平成25年  6月定例月議会 農水経済委員会 - 07月02日−05号

平成25年  6月定例月議会 農水経済委員会

1、開催年月日時刻及び場所
  平成25年7月2日
       自  午前9時59分
       至  午後5時30分
       於  議会会議室
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2、出席委員の氏名
    委員長(分科会長)  西川克己君
    副委員長(副会長)  山田博司君
    委員        野本三雄君
     〃        織田 長君
     〃        溝口芙美雄君
     〃        徳永達也君
     〃        山口初實君
     〃        友田吉泰君
     〃        深堀 浩君
     〃        中島浩介君
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3、欠席委員の氏名
     なし
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4、委員外出席議員の氏名
     なし
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5、県側出席者の氏名
    農林部長         上田裕司君
    農林部政策監(農村整備事業・諫早湾干拓担当)
                 梶原義範君
    農林部次長        加藤兼仁君
    農林部次長        峠 純秀君
    農林技術開発センター所長 松本信助君
    農政課長         松尾誠司君
    農山村対策室長      寺島正彦君
    団体検査指導室長     酒井 繁君
    農業経営課長       江藤博之君
    農地利活用推進室長    長岡 仁君
    農産園芸課長       田中健一君
    農産加工・流通室長    永橋法昭君
    畜産課長         松永孝三君
    農村整備課長       林田裕興君
    諫早湾干拓課長      宮崎浩善君
    林政課長         佐藤義高君
    森林整備室長       新見芳則君
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6、審査の経過次のとおり
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     −午前9時59分 開議−
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○西川委員長 おはようございます。
 委員会及び分科会を再開いたします。
 徳永委員から、所用により出席が遅れる旨連絡があっておりますので、ご了承をお願いします。
 これより、農林部関係の審査を行います。
○西川分科会長 まず、分科会による審査を行います。
 予算及び報告議案を議題といたします。
 農林部長より、説明をお願いいたします。
◎上田農林部長 農林部関係の議案等について、ご説明いたします。
 お手元の予算決算委員会関係議案説明資料の農林部をお開きいただきたいと思います。
 今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第78号議案「平成25年度長崎県一般会計補正予算(第1号)」のうち関係部分、報告第1号 知事専決事項報告「平成24年度長崎県一般会計補正予算(第10号)」のうち関係部分、報告第3号 知事専決事項報告「平成24年度長崎県農業改良資金特別会計補正予算(第2号)」、報告第4号 知事専決事項報告「平成24年度長崎県林業改善資金特別会計補正予算(第2号)」、報告第5号 知事専決事項報告「平成24年度長崎県県営林特別会計補正予算(第2号)」であります。
 はじめに、第78号議案「平成25年度長崎県一般会計補正予算(第1号)」のうち関係部分につきましては、平成24年度の国の経済対策により積み立てました「長崎県森林整備地域支援基金」の事業実施に必要な経費等について計上しようとするものであり、歳入歳出総額ともに19億2,593万1,000円の増となっております。
 2ページに記載しております歳出予算についてご説明いたします。
 平成24年度の国の経済対策補正予算を活用しまして、米の高品質・高付加価値生産による産地強化のため、JA壱岐市の乾燥調製施設や精米施設の整備を行うための経費として、2億9,467万3,000円の増、五島食肉センターの食肉処理の効率化や品質及び機能向上・改善のため、施設・機械の整備を行うための経費として、4億2,453万4,000円の増、地域材の需要拡大及び林業事業体の経営基盤強化等を図るため、木材加工流通施設、木造公共施設、木質バイオマス利用施設の整備等を行う経費として、12億672万4,000円の増を追加計上いたしております。
 また、債務負担行為については、島原半島地域食肉センター及び五島食肉センター整備にかかる市の負担軽減を図るために、合併特例債活用に伴う償還金のうち交付税措置を除いた市の実質負担の一部に対する補助について措置するものであります。
 次に、先の2月定例月議会の本委員会において、知事専決処分により措置することについてあらかじめご了承をいただき、3月29日付をもって専決処分させていただきました事項の報告であります。
 はじめに、報告第1号 知事専決事項報告「平成24年度長崎県一般会計補正予算(第10号)」のうち関係部分につては、歳入面で国庫支出金等が最終的に確定したこと及び歳出面で年間執行額が確定したことなどに伴うものであり、それぞれ記載のとおりであります。
 また、繰越明許費につきましては、先の2月定例月議会までに設定した繰越明許費に今回の専決予算に関する繰越明許費を追加計上しており、それぞれ記載のとおりであります。
 次に、報告第3号 知事専決事項報告「平成24年度長崎県農業改良資金特別会計補正予算(第2号)」、報告第4号 知事専決事項報告「平成24年度長崎県林業改善資金特別会計補正予算(第2号)」、報告第5号 知事専決事項報告「平成24年度長崎県県営林特別会計補正予算(第2号)」については、事業の決定に伴うものであり、歳入歳出予算については、それぞれ記載のとおりであります。
 次に、「平成24年度長崎県一般会計歳出予算繰越明許費繰越計算書報告」の関係部分につきましては、それぞれ記載のとおりであり、繰越の主な理由は、事業決定の遅れ、計画、設計及び工法の変更等による工事の遅延により、事業の年度内完成が困難となったことによるものであります。
 以上をもちまして、農林部関係の説明を終わります。
 よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げます。
○西川分科会長 ありがとうございました。
 次に、補足説明を求めます。
◎松尾農政課長 私の方から2点、補足説明をさせいただきます。
 まず、第78号議案「平成25年度長崎県一般会計補正予算(第1号)」について、お配りしております補足説明資料「6月補正予算(計上事業)」に基づきましてご説明いたします。
 説明資料の1ページをご覧ください。
 産地総合整備費は、米の高品質・高付加価値生産による産地強化を図るため、JA壱岐市において、現在北部と南部にある共同乾燥調製施設を南部地区に再編統合するとともに、併せて施設の機能強化に対し支援するものでございます。
 具体的には、実需者ニーズに応じた栽培の多様化はもとより、小ロット・多品目集荷と乾燥調製作業の省力化・効率化に対応するものであり、「にこまる」や「つや姫」といった地域ブランド米の推進・販売及び焼酎用原料の供給体制の強化に寄与するものでございます。
 このことに対する荷受・乾燥施設、籾すり及び調製プラントの増設などに係る経費として、補正予算2億9,467万3,000円を計上しております。
 説明資料の2ページをご覧ください。
 中小家畜対策費は、五島食肉センター及び島原半島地域食肉センターにおいて、牛と豚の処理ラインの完全分離による衛生レベルの向上や食肉処理の効率化のための施設整備等の取組に対する支援を行うものでございます。
 五島食肉センターについては、国の補助事業に係る経費として、補正予算4億2,453万4,000円を計上しております。
 併せて、五島食肉センターの施設整備の事業主体である五島市は「地域の元気臨時交付金」及び「合併特例債」を活用して補助経費に充当することとしており、また、島原半島地域食肉センターの施設整備については、雲仙市は事業主体である島原半島地域食肉センター事業協同組合に対して「合併特例債」を活用して補助金9億円を交付することとしております。
 県といたしましても県内の基幹となる食肉センターの施設整備は、畜産振興を図る上で必要不可欠であることから、一定の支援は必要と考えており、両市の合併特例債充当分の事業費のうち、上限を1億円として交付税措置を除く実質負担分に対し県費の補助を行うものであり、平成26年度から平成36年度において、債務負担限度額7,350万8,000円を措置するものでございます。
 説明資料の4ページをご覧ください。
 森林整備地域活動支援事業費は、平成24年度の国の経済対策により積み立てた「長崎県森林整備地域活動支援基金」を活用し、木材加工流通施設、木造公共施設、木質バイオマス利用施設等の整備への支援及び地域材の新規用途開発等を実施することにより、地域材の需要拡大を促進するものであります。また、併せて、人材育成研修及び森林組合への利子助成等を実施し、林業事業体の経営基盤を強化することにより、需要動向に応じた機動的な生産体制を構築しようとするものでございます。
 経済対策のための基金事業であり、事業実施期間が平成25年度末であることから、今回これらの事業に係る経費といたしまして、補正予算12億672万4,000円を計上しております。
 続きまして、繰越額についてご説明いたします。
 農林部関係の繰越額は、「繰越計算書報告」の3ページの農林水産業費及び5ページの災害復旧費に掲載されておりますが、詳細につきましては、お配りしております補足説明資料の「繰越事業理由別調書」により、ご説明いたします。
 説明資料の1ページをご覧ください。
 農林部の繰越額の合計は、414件、112億9,852万8,000円でございまして、うち経済対策分が139件、96億2,595万8,000円、うち災害復旧分が224件、2億4,676万1,000円、合わせて363件、98億7,271万9,000円となっておりまして、件数で87.7%、金額で87.4%を占めております。
 調書に記載してはおりませんが、平成24年度一般会計3月補正予算専決後の農林部予算額389億7,689万3,000円の29%を占めております。
 前年度の繰越額と比較いたしますと、下段の参考欄をご覧ください。件数で121件の減、金額で49億6,571万4,000円の増となっております。これは主に平成24年度の国の緊急経済対策に対応するため予算を計上しました農業農村整備事業、治山事業におきまして、事業決定の遅れにより年度内の工期が十分に確保できないこと等に伴い繰越が増加したことによるものでございます。
 その他の繰越理由といたしましては、「A計画、設計及び工法の変更による遅れ」によるものが22件、8億3,079万4,000円でございます。
 これは、育成林整備造林事業費において、今年度から始まりました森林経営計画の策定に時間を要し、また、年度当初の木材価格の急落で実施時期が遅れたもの、また、基幹農道整備事業において、国の道路橋の設計基準等の改定に伴い、橋梁設計内容の見直しを図ったところ、橋長変更等に伴う地質調査ボーリングを追加実施する必要が生じまして、設計作業が大幅に遅れたため、当初予定しておりました年度内完了が困難となったものでございます。それぞれ工事契約における適正な期間が確保できなくなったことによるものでございます。
 次に、「B地元との調整に日時を要したもの」によるものが6件、3,158万円でございます。
 これは、県単独緊急地すべり等保全事業におきまして、民家裏の法面保護工事について、工事中の災害防止のため降雨時期を避けた平成24年11月から平成25年3月末に工事を行う予定でありましたが、斜面に位置する本工事現場の周囲には使用機材の設置スペースがなく、用地決定に至るまで地元関係者との調整に日時を要したこと等によるものでございます。
 次に、「C用地補償交渉の遅れ」によるものが1件、1,818万円でございます。
 これは、経営体育成基盤整備事業において、区画整理工において発生した濁水が流末に位置する湾内へ流出したため、漁協補償交渉に不測の日数を要し、年度内完了が困難となったものでございます。
 次に、「Dその他」によるものが1件、1,090万1,000円でございます。
 これは、構造改善加速化支援事業費において、基盤整備事業実施地区の圃場に白菜・生姜ハウスを建設する計画でございましたが、6月の集中豪雨により圃場の一部を冠水したことから、地元調整の結果、排水対策を行う必要があり、その対策等の検討において時間を要したことから、ハウスの年度内完成が困難となったことによるもの等でございすま。
 課別の内訳につきましては、中段の表に記載しております。
 また、2ページから4ページまでは、繰越事業について県の事業・事項ごとに繰越承認をいただいた件数及び金額、平成24年度から平成25年度への実繰越の件数及び金額を記載しております。
 今後は、残る事業の早期完成に向けて最大限努力してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○西川分科会長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより、予算及び報告議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
◆織田委員 先ほどの説明で中小家畜対策費の県の支援がありました。それに伴う予算と債務負担行為が上がっているんですけれども、もう一回事業の確認をさせていただきたいと思います。
 五島の食肉センター、島原半島の食肉センターは、両方とも市で運営しているセンターですね。それに市の方が合併特例債を活用して機能の整備を図ろうということに対して、一定県が応援しようという制度でございますが、こういう制度はもともとあったんですか。今回に限って初めて導入されるやり方ですか。
◎松永畜産課長 両食肉センターにつきまして、五島の方が公設民営、それから島原の方は民設民営となっておりますけれども、その支援のやり方につきまして合併特例債を活用していただいて、その一部を支援するというやり方は、今回、畜産として初めての取組と考えております。
◆織田委員 この島原は民設民営と言いましたか。それに対しても応援をするというスキームをつくったわけですね。ということは、ちょっと珍しい対応ですよね。この辺は十分に協議した上でそういう措置をしようと判断したわけでしょうか。
◎松永畜産課長 島原につきましては、今年の3月まで公設で運営をされておりまして、それが準公設といいますか、4月に民設化された部分でございます。
 この支援をするために、島原半島の3市が合併特例債を活用して9億円の補助をしようというスキームでございまして、その一部を県としても支援をさせていただきたいということで予算を要求させていただいております。
◆織田委員 食肉センターたるものは、長崎県にどれくらいありますか。
◎松永畜産課長 県内に5カ所ございます。基幹的な施設といたしまして佐世保の食肉センター、それを補完する施設ということで五島の食肉センターと島原半島地域食肉センターという位置付けでございます。また、その他の施設ということで、諫早と川棚の方に一般企業の食肉センターもございます。
◆織田委員 一定経過がいろいろあるので、一概にどこをどうするかという管理はなかなか難しいんでしょうけれども、せっかくこういうスキームで県が応援しようというのであれば、ほかの施設についてもこういったことは考えていくということを当然明言したようなものですね、先行してこれをやったわけだから。今後、こういったことがあり得るということになった場合は、県は当然ながら検討していきますよと、こういうふうに判断してよろしいわけですね。
◎松永畜産課長 先ほど申し上げましたが、県の食肉センターについては、佐世保が基幹的な施設、それを補完する施設ということで五島と島原がございます。そういう重要な位置付けということで、今回、五島と島原について支援をするということを決定させていただいたわけで、その他の施設につきましては、そのようなことは現時点では考えていないということでございます。
◆織田委員 それはちゃんと整理した方がいいと思います。わからないけれども、ほかのところだってそういったことを行いたいという希望があるかもしれない。また、将来的には当然出てくると思いますよ、進化していくわけだから。そうすると、一定整理して、こういう場合は県がちゃんと応援しますよというふうにしてやらないと、個別、個別に対応をするようなことはあってはならないと思います。まず、議論をきちんとして、ここら辺までは県がやりますよと、ここから先は当然ながら皆さんでやってくださいと、そういうふうな制度としてきちっと積み上げてつくらないとだめなんじゃないですか、どうですか。
◎松永畜産課長 全ての食肉施設を対象というわけではございませんで、あくまでも五島、島原という食肉センターは、佐世保を補完する重要な施設であるといった位置付けの中で、この2施設について支援をお願いしているところでございます。
○西川分科会長 畜産課長、食肉センター、つまり解体場ですよね、屠畜場ですから。その仕組みを、今までの歴史とかをもうちょっと説明しないとわからないと思うんです。そして、その歴史にのっとって、こういう基幹があくまでも佐世保と島原だからこうしているということを言わないと、ほかのところにもしないといけないということになってくるんじゃないですか。
◆織田委員 佐世保は基幹施設ですね。佐世保のこともあるでしょうし、それから先ほどおっしゃったいろんなところがあります。政策的に長崎県が和牛を売り出していこうと、ブランド化もしていこうとするわけです。当然ながら解体したものというのは、ブランド化している部分は一部だから、あとは全部ほかで消化しないといけない。そういう点ではこういうところも地元で消費してもらうためには、長崎県としても政策的に一定そういうところに責任があるじゃないか。その時に、屠畜は屠畜、解体は解体ですよというのではなくて、一定整理して、こういう制度を設けるならば、対応をまとめておかないと整理がつかないんじゃないですか。私が聞いている限りでは、ちょっと納得しがたい話だなと思ってさっきからやりとりしているんです。部長、聞かせてもらいましょうか。
◎上田農林部長 先ほど佐世保、五島、島原位置付けの説明を担当課長からさせていただきました。
 一つには和牛の、あるいは養豚のいわゆる衛生的な屠畜、そしてブランド化、これは全体的に図っていく必要があろうと思っております。
 ただ、そこに必要となります施設につきましては、国の補助対象、いわゆる端的に申し上げますと一企業一施設というところにつきましては、これは国の方の支援の対象になっていない現実もございます。そういった部分につきましては、国の融資制度等でこれまで進んできていると思っているところでございます。
 ただ、基本的に公設で行ってきている部分につきまして、そこの基幹施設として各市町が設置をして運営をしてきている、そこの公益性につきましてはしっかりと応援しないといけない。そこの部分がかなりの量を占めておりますので、本県としては佐世保食肉センターを基幹施設、これは経過がございまして、もともと長崎にも屠畜場がございました。これを佐世保と合体をいたしまして県全体の基幹施設として進めていくという大きな位置付けでございます。それを補完する意味で五島、それから島原地域、いわゆる養豚、あるいは肉用牛が盛んな地域につきまして、公設でしっかりと応援していくという部分につきまして、これまでも県としては応援をしてきた、支援をしてきた経過がございます。
 今回、島原につきましては、いわゆる施設の運営面の理由で、どうしても地元の市がこれ以上維持できないという中で、民設という地域の要望がございました。それに対して市の方がしっかりと民設民営について応援をする。五島につきましては、公設で、なおかつ肉用牛の振興もあるということで、市がしっかりと支えて運営していくと。そういう部分につきまして、市の負担がかなりの部分出てまいりますので、そういった市の負担を今回軽減をさせていこうということで、国の補助、あるいは合併特例債の一部について支援をしようというものでございますので、大きな位置付けとしましては、この基幹施設、3施設についてしっかりとフォローをしていきたいと考えているところでございます。
◆織田委員 私は佐世保ですけれども、佐世保の場合もこうした真水の分について、市がかかるのであれば、県も一定応援しますよとなっているんですか。
◎上田農林部長 この食肉センターというのは何十年に1回の改築でございます。ですから、いわゆるルールとしてどうするというルールはございません。一つございますのは、国の補助制度として確立されているものはございます。
 佐世保の食肉センターにつきましては、当時佐世保市が広域的な観点で長崎の分も引き受けて施設整備を行うということもございましたので、県の方でその市の負担の軽減を図るために、補助の継ぎ足しという形で当時は支援をさせていただいております。
 五島につきましても、やはり離島地域で食肉センターを運営するという観点で、市が設置した際に、県の方でも国庫補助の継ぎ足しという形で支援をさせていただいておりますので、どういう支援かというのは、その時の方法論、あるいは事情にもよるところでございますけれども、市がしっかりと頑張っていくところにつきましては、その都度私たちも考えていきたいと思っているところでございます。
◆織田委員 大きな3つの基幹とサテライトというか、違うところがあるとして、公設でやっているところを中心として応援するということはわからないわけじゃないけれども、じゃ、どの範囲をやるかと。一番最初つくる時は応援しましょう、これはわかりますね。当然ながら、こういうものというのは、衛生上ですから、ずっとレベルが上がっていきますよ。いろんな要素が入ってくるでしょう。じゃ、その時に、こういう改良をしたいと、一回つくったんだから、もうそれで終わりですよじゃなくて、ここの場合はそうやって申し入れがあったとしますね。ここだって、また新しくお願いする部分が出てくるかもしれないですね。そんな時に、じゃ、維持管理も含めて、維持管理は市がやるのかもしれないけれども、新しい機能を付加するためには県も一定そういう時には支援しますよと、その時には、国のいろんなことを除いて、真水の分については一定そういうものに対しては県も応援するんですよということを明言したということですね。今回のこれはしたということですよ。そういう意味でとらえていいわけですね。
◎上田農林部長 今後の整備についての支援のあり方と申しますのは、その時の状況によってしっかりと検討はしていく必要があろうと思っております。
 今回の部分につきましては、例えば五島市につきましては、五島市が国の制度を活用して、一気に負担があってもやっていこうという計画を立てられました。それから、島原半島につきましては、民設民営という経過はありますけれども、3市が9億円の助成を出して応援していこうという、負担を出してでも応援していこうというところがございました。そういった部分については、市と県は一緒になって応援していく必要もございますので、今回やらせていただいたところでございます。
 今後につきましては、また、その時の事情、状況に応じて考えていきたいと思っているところでございます。
◆織田委員 たくさん施設があるわけじゃないので、先々どういうことがあるだろうというのは予測が立つわけだから、そうしたらこういう時はこうしましょうという話し合いは、市、公設のところと話し合いをして、こういう時は県が応援しますよ、いや、それはあなたたちがしなさいよというのではなくて、ちゃんとそういう協議をしながら詰めていくんですよというぐらいの考え方を持っていてもいいんじゃないですか。それが今回のことでしょうから。そういう意味で、苦言になってしまいましたね、全然そういう予定じゃなかったんですけれども、お話をさせてもらいます。
 さっきの繰越の分でもう少し説明を加えていただけませんか。
 全部で414件繰越があって、件数だけで見ると、多いのが農村整備課の災害復旧の分が非常に残っていますね。これはいつということはないのか、何かあればその都度、その都度積み上がっていくんでしょうからね。心配するのは、ずうっと積み上がって残っているものがあるんじゃないかという心配があるんですね。221件の中で、越年をしながらずっと残っているものがあるんですか。
◎林田農村整備課長 繰越につきましては、国の方は基本的には3年間で終わるような格好にしております。初年度は大体8割の予算を付けて、次の年に15%、5%と、そういうやり方をしております。
 平成23年度に起きました災害につきましては、もう昨年度ほとんど終わっております。
 平成24年度につきましては、約8割ほど執行しておりまして、そのうち約5割程度は完了している状況でございます。
◆織田委員 平成24年度の約2割の分がこれから精力的にやらないといけない、残っている分としてあるわけですね。
 件数が非常に多いんだけれども、小さいものも結構入っていると思うんですね。あとは要するに処理能力の問題ですよね。できるだけ繰越が少なくて済ませられるものであればできるだけ早く、事務能力にもよりますよね。またこうやって新しいものが発生してきているのですが、その辺の対応は十分できるような体制ですか、大丈夫ですか。
◎林田農村整備課長 災害については、突発的に起こっている状況がございまして、市町の方も一生懸命対応しておりますけれども、市町がそういう査定の設計書とか、積算等で対応できない分については、土地改良事業団体連合会という組織がございまして、そこが業務委託を受けて早くできるような格好で対応している状況でございます。
◆織田委員 災害の分ですから、早く処理してやらないといけない案件だと思いますので、体制をよく整えて進めていだきたいと思います。
 先ほど、土地改良のところで壱岐の話がありました。区画整理工において発生した濁水が流れたために、それが湾内へ流出して漁業補償との関係があったという説明があったんですが、これはまだ交渉が進んでいる状態なんですか。
◎林田農村整備課長 今の分は、壱岐市の水田の圃場整備をやっている苅田院地区でございます。現地が海の近くにございまして、工事に伴って濁水等が出るものですから、今、濁水防止のネット等をセットして対応しておりますけれども、大雨で、それを越して濁水が流れた状況がございまして、それについて地元の漁協と、その後の対策としてもう少しネットを増やすとか、その他の対策をどうするとか、そういう協議で少し時間がかかりまして繰越になった状況でございます。随時、今、漁協とは協議している状況でございます。
◆織田委員 そうすると、その原因は、工事する側、ネットを張る側に責任があるんですか、当初、こういう事態でも対応できるというものにしていなかったわけだから。責任はどこにあるんですか。
◎林田農村整備課長 当初想定していた以上の大雨が降ったために、濁水が少し流れ込んだ状況がございますので、その分については、今、専門機関の方に委託をして、どういう影響が出ているのか、それについてはしっかり検証して、もし万が一補償とかということがあれば、当然真摯に対応するような格好で今話をしているところでございます。
◆織田委員 そういう点ではやっかいなことですね。おっしゃったように、納得いただけるような対応をしていかないといけないですね。
 以上です。
○西川分科会長 ほかにありませんか。
◆深堀委員 森林整備地域活動支援事業費でお尋ねをしたいんですが、今回12億円ほど補正が計上されております。項目として10項目挙がっておりますが、この予算立てというのはどういう形でされているのか。この使われ方というか、中身がほぼ決まっているものなのか、そのあたりを教えてください。
◎佐藤林政課長 今回お願いしております森林整備地域活動支援事業ということで12億円ほど補正を組ませていただいていますが、この事業は、国が平成24年度の経済対策予算ということで補正を組みまして、昨年度中に基金に積み立てているものでございます。
 メニューは、既に国から示されておりまして、説明書の中にあるとおり、10のメニューでございます。
 県といたしましては、このメニューの中でどういったものが地域に必要かということを精査しながら、かつ、例えば木材加工流通施設整備、これは製材所の施設整備ですけれども、民間の製材所の方々にどういう要望があるかということをくみ上げまして、地域の協議会というのを置いておりますが、その中で予備的にお話し合いをしていただきまして、その中で補助対象者というのを決めていくというやり方で、今回12億円を予算計上させていただいております。
◆深堀委員 わかりました。そうしたら、この12億円の採択というのは、まだ認定されていないということですね。
 そうしたら、現計予算の9億6,400万円というのは決まっているんですか。
◎佐藤林政課長 現計予算は、既に2月定例月議会で承認をいただいておりますが、これにつきましては全てが事業を確定したものではありませんが、既に補助金交付申請がなされ、交付決定も約半数程度は済んでおります。
 今回、補正している分は、当然ながら事業を確定したというわけではございませんが、既に事業を受けたいと言っておられる事業者の方については、事務のいろんな事前準備がございますので、それについてはもう動き出しが始まっているのではないかと思っております。
◆深堀委員 後で、その決まっている分を資料としていただければと思います。この資料では地区がわからないので、どういう地区にどういったものが決まっていったのかというのは見ておきたいと思います。
 もう一つだけ質問ですが、例えば先ほど木材加工流通施設等整備の話がありました。これは製材所の機器等々も含まれていると思うんですけれども、その機器の制限というのはないですか。例えば、木材を加工するのに、その機械の大きさには基準があると思うんです。私がちょっと聞いたのは、離島で大規模なものがないという話を聞いて、そのために加工がやりにくいと。だから、島外に出さないといけないという話も聞き及んだんです。だから、こういった補助金といいますか、事業の中でそういった加工する機器の基準を制限していないかどうか、そこだけ教えてください。
◎佐藤林政課長 基本的にそういった制限はございません。ただし、事業を計画される際に、どれだけの規模の木材を扱うかというものが最初にございます。ですから、その事業規模に応じた機械という形になってまいりますので、自分たちの会社がどれだけ材を集めて製材していくかということがまず基本、ベースになりますので、その計画書を我々の方が審査をしていくと。それに応じた機械の配置が必要だという考え方で補助金を決めていくということになっております。
 ですから、最初申しましたように、最初に規模の制限があるというわけではございません。
◆深堀委員 扱う量ではなくて、扱う物ですよ。だから、量が少なくても、この大きな木を島内で加工できないとなれば、使えないわけですね。幾ら一本であってもですよ。そのあたりなんですよ。
◎佐藤林政課長 私が言ったのは量だったのですが、今言われたように木材の大きさ、長さ、そういったもので当然機械の大きさも変わってまいります。それは事業者がどういった製材品を供給するかという戦略が基準になってまいろうかとは思います。ですから、それを適正に考えておられれば、当然それに見合った機械が必要になってまいりますので、そういう点では機械の大きさは、それぞれの考え方で決まってくるのではないかと思います。
◆深堀委員 最後に要望しますけれども、採択する時に、確かに量は少ないかもしれないけれども、その地域の特性、例えば離島であれば、加工する場所、機器がなければ加工ができないわけであって、確かに量は多くないかもしれないけれども、その地域の特性というのも考えて、やはりこの地区にはこれだけの機器が必要だなとか、そういった観点でぜひ審査といいますか、支援をしていただきたいということを要望しておきます。見解があればお願いします。
◎佐藤林政課長 製材所のお話になっておりますが、林政課といたしましても、地域の材を地域で製材し、それを出荷していく、そういう大きな流れというのは必要だろうと思っております。ですから、地域特性に応じた製材所、製材をする機械というのは当然必要になってくるのだろうと思っております。当然補助金ですので、審査する項目はございますけれども、できる限り、その地域の材を使えるように、また、地域の製材所の皆さんが大きな一歩を踏み出す、事業拡大についても支援ができるように考えてまいりたいと思います。
◆溝口委員 森林整備地域活動支援事業費の12億円ですが、この説明書の中で平成25年度末までに事業を実施していかなければいけないことになっています。この繰入金が、21億4,599万6,000円ですよね。補正後の予算が21億7,000万円ということで、約2,500万円の差があると思うんですけれども、このことはどのようになってくるんですか。21億4,599万6,000円は、もう繰り入れてしまったと考えたらいいんですか。
◎佐藤林政課長 繰り入れる金額は、当然この6月定例月議会でご承認いただいてから、新たに12億円を基金から繰り入れるということになると思います。
 補正後の予算額と繰入金の差ですけれども、これは当事業の財源に基金からの繰入金のほか、一般財源が2,500万円あるためでございます。
◆溝口委員 それでは、平成25年度末の基金残高6億1,200万円というのは、今年度中にある程度事業を決定していかないと使うことができないということになってくるんですか。
◎佐藤林政課長 そこの一番下に書いてあります6億1,200万円につきましては、今、県が基金で持っております森林整備地域活動支援事業に係る基金がございますが、それを現計の9億6,000万円と今回の補正を合わせた21億円を執行いたしましても、平成26年度に使う予定の金額が、まだ6億1,200万円程度あるということでございます。
◆溝口委員 この平成26年度への繰越も認められるが、平成25年度中の交付決定というのは、いつすればいいんですか。
◎佐藤林政課長 今回の12億600万円の補正の金額につきましては、国からの指導もございますけれども、平成25年度中に交付決定をするということでございます。ですから、ものによりましては、また繰越ということでお願いをすることもあるかもしれませんが、基本的には交付決定を年度内に行うというものです。ですから、12億600万円については、当然きっちりと使う先が決まってしまうということでございます。先ほど回答いたしました6億1,200万円については、今回の補正とは別で、基金の残高でございまして、これは平成26年度に執行する予定の金額ですということです。
◆溝口委員 この残高の約6億1,200万円は平成26年度に繰り越しても問題ないということですね。わかりました。
 この産地総合整備費2億9,467万3,000円、壱岐市の方で使うようになっているんですけれども、これは国からの国庫負担金だけで、県としては予算として全然こういうものには関係しないんですか。
◎田中農産園芸課長 壱岐市の分につきましては、国庫によります2分の1の補助、それと壱岐市の方でやっております補助、それと事業実施主体であるJAの支援、それだけを考えております。県は考えておりません。
◆溝口委員 だから、県の方としては、ここに補助するようなメニューは全然ないのですか。
◎田中農産園芸課長 メニューはございません。
◆溝口委員 普通、漁協なんかでもいろいろな建物や施設をつくる時に、大体国の補助と県・市の補助が付いてきますよね。このJA壱岐市のこの事業については、そういう整備費というのはないのですか。メニューが全然違うんですか。さっきは県の方もこういうものに少し携わって、いろんな決め方をして出さないといけないと言っていたけれども、やはり私としてはこういう事業をさせるのだったら、県の方としてもこの農業生産につながっていくわけですから、少しはかかわっておいた方がいいんじゃないかという気がするわけですけれども、いかがですか。
◎田中農産園芸課長 共同乾燥施設でございますが、この部分につきましては、今回、市の方の事業、特にこの資料にございますように、注にある地域の元気づくり交付金なんかを活用して地域の負担を少なくするようなスキームで今やろうとしております。
 県においては、こういった施設整備に関しましては、いわゆる大きなものではございませんけれども、低コスト耐候性ハウスと言われるものにつきましては、県の予算を10%、市の継ぎ足しも加えましてやっておりますけれども、こういった大規模な施設につきましては、現在、検討はしておりません。
◆溝口委員 わかりました。
 知事専決事項報告の33ページ、諫干の事業推進費が3,819万8,000円減額になっているんですけれども、事業実績に伴う減と財政更正とあるんですけれども、これはどういうことになっているんですか。
◎宮崎諫早湾干拓課長 横長の説明資料の33ページ、干拓費の諫早湾干拓事業推進費の事業実績に伴う減ということでございますけれども、これにつきましては潮受け堤防排水門の開門により懸念されます影響とか、被害、これに対する各種施策を実施しております。具体的には、例えば学術アドバイザー関係、大学の先生等に国の対策が妥当であるか等聞くもの、それとかアセス等の調査をやるとか、地元等の法律相談等、もろもろの事業をやっておりますけれども、この事業実績に伴います事業費の減でございます。
◆溝口委員 何カ所かに財源更正というのが出てくるんです。金額が1,000円未満とか、そういうことなっているんですけれども、ここでは事業実績に伴う3,819万8,000円の減になっております。これは先ほど言ったいろんな仕事で余った金だということですが、この財源更正というのが入っているので、その辺の説明をお願いします。
◎宮崎諫早湾干拓課長 財源更正につきましては、調べさせていただきたいと思います。
◆溝口委員 今度は36ページ、ここも減額になっているんです。緊急治山費8,211万円が、マイナス5,459万2,000円になっているんですね。事業実績に伴う減ということですけれども、この事業が1つか2つ実施できなかったのかどうか。補正前に8,211万円組んでいて、また5,459万2,000円も減るということがちょっと考えられないんです。
◎新見森林整備室長 緊急治山費につきましては、毎年、災害の緊急性に伴って執行する必要があることから、8,000万円ほど、いわゆるから積みの状態で持っております。災害関連ですので、当然8,000万円では足りないこともあるわけですけれども、どうしても緊急に対応するため、復旧に必要な分として8,000万円計上しているわけでございまして、昨年は大きな雨がなく実績がそこまでしかなかったので、今回、最終的に減額させていただいたということでございます。
◆溝口委員 わかりました。それでは、37ページもそういうことに関係してくるんですか。2,000万円組んでいて2,000万円減額しているんです。全然事業をしていないということになってくるんですけれども、事故がなかったと理解していいわけですか。
◎新見森林整備室長 そのとおりです。
◆山田[博]副会長 まず、最初に繰越のお尋ねをしたいと思います。
 先般、国の公共事業の内示状況というのをもらったんですね。そうすると、農業農村が0.86、治山・造林・林道が0.80と、要するに大体20%減額しているんですね。これは間違いないですね。まず、それをお尋ねしたいと思います。
◎林田農村整備課長 農業農村整備では、当初予算として38億円計上しておりまして、現時点での内示額は32億9,300万円で予算に占める割合は約86%の内示額になっております。
◎新見森林整備室長 治山・造林・林道についてでございますけれども、表示は80%ということでございますけれども、実は先ほど申し上げました、予算上、災害関連で計上している予算がございますので、実際のところは95%の内示率となっております。
◆山田[博]副会長 実際は95%になっているんですね。わかりました。
 今回、繰越がたくさん出ておりますけれども、それとの関連はどうなるんですか。先取りとか、先食いとかになっているのかどうか。要するに、補正予算でもう組んでいるから、国の内示というのはそれで済ましているのかと感じるわけですが、そうじゃないんですか。農村整備課長、お答えいただけますか。
◎林田農村整備課長 平成24年時点で来年度の予算が大変不透明な状況がございましたので、11月の予備費で24億円を前倒しでいただいて、そして今回の2月の大型補正で40億円を前倒しでいただいております。当然、それは平成25年度の要求箇所を前倒しでいただいたような格好になりますので、その分が今回の繰越としてそっくり上がってきている状況でございます。
◆山田[博]副会長 国の内示が、農業農村整備が実際、内示が86%になっているというのは、先取りしてもらったということになっているわけですね。そう理解していいんですね。まず、それをお答えください。
◎林田農村整備課長 先ほども申しましたように、平成24年度は大体実予算が60億円でございましたので、その60億円に見合う分を11月の予備費と補正でいただいております。この平成25年度の当初予算については、その次の年度の事業を前倒しで持ってきておりますので、現実に86%の割当てになっておりますけれども、現場的には困る状況はございません。
◆山田[博]副会長 続きまして、繰越の箇所が何カ所とあるので、後で、午後からでも資料をもらえませんか。例えば、五島市その他何カ所となっているのでわからないから、大体の地域でいいですから出していただきたいと思いますが、よろしいですか。
◎林田農村整備課長 昼から出せるように準備したいと思います。
◆山田[博]副会長 そのようによろしくお願いします。
 続きまして、先ほど溝口委員から質問がありました壱岐の施設ですが、これは予算を認めた後の入札方法というのはどうなるのかというのを、まず説明してもらえますか。
◎田中農産園芸課長 入札につきましては、事業計画の中身を整理しまして、これからJA壱岐市の方で入札を行っていく運びになっております。
◆山田[博]副会長 農産園芸課長、どうしたんですか。なったばかりでちょっとあがっているんですか。あなたらしくないですね、優秀なあなたが戸惑うということはですね。質問されたら困るようなことがあるのか、質問されると思ってないことだったのかですね。
 私が言いたいのは、いかに競争性を高めるかということなんですね。県を通じて国にもっていくわけだから、長崎県も厳正なる審査をやったわけですからね。要は、適正な価格で、また競争性を高めて負担軽減を図らないといけないわけですから、そういった点では一般競争入札にして、その際には、私も監査でいろいろ勉強させてもらいましたけれども、競争性を高めないといけないということで、一般競争入札にすると。公告のあり方も、ただ単に農協の前に紙切れ1枚張るのではなくて、市や県が一緒になって協力して、広く参加しやすいような状況をつくらないといけないということなんですね。これはもちろんそれを含んでいらっしゃるわけでしょう。
◎田中農産園芸課長 そうなるように指導しているところでございます。
◆山田[博]副会長 では、そのようにお願いしたいと思います。
 続きまして中小家畜対策費です。まず、島原半島地域食肉センターは徳永委員の地元で、徳永委員の絶大な力が働いたからこういうふうになったのかどうかというのはわかりませんけれども、お尋ねしたいと思います。
 これは私も織田委員と見解が一緒で、先ほど畜産課長は、織田委員の質問に対して、五島と島原は補完する施設と言っておりましたけれども、いつから佐世保の補完をするということになったんですか。
 言っておきますけれど、五島市も、別に佐世保の食肉センターの補完をするためにつくっているんじゃないんですよ。言葉の使い方として、五島島民として、いつから佐世保市の食肉センターの補完施設になったのかというのを聞きたいですね。私は現在43歳だけれども、五島市民の税金でつくった五島市の食肉センターが、いつから佐世保市の補完的な施設になったのか。言い方もちょっと気をつけないといけませんよ。佐世保市が中心にやっていただいているというのはわかりますけれども、いつから補完になったのか、まずそれを聞かせていただきたいと思います。
◎松永畜産課長 これにつきましては、県の食肉の合理化計画というのがございまして、補助事業等を実施する際にそういった計画をつくる経過がございます。その中で、平成12年に佐世保の食肉センターを整備した時に合理化計画をつくったわけですけれども、先ほど部長も申しましたように、長崎と佐世保とあわせて当時は佐世保をつくったわけでございます。その際、佐世保を基幹施設というふうに位置付けをさせていただきました。五島と島原については、言葉は本当に申しわけございませんけれども、それを補完するというか、3カ所とも重要な施設という位置付けで基幹施設、言葉として補完施設という使い方をさせていただいたところで、その他の民間の施設につきましてはその他の施設という形で合理化計画の中で整理をさせていただいているところでございます。3施設とも重要な施設ということには変わりございません。
◆山田[博]副会長 だから、畜産課長、別にあなたを個人的に責めているわけじゃないんですよ。私はあなたを大好きだから。しかし、あなたがめったにない失言をするからびっくりしたんです。
 平成12年に補完施設と決まったと言っていましたけれども、決まったというのを私は初めて知ったんですよ。じゃ、補完施設と決まった書類というか、計画というのがあるのであれば、それをいただきたいと思うんです。びっくりしたからですね、それを見てから質問させていただきたいと思いますので、それを用意していただけませんか。そういった合理化計画をつくった時に補完施設に決まったというのであれば、そういった計画の資料をまず提出していただけませんか。すぐ用意できますか。
◎松永畜産課長 ただいまから用意させていただきます。
◆山田[博]副会長 ぜひよろしくお願いします。その点に関しては、補完という言葉があったので質問させていただきたいと思います。
 それで、今回、島原半島地域食肉センターの事業主体として、これは島原半島地域食肉センター事業協同組合、私はこういった事業に反対するわけじゃないんです。これは農林部としては応援しないといけないということは十分わかるんです。私も徳永委員の地元のこういった施設の必要性というのは耳にしておりますから、必要だというのはわかるんです。
 しかし、さりながら公設民営というのと民設民営でしょう。この支援のあり方というのは、極端に言うと、公設民営には県費は出さずに、民設民営には3市がやるからやるんだと。私が疑問に思うのは、3市がいっぱい協力するから応援するんだと。五島市は一人しかいなかったからだめと。要するに多数決で、あっちが多いから、こっちはしないのではないかと。何かひねくれたというか、うがった見方をするとそうなるわけですよ。
 だから、やっぱり織田委員が言われたように、きちんと、場当たり的ではなく、私はずっと言ってきたでしょう、畜産課長。これを今日答弁する時にきちんと答えられるような答弁になるかと思ったら、極端に言ったら場当たり的な答弁をするから、それではいかんだろうと。もうちょっと明確に、それが一つ。
 もっといいますと、いいですか、五島の食肉センターは五島しかないんです。しかし、変な味方をすると、佐世保の大きなところと島原半島地域食肉センターが競争しようと。今からTPPが始まった場合に、豚の取扱いとか、牛の取扱いががくっと変わってくるわけですよ。TPPの締結がなかったらそうじゃなかったんです。今からやろうとしている時、豚の取扱いとかなんか、がくんと長崎県に影響が出てくるじゃないですか。その時のことも考えて、この運営というのは1日当たり幾ら処理したらいいかということで変わってくるわけですよ。要するに取り合いになるわけですよ。お客さんの取り合いになるんです。そういった時に、織田委員が言うのはごもっともなんですよ。
 例えば、佐世保はこれができたためにお客さんが減ったよとなったら、なんであっちに県費を入れてやるんですかと。佐世保市の県議会議員だったら、織田委員が言うのが当たり前ですよ。そういうことも考えてやっているのかということなんですよ。TPPの問題がなければそうなかったんです。今からそれが出てくるんです。
 だから、極端に言うと、私からすると、今回は明確なビジョンというか、今つくっているものが本当はあるんでしょう、畜産課長。こういうふうなビジョンでやるんだけれども、今は検討中だから、今ちょっと明らかにすることはできないだろうけれども、本当は今、これは検討中なんでしょう。
 もちろんTPPを踏まえた上で考えていると思うけれども、それを締結するか、締結しないかで変わってくるんだけれども、畜産課長、島原半島地域食肉センターというのはそういうことを踏まえた上で検討されているんでしょう。あなたは間違いないと思いますよ、優秀だから、だって、島原にさだまさしコンサートをつれてくるんだから。大したお方だから、私は呼べないけれども、答えていただけませんか。
◎松永畜産課長 まず、両センターに対する補助のあり方を整理させていただきますけれども、五島食肉センターにつきましては、国庫補助事業の対象になるということで、まずは国庫補助事業を活用させていただいております。
 一方で島原の食肉センターについては、その対象にならない、そういう取組ができないということでございました。
 県といたしましては、両施設ともに非常に地域の畜産振興を図る上で重要な施設であるということで、合併特例債の活用を条件といたしまして、上限1億円の負担を軽減する対策を今回要求させていただいているという状況でございます。
 また、TPPの話もございました。まだ先行きどうなるかわからないわけでございますが、基本的に両施設ともに、規模については現行の規模、処理能力は同じでございます。ただ、大きく異なりますのは、これまで五島も島原も、豚と牛の処理を一緒にしておったという問題がございました。これを一緒にするということは、衛生面で大変問題がございまして、地域の保健所からもいろいろ指導をいただいていたと思います。今回、それを分離したということで非常に高品質な豚肉、牛肉の供給ができるということを考えております。
 そういう中において、両施設とも、今後、利用率を上げながら、地域の畜産振興に貢献していくものと考えているところでございます。
◆山田[博]副会長 それは私もわかっているんです。じゃ、畜産課長、お尋ねします。いいですか。五島食肉センターと島原半島地域食肉センターが豚と牛と一緒に処理していたというのは、いつ頃わかったんですか、お答えください。
◎松永畜産課長 これは当初から一緒にやっていたというふうに記憶しております。何年からというのは具体的な時期は難しゅうございますが、これまでずっと一緒に処理をしてきたということで捉えています。
◆山田[博]副会長 一緒にやっていたのは当たり前です、今までそうやっていたんだから。畜産課としては、いつから問題意識をされたのか、お尋ねしたいと思います。
◎松永畜産課長 私も畜産課に4月から来ましたけれども、それ以前からいろいろ検討もされたと思いますが、その時点で、そういう状況を聞く中において状況を把握したわけでございますが、保健所の指導等も申し上げましたように、以前から一緒に処理するのは問題があるよということは言われておったということで理解しております。それがいつだったかというのは、ちょっと答えにくいところでございますが、以前からそういう理解でございました。
◆山田[博]副会長 畜産課長、私はあなたが大好きだから、あえて言わせていただきますけれども、五島食肉センターは豚と牛を一緒に処理していたのを平成22年に五島保健所から指摘されているんです。その時に大々的に指摘されているんです。これに関しては、もうそれ以上は言いません。
 それで、畜産課長にお尋ねしますけれども、私が言っているのは、補助のあり方というよりも、つくった後のことです。県が支援をしていただくことは本当にありがたいことですよ。厳しい財政当局を説得して、農林部長が説得する、畜産課長も一緒になって説得する、よく頑張っているというのはわかるんです。私が心配しているのは、その後の運営のことを言っているんです。
 今後は、この補助は補助としていいとしても、今度は運営をどうするのかと。今、TPPの問題で佐世保との問題があった時に、そこの処理能力とかあるでしょう、将来の見通しとか、10年後、20年後を踏まえた上の処理能力のあり方というのを見ると。私はこの事業全体を否定しているんじゃないんです。これは大いに結構だと思うんです。私が心配しているのは、長崎県も応援している、地元の市も応援している、長崎県はこれでいいですよ、やりましょうと言った時に、この運営が2年、3年、4年となったら成り立たなくなって見通しが甘かったよと言われたら、たまったものじゃないんですよ。
 西川委員長も私もおって、地元の徳永委員もいて慎重審査した結果、あの時予算を付けてもらったけれども、あれがとんでもないことになったよとなると大変なことになるわけですよ。私はそれを心配しているんです。
 そういったことも、将来、10年、20年後を踏まえた上の施設のあり方として十分審査をした上でこの計画を審査されたかどうかというのを聞かせていただけますか。これはTPPの問題も踏まえて、農家の将来も考えて、佐世保市のこともあるわけだから。
 五島の場合は、五島の農家の人は五島食肉センターに持っていくしかないから、もうとにかく五島の人みんなで応援しないといけない。
 しかし、島原と佐世保になると変わってくるんですよ。ましてや、今度はニッポンハムもあるわけです。民間企業もある。そうすると、民業圧迫になるおそれもあるから、そこはきちんとそういったところにも理解を求めていかないといけないんです。畜産課長、あなたのことだからそれはやっていると思うけれども、抜け目のない畜産課長だからやっていると思うけれども、それはいかがですか。
◎松永畜産課長 両施設の整備後の利用率といいますか、そういったことについてのお尋ねかと思います。
 先ほど申し上げましたように、今回の整備によって、非常に品質の高い肉の供給が可能になるということで、見通しとしましては、現状の利用率が向上する見通しを立てまして計画を推進しているところでございます。
 具体的には、五島市、島原半島ともに、現状ちょっと利用率が低めでございますので、今回の取組によりまして利用率を上げていくということが1点でございます。
 また、牛、豚につきましては、県としても牛については長崎肉用牛振興計画、豚についても養豚振興計画でその生産性の向上なり、増頭をしっかり取り組んでいるところでございまして、こういった対策と併せまして両施設に健康な家畜が供給できるように、関係市とも連携して進めてまいりたいと考えております。
◆山田[博]副会長 質問に答えていないよ。私はそんなに何回もやりとりするばかじゃない。
 畜産課長、私はこの事業自体に賛成はしているんですよ。しかし、今後を心配しているんですよ。だから、民業圧迫にならないとか、佐世保市の基幹施設に影響が出ないようにしてもらわないといけないわけですよ。まだそこまで十分な話し合いをしてなかったら、これからやってくださいよ。そういった点では、これはよく決断したと思いますよ。応援しないといかんということで、よく決断されたと思いますよ。これは農林部としても相当悩んだと思いますよ、しなかったらしなかったで大変なことになるだろうということでね。この3市が一体となってやっているのに、県は全くしないとなったら、今後の農林部と3市とのあり方もやりにくくなる点もあっただろうし、かといって畜産農家や養豚農家の方も支援しないといけないということで、これは理解する点はあるんだけれども、私が一番心配しているのはその後のことです。民間企業や佐世保市の方に影響が出たら元も子もないわけですよ。そこをやっているか、やっていないかは別として、そこは理解を得られるようにしっかり話し合いをしないといけないのではないかと私は言っているわけです。それは人間だから、万全とはいかないけれども、そこはしっかりやらないといけないんじゃないかと言っているわけです。それについて見解を聞かせていただきたいと。これは2回目です。
◎松永畜産課長 失礼しました。
 県内の他の食肉センターとの関係でございますけれども、今後、県内で食肉の流通処理ができますように、県内の他のセンター、佐世保市あたりのお話を聞きながら進めてまいりたいと考えます。
◆山田[博]副会長 ぜひそうやっていただきたいと思います。
 私が心配しているのは、県費を投じて他の事業所から異論とか苦情が来たら、あなたたちが目指しているところとは別の方向に勘違いされたら困るから、今言っているんです。
 人間は万全じゃないから気づかない点もあるし、私もありますから、そこはお互いの知恵を出しながらやっていかないといけないということですよ。そういうことで畜産課長頑張っていただきたいと思います。
 また、今度は五島食肉センターについて質問させていただきますけれども、今回、長崎県もよく決断して、国と一緒になって応援してもらって感謝しているわけですけれども、一つだけ気になることがあります。これは、国が処理能力を離島ということで今回だけ要件を下げたのか、全体的に処理能力を下げてもらったのか、それだけまずお答えください。
◎松永畜産課長 国の事業の要件の緩和については、今回緩和されましたけれども、この緩和されたのはずっと続くということで聞いております。
◆山田[博]副会長 そこでお尋ねします。
 今回、島原半島の食肉センターは12億円の2カ年事業でやるんですね。五島の食肉センターは10億円ですが、1年でやってしまうんですね。確認ですが、島原半島地域食肉センターは総事業費が12億円で、2カ間でやると。一方、五島食肉センターは事業費10億円で、1年でやると、だから、今年度いっぱいでつくり上げると、これは間違いないですか。
◎松永畜産課長 そのとおりでございます。五島は本年度実施、島原については2カ年で完成させるということです。
◆山田[博]副会長 そうすると、お尋ねしますが、これが万が一、事業が完成しなかった場合はどうなるんですか。素人の私でも事業費が大体一緒ぐらいですね、2億円違うけれども。片方は2年でやるけれども、もう一方は1年でやってしまうと、これは大丈夫なのかと心配になるわけですよ。五島食肉センターは、万が一これが今年度完成できなかった場合はどうなるんですか。
◎松永畜産課長 この予算につきましては、平成25年度中に完成させるということで進めておりまして、年度内に完成するように実施設計者等との打ち合わせがずっと進んでいると思っております。年度内に完成するようには進めているということでございます。
◆山田[博]副会長 私の言葉がわからないのかな。私が質問しているのは、平成25年度内に完成しなかった場合のことを言っているんです。仮定で大変申しわけございませんけれども、素直な疑問だと思いますよ。片方は12億円を2年でやるのに、もう一方は10億円を1年でするなら、万が一間に合わなかった場合にはどうなるのかということをお聞きしているんです。
◎松永畜産課長 年度内にということで進めておりますので、それができないということになると、補助事業としてといいますか、なかなか厳しい状況になるかと思います。
◎上田農林部長 事業計画等を精査して、確実に年度内に完成できるという見込みで、現在、市とも協議して進めているところでございます。
 今、仮にというお尋ねでございます。仮に何らかの不測の事態でずれ込むということになりますと、そこは繰越なり、事故繰越なりの手続が必要になってこようと思いますけれども、そうならせないために、今、事業計画等を精査して、短期で進めていくということで、ある程度、ほぼ目途がついておりますので、そこに向かって全力で仕上げていきたいと思っているところでございます。
◆山田[博]副会長 離島だから、今、私の地元で大変困っているのは、公共事業があるわけですね、そうすると、人手不足になってきているわけですよ。そうすると、島外からどんどん入れないといけないものだから、果たして大丈夫かなという心配の声が出ているわけですね。
 事故繰越となった場合に、事故繰越でも国からの補助金というのは間違いなくもらえるのか、もらえないのかというのをお尋ねします。遅れても、万が一のことがあっても、事故繰越として国庫補助は間違いなくくるのか、聞かせてもらえますか。
◎松永畜産課長 部長が申しましたように、年度内にでき上がるという見通しをもって進めているわけですが、繰越になった場合については、国と協議の上、決定されると思いますけれども、事業主体に迷惑をかけないように、県としても努力したいと思っております。
◆山田[博]副会長 私が財政当局に確認したら、これは2カ年は無理だから、必ず今年度中に完成しないとだめですよと。今年度中に完成しない場合には、国庫支出金は出ませんよということを財政当局からお聞きしているわけですね。要するにそういうことで理解していいんでしょう、財政当局に確認したんだから。私の方が言っていることが間違っているのか、財政当局が間違っているのか、どっちなんですか。
◎松永畜産課長 基本的には、年度内に仕上げるということで積み上げをして今進めているところでございます。それででき上がると思っておりますけれども、万々が一、そういった不測の事態等があった場合については繰越等の協議をする道はあるというふうに考えております。
◎松尾農政課長 今、お話しの食肉センターの国の交付金関係でございますけれども、この交付金につきましては、平成24年度の国の補正の交付金でございますので、これを活用する場合は、平成25年度中の完成ということが前提でございますので、あくまでも今回については平成25年度中の完成に向けて、最大限の努力をしていかないといけないと思っています。
◆山田[博]副会長 そうでしょう。これは大事なところだからね。私も最大限の支援を、私は地元だから協力しないといけないと思っているんですよ、それが平成25年度中に完成しないとなったら大きな問題だから。
 というのは、五島には台風とか来るわけですね、台風、豪雨、大規模な低気圧とか。だから、畜産課長が言われた万々が一ということが多数あるわけですよ。台風は来ないだろうと思ったら、台風が3つも4つも来たらたまったものじゃないし、そういうことを言っているわけですよ。しかし、そういう自然状況があっても、いずれにしても平成25年度中に完成しないと絶対だめだということですね。間違いなくだめだということなんですね、それをお答えください。
◎松尾農政課長 先ほど申し上げましたように、国の平成24年度補正予算に伴う交付金でございますので、平成25年度中の完成ということが前提でございます。
◆山田[博]副会長 それで、畜産課長、大変申しわけございませんけれども、腕を組みながら悩むところも多いでしょうけれども、これはしっかりと応援していただきたいと思います。いいですか、島原と五島は一体ですからね。島原ばっかり力を入れて、五島なんか後回しにされたらたまったものじゃありませんからね。お願いしますよ。山田博司の地元だから、五島食肉センターは後回しとなったらたまったものじゃありませんから、少なくとも同じレベルで支援していただきたいと思います。
 続きまして林政課にお尋ねしたいと思います。林政課の森林整備地域活動支援事業費というのは、聞くところによると復興予算から出ているということですが、間違いないですか。
◎佐藤林政課長 今回、補正で計上している予算は、復興予算ではございません。ですから、この12億600万円については、今、話題になっている返還とか、そういったことはございません。
◆山田[博]副会長 では、今回上がっているものは違うわけですね。ありがとうございます。
 次に、今回、木材バイオマス利用施設とか、多額の予算が付いておりますけれども、これはどことどこに出しているんですか。この予算だけ見て、どこにどういったものが付くのか、この予算だけ見たら、私の地元の五島市にも予算が付いているんじゃないかとか、平戸市にも付いているんじゃないかと期待するわけですよ。どこに何があるかわからないからですね。これは一覧表みたいなものがあるか、口頭でちょっと言ってもらいたいと思います。
◎佐藤林政課長 先ほど深堀委員からも資料の提供ということでご指示がありましたので、併せて一覧表を提出したいと思います。
◆山田[博]副会長 そうですね。これはバイオマス利用設備とか、運営とか、今後の赤字補填とか、そういったことはしないのでしょうか。
 私が一番心配しているのは、よくテレビで出されるじゃないですか。これは県等でつくりましたよと。ところが、1年経ったらもうだめになりましたとか、今日はマスコミが誰もいないから言えますけれども、テレビで報道するじゃないですか。これは誰がつくってこんなになったんですよと、全然誰も使っていませんよといって、報道されたらたまったものじゃありませんから、そういうふうにならないようにしないといかんわけです。そういったことがないように決定の審査のあり方はどういうふうにされたかをお尋ねしたいと思います。
◎佐藤林政課長 今、ご指摘がございましたとおり、施設の経営については我々も審査を厳正に行っております。補助金交付申請が上がってまいりますけれども、基本的に事業費が5,000万円以上の施設、製材所やバイオマス施設ですけれども、事業費5,000万円以上の施設につきましては、経営診断を事前にやっていただくというのを義務付けております。この経営診断に基づいて、その企業なりが新たな施設を入れて経営がどうなるかというのをまずしていただきます。それと併せまして我々の方で、チェックリストがありますので、その他の項目を含めまして一つひとつ審査をした上で補助金の交付決定をしていくという段階を踏んでやっていくということでございます。
◆山田[博]副会長 その経営診断というのは、どちらが委託するんですか。県の方が委託するのか、どちらなんですか。
◎佐藤林政課長 これは事業実施主体の方に事前に経営診断を委託してやっていただきます。
◆山田[博]副会長 そうしたら、私が例えばこういった施設をつくりますよと。そうしたら、西川経営診断士にお願いして、診断料を払って私の経営はどうでしょうかと見てもらうわけですね。
 そんなことがあるもんですか。お金を払う人が、私の経営をちゃんと見てくださいと。紙を持ってきたら、あなたはだめですよと、AランクからDランクまであって、あなたはDランクで最低ですよと言われたら、もうお金は払わないぞと。もう一回書き直してこいと、最低ランクのDを少なくともBランクに書いてもってこいと、そうしないとお金は払わないぞというふうになるじゃないですか。
 逆に、事業主体ではなくて、補助金を出す県当局があなたはどうですかと見るならわかるけれども、経営診断を事業主体にやらせたら、お金を払う人の診断をするのに、経営診断士の名誉とか何とかあるけれども、これは普通考えられないですね。林政課長、どうしたんですか。こういったやり方をずうっと今までやっていたんですか、こういった経営診断の仕方というのを。それをお答えください。
◎佐藤林政課長 これは、この事業が立ち上がった時から、国の要領に従って我々はやっているわけですけれども、その中に明言されてあります。
◆山田[博]副会長 農林部政策監、あなたは国から来られているので、いい機会だから伺いますが、これはおかしいと思いませんか。だって、お金を払う方が経営診断を委託するとなれば、私はなぜこんなことを言うかというと、確かに経営診断は大切ですよ。しかし、経営診断する時に、お金をもらった方が依頼人の悪口というか、それはなかなか書きにくいですよね。診断士としての国家資格があるからというけれども、それだけではちょっとね。第三者的な、補助金を出す方からさせないといけないのではないかと思うんです。
 今、林政課長は国から言われたことをしないといけないからと言うけれども、政策監として、別にあなたは国から来ているけど、たまたまこういったことを政策監としてどう思われますか。隣の峠次長に聞いた方がいいかもしれませんけれども、こういうことを政策監はどう思われるか、お尋ねします。これはいかがなものかと思いますよ。そう思われませんか。
◎梶原農林部政策監 副会長からご指摘もありましたけれども、やはり経営診断士というのは副会長おっしゃるように国家資格を持ってやっているところですので、その中できちんとやっていただけると我々は考えております。
◆山田[博]副会長 なんでこんなことを言うかというと、姉歯事件はご存じですか。姉歯事件というのがあったじゃないですか。あの建築士は嘘をついたんですよ。全部が全部嘘つきじゃないけれども、ああいった事件があったから、これは慎重にしないといけないわけですよ。政策監、確かに悪いことはしないといっても、これは国民、県民の税金ですから、この経営診断士のあり方というのは、やっぱり慎重にやらないといけない。普通、ほかの人が聞いたら、これは私の言っていることに同感すること思いますよ。別に林政課長を責めているわけじゃないんです。政策監、いずれにしても、この診断のあり方というのを、第三者的なきちんとした目で見るようにすべきだと私は思います。確かに経営診断士という方はちゃんと診断をしてくれるかもしれませんけれども、診断のあり方として、そういったことを調査研究してやっていただきたいと思います。それはいかがですか。見解を聞かせていただけますか。
◎梶原農林部政策監 今、実際にやる業者の方で診断士に依頼してやっているということですけれども、結果については事業主体である我々県としても、きちっとチェックをしていきたいと思っていますし、今、いろいろお話がありましたので、例えば県の方で指定した診断士に診断をやっていただくとか、いろんな方法が考えられますので、今後は少し検討していきたいと思っております。
◆山田[博]副会長 ぜひそのようにお願いしたいと思います。
 それで、林政課長にお尋ねしますけれども、これだけの施設の中でいろんな項目がありますね。例えば、実証実験でやっている部分で、実証実験をやっていない施設に対して補助金をやってはいけないとか、いろいろあるわけですね、国の事業は。これを破ってはいませんよね。
 私は、なぜこう言うかというと、県議会議員や国会議員等の圧力があって、国の規則をきちんと守ってやらないといけないのに、議員が圧力をかけて、できないものをあなたたちに押しつけて、責任をあなたたちに押しつけるようなことがあったらいけないから、まさかそんなことはないと思うけれども。そういうことがあれば調査をして、そういうことがないかどうか調査してもらいたいんですよ。多分ないと思うけれども。しかし、わからないからね、あなたは4月に来たばかりだから。そういったことがないかどうか、もう一度調査して、人間だから見落としもあるだろうし、間違いもあるだろうし、勘違いもあるだろうから、そこをチェックしてやっていただきたいと思うんです。今回、予算が認められるか、認められないかは別として、再度そこはチェックをしてもらいたいと思うんです。
 何度も言うけれども、こういったバイオマスは大変難しい事業だから、後から県が認めただろうと、国が認めただろうと、責任転嫁をされたらたまったものじゃないんですよ。結局は誰にくるかというと、あなたたちにも来るし、私たちにも来るんですよ。だから、そういうふうにならないようにしないといけないものだからお尋ねしているんです。いかがですか。
◎佐藤林政課長 今、ご指摘のとおり、これから補助金申請という形になって手続に入ってまいりますけれども、国の基準が当然ございますから、それにのっとって適正に処理してまいりたいと考えております。
◆山田[博]副会長 それで、先ほど言った診断士とかの実施要綱みたいなものがありますね。それを昼からでももらえませんか。ちょっと勉強させていただきたいと思います。
 次に、農政課長、今回、鳥獣被害防止総合対策で、農産園芸課の予算にも関連してお尋ねしたいと思うんですけれども、これに関しては手短に終わります。
 この鳥獣被害防止総合支援事業ということで、これは整備事業が100%と2分の1とあるんですね。
 定額の100%というのは、これは農家や地域住民参加型で直営施工になっているんです。資材費のみの交付として定額補助となっているんですね。これは間違いないですね。
 それで、私も地元を回っていたら、限界集落で65歳以上のおじいさん、おばあさんたちで占めているんですね。そうしたら、傾斜45度の山とか、がけにこれを設置する時、イノシシを退治しようとして自分がけがをしたらどうするのかと。イノシシを退治するために、自分の身を守ろうと柵をしていたら自分がけがをしたら本末転倒ですね。こういった地域の現状というのはご存じでしたか。あなたのことだから知っていると思いますけれども、そういった現状はご理解いただいていますよね。
◎寺島農山村対策室長 ただいま、県内ではイノシシの被害が非常に多くなっておりまして、県内各地で対策をやっていただいております。今、副会長からもありましたように、いわゆる防護柵、ワイヤーメッシュにつきましては、現在、国の事業を使いまして、県内各地で整備いたしております。
 その時に、補助事業ですけれども、材料を購入して自らで設置する場合は定額ということで全額の補助になります。従いまして、この場合は自らで設置をしなければならない。実際には費用対効果とか、被害に対するところが求められますので、地域ぐるみで施工していくということで、現在のところは地域の中でそういった高齢者の分も含めて皆さんで設置をしていくという形で進めておりますが、今後、高齢者だけの集落ではそういう設置が難しいという状況が出てくることも考えられます。そういったところに対しましては、各市町に実施隊というものを設置しておりますので、そういったところと一緒に協力してやるとか、それからいわゆるボランティアとか、NPOとかの協力を得て実施する場合も交付の対象になりますので、そういった形で地域に応じて、自らでやれない地域はカバーをしていくということで進めてまいりたいと考えております。
◆山田[博]副会長 寺島室長がおっしゃるように、理想としてはそうですけれども、実際私も奈留島や久賀島に行けば、あなたのおっしゃるようなことはやれないことはないけれども、実際は大変難しいわけですね。しまいには私にしてくれないかといって、私もやりたいんですけれども、残念ながら県議会も通年議会でちょっと難しいわけです。長靴をはいて一緒にやりたいんだけれども、あなたと一緒にやってもいいんだけれども、難しいわけですね。だから、これも実施要綱なんかを国に見直しを働きかけて、全部をしてくれではなくて、限界集落とか、特にひどい過疎地域とかというのは見直しを図ってもらうよう国に働きかけをしてもらいたいと思うんですが、いかがですか。
◎寺島農山村対策室長 国に対しては、鳥獣に対する予算確保とか、そういった施行に当たっての要件とか、日頃より要望いたしておりますので、この件に関しましても、国の方に要望していきたいと思っております。
◆山田[博]副会長 ぜひそのようにお願いしたいと思います。私が大体1時間しゃべったので、一旦終わります。
○西川分科会長 ほかにありませんか。
◎宮崎諫早湾干拓課長 先ほど溝口委員からご質問いただきました諫早湾干拓事業推進費の財源更正のご質問でございますけれども、諫干の農地におきましては、大規模、そして機械化体系に対応いたしました環境保全型農業の試験研究というものをやっておりまして、その予算として一般財源で1,296万7,000円計上させていただいておりますけれども、実は財政課が所管している基金がございまして、その基金の原資といたしましては、住民生活に光を注ぐ交付金という交付金を活用した基金を持っております。この交付金は試験研究にも充てることができるということでございまして、当初一般財源で組んでいた予算につきまして、基金の繰入金というものと財源更正をしたというものでございます。
◆溝口委員 確認ですけれども、今のはそれでいいです。
 この繰越の方ですけれども、2ページの繰越承認額と繰越額が違うのが2件だけあるんです。長崎県の農業振興費と新農政推進費ですか、例えば農業振興費については1,000万円の4件だったのが、958万8,000円という減額になってきているんです。それと新農政推進費の方は、2月の補正でわざわざ2件増やして200万円組んでいたのを、また繰越承認でもその金額が1,296万円だったのが、1,091万2,000円、11月補正の方に戻ってしまっているんですけれども、この辺については、なぜこのような形になったのか、説明してください。
◎松尾農政課長 構造改善加速化支援事業費の関係を申し上げます。繰越承認については、1,296万3,000円ということで、これが繰越額としては1,090万2,000円ということになったわけですけれども、この1,296万3,000円の段階での不用額の減という部分について、不用の部分を入札減とか、そういった形での不用の減というものがございました関係上、額的にはこの段階では1,296万3,000円ということになったわけですが、25の繰越分については、先ほど言いましたハウスの1件分ということ、先ほどご説明いたしました部分だけの受益地の冠水とか、排水対策、こういった形で困難だといったケースだけを繰り越したような形で処理している関係上、この1件分だけは繰越額という形になっております。
◆溝口委員 ただ、2月の経済対策としての補正で2件、200万円組んでいるんですよね。それは予想で上げていたのかどうか。これは県単ですか。(「県単です」と呼ぶ者あり)県単なら、ある程度計画を立てる段階で、本当はこの2件についても推進をしていかなければいけないということであれば、繰越額として同額がきていいんじゃないかと私は思うんですけれども、その辺について、なぜ補正の部分を削ったのか伺います。
◎松尾農政課長 詳細なところをもう一回確認させていただいて、また午後からご説明させていただきます。
◆溝口委員 先ほどの農業振興費の1,000万円ですが、件数が同じく4件なんですけれども、958万8,000円に繰越がなったのはどういうことですか。
◎長岡農地利活用推進室長 当初計画におきましては、1,000万円のところで耕作放棄地を解消する区画整理の事業を予算化しておりましたけれども、事業発注に伴いまして入札等で958万8,000円ということで最終的に減額ということで精算されております。
◆溝口委員 わかりました。入札も終わったということで繰越額がそうなるということですね。
 これはもう入札が終わったということですが、3月の段階で終わったということで繰越になるんですか。
◎長岡農地利活用推進室長 今年度中に完成という形になっております。
◆溝口委員 わかりました。
 それと、今度は3ページの一番下ですが、林道点検診断のところの4,000万円、2月の補正が減額になって、3,141万5,000円ということだったんですけれども、その時には件数が1件なんです。ただ、今度繰越になって、承認額から繰越になったら12件に件数が増えているんですけれども、同額なのに1件がなぜ12件に増えたのか。
◎新見森林整備室長 これは県下の橋梁の点検をやるということで、1件ということで調査をかけてやっていたものです。最終的に市町から上がってきた橋の数が12件あったということでございます。
◆溝口委員 1件としていたのは、当初はまだするかしないかわからないということで1件としていたんですか。
◎新見森林整備室長 これは県下一円というくくりで実施しておりました。といいますのは、これは経済対策でやってきた予算でございますので、どこの市町が手を挙げていただけるのかというのはまだわからなかったものですから、こういう縛りがあったということになっております。
◆溝口委員 最初の繰越承認の額の1件というのは、県下一円ということの1件という意味ですね。わかりました。
 それと4ページですけれども、県単の治山費ですね。2月に一応補正で110万円上げているんですけれども、これを3月に減額をしているんですね。それで、なぜここに繰越額と表示してもってこなければいけなかったのか。ゼロなんですけれども、そのことについては何か意味があるんですか。地元との調整の時間がかかったということですが、そうしたら本当は繰り越して続けていかないといけない部分と私は思うんですけれども、減額したのはなぜなんですか。
◎新見森林整備室長 ちょっと経過を調べてお答えしたいと思います。
○西川分科会長 農政課長、さっきの件について、説明ができますか。後からがいいですか。
 しばらく休憩します。
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     −午前11時48分 休憩−
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     −午前11時49分 再開−
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○西川分科会長 分科会を再開いたします。
 午前中の審査はこれにてとどめ、午後は1時30分から再開いたします。
 暫時休憩いたします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午前11時50分 休憩−
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     −午後1時31分 再開−
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○西川分科会長 分科会を再開いたします。
 ただいま、理事者から午前中に要求がありました資料が提出されております。この資料について、何か質問はありませんか。
◆山田[博]副会長 今回、資料を早速理事者の方でつくっていただきまして本当にありがとうございました。
 そこの中で一つお尋ねしますけれども、この長崎県食肉流通合理化計画とありますね。この計画書を見たら、計画期間というのは平成11年から平成17年度なんです。これをもってやるというのはいかがなものかとなるわけですね。今、何年かというと平成25年です。7年前の計画をもってやるというのは、時代の推移というのがあるわけだから、そこは見直しをしてやらないといけないということだと思うんです。しかし、畜産課長のことですから、平成11年から平成17年と書いていても、実際チェックしたらほとんど変わりがなくて、この計画をそっくりそのままやれるというふうに踏んだ上での今回の整備計画かどうかというのを、多分そうじゃないかと私は確信しているわけですが、それはどうなんですか。
◎松永畜産課長 先ほど、副会長から、補完施設等の呼び方について、いつぐらいからそうなっておったのかというお話がありましたので、この平成12年3月につくった合理化計画を出させていただいたところでございます。
 これにつきましては、平成25年になりましてから、新たに見直しをしておりまして、その中ではまた、こういう位置付けを踏襲しながらつくらせていただいているところでございますが、いつからかというお話でございましたので、これを提出させていただいております。
◆山田[博]副会長 例えば、これをほかの方に見せたら、平成11年から17年度の計画期間の中で、それをもってやるとなると、それはいかがなものかとなるわけですよ。しかし、私が聞いているのは、確かにそれはそれで補完であったけれども、しかし、これは平成11年から17年の期間の計画であっても、畜産課長が言うように農林部としては一遍見直しをしたと。見直したら、ほとんど変わりがなくて、これでいいんだというふうになったと理解していいのかどうか。普通、ここに訂正して、平成11年から平成27年と書くとか、あなたは正直でいいと言えばいいんですよ、そういった点ではね。これはどういった意味で出したのか、要するにこれはこういった計画があるけれども、まず、本来であれば平成11年から平成17年までの計画だけれども、これは今後も向こう何年間を見通した計画なんですということを説明してもらわないと、いきなりこれをもらってこれでやったんですと言ったら、期間は終わっているじゃないかということになるわけですよ。そこをきちんと説明していただかないと、弘法も筆の誤りでどうしたのかと。午前中、集中砲火を浴びて、いつもの畜産課長のキレがないから困ったなと、午後の審査は大丈夫かと心配しているわけですよ。見解を聞かせてください。
◎松永畜産課長 ちょっと言葉足らずで失礼いたしました。
 先ほども申し上げましたが、いつの時点でかということでしたので、この古い計画を出させていただきました。これについては平成17年度までと書いてありますように、平成25年度になりましてから、新たな計画ということで見直しをさせていただいているところでございます。
◆山田[博]副会長 そうしたら、新たな計画といっても、多少なり文言が変わっているでしょうから、委員会が終わった後でいいですから、これをもらえませんか。
 林政課長にお尋ねしますけれども、経営診断士はどこに書いていますか。ちょっと説明していただけませんか。
◎佐藤林政課長 今お配りいたしました資料の22ページになります。これは森林整備加速化林業再生基金事業の実施要領の、またその下にあります運用ということになります。その22ページ、第5、施設整備等の一般基準というところの8番目の(1)のところです。事業費でおおむね5,000万円以上のものについては経営診断を受けるものとするということで、事業費が5,000万円以上に限ってですけれども、経営診断を受けるということになっております。
◆山田[博]副会長 ここに経営診断を受けるものとするとあるけれども、じゃあどっちの側の経営診断かというのは書いていないわけですね。しかし、実際国に確認したら、それは事業主体であるところからやってくれというふうになっているということですね、それは間違いないですか。
◎佐藤林政課長 そのとおりでございます。
◆山田[博]副会長 わかりました。
 それで、バイオマスということで対馬とかあるけれども、これは民間でしょう。これは今から申請を受けるわけですか。今から申請を受けて、それが今回予算が通っても、必ずこの事業主体が通るかどうかというのはわからないということで理解していいんですか。
◎佐藤林政課長 今、副会長が見ておられる19ページの表だと思いますが、そこの下の方に木質バイオマス関連施設整備ということで、対馬市が挙がっております。
 これは、今お話がありましたように、これから申請書が上がってくるというものでございます。今、対馬の方に確認しておりますけれども、市役所の方には申請書が上がってきていると聞いております。市を経由して県の方に上がってくるシステムになっておりますので、今市のところに上がってきていると聞いております。
◆山田[博]副会長 だから、今回、特にバイオマスとか、加工流通施設とかいろいろありますけれども、ここは予算として上がっているけれども、これは予算が通ったらその事業主体が決定というわけではないと理解していいんですね。それが一番大切なことですから。
◎佐藤林政課長 これは当初予算でも既に予算化はされております。これについて事業主体の方に実施の内示みたいなことはやっておりますが、実際の申請書の中身を見て、午前中も申し上げましたけれども、審査基準に従って適正な申請がなされているということをもって初めて事業の決定をするということを考えております。
◆山田[博]副会長 午前中も林政課長に言いましたけれども、誤解があって、またいろいろと迷惑をかけたらいけませんから、厳正な審査をもって行ってください。国会議員だろうが県会議員だろうが、圧力に屈したらいけませんよ。適正なる診断をもってやらないといけないと。これはぜひそういった審査でもってやっていただきたいと思います。
 終わります。
○西川委員長 ほかにありませんか。
◎松尾農政課長 午前中に溝口委員からお尋ねの件につきまして確認をいたしました。繰越の関係でございまして、繰越事業理由別調書の2ページ目でございます。構造改善加速化支援事業費ということで、繰越承認額に対して繰越額が違うではないかというお話でございました。実はこの繰越承認額につきましては、2月補正の段階で、2件で206万2,000円というふうなことでございまして、この2件につきましては、年度後半に追加要望が出てきまして、その関係で、これは事務的な話でございますけれども、1月末時点の繰越の計上の時点まで、まだ事業計画が審査中でございました。年度内に事業完了するかどうかわからない、完了しないおそれもあったということもございまして、一旦2月定例月議会では繰越予定額として計上したということでございます。
 その後、県と市町と事業主体間の事務手続において、この内容が草刈機とか、収穫機等であったため、機械メーカーの発注や納品の関係もございまして、そのあたりを確認すると、2件とも在庫もあって、年度内に機械が納品されるということになったものですから、事業が完了したということで、結果的にこの分は繰越せずに済んだということでございます。
◎新見森林整備室長 4ページでお尋ねがございました県単治山費の分でございます。これは同じく2月補正の時点で年度内完成が危ぶまれましたので、繰越を計上いたしましたけれども、結果的に年度内に完成いたしましたので減額しております。結果としては、ここに載せる必要があったのかどうかというのもありますけれども、予算計上のその下の計の欄で予算が合わせられませんので、予算書の金額に合わせるために、ここに計上しております。
◆溝口委員 わかりました。
 ただ、この県単の治山事業ですけれども、説明も、繰越の理由も「地元との調整に時間を要したもの」としているから、今の考えだったら、もう完成しているから、あんまり関係ないんじゃないですか。小さいことでしたけれども、どうもありがとうございました。
○西川分科会長 ほかありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川分科会長 質問がないようですので、これをもって質疑を終了いたします。
 次に、討論を行います。討論はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川分科会長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
 予算及び報告議案に対する質疑・討論が終了しましたので採決を行います。
 第78号議案のうち関係部分、報告第1号のうち関係部分、報告第3号ないし報告第5号は原案のとおりそれぞれ可決、承認することにご異議ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西川分科会長 ご異議なししと認めます。
 よって、各議案は、原案のとおりそれぞれ可決、承認すべきものと決定されました。
○西川委員長 次に、委員会による審査を行います。
 議案を議題といたします。
 農林部長より総括説明をお願いいたします。
◎上田農林部長 農林部関係の議案についてご説明をいたします。農水経済委員会関係議案説明資料並びに同追加1、追加4の農林部をお開きください。
 今回ご審議をお願いいたしておりますのは、第79号議案「知事の調査等の対象となる法人の範囲を定める条例の一部を改正する条例」のうち関係部分、及び第92号議案から95号議案、「権利の放棄について」で、その内容は記載のとおりであります。
 次に、前委員会以降の主な事項についてご報告いたします。
 今回ご報告いたしますのは、新規就農者対策について、中部集出荷施設の整備について、BSE全頭検査の見直しについて、長崎和牛の生産・流通対策および生産者振興フォーラムについて、イノシシ被害防止対策について、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の動向について、諫早湾干拓事業の開門問題について、諫早湾干拓農地の利用権設定等について、農薬危害防止について、県有種雄牛凍結精液証明証の印字誤り及び家畜検査証明書交付手数料の誤徴収について、「長崎県「新」行財政改革プラン」に基づく取組についてでございます。
 そのうち、本日お配りさせていただきました追加4の資料をご覧いただきたいと思います。
 まず、1ページでございます。「BSE全頭検査の見直しについて」は、去る5月、内閣府が設置する食品安全委員会において、BSE検査の検査対象月齢を現行の30カ月齢超から48カ月齢超へ変更しても人への健康影響は無視できるとの答申が行われたことから、厚生労働省は、今月1日から検査対象月齢を48カ月齢超とする省令等の改正を実施するとともに、対象自治体に対しまして、全国一斉に全頭検査を見直すよう要請を行ったところであります。
 また、我が国は、本年5月に、国際獣疫事務局(OIE)により、「無視できるBSEリスク」の国として認定されたところであります。
 これまで本県では、BSE(牛海面状脳症)スクリーニング検査について、国が定めた検査対象月齢に関わらず全頭の牛を対象に実施してまいりましたが、国の要請や他の対象自治体の対応状況等を踏まえて、今月1日から、これまで自主的に実施してきました全頭検査を見直し、48カ月齢超の牛のみを対象とした検査を実施することといたしました。
 今後も、食の安全・安心の確保のため、特定危険部位の除去などは継続実施されることとなっておりますが、農林部としましても、飼料規制や発生動向を確認するための死亡牛BSE検査を継続するなど、引き続き、BSE対策には取り組んでまいります。
 次に、2ページでございます。「環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の動向について」は、去る4月26日、政府の統一試算に基づき、TPPへ参加し、関税が即時撤廃され、国において追加的な対策を講じない場合の本県農林水産業への影響額を試算いたしましたが、平成23年の農業産出額におきましては369億円の減というものであり、これは、試算の対象としました9品目の産出額683億円の約54%を占め、全ての品目の産出額1,421億円の約26%に当たります。
 離島、半島が多い本県にとりましては、1次産業は地域を支える基幹産業であり、TPP参加により安価な農産物が大量に出回ることになれば、農林業はもとより、農山漁村の有する多面的機能や地域経済にはかり知れない影響を及ぼし、地域の存続にもかかわる課題となってまいります。
 このため本県では国に対しまして、農林水産業など深刻な影響が懸念される分野におきましては、その影響を克服するための構造改革に向けた道筋や具体策を明確にし、国民へ十分な情報提供を行い、国民の理解を得ながら交渉を進めるとともに、重要品目の関税撤廃除外など、国益と地域産業を守るため最大限の努力を払っていただくよう求めたところでございます。
 続きまして3ページをお開きいただきたいと思います。
 「諫早湾干拓農地の利用権設定等について」でございます。諫早湾干拓農地の利用権設定に係る再募集については、利用権の期間満了に伴う利用権の再設定に当たりまして、継続申し込みがなかった農地108ヘクタールにつきまして、新たな借受者を募集しました結果、新規応募者が12件、142ヘクタール、現入植者の規模拡大の申し出が9件、90ヘクタール、合計21件、232ヘクタールの応募がありました。
 応募があった21経営体につきましては、公益財団法人長崎県農業振興公社が設置しました農業、財務、流通、法律の専門家11名で構成します審査委員会におきまして、生産実績及び経営状況等を踏まえ、書面審査や面談審査を実施し、今後の経営改善計画の実現性について慎重な審査が行われたところでございます。最終的な審査報告を踏まえまして、去る4月17日、同公社臨時理事会におきまして、新規4件、41ヘクタール、規模拡大7件、56ヘクタールの合計11件、97ヘクタールについて貸し付けが決定され、今月1日の諫早市における公告手続完了をもって利用権の設定がされたところであります。
 なお、今回、利用権の設定が行われなかった11ヘクタールのうち、中央干拓地5.3ヘクタールにつきましては、前借受者が当該農地に設置しているハウス等の売買契約手続の完了を待って利用権の設定を行うこととしており、また、小江干拓地5.7ヘクタールについては土壌の経年変化等の調査を行うため、利用権設定を保留しております。
 今後は、作付調査や営農指導、さらには、経営診断の受診や決算書の報告などを通じて、経営状況の把握と指導に努め、リース料の安定的な確保と安定的な干拓営農の継続を目指してまいります。
 次に、「県有種雄牛凍結精液証明書の印字誤り及び家畜検査証明書交付手数料の誤徴収について」でございます。
 平成22年2月に肉用牛改良センターで印刷した県有種雄牛「照美津」号の精液証明書1,000枚につきまして、登録番号の印字に誤りがあることが判明いたしました。このため、去る6月7日に公表するとともに、平成23年12月から翌24年3月にかけてサブセンターや家畜人工授精師等に配布・譲渡された150枚のうち、人工授精後の不受胎が確認されたため不要として廃棄された19枚を除く131枚につきまして、6月6日までに訂正印による修正を完了させたところであります。併せて、肉用牛改良センターとサブセンターにある全ての証明書約69万6,700枚についても記載内容に誤りがないことを改めて確認したところでございます。
 また、五島家畜保健衛生所で実施しました平成23年度から平成25年度にかけての馬伝染性貧血検査において、本来徴収すべきでない証明書交付手数料を徴収していたことが判明し、去る6月26日に公表いたしました。
 本件は、証明手帳に検査結果を記入するに当たり手数料が必要と誤認し、五島振興局管内の事業者から25頭分、合計1万2,500円を誤徴収していたものであります。事業者の方々へは、去る6月19日に経過を説明の上謝罪するとともに、早急に誤徴収金に利息を付して返還することとしております。なお、他の家畜保健衛生所において同様の事例がないか確認しましたが、不適正な事例はありませんでした。
 平成23年度に精液証明書誤記載問題が判明した後、事務処理の適正化に努める中、今回このような不適正な処理が再度複数事例発生し、生産者のみならず県民の皆様の信頼を損なう事態となりましたことをこの場をおかりしまして深くお詫び申し上げます。
 県としましては、このような事態を重く受け止め、緊急の農林部内課長・地方機関長会議を招集の上、許認可、手数料、各種証明書等の事務処理全般について再点検をした上で、マニュアルやチェックリストを策定するなど、再発防止に向けての確認体制の強化を指示したところであり、二度とこのような事態が起こらないよう事務処理の適正化の徹底に努めてまいります。本当に申しわけございませんでした。
 その他の事項につきましては、記載のとおりでございます。
 また、「諫早湾干拓農地の利用権設定等について」並びに「政策等決定過程の透明性等の確保及び県議会・議員との協議等の拡充に関する決議」に基づく資料、さらには「平成26年度政府施策に関する提案・要望について」、それぞれ補足説明資料を配付させていただいております。
 以上をもちまして、農林部関係の説明を終わります。
 よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げます。
○西川委員長 ありがとうございました。
 次に、補足説明をお願いいたします。
◎宮崎諫早湾干拓課長 諫早湾干拓農地の利用権設定等について、補足して説明をさせていただきます。資料につきましては、「諫早湾干拓農地の利用権設定について」をご覧ください。
 まず2ページをお開きください。
 (参考)1、利用権再設定の決定についてにつきましては、2月定例月議会の委員会の際にご説明しておりますが、今回の再募集に係る利用権の設定に関連しておりますので、簡単に説明させていただきたいと思います。
 この審査につきましては、審査委員会を平成24年11月14日に、諫早湾干拓地農業者審査委員会設置要領に基づきまして、県内外の中小企業診断士や農業関係技術者、弁護士、流通の専門家、農業経営の経験のある者等で、入植者と直接的な利害関係を有しない専門家11名を農業振興公社理事長が委嘱し、設置しております。
 審査委員会におきましては、利用権再設定の申し入れがあった34経営体について審査を行い、その結果について2月19日の農業振興公社の理事会に報告がなされました。
 公社では、報告された審査結果につきまして、3月9日の第7回農業振興公社理事会において審議が行われ、申し出があった34経営体、約558.5ヘクタールの農地の利用権の再設定を認める決定が3月12日に行われております。
 この貸付が決定していた34経営体につきましては、5月10日の諫早市における公告手続をもって利用権の再決定がなされております。
 次に、(参考)2、利用権再設定再募集に係る応募状況につきましては、継続申し込みがなかった農地約108ヘクタールに対しまして、新規入植者や現入植者の規模拡大についての募集を行い、その結果は21件、232.2ヘクタールとなっております。
 1ページに戻っていただきたいと思います。
 1、利用権再設定再募集に係る利用権設定の決定につきましては、応募がありました21経営体について、審査委員会におきまして生産実績及び経営状況等を踏まえて、書面審査や面談審査によりまして技術面・経営面から分析を行い、今後の経営改善計画の実現性について審査が行われております。
 その結果につきましては、同公社の4月17日に開催されました理事会におきまして、新規の4経営体に41ヘクタール、規模拡大の7経営体に56ヘクタールの合計11経営体に対しまして97ヘクタールの配分が決定され、昨日の諫早市における公告手続をもって利用権の設定がなされております。
 今回、利用権の設定が行われなかった残り11ヘクタールのうち、中央干拓地の5.3ヘクタールにつきましては、従前の借受者がこの農地に設置しておりますハウス等の売買契約の手続の完了を待って利用権の設定を行うこととしております。また、小江干拓地の5.7ヘクタールにつきましては、土壌の経年変化等の調査を行うこととしておりまして、利用権設定を保留しているところでございます。
 2の利用権設定の状況につきましては、先ほど説明いたしました、利用権再設置者及び今回の新規入植者並びに規模拡大者に係る貸付決定分など666ヘクタールの内訳となっております。
 また、3ページ、4ページには、審査委員会における審査の経過等につきまして、さらに5ページ、6ページには利用権設定者の法人・個人ごとの所在地や貸付面積を示しました「諫早湾干拓農地利用権設定者一覧表」を添付しております。
 以上で説明を終わります。
○西川委員長 ありがとうございました。
 次に、提出のありました「政策等決定過程の透明性等の確保などに関する資料」及び「平成26年度政府施策に関する提案・要望について」説明をお願いします。
◎松尾農政課長 「政策等決定過程の透明性等の確保及び県議会・議員との協議等の拡充に関する決議」に基づきまして本委員会に提出いたしました農林部関係の資料についてご説明いたします。お手元にお配りしております資料及び追加資料をご覧ください。
 まず、1つ目の補助金内示の状況につきましてでございます。本年2月から3月までの実績は、直接補助金が資料1ページから6ページ及び追加資料の1ページに記載のとおりでございまして、「平成24年度長崎ブランド農産物育成対策事業費」など63件、間接補助金が資料7ページから8ページに記載のとおりでございまして、「構造改善加速化支援事業補助金」など14件の、合わせて77件となっております。
 続きまして、本年4月から5月までの実績は、直接補助金が資料の9ページから24ページ及び追加資料の2ページから4ページに記載のとおりでございまして、「長崎県中山間地域等直接支払交付金(推進交付金)」など166件、間接補助金が資料25ページから35ページ及び追加資料5ページに記載のとおり88件、合わせて254件となっております。
 続きまして1,000万円以上の契約状況につきまして、本年2月から3月までの実績は、資料36ページから39ページに記載のとおりでございまして、「委託」が1件、「工事」が40件、合わせて41件となっております。このうち入札に付したものについては、40ページから107ページに入札結果一覧表を添付しております。
 本年4月から5月までの実績は、資料108ページから110ページに記載のとおりでございます。「委託」が6件、「工事」が12件、合わせて18件となっております。このうち、入札に付したものについては、111ページから139ページに入札結果一覧表を添付しております。
 続きまして、陳情・要望に対する対応状況につきまして、「知事及び部局長に対する陳情・要望」のうち、県議会議長宛にも同様の要望が行われたものは、島原市と佐世保市からとなっており、これに対する県の対応は、資料の140ページから146ページに記載のとおりでございます。
 最後に、附属機関等会議結果報告につきまして、本年2月から5月までの実績は、「長崎県森林審議会」など延べ4回の開催となっており、その内容については資料147ページから151ページにかけて記載のとおりでございます。
 以上でございます。
 引き続きまして、「平成26年度政府施策に関する提案・要望について」という資料をご覧いただきたいと思います。
 去る6月11日及び12日に実施いたしました「平成26年度政府施策に関する提案・要望」につきまして、農林部関係の要望結果をご説明いたします。
 農林部関係におきましては、「国営諫早湾干拓事業について」、「原油高騰対策について」、「TPPを含む農林水産物の国際貿易交渉に対する慎重な対応について」、「水産基盤及び農業生産基盤の促進について」の4項目の重点項目について要望を実施いたしました。
 要望実績といたしましては、林農林水産大臣ほか6名に対して、知事、議長、農林部長により要望を行いました。
 このうち、「国営諫早湾干拓事業」については、政府施策要望に併せまして、「諫早湾干拓事業潮受堤防排水門の開門問題に係る本県・地元からの意見書」を、諫早市・雲仙市と連名で林大臣宛に改めて提出いたしまして、国の対策工事への着手の動きに対しての地元の不安感は非常に高まっており、11月の仮処分の判断の動きも見極めながら慎重に対応していただきたいと強く訴えたところ、林大臣からは「確定した判決があるという前提で、なるべく皆様方のご理解を得る努力をしながら慎重に進める必要がある」との回答がありましたが、開門を前提とした厳しい状況には変わりなく、地元の方々の安全・安心や生活の基盤を守るために、引き続き専門家の助言をいただきながら、開門の問題点を具体的に指摘し、決して開門により地元に被害が及ぶことがないよう、県議会や地元の方々と一体となり取り組んでまいります。
 「原油価格高騰対策について」は、農業用A重油にかかる石油石炭税の免税・還付及び軽油引取税の免税の恒久化と園芸用の燃油価格高騰緊急対策の継続について強く要請いたしまして、林大臣からは、「要望を踏まえ、農業に従事している皆さんが展望を持てるようにやっていきたい」との回答がございました。
 また、「TPPを含む農林水産物の国際貿易交渉に対する慎重な対応について」は、林大臣より「国会決議等を踏まえ対応していきたい」との回答がございました。
 このほか、一般項目として要望しておりました「森林吸収源対策のための財源の確保と林業公社に対する支援制度の拡充について」、「強い経営力を持った農林業経営体の育成に向けた施策の推進について」、「有害鳥獣による農産物被害防止対策の強化について」の3項目につきましては、農林水産省及び環境省の2省51名の担当者に直接、農林部長、私ほか4名により提案・要望を行いました。
 このうち、「耕作放棄地再生利用緊急対策交付金の制度拡充、要件緩和と制度の延長」につきましては、「制度の継続及び拡充内容については理解する。頑張っていきたい」と、「青年就農給付金における親元就農の場合の支援要件緩和」につきましては、「全国的にも要望が出されているので、検討を行っている」との回答がございました。
 また、「配合飼料価格安定対策の継続及び拡充」につきましては、「検討していく」との回答がございまして、去る6月21日に緊急対策として支援の方針が農林水産省より示されたところでございます。
 以上が、農林部関係の要望結果でございますが、今回の政府施策に関する提案・要望の実現に向け、引き続き取組を行ってまいります。
 以上で報告を終わります。
○西川委員長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
◆織田委員 第79号議案、公益法人改革の一環として、今回、名称が変更になっているのと、県の関与を廃止したというのが載っているんですけれども、特に社団法人の園芸農業経営安定基金協会が、長崎県園芸振興基金協会と変更になっております。公益法人改革の一環であるということはわかるんですが、名称が変更になるということは内容が変わっていると思うんですけれども、どういう経過になっていますか。
◎田中農産園芸課長 長崎県園芸振興基金協会の内容でございますけれども、今回は社団法人から公益社団法人への改定ということでご審議をお願いしております。
 業務の内容につきましては、従来から行っております野菜、果実の園芸作物の計画的・安定的な生産出荷の推進と農業経営安定のための支援事業を実施することとしておりまして、それによります園芸農家の経営安定の向上、消費者への安定供給という目的を第一としております。
 業務の内容につきましては、今回主に変わるところとして、中央の国の方でやっております果樹経営支援対策事業、これは樹園地の改植等を行う国の事業でございます。これにつきましても、中央果実基金協会という公益法人がございましたが、その改革に伴いまして公益財団法人中央果実協会という形に変わっております。そういった事業の内容を引き受け、引き続き実施するという形での事業実施を考えております。
 そのほか、野菜につきましては、従来から独立行政法人の農畜産業振興機構がございますので、そこが行っている野菜の価格安定事業を引き続き実施するということにしております。
◆織田委員 事業の流れの中で社団法人が公益法人に変わったので、長崎県もそういうふうにやってきたという流れはわかりますが、事業の中身が、例えば経営とか安定とかということになると、収益の事業の部分のお金の出入りが会計上あります。ところが、振興基金となると、公益上の運営ということなので半分以上はそういうふうにしなければいけないとか、いろんな会計上の仕組みも少し変わってきたり、事業の内容が変わることはないかということの確認をまずさせていただいて、財産が移行することは関係ないのだろうけれども、今までと変わるところがあるとすれば、どういうふうに変わるのか教えていただきたいと思います。
◎田中農産園芸課長 事業でいきますと、事業の中身は、果樹も野菜につきましても大きな変更はございません。
◆織田委員 一般的な社団法人から公益法人に変わったというだけの取扱いですね。
 それから、下の林業コンサルタントが廃止になるんですが、林業コンサルタントの業務の内容そのものはどこが継続してやるのか、どこかが吸収して、そこの仕事をやることになるのか。その仕事そのものもなくなるんですか。
◎佐藤林政課長 社団法人長崎林業コンサルタントは、平成25年4月1日をもちまして一般社団法人長崎林業コンサルタントというふうに名前が公益法人改革の中で変わっております。法人そのものがなくなるということではございません。ですから、引き続き森林土木関係の調査設計、測量、そういったものは継続してこの法人が行うということです。ただ、今回は、県のかかわりをなくすということで出資金50万円相当額を法人から返していただくということでございます。
◆織田委員 当然ながら出資金が返ってきますね。貸付金はないのですか。
◎佐藤林政課長 ございません。
○西川委員長 ほかにありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ほかに質疑がないようですので、これをもって質疑を終了いたします。
 次に、討論を行います。
 討論はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
 議案に対する質疑・討論が終了しましたので採決を行います。
 第79号議案のうち関係部分、第92号議案ないし第95号議案は、原案のとおり可決することにご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 なしと認めます。
 よって、各議案は、原案のとおり可決すべきものと決定されました。
 次に、お手元に配付しております陳情書一覧表のとおり陳情書の送付を受けておりますのでご覧願います。
 陳情書について、何かご質問はありませんか。
◆山田[博]副委員長 30番の「地域高規格道路 島原道路について」という要望書ですが、これは本会議場でも質問がありました。この道路の建設に当たっては、農林部の方はこれに何らか携わったかどうかというのを聞かせてもらいたいと思います。
◎林田農村整備課長 経過を申しますと、農林部との協議といいますか、農林部の方に相談があった点を申します。
 高規格道路の構想があった段階で、平成20年9月でございましたけれども、出平バイパスの近くに実施中の畑の基盤整備地区がございました。道路部局の方から、仮に三会原地区を通る場合についてどういう問題があるのか、そういう協議は平成20年の時点であっております。
 その後22年度につきましては、ご存じのように島原半島地域の交通機能強化検討委員会等でルート等が検討されておりまして、その後、平成23年10月に農用地の開発関係、それから農村整備課の方には、実施中と過去の土地改良事業、広域農道沿いに実施している地区、それから過去に終わった地区等がございますので、そういう終わった地区との調整といいますか、農林部に対するそういう事業との調整の意見照会はあっている状況でございます。
◆山田[博]副委員長 要するに、農林部の方に、この地域高規格道路の島原道路をつくる際に、何らかの問い合わせがあって、その時に農林部としてはどういった見解を出したかというのがわかりますか。農村整備課長のことだから、もう既に調べていると思うけれども、今わかりませんか。
◎林田農村整備課長 ルート決定についての土木サイドから農林部サイドへの協議をするような決まりというのは、基準上はございません。ただ一つ決められているのは、先ほど申しましたような実施中の土地改良事業とか、そういう協議だけは農政局の通知の中で、道路部局の方が農林部の方に事業の概要をして、そういう実施地区との協議をするような格好の取り決めはあっております。
 それに対しては、当然過去に実施した土地改良事業との調整を実施の時に十分図ってくださいとか、農業上の影響がないような格好にしてくださいとか、そういう申し入れは土木部の方にしております。
◆山田[博]副委員長 農林部としては、優良農地があるので慎重なる対応をしてもらいたいということで話をしていたということですね。間違いないですね。
◎長岡農地利活用推進室長 農林部の農振部局としましても、連絡という形で内容を伺っておりまして、その中で、できる限り農業に影響のないようなことでお願いしたいということは申し出ております。
◆山田[博]副委員長 農地利用活用推進室長にお尋ねします。
 耕作放棄地をなくそうということで一生懸命やっていますね。これは長崎県自らが取り組んでいるわけですね。これは間違いないですね。農林部はその先頭を切ってやっていると。ところが、道路をつくるといえども、長崎県でも特に優良な農地が道路建設によってなくなるおそれがあると。これについてどういう見解を持っているのか、聞かせていただきたいと思います。
◎長岡農地利活用推進室長 できる限り土木部の計画の範疇におきまして農業に支障のない形でお願いしたいということでございます。
◆山田[博]副委員長 そういった思いがあるということで、土木部に対してしっかりとそういった意向でもってやっていくということで理解していいんですか。
◎長岡農地利活用推進室長 現在の計画の幅の中におきまして、できるだけ農業に支障のない形でお願いしたいということは申しております。
◆山田[博]副委員長 これは文書だけではよくわからないんです。農地利活推進室長の発言は、重いわけですね、地球より重いとは言わないけれども。やっぱり文書だけではなくて、時間をとって実際に現地を見る機会を設けて、どういうふうに取り組むかということにした方がいいと思いますので、そういった提案をして終わりたいと思います。
○西川委員長 ほかにありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ほかに質問がないようですので、陳情につきましては承っておくことといたします。
 次に、議案外の所管事項に対する質問を行うことといたします。
 まず、通告外での質問も許可しております「政策等決定過程の透明性等の確保などに関する資料」についての質問はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 特にないようですので、次に、説明のありました「平成26年度政府施策に関する提案・要望」についてのご質問はありませんか。
◆織田委員 諫早湾干拓の件ですけれども、この前、諫早の市役所前で1時間半ぐらい延々と反対抗議を行い、皮もはげるくらい日焼けしました。盛り上がった内容だったと思いますが、あの話の中で、私が一番そうだなと思ったのは、海水淡水化をして農業用水を確保しようと、こういう話があった時に、あそこのそんなにきれいな水ではないのをくみ上げて淡水化したとして、要するに浸透膜はすぐやられるだろうと。そんなことで農業用水が確保できるのかどうかという話は、ものすごく納得したんです。
 もう一つは、出てきた塩分の濃い水が外に出ていった時に、これが漁業にどれだけ影響が出るかということに関しては、これも大変な影響が出るだろうと、漁業を思うのに逆効果になっていくという話、これも納得できたんですね。
 ところで、こういう海水淡水化のあれだけの大型のものをつくるとすれば、環境アセスとか、実証実験、本当にそれが使途に耐えられるものなのかどうかということを実証して、普通はやるべきだと思う。それを度外視して、もうやりますよと、こうしますよというのは、常識的にはちょっとおかしい、外れていると認識しているんですけれども、政策監は国から見えられていますが、どうですか。
◎梶原農林部政策監 今、ご質問にあったことについては、我々も今回、6月12日に105項目の意見書という形で農林水産大臣に提出しましたけれども、今ご意見があったような実証実験をやるべきだとか、漁業への影響があるとか、こういうことは県としても、しっかりと国の方に意見として、長崎県、諫早市、雲仙市、3者連名で国に意見を述べているところでございます。
◆織田委員 海水淡水化した水を飲料水で使う場合、例えば沖縄や福岡もありますが、あんなに大きくなくて小ぶりのものとしても、ある程度環境に影響があるとすれば、そこには漁業補償の問題とか、あるいは環境にどれだけの影響があるかという調査をすべきだと思うんだけれども、こういう決まりみたいなものは、国がするとすれば特になくていいものなのですか。
◎梶原農林部政策監 お答えしますが、今、水道の方でアセスの対象となることは決まっているんです。海水淡水化施設は、アセスの対象にはなっているんですけれども、「上水」と文言があって、農業用水についてはアセスの対象から外れているというような見解をいただいております。
 しかし、委員がご指摘のように、農業用水であっても、上水道と同じなので、きちんとした環境影響評価をやるべきだということで、規定上は含まれていないのですけれども、同じようにやるべきだということで国の方に意見を出しているところです。
◆織田委員 飲料水であれば必ず必要だと、限定されていると。今の話だと、農業用水であればそこまで限定はないと。だけど中身に至っては、いわゆるアセスを必要とする内容であると、飲料水と同じように、要するにずっと使うわけだから。作物にとってはは生き物だから同じですよ。人間と違うだけで、同じものですよね。そういう面では、国はちょっと横暴ではないかなと、そういう次元に立つとすると、そう私は思います。そこはもう少し攻め込んでいいんじゃないかという実感を、あの時、話を聞きながら持ちました。どうですか。
◎梶原農林部政策監 今、委員ご指摘のように、我々としても国に対してきちっと県の趣旨を伝えていきたいと思っております。
◆織田委員 このことが解明されない限りやるべきではないですね、当然ながら。それは県の主張としては当然だと思います。
 それはそれとして、もう一つあの時に感じたことは、知事が「長い闘争になるかもしれない」という話をしていた。これはどういう意味合いなのかなと、まだ自分でもよくわからないのだけれども、いろんなことがこれに入っているから、4次元か5次元ぐらいの方程式を解くようなものかもしれない、今の段階で裁判というのが入っているから。
 そうすると、知事が言っている意味合いというのは、11月だったか、地裁の判決がまず出て、その後、福岡高裁が出した決定を下されるというタイミングがありますね。地裁の判決が出たとしても、おっしゃったように、これは全く別のことですよと、対象も違うんですよと、こういうふうになっている。一定知事からもお話があっているんだけれども、「長い闘争になる」という意味はどういうことですか。
◎梶原農林部政策監 今回は、裁判の問題もありますけれども、国が対策を進めようとすれば、例えば河川協議であるとか、県が管理している堤防用地の使用であるとか、各種協議等も出てきますので、単純に裁判だけでなく、いろんな手続の段階で、県としていろんなことを主張していく段階が来ようということで、「長い闘争になるのではないか」と知事が発言したものと認識しております。
◎上田農林部長 ただいまおっしゃった「長い闘争になるかもしれない」、私どももそういう懸念は持っております。これは仮処分、開門差止訴訟の中での仮処分の判定期限が11月12日です。ただし、それはあくまでも仮処分の申請であって、開門差止訴訟の本体は継続いたしております。それが平成26年か、平成27年かまで続いていくだろうと思っております。
 いわゆる仮処分なり、本訴の方で一定の判断が司法で示された場合に、いずれの判断が出ても国は動きをとるかもしれません。いわゆる控訴でありますとか、抗告でありますとか。地元の方も、当然ながら逆の判断が司法で示されれば、そのような動きをすることになろうと思いますので、そういった意味ではどちらのケースを考えても、引き続き開門について司法の場で争うケースというのが、まだまだ時間がかかっていく、そういった懸念で知事は申されているところでございます。
◆織田委員 司法の場でそうやって確定していることがあるので、高裁としてはそのとおりに進めなければならないという前提が一つあるわけですね。片や今言ったようにこういう問題がある。だけど、この日程が決まっているから、これがきた時には裁判所としてはこうしなければならないという話になりますね。
 例えば、開門をしなければいけないというものの中身が一応確定はしているものの、全く別の要素でこれが否定されるということになれば、開けながら、こっちを検討しなければいけないことになるわけですね。そんなふうなイメージになってしまうんだけれども、その辺が10月ぐらいから如実に出てくるのではないかという気が私はするんですが、今はがんがん反対して、納得いかないと、淡水化なんかやっても使えなくなるじゃないかと。これはこれでいいんだけど、この運び方として10月ぐらいになった時に、いやもう裁判は決まっているんだから、それでもやらなければいけないんだと。今、国は慎重に言っているけれども。この間はどういう落ち着き方ができるのかな、どういう選択肢があるのかなと思うんです。よく政治的な決着という話もあるけれども、私は政治的決着というのはどういう意味で言っているのか、支給金か何かで話をおさめようとしているのかどうか、そんな話なのかなとか、いろいろ思うんだけれども、その決着の仕方は、裁判の流れと、今言ったように我々が反対していることと、地裁の決定を待って、その先のこともこれからもあると、3つの次元があるんだけれども、本体のそこは着々と進めなければならないというのが国はあるわけですね。
 そうすると、我々は、最終的にあそこで「反対」と言って、バリケート張ってやるしかないのですか。
◎上田農林部長 仮処分の判断は11月12日ですけれども、私どもが国の方に先般の政府要望の際も知事の方から申していただきましたのは、そこの判断が示されるそこまでは慎重に対応していただきたいと、拙速に準備行為を不十分なままやってもらったら取り返しがつかないことになる、そういうことで現在、国の方にご意見を申し上げているところでございます。
◆織田委員 今の段階ではそこまでしか言いようがないですね。それを国が守ってもらうということしか今のところ言えないですね。裁判で結論が出るということが決まっているからね。わかりました。
◆山田[博]副委員長 織田委員が今言われていることはごもっともです。
 私は、諫早湾干拓の件を国へ要望する際に、いろいろお聞きした時点で確認したいことがあります。これは国に対して諫早湾干拓事業について施策要望する前の段階で、基本的なこととして認識をしたいので確認の意味でまず質問させていただきたい。
 今回、諫早湾干拓の利用権設定ということで、この説明資料では、中央干拓はハウス等の売買契約等の手続で1件は保留と。小江干拓地が土壌の経年変化等の調査を実施予定ということで3件保留しているということであります。
 この中で、一番心配しているのは、以前の委員会でも国に要望する、諫早湾干拓の潮受堤防を開門するという問題で農家の方が大変不安に思っていると。今回、利用権再設定について一応埋まっているわけですね。応募はあったと、これは大変喜ばしいことであったんですけれども、そこで確認したいことは、今回の中で、まさかリース料の未納等があるのかないのか、あるのであれば、状況をちょっと説明していただきたいと思います。
◎長岡農地利活用推進室長 現在、再設定をされた方の中で、平成24年度分の未納が2経営体生じております。金額で申しますと、昨日時点で1件が568万8,909円、もう一件が367万4,622円、合わせまして2経営体で約936万4,000円の平成24年度分のリース料の未納が生じております。
◆山田[博]副委員長 これは何ですか、いつの時点でこういうふうになったんですか。これはいつまでの支払い期限だったんですか。
◎長岡農地利活用推進室長 平成24年度分でございますので、平成25年1月末日までの支払い期限ということになっております。
◆山田[博]副委員長 平成25年1月末日だったと。そうすると、この再募集の最終審査が3月末だったんでしょう。これは何回かやられているんです。第1回が去年の10月末、第2回が12月14日、第3回が12月28日、今年の1月26日が第4回、第5回が2月16日で理事会にかけて、最終的には選考審査をした3月末に第7回をやって決定しているわけでしょう。ということは、この時までにわかっていたんじゃないですか。
◎宮崎諫早湾干拓課長 ただいま指摘がありました2件の未納の対象となります経営体の利用権設定につきましては、3月12日の振興公社の理事会で決定をしたところでございます。
◆山田[博]副委員長 じゃ、3月12日に初めて未納というのがわかったんですか。それだけ教えてください。
◎宮崎諫早湾干拓課長 先ほど説明がありましたように、1月末の納期という形になっておりますので、実は3月12日には既に未納ということはわかっておりましたけれども、その前に開催されました審査委員会におきまして、条件を付けての再設定という形になっております。
 それで、先ほど言いましたように、3月12日に理事会は決定したんですけれども、確約書の提出をいただくという条件を付けて決定しております。
◆山田[博]副委員長 この2経営体というのは、確約書を提出するという条件付きで決定したということですが、1月末までには払っていなかったということですね。1月末までに払っていなかったというのは、向こうもいろんな言い分があったんでしょうね。しかし、その言い分があっても、確約書を提出しながら、払わなかったと。これは今後の諫早湾干拓の農業公社の経営にも大きな打撃を与えるので、ここできちんと回収しないといけませんから、それはどうするのか。本来であれば、これはもうしっかりと回収してもらうしかない。今決まったわけだから、決まったからといって、そのまま放置しておいたらいかんから、どんな対策を考えるのか、また今から再募集となると、これはちょっと大変なことになるし、これはお互いの信頼関係が損なわれるわけですね。しっかりと払ってもらわないといけないわけですけれども、それはどのようにするかというのが一つ。
 もう一つは保留になっているんでしょう。保留期間のリース料の徴収というのはどうするのか、その2点を答えていただけますか。
◎加藤農林部次長 先ほど副委員長ご指摘のとおり、リース料というのは農業振興公社の経営の基礎でございますので、しっかり回収しないといけないと思っております。
 それをどのように回収するか、これは干拓地でまだ営農を続けていらっしゃる方でございますので、県としても農業振興公社と一緒になってしっかり営農指導を行って、まずは農業をやっていただくと。その中からしっかり少しずつでも払っていただくと、そういう形が一番いいのではないかと考えているところでございます。
 それから、そこの保留分についてでございますけれども、今、土壌の調査を行っておりまして、その現状を踏まえまして、今後の試験栽培あたりを行いまして、今後の方策を検討したいと思っております。
 その中で、当然干拓地の状況を県として把握しないといけないということで調査をやりますので、その分については貸していませんので、使用料については公社の方に入ってこない状況になりますので、その辺、公社の運営状況を見ながら、今後、話をしていくような形になると思います。
◆山田[博]副委員長 これは土壌の経年変化があっているということですね。これは場合によっては、国が開門をした場合とか、いろんな問題が出てきている場合もあるわけですよ。
 それで、平成20年3月31日に農林水産省九州農政局の方と国土交通省九州整備局長と当時の長崎県の金子原二郎知事とお三方で、「国営諫早湾干拓事業完了に伴う基本協定書」を結んでいますね、これは間違いなく。
 要は、簡単に言うと、このお三方で1級河川の指定がなされる諫早湾干拓調整池等の良好かつ円滑な維持管理に向けて基本協定を締結すると。これは要するに調整池の水質改善をすると、要するに諫早湾干拓事業の営農に支障を来さないように調整池の水質を万全の体制でやっていくということになっておりますね。それを確認させていただきたいと思います。
◎宮崎諫早湾干拓課長 ただいま話がありましたように、基本協定書を国交省、農政局、知事の間で結んでおりますけれども、その中の調整池の水質の管理については主体的に農政局が行うという内容になっております。
◆山田[博]副委員長 だから、万が一土壌に変化があって、この主たる原因が調整池だとなったら、これは国に対してしっかり申し立ててくださいよ。長崎県の農家の方々が一生懸命やりながら、土壌に変化があったといったら、何が主たる原因かというと調整池の水なんですよ。これは間違いないですもんね。場合によっては、国に対してしっかりとした、土壌検査等をやっていると言っていますけれども、その原因がわかったら、国にしっかりと現状を伝えて、国の方でやってもらわないと。その国の中に、この諫早湾干拓の農地のリース料とか、これは明らかに影響が出ているんです。これはやっぱり訴えないといけませんよ。政策監か、部長がどういうふうに今後取り組んでいくか、見解を聞かせていただきたいと思います。
◎加藤農林部次長 平成19年度に事業が完成いたしまして、平成20年3月に国の方から干拓地の引き受けを行っております。その段階で、農地、事業施設について引き渡しを受けるに当たって、確認は一旦はやっております。したがって、国の方も県の方に対しては確認をして渡したという位置付けにはなっております。
 ただし、今、土地の中の問題ですので、はっきり調べてみないとわからないところがあります。その調査をやっておりますので、その中で、もし万一何らかの原因が国の方にあるということがはっきりわかりましたら、当然のことながら、国の方にしっかり申し述べていきたいと思っております。
◆山田[博]副委員長 これは、調査はいつ頃終わって、結果発表できるのか。
 それで、今回、重点項目の中にそういったものが入っていたかどうか、私が見た中には入ってなかったから、そういう文言も含まれたものが入っているのかどうかというのを伺います。もし、これがあったら大問題ですよ。こんな大問題は、また集中審査して、国に対して要望しないといけないですよ。結果的にこの開門の問題で、第2、第3の被害が出ないようにしていたわけですよ。
 先ほど、委員の方も心配してそういった質問をされたわけですよ、国に対しての重点項目の国とのやりとりの中でね。実際、これは前兆が出てきたんです。農家の方々と農業公社と、ましてや諫早湾干拓のリース事業に対して大きな打撃が出てきたんですね。前兆が出てきたんですよ。これは徹底して、それでもうあかしができたんだから、少なくともいつ頃その調査が判明するのかというのを、まず聞かせていただきたいと思います。
◎宮崎諫早湾干拓課長 現在、予備調査が終わりまして、調査に入っているわけでございますけれども、8月には結果が一定出るのではないかという予定で進めているところでございます。土壌調査については8月中には答えが出るのではないかというふうに、今のところスケジュールを組んでやっているところでございます。
◎上田農林部長 今回の調査、これは主に排水がスムーズにいくかどうか、いっているかどうか、その原因が土壌の地質に何らかの原因があるかどうか、そういったものを調べる予定でございます。
 いわゆる排水、表面排水をスムーズにするためには、通常であれば耕作をしっかりやって、緑肥をやって、ふかふかの農地の状態にしておくのが通常でございますけれども、そういった点をひっくるめて今の状況がどうかという調査をやらせてもらおうと思っております。
 先ほど来、調整池との関係の話でございますけれども、これはあくまでも先ほども申しましたように、流れの排水の観点での調査をやりますので、そういった意味では調整池の水質の管理の問題とはまた若干違ってまいります。ただ、いずれにしましても、しっかりと調査をして、営農者の方々に速やかに使っていただけるような状況にしていきたいと思っております。
 そこの中で原因等、あるいは対策等含めて必要なものが出てくれば、国ともしっかり協議して、国にも措置をしていただきたいとは考えているところでございます。
◆山田[博]副委員長 今回、この土壌の経年変化が出ているということで調査する中で、具体的に言うと、調整池の問題もあるかもしれない、排水問題もあるかもしれないということですので、しっかり調査していただきたい。それが一つです。
 今回、保留している場合にはリース料をもらえないと。現在、リース料も滞納しているとなれば、これは農業振興公社の経営に大きな打撃を与えるわけですから、経営に打撃を与えないように、どういうふうにするかというのを次の委員会にでもしっかり報告をしてもらいたいと思います。
 これは、知事が農業公社に一切県費は投じないと断言しております。私の県議会での質問に答えているんですね。平成22年9月定例会で、「農業公社に対して経営が厳しいからということで財政的な支援をするのか」という私の質問に対して、中村知事は、「農業公社に対して、リース料の滞納等を原因とする特段の支援措置というのは一切考えておりません」と答えております。そういった状況ですから、しっかりそうならないように万全の体制をとっていただきたいと思います。今回お聞きすると、こういった政府施策要望の中には、そういったことは含まれていないみたいですから、ぜひしっかりと対応していただきたいと思います。
 一旦終わります。
◎上田農林部長 まさしく、リース料は農業振興公社の干拓農地の管理をしていく際に必要不可欠でございます。副委員長おっしゃるとおり、債権管理の徹底並びに営農指導の徹底、この両面で未収を防ぐように万全で取り組んでいきたいと思っております。
○西川委員長 質問はありませんか。
 それでは、ここで約10分休憩して、その後、議案外所管事項について、事前通告に基づく質問を行いたいと思います。
 暫時休憩いたします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午後2時48分 休憩−
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     −午後3時0分 再開−
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○西川委員長 委員会を再開いたします。
 質問はありませんか。
◆中島[浩]委員 まず、農産物の海外輸出についてですが、先日も水産部において海外を見据えたいろいろな現地での問題とか、運搬の問題とかございましたけれども、現状での国別の品種、取扱量、問題点などご報告をお願いします。
◎永橋農産加工・流通室長 長崎県の農産物の輸出に関するお尋ねでございますが、私ども県の方で平成22年度から試験輸出に対する補助制度というのを設けております。
 具体的に申しますと、例えば商談会への参加旅費とか、商品の輸送費、それから販促資材の作成費などを2分の1補助するという制度を平成22年から始めまして、9件これまで採択しております。
 9件の採択の輸出先としましては、香港、マカオ、台湾、中国、シンガポールの5カ国でございます。この5カ国に対しまして、果物で言えばみかん、いちご、びわ、それから大根、ニンジン等9品目を輸出しているんですけれども、試験輸出ということで、それぞれ大体1回当たり50キロから200キロぐらいの量でこれまで3年間やってきております。
 それはもちろん試験輸出ですので、2回目以降ということで、実際に商談がほとんどの案件は続いておりますが、その中で1件だけ値が合わないということで中座しているものがございます。
 また、先ほど問題点というご指摘がございましたが、例えば、食べ物関係で青果物は、シンガポールや香港につきましては、日本の物をそのままの状態で輸出できます。しかし、台湾は植物検疫が要るとか、中国に至っては現在のところ輸出できる青果物が梨とりんごに制限されていると。そういうものがございまして、ここにつきましては国と国との問題もございますので、国の方への要望項目にも入れさせていただいて調整をお願いしているところでございます。
◆中島[浩]委員 国際的にも日本の果物、野菜は安全で高品質ということで、恐らく諸外国でもそういう認識はあると思うんですね。この間、タイに視察に行きましたが、向こうの大使館に行って話を聞きましたら、福岡県が事務所をつくっていちごを販売していますよと。お国柄ですけれども、結構富裕層がおられて、日本食も堪能されていて、これからの市場としては申し分ないですよというお話でした。
 やはり国間の事業はあるんですけれども、これが試験的だということですが、本来であれば現地に何らかのコネをつくって、ちゃんとした輸出先を設けなければ、国内市場がもうほとんど期待できないような状況ですから、これから海外に向けて長崎県としても取り組んでいかなければいけないと思うんです。そういうことで今後、このほかの国とか、どういった形で国に溶け込んでいくのか、その辺の目標じゃないですけれども、取組についてお伺いします。
◎永橋農産加工・流通室長 先ほど申し上げましたとおり、基本的に国としては今、日本からの輸出がある程度定番化している東アジア、香港、マカオ、台湾、中国、それが一つと、今、委員からお話がありましたタイ、シンガポールなどの東南アジアというのが次のグループ、対象として我々も考えていきたいと思っております。
 そういう中で、私どもとしても生産者の方々が輸出というものをもっと身近に感じていただく、それから国内に出すのと同じような感覚になっていただくためにも、少し勉強会をということで、昨年、農産物の輸出研究会というのを立ち上げました。19の団体、これは農協も入っておられますし、農業法人なんかも入っておられます。希望されるところには入っていただくということで立ち上げまして、昨年は日本の貿易商社の方のお話等を聞いて、今年は先月の24日ですが、台湾からバイヤーの方を実際に呼んで、実際の現場のお話をしていただくとともに、終わった後に県内の生産者のところを見ていただいて、実際にどういうところが足りないとか、こうしたらいいとかというアドバイスをいただいて、一件一件クリアして輸出に向けていきたいというようなことを、今、努めているところでございます。
◆中島[浩]委員 先日、南島原市の方にベトナムから副知事に当たる方が来られて、農業関係の視察をされたんですけれども、非常に日本はすばらしいと。ちょうど相手をされた方は畜産関係で、向こうで買ってくれないかという要望がございまして、今、いろいろ行ったり来たりされているんですけれども、そういった向こうの現地での仲介役の方が行政的な立場で各国にいらっしゃって、そういうコンタクトがとれれば結構進んでいくんじゃないかという思いがございます。そういった取組も必要ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎永橋農産加工・流通室長 私どもも確かに裸一貫でタイに行ってという話もできないものですから、そこには何らかのバイヤーとか、そういう方のご紹介を受けながら、私どもとしてもネットワークをつくっていきたいと。そういうことで、できればそういう方にこちらにも来ていただいて、いろいろお話も伺ったり、来ていただければ物も見ていただけますので、そういうのを一つひとつ積み上げていってネットワークを充実させていきたいと。そのためにも基盤となる輸出研究会をもっと充実させていきたいと担当課としては考えている次第でございます。
◆中島[浩]委員 今のご説明になった各国には、業種は違っても現地法人の方もいらっしゃいますので、そういった方とのつながりもあると思うので、その辺も参考にして、他県の状況とか、ぜひ窓口を今後設けていただいて、今、試験的輸出ということですから、まだこれからますます時間がかかってくるというのではどうしようもないので、ぜひそういうことで取り組んでいただきたいと思います。
 次に、農地の基幹整備事業についてです。昨年度から考えますと、予算が大幅に付いたわけですが、説明によりますと、事業自体が非常に時間がかかると。そうなってくると、補正が急についても対応できないということで、本県も当初予算からの予算の拡充を要望されていると思うんですけれども、これは、できればこれからストックをどんどん増やしていって、改良区を設けていただいて事業の推進をやっていただきたいと思うんですけれども、その辺の取組状況についてお伺いいたします。
◎林田農村整備課長 基盤整備を実施する上での土地改良区をどのような形でつくっているのかというご質問でございますけれども、委員の地元の島原半島の状況でご説明をさせていただきたいと思っております。
 改良区の設立にはいろいろなやり方がございますが、一般的な事例で申しますと、まず、市の協力を得て基盤整備の意向のある地域で事業の説明を行います。その説明会の後に意向調査、アンケート調査を行っております。
 次に、その意向調査、アンケート調査の結果をもとに、もう少し具体的に地域特有の課題を聞き取り、解決方法等を協議いたしております。併せまして、次回の会議に向けての世話役等の選出をお願いしております。
 その後、何回か説明会を繰り返す中で、徐々に皆様方の整備意向が強くなれば、推進をするための推進準備委員会、そういうものをご提案させていただいて、役員の選出をお願いしている状況でございます。
 その準備委員会で大まかな基盤整備の推進のエリアを決め、併せまして事業の申請の方針が決定すれば、その準備委員会から土地改良区の母体となります推進委員会への移行をお願いしております。
 その推進委員会で同意聴取などの申請に必要な作業を行ってもらいまして、事業の申請、それから土地改良区の設立の申請を行っております。
 このように地元の合意形成が不可欠でございますので、まず地元の説明会、次に推進準備委員会、それから推進委員会、土地改良区と徐々に段階を踏んで組織体制をつくるようにしている状況でございます。
◆中島[浩]委員 今の状況としては、ストック的にはまだ万全ではないんでしょう。これからの計画情報ですよ。
◎林田農村整備課長 県下に国の補助事業を活用してできそうな団地といいますか、そういうものを県が想定しておりますけれども、それで約128地域、約5,000ヘクタールぐらいございます。その中から地元の意向等を聞いて整備しているんですけれども、今後、5カ年間に整備の予定として20地区、約900ヘクタールぐらいの基盤整備の構想を持って今推進しております。この中に島原半島の分が約半分、10地区程度ある状況でございます。
◆中島[浩]委員 今、島原半島は主要品目が低迷しておりまして、中には区画整理を機に品種も変えていこうかという声も聞きます。そうなると、やはり今、ある程度どんどん、どんどん進めていかないと、そういった対応に遅れることになりますし、この間、島原市長が、「島原農高の卒業生の就業率は100%で日本一です」と言われていましたので、それだけ新規就農者が育つ中で、そういう環境が改善されないと、今後、ちょっと農業に対しての取組が難しくなってくるかと思いますので、やはりそういった集積を早くやっていただいて、事業を支援していただきたいと思います。
 それから、小規模改良区の問題ですけれども、これは事業費や事務費の一部を市が単独で支援しております。県としても小規模の改良区を統合するものか、または県の方からの支援はできないものなのか、その辺はどうお考えでしょうか。
◎林田農村整備課長 小規模土地改良区の統合についてですが、土地改良区の運営につきましては農家からの賦課金等で運営されております。高齢化や農家の方が少なくなり、おっしゃるように小さな土地改良区については運営が厳しい状況という話を聞いております。国の方もそういう小さな土地改良区については合併するような方針といいますか、基本的な考えがございまして、県もそのような方向に向けて指導している状況でございます。
 長崎県では、小さいということではなかったんですけれども、飯盛町の北部と南部の土地改良区が合併している状況でございます。
 雲仙市についても、今、土地改良区の合併のお話があっておりますけれども、委員がおっしゃるのは合併に向けての人件費等の補助とか、そういう意味だろうと思うんですけれども、その人件費等の補助についてはご要望があっているんですけれども、国の制度的にはまだそこまで認められている状況ではないところでございます。
◆中島[浩]委員 調べてもらえばわかると思うんですけれども、恐らく事務費については、市が単独で支援しているんですね。本当は先ほど言われたとおり、高齢化でやめる方とか、どうしても固定費の人件費とかかかりますので、そういうのも結構負担になってくるんですね。ですから、そういうものを国に対しても強く要望していただきたいと思います。
 もう一点は、県と市の職員の連携についてということですが、橋村議員が言われていましたように、最近、市の担当の方と話をする中で、特に部長級の方が強く言われるんですけれども、なかなか県とのコミュニケーションといいますか、連携がとりにくくなったと言われるんです。これは昔話になりますけれども、前は会議に来ても泊まって、会議だけじゃなくて懇親会もしてきたということがあって、リアルタイムで話もできるし、一回そういった間柄になれば連絡もとりやすくなって、非常に事業が効率よく進んでいたと。最近ではそういうことがなくなって、ちょっと距離感があるなということです。これは業務と直接関係ないんですけれども、各市の職員との連携について、部長、どうでしょうか。
◎松尾農政課長 今おっしゃった県の職員と市町の職員との意思疎通の話でございます。
 県では、市町、農業関係団体とか、そういった方々との情報共有という観点で、現状でもいろんな形の施策の説明会とか、事業ごとの担当者会議などをやっております。会議におきましては、今おっしゃったコミュニケーションあたりがとれるように、一方的にならないように、なるべく意見交換の時間をとるような形を心がけております。
 今おっしゃった、なかなか泊まらないという話でございますが、今はメールとか、そういう情報手段が発達したということと、交通機関の利便性が市役所の部長クラスの人たちの若い頃の話からすると改善されたということで日帰りできるようになってきたということではないかと思います。
 ただ、私どもとして、今回いろいろご質問をいただいたということもございまして、平成24年度中の本庁と市町の方々との会議がどれぐらいあったかというのを調べてみたんですけれども、市町の職員の方々と行った会議は28回ございまして、団体職員とか、両方合わせると142回ございますので、回数自体はやってきたのかなと思います。ただ、夜の懇親会あたりがどうしても回数的には10回とか、12回しかないものですから、それはそれとして、できるだけ一方的な会議にならないように、私ども特に産地との連携をこれからやっていかなければいけないということで、これまでも各種会議において市町をはじめ産地の方々、農業団体とも一緒に懇親を深めることは継続してやっておりますので、いわゆる農業所得の向上のためにも、そういった会議あたりを行うことによって連携を深めていきたいと思っております。
○西川委員長 農林部長は何かありませんか。今、農政課長の答弁はありましたけれども、県と市町の交流について。
◎上田農林部長 職員間の交流、特にまずは農林業、これは現場行政でございます。そういった意味では振興局、普及センター、ここと市町、農業関係団体、生産者、ここが意思疎通をまずは徹底して図っていただきたいということで、これは会議ということではなくて、頻繁に訪ねたり、産地指導に一緒に入ってもらったり、有害鳥獣対策に一緒に入ってもらうといったことで連携を深めているところでございます。
 ただ、本庁の方でも当然ながら市町にはやってまいりますけれども、まずは地方機関が市町と手を握って、一緒に動ける体制づくり、これを本庁サイドからバックアップしていきたいと考えているところでございます。
◆中島[浩]委員 市の方からは、本当はもう泊まりがけで、個人の負担がかからない予算を付けたいけれども、現状ではとても難しいということでしたので、そういうことも踏まえていただいて、今後、交流の拡大を図っていただきたいと思います。
 次に、労働力支援についてですけれども、今、労働力支援というのが、ほぼJAを窓口にして取り組まれているんです。農業経営体の半数がJAに加盟していないということもありまして、こういう方たちの労働力の支援について、例えば商人が自前で、うちの市の方で言うとネパール人の方がよく来られているんですけれども、こういった人たちを自力で準備して対応している状況です。こういったJA以外の生産者、組合員以外の生産者に対する支援についてはどう考えでしょうか。
◎江藤農業経営課長 農業者の規模拡大を図る上で、労働力支援体制を整えるということは非常に重要なことだと思っております。
 農援隊の設置を受けまして、平成24年からは先ほど委員おっしゃるように労力支援システムを構築してまいりました。現在では、7JAの方で労力支援システムというのを構築して、そのうちの5つにつきましては職業紹介事業、今委員おっしゃった島原半島では請負事業型ということで、2JAが担当しております。
 そういった中で、今問題になっております、年間雇用をどうするのかというところで、夏場あたりが非常に問題になっておりまして、地域によってはオクラとか、小松菜をすることで品目的にはそういったことで年間雇用すると。また、今、JAとおっしゃったんですが、JAが強みを持っているのは、選果場とか、種苗センターとか、そういうのを稼動する中では労力を年間通じて安定的に回せるというようなこともございまして、農協は幅広く労力の支援ができるということでやっているところでございます。
 ご指摘のございました系統外につきましては、今回、確認いたしましたところ、職業斡旋をしている農協につきましては、農協の組合員でもあるということもありまして、特に系統外だからということでは拒否せず、門戸を開いているということでございます。
 請負型でございますJA島原雲仙につきましても利用は可能だと。ただし、JAの方も自腹を切って仕事をやっているというところもございまして、系統外農家につきましては料金差ということで2,000円程度の差をつけてやっていると聞いております。
 外国人の方を使ってというお話もございましたけれども、先ほど言いましたように、農協につきましてはそういった調整作業とか、パッケージセンターでの作業ということで年間雇用できると。また、人的にも確保ができるという中では、委員が本会議の中でも言われたように、他産業との連携ということで、漁協や森林組合、商工会との連携を今後協議していきたいと思っておりますが、まずは既存のところを活用していただければと考えております。
◆中島[浩]委員 というのが、JAと取引をしていない方々からの強い声がありまして、そうしたらもう自分たちでつくろうかという方もいまして、どうやってすればいいのかという質問があってご相談させてもらったんですけれども、まずは事務員の問題ですね。これは人件費がかかることですし、実際問題として農協も実際のところ何千万円という赤字を出しながらも、全体のことを考えてしっかり支援をやられている状況の中で、果たして何人かの集団でそういった事業ができるかというと、現状では無理だということですよね。
 そうなってくると、難しいということで、関連する選果場を持っていらっしゃる商人たちが先ほど説明したとおり、自分たちで対応されて、安価な外国人の方を呼んできて対応されているという状況でございます。
 ですから、本来であれば何らかの人的支援ができないものかなと思いましてこういった質問をさせていただいたんですけれども、やはり年間を通して雇うとなると難しいという問題がまず出てきます。JAも窓口は開いているというんですけれども、収穫時期は一緒なので、どうしても優先順位となってくると、組合員以外はなかなか難しいという状況なので、これは今後、そういったほかの団体とか、地域間でもいろいろ連携をとりながら、ぜひ対応を考えていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎江藤農業経営課長 今、ご提案のございました件も、地域には振興局、市町、農協等関係機関で構成した地域雇用労力支援協議会というのがございますので、先ほどのご提案を含めた中で実態調査をもとにいろいろな検討をしてまいりたいと考えております。
○西川委員長 ほかにありませんか。
◆山口委員 4点通告をいたしておりましたので、質問させていただきますが、まだ相当量あるので、本当に今日できるのか心配ですから、私もあんまりたくさん言わずに質問を進めさせてもらいます。
 基幹農道の関係ですが、今までこの農道に関しては農免農道とか、広域農道とか、ふるさと農道という形でいろんな事業主体が異なった形で農道ができていたと思います。今、これが基幹農道という形で統一されたのではないかと思っていますが、この基幹農道の一般的な定義といいますか、まずそれをお知らせいただけますか。
◎林田農村整備課長 農道には、広域農道、基幹農道、一般農道等がございますけれども、大体受益面積の大きさによってその仕分けをするように国の制度上はなっております。
◆山口委員 わかりました。要するに50ヘクタール以上とか、1億円とか、4メートル以上とか、そういう形ですね。一応知ってはいたんですが、まずここから入っていかないといけないのかなと思ったものですから。
 そういうことで、現在の長崎県の基幹農道を、それぞれ従来の農免農道とか、広域農道とか、継続された形でまだずっとやられているんじゃないかと思うんですが、今、どういう状況にあるのか、お尋ねします。
◎林田農村整備課長 まず、広域農道につきましては、今まで18地区、約158キロメートルを整備しております。その中に島原半島のグリーンロード等ございまして、この道路の効果としましては、この沿線上にカントリーエレベーターなどの農業関連の施設が18施設できるとか、この沿線上に基盤整備地区が約30地区できるとか、かなりの効果があっております。それから、農業以外にも観光面とか、緊急輸送路等の指定もされておりまして、地域の産業道路として効果があっております。
 それとこの広域農道以外に、前は農免農道と言われたんですけれども、基幹的な農道が平成24年度までに154地区、320キロメートルを今整備している状況でございます。
 現在実施中の基幹農道としましては、平成21年度より行っております佐世保市の岳の田地区、これは約1.7キロメートルの道路でございます。それと平成22年度から川棚町の川棚西部地区、これが5.8キロメートルの道路でございます。それと平成25年度、今年より諌早市の伊木力第3地区、これは3キロメートルでございますが、これを新規に実施するようにしております。
 このほかにも、県営の一般農道として佐世保市の板樋2期地区等がございます。こういう状況でございます。
◆山口委員 そうしますと、一番大きいのはグリーンロードですか。岳の田、それから川棚、諫早、佐世保ということで5カ所が、長崎県が今やっている農道事業ですか。
◎林田農村整備課長 岳の田は佐世保市でございます。4地区でございます。
◆山口委員 このグリーンロードは、もう今やっていないんですね。もう終了しているわけですね。そういうことで4地区ですね。
 その中の地元の話で申しわけないんですが、今度新しく諫早の関係で伊木力第3地区を認可していただいて、具体的な作業に入っていただくということで期待もしていますし、今までずっとお願いしてきた場所の延長ができるということになったんですが、予算も一通り9億円以上の予算を確保していただいているようですが、具体的な作業の今後の見通しをいま一度お知らせいただけますか。
◎林田農村整備課長 委員からお尋ねがありました伊木力第3地区でございますが、おっしゃったように総事業費が約9億2,000万円、全長3キロメートルの基幹農道でございます。起点部分に伊木力第1地区、第2地区とございまして、これを結べば全長7キロメートル、多良見町のみかんの樹園地200ヘクタールを通る横断的な基幹農道ができます。そのうち、今年は約7,000万円の事業費で地区全体の測量設計業務をして、詳細な路線の位置、道路の構造を決定するようにしております。
 その後、平成26年度からは決定した実施地区によりまして、用地の測量や調査、引き続き用地取得等を予定しております。事業推進のためには、この用地の取得が不可欠でございまして、今後、地元市の協力をいただいて、予定である平成33年度の事業完了に向けて一生懸命頑張りたいと思っております。
◆山口委員 ということは、平成33年度完成ということでやっていただくということですね。そこはしっかりやっていただいて、いわゆるみかん地域でありますので、これは即地域の活性化につながりますので、本当はその半分ぐらいの期間でやっていただきたいということを地元は思っているわけですが、そのことについても極力早めていただくように、もう長引かせないようによろしくお願いしておきたいと思います。早くやっていただく分は、幾らでも早くやっていただきたいと思います。
 次に、鳥獣被害対策の関係ですが、まだほかの方も質問されるようになっていますし、一般質問でも毎回このことは質問に上がっているんですが、基本的にはイノシシであり、最近はアライグマ、私たちはアナグマとも言うんですが、頻繁に出没するようになりまして、今、田植えが終わったばかりの稲、果樹、野菜、それから、もう終わりましたけれども、タケノコですね。このタケノコは人間が見つける前にイノシシはすぐやりますので、本当にこれはすごいものですよ。そういうことで、今、防御柵をしないといけないということで、県と市から助成をいただいて、それぞれ電気柵とか、ワイヤーメッシュとか張っている状況で、今はタケノコ山にまで張らないといかんような状況になってきています。
 そういうことで、市町との関係もあるんですけれども、まず、この助成の制度をいま一度確認しておきたいと思います。
◎寺島農山村対策室長 ただいまイノシシを中心とした野生鳥獣の対策といたしまして、国・県の補助事業をベースに対策を打っております。
 基本的に国の事業ではソフト事業とハード事業がありまして、ワイヤーメッシュ等についてはハード事業という形で、ほとんどの場合、材料を購入して各地域で設置するということで、定額で実施をしております。国の事業は、基本的にはソフト事業、ハード事業について2分の1ですが、ワイヤーメッシュの資材購入につきましては定額という形で、こちらの方が国の事業の場合、有利ですので、こちらを利用して実施をさせていただいております。
◆山口委員 そうしますと、ワイヤーメッシュ、電気柵は、もう今は個人負担なしでもいけるような状況になったと理解していいんですか。そこのところがポイントなので、もう少し説明してください。
◎寺島農山村対策室長 基本的に国の事業は、ワイヤーメッシュを設置する場合は、業者に委託してやってもらうということであれば、事業費の2分の1となりますけれども、自分たちでワイヤーメッシュの資材を購入して、地域の人とかが自ら設置する、補助事業ですので国の場合は3戸以上になりますけれども、そういう皆さんで実施する場合は全額補助になります。基本的には国の上限でメートル当たりワイヤーメッシュの場合は1,000円でございますけれども、実際、今こちらで入札という形でやられる場合は、半額ぐらいで購入できておりますので、実質的にはもう全額補助という形で自ら設置するという形になっております。
◆山口委員 電気柵も助成は同じ制度でやれるわけですか。
◎寺島農山村対策室長 電気柵も同じでして、事業費が電気柵の場合はメートル当たり250円でございますので、これも国の方の上限単価をとりあえずクリアできますので、こちらもそういう形で導入できます。
◆山口委員 ありがとうございました。後で1枚ものにしてください。
 問題は、これはあくまでも防御ですから、入ってこないようにする政策です。問題は、イノシシなりアライグマなりを減らさないことには、これはずっと延々と張りめぐらさないといけないということで、人の住むところまで張りめぐらすような状況に立ち至ってしまうので、問題はイノシシを減らさないといけないんです。そのためには箱わなとか、くくり縄とか、あるいは銃器で捕獲するということなんですが、イノシシ1頭当たりの奨励金を今出していると思っていますが、ここの制度を、金額を含めて、いま一度お知らせください。
◎寺島農山村対策室長 現在、市町におきましては報奨金という形で出しておりますけれども、県単事業といたしましても、イノシシは1頭当たり2,500円補助しております。平成25年度の予算では4万1,000頭で1億250万円を予算化しております。
 それと、今回、国の方が緊急捕獲等対策事業ということで出しておりますけれども、これは報奨金という形ではないんですけれども、捕獲に要する経費ということで、上限8,000円を上乗せするという形で平成25年度からスタートしていまして、この上乗せ分については各地域で対象とする頭数とか、そういうものとの関連で各市町において単価が違いますけれども、4,000円、5,000円、あるいは8,000円という形で、各地域で今まで出していた金額にプラスしております。今まで県、市町で7,000円ぐらい出していた分で、満額8,000円出すところは1万5,000円になると。7,000円ぐらいの時は1万4,000円というような形で、上乗せしてそれに対する経費を出すという形で今取り組んでおります。
◆山口委員 地域によって異なるんですが、この上乗せ分の8,000円を最高にもらえるとして、そうしますと1万5,000円が最高ですか。
◎寺島農山村対策室長 それぞれ今までに出しているところが5,000円とか、1万円とかありまして、一律ではありませんので、その地域によって上限が1万5,000円という形にはなっておりません。実際に、例えば諌早市では、これまで7,500円、市町と県で出しておりましたけれども、今回は国の分を5,000円上乗せいたしまして、1万2,500円ということで計画をされております。
◆山口委員 ということは、それくらいが各市町の取組と県、国を含めて1頭当たりの奨励金といいますか、最高額ぐらいになるんでしょうか、いかがですか。
◎寺島農山村対策室長 現在、最低8,000円から最高が1万5,500円という形になります。大体1万円とか、1万4,000円のところが多いようでございます。
◆山口委員 そうやって奨励金を出してどんどん捕ってもらうというのは、そうでもしない限りなかなか減らないんです。根本的には大きなイノシシ、親イノシシしか捕らないものですから、もうずっと逆に増えているような状況ですよね、一遍に何頭もイノシシは生まれますから。そういう意味では、これは皆さんもどこかでおっしゃっていたと思うんですが、自衛隊なりに依頼して、全面的にやらないと、これはいつまで経っても解決しないと思うんです。動物愛護団体あたりから叱られるかもしれませんが、やはり共存共栄といえども、これはきちっとしていいんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
◎寺島農山村対策室長 自衛隊への依頼というものに関しましては、平成19年ぐらいにいろいろ議論をされたと聞いております。その時の結論といたしましては、自衛隊としてはイノシシを対象に捕獲活動はできないと。北海道あたりで、熊に対しては人的な被害があるということで一部活動もあるようですけれども、基本的にイノシシについてはそういう活動はできないということで話が整理されていると聞いております。
◆山口委員 今すぐできる話ではないのかもしれませんが、そこまでやるぐらいの決意を持ってやらないと、本当にこの鳥獣被害というのは永遠に続くと思うんですね。
 もう一つ、イノシシを、これは守る方なんですが、イノシシの天敵はオオカミだそうですね。オオカミの尿をその地域にまくとイノシシが避けるんだそうです。ネット上で調べてみたら出てきました。名前は何かというと、ウルフピーという薬剤だそうですが、これは意外と費用が安くて、設置が簡単で、メンテナンスは容器を置いておいて継ぎ足すだけでできるとなっているんですが、そのことについてはご承知ですか。
◎寺島農山村対策室長 今のウルフピーというものは、私は知りませんが、ただ、こういった忌避材、臭いや光、そういうものがどれくらい効果があるかということで、いろんなもので調査された経緯があります。基本的には、一時的にはそういった異物に対して警戒するということで避けるそうですが、すぐ慣れてしまうということで、長期的には効かないというのが、今、解明されていると。ただ、電気に関してはそういった慣れがないということで、電気柵という形のものが今、対策として打たれているというふうに整理されております。
◆山口委員 そういう意味での臭いとか、音というのはイノシシも慣れてきますので、なかなかそう簡単にはいかないのかなとは思いますけれども、そういう方法があるということでどこかに県の方から指導してやらせてみたらどうかなという気がします。
 問題は、減らすために上乗せ分を充実するしかないのかなという気がしますので、このことについてはさらに充実をして、それから狩猟の団体としっかり連携を図っていただいて、やはり減らす方向の指導を、何かきちっとした会合なり持たれてやるべきだと思うんですが、やられてはいると思うんですが、そこはどういう状況ですか。
◎寺島農山村対策室長 各地域で防護対策協議会というものを持っておりまして、特に、自治体等市町の職員とか、あるいは市町農協、県職員で持っておりますA級インストラクターということで、いわゆる鳥獣害の正しい生態、あるいは侵入をしているところの見極めといいますか、そういうところの確認とか、集落点検、こういったところをきっちりノウハウとして地域を指導できる、そういう人材も育成する中で、そういった地域でみんなで取り組むということで進めておりまして、これについてはいろんな研修会、集落等での座談会、できるだけ現場に入って、そういった方を中心に地域で取り組んでいこうということで進めております。特に、捕獲隊ということで免許を持った人を中心に、免許を持たない人も登録をしていただいて、その地域全体でやっていこうということを進めております。そういうことで地域には全体で取り組んでいこうということを今後とも進めてまいりたいと思っております。
◆山口委員 充実というか、しっかり指導していただいて、本当に少しでも減らすように努力していただきたいと思います。
 次に、ミツバチと農薬の関係ですが、先日の新聞にも載っていましたが、ネオニコチノイド系の農薬だと言われていますが、2007年の春ぐらいから北半球、いわゆる地球で言えば北半球のミツバチの4分の1が消滅したと言われています。
 そういうことで、2010年ぐらいにはカナダ、アメリカ、インド、ウルグアイ、ブラジル、オーストリア、そういうところが非常に大きな被害を受けて、フランスでは即このネオニコチノイド系の農薬を禁止しているんですが、長崎県におけるミツバチに対する農薬との関係について、それぞれ関連の養蜂業者の皆さん方の受け止め方といいますか、状況はどうなっておりますか。
◎松永畜産課長 農薬によります、ミツバチの大量死というのが平成21年に出まして、そういった中で県の養蜂業界がその大量死の状況について調査をいたしております。ちなみに、平成21年度に15戸で922群の被害があったという話でございます。
 その後、平成22年度に養蜂関係の連絡協議会というものを養蜂農家と耕種農家、県も入ってつくりまして、養蜂側の情報、それから農薬側の情報、こういった情報交換を平成22年度から取り組んでいるところでございまして、平成24年度の被害といいますのは、3戸で155群という状況にございます。
 ただ、この大量死といましても、原因が何か特定できないというのが現状でございまして、そういった中で、まずは養蜂と耕種の情報交換というのを現在進めているところでございます。
◎江藤農業経営課長 先ほど委員からご指摘があった話でございますけれども、いわゆるCCDと言われております蜂群の崩壊症候群というのは、今、北半球を中心にというご説明があったとおりでございますけれども、この短期間に多数のミツバチが失踪するという事象につきましては、寄生ダニ、あるいはウイルスの影響、あるいは農薬等が考えられ、一方ではストレスとか、栄養状態などの要因とともに複数の要因が絡み合っているのではないかと言われております。
 それで、ミツバチの失踪にどの程度農薬が寄与しているかということは、まだ明らかになっていない状況でございます。
 その中で、先ほど畜産課長からもございましたけれども、平成21年度にミツバチの大量死が発生したことを受けまして、その原因として養蜂業界とのお話の中では、ネオニコチノイド系の農薬、商品名クロチアニジン粉剤について、その影響も考えられたということで、本薬剤の使用の多い水稲栽培においては薬剤の検討、あるいは自主規制という対応をしております。
 また、柑橘におきましても、開花期のクロチアニジンの水溶剤の使用を自粛しているところでございます。関連でご説明いたしました。
◆山口委員 私が今回なぜ質問に取り上げたかというと、この新聞報道もですが、私の近所にも蜂を家で飼っておられた方がみんなほとんど失踪というか、消滅しまして、なくなっています。それから、鹿児島の養蜂業者が、毎年みかんが咲く頃には一定のところに箱を200〜300箱持ってきて、県内で10カ所ぐらい置いているんですが、間借りしておられますので、その方の話を直接は聞けなかったのですが、そこの人に聞いてみますと、全国回っていくと、特に東北の方に行った時にヘリコプター散布をするわけですね。恐らくそれにネオニコチノイド系が含まれている農薬をヘリコプター散布しているんだと思うんですが、それがやはり一番怖いということをおっしゃっておられますので、実験でもわかるようにネオニコチノイド系の農薬はミツバチによくない。方向感覚を狂わせるので帰ってこれなくなるということが言われています。要因であることには間違いないんだろう思うんです。
 そういうことでフランスとかEUは使用を禁止しているわけですね。しかし、我が日本国は、農業者の立場から言うと、有効な農薬でもあるので、これを一気になくしてしまうということに抵抗感があられて、まだまだうやむやの状態で使われているんだとは思うんですが、そこのところをきちっと整理しないといけない時期にきたのではないかと思います。
 なぜかというと、ミツバチはポリネーター、いわゆる花粉媒介者として農作物の受粉にものすごい働きをしているわけです。頑張っているわけです。そういうことで、果物や野菜ができるのもこのミツバチのおかげと言っても過言ではないんです。なぜかというと、ハウスの中にミツバチをわざわざ1箱借りて置いて受粉をさせているのは農林部の皆さんはよくご存じのとおりでしょう。そういうことで、今、ミツバチが少なくなったものですから、ハウスの中に入れるミツバチを借りる借用代も今上がっている状況だと聞いています。
 それから言うと、やはり樹木とか、野の花の受粉を含めても植物多様性の維持とか、あるいはミツバチは指標生物というか、環境変異を知らせるための大きな役割をしているというふうにも聞いていますので、やはり一定の時期には、今すぐでもいいのかもしれませんが、代替農薬というのが必ず今の技術ではあるわけですから、使用禁止とすべきではないかという気がしています。
 なぜかというと、欧米諸国はもういち早く、フランスなんかは即やったわけですね。そうしたら、これは子どもたちにもあんまりいい影響を与えない、当然我々にもいい影響を与えないわけですね、いわゆる神経を麻痺させる成分でありますから。はっきり言ってタバコのニコチンに似たような成分であるのだそうです。
 そこのところをどういう形で国に言うてちゃんとさせきるのかというのが皆さん方の仕事かなと思うんですが、どうですか。
◎江藤農業経営課長 EUのお話を先ほどされましたけれども、今年の5月25日付で3種類のネオニコチノイド系の農薬につきまして、農薬を粉衣した種子粉衣といいますけれども、農薬を粉衣した種子を播種する際に発生する粉じん、また、蜜または花粉の残留農薬によってミツバチの被害が発生する可能性が否定できないということといたしまして、穀物におきましては播種から収穫までの使用禁止、あるいはナタネ、トウモロコシのような蜜源になるもの、あるいは花粉源の作物につきましては、開花期を過ぎるまでの使用禁止。ただ、一方、花が咲く前に収穫するダイコン等根物でございますけれども、葉茎菜類とか、温室内の作物につきましては使用制限の例外とするという措置がとられております。
 この措置につきましては、いろんなデータをとるということで2年以内に見直しを行うと聞いております。なお、ミツバチの大量死の原因が農薬と特定されたわけではございません。
 これを受けまして、国の方といたしましては、作物や農薬の使用方法がEUとは異なると、また、アジアモンスーン地帯の気候等もございまして、ミツバチへの影響も異なるということで、EUにおける規制措置をそのまま日本国内に当てはめるということは必ずしも適切ではないという見解をいただいております。
 農薬のミツバチへの影響につきましては、国で試験研究をやるし、実態調査あたりもさらに強くしていこうという動きが出ております。
 県の方につきましては、農薬については国の登録を受けて販売されているわけですので、先ほどの見解もございました禁止ということではございませんけれども、その農薬に対する被害をなくしていくというか、ミツバチへの被害が出ないようにするということで、先ほどの繰り返しになりますけれども、ミツバチ連絡協議会を設置いたしまして、養蜂農家と耕種農家の情報の共有化、具体的には巣箱の位置であったり、設置時期、こういったところを耕種農家に伝える。耕種農家の方は、防除時期、あるいは防除場所、こういったところを情報の共有化を図ることによりまして、被害を軽減するという対策を打っておりまして、実際問題として数字については被害はほとんど出ていないというような、先ほど畜産課の報告があった状況でございます。
 今後もこの動きにつきましては、国の方も全国的にこういった動きを展開してまいりたいと言っているところでございますので、長崎がモデルになっているような情報も聞いておりますし、今やっているところを徹底してまいりたいと考えております。
◆山口委員 皆さんは、日本の農業というか、長崎県の農業を守るために農林部長以下頑張っておられ、その大きな要素はこのミツバチが担っていると言っても過言じゃない。あの小さな体で頑張ってくれているわけですから、これはこれで大事にしてやらないといかんのじゃないかと思います。いわゆる生命の根源にかかわる部分をしっかりやっていただいているわけなので、一方で農薬をまくことによって農業生産性を上げるという大事な部分もあるわけですが、もう一つ大事な要素がこのミツバチをきちっとするということは、いわゆる農薬を適正に使う、適正に使わせる、そのことにもつながっていくと思いますので、ぜひきっちり研究をして、国にもしっかり物申して、しっかりとした長崎県の農業を築いていただきたいということをお願いしておきます。
 それからもう一点、ちょっと急ぎますけれども、果樹研究所のあり方ということで通告をしましたが、まず、口之津の果樹研究所が移るということを聞いています。みかん農家の皆さんは、長崎県の果樹試験場があるということはわかっているんですが、口之津の果樹研究所が行ってきた役割というものも一定あると思いますので、移ろうとする経緯、今日までの業績、実績、それと我が長崎県の柑橘栽培について、どういう影響があるのか、もう一口で全て答弁をしていただければと思います。
◎松尾農政課長 今おっしゃいました果樹研究所、これは独立行政法人農業食品産業技術総合研究機構果樹試験場カンキツ研究口之津拠点というのが正式名称だそうでございます。昭和39年に口之津を試験地として設立されたようでございまして、その後、平成13年には独立行政法人化をされて現在に至っているわけですが、平成16年、国の骨太の方針に基づきまして独立行政法人の見直しがございました。その際に小規模な研究拠点を見直すということで、この口之津拠点についても静岡の興津拠点と統合するという方針が固まったようでございます。
 この口之津拠点につきましては、柑橘系の研究でございまして、デコポンとか、ポンカンとか、いわゆる中晩柑を中心とした品種の育成をしてこられたということで、品種の育成とか、栽培とか、病害虫とか、そういったことを研究されてきた実績がございます。
 平成27年度までは現体制でいかれると、研究員を配置されるということでございますが、その後は研究は興津拠点に移ります。ただ、九州沖縄農研センターというのが熊本にございますが、そこに1名研究監を置かれて、その後の柑橘系の調整相談ネットワークの中心となって対応していくということを聞いております。
 平成28年度以降、平成30年度までは、実は現地にはまだ職員を、これは技術専門員の方になるんですけれども、育種自体をまだまだ続けなければいけないということもございますので、現地の方でそういう専門職の方が残ってやっていくということまで固まっております。
 平成31年以降も、育成品種、そういう栽培の継続はしていくということでございます。
 本県につきましては、これまでもいろんな形の連携をとらせていただく中で、平成24年7月に口之津拠点と本県の農林技術開発センターで協定研究をやっておりますので、いわゆる研究機能は興津拠点に行かれても、これまで培われたネットワークを活用して連携強化を今後とも図っていきたいと思っております。
◆山口委員 もう時間がきましたから、あと具体的な育種等々についてもお尋ねをしたかったんですが、これは別の機会にお尋ねしますので、よろしくお願いします。
 終わります。
◆織田委員 先ほどのミツバチの件からお尋ねします。
 第183回国会でこの件が議論されていまして、その後、新聞等でずっと学者たちがいろいろお話をされています。先ほど答弁いただいた農業経営課長の答弁そのもの、国会でいろいろやりとりがあっているんですね。それでご答弁いただいたとおりの内容が国会でもやりとりされているんですが、ちょっと気になるのは、実際、この農薬は、現在、使う量が増えているのか、減っているのか、どうなんでしょうか。
◎江藤農業経営課長 確認ですけれども、ネオニコチノイド系農薬ということでよろしいでしょうか。
 ネオニコチノイド系農薬全体といたしましては、長崎県の使用量は減っている傾向でございます。病害虫の発生状況にもよりますけれども、平成21年からすると減少傾向にあると。ただ、一括りでネオニコチノイド系農薬といいましても、蜂への毒性等を検討した結果、かなり差がございます。先ほど商品名を言いましたけれども、平成21年当時問題になりましたクロチアニジンにつきましては、その使用実績は激減しております。また、なるべく影響が少ないネオニコチノイド系、例えば施設等ではアセタミプリドという剤がございますけれども、そういったものを使用している形もございます。ネオニコチノイド系農薬全体としても減っている傾向にはございます。
◆織田委員 日本全体では、過去10年間で3倍ぐらいにネオニコチノイド系の農薬が増加していると、こういうデータが出ているんですね。長崎県は減っているというお話なんですが、10年間でどういう経過になっているか、全国とちょっと違うお話なんですけれども、かなりの量が使われている。これはいちご、ぶどう、メロン、そういったものも含めて、当然ながらかなりの量が使われております。害虫が発生する、しないということ、また季節によって使用量は当然違うでしょうけれども、全体としての傾向は、3倍というのが国会答弁で出ておりました。その辺は国会でのやりとりとちょっと違うところなんですが、長崎県での実態がどうかということはもう少し精査した方がいいのかなという気がいたしますけれども、どうですか。
◎江藤農業経営課長 先ほど私が申しましたのは、ミツバチの大量死が問題になりました平成21年からの数量で言っておりますので、10年スパンの話でいきますと、ちょっと今、手元に持っておりません。ただ、先ほど言われましたクロチアニジン粉剤、あるいはジノテフラン粉剤が出だしたのが多分10年ぐらい前からかなと思っております。その前に、平成4〜5年ぐらいだと思いますけれども、イミダクロプリド、こういったものにつきましては20年ぐらい前から使われているわけでございますので、手元にはございませんので、今、委員がおっしゃるのは10年スパンでの精査をしろということでございますので、後ほどまた調査をして回答したいと思っております。
◆織田委員 平成21年度に大量死があって、実はその時に問題提起をして、私はミツバチの関係者とか、農業の関係者とかにお集まりいただいて協議会をその時に立ち上げることをさせていただいた一人なんです。いわゆるミツバチがだんだん減っていくということになってくると、やっぱり農業そのものに大きな影響が出てくるということ、自然生態系が崩れるわけですから。
 その中で、先ほど長崎がモデルという話がありましたが、長崎がモデルとしてこういう使い方をいろいろ検討しましょうということで、確かに農薬を使う時期とか、タイミングとかという細かいところで検討が入ったから、量的には少なくなっているかもしれません、今のお話だと。ただ、そうじゃない部分での増加があるとすれば、もう一回よく精査していただきたいと思っております。10年スパンということと、その平成21年度以降についてもどうなのかという精査はもう少ししていただきたいと思っております。
 これはミツバチの話があったんですが、山口委員からもお話があったように、人間では神経細胞が崩れるわけですね。要するに帰属するところを忘れてしまうわけです。ミツバチがどこに行っていいかわからなくなるんです。実は、これは人間にもものすごく影響しているのだろうというお話があっています。要するに、発達障害の子どもたちの影響の中にこういうことがあるかもしれないという、農水省じゃなくて、厚生労働省の方から見た時に、この乳幼児期の子どもに空中散布をするということは、当然ながら小さな子どもたちですから、ものすごい影響を受けるわけです。そういう視点から見た時に、この影響というのはどうなのかということが、実は6月9日、日本臨床環境医学会で話があっているんですね。これは国際的なシンポジウムですよ。いわゆる先ほどのお話ではありませんが、世界中でこのことを問題視してきているんです。
 今まで、曖昧な部分がどこかあったんだと私は思います。曖昧で、要するに農薬はできるだけ即効性があって、お金があんまりかからないで役立つというもの、経済性を考えたらそれだけでいい。環境、人体への影響ということ、あるいは生態系ということを考えれば、全く別の次元の心配が出てきたわけですよ。こういうことが世界中で今あっている。日本はこの部分については一歩下がってきたのは間違いないと思います。だけど、これはこれから踏み込んできます、間違いなく。
 それで、長崎のモデルはモデルとしていいんだけれども、元凶が本当に農薬であれば、やっぱり使用はなくしていく方向をたどらざるを得ないと思うんです。モデルであれば、そういう意味での長崎ミツバチ連絡協議会であってほしいと思うんです。そういう考えはありませんか。
◎峠農林部次長 ミツバチ連絡協議会の県の会長をしておりますので一言。
 私は昨年までは県央振興局にいましたけれども、各地域にもミツバチ協議会というのはございます。その中で、養蜂農家の方と耕種農家の方、県央の場合には無人ヘリの防除の方、それからハウス栽培の方もいらっしゃいましたけれども、そういう中で意見交換をさせてもらいまして、まずはとにかくお互いの立場を理解してもらうということから始めさせていただきました。
 当然先ほど話がありましたように、養蜂農家の方にとりましては、耕種農家が栽培するみかんは蜜源になります。逆の立場から言いますと、養蜂農家の方たちが飼育されているミツバチはハウスの交配用のミツバチになるということで、お互いの立場をまず理解していただくところから始めました。その中でいろんな意見交換をさせていただきながら、例えば先ほど話がありますように水田におけるクロチアニジンの使用をやめようじゃないかという話とか、あるいはみかんの開花時期における使用をやめようじゃないかという話になってきております。そういう意味では一定の成果がありますので、こういう会議を続けていきたいと今のところ考えておりまして、被害の状況につきましても、平成21年は大きく出ましたけれども、近年は随分減っておりますので、その辺を見極めながら今後もまた対応していきたいと考えております。
◆織田委員 そういう自然の中での影響というのは、お互いどうあるかというのは、解明はなかなか難しいと思います。だけど、子どもに影響があるということになったら、これは即刻やめないといけない。
 それで、法律ができるんです。化学物質による子どもの健康への悪影響の回避、抑制、さらに科学的知見、予防する法律が出ているんですね。出るのかな、ここは確認していませんけれども。そういう法律が今あるとすれば、当然ながらそっちの方から話が来るかもしれない。そういう要素もいろんなことを調べて、本当にこういうことでいいのかどうかという、要するにおっしゃったようにお互いの立場はそれぞれあります。できるだけ効果があって、できるだけお金がかからないようにやりたいということと、ミツバチはミツバチで影響があるんじゃないかということ、そうじゃない部分もあるかもしれない。いろいろ立場があるから、今調整して皆さんがやってくれているのはいいんだけれども、それはもっと中身の深いものにしてもらいたいと思います、長崎モデルとしてね。だけど、別の要素でそういう要素があるとすれば、これはこの次元じゃないところの要素をあなたたちも取り入れなければいけなくなってくる。そこのこともよく調べてもらいたい。その上でこの使い方の内容という点を考えていかないといけないと思います。
◎上田農林部長 いわゆる農薬の安全性についてのご意見だと認識をいたしております。
 そもそもこの農薬は、農薬取締法で国が安全性について検査をして、そこで認証されたものを使用する。使用の仕方についても、それぞれ品目ごとに定めるということになっております。そういった意味では、いわゆる健康関連の指摘の動きというのが国の方であるとすれば、これは私たちも国の方に情報収集したいと思っております。
 基本的には、国の農薬の安全性についての研究機関、ここがしっかりと見極めをしていただかないと、現場段階での規制というのは曖昧な形でできませんので、そういった意味では国にしっかりと情報収集をするとともに、現時点では現場調整ということで双方の意見調整をしながら、現場に影響が少ないと思われる方法をとっていきたいと考えているところでございます。
◆織田委員 国の方も、今おっしゃったとおり、試験研究をやっていくということになっております。ぜひそうした動向をとらまえて、検討を深めてもらいたいと思います。
 それから、ブランドの話を挙げています。昨日もちょっと話題になったんですけれども、水産の方のブランドについて昨日はやりとりしたんですけれども、農業は農業でそれぞれブランド化して海外にもどんどん出していきたいという話になっているんだけれども、できたら農業も水産業も一緒にして、ばらばらではない組織形態をつくってやった方がいいのではないかと思います。県知事が農業の関係でマカオに行かれます。もしかしたら、水産の関係も中身によってはそれに組み込んでもよかったかもしれない。そういう水産、農林というのではなくて、農林水産という形で一緒にして組織形態をつくった方がいいんじゃないかという気がするんですけれども、どうですか。
◎永橋農産加工・流通室長 県のブランド化ということでは、例えば農産物でいいますと、農林部では農産加工・流通室が担当しておりますが、物産ブランド推進課というのがございます。そこのところで推進協議会というのをつくっておりまして、その中に農畜産部会ということで私どもが入っていくし、水産部会ということで水産部が入ってきまして、一応県のブランドということでは全体を物産のところで調整して、それぞれの部が入っていこうということを現在の組織としては進めているところでございます。
◆織田委員 水産部がおられたら昨日の話が伝わったかもしれないんですけれども、ブランドというよりも、海外戦略という話になります。
 知事がせっかくトップセールスで農業で行くならば、水産の方もひょっとしたら長崎の水産と言えば全国で1位2位を争うところだから、一緒に水産の話もして、そして、話をしていったら長崎としては一挙両得。長崎県の農産物、水産物のよさを訴えることができるんじゃないか。昨日の話を聞く限りは、ばらばらで縦割りでするような海外戦略、あるいはブランド化というやり方ではなくて、もっと一緒になったらどうですかという話です。
◎上田農林部長 今回のマカオにつきましては、これは2年前からマカオの日美食品という現地のレストラン等を抱えるオーナー、こことの人間関係を築き上げてきて、今回、ホテルでやることになったということです。そういう流れの中で短期間で仕上げてきたのではないかと思っております。
 ただ、委員おっしゃるとおり、いわゆる飲食店というのは、農水産物全てを扱うわけでございますので、そういった意味では一緒になって、特にブランドの海外展開というのは進めていくのが一番効果的だろうと思っているところでございます。
 特に、海外の和食店であれば、魚あり、魚の横には米があり、すしがありとなってまいりますので、そういった意味では水産部ともしっかりと連携をとりながら、また、物産ブランド推進課とも連携をとりながら進めていきたいと思っているところでございます。
◆織田委員 今のお話の延長になるんだけれども、できたら農林部だけではなく、水産も入れてそういう組織をつくって、ジェトロも入っていくとか、そういうもうちょっと大がかりな輸出戦略をつくるような組織形態で取り組む時期にきているのではないかと水産部とは話しました。そういう点では一緒に取り組んでいただくことを求めておきたいと思います。
 以上です。
○西川委員長 ほかにありませんか。
◆徳永委員 簡潔に質問したいと思います。
 まず、エコフィードです。前回も聞いたんですが、いろいろと関係者に聞くところがあるものですから、今の進捗状況と効果について説明をお願いしたいと思います。
◎松永畜産課長 エコフィード事業の進捗状況についてのお尋ねでございますけれども、今年からといいますか、えさ代が高い中、エコフィードの推進というのは非常に重要ということで、今年も新たに事業をして推進することとしております。
 事業の内容についてはホームページなり、リーフレットをつくってPRするとともに、今年になりまして生産者等に対する説明会も実施しながら推進しているところでございます。
 現在、大規模の畜産農家でエコフィードを利用している方が65戸ほどございます。こういった方々を平成27年までに87戸にするという目標を立てて推進しているところでございます。
 特に、食品側と畜産側のマッチングというのが非常に重要になろうと考えております。
 今年の3月にそういったマッチング会というものを開催させていただきました。現時点において、その供給が決まったのはまだ2件でございますけれども、あと36件話し合い中、検討中という状況もございます。そういったものを今後ますます後押しをしたいし、本年度についても、またマッチング会を計画してエコフィードの利用拡大を図ってまいりたいと考えております。
◆徳永委員 これは今、飼料等が大変高いということで、非常にこれは生産者も期待し、これを活用したいということはご存じのとおりなんですよ。ただ、先ほど言われたマッチングの件ですけれども、この事業があるということはわかっているけれども、なかなか周知していない。ホームページ等々言われますけれども、なかなかここが関係者に伝わっていない。やりたいけれども、わからない。そして、この行政側の縦の構造というのが、関係者にはよくわからないと。県側や市町はそういうふうにしてやっていると言うけれども、数字もさっき65戸と87戸、これがどうなのかと。だから、私が言いたいのは、もう一度しっかりした周知と把握をしてほしい。もっと潜在的にいると思うんです。そういうところも、今後、しっかりと対策を講じなければならないと思うんですけれども、その辺はどうなんですか。
◎松永畜産課長 事業内容の周知については、これまでも努めたつもりではございますが、まだまだ足りない部分もあろうかと思いますので、さらに力を入れていきたいと思っております。
 それと、食品残渣がどのくらいの量があるかという調査についても随分昔に調査した結果はあるんですけれども、もう年も変わっておりますので、どれぐらいのものがあるか調査を考えてみたいと思っております。
◆徳永委員 そこが大事なんですよね。だから、よくそこは調査をしてください。食品側も残渣を出したいと、非常にあるんですよ。もう一度そういう企業も回っていただいて、よく調査していただいて、そしてまた今度は生産者とのマッチングに、先ほど言われたように十分取り組んでください。また、これがどういう効果があったのか、この辺は次の機会で聞きたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、規模拡大・企業参入についてですが、今、この支援事業について長崎県はどういうものを取り組んでおられるのか、まずお聞きしたいと思っております。
◎江藤農業経営課長 先導的農業者を含めまして、規模拡大農家を指向する認定農業者につきましては、非常に大事だと思っておりまして、所得目標、地域特性等を考慮いたしました経営改善計画、こういったことを提案いたしまして、関係機関一体となって農地のあっせん、あるいは施設や機械の整備、先ほどお話しましたけれども、労力の確保対策等、計画達成に向けた取り組みを個別に支援しているところでございます。
 具体的に申しますと、農地の確保・集積につきましては、農地集積推進員が中心となってマッチング等を行っておりますし、あるいは各課が所管いたします補助事業、一例を申しますと構造改善加速化支援事業等を活用するなどいたしまして規模拡大し、平成25年5月末まででございますけれども、120戸が農業所得600万円以上の経営規模に達しているという状況になっております。
 具体的な支援ということでございますけれども、施設・機械の導入に当たっての補助事業につきましては、先ほど申しました構造改善加速化支援事業の経営革新支援事業を中心に各課が所管いたします事業を活用しております。
 また、認定農業者が活用できます補助事業、あるいは融資制度、セミナー等につきましては、農業経営課の方で一覧表にいたしまして、認定農業者の組織に配布しております。かつ市町農業委員会、農協、振興局等関係機関に配布いたしまして制度活用を推進しているところでございます。
 また、ハウスの部材、生産資材等の高騰による資金繰りの悪化に対しましては、遊休ハウスの活用とか、制度資金の有効活用が必要と考えておりまして、施設、中古機械の情報収集、提供、あっせんを進めております。また、他課の事業でございますけれども、農産園芸課の方で今年度から農業生産新技術の普及支援事業等も創設されましたので、そちらの活用も進めてまいりたいと考えております。
◆徳永委員 いろいろとやられているのは評価します。ただ、先ほどのエコフィードと一緒で、これも実際現場の声というか、現場の現状がどこまで把握されているのか。例えば規模拡大の中で、新しい農地を欲しいんだということで、今は耕作放棄地等の問題もありながらそういったマッチングもされていますけれども、実際農家にすれば、土地も近くにあるところじゃないとなかなか難しいですよね。やっぱり何キロも離れたところに行くというのは、なかなか収益性も悪い、農業をやるにしても効率が悪いということで、実際そういうところも現場を見て、現場の声を聞けば、また一つの取組の変わり方というのが私はわかると思うんですよ。ただ、いろいろとマニュアルを今言われましたけれども、実際それが本当に効果があるかと言えば、なかなか難しい。まだ発揮をされていないのではないかと思うんですけれども、その辺はどうなんですか。
◎江藤農業経営課長 委員おっしゃるご意見でございますけれども、昨年から、人・農地ブランというのを推進しております。この中で集落の中心となる担い手をきちっと明確にいたしまして、その方たちが活用できる支援策等を図ることになっております。まずは集落で、今おっしゃったように現状を把握して、この土地は誰がやっていくのかと、そういった形に施策の集中あたりも考えていきたいと思っておりますので、これにつきましては平成25年度まで一生懸命になって、現在進めているところでございますので、先ほど、地域にそういった話が通じていないということでございますので、そのあたりはさらに討論させまして、なるべく地域の声を反映できるような形に進めてまいりたいと考えております。
◆徳永委員 問題は担い手なんですよね。新規就農支援の中にこの担い手も入るんですが、ただ、私はそこで関係者の人にも言うんですけれども、実際、この一番の担い手としては、跡取りが一番就農に効果があるんですよね。しかし、新しくやろうとした時には、その事業が、事業というのは年数に区切りがありますから、なかなかそれがなじまない。現場で聞けば、その事業に使えないということがあるわけです。それはなぜかと言えば、やはり後継者というものは、最初は高校を卒業し、農業大学を出た後に親の元でいろいろと勉強をし、そして今度は実際自分ができる時に新しい、また親と違う農産物をつくるなり、転換するわけですけれども、その時に結局、時間の経過によってその事業は後継者の方が使えないと、こういったところも、せっかくの後継者、跡取りが、また新しいものに挑戦をしたいということ、これをつぶすのではなくて、これは県とすれば、私は知事にも質問したんですけれども、ここはしっかりある意味でそういう方が新しいものにチャレンジできる、これがやはり今後の農業後継者、そしてまた、就農人口増加につながると思うんですけれども、その辺はどうなんですか。
◎江藤農業経営課長 ただいま、委員から後継者ということでお話がございましたけれども、次代を担う農業後継者の確保というのは非常に重要な施策と考えております。
 これまで就農相談、担い手育成活動の支援、あるいは認定就農者制度の推進等行ってまいりました。昨年からは、新規就農相談センターというのを設置いたしまして、先ほど言いました農地のあっせんなり、事業、あるいは資金の手当てなどをワンストップで支援する体制を構築しているところでございます。
 実際、親元で就農されて、しばらく経ってから新たな品目に取り組む場合はどうなのかというようなこともございましたけれども、そういった個々の事例につきましては、就農相談センターが諫早にありますけれども、各地域、振興局にも担当を設けまして就農相談に乗るようにしておりますので、その中で個々の相談等の充実を図っていって、また、各種施策につきましても、それになじむような形で、どれがなじむか等の検討、相談あたりもやっていければと考えております。
◆徳永委員 せっかくの事業ですから、効果が出るようなやり方をしていただきたい。それにはやはり先ほどの話じゃないですけれども、現場の調査ということをぜひ今後も続けていただきたいと思っております。
 次に参入企業ですが、九州各県を見れば、ネットに載っているんですよ。長崎県の場合はそれがないんですよ、参入企業についてのものが。長崎県ではどのような参入企業について支援がされているのか、まずそこをお聞きしたいと思っております。
◎江藤農業経営課長 企業参入に対してのご質問でございますけれども、企業参入につきましては、県の農業会議の方に企業参入の相談窓口というのを設置いたしまして、農外からの参入に関する法制度、あるいは手続についてスタッフというか、登録しております中小企業診断士、あるいは税理士、そういった専門家の方を必要に応じて活用しながら指導、助言を行っております。
 また、一般企業等法人向けの農業参入セミナーも開催いたしまして、参入の方法や手続、耕作放棄地のあっせん・紹介、こういったところも行っているところでございます。
 また、県の担い手協議会がございますけれども、こちらの方では法人化セミナーの農業法人塾を開催いたしまして、法人化の意義というか、法人化を進めるような研修会等も開催しているところでございます。また、法人化した後につきましては、フォローアップ活動ということで関係機関と役割分担しながら、指導・助言等を個別に行っておりますし、研修会等も行っております。
 また、農林部だけではなくて、産業労働部、あるいは県の産業振興財団、あるいは中小企業団体中央会、日本政策金融公庫、こういったところとも連携いたしまして、今後、情報の共有化、支援につきまして充実を図ってまいりたいと考えております。
◆徳永委員 一度それをまとめたものをいただけませんか。それを見て、今後、私なりに検討、勉強したいと思いますのでお願いします。
 次に、燃油高騰対策ですが、水産部でも質問したんですが、農業の方でもこの問題は大変大きな問題であります。
 そういう中で、県とすればどういった支援、また、対策をとられているのか、まずお聞きします。
◎田中農産園芸課長 燃油高騰についてのお尋ねでございますが、農業分野におきましては、国の平成24年度補正予算で措置されました燃油価格高騰緊急対策事業に取り組んでいるところでございます。
 本事業は、冬季加温に使用されます燃油価格が高水準にあるため、施設園芸農業者負担を軽減し、安定的、継続的経営を図ることを目的として2つの事業から構成されております。
 1点目は、施設園芸省エネルギー設備の導入への支援でございます。農業者の負担を軽減するリース方式によりまして、ヒートポンプや木質バイオマス利用加温設備の導入を行い、産地ぐるみでの省エネに取り組むことを支援するものでございます。
 2点目は、農業者と国で2分の1ずつ基金を拠出し、燃油価格が一定水準以上に高騰した場合に補填金を交付するセーフティーネットの事業であります。
 燃油高騰対策は、過去行われてきましたが、価格補填は今回が初めての取組でございます。セーフティーネット事業につきましては、野菜、花卉農家を中心に、現在346戸から申請を受け付けておりまして、約1億6,000万円を国と生産者で1対1の割合で積み立てることとしております。
 リース方式によります省石油型の加温機につきましては、野菜・花卉農家を中心にヒートポンプを58台ほど、9,600万円の事業申請を用意しているところでございます。
 また、県単独事業におきましては、輝くながさき園芸産地振興計画推進事業におきまして、循環扇、ヒートポンプ等省エネ機材の整備を推進しており、果樹農家、花卉農家によりまして、今、2,700万円ほどの事業申請を受け付けているところでございます。
◆徳永委員 施設園芸セーフティーネット構築事業は、今、346戸ですか。まだ少ないですね。農業の特に施設園芸でしょうからね、これを一番活用するのは施設園芸関係者ですか。
◎田中農産園芸課長 今、委員ご指摘のどのくらいの方が利用しているのかということでございますけれども、国の方で調べております園芸施設に関する調査でいきますと、長崎県全体で加温設備及びガラス温室のハウス面積が641ヘクタールほどございます。今回、346戸の農家の申し込みの面積を調べますと、124ヘクタールほどでございます。それでいきますと全体の約2割程度という状況でございます。
◆徳永委員 このセーフティーネット構築事業というのは、制度ができてからそれほど経っていないのですか。
◎田中農産園芸課長 本事業につきましては、平成24年度の補正予算で措置されたものでございまして、この平成24年度の2月、3月、4月の分と、平成25年度でいきますと、11月、12月、1月、2月、3月、そこまでの加温期間を対象とした事業となっております。
◆徳永委員 今後は増える、関係者にはそういった指導、そしてまた勧誘をしていくということでよろしいんですか。
◎田中農産園芸課長 本事業につきましては、事業の申し込み期間が6月20日となっておりまして、今、今年度の分を締め切って集計をしているところでございます。
 この事業につきましては、県といたしましては6月の政府施策要望でも上げましたけれども、平成26年度につきましても引き続き事業継続をお願いしているところでございます。
◆徳永委員 これは平成25年度の末までなんですね。これを政府施策要望で継続を要望していくと。今後も国にしっかり働きかけをしていただきたいと思います。
 やはり燃油の高騰というのは、常にこの問題はありますから、例えば10年や15年に一度ならまだしも、こういったところは関係者は非常に厳しい。なかなかこれが単価に反映されないというところですから、ここはしっかり要望していただきたいと思っております。
 そういう中で、こういったセーフティーネット構築事業と、先ほど言われた省エネルギー化推進事業というのも、またこれが平成25年度末までということであるから、これも施策要望にもありますね。ここのところ、県は今後、この要望はしますけれども、省エネについてどういう考えを持ってそういう要望をされているのか、お聞きしたいと思います。
◎田中農産園芸課長 省エネにつきましては、私どもの方でいきますと、コスト縮減戦略というものも片一方でしております。そういう機器整備のほかに、いわゆる耕種の部分でできる工夫、いわゆる加温しなくてもいいような新たな品種の導入とか、いろいろな省エネ技術、新たに発生しているものを組み合わせているものもございますので、そういったものも併せてやっていきたいと思っております。
 また、平成26年度の施策要望におきましても、燃油価格がいろいろな経済事情、円安傾向にあったりしますので、農家経営を考えていきますと、これはもう非常に大事な事業でございますので、強くそこは要望してきているところでございます。
◆徳永委員 やはりこの燃油価格の補填ということではなかなか難しい。やはり施設園芸を続ける農家にすれば、ずっとこの施設というのはついて回るわけですから、特にここには燃油、これが一番大きな経費でありますから、ここはしっかり省エネの推進、そういった技術の問題等もめざとくやっていただきたいと思います。
 今、いろいろと我々も関係者からこういった設備や施設があるということを聞くわけです。ここはすぐに設備、施設がどうなのかという問題もあるんですけれども、ただ、現場からすればすぐそういった施設の導入をしたい、また、そういう施設を活用したいというのがあるわけですけれども、行政側からすれば、いろいろとここには制約、問題点も多々あります。しかし、現実的なところを見れば、やはり生産者からすれば一日も早くそういったものを導入したいという声が大きいものですから、その辺について、だめだ、だめだではなくて、行政側が推進するもの、逆に生産者、関係者から持ってこられるものの整合性、この対策というのはどう考えられているんですか。
◎田中農産園芸課長 国なり県の方で推進している技術、それと民間は民間の方で開発されてくる技術、技術力というのは日進月歩で進んでくるんだと思われます。やはりきちっとしていいものが現場段階で入っていくということであれば、そういった技術があれば振興局、普及センターがございますので、そういったところに技術の提案をしていただきたいと思います。それを私ども県農林部の中できちっともみまして、そういった技術が省エネの効果があるとはっきりすれば、それを県下全域に広めていくような形で普及推進を図っていくということは必要であると考えております。
◆徳永委員 燃油の高騰対策というのは、農業に生産の中でも非常に大きな問題、そしてまた、重要なことであると、皆さんも認識は同じだと思います。どうかそこは速効性のある、そしてまた、現場として一番お願いしたいところですから、今後は、私は何度も言いますけれども、現場の声によく耳を傾けていただいて、現場をよく見ていただいて、そして速効性のある、そしてまた、県としても長崎県が農業でよくなるような道筋、そしてまた、政策を立てていただくようお願いして終わりたいと思います。
○西川委員長 ただいま、徳永委員の質問に関連して、今回、自由民主党より「農林水産業における燃油高騰対策の強化を求める意見書」提出の提案があっております。
 意見書案については、既に各委員に配付されているところですが、ここで改めて事務局に配付させます。
 休憩します。
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     −午後4時46分 休憩−
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     −午後4時47分 再開−
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○西川委員長 再開します。
 それでは、中島(浩)委員より、意見書提出についての提案、趣旨説明等をお願いします。
◆中島[浩]委員 「農林水産業における燃油価格高騰対策の強化を求める意見書」を提案させていただきます。
 昨年の原油価格の高騰により、経費に占める燃油費の割合が高い農林水産業の経営は深刻な影響を受けております。一般的な製品と違って、農産物や水産物は市場や販売店が価格決定の主導権を握っているため、燃油価格の高騰分を価格に転嫁することが困難であります。
 そういうことで県レベルの対応ではなかなか解決できる範囲を越えていることから、国への積極的な対策を望んでおります。
 1、農林漁業用のA重油にかかる石油石炭税の免税・還付措置の恒久化及び軽油引取税の免税の恒久化を図ること。
 2、漁業経営セーフティーネット構築事業における補てん基準価格を引き下げるとともに、基準価格を超える補てん金の国と漁業者の負担割合は一律に3:1とし、恒久的な対策をすること、あわせて施設園芸セーフティーネット構築事業を継続すること。
 3、省エネルギーの取組に対する支援の充実・強化を図ることとします。
 以上、提案させていただきますので、委員皆様のご賛同をいただきますようよろしくお願い申し上げます。
○西川委員長 ただいま、中島(浩)委員から説明がありました「農林水産業における燃油価格高騰対策の強化を求める意見書(案)」について、ご質問、ご意見はありませんか。
◆山口委員 基本的には、この趣旨は趣旨として十分理解できるんですが、一部文言を修正したらどうかと思いまして、今、代案をつくりましたので、事務局に配付していただきたいと思います。
 今、配付していると思いますが、タイトルが「農林水産業における燃油価格高騰対策の強化を求める意見書」ということになっていますが、これは農林水産業はもとより基本的な部分にはなるんですが、県が国に出した施策要望と対比した時に、一部文言が抜けていたりしている部分がありますので、そこをちょっと補強させてもらいました。
 説明しますと、まず、中小企業にかかわることが抜けているので、それを補完をしています。そして、変更した部分だけ申し上げますと、タイトルはそういう意味では農林水産業ではなくて、「燃油価格高騰対策の強化を求める意見書」とする。
 そして、4行目を見ていただくとわかりますが、「中小企業の経営は深刻な影響を受けている」という文言を追記する。
 それと、2項の「平成16年4月以前の価格基準となる程度まで引き下げる」ということにしたいと思います。というのが、長崎県が国に提案したものがそういう形になっているので、そこはしっかり明記しておく必要があるということです。
 それから、3点目が「省エネルギーの取組に対する支援の充実・強化を図ること」ということだけに終わってしまっていますので、きちっと説明をするということで、「施設園芸のヒートポンプ導入等を推進する省エネルギー化推進事業の次年度以降の継続実施、漁船等の省エネルギー化を進めるための新たな事業の創設、並びに中小企業等が省エネルギー設備・機器等を導入する際の補助率の引き上げなど、省エネルギーの取組に対する支援の充実・強化を図ること」ということを補強して代替案としたいと思います。
○西川委員長 しばらく休憩いたします。
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     −午後4時51分 休憩−
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     −午後4時56分 再開−
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○西川委員長 委員会を再開いたします。
 ただいまの意見書の取扱いについては、各会派で持ち帰り、検討の上、7月5日の委員会で改めて協議することとしたいと思いますが、ご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ご異議なしと認めます。
 それでは、そのように取扱うことといたします。
 議案外の質問に戻ります。
 質問はありませんか。
◆友田委員 私も幾つか質問項目を出しておりましたけれども、深堀委員が和牛に関する質問をされるということでしたので、和牛はまたの機会にしたいと思います。
 TPPの関係です。TPP締結による県内農産物への影響と県の対応ということですが、先般3月15日に政府がTPPによる影響額の試算を出して、それに基づいて県でも予想される影響額を出されています。
 これを見た時に、昨日も水産部でちょっとお話をしたんですが、県としては国の減少額の数値に基づいて、それと合わせて出していると。あくまでもこれは国の数値に基づいて出しているだけですよというスタンスだと思うんですが、ただ、昨日、水産部でもアジ、サバは長崎県は強みがあるので、国が出した数値だけではなくて、自分のところで試算をしましたということでした。長崎県の水産部としては、国が示している影響額についてはそのとおりだと思っているのかということを聞いたら、いろいろ情報がないからわからないとかおっしゃっていましたが、最終的には一定の評価をしていると。長崎県水産部としても、国が出している影響額については一定の評価をしているということだったんですね。
 そこで、農林部としては、この影響額というものをどのように評価しておられるのか。長崎県にはもっとこういうところに強みがあるから、こうはならないよというところがあってもしかるべきではないかという気が私はするんです。そういったところはどのようにお考えなのか、まず、この点をお聞かせいただきたいと思います。
◎松尾農政課長 TPPのお話でございます。
 3月15日、国が政府統一試算ということで発表されたことをもとにしまして、4月26日、あくまでも関税が即時撤廃されたということと、追加的な対策をとらないという極端な前提を置いて、政府の試算に準じた形で公表をいたしました。この件につきましては、国はこれまで省庁ばらばらでやっておられたことについて、政府として一体的にやらないといけないという一つの土台として示された試算の方法でございますので、その試算に準じていくということ自体は、一定水産部と同じ考え方なのかなと思っております。
 試算自体の影響あたりが、例えば100%減してしまうとか、そういったところの打ち出しあたりが農家の方々が非常にご不安になるというところもございますので、そういった声をしっかり受け止めて、私どもとしてはTPP参加に限らず、県民所得対策というのはやっておりますので、そこを積極的に打ち出すという形で対応していきたいと思っております。
◆友田委員 対策は講じていきたいということなので、それがどういった内容になるかはわからないんですね。どんな対応をとるかというのはわからないので、そこはお尋ねしようと思っていましたが、あえてそこは割愛します。
 例えば、県の指標においても小麦も100%減少、牛乳・乳製品も100%、豚肉も100%と書いてあるんですね。その中で、特に豚肉は、この試算においても118億円の生産高があって、これは午前中に養豚計画で言われたように、あの中にも書いてあるんです。県内の農業生産物の第3位を占める主要な作目であると。それが118億円全部、100%なくなるよと書かれていて、実は私の地元にも養豚業者がいるものですから、そこに行ってお話を聞いてきました。「100%影響を受けると言われているけれども、どうですか」という話をしたら、「私もわからない。わからないけれども、確かにアメリカと比べると生産コストは2倍ぐらいかかっているので、そのくらいの影響は受けるかもしれませんね」ということなんですよ。「ただ、100%と言われると、死刑判決を受けたみたいな気がしますね」と、そんな感じなんですよ。
 だから、もちろん中央会とかにお話は聞かれているということでしたけれども、末端の一生懸命やろうと思っている方々にこういう試算を出すことによっての不安というか、そういったものが少しあってしかるべきじゃないかと。
 だから、長崎県としてはそういう方々に対して、100%にならないようにこういうことをやるということを併せて公表しないと、ちょっと配慮が足りないのではないかという気がするんですが、このあたりについてはこれを出す時点で何か検討なさったのですか。
◎松尾農政課長 豚肉の話で100%ということで決める経過としまして、国の試算の考え方ですけれども、確かに国の試算の考え方の中にはいわゆる高品質、高価格である銘柄豚あたりについては残りますよと、たとえ関税撤廃があったとしても残りますよということを前提に置かれまして、それで70%は置き換わると。それで、残る銘柄豚でも価格が低下して、100%まではいきませんけれども、そういった形の試算をされていると。
 私ども長崎県の場合だと、いわゆる差別化できるような銘柄豚については、残念ですが、そのような産地もないのが現状でございますので、そういったことを考えていくと、本当にこれは極端な形にはなるんですが、100%置き換わるという試算をしております。
 この試算に当たって、もともと国の試算が3月15日に出た試算でございます。その後、関係団体あたりからのお話の中では、逆に国の方の試算の考え方自体が少し、本来はもっと影響が大きいのではないかというご意見もございました。そういったご意見もございましたので、例えば銘柄豚と一般の豚との価格差はほとんどないので生き残ることはあり得ないとか、そういったお話もありましたので、これはもう影響額というのは今考えられるところは考えられる形で100%という形の出し方をしようということをした次第でございます。
◆友田委員 業界の皆さんともお話をして、もっと国の75%がおかしいというような、もっと影響を受けるんだよというふうに団体の皆さんもおっしゃっているかもしれないけれども、県としては主要作目の第3位の118億円もなくなってしまうという試算を本当に出していいのだろうかと私は思うんですよ。それは国がやっているんだから、それに倣ってやったんですよというのもわかるし、これは極端な例ですよというのもわかるけれども、そんな夢も希望もないようなものを本当に出していいのかということを私は思うんです。
 そのお話を聞きに行った方に聞くと、業界で全国のいろいろな方とお話をしますと。そうすると、山形県とか、富山県とか、あのあたりはものすごく鼻息が荒いと。「TPPがきたって、おれたちのところは何とかなるよ」と言っていると。そんなに銘柄豚ではなくても、やっぱり生産コストを下げようという努力をやっているんだと。だから、できればそういうエンジン役を県に求めたいなというニュアンスのお話をされたんですよ。
 もちろん現時点では仮説の話だから、具体的に中身が見えてこないと対策も打ちようがないし、それだけの影響が出るかどうかわからないというのは私も理解します。でも、先ほどもお話があったように、長崎県の農林業を守って、そして推進していく立場の県としては、あくまでも極端な例ですよとは言いつつも、なんかもう少し、懸命に頑張っておられる方々に対して、希望が持てるようなものも併せて何か発信してほしい。やはりそれだけを見ると、経営者の方は不安になるし、一緒に働いている従業員の皆さんも不安になってしまうんですね。そのあたりはぜひ配慮をお願いしたいと、このことは今後の対応の中でお願いしておきたいと思います。
 もう一つ、併せてTPPが締結されると、農地の多面的な機能が失われると言われていますね。政府の試算においても1兆6,000億円程度の農業の多目的機能の喪失額というのがあるんですけれども、これは長崎県では大体どのくらいという試算がされていれば、教えてほしいと思います。
◎松尾農政課長 この試算の中身につきましては、農水省から詳細が公表されていないということでございますので、私どもとしては試算は行っていない状態でございます。
◆友田委員 TPPの先ほどの100%減少率のところについては、ぜひ今後の配慮をお願いしたと思います。
 もう一つ、農地集積の件についてお尋ねします。長崎県は、特に中山間地が多くて、徳永委員のところのような優良な農地がない。特に県北地域は一枚一枚が本当に小さな田んぼが棚田でいっぱいつながっている状況です。こういったところに農地集積を進めていって本当に実現性があるんだろうかと思っています。
 それともう一つは、やはり農業の場合は、集落ごとに、あるいはその水の流れる水利ごとに、お互い共同して水路を整備したり、融通し合いながらやっていますから、例えばその地域を集積して、1枚しかない小さな農家も1戸当たり一人出てきて整備をしている。こういったものが全部一つの企業なり何なりになると、本当にその水利とか、今まで守ってきたものが守れるのだろうかと思いますし、一方でそういった農地があるから山の上とか、ちょっと奥に入った農村集落というのが、その農地を守るためという責任感というか、そういったもので存続している部分があると思うんですね。その農地を誰かに委ねてしまって、やらなくていいとなれば、そこに住んでいる人たちも、跡取りもそこに住まなくなってしまうと思うんですよ。結果的にその農村集落の崩壊につながるのではないか、こんな危機感を持っているんですが、この点についてどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
◎寺島農山村対策室長 中山間地域では、おっしゃるように平地と異なり、生産条件等から担い手の集積が困難な現状にあると思います。そこで、農業振興をやっていくためには、いわゆる棚田や自然環境等の地域の資源を活用して、例えば地域内外の食品事業者と連携した、いわゆる地場産の農産物の加工とか、あるいはグリーンツーリズム等による新たなビジネスの創出、それから地域特産物の活用やPRというような活動に取り組むことに対して支援をしていく必要があると考えております。
 例えば、雲仙市の千々石町の棚田では、棚田の地域ブランド米として「岳ん米」というようなものの生産に取り組んでいますし、いわゆる地域の菓子店と連携して棚田米の米粉を使ったスイーツの製品開発に取り組んでおられます。また、棚田オーナー制度を利用して、地域外の方々との交流も実施しておりまして、こういった活動を県下の中山間地域に展開していく、拡大をしていく必要があるのではないかということで支援をしてまいりたいと思います。
 それから、一企業が農地なり水利なりをまとめて、これが守っていけるかというようなお話がございましたけれども、農業の生産性、効率性、所得の向上という意味では担い手に集める必要があるということで推進をしております。ただし、そういった担い手だけでは地域の農業用水路や農道などの、いわゆる農村環境の保全は困難でございます。そこで、やはり地域住民や集落組織の協力が不可欠と考えております。そういったところで県としましても、農地・水の保全管理の支払い交付金や中山間の直接支払交付金などを活用して、地域ぐるみでそういった農村環境の保全管理に取り組む共同活動であるとか、いわゆる農業用施設の長寿命化や農村の多面的機能の確保を図るための活動を推進しているところでございます。
 今後とも、先ほど申しましたような集落、加工とか、そういった地域外の方々との交流も含めてそういった地域ビジネスというものを取り入れながら、そして地域の水や農地を守っていくということを中山間地域では特に力を入れていかなければならないと考えて推進してまいりたいと思っております。
◆友田委員 そういった中山間地域の田んぼ等をどう守るかという視点ではおっしゃるとおりだと思います。ただ、なかなかそういった中山間地域に住む皆さんの意識は集積化で本当に守れるのかという認識はあるんですよね。
 例えば、国がどんどん集積を進めていって、もちろん生産効率を上げるとかという話になれば確かにそうだと思うけれども、例えば棚田を1枚の田んぼにできるのであれば生産効率も上がるでしょう。でも、一枚一枚の大きさは本当に小さい。しかし、そういったものが景観を守り、その地域のよさを醸し出している部分があるわけですね。その辺と農地集積というのは、相矛盾する部分があると思うんですよ。だから、そういったところに住んで、今後、こういうのが進んでいくなと不安に思っている人たちに、じゃ、この地域をどうやって守っていくんですよということはメッセージとして必要だし、今おっしゃっていることで、例えば企業が入ってきました。企業と連携してと言うけれども、農家の皆さんはそんなに簡単にウェルカムじゃないですよ。企業が入ってきましたと、何人かそこに見慣れない人たちがどんと農地をやられてしまった。ばあっとなった。そうしたら、いやいや、その農地に、その人たちに水を、自分たちが今までずっと守ってきた水をやっていいかとなると、そうはならないというご意見の方もいらっしゃるんですよ。やっぱりそういったところはこの制度とはそぐわないところがあるからこそ、やっぱり県としては農地集積について、やっぱりダブルスタンダードじゃないけれども、こういうところはこういう形で残して、そしてこういったところはいろんな農業が持っている役割だとか、そういった面でのよさを保つために、ここはこういう形で守りますというようなことが必要だと思うんですけれども、こういった考えで取り組むということでしょうか。もう一度その辺の明確なお答えをいただきたいと思います。
◎上田農林部長 今、友田委員がおっしゃるとおり、実は平成22年に「長崎農林業農山村活性化計画」というのを打ち立てました。これは強い経営体づくりが一つ、もう一つは山村地域の資源を活用した集落の活性化、この2つを柱にしております。
 なぜ2つかと申しますと、強い経営体をつくるためには当然農地の集積を重ねてまいります。そうすると、そこの地域はいわゆる人口が減るという形、就業者が減るという話になります。それでは、そこの集落機能がもたないでしょうと。もたせるためには、やはり地域が棚田とかの保全をしていけるように、保全をするためには当然経費がかかりますので、それが金の切れ目が縁の切れ目にならないように、地域に人が入り込んでいただけるような資源を活用した山村の活性化づくり、これを大きな目玉にしましょうということで取り組んでおります。
 国の方で考えられている今回の攻めの農業、これも当然棚田は棚田としてしっかり保全をしていかないといけないという考え方はあられますので、そのためもあって直接支払いという考え方もまた出てきておりますので、私たちはそういう制度をさらに活用しながら、地域のコミュニティとして維持できるような活性化策を一緒に取り組んでまいりたいと思っております。
◆深堀委員 昨夜食べた日本一の長崎和牛の件で質問したいと思います。
 日本一の長崎和牛という称号を得て、委員会の説明資料の中でもありましたけれども、生産流通対策、そして、強化促進事業等々の説明を受けておりますけれども、実際にまだ日本一の称号を得て間もないとはいいながらも、何といいますか、価格の変動や流通量の変動、新たな販売ルートの確立とか、そういった明るいニュースがないのかなということをまずお尋ねしたいと思います。
◎永橋農産加工・流通室長 価格のお話がございましたので、まず価格からご説明いたします。佐世保食肉センターで昨年9,100頭ぐらい屠畜しておりますが、昨年の10月に全国和牛能力共進会がございました。その前後6カ月間のそれぞれの平均の枝肉価格を比べたところ、ランクがA5、A4、A3とありますが、A5で1%、A4で8%、A3で11%ということで、それぞれのところで価格が上昇しております。
 全国的にも昨年は少し肉の価格が上がっているという実態がございますが、その中でも特にA3ランク、これは量販店とか、精肉店で一番求めやすいお肉と言われておりますが、そこの部分は全国よりも高い価格で取引が、全国和牛能力共進会後6カ月でございますけれども、そういう数字が出ております。
◆深堀委員 出荷量の動きというのは把握されていないんですか。
◎永橋農産加工・流通室長 出荷量につきましては、昨年は例年どおりです。
◆深堀委員 わかりました。価格が若干上昇しているということは、もちろん非常にいいことだと思います。
 流通強化促進事業の中で、この項目、平成25年度から平成27年度で幾つかの項目を挙げられていますね。
 私がちょっと気になったのは、その流通強化対策ということで県内外の量販店、長崎和牛指定店における長崎和牛のPR促進事業というのがあっています。先ほどちょっと確認したんですけれども、JAの長崎和牛のホームページがあります。その中で県内の販売店であったり、指定店のリストが載っているんですけれども、県外の項目を見ると少ないんですよ。しかも、北九州とか、九州内にとどまっているんですね。
 結局、ここで書いている首都圏や関西圏、こういったところに大々的に打って出ないとよくないわけですね。将来的には海外ということもあるんですけれども、それを考えた時に、今の対策が量販店とか、説明資料の中でもありましたけれども、中核量販店や百貨店でフェアをするということがあるんですが、我々が売り込もうとしているのは、海外の安い肉じゃないんですよ。日本一の称号を取った長崎和牛なんです。ということは、我々が売り込む先は、少なくともプライドを持って、超一流のシェフ、有名なシェフがいるレストランであったり、超一流のホテルであったり、デパートであったり、そういったところに売り込むことが、そこで扱ってもらえば、それがおのずとPR効果が出てきて、「長崎和牛はいいね」という話が広がるわけですよ。量販店に売り込んでも、我々が売り込もうとしているのは、くどいようですけれども、日本一の称号を取った長崎和牛なんですよ。そのプライドを持つならば、私が言ったような戦略を立てて、本当にトップクラスのところに堂々と営業をかけていけばいいと思うんですよ。そういうのがこの対策の中に見えないので、どうなのかなということをちょっと思っているわけですよ。その辺いかがですか。
◎永橋農産加工・流通室長 長崎和牛の販売につきましては、県の一つのブランドということで、私どもと物産ブランド推進課が一緒になって今取り組んでいるところでございます。
 委員がまさにおっしゃったように、特にデパートとか、高級レストラン、そういうところを物産ブランド推進課が所管しておりまして、それに連動して量販店とか、少し量を扱うところを私どもということで両方でやっております。
 具体的に申しますと、物産ブランドの方で今年予定している、例えば百貨店ということでいきますと、関東地区の高島屋、それから関西地区の阪急、大丸等のデパートでございます。それから東急ストアや京北スーパー、それと関西のライフとか、それは私どもの方ですけれども、そういうものが相まって、百貨店とかには入れていくと。それとそこに一緒に試食とか、そういうものを加えてやっていこうというのが一つでございます。
 もう一つは、どうしてもその前に認知をしていただかないといけないというのがございますので、これは関東地区の、間もなく7月中の予定ですが、羽田空港とか、京浜急行の品川駅、それからモノレールの浜松町に長崎和牛のコルトン、看板みたいなものを新たに設置して、認知度を高めていこうということも併せてやろうとしております。
 あと、雑誌等に長崎和牛を特集してもらうとか、そういうものが相まって長崎和牛のブランドをつくっていこうということで取り組んでおります。
◆深堀委員 わかりました。
 いろいろ分けて対策を打っているということで理解しました。ただ、くどいようですけれども、ある意味強気の営業といいますか、安売りする必要はないと思うんです。日本一という称号を取って、昨日も食べてものすごくおいしかったあの長崎和牛を、やっぱり堂々と売っていくというスタンスで取り組んでいただければと思います。
 終わります。
○西川委員長 ほかに質問はありませんか。
◆山田[博]副委員長 私は、肉用牛改良センターの人員配置状況について、諫早湾干拓の名称変更及び調整池の国と県との対応について、諫早湾干拓の宅地販売状況について、離島の畜産基地建設事業の状況について、黒毛和牛肥育技術講習会の開催について、ネオニコチノイド系農薬の使用状況について、補助金要綱についてというのを質問項目に挙げさせていただいておりましたが、時間の関係上、次回の委員会に回しますので、よろしくお願いします。
○西川委員長 今回は、3部ともに現地視察を行った関係で質問の時間の圧縮などがあって、各委員の質問時間が足りなかったと思います。次の9月定例月議会の委員会では、できるだけ質問がいっぱいされるような配慮をしたいと思いますので、今回はご容赦願いたいと想います。
 ほかに質問はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ほかに質問がないようですので、これをもって農林部関係の審査を終了いたします。
 農林部関係の審査結果について整理したいと思います。
 しばらく休憩いたします。
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     −午後5時26分 休憩−
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     −午後5時29分 再開−
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○西川委員長 委員会を再開いたします。
 本日の審査はこれにてとどめ、明日は、諫早湾干拓事業に関する現地調査を行います。
 委員会は、7月5日、午前10時より再開し、分科会長報告及び委員長報告等に関する委員間討議を行います。
 本日は、これにて散会いたします。
 お疲れさまでした。
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     −午後5時30分 散会−
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