平成25年  6月定例月議会 農水経済委員会 - 06月25日−01号

平成25年  6月定例月議会 農水経済委員会

1、開催年月日時刻及び場所
  平成25年6月25日
       自  午前10時0分
       至  午後5時1分
       於  議会会議室
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2、出席委員の氏名
    委員長(分科会長)  西川克己君
    副委員長(副会長)  山田博司君
    委員        野本三雄君
     〃        織田 長君
     〃        溝口芙美雄君
     〃        徳永達也君
     〃        山口初實君
     〃        友田吉泰君
     〃        深堀 浩君
     〃        中島浩介君
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3、欠席委員の氏名
     なし
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4、委員外出席議員の氏名
     なし
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5、県側出席者の氏名
    産業労働部長       山田伸裕君
    産業労働部次長      江村 遵君
    次長兼雇用労政課長    池内潔治君
    産業政策課長       中野嘉仁君
    産業振興課長       平田修三君
    産業技術課長       野間口英一君
    グリーンニューディール推進室長
                 黒崎 勇君
    企業立地課長       下田芳之君
    商工金融課長       上原哲之君
    緊急雇用対策室長     佛田正博君
    産業人材課長       林田則利君
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6、審査事件の件名
◯予算決算委員会(農水経済分科会)
第78号議案
 平成25年度長崎県一般会計補正予算(第1号)(関係分)
報告第1号
 平成24年度長崎県一般会計補正予算(第10号)(関係分)
報告第3号
 平成24年度長崎県農業改良資金特別会計補正予算(第2号)
報告第4号
 平成24年度長崎県林業改善資金特別会計補正予算(第2号)
報告第5号
 平成24年度長崎県県営林特別会計補正予算(第2号)
報告第6号
 平成24年度長崎県沿岸漁業改善資金特別会計補正予算(第2号)
報告第7号
 平成24年度長崎県小規模企業者等設備導入資金特別会計補正予算(第2号)
報告第9号
 平成24年度長崎県長崎魚市場特別会計補正予算(第1号)
報告第13号
 平成24年度長崎県港湾整備事業会計補正予算(第3号)(関係分)
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7、付託事件の件名
◯農水経済委員会
 (1) 議案
第79号議案
 知事の調査等の対象となる法人の範囲を定める条例の一部を改正する条例(関係分)
第92号議案
 権利の放棄について
第93号議案
 権利の放棄について
第94号議案
 権利の放棄について
第95号議案
 権利の放棄について
 (2) 請願
     なし
 (3) 陳情
・島原半島地域食肉センター整備事業に関する要望書
・要望書(長崎漁港がんばランド土地使用許可について)
・要望書(五島海域に於ける石油、天然ガス基礎調査の早期着工について)
・要望書(長崎漁港がんばランド土地占用許可について)
・県の施策に関する要望書(磯焼け対策研究施設の整備について 外)
・平成26年度 県の施策等に関する重点要望事項(佐世保港におけるすみ分けの早期実現等について 外)
・要望書(漁協の事務調査を充分に行い正常な運営に戻すため必要な措置をとることについて)
・要望書(地域高規格道路 島原道路について)
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8、審査の経過次のとおり
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     −午前10時0分 開会−
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○西川委員長 ただいまから、農水経済委員会及び予算決算委員会農水経済分科会を開会いたします。
 なお、織田委員から、所用により本委員会の出席が遅れる旨、連絡があっておりますので、ご了承をお願いいたします。
 これより、議事に入ります。
 まず、会議録署名委員を慣例によりまして、私から指名させていただきます。
 会議録署名委員は、徳永委員、友田委員のご両人にお願いいたします。
 今回、本委員会に付託されました案件は、第79号議案「知事の調査等の対象となる法人の範囲を定める条例の一部を改正する条例」のうち関係部分外4件であります。そのほか、陳情8件の送付を受けております。
 なお、予算及び報告議案につきましては、予算決算委員会に付託されました予算及び報告議案の関係部分を農水経済分科会において審査することとなっておりますので、本分科会として審査いたします議案は、第78号議案「平成25年度長崎県一般会計補正予算(第1号)」のうち関係部分外8件であります。
 次に、審査方法についてお諮りいたします。
 審査は、分科会審査、委員会審査の順に行うこととし、各部ごとに分科会による予算及び報告議案、委員会による関係議案、陳情の順に進め、終了後、議案外の所管事項についての質問を行うことを基本としたいと存じます。
 また、具体的な審査順序及び審査内容については、修正後の7日間の審査内容案をお手元に配付いたしております。この後、改めて協議させていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、各部の審査順序でございますが、産業労働部、水産部、農林部の順に行うことといたしたいと存じますが、ご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ご異議ないようですので、そのように進めることといたします。
 次に、議案外所管事項に対する質問に関して協議させていただきます。
 まず、「政策等決定過程の透明性等の確保及び県議会・議員との協議等の拡充に関する決議」に基づく資料については、通告外での質問も許可したいと存じますが、いかがでしょうか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ご異議ないようですので、そのように進めることといたします。
 また、本日配付しております、6月11日、12日に実施されました「政府施策要望についての実施結果」に関する資料についても、通告外での質問を許可したいと存じますが、いかがでしょうか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ご異議ないようですので、そのように進めることといたします。
 次に、理事者の出席範囲についてですが、各部局の審査開始時においては、お手元に配付いたしております配席表のとおりとし、通告に基づく議案外所管事項に対する質問の際より、質問通告のなかった所属、通告された質問が終了した所属については退席を許可することといたしたいと存じますが、ご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ご異議ないようですので、そのように進めることといたします。
 それでは、7日間の審査内容について協議いたします。
 お手元に配付いたしております「平成25年6月25日現在の審査内容(案)」をご覧いただきたいと思います。
 6月5日の委員間討議後の変更内容について、ご説明いたします。
 まず、6月26日ですが、委員会討議ではつくも工業団地関係での現地調査というご提案がありましたが、部局との協議・調整の結果、時期を見合わせるということで今回は行かないことといたしました。
 なお、副委員長と協議した結果、政府が電力制度改革を進めており、電力事業法改正も予定されていることから、議案外の通告に基づく質問終了後となりますが、記載のとおり、午前中に「電力自由化と発送電分離(ユニバーサルサービスなど)」に関する集中審査を行い、午後は、大村メガソーラー発電所への現地調査を行いたいと考えております。
 次に、7月1日ですが、委員間討議では「漁港関連施設用地の占用許可事務」に関する集中審査というご提案がありましたが、これにつきましても、副委員長及び部局との協議の結果、記載のとおり、午前中に「TPPによる本県水産業界への影響(漁業補助金の禁止など)」に関する集中審査を行い、午後は総合水産試験場への現地調査を行いたいと考えております。
 溝口委員におかれましては、TPPについて議案外の質問通告をいただいておりましたが、集中審査の際にご質問いただきますようお願いいたします。
 なお、長崎漁港がんばランド関係については、その後の経過等について水産部より説明していただく必要があると考えておりますが、県議会・県政改革特別委員会の審査を通じ、6月中を目途に結論が出せるよう協議がなされているようであります。水産部の審査日である6月27日、議案外所管事項の審査を行う前に説明していただこうと考えておりますので、ご了承をお願いいたします。
 次に、7月3日ですが、委員会討議でご提案がありました「諫早湾干拓事業の排水門開門調査にかかる工事箇所」の現地調査を実施することといたしております。
 なお、現地での説明は県執行部が行うこととなりますので、ご了承をお願いいたします。調査工事を認めない立場から、国からの直接の説明は受けないこととしております。
 以上が変更した内容でございますが、変更後の審査内容について、ご意見・ご質問はありませんか。
 副委員長、何か補足はありませんか。
◆山田[博]副委員長 皆様方に、委員長と私と話をして、こういった予定とさせていただきましたことをご理解いただければと思います。
 特に、今回の集中審査に当たっては、6月26日の産業労働部の電力自由化と発送電分離について、これはユニバーサルサービスなどについてですが、平成25年4月2日に、電力システムに関する改革方針というのが閣議決定されておりまして、ここに問題な点が幾つかあるんです。特に小売及び発電の完全自由化というところでですね。
 長崎県というのは特に離島、半島が多い中で、適正料金の確保というところで、「離島においては離島以外の地域と遜色のない料金での安定供給を保証する等の措置を講じる」とありまして、これを段階的に3段階で改革されますので、今からしっかりと議論を深めて、長崎県にとってどういったシステムがいいかというのを議論していただければと思います。
 続きまして、7月1日のTPPについての集中審査ですが、TPPの本県水産業への影響というのはいろいろと関税の面で出ているんですが、今回の協議内容が補助金にも影響が出るということで、元農林水産大臣であった山田先生がですね。水産経済新聞でも報道があったように、また政府も、そういった大きな影響が出るということが報じられていますので、先ほどの電力自由化もそうなんですが、県当局の所管課で、関係する部署で調査をしていただいて、それをお互いに勉強すると。
 今回、県当局も、こういった調査に当たっては時間的な制約もあったものですから、委員の皆さん方の質問に十分に答えられるかどうかわからないということで、そういった点を踏まえまして、まずは午前中に審議を一旦して、必要であれば別の機会にまた改めて審査をしていきたいということで予定しておりますので、そういった時間的な配分をぜひご理解いただければと思いますので、よろしくお願いします。
◆友田委員 最終日の委員長報告を除くと、実質的な委員会審査は6日間です。産業労働部の議案外の質問通告だけでも30項目あるんです。今回、議案が少ないので、先ほど副委員長がおっしゃった電力自由化について午前中にやるとなると、これに1時間かかったとして、1日と1時間ぐらいしかないんです。
 通告の分については全部、それぞれ委員の皆さんが質問できる時間は確保いただくということでよろしいですか。
○西川委員長 ただいま友田委員から話がありましたが、各部30件以上あります。そういう中で1人30分を基本に、しかし、どうしても必要がある場合は、議会、委員会は言論の府でございますので、時間の調整をできるだけしていきたいと思います。できるだけ日程変更などしないことを基本に調整していきたいと思います。
◆山田[博]副委員長 基本的に議案外は1人当たり大体30分を目途にして、再質問をしたい方はまた質問していただくということにして、極力ですね。議案外が残っている場合は6月26日を9時半からスタートするとか、午後零時半までするとか、調整をしながらやっていきたいと委員長と話をしておりますので、ぜひこういった予定でやりたいということでご理解いただければと思います。
○西川委員長 今副委員長が言われましたようなことで、前日の審査内容などを加味しながら運営、進行していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
◆溝口委員 項目的にはたくさんありますけど、調整をしながら、自分でここは聞かなくてもいいというところが出てくると思いますので、その辺は各委員が、自分の良識のもとでやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○西川委員長 そういうことで、お手元の審査内容のとおり決定することでご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ご異議がないようですので、そのように決定させていただきます。
 なお、さっき言ったんですけど、議案外の質問通告が各部ともそれぞれ30件以上となっております。1日のみで終了できるか心配するところもございますので、議事進行にご協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 以上をもちまして、日程及び審査内容に関する協議を終了いたしますが、ほかに何かご意見はございませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ないようですので、これをもちまして委員間討議を終了します。
 それでは、各部ごとの審査を行います。
 準備のため、しばらく休憩いたします。
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     −午前10時15分 休憩−
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     −午前10時25分 再開−
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○西川委員長 委員会を再開いたします。
 これより産業労働部の審査を行います。
○西川分科会長 まず、分科会による審査を行います。
 予算及び報告議案を議題といたします。
 産業労働部長より説明をお願いいたします。
◎山田産業労働部長 産業労働部関係の予算議案について、ご説明いたします。
 予算決算委員会農水経済分科会関係議案説明資料の産業労働部をお開きください。
 今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第78号議案「平成25年度長崎県一般会計補正予算(第1号)」のうち関係部分、報告第1号知事専決事項報告「平成24年度長崎県一般会計補正予算(第10号)」のうち関係部分、報告第7号知事専決事項報告「平成24年度長崎県小規模企業者等設備導入資金特別会計補正予算(第2号)」であります。
 初めに、第78号議案「平成25年度長崎県一般会計補正予算(第1号)」のうち関係部分について、ご説明をいたします。
 歳入・歳出予算は、記載のとおりであります。なお、補正予算の内容につきましては、緊急雇用創出事業臨時特例基金事業でございます。
 次に、債務負担行為は、記載のとおりであります。
 次に、先の2月定例月議会の予算決算委員会において、専決処分により措置することについて、あらかじめご了承をいただいておりました報告第1号知事専決事項報告「平成24年度長崎県一般会計補正予算(第10号)」のうち関係部分及び報告第7号知事専決事項報告「平成24年度長崎県小規模企業者等設備導入資金特別会計補正予算(第2号)」について、ご説明いたします。
 歳入・歳出予算の主な内容につきましては、記載のとおりであります。
 次に、平成24年度長崎県一般会計歳出予算繰越明許費繰越計算書の関係部分につきましては、記載のとおりであります。
 また、産業労働部関係予算説明資料について、補足説明資料を配付させていただいております。
 以上をもちまして、産業労働部関係の説明を終わります。
 よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
○西川分科会長 ありがとうございました。
 次に、補足説明をお願いいたします。
◎下田企業立地課長 お手元の補足説明資料の1ページ目をご覧ください。A4縦の冊子でございます。
 西海市が行います市営工業団地整備事業に対する補助金につきまして、平成27年度までの限度額として1億750万円の債務負担行為限度額を設定させていただくものでございます。
 この案件につきましては、昨年の11月定例月議会の農水経済委員会でも、西海市からの陳情の案件ということでご議論をいただいているところでございます。その内容は、県の補助事業として採択を要望しますということでございました。
 内容につきましては、「2.事業概要」に記載しておりますとおり、西海市西彼町風早地区で工業団地の整備が計画されております。
 分譲の予定面積としましては、1工区、2工区と分かれておりまして、今回はその中の1工区ということでございまして、分譲予定面積が約4.3ヘクタール、補助対象となる総事業費が約4億9,000万円、分譲単価が平米当たり5,000円ということで、分譲収入見込額は分譲予定面積を掛けまして2億1,500万円という内容となっています。
 「3.制度概要」に記載しておりますとおり、当該補助支援制度は、市や町が工業団地を整備する場合に、工事費などの合計額から分譲収入見込額を控除した額の2分の1を限度に県が補助を行うというものでございます。
 ただし、対象経費は分譲収入見込額と同額、ここまでを限度ということにしておりまして、今回の西海市の事業の場合、事業費から分譲収入見込額を控除した額が約2億7,500万円となりますけれども、これが分譲収入見込額であります2億1,500万円を上回りますので、補助対象経費の額としましては、分譲収入見込額と同額ということになります。したがいまして、補助の予定額としましては、分譲収入見込額の2分の1である1億750万円ということで、その額を今回債務負担限度額として設定させていただくものでございます。実際の支出の予算は、来年度以降に計上させていただくということになります。
 以上でございます。
◎佛田緊急雇用対策室長 資料の2ページをお願いいたします。
 今回補正をお願いしております緊急雇用創出事業臨時特例基金事業について、補足してご説明申し上げます。
 補正額は7億2,494万4,000円、補正後の予算額といたしましては27億9,754万4,000円となります。そのほかに平成24年度からの繰越分として3億3,810万4,000円がございます。
 「1.補正目的及び内容」でございますけれども、基金事業につきましては、平成24年度末の基金残高をもとにして平成25年度当初予算を決定したところでございますが、平成24年度決算見込において生じた執行残及び平成24年度補正予算に伴う積み増し分を活用して、さらなる雇用創出を図るため今回補正を行うものでございます。
 「3.前回委員会以降の追加採択計画(案)」でございますが、県事業として12件136名、市町事業として29件107名を予定しており、合わせて41件243名、5億7,607万9,000円を追加採択しようと考えているものでございます。
 6月補正後の執行計画(案)でございますが、重点分野雇用創出事業といたしまして、雇用計画数1,063名、事業費予算額20億53万7,000円に対して、計画済額19億9,156万6,000円。
 次のページをお願いいたします。
 震災等緊急雇用対応事業につきましては、雇用計画数が116名、事業費予算額が2億1,310万8,000円に対しまして、計画済額が2億758万8,000円となっております。
 起業支援型地域雇用創造事業につきましては、雇用計画数が193名、事業費予算額としましては9億126万2,000円となっておりまして、現時点での計画済額は4億3,100万4,000円となっております。
 今後の取組でございますが、今後とも追加事業の採択を行うとともに、起業支援型地域雇用創造事業については、平成26年度にも一部事業実施が可能となっているところでございます。
 参考といたしまして、平成24年度の決算見込におけます事業の実施状況でございますが、最終予算額といたしまして34億2,375万1,000円、執行状況といたしましては、県市町合わせて283件2,271名の雇用創出の結果となっております。
 資料の4ページから6ページについては、平成25年度の事業計画の概要を記載しております。
 続いて7ページ以降につきましては、平成24年度の県事業の実施状況について記載しております。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議をお願いいたします。
○西川分科会長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより予算及び報告議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
◆山口委員 市町営工業団地整備支援事業の関係で、債務負担の設定にかかわって今回ご説明いただきましたが、この全体の事業の状況をお尋ねしたいんですが。
 場所としては西海市西彼町風早地区、結構田舎だと思うんですけれども、ここにどういう企業を。
 面積的には1工区4.3ヘクタールですから、そこそこあるし、2工区では3.8ヘクタールを計画されているようであります。この事業の目的を含めて事業概要について、いま少しわかりやすくご説明をいただければと思います。
◎下田企業立地課長 図面を用意させてもらったんですけれども、今お配りしてよろしいでしょうか。位置図と計画の平面図です。
○西川分科会長 資料を配ってください。
     〔資料配付〕
◎下田企業立地課長 それでは、説明させていただきます。
 まず、今回予定されております位置でございますが、1枚目のA4地図の右側、上空から空撮した分が出ている黄色の丸で囲んでいるところが工事の予定地でございます。
 交通アクセスとしましては、左側に表がございますが、国道202号白似田交差点から約3キロメートル、時間にして約4分の位置でございます。今年の3月に供用を開始しました西彼杵道路の大串インターチェンジから約11キロメートル、時間にして約15分。それと、表の1番下ですけど、西九州自動車道大塔インターまでは約30キロメートル、時間にして約35分ということで、こういった道路の整備によって交通アクセスは向上してきている場所でございます。
 この土地は、もともとは旧西彼杵広域連合が産業廃棄物処分場として計画をしていた場所ということでありまして、既に計画用地の約8割は市の所有となっています。残りの民有地は、13名の所有者がいて、30筆とお聞きしております。
 産業廃棄物の処分場の計画がここではなくなりました関係で土地があったということと、市内に雇用の受け皿をぜひ確保したいということもございまして、平成23年ぐらいから自治体の地元の説明とか、地質の測量とかは実際にもう行われてきておりまして、実際の工事に入るのが今年度からということでございます。
 西海市は先般、市長選挙がございましたので、その関係で当初予算には計上しておりませんでした。昨日、西海市議会がこの予算については可決したとお聞きしております。そういったことで、今回の県においての補正のタイミングになったということでございます。
 どういった企業の誘致を考えているのかということでございますが、この場所といいますのが、この地図にございますように都市部では決してございません。逆に、周辺400メートルの範囲には人家が存在しないということで、大きな音が出る企業とか、振動を出すような企業には向いているのではないかと。地質も非常に強固な地盤だということでございますので、そういった要素が必要な企業にとっては魅力のある団地になるのではないかという判断がございます。
 それから、どういった企業の受け皿になるのかということでございますが、1つには、先ほど申しましたように大きな音や振動を発するような企業については、実際に他県から視察に来られて、「こういった場所はいいですね」というような話も聞いているということでございますし、西海市には大島造船所がございますので、そこの関連取引企業の受け皿にもなるのではないかということでございます。
 あとは、佐世保市と長崎市のちょうど真ん中ぐらいにありますので、場合によっては地場企業が規模を拡張するような工場を増設する時の一つの候補にもなるのではないかと考えておりまして、そういったことを考えての今回の工業団地の整備と承っております。
 問い合わせは既に数件あっているということでございますが、西海市としましては、産業振興財団に職員を1名従前から派遣しておりますし、市長さん、副市長さんを陣頭にトップセールスも精力的に行いたいということで聞いております。ですから、今後、市、産業振興財団、産業労働部連携して、企業誘致に取り組んでまいりたいと考えています。
 以上でございます。
◆山口委員 長崎県としては、企業誘致については精力的に頑張らなければいけないという状況にあるわけであります。
 先ほどの話を聞きますと、環境的に、音が出たり振動が出てもある程度は許容できる地域というようなことですけれども、最近の企業は、音、振動というのは、自らがある程度抑制できるような技術が確立されているんですけどね。
 具体的にはどのような業種がオファーというか、どういう企業がここに進出の目論見をされているのか、また、県としてはどういう企業を受け入れようとしているのか、この辺はどうなんですか。あと、事業規模とか。そういうものが即雇用につながっていくわけではありますけれども、そこのところはどういうふうになっているんでしょうか。
◎下田企業立地課長 先ほど申しました、具体的に見に来られて「ここはいいですね」というお話をされたところは、鍛造の製造業の企業が見に来られたとお聞きしております。そこが絶対来るという話ではないんですけれども、視察に来られた時に「ここはいいですね」という話が聞けたということでございます。
 規模的にもそんなに大きい企業が位置的に立地できるとは思っておりませんので、数十名の企業を数社というふうなイメージだと思っておりまして、ジャンルとしましては、先ほど申しました造船所の関連とか。
 市としても、業種は制限しないと言っておりまして、その場所が、鍛造とか鋳造といった音が出る、振動が出ることでメリットに感じる企業はあろうかと思いますけれども、決してそれに限らずに、例えば輸送用の機械関係とか一般機械の製造、あるいは部品、幅広く誘致のターゲットにしていきたいと市の方は考えているようでございます。
◆山口委員 いずれにしても、土地は造成したが入ってくるところがないというような状況にならないようにですね。ほかにも、塩漬けという表現がいいのかどうか、あるんですよね、県内にも。だから、ここはそういうことにならないように、しっかり積極的に誘致を頑張っていただきたい。そして、この地域もあまり元気がないところなんですけど、元気を出させるように、県としては指導をしていただきたいと思っています。以上です。
◆深堀委員 初歩的なことをお尋ねしたいんですが、緊急雇用創出事業臨時特例基金事業の件です。
 これは当然単年度の事業だと思います。平成24年度の実施状況ということで3ページに記載がありますね。県の実績として133件1,291名、市町を含めると283件2,271名、この人たちが今どうなったのかという話です。
 6月補正後の計画では、県分でいけば1,063名ですから、平成24年度と比較しても200名を超える差があるわけですけれども、実際この方々がどうなっているのかというチェックが私は必要ではないかなと思っているんですが、そのあたりを教えてください。
◎佛田緊急雇用対策室長 緊急雇用創出事業臨時特例基金事業については、短期の雇用を創出するという事業で、6カ月から1年間の事業を実施するものでございます。基金事業を実施する間でいろんなノウハウを勉強していただいて、自分なりに次の職場を探していくというのが基本的なスタイルでございますが、当委員会でもたびたび、単に雇用を創出するだけではいけないのではないかというご議論がございまして、その後どういう状況になっているか、そのまま委託先に継続雇用されている人もいるのではないかと、調査が必要ではないかというご議論もいただいているところでございます。
 そういう中で、各年度ごとに実際雇われた人がどういう状況になったかという調査をしておりまして、昨年度の実績で申し上げますと、平成24年度の緊急雇用創出事業臨時特例基金事業で雇われた2,271名のうちの約19%程度が、そのまま委託先に継続雇用されているという状況でございます。
 かなりウエート的に高い数字になっていますが、この大部分を占めるのが、福祉保健部で実施しております介護雇用プログラムという事業がございます。介護事業者が人を雇って、そこでヘルパー資格を取得させて、そのまま委託先に継続雇用されるというシステムです。それが大半を占めていまして、そういう影響で、2,271名に対して約19%程度の方が基金事業終了直後に継続雇用されているという状況にございます。
 ちなみに平成21年度から平成24年度も調べておりますが、延べて大体8%程度です。平成24年度は介護プログラムのウエートが高かったのでかなりはね上がっていますが、通常ベースでいうと8%程度の方が、緊急雇用創出事業臨時特例基金事業でも継続をされているという状況を調査で把握しております。
◆深堀委員 先ほどの19%が高いのか低いのかというのは非常に判断がしづらいですね。年平均でいけば8%でしたという報告がありました。ということは、裏を返せば92%の方はその時点で無職になったということですよね。
 今のお話は、その事業をした委託先でという話なので、ノウハウをつかんで新たな就職につながっておればそれが一番いいんですけれども、できれば、せっかくの事業として県費を使ってやるわけですから、そこらあたりまで把握ができないものかなと。この事業を使って1年間スキルを上げた人が次のステップにいけたかどうかというところまで把握すれば、この事業の重要性であったり、必要性であったり、これを拡大しなければいけないというような判断につながるんじゃないかなと私は思うんですけど、そのあたりまで踏み込む予定はないですか。
◎佛田緊急雇用対策室長 先ほどご答弁申し上げましたけれども、基本的には単年度で1回きりの雇用ということで、継続雇用までは目標としていないんですけれども、継続雇用も必要ではないかということで調査をさせていただいております。
 調査の仕方としては、実施をしている課とか市町にこちらから調査をお願いしまして、実際雇われている人が委託先でそのまま継続雇用をされている、もしくは委託先以外でも判明している分についてはということで。こちらから協力という形でお願いしている事業で、全員にアンケートみたいな形で調査しているものではなくて、委託先とか各市町、各課が知り得る範囲で調査していますので、そこまでの状況を調査するのは難しいのかなというふうには考えていますが、基本的には今の調査の中で大半の部分の継続雇用の実態を把握できているのかなというふうには考えております。
◆深堀委員 繰り返しになりますけれども、継続雇用をしてもらうことは非常にいいことですが、今の答弁の中でアンケートはやっていないんだということです。実際にそれを活用した県民の皆さんが、こうしてほしい、ああしてほしいという思いはあるんじゃないかなと思うんですよ。例えば92%の人とか。せっかく基金を活用してこういう事業をするんだから、この制度をもう少しこうした方が自分たちのスキルアップにつながるとか、よかった、次の就職ができましたというようなことを把握することがですね。
 よく言うでしょう、PDCAサイクルを回しますと。そこまで把握をしないと回らないですよね、システムとしては。そこは難しい問題をはらんでいるのかもしれませんが、ぜひ、そういった前向きな発想で検討をしていただけませんか。これはもう要望ですけれども。
◎佛田緊急雇用対策室長 委員からもお話がありましたので、アンケート調査等については検討をさせていただきたいと思います。
◆友田委員 緊急雇用創出事業臨時特例基金の関係ですけれども、直接影響がないということであればそれでいいんですが、(1)震災復興以外の予算に使われているということで、国が返還を求めると言っていますね。この関係で影響を生じないのかということと、(2)震災等緊急雇用対応事業についても、実際の被災者は3名ぐらいしかいなかったと新聞で批判調に書かれているわけですが、そのあたりについてどのような影響があって、どのように考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
◎佛田緊急雇用対策室長 震災等緊急雇用対応事業につきましては、復興財源を活用しているということで、報道機関等で、被災地及び被災者以外に使うことについての議論がなされているという状況でございます。
 当室におきましては、実施要領上、被災者以外でも雇用できる、被災に関係ない事業でも雇用できるということで、制度的に問題はないというふうに考えておりまして、雇用対策という面では、こういう国の制度を活用することは、非常に財源が厳しい本県にとっては雇用創出を図られるのかなという気がしております。
 現在の状況をご説明申し上げますと、新聞等で復興財源についての報道がなされておりますけど、現時点では国の方からは、何らの返還等の要請はあっていません。国から何らかの、現在報道されているような未執行分の返還等の要請があった場合には、財政課との協議にもなりますけれども、適切に対応してまいりたいと考えていまして、どうなるかという状況については、まだ国の方からの通知がきていない状況でございますので、現時点ではどうということを申し上げる状況ではございません。
◆友田委員 制度上、使うことについて我々も全く間違っていないという認識なんですけれども、報道の仕方というか、そういう形から見ると、一般の県民の中に、そういった復興に使うべき予算が長崎県においても不適切に使われているかのような、そういうふうにとられかねない部分もあるわけですよ。そういった問題をどのように県民に、県としてはこういうルールのもとでこういうふうに使っているんですよということを伝えていくか考えていかないと。県はちゃんとルールに基づいてやっているんだということが県民の皆さんにわからないと不信感を招く感があるものですから、ぜひそのあたりは。
 例えば、新聞に投書とかがあれば、それに答える形で必ず出ますよね。出てない中でも一般の県民の中にはそういう意識があるものだから、もちろん我々が聞かれればちゃんと答えてはいるんですけれども、そういう手法というか、そういうことはぜひ考えていただきたいと要望しておきます。
◎佛田緊急雇用対策室長 報道機関等で報道があった後に、県民の皆様からもお問い合わせがございました。お問い合わせの中では、先ほどご説明したとおり、ちゃんと制度にのっとってやっていますということと、雇用創出という面からこの事業を実施させていただくということは、慎重に丁寧にご説明を申し上げているところでございます。
 また報道機関等からの取材に対しましても、県の立場というか、制度的には問題ないということと雇用創出の面からやっているということは丁寧に、こちらの気持ちが伝わるように説明をさせていただいて、今後ともそういうつもりで説明してまいりたいと考えております。
◆織田委員 何点かお尋ねします。
 緊急雇用創出事業臨時特例基金事業の分ですけれども、いろいろ説明がきていますので、これは見ればわかるんですけど、載っていないのがありますね。
 起業支援型地域雇用創造事業、雇用計画数が193人と。この事業については、予算枠は書いてあるんですが、県の事業計画分がこれだけ、市の分が2億なにがしと書いてあるんですけど、事業内容をもう少し詳しく示すような資料はないんでしょうか。
◎佛田緊急雇用対策室長 事業の概要については、前回の勉強会の資料でもご説明させていただいてはいたんですけれども、ちょっとご説明申し上げます。
 この制度は、委託事業だけで実施するものでございまして、今まで実施した緊急雇用創出事業臨時特例基金事業と違います点は、直接雇用ができなくて委託事業だけを実施するという点と、委託先が設立から10年以内の新しい民間企業等に委託するという点と、委託された方が継続雇用につながる見込みがあるような事業を委託する事業として組み立てられているのが、前回までの重点分野雇用創出事業とは違う点であります。
 雇用期間は1年で変更はございません。
 継続雇用をされた方が正規雇用、期間の定めがない雇用をされた場合には30万円の一時金が支給されることとなっております。継続雇用が目標となっておりまして、さらに、継続雇用の中でも正規雇用化された人には一人当たり30万円の一時金が支給される。そういうことをインセンティブに継続雇用を図っていこうという事業でございます。
◆織田委員 私のところにも資料があるので、それから先のところなんですよね。
 対象地域、対象者、工場の閉鎖等により雇用情勢が著しく厳しいと都道府県が認める地域を対象地域として、当該地域の失業者を対象とすると書いてあるんです。こういうところになると都道府県の役割が一定あるんですが、役割について県はどういうふうにされているんですか。
◎佛田緊急雇用対策室長 今、織田委員が言われたとおり、県が地域を定めるということになっています。
 厚生労働省と協議をした結果、今、県下全域を指定しております。その理由といたしましては、有効求人倍率が県下全域とも、各ハローワーク単位ごとに国の有効求人倍率を下回っていると。そういう非常に雇用情勢が厳しいという条件であれば、県下全域の指定も可能であるということでございましたので、現時点といたしましては県下全域を対象と指定しているところでございます。
◆織田委員 ご存じのとおりSSKはじめ、発電プラントの据え付けとか、そうした電力関係が今、非常に仕事が減っていて、需要関係が非常に落ちているということもあります。もうちょっと細かく調べて。全域でできるだけ幅広く使うということはあります。ただ、目的としているのは緊急を要するものという視点からもう1つ要素が入っているわけですね。
 皆さんは、全域の有効求人倍率がこうだからと、そういう網の目の見方。もうちょっと細かく見た時に、スポット的にここはその中でも厳しい地域という峻別はしなかったんですか。
◎佛田緊急雇用対策室長 実施するに当たっては区域を設定することになりますので、特定の地域だけ設定すると他の地域が設定できないということでございますから、県としては、県下全域とも非常に雇用情勢が悪いという判断のもとに全域を設定させていただいたところでございます。それぞれの地域で雇用状況が異なるということは十分承知しておりますので、その中で各市町あたりが、この事業を活用して積極的に事業を組み立てていただければ、その中でその地域の事業が掘り起こせるのではないかなと考えております。
◆織田委員 そういう話になるんだろうけれども、ここに、特に国際競争における産業分野においては、競争の激化により工場の海外移転等が進む中、地域に根ざした事業を支援することにより雇用の創出が期待できるということでこういう事業が創出されたと、こういう目的があるんですね。
 当然県下全域というのを私は否定しないんですよ。だけど、失業が多いと、緊急に失業者が出てくる時の手立てにもこれは大いに活用できるわけです。要するに、スポット的にやる必要があるところについてはどうするかという検討をする必要があると私は思う。基金でやるわけだから。
 基金として10億円近くあるわけでしょう。補正予算として1,000億円組んだんですよ、国が平成24年度補正で。その分の100分の1とすると10億円が長崎県にくる、9億円ぐらいですね、もっとくるのかもしれないけれども、一応決められた枠組みが9億幾らなんでしょう、1,000億円の中の。どうですか。
◎佛田緊急雇用対策室長 本県に配分されている金額は24億円でございます。平成23年度に取り崩した繰越額として3億3,800万円で、今回補正をお願いしていますのが5億8,000万円程度でございます。残りの分についても、事業が出てくる時に取り崩して執行すると同時に、先ほどちょっと申し上げましたが、平成26年度も一部継続して事業を実施できますので、平成26年度の財源としても活用して全額執行していきたいと考えております。
◆織田委員 これは継続事業。補正予算の分だけで積み増し分が1,000億円きたんですね。その前から事業としてはやっていたんですね。
 さっき5億円とおっしゃいましたね、今度の補正分の振り分け分が。私は、長崎県は予算ですると大体100分の1ぐらいがくるのかなという大雑把な見方をしているんだけど、補正予算はどうやって5億円になったんですか。
◎佛田緊急雇用対策室長 私の説明の仕方がまずかったのかもしれません。
 1,000億円に対し交付された金額は18億7,000万円でございまして、既に基金に積み立てています。そのうちの3億3,000万円を平成24年度の補正予算で取り崩して、今現在執行しているところですが、さらに今回、6億円程度の取り崩しを行って執行していこうと。さらに必要な時にまた取り崩しをしていくと同時に、平成26年度も事業が実施できますので、平成26年度の財源としても使っていこうというふうに考えています。
◆織田委員 わかりました。そうすると、先ほど言いましたような緊急事態に対する手立てもこれから考えていくということになるんですね。
 そうすると、起業支援型地域雇用創造事業の計画で基金を設けている。事業の選定に当たっては有識者から意見を聴取するとなっている。この有識者というのはどういう方たちですか。
◎佛田緊急雇用対策室長 有識者につきましては国の方から例示が出ています。例えば、県内の商工会、商工会議所の経営指導員、または税理士、または金融機関の担当者の方等で、その事業について継続雇用が判断できるような方をそれぞれの事業において有識者として決定をして、その方々にそれぞれの事業の中身をご判断していただいて、継続雇用の可能性が高いのかどうかということを判断していただき、継続雇用の可能性が高いといわれる事業について事業実施をしていくということで、決められたものはございませんが、例示としてはそういう方々を有識者として選定するというふうになっております。
◆織田委員 有識者、今おっしゃったような方たちが中心になって、地域の経済がよく見える人たちが入ってやっていこうということになっているわけですね。
 失業者をできるだけ正規雇用にもっていけるように、手立てをどうとるかという橋渡しをするための基金だから、いかに失業者が減っていくかということが大事なわけですね。起業支援型地域雇用創造事業というのは、そういう意味でつくられたとわかりました。結構多額の基金があるので、有効に平成26年までに使わないといけないわけでしょう。使い切れなかったら返さないといけなくなる。有効に、できるだけ早く使う。早く使うためにはどうするかという点では、体制的にどうなんだろう。今の体制でやっていけるんですか。
◎佛田緊急雇用対策室長 今、18億円につきましては、庁内の各課とか各市町から何回となく事業の募集を行って、現在も行っているところでございますが、その中でいろんな事業をご提案いただいて事業を実施していくということを考えています。さらに今回、金額も十分ありますので、一般の民間の企業の方のご意見を聞くような事業も新たに組立てを検討しておりまして、そういう事業も掘り起こしながら、事業予算の全額執行に取り組んでまいります。
 体制的には今の体制でやれると考えておりまして、あとは各市町とか各課等にご協力をお願いしながらやっていきたいというふうに考えています。
◆織田委員 できるだけ早期に執行するということが一番肝心だと思うんです。先ほど言ったような厳しい環境のところもあるので、早期に組み立てて、市も県も一緒になって、商工会議所等も含めて取り組んでいただくことを要望しておきたいと思います。
 それから、報告事項で、知事の専決処分で、もう過ぎ去ったことなんだけれども、なんでこうなったのかという経過を教えていただけませんか。
 基金の繰入のところが結構、繰入金が減っているんですね。中身を見ると、長崎県のボタ山の環境整備基金繰入金が減っている。要するに産炭地域の振興の分を含めて繰入金がかなり減っているんですね。これは、いろいろ経過があってこうなってしまったんでしょうけれども、経過をまずお知らせいただけませんか。
◎平田産業振興課長 ただいま委員からご指摘がありましたボタ山の繰入金について、私どもの所管でございますので、説明させていただきます。
 この事業は、炭坑の古い坑道の坑口が開きっぱなしになっていて、そこで何かの被害が起きているとか、地域から被害の通報があった時にその坑口を塞ぐ工事、あるいは、ボタ山の排水口などが塞がって水が漏れ出しているというような時に維持補修をする工事等を実施することになっております。
 それについては基金を取り崩して執行するんですけれども、昨年度はそういう工事がありませんでしたので、予算では、きた時に対応できるように組んでいるんですけれども、結果的にそういう工事がなかったということで今回は全部落とさせていただいております。
 ちなみに平成25年度については、一部排水路の改修工事等をやるところがございますので一部執行する分もありますけれども、昨年については全くなかったので、そういうことになっています。
◆織田委員 やりとりがよくわからないんだけれども、現場の方から、こうやってほしいんですという要望を上げてもらうことによって予算を組み立てるんだろうけれども、その要望箇所はないというぐらいに全部整備されているわけではない。必要な条件にそろわなかったので執行するところがなかったと、こういうふうに考えていいんですか。
◎平田産業振興課長 まず、ボタ山の排水路であったり、公害対策のための防護措置、擁壁であるとか、そういう措置については平成14年度までに一定全て工事は完了しております。そこでボタ山対策については一旦終わったということになっています。それから先は管理の話になってまいりまして、先ほど言いましたように、一旦設置した排水路が塞がってしまったというようなことが管理の中で通報がございまして、その都度それに対応していくという形になります。
 この予算については、緊急に何かあった時に即対応できるようにということで、当初予算の時には、繰入金を財源にして一定の枠として予算を構えさせていただいております。何かあったら即対応するという形を取っておりまして、あらかじめ計画があって積んでいるというものではございません。
◆織田委員 わかりました。
 もう一つ、地域産業開発基金、これはどういう理由でこれだけ減額したんですか。
◎下田企業立地課長 地域産業開発基金の繰入金につきましては、その使途としまして大きなものは、市町営の工業団地の整備事業に対する補助金の財源に充てているものがございます。
 今回の7,825万7,000円のうち、ウエストテクノ佐世保、佐世保の大規模工業団地整備支援事業に対する補助金を充てております。それが今年度まで事業は続くんですが、昨年、事業の途中で岩が出て少し進捗が遅れました関係で、事業費が落ちたということで繰入金額が落ちております。その分が約6,450万円でございます。
 市町営の工業団地の補助金、これは波佐見町営の工業団地で、昨年度で終わりですけれども、実績で落ちた分が約850万円ございます。
 それ以外には、産業技術課の佐世保情報産業プラザの運営費に充てている分が、これも実績減で約340万円落ちています。あと、産業振興課の長崎県ビジネス支援プラザ運営費に充てている分が約186万円落ちています。
 そういったもろもろの財源としている基金でございますが、その実績が落ちたので繰入金が落ちたということでございます。
○西川分科会長 ほかにありませんか。
◆山田[博]副会長 時間が押しているので、手短に質問させていただきたいと思いますが。
 先ほど説明があった緊急雇用対策室にお尋ねしますけど、平成24年度実施状況の中で2271人の方が雇用されましたよと、その中で残ったのは19%ですよと、中心には介護プログラムの人がいたということでしたね。
 今回の予算を見ていたら、いろんな市町とかがあるわけですよ。まず、どんな採択要件なのか、お尋ねしたいと思います。
 緊急雇用対策室長は、19%は高い数字ですよと。なんで19%は高い数字だと言われるのか、その2点をお答えください。
◎佛田緊急雇用対策室長 1点目の採択要件といたしましては、当然県が必要とする、市町が必要とする事業で、雇用期間が1年以内、人件費率が50%と、そういう要件で人を雇って、公開募集で雇う事業ということで、その内容を見ながら採択しているということでございます。
 先ほど私が高いという言い方をさせていただきました。もともと緊急雇用創出事業臨時特例基金事業については継続雇用を目標としていないという意味から言えば、2割程度だったらある程度の水準かなという意味で、高いという表現は、申しわけございません、訂正させていただきますけど、ある程度の水準を確保されているのかなという意味で申し上げたところでございます。あくまでも継続雇用を目標とされていない緊急雇用創出事業臨時特例基金事業において2割ということであれば、ある程度の水準としてはというふうな意味で、高いというのは訂正させていただきますけれども、そういう意味で申し上げました。
◆山田[博]副会長 私は、高いという表現は別にいいと思うんだよね。しかし、あなたは、継続雇用を目標としていないから19%ぐらいはと。
 これは、緊急であろうがなかろうが、継続雇用をしっかりやってもらいたいというのは念頭でしょう。何か、ほかの委員から質問されたらそう答えて、私があなたを怒っているとか。違うんだよ、あなたを褒めているんだよ私は。誤解したら困るよ。私が質問すると、何かそんな思われてさ、人間性を疑われるんじゃないかと思ってさ。
 それで、順番にお尋ねしますけど、1年以内で人件費の50%と、こういった基準で何年されていたのかお答えください。
◎佛田緊急雇用対策室長 当事業は、平成21年、平成22年、平成23年、平成24年と実施しております。当初緊急雇用事業というのがあって、それは半年だったんですが、それは今はやっておりませんで、今やっているのは重点分野雇用創造事業で平成22年度からやっているんですが、それ以降ずっと雇用期間1年で、人件費割合が2分の1というのは途中からの要件で基金の制度が確立されて、平成21年途中から、最初は7割程度だったんですが、それが平成21年途中で5割という数字になって、平成21年度からはずっと5割という数字で実施しております。
◆山田[博]副会長 平成21年だから、大体4年ですね。この1年以内で働くというか、人件費の50%としておったわけね。それが19%だったと。
 私が言いたいのは、これは大切な税金なんです。復興予算とか何かあって、復興に使われるのが別の予算に使われているということで、今、国民的に厳しい視点を当てられているわけですよ。
 そこの中で19%と、介護プログラムが多いと。1年足らずでもいいけれども、それがまた1年、2年、3年すると、また大変いいことなんですよ。
 私は何が言いたいかというと、単に国の1年以内とか50%、1年以内も以上は働けるようにしたらいいということにしているわけでしょう。これに対して、例えば、単なる数字じゃなくて、将来的にある程度雇用が見込めるようになったら、重点的にまたこれをするとか。
 私がお聞きしたら、介護プログラムと他のところを全部一緒に、一律に、要望があったら要望の8割とか7割しか要求を受けつけないような形になっているじゃないか、実際は。
 それは間違いないでしょう。それだけイエスかノーかでお答えください。
◎佛田緊急雇用対策室長 予算の割合がございますので、全てを採択したいという気持ちはございますが、予算の割合に応じて、特に今年度は一部の事業について採択できなかったものもございますが、介護プラグラムにつきましてもそういうことはございましたけれども。
 今後、副会長もご存じのとおり、執行残が出てきた時には、執行残を活用して事業費の拡充というのは毎年やらせていただいていますので、執行残等が出てきた場合には、その財源を活用して、満額できなかった事業については拡充をしながら、事業の実施に努めていきたいと考えております。
◆山田[博]副会長 理事者の皆さん、時間が押しているから、イエスかノーかで答えてもらいたいんです、本会議みたいに。イエスかノーか、それだけ答えてください。
◎佛田緊急雇用対策室長 今後、執行残等も活用して事業は拡充していきたいと考えています。
◆山田[博]副会長 だから、要するに、金太郎飴みたいな制度に、一律にやっているか、やっていないかというのを答えてもらえればいいんです。そうしないと進まないから。
◎佛田緊急雇用対策室長 雇用の面から非常に有意義な介護プログラムについては十分な予算を確保させていただいて、今後ともそういうふうに考えていきたいと。一律ではなくて、当然継続雇用の高い事業というのは我々も、事業を実施していく中で重要と考えていますので、そこら辺についてはめり張りをつけながらやっていきたいと考えています。
◆山田[博]副会長 だから、やっていないんだろう。それをイエスかノーかで答えていただければいいんです。事実を答えてもらわないといけないから言っているんです。別に、それを知ってあなたを個人的に責めているわけではないんだから、改善していかないといけないわけだから、イエスか、ノーかで答えてください。
◎佛田緊急雇用対策室長 要望額に対して、一律に削減は行ったということでございます。
◆山田[博]副会長 これはきちんとね、室長、議事録に残るわけだから。もうちょっとはっきり言ってもらわないと進まないわけだよ。事実はそうなんだから。
 部長、次長でもいいんだけど、事実は事実としっかり認めた上でないと質問できないから、そこは答えていただきたいと思います。
◎山田産業労働部長 市町等からたくさんの申請がありまして、できるだけ採択してあげたいということから、個別事業について一律に削減をして採択をいたしました。
◆山田[博]副会長 だからね、それを考えると、これからはやっぱり緊急雇用対策室長は、主体的にやってもらわなければいかんよ。ただ単に、市町から上がってきた、他の課からきたから、予算内でいろいろ計算したら、全体規模の8割しないといけないとか、9割しないといけないとかというレベルではなくて、あなたが主体性をもっていないといかんよ。あなたが決めていかないといけないんだよ、産業労働部で。
 なぜかというと、いいですか、今から質問してきますよ。介護プログラムだけが際立っているというんだったら、そこに重点的にやっていくのが本来の姿なんだよ。なんでかというと、誰だったかな、友田委員かな、質問があったでしょう。長崎新聞の朝刊で、復興予算を使った基金事業で、長崎県7億円返還対象かと。あなたはさっき、そうでもないみたいな話をしていたけど。
 指針をまだもらっていないということかな。国から、未執行分の返還を求める指針を決めた問題で、長崎県はそういった指針が届いていないというわけか。イエスかノーかでお答えください。
◎佛田緊急雇用対策室長 指針は届いておりません。
◆山田[博]副会長 届いていない中で、7億円となると、届いた時点で、今新聞発表をされていると、今回は出ていないけれども、どういった問題が起こるのか。それをきちんと委員会に説明してもらって、これから対策をしないといかんわけだよ。場合によっては、今やっていることをさ。今雇用している中に、それを今さら返せと言われたって、これは大問題なんだ。
 今回指針が届いていない中で、新聞報道で7億円が返還とあるけれども、その金額以外にどういった問題が生じるかと、ここで全部教えていただきたいんだよ。
 室長、あなた一人が苦しむわけではないんだよ。私が質問すると、多分こういった質問がくるんじゃないかと身構えて、しどろもどろでさ。そういう時、次長、あなたが助けるんだよ。部下を助けるんだよ、こういう時に。誰が答えるかは別として、それを教えてもらえませんか。
◎佛田緊急雇用対策室長 今日の長崎新聞の記事を見てお話しされています、この7億円という数字は、緊急雇用創出事業臨時特例基金事業と林政課の事業を合わせたものでございます。
 緊急雇用創出事業臨時特例基金事業につきましては、先ほど申し上げましたとおり指針はきておりません。報道等によりますと、未契約分については執行停止を求めることを国が方針を決定したということでございますけれども、厚生労働省に確認したところ、まだそういう決定は最終的になされていないということでございます。
 この記事の中で最大でも1億4,000万円という数字が出ています。現在の基金事業の現状をご説明申し上げますと、24億円の国からの交付がございます。平成24年度に20.5億円を執行していまして、今年度予算額として2.1億円あるということで、現時点では、使っていないお金が1億4,000万円あるということです。これをもとにしてこういう記事になったのかと思います。
 国が指針を示していない中で、この数字の全部が対象になるのかどうか、その部分が不明確ですから、先ほどの委員の質問には、現時点では不明確でお答えするのが難しいというふうにご答弁させていただいたところでございます。
 この金額というのは、今雇用されている事業についてはそのまま続けたうえで、平成24年度でやる事業が、例えば途中で人が辞めれば雇用期間が短くなって、どうしても平成24年度の事業の中で執行残が出るわけで、その執行残の分が1.4億円で、今現在、平成25年度事業としてやっている分についてはこの金額に入っておりませんので、先ほどご答弁できなかったのは、そこのあたりが具体的にどうなるかわからないという部分がありましたので、そういう答弁をさせていただいたところでございます。
◆山田[博]副会長 この1億4,000万円を、産業労働部としてはある程度見込みをしているわけでしょう、次はこれをやりたいとかあるわけだから。今、執行残が少なくとも対象になるようで。だけど、この執行残も、実は既にたくさんの要望がきていて、対応せざるを得ない状況にあるというのは間違いないんでしょう。
◎佛田緊急雇用対策室長 この震災等緊急雇用対応事業の平成25年度の事業につきましては、平成24年度からの継続事業のみでございます。平成24年度から引き続いた事業のみを現在実施しておりまして、国の実施要領上、平成25年度に新たに事業を実施すること、または、現在実施している事業を変更することは認められておりませんので、この1.4億円を使って新たな事業を実施するということは、実施要領上できないとなっています。
◆山田[博]副会長 そうしたら、今、新聞で報道されている指針でいうと、少なくとも1億4,000万円は返還せざるを得ない状況にあるということですね。だけど、雇用に対して今やっているのには問題ないと理解していいんですね。それだけ明確にお答えください。
◎佛田緊急雇用対策室長 何回も繰り返して申しわけございませんが、はっきりしたものが出ていないのでわかりませんけれども、現在の報道されている内容から見ると、そういうことでございます。
◆山田[博]副会長 すみませんね、私は頭が悪いものだから、あなたから何度も説明してもらわないと理解できないわけですよ。
 この問題については、いずれにしても私としては、要はこの予算の採択はめり張りをつけてやってもらいたいということなんですよ。金太郎飴のようにしたら、それはね。
 これだけの震災の予算という、基金という予算のつけ方というのを、やっぱり国民の皆さんは関心が高いし、厳しい視点があるわけですよ。それはそうでしょう、だって。
 そうしたら、極端に言うと室長、あなたはそうじゃないんだよ。金太郎飴みたいに機械的にやっていたら、なんのためにあなたがいるのかというんだよ。あなたはそういったためにいるわけじゃないんでしょう。本当にあなたにはめり張りをつけてやってもらいたいということですよ。これからぜひ主体性を持ってやっていただきたいと。
 続きまして工業団地の件です。先ほど説明がありましたけれども、この工業団地は、簡単に言うと西海市の市有地でやっていたと。企業立地課長は太鼓判を押していましたけど。
 いやね、工業団地をつくりましたと、企業を誘致するかしないかというのは、市と県と産業振興財団でやるわけでしょう。そこの中で皆さん話し合いをして、ここに工業団地を設置しようというふうになったのか、なっていないのか、それだけお聞かせください。
◎下田企業立地課長 市からこの計画が上がった段階で財団の方とも話をしておりますので、その結果、ここに団地をつくることについては適当と考えるということで話をつけておりますので、三者が連携して取り組むということで間違いございません。
◆山田[博]副会長 そういうことですね。それだけ確認をしたかったものですから、わかりました。終わります。
○西川分科会長 他にありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川分科会長 質疑がないようですので、これをもって質疑を終了いたします。
 次に討論を行います。
 討論はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川分科会長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
 予算及び報告議案に対する質疑・討論が終了しましたので、採決を行います。
 第78号議案のうち関係部分及び報告第1号のうち関係部分及び報告第7号は、原案のとおりそれぞれ可決・承認することにご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西川分科会長 ご異議なしと認めます。
 よって、予算及び報告議案は、原案のとおり、それぞれ可決・承認すべきものと決定されました。
○西川委員長 次に、委員会による審査を行います。
 議案を議題といたします。
 産業労働部長より、総括説明をお願いいたします。
◎山田産業労働部長 産業労働部関係の議案について、ご説明いたします。
 今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第79号議案「知事の調査等の対象となる法人の範囲を定める条例の一部を改正する条例」のうち関係部分であります。
 この条例は、県が出資している法人の中で、予算執行調査等の対象となる法人の範囲について、対象となる法人が解散したため、法人名の削除をしようとするものであります。
 次に、議案以外の主な所管事項についてご説明をいたします。
 経済の動向について、総合特区について、国際貨物航路の増便について、地場企業の支援について、大学等発ベンチャー創出事業投資先企業の事業停止について、企業誘致の推進について、ナガサキ・グリーンニューディールの推進について、医療福祉ものづくり産業の振興について、産学官金連携について、商業振興施策について、中小企業への金融対策について、雇用対策について、緊急雇用創出事業臨時特例基金事業の実施状況について、産業人材の育成について、「長崎県「新」行財政改革プラン」に基づく取組についてであります。
 そのうち、新たな動きなどについてご紹介をいたします。
(国際貨物航路の増便について)
 長崎と釜山を結ぶ海上コンテナ貨物航路につきましては、高麗海運株式会社により毎週月曜日の週1便で運航されておりましたが、今月に入り13日から、長錦商船株式会社が新規に就航し、また29日からは高麗海運株式会社が1便増便となり、合わせまして週3便での運航となります。
 荷主企業の皆様にとって長崎港の利便性が大きく向上することとなり、県としましても、週3便が定着するようポートセールス活動に積極的に取り組んでまいります。
(企業誘致の推進について)
 企業誘致につきましては、自動車関連部品等の製造販売を行う住友電装株式会社が、ソフトウエア開発を行う長崎ソフトウエアセンターを長崎市に開設し、4月から事業を開始しております。同社では、平成27年度までに60人を雇用する計画となっております。
 また、企業誘致に関する本県初の試みとして、本県への立地を検討する企業の参加を広く募り、本県の魅力をPRする企業立地フォーラムを7月5日に開催することとしております。このフォーラムを活用しながら、長崎県産業振興財団や市町とも一体となって、誘致活動に積極的に取り組んでまいります。
 その他の事項につきましては、記載のとおりであります。
 また、大学等発ベンチャー創出事業投資先企業テスト・リサーチ・ラボラトリーズ株式会社の事業停止について、平成26年度政府施策に関する提案・要望について、政策等決定過程の透明性等の確保及び県議会・議員との協議等の拡充に関する決議に基づく提出資料について、補足説明資料を配付させていただいております。
 以上をもちまして、産業労働部関係の説明を終わります。
 よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
○西川委員長 ありがとうございました。
 次に、補足説明をお願いいたします。
◎平田産業振興課長 大学等発ベンチャー創出事業、平成15年度にこの事業におきまして採択し、産業振興財団から投資及び補助によりまして支援をしてまいりましたテスト・リサーチ・ラボラトリーズ株式会社が、現在事業を停止しており、事業再開の見通しがない状態となっていることが明らかとなりましたので、ご報告をさせていただきたいと思います。
 資料につきましては、「農水経済委員会 補足説明資料(産業労働部)『大学等発ベンチャー創出事業』投資先企業テスト・リサーチ・ラボラトリーズ(株)の事業停止について」というペーパーでございます。恐れ入りますが、この資料に基づいて概要を説明させていただきたいと存じます。
 この会社、テスト・リサーチ・ラボラトリーズ社は、平成15年7月に設立をいたしておりまして、代表者、本社住所等は資料に記載しているとおりでございます。
 現在、本社は東京都となっていますけれども、もともとは長崎市に本社がございまして、平成23年に東京に移転をしております。従業員につきましては、直近で6名おりましたが、現在は全員退社をされております。直近期の売上としまして、平成24年3月期では約1億3,000万円の売上を持っておりましたが、経常利益ベースでは赤字で、純資産は2億円ほどの債務超過ということになっています。その後、昨年11月までにつきましても1億円以上の売上はあったということでございます。
 大学等発ベンチャー企業創出事業、平成15年から平成17年まで実施しましたこの事業の概要ですけれども、大学等の研究成果を核にしたベンチャー企業の創出を図るということで、助成等補助金と投資によりまして、合わせて1億円の範囲内で資金の支援をするということで、この資金につきましては、県から長崎県産業振興財団に資金を供給しまして、財団が事業を執行しております。採択しました案件に対しては、財団から支援専門マネージャーによりまして経営支援などを行うということになっています。
 当社に対しましては、平成15年度の1億円枠として採択されておりまして、補助金5,000万円、投資ということで5,000万円、合わせて1億円の支援がされております。産業振興財団の現在の持ち株比率は5.1%ということでございます。
 続きまして2ページですけれども、採択の当時、平成15年採択しました時の代表は、大学等発ベンチャーでありますので大学の研究者が代表になっています。ここに書いております、長崎総合科学大学の田中教授が代表者でございました。平成23年10月に田中教授は取締役を辞任されております。
 事業の内容ですけれども、LSI、集積回路のシステム開発、その検査技術に関する研究実績をもとに、独自技術による低価格の半導体検査装置を開発して安価なテストサービスを行うというものでございました。
 若干補足しますと、LSIという半導体の製品については、製造した後に出荷する前に、全て予定したとおり動くかどうかという性能の検査をして出荷をすると。その検査をする機械を開発してつくると。
 C評価されたポイントとして、半導体事業の最も重要な競争力指標であるコストに着目をして、その低減を図るということでございます。LSIの製造のコストの中で、検査のコストが相当高くなっていたと。というのは、検査の機械自体が相当高額なものでしたので、その安価なものを開発して、それを売るという事業でございました。
 経営の推移ですけれども、半導体の検査装置の開発につきましては、いろいろ経過を書いておりますけれども、開発が実際上遅延をいたしまして、最終的に平成21年に装置が完成しております。これは資料3ページのCに書いています。平成21年に検査装置は最終的に完成をいたしまして、平成22年3月には1台を販売したんですけれども、その後、韓国、台湾等に半導体拠点が移りましたので、そちらをターゲットにして販売を進めてまいりましたが、なかなか成約には至らなかったということでございます。
 併せまして、東京におきまして半導体の回路設計業務を行っており、これがこの企業の収益の柱となっていました。その事業については、先ほど売上を申しましたように堅調に受注は確保しておったんですけれども、その設計を行うために必要なCADのソフトのライセンスを今年の3月まで権限を持っていたんですけれども、その更新ができないという状態になりまして、新たな確保に社長としては走り回られたんですけれども、新たな確保ができず、結果的に設計業務ができなくなって事業が続けられなくなったということでございます。
 この間の産業振興財団の支援につきましては、6番に記載しておりますとおり、マネージャーによる支援とか、公認会計士などによる支援等を実施したところでございます。
 以上でございます。
◎中野産業政策課長 私の方からは2件説明させていただきます。
 まず、政策等決定過程の透明性等の確保及び県議会・議員との協議等の拡充に関する決議に基づく本年2月から5月までの産業労働部関係の状況についてご説明いたします。
 お手元にお配りしております「農水経済委員会提出資料 産業労働部」をご覧ください。
 まず、1ページから4ページでございますが、決議第3に基づくもので、県が箇所付けを行って実施する個別の事業に関し、市町並びに直接・間接の補助事業者に対し内示を行った補助金でございます。
 うち1ページから3ページは、市町に対する直接補助金として長崎県緊急雇用創出事業臨時特例基金事業補助金、計19件、4ページは間接補助金として、まちなか活性化推進事業補助金、計12件を掲載しております。
 次に、5ページから7ページでございますが、決議第3の(2)に基づく1,000万円以上の契約案件で、計14件となっております。
 また、8ページから16ページは、入札結果一覧表となっております。
 17ページから19ページは、決議第4(2)に基づくもので、知事及び部局長等に対する陳情・要望のうち、県議会議長あてに同様の要望が行われたもの、2件となっております。ここには県の対応を掲載しております。
 次に、20ページから22ページは、決議第6(2)に基づく付属機関等の会議結果の3件となっており、その内容については記載のとおりでございます。
 続きまして、資料は別になりますけれども、去る6月11、12日の両日で実施いたしました、平成26年度政府施策に関する提案・要望について、産業労働部関係の要望結果をご報告いたします。お手元には、「平成26年度政府施策に関する提案・要望について(産業労働部関係)」という資料があるかと思います。これをご覧ください。
 では、ご説明申し上げます。
 産業労働部関係におきましては、原油価格高騰対策について、再生可能エネルギーの導入と地域活性化・産業振興促進についてなど、5項目の重点項目について要望を実施いたしました。
 要望の実績といたしましては、要望先が経済産業省、厚生労働省、環境省及び内閣府の4府省であり、経済産業事務次官ほか11名に対し、副知事、副議長、産業労働部長により要望を行っております。
 相手方の反応でございますが、4番の特記事項に一例を記載させていただいております。
 例えば「再生可能エネルギーの導入と地域活性化・産業振興の促進について」につきましては、再生エネルギーの導入について地域活性化に資する先行的なプロジェクトとして取り組みたいということを環境事務次官に強く要望を行い、次官の方からは、より具体的に今後提案していただきたいというご意見をいただいております。
 また、これに記載してはおりませんけれども、海洋再生可能エネルギーの実証フィールドに関する予算の確保について、内閣府の方に強く要望を行っておりましたが、内閣府の事務局長からは、長崎県は最先端を走っており、具体的な施策を提案していただきたいという意見をいただいております。
 また、先ほどもございましたが、雇用人材育成対策の推進につきましては、緊急雇用創出事業臨時特例基金事業の拡充につきまして、厚生労働省の職業安定局長に強く要望いたしました。相手方からは、全国的には雇用情勢がもう改善をしており、今後の経済雇用情勢によるとの意見が出されております。
 このほか一般項目として、雇用対策について、大規模工業団地の整備について、べっ甲原料の確保方策についての3項目について要望を実施し、経済産業省、厚生労働省など4府省28名に対して、産業労働部次長、産業振興課長ほか3名により要望を行っております。
 以上が、産業労働部関係の要望の結果でございますが、今回の政府施策に関する提案・要望の実現に向け、引き続き取組を行ってまいります。
 以上でございます。
○西川委員長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
◆織田委員 第79号議案、条例の説明で一定わかるんですけれども、財団法人長崎県勤労者福祉事業団が解散したということで、法人の解散によって削除したとなっているんですが、ここで行っていた事業そのものはどういうふうに継承されていくのか、もう全くなくなるのか。それから、ここの持っている財産がどういうふうに処理されていくのか、報告をお願いしたいと思います。
◎池内次長兼雇用労政課長 この事業団につきましては、昭和50年に勤労福祉施設の「いこいの村長崎」の運営委託組織として設立されました。平成14年に勤労者信用基金協会から約1億9,000万円の寄付を受けまして、これを取り崩す形でさまざまな勤労福祉支援事業が実施をされてきたわけでございます。平成15年に、いこいの村長崎は旧高来町に譲渡をされたという経緯がございます。
 こういった状況の中で、行革の流れの中で、平成17年に県議会の方から、長崎県行財政改革プランの策定に向けた中で、この事業団につきましては、いこいの村長崎を旧高来町に移管したこともあり業務量が減っているので、解散に向けた検討を行うべきではないのかというご意見をいただいて、その中でるる検討をしてまいってきたと。
 このような状況の中で、平成20年の事業団の理事会におきまして、徐々に取り崩す形でずっとやってきていましたので、徐々に財源がなくなる中で早晩廃止の方向に向かわざるを得ないと、事業団の役割も一定終えたということで平成20年3月の理事会で廃止が決定されて、平成24年度末までに事業を集中してやることで解散に向かうという決定をされて、本年の3月31日に解散されたということでございます。
 この解散によりまして、事業団ではいろいろな就業規則の作成、改正事業とか、企業内の研修会の開催事業等、県事業ではなかなかできないもろもろのきめの細かい事業をやっておりましたけれども、この事業がなくなるということで今、整理をさせていただいているところでございます。
 財産につきましては、平成24年度末までに事業を集中的にやるということでございましたので、既に解散しまして、今月中に清算人会を開く予定でございます。そこの場では、基本財産の200万円がございまして、それを事務局経費と清算期間内の事務経費等がございますので、結果的に100万円程度の額を県の方に寄付するという形で理事会の中でもご承認を得て、そういう形で手続が終了しつつあるということでございます。
◆織田委員 経過はわかりました。高来町にあるいこいの村長崎の施設ですね。完全に今は旧高来町、諫早市に任せているという形で、諌早市がどういう運営をなさっているかわかりませんが、県はそこから外れたと。財産部分については100万円残ったので、寄付として県に返すということになったということですね。わかりました。
○西川委員長 ほかにありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ほかに質疑がないようですので、これをもって質疑を終了いたします。
 次に討論を行います。
 討論はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
 議案に対する質疑・討論が終了いたしましたので、採決を行います。
 第79号議案のうち関係部分については、原案のとおり可決することにご異議はございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ご異議なしと認めます。
 よって、議案は、原案のとおり可決すべきものと決定されました。
 午前中の審査はこれにとどめ、午後は1時30分から委員会を再開いたします。
 しばらく休憩いたします。
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     −午前11時52分 休憩−
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     −午後1時30分 再開−
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○西川委員長 委員会を再開いたします。
 午前中に引き続き、審査を行います。
 お手元に配付しております陳情書一覧表のとおり、陳情書の送付を受けておりますので、ご覧願います。
 陳情書について、何かご質問はありませんか。
◆山田[博]副委員長 23番でお尋ねしたいと思うんですが、五島海域における石油、天然ガスの基礎調査の早期着工についてということで、今の状況というか、スケジュールを説明いただきたいと思います。
◎中野産業政策課長 本年度新規事業で海底資源の調査事業を組んでおりますが、そのスケジュールについてご説明申し上げます。
 5月に、この海底資源の活用におきましては漁業関係者の意向というのがございますので、こういった団体に本事業の中身、もしくは狙い等を説明させていただいております。
 今月でございますが、今度研究会を立ち上げたいと考えておりますので、これについて委員等への説明等々をさせていただいております。
 7月に、第1回の海底資源についての研究会を立ち上げたいと今考えているところでございます。それで、2回、3回と開催させていただきまして、漁業関係者等への説明を大体10月頃に終え、国等への要望を11月頃に考えているところでございます。これはあくまでも予定のスケジュールでございます。
 あと、それについての報告会等を兼ねた研究会を年明け後に行うと。そして漁業関係者への説明等をまた3月頃にやるということで1年間を終えたいと考えております。
 以上でございます。
◆山田[博]副委員長 今回、五島市の福江商工会議所ほか商工会から要望が挙がっております「五島海域における石油天然ガスの基礎調査の早期着工について」ということは、確認ですけど、5月に漁業団体への事業趣旨説明を行って、第1回の研究会を7月に行い、8月が第2回と。10月ぐらいに漁業団体にまた再度説明して、第3回研究会をして、11月に国へ要望ということですね。また、2月には第4回の研究会を開き、3月は漁業団体への進捗状況説明でしょうけど。
 ここの確認ですけど、漁業団体、漁業団体といいますけど、経済団体も地域の皆さん方もあるわけですから、五島市とか、関係団体にね、行政とか、そういったところへの話はするのか、しないのか、それをまず聞かせてもらえますか。
◎中野産業政策課長 地域を特定すると申しますか、この研究会で1年間でどこまで有望な海底資源が埋まっている地域を特定できるかということが今のところ未定でございますので、水産関係者につきましては、全ての団体に採掘、もしくは調査段階において支障が出る場合がございますので、ご説明をさせていただこうと考えておりますが、そのほかの地域の商工団体等につきましては、でき得れば私どもとしましては、次の年度ぐらいにある程度有望海域が絞れてきた段階で、ご説明もしくは意見交換会、勉強会等を水産関係者も併せてさせていただくことになるのではないかという予定にしております。
◆山田[博]副委員長 そうすると、有望な海域というのは、大体今年の10月ぐらいにある程度目途をつけて決めたいということと理解していいんですか。
◎中野産業政策課長 今年の9月、10月の段階では、そういった有望海域を特定というところまではまだいかない段階じゃないかなと考えております。
◆山田[博]副委員長 じゃあ、いつ頃に有望な海域を決めるのか。
 それと、今回の研究会の委員はどういったメンバーを予定されているのか、その2点を聞かせてもらえますか。
◎中野産業政策課長 先ほど申しましたとおり、1年目ではなかなかそこまでたどり着くことは難しいのではなかろうかと。これは研究会をやってみないとわかりませんが、今の我々の感触では、2カ年目ぐらいにある程度絞ることができればよろしいかなと、そういう感覚を持っているわけでございます。
 メンバーでございますが、今、ご本人のご意向を確認しているメンバーとしましては、大学の関係者を2名ほど考えております。あと、海洋の産業についての専門家、また、そういった資源に関する専門家を2名、国から1名、それと地元の市町の方から4名ほどという形で、計9名の委員を想定しております。
◆山田[博]副委員長 確認ですけど、大体平成26年度内に有望な海域を決めて、そのメンバーは専門家を2名ですか、市町からは4名でやると。
 この市町というのは、どういった地域の方々を想定されるのか、それを聞かせていただけますか。
◎中野産業政策課長 現段階では、離島地域ということで五島市、壱岐市、対馬市、そして新上五島町の市町職員を念頭に置いております。
◆山田[博]副委員長 これは職員の方なんですか。市長とか町長じゃなくて、職員の方に来てもらって協議をするわけですか。
◎中野産業政策課長 地域振興等を司っておられる課長クラスを考えております。
◆山田[博]副委員長 産業政策課長、これは大事な一歩ですのでね。ほかのところでも、佐渡沖でも資源試掘が開始されておりますね。そうしたところに見習ってやられているのかどうかというのを聞かせてもらえますか。そういったものを参考にされているのか、長崎県独自で考えてこういうふうなスケジュールというか、手法でやられているのかを答えてもらえますか。
◎中野産業政策課長 この人選につきましては、本県で考えたところでございます。
◆山田[博]副委員長 今回初めて長崎県で独自にやられて、以前残念な結果に終わりましたので、慎重にしながら速やかにやっていただきたいと。
 大体来年度にある程度の海域を絞りながらやっていくと。その後の絞りながらやっていく方向というのはどういったことを考えているのか。
 というのは、今年の11月に国へ要望する予定にされているんでしょう。そうしたら、ここである程度の海域を絞っていかないと本来できないんでしょうけれども、絞っていく前に11月には国へ要望すると聞き及んでいるので、そことの整合性をしっかり答えてもらえますか。
◎中野産業政策課長 今年の研究の進みぐあいで絞れるかどうかというのが決まりますが、今の計画といたしましては、海域が平成26年度中に絞れればいいかなと考えております。
 今の予定で要望するとしましたら、長崎県の海底資源についての地元の取組とか、そういったところを国の掘削に関する関係者等々に要望するという形で、現況をご説明して、本県の資源探査に対する取組姿勢といったものを示すという意味合いの要望に今年はなるのかなと考えております。
◆山田[博]副委員長 わかりました。この要望に関しては、地元からも大変関心が高いので、しっかりとやりながら、また随時報告していただければと思います。
 一旦終わります。
○西川委員長 ほかにありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ほかに質問がないようですので、陳情につきましては承っておくことにします。
 次に、議案外の所管事項に対する質問を行うこととします。
 まず、通告外での質問も許可しております、政策等決定過程の透明性等の確保などに関する資料についての質問はありませんか。
◆織田委員 1点だけ。ながさき若者就職トータルサポート事業運営委託料、総合評価して一般競争入札の方法で契約を結ばれています。8、9、10、特に9番目のところです。8番目か。
 これは履行期間が1年間ですね。1年間の契約になっているんです。若い人たちのフレッシュワークの運営の中にこういう事業が組み込まれていくんだけれども、仕事の内容は1年で区切れるというわけではなく、ずっと継続して相談する方もいる。それをサポートするための指導員等々が1年で人が替わってしまったら、恐らく支障が出てくると思うんですよね。
 契約事項を見ると1年間だけの雇用期間という形で履行期間となっているんだけど、この形態でいいのかどうか、いかがなものですか。
◎池内次長兼雇用労政課長 現在、フレッシュワークの運営を主にトータルサポート事業の中でやっております。
 委員ご指摘のとおり、このフレッシュワークの運営業務といいますのは、若者に対するいろいろなカウンセリングとか、あるいは適職診断とかいろんなセミナーの開催、非常に高度で専門的な知識も必要でございますので、ある程度安定した運営の中で若者をきちんとフォローアップしていくということも当然必要かなと。また、委託業者に雇われている人たちの身分のお話もありましょうから、そういったことを兼ね合わせますと、ある程度長期というか、継続的な運営が望ましい面も一方あろうかと。
 片や、いろんなスキルの中でよりよいサポートの仕方というものもまたあるでしょうから、総合評価の中でよりよいものを見つけていくというような、よりよい委託業者ももしかしたら出てくるかもしれませんので、そういったことについて、入札制度を活用してフレッシュワークの機能を高めていくというような面もあろうかと思います。
 委員のご指摘でございますので、そういったことも総合的に勘案いたしまして、継続的な運営が図られるようなあり方も含めまして、今後検討してまいりたいと思います。
◆織田委員 最終的に検討するというお話なのでですね。今、このノウハウというのは、福岡の日本マンパワーがいろんなノウハウを持っていて、もうほとんどここがずっと運営してきたんですよね。それを、イー・エス・九広が同じような仕事をやれるノウハウを積みつつあるから、こことの競争入札の可能性が出てきたので、それはそれで一定、入札の可能性としては、スキルアップしていけばいいことだからね。ただ、お勤めする人は、1年でおやめください、新しい人がまた働いてくださいというような仕組みにはなり得ないですよね。来る人は、ずっと継続してくる方たちもいらっしゃるのでね。
 今おっしゃったように、どういう形が一番いいのか、じっくり検討していただきたい。1年というのはちょっと厳しいんじゃないかと思います。身分保証の上でも、働いている人からすれば、1年後どうなるかわからないところで子どもさんたちに、あるいは若者に対応できるかという責任も逆に言えばありますよね。
 フレッシュワークは、もう十何年ぐらい経つかな。大分内容も充実してきたので、中身の事業の内容も非常に専門的になってきた。そういうことを含めて、ぜひもう一回事業の見直しをして、契約のあり方も、1年区切りの契約というのはいかがなものかと思いますので、改めてしっかり来年に向けてご検討いただいて、成案を出していただきたいと思っています。
 以上です。
○西川委員長 ほかに質問はありませんか。
◆山田[博]副委員長 産業労働部全般にお尋ねしますけど、いろんな委託業務がありますよね。例えば、先ほど話があった就職とか、いろいろする中で、要するに単年度契約でしてですね。工事とか何かであればいいけれども、人のお世話をするというのは、お世話する方も安心していないとお世話できないわけですね。そうでしょう。
 例えば部長が今、部長職として、年齢がある程度あるから、定年まであと何年かあるから、部長として辣腕を振るってできるわけですね。これが降格とか何かがすぐあるとなったら思い切ったこともできないでしょう。要するに自分が明日どうなるかわからない状態で、人のお世話とか、陣頭指揮して産業労働部を引っ張れるかというとできないわけです。
 私たち議員というのは、4年間という任期の中で一生懸命やって審判を受けるわけですよ。
 このお世話をする人たちが、産業振興財団なんかでも身分保証をちゃんとしないといかんと、思い切った仕事もできないということがあるわけですよ。
 そこで、こういった全体的な契約の中で、要するにいろんな人のお世話をする中で、そういった不具合なところがあるのであれば、私たちが言うのではなくて、皆さん方もこういったことが困っているのであれば、逆に教えてもらいたいんですよ。契約の中でじゃないとわからないからですね。
 この中に、清掃とかなんかはあれでしょうけど、例えば就職のための介護福祉の養成とか、いろいろあるじゃないですか。この中で、やっぱり1年じゃなくて複数年であるとか、そういったのを全体的に見直さないといかんのじゃないかと思うんですよ。ちょっと見解を聞かせていただけますか。どうですか。
◎山田産業労働部長 委託業務の内容に応じまして、より適切な契約の形態があろうかと思います。先ほど織田委員からご指摘のあったながさき若者就職トータルサポート事業業務委託も含めまして、全般的にしっかりと内容を検討していきたいというように思います。
◆山田[博]副委員長 そうしないとしっかりとした対応ができないと思いますので、そこは各課ごとにきちんと見直しをしていただきたいと思います。
 次長、あなたはもう課長じゃないんですよ、今。課長だけど次長だから、責任が重いんですよ、あなたは。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 終わります。
○西川委員長 ほかにありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ほかにないようですので、次に、説明がありました平成26年度政府施策に関する提案・要望について、ご質問はありませんか。
◆深堀委員 ちょっと質問ですけれども、今回こういった形で施策に関する要望活動についての報告がありまして、非常にいいことだと思います。
 ちょっと気になったのは、特記事項の欄でありまして、環境事務次官に対し強く要望を行い、抽象的ではなくより具体的に提案してもらいたいとのご意見をいただいたという表現なんですけれども、これはプラス的に捉えていいのか、それともマイナス的に捉えていいのか。どういう意図での表現というか、発言だったのかというのをまずお尋ねしたいと思います。
◎山田産業労働部長 これは、プラスに捉えていただいて結構かと思います。
 要するに再生可能エネルギー等々の促進を図っていくために、地域の実情をより知っていきたいということなどもございまして、より具体的な内容で提案をしていただければ検討に値するとご評価をいただいたものというふうに考えております。
◆深堀委員 わかりました。プラス的に捉えていいということであればいいんですが。
 なぜこういう話をするかというと、前回の委員会の説明会の時に、政府施策要望でこういったことを要望しますというお話がありました。この点について、私は意見を申し上げたと思います。抽象的な表現では、国の受け止め方としては、より具体的にこういうことをやりたいんだと言わないと向こうものってこないんじゃないんですかということをはっきり申し上げたと思います。
 その結果、この答えがきた時に、何をやっているんだというふうに思うわけですよね。プラス的な答えだったということであれば了としますけれども、長崎県が施策要望をして、より具体的に提案をして、ああ、いいねと、これはぜひ進めていきましょうという答えが出てくるのが一番いいわけであって、こういう抽象的でなくもっと具体的にしてほしいと、二度も三度も行かなければいかんということに、二度手間になるような気がしてならないんですよね。
 そのあたり、せっかく前回の施策要望に行く前に意見を申し上げたことについて、どういうふうな理解をして行ったのかというところの見解をお聞かせください。
◎山田産業労働部長 私どもも、できるだけ具体的な提案をするように心がけてはおるところでございます。
 通常、県の施策提案で申し上げますと、春提案ということで、全省庁に対して長崎県の全ての提案事項、要望事項を投げかけさせていただくと。さらに踏み込んだ要望をする場合には、先ほど委員は二度手間とおっしゃいましたけれども、私ども、二度、三度と国の方に足を運んで具体的な要望をさせていただくと、そういう段取りでやっておりますところをご理解いただければと思います。
◆深堀委員 わかりました。
 項目として、政府施策要望の中で「再生可能エネルギーの導入促進を離島・半島の地域活性化につなげる施策の強力な推進について」ということで6項目を挙げておるわけですね。
 国がもうちょっと具体的に提案してほしいと言った項目は、どの項目を言われたんですか。
◎山田産業労働部長 私どもとしましては、送電網の充実とか、蓄電池等々の導入に対する支援の要請などについて要請をさせていただきました。全体につきまして、より具体的なものを要望してもらえれば助かるということでございますので、今後、また具体的に整理をした上で重ねて要望していきたいというふうに考えております。
◆深堀委員 ということは、@からEまであるけれども、その項目のどれということではなくて、全体的にもう少し踏み込んだ具体的なものを提案してほしいという意見をいただいたと理解してよろしいですか。
◎山田産業労働部長 そのようにご理解いただければと思います。
○西川委員長 ほかにありませんか。
◆山田[博]副委員長 政府施策要望で、特記事項ということでありましたけど、それ以外は特段明るい材料はなかったということですか。これだけ書いていますけど、ほかに何もなかったんですか。山田産業労働部長がわざわざ行かれて、まさかこれだけじゃなかったと思うんですけど。もっといっぱいあったんですけど、たまたま紙面上の関係か何か知らないけれども、これしか書いていなかったのか。ほかになかったんですか。
◎山田産業労働部長 あと、特筆すべき話題といたしましては、内閣府の総合海洋政策本部に、海洋再生可能エネルギー実証フィールドの誘致等々につきまして要請をさせていただきました。本部事務局長のご対応でございましたが、事務局長からは、長崎県の最先端の取組については自分もよく耳にしているということで、本県の取組を、日本全国においての先端的な取組であるというふうに評価をいただいた上での要請に対しての答弁がございまして、私どもも大変意を強くしたところでございました。
◆山田[博]副委員長 産業労働部長、あるじゃないですか。まだ隠しているんじゃないですか。小出しにしないでください。そういった生の話を聞かせてもらうと、私たちもまた質問したくなるんですよね。時間の関係もありますから、これ以上質問しませんけど、ほかの進行もありますからね。
 そうしたら、長崎県はこういった再生可能エネルギーの海洋エネルギーにも取り組んでいるということを中央においても高く評価されているということで、意を強くしてこれからもやっていかないといけないということですね。そういった状況であれば、関係の市とか町とか経済団体と改めて要望に行って、またさらに後押しをしてもらったらどうかと思うんですけど、いかがですか。
◎山田産業労働部長 実証フィールドの誘致につきましては、現在、県下の4市1町から県の方に、自分たちも手を挙げたいというご意向をいただいております。この4市1町の計画の中身を今、産業労働部の中に外部有識者を入れた会議をつくっておりまして、この有識者会議の皆様に現地も見ていただきまして、早晩、箇所数を絞って進めていきたいというふうに考えております。箇所数を絞りまして、内容をさらに具体化して、長崎県に日本ならではの実証フィールドを誘致したいということが具体的に言えるようになりましたならば、その段階でまた改めて地元市町等々も含めた要請活動を展開していきたいというふうに考えております。
◆山田[博]副委員長 どの政治家が言ったか、まあ大体わかるんですけど、「数は力なり、政治は数なり」と言うんですね。そうすれば、やっぱり陳情する時も多い方がいいわけね、1人よりも2人、2人よりも3人と。
 私は何が言いたいかというと、4市1町から上がっているところを長崎県がわざわざ絞らなくても、これだけの候補地があるんですよと。そこの中から国で選んでもらったらどうかと。
 結局何が言いたいかというと、それだけ希望があるところのエネルギーを、やってもらいたいというそのパワーをあなたたちが削らなくても、そのたくさんのエネルギーをもって国に陳情して、選んでもらったらよっぽどいいんじゃないかと思うんですよ。あえてそこでそぐようなことじゃなくて、地元のやってもらいたい気持ちがどんどん伝わってくるわけだから。
 産業労働部長、絞ると言っていましたけど、4市1町には私の地元も入っていますからね。ここにいらっしゃる皆さん方の地元もあるわけだから、あえてそこで絞るんじゃなくて、それだけのたくさんの熱意があるんだったら、そのまま国にぶつけて、その中で長崎県としての取組を理解してもらう方法もあるんじゃないかと思うんですけど、見解を聞かせていただきたいと思います。
◎山田産業労働部長 実は内閣府に提案地区数について確認をいたしましたところ、何件提案していただいても構わないという回答は頂戴をいたしておるところでございますけれども、私ども長崎県としましては、ライバル県もあるところでございます。国に選んでいただくという形もあるかもしれませんけれども、本県としての主体性を持って、自然的な条件のすぐれているところ、また、社会的受容性の高いところを県と地元市町の責任においてしっかりと選別をした上で国に提案すべきではないかというように考えているところでございます。
◆山田[博]副委員長 じゃ、4市1町で、大体いつ頃までに何箇所に絞って頑張っていくのか、それだけ聞かせていただいて。あとはその決意を述べて私は終わりたいと思いますので。場合によっては、曖昧な答弁をするとまた質問になってしまいますから、長くならないために明快な答弁をお願いしたいと思います。
◎山田産業労働部長 本県からは、浮体風力の実証フィールドと潮流発電の実証フィールドを提案したいと思っておりまして、この2つの海洋エネルギーについて、それぞれ1カ所という形で提案をしたいというふうに思っております。来る9月定例月議会までに皆様方に、こういうふうに整理をいたしましたというご報告ができるようなスケジュール感で進めていきたいと思っております。
 三方を海に囲まれた長崎県でございます。海洋資源の有効活用については、産業労働部としてしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。
◆織田委員 今のお話でいいんですけれども、ヨーロッパ、特にイギリスのEMECを参考にしてやっているんですよね。
 イギリスは、海洋の権利を王族が持っているんですね。要するに漁業権というものが日本と違って発生しないというか、基本的にそういうところに対してのメリットが非常にあるんですよね。
 日本は、漁業権が非常にあちこち張り巡らされていますので、これがどういうふうに絡んでくるかというのが非常に課題だと思うんですよ。そこの整理をやっていかないと、実際動き出した時に、課題としてそれがクローズアップされる。いかにハードルを抑えられるかというのが、今の段階での、恐らく競争する時の課題になってくるかもしれないという気がします。
 そういう点で、横断的にこのプロジェクトについては取り組むということになっているので、ぜひ横断的にそういった課題を調べながら、ほかの県よりもすぐれてこうやって進んでいますよと、対応が受けられるんですよという既成事実をきちっとつくった上で臨まないといけないと思うんですよ。どうですか。
◎山田産業労働部長 国の募集要項にも、漁協等を含む地域の皆さんとの協議が一定整っていることという条件もございます。私どもも、全市町に対して募集申請の応募をかけました中には、関係団体の方々との協議を整えていることという条件をつけさせていただきました。さらに、4市1町から申請があった以降、地元の自治体では、そういった関係団体との調整も進められておるところでございます。
 おっしゃるとおりで、イギリスではクラウン・エステートがございまして、そこが海などは管理していると。しかし、日本は漁業権があるということで、この漁業権等々との調整をしっかりと整えていくことが国にアピールする最大のポイントになろうかというふうに思っております。
 先ほど申し上げました有識者の方々でつくった有識者会議の中には、内閣府の参事官補佐の方にもオブザーバーという形で入っていただいておりまして、そういった長崎県の日本版EMECの地域との協議状況等々もしっかりと会議の中でアピールしながら取り組んでおると。そういったところが最先端の取組ということにつながったんじゃなかろうかなというふうに自分としては受け止めているところでございます。
◆織田委員 ぜひそういう方向で取り組んでいただきたいと思うし、実際、長崎県が1つ、椛島で今やっているという既成事実は大きいわけで、この前からの新聞報道によりますと、魚礁として魚がそこに発生してきていると、生み出してきているという話が出ていましたし、イギリスではまさしく魚礁としての活躍というか、役割がそこに一定発生しているという話もあっていますのでね。
 この前、EMEC、せっかく長崎でやりました。いろんな分野の人たちにお集まりいただいて、課題等を乗り越えるための検討もしたんだけど、イギリスでやっていることが今、世界中で一番先端として取り組んでいることなので、ここにせっかくポイントを、つながりをつくったので、もう少し強めて、これからやりとりができるような連携を、場合によっては行政が直接向こうとやりとりして、こちらが誘導していけるぐらいの力があっていいのかなと思うんですよね。
 そういうことを描きながら、私も一生懸命後押ししたいと思っていますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
○西川委員長 ほかにありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ほかに質問がないようですので、次に、議案外所管事項について、事前通告に基づき進めさせていただきます。
 しばらく休憩いたします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午後2時6分 休憩−
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     −午後2時8分 再開−
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○西川委員長 再開いたします。
◆友田委員 それでは、議案外で通告しておりますので質問したいと思います。
 まず1点目は、元気なものづくり企業成長応援事業についてお尋ねをしたいと思います。
 先般の勉強会、協議会の時にも、この事業の内容について説明を受けましたけれども、今朝の部長の説明資料にもこのことが書いてあって、中小企業への波及効果が高い中堅企業の認定をするということなんですが、まず、中小企業への波及効果が高い企業というのが一体どういうものなのか、そのあたりの定義をお示しいただきたいということが1つ。
 それと、こういった事業をして県内の中小零細企業についても支援をするということで、(3)の受注企業の取引拡大支援ということで、生産効率化の取組に対し3分の1補助で限度額120万円というような制度が設けられているんですけれども、地域を回っていて、非常に苦しいのはいわゆる零細企業なんですよ。従業員一桁ぐらいのところは、仕事があっても非常に安いコストで、近年は特に海外との競争で苦しんでいると。そういうところに本当にこの制度がマッチしているのか。例えば3分の1以内で120万円ですから、最大限で360万円の事業なんですね。120万円の助成がきても240万円を自己資金で出さなければいけない。そういった体力がないところもたくさんあって、こういったところをどのようにしていくのかというのがもう1点。
 さらに3点目ですけれども、元気なものづくりというふうに枠をくくってしまうと、縫製企業のところにお話が来たら、「じゃあ、うちみたいな元気のないものづくりのところについては支援してもらえないんですか」と、こういったうがったというか、ひがんだようなご意見も実はあるんですよ。島原半島とか北松の方とか、以前相当数の縫製業、繊維関係があったんですけれども、大分撤退したとはいえ、いまだにそれなりの雇用力を持つ繊維関係があるんです。こういったところについては、産業労働部としてはどのような支援策を持っておられるのか。
 この3点について、考え方をお聞きしたいと思います。
◎平田産業振興課長 まず第1点目の地域への波及効果が高い中堅企業ということでございます。
 自社製品を持っている中堅企業が、県外、海外へ販売を拡大して生産が拡大する。地域には、そういう中堅企業から一部の加工とか部品の製造等を下請けとして受注をする中小企業が数多くございます。ですから、ここでいう波及効果というのは、自分の仕事が増えることでそういう発注、外注が増えていく。地域の中小企業への発注等が増え、それを受注する中小企業の取引機会が拡大していくということをもって波及効果と考えておりますので、実際上、認定に当たりまして事業計画書を出してもらっているんですけれども、その事業計画の中で今後そういう外注が増加していく可能性について、具体的な発注見込先企業名とか、どういう発注の内容になろうかというような可能性を記載していただいておりまして、その点も含めて審査を行うということで考えているところでございます。
 2点目の零細企業への支援でございますが、確かに補助金による生産効率化の制度も持っています。これは補助金の上限が120万円としておりますけれども、金額的にはそれぞれ各事業所の実態に応じた事業費で実施されているところでございまして、数十万円程度の補助金の交付という場合もございます。
 補助金だけではございませんで、まずはそういう中堅企業と零細企業、あるいは零細企業の取引先の開拓をご支援するための取引のマッチングの支援ということでの取組、あるいは、技術面でのアドバイスを行うためのコーディネーターを新たに配置しまして、個別の企業の課題の解決を支援していくというふうに考えております。
 それ以外にも、これまで産業振興財団の方で、技術ノウハウの経験が豊富な大企業のOBとか、中小企業診断士などを登録しておりまして、中小企業の皆様から技術や経営等の問題の相談があった時に、そういう方々を無料で派遣をしてアドバイスをする制度でありましたり、食品製造についても、商品のパッケージとか価格設定など食品製造に関する固有の問題について、今年度から新たに専門家によります支援体制を構築してアドバイスを行っていくというような、そういう助言、アドバイスの体制について拡充をしてきているところでございます。
 3点目、縫製業についてのご質問です。私どもで実施しております工場増設の設備投資に対する助成とか、生産効率化の取組に対する支援などにつきましては、特定の分野に限っているわけではございませんで、製造業全般を対象としておりまして、事業拡大、あるいは取引の拡大を目指す取組を進めようとされている製造業の皆様に対しては、分野を問わず支援をしていきたいというふうに考えているところでございます。
 今回の元気なものづくり企業成長応援事業につきましても、先ほど申しましたように、県外、海外から外貨を獲得して、その効果を地域の中小企業に波及するという大きな目的がございまして、そういう効果が見込める企業であれば対象分野については特段限定をしておりません。今回、縫製業の方からの応募もあっているところでございまして、そういう前向きな取組をされる企業に対しては、できる限りの支援をしてまいりたいと考えているところでございます。
◆友田委員 自社製品を持っている企業ということになってくると、県内全域にできるかというところが少し課題かなという気がするんです。確かに自社製品を持っている会社というと、県内にあることはあるんですよ。一方で、県内である程度の大きさであっても、自社製品のウエートよりもはるかに下請けの比率の方が大きいところもたくさんあって、そういうところが県内全域に網羅できるのかというのが課題だと思っています。
 それともう一つ、中小零細の場合、確かに一つの企業体ではなかなか実力を発揮できないんだけれども、こういった同じような中堅の企業がある程度協力したり、協業化することで競争力というか技術力もある程度固まっていくことができると思うんです。そういった企業のコーディネートというか、一企業では非常に厳しいんだけれども、そういった企業が例えば5社ぐらい連携していくと一定程度の競争力も発揮できるとか、そういったことがあるんじゃないかと思うんですけれども、このあたりについては、先ほどのコーディネーターとか、そういったところで支援はしていただけるんでしょうか。
◎平田産業振興課長 まず第1点目の自社製品。先ほど私は自社製品と単純に申し上げましたけれども、もっと細かく言いますと、大きな品物の中の1つの部品であるケースももちろんありますが、それが1つの塊として、簡単に言えば、例えば列車に積んである冷房の機械をつくっている企業が県内にあるんですけれども、その冷房の機械という分野があります。そういうところは、もうそれで自分の技術としてつくられていますので、そういうのも中堅企業になるということになります。ですので、今回公募をしまして、県内各地から応募は上がってきております。
 2点目の連携についてですけれども、平成23年度と平成24年度、2年間かけまして、企業が連携をして発注開拓に取り組むことに対する支援制度を実施してまいりました。一番最近認めた例でいいますと、佐世保の金属加工をされている方々が団地としてまとまって仕事を受注しようという取組を支援しまして、その中でいろんなコーディネートもしていきました。
 これに対する補助制度そのものは2年間で一応終了したんですけれども、委員がおっしゃったように、組んで仕事を取りに行くという視点は非常に重要なことだろうと思っていますので、引き続きそういう連携についての支援はやっていきたいと考えております。
◆友田委員 先ほどの中小も縫製もそうなんですけれども、いずれも海外との競争なんです。中小企業というのは、ほとんどが人件費の戦いなんですよ。そういった中小零細のところは材料費も支給です。材料費支給だから、もう人件費だけなんですよ。人件費勝負となると、やはり技術力と労働力、コストの大体7割、8割、9割近くは人件費なんだと。そういうところが結果的に海外との競争にさらされて、県内のいろんな企業が積極的に海外と取引をなさっていると。そういったところに県内に目を向けてもらうというような政策を、県としても、県内の企業にそういった取組をお願いすべきだろうと思っています。
 県内の企業も経営が成り立たなければいけないわけですから、少しでもコストが安いということで海外に行くんですけど、大きなところには社会的責任をちゃんと果たしてもらうように、そのためには、そういったところの要望、外国に出さないためにはこういったことが必要だというような思いに応えられるような中小零細企業をつくっていくということも、ぜひ指導的な立場をとっていただきたいと思います。
○西川委員長 産業技術課長、友田委員の質問に何か答弁というか、補足することはありませんか。
◎野間口産業技術課長 先ほど産業振興課長がご説明しましたコーディネーターでございますが、ここでいうコーディネーターとは、その業務といたしまして、まず県内の企業を訪問いたしまして、その企業の受注能力の発展性を見きわめて、自分たちが獲得してきた発注情報を選別した上で、その企業に提示をいたします。企業の意向を伺って、今度は県の工業技術センターの研究員と連携して共同作業を行いまして、開発すべき技術であるとか、受注するために高めるべき技術、こういったものを明確にすることを業務としているものでございます。
 以上でございます。
◆友田委員 それでは、続いて関連企業連動型誘致事業についてと企業誘致について、同じようなことですから、併せてお尋ねしたいと思います。
 今回、新たな制度創設ということで、この関連企業連動型誘致事業というのが設けられました。
 午前中にもお話があったように、県北地域でいけば、佐世保に佐世保市営の大きな16ヘクタールの工業団地があって、松浦には松浦市営で東部工業団地というのがあります。波佐見町は町営であります。さらには西海市でも今回新たに建設されようとしています。こういったものに上手に1つの大きな核となる企業を誘致することによって、そういった企業をほかの周りの市町営の工業団地にもつくっていこうという目論見なんだろうと思うんですけれども、そのあたりの市町との連携が十分にできているのかというのが1点。
 それと、市も町もそれぞれに工業団地が完成しているわけです。松浦も今月中、あるいは来月中にはもう完成をするという状況です。それぞれに一日も早く企業を張りつけたいとお思いなんです。だから、県がこの事業を推進していくことによって、例えば2つぐらい工業団地が要るとなった時に、市町が単独で動いている分があるわけですから、振興財団には職員がいて、派遣してやっているから連携はとれると思うんですけれども、県がやろうとしているのには2つぐらい工業団地が要るとか、3つぐらい要るとかという時に、実はこっちはこっちでもう一定程度、振興財団だけじゃなくて、市は市で、町は町でやっていると思うんです。でも、これがあったばっかりに、いやいや、ちょっと待ってくれということにはならないのかということです。財団だけでやっているわけじゃないんです。市でもやっているわけですよ。市は単独ではある程度煮詰めようとしている話がある。県は、この事業によって、その団地も含めてこういった大きなことを持ってこようとしている。そういった認識の差によって何らかのトラブルが生じないかと、そのための連携は十分とれているのかということです。
 それと、この進出期間は、あらかじめ策定した事業計画に基づき3年以内に合計3社以上の立地を協定するということですけれども、3年以内となると、先ほど申し上げたように、1つの大きな企業が来て、3年ぐらい待たされる可能性だってあるわけですね。市町は一日も早く欲しい。3年も待たせるとなると、それなりに批判があるんですよ。巨費を投じて工業団地をつくったにも関わらず全然来ないじゃないかと、何をしているのかという話になるんですよ。それは一番行政としては避けなければいけないので、一日も早く張りつけたい。でも、この制度を設けたばっかりに、場合によっては3年待たなければいけないと、こういったデメリットの部分はないのか、お聞かせいただきたいと思います。
◎下田企業立地課長 ご懸念の件について、ご説明いたします。
 関連企業連動型誘致事業につきましては、対象を特定の工業団地に限定しているわけではございませんけれども、委員ご指摘のとおり、1つのイメージとして、今後完成します団地の中で一番大きいウエストテクノ佐世保が16.7ヘクタールございますが、ここに核となる企業を立地し、連動して関連企業分として、例えばですけれども波佐見町営工業団地2.9ヘクタール、あるいは松浦市の東部工業団地6.0ヘクタールに関連企業を立地するということも想定の一つにはございます。
 この場合、先にウエストテクノに核となる企業が立地して、その後、例えば松浦市の東部工業団地に関連企業が立地するようなケースもあり得ますけれども、この事業の運用に当たりましては、最初の企業が立地する時点で、後から立地する企業も含めた全体の立地計画を出していただくということになっておりますので、2番目以降の企業の立地先をほかの市町の工業団地に想定している場合は、当初の時点でその関係する市町にも協議をさせていただき、十分に調整した上で制度運用の可否を。だから、その時点でもうほかに目途があるという話があれば、その段階の協議で結果的に別を探さなければいけないということはあり得ると思います。1番目の企業が決まる段階で、ほかの関連する企業も含めた立地計画ということになりますので、まずは打診をするということにしております。
 また、複数の工業団地に立地する場合だけではなくて、1つの工業団地、例えば松浦市東部工業団地の場合でも4面の分譲用地がございますので、その6ヘクタールのうちの一番大きな4.5ヘクタールの区画に核となる企業が来て、残りの3つの区画に関連企業が立地するというようなこともあり得ると考えております。必ずしもこの制度を適用するのは複数の市町じゃなくて、1つの団地の中で完結するようなものも考えています。
 市町との連携という意味では、繰り返しになりますけれども、最初の企業が立地する時に、他の市町の工業団地を活用する場合は先に十分に協議をさせていただくことにしておりますので、連携は十分図っていくということでございます。
 それから、進出期間を3年以内にすることがどうかということでございますけれども、誘致の活動を行っていく上で、来ていただく企業にできるだけ自由度を差し上げるということが必要かと思っております。本件の場合ですと、制度の運用の要件となる期間が長ければ長いほど企業には自由度があるということになるとは思うんですけど、これを無期限にいつまででもいいから来てもらえばいいということでは、不安定な状態が長く続くので好ましくないということから、一定3年間という期限を設定させてもらっております。
 実際この制度がターゲットとしているのは、互いに事業協力して一緒に事業を推進するような関連する企業が近くに立地して初めて意味がある企業群でございますので、企業にとっても、立地時期がずれればずれるほど近辺の工業団地に進出することの効果の発現が遅くなるということになります。実際に来られる企業がある場合は、そう大きな間隔にはならずに立地されるのではないかと考えられますので、実際3年間という期間は設けてはおりますけれども、本当に立地する企業が決まった場合には、できるだけ短い期間でぽんぽんと来るような、そういう立地になるのではないかと考えております。
 この事業の運用に当たりましては、繰り返しになりますけれども、最初に立地する企業も含めた全体の立地計画をいただくようにしていますので、もし複数の市町の間で団地を活用し合うようになれば、先に十分に協議をした上で進めると考えていますので、どこかの市町が不利益を被るということは極力ないように制度を運用してまいりたいと思っております。
◆友田委員 売却した残りの半分は県費で補っているとはいえ、それぞれの自治体は一般財源等起債を投じてやっているわけで、住民の非常に厳しい監視等もありますから、工業団地をつくったら一日も早く企業が張りつくように、県としても、ぜひ、そういったそごがないようにお願いをしたいと思います。
 併せて企業誘致についてお尋ねをします。
 本県の優位性と企業サイドの評価ということで通告をしておりますが、全国各地で企業誘致に取り組んでいますね。東京モノレールに乗って、佐賀県のある土地の工業団地の広告を見て唖然とさせられたというか、そういった取組をしているところもあるわけです。ですから、全国で競争し合っている状況。じゃあ、そのパイを埋めるような企業進出が今あっているかというと、決してそうじゃない状況にもあるわけです。
 そういった中で、本県の優位性と企業サイドの評価がどうなっているのか。県としては、長崎県の優位性は、普通に考えて優秀な人材がたくさんいますよとか、地震が少ないですよというのが挙げられるんでしょうけれども、そういったこととあわせて企業サイド、既に進出したところもそうですけれども、訪問等をしていて、「長崎県はこういうところがいいですね」と言われているのはどのようなところかということ。
 もう一つは、長崎県に企業が進出するにおいて、いろんなリスクマネジメント上、長崎県はこういったところが課題であるというようなところがあるのではないかと思っています。例えば、現状でいえば電力の逼迫とか、今後の電力の見通し等によっては、他の地域に比べると電力料金がひょっとすると高くなるかもしれないとか、そういったことが課題になっていないのかということ。あわせて松浦でいえばUPZ圏内に工業団地があります。こういった、リスクとして企業側が考えているようなところがあれば、認識しておられれば、そこをお知らせいただきたい。
 そういった企業側がリスクと感じられているところについて、県としてはそれをどのように補おうと考えておられるのか、この辺の対応についてもお聞かせをいただきたいと思います。
◎下田企業立地課長 3点ほどご質問でございます。
 まず、本県の優位性についてどのような認識で、企業が実際に立地されてどのようなお考えかというようなご質問かと思います。
 今、委員がまさに言われた地震・津波リスクの少ないところ、優秀な人材というところが本県の一番売りのところでございます。もう言われてしまいましたが、まさにそれが一番の売りということでございます。
 実際に立地された企業の声というのは、産業振興財団が、誘致企業の声ということで、実際に立地された企業が長崎に来てどうだったか、どうして長崎を決めたのか、そういったのをホームページにも載せております。
 その中から少し抜粋させていただきますと、例えば、コールセンターで立地した企業などは、県内で大学や短大などの教育機関が多くあって安定的に人材供給が見込めるということとか、長崎県には勤勉で温かい人柄の方が多いと、そのような気質はコールセンター業務にとても適していると。人が集めやすいのと、人柄がいいといったところがコールセンターには非常によかったという話はあります。
 製造の分野におきまして、これは佐世保の方に立地した企業ですけれども、交通アクセスが良かったと。自動車メーカーや関連企業が北部九州に集積してきているので、九州に拠点を構える上で交通アクセスがいい佐世保の団地に来たのは非常によかったと、交通アクセスを言われたところもございます。
 同じように製造業の分野でも優秀な人材の確保ができると、佐世保やその周辺には工業系の多くの教育機関があるところが非常にプラス要素だったというようなこと。
 ですから、こちらが想定しているメリットのところが、実際に立地されてよかったという点と大体一致しているということでございます。
 それから、2つ目のリスクマネジメントの件でございますが、東日本大震災以降、津波、地震といったリスクを気にする企業が非常に多いということは報道等でもありますし、そういう認識で我々もおります。
 具体的には、松浦市の東部工業団地が今度完成して分譲開始されますけれども、それが玄海の原発に近いからマイナスにならないのかというご懸念もあろうかと思われるんですけれども、そこだけとって見ればマイナス要因になる可能性を否定することはできないんですけれども、ほかのプラスの面というのも多々ございまして、平成26年度に供用開始予定の西九州自動車道今福インターから3分間と非常に交通アクセスに恵まれておりますし、分譲の価格も抑えられていると、海抜もありますので津波のリスクも低いと、そういったセールスポイントがございまして、総合的に考えた場合にほかの優位な点もたくさんございますので、あとは企業様がどこを比較衡量して選ばれるかということだと思います。実際、近隣の玄海町に近い伊万里とか唐津にも企業が立地をしてきておりますので、必ずしも原発に近いと全く企業が立地する可能性がないということではないと思います。
 最後に、原発に絡めて申し上げますと、今度の政府施策要望の中でも電源三法の交付金制度の見直しを挙げておりましたが、もし原発の関係の交付金が対象になるようなことがございましたら、どれに使うかは今後のことだと思いますけれども、場合によっては企業誘致のインセンティブにつながるような制度の構築とか、そういうことも可能性があるのではないかと考えております。
◆友田委員 これでとどめますけれども、私個人的に玄海のUPZがリスクになっているということではなくて、企業側がそれをリスクと思っていないのかということなんです。そのあたりを県はどういうふうに認識しているのかということです。
 それと、九州は特に原子力発電所の比率がちょっと高くて、電力の不安が非常にあると言われていますよね。そういったことを仮にリスクとして企業が思っているのであれば、その安定供給をどうしていくかということを県も十分考えていかなければいけないと思うんですよ。そのためにいろんな選択肢はあると思います。そこをどうしていくのか。電力の安定供給があるから長崎県にも企業の進出があるとか、そのためにはどういう対応が必要なのかということを考えていかなければいけないと思っています。
 ですから、特に企業立地課が企業と面談する機会が多いでしょうから、そういった時に九州・長崎県に対して企業側が、ここはこういうところがリスクですよとおっしゃっているのであれば、そこを少し出していただきたいと思っていました。あんまり時間がありませんので、後でまたお聞かせいただきたいと思います。
 私は、長崎県に企業を張りつける上で決断すべきことは決断しなければいけないと思うので、こういった対応をすることによって企業が来やすいと、そういうことで県民所得の向上につながるということであれば、それは県民に十分説明をして納得していただくような対応が必要だろうという思いがありましたから、この点をお尋ねしました。
 とりあえずこれで終わります。
○西川委員長 理事者の皆さんにお願いしますが、30項目の委員の質問事項があります。丁寧に説明したいのはやまやまだと思いますが、もう少し要所を踏まえて簡単明瞭に答弁していただかないと全委員が質問できませんので、よろしくお願いいたします。
 ほかにございませんか。
◆溝口委員 企業誘致の件です。ここで説明もあるんですが、先ほど友田委員の方から言われましたように、工業団地を今造成中のところが大変多くてですね。
 波佐見が4月に分譲を開始したということでございますが、そのオファーというか、企業から工業団地についていろんな形で話がきているのかどうか、もう2カ月ぐらいたっておりますので、お伺いしたいと思います。
◎下田企業立地課長 申しわけございません。まだ、具体的にこういった企業というのをお話しできる状況にはございません。
◆溝口委員 今、長崎市も、また佐世保市は来年、松浦市は今年と言ったね、完成は。平成25年度で佐世保の方も完成するんですよね。私はずっと言ってきていたんですけれども、工業団地が完成すると同時に、分譲すると同時にすぐに話があるような形を常にとっていかないと、先ほど来心配していたように、これがもうほとんど分譲ができないような立場になったら、佐世保市としても、またそれぞれの市町は多額の資金をかけておりますので、その辺についてはぜひしっかりとした形で企業誘致をしてほしいと思うんです。
 佐世保の方も何件か話があっているとは聞いていたんですけれども、その辺についてはまだ全然話ができるような状態ではないんですか。
◎下田企業立地課長 佐世保市も精力的に動かれて、今日の新聞にも記事が載っておりましたけれども、具体的にどことここでご説明できるような情報はまだ得ておりません。
 今年度は、先ほどの2つの制度の拡充とか、産業振興財団の体制を強化するとか、あるいは企業立地フォーラムを開催するとか、そういったことで取り組みまして、早期に各工業団地へ企業が埋まりますように、所在市町、財団、企業立地課、産業労働部総力を挙げて取り組んでまいります。
◆溝口委員 今、フォーラムのことが出たんですけれども、今年の7月ですよね、するようになっているんですけれども。この検討していただく企業がどのくらい7月5日に寄ろうとしているのか、そこら辺について具体的な説明はできるんですか。
◎下田企業立地課長 今、財団の方で鋭意、参加企業をまだ増やしているところでございますけれども、今のところ30社程度は確保できているということでございます。確保というのは、当日他県からこちらに来ていただく企業が約30社程度は確保できていると。フォーラムをして、夜、財団、あるいは市町との交流会で具体的な話をして、翌日、希望される企業におかれては県内の工業団地を視察されると、そういった段取りになっています。
◆溝口委員 30社程度ということですが、その方々は、自動車関連とか、サービス業とかあると思うんですけれども、主にどのような業種の人たちなのか。
◎下田企業立地課長 今回のフォーラムは、講師としてお招きしておりますのが経済産業省の自動車課の電池・次世代技術・ITS推進室の井上室長で、基調講演をしていただきまして、「自動車産業の現状と今後の展望」というテーマでございます。
 それから、進出企業から、来てみてのいろんな紹介ということで、中央発條株式会社の濱口代表取締役専務執行役員にお願いしております。
 ですから、内容としては自動車の関連のお話が中心になっておりますので、これまでの応募状況を見ますと、やはりほとんどが自動車の関連ということでございます。製造業の中の特に自動車関連が多いということでございます。決して門戸をそこに絞っているわけではございませんけれども、結果的に自動車が多くなっています。
◆溝口委員 これは、時間を大体どのくらい、7月5日に1日かけてやろうとしているのですか。
 それと、長崎からフォーラムに参加して何か話すような人たちは出ないんですか。
◎下田企業立地課長 この手の企業立地のフォーラムでほかの県がよくやっているのは、例えば、東京とか名古屋とか大阪で、九州のどこかの県がフォーラムをすると。向こうの周辺の企業に出席いただいて、こっちから誘致部隊が行って交流をすると、ほぼ100%近くがそういう形です。
 今回の「企業立地フォーラムin長崎」は、立地していただきたい他県の企業に来ていただいて、実際に工業団地を見ていただいて、お話もさせていただいて、こちらからは財団の方が、長崎県はこんなにいいところですよとプレゼンさせていただくんです。知事からも主催者挨拶の中でPRをするようにしております。最後は交流会で、財団の誘致部隊と他県から来られる企業と、場合によっては市町の誘致担当の方との交流で、より関係を深めていって今後の誘致活動に活用させてもらうと、翌日は現場を見ていただくと。
 日程的に申し上げますと、7月5日の午後にフォーラムをして、夕刻から交流会をして、翌日、県内の今後できる分譲地を中心に工業団地を見ていただくと、そういった段取りになっております。
◆溝口委員 長崎からは誰も出ないということですけれども、3年ぐらい前にキヤノンが入ってきているんですよね。キヤノンとしては、長崎県に来てどのようなメリットがあったのか、デメリットというのもわかっていると思うんですが、キヤノンに参加していただくということはできないんですか。
 それと、ANAコールセンターですか、あそこも2,000人近く使っているんですよね。新しく企業誘致で来た、そういう大きい企業があると思うんですけれども、そのような人たちを利用することも考えていった方が私はいいんじゃないかなという気もするんです。そこら辺について、県としてお願いは全然しなかったんですか。
◎下田企業立地課長 今回のフォーラムが第1回目ということでございまして、テーマを基本的に今回は自動車に絞らせてもらっています。
 地元からは、先ほど申しました中央発條は、こちらに誘致して長崎中発という会社をつくってもらっています。その関係で、実際に長崎に来てみてという話はそちらの方からしていただきます。あと、ジーエスエレテック、これも誘致した企業でございまして、そのあたりの方には来ていただくように段取っております。
 今回は特に自動車に焦点を絞ってということでございますので、今後また2回目、3回目とする時には、間口をもう少し広げてという検討の余地はあろうかと思いますけれども、今回は自動車に絞って集中的に攻勢をかけるということでやっています。
◆溝口委員 わかりました。
 佐世保のウエストテクノが自動車関連企業を誘致したいということでございますので、それを意識してのフォーラムと考えていいわけですか。
◎下田企業立地課長 そのように考えていただいて結構でございます。
◆溝口委員 わかりました。
 せっかくすばらしい工業団地ができ上がったのに企業が来ないというのは大変寂しい気がいたしますので、県としても、財団としてもですけど、佐世保市も一生懸命、今、誘致のために努力をしていると思いますので、ぜひその辺を早く埋められるように誘致をしていただきたいと思っております。
 それと、これはあんまり聞きたくなかったんですけれども、つくも苑のことが出ているんです、この説明の中でも。それで、つくも苑が移転しないと工業団地の造成ができないのかわからないんですけれども、地元の方々には、このつくも苑の工業団地にすぐに企業を誘致するような説明をしているんですよね。だから、工業団地を誘致するという形の中では産業労働部に関係してくるんですけれども、ここは、つくり出したらもう2〜3年のうちに工業団地は造成していかないといけないんですよね。だから、企業誘致ということを考えていくと、ここはどういう企業を持ってこようと県の方では考えているんですか。
◎下田企業立地課長 つくも工業団地につきましては、残念ながらまだ工事の着工ができていないのは事実でございます。ですから、具体的な分譲開始の時期がまだ相手企業様にお示しできないので、具体的な誘致活動にはまだ入れていないというのが実情でございます。地元との合意が整いまして工事の着工、あるいは完成の時期がはっきりしてまいりましたら、直ちに誘致の活動を始めることにしておりますけれども。
 地元の開発協議会の方に県内の工場の視察に行っていただいたんですけれども、概ね従業員が30人程度の精密な加工をするような業態の製造業を5〜6社程度想定をしております。条件として、たくさんの水が期待できませんので、大量の水は必要としない、軽量で高付加価値の製品を製造するような製造業を想定しています。
◆溝口委員 私も、このつくも苑については全然違う形で、副知事が約束して企業を必ず持ってくるということになっていたと思うので、その辺のことは、工業団地ができなくても、その見通しを立てたら早く企業誘致をするような形をとっていかないと、地元の方々に説明がつかないと私は思うんですよね。だから、先ほど言う精密機械に絞った形での交渉に早く取りかかっていかないといけないと私は思っているんですが、県の考え方を聞かせていただきたいと思います。
◎下田企業立地課長 委員ご指摘のとおり、ターゲットがあらかた精密機械といった水を使わない業種に絞っての誘致活動になろうかと思います。誘致する時に、頭の中にはつくも工業団地もあり得るという想定での誘致活動は当然できるわけで、相手様にまだ具体的にその工業団地がいつできますよということが言えないだけでございますので。
 去年も財団は4,000社以上に企業訪問をしております。回っている中で、幾つか候補が出てきた時の選択肢の一つとしては常に念頭には置いているということでございますので、それにちょうどマッチする企業が出れば、工事の着工にゴーサインが出た段階ですぐに、立地を考えている企業とこの工業団地のマッチングは可能でございます。常にたくさんの企業を訪問しておりますので、その中の選択肢として浮上してくれば、その対応はすぐできるようになっていると考えています。
◆溝口委員 何か軽くできるように言っているんですけれども、今回、繰越明許も出しているんですよね。今年中に工事にかかれるか、かかれないか、そこら辺についてもまだ見当がつかない、約束ができない状況の中で、でも地元の方々には約束をしているという形。それを考える時に、企業立地課長の考え方じゃなくて、副知事が出向いて、その約束をしているわけですから、産業労働部としてやっぱりある程度しっかりと。私としては、いろいろ関係がありますから、全庁を挙げてこのことに取り組んでいかないと、約束を反故にすることになってくると思うんですよね。だから、つくも苑の移動と同時に、ここについてはしっかりとした県としての全体の考え方を持って企業誘致をしていただかなければいけないと私は思っているんですけれども、産業労働部長、そこら辺についての県としての考え方を教えていただきたいと思います。
◎山田産業労働部長 ご指摘のとおり、地元とのお約束は大変重いことだというふうに思っております。まずは何よりも、つくも苑の跡地活用方策としての団地の整備に着手していくことが大切でございます。団地の整備に着手ができるように、庁内連携をして全力を尽くしたいと思いますし、団地着手ということになった暁には、できるだけ早く企業が誘致できるように、早手早手に対応をしていく必要があるというように思っております。
◆溝口委員 これでとどめますけれども、私としては、工業団地を開発する段階から企業を決めて、こういう企業に来ていただきたいという交渉をしながら、その企業に合った工業団地の開発の仕方というのもあるんじゃないかと思うんですよ。県がどれだけ真剣に町民の方々との約束を守っていくかということは、私は大事なことだと思うんですよ。だから、本当は開発する前にその企業を入れて、1社ぐらいは早く決めて、そのことについての動きをした方がいいと私は思うんですけどね、部長。
◎山田産業労働部長 溝口委員のご指摘は、まことにごもっともというふうに思います。全力を挙げて調整を進めていきたいと思います。
◆山口委員 通告をいたしておりましたので質問させてもらいますが、企業誘致の関係については、友田委員、溝口委員からもそれぞれ質問があっているので、若干かぶる部分もあるのかなと思いますが、かぶらないように質問していきたいと思います。
 長崎県の課題は、いずれにしても人口流出、さらには、議案書に記載はされていますけれども有効求人倍率がまだまだ低いということです。それと相まって県民所得が低いと。それで、長崎県の大きな課題としては、県民所得を上げようということで取組が始まったところですが、これは我が長崎県にとっては永遠のテーマであるわけです。
 具体的に企業誘致の促進の平成25年度の目標ということで質問通告していますが、平成25年度の目標に入る前に、平成24年度の実績を見てみますと、企業誘致は5社の420人を目標に立てられて、産業労働部としてはずっと具体的活動を展開されてきたわけですが、結果は5社の128人で、企業数は満たしていますけれども、雇用の実績としては30%しかできていないということです。このことについて、産業労働部としてはどういう自己反省、あるいは評価をされているのか、まずここからお尋ねをしたいと思います。
◎下田企業立地課長 委員ご指摘のとおり、県の総合計画、産業振興ビジョンで、平成23年度から平成27年度までの5年間で25社の誘致、2,100人の雇用という目標で活動していまして、5年間の計画ですので、5で割った1年間でいいますと5社の420人を各年度の目標としているところでございます。
 ご質問にありましたとおり、昨年度は5社で雇用創出人数が128人でございました。財団が誘致活動をしていまして、昨年度は延べ4,221社の企業訪問を実施し精力的に活動には努めているんですけれども、平成20年のリーマンショック以来、不況が長引き、あるいは歴史的な円高、そういった諸事情がございまして、非常に厳しい経済環境ということで全国的に見てもなかなか、新しい工場をつくるというふうなことには数としてはなっておりませんで、企業の投資意欲の回復がまだ十分に進んでいなかったということが原因だと分析しております。
 とは申しましても、目標に掲げた以上は、今後とも制度の充実、あるいは誘致活動の強化、あるいは新たな取組、そういったことを複合的に施策として厚みをつくって、関係する市町、工業団地を持つ市町、あるいは誘致部隊である財団、制度をつくって基盤を整備する我々産業労働部、一体となって力を入れて取り組んでまいりたいと考えています。
◆山口委員 平成24年度はまだまだ、日本の国といいますか、経済状況を含めてそれほど活力がある状況ではなかったので、結果としてこういう状況なんですが、とりあえず5社、諫早市、波佐見町、大村市、松浦市、西海市にそれぞれ1社ずつは企業誘致が成功しているわけです。その雇用されている皆さんの数を見ますと、全部で128名ですから、25名平均程度ですね。10名から、一番多いので55名ですが、20名程度の企業が来ていただいている。これでもしっかり頑張っていただいているんだとは思いますが、25社の2,100名の目標を達成するためには、年間相当量の雇用を確保していかなければいけないわけですよね。そういう状況下で、もう今は既に平成25年度に入っているわけであります。平成25年度の目標を見ても、5社の420名になっているわけですね。
 そうなった時に、少なくとも1社84〜85名を超えないと420名にはならないわけですね。1社で500名ぐらいの企業をぼんと持ってきて、あとは10人、50人の企業を揃えていけば十分目標を達成するんですが、今の状況下で、それぞれ中小を超えた大手が、それほど長崎県に企業をつくるという意欲がある状況にはないのではないかなと思うんです。しかし、そうであったにしても、本県の特性を活かした中で企業誘致を図っていくという大義を産業労働部としては出していただいているわけで、これはぜひともやっていただかないといかんのです。今、なかなか秘策というものはないにしても、今年度以降どういう形でやろうとされているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
◎下田企業立地課長 何度も同じ話ばかりで申しわけないんですけれども、工業団地が今年度、かなりの数がこれまでになく出揃いますので、受け皿ができるというところはこれまでと違うところでございまして、交通アクセスがいいところにもできますし、県北にも県央にも長崎にもできるということで、セールスをする上では玉が揃ったし、売る時の手法として新しい制度もつくりましたので、そういったところをうまく活用しながらということと、あとは自動車関連でいうと、これも繰り返しになりますけれども、長崎に最低でも30社は、見に来て話を聞いて交渉していただくということになっておりますので、そのあたりがうまく立地の実現に結びつくように、力強く誘致をやっていきたいと考えています。
 先ほど委員がおっしゃいましたとおり、1社で400名とか500名とか、そういう企業が来ればすぐ達成できるんですけれども、キヤノンみたいなところが来れば1発で当たるんですけれども、これもなかなか水物でございますので、そういうことがあるかもしれませんけれども、地道に誘致活動をしていくことが達成に向かっての一番のやり方ではないかと考えておりますので、今後とも関係団体、力を合わせてやっていきたいと思っております。
◆山口委員 そういう意味では、企業誘致というのも皆さん方の日常の営業活動といいますか、足を運んで汗をかいていただかないと、「はい、おいでください、待っていますよ」では、今の世の中は、長崎に行くよりは海外に行ってしまう状況にありますので、地道に、しかし活力をもって誘致活動をやっていただきたいと思います。
 市町もやりたいんですけど、市町は市町の能力しかないわけですから、皆さん方がきちっと、それなりの大きなところにも、小さなところにも目を向けて頑張っていただくことをお願いしておきたいと思います。
 答弁も、これ以上のものは出ないかとは思いますが、これ以上のものが出るように、しっかりこの1年、あるいは2年、目標を立ててあるわけですから、目標は達成するための目標ですから、しっかり頑張っていただきたいと思います。
 質問をする方がいっぱいいらっしゃいますので、先の質問に移ります。
 質問項目は、「アイエスエフネットの誘致で障害者雇用の拡大を」ということをテーマとして挙げました。要はこれも一つの雇用拡大です。障害者の雇用をどう拡大していくかということですが、まず、そのベースとなるべきものについてちょっとお尋ねをします。
 県内においても、知的、あるいは精神的、身体的に障害を持っておられる方がたくさんいらっしゃいます。そういう皆さんがどれだけおられて、実際に就業されている方の割合、比率を含めて全体をどういうふうに掌握されているのか、それをまずお尋ねします。
◎池内次長兼雇用労政課長 障害者雇用の全体像ですけれども、ハローワークに求職登録をされている方は約9,700名程度ございます。そのうち求職中の方が2,100名、就業中の方が4,900名、求職も就業もされていない保留の方が2,600名程度ございます。
 本県の場合、民間企業の雇用率は2.08%ということでございまして、法定雇用率は1.8%でございますので、全国で6位という高い位置にはございます。実雇用率は他県よりも高い状況にございますけれども、障害者の求職をされている方はたくさんおられると、そういう状況だと思います。
◆山口委員 全国に比較して、皆さんの努力といいますか企業側の努力もあるんですけれども、一定の数値は残しているというふうな評価はしていいと思います。しかし、まだまだ相当の方が、仕事をやりたいんだけれども仕事に就けていないという状況です。
 そういう状況の中で、今、国では、改正障害者雇用促進法というのが6月13日に衆議院を通過していますね。これは、要するに国連の障害者の権利に関する条約の批准に向けて一歩前進しているわけであります。
 そういう中で皆様方に、特に雇用労政課にいろいろお願いをしている分については、具体的に質問項目の中に企業名まで出していますけれども、アイエスエフネットが精神障害者も含めた障害者の方たちを訓練して、しっかりと仕事に就けるという役割を日本国内で果たされているということで、地元の障害者の方から、ぜひこの企業を長崎県に誘致して、私どもの働く場所をより広く間口を開いてくれというご要望があって、それは雇用労政課にもお伝えをしまして、それぞれにしっかり現地調査を含めてやっていただいているんですが、状況について、もう一度ご報告いただけますか。
◎池内次長兼雇用労政課長 株式会社アイエスエフネットは、平成12年に設立をされまして、グループ全体で従業員数が約2,500名おられる企業でございます。このグループ企業全体で情報通信システムの設計、施工とか、コンピュータのソフトウエアの開発、販売とか、労働者の派遣事業とか、障害者の就労支援など非常に幅広い事業をされておりまして、全国各地に拠点を持っておられる会社でございます。
 このうち障害者支援につきましては、法人向けといたしまして、アイエスエフネットのオフィス環境で企業が障害者を雇用できるといったサービスとか、障害者の人材紹介のサービスなどを提供していると。また、障害者向けといたしまして、就労移行支援サービスなどを提供しているということでございます。
 ちなみに九州ではどうなっているかといいますと、アイエスエフネットの支店といたしまして福岡支店と佐賀支店がございまして、ここでは労働者派遣事業が実施されております。もう一つ、グループ企業でありますアイエスエフネットライフ佐賀が佐賀県に立地をしておりまして、福祉的就労のA型事業所ということで約25名の障害者を受け入れているというような状況でございます。
 委員ご指摘のようにアイエスエフネットは、民間企業の立場から全国的な障害者の就労支援事業を展開されておりまして、地域の障害者の就労促進に相応の効果をもたらしているのではないかと思われます。私どもも、労働局と一緒になりながら障害者の就労促進に一生懸命頑張っている立場でございますので、こういった取組も参考にさせていただきながら事業を推進していきたいというふうに思っております。
◆山口委員 結論は、アイエスエフネットを誘致するための努力をしていただくことをお願いする立場での質問をしているわけでありますから、その一端は聞き取れるんですが、なかなかこの業界のこの仕事を。佐賀はできているんです、福岡もあります。長崎県のどこに、長崎市なのか、諫早市なのか、佐世保市なのか、場所も含めて、あるいは地の利も含めて検討をしていただいて、長崎もこういうところがあるんだよと、ぜひ来てくださいという形を具体化して向こうに提案をしてほしいんですよ。そうしないと、産業労働部がきちっと動かないと、やはり彼らの雇用の間口が広がらないんです。そのための責任を、責任と言ったらいかんけれども、皆さん方がそこを担っていただきたいと思うところです。
 いま一度、ご決意を。
◎池内次長兼雇用労政課長 アイエスエフネットを訪問した際のネット側のお話では、障害者の父母の会とか自治体からのオファーがあれば立地について検討してみたいというようなお話もあったところでございます。
 県といたしましても、そういった形でアイエスエフネットが地域に果たしている役割というものも調査をしながら、また、佐賀県に立地している例もございますので、そういった施設の実態、アイエスエフネットの具体的な事業内容、または施設の立地に至った先進的な経緯等についても調査を行いまして、今後、アイエスエフネットの誘致の可能性も視野に入れまして検討を行ってまいりたいというふうに思います。
◆山口委員 障害を持っておられる当事者は、もう完全に期待していますから、よろしくお願いします。
 いずれにしても、長崎県といたしまして障害者差別禁止条例もできまして、「障害のある人もない人も共に生きる平和な長崎県づくり条例」というのもできて、それぞれ県民の皆さんも今、長崎県に対して注目しているところですから、「あ、なるほど」というものを産業労働部として、福祉の部署と連携を図っていただいて、しっかり対応していただくことをお願いして、質問を終わります。よろしくお願いします。
○西川委員長 ここで、しばらく休憩いたします。
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     −午後3時13分 休憩−
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     −午後3時25分 再開−
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○西川委員長 委員会を再開いたします。
 引き続き、質問を続行します。
◆織田委員 企業誘致のお話がずっと続いております。私の方からも少し議論をさせてもらいたいと思います。
 長く将来にわたってもやらなければならない大事な事業だと思いますが、先日上京した折に東京事務所を見てきましたら、随分人が増えたなと思ったら、産業振興財団の方たちが結構、企業誘致関係に取り組むために人を相当宛てがってやっていると。いわゆる知事の肝いりといいますか、産業振興に対する思いが非常に伝わってきたんですけれども、お話のように、4,000社回って何社当たるかという感じですね。大変な苦労をしながらの誘致活動をみんなしていらっしゃる。
 私は佐世保市の方にも寄ったんですけど、ここも1,000社ぐらい回っていると、2人ぐらいか、何人だったかな、そんな苦労をしながら企業誘致に取り組むために必死になって頑張っていらっしゃる。それは本当にご苦労だと思います。
 やっぱり東京に集中しますから、東京でのそういった努力というのが一番功を奏するのだろうとは思います。
 いろんな企業誘致のあり方があると思うんだけど、今回の住友電装株式会社は、三重県が本社ですね。これはどうやって決まったんですか。決まった過程をちょっと教えてもらえませんか。
◎下田企業立地課長 どうやって誘致にこぎつけたかという詳しい経過は、承知しておりません。
◆織田委員 皆さんと議論をすると、きっと空論になってしまうんじゃないかという気がするんです。要するに産業振興財団の皆さんたちが必死に動いている姿だと思うのでね。
 どうやって決まったのかはわかりませんけれども、引っ張ってこられた要素が何かあるんだと思うんです。そういうのを少し整理してみてはどうかなという気が一つあります。私から端的に意見を言わせていただくと、三重県のように東南海の地域の産業の方たちは、そういう動きを探しているだろうし、向こうに、そうした東京だけじゃない誘致の拠点みたいなものがあっていいのかなとかね。
 あるいは大阪もそうですよ。長崎県は東京事務所と同じように大阪事務所を持っています。先ほど広田の工業団地のお話がありましたけど、新しいビジネスチャンスを求めて大阪に出ようとしている時に、接点を持てるような拠点があれば、またはそこの情報が、例えば大阪の商工会議所関係の人たちとか、いろんな人たちとのつながりがあれば、新しい情報が得られるかもしれない。
 4,000社、どうやって動いていらっしゃるかわからないけれども、ぜひ効率のいい、中身のある展開の仕方が考えられるんじゃないかと思う。これだけ4,000社も当たっていらっしゃるという思いをするとね。そこはあなたたちの仕事だと私は思う。そういう整理の仕方をしていけば。
 そういう面で、こんなにたくさんのことをやってきておられるので、何か方法を、もう少しいい内容になっていくために、効果的な企業誘致ができるために一工夫することが必要かなと思います。
 場合によっては、権限を思い切って持たせて即断即決、その場でやれるぐらい。4,000社あるわけだから、そこの場で契約もできるぐらいの権限を場合によっては持たせて。何回も何回もやりとりしている間にほかに行ってしまうケースだってあるかもしれない。そういう面では即断即決してやれるぐらいの権限を産業振興財団にも持たせて、もっと強める必要があるのかもしれない。そんなことをちょっと思ったりしましたので、ぜひ検討いただきたいと思います。
 それから、長崎県は隙間産業、いわゆる長崎にしかないいい会社がたしか20社ぐらい、全国の中でシェアが1番とか、こういう長崎ならではの企業がもっと力をつけていくことが、地場産業の育成に一番つながることだと私は思うんです。企業誘致をすることでたくさん入ってもらう、これは大事なことです。
 と同時に、今ある事業がどこまで大きくなるか。そういう点では、誘致企業の補助制度よりももっと応援を強めていいと私は思う。地場企業が新しい工場をつくる、新しい広域的な仕事をやるんだったら、県は、企業誘致よりももっと思い切ってそこに投資していいんじゃないかと、地場企業が大きく力をつけていくんですから。というぐらいに観点を変えてもいいんじゃないかと思います。そういう視点もこれから、今までの企業誘致のあり方と違って展開を考える必要があるんじゃないかと。一定ここをずっとやってきているから、一つ踏み台を変えてみる必要もあるのかなという気がいたします。
 それともう一つは、今、長崎県が取り組んでいる浮体式風力発電、あるいは潮流発電、三菱が東北三県で大々的なものをやるわけです。国が投資するとわかっている。これは一つの試験ですけど、これがうまくいくと各地にやりますよ、あちこちに。そうすると、三菱がここでつくるのであれば、三菱の持っているところに。
 この浮体式風力発電というのは、3万点ぐらいの部品が要るんです。真ん中の軸受けのところは、ほとんど日本製なんです。つまり、ここでそれが本格的に始まるならば、それにかかわる部品、それにかかわる仕事を引っ張ってくることだってできるわけです、つくり方によってはね。
 企業誘致のあり方も、そうした一つの大きな将来に向けてのプロジェクトに応じた部品、あるいは流れ、系図が、構図がどうなっているのかを調べることによって企業誘致の可能性というのはもっと高まると思う。もっと定着すると思う。新しい将来に向けての流れをつくれるかもしれない。
 そういう面では、今回の総合特区というのは最大限活かせると思う。これに関しては、商工会議所とか、いろんなところが今入っている。この人たちも一緒に企業誘致に入ってもらえばいいんです、一つのプロジェクトにして。産業振興財団だけじゃなくて一緒に活動すればいいんです。外国ではそれが進んでいるんだから、こちらの方でそういう構え方で企業誘致、長崎に持ってこようと、ここで全部組み立てられますよというぐらいにやっていいと私は思うんです。これは、そのくらいの迫力を持って取り組むべき、将来に向けてのプロジェクトだと思います。そんなことを自分なりに今整理したんです。
 だから、地場にある企業が新しい展開をするきっかけを、できるだけチャンスはいっぱいつくってほしいという思いが、企業誘致とともにいたします。ぜひ善処いただきたいと思っておりますが、総合して部長に答えていただきましょうか。
◎山田産業労働部長 実証フィールド絡みのお話でございますが、私どもは、実証フィールドの誘致が最終目的とは考えておりませんで、実証フィールドを核にして、最終的には、今後必要性が高まっていきますところの海洋エネルギー産業の集積ということまで考えています。要するに海洋エネルギー産業の拠点を長崎につくりたいというふうに思っています。
 したがいまして、現在は地元の、長崎環境エネルギー産業ネットワークを環境エネルギー関係の企業、県内181社で構成しておりますけれども、そういうところにもしっかりと今年度の長崎県の取組をお伝えし、構成する企業の中から、ぜひ我々も取り組みたいという声が挙がってきておりますし、さらには長崎の工業会につきましても、一緒になって勉強していこうという気運が盛り上がってきているところでございます。
 県の取組としましては、そういう良好な実証の場とか実践の場を準備させていただいて、そこで県内企業が活き活きと活躍をしていただく、次の新しい商品づくりを目指して活動をしていただく、さらには、そういった取組が県外に広がっていくことで企業の誘致にもつながって、企業を集積していくというような取組も大切だろうというふうに思っておりまして、そういうことを目標に掲げまして取り組んでいきたいというように思っているところでございます。
 また、地場企業の振興のためには、企業誘致の補助制度と一切遜色のない制度も準備いたしておりまして、県内企業が工場等を増設する場合にも支援をさせていただいております。こういった制度も活用しながら、海洋エネルギー産業の育成、集積などにつなげていきたいと思っているところでございます。
◆織田委員 もう大体同じ意見なんですが、工業団地が今幾つかできていますよね、佐世保のウエストテクノパークに佐世保の企業を。元気な企業はありますよ。もっと大きくしていこう、あるいは中国と、あるいはアジアとの対応をやっていこうとか、そんなところが、自分であそこを買ってやってみましょうという時は、向こうから呼ぶよりももっと厚い応援をしてやるべきだと私は思うんです。いろんな附帯のことがあって、持ってくるよりもはるかにそれが安くつく場合もある。それは松浦だって同じですよ。
 そういう視点をぜひ織り込んで、誘致ということだけじゃなくて、展開を思い切って図るべきだと思います。それは恐らく可能性があると思う。いろんなところが今、4つか5つかあるけれども、そこは思い切った支援をしていいと思いますよ、企業誘致よりも。それをぜひ考えてもらいたいと思っています。
 以上です。
◆野本委員 企業誘致がいかに大事かということで、質問を何人かの方々がされております。先ほどの部長説明の中にも、長崎県産業振興ビジョンと、平成23年度を計画初年度として、企業誘致の実績として10社、新規雇用計画も350人ということで書かれております。
 私も、企業誘致については応援をしている者の一人であります。戦略的な、あるいは効果的な企業誘致の促進についてということで私はお尋ねしておりますが、あわせて数値目標の実績と見通しについて、今の問題も含めて、先ほどからそういう類する質問もありましたけれども、重ねて、今の取組と見通しについてお聞かせいただきたいと思います。
◎下田企業立地課長 今、委員からお話がございました目標数値、25社、2,100人という平成23年度から5年間の目標を掲げて取り組んでいまして、平成23年から平成24年、今年度の分まで含めまして10社、354人という状況でございます。
 今年度は、新たな関連企業連動型の誘致事業とかオフィス系の企業誘致事業、そういった2つの制度を強化して取り組んでいるということと、体制として産業振興財団の誘致担当職員として県から派遣をしているんですけれども、県からの派遣者を2名増員して体制の強化を図っております。
 それと、これも繰り返しになりますけれども、新たな取組として企業立地のフォーラムを開きまして、本県に実際に来て生で感じていただくという取組をやっております。
 今後の見通しということでございますけれども、長いスパンで見ますと、産業振興ビジョンの前の産業振興構想が平成12年度からスタートして、94社を誘致し、8,914人を雇用する計画ですけれども、実際に雇用につながっているのが9,221人ということで、計画を上回る雇用が達成されています。立地協定は結んでいるけれども、まだ実際の操業をしていない企業もございますので、この数は今後も増えてまいります。ですから、そういった分を含めていきますと、ますます雇用の数は増えていくんですけれども。
 最近の事情としましては、リーマンショック以降、企業の設備投資意欲というのがなかなか高まってこないという非常に厳しい状況ではございますけれども、団地が複数次々とできていくことと、ソフト面ではいろんな制度の充実、それとイベントも打って、体制も強化して、そういったさまざまな角度から企業誘致への強力な事業施策を講じることによって、ますます関係市、県、財団、3者でタイアップして、今後とも力を入れて頑張ってまいりたいと考えているところでございます。
◆野本委員 レクチャーの中でも、皆さんが一生懸命頑張っているということについては認識しているつもりです。
 要は長崎県の皆さん方、この産業労働部というのは非常に地道なところで、なぜかというと、結局、入札執行等々が少ない関係もあってでしょうけれども、どうしても皆さん方のご苦労の割には、県民が周知しているところが少ないんじゃないかなと思って。そういうことも含めて、私は応援団の一人として、皆さんの自信のあるところを述べてもらって、またPRをしてもらいたいということもあってここに掲げておるわけであります。
 何せ平成27年度までに25社、雇用については2,100人という数値目標を上げておられるわけです。先ほども話にあったように、私が紹介している企業が計画しているものは、雇用について1,000人から1,500人と言っているわけですから、そういうところを1つ持ってくるとすぐ目標を達成すると。ところが、後で出てくる話ですけれども、企業を誘致するについて足かせになるものがあって、なかなか希望する企業に応えることができないということで。一つは、目標に向かって進めていくということについて思い切った発想の転換を図らないといかんということで、私は、この神ノ島工業団地の取組についてというのは、そういうことで物を言っておるわけであります。
 雇用について、今日の説明資料によると新規雇用の計画数が354人で、それを2,100人と、かなり数値に開きがあるんですけれども、この辺で皆さん方が考えているものは何なのかということがもしありましたら教えていただきたいと思います。
○西川委員長 誰が答弁しますか。
◆野本委員 大した内容のある話でもございませんのでね。
 努力はして、頑張っています、4,000社ぐらい訪問しましたと、企業立地についてそういう努力をされておるわけですから、努力は決してうそはつかないと、結果が出ると思うわけでありますが、いつも私は申し上げているように、我々議会も議員も一緒になってこういう問題に取り組んでいかなければだめなんだと思っております。
 先般、新聞で皆さん方も読まれたと思いますけれども、時津の10工区について、工業用地という用途の問題について、工業用から商業用地に用途変更するということで、工業用地として造成してきた7.4ヘクタールの6.6ヘクタールを商業用地にと、あとの0.8ヘクタールは住宅用地という意向を示して、地元の時津町が、議会も含めてこの計画の見直しに同意をしたと。
 これは県の土地開発公社が進めておるわけですけれども、こういうことをやればいいと私もずっと神ノ島工業団地のことを言ってきたわけです。やればできると思うんですけれども、何が違う、かにが違うじゃなくて、結論的にはこういうことに発想の転換を図っていくというよりも知恵を絞っていくということで、みんなわかってはおるんだけれどもやれないと。
 どこかでは、浜の町商店街とバッティングして客の奪い合いになるんじゃないかとか、あるいは住吉地区とそうなるんじゃないかとかということで非常に心配を先にされておるわけですけれども、これはもう何をするにしてもぶつかることはあると思います。それによってまた新しくその地域、地域は頑張っていく、新しい方向性を出していくということにもなるわけですから、あんまりそれにこだわらずに、まずは頭出しをするということについて。
 思い切って時津10工区については見直しをやるということで町議会も同意したということですから、ぜひ長崎市に県も、そういうことについての見直し等々の働きかけをしていくということは大事じゃないかなと思ったんです。そういう考え方はないのかどうかということをお尋ねいたします。
◎上原商工金融課長 野本委員がご指摘のように、先般、新聞で、時津町議会において、時津の10工区を商業地区に変更するという案、町長意見を可決しているということは私も存じ上げております。
 都市計画の区域につきましては、当然ながら市町村がまず決定するということになっています。今ご指摘の神ノ島工業団地につきましては、都市計画法上は工業専用地域であると。それから、その上に港湾法上の商港区という分区指定をしています。今現在、商港区につきましては港湾法上の用途の制限があるということでございます。
 土木部では今現在、商港区の分区指定を外すということも視野に入れながら、今後の土地利用について幅広く検討するために、長崎市の意向も確認しているところでございます。今後、長崎市の意見も踏まえまして、県の判断がなされていくのではないかと思っております。
◆野本委員 このことは本会議でも質問してきましたし、その後の問題についても個々に話をしてまいっておりますので、今の商工金融課長のご答弁を了とします。
 そして、そこに向けて何をどう取り組めばいいのか、何をどう変えていけばいいのかということで、確かに市町村の問題ですから長崎市との取組ですけれども、長崎市については、やはり皆さん方が強力に、いいと思ったら呼びかけていくということで。
 何せ神ノ島工業団地は、30年も塩漬けと。塩漬けしていれば腐らないかといえば、何でも長くしておれば腐ってしまうわけですから、この企業だって、もうしびれを切らして、「それじゃ、いいですよ」ということになった時にどうするのかということも含めていくと、私はそんなに時間はかけられないと思っておりますので、全庁的にこの問題に取り組んでいただきたいと思っておるわけであります。
 次の問題と重なるから話しますけれども、この神ノ島開発の歴史というのは、非常に古い話では、私の市議会議員時代からここの開発はいろいろと紆余曲折があったわけです。
 16世紀から19世紀における長崎と諸外国との文化交流の歴史の再現をモチーフとする総合レジャー施設を建設する動きもあって、これは元知事の高田勇氏が構想を、ある企業とというよりも、一方では映画の東映に、ぜひこの神ノ島に江戸村的なものを含めてお願いをしたいということもあって。私は、市議会議員時代に、非常に面白い発想だなということで賛同して、方々にその資料を持って回って説明会をしてまいったわけでありますが、夢かなわず過去の話となってしまったわけであります。
 その時は、今のような交通アクセスはなかったわけです。それでもそういうことをやろうと考えた時代があるわけです。今やあれだけのアクセスができて、何せ800億円を超える金を使って、女神大橋を含め、アクセス道路が神ノ島にできているわけですから、こういうチャンスを活かさない法はないと思いますので、思い切った施策を打ち立てて、皆さんに協力してもらうところは協力してもらうし、また、新しい刺激剤となるような働きかけをして、既設の商業地域を抱えているところはそれなりに新しい発想の転換をしてもらって、お互いが切磋琢磨して、長崎市、長崎県がどう発展するかということで。
 あそこの土地も県の土地ですから、土地を売りさえすればいいというものじゃないと思います。売った後、この土地がどういうふうに活かせるか、将来この土地が本当に働いてくれるための選択をすべきであると私は思っております。
 委員長も時間を大変心配しておりますので、この辺で。あとは皆さんにレクチャーしたものがありますので、せっかく勉強したと、これだけ言わせてくださいというものがあれば、長崎県のPRという形でそれぞれの担当の方から答弁していただければと思います。なければ、いいです。
○西川委員長 企業立地課長、ないですか、神ノ島について。部長、何か。
◎山田産業労働部長 その江戸村の構想というのは大変夢があるお話で、また、県が目標としております県民所得の向上という面からも、交流人口の拡大ということで県民所得の向上にも直結するようなお話ではなかろうかなと聞かせていただきました。
 何せ、今のところ神ノ島工業団地につきましては工業専用地域ということになっています。そうした土地の問題につきましては、長崎市がどのような地域にあそこを育て上げていこうとしていくのかということに大きくかかってまいりますけれども、いずれにしても県としましては、県民所得の向上に活用できるような土地として使っていくことができないかということで、私ども産業労働部としてもしっかりと注視をしていきたいというように考えております。
◆野本委員 産業労働部長は何もかもわかった人でありまして、常に新しい方向性を見つめて、いろんな知恵を出す人ですから、期待もしております。関係する次長をはじめ、各課長さんたちも同じように知恵を絞って頑張っているということで、その辺を評価しながら。
 そしてまた、皆さんが考えていることはどんどん県民に知らせるべきだと思いますので、そういう機会もつくっていきたい。それが我々、この議会だと思っておりますので、あえてわかり切ったことでも質問している部分もあるわけです。皆さん方がこういうチャンスを活かして、我々はこんなに頑張っているんだという頑張り度を示していただきたいと思っております。
 それと、テクノスーパーライナーの話をなぜここに取り上げたかということですけど、もうそんなのはいつの話かというようなことですが、実は私も詳しい資料は知らなかったですけど、これは2005年に建造しているんですよね。115億円かけてつくって、三井造船ですから鳴り物入りでやって、ぜひ長崎三菱造船所が修理港としてここに寄港できればというようなこともあって、かなりやった話ですけど、それも廃船と決まって、もう解体するということであります。私は、ハウステンボスがこういうことをうまく活かせれば、そしてまたSSKに仕事を頼めればというようなこともあったんですけど、これはもうそこまできた話ですから、死んだ人の歳を数えるようなものですから。
 こういう問題について、造船県という日本を、世界を代表する長崎県でありますから、こういうものがうまく利用できたらよかったんじゃないかなと思っております。ハウステンボスは貨物船を購入して上海航路を走らせておりますけれども、やはり内容が内容だけに苦労もしているようであります。
 このことについては過去の話でありますけれども、何事もそうです、機を見るに敏ということで、何かある時にそれがどう活かせるか、活かせないかということも含めて、その効果ならしめることがあれば取り組んでいくということで、これはもう時効もいいところでございますので、このことについては答弁も要りませんけれども、私は、ふっと自分の資料を整理する中で目にとまったものですから、これを持ち出したところ、もうこの話は過去の話でございますということで説明と資料をいただきましたので、そのことですべて了解しておりますが。
 要は、過去にもそうですけれども、歴史はずっと流れていく中で、本当に時代の背景等々もありますし、経済の問題は特に背中合わせでありますから、その時はよかったかもしれないけれども、何年かたったらそれはもう話題にもならないというよりも、そのこと自体が逆効果だという話だってあるわけでございますから、あえて私はこのテクノスーパーライナーの問題について、皆さん方に答弁を求める気は今はございませんが、そういうことで、過去にもずっと何かやっていく中で一つの時代をつくってくる、それが消えていく、また新しい時代を迎えるということについて、長崎から船が出るということで、ましてや中国、東南アジア、東アジアに向けて、これからの取組にしていこうと、それで新幹線と結ぼうということでありましたから、一番よかったんじゃないかなと思ったけれども、先ほどから何度も言うように、もう過去の話でありますので答弁は要りませんけれども。
 いずれにしても、産業労働部の皆さん方の英知を集めて長崎県をぜひ奮い立たせて、今こそ大事な部門じゃないかなと私は思いますので、部長を筆頭に、各職員の皆さん方が、ぜひ長崎県の掘り起こしを、立て直しを皆さんの力で、我々も応援してまいりますので、そのことにエールを送って質問を終わります。
○西川委員長 テクノスーパーライナーについて何か、部長。
◎山田産業労働部長 テクノスーパーライナーにつきましては、大変残念な結果になりましたけれども、新しい時代を切り開く、そういうための船だったというふうに思います。
 長崎は造船のまちでございます。これからも、例えば海底資源の探査船とか、基地とか、海洋再生可能エネルギーの建て込み専用船とか、いろいろな新しい時代を切り開く船が今後長崎で建造されていくことに必ずやつながっていくのではなかろうかというように思っておりますし、私どもはそういうふうな方向に持っていきたいと考えているところでございます。今後もしっかりと、産業労働部の職員一丸となって取り組んでいきたいと思っております。
◆中島[浩]委員 つくも工業団地の着工についてですけど、先ほど溝口委員からもお話がございまして、事の経緯は、山田(博)副委員長が文教厚生委員長当時に、土地もまとめて、さあ、行くぞとなった折と聞いております。
 これが昨年、都市計画も決定されて、地元の期待がある中で進んでいないという非常に残念な状況でございます。もうこちらの方はあえて質問しませんけれども、できれば早期の地元の調整をお願いしたいと思います。
 委員長、続けてよろしいですか、質問はあと1問ですので。
 商業振興政策について、まちなか活性化基本計画に基づく市町の計画策定における県の助言についてということです。
 県内どこにおいても郊外に大型店舗ができて、道路の改良ができると、まちなかにいらっしゃるやる気のある後継者は、そちらに移転して事業を進めるという状況が続く中で、残された商店街はどうなっていくのかというふうに非常に危惧されております。
 県が、各部局の横断的な組織であります長崎県まちなか活性化支援会議を用いて、市町、団体が計画をつくった中で、それに対する指導、助言、また、補助の活用をされているとお聞きしています。
 ただ、なかなかそういった成果が見えてこないのが現状でございまして、活用されて一時的なイベントで終わってしまったり、今後につながるようなお金の使い方ができているのかなと。土木部と一緒で、ハード面に対しても活用されるということですので、例えば駐車場とか、そういったものに関しては後々の計画が上がるんでしょうけれども、ソフト事業としてはなかなかうまく活用ができていないんじゃないかなという思いがございます。
 そういった中で、この事業に対しましては、商店街と市が連携して計画を進めなければいけないんですけれども、話に聞きますと、商店街がやる気があっても受入先である市が、人的問題もあり予算も関係してくるものですから、なかなか双方で折り合いがつかないと。逆に、市はやる気があっても商店街が、後継者もいないしといった理由でなかなかのってこないというような状況があるとお聞きしております。
 せっかくこういう事業がありまして活用できるわけですから、県としましても、事例などを踏まえた上で率先して助言、指導していくべきだと思いますけれども、今の状況と今後の取組についてお伺いしたいと思います。
◎上原商工金融課長 まず、まちなか活性化基本計画でございますけれども、委員が指摘されていますとおり、市町が商店街や地域の住民と協議、検討を行いまして、それから策定したものを県が認定をして、まちなか活性化推進事業費補助金により支援を行っているところでございます。
 策定された計画につきましては、委員からもご指摘があっていますまちなか活性化支援会議によって、実効性のある計画になるように助言を行っているところでございます。
 その計画の中身は、まちなかの商業の振興ということで、例えば個店の魅力向上とか、共同システムの開発とか、アーケード、駐車場等の共同施設整備などを実施事業としているところでございます。私どもは、その事業に対していろいろ検討いたしまして、例えば、集客を図るためには近隣の観光施設から観光客の回遊性を高めるような視点を盛り込んだらどうかと、そういったことを助言しているところでございます。
 今、まちなか活性化基本計画をつくるのが、市の事情であるとか、事業者のやる気の問題とか、いろんなことを委員の方から指摘されて、それがなかなかでき上がっていないというご指摘がございました。
 私はこの4月から商工金融課長に着任しまして、過去の経緯とか、いろんなことを担当者と議論も深めております。これまで助言というのは、まちなか活性化支援会議において、要するに計画ができた後に県が助言を行っているという状況でございます。ですから、計画を策定する前の段階で市町とともに商店街を訪問しまして、その中で出てくる課題とか、こんなことに取り組んで強化していったらどうだろうかとか、そういういろんな話が出てくるんじゃないかと思いますので、私ももう少し現場の方に出張っていって、ともに考えながら課題の共有に努めて、今後の商店街の活性化と申しますか、賑わいの創出、機能の向上に努めてまいりたいと思っている次第でございます。
◆中島[浩]委員 現状でいくと空き店舗の問題とかですね。地域によっては空き店舗を有効活用されているところもあるんですけれども、駐車場の問題があったり、利便性が悪いということで、どこに行っても商店街がだんだん寂しくなっている状況というのはもういたし方がないのかなという思いもございますけれども、その中でも一生懸命地域に密着して頑張っていらっしゃる方がいますので、先ほどの回答のとおり計画段階でうまく入り込んでいただいて、まずは商店街と市町の連携ですね。これらの意見の総意を得た上で、じゃ、やろうじゃないかということでやっていかなければ。
 今まで見てみますと、商店街も地域としてなかなか意見がまとまらないですね。商工会単位とかもあるんでしょうけれども、その中でも話が分かれるという状況もございますので、こういった制度を使って、どういったやり方があれば皆さんが納得できるかというのを、県としても助言していくべきだと思いますので、ぜひその辺を踏まえた上で今後取り組んでいただきたいと思います。
 以上です。
○西川委員長 企業誘致に関連して、徳永委員から大型工業団地整備について質問項目が上がっておりますので、どうぞ。
◆徳永委員 委員長の指名ですので、質問させていただきます。いろいろと企業誘致の質問がありまして、少し外れるかもしれないんですけれども。
 先ほど、4,000社ぐらいの企業の訪問、営業をされていると聞きました。長崎県の場合は、いろいろとデメリットの方が大きいのではないかと思いますけれども、相手方にとって長崎県は、長所よりも短所が多いと思うんですけれども、どういったところが一番苦戦しているのか、その辺を教えていただきたいんです。
◎下田企業立地課長 私は4月に着任いたしまして、昨年の議会での議事録とか、事前に勉強させてもらったんですけれども、よく言われているのが、誘致しようにも受け皿が不足しているところはあろうかということでございます。
 それについては、市町営工業団地の整備に対しての補助制度を平成19年度に創設しまして、今年度も内容を充実させて力を入れて取り組んできたところ、今年度、幾つかの工業団地が続けて完成するということで、特に佐世保のウエストテクノあたりは17ヘクタールできますので、これまでできなかった大きい規模の企業も誘致できるということになっております。これまではちょっとそのあたりが弱かったというところはあろうかと思いますけれども、大分改善されてくるのではないかと考えています。
 あとは交通アクセスの問題とか、山がちな地形でございますので、どうしても団地をつくる時に造成の工事の費用がかかるということで、それを分譲単価にはね返らせると、近隣の佐賀県とか福岡県とか、造成が比較的簡単にできる土地と比べると分譲単価が、これまではちょっと負けているというところはあったかと思います。(発言する者あり)
◆徳永委員 受け皿が少ないということは、来たいという企業が多いということですか。そう解釈していいんですね。
◎下田企業立地課長 それは、九州各県と比較した時に、ほかの県は概ね100ヘクタールぐらい分譲残地がございますけれども、本県は60ぐらいしかないということで、提供できる土地が少ないという意味で言ったわけでございまして。(発言する者あり)
◆徳永委員 私は、だから毎度。既存の大規模用地というのは、うちの多比良港とか、なんでそこをやらないのか、私は全然わからないわけですよ。ない、ないと、あるんですよ。
 高いと。山地が多いから、平地が少ないから造成費がかかる、高い、それはわかるんですよ。
 もう一つは、臨海工業団地と、大型船を着けられるというのは非常に大きなメリットなんですよ。陸上輸送だけじゃなくて海上輸送というメリットを持っているわけです。なぜやらないのか。
 この土地は、県有地なんですよね。じゃ、この土地は何に使おうとしているのか、それからという話になってしまうんですよね。だから、そこをしっかり、土地の問題点が何なのか。そして、先ほど言われた、そういうふうな企業もあるのに、本県はその企業を受け取る受け皿がないというようなことになれば、全然理屈に合わないわけですよね。
 この前、産業労働部長は、市の利用計画変更がならないからと、私にその説明だけで終わったわけですよね。じゃ、やればいいんじゃないですか、市に。雲仙市も過去の4〜5年はずっと企業誘致をしてきているんです。工業団地の要望をしているんですよ、県への施策要望を。なぜ言わないのか。そういったことを含めて、やはりちゃんとした答弁をね。そして理屈をちゃんと合わせてもう一回。
◎下田企業立地課長 毎回県議会で徳永委員が、同じような質問をされているということは承知しております。
 今、多比良港の埋立地の用途計画では、おっしゃるように…。(「わかっておるって」と呼ぶ者あり)現在、用途計画変更の前提となる公有水面埋立許可の変更申請に向けて、土木部から雲仙市に対しまして利用計画の策定を依頼しているとお聞きしておりまして、雲仙市ではそのワークショップを開催するなどしまして…。(発言する者あり)
◆徳永委員 それはわかっているんですよ。だから、市にもっとそれを指導する。そういうところをやっていかないと、ただ待っているだけではなかなか難しいですよ、これは。
 県は、この多比良の埋立地、有家の埋立地が必要でないのか。必要でないならば、こういう理由で必要ないということを我々に理解をさせれば、それで済むわけですよ。その説得力があればいいんですよ。そこを私は言っているんです。
 うちは29ヘクタール、そっちは何ヘクタールかな、20ヘクタールぐらいあるわけですよね。あれだけの平地と船が着けられる土地がある。確かに船を着けるには幾らかの事業費が要りますけれども、今から新たに工業団地をつくる手間暇、時間と労力をかけることを考えれば、はるかにこちらが安く済むし、企業への誘致活動をする中での即効性があると私は思うんです。そういったところを鑑みた時にどうなのかというのを私は言っているんですよ。
 これを今後どうするのか、今日はっきりと企業立地課長が説明できなければ産業労働部長、あなたが説明してください。私は本気ですよ。
◎下田企業立地課長 先ほど申し上げましたように、雲仙市の方でワークショップを開いて、地元の意見を集約して、着々と県との協議の準備ができているというふうにお聞きしておりますので、どういった内容で最終的に提案がなされるのかというところを見た上で、今後の判断になってくるかと思います。
◆徳永委員 そうしたら、前向きに考えていいわけですね。
◎下田企業立地課長 まだ中身を見ておりませんので、そこは…。
◆徳永委員 中身を見ておらんと言ったって、現場を見ればわかるでしょうが。土もなかなか埋めないのは、県がやる気がないから埋めないのかという変な誤解も生むわけですよ。
 対岸に100万人から150万人の人口がいるわけですよ、見えるところに。長崎県と同じ人口が、大牟田から。対岸には長洲の工業団地があるわけですよ。ここには日立造船からいろいろと企業がありますよ。うちの方からも行っていますよ、有明航送船を使って、若いいい人材がね。対岸の熊本に非常にいい人材を送っていただけると、長洲の町長から、私たちも大概褒められていますよ。
 今、吾妻の工業団地に三貴工業とあるでしょう。ここがなぜあそこに移転したかというと、島原工業、島原半島の人材がいいんだということで、新卒の高校生をよく採用されているんです。
 ほかにも本多産業というのが吾妻にあります。これは本社が横浜で、いろんな特許を持っておられて、企業誘致で平成元年に旧吾妻町に来られたんです。これはテクノロジー、先進的な各種のものをやっています。ここも自前で、島原工業とか、諫早農高とか、新卒者を積極的に採用されて、新規に技術者として育成をされています。
 そういった人材がいる。しかし、この人材が、地元に受け皿がないものだから県外に行って頑張っていると。しかし、やっぱり帰ってくるんですよ。そういう時に、せっかくのすばらしい人材で、なおかついい技術を持って帰ってくるんですから、そういう面も含めてね。
 決して島原半島は西の果てじゃないんですよ。対岸は、さっき言った熊本を中心に、地の利は近いところにいいところがあります。アジアの方も近いんです。海上輸送を含めたところで、今後島原道路もできますし、そういうのも含めて、市がどうのこうのじゃなくて、先ほども言うように、企業の受け皿がないというようなことであれば、せっかくあるんですから、今後、営業の方にしっかりと組み入れてもらいたいと思いますから、そういう答弁をよろしくお願いします。
◎下田企業立地課長 これも同じことばっかり言うなと言われるかもしれないんですけれども、多比良港が臨海型ということで、港湾機能が整備されればいいんじゃないかということですけど、交通アクセスとか、企業が来る時はいろんな条件を見た上で来られますので、県内の工業団地はいろいろつくられておりますけれども、この多比良港の埋立地が工業団地としてふさわしいかどうかというのは、方針がはっきり、工業団地でここを整理するというふうなことが市の方で、ワークショップとかを経て今まとめられているみたいですけれども、それがどういう結論になってくるのか、それを見た上で必要があれば、そういった方向になれば我々も真剣に、それに対して考えていきたいと思います。
◎山田産業労働部長 これは港湾の埋立事業でございます。当初の計画では、委員もご承知のとおりですけれども、スポーツレクリエーション用地とか文化施設用地という計画になっているわけでございます。今回、これの用途等々を変更しようとしますと、重要変更ということになりまして所定の手続を経る必要がございますので、まずはこの手続をしっかりととっていただければと思っております。
◆徳永委員 それはわかっている。その後のことをどう思っているかということを言ってくれと。
◎山田産業労働部長 まず、土地利用計画の内容がどのように出てくるかというのが大切かと思いますが、工業団地ということで出てまいりました場合には、現在、企業が内陸型の工業団地を希望しておりますことも一方にありますので、臨海型の企業等々の進出が見込めるかどうか、慎重に検討していく必要があろうかというふうに考えております。
◆徳永委員 せっかくのそういう県有地、財産があると。そして地元も、企業誘致、自治体はどこでも欲しいわけですよね、雇用と税収が企業誘致の大きな2つの柱ですからね。今からつくれとは言っていないんですよ。せっかくああいうところにすばらしい土地があるのを、なぜ。市がそうだから、何だからということの理由では私は納得できないし、ましてや県有地であるわけですから、そこはしっかりとした県の責任で、市からも施策要望が出ているんですから、そこはしっかりと市の方に県としてのアドバイス、指導をし、市の要望も含めたところで今後、工業団地としての役割ができるように県として推進をしていただきたいということですから。
 これで今日は終わりますけれども、今後はまた本会議で質問するかもしれませんので、よろしくお願いしたいと思います。
○西川委員長 もう少し時間があると思います。エネルギー問題にいきますか。
◆山口委員 じゃあ、もう今日中に終わらせましょう。皆さん、ご協力をよろしく。
 海洋エネルギーの実証フィールドについてということで通告いたしておりましたので、ちょっと勉強的質問になってしまうんですが、質問をさせていただきます。
 今、海洋再生可能エネルギーの利用促進に関する今後の取組方針が国の方から、総合海洋政策本部から出て、我が日本の国としても、海洋エネルギーをいかに利用して今後につないでいくかということになるわけであります。
 我が長崎県は海洋県でありますから、極めて地理的条件は整っているというふうに思っています。そういう意味で、長崎県として、この海洋エネルギーの実証フィールドに参画をしようとする意欲といいますか、どういう部門に進出しようと考えられているのか、ここのところを今、議論されているんだろうと思うんですが、お尋ねをしておきたいと思います。
 条件というのは、もうご承知のとおり洋上風力とか、波力とか、潮流とか、海洋温度差とか海流を今回の実証フィールドのテーマとして挙げられているわけでありますが、長崎県は、どこをとってもそれなりのものにはなるという地理的環境条件を備えているわけですが、大きくどう考えられているのか、お尋ねをいたします。
◎黒崎グリーンニューディール推進室長 今、山口委員おっしゃいますように、海洋エネルギーというのは、波の上下の動きとか海の流れ、潮の流れ、そういったもののエネルギーがあると言われております。国の取組方針の中でも、これをポテンシャルとして合わせれば陸上以上のエネルギーがそこに眠っているというふうに言われております。
 本県は海がたくさんあるということで、どのエネルギーもそこそこのポテンシャルがあるとは思いますが、その中でも特に他の地域と比べて優位性が高いと言われているのは、洋上風力と潮流と伺っております。これは、日本の海洋で第一線を築いておられますいろんな著名な先生方のご指摘も、まさにそのようなことを裏付けていまして、特に洋上風力につきましては、そういうポテンシャルの高さに目をつけて環境省が今、五島の椛島沖でやっているところでございます。
 例えば、具体的な数字でいいますと、陸上は大体風速毎秒6メートル以上でないと採算が合わないと言われています。洋上風力になりますと、ちょっと海の方に出張って設備投資が要るものですから、もうちょっと効率がよくなければいけない。それが7メートル以上なければいけないと言われています。今、椛島は7.48あるというデータが出ております。これが本県の海域では、壱岐、平戸、新上五島、下五島、この流れに沿って非常に強い、非常に風況のいいところが広がっているというふうに聞いております。
 それから潮流ですけれども、海岸線が非常に長い本県ですが、海岸線が長いというのは地形が複雑で、それだけ瀬戸が多いということでもございます。狭まったところが結構あちこちにあって、そこに海が流れていますから、非常に潮の流れが速いところ、秒速2メートル以上の流れがあるところがたくさんございまして、日本全国の潮流のポテンシャルが高いところを順番に並べてみますと、たしか上位20番ぐらいの中で5カ所ぐらいは本県の海域の瀬戸であるというようなぐあいで、潮流も非常にポテンシャルが高いということです。
 あとは、ポテンシャルは高いんですが、社会的な受容性の条件を満たすかどうか、そのあたりがまたポイントになってくるわけでございまして、そこを、先ほど部長答弁がありましたように市町から手を挙げていただいて、有識者の方も入れて、ポテンシャルが本当に高いかどうか、社会的な受容性があるかどうかを精査させていただいている状況でございます。
◆山口委員 ありがとうございました。
 長崎県は全ての条件を一応は満たしておるけれども、その中でも特に、この事業を考えた時には洋上風力か潮流だろうということですね。
 洋上風力を見てみますと、高さが80メートル以上で風速7メートル、潮流も最大流速が、試験をするには秒速1.5メートルでいいんですけれども、事業にするにはやっぱり2メートル以上なければいかんというようなことが述べられているようです。そういう意味では、長崎県は非常に条件にかなっているんですが、問題は、今後その種のものを海につくるとですね。
 洋上風力は、この前近くを通ったこともあって、ああ、いいなと、未来を感じさせるなと感じてきました。そういう意味ではこれからのエネルギーだと思います、無限ですから。きちっと環境に配慮をしてやればいいんですが。
 ただ、日本は漁業国ですね。沿岸漁業の皆さんは、海の中に異物が入ってくれば、それはもう邪魔者としか見ないわけです。という感覚じゃないのかなと思います。
 そこのところを今後、長崎県としてちゃんと事業化をしていくと、県としてまとめるわけでしょう、国に応募をしないといかんわけですからね。応募をして認められる時の条件としては、その辺の環境整備、後ろの部分の整備をちゃんと本気でやるよう根回しをしておかないと、これは簡単にいかんのじゃないかなという気がしますが、その辺については今のところどうお考えですか。
◎黒崎グリーンニューディール推進室長 まさに委員おっしゃるとおりだと私も思っております。
 市町を中心に、地元の漁協も含めたところで話し合いをしていただいております。先ほど社会的受容性という言葉を申し上げましたけれども、地元漁協も入ったところで、漁家の皆さんも入ったところで、その海洋デバイスの受入れについて許容力があるやなしやというところに最大の関心を向けているところでございます。
 今は市町にお願いをしておりますけれども、大体絞り込みができましたならば、そこの海域を中心に、さらなる磨き上げをしなければいけないと思っておりまして、その際には私ども県も漁協の皆さんと膝を交えながら、新たな海域のルールを。
 これは、区画漁業権という定められた範囲の中では、1つの漁協の合意を得ればオーケーという一応法律上の建前になっております。それが複数の漁業権にまたがる、あるいは広い海域になりますとそういうわけにはいきませんで、いろんなところの合意を得なければいけない。
 その海域のルールというのが、こういう手順でやればいいんですというのが今、日本の法律にはないというふうに聞いております。そういう意味では長崎が第1号といいますか、国の協力も得ながら、そういった新しい海域のルールのあり方のモデルといいますか、そういうのを示すことが長崎県の責務でもあるし、そうしなければ実証フィールドの誘致はおぼつかないのではないかなと、そういう気持ちで取り組ませていただいております。
◆山口委員 そういう面での周辺整備というのが極めて今後重要になってくるんだろうと思うんです。
 見てみますと、イギリスとかアイルランド、デンマーク、フランス、スペイン、カナダ、もうかなりやっているようですね。日本は技術立国ですから、まさに長崎県も技術立県として積極的に、負けないようにしなければいかんのだろうと思います。そういう面では、先ほどおっしゃったルール、法整備、ここのところをきちっとやってというのが一つ。
 それともう一つは、県民の皆さんの理解、国民の皆さんの応援というかな。いわゆる海洋エネルギーを有効に使うという社会的な皆さんの合意性といいますか、そういうものをとっていくのがもう一つの仕事として非常に大事なんじゃないかなと思います。みんなで盛り上げてやらないと、ここは意外と、何やかんやで今までもあっていますから、難しい状況にぶち当たる可能性もなきにしもあらずだと思いますので、前もってしっかりですね。
 そこの技術をきちっと磨くことと対社会的な合意を得ること、両方しっかりやりながら、このエネルギー政策を進めていかないといかんと思います。何か釈迦に説法のようなことばっかり言っていますけど、産業労働部長、何か見解を、よろしくどうぞ。
◎山田産業労働部長 今後、県民皆さんで盛り上げていただくような環境をつくっていきたいと思っております。
 今年度予算では、イギリスのオークニー諸島にEMECがございますけれども、オークニー諸島に地域の皆さんとともに視察をするというような予算も準備いたしておりますし、絞り込みました場合には、その地域の方々にさらに理解を促進していただくための、地元における海洋エネルギー関連のシンポジウムの開催経費なども盛り込ませていただいております。地域の皆さんの理解を得ながら進めていきたいというように考えております。
◆山口委員 世界を見て、ばんばん進めていただきたいと思いますが、来年2月ですかね、公募があるのは、概略のスケジュールを教えていただけますか。
◎黒崎グリーンニューディール推進室長 まず、国のスケジュールから先に申し上げますと、今年3月12日に国がようやく公募の要領を発表されまして、それによりますと来年の2月末までを締切りとすると。その後の1カ月に、平成25年度中ですからもう1カ月しかないんですけれども、最初の実証フィールドを選定すると。これは閣議決定を経た表現でございまして、これは変更があっておりませんので、今のところ国のスケジュールは、2月で締め切って、1カ月以内に最初の選定を行うというふうな形になっております。
 それに対して本県の方は、ちょっと先立って昨年の11月に市町の公募を始めまして、年明け早々に一応の締切りをさせていただいて、4市1町、4海域が出ております。今、有識者からなる委員会のもとで、そのやり方も含めて協議をさせていただいておりまして、今日の議会の資料にも、これまで2回やっておりますので、その2回の開催結果を報告させていただいておりますが、有識者と実務者、我々職員レベルでセットになって、それぞれ分けて海域の訪問調査をさせていただいて、来月、それを1回、皆さん持ち合わせて、その際には市町にも来ていただいてプレゼンをしていただくと。そういう中で絞り込みの作業をしていきたいと思っておりまして、先ほど部長が申し上げましたように、9月定例月議会には報告する方向で考えたいと思います。
 しかる後に、先ほど部長が申しましたように、関係する海域の関係者に、イギリスのEMECとか、ほかにもちょっと考えておりますけれども、回って世界の実情を見ていただいて、その上でまた地元でシンポジウムを開くなどして、地域の合意形成も図りつつ、それと並行してもっと中身を、海の海域のルールづくりも含めてもっと深く、他県に負けないような提案ができればというふうに思って、そこは2月に向けて一生懸命やりたいと思っております。
◆山口委員 産業労働部長に発言していただいた後に、またご説明いただくと、ちょっと失礼なことを言ったなと思ったんですが、おっしゃったように初めてのことですから、それぞれ関係者を、先進国があるわけですから、行って状況を見て、日本人は見たらそれ以上のものを出すのは今までの歴史が証明しているわけですから、知らないでやるより知ってやること、長崎県としても積極的に、より多くの方を連れていって、早く効率的にやっていただければと思います。
 以上です。
○西川委員長 友田委員、深堀委員、エネルギー問題がまだ残っています。
◆深堀委員 今の山口委員の質問と少しかぶってくるんですが、離島・半島における再生可能エネルギーの導入促進についてという大項目で、目指している具体的な姿は何かということで、まず大きく聞きたいと思います。
 ナガサキ・グリーンニューディール計画、その中にも対馬プロジェクトとかいろいろありますけれども、今回政府施策要望の中でも、「再生可能エネルギーの導入促進を離島・半島の地域活性化につなげる施策の強力な推進について」ということで6つの項目を挙げています。
 ここでまずお尋ねをしたいのは、長崎県がいろんな施策をこうやって要望しています、グリーンニューディール計画、政策も立ち上げているんですが、長崎県のこの離島・半島において、どういう仕上がり、ゴール、どういう世界を想定してそういった計画を立てているのかということを、まず大きな話として聞きたいんです。
 というのが、ゴールが見えないのに、ゴールがはっきり固まってないのに、いろんな政策をこうしたい、ああしたいと。例えばさっきの実証フィールドの選択もそうです。国がこういうことをやりますよ、はい、じゃ、手を挙げましょうと。
 かちっとした、長崎の離島・半島をどういうふうにしたいのかという具体的なイメージ、それは例えば50年先でもいいんですけれども、そういった長期的展望に立ってこんなことを目指しているから、今こういうことをやるんだということがあるべきだと私は思っているんです。ですから、まず大きなことを聞きますと言っているのは、目指している姿は具体的にどういうものなのか、それは時間軸としてはどれくらい先の話で考えているのかということをお聞きしたいと思います。
◎黒崎グリーンニューディール推進室長 私が今進めさせていただいておりますグリーンニューディール戦略プロジェクトにおきまして、本県の離島・半島における再生可能エネルギーの導入において目指している具体的な姿は何かということですけれども、あえて申し上げるならば、将来、この将来の時間軸というのはまた問題ですが、人がどんどん今のままでは減っていって疲弊をしていく中で、それを引きとめて、引き続き定住の地としてこの地域が生き残っていける、そういう意味では一番大事なインフラになりますエネルギーの部分は、これまでもそうでしたけれども、将来にわたっても安全、安定、そして安価なエネルギー、電力が供給される姿を目指しているということになろうかと思います。
 その時間軸ですけれども、これは多分に後の質問にも関係してくると思いますが、どうしても私どもは国の施策とタッグを組んでやっていかないとなかなか事が進みませんので、それからいくと国の成長戦略あたりが今まさに出たところでございますけれども、2030年、2050年、そういった時間軸で考えていかざるを得ない部分があるのではないかと思っています。
◆深堀委員 非常に答えにくい質問をしているというのは自分でもわかってはいるんですけど、確かに離島・半島、長崎県のある意味大きな課題として人口が流出していっている、そこをどうにか長期にわたって人が豊かに暮らせるような環境にしたいというのは同じです。その中で、再生可能エネルギーを使ってどういったことをするのか。
 極端な話ですが、「対馬プロジェクト」では、対馬を再生可能エネルギーで自給・自立できるしまにしたいという大きな目標を立てていますよね。ですから私は、そういう答えが出てくるのかなと。長崎県の離島・半島において、対馬だけじゃなくて壱岐も五島も、いろんな離島もそういったことで、時間軸としては50年、100年と言うとあんまりかもしれないですけど、そういうイメージを具体的に持っているのかなというところをお尋ねしたかったんです。そこはないですか。
◎黒崎グリーンニューディール推進室長 具体的な細かいところを詰めたような、今言うプロジェクトという形では今からの話ですので、今限定的に申し上げるわけにはいきませんが、先ほど申し上げたように離島・半島では、いわゆる中心から離れた周辺地という位置付けにある中で、自然エネルギーというのは実は平等にございますので、それを最大限に活用をして、これからの電力でどうなるかははっきり見えませんけれども、その中で持てる離島・半島の自然エネルギーは極力、最大限活用するような形で、対馬と同じようにそれを積極的に導入して、安定的なエネルギーが供給できる地域にしたいと思っております。
◎山田産業労働部長 離島地域につきましては、人口の減少とか高齢化の進展などの課題先進地でございまして、こうした課題を抱えている地域というものを逆手にとりまして、例えば自然再生エネルギーの導入とか、それからかかわっていくところのエコアイランドづくりといったことをやることで、地域の産業の振興や交流人口の拡大、さらには拠点づくり、引いては定住の促進につなげていきたいと考えているところでございます。
 EMECにつきましては、決してこれは思いつきで取り組んでおるわけではございませんで、昨年の9月に日本版EMECの誘致を表明させていただきました。その後2月には、EMECの誘致を含めた長崎海洋環境産業拠点特区の国からの指定をいただきました。
 今年に入りましてからは、6月14日締切りで厚生労働省の戦略産業雇用創造プロジェクトに応募をさせていただきまして、その内容は、造船の今後の人づくり、海洋エネルギー産業の今後の人づくりを盛り込んだものでございまして、EMECの誘致だけにとらわれず、EMECの誘致を核として長崎に第4の産業といいますか、第5の産業といいますか、海洋エネルギー産業の拠点づくりをしていきたいと考えておりまして、しっかりと目標感を持って取り組んでいるところをご理解いただければと思います。
◆深堀委員 産業労働部長がおっしゃることはよく理解できます。
 私が申し上げているのは、国のいろんな制度に対して戦略的に我々長崎県側から応募をする。そのことはいいことだというふうに思っているんです。ただ、それをする前提として目指すべき形。私は、50年後か何十年後かわからないけれども、しっかりとしたこういう長崎県の離島・半島の姿を描いた上で、そういった国のプロジェクトにも申請していくべきじゃないかという考え方の話をしているんです。ですから、先ほど一番最初に、どういう大きなビジョンがありますかとお聞きしたんです。
◎山田産業労働部長 例えば五島地域についてはエコアイランド、エコのしまを目指すということで、現在、長崎EV&ITSプロジェクトを実施しているわけでございます。EV&ITSプロジェクトの第2段階ということで、超小型電気自動車の実証フィールドなどを導入したいと考えています。
 またさらに浮体風力発電機もございますし、こういったものを核にしていくことで、例えば商用化フィールド等々も準備をして、最終的には日本に誇れる、世界に誇れるようなエコのしまを目指していくということで考えておりまして、これはナガサキ・グリーンニューディール戦略プロジェクトの書き物にもそういうふうなことを記載させていただいておるところでございます。
◆深堀委員 今、産業労働部長がお話しになったのは五島の話でしたね。長崎県には対馬もあれば壱岐もあって、五島列島があってとしまが幾つもあって、そして半島も抱えている。だから、政府施策要望の中に離島・半島という表現の中でいろんな施策に応募をしてきたというのがあります。今言われた、五島を世界最先端のエコアイランドにしたいと、それが長崎県の売りとして、長崎県の離島をこうしようという思いなんだろうというふうには理解をいたします。
 そこで、あとは質問の中身にも書いていますけれども、課題とスケジュール、時間軸、そして財源の問題。そういったものすごく大きなことを、長崎県単独でできるはずはもちろんないと思うし、その時に国と連携をしてやっていかなければいけない。だから、先ほど質問した時に、国に施策を要望する時に、迫力のある提案をしなければいけない。それはより具体的に、抽象的な表現ではなくて、長崎県としては、例えば50年後、すべての離島を最先端のエコアイランドにするために、その一つとして短期的にこういう事業をしたいんだと、それにはこういう課題がある、財源がこれだけあればできると、そういった具体的な提案をしないと、国も、「ああ、やる気なんだな」ということを感じないんじゃないかなと。私は行政の人間ではないのでわかりませんが、より具体的な提案をすることが国を動かすことになるんだろうと私は思っています。だから先ほども質問の中で、より具体的な提案をするべきじゃないかということを申し上げました。
 将来の思い、時間軸を今示せというのは無理なことだと思うし、財源的な話をしても結論が出る話でももちろんない。ただ、私が申し上げたいのは、明確に理想をちゃんと掲げて、それを着実に実行するために、より具体的な提案をしていきましょうと。何か見解があればお願いします。
◎山田産業労働部長 これは深堀委員がおっしゃるとおりでございまして、私どもも、明確なビジョンを持ちながらしっかりと取り組んでいきたいと。これは国を巻き込んでやっていく必要が大変高こうございますので、国にも関心を持っていただけるような計画に、しっかりと整理をしながら取り組んでいきたいと思っております。
○西川委員長 友田委員、EV&ITSだけでも質問しませんか。
◆友田委員 それでは、EV&ITSの関係を質問したいと思います。
 EV&ITSの資料も以前いただいていたんですけれども、今年度までがこの事業期間です。先ほど産業労働部長からも超小型電気自動車の実証フィールドに使いたいというようなお話があったんですけれども、実際に平成21年度からの5年間で蓄積されたノウハウを、これは国の事業も入っているので国が全部持っていくということではないんでしょうけれども、長崎県としてはこのノウハウをどのように活かすのかということです。私は、せっかく長崎県でこんなノウハウができたので、これを県内のいろんなものに使えないかというふうに思っています。
 それともう一つは、この事業に当たって「長崎みらいナビ」というのがもう構築されていますね。これは「長崎みらいナビin五島」と書いてあるんです。「in五島」というのがついているのであれば、あくまでもこれは五島で終わるものじゃないんだろうという思いがあります。ただ、受ける側のナビゲーションシステムが連動していないとITSはできないんでしょうけれども、せっかくこういうものをつくっていて、これで実証したデータがある以上は、県内にもいろんなものを活かせるんじゃないかという思いがあるものですから、このあたりをどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
◎黒崎グリーンニューディール推進室長 長崎EV&ITSプロジェクトにつきましては、ご指摘のとおり平成21年からこれまで5年間取り組んでまいりました。今年はその節目として、今年10月にありますITS世界会議におきまして、これまでの本県の取組の集大成として、長崎EV&ITSを広くPRしていきたいと考えております。まずは5年間、国の補助金をいただきながら知見を蓄えさせていただきましたので、これを広く、もっとPRをしないと有効活用されないのではないかというふうに私どもは考えております。
 そこで、これまでも実は1,400名を超える、いろんな関心を持った視察目的の方々に訪れていただいておりますが、これをもっと広くPRをして、長崎の五島EV&ITSをまずは広めることを考えたいと思っております。
 さらに、そういう新しいものを入れたというPRだけではなくて、新しいものを入れる際にいろいろ関係企業がかかわってきております。それを、今後来るであろう新しい次世代のモビリティの産業づくりにぜひ活かすべきだということで、今、地元企業による産業の検討会というのを、細々とではありますがずっとやってきております。これをどんどん強くしていってですね。
 電気自動車になりますと、これまで3万点と言われていた部品が大幅に減って、非常に部品数が少ない自動車ができるというふうにも聞いております。まだ小型モビリティの生産拠点というのは日本にはないわけでございまして、本県の中小企業もまだまだ参入できる余地があるのではないかという期待もしております。そういうこともございますので、地元の企業を巻き込む形で産業づくりにも結びつけていきたい。
 それから、「長崎みらいナビin五島」ですけれども、当然「in五島」があるからには、仕組みとしては「in松浦」も十分あるわけでございます。これにつきましてはノウハウも一定できております。まだまだ発展途中であるとは思っていますが、基本的な部分はでき上がったと思っていますので、あとはこれをどういうふうに展開をしていくかというところ、それからその財源をどうするかというところがございます。そこは地元の市町が意欲を持って取り組んでいただく必要がどうしてもございますので、市町としっかり連携をとりながら、我々もせっかくここまで取り組んできたわけですから、広めたいという部分は十分にありますし、これまでのノウハウは国の税金でやってきておるわけですから、そこは惜しみなくオープンにして提供したいと思っていますので、そこも含めてEV&ITSのPRには特に努めなければいけないというふうに思っている次第でございます。
◆友田委員 電気自動車については、もう大分時代が追いついてきましたよね。各社電気自動車を出す時代になっていますから、それがさらに今度は小型モビリティというところに動いていくんでしょうけれども。
 一方で、私はITSの方、EVじゃなくてITSの構築されたノウハウは、これからの観光戦略に十分活かせるというふうに思っています。前回の一般質問でもちょっと取り上げましたけれども、長崎県に観光で人を呼ぶ時に、せっかくこういったノウハウがあって、それが十分活かせれば、これを活用して、長崎はおもしろいことをやっているから長崎県に行こうという導入になるんじゃないかなと思っていますから、ぜひこのあたりを十分研究していただいて。
 県内の各市町も、あまり知らない人もいるんですよね。五島でやっていたら、正直言って松浦なんて知らないんですよ。だから、そういったものが上手に活用できると、こんなノウハウがありますよということを、先ほど広くPRをしていくということでありましたけれども、それをぜひお願いをしておきたいと思います。
 みらいナビの方は、いろいろと課題も多いと思います。こういったものを長崎県が開発をしてやれば、例えば県北地域で一体となって、松浦、平戸、佐世保とか、西海とか、一定程度の観光ルートの中でそういったものを活用していけば、西九州自動車道の延伸で福岡都市圏からの時間距離がどんどん短くなっていますから、日帰りではちょっと苦しいと、せっかくならこっちまで欲張って見てみたいと、そうするとどこかで1泊生まれるとか、そういうふうにつなげられるように、これは産業労働部の所管じゃないかもしれませんけれども、こういったものも県としてぜひ考えていっていただきたいということを要望しておきます。
 もっともっと私もこれは研究して、いろんな活用策がないのか、いろいろと相談をさせていただきたいと思いますので、その時は惜しみなく情報を教えていただきますようにお願いしておきます。
○西川委員長 ちょうど5時になりました。本日の質疑はこれにてとどめたいと思います。いいでしょうか。
     〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 明日は、残余の質問とか、明日のユニバーサルサービスに対する集中審議とか、大村メガソーラーの視察とかを考えますと、9時半から委員会を始めた方がいいんじゃないか、30分前倒しした方がいいと思いますが、何かご都合の悪い方は。まず委員はどうですか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 理事者は9時半でいいですか。
     〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 それでは、質問に関係ない部署は、議案外でございますので、どうぞ普通の執務を行ってください。
 それでは、今確認いたしましたように、明日は9時半から再開いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
 お疲れさまでした。
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     −午後5時1分 散会−
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