平成25年  6月定例月議会 農水経済委員会 - 07月01日−04号

平成25年  6月定例月議会 農水経済委員会

1、開催年月日時刻及び場所
  平成25年7月1日
       自  午前9時31分
       至  午後零時44分
       於  議会会議室
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2、出席委員の氏名
    委員長(分科会長)  西川克己君
    副委員長(副会長)  山田博司君
    委員        野本三雄君
     〃        織田 長君
     〃        溝口芙美雄君
     〃        徳永達也君
     〃        山口初實君
     〃        友田吉泰君
     〃        深堀 浩君
     〃        中島浩介君
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3、欠席委員の氏名
     なし
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4、委員外出席議員の氏名
     なし
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5、県側出席者の氏名
    水産部長         下山満寛君
    水産部次長        田添 伸君
    水産部参事監       田中郁也君
    漁政課長         山田芳則君
    資源管理課長       五島愼一君
    漁業取締室長       柴崎賀広君
    水産振興課長       柳村智彦君
    水産加工・流通室長    増本正幸君
    漁港漁場課長       壱岐雅夫君
    総合水産試験場長     藤井明彦君
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6、審査の経過次のとおり
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     −午前9時31分 開議−
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○西川委員長 おはようございます。
 委員会を再開いたします。
 前回に引き続き質問を続行いたします。
 どなたか、ご質問はありませんか。
◆深堀委員 3つほど挙げていたんですが、時間の関係上、担い手対策は次回に質問したいと思っております。
 まず、離島活性化交付金について伺います。先般、離島活性化交付金が全国で10億円と、新聞等々では「わずか」という表現になっていて、各自治体間の予算の奪い合いになるんじゃないかとの報道もあって危惧していたんです。もともと離島活性化交付金自体は地域振興課の所管であります。あえてここで挙げたのは、この交付金制度がスタートする中で、水産部としては漁業の振興という意味でどういったかかわり合いをして、その交付金の取得に対して、五島市や壱岐市など離島の市がありますが、そことの調整がどのようになっていたのかお尋ねしたくて挙げておりますので、よろしくお願いいたします。
◎増本水産加工・流通室長 離島から本土への活鮮魚の輸送コストにつきまして、水産部の方で実態調査を平成23年度に行っております。その結果、系統利用分ですが、約8億円かかるという実績が出ております。
 その中で水産部といたしましては、その輸送コストに支援する補助金につきましては、先ほど委員ご指摘のとおり地域振興課で所管されているんですが、その輸送コストに係る経費、または魚種の指定といいますか、市町と協議の場に県が一緒に入っていってサジェスチョンといいますか、助言をするなり、そういったことを行っております。
 その輸送費支援事業の中身につきましては、平成24年度実績についてですが、輸送費支援事業で五島市、新上五島町、平戸市は大島と度島、壱岐市、それと対馬市、この5つの市町で実績が出ております。
 平成25年度計画といたしましては、五島市、新上五島町、平戸市、壱岐市、対馬市は一緒なんですが、新たに佐世保市、西海市、小値賀町が挙がっております。
 輸送費支援事業の対象魚種として、水産では魚介類、中身につきましては生鮮と冷凍物になっております。
◆深堀委員 輸送費支援ということで、以前の調査で8億円ぐらいかかっているということでした。平成25年度の離島活性化交付金事業で、このコストに対して、今、幾つか市町が増えたというお話でしたが、ここでの交付金はどれくらいになるんですか。
◎増本水産加工・流通室長 地域振興課からいただいた資料の中身について申し上げますと、平成25年度の交付金として2億8,462万9,000円という計画になっております。
◆深堀委員 わかりました。私も資料をいただいているんですが、2億8,462万9,000円という話でした。これで今のところ網羅されているというか、一定の支援ができているという認識でいるのかどうか、そのあたりをお聞かせください。
◎増本水産加工・流通室長 この支援事業につきましては、市町からの事業申請となっておりますので、希望されている市町については申請をされたものと水産部としては判断しております。
◆深堀委員 各市町が申請したからということですけれども、恐らく事業費ベースで考えた時に交付金というのは、額的にはいってないと思うんですね。割合でいっても半分もいってないはずです。市町の取組だからという第三者的な答弁のように私は聞こえたんですが、実態として、市町がこの交付金を2億8,000万円ぐらいもらっているとはいえ、もう少しこうしたいんだという声はあるんじゃないですか。それに対して、県としてどのような支援ができるのかという検討はされていないのですか。
◎増本水産加工・流通室長 具体的な内容につきましては、私の知る限りでは壱岐市におきまして、例えば、今は漁協系統利用分についての支援の中身になっておりますが、壱岐の島内の漁協の方から伺っているところでは、漁協系統以外にも、各漁協には市場を運営している漁協もございますので、そこの仲卸等が発送している経費等についても何らかの支援ができないでしょうかという意見は、私はその時に伺った記憶がございます。
◆深堀委員 この交付金で言えば、輸送コストの部分については地域振興課の所管になるのであんまり突っ込んだ議論ができないかなとは思っているんですが、今は離島活性化交付金事業の輸送費支援の部分でお話がありましたけれども、その他の定住促進事業や交流促進事業、安全・安心向上事業というのがありますけれども、水産部が所管している業務の中で、このほかの交付金対象になる部分で絡みはありませんでしたか。
◎増本水産加工・流通室長 輸送費支援の部分と、プラスその支援事業がなくなった後で輸送費をいかに支援していくかという将来的な構想を考える協議会の場にも出ております。その中では、例えば、今後は共同コンテナの導入とか、フォークリフトが欲しいとか、水産物の共同出荷場の導入とか、活魚車の導入とか、そういった輸送費支援事業がなくなった後のハード面についての補助金等の検討を一緒になって行った経緯がございます。
◆深堀委員 わかりました。もともと離島活性化交付金は、ハード事業じゃなくてソフト事業ですね。非常にいい制度だとは思っています。ただ、予算規模が多いのか、少ないのかというのは、また別の議論があるとは思うんですけれども、現場といいますか、各市町、漁協といったところとの連携を図りながら、よりよい交付金の活用の仕方というのは、今後もぜひ研究していっていただきたいと思います。
 次に、漁協についてということで、@小規模漁協のメリット・デメリットは何か、統合についての考え方ということで挙げております。
 前回の水産部の事業説明の中でもありました漁業協同組合の現状についてということで、長崎県は北海道に次いで漁協数が多いと。しかも小規模、中規模の漁協が多いということです。対策として、平成22年度末で70漁協あるのを平成27年度末に50漁協へという目標数値が出ております。
 私が気になったのは、小さいから統合するんだという論理でいいのかなと思うんです。小規模漁協のデメリットがこうあるから、多分統合するんだという目標が挙がっているとは思うんですけれども、じゃ、メリットはないんですかという考え方もできると思うんです。そのあたりについての水産部の考え方というのをお聞かせいただきたいと思います。
◎山田漁政課長 小規模漁協のデメリット・メリットのお話でございますけれども、メリットとしましては、当然組合員が少ないということですので組織も小さくなります。そういう点では、迅速な意思決定といいますか、いろんな事業の実行が、大きいところに比べると速い分はあるかとは思います。ただ、組合員数が少ないということもございまして、当然水揚げも少なくなって漁協経営も不安定になります。また、不安定であることによりまして、販売事業や加工事業などもなかなか展開できないということになります。さらには、職員数も大体小規模漁協は少ないので、漁協の職員が少ないということは、なかなかきめ細かなサービスができにくくなるということがございます。特に、正組合員20人を割ってしまいますと、法定解散ということになるものですから、やはりデメリットの方が大きいのではないかと考えております。
◆深堀委員 デメリットは、経営が不安定化すると、販売や加工等がなかなかうまく回らないと、職員が少ないからきめ細やかなサービスがなかなか受けづらいということを今挙げられました。皆さんがそういうふうにおっしゃるのであれば、私は、漁協の合併というのはスムーズにいくんじゃないかと思うわけですよ、メリットが少なくて、デメリットが大きいのであればですよ。そこがうまくいってないわけでしょう。
 そこにはやはり小さな漁協の組合員の皆さんが、例えば「おらが浜が」という思いもあるでしょうし、小さいながらもやっていけるというか、そういった心意気というか、いろいろなものがあると思うんですよね。それを排除するという言い方じゃないけれども、そこを尊重して、小さいところが小さいながらもいけるんだというような環境をつくるのも、一方で水産部の所管じゃないのかな、仕事ではないのかなと、私は素人なりに考えたりもするんです。
 だから、繰り返しになりますけれども、もし、皆さんが言うのが正しくてデメリットが大きいのであれば、もう本当にみんな進んで合併すると思うんです。70名以下の漁協のリストももらいましたけれども、特に、南島原市などは多いですよね。もっと合併すると思いますよ。でも、それをしないというのは、やはりそれぞれの思いがあると私は思うんです。そういったところをどういうふうに認識をされているのか、そして認識をされた上でどういうふうに進めているのかというところをまずお聞かせください。
◎山田漁政課長 確かに、小規模漁協であってもしっかりとした事業を行っていけば、経営は可能だと思います。現在、小規模漁協が18漁協ございますけれども、ほとんどが厳しい経営状況にございます。委員がおっしゃるように、小さいところがそれなりの商品をブランド化したり、そういうものをつくってやっていけば可能性はあると思うんですけれども、現実的には、今申し上げましたように厳しいところが多いということでございますので、県としてはそういう小さいところに関しましても、系統団体、あるいは県も入りながら経営指導、あるいは助言等を行ってまいりますが、なかなかそういうことがうまくいかない漁協につきましては、やはり合併という方法もあるということで説明をしながら、安定的な漁協経営ができるように指導してまいりたいと考えております。
◆深堀委員 漁協の皆さんともいろいろ意見交換をされていると思うんですよね。漁連等とも多分意見交換をしていると思うんですけれども、率直なところ、漁協の方からはどんな意見が出ているんですか。
◎山田漁政課長 小規模漁協の説明会に行きますと、役員の方々は合併の必要性というのは理解をされるんですけれども、実際合併するとなると、漁協間の考え方の違いとか、感情の違いとか、そういったものがございまして、なかなかその辺が進まないということでございます。
◆深堀委員 ちょっと答えづらいこともあるかもしれないですが、漁業従事者の数が長崎県の産業統計で見ると、ここ10年でいけば減少率が一番高いわけですよ。農業よりも、3次産業よりも漁業が一番多いんです。水産県長崎の衰退が著しいと思っているんです。
 その中で、当然人口が減ってきて従事する人も減ってきているから、漁協に入っている人も減っていくのは当たり前です。その時に、小さいながらも小さい漁協の特色を活かして生き残っていくというやり方も選択肢としてあると思うんですよ。人が減ってきたから、じゃ合併しましょう、合併しましょうというのは、その流れにただ乗っかっているだけの話ですから。だから、そういう小さい漁協が生き残っていくようなサポートも皆さんの仕事の中にあると私は思うし、最初から合併ありきの話ではなくて、できればそういった意見交換もしながら今後もやっていっていただきたい、ぜひそこをお願いしたいと思います。
 最後に一点だけお尋ねします。長崎県として、小規模漁協を合併させることのメリット・デメリットというのがありますか。
◎山田漁政課長 県としてのメリット・デメリットと申しますと、いわゆる県の例えば予算にかかわることで申し上げますと、余りそういうことはございません。やはり漁協、組合員の方のメリット・デメリットになると思います。県としてのメリット・デメリットというよりは、長崎県の水産業全体、あるいは漁協、組合員の方々のメリット・デメリットになると思います。
◆深堀委員 私が、なぜそういう聞き方をしたかというと、結局合併させること、例えば市町村合併と一緒で、国が市町村合併を推進したのはスケールメリットじゃないけれども、いろいろ国の財政支出を少なくするとかという思惑もありましたね。そういうことがあるのかなと思ったりしたものだから聞いたんです。そういったことはないと認識してよろしいですか、それを答えてください。
◎山田漁政課長 県としての漁協の合併によるメリット・デメリットというのは、運営経費等の支援をしているわけではございませんので、そういう面では影響はないと考えております。
◆山口委員 おはようございます。
 私は今、2期目の県議会議員を務めさせてもらっていますが、この農水委員会は、1期目の一番最初の委員会で経験させていただきました。6年ぶりぐらいだと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。
 まず、通告をいたしておりました大村湾奥の環境改善ですが、水質改善については所管が環境部ということでありますので、ここはもう端折って、いわゆる底質改善の方をお尋ねいたします。
 ご承知のように大村湾は閉鎖性海域で、水の入れ替わりがないものですから、特に、湾奥が当然水質もまだまだよくない状況にあります。特に、湾奥はヘドロ化していまして、底質を改善しなければいけないということで、平成23年から平成24年にかけて、底質のpH改善を行おうということで、藻場を再生し、産卵場をきちっと確保して、西海橋を出たところの沿岸漁業に寄与している状況にあると思いますので、そのことも含めて底質改善を図らなければならない。特に、夏場は異臭もするような状況にあるのは水産部の皆さんも十分ご承知のことであります。
 平成23年から平成24年にかけて実施しまして、事業にも予算を付けていただきまして、平成24年度は全部で600万円、県が半分出してあとは大村市と諫早市で負担をして底質改善を図ってきたわけです。それを踏まえて、また平成25年度はその倍の予算で、今、具体化がなされているところであります。平成23・24年度に行った底質改善の結果といいますか、評価といいますか、そのことと、そして今やろうとされていることについて、スケジュールも含めて、いま一度確認をしておきたいと思います。よろしくお願いします。
◎五島資源管理課長 平成23年度から大村湾内で実施されております水酸化マグネシウムの散布事業につきましてのご質問でございますが、まず、このマグネシウムの散布につきましては、新生水産県ながさき総合支援事業で平成23年度から実施をいたしております。
 ただいま委員がおっしゃいましたように、平成23・24年度につきましては予算600万円の事業費ということで実施をいたしております。
 事業実施の方法といたしましては、大村湾内の津水地区におきまして、8つの調査区を設けて、それぞれの地区に2回、7月と10月頃に水酸化マグネシウムを散布して、その調査区の中におきましての底質の調査と全硫化物濃度とか、水素イオン濃度とか、全体で7項目ぐらいございますが、これらの底質調査を実施いたしております。
 その結果でございますが、平成23年度の調査では、特に各調査区と水酸化マグネシウムを散布していない対照区での差は見られておりませんでしたけれども、平成24年度の調査で、試験区の方のpHが弱アルカリ性を示したという結果が出ています。この底質のpHが弱アルカリになったということは、底質からの硫化水素の発生を抑制するという効果がございますので、そのことで貧酸素水塊とか、青潮の発生抑制に効果があるのではないかと考えられます。
 平成25年度につきましては、事業費を倍の1,200万円ということで実施する予定にしておりまして、この事業費が上がりますのは、散布量を平成23・24年度に比べまして増加させるということ、それから調査回数も増加させまして、従来2回の調査でございましたものを4回に増やします。そうすることで、底質調査を行います検体、資料の数もそれに伴って増加して、より細かな調査・分析ができるということになります。
 平成25年度のスケジュールにつきましては、水酸化マグネシウムの散布を5月に1回やっております。今後10月ぐらいにもう一回散布する予定です。底質調査につきましては、5月、8月、10月、1月の4回を予定しております。
◆山口委員 平成24年度は一定の成果が出たというふうには思いますが、ただ、散布の仕方を地元漁協があんまり習熟していなかったものですから、本当に効果的なところに散布しているのかどうかというのが問題点なんですね。ある一定いいところにまいても、海ですからそれ以上のものは出ないんですが、本当に効果が出るところと、そうでないところが大村の中にもあるんですが、そのことについて、地元も随分経験を積まれまして、水産部の方、あるいは学校関係者も経験を積まれて、より効果的な方法で、今、散布がなされていると思います。より期待をしているところです。
 先日、漁協の総会がございましたので、私も参加しましたが、その中で水酸化マグネシウムによる底質改善が効果を発揮しているかどうか、直接結び付けるのはどうかとは思いますが、結果としてはナマコがよく捕れたということで漁協の皆さんは非常に喜んでおられます。
 要するに、この水酸化マグネシウムによる底質改善というのは、病気で言えば外科的な手術ではないわけですね。ヘドロを取り去るとか、上から覆砂をするとか、あるいは底質を耕うんするものではない、一種の内科的な治療ですから、即効果があらわれにくいのかなと思います。しかし、それは硫化物の関係とか、あるいはpHの値を見れば、その処方せんが効いているのか、効いてないかというのは目に見えてわかっているわけです。
 今、県にこうやっていろいろとご苦労いただき、予算も付けていただきながら、大村市にも諫早市にも理解をいただいて、共同作戦的な形で費用も負担していただいてやっているんですが、大村湾の湾奥といえども結構広いんですよ。そういう意味では、所詮、県だけの力、市だけの力では、とてもじゃない状況になると思います、毎年毎年そこに予算を突っ込んでいくのはですね。
 そういう意味では、今回1,200万円の予算を投資していただきましたので、しっかりとした試験結果を出して、国に申し入れをして、国のプロジェクトでこの閉鎖性海域の改善というのをやっていただくようにしないと、そう簡単に予算的にももてないのではないかという気がします。費用対効果で完璧に効果が出るということであれば、それは当然のこととして積極的にやるべきものでありますけれども、環境的な改善という部分も含めますと、即それが漁獲高につながるというものには今すぐにはなり得ない部分もあるんだと思います。だとすると、大村湾の総合的な改善という意味からいけば、一定の予算をつぎ込んで、総合的な改善を試みる必要があると思います。
 そういう意味では、今回の平成25年度の水産部、あるいは環境部が主体となっていただいているこの底質改善作業をきちっとやってもらって、本当の意味の効果を上げて、そして国に物申して、国の予算で大村湾の環境改善につなげていく、あるいは水質改善、底質改善につなげていくということが必要であろうと思いますが、そのことについてもう少し大きな角度からのご答弁をいただければと思います。
◎五島資源管理課長 今後の取組の見通しについてということであろうかと思いますが、この水酸化マグネシウム散布の効果については、現在、環境部の方で調査し、評価しているところでございまして、委員がおっしゃいましたように平成24年度については底質のpHとか、底生生物の出現種数の回復にもやや回復傾向があるということで報告を受けているところでございます。
 今年度の調査結果を含めまして、全体的な評価・分析を行いまして、こういう水酸化マグネシウムの散布が最も有効な方法かどうかということにつきましても、専門家や関係者等の意見を聞いた上で、実施についての有効性をさらに検討してまいりたいと思っております。
 大村湾全体についての底質改善ということにつきましては、予算的にも非常に莫大なもので、県だけで実施するのは非常に難しいということは理解しております。今年度の政府施策要望におきましても、大村湾の水質、底質の改善も含めまして、いわゆる大村湾内の環境改善のための特別措置法の制定というものを国に対しても要望しております。大村湾の対応を国の方にもぜひやっていただきたいと思っておりますので、引き続きこういう要望活動の中で国に対しては申し上げていきたいと考えております。
◆山口委員 まさに、大村湾特別措置法の早期の実現というのを非常に期待するところです。そういう面では、細かく言えば先ほど申し上げましたように、適正なところに適正に散布する、時期的な問題も含めて研究するところがまだたくさんあるようですから、資源管理課としても、きちっと目を向けていただいて、いろんな意味でのご指導をお願いしたいと思っております。
 ある意味で関連する関係で、もう一つ、アナアオサの回収及び資源の活用ということで質問通告しています。
 この底質が傷むのは、大村湾が閉鎖性海域であると、流れ込みの関係もありますけれども、中でできたアナアオサ等々がそのまま枯れて、腐って沈殿して底質に悪い影響を与えているということで、このアナアオサを何とかしなければいけないということで、今、大村湾漁協等を中心にアナアオサの回収、そして回収したアナアオサを何とか活かせないかということでいろいろな手が打たれております。
 具体的には、このアナアオサを手で回収するのはとてもじゃないので、具体的に機械でアナアオサを回収して海水の浄化を図るということで、水産部長の方にも漁協から要望書が提出をされているところであります。そういう意味で具体的な平成25年度のアナアオサ回収に関する水産部のいわゆる予算化も含めた検討状況について、いま一度お聞きしておきたいと思います。
◎五島資源管理課長 アナアオサの回収の件でございますけれども、大村湾内でのアナアオサの回収につきましては、これまで国の交付金事業でございます環境生態系保全活動支援事業を平成21年度から活用いたしまして、湾内の6つの活動組織で回収・処分をいたしております。この国の交付金事業につきましては、国が2分の1、県と地元市が4分の1ずつということで支援をしているところでございます。
 この活動につきましては、平成24年度でこの環境生態系保全活動支援事業が終了いたしまして、平成25年度につきましては、これも前事業を引き継ぎまして国の交付金事業として水産多面的機能発揮対策事業というものが実施されることとなっておりますので、この事業を活用しまして平成25年度以降におきましても、同様に湾内の6活動組織がアナアオサの回収・処分を実施するということになっております。
 委員ご指摘のとおり、人力だけでこの回収作業をするのは非常に厳しいということで、この回収装置というものを試作しているメーカーがございまして、今年度からはその回収装置を使用した上で回収に当たると聞いております。
◆山口委員 要するに、アナアオサが大量に発生する、そのアナアオサを何とか除去しなければいけない。手でやるのは、一日に刈り取る量も限られているし、とてもじゃない。その刈り取ったアオサを廃棄処分するにもお金がかかるということで、もう少し総合的にこのアオサを刈り取って活かすという意味での方策につなげていかなければならないわけであります。このアナアオサを刈り取る装置を導入するにしても、低迷する漁業者の皆さんにとって、あるいは漁協にとってはかなりの負担になっているわけですが、ここにはある程度補助、助成をしてやらないと軌道に乗っていかないのではないかと思っております。
 それで、このアナアオサを活用するということになれば、今のところ、まずは肥料にするとか、あるいは鶏等々の家畜の飼料にする。そして、最終的にはふりかけ、アオノリ等々に代わるものとしての食料、ふりかけ等々に活用するということがもくろみとしてあるわけですが、そこに至るまでには、ある一定量のアナアオサを定期的に刈り取りをしないと商業ベースには乗せられないということもあるわけです。商業ベースに乗せる、乗せないは次の段階の話であるわけですが、まずは大村湾に生えているアナアオサを省力化して刈り取るということについては、水産部として漁獲高を高めるための一つの施策として必要なことだと思いますが、具体的な助成についてどのように考えているのか、お尋ねしておきたいと思います。
◎五島資源管理課長 助成につきましては先ほど申しましたが、今回、国の交付金事業を利用してアナアオサの回収をするということになります。この事業につきましては、大まかに言いますと、事業費の2分の1を国が負担し、残りの2分の1については県と地元市で負担するということになります。
 事業費につきましては、活動組織の活動の内容がそれぞれ異なっておりますので、一律に幾らという話はございませんけれども、例えば大村市の新城活動組織についてご相談を受けている点について申し上げますと、おおむね400万円程度の事業を実施するということでございまして、これに対しまして国、県、市でそれぞれ負担をして実施するということでございます。
◆山口委員 ということは、一定のめどはついているということですか。地元としても、そのことについては十分理解をされているということですか。
◎五島資源管理課長 これは各地区で平成21年度から実施して事業を継続している中身でございますので、それぞれの活動組織の中で、どの程度のものをやるというのは話がされているものでございます。
◆山口委員 大村湾のアナアオサについては、そういう助成を含めて、地元漁協の対応も含めて一定の方向性は出ているようですから、しっかりフォローしていただいて、最終的には肥料化、あるいは食料化まで結び付けられるようにしていければ、漁協も経済的に潤うという状況になりますので、よろしくお願いしておきたいと思います。
 それから、これは最近お聞きしたんですが、大村湾とは関係ないんですが、南島原市の中島(浩)委員はよくご存じなのかもしれませんが、「マリーナスポーツありえ」というのがあって、そこの海水浴場は、約8億円の予算を投じて海水浴場を開いたそうですが、アオサが非常に繁茂して、それが腐れてヘドロ化しているという状況です。そのことについて水産部としては承知されているのかどうか、そのことをお尋ねしておきたいと思います。
◎五島資源管理課長 南島原市の有家の海水浴場でございますか。申しわけございませんが、その話はまだ伺っておりません。
◆山口委員 このことについては、この関係の大学の先生からお聞きしたのですが、直接大学の方に、アオサがあんまり繁り過ぎて海水浴場として使い物にならないという状況でご相談があっているそうです。これもやっぱりある意味地域の活力をこのアオサが阻害をしているようなことで、何とかしないといけないというお話をされておりました。このことについても、県は、一度しっかり調査をしてもらったらどうかと思っておりますが、いかがでしょうか。
◎五島資源管理課長 ただいま初めてお聞きした件でございますので、中身について地元の方に確認をさせていただきたいと思います。
◆山口委員 よろしくお願いします。あまりこのことについて話しますと、時間が足りませんので、次に移ります。
 もう一つは重点目標の関係です。この話をしますと本当に長くなりますので、まず、水産部長も今度代わられたばかりだと思います。水産部としての平成25年度の重点目標もこうやって掲げられております。この中には、当然、平成24年度の目標の達成状況というのもありますが、新しく水産部長に就任されての重点目標になるわけです。ぶしつけで申しわけないんですが、水産部長としての思いを述べていただけないでしょうか。
◎下山水産部長 平成25年度の水産部の重点目標につきましては、どういう項目を挙げるかということを部内で検討いたしましたけれども、私といたしましては、やはり今大きな課題になっております県民所得の向上というか、漁業者の所得向上に向けた取組が具体的にどういうことができるのかという観点での項目を立てさせていただいたところでございます。
◆山口委員 そういうことで、ちょっと時間がありませんので、概略の話だけさせていただきますと、この重点目標というのは、大体水産部としては10項目を掲げられているようですね。実際平成24年度は、6項目が目標達成で、一部未達を含めた4つが達成してないという状況になっております。
 それぞれ個々に理由等もお聞きをしたいところでありますけれども、一つは収益性の高い安定した経営体づくりの関係では、いわゆる共済の加入率の関係で未達ということになっているんですが、この共済制度の普及啓発をやっていくというのが今後の課題として平成24年度は掲げられております。もう一つは、資源管理計画への漁業者の参加促進ということも未達になっています。
 時間の関係で、この2つだけ未達の要因と、今後どうやっていくのかということをお聞きしておきましょうか。
◎山田漁政課長 私からは、収益性の高い安定した経営体づくりにつきましてご説明をさせていただきます。
 これにつきましては、委員がおっしゃった漁業共済の加入率を58%という目標にしておりましたけれども、平成24年度が54.6%ということで目標を達成できませんでした。原因といたしましては、長引く魚価の低迷とか燃油高騰、こういったコスト高のために、例えばエンジンを替えたいとか、新船を購入したいという新たな取組に対しまして、漁業共済への加入も含めて、なかなか共済に入る余力がないということが原因だと伺っております。
 このため、県といたしましても、漁業者の所得を補償するという観点から、共済の加入は重要なことであると考えておりますので、現在、国が推進しております資源管理・収入安定対策の、例えば国庫補助が多くなるとか、あるいは新たな国の負担ができるような制度がございますので、こういった制度のよさをPRしながら、加入促進に今後とも引き続き取り組みたいと考えております。
◎五島資源管理課長 資源管理計画への漁業者の参加数の目標でございますが、平成24年度までの参加経営体数が1,549経営体で、目標の2,000経営体に対しまして、達成率77%ということで未達成となっております。
 この原因といたしましては、資源管理計画の作成に当たりまして、休漁日の設定、漁具の制限、そういう資源管理措置の決定をする時に、地域の中で意見がなかなかまとまらないとか、合意に至らない場合とか、それから資源管理措置のための漁具の改良等もしなければいけないという場合にはその経費が不足していると。それから、資源管理計画を立てて、それを実施していくということになりますと、今後管理措置の履行確認とか、そういうものも実施していくということになります。こういう履行確認に手間がかかるという理由も一部ございまして、計画に参加しないという漁業者の方もいらっしゃいました。こういうことで参加者の数が目標に達しなかったのではないかと分析をいたしております。
 今後、目標達成に当たりまして、ただいま、漁政課長からも説明申し上げましたが、資源管理・漁業経営安定対策、こういうもののメリットというものを十分普及啓発しながら、県の補助事業もございますので、そういうもので支援を行いながら、管理計画への参加指導をしていきたいと考えております。
◆山口委員 最後に、もう一つの未達が漁船の海難事故の関係です。その取組でちょっと驚いたのが、データとしてライフジャケットの着用率が50%しかないということですね。海難における死亡事故も6件発生しているというご報告があっている中で、ライフジャケットというのは私たちが車を運転する時のシートベルトと同じものではないのか。あるいは、高所作業における命綱に匹敵するようなものだろうという認識なんですが、果たしてその50%をどう評価されているのか、そして、どう指導しようとされているのか、そこを最後にお聞かせいただけますか。これは、命を守るためにもちゃんとやらないといけないのではないかなと思います。要は事故を起こさないのが一番いいわけですが、事故は起こるわけですから、起きた時の生命を守る一番のものはこのライフジャケットだろうと思うんです。いかがでしょうか。
◎五島資源管理課長 このライフジャケットの着用につきましては、委員ご指摘のとおり、漁業者の命を守る非常に重要なものでございまして、県といたしましても、この着用の推進については重点として取り組んでいきたいと考えております。しかし、実際問題、その着用率がなかなか進まないという状況がございます。
 なぜ漁業者が着用しないのかということでアンケート調査をしまして、いろんな意見を聞いた中で、まず作業の邪魔になるというのが1点ございます。それから、自分は大丈夫だと、こういう認識がまだ漁業者の方には多数ございまして、こういうことで着用率が向上しなかったと考えております。
 県としましても、ライフジャケットの着用推進のために、海上保安部や運輸支局、そういうところとも連携しながら、海難防止講習会の開催とか、県の補助事業で水難訓練の際の費用の支援とか、そういうこともやって普及啓発に努めているところでございます。それに加えまして、従来から行っている本人だけの講習というより、むしろ家族の皆さん、奥さん方からの着用の重要性というものをしないといけないと。そういうものも含めて、県内で三十数回の講習会を開いた中で啓発活動をしているところです。これにつきましては、啓発を行って意識を向上させるということが非常に重要でございますので、その辺に力を入れていきたいと考えております。
◆山口委員 もう時間がございませんので、あるか、ないかだけで結構です。このライフジャケットの着用について、いわゆるシートベルトは運転免許の点数が引かれますよね、そういう罰則制度というのはどうなっているのか、あるのか、ないのか。
◎五島資源管理課長 ライフジャケットの着用につきましては、一人乗りの漁船の場合に、いわゆる甲板上で作業をする時には着用義務があるんですが、実際法律上は、例えばブリッジの中にいる時や2人で作業をしている時とか、そういう場合は着用義務はないということになっております。例えば一人乗りで、外で作業中に着けていなかったからといって罰則というものはありません。
◆山口委員 いつも漁業者の皆さんが安全に安心して作業ができる環境をつくってやることも皆さんの仕事だと思いますのでよろしくお願いします。終わります。
◆中島[浩]委員 漁協についての取組ということで、先日から小規模漁協の合併についてはご説明をいただいているところですが、やはり県の働きかけとして、組合長の皆さんの統制も必要なんですが、どういうメリットが生ずるのかというのを詳細にお伝えした上で進めていくべきではないかと思っております。
 と申しますのも、小規模ですと、どうしても旧態依然とした事務員しかおりません。ということは、非常に事務能力に長けた人がいないものですから、行政とのかかわりも薄くなるし、なおかつ指導的な人材がいない。組織的に考えますと、組合というのは組合員から組合長を選び、理事の方がいらっしゃるわけです。悪いですけれども、本職の事務系統の能力に長けた人がいらっしゃらないはずですから、それを補う意味での事務員を採用した上で、なおかつ組合に対して指導的な立場の人材を置かなければならないと考えております。
 そうなってくると、やはり統合して大規模にしていかなければ、そういう人材も育たないと思っておりますので、その辺をどうお考えか、お尋ねいたします。
◎山田漁政課長 漁協の経営につきましては、委員おっしゃるとおり、小規模になりますと、職員数が少なくなって、いわゆる経済事業等を含めて展開が難しくなるということになりますので、そこはやはり漁協としての生産能力を上げたり、サービス向上のためには職員の方々の質の向上というのが必要であると考えております。
◆中島[浩]委員 具体的に目標を掲げておられますね、平成27年度末には50漁協と目標を掲げられているところですけれども、具体的な取組はどういった内容でしょうか。
◎山田漁政課長 今年度につきましては、まずは漁協の合併を推進するために、一つは具体的に合併を進めていくところに対しまして、その合併の取組に向けた協議、あるいは研修等に係る経費の支援を行うようにしておりますし、また県漁連、あるいは信漁連、こういった系統団体が漁協を指導する場合の経費、こういったことにも支援をするようにしております。
 そのほか、合併とはならなくても、まずは漁協同士が事業を共同でやっていく、こういったことに対しまして、地元の市町が一緒になって事業共同化を図っていく場合の検討会、あるいは具体的に事業を行う場合の経費の一部支援、こういったことを通しまして、まずは事業、例えば共同化から始まって将来的には合併していく、こういったことへの取組を支援してまいりたいと考えております。
◆中島[浩]委員 組合の方は、後継者が育たないということで非常に危機感を持っておられます。極力そういった支援制度をうまい具合に設けていただいて、組合全体として盛り上がっていくと。あくまでも組合長サイドの協議の場じゃなくて、組合員の皆さんに周知徹底していただいて、組合員相互に組合としての統合を進めるというやり方をしてもらわないと、今のままでいくと、組合長同士の話の中では、県も介入して進めておられるみたいですが、どうしても市町村合併と一緒で頭同士の駆け引きの中でなかなか進まないというのが現状と思います。ですから、全体的に、合併するとこうなるんですよという認識を高めておかなければ、なかなかこのことは進まないと思いますので、組合員に対しての周知徹底も併せて実施していただきたいと思います。
 次に、集魚灯のLEDの活用についてですけども、これも一昨年、私も一般質問をさせていただいたんです。なぜかと申しますと、イカ釣り漁船団から強い要望がございました。これは燃料が高騰する以前の話です。どうしてもこのままでは採算があわないと。どうしたらいいかということで、県の方からこういったLEDの集魚灯に対しての支援制度を考えているから、ぜひ期待しているということで挙げさせていただいておりました。
 その当時、大体年内にはある程度の技術的な面での結果が出て、こういった採算面に対してのお伝えができるんじゃないかという答弁をいただいておりましたけれども、あれから2年経ちまして、なおかつ、前回の一般質問の構造改革も全然その辺が進展していないという状況でしたので、今後、技術的な面等に対して、どういった形での取組を考えておられるのか、お伺いいたします。
◎柳村水産振興課長 このイカ釣りのLED集魚灯につきましては、かつて平成16年から平成19年にかけて、燃油高騰が一回とんでもなく上がった時期がございます。それに併せまして、長崎県の方でも平成18年度から平成22年度までの間で、漁船漁業構造改革推進事業というのを立ち上げまして、この中でいろんな省エネに係る部分とか、先進的な技術、こういうものを本県の漁業に導入できないかということでいろいろと検討を重ねてまいりました。ここに実証実験等も含めて補助事業で流したとか、総合水試、工業技術センター、国の方でやっていただいたという事例もございます。
 この中で、イカ釣りに関するLEDの集魚灯に関しましては、どうしてもLEDだけの使用では漁獲がなかなか上がらないという結論をつけております。この中で、使い方という意味で従来の放電灯、メタルハライド灯といいますけれども、これとの併用の中で同程度の漁獲ができるのではないか。その場合の省エネ効果は、操業中に集魚灯をつけている場合に4%から26%の省エネ効果があるという結論をつけております。
 国の方でも、こういうLEDが出てきた時に、国の方にも水研センターという研究所がありますが、こういう中でいろいろやっていただいたり、東京海洋大学にLEDに詳しい先生がいらっしゃいます。こういう方の中でやってはいただいておりますが、現状でもイカ釣りに関するLEDの使用方法、集魚が非常に難しいという状況にございます。
 そもそも論で申しますと、イカ釣り集魚灯というのは、もともと白熱灯という電球ですね、フィラメントをたいてやる白熱灯、自動車ではよくハロゲン灯といいますが、ハロゲン灯にかわって、今はメタルハライド灯という放電灯、こういう蛍光灯と一緒の原理なんですが、こういうものにかわっています。これが、発展過程は非常に漁獲がいいということで、漁業者が自主的にハロゲン灯にかえて、放電灯にかわっていったという状況がございます。
 LEDが出た時に、我々もそのようになるのではないかと一瞬期待したのですが、今申しましたようにLED単体ではなかなか漁獲が上がらない。これを従来のメタルハライド灯と組み合わせながら、何とか現状と変わらないような漁獲をされている方がいらっしゃる。こういう使い方が非常に難しいということがあって、なかなか普及しないところがございます。
 今後ですが、実はお魚には非常にいいんですね。東北のサンマの棒受網、本県にも島原の方で東北まで行かれる方が一人いますけれども、この方が先進的にサンマに関するLEDを付けております。現状でいえば、東北のサンマの漁業は、ほぼLEDに置き換わったという状況がございます。イカ釣りのLEDでも、もしかすると今後技術的に出るかもしれません。ただ、現状で申せば、国の方もLEDそのものを技術開発するという研究は進めておりません。どう使うかという研究をされております。もっぱら、メーカーがいろんな高輝度のLED、もしくはイカ釣りにいいんじゃないかと言われるものを技術開発されていますので、こういうメーカーの情報、国の使い方の試験、こういう全国情報の把握とともに、現在、長崎県のイカ釣りの中で14隻がLEDを使用されていますので、こういう実際に使っている漁業者からの情報、こういうものを把握しながら、ほかの漁業者の方にこういう使い方があるよ、もしくはこういうLEDが出ているよという情報の伝え方、技術指導、こういうものをやっていきたいと考えております。
◆中島[浩]委員 先般、全国的にもストライキではないですが、ああいった状況があったということは、なかなか現状としては改善されていないと思います。そして、LEDを取り入れるにしても、初期投資も結構かかりますし、光源体の問題で従来の蛍光から比べると、どうしても集まりが悪いということは、多分イカの習性上そういったものだと思いますので、併用ぐらいにしておかないと、なかなか難しいということだと思います。
 技術的な開発が進んでいって、その生態に対しての取り扱いがうまくいけばいいんでしょうけれども、なかなかそういった急速な進歩はないと思います。
 そうなった時に、現時点でどういった形が一番省エネ効果があるのかというと、他県の状況もあるでしょうけれども、集約した形で皆さんにお知らせしないと、このままではどっちつかずの状況だと思うんです。ですから、ある程度統一したやり方というのを、ぜひ今後取り組んでいただいて、幾らでもいいですから、省エネができて皆さんがうまく活用できるような形をとっていただきたいと思います。
 以上で終わります。
◆織田委員 通告をしておりましたのでお尋ねさせていただきます。
 担い手対策のことですが、私も水産関係はずぶの素人なので、深く掘り下げてできる話はできないんですが、断片的にいろんな方々からお話を聞かせていただくことが結構多いんです、水産県長崎だから。皆さんの一番共通しているのは、この担い手がどうなるのだろうかと、あと10年したらどうなるだろうかという声がどこへ行っても聞かれますし、どの関係者からも言われる話です。
 長崎県も今年、国に対して要望を上げました。今まで農業であれば、今度の制度で5年間きちっと自立できるまで手だてをとりましょうと。青年の就農者に給付がこうやってできるようになりました。それに比べて漁業は、目いっぱいで3年なんだと。そういう点では、農業のように5年間の給付のあり方というのをぜひ検討してほしいと、こういう要請を今回上げましたね。まず、国のこのことに関する感触はどんなものですか。
◎柳村水産振興課長 今回、政府施策要望に随行された方々の話を聞いた中で、担い手に関しても少し回答はいただいたようでございます。その中で、感触として申し上げれば、厳しいという形でございます。
 農業と漁業の経営の違いというのを一つ指摘されましたというのがございました。農業は1年間で1回収穫ですね。収穫する時は1年の間で1カ月ぐらい、あとの11カ月は作物を育てるという意味で生活費をずっと支援していかないとなかなか厳しいのではないかというのがあるんですが、漁業は毎日出れば、それなりに日銭が入ってくるという部分があるだろうというような、これは担当課長の恐らく感触でもあるんだろうと思うんですけれども、そういうところを含めてちょっと厳しいという感触は受けております。
◆織田委員 国は、その程度の認識なんですね。それは実情を知らなさすぎるのじゃないでしょうか。要するに漁業をする人がいなくなったら、それこそ捕ることだってできなくなってしまうわけだから、そういう点では、今、地道にそういう人を育てていくというのは、農業が1年に1回収穫できるということではなくて、継承していくということを考えていった時には、やはり違いがありますね。今回の要望は、長崎県だけで要望したものですか、どうですか。
◎柳村水産振興課長 前回の勉強会の時以降、九州各県を調べさせていただきましたが、各県が自分のところの政府施策要望の中に、少なくとも「後継者」と入れているのは本県と福岡県だけです。ほかの県は、後継者そのものの要望もされていないということですので、それこそ全国を見渡してもほぼないのではないか、少ないのではないかと感じております。
◆織田委員 長崎県は切実な問題だと思うんですね。沿岸にしろ、まき網にしろ、これからやっていく人が生計を立ててやっていくには、かなり厳しい状況だろうと思います。もう年とっていらっしゃるので、ますますそれが厳しくなっていく。そうなると、これは緊急事態だと思うんですね。
 長崎県が水産県として永遠に成り立っていくためには、継承できる後継者がずっといるという仕組みをつくらないといけないと思います。長崎県が、こういう制度を5年間にしたとした場合にどれくらいかかるのですか。
◎柳村水産振興課長 申しわけありません、質問の趣旨がちょっと飲み込めない部分がございますので、国のような補助制度が、もし5年間導入されればということですね。
 例えば、うちの方で、今、生活支援を30人に行っております。これは2年間限りでありますので、単年でいえば、一人当たり180万円から、一番少ない人で120万円ぐらいの範囲でかかります。ということは、大体30人をカバーしようと思えば4,000万円から5,000万円のお金が要るということになります。
 これを国の方でカバーできるとすれば、長崎県の方にどれだけお金を持ってこれるかというのが出てきますけれども、例えば今の30人を2倍とか3倍とかに伸ばせる余地は出てくるのだろうと考えております。
◆織田委員 30人で4,000〜5,000万円ですか。単独でやるぐらいの覚悟は、長崎県はそういう危機意識はあんまりないのですか。私は先ほど言いましたように水産のことについては素人なんだけど、例えば、全国で水産を引っ張っているというのは北海道と長崎県ですよね。北海道はこういう意識はないんですか。
◎柳村水産振興課長 北海道は、またいろんな施策がありますけれども、少し違うのは、いわゆる漁業学校を独自で持っていらっしゃいます。全国の中でも、記憶はちょっとあいまいなんですが、4道県が漁業学校という制度を持っていらっしゃいます。こういう中で子弟を育てていくということをやっていらっしゃる。本県のような生活費支援を行うというのは、北海道はしておりません。
◆織田委員 私は、漁業学校というのはどういう仕組みでやっているかわかりませんが、北海道はそういうやり方で後継者を育てて、それなりに後継者が育ってきているんでしょうね。長崎県と比べて、その後継者の状況というのが好転というか、いい状況にあるのか、その辺を比べたことがありますか。
◎柳村水産振興課長 まず、全国のお話ですけれども、全国的に漁業者が増えたという県はございません。北海道も、減少率は長崎県ほどではありませんけれども、20年前に比べると落ちております。
 本県の20年間の特殊事情を一つ申しますと、諫干で人がやめたというのがまずあります。それから、大中型まき網の減船が大きかったという部分があります。それから、長崎市で非常に盛んであった以西底引き網、この経営体数が非常に減った。こういう大規模漁業がこの20年間に随分廃業されたということがございますので、昭和63年と平成20年、この20年間を比べると、漁業就業者が半分になったと、3万5,000人が1万7,000人に落ちているという状況です。
 ただ、直近5年間で見ていくと、その減少率のカーブが非常に緩やかになってまいりました。この5年間に限れば、そういう大型漁業の廃業というのがございませんので、いわゆる全国並みの減り方に、逆に一緒になっているという形になっています、この5年間に限ればですね。
◆織田委員 北海道の例を出して言ったんですけれども、北海道に行った時に沿岸漁業の人も沿岸漁業のシーズンに応じて漁をしながら、工夫してこういう漁獲のやり方で収入を上げられるんですよと、沿岸漁業で十分食べている若い人たちがいらっしゃいました。こんな手だてが長崎県でとれればいいなとか、地域とか魚種の違いもあるでしょうけれども、長崎県が大型のまき網で漁獲を上げてきたのは事実なんでしょうけれども、さりとて、一応底を抜け出してきて今の状態にあると。
 それである程度のところ、逆にもう底を打ってきているんだと思うんです。底を打ってきたそこが、今度高齢者というところで今からぐっと減っていくわけです。それは、もうあと10年したらぐっと減るわけです。ここの意識をどう皆さんがとらえてどうするかということは、要するに政策誘導して、この部分の隙間を救っていかなければいけないという大きな問題点がある。これは、土地の違いこそあれ、北海道と長崎県というのは、先ほど言ったように全国の二大水産県ですよ。国を動かすために長崎で考えたことを北海道と話し合うとか、連携をとるという点では長崎県だけの世界でやるんじゃなくて、水産ということから考えた時に、一番強いところと2番目のところがタッグを組めば、国は動かざる得ないでしょう。そういう点では、北海道とそういう政策的なもののすり合わせとか、各地域の関係者を動かしていくとか、そういうダイナミックさが、長崎県の水産というのは国を引っ張るという意味でもあると思うんですよ。部長、私はそういう面でそうした視線がもっとあっていいのかなと思います。中身はよくわからない中で言っているんですが、いかがですか。
◎田添水産部次長 年数は忘れましたけれども、7〜8年か、もう少し前だと思うんですが、実は三位一体改革で税源移譲がありました。あの時に、北海道と長崎県、委員がおっしゃるように、北の北海道と南の長崎県ということで、いろんな水産政策を考えないといけないだろうと、県と道独自でですね。そういった中で北海道と長崎県は2〜3年間ほど交流をしたことがあります、意見交換をしたこともあります。一定効果はあったと思いますが、いかんせん離れているものですから、それは継続しておりませんけれども、今、織田委員がおっしゃったことは非常に重要だと思いますので、今後そういったことを含めて検討してまいりたいと思います。
◆織田委員 担い手という点では共通だと思います。この点に絞ってもいいと思うんですよ。地域の違いがあるとはいえ、担い手不足というのは共通している問題のはずです。そこをやっぱりお互いに工夫して政府を動かすという点では、長崎県と北海道がタッグを組めば、国は動かざる得ないですよ。私はそう思いますよ。そういう点で、担い手対策をしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 それから海外戦略です。この前、友田委員からもお話があっていました、これもびっくりしましたね、ドバイには行ったことはないけれども、ドバイに長崎の魚を輸出しているという話とか、結構輸出の金額も量も増えてきているんですよね。さすが長崎県ですよね。ただ、もっと広げていくためには、幾つか課題と問題があると思うんです。それはどういうふうに整理されていますか。
◎増本水産加工・流通室長 輸出に際しまして、一番の課題といいますか、取組の柱といたしましては、貿易相手国の輸入業者との関連でございます。幾ら生産者の方で、加工業者の方で輸出したい品物がございましても、対相手の国の中の輸入する側の受け手の方の企業がちゃんとした企業じゃないと、まずできません。それと輸出する側の輸出の企業も同じでございます。
 それと、国によりましては、宗教上の問題等もございまして、輸出品等が限られている状況もございますし、まず、今、長崎県の中では中国をメインに東南アジア等も進めておりますが、まだ海外、中東を含めましてアメリカ、南アメリカ、ブラジルの方も考えておりますが、その国々へ輸出する方法、またはどのルートでそこに出していくか、その辺がまずわかりません。
 そこで、昨年も調査事業ということで、まず中東の方に輸出をするためには、中東のへそといいますか、一番の輸入の拠点になりますドバイの方に調査に参りまして、そこで商談がございましたので、そこに長崎県の品物を持っていきまして、現地にも日本人の料理店もございますし、そこに買い付けに来る中東、アラブ諸国の国々もありますので、そこでの評価をいただきまして、何が売れるのか、また、今後、どんな方法で売っていけばいいのか、そういった調査を行っております。
 ですから、中東を例示でお話したんですが、今後はアメリカ、それとブラジル、そちらの方にも長崎県人会等ございますし、日本の加工品が売れている状況にございますので、まず調査を行いまして、その情報をもとに、協議会の中で具体的な方法を検討いたしまして、それから輸出していこうというふうに考えております。
◆織田委員 非常に明るい見通しというか、海外では日本食ブームですからね。きっと日本食のすばらしさというのは知りつつあるところでしょうから、もっともっとこれは広がっていくでしょうし、日本もクールジャパンというんですか、日本の誇りとするものをどんどん海外に売っていこう、その一つが日本食です。それに対して何百億円か政府もお金をつけてくれています。そういう面で当然ながら拡大していく要素、いろんなツールをつくってきていると思います。ジェトロというんですか、あそこの活躍は、はまり込んでいただいているんですか。
◎増本水産加工・流通室長 ジェトロにつきましては、昨年、中東のドバイに行く時にも戦略面でご相談に上がりまして、中東、ドバイの方でそういった商談会があるから、中東の方でやる場合にはそこに行ったらどうですかというお話も受けましたし、あと東南アジア諸国のデータ等につきましても入手をさせていただいております。ですから、今、緊密に向こうの事務所に行って情報も交換しておりますし、今年の8月27日にジェトロ開催の商談会がございます。それは東京のシーフードショーの帰りに海外の輸入業者、インポーターの方が参りまして、長崎の製品をぜひ見たいということで開かれますので、それにはジェトロ主催でございますが、長崎県と一緒になって商品の選定、または業者の選定といいますか、どこを推薦するとか、そういった面も一緒になって、今、協議して行っているところでございます。
◆織田委員 うれしい話ですね。ぜひそういう貿易等がありますから、長崎にうまく入り込んでもらって、一体でやってもらうといいですよね。この前、官民で取り組んでいきますと、組織も充実させていきたいと、協議会がありますよということでしたが、もっと機構的にもって、そういったジェトロにも入っていただいて、あるいは商工会議所なんかも入っていただいて、商社が入ってくるとか、何かもう少し大がかりなものにして現地のマーケティングとか、今おっしゃったようにいろんなものが入ってくる仕組みをつくって、もっと貿易ができるような、輸出ができるような体制をつくっていく必要はないんでしょうか。
◎増本水産加工・流通室長 今の段階では、まだジェトロ、また貿易協会ですか、そちらの方から情報をいただくとか、観光の方とは随時情報交換をやっているんですが、それも含めて今後、検討させてもらいたいと思います。
◆織田委員 一つの思いつきですけれども、そんなこともできると、もっとがっといくかなと思いますので、日本食ブームはもう今盛り上がって、世界中が、ある意味言えば日本の食文化、日本食ブームを無形文化財にと、それこそ世界遺産にしようという動きが今あっております。ひょっとしたら無形文化財として、それも可能なところにあるかもしれません。それは三大食文化以外に、日本というのはものすごく今世界中に認知されてきています。そういう面での魚の役割というのは、地域によって違うでしょうけれども、きっとどこかに突破口があるはずだと思いますので、もうちょっと大きなマーケティングプロモーションができるような仕組みをつくって、輸出の体制ができるようにしていった方がいいんじゃないかという気がいたしますので、ぜひ積み上げていただいて、本物にしていただきたいと思っております。部長、お話しいただけますか。
◎下山水産部長 今、織田委員からご指摘がございました。我々といたしましても、輸出というのは今後の水産行政の中でますます大きなウェートを占めていくものと思っておりますので、積極的な展開をしていきたいと思っております。それにつきましては、やはり民間の方々のご協力も当然必要になってまいります。
 また、外国に売れる商品をつくっていただくためには、やはり地元の皆様が研究をしていただいて、どういうものが売れるのかということを検討していただくことも必要になってまいりますので、これにつきましては今後、いろんな機会を通して、できれば民間の方々の意見も聞きながら進めていきたいと思っております。
◆織田委員 魚も野菜もそうですけれども、価格安定がなかなか難しいので、政府に対しては逆に安定するためのいろんな補償制度をつくってもらうようにして、どんどん輸出ができるような、そういう体制をこれから国を挙げて、また長崎県を挙げて取り組む必要があると思っておりますので、よろしくお願いしておきます。
 それから、がんばランドの整理がついたのであれば報告してください。ついてなければ、今、調整中ということで結構です。
◎田添水産部次長 先日の委員会でもご質問がありましたが、協議会から6月30日までに県の考え方を提示というか、回答してほしいということで、実はぎりぎりですが、昨日協議をいたしました。その結果、まだ継続して協議していこうということになって、まだ決着はいたしておりません。我々としましては今後も真摯に協議してまいりたいと考えております。
◆織田委員 わかりました。まだ微妙な段階でしょうから、発表する内容は、山田(博)副委員長の方から質問されるかもしれませんが、私からはこれで終わります。
 次に、資源管理型漁業ということで、もう一点挙げております。これも各立場で全然違う意見がありますね。沿岸の人、小型まき網の人、中型・大型まき網の人、本当にそれぞれ意見があって、長崎県で計画を立ててこうやって進めて資源管理をやっていこうとなっているんですね。先ほど山口委員からもお話がありましたが、各関係者が自主的に資源を守りながらやっていくという視点で、ぜひ積極的に進めなければならないことだと思っています。
 ところで、この資源管理をやっていくために、先ほどLEDの話もありましたけれども、できるだけ明るい方が魚は集まりますよね、当然ながら。魚によっても違うでしょうけれども、基本的には明るい方がよく集まると思います。しかし、その明るい集魚灯をずっとやり続けると違反になるのですか、その辺をまず教えてもらえませんか。
◎五島資源管理課長 大体光力を使って集魚して漁獲するという漁業種類につきましては、光力の規制というものがあり、制限されております。
◆織田委員 長崎県は、それを特別に厳しくしているんですか。要するにそのライトの照度が決められる根拠というのはどういう形で決められているんですか。
◎五島資源管理課長 今、光力規制をする主な漁業としては、イカ釣り漁業とまき網漁業がございますが、イカ釣り漁業につきましては、12マイル内と外でそれぞれ光力規制が変わっておりまして、12マイル内につきましては、例えば県北海区、県南海区でも光力の差がございます。基本的には漁業調整規則で12マイル内は60キロワット以内、12マイル外は180キロワットまでとなっておりますが、12マイル内については、さらにそれぞれの海域で光力が違っているという実態がございます。それはなぜかといいますと、その海域で操業する皆さん方が話し合いをして、ほかの一本釣り漁業とかございますので、そういう話し合いのもとでみんなが合意していると、みんなで決めたということでございます。
 12マイル外の180キロワットにつきましては、12マイル外といいますのは、本県だけのイカ釣り船ではなくて、他県からも入ってきます。他県の19トン型等のイカ釣り船も来ますので、そういう船に対しても本県の12マイル外は180キロワットですよということで制限をすることになります。これは、各県それぞれこういうのをつくるわけですけれども、特段、長崎県が非常に厳しいということではないんですけれども、長崎県よりも甘い県もございます。
 次に、まき網漁業ですが、まき網は操業海域が県南、県北、五島、対馬というふうに決まっております。それと、調整規則の中で10キロという上限を定めておりますが、これを告示によりまして一応6キロにまで落としております。この告示を定めた経緯につきましても、まき網漁業、それからその他の漁業、そういうものとの話し合いの中で合意した上限でございます。さらに、これが例えば伊万里湾や大村湾、橘湾でさらに細かく制限をされていくと。
 この沖合いの漁業というのは、いずれも入り会い操業というのが原則ですので、そこで入り会う方々の話し合いによってみんなで決めるというのが原則でございます。そういう意味で、みんなで決めるという漁業調整を行ってそれぞれの光力が決定されているのが実態でございます。
◆織田委員 小さいところと大きいところでいえば、小さいところの話も聞きますし、大きいところの話も聞きます。真ん中のところの話も聞きます。そうすると、それぞれご不満があるわけですね。当然自分の生計にかかわることだし、漁獲にかかわることだから。ただ、一番弱い人たちの声がなかなか届かないということは、お互いに調整することだから、お互いの話し合いの場なんだろうけれども、声として非常に届きにくい声があるのかもしれませんね。まだ私も全体を自分でまとめられる話になっていないんですけれども、この辺は今年1年かけてしっかり取り組んでみたいと思っています。
 以上です。
◆山田[博]副委員長 私も他の委員と一緒に通告をしていたんですが、このTPPの漁業補助金に関する本県水産業への影響については、集中審査がこの後控えておりますので、その時に集中して質問をさせていただきたいと思います。集中審査は、委員長と協議して11時半前後から昼までかけてやりたいと思っています。私は、ほかに質問項目をたくさん挙げておりますけれども、端折って質問させていただきたいと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。
 まず、最初に、先ほど織田委員から質問がありました、がんばランドの取組状況についてです。先ほど次長からお話がありましたけれども、今、協議をしていると。協議というのは、どうなんですか、前向きに、お互いにそういうふうにやっていこうとしているのか、していないのか、それだけまずお答えいただけますか。
◎田添水産部次長 私どもとしましては、協議会からの要望を踏まえながら、前向きといいますか、そういう形でやっているということでございます。
◆山田[博]副委員長 私が心配しているのは、県側が前向きでも、先方がどういうふうに受け止めているか。それはつつがなく、お互いに前向きにやってもらわないと困るわけだから、それを一番心配しているわけですよ。そういった方向になっているか、なっていないか、それだけお答えください。
◎田添水産部次長 運営協議会側も要望を出してきているところですけれども、協議会側の考えというのが、県では十分把握できないところもあるんですけれども、双方協議を続けていこうということになっております。それで協議を続けていきたいと思っております。
◆山田[博]副委員長 要するに、前向きにお互いにやろうということになっていると理解していいんですね。それだけお答えください。
◎田添水産部次長 先ほども言いましたが、我々としては、向こうの要望を踏まえて協議しているんですけれども、向こう側もそのような考えでいるとは思うんですが、お互いにとにかく協議を続けていくということでございます。
◆山田[博]副委員長 それでは、漁港漁場課長にお尋ねいたします。
 長崎県漁場整備開発協会の陳情に対する県の取組についてお尋ねいたします。
 平成24年度に3回ほど要望をいただいているみたいですが、あなたたちは基本的にこういった協会や団体から、県当局が要望を受けるのは大いに結構です。どんどん受けるべきだと思うんですね、拒否する理由もないでしょうから。
 私が一つだけお話をしておきたいのは、この中に魚礁の採用ということで、魚礁の型枠4メートル角型、2メートル角型の魚礁の乱積みの採用とありますけれども、私もいろいろ調査しましたら、この型枠を特定の会社が持っていると。この特定の会社が持っているとなれば、受注の時に有利な方向に働くのではないかといったことを一番危惧するわけですね。そういったところは一番注意しないといけない点であって、さすがの漁港漁場課長もそこまでは多分わからなかったと思うんですね。お聞きしたら、漁港漁場課長も知らなかったですものね。そういった状況になっているのを知らなかったと。そういったことは、今後、陳情を受ける際には十分注意しながら、細心の注意をしながら対応していただきたいということを私は意見として述べさせていただきたいと思うんですが、それについて見解があれば聞かせてください。
◎壱岐漁港漁場課長 まず、魚礁の選定に当たりましては、専門家、学識経験者、県関係で構成される魚礁検討協議会で、地形、水深、漁法、魚種等、それと地元がどういうふうな漁をしているかということを踏まえながら検討しております。
 その後、部長が委員長である魚礁選定委員会で決定しておりまして、具体的にどういうふうに発注をしていくかということでお話をしております。
 漁場開発協会からの要望についても、年に2回ほどありまして、特定の要望だけでなくて、漁場をどうしていくとか、今後発注形態をどうしていくとか、さまざまな部分の要望を受けながら実施しているところでございます。
◆山田[博]副委員長 漁港漁場課長は、私の質問に答えてない。私の質問はそうじゃないんです。その型枠に関して、協会の陳情を受けるのは大いに結構なんです。私もこの陳情の中身を一々全部、調査とかいただきましたけれども、そこの中で特に私が目について調査をさせてもらったのは、この魚礁だったんです。特定の会社が魚礁の型枠のライセンスを持っているとなれば、受注に便宜が図られると。そうなると誤解を招くおそれがあるから、細心の注意を払っていただきたいと。恐らく壱岐課長はそれを知らなかっただろうと。まさか、知っていてこれをやっていたとなったら、これまた大問題ですよ。多分知らなかったと思いますから、今後は注意をしながらやっていただきたいと思います。知っていてやったのならこれは大問題ですからね。私が聞いたら、壱岐課長は全然知らなかったですものね。本当はこの開発協会の会長が、そのリストを渡してしなければいけないわけですよ。本来であれば、この開発協会の会長がそういったことをしながら、バックボーンにそういったものがありながら県当局に陳情するとは言語道断ですよ。これは大問題ですよ、本当であれば。しかし、壱岐課長はそういったことを知らなかった中でやっていたということですから、私は壱岐課長を責めるよりも、この開発協会の会長、誰とは言いませんが、それで私はいかがなものかと思ったんです。部長も知らなかったと思いますよ、私も初めて知ったぐらいだから。そういうことは注意してやっていただきたい、それだけです。見解をもう一度聞かせていただきたいと思います。
◎壱岐漁港漁場課長 協会等の要望については、真摯に受け止めながらやっていくところでございますので、今後、利害関係とか、そういうものを十分配慮しながら、考慮しながらやっていきたいと思います。
◆山田[博]副委員長 やっぱり注意しながらやっていかないといけないですよ。よかれと思ってやったことが、特定の会社に有利になったらこれは大問題だから。別にそのために、特定の団体というよりも、団体は企業の皆さんの要望を満遍なく受けているわけだから、それが一部の建設会社の受注に便宜を図るようなことになったら大いに問題だから注意していただきたいと思います。
 次に、鯨の肉についてお尋ねしたいと思うんですけれども、今回、商業捕鯨はいかがなものかということで国際的な批判を浴びておりますけれども、県内でどれだけ流通があるかわかりますか。
◎五島資源管理課長 県内でどれぐらいの流通があるかという部分については、数字としてなかなか把握できないんですけれども、ただ、本県は、鯨の消費量について見ますと、一人当たりの年間消費量は第1位でございます。一人当たり大体180グラムぐらいを年間消費しているということで、第1位の鯨消費県ということになっております。
◆山田[博]副委員長 資源管理課長、あなたは一人当たり180グラムと言われましたが、私はもっと食べていますから、誤解がないように。資源管理課長も食べているでしょう。これが今、国際的に批判を浴びているわけですね。言語道断ですよ。国際的に日本の商業捕鯨はまかりならぬとか、今いろいろ言っているでしょう。調査捕鯨が商業捕鯨になっているということで、けしからぬと言われていますが、県当局として、この取組を今後どのように考えているのか。
 資源管理課長は、水産振興課長からそちらに行ったから、そういったことはもう既に考えていると思うんです、あなたの頭脳からすると。私みたいな頭脳じゃ全然考えが及びませんが、あなただったらもう既にどういうふうにやったらいいかというのを着手していると思うんですよ。
◎五島資源管理課長 どういうふうにやったらいいかというのは、よくわかりません。
 本県は、過去から捕鯨と関係が強い県でございまして、もともと江戸時代には生月に益富組という西日本最大の鯨組も持って、それで非常に繁栄をした県でございます。
 南氷洋の商業捕鯨が禁止されます昭和50年代、それまでも、例えば捕鯨船に砲手として乗っているのは本県の有川出身の方がたくさんいらっしゃったというような鯨に非常にゆかりの深い県でございます。
 そういう県でもございますので、今、IWCの中で日本としては商業捕鯨の再開ということを目標に、現在は調査捕鯨で鯨の南氷洋の実態調査、それから北部太平洋の実態調査、そういうことをやっておりますので、県としてもぜひそういう調査を進めていただきまして、将来の商業捕鯨の再開に国としてもぜひ頑張っていただきたいという立場で、県は国の活動を支援していく考え方でずっと対応しております。
◆山田[博]副委員長 資源管理課長、あなたの答弁は長い、国の支援をしていますと、一言言ってくれればいいんです。ずっと遠回しに言うから、あなたは五島まで行ってきたのではないかというぐらい時間がかかりましたね。資源管理課長、どういうふうに国の働きを支援していくかというのは、例えば水産部長と知事と陳情に行って、「どんどんやってください」と、「長崎県は鯨の文化がありますから頑張ってください」と国会に要望するとか、国会議員の方々に要望するとか、そういったことを具体的に聞かせてもらいたいわけですよ。あなたは霞ヶ関の役人みたいな答弁をするから、私はわからないから、もっと簡単な答弁を、山田博司でもわかるように教えてください。
◎五島資源管理課長 県といたしましても、今回の裁判を踏まえまして、今後、商業捕鯨の再開に向けて活動していただきますように、知事と議会が一緒になって、そういう活動を国の方にやっていければいいなと思います。
◆山田[博]副委員長 あなたは何をしているのか。さっきは鯨の一人当たりの年間消費量が第1位なので頑張らないといけないと言いながら、資源管理課長はどうしたんですか。あなたの答弁ではちょっと、部長か次長、しっかりとした答弁を聞かせていただきたいと思います。
◎下山水産部長 今、資源管理課長からもありましたけれども、我々といたしましては、国に対して商業捕鯨の再開に向けて、ぜひ国に頑張っていただきたいということで必要な活動を行っていきたいと思っております。
◆山田[博]副委員長 そういうことでお願いします。
 次に、佐世保市選出の委員の方には大変言いにくいことですが、ご理解いただきたいと思います。別に私は佐世保市の公共事業を否定するわけではないんです。大いにやってもらって、私たちも同じ長崎県民として協力したいんです。
 ところが、協力しているさなかにびっくりしたのが、基本的に公共事業とは、日の出から日没までということになっております。
 これはご理解いただきたいのは、佐世保市で浚渫工事があって、五島の漁業協同組合のご理解をいただいて、浚渫土砂を捨てているんです。
 そうしたら、地元の人からこの前苦情が来たんです。真夜中に土砂を捨てていると。それが航行するものだから危ないと。だから、やっぱり日の出から日没の間にしてもらいたいと。
 ところが、よく聞いたら、いいですか、一番ひどいのは夜中の零時37分とか、零時15分とか、午前2時26分とかに捨てているんです。これは何回捨てているかというと、五島沖に13回捨てているんですよ。13回捨てて、日没以降だから7時以降、朝方の7時までの間に、13回のうち、11回捨てているんですよ。夜の7時から翌朝の6時までぐらいとした場合ですよ、要するに日の出から日没までとすると。この間にこんなに捨てているんですよ。
 漁業者が大変困っていると。漁業協同組合も協力しているけれども、漁業者は知らなかったんですよ。組合としても佐世保市に協力しないといけないというから、しようとしていたんですが、漁業者に十分な周知がいっていなかった。万が一、事故が起こったらどうなるのか。これは誰が悪いとか、誰がいいとか、そういう責任問題になるよりも、事故があってからでは遅いから、事故が起こらないためにもやってもらわないといけないということですよ。
 いいですか、13回のうち11回も真夜中に捨てているんだから。ましてや漁業協同組合は同意していただいておりましたけれども、地元の漁業者は知らないと。こういった状態で、果たして安全・安心な漁業を営むことができるかと。
 これは、漁業取締室長、何で私に質問が来るかという顔をしないでくださいよ。あなたのところは、違法操業を取り締まることはあるけれども、それは安全・安心な漁業の一環としてやっているわけだから。室長、これをどう思いますか。あなたたちは違法操業を取り締まるだけではなくて、漁業者が安全・安心に漁業をするための漁業取締室でもあるんでしょう。まさか違うと否定しないでしょうね。このことをどう思うか、見解を聞かせてください。
◎柴崎漁業取締室長 まず、漁業取締は、その名のとおりで漁業に対する違反などを対象として活動しておりますので、これは対象にならないと思います。ただ、全般的に漁業に対してそれが非常に影響があるということであれば、それは何らかの是正をしてもらう必要があるのかなと思います。漁業取締室としては、所管しかねるのかなと思います。
◆山田[博]副委員長 では、お尋ねしますが、いいですか、あなたたちはその見解でいいとなれば、また私も考え方を変えないといけないです。というのは、目の前で、あなたたちのところは日本の漁業者、長崎県の漁業者が違反操業をしたら取り締まるんだと。例えば、日本の漁業者が外国人から襲われて殴られたりとかしていたと。その時は、あんたたちはどうするのですか。今の見解ではいかん。少なくとも、その一方で安全・安心な漁業ができるように取締まりをするというのが目的じゃない。ただ単にあなたたちは、長崎県の漁業者が違反していないかどうか取り締まるだけですというわけではないんでしょう。そうなんですか。
◎柴崎漁業取締室長 取締りと言う意味では、漁業を対象とすることしかできないのですが、例えば、違反かどうかわかりませんが、危険なもの、それから先ほど出ました外国の違反操業とかを現認すれば、それをしかるべきところに情報として伝えて対応してもらうと、そういう役割は持っていると思います。
◆山田[博]副委員長 だから、今回のこういったことを漁業取締船が見かけた時に、あなたたちの船は、どうするわけですか。
◎柴崎漁業取締室長 すみません。この件について言えば、申しわけないんですが、こういう時間帯が制限されているということが、うちの乗組員がわかっているかどうかにもよると思いますが、もしそれがいろんな規則に違反しているということであれば、それを現認したら、しかるべきところに連絡するということになると思います。
◆山田[博]副委員長 部長は漁業取締室を経験されていませんね。次長は経験しているんですか。あなたは最近元気がないから、質問して元気を出してもらわないといかん。次長、お尋ねしたいのは、乗組員がわかろうがわかるまいが、例えば、これは12月27日から始まって1月12日ですよ。この時期は、五島沖は2メートルから3メートルと波がひどいんだから。そんな中で公共事業の船が来て捨てたりしたら危ないんですよ。この中でもうちょっと、乗組員の人が法律に違反しているか、していないかということも踏まえて、もうちょっと勉強していただきたい。ただ単に、漁業取締室というのは、違反をしている者を取り締まるだけではなくて、漁業者の安全・安心の一翼も担っているわけでしょう。名称は漁業取締室となっているけれども、そういったものも取り組んでやってもらわないと。万が一事故があった時はどうなるのか。たまたま、漁業取締室の船がそれを見かけたと。目の前をずうっと通っていた時に事故があったと。そうしたらどうなるのか、仮定ですけどね。だから、最悪の場合を想定しておくのは、危機管理ですよ。私は、今、佐々淳行さんの「危機管理」という本を読んでいるんです。本をたくさん読まない山田博司も、最近は本を読んでいるわけです、勉強しないといけないから。そうしたら、そういった見解を持って取り組まないといかんと思うんですけれども、見解を聞かせてください。
◎五島資源管理課長 私は、五島の土砂捨ての中身というものはよく存じておりませんけれども、まず、例えば浚渫土砂を工事関係船舶が海洋に投棄するということになると、恐らく何らかの許可を取ってやっているものと思います。これが環境省の許可なのか、県の土木の許可なのか、環境省の許可をもらってやっているということでしたら、恐らく許可申請をする段階で、何らかの話し合いが地元漁協とされているのではないかと考えているんです。そういう中で地元の同意も得られて、それで同意書を付して環境省に土砂投棄の許可を申請して、許可を得ているという話になるのではないかと考えるんです。
 そうした場合に、環境省の許可を得た船が土砂を捨てていると。それに対して、例えば海難事故なりが発生するということになれば、それは海難審判の問題になりますでしょうし、仮に、許可を得た区域以外での土砂捨てがあったということになれば、それは環境省の許可に反する違反ということになろうかと思います。
 それについて漁業取締船が土砂捨ての船を発見したから、それが違反行為をやっているとか、やっていないとかというのは、一義的には取締船では把握できない。そこに取締船が立ち入り検査をするということも権限上できないということになりますので、あくまでも環境省の許可であれば環境省サイド、土砂捨てという話になれば県では土木サイドが所管することになるかと思います。水産部でそこに法律上の違反があるからどうのこうのという権限は、まず漁業取締室にはありません。ただ、危険な行為があれば、それについては海上保安部なり、しかるべき関係先に通報して、きちんとその分野での取り締まりをしていただかなければいけないだろうとは思います。
◆山田[博]副委員長 第三者が聞いていたら、資源管理課長、それははっきり言って縦割り行政になるわけです。
 漁港漁場課長にお尋ねします。ではこの時間帯で、こういった波が高い時に土砂捨てをする行為というのを、長崎県の水産部の漁港漁場課としては適切だと思うか、思わないか、それだけお聞かせください。
◎壱岐漁港漁場課長 この工事は佐世保市の案件でございますけれども、まず一般的なお話をしますと、工事については、例えば港内の浚渫は昼間行って、港内で行う工事については海上保安部による港則法で工事許可を受けていると。今回の港外に出ました土捨て作業については、海上衝突防止法の遵守で作業を行うということになっております。
 その中で、先ほどありましたように環境省の許可をもらって、漁協等の同意も得られております。今回、副委員長がおっしゃるとおり、海上で漁民の方が危ない思いをしたという話を先ほどされましたけれども、その分につきましては、やはり十分注意しながら、海上衝突防止法に基づいて作業をやってもらいたいと思います。県の工事については、現在、沖捨て作業というのは行っておりませんので、この夜間工事については行っていない状況です。やはり海上衝突防止法を遵守しながら作業をやってもらいたいと思うところでございいます。
◆山田[博]副委員長 漁港漁場課長、あんたの立場では言いにくいでしょうね。私が言いたいのは、確かに環境省の許可で法律的には問題ないんです。問題は、この時間帯に作業をするのが果たして適切か、適切ではないかと言っているんですよ。2メートル以上の波があった場合にはしないということになっているんですよ。これは気象庁に行って調べたら全部わかるんですよ。長崎県はやっていない。ほかの自治体はやっているんだと、これは環境省の許可をとったら問題ないんだと。私が言いたいのは、長崎県はやっていないんだ。こういった事実がわかれば、事故がないようにもっとしっかりやってもらいたいと。ましてやこれは気象庁に行ったら全部わかるんだ、この時間帯に波が何メートルあるのかどうかというのを調べれば。
 田中参事監、最後にお尋ねします。国の事業で、これは果たしてやりますか、やりませんか、この時間帯に。長崎県はしない、今はやっていない。国の参事監、どうですか。国ではこの時間帯でやっているか、やっていないか、それだけお答えください。
◎田中水産部参事監 山田(博)副委員長からのお尋ねでございますが、長崎県下で行われている国の事業に関しては、私が承知している限りでは浚渫事業という例がないと考えておりますので、その具体的な作業の基準についても、申し訳ございませんが、現在、承知しておりません。
◆山田[博]副委員長 参事監がわからないとおっしゃることをいろいろ聞いても一緒でしょうからね。
 資源管理課長、確かに環境省の許可とか得られたとしても、いずれにしても危険行為なんだから、私は、これは徹底的に調査していきますよ。私はこの事業を否定しているのではないんです。私は、安全・安心な漁業を営むために、この夜間作業までしないといけないのかと言っているんですよ。もうちょっと配慮しながらやっていただきたいと思っているんですよ。これは漁業者と衝突しそうになったんだから。だから言っているんですよ。ほかの質問もありますけれども、集中審査が控えていますので一旦終わります。
○西川委員長 委員長を交代します。
○山田[博]副委員長 委員長、どうぞ。
○西川委員長 水産物の輸出対策については、友田委員、そして今日の織田委員の質問もありましたので、一つだけお聞きいたします。
 今日の長崎新聞の首長の動向によりますと、知事がマカオに行っております。これは何をしに行ったかというと、JAの方たちと長崎牛の売り込みに行っております。
 そこで、せっかくマカオに行くなら、恐らく香港トランジットだと思います。香港に対する水産部関係の魚の輸出についての売り込みは、どうして一緒に行かなかったのでしょうか。ひょっとしたら一緒に行っているのか、知事の海外に対するトップセールスの仕方について、水産部としての把握、また、考え方をお聞かせください。
◎増本水産加工・流通室長 香港への輸出につきましては、協議会の中の県漁連が、養殖業を主体に輸出しております。今回のマカオの肉のフェアといいますか、その件につきましては、当室の方には昨今情報が入った次第でございまして、事前の情報をいただいておりませんでしたので、それについては承知しておりませんでした。
○西川委員長 知事が外遊されるということは、厳しいスケジュールだから、めったにない。マカオ直行便は少ないでしょう。ほとんどが香港経由だと思います。そういう中で、せっかくマカオに行かれるのなら、和牛ばかりではなく、長崎県のマグロとか、いろんな魚類を一緒にセットでセールスに行くのが私は理想だと思いますし、水産部として、または輸出協議会などとのタイアップをしてほしい。そういうところがばらばらではないですか。
 先日も、実はテレビで、長崎市内で鯨・魚食の宣伝というか、ある食堂で市外、県外から来た方々が、長崎市内で鯨を食べているのがあっていましたし、また、反面、佐賀牛が香港で売れているというNHKの報道もあっていました。一般県民、国民は、マスコミの報道に敏感ですよ。それで、今回の知事のマカオ行きについて、水産部ももう少し農林部やJAとタイアップしながら、また、漁連とタイアップしながら、魚も肉も一緒に売り込むと、そういうことをしていただきたかったと思います。
 これがいろんな施策よりも先に、知事がトップセールスとして、また県が売り込むんだ、漁連、そしてJAを引っ張っていくんだという姿勢が足りないのではないかと思いますが、水産部長、どういう考え方をしていますか。
◎下山水産部長 今、水産物の海外輸出につきましては、鋭意努力をしているところでございます。今回の知事のマカオへのトップセールスの件につきましては、我々も情報収集するのが遅かったということもありまして、今後、もし知事がトップセールスで海外に行くということがあれば、農林、水産、それから物産振興の方も含めて連携をとりながら対応をしていくことを検討してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○山田[博]副委員長 委員長を交代します。
○西川委員長 ほかに質問はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ほかに質問がないようですので、議案外所管事務一般の通告による質問を終了いたします。
 次に、TPPによる本県水産業への影響について、漁業補助金の禁止などの集中審査を行います。関係者以外の理事者の退席を許可いたします。
 しばらく休憩いたします。
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     −午前11時39分 休憩−
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     −午前11時46分 再開−
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○西川委員長 再開いたします。
 「TPPによる本県水産業界への影響について」の集中審査を行います。
 まず、漁政課長より説明をお願いいたします。
◎山田漁政課長 お手元にお配りしております資料について、まずは説明させていただきます。
 環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPPの基本的考え方や本県水産業への影響試算、漁業補助金の関係、そして現時点での国の対策の方向性などについてご説明をいたします。
 まず、1ページ目のTPPの基本的考え方につきましては、アジア・太平洋地域における高い水準の自由化が目標となっており、物品の関税の撤廃などを含みます物品市場アクセスやサービス貿易だけではなく、投資や知的財産などの非関税分野、さらには環境や労働などの新しい分野など、21の分野で包括的協定の交渉が行われております。
 交渉参加国は、現時点でシンガポール、ベトナム、アメリカ、カナダ等、11カ国となっております。
 日本に関しまして最近の動きでございますが、今年の3月15日に安倍首相がTPP交渉参加を表明し、4月24日にはアメリカが日本の参加を議会に通知して、90日間の審議を経て、日本の交渉参加が可能となるということで、7月15日から25日に日本も参加した交渉がマレーシアにおいて開催される予定となっております。
 次に、2ページでございますけれども、TPPによる本県水産業生産額への影響につきましては、TPP参加に伴いまして関税が撤廃された場合の影響につきまして、国が公表しました関税撤廃した場合の経済効果についての政府統一試算に基づきまして、本県の実情にあわせ試算を行った結果について、今年の4月26日に公表いたしております。
 平成23年の本県水産業生産額で試算した場合、アジ・サバなど5品目について124億円の生産額の減少という結果が出ております。なお、この減少額は、本県生産額960億円の13%に相当いたしております。
 次に、3ページをご覧ください。TPP交渉の中で漁業補助金を禁止する提案があっておりますので、現時点でわかっております内容についてご説明をいたします。なお、この件につきましては、TPPを所管しております国のTPP政府対策本部に内容について確認いたしましたところ、TPPに参加していない以上、テキストすら入手できず、情報はかなり限られており、得られた情報は全てホームページに掲載するなど、公表しているということでございました。
 TPP政府対策本部のホームページによりますと、漁業補助金につきましては、環境という分野の中で議論されておりまして、交渉状況の2にありますように、2の真ん中あたりですけれども、漁業補助金については過剰漁獲を招く漁業補助金を禁止する提案があるが、各国との間で対立があり、合意に至っていないとされております。
 これに対しまして、林農林水産大臣は、去る6月11日の記者会見におきまして、「漁業補助金に関しては、これまでWTO(世界貿易機関)の漁業補助金交渉において日本の立場を主張してきており、TPPにおいても同様の立場である」と発言をしておられます。
 そこで、4ページをご覧いただきたいんですけれども、WTO漁業補助金交渉におきます日本の提案につきまして、水産庁の資料などに基づきまして説明をさせていただきます。
 まず、1の交渉の経過ですが、WTOでは、さまざまな分野と並んで補助金などのルール交渉が行われており、2001年からのドーハラウンドでは、漁業補助金の規律の策定についても議論が行われております。
 その中で、2005年には過剰漁獲能力や過剰漁獲に寄与する特定の形態の補助金の禁止を含め、漁業補助金の規律を強化することについて、広範な合意があり、さらなる作業を求めるという宣言を採択し、過剰漁獲能力や過剰漁獲を抑制するという観点から漁業補助金の議論が進められております。
 この漁業補助金の規律に関しまして、日本提案の基本的考え方について説明を申し上げます。
 まず、基本的立場でございますけれども、全ての補助金が過剰漁獲能力・過剰漁獲の増大につながるものではないこと。仮に補助金による増長効果があったとしても、適切な資源管理の実施によりその影響は回避・低減できるとしています。
 また、漁業補助金の日本が提案する禁止の範囲は、真に過剰漁獲能力・過剰漁獲につながるものに限定する、必要な施策の実施が阻害されないよう例外規定を拡充するとしています。
 次に、5ページをお開きください。
 具体的な提案内容としまして、まず1つ目が、「加工流通分野への支援」や「漁港関連インフラ整備」、「漁業者への所得支持」、「乱獲された資源を漁獲する可能性がある漁業への支援」等は、過剰漁獲能力・過剰漁獲に直接つながるものではないこと、むしろ、資源管理のために必要なものであることから禁止から除外する。いわゆる禁止に反対ということでございます。
 それから、過剰漁獲能力や過剰漁獲との関係が比較的高いと考えられる「漁船の取得、建造、修理、近代化等」への支援は、原則禁止とした上で、総トン数の縮減、安全性・資源管理上の必要性など一定の場合を例外化する、禁止しないということでございます。
 それから、「漁船の操業経費」への支援は、間接的経費である人件費、保険料等への支援を禁止から除外し、直接的経費である燃油、漁具等に禁止を限定した上で、予期せぬ著しい影響があった場合の緩和など、一定の場合を例外化するということです。予期せぬ影響があった場合には禁止しないということでございます。
 それと、「小規模漁業」につきましては、一定の条件のもと、「漁船の取得、建造、修理、近代化等」や「漁船の直接的操業経費」への支援の禁止を適用除外化、いわゆる禁止しないというふうにしております。
 以上がWTOにおける漁業補助金に対する日本の考え方でございます。
 最後に6ページございますけれども、現在、国においてはTPP交渉参加で影響が懸念されます農林水産業の成長戦略として、「攻めの農林水産業」の検討が始まっておりますので、現時点での対策の方向について説明いたします。
 「攻めの農林水産業」を具体的に推進するため、3つの戦略の方向性として、1つは需要のフロンティアの拡大、2つ目が生産から消費までのバリューチェーンの構築、3つ目は生産現場の強化を掲げております。
 その中で、水産業につきましては、消費者ニーズを踏まえた商品開発や販売を推進しますとともに、持続可能を目指した養殖業の経営強化、さらには漁港・加工施設等の高度衛生管理の推進や日本食文化の普及によるさらなる輸出の拡大を図ることなどとしております。
 以上、簡単でございますけれども、TPPに関しまして提出しました資料の説明を終わります。
 よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
○西川委員長 ありがとうございました。
 しばらく休憩します。
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     −午前11時54分 休憩−
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     −午前11時55分 再開−
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○西川委員長 再開いたします。
 以上で説明が終わりました。
 質問はございませんか。
◆溝口委員 私もTPPについて質問するということで挙げておりました。ただ、今の当局の説明によると、WTO関係のこういう基準に合わせた形での交渉をするということで国は考えているということです。そのことについて、林農林水産大臣は、この補助金については漁業者としては必要であるという話をしているんです。今度、7月から始まる交渉を見ないとわからないとは思うんですけれども、できればこのWTOの話の中でも燃油等については、ちょっとわかりにくい部分がかなりあるんですよね、補助金を禁止とか。でも、今、国はしているんですけれども、そのことについて問われてきた場合に、この補助金がなくなってくるんじゃないかという気がしてならないんですけれども、県の考え方としてはどのように考えているんですか。
◎山田漁政課長 燃油等にかかわります分につきましては、先ほどもちょっとご説明を申し上げたんですけれども、著しい予期せぬ影響の緩和などというふうにありまして、いわゆる現在の燃油高騰というのは、社会情勢の変化に伴う著しい影響ということで、こういった場合には禁止をしないというふうに国は考えているということでございます。
◆溝口委員 ただ、その辺の著しいというのが、過剰漁獲能力とか、この過剰というのをどの辺でとらえていいのか。県の考え方というか、国の考え方はどのように考えているんですか。この過剰という部分ですね、漁獲とか、漁獲能力とかですよ、その辺が理解しにくい部分があるんですよね。
◎山田漁政課長 これは国の交渉ですので、県の考え方ではございませんけれども、国の方はWTOの漁業補助金の交渉におきましては、過剰漁獲というふうなことについての明確な定義はないということでございます。
◆溝口委員 ただ、この動きについて、各県の状況としてはどのような動きをしているのか、把握している範囲で聞かせていただきたいと思います。
◎山田漁政課長 この漁業補助金の禁止にかかわりまして各県がどのような動きをしているかということについては、現在のところ把握いたしておりません。
◆溝口委員 私がこのTPPについて質疑をしたいというのは、国の考え方としてはわかるんですけれども、各地方がこの動きに対して、農協の動きというのはものすごく敏感に早くやっているんですね。ただ、漁業関係、水産業関係の方々は意外と落ち着いた形でしているんじゃないかという気がしてならないんですけれども、その辺について、長崎県が先ほどから言われているように、水産県ということであれば、やはり他県の情報も取り入れながら、これについてしっかりとした地方の考え方というのを国の方に打ち出していただきたいと私は思っているんですけれども、部長はこの辺についてどのように考えていますか。
◎下山水産部長 TPPの問題につきましては、国の方で交渉を行うということになっておりますので、その動向を見る必要があろうかと思いますが、基本的に我々といたしましては、やはりWTOとの今までの流れの中で考えますと、国の考え方と同じ考え方でいきたいと思っているところでございます。
◆溝口委員 わかりました。ただ、WTOの時の漁業に対する補助金の交渉ということになっているんですけれども、影響というのがどれくらいあったのかわかりませんけれども、このTPPによると、これがもし自由化になれば124億円という、長崎県だけでもそれだけの損失があるということなんですけれども、WTOの時にはその影響はどうだったのですか。
◎山田漁政課長 WTOの漁業補助金の件だと思うんですけれども、WTOの漁業補助金については議論が終わっておらず、継続中でございます。ですから、その影響というのは現在のところはまだわからないということでございます。
◆溝口委員 ただ、生産について、先ほど言ったのはTPPについては自由化になれば124億円の損があるということですけれども、そのWTOの場合はそういう制限というのがなかったのかどうか。水産の生産額について影響はなかったのかどうか、その辺はまだ把握していないのですか。
○西川委員長 休憩します。
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     −午後零時0分 休憩−
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     −午後零時0分 再開−
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○西川委員長 委員会を再開します。
◎山田漁政課長 WTOにおきましては、関税撤廃等の話はあっておりませんので、それに関してはございません。
◆溝口委員 わかりました。もうこれだけにしておきますけれども、WTOの場合、漁業補助金ということだけの交渉ということで、今のところ、その影響を受けて国が指示を出したということはないということで理解をしていいんですね。
◎山田漁政課長 委員おっしゃるとおりでございます。
◆山田[博]副委員長 まず、最初に資源管理課長、漁政課長にお尋ねしたいことは、これは日刊水産経済新聞の5月21日付の新聞ですけれども、これはご覧になりましたか。
◎山田漁政課長 申しわけございません。どの部分がわかりませんけれども、拝見しておりません。
◆山田[博]副委員長 水産部は、この日刊水産経済新聞はとっていないんですか。
◎山田漁政課長 水産経済新聞はとっております。
◆山田[博]副委員長 とっていると。私もとっているんです。私は、なぜ委員長と委員の皆さんにご理解いただいて、このTPPに関して集中審査をしようという提案をさせてもらったかというと、ただ単に関税の問題ではなくなってきたわけですね。これは根本的なことで、またこれは私もあらゆる分野の新聞なり報道をキャッチしているわけです。そうしたら、これは農業新聞の報道ですけれども、4月26日、金曜日付で、これはTPPを考える国民会議の方々が訪米しているんです。その時、アメリカのカトラー代表補はこう答えたんです。
 「関税撤廃などの対象から特定の品目を除外することは認めないとの方針を示した」というんです。これに基づいて、そうすると今回、漁業補助金に関してもどうなるのかと。これは、「チリ以外の11カ国は漁業補助金の禁止に合意したと聞いた」と書いていたんです。これは誰が言ったかというと、このTPPを考える国民会議の方々が、アメリカのそういった交渉の代表の方と話をしたら、まず、大きなポイントは「関税撤廃などの対象から特定の品目を除外することは認めない」、これは大きな問題です。ましてや、「漁業に関してはチリ以外の11カ国が漁業補助金の禁止に合意した」となっているんです。「このままでは日本の水産業は壊滅してしまう。何としてもTPP参加をやめさせなくてはならない」ということを、これは訪米の山田元農林水産大臣が新聞に答えているんです。
 私は、今回、皆さん方にご理解いただきたいのは、もうちょっと危機感を持っていただきたい。こういう報道があったら、逆に、まず部長、こういったことを速やかに、本来であればこれはもうあれでしょう、漁政課長、国もこれに関して敏感に働いて、これは抗議をしないといけないと。これは具体的に上がっているでしょう。それは間違いないでしょう、それだけまずお答えください。
◎山田漁政課長 先ほども申し上げましたように、このTPPにおける漁業補助金の禁止につきましては、今のところ国が公表している資料、ホームページで公表している資料が全てということでございまして、今のところはそういう情報しか入手できないということでございます。
◆山田[博]副委員長 では、国の誰がそれを言ったんですか。これは水産庁の誰が言ったのか、お答えいただけますか。
◎山田漁政課長 内閣官房のTPP政府対策本部の方でございます。
◆山田[博]副委員長 私が驚いたことは、これだけの報道がありながら、まだそういった体たらくかというのは驚きですよ。情報が、県当局をもってしてもそれだけしかないというのは、これはもうちょっとしっかりやっていただきたいという不満があるということを言っておきたいということと、最悪の場合、今、溝口委員から質問があったけれども、今回、これだけのTPPの交渉参加で漁業生産額の減少が予想されていますけれども、これはほかの方々でも、大学教員の会とかがいろいろ試算しておりますけれども、今、長崎県は水産部、水産の漁獲だけですよ。これはこれだけの減少金額であれば、他の産業も影響が出てくるんです。他の産業もそうですし、実際漁業者はこれだけの漁が減れば、漁業者の経営にも大きな影響がある。そうすると、単なる漁獲だけじゃなくて、他の産業とか、漁業者の今後の経営が営めなくなるわけだから、そうすると経営できなくなるから漁業をやめざるを得ないといったことも予想されるわけですね。そういった試算をしているか、していないか、まずそれをお答えください。
◎山田漁政課長 漁業以外の関連産業への試算につきましては、現在のところやっておりませんけれども、例えば直接的な影響があると思われる漁協への影響等は、124億円減少があった場合には、2億4,000万円ぐらい、手数料等に影響があるのではないかという試算をいたしておりますけれども、それ以外の影響については、まだ試算しておりません。
◆山田[博]副委員長 これはもうちょっと危機感を持ってほしい。先ほど織田委員の言われたことでなるほどなと思ったのは、やっぱり後継者、担い手対策をするにしても、国を動かす時には水産県長崎と水産業が盛んな北海道と連携して、こういった問題も一緒になって取り組まないといけないと思います。先ほど、これは124億円の影響が出るという中で、まず組合には2億数千万円の手数料に影響があるとなると、これは漁業協同組合の経営にも大きな打撃を与えるわけでしょう。大体県内の組合の経営にどれぐらいの影響が出るのか。組合名を出すことはできないでしょうから、どのくらいの数に影響があるのかということと、もうちょっとしっかりと、ただ単に漁家の生産額ではなくて、いかに漁業者の雇用とか、ほかの産業に影響が出るかというのをきちんと調査すべきだと思うんですよ。それはぜひ速やかにやっていただきたいと思います。それについて見解を聞かせてください。
◎山田漁政課長 今わかっている、そういった関税撤廃等によります影響に基づく漁業関連産業等への影響につきましては、今後、調査してまいりたいと考えます。
 組合につきましても、先ほど手数料等の減少があると申し上げましたけれども、それ以外の影響につきましてもどういった影響があるかというのを検討してまいりたいと思います。
 組合の数につきましては、現在69漁協ございますので、ただ、ここに挙げておりますような5品目を取り扱っていない漁協もございますので、その辺はちょっと精査をしてまいりたいと考えております。
◆山田[博]副委員長 県内に69組合があるわけでしょう。少なくとも、124億円ですから、ましてや手数料が2億何千万円でしょう。これだけの影響が出ると、どれだけの組合に影響が出てくるかというのを答えていただきたいと思います。
◎山田漁政課長 今回の漁協への影響については、漁協を一つひとつ積み上げて計算するのではなく、この5品目の魚種につきまして計算をしておりますので、各漁協ごとの影響というのは、今後精査をしていかないといけないと考えております。
◆山田[博]副委員長 今までの議論をずっとしていたら、これは山田元農水大臣から、もうちょっとしっかり勉強しなさいと、大変なおしかりをいただきました。私は、TPP賛成派、反対派、両方の学者の方々の本を読んで勉強させていただいているんですけれども、山田元農水大臣のお話も聞いて。これは大変なことだと痛感しましたね。
 それで、水産部ももうちょっと危機感を持ってやっていただきたいと思います。私も今回痛感しました。
 例えば、今回のTPPの関税以外にISD条項とありますね。水産加工・流通室長、ISD条項というのは、企業として外国に輸出した時、損害を被ったと、輸出した相手国の法律にのっとってやってみたら損害を被ったと、輸出ができない、販売ができない、こういった時には訴えられるわけです。これは大変な問題なんです。こういったことは、水産加工・流通室長として、これは長崎県の魚とか、食品の衛生管理を守る上で大変なことなんですよ。もちろんこれは水産加工・流通室長もこれに向けてしっかりとした対応をされていると思うんですが、具体的に今どのような取組を考えられているのか、お聞かせください。
◎増本水産加工・流通室長 今、山田(博)副委員長が言われたのは裁判のルール、賠償制度のお話と思うんですが、具体的にどういうふうになるかというところまで想定はしておりません。
◆山田[博]副委員長 想定じゃなくて、これは勉強してもらわなくては困るんです。
 今まで、簡単に言うと、裁判をして、これは一発勝負だから、今までアメリカの企業が訴えて負けたことはないんです。全戦全勝なんです。これはそれだけすごい裁判なんですよ。これだけの大きな問題があるということをしっかりとやっていただかないと。
 私も実際、先般農林水産省に行って、農林水産省の方々も十分理解しているけれども、このISD条項というのは、関税撤廃問題よりも大変なことなんですよ。田中参事監はこれをご存じですよね。私が言いたいことは、もうちょっと危機感を持って取り組んでいただきたいというのと、今回、TPPを考える国民会議の訪米団の方々の情報は国が把握していない情報というのであれば、例えば今回、補助金を出さないということが出ておりますね。漁業補助金の禁止という、例えば漁船建造費の補助金禁止とか、漁港の整備とか、こうなると、またどれくらいの被害が出るかというのを具体的な数字でもって、今、北海道とかと連携しないと、国民の皆さん方は理解しがたいと思うんですよ。ただ単に水産生産額がこれだけ減るんですよというだけではなくて、こういった問題も出てくるというのを明らかにしていただきたいと思うんです。そういった点も漁政課長は調査をしてやっていただきたいと思うんですけれども、見解を聞かせていただけますか。
◎山田漁政課長 TPPにおける漁業補助金の禁止に関しましては、まだ7月から交渉に入るということで、そこから内容がわかってくると思いますので、その内容を十分精査した上で、どういった影響があるかというのを今後調査してまいりたいと考えます。
◆山田[博]副委員長 ほかの人も質問があるでしょうから、これは水産部長か次長にお答えしていただきたいんですけれども、「攻めの農林水産業」の具体化の方向ということで幾つか挙がっておりますけれども、私としてはこれを、私は議員として今日まできている中で、最近つくづく思うのは、日本全国同じスタイルでやろうというのは無理があるんですよ。なぜならば、北海道と長崎県の水産業というのは違うんです。極端に言うと、水産部長と私の漁業に対する取組の姿勢とか、人によって違うんだから。長崎県内でも違うのに、全国一律に同じ制度にするというのも難しいわけです。
 それで、「攻めの農林水産業」の具体化の方向とありますけれども、やっぱり長崎県の方も独自にこういった現状を踏まえた上で、どういったことを取り組んでもらいたいとか、してもらいたいというのをきちんと方向性を出すべきだと思うんです。
 部長か、次長か、どちから答えていただきたい思います。
◎田添水産部次長 今、ご指摘がありました「攻めの農林水産業」、これはTPPに関してこういった方向でやっていくということでございまして、ここに記載しておりますとおり、水産業に特化したものとしては消費・輸出拡大、本県も輸出拡大を積極的にやっております。それから、持続可能な養殖の推進、もうかる養殖業ということでさまざまな取組をしております。このほかにも魚価が安いという問題もございます。いろいろと入ってくる魚に対抗しなければいけないということで水産バイヤー・トレード事業とか、そういったものですね、魚価をしっかり確保していく、手取りを確保していくと、そういったことをしっかりやっていきたいと思います。
 それから、上の方に1、2、3、4ということが書いてありますけれども、輸出戦略は先ほど言ったとおりでございまして、ほかは食文化・食産業のグローバル展開ということでございますが、今、輸出におきましても単に魚を輸出するだけではなくて、日本の食文化を一緒にセットで中国に対してもやっておりますので、そういったものを含めると、だんだん輸出も広がっていくと、そういったものを考えております。
 それから、3の多様な異業種との戦略的連携、それから新品種・新技術の開発・普及ということでございますけれども、異業種、水産業だけではなくて、観光業等との連携も非常に重要だと思いますのでそういったこと。それから、新技術につきましては、水産試験場がございます。ほかの公設試もございますし、大学もございますので、そういったところと技術を革新しながら、さまざまな技術を使いながらやっていかないと、これから国際競争に勝てないと思っております。勝つためにはそういったもろもろの施策をしっかりと連携しながらやっていきたいと思います。
◆山田[博]副委員長 私の質問に答えているかどうか、私もどうかと思うんです。
 それではお尋ねします。この長崎県の水産部の中で、県単独の予算は幾ら出しておりますか。
◎山田漁政課長 平成25年度の当初予算で申し上げますと、県の予算205億円のうち、一般財源が51億円でございます。
◆山田[博]副委員長 今やっている205億円の中で、51億円も長崎県の水産部は出しているんです。極端に言うと、私は思うけど、今回、長崎県のこういったところに大きな影響が出てくるというのは間違いないんだから。極端に言うと、いろんな施策もあるけれども、財政的な裏付けをTPPに参加するようになった時に、こういった攻めの農林水産業とか具体的にありますけれども、長崎県は単独で51億円出しているんでしょうと。簡単に言うと、それぐらいきちんと負担をしてもらうぐらいの主張をしないといけないですよ。長崎はそれだけ影響をこうむるわけだから。それぐらい頑張っていただきたいと思いますよ。
 私が言いたいことは、今回の集中審査でわかったことは、国の情報が明らかに未整備だということなんですよ。7月になって交渉に参加するという日本の政府が、いまだに新聞報道よりも遅れた情報しか入っていないというのが問題なんです。それが一つ。
 もう一つは水産部におかれましても、今私が言った、もうちょっと危機感を持ってほしい。いいですか、大学教員の会とかは、他の産業、雇用にどれだけ影響があるかというのを出しているわけだから、そこにもうちょっとしっかりですね、水産部も、私たちも反省しないといけないわけですよ。そういうところにも影響がどれだけあるかという試算をしっかりやって、他県との連携を深めながら、独自にやってもらいたいと思います。
 なおかつ、この中の一番問題なのは、ISD条項ですよ。ここも長崎県として、今後、海外から輸入した時の問題がどれだけ出てくるかということをしっかり踏まえた上で取り組んでもらいたいということなんです。この点を踏まえながらしっかりやっていただきたいと思います。
 今回、お互いにこういった状況、問題意識を共有したというのが、今日の大きなステップじゃないかと思うんですね、水産部長。
 水産部長は、もうISD条項というのは多分お聞きしているでしょうけれども、さすがの水産加工・流通室長もISD条項というのは私の発音が悪かったからよくわからなかったでしょうけれども、もう一回言ったらわかりましたけれども、どういうふうな影響が出るかというのは、認識がまだまだ水産部全体としては欠けているみたいですから、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 一旦終わります。
○西川委員長 TPPに関する集中審査ですので、議案外の通告をしていなかった人でも質問がありましたら、どうぞ。
◆山田[博]副委員長 終わりたいと思いますけれども、私がさっき言った試算の項目を、大体いつ頃をめどに、他の産業とか、漁業者の雇用の創出につながるとか、あと漁業協同組合の経営にするとか、大体いつ頃をめどにしているのか。それに基づいてまた取り組んでいかないといけないんですから、これは極端に言うと業界の漁協とか、農協とか、医師会の方が頑張っていただいておりますけれども、そういった試算、根拠というのは行政しか出せないわけですから、速やかに出してもらいたいと思いますが、それはいつ頃をめどに出してもらえるか、それだけ最後に聞かせてください。
○西川委員長 休憩します。
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     −午後零時23分 休憩−
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     −午後零時24分 再開−
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○西川委員長 再開します。
◎山田漁政課長 まず、関税撤廃に伴う生産額の減少に伴う影響につきましては、仮定でございますけれども、影響は調査できると思いますが、漁業補助金につきましては、まだ内容がわかっておりませんので、これは交渉が公表された後に検討した方がいいかなというふうに考えます、影響につきましてはですね。
 発表する時期につきましては、ちょっと時間をいただきたいと思います。
◆山田[博]副委員長 恥ずかしながら、私も大変反省しているんですよ。勉強すればするほど、いろんな人から聞いて、これに関してだんだん認識が高まってきているので、水産部長におかれましては、ほかの件でいろいろと頭がいっぱいかもしれませんけれども、こっちの方もしっかりと取り組んで、TPPが長崎県の水産業にどれだけ影響があるかというのを、ただ単に漁獲高ではなくて、生産高ではなくて、他にも影響が出てくるんだということを、ほかの部も水産部が引っ張ってどんどんやっていただきたいと思うんですよ。農林部だけがマカオに行って、水産部には声もかからなかったというのは言語道断ですよ。水産部長、しっかりと頑張っていただきたいと思います。
 終わります。
◆友田委員 これは農林部もそうなんですけれども、試算額が出ていますよね。これはあくまでも国の試算額に対して、長崎県での生産額を乗じて出しているんですけれども、どうですか、水産部として国が出している減少額ということについては、この妥当性をどのようにお考えですか。これは微妙なところだと思うんですよ。結局、このままなら、国が「影響が少ないですよ」と言ってしまえば、それに乗じるだけだから影響額が少ないですよとなってしまうんですよ。だから、長崎県の水産部としては、国がこのくらい減少するだろうという試算についてはどのような認識ですか。もうまるっきりフリーハンドで国に任せているのかどうか、このあたりの認識だけお聞きしたいと思います。
◎増本水産加工・流通室長 今回5種類、アジからカツオ・マグロ類まで試算を出しております。この中で3番目のイワシ、4番目のイカ、5番目のカツオ・マグロ類につきましては、先ほど試算方法をお話したとおりなんですが、アジ・サバにつきましては、長崎県は非常に漁獲高が多く、全国1位でございます。
 ですから、まず、この試算の方法といたしましては、本県の特徴の出るように、まずアジにつきまして、加工向けのアジが置き換わって、品質のよい国産の鮮魚は残るという考え方はございますので、加工品の割合を全国の23の漁港の統計の中からアジの加工の割合を出しまして、全国の生産量を掛けまして、それから単価を出しまして、今度、それを長崎県の中での、長崎県は松浦、長崎の漁港で特に多く揚がるんですが、そこでの加工向けのアジの割合を出しまして、それ掛けるさっきの単価を出しております。
 ですから、これについては国のそういった生産額の割合に乗じた出し方ではなくて、長崎県本来の特徴のある出し方をここには網羅しております。ほかの考え方は、先ほど申し上げたとおりでございます。
◆友田委員 アジ・サバについては、県内に非常に新鮮なものがあるからと、その考え方はわかっているんですけれども、全体的に見て、国がこれだけ減りますよというふうに国が出していますよね。国が示しているわけですよ。だから、本当にそれが妥当だというふうに思っておられるのかというところ、ここなんですよ。いやいや、もっとうちは、さっきみたいに、長崎県においてはアジ・サバについてはこういう状況があるから、もっともっといいんですよと言っているわけでしょう。だから、そういうふうに、例えば今言っておられましたけれども、水産物については4,200億円ぐらい減るでしょうと書いているんですね。そのあたりが妥当なのかどうかですよ。秘密交渉だからわからないと言ってしまえばそうなんでしょうけれども、そのあたりの認識が危機感につながるんじゃないかと思うんですよ。いやいやこれは国が試算しているだけですよと思えば、危機感はないかもしれない。でも、長崎県はもっと影響を受けるぞと思えば危機感も高まるかもしれないので、そのあたりの認識をぜひお聞かせいただきたいと思ってお尋ねしているところです。
○西川委員長 休憩します。
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     −午後零時30分 休憩−
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     −午後零時30分 再開−
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○西川委員長 再開します。
◎山田漁政課長 国の試算方法につきましては、詳しいところまで公表されておりませんで、県も国の基本的な考え方に基づいて、こうであろうという推測をしながら計算をしているところでござまして、そこが妥当かどうかというところは判断しにくいところもございます。
◆友田委員 そうしたら、TPPの交渉の中身は秘密会議だからわからない。それは理解できますよ。国がどんなふうに試算したかというのは聞けないんですか。この試算した根拠を示してくれないと、我々のところの影響額は自ら試算できませんよという話にならないですか。ただ、アジ・サバは別だけれども、減った割合だけを掛けて出して本当にいいのかなと思うんですよ。
 だから、TPPも、反対派もおれば賛成派もいるわけですよ。そういう人たちに正しい情報を流すに当たって、長崎県民に出すに当たって、その部分までもう一歩踏み込んで聞かなくていいんですか、その辺どうですか。
◎増本水産加工・流通室長 この試算の出し方ですが、これもインターネット上には出ているんですが、そこを補足して説明させていただきます。(「出し方はいいです」と呼ぶ者あり)これにつきましては、国の方で精査された内容でございますので、県といたしましては一定の評価をしております。
◆友田委員 一定の評価をしているということであればいいです。そういうことだということですね。
○西川委員長 ほかにありませんか。
 せっかくセーフティーネットに関する説明書を副委員長の指示で出させておりますので、質問をお願いします。
◆山田[博]副委員長 これは燃油高騰対策の一環で国もずっと取り組んでいただいているわけですけれども、今回、漁業経営セーフティーネットの構築事業の加入状況というのを漁政課の方で資料を提出していただきました。
 これで明らかにわかったことは、要するに一言で言うと、こういった制度があるにもかかわらず、平成25年の加入率が、対馬が7.4%、壱岐が29.1%、五島地区が8.3%、県北が13.2%、県南が7.2%と。これは大変な状況であって、要はなんでこういうふうになっているのかというのを、なぜこんなにいい制度がありながら、これだけ加入率が低いのかというのを説明していただけますか。
◎山田漁政課長 まずこのセーフティーネット事業の補てんの発動基準が、今、燃油が高くなった時の平均値ということでありまして、なかなか漁業者の方が補てんの実感が少ないということがあるかと思います。
 それから、申し込みをする場合の手間がかかると。手間がかかる割には補てんが少ないということもあるかとは考えております。
◆山田[博]副委員長 そうすると、これは今2つ問題があった。なぜこんなに低いかというと、手間がかかるのと実感がわかないと。それだけの理由だったら、なぜ壱岐だけこんなに大きいんですか。壱岐は3割あるんです。五島地区や対馬は少ない。長崎県の壱岐、対馬、五島という3つの離島で長崎県の半分の水揚げを占めているんですね。しかし、地域間でこれだけ違うんですね。ただ単に手間がかかるとか、実感がわかないとか、それだけで済まされるんですか。これはなぜこんなに違うんですか。今の説明で、全部同じぐらいの率だったらわかるけれども、これは極端に違うんだから。お答えください。
◎山田漁政課長 地域ごとに加入率が違うということに関しましての詳細な検討は行っておりませんけれども、一般的には、先ほど申し上げましたような理由があるということです。
 今回、昨年度から補てんの基準が少しずつ緩和されてきまして、加入率も少しずつ上がっておりますので、そこは今申し上げましたような補てん基準の問題とか、あるいは加入につきましても、今回、セーフティーネットの拡充に伴いまして漁協単位で加入できるとか、そういったことも改善されてきておりますので、そういった意味では少し加入率も上がるのではないかと考えます。
◆山田[博]副委員長 もう時間も時間ですから、これで終わりたいと思いますけれども、一言だけ。これは手間がかかるとか、実感がわかないというのは、今度新たな積み増し制度というか、拡充でそれは満たされくると思うんですけれども、あと手間がかかるというのは、解決を漁協組合と一体となって取り組んでいただきたいと思うんですよ。部長、これはそうでしょう。実感がわかないというのは、今拡充されて何とか満たされるから今回解決できるでしょうけれども、手間がかかるというのをどういうふうにして解決するかというのが大切でしょうから、そこをしっかり取り組んで、加入率を引き上げてもらいたいと思います。それを最後に聞かせてもらって終わりたいと思います。
◎山田漁政課長 手間に関しましては、先ほど申し上げましたように、漁協単位でも加入ができるということでございますので、そういった今度の制度の拡充を含めて漁協、あるいは漁業者の方に説明を行いながら、加入率の向上に努めてまいりたいと思います。
◆織田委員 私もこれはえらく差があるなと思ってびっくりしました。
 最終的に詰めていただいたように、漁業者の皆さんに周知徹底を図って、いかに申し込んでいただくか、申し込んでいくに当たっても、手続をできるだけお手伝いしながら簡素化させていこうと、今お話があったとおりだと思うんですね。
 今度、対馬がたしか上乗せをやりましたね。7.4%だから、これは効果が上がっていくんだと思います。小値賀もやっていますね。こういう自治体が自発的にこういう誘導策をやるということに当たっては、もう自治体単位に任せるというだけで県はいいんですか。県としてもそれに何らかの誘導策として関与する必要はないんですか、どうですか。
◎山田漁政課長 燃油に対する支援につきましては、委員がおっしゃったように、今幾つかの自治体で支援をするという検討をされておりますし、小値賀は既にやっております。ただ、県の方では、県全体の漁業者に対する燃油高騰支援となりますと、相当な予算額となりますので、まずはこのセーフティーネットの加入を促進してまいりたいと考えております。
◆織田委員 促進する上でも、今言ったような誘導策というのは効果的だと思います。
 えらい差がありますので、それは漁業に熱心な、漁業が生命線だという自治体もあるし、そうじゃないところだって、漁業者から見れば生命線ですよ、油が命ということです。そういう点ではやっぱり全県的に検討する時期にきているんじゃないかと思います。ぜひ自己責任、自己負担でやっていただくというだけではなくて、誘導政策として、県として何らかの関与ができないかという検討は、自治体の皆さんはそう思っていると思いますよ。こうやって上げたいという思いがあってこうしていると。ぜひ検討していただきたいと思いますが、部長どうですか。
◎下山水産部長 燃油の問題につきましては、先ほど漁政課長が答弁いたしましたように、本土と離島の差があって、離島が非常に厳しいということで、例えば輸送コストみたいに何らかの調整を図る必要があるということであれば、手だては打ちやすいとは思うんですけれども、この燃油に関しましては、離島も本土も基本的には同じでございますので、なかなかある特定の自治体にいろいろ助成をするということにはいかない。やっぱり県下全体を見て、県としては政策をつくっていかなければいけないという状況がありますので、誘導策をと言われるのは我々もよくわかるんですけれども、ちょっと財源の問題等々も含めまして大きな問題になるものですから、なかなかいい回答ができないというのが実情でございます。
 ただ、何か手だてがないのかということは、研究はしてみる必要があるのかなとは思っておりますが、今の段階ではあまり言うべきものがないものですから、まことに申し訳ないんですけれども、この程度でご理解を賜りたいと思います。
○西川委員長 同じ自治体の中でも漁協によって、また漁業の仕方によっても違います。例えば平戸市の志々伎漁協なんかは、参事が気が利いていたものですからものすごく加入率がいい、それに対して平戸市漁協は悪いと。そういうふうに同じ自治体の中でもいろいろあります。しかし、できるだけ入らせないと、このセーフティーネットの効果がないと思いますので、その辺は今の委員の発言のとおり、できるだけ加入率を上げるように頑張ってください。
 それでは、これをもちまして水産部関係の審査を終了いたします。
 水産部関係の審査結果について整理したいと思いますので、ここでしばらく休憩いたします。
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     −午後零時41分 休憩−
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     −午後零時43分 再開−
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○西川委員長 委員会を再開いたします。
 本日の委員会の審査はこれにてとどめ、午後は現地調査を行います。2時半出発の予定です。
 本日は、これにて散会いたします。
 お疲れさまでした。
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     −午後零時44分 散会−
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