先ほど7海区という話がありましたけど、今までは漁業関係者の意見を言う人が入っていたけれども、入らなくなったので、このたびということなんですか。そこがよくわからない。
◎西参考人 今までは、7海区といいますのは長崎県の海区には7海区あるわけですね、そこの海区の委員が7名おるわけです。そこの中の代表として、こうした採砂関係の会に参画させていただいておったということでございます。
 最近になって、それが消えるかなんかして、全くそうした会議の中に参画させていただけないということをお聞きしております。
 であれば、壱岐海区の中で、先ほど言う3漁協が同意をして、長崎県が採取許可を出してやっている砂採取の件でございますが、壱岐がそこの中で大部分を占めているということでございます。そうしたこともありまして、では壱岐の組合長会の会長ぐらいは、そうした会合の中に参画をさせていただいても悪くないじゃないかということで検討いたしまして、参画のお願いをしておるということでございます。
◆高比良[末]委員 わかりました。
 検討委員会の構成メンバーはどこで決められるんですか。これは行政の方にお伺いします。
◎山田漁政課長 今、参考人が言われました検討委員会は、「長崎県海砂採取限度量に関する検討委員会」のことでございますが、これは主務課が土木部の監理課と漁政課で構成しております。こちらの方で、その検討委員会の構成のメンバーを決めさせていただいているということでございます。
◆高比良[末]委員 決めているというのは、要綱か何かあって決めているんですか。その辺の定義をもう少しはっきりしてください。
◎山田漁政課長 これは設置要領で検討委員会の構成の委員を決めております。(発言する者あり)
○山田[博]委員長 しばらく休憩します。
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     −午前3時15分 休憩−
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     −午後3時15分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
◆高比良[末]委員 それで、今回、7海区の人たちが入らなくなったという話でしたが、何か事情があってメンバーがかわったのですか。
◎山田漁政課長 実は、この検討委員会のメンバーはですね。この設置の目的から申し上げますと、海砂採取の限度量につきまして、水産資源の保護と自然環境の保全、それから骨材資材の確保、これとの調和を図るという観点から、幅広い見地から第三者の意見を求めるために設置されたものでございまして、この委員会では、平成20年10月20日に施行しているんですけれども、この所掌事務が海砂の平成21年度から平成25年度までの採取量、採取限度量、それから壱岐海域における採取比率のあり方について検討を行って、知事に意見を述べるという委員会でございます。そういうことから第三者の意見ということで、検討委員会の委員は、学識経験者、弁護士、それから行政代表で構成されております。
 委員は構成されているんですけれども、委員のほかにオブザーバーということで、長崎県海区漁協長会会長会も会長の要請によって意見を述べることができるということでございまして、これは平成20年10月から3回開催されておりますけれども、この3回に漁協長会の会長会から当時の会長様が出席をいたしております。
◆高比良[末]委員 ということは、以前と今は変わっていないということですか。
◎山田漁政課長 はい。もう既にこの検討委員会は、平成25年度までの採取限度量について意見を述べたということで、一応役目を果たしております。オブザーバーの方が入っていないということではございません。この要領でずっとやっておりますので。
◆高比良[末]委員 オブザーバーでは入っていたけど、今回の要望は、正式なメンバーに入れてほしいという要望ですね。内容はわかりました。
◆馬込委員 この検討委員会で、水産資源の保護についてはどういうふうな意見が出ていますか。本来であれば、漁場の崩壊に結びつくような海砂の採取について、水産県の水産部長として、基本的にどんな考えを持っていますか。
◎荒川水産部長 海砂の採取に対しましては、水産資源の持続的利用を図る水産部局の責任者といたしまして、基本的に反対の立場でございます。
 また、この検討委員会の中でどのような議論があったかということでございますけれども、1回、長崎県海区漁協長会の当時の会長が出席しておられまして、「厳しい漁業環境の中で、県内の建設資材を確保し、地域経済の維持発展を考慮し、やむを得ず海砂採取に協力してきた。以下のことを要望する」ということの1番目に、「平成20年度採砂総量を限度として削減に努力すること」という、ほかにもございますけれども、そのような意見を述べられているところでございます。
◆馬込委員 これだけ厳しい、資源が枯渇していくという中で、魚の生育環境をさらに悪くしていくということはいかがなものかというふうに私は思います。本来であれば、骨材が長崎県はどれだけ要るのか。他県と比較した場合の骨材の入手方法、そういうものも明確に議論された上じゃないとね。本来、水産関係者がこういう検討委員会に入ること自体、私はいかがなものかと思うんだけれども。水産業界が納得しない限り海砂採取はならないという基本的な考えを確立してもらいたい。本来であれば、漁協関係者が入るのではなくて、関係漁協の組合長の印がなかったら、砂は一粒たりとも取らせないというぐらいの制度設計に改めてもらいたいと私は思います。
 漁民が、どれだけの漁民が砂を取ることに対して賛成なのか。砂を取らせたかわりに協力金をいただくということで、やむを得ず砂を取らせると。じゃ、これから漁業を目指すべき後継者に対してはどういうふうな申し開きができるのかという問題があるんだけれども。
 骨材の問題については、土木部とよく協議していると思うんだけれども、土木部とどういうふうな協議をされているんですか、水産資源の確保という観点から。
◎山田漁政課長 先ほど水産部長が申し上げましたように、海砂の採取に関しましては、水産資源や沿岸域の水域環境に影響を及ぼすということから、基本的に水産部は反対いたしております。ですので、この海砂採取の規制強化を求めるというふうな考え方で土木部には申し上げております。
◆馬込委員 昨年1年間に県内で使われた骨材としての砂は何百万立米ですか。
◎山田漁政課長 平成23年度で海砂採取の実績が県内で257万1,000立米でございます。(「県内の骨材で使われた分ですよ」と呼ぶ者あり)それは把握しておりません。採取した分でございます。
◆馬込委員 水産部として、県内の骨材が幾ら必要なのかということを考えていないと、海砂から骨材を吸い上げるということについては、どの程度が限界かというのは、しっかり把握しておいてもらわないと困る。そこら辺はわかっていますか。県内で必要とする骨材以上の砂を取らせる必要はないんですよ。
◎山田漁政課長 この採取限度量に関する検討委員会が出された提言書によりますと、県内で平成25年度には最大248万立米というふうに需要量の予測をしていたところでございます。
 先ほど申し上げた数字は、採取の実績でございまして、県内は5年間平均で94%でございます。(発言する者あり)平成23年度の採取量が257万1,000立米でございまして、そのうち県内で使われているのが99%、253万立米でございます。
◆馬込委員 そのうちの9割が壱岐海域で採取されているんですね。違いますか。
◎山田漁政課長 約75%が壱岐でございます。
◆馬込委員 ところで、西参考人に伺いますが、長崎県の海域の中で、壱岐海域で75%の海砂を採取されているわけですけれども、これが漁業環境にどの程度、あるいはどのような影響が出るとお考えですか。
◎西参考人 今、馬込委員がお聞きになっていることにつきましては、全体を含めまして、私が今から説明をしたいと思います。
 といいますのは、まず最初に、採砂事業につきまして、各3組合ですね、これは総会の議題に必ず乗せております。そして、その議題に乗せた時は、何年間砂堀り、採砂事業に対して、当組合は何年から何年までは同意をするということで提案をいたしまして、組合員の皆さん方からご意見をいただいております。ご意見の中に、砂を同意することについては反対ではないと、賛成ということで満場一致で決議されております。そこの中で、ただし、1年1年で区切って必ず総会には採砂事業ということで提案説明をしております。
 提案の理由といたしまして、区域、それから業者から申し出てこられた立米数、そこの中には採砂対策海区委員会を設置することで、委員の選任。使途につきましては、理事会、そして採砂対策海区委員会に一任をいただいているところでございます。
 そうしたことを踏んで、業者からそうした同意願いがきた時には同意をして、最終的には壱岐海区の漁協長会にそれを付議して、漁協長会でも慎重に検討して同意を出しているところでございます。
 漁獲のことにつきましては、馬込委員が言われることは、砂を取ることに同意を出して漁業に影響はないかということであろうかと思いますけれども、今のところは、私も定置網をやっている関係上、100%それが影響があるかということになりますと、それは100%かなというようなことも考えられるかなというような考えだけであって、確実に100%影響があるということは私は言えないと思います。また、逆な方向でも100%ということは言えません。
 ただし、我々総会では、区域の設定ということで、これから海岸べたは採砂の同意は出さない。これから沖については出しましょうということで、区域の設定をそこでしているところでございます。そういうことでご理解願いたいと思います。
 終わります。
◆馬込委員 漁業に対する漁業環境について、100%とか何とかではなくて、どういうふうにお考えですか。漁業環境に対して組合長という立場から見た場合に、海砂が減っていくということについては、さほど影響はないという考えですか。
◎西参考人 馬込委員の言われることは、影響があるか、ないかということになろうかと思いますけれども、そうしたことがありますから、組合の総会に、あえて1年1年付議して検討しておるところでございます。
◆馬込委員 組合の協議の中で、沿岸から何マイル外じゃないとだめだというふうな決定をされているわけですか。
◎西参考人 はい、それはそうしたことで決定しております。何マイルということは、マイル数は、今はっきり私は覚えてないですが、昔から漁師は、今はGPS、プロッターといって進んでおりますけれども、昔は山当てで、ここの山とここをあわせて、これから沿岸ではできませんよと、これより沖に行きなさいということで、山当てでしているところでございます。山当てをここで言うてもわかりませんが、言ってもよろしゅうございますか。
◆馬込委員 山当ては漁場を見つける時の、ある程度漁民が参考にするような話なんでしょうけれども、本来、現実に砂を取らせる区域が海岸から何マイルかというのは、共同漁業権の問題も絡んできますので、そこら辺の距離の問題をお尋ねしているんですよ。
◎西参考人 あくまで共同漁業権は、海岸から1,500メートルですから、1,500メートルの外でございます。それの外に、全体から言いますと3,500メートル保護区域がありますから、その外でもございます。
◆馬込委員 期間限定と、毎年毎年更新というふうに理解していいんですか。先ほど期間限定というようなことも言われておりましたけれども。
◎西参考人 期間限定は、平成何年何月何日から平成何年何月何日ということで、期間はある程度とって、年数を5年なら5年をとってやっております。
◆馬込委員 本題に入りますけれども、検討委員会に入ることと、漁協の組合長の公印をいただくと、それが条件だということについては、どういうふうに考えられますか。
◎西参考人 今まで私が言うたように、そうしたこともありますから、1年1年定期総会の時にかけて同意を出すように、今年は同意をこうしたことで出しますが、組合員の皆さん方よろしゅうございますかということで総会に付議して、そこで同意をいただいて出しております。私が代表として出すことについては、しておりません。
 実際、採取法から言いますと、私が出してもいいということは採取法の中にありますよ。しかし、そうしたことは、法は法で常識を踏まえて、組合の定期総会にそれを付議して、皆さん方と検討して、その了解をもらって同意を出しておるということでございます。
 それで、業者から1年間分の立米数が提示されますから、その立米数に対してこの1年間はこう出しますよということで総会の中で承認をもらって出しておるということです。私が勝手に出すと、理事者が勝手に出すということはありません。
◆馬込委員 その立米数の決定はどこでされているんですか。業者の立米数の決定、壱岐海区で幾らというのは、業界の方で決めているんですか。
◎山田漁政課長 県の監理課の方でやっております。
◆馬込委員 監理課が海区を指定して、壱岐海区で例えば170万立米なら170万立米、よそで30万立米なら30万立米、50万立米なら50万立米というような決定をされているんですか。
◎山田漁政課長 採取業者からの申請に基づいて全体の限度量を決めておりますので、その範囲内で許可をされていると思います。
◆馬込委員 それは土木部の監理課だけの判断でされているんですか。
◎山田漁政課長 土木部の判断で決定しております。
◆馬込委員 そうしたら、監理課の人が、例えば長崎県の海域の中において、壱岐に一方的に、壱岐の漁場だけじゃなくて、じゃ、よその海域についてもどういうふうな状態だということについては、監理課は十分把握した上で今回の対応をやっているんですか。
◎山田漁政課長 採取量は、申請に基づきまして、海域がわかりますので、それは把握していると思います。
◆馬込委員 私が言っているのは、漁業の問題と絡めて言っているんだけれども、長崎県の海域の中に砂がどういうふうな分布の状況がわからないけれども、いい砂、悪い砂もあるんだろうけれども、そういう漁場のこともわかった上で監理課は許可を出しているのかと言っているんですよ。
○山田[博]委員長 しばらく休憩します。
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     −午前3時34分 休憩−
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     −午後3時35分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開します。
◆馬込委員 監理課を呼んでも、今の質問に対する答弁はできないと思うんですよ。骨材として、必要な骨材をどう許可するかというだけの観点で監理課はやっているのであって、監理課がいろんな漁場のことで、まずは水産部と協議しながら、水産部の了解を得て結論を導くというのが本来の姿なんだろうけれども、事前に水産部に相談があっているのかということを聞いているんです。
◎山田漁政課長 個々の採取の許可については、監理課から相談はあっていません。
◆馬込委員 そんなことでは、水産部長、困るよ。海の中に勝手に手を入れる時には、監理課はしっかりと水産部と協議し、そして関係団体とも協議しながらやっていかないとね。
 今生きている我々だけの問題の話じゃないんですよ。だから、監理課とはよく協議して、海の中にいろいろ手を入れる時については、水産部と事前に納得いく協議をやって、そして関係者とも協議しながらやっていくというぐらいのことをやってもらわないと困る。
 それについてはどう思いますか、部長。
◎荒川水産部長 海域の環境を変えるということは水産業に影響が及ぶというご指摘については、そのとおりだと思います。
 ただし、どれほどの影響が及ぶかというところについては明らかでないというのも正直なところでございまして、今までもご相談がありましたら、私どもは水産部といたしまして、土木部に対して物も申してきました。
 ただし、私どもの考えは、基本的に水産の資源に影響を及ぼす採砂というものについては反対する立場でございまして、その中でどれだけだったら容認できるかという立場になってくると思います。
 そのために県全体、また壱岐海域で、どれぐらいの採砂だったら大丈夫かというのを協議するのが、先ほど来ご協議いただいております「長崎県海砂採取限度量に関する検討委員会」であると私は認識しておりまして、そこには長崎大学の工学部、長崎大学の環境科学部以外に、長崎大学の水産学部、水産生物生態の専門家もいらっしゃって、第三者的に、学問的にこれを検討していただいております。申しわけございませんが、私どももそれ以上の知見を持っておりませんので、意見は意見として申しますけれども、ここの中で協議がまとまった範囲内で、土木部の監理課が許可を与えていることに対しては、今まで物を申していなかったというのが現状でございます。
◆馬込委員 西参考人、最後に1点だけお尋ねいたしますけれども、検討委員会に代表者が入った方がいいのか。そして、量についても、県が決定した、例えば今回は百何十万立米というような数量に対しても、それはだめだと、そういう協議のできる、組合長の皆さん方のそういう協議ができるように、そしてあなた方の印鑑がないと採れないというふうな形にしていた方がいいんじゃないですか。どうですか。検討委員会にどうしても入った方がいいわけですか。
◎西参考人 今、質問といいますか、馬込委員から、そうした意見として出ておりますが、印鑑を打つ重みをどう考えておるかということであろうかと思います。そうしたこともありまして、でき得れば入らせていただけないかなという考えもあるし、また、入る上においては、私は組合長会の会長でもありますけれども、私一人で決めるわけではないし、5つの漁協の組合長がお見えですから、そこで検討しながら集約して、そして、これは入った方がよくないかというような中で、そうした要望をしているということは理解をしていただきたいと。
 それからもう一つ、今の委員会の中で馬込委員と水産部のやりとりを私が聞いていますと、水産業界の中で、特に壱岐の組合員を対象にしたともですね、壱岐の組合員もこれでもうやめろよというようなことに私は、耳を疑ったか何かわかりませんが、もうやめなさいよと、もう漁業はやめなさいよというようなことに聞こえました。
 県はそうしたことであるなら、漁業者に対して。今、燃油はリッター90円ですよ。90円の油をたいて、イカを釣ろうが、魚を釣ろうが、魚価は安い、経費は要る。
 最終的には、各漁協におかれましては、事業外収益に頼らなくてはいけない漁協もあるということも理解をしていただきたいということを私は申し上げておきたいと思います。
 それは、いろいろ経営の中で、組合長を筆頭に経営をする上においては、努力に努力を重ねております。だからといって県あたりが、今漁業者に対してしてくれているのは何があるかというと、私は目に見えませんよ、はっきり言って。
 もう少しそうした議論をするなら、私たちは税金を払っているわけですから、そのくらいの厚い手を伸ばしていただきたいということを私は申し添えておきたいと思います。
◆馬込委員 参考人、そういう意見じゃないですよ、水産部と私がやりとりしているのは。
 組合の経営とか、組合員の支援をどうするかといった話は、また別個の話ですから。それは壱岐の組合だけではなくて、すべての組合が抱えている問題ですから、燃油の問題も。それは五島も対馬もみんな同じですよ、壱岐も、抱えている問題は。その問題はその問題で、別途の問題ですから。今日は海砂の問題を言っているわけですから、それも何もかもごっちゃにしてもらったら、何も発言できなくなる。
 だから、漁協の経営の問題は経営の問題で我々もしっかり考えている。今日は海砂の問題だから言っているんですよ。それを間違わないでください。漁業をするなとか、やめろとか、そんなことは一つも考えていないですよ。冗談でも、そういうことを言ってもらったら困る。
◎西参考人 いや、私はそうしたことに聞こえましたから言いよるわけですよ、馬込委員、そうじゃないですか。私たちが同意をする印鑑の重みですね。事業外収益に頼らなくてはできない漁協があるから、そうしたこともあるから。
 馬込委員、漁業の経営というのは普通の会社と違いますよ。年間、水ものですよ。今年は水揚げがあるかないかわからない。(「それは知っています」と呼ぶ者あり)計画を10億円なら10億円立てる上においては、あるいは、この年は事業外に頼らなくてはできないこともあります。事業外は何かといったら、やっぱり砂事業があるということでございますので、そこも理解していただきたいということを申し上げておきます。
◆馬込委員 だから言っているじゃないですか。組合長の印鑑でいいじゃないかと。それは組合長の判断でしょうもん。(「判断ではありません、組合長の」と呼ぶ者あり)いや、組合長が判断するには、それは総会があり役員会もあるじゃないですか。いろんな人たちとの、関係機関との協議もある。
 私は、最終的には、海の問題だから、組合長の決定で最後はまとめてほしいという思いがあるわけですよ。
◎西参考人 それはできません。私の勝手に印鑑を動かすことは。だから、1年に1回、総会に付議して、皆さん方の意見を聞いて、集約をしてやっているところでございます。それはご理解願いたいと思います。(「だから、それを言っているじゃないですか」と呼ぶ者あり)
◆溝口委員 今回の要望は、検討委員会に漁業者から1人入らせていただきたいということですが、西参考人の話によると、検討委員会の中に最初は入っていたような話に聞こえたんですけど、今まで漁協関係から検討委員会に入っていたのは、何年頃ですか。
◎山田漁政課長 この検討委員会は、3回開かれておりまして、平成20年11月に開かれた時に、漁協長会会長会の会長がオブザーバーとして参加しておられます。
◆溝口委員 だから、今まで検討委員会の方には全然入っていないんですね。わかりました。
 それで、西参考人、オブザーバーとして、必ず1回は出席して意見を述べることができるとなっているんですけれども、今までもオブザーバーで、長崎県の海区漁協長会の会長会としているから、漁協長の皆さん方が壱岐の方から入ればこれに入られるわけですよね。そこら辺ではだめなんですか。オブザーバーだけでは。
◎西参考人 それで、私はよろしゅうございます。
◆溝口委員 そうしたら、検討委員会というか、オブザーバーに入っておって、会議がある時には、必ず1回は意見を聞いてくださいという形でいいわけですね。(「はい」と呼ぶ者あり)そうしたらそれで。ぜひですね、今聞いたように、部長ね。
 本当は検討委員会の中に入りたい、この学識経験者の中の一人に入りたいというのが、多分、西参考人たちの要望だろうと思っているんですけれども、その検討委員会には、漁協長会の方からは入れないわけですか。
◎山田漁政課長 先ほどもちょっと目的を申し上げたんですが、幅広い見地から第三者の意見を求めるためという検討委員会でございまして、漁業関係者と業界、砂利採取業者は、当事者、あるいは利害関係人ということで、ここは第三者ではないという考え方でございます。
◆溝口委員 わかりました。やっぱり検討委員会にはちょっと無理、利害関係があるということで入れないということですから、ぜひオブザーバーとして必ず壱岐の方から1人は入れていただくように、よろしくお願いしたいと思います。
◎荒川水産部長 壱岐の方からになるかどうかは別にいたしまして、従来も海区の組合長会の中から代表者がオブザーバーとして参加していただいておりますので、今後とも海区の組合長会の中からどなたかがオブザーバーとして参加して意見を述べることができるように、私どもも努めてまいりたいと考えます。
○山田[博]委員長 西参考人、ここの確認ですけど、この検討委員会の委員に入りたいというふうな趣旨で書いているんですね。委員とオブザーバーは違うわけです。オブザーバーというのは、ただ言いっぱなしで、極端に言うと聞き置く程度になるわけですよ。だから、ひょっとして勘違いしたらいけないので、そこはしっかりとですね。
 今、溝口委員の質問に対してはオブザーバーでいいんですよという話がありましたからね。そこはもう一度、どういうふうな考えなのか。勘違いしたら困りますから、それだったら、またこれから審査が違ってきますから、ちょっと答えていただけますか。
◎西参考人 今、お聞きしておりますと、漁政課長から、いろいろな幅広い見地からお聞きするために、そうした委員を設定しておると。そこの中には、組合長会、あるいは漁業関係は利害関係があるのでできないと私は今お聞きしました。やっぱりこうしたことになりますと、条文とかそうしたことに従ってやられるわけでしょうから、それを幾ら私たちが、「いや、それは条文を直してでも入れてくれろ」と言うことは、私はやぶさかではなかろうかと考えましてですね。
 では、せめてオブザーバーとしてだけでも入れてもらって、そして、発言ができるとするなら、私はそれでよしとするということで譲歩して私は言っているつもりでございます。ご理解を願いたいと思います。
◆高見委員 今、西参考人からそういうお話を聞きましたから、この陳情からちょっと外れた質問をしたいと思います。
 この検討委員会の目的は、水産資源の保護と自然環境の保全、それと骨材資源の確保と融和、こう考えてみますと、なんで、利害関係者じゃないけれども、水産部と土木部は入れて環境部がいないのかなと、しごく当たり前な疑問が生ずるわけです。
 今日はこの陳情に基づいてですから、この検討委員会も十分な検討がなされるような立場にないような気がします。ですから、ぜひこの件については、今後、改良検討をお願いしたいと思います。これはもう要望でいいです。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。(発言する者あり)
◎西参考人 先ほど、水産部長から、あれは7海区のことを言われているわけですね。7海区の中で、関係のない組合長が海区の会長になられているわけです。
 私たちは、そこは壱岐が、採取に対して同意を出しておる漁協が3組合ありますから、だから壱岐から1人、オブザーバーでもいいですよということを私たちはお願いをするものでございますから、ぜひ、壱岐から1人入れてもらいたいということをここで要望申し上げておきたいと思います。よろしくお願いします。
○山田[博]委員長 しばらく休憩します。
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     −午後3時50分 休憩−
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     −午後3時51分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 ほかに質問はありませんか。
 なければ、委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、発言をどうぞ。
◆山田[博]委員長 私の方から、馬込委員と溝口委員と高比良(末)委員の質問を踏まえた上で、幾つか質問させていただきたいと思います。
 最初に、「長崎県海砂採取限度量に関する検討委員会」の設置要領とあります。西参考人と浦田参考人におかれましては、これを初めて見られたんですか。まずお尋ねしたいと思います。
◎西参考人 はい、初めてです。
◆山田[博]委員長 そうしましたら、この2ページを開いていただけますか。
 まず、この要望書におきましては、よく見たら、要するに検討委員会の委員の中に入れていただきたいという話があったですね。そこで、この2ページ目には、委員の選任についてとあるんです。長崎県海砂採取限度量に関する検討委員会の委員及びオブザーバーの選任については云々とあって、知事に提言を行うと。
 次ですが、検討委員会の委員の選び方、選任については、平成15年6月20日に設置された海砂採取のあり方全般にわたって検討して知事への提言を行った検討委員会におけるメンバーから選出することを基本とするとあるんです。
 それで、ここをまたずっと見ていったら、3番目に審議内容として、壱岐海域における採取比率については、限度7割についても検討し、具体的な数値をもってあらわすものとするとあるんです。
 そこで、私は何が言いたいかといいますと、もう一遍一番最初を開いていただけますか。皆様方は第三者、第三者とおっしゃいますけど、はっきり申し上げて、私は馬込委員と一緒で海砂採取には反対です。反対です。
 しかしながら、地域を回ってみたら、漁港はつくってくれ、港湾はつくってくれ、道路はつくってくれと、結局は海砂がないと公共事業はできないと、これは認めるところなんですよ。
 なおかつ、漁業協同組合も事業外収入がないとやっていけないというのは十分私も理解できるわけです。
 先ほどの馬込委員とのやりとりで水産部長でしたか、漁協関係者もやむを得ず同意せざるを得ないと、これは私も認めるところなんですよ。
 そこで私は、皆さん方ははっきり言って、壱岐海域において相当な、これは7割なんですよ。だから、皆さん方は、確かに馬込委員と西参考人のやりとりを聞いていたら、毎年毎年するのであれば、慎重に組合員の方の意見を聞いてやっているのであれば、私ははっきり言って、それだけ慎重にやるんだったら、組合員の総意をしっかりと受けて、この検討委員会に入って言うべきだと思いますよ。そこまで慎重にやっているのであればね、なおさら。
 私は、もう一度お尋ねしますけど、第三者だろうが、皆さん方漁業者の生活の一番の根底になるんですよ。先ほど言ったように、漁場に影響しているかどうかというのはわからないと。しかしながら、事業外収入が得られないと組合はやっていけないんだと。
 そこで組合の方々も漁業に影響しているか、していないか、それに同意するかというのは、もうしっかりと総会にかけてやっているのであれば、この第三者の中にしっかりとうたってやるべきだと私は思っているんです、逆に。そこまでやっているのであればね。
 それで、漁政課長、ここは事務局に、先ほど高見委員も言ったように、水産部も土木部も入っているけど、環境部は入っていないということでね。ここはやっぱり漁業者の立場の意見をしっかりとね。私は、オブザーバーというより、しっかりと意見を反映できるような話をもっていける立場にしないと。逆に、毎年毎年慎重に審議をやっていなかったら、漁協組合の組合長の意見をもっと反映できるような場というか、チャンスを与えないといけないと思うよ、私は。毎年毎年やっているぐらいだったらね、逆な意味で。そこまで慎重審議をやっていると言うんだったらですよ。
 結果的に、組合長、あれでしょう。もろ手を挙げて喜んでいるんじゃないんだと。組合員の皆さんに、どうしましょうかと毎年かけて、やむを得ず同意しているんだよと。しかしながら、自分たちとしては、これはやむを得ず、仕方ないから、いろんな意見を言いたいというのがあるんでしょう。あるんですか、ないんですか。まず、あるかないかを聞かせてください。
◎西参考人 今、山田(博)委員長が言われましたように、慎重審議というものにつきましては、賛否がありますけれども、今のところ、私が組合長になってから、これはといった反対の意見はございません。「やむを得ず」という言葉が先に出てきます。砂掘りとしてはあまりよろしくないというような考え方もある漁民もお見えですが、やむを得ず、漁協の経営、そして自分たちの水揚げの状況を見ながら、事業外収益に頼らなくてはいけないような状況下にきた時に、果たしてどうするかということになった時に、これに頼らなくてはできないということもあるからですね。ここで一旦、総会の中で今年はやめなさい、同意をしてはいけませんよと決まったら、1年間されないわけですね。そうすると、事業外収益には頼られないということになると。
 そこで今度は経営の中で赤字が生じる。それが1年だった、2年も3年も赤字が生じると、漁協は自己資本比率が下がって経営が不可能になるというような状況になりますから、やむを得ずということが漁民の中で出されて、総会で満場一致で決定をされているということが現状でございますので、ご理解を願いたいと思います。
◆山田[博]委員長 そこでお尋ねしますけれども、西参考人、私も先般の県議会でいろいろと勉強させてもらっていると、佐賀県と長崎県は境界線の協定をきちんと結んでいなかったんですよ。よくよく調べてみたら、それで裁判になってしまってね。今度は福岡県とどうなっているのかというと、文書が交わされていなかったわけですよ。
 私が心配しているのは、佐賀県と長崎県がもめた後は、今度は場合によっては福岡県と長崎県がもめる場合もあるわけですよ。なぜかというと、記録がないんですから。きちんとした記録がないんですよ。
 そこで西参考人にお尋ねしますけれども、いろいろ聞いたら、ラインというのが曖昧なんです、実際ははっきり申し上げて。いろいろ言わないだけであって。
 実際、西参考人におかれましては、やむを得ずの中で、全体の7割をされているのであれば、できれば沖に沖に出したいというのがあるわけでしょう、参考人は。やっぱりそういった意見も、今、馬込委員とのやりとりを聞いていたら、そういったことをきちんと述べたいと、自分たちの意見を反映したいんだということで、確実に反映する場はどこかといったら、オブザーバーじゃなくて検討委員じゃないかと思うんですよ。
 私は、西参考人、浦参考人、漁業者の立場を考えたら、それで毎年毎年やったら、参考人はオブザーバーじゃなくて、検討委員でしっかりと皆さん方は、漁業者の意見を聞いてね。なんで壱岐ばっかりするのかと、もっと沖に出してくれと。最終的には土木部で全部決めているんだったら、それは皆さん、水産部では話ができないんだから。
 そうしたら、誰が言うかというと、当事者の西参考人がね。自分たちの意見を反映するんだったら、オブザーバーと検討委員のメンバーは違うわけですよ。
 漁業者の立場を考えて、意見をしっかりと反映するのであれば、検討委員会の委員になって言うべきだと私は思いますよ。それはどうですか。
◎西参考人 今言われるように、検討委員に入らせていただきたいということで要望書は出しております。
 それと、今、区域の問題が出ましたけれども、我々といたしましては、各組合が検討しておるのは、佐賀県と長崎県の話だけではなくて、福岡県も話す時に、等距離線ですか、それに従ってもらいたいというような話もしております。今のゴチ網ラインというのは、ゴチ網だけのラインであると。イカラインはイカ釣りだけのラインであるということですね。必ずしも、海の中に長崎県と福岡県の境界線は、あってもないような代物というふうにお聞きしますけれども、実際はその境界線はあるということを私は聞いております。それが等距離ラインと、こう考えるところでございます。
 佐賀県とだけで話し合いではなくて、それをやるなら3県でやっていただきたいということを私は申し上げておきたいと思います。
◆山田[博]委員長 だから、西参考人、浦田参考人、やっぱりこの要領を見たら、これはあくまでも要領なんですよ。だからこれは必ず決まっているかというと、要領は行政がつくったわけだから、ここでやっぱり見直しして、これでコンクリートじゃないんですよ。これは固まっていないんです。だって、要領、要綱は、時と場合によっては、時の知事とか、時の行政等、いろんな陳情があれば変わるわけですよ。
 これは漁政課長、あなたたち水産部としては、漁業者の立場として、漁業者の声をしっかりと反映するのであれば、先ほどのいろんな問題があって、西参考人たちもやむを得ず取らざるを得ないのはわかるけれども、もっと、福岡県とのやりとりの場所を変更してもらって、取らざるを得ないのはやむを得ず理解できる。しかし、壱岐の沖合ばかりじゃなくて、もっと沖合にどんどん、1,500メートル以上に出してもらいたいという思いがあるという意見を出すとしたら、検討委員会でしっかりとやりたいと。
 ここは第三者委員会であるけれども、そこは要領とかの見直しを、土木部監理課に伝えてですね。
 いずれにしたって、漁業者の意見をしっかりと反映させるために、それは入れてやるべきだと私は思いますよ。いかがですか。水産部長か漁政課長。
◎山田漁政課長 この採取限度量に関する検討委員会は、平成20年度につくったものでございますけれども、この時は第三者からの意見を求めるということでございますので、いわゆる当事者であります漁業関係者の方は第三者には入らないということで、オブザーバーとして意見をいただいたということでございますので、そこはご理解いただきたいと考えております。
◆山田[博]委員長 いや、当時はわかったんだよ。次回、また切り替えをするでしょう。そこは、西参考人たちが漁協組合の会議からして、毎年毎年こういった厳しい状況の中でもですね。いいですか、あくまでも今日来られた参考人の方々は、やむを得ずなんですよ。やむを得ずいろいろやっているんだと。しかし、それをしっかりと自分たちの声を反映するには、いろいろなラインとかなんかがあるから、ぜひ沖合に出してもらいたいと。そういった声をしっかりと出すのはこれしかないだろうというふうに言っているわけですよ。いいですか、平成20年度にやった検討委員会の時はわかりますよ、それはやったんだから、ご理解いただきたいと。
 次回またあるわけでしょう。事務局として、それは今日のお二方の思いというものをお伝えして、対応を考えてもらいたいんです。この時はわかります、私も、この時は。しかし、水産部長、次回におきましては漁業者の立場をしっかりと反映できるようなね。オブザーバーで果たしてそれができるかというと、はっきり言って難しいでしょう、それは。
 だから、そういったことで、この要領につきましては見直しをして、しっかりと考えていただきたいと思いますよ。いかがですか。
◎山田漁政課長 水産部としましては、先ほども申し上げていますとおり、いわゆる海砂採取につきましては基本的に反対と、水産資源を守るという意味から、影響があるという意味から反対でございまして、漁協が置かれている立場というのも、大変水揚げが少ない中で厳しいというのは存じ上げておりますし、事業外収入に頼らざるを得ないというのはあるのかもしれません。基本的には、水産業で漁協を経営していくというのが基本でございますので、そこはまずは事業外収入に頼らないと。県といたしましてもいろいろな水産振興策を講じながら、漁業収入が上がるような形で支援をしていきたいと思いますので、そういう事業外収入に頼らないような形でやっていただきたいと思いますし、今後のこの検討委員会につきましては、平成25年度以降に設置について検討がされるものと思いますので、その時にまた関係課と協議してまいりたいと考えております。
◆山田[博]委員長 漁政課長、事業外収入に頼らないように頑張ってもらいたいと、支援をするというのは、それは当然なんですよ。
 しかしながら、現状としてはこうだから、漁場としては、壱岐沖合が採取量の7割も占めているから、それでは自分たちばかりに負担がかかっているから、別のところにもっと沖合に出してもらいたいと。そういったことを言える場所としてはどこかというと、これしかないだろうと言っているんですよ。基本的に、いいですか、これはもろ手を挙げて喜んでいるわけではない、やりたいと言っているんじゃないんですよ、はっきり言って。漁政課長はちょっと勘違いしているんじゃないですか。
 自分たちとして、基本的に本当は採ってほしくないんだと、だから毎年、基本的には反対なんだと。今聞いたら、慎重にやっているんですよ。そうでしょう、西参考人。
 それを担いながら、ラインとかなんかをどんどん、どんどん沖合に出してもらわないと自分たちは困るから、それを主張する場はどこかと言っているんですよ。馬込委員がさっき言った事業外収入とか、そんなことを言っていたら、議論が違うんですよ。今日は砂のことを言ったんだ、砂の件で。馬込委員が言ったように。
 いいですか。勘違いしてもらっては困りますよ。私も組合員も基本的には反対なんだから。しかし、その反対を、困っている状況をしっかりと行政に反映する場はどこかといったら、この次回の検討委員会だろうと。その検討委員会で、自分たちの思いはこういうふうにしてもらいたいときちっと、採取量とかラインとかに反映するところは、この土木部監理課でやっているんだから。あなたたちじゃないんでしょう。
 だから、そこの場でしっかりと自分たちの意見を言えるような、担保できるようなところを、意見を反映できる検討委員会の中に入れてもらいたいと言っているんですよ。それをこういった意見があったということで要望をしっかりと伝えてもらいたい。事務局でしょう、あなたたちは。そうでしょう。
 事業外収入とか、そんな議論をしているんじゃないです、今日は。
 だから、そういった思いがあるということが今日はわかったということですから、基本的にはもろ手を挙げてやっているんじゃないんですよ。要領なんかを見直しして、しっかりと伝えてもらいたいという意見を言っているわけだから、そこをしっかりと答えてください。漁政課長か、政策監か。
◎山田漁政課長 次回の検討委員会の委員の構成につきましては、関係課で十分協議した上で、今回の漁協、壱岐の組合長会の意見も踏まえた上で、委員の構成につきまして協議をしてまいりたいと考えております。
◆山田[博]委員長 馬込委員も検討してもらいたいと言っていたじゃないですか。それはそうですよ。だって、考えてみませんか。その事業外収入をあてにして、もろ手を挙げて砂を採取するのを喜んでいるんじゃないんだから。自分たちの意見をしっかりと、思いというものを伝える場をつくってもらいたいということだったから、そういったことでね。
 西参考人、最後に、大体意見の集約は終わったと思うんですけれども、やりとりをしていて、見解か思いか、言い残したことがあるのであれば言っていただければと思います。
◎西参考人 今、いろいろと意見の交換ですか、そうしたことを私は脇で聞いておったわけですが、壱岐の組合長会としては、今言われたことを参考にして、ぜひこの検討委員会に参画をさせてもらいたいということを、最後にご理解をいただきまして要望をして終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 それでは、ほかに質問はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ほかに質問がないようですので、本件についての意見聴取は終了いたします。
 参考人の皆さんにおかれましては、大変お疲れさまでした。ご協力ありがとうございました。
 それでは、参考人におかれましては、ご退出をお願いします。
 それでは、陳情書60番についての質問はこれで終わりたいと思いますが、よろしいでしょうか。
     〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ほかに質問がないようですので、陳情書60番につきましては、承っておくことといたします。
 それでは、以上をもちまして、水産部関係の審査を終了いたします。
 本日の審査はこれにてとどめ、明日は午前10時より、委員長報告等に関する委員間討議を行いますので、よろしくお願いします。
 本日はこれをもって散会いたします。
 お疲れさまでした。
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     −午後4時10分 散会−
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