平成25年  9月定例月議会 農水経済委員会 - 10月02日−05号

平成25年  9月定例月議会 農水経済委員会

1、開催年月日時刻及び場所
  平成25年10月2日
       自  午前10時0分
       至  午後4時37分
       於  議会会議室
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2、出席委員の氏名
    委員長(分科会長)  西川克己君
    副委員長(副会長)  山田博司君
    委員        野本三雄君
     〃        織田 長君
     〃        溝口芙美雄君
     〃        徳永達也君
     〃        山口初實君
     〃        友田吉泰君
     〃        深堀 浩君
     〃        中島浩介君
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3、欠席委員の氏名
     なし
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4、委員外出席議員の氏名
     なし
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5、県側出席者の氏名
    農林部長         上田裕司君
    農林部政策監(農村整備事業・諫早湾干拓担当)
                 梶原義範君
    農林部次長        加藤兼仁君
    農林部次長        峠 純秀君
    農林技術開発センター所長 松本信助君
    農政課長         松尾誠司君
    農山村対策室長      寺島正彦君
    団体検査指導室長     酒井 繁君
    農業経営課長       江藤博之君
    農地利活用推進室長    長岡 仁君
    農産園芸課長       田中健一君
    農産加工・流通室長    永橋法昭君
    畜産課長         松永孝三君
    農村整備課長       林田裕興君
    諫早湾干拓課長      宮崎浩善君
    林政課長         佐藤義高君
    森林整備室長       新見芳則君
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6、審査の経過次のとおり
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     −午前10時0分 開議−
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○西川委員長 おはようございます。
 これより、農林部関係の審査を行います。
○西川分科会長 まず、分科会による審査を行います。
 予算議案を議題といたします。
 農林部長より説明をお願いいたします。
◎上田農林部長 農林部関係の議案についてご説明をいたします。
 今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第98号議案「平成25年度長崎県一般会計補正予算(第2号)」のうち関係部分であり、歳入歳出総額ともに824万7,000円の増となっております。
 次に、歳出予算についてご説明いたします。
 六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画策定のための農林業者を支援するサポートセンターを設置する経費として、824万7,000円の増を計上いたしております。
 また、2ページに記載しております債務負担行為につきましては、飼料価格の高止まりなどにより、経営収支が悪化している畜産農家のために、国が今年度から実施する畜産特別支援資金融通事業の利子補給に対し、県が、農協関係団体と協力して追加利子補給を行うことについて措置するものでございます。
 以上をもちまして、農林部関係の説明を終わります。
 よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
○西川分科会長 ありがとうございました。
 次に、補足説明をお願いします。
◎松尾農政課長 おはようございます。私の方から2点、補足説明をさせていただきます。
 まず、第98号議案「平成25年度長崎県一般会計補正予算(第2号)」について、お配りしております補足説明資料「9月補正予算計上事業」という資料をご覧ください。この資料に基づきましてご説明いたします。
 説明資料の1ページをご覧ください。6次産業化支援体制整備事業費は、6次産業化の取組につながる案件の発掘から事業化までの総合的な支援を行うサポートセンターの設置等に関するものです。具体的には、サポートセンターに配置する商品開発や事業経営などの専門家である6次産業化プランナーを農林漁業者等のもとに派遣しまして、六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画策定のための助言等、6次産業化の具体化を推進するものです。
 このサポートセンター設置に要する経費等として、補正予算824万7,000円を計上しております。
 説明資料の2ページをご覧ください。畜産経営対策費は、国が実施する畜産特別支援資金融通事業における利子補給金に対し、県と農協等金融機関が協調して利子負担の軽減を行うことにより、畜産農家の経営健全化を図るものでございます。
 本資金の償還期間は最長で25年、据置期間は最長5年となっておりまして、負債の償還が困難な既往債務を長期かつ低利の資金に借り換えることで、単年度の返済に伴う負担の軽減による経営の安定を図るものでございます。
 今回、平成25年度の貸し付けに伴う債務負担額1,468万2,000円を計上しております。
○西川分科会長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより、予算議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
◆織田委員 追加資料の今もらった分で概要の説明はいただいているんですが、もう少し詳しくお伺いしたいと思います。
 6次産業化支援というのは、新年度予算でも結構いろんなメニューがたしかあったと思うんですが、その上に今回こういうものが、国が支援するということで本県も取り入れてやるということになったと思うんですが、新年度予算との関係ではどんなふうになりますか。
◎永橋農産加工・流通室長 今年度の本県の当初予算で組んでおります6次産業化の予算というのは、約250万円ございます。それは、6次産業化を普及するということで、各地域においてセミナーを行い、そういう中から、やる気のある方たちを見出していくというところを県の方で担っていく、大まかに申しますと。その人たちに対して一部アドバイザーを派遣するというところまでを今年度の予算で組んでおります。
 六次産業化・地産地消法が平成22年度に公布・施行されたんですけれども、それ以降、国の方でこれまで、各県に1カ所ずつサポートセンターというのもをつくっておりました。このサポートセンターで、最終的には計画認定を国で受けることになるんですが、6次産業化のサポートセンターで、総合窓口と、それと、計画をつくる上でご支援していく専門家の方たちを派遣するという事業をこれまでやってきております。そのサポートセンターの部分を、今年度、長くて11月まで国が見るということですので、それを受けて今度は各県がサポートセンターをそれぞれ設置するということで、財源は国庫の方から出てまいるということになっております。
◆織田委員 経過はわかりました。このサポートセンターというのは、当初予算で確認していけばよかったのかもしれませんけれども、追加も踏まえて、どこに、どういうふうにして設置してあるのか、スタッフは何人いらっしゃるのか、活動の今の拠点の状況を教えていただけませんか。
◎永橋農産加工・流通室長 現在のサポートセンターの本県の状況でございますが、まず選定は、国の方で入札等でなさっておられます。今年度の本県の落札されたところは、昨年度と同じですけれども、株式会社パソナさんという人材派遣会社が受注しておられます。場所は興善町でございます。そこに今3名の方が兼務ということでそれぞれ担当しておられるという状況でございます。
 お話を伺いますと、大体月に60件ぐらいの相談があっているということ、上半期だけで130件ぐらい専門家を派遣しているというお話を聞いております。ちなみに昨年は200件、専門家を派遣したということでございます。
◆織田委員 もう一つ加えてになりますけれども、活動状況、実績といいますか、6次産業化としてまとまったもの、あるいはまとまりつつあるものなんかがいろいろあると思うんですが、その辺の報告もあわせていだたけませんか。
◎永橋農産加工・流通室長 6次産業化というのは、いろんな部分で法の認定を受けずともやっておられる分もございますが、一つの目安として、六次産業化法の認定を受けた経営体数というのはございます。これは具体的に平成23年から動き出した法でございますけれども、これまで、県内で水産を合わせて21経営体が国の認定を受けておられます。この受けておられる方々は、現在は、国の方からソフト・ハード面での補助を受けたり、それから、フォローアップということで専門家の派遣を受けたりというようなことをやっている状況でございます。
◆織田委員 これからこの活動が活発になっていくために、今回、さらに824万円の予算を国が投入して活動を推進していこうということで、プランナーを派遣したりとか、もっとフォローアップをするとか、進んだ話になっていくと思うんですけれども、今のところ、直接は国がやっている内容に近いので、県のこれに対する役割というのは、どういう役割で今やっているんですか。
◎永橋農産加工・流通室長 今回、まず、県の方でサポートセンターをやるというのは、大きく2つ目的があると思っております。1つは、まさにおっしゃったように、これまでどうしても私どもの方で広報活動をして、その候補生を見つけて、サポートセンターにおつなぎするということをやっておりました。そこからは国の方のサポートセンターがいろいろご指導されて、国が認定をして、国が補助金を出すということで、もちろん途中、途中で入っていくんですけれども、県の関与というのが、ましてや市の関与というのはなかなかできないようなところがございました。それは、今後は我々も深く関与ができていくというふうに思っております。そういう意味からは、周知から育て上げるまでを一貫して県の方でやっていけるというのが一つございます。
 2つ目は、この3年間ぐらいの事業の中で、生産者が、1次産業ですけども、2次産業、3次産業を全部やるというのは、やっぱり大きくなる限界があるんじゃないかという議論が一方でございます。ですから、加工の専門の方とか、流通の専門の方とか、そういうところを組み合わせてもっと事業規模を大きくしていこうということも、今度の改正で「ネットワーク」という言葉を使っておりますけども、そういうことは、やっぱり県なり市なりというところが、国でやるよりももっと役立つだろうということで、そういうシステムになっております。
◆織田委員 県が関与しないと、現場の細かいところまで行き届くようにはならないかな。やる気のある人はどんどん、それは国でもどこでも関係なく自分たちでやるんだけど、やろうかやるまいか、また、どういうリスクがあるんだろうか、あるいはどういうふうな課題をやるに当たってはという点では、自治体が入って関与しないと、そこまでの誘導はできないかなという気がするので、今回、そういうところの細かいすき間をしっかりサポートしようということででき上がってきたというふうに、今、お聞きしながら思いました。
 では、これをどうやってPRしていくか。一生懸命やっている方たちにテーブルに乗ってもらってやっていくかということを、当面はやらなければいけないことだと思います。それで、PRするための手だてというのは何か具体的に考えているんですか。
◎永橋農産加工・流通室長 まず、どういっても第1次産業をやっている農業者の方が対象となりますけれども、今回、この制度を導入するに当たって、県の方で関係の方々、例えば農協関係の団体の方々、それに加えて、商工関係の中小企業団体中央会さんとか商工会連合会、そういうところを加えたところの連携会議というものを設置しようと思っております。1次産業からだけではなくて、2次産業、3次産業からも、いい玉があればこっちに結びつけていこうということを一つは考えているということと、もう一つは、来年になりますと、各地域にも協議会というものをつくってまいりたいと考えておる次第でございます。
◆織田委員 今おっしゃったように、農業の専門家、つくるところの専門家、流通の専門家、加工の専門家、あるいは売り込みの専門家、いろんな人たちが集まって、6次産業化として、商品としてつくり上げて流通に乗っけていくんでしょうから、今おっしゃったように、ネットワークというのは非常に大事ですね。それは関係なくやっているところもあるけれども、これからそれを膨らませていこうという点では、今おっしゃったような仕組みをどうやってつくっていくかという点が非常に大事だと思いますので、若手の農業者、意欲的にこれから長崎で頑張ろうというところ、あるいは後継者がちゃんとあるところ、こういうところには積極的に行政からも声をかけて、やっていきましょうよというような、希望を持たせてもらいたいと思う。特に水産業も含めて。これは農業だけですか。水産業も入るんですよね。6次産業だから全部入るよね。その辺は水産も含めて、今、一生懸命やりたいんだけれどという面では、意欲と実際やっていく上でのマッチングがなかなかできていないのが実情だと思います。そういう意味でネットワーク、いろんな人のサポートが入って、あるいは支援をいただく。場合によっては、税理士さんとかそういう人たちも入る必要があるかもしれない。そういう方たちも入って、経営体としてやっていけるように、事業体としてやっていけるように、これはいい制度だと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思いますし、行政の力によって数多くそういう方たちが生まれることをぜひ求めたいと思います。
 それから、もう一つの債務負担行為の飼料価格の分ですけれども、原因は、飼料価格が高騰した、要するに輸入が中心なので、輸入に伴う飼料代が上がったというふうに理解していいんでしょうか。
◎松永畜産課長 配合飼料価格の値段の関係でございますが、基本的には原材料、穀物等でございますが、9割以上は海外からの輸入ということでございまして、穀物価格の値段、それから、要因としては、為替でありましたり、海上運賃、そういう要因であります。
 現在、6万5,000〜6万6,000円ということで最高水準にございまして、10月期に若干下がりはしたんですけれども、まだまだ高水準ということで、ご案内のように、畜産農家というのはそういう飼料を使って生産をしていると、生産費に占める割合が大きいということで、この配合飼料価格の値段というのが経営に与える影響は大きいというふうに考えておるところでございます。
◆織田委員 ところで、長崎県の飼料というのは、自給率といいますか、要するに、牛、豚を飼うに当たって、自分のところで2割とか3割は大体やっています、あと7割ぐらいは輸入ですよとか、大枠でいいですけど、そういうのはわかるんですか。
◎松永畜産課長 先ほどの配合飼料というのは穀物の飼料でありまして、畜産で言いますと、養豚とか養鶏というのは自給ではなくて、ほぼそれを使わないとということになります。一部でエコフィードといったものもございますけれども、基本的には豚等は配合飼料を使わざるを得ないと。肉用牛について、例えば繁殖経営がございますけれども、そういったところではお母さん牛に草をやったり、自給飼料をつくって、そういう取組はできます。ただ、肥育については、どうしてもいい肉をつくるためには、しっかり栄養の入った配合飼料を与えるというのが生産のためには必要でございまして、中小家畜を中心に、また肥育を中心に、配合飼料の量を極端に減らすというのは厳しい状況にございます。
 ただ、肉用牛の肥育については、現在、肥育期間を短縮して、その分で餌を少し減らしてコスト低減に努めていこうという取組を、現在、実証展示という形で進めているところでございます。
◆織田委員 肥育については、この前、北松農高なんかを見に行ったりして、いろんな飼料の展開を考えたりしていることもあって、そういう面でも幾らかなりともこうした高騰に対して、あるいは教育効果もあるから、そういうことを進めていくことは非常に大事だなということもこの前、研修させてもらったんです。
 おっしゃったように、豚とか鶏というのはほとんどそうなんだね、輸入一本で。ということは、国際基準の中で、日本全国、大体どこでも同じような値段になっているんでしょうか。例えば、長崎県は高くなっているのか、あるいは安くするために共同して何かやるとか、これはJAも含めてなんでしょうけれども、手だてというものをとることは、工夫というのはあり得るものですか、全国大体同じなんですよということですか、どうですか。
◎松永畜産課長 基本的には基準的な価格はございますが、やはり商売でございますので、余計利用する場合には値段が下がったりというのはあろうかというふうに思っております。
 ただ、あくまでも畜産生産の基軸となる配合飼料の価格でございますので、ご案内のように、値段が急騰する場合については、その価格差補填といいますか、大幅な変動を緩和する価格対策というものは国を中心にとられているところでございます。
◆織田委員 価格がこうなってしまったら、当然ながら飼育する方は大変ですから、もろにかぶりますから。これはそういう意味での一つの国の応援ということに考えてもいいわけですね、価格を安定させるための一つの手段というふうに認識してよろしいわけですね。
◎松永畜産課長 価格といいますか、配合飼料価格とは別に、そういった要因で経営が厳しくなる経営体が多いものですから、その経営体を健全に育成していくといいますか、立ち直らせる方策ということで理解をいたしております。
◆織田委員 そうすると、これは今、見ていると、国が応援する分100%だけじゃなくて、県もこれに支援をしていくと。要は、利子補給の仕組みと書いてあるこのことですね、そういう意味ですね。農協関係もこれに加えると。1.2%というのはかなり低い方に入りますか。県の融資の関係では一番低い方になりますか、どうですか。
◎松永畜産課長 これは基準金利に基づいて変わっていきますけれども、末端金利の1.2%というのは、大体普通の制度資金並みの低い金利ではなかろうかというふうに理解をしております。
○西川分科会長 ほかにありませんか。
◆溝口委員 今の畜産経営対策費、1,400万円ですけれども、利子補給ということでございますけれども、今、経営体関係が、どのくらい利子補給を受ける経営体が発生しているのかどうか、その辺を聞かせていただきたいと思います。
◎松永畜産課長 今回、平成25年度から新規に取り組まれる国の対策でございまして、融資枠の見込みを、大家畜3億円、それから畜産経営改善が10億円ということで設定をさせていただいております。
 この設定については、あくまでも、全国枠に対する長崎県内の農家の戸数の比率に応じてこういう設定をさせていただいておりまして、現在、その需要額といいますか、実際の借り入れに必要のある分について需要額の調査を今させていただいているところでございます。
◆溝口委員 わかりました。ただ、融資枠は1経営体幾らぐらいに設定しているんですか。
◎松永畜産課長 基本的に、この事業については、1戸当たりの上限というのは設定をされておりませんで、あくまでもその経営体の収支を見ながら、償還が難しい部分についてこの低利の資金に借り換えると言うような方策になっておりまして、具体的には、農家の方に経営改善計画をつくっていただいて、関係機関でその内容を精査した上で、実際の利子補給といいますか、その額を決めていくというようなことで進めていくことになろうかと思っております。
◆溝口委員 1経営体は限度がないということですけれども、そういうことであれば、例えば1億円なら1億円、2億円なら2億円でも構わないということになってくるのですか。
◎松永畜産課長 基本的には額の上限はございませんけれども、あくまでも、こういう利子補給をすることによって経営がしっかり立ち直るという見込みがあること、また、融資機関がそれを承諾するということが前提になってくるものですから、上限としてはございませんが、希望どおり借り換えをするというわけにはいかない部分はあろうかと思います。その辺を十分精査した上で利子補給を行っていくということになろうかと思います。
◆溝口委員 わかりました。それでは、経営改善の計画というのを責任持って見ていかないといけないということになってくるんですけれども、それは、例えば農協なら農協が出してきた部分を県の方で審査して貸し付けるということになってくるんですか。
◎松永畜産課長 経営改善計画については、借入者から融資機関に上がりまして、融資機関が厳密に審査を行った上で、それが県の方に上がってまいります。その分を審査し、国とも協議を行い、県知事が承認するというようなスキームになっています。
◆溝口委員 枠がないということですから、かなり高額な経営改善をして、高額に借りかえなければいけないという部分が出てくると思うんですけれども、例えば3億円という限度が平成25年度であるんですよね。大家畜・養豚特別支援資金3億円、それから、畜産の経営改善というか、飼料代とかいろんな形で経営が悪くなったところの方が10億円ということですけれども、平成25年度はこの枠でいっぱいなんですよね、国の関係からしたら。そうしたら、枠を超えるという時には国の方にまた申請ができるんですか。
◎松永畜産課長 本年度については、この3億円、10億円ということで、これに基づいて、今回、その後の利子補給の債務負担行為を行うということになりますので、これを超える場合については、さらなる債務負担行為というのが必要になろうかと思いますけれども、現時点では、この融資枠の中で十分おさまるものというふうに考えておるところでございます。
◆溝口委員 わかりました。そうしたら、ものすごくこの利子補給によって経営改善がなされていく場合があるし、経営者としては心強い資金じゃないかと私は思っておりますので、畜産で困っている方々がいると思いますので、ぜひできる限り進めていって、今年度はこの枠かもわかりませんけれども、来年度に向かってまたできるような形をつくっていただきたいなと思っていますので、よろしくお願いいたします。
○西川分科会長 ほかにありませんか。
◆山田[博]副会長 おはようございます。それでは、この補正予算について幾つかお尋ねしたいことがあります。
 先ほど話が出た6次産業化のサポートセンターの設置ということで、委託料ということは、先ほど質問の中では、国の方でやるんだと、委託料とか入札は全部やるということ、これは間違いないんですね。今回の予算で出ている、設置費として委託料で出ていますけれども、これは入札か随契か何か知らんけれど、いずれにしてもこれは国の方でやるということで理解していいんですか。確認でございます。
◎永橋農産加工・流通室長 先ほどパソナというところを申し上げました。それは国の方で入札で決められたところでございまして、今回、私どもが補正をお願いしております金額でつくる、概ね11月以降のサポートセンターにつきましては、改めて県の方で一般競争入札で決定をしたいというふうに考えております。
◆山田[博]副会長 そうすると、ここで入札するとなると、例えば今までずっとやっているわけですね、6次産業で、国で、パソナさんというかね。そのパソナさんのやり方というのがどういうふうになっているかというのもあるけれども、やっぱりここで考えないといけないのは、ざっくばらんにお互いに話をして、今、改めてやりますよと。例えば別の会社がやりましたよと。一からせんといかんわけですね。これは継続でやられるところもあるわけでしょう、相談しながら。そうすると、ここで、パソナさんが今までやっていたのと、新しい契約になって切れるわけでしょう、全くがらっと変わるわけでしょう。そうするとどうなるのかというのはありますよね。そこはどうなるんですか。そこのところのつながりは。
◎永橋農産加工・流通室長 まさに副会長おっしゃるとおり、現在、パソナさんの方でお世話をされ、今やろうとして頑張っておられる経営体に迷惑をかけないところが一番大事だと思っておりまして、入札をする条件の中に、現在、支援しているところの団体についてのプランナーさんについては、そのまま新しいところも引き継ぐような条項を入れてということで入札をかけるつもりで検討しているところでございます。
◆山田[博]副会長 プランナーといったって、働いている人でしょう。実際アドバイスしている人でしょう。パソナさんで働いている人が、別の会社が受注しましたから見に行ってくださいということになるわけですか。
◎永橋農産加工・流通室長 私の説明がつたなくて申しわけございません。請けているのはパソナでございますが、実際にプランナーとして派遣をしているのは、さっき言った専門家ということで、例えば中小企業診断士、経営のわかる人、それとか流通のアドバイスができる人、加工のアドバイスができる人ということで、パソナさん自体がプランナーというのを確保されておられます。その方たちを派遣されているという状況でございます。ですから、新しいところも、そこのプランナーの人たちは、今年度は少なくとも確保したようなところで事業を考えてくださいという考えでおりました。
◆山田[博]副会長 そうすると、今、実際、専門的なアドバイスをやっている人が新しい会社に移っても、そのまま右から左に人材を雇用してくださいということのような入札をするということで理解していいんですか。
◎永橋農産加工・流通室長 一応、今年度の条件としては、継続的なアドバイスができるような体制を確保するということでの入札ということを考えております。
◎上田農林部長 現在、サポートセンターの運営の中で、中小企業診断士でありますとか、あるいは商品開発のプロでありますとか、大学の先生でありますとか、そういうところに専門家をプランナーとして、これはサポートセンターが委嘱をしております。業務をやってくださいと委嘱をして、その業務に取り組んでもらうと。そこの部分を引き継がせようと思っておりますので、要は、サポートセンターが職員として雇用をしているという形態ではございません。サポートセンターにそれだけ職員体制がいるかというと違いますので、6次産業化のいろんなバリエーションの中でどういうプロが必要かというのは、バリエーションが非常に広うございます。その都度、専門的な人を委嘱してそこにその人を派遣させるという形をとらせておりますので、そこの部分を今まで培ったA社さんに対して支援をやっているところがあれば、その人は業務をそのまま委嘱を継続させてくださいというのを条件にしていこうと思っております。
 実は、これは現在、パソナが昨年からやっておりますけれども、このサポートセンターというのは一昨年から始まっております。最初の年は中小企業中央団体中央会、ここがサポートセンターを国から委嘱を受けて専門家に業務を委嘱して派遣をさせております。
 ですから、やり方としては、基本的にプロを継続的に支障がないように派遣できるような形態を残すことを条件に付してやっていこうと思っております。
◆山田[博]副会長 わかりました。そうすると、前は長崎県中小企業中央会だったんでしょう。今、パソナでしょう。かわるときにも今のような、農産加工・流通室長から説明があったような入札の方法でやられたんですか。
 というのは、私は何が言いたいかというと、入札はやったわ、同じ会社がやろうがやるまいがというか、継続性は大切なんですよね。しかし、今のそのような話を聞けば、入札のあり方として、委員会に、こういった事情で随意契約をせざるを得ない状況になっていますというふうな。だって、今の話聞いたら、今の専門家の方が、あそこにと言われても行きません、あそこに行きませんと言われたら、前の会社に決まっちゃうわけだよ。要するに、入札をしたのは、既定路線で決まっているのに、何でかというと、文教厚生委員会で電子黒板の入札があったと。11者が見積もりしたけれども、ほとんど1者、2者しか来なかったと。これは入札はあってないようなものじゃないかと。
 ということは、そこの中に、「故障があった場合に2日以内に」とか、「応急対応ができる会社」というところがあったというんです。そうすると、もうできるところは決まってくるわけですよ。そうしたら、入札のあり方とかで大分紛糾したわけです。そうしたら、事情を説明して、最初から、こうこうこうでしますから、こういうふうにせざるを得ない状況と言えば、別に全部が全部随意契約が悪いというわけじゃないんだから。私も監査委員の経験ありますけれど、ちゃんと事情を説明すれば、わからんことはないんだから。
 そういったことで、入札のあり方というのは、さっきそんなことを言うから、はっきり言えばこうこうこうで、こういうふうせざるを得ないということを言えば、別に問題ないんだから、堂々としないと、別にあなたが悪いことをやっているわけじゃないんだから。
 だから、私は今の説明を聞いていたら、そういった入札のあり方よりも、そのまま随意契約にした方がまだすっきりするんじゃないかと言っているわけです。そこは検討した方がいいんじゃないかと思います。見解を聞かせてください。
◎永橋農産加工・流通室長 今のお話につきましては、基本的には一般競争入札ということで我々も思っておるところでございますが、もう一度よくそこのところは検討させていただきたいということで思っております。
◎上田農林部長 これは財源が国庫の委託料でございます。当然、会計検査の対象にもなっております。そういった意味では、国の見解も踏まえていかないといけない部分もございますし、他県の状況というのもございます。そういったものをひっくるめて支障が出ないような形で、これは競争入札でも支障が出ないケースもあろうかと思っております。そこは精査をさせていただきたいと思っております。
◆山田[博]副会長 農林部長と一緒なんですよ。私は、今ずっとやっていることが、継続が途切れるようなことがないようにきちんとやってもらいたいということなんです。
 先ほど織田委員からも指摘がありましたけれども、現在やっているパソナさんがどういったことで取り組んで、具体的に内容を教えてもらえませんか。午後からでいいですから。今、200件相談しているとあったでしょう。派遣していると言うけど、本土は行って離島は行ってないと言うかもしらんから、これはわからんからね。200件と言って、本土に派遣していますと言うけど、本土ばっかり行って、五島とか壱岐とか対馬とかは行ってないかもしれんから、ここは調査内容を知っておかないといかんですもんね。教えてもらえませんか。わからんからね、これは。あんなところは行きたくないという大学教授もおったけんさ。そんな人がおったから、農産加工・流通室長、ちょっとそこは後で調査、どういったところに行ってやっているかというのを知りたいんですよ。見解を聞かせてもらえませんか。
◎永橋農産加工・流通室長 今の200件昨年回ったというのは、お聞きした数字でございますので、書類は私どもを直接通らないものですから、200件回ったというのは、ヒアリングをして、国から教えていただいた数字でございます。それは証拠書類というか、お金を今まで私どもはパソナに払ってはおりませんので、ですから、そこは調べさせていただかないとと思っております。
◆山田[博]副会長 これは大事なことですよ、農産加工・流通室長。200件で、確かに国が今までやっていましたから、私は関係ありませんじゃないからね。さすがにあなたよ。さすがに、事前に、織田委員から指摘されるんじゃないかと思って、ちゃんと調べてたんだよね。あなたはすごいなと思ってですね。だけど、いいですか、この200件というのは大切なことなんですよ。どこにどういうふうに調査しているかというのは。これは委託料ということで、今回こういうふうに、あなたたちもするわけだから、どこにどういうふうに調査してというのは、今まで専門家の方がやった内容というのは、これは大変興味深いことですよ。どこにどういうふうに調査してやっているかというのを、まさかこれを教えないというわけではないでしょうから、それはしっかり調査して、6次産業化体制支援整備事業において200件の内訳をきちんと調べて、午後からでも、これは大事なところですよ。ひょっとしたら今日の予算委員会の中で一番大きなポイントかもしれませんよ、これは。いいですか、調べて報告してもらえませんか。
◎永橋農産加工・流通室長 お時間をいただいて確認をさせてください。
◆山田[博]副会長 どうぞよろしくお願いします。
 続きまして、畜産経営対策費とあります。ここに、「県が農協関係団体等」とあります。「等」というのが一番ポイントなんですね、畜産課長。「等」というのはどこを指しているんですか。
◎松永畜産課長 農協団体等の利子補給の関係ですが、基本的に、全農、農林中金、農協の共済連、こういったところで利子補給をしていただくということで考えております。
◆山田[博]副会長 そうしたら、農業関係団体の金融機関なんですね。市中金融機関、長崎県の指定金融機関があるじゃないですか。十八銀行とか親和銀行とか長崎銀行とかありますけれども、ああいった銀行は入らないんですか。
◎松永畜産課長 この農協団体の利子補給というのは、あくまでも農協が融資機関になる場合の設定でございまして、銀行等が設定する場合については、県と国からのみ利子補給されるということになりまして、その差額の分については、融資機関が自助努力をして利子補給といいますか、利子を下げて末端では1.2%で貸すというのが制度上の流れでございます。
◆山田[博]副会長 畜産課長、肝心なところで、最初は返事がよかったんだけれど、後から声が小さくなって聞こえなかったんです。要は、これは、農協団体が畜産の方々にお金を貸した分の利子補給をしているから、農協団体の分のための利子補給ということで理解していいんですかね。
◎松永畜産課長 そうではございません。基本的に末端金利を1.2%にすると。これは農協系統であろうがそうでなかろうが、農家にとっては同じ金利の貸し付けになるわけでございまして、それに対して、基準金利から国の方が1.01%を出すと。県の方で0.69%から0.08%出すということでございまして、残りの部分については、基本的に融資機関の方でその分の利子を減免して末端を1.2%にするということでございますが、先ほどの農協関係団体については、農協等の部分をこの団体でも負担をして支援をするという状況でございまして、あくまでも農家に対しては同じ1.2%で貸し付けるということでございます。
◆山田[博]副会長 だから、いいですか、これは農家の方が、お金を借りているところが農業団体以外で、例えば、さっき説明した十八銀行とか親和銀行であれば問題ないということで理解していいんですね。
◎松永畜産課長 そのとおりでございまして、融資機関としては農協もありますし、市中銀行もございます。
◆山田[博]副会長 最初に早く言ってくれれば、それで済んだんですよ。
 松永課長、それと、お尋ねしますけれども、先ほど織田委員からも指摘がありましたけど、これは県が、農家の経営として大変厳しい状況ということで、債務負担行為をやっているんですが、この中で、農協団体として具体的に今どういったことを、県はこういうふうにやります、農協団体は利子補給します。実際、餌の高騰なんかで、こういったこと以外にどういったことに取り組んでいるかというのを、先ほど餌のはありましたけれども、もうちょっと詳しく説明してもらえませんか。
◎松永畜産課長 ただいまのお話は、非常に餌高騰で農家経営が厳しくなっていると、それに対する指導・支援をどうやっているのかというお尋ねかと思いますけれども、各農協等においても、個々の経営の改善というのは、県の普及指導とあわせて行っているところでございまして、具体的な、農協ごとの事業名とかそういう対策は把握しておりませんけれども、基本的には農家に対する技術指導等で対応しておりますし、今回のこの資金につきましても、農家が改善計画を作成し、その中で具体的に農協も含めて、融資機関も含めて経営の問題点を洗い出して、そういう指導をするという体制でございます。
◆山田[博]副会長 畜産課長、今、農協団体が飼料高でどういった対策をとっているかというのは把握しておりませんということであれば、把握していただいて、その上でこういった政策をやりますというのならわかる。把握せずに、では何でこれをやるのかとなるわけだよ。先ほどほかの委員から質問がありましたけど、それはそうですよ。農家の方は大変厳しいんです。農協団体はこういったことをやります。だから、県もこういうふうにやりましょうと。そういったことを把握して、調査・研究してもらって、また後で、具体的にどういったことをやっているかというのを、今日は報告できるかどうかわかりませんけれども、委員会があっている間に、多分あれでしょう、畜産課長、調べたんだけど、今日、今、手元に資料がないんでしょう。そう聞いているよ。調べたんだけど、今、報告できない状態なんでしょう。だから、そういったことでいきなり質問したもんだから、多分、畜産課長は、私が質問するとは想定外だったんでしょうから、調査した結果を今報告できない状態でしょうから、準備でき次第、報告をしてもらいたいと思うんです。
 これは大変いいことなんですよ。農協団体を通じて、農協あっての農家でありますから、農家あっての農協でありますから、お互いに持ちつ持たれつつの中で、こういった支援を県とか国がやってもらうのは大変ありがたいことなんです。その中で、県当局としてどう取り組んでいるかという把握をされていると思いますから、後で報告してもらえますか。見解を聞かせてください。
◎松永畜産課長 これから調査をして、まとまった分については報告させていただきたいと思います。
◆山田[博]副会長 ぜひお願いします。
 それで、溝口委員から質問があった中で、畜産課長、今、対象になる牛は何頭ぐらいいるんですか。
◎松永畜産課長 対象といいますか、県内で現在、肉用牛については8万2,000頭飼育されております。農家が、肉用牛について言うと3,200戸程度、3,200戸ぐらいの農家で8万2,000頭の肉用牛が飼われておりますから、そういったものの中からこういった要件といいますか、経営改善をする部分が対象になってくるんだというふうに思っています。
◆山田[博]副会長 そうすると、大ざっぱに言うと、今回の畜産経営対策費ということで債務負担行為1,400万円組んでいるけれども、これは、長崎県の3,200戸のうちで対象が8万2,000頭分になっているんですと。そうですよね。この中で、これぐらいだったら何とかできるんじゃないかという想定でやったということで理解していいんですね。
◎松永畜産課長 すみません、ちょっと説明足らずでございました。先ほどの3億円と10億円の融資枠の見込みについては、肉用牛だけではなくて酪農とか豚も入ってまいりますので、国の全体枠が、大家畜・養豚で100億円、また畜産経営改善が250億円となっておりますので、それに対する長崎県の畜産の戸数、酪農、肉用牛の戸数からこの割合に応じまして3億円、10億円という融資枠を設定させていただいたところでございます。
◆山田[博]副会長 ということは、畜産課長、これは、要は国の方から、極端に言うと、一方的に、あなたのところはこうです、こういう金額ですのでというふうに言われたので、長崎県としてもこの金額でせざるを得ない状況になったということで理解していいんですね。溝口委員が言われるのはごもっともなんですよ。大丈夫なのか、大丈夫なのかというのは、溝口委員は漁業関係で、農家の関係の方も心配してくれているわけです。これはありがたいことですよ。
 その中で、松永畜産課長が答弁の中で、ちょっと詰まらせたというか、あらっと思ったものだから質問しているんです。もう一度聞きますが、これは国の方から一方的にこういう割り当てをされたので、長崎県の債務負担行為は1,400万円せざるを得ない状況になったということで理解していいんでしょう。
◎松永畜産課長 そうではございませんで、国の枠は決まっております。決まっておりまして、県の枠を設定する際に、戸数割りで県の方で設定をさせていただいたというのが3億円と10億円の枠であるという理解でございます。
◆山田[博]副会長 そうしたら、万が一これが足りなかった場合には、また改めて債務負担行為をするということで理解していいんですね。それだけお答えください。
◎上田農林部長 副会長ご指摘のとおり、現在、畜産経営は、飼料高止まりで非常にきつくなっております。系統団体もひっくるめて飼料価格安定基金に拠出をしながら取り組んでいるところでございます。
 ただ、現在、需要額の調査をやっている最中でございますけれども、この融資枠で不足するということが出ましたら、また再度追加をお願いしたいと考えているところでございます。
◆山田[博]副会長 畜産課長、そういうことでいいですか。溝口委員が質問した時にそう答えればよかったんです。溝口委員は、何回も質問するのは頭にくるさ。私が溝口委員の立場だったら頭にくるよ。今日、松永課長、どうしたんだ。いつもの切れがないから、どうしたのかなと思ったんですよ。いずれにしたって、そういうことであれば、ぜひやっていただきたいと思います。
 一旦終わります。
○西川分科会長 ほかにありませんか。
◆深堀委員 すみません、1点だけ。畜産経営対策費の分でお尋ねなんですが、必要予算額の見込みの計算式が入っていますけれど、これは、計算して合わないですよね。これはどういう中身になっているのか。372万3,000円の内訳は、3億円掛け0.08%掛け25年という計算式になっていますけれど、これは合いませんよね。その下もそうですけど、ここはどういうふうになっているのかな。
○西川分科会長 休憩します。
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     −午前10時50分 休憩−
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     −午前10時51分 再開−
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○西川分科会長 分科会を再開します。
◎松永畜産課長 申しわけございません。その他の欄に書いてある式ではなくて、基本的に元金均等払いになりますので、毎年の基金の残高に応じて利子補給の額が年に応じて変わってまいります、減ってくるという形になるものですから、すみませんが、この式どおりの計算では合わないということになっておりますが、そういったことでご理解をいただきたいと思います。申しわけありません。
◆深堀委員 わかりました。元金均等払いだからという話がありましたけれども、ただ、先ほどの説明の中で、いろんな農協関係の金融機関であったり、市中の銀行であったり、そういったところから借りられてもいいという話があった。ということは、その借りられる方々が必ずしも元金均等払いじゃないケースがありますよね。当然、元利均等払いでの融資を受ける可能性がありますよね。そういった時の考え方というのはここに示されていないんだけれども、そのあたりはどういうふうに考えているんですか。
◎松永畜産課長 これは国の制度でございまして、制度上、元金均等払いで返還するという趣旨になっておったというふうに理解しています。
◆深堀委員 ということは、全てこの制度を利用する分については元金均等払いという決まり事なんですね。ただ、これは国の制度だとおっしゃるので仕方ないんだけれども、例えば、この経営体の人たちは、当然ここに書いてあるように、経営が悪化した団体の皆さんを対象でしょう。ということは、元金均等払いということは、だんだん返済金額は下がってきますよね。だから、当初、多くを返済しなければいけないわけです。元金は一緒です。元金は一緒だけれども、金利は、残高は多いわけだから、例えば25年の中の最初の12年が高いわけです。だから、経営が悪化している団体に、確かに借り手側として、元金均等払いが有利だというのはわかっているんだけれども、返済金額が大きくなるというデメリットもあるわけです。そういったところというのは、国とは何か話とかをしていませんか。
 例えば、それが借りる側の、悪化している団体だからこそ、お金を持っている団体なら元金均等払いがいいですよ。でも、ここで言っているのは悪化している団体だから、そこら辺を考えてなかったのかなというふうに思うんですけれども。
◎松永畜産課長 そうですね、低利への借り換えで改善が図られるという趣旨での設計だったというふうに思いますけれども、委員ご指摘のように、いろいろ借入者の事情もあろうかと思いますので、その点につきましては、今後、国の方とも話をしてまいりたいというふうに考えております。
○西川分科会長 ほかにありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川分科会長 ほかに質疑がないようですので、これをもって質疑を終了いたします。
 次に、討論を行います。
 討論はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川分科会長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
 予算議案に対する質疑・討論が終了しましたので、採決を行います。
 第98号議のうち関係部分は、原案のとおり可決することにご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西川分科会長 ご異議なしと認めます。
 よって、予算議案のうち関係部分は、原案のとおり可決すべきものと決定されました。
○西川委員長 次に、委員会による審査を行います。
 議案を議題といたします。
 農林部長より総括説明をお願いします。
◎上田農林部長 農林部関係の議案についてご説明いたします。
 農水経済委員会関係議案説明資料並びに農水経済委員会関係議案説明資料(追加1)、(追加4)の農林部をお開きいただきたいと思います。
 今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第104号議案「長崎県営土地改良事業分担金徴収条例の一部を改正する条例」についてで、その内容は記載のとおりでございます。
 次に、前委員会以降の主な事項についてご報告いたします。
 今回、ご報告いたしますのは、長崎県農林水産業・地域の活力創造協議会の開催について、農業分野における燃油高騰対策について、高温・少雨・豪雨による農業災害について、長崎県加工業務用産地育成協議会の設立について、長崎みかん生産者集会について、長崎県口蹄疫防疫演習について、県有種雄牛について、長崎和牛の消費拡大対策について、長崎県農地・水保全管理支払対策促進大会について、長崎県農業農村整備事業推進大会について、諫早湾干拓事業の開門問題について、ながさき農林業大賞について、復興関連予算で造成された基金の返還について、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉等に対する要望活動について、綱紀の保持についてでございます。
 そのうち、本日、お手元にお配りさせていただきました追加4の資料の1ページをお開きいただきたいと思います。ご説明申し上げたいと思います。
 まず、諫早湾干拓事業の開門問題につきましては、本県から開門に向けた事前対策工事の中止について要請を行っていたにもかかわらず、去る9月25日、再度、開門に向けた事前対策工事として諫早市長田海岸における背後地既設堤防の保全対策補修工事と諫早市小江干拓地区における代替水源対策としてのため池整備の工事に着手することが明らかになりました。そのため、翌26日、国に対し、即刻、事前対策工事への再着手を取りやめるとともに、開門方針を見直すよう強く抗議したところであり、また、九州農政局長には、直接、抗議書を持参し、翌日の工事着手を取りやめるよう強く申し入れました。
 しかし、同27日、国は、本県・地元の理解を得ないまま、事前対策工事に着手しようとしたため、多くの地元の方々から強い抗議が行われ、国は工事着手を見送ったところであります。
 このように、地元に混乱を生じさせる結果となったことは極めて遺憾であり、地元の理解が得られない中で一方的に開門に向けた準備を進めようとする国の対応は、何の相談もなく平成22年12月の開門判決を自ら一方的に受け入れた結果を地元に押し付けようとするものであり、到底、理解が得られるものではなく、国に対する地元の信頼を根底から損なってしまうものであると言わざるを得ません。
 このため、同日、県及び地元関係市との連名による抗議書を国に提出し、事前対策工事に着手しようとする国の対応に強く抗議するとともに、再び、今回のようなことが繰り返されることがないよう改めて強く要請したところであります。
 次に、「環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉等に対する要望活動」につきましては、現在、関税の撤廃や削減の方法等について交渉参加各国との議論が行われておりますが、交渉の結果によっては、地域を支える基幹産業である農林水産業への深刻な影響が懸念されております。
 このため、去る9月24日、県としては、農林水産省及び内閣府、並びに本県選出国会議員の方々に対して、農産物等の重要品目を関税撤廃の対象から除外することなど、TPP交渉における慎重な対応を強く要望いたしました。
 また、あわせて昨今の燃油価格の高騰は農業に深刻な影響を与えているため、農業・漁業用燃油高騰対策として、燃油高騰による影響を価格に転嫁できない第一次産業に対する燃油高騰対策は、本来、国策として実施すべきものであるため、国が生産者へ直接補填を行うこと、施設園芸セーフティーネット構築事業及び施設園芸省エネ整備リース導入支援事業を継続することなどについて要望いたしました。
 次に、「綱紀の保持」につきましては、去る8月に農林部の地方機関職員が、器物損壊容疑で現行犯逮捕されるという事案が発生しました。
 これまでも、所属職員に対して服務規律の確保に万全を期すよう周知徹底を図ってきたところでありますが、今回のような事案が起きましたことは、誠に申し訳なく、県議会並びに県民の皆様に対して、深くおわび申し上げます。
 当該職員に関しては9月3日に不起訴処分となり、9月25日付で減給10分の1、1月間の懲戒処分が行われたところであります。
 事案を受けて、職員に対し、再発防止の徹底と公務員としての自覚を、改めて、強く促したところであり、再びかかる事態が生じることのないよう、今後、一層の綱紀の保持と再発防止に努め、県民の皆様の信頼回復に全力を尽くしてまいります。
 また、「政策等決定過程の透明性等の確保及び県議会・議員との協議等の拡充に関する決議」に基づく資料について、補足説明資料を配付させていただいております。
 以上をもちまして、農林部関係の説明を終わります。
 よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
○西川委員長 ありがとうございました。
 次に、諫早湾干拓課長より報告を行いたい旨の申し出があっておりますので、これを許可します。
◎宮崎諫早湾干拓課長 私からは衆議院環境委員会の長崎県内視察につきまして、昨日、諫早湾干拓事業につきまして、知事からお手元にお配りしております資料で説明を行い、その後、現地視察が行われております。その知事から議員へ説明を行った内容につきまして報告をさせていただきたいと考えております。
 お手元の資料、「国営諫早湾干拓事業について」の1ページをお開きいただきたいと思います。
 まず、諫早湾干拓事業につきましては、約3,500ヘクタールの海域を7キロの潮受堤防で閉め切って、高潮、洪水被害を防止するということ、それから、調整池の水位をマイナス1メートルに下げて管理することによって、背後農地からの排水不良を改善する、そういう防災効果、そして、中央干拓地、小江干拓地の約700ヘクタールの優良農地を造成すること。こういう目的のもと、事業が進められてきました。
 赤の点線の地域でありますが、従来から繰り返し展開されてきた地先干拓において造成された農地でありまして、約2,700ヘクタールの標高2.5メートル以下の低平地となっております。有明海というのは干満の差が非常に大きい海です。プラス2.5からマイナス2.8メートルまで5メートルの間で潮が満ち引きします。潮が満潮になると2,700ヘクタールは、その潮の水位より低い位置にあるということでたびたび被害をこうむってきた歴史がうかがえます。
 3ページをご覧いただきたいと思います。図-1をご覧ください。諫早湾の潮流は反時計回りで回っております。大小の河川から流れ込んできた泥土、砂等、この潮流によって諫早湾の奥まで運ばれます。満ち潮によって湾奥まで取り込まれて引き潮の時に沖に流されて潟土が成長していきます。
 図-2をご覧ください。潟土が年に5センチから6センチ、堆積をいたします。そうしますと、干潟が沖合に向かって10メートル成長し、大体50年に1回ぐらいは地先干拓が行われてきたという歴史があります。この干拓地の場合、一番大きな問題は、ご覧いただいてわかるとおり、背後農地の標高よりも地先の農地の方が高くなっています。したがって、常に排水不良が大きな問題になっておりました。
 図-4をご覧ください。したがいまして、排水路を確保するために重機が入りませんので多くの人たちが胸まで潟土につかって、みお筋の浚渫作業を繰り返し、繰り返し行ってきたという歴史があります。そういった歴史により、図-3をご覧いただいてわかるように、現在の諫早平野は600年前から、繰り返し、干拓等によって形成されてきたという地域でございます。
 4ページをご覧ください。諫早湾周辺地域は、集中豪雨が非常に発生しやすい地形的な特徴を持っております。長崎半島と島原半島に遮られて東シナ海から湿った空気が太良山系にぶつかって集中豪雨を来すというような地形的な要因があります。図-2のように台風の進路に当たっている地域でもあります。
 そういったことから、昭和32年には、地域の方々の630名が亡くなるという諫早大水害を体験、そして、昭和57年の長崎大水害、昭和60年の台風13号、こうした大変な災害をたびたび体験してきた地域であります。
 6ページの諫早湾干拓事業後の状況につきましては、諫早湾干拓事業が完成したことによる高潮被害の防止効果を掲載しております。
 7ページをご覧ください。洪水防止の効果、右側は排水不良の改善等、こうした効果が出ているところでありまして、地域住民の皆様は、ようやく枕を高くして寝られるということで干拓事業に非常に感謝をされております。
 8ページをご覧ください。一方、完成した干拓農地でございますが、約700ヘクタールの干拓農地で39経営体が大規模な環境保全型農業を展開しております。稲作ができませんので、ほとんどが露地野菜であります。もともとは海の底であった農地ですので、ミネラル分が非常に豊富で種もちがするという高い評価をいただいております。また、海外への輸出も行われているところでございます。
 9ページをご覧ください。一方、漁業は潮受堤防の閉め切りで漁場環境がなかなか安定しないという状況でありました。しかしながら、その漁場変化に合った水産業が模索され、現在ではアサリの養殖、カキの養殖が行われております。地域の小長井町漁協では、昨年、「初代 日本一の牡蠣」という称号をオイスター協会から得たところでありまして、非常に高い評価を得て東京周辺にも出荷されているところでございます。
 10ページをご覧ください。調整池の水は「毒水」だというふうな言われ方をされますが、水質は、COD、窒素、リンは、ご覧いただいてわかるとおり、特に水質が悪いというふうな状況ではございません。
 こうした中、開門問題が論議されてまいりました。
 13ページを先にご覧いただきたいと思います。
 まず、開門問題の経緯としまして一番大きな議論になりましたのが、緑のグラフがノリの生産量を示すグラフであります。平成12年から13年に落ち込んでおります。この時がノリ不作の年でありまして、この不作の原因が干拓堤防の閉め切りによるものである。したがって、開門すべきだという議論が巻き起こっております。しかしながら、傾向はご覧いただいてわかるとおり、その後、右肩上がりで安定的に生産量も拡大する傾向で推移しております。
 一方、貝類の資源に重大な影響を与えているという指摘があります。しかしながら、貝類の漁業資源の減少は、紫の折れ線グラフで見ますと、貝類の資源が大幅に減少したのは、昭和50年代の後半となっております。諫早湾干拓事業に着手していなかった時期に資源が減少しております。では、この時期に何があったかというと、いわゆるノリの酸処理が始められております。熊本新港の建設工事、筑後大堰の建設、三池炭鉱の海底陥没の埋め戻し工事といった大型の事業が着手された前後の時期となっております。
 こういった状況の中で、私ども長崎県の地元といたしましては、干拓事業との直接的な因果関係はないのではないかという主張を続けてきたところであります。
 12ページにお戻りください。そうした中、平成12年のノリ不作に端を発しまして議論が巻き起こり、平成14年度に短期開門調査の受け入れを余儀なくされました。この際には、佐賀県、福岡県、熊本県の知事、副知事、3県漁連の立ち会いのもと、長崎県知事と農林水産大臣との間で合意が交わされて短期開門調査を受け入れました。しかしながら、諫早湾干拓事業が平成18年度までに事業を完了するという合意がされて、苦渋の選択として短期開門調査を受け入れました。しかしながら、調査結果は、有明海にはほとんど影響が及んでいないというものでありました。
 この時、中長期開門調査の問題もあわせて議論になりましたが、専門家の方々による検討が行われた結果、記載してあるとおり、「開門の影響のみを重視するような形で影響を検討することは困難である」、あるいは「排水門を開けることにより被害が生じないようにするためには相当の対策と時間が必要である」といったような当時の亀井農林水産大臣が「中長期開門調査はこれを実施しない」と判断されました。
 一方、そうした中で右側をご覧いただきますと、佐賀県、長崎県の漁業者の方々が今の漁業不良が諫早湾干拓の影響だということで開門請求訴訟が行われ、平成20年に佐賀地裁で開門判決が出ました。開門をしなさいという判決でございまして、これに対しまして被告の立場であった国の方では、控訴と同時に環境アセスに取り組んで開門の是非を含めて慎重に判断をしていこうということで環境アセスに着手することとされました。
 そうした中、平成22年10月6日には福岡高裁の控訴審判決が出されまして、3年間の猶予期間を設けて、それ以降5年間にわたって排水門を開放しなさいという判決が出されました。私どもは、仮に開門されるということになりますと、防災、営農、漁業、環境に重大な影響被害が懸念されましたことから、何としても、今、環境アセスの途中でありますから、その結果を待って慎重に判断をしていただきたい。したがって、ぜひ上告をしていただきたいという要請を繰り返し行ってきたところですが、時の菅総理は、地元は一切の報告をいただけない中で一方的にこれを受け入れられて上告を断念してしまった。この判決が確定して今の問題につながっているということになります。
 なお、その際、菅総理は、なぜ開門を受け入れたかということにつきましては、「長年にわたる諍いに終止符を打ち、有明海の再生の観点から上告をしなかった」とおっしゃっておりますが、アセスの結果を見ますと、本当に有明海の再生につながるのか、疑問を禁じ得ない状況でございます。
 判決の内容につきましては、15ページに取りまとめておりますが、この中で幾つか大きな問題がございます。
 まず、防災上の観点でございますが、潮受堤防の閉め切りが防災上やむを得ない場合に、これを閉めれば防災機能が相当程度確保されるだろうという考え方が示されております。これは平成11年に10ミリ以上の雨が降ったのが83回、そのうち25回が天気予報が当たっている、3割程度当たれば、それで必要があれば排水門を閉めれば防災上大丈夫ではないかという非常に乱暴な議論でございます。それと、諫早湾独特の実情をご理解いただいておりません。有明海は非常に干満の差が大きく、大潮の時は5メートルから6メートルの干満の差があります。ところが、小潮の時は潮が一番引いたとしてもプラスゼロメートルまでしか水位が下がりません。したがいまして、調整池の水位がマイナス1メートルで管理されておりまして、大雨が予想されている時に排水ができない時期が1週間続きます。そういった中で大雨が降ると湛水被害が生じます。今は調整池が淡水なので湛水被害が生じても大きな被害は生じません。しかし、これが海水であれば潮遊池に海水が浸透してくるので、雨水と混じって塩害が生じることが考えられます。農業用水の確保の面でも、干拓地のかんがい用水は調整池から取水していますが、塩水になると用水確保が困難となります。国は、今、淡水化施設を設置しようと検討されているところでございます。
 一方、排水門が開放されますと漁業被害も懸念されます。平成14年に短期開門調査を受け入れました。この時もアサリのへい死等を招き、国は漁業補償を行った経過があります。この漁業被害を防止するための回避策がほとんど示されておらず、有効な対応が難しい状況にあります。現在、国から示されているのは、汚濁防止膜を設置するとのことですが、平成14年にも設置されておりました。それでも被害は防げませんでした。
 こういう状況の中で、この判決が出されております。
 もう一つの大きな問題は、国と漁協との間で漁業補償契約が締結されております。これは国と組合長と契約されたもので、個々の組合員が契約当事者になっていない。したがいまして、個々の組合員の漁業行使権まで制約を受ける内容にはなっていないという裁判所の考え方です。
 ところが、実態といたしましては、各漁業協同組合長と組合員の間で補償契約の委任行為が行われており、全て組合長に委任し、以降一切の求償を行わないという契約がなされており、これが裁判では見逃されております。
 また、国からも主張立証がなされていないという中で開門判決が出されたということは、大きな問題を含む内容でございました。
 こうした中、アセスメントが出されております。
 18ページをご覧いただきたいと思います。そのアセスの結果を見ますと、潮流、流速、水温、COD、溶存酸素量は、記載してあるとおり、影響が生じるのは諫早湾内にほぼとどまり、有明海全域にはほとんど影響は及ばないというアセス結果が示されております。むしろ、調整池が塩水化することによって赤潮発生のレベルが高まってまいります。
 次に、漁業の予測ですけれども、19ページをご覧ください。ケース3−2の場合を記載しております。潮流、濁り、塩分、海底地形の変化で、むしろ悪い影響が懸念されております。
 こうした中で、21ページになりますけれども、新たな点が幾つか示されております。これまでなぜ諫早湾干拓事業が有明海異変の原因と言われてきたかというと、潮受堤防が閉め切られたことによりまして潮汐振幅が少なくなり、これにより潮の流れが遅くなり、濁りが少なくなり、日光が海中まで届くようになって植物プランクトンの増殖を促します。それによって赤潮が発生し、貧酸素水塊が多発する傾向になるという流れで潮受堤防を開放せよという論理構成でありました。
 しかしながら、環境省で調査をいただいた結果を示しているとおり、潮汐振幅の増減は、潮受堤防の閉め切りの影響というよりも、月の18.6年周期の昇交点運動、引力の変化による影響が大きいという結果が示されております。
 22ページをご覧ください。NPO法人有明海再生機構の報告では、湾奥部の潮流の変化は、佐賀県の干拓等による地形変化の影響が最も大きい。2番目に、月の昇交点移動の影響、そして、潮受堤防の影響はほとんど見られないという調査結果。それと、先ほど紹介しました平成12年のノリの色落ち被害については、「大型珪藻類の異常繁殖による影響が大きく、諫早湾の閉め切りとは関係ない」というような調査結果が示されております。
 そして、赤潮の発生原因が諫早湾にあると言われておりましたが、西海区水産研究所の報告では、有明海奥部と諫早湾を中心に貧酸素水塊が同時、別々に発生しているという調査結果となっております。したがいまして、環境悪化の原因は諫早湾であると言われましたが、「因果関係がない」という知見が示されました。
 そうした中、国は、確定判決があるということで開門を進めなくてはいけないという姿勢を継続して示されております。
 24ページをご覧ください。アセス結果を踏まえました開門対策の問題点でございますけれども、私どもが一番大きな問題であると考えているのは、開門方法については、国は、ケース3−2以外の方法は考えていないということが原告団、そして、佐賀県の皆様は最終的にはケース1、常時開放まで主張されております。3−2でとどまる確証が得られておりません。したがいまして、必要な対策もケース1を想定した上で被害防止対策を講じていただかなければなりません。
 また、調整池に流れ込みます樋門・樋管は、大小合わせて300カ所ありますが、これを一体誰が継続して管理していくのか、これが重大な作業でありまして、危険な作業でございます。これを再び地域住民にやれというのは大きな問題であります。
 26ページをご覧ください。先ほど説明を行いました漁業被害を防ぐ考え方でございます。具体的な対策は考えにくい問題でございます。
 27ページをご覧いただきたいと思います。農業用水の確保対策といたしまして、海水淡水化施設が検討されております。海水淡水化施設は、調整池の塩水をそのままくみ上げ淡水化し、高濃度塩水はそのまま調整池に排水する形で検討されております。ところが、調整池は水深が1.5メートルしかありません。したがいまして、少しでも風が吹くと濁ります。細かな潟を巻き上げて濁っております。一旦雨が降ると塩分濃度が急激に変化する中で装置が安定的に機能するのか、他県の例などを勉強してまいりましたが、濁りが大きいということになると、逆浸透膜の目詰りで支障を来し、安定的な造水効果が得られず、断念したという事例も数多く散見され、仮に設置するというのであれば、実証試験を行い、周辺環境に与える影響を調査すべきであります。
 29ページをご覧ください。地元住民等による仮処分の申し立てでございますけれども、地元の方々は排水門の開放差し止めを求めて訴訟を提起しており、仮処分の判断が11月12日に出される予定でございます。結果を踏まえて慎重に対応していただかないといけないと思っておりまして、環境委員会の委員の皆様のご理解を賜りたいということでございます。
 最後に、32ページになりますけれども、県・地元が国に求めていることにつきましては、このまま開放されますと、さまざまな影響被害が懸念されます。対策工事に330億円の巨費を投じようとしておりますが、水産資源の回復や漁場改善に結びつくという確証が得られない中で巨費を調査のために投じるのはもったいない。むしろ、有明海の再生のためにこそ有効に使っていただきたいという思いがあります。
 以上が、昨日、衆議院環境委員会に対しまして知事が諫早湾干拓事業について説明を行った内容でございます。吉野環境委員長からは、「科学的知見が一番大事な要素である。」との発言もなされております。
 その後、環境委員会におかれましては、諫早湾干拓地などの視察を行われ、現地におきましては、関係者から水産業や営農の実情、そして、樋門の管理等の説明を受けられております。
 以上が昨日の衆議院環境委員会の県内視察についての報告でございます。
 以上でございます。
○西川委員長 次に、提出のありました「政策等決定過程の透明性等の確保及び県議会・議員との協議等の拡充に関する決議」に基づく資料について説明をお願いします。
◎松尾農政課長 「政策等決定過程の透明性等の確保及び県議会・議員との協議等の拡充に関する決議」に基づきまして、本委員会に提出いたしました農林部関係の資料につきましてご説明いたします。
 お手元にお配りしております資料及び追加資料をご覧ください。
 まず、1つ目の補助金内示状況につきまして、本年6月から8月までの実績は、直接補助金が資料の1ページから13ページに記載のとおりであり、農地・水保全管理支払交付金など、計144件でございます。
 また、間接補助金が資料の14ページから33ページに記載のとおり、構造改善加速化支援事業補助金など計194件、合わせまして338件となっております。
 次に、1,000万円以上の契約状況につきまして、本年6月から8月までの実績は、資料の34ページから36ページ及び追加資料の1ページに記載のとおりでございます。委託が31件となっておりまして、このうち入札に付したものについては、資料の37ページから73ページと追加資料の2ページに入札結果一覧表を添付しております。
 また、工事につきましては、資料の74ページから77ページに記載のとおりでございまして、84件となっております。委託と工事を合わせますと115件となっております。資料の78ページから214ページは、工事のうち入札に付したものにつきまして入札結果一覧表を添付しております。
 続きまして、陳情・要望に対する対応状況につきまして、知事及び部局長に対する陳情要望のうち県議会議長あてにも同様の要望が行われたもので、これに対する県の対応については、資料の215ページから232ページに記載のとおりでございます。
 最後に、附属機関等会議結果報告につきましては、本年6月から8月までの実績は、ながさき森林環境基金管理運営委員会が1回開催されております。その内容については、資料の233ページと234ページに記載のとおりでございます。
 以上でございます。
○西川委員長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 質疑がないようですので、これをもって質疑を終了いたします。
 次に、討論を行います。
 討論はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
 議案に対する質疑・討論が終了しましたので、採決を行います。
 第104号議案は、原案のとおり可決することにご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ご異議なしと認めます。
 よって、第104号議案は、原案のとおり可決すべきものと決定されました。
 次に、お手元に配付しております陳情書一覧表のとおり陳情書の送付を受けておりますので、ご覧願います。
 陳情書について、何かご質問ありませんか。
◆山田[博]副委員長 ほかの委員の皆さん方も質問があられるでしょうけれども、まだ準備が整っておられないようですので、私の方から質問させていただきます。
 まず、陳情番号33番の長崎県農業農村整備事業推進協議会会長の宮本さんから、「本県における農業生産力強化のための強力な農地の基盤整備の推進」ということで上がっております。これについてお尋ねします。
 現在、県内の農地面積がどれぐらいあって、整備率がどれぐらいで全国何位かと。それと、耕作放棄地の面積がどれぐらいあって全国で何位かということを教えてください。
◎林田農村整備課長 平成24年度の耕地面積につきましては、水田が2万3,400ヘクタール、普通畑が2万100ヘクタール、樹園地が6,650ヘクタール、牧草地が305ヘクタール、合計5万500ヘクタールになっております。
 整備率でございますけれども、このうち水田の整備につきましては、今まで1万2,221ヘクタール整備しておりまして、整備率が52%でございます。それから、畑につきましては、4,646ヘクタール整備しておりまして、整備率が23%になっております。
 全国何位というのは、資料を持っておりませんけれども、今の整備率は長崎県の場合、中山間地が多いものですから、1反以上の区画を整備率と考えております。ただし、国につきましては3反区画を考えておりまして、国が持っているデータは3反以上のデータしかお持ちになっておりません。それで国のデータと比較しますと、3反以上の区画整備率でいきますと、全国が62.9%の整備率に対しまして、長崎県は29.9%、約30ポイントほど低い状況でございます。それから、畑につきましては、国が持っているデータは区画整理じゃなくて、3メートルぐらいの農道が接する畑の割合のデータをお持ちでございます。それでいきますと全国は73.9%、これに対して長崎県が54.6%ですので、約20ポイント程度低い状況でございます。
◎長岡農地利活用推進室長 耕作放棄地の面積でございますけれども、2010年のセンサスで長崎県の耕作放棄地の面積が1万1,742ヘクタールでございます。率だけで申しますと、長崎県は26%ということでございまして、全国ワースト1位となっております。面積比較では下から14番目の数字になっております。
◆山田[博]副委員長 長崎県は、農業生産県でありながら、いまだに、先ほど農村整備課長が言われたように、整備率が、例えば3反以上だったら30ポイントも下回っていると。いずれにしても、全国平均を下回っているということであれば、これは早急に長崎県として取り組まないといけないと思います。
 本来であれば、こういった陳情がくる前に農林部としても財政当局と話をしながら推進しないといけないということですね。今の数字はわかるんです。例えば、耕作放棄地の割合は、全国でワーストワンですね。よい方のナンバーワンだったらいいけれども、悪い方でナンバーワンですね。これは大変不名誉なことなんですよ。その一方で農業生産額は全国有数だということは、生産者が一生懸命頑張ってやっていると理解できるわけですね。そうすると、これはしっかりやっていかなければいけないと思います。これは議論する余地もなく、国にも応援してもらわなければいけませんが、農林部として緊急の課題として取り組まなければならないと思いますが、部長の見解を聞かせていただきたいと思います。
◎上田農林部長 農業の基本は担い手であり、農地であると考えております。そういった意味では、本県の基盤整備率は、中山間地が多いという条件が不利な中での基盤整備の状況になっているという実情があろうと思っております。しかしながら、これを何とか克服していかなければいけない。というのは、これは長年にわたる農政の大きな課題だと思っているところでございます。
 今回のご要望は、そういった中で国自体が基盤整備のもととなる公共事業予算を確保していただくよう、県に働きかけを求められている内容であると考えております。私どもも、それは同様に思っているところでございます。国に予算枠の確保をお願いしながら、片方で新規箇所の掘り起こしを、現場と一体となって、関係団体と一体となって進めていく、これを両輪として今進めているところでございます。
 基盤整備は、今後の農業の構造を将来にわたってつないでいくためにも必要と思っておりますので、推進を図ってまいりたいと思っております。
◆山田[博]副委員長 今の話であれば、これから新規で取り組んでいくということになるわけですね。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 続きまして、陳情番号55番の翁頭池の整備工事についてということで、これは今夏の猛暑の影響で水不足になり大変困っていたということで上がっております。
 現在、県内にため池がどれぐらいあって、こういった陳情が上がっておりますけれども、農業用水の需要拡大ということでため池の整備について県はどのように考えているのか聞かせていただけますか。
◎林田農村整備課長 詳しくは集中審議の方でご説明をしたいと思っておりますので、そちらの方でよろしいでしょうか。
◆山田[博]副委員長 はい。
◎林田農村整備課長 申しわけございません。
◆山田[博]副委員長 そしたら、翁頭池の陳情が上がっておりますが、これはどのような状況になっていきますか。
◎林田農村整備課長 これは、五島の方のため池でございまして、今、国の老朽ため池の整備事業の予算を使いまして、今年度完了を目標に事業をしております。
 事業内容は、斜樋と法面保護を対象としております。漏水はとまっている状況でございまして、法面保護等を行っております。
 そういう中で、今年の夏、水不足があったということで地元から要望があっているのは、ため池の池底を掘削してほしいということ、もう1点は、大雨対策のためにため池には洪水吐というのがありますが、洪水吐の高さを上げてほしいという格好で要望があったとお聞きしております。
 1点目の池底を掘る案でございますけれども、これにつきましては、今、水がとまっている状況がございまして、それをさらに池底を掘るとなりますと、遮水しているものを壊すことになって水漏れが懸念されるものですから、その辺については大変難しいという格好でお話をしていると聞いております。
 もう1点の洪水吐を上げる件でございますけれども、洪水吐の高さと、堤高がありますが、大雨が降った時にある程度余裕がないと水があふれる可能性があります。それで洪水吐の敷高を上げますと余裕高が減りまして堤体は大変危険な状況になります。これは国の基準上でも認められておりませんので、そういう旨をご説明していると聞いております。
◆山田[博]副委員長 確認のために、詳しくは聞きませんが、こういった老朽化ため池の数がどれぐらいあって、今後の整備の予定を答えていただけませんか。
◎林田農村整備課長 集中審議の時に説明するつもりでおりましたけれども、県内のため池は、大きいもの、小さいものを含めまして全体で約3,700カ所ございます。今、平成22年度までに940カ所を整備しております。大きいのは県営クラスの補助事業で、小さいのは市町の事業として進めるようにしております。
 県営の事業につきましては、市町と協議しまして、急ぐものとして85カ所を選定しておりまして、それを計画的に整備するようにしております。
 ちなみに、平成23年度が9カ所採択になっております。平成24年度が4カ所、平成25年度が24カ所の補助事業の採択になっております。平成25年度までは37カ所でございまして、先ほど申しました85カ所のうち、約4割程度が補助事業で採択になっている状況でございます。詳しくは集中審議の時にご説明いたします。
◆山田[博]副委員長 全体で3,700カ所あって、まだまだ未整備ということですね。平成22年度時点で3,700カ所のうち940カ所しか整備されていないということですね。
 今回、要望書が上がっている地域は、今回、別の形で、浚渫か堤体の高さを上げる方法でしかため池の整備はできないということですね。そう理解していいですか。
◎林田農村整備課長 地元の方は、貯水量を増やしてほしいというお話ですけれども、老朽ため池事業の場合は、貯水量を増やすことはできません。浚渫はもともとあったため池に泥が流れ込んで貯水量が減っておりますので、その浚渫は事業上はできるんですけれども、もともとあった貯水量以上に量を増やすということは事業上はできない状況でございます。
◆山田[博]副委員長 そうすると、今回の要望に書いてある整備というのは難しいということで理解していいですか。
◎林田農村整備課長 翁頭池での対策は厳しいですけれども、下流の牟田地区で農地の区画整理事業をしております。そこで水源対策として低地ため堀、ため堀を圃場整備の中でつくりまして、そこで水を確保して、その水を反復利用するようにしております。その水等を使っていただければかなり利用できるのではないかと聞いております。
◆山田[博]副委員長 そういったことで地元の人と話をしているということで理解していいですね。わかりました。
 それと、陳情番号60番の、適正価格、また、積算価格の変更時期ということであって、これは水産部とも話しましたが、今、生コンに関しては、積算価格というのは四半期ごとにやっているということで理解していいんですね、農林部も、それをお答えください。
◎林田農村整備課長 そのとおりでございます。年に4回、調査を行いまして単価を改定しております。これは全庁同じような取扱いをしております。
◆山田[博]副委員長 今、建設資材が高騰しているものだから実勢価格と合わないということでいろいろ問題になってきているわけです。だから、農林部におかれましても、水産部とか土木部と話をしながらぜひやっていただきたいと思います。こういったことは建築においては毎月やっているということで、現在、国の方では毎月積算額が変更になっていると。県の方は、まだやっていないということでありますので、国はやっているわけだから、これは国の予算はくるわけでしょう。毎月の試算で、整備する時にこれだけのお金がかかるんですとなると、そうでしょう。だって、公共事業の予算というのは積算価格でくるわけでしょう。
 本来であれば、こういうことであれば、やっぱりそうしなければいけないのじゃないかと私は思います。何か見解がありますか。
◎林田農村整備課長 単価が上がった時の事業費のアップという意味でございましょうか。
◆山田[博]副委員長 私が言っているのは、毎月、同じ価格でいくわけじゃないんですよ。今、ずっと上昇しているわけですよ。だから、入札している時と、設計図書をつくった時と、資材が高騰していて建設会社の人たちは大変困っているわけです。それで今どんどん不落が出てきているわけです。実際、国におきましては、今は生コンに関しては毎月やっているということです。
 私は、農林水産省から来ている政策監に聞きたいんですが、国は毎月調査しているということは、それだけ予算を組んでやっているわけでしょう。だから、長崎県とギャップが出てくると思います、長崎県は四半期ごとだから。今までなぜしなかったのか、私はびっくりしたんですよ。少なくとも歩調を合わせないといけない。国はこれだけの価格で見ていますけど、長崎県は低い価格で見ていたということですよ。この穴埋めはどうしていたかとなるわけです。そしたらこの穴埋めは業者の方々がしていたんじゃないかとなるわけです。
 国においては、この商品を例えば500円とします。しかし、長崎県では300円でしていたということになるんですよ、極端に言えば。それで入札をしてくたざいと言っていたんだから。そしたら国と県のその差額は誰が負担するのかとなるわけですよ、わかりやすく言えば。
 こういうことは私も気づかなかったですが、恐らく皆さん方も気づかなかったんじゃないかと思います。農村整備課長もこのことは初めて知ったぐらいでしょう、いかがですか。
 私が言いたいのは、関係機関と話しながら早急にやってもらいたいということです。それだけ見解を聞かせてください。
◎林田農村整備課長 副委員長のお話等を含めまして土木部と協議をさせていただきたいと思っております。
◆山田[博]副委員長 ぜひよろしくお願いします。ほかの委員の質問もあるでしょうから一旦終わります。
○西川委員長 陳情書について何かご質問はありませんか。
◆徳永委員 33番の陳情書で島原半島の農業基盤整備の促進についてということですが、この中で島原半島は特に急傾斜地等が多くて、畦畔の問題は課長も知っておられると思いますが、基本設計は土羽ですよね。しかし、長崎県、特に平地がないところは段々畑等のことで土羽ではなかなか難しいということで、そこに発生した石を積み上げをしております。しかし、これは設計上、みれないということが基本でありますけれども、しかし、何らかの対策をとらなければ、現実的に土羽では非常に厳しいということであります。そうなれば地権者の負担金が相当大きいわけです。
 こういったことは、今後、長崎県、そしてまた、島原半島の地域性から見て、農業を一生懸命頑張ってやりたい、作付面積を増やしたいということがあっても、これが障害、弊害になってしまえば、やる気もなくなり、大きな問題になります。
 今後どういったことで、ただただ、設計がそうだから仕方がないんですよじゃなくて、ここは長崎県としてどう国に申し入れをしていくか。そしてまた、他県の基盤整備の事業費、1ヘクタール当たりの工事単価に比べてどれぐらい高くなるのか、その辺がわかれば、この2点をお伺いしたいと思います。
◎林田農村整備課長 他県との比較で申しますと、先ほど委員がおっしゃいましたように、石積み、それと急傾斜等が多うございますので、平均で約2割から3割高くなっているんじゃないかと思っております。
 もう1点、石積みの話でございますけれども、数年前から地元からそういう要望があっております。私たちも十分認識しておりますけれども、今の国の制度上、基本は土羽でございまして、長崎県の場合は基盤の中で石が出ている、その処理のために石積みをしないといけないということ。それから、火山灰で法面が崩れるので、その対策にどうしても必要だということで、積み手間だけは補助事業の中で何とか認めていただいている状況でございます。
 これを、今、委員がおっしゃいましたように、石の確保、要は石代の購入費だろうと思っておりますが、そこまで含めて国にというのは、お話はしておりますけれども、かなり厳しい状況がございます。
 といいますのは、正直言いまして、石の購入まで認めますと、あとはブロック、例えば石がなければブロックの話とか、そういう話が出てくる懸念があるわけです。そうすると、整備水準をどこに置いたらいいのか。要は、国も厳しい予算の中で今基盤整備を進めておりますが、他県を含めた時の整備水準がいろいろ問題になっておりまして、私ども、いろいろ知恵は絞っておりますけれども、今のところはなかなか厳しい状況でございます。申しわけございません。
◆徳永委員 厳しいということはわかっているんですよ。梶原政策監、あなたは国から来ておられますけれども、こういった地理的ハンディーとか、先ほど言われたように2割以上の差が出ると。そうした場合に負担金も大きくなるし、それプラス石の確保、石の運賃等も発生するわけです。そういったことで、農村整備課長が言われることはわかるんですよ、1つ認めてしまえば右へ倣えになって大変なことになると。それはわかるんだけれども、しかし、そういった地理的ハンディーのある、2割プラス、また先ほど言うプラスがあるわけですね。そういったところを幾らかでも、国、県、そして市町が連携をしてやるということも考えていただきたい。というのは、農業政策というのは非常に大事なことなんですよね。そういう中でやろうとしても、そういうことがハンディキャップになれば、じゃ基盤整備はやめよう、ここまで負担をしてまで子ども、後継者に農業をやらせたくないとか、そういうことになれば大変なことになる、このことによって大きなマイナスになるわけです。その辺は国として今後絶対だめなのか。例えば、こういった方法があるということがあれば、方法も考えていただきたいと思いますけれども、その辺はどうですか。
◎梶原農林部政策監 今ご指摘がありましたけれども、長崎県だけではなくて、ほかの県でも、例えば条件が悪くて圃場が狭いので土羽ではなく、例えばコンクリートの畦畔にすれば農地面積がたくさんとれるというようなお話は、私が農林水産省にいた時にもいろいろ地元の声をお聞きしました。ただし、全国一律で基準が決まっていて、その中で会計検査等の問題もあって個別に認めるということは非常に難しいということで議論をしていましたけれども、最近は環境配慮ということもできてきたので、機会があるごとに県としても国の方に地域の実情をお話しして、こういうことは認めてほしいということを繰り返し陳情していくことが必要じゃないかと思っています。
◆徳永委員 これは国策になると思いますから、国の予算が大きな問題になりますと。そこはぜひ国に働きかけていただきたい。今度、自民党政権になって農村基盤整備の予算も増えました。そしてまた、強い農業づくりということをやらなければいけないし、今からTPPの問題もあります。自給率も上げなければならないという中で、そうなればこの基盤整備というのは、耕地面積を大きくして効率性を高める、いわゆる生産性を上げるということ。そして、長崎県は農業県、水産県であります。特に私の地元は長崎県の4割強の農産物を生産している地域です。そこはそこでわかりますけれども、やはり働きかけをしなければ、基盤整備をやる場合に、なかなかまとまらない一つの要因が、そこまでやっても息子に継がせるのはどうなのかという声を聞きます。そういう中で個人の負担率を小さくできるとか、そういったことにも言及していただいて、今後、やる気が出るような政策をしていただきたいと思いますので、その辺はぜひ国へ要望をしていただくようにお願いしたいと思っております。
○西川委員長 ほかに質問はありませんか。
◆織田委員 国政・県政に関する要望書、長崎県町村会会長の一瀬会長から出ております有害鳥獣対策についてであります。ここに書いてあるとおり、充実をしていこうということで、例年の対策に加えて平成24年度に補正予算で改めて加えられていると思うんですが、国の要望に対する現在の国の概算予算を含めていろいろ検討されていると思います。あるいは皆さんも個々に、長崎県としても政府に同じような要望をしているわけですね、財政負担、緩和の問題、あるいはいろんな研究をして生態をよく調べてくれとか、箱なわについての対応の仕方とかいろいろ要望を上げているんですけれども、この辺の取扱いは今どんな状況になっていますか、わかりますか。
◎寺島農山村対策室長 有害鳥獣対策につきましては、国の補助事業、県単の事業ということで対応させていただいております。その中で国の事業費というのが非常に重要な状況でございます。
 毎年、予算の確保については要求させていただいておりまして、来年度の予算につきましては、ほぼ同額が確保できているという状況でございます。
 特に、要件緩和ということで、箱わなの設置等についても、事業者が設置する場合に要件緩和等を要望させていただいておりまして、まだはっきりしたところは出ていませんが、一応検討していただいている状況だと聞いております。
 それから、試験研究等の新しい技術の開発についても、まだ回答はいただいておりませんが、そういったところも検討していきたいと、担当室レベルですけれども、そういったことで取り組んでいただいていると聞いております。
◆織田委員 一定の方向性は、今、話を聞きましたが、もう一つありました。交付金の活用ができるところが3戸以上なので、長崎県は過疎地、島が多いものだから2戸でもできませんかという要請もしていますが、この辺についてはどうですか。
◎寺島農山村対策室長 国の要件とましては3戸以上となっております。県単につきましては、3戸が厳しいということで2戸以上ということでさせていただいております。1戸となりますと個人補助ということになりますのでなかなか厳しいということで、2戸以上を県はさせていただいておりますが、国の事業につきましても導入するところが周辺の畑、農地と一体的に、仮に2戸であったにしても、既存のそういった地区の中で取り組んでいくということであれば、全体的な地区を設定する形で国の条件をクリアできれば取り込んでいこうということで、ケース・バイ・ケースで導入について国と協議しながら進めております。要件自体は3戸ということで、それ以上に緩和されるということはなかなか厳しいですが、事業の導入に際して地区全体という形の中で、個別という形じゃなくて、取りまとめる形で対応するということで進めております。
◆織田委員 平たく言えばできるんですよと。ただ、条件がありますので、条件をクリアしてもらう必要がありますよと、できないということではないということのお話を今聞かせていただきました。2戸以上でもできるとはなっていないけれども、条件付きで2戸でもオーケーだとなっているわけですね。そういう意味合いですね。何か言いにくいような、国が決めることだからね。そういうふうにこちらとしては受け止めて取り組んでいきたいということでしょうから。
 そういうことになると結構幅広く展開が進められるようになるんじゃないかと期待するんですけれども、ところで、今年はどうですか、農業被害といいますか、イノシシほかも含めて鳥獣被害というのはどんな状態ですか。
◎寺島農山村対策室長 平成23年度の被害額が、イノシシだけじゃなくて鹿等も入れた鳥獣全体の被害額が約5億円でございましたが、平成24年度が全体で約4億円に下がっております。イノシシの被害につきましては、平成23年度が約3億9,800万円でしたが、平成24年度が約3億2,800万円と、約7,000万円ほど減少しております。ごくわずかですけれども、少し下がってきておりますので、今、捕獲の方も大体3万5,000頭ぐらいはとっておりますので、その辺を再度、強化をしながら進めてまいりたいと思っております。
◆織田委員 農家の現場に行くと、どこへ行ってもこの話が出てきますので、こうやって強化しているんですよと、毎年対応しているんですよと私どもは言うものの、現実的にはまだ被害が続いているものだから、皆さんにとっては抜本的な対策を求めたいと思いつつも、ともかく減らしていってもらいたいという思いが強いと思います。現実的には国に対する要望が現実として返ってくることが一番でしょうし、お話のようなことであれば例年並み、また、それに加わっていると。同時に補正予算で基金を10億円近く組んでいますね。こういうものが有効に使われることによって、さらに捕獲ができるんですよということもあると思います。この前、新聞に載っておりましたけれども、センサーをつけて誘導して捕獲が確実にできるようにということも進んでいるようです。いろんな展開もあるようですから、できるだけ多くの捕獲ができるように取り組んでいただきたいということが町村会からの要望だと思いますので、これに沿って頑張っていただきたいと思います。
 以上です。
○西川委員長 ほかに質問はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ほかに質問がないようですので、陳情につきましては、承っておくことといたします。
 ここで休憩いたします。
 午後1時30分より再開いたします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午後零時1分 休憩−
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     −午後1時30分 再開−
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○西川委員長 委員会を再開いたします。
 農産加工流通室長より資料の配付があっておりますので、説明を求めます。
◎永橋農産加工・流通室長 皆様のお手元に、午前中に副委員長からご指摘がありました平成24年度の6次産業化サポートセンターのプランナーの派遣状況についてまとめましたので、ご報告させていただきます。
 この表は、各市町ごとに昨年度支援した経営体が何経営体あるか、そして、プランナーの延べ派遣件数をその右に記載しております。ご覧のとおり、全体で174件、そのうち20件を超えているところが1番の長崎市、8番の雲仙市、10番の南島原市、15番の五島市、17番の壱岐市となっております。それぞれプランナーの派遣回数が多いところは、相談している経営体数も多うございます。また、例えば五島市であれば、今年に入りまして2件、6次化の採択があっておりますし、壱岐市でも昨年、1件、採択があっているということで、採択が近まればそれなりにプランナーも数回出して計画の精度を上げるというような作業もあっている次第でございます。
 なお、14番の小値賀町も1団体で4回としておりますが、ここも離島地区で平成25年に入りまして1件、認可された団体があるという状況でございます。
 以上でございます。
○西川委員長 農産加工・流通室長より説明がありましたが、この件に関して質問はありますか。
◆友田委員 県下21市町で18市町しかないものですから、見たら時津町と東彼杵町と我が松浦市が入ってないんですけれども、それぞれないというのは、もともと関心がないのか、ほかに手だてがあるのか、そのあたりはどのように把握されていますか。
◎永橋農産加工・流通室長 関心がないということではなくて、プランナーさんの派遣まで熟度が上がっているのかどうかということが1つあろうかと思います。県北地域ということでは、我々もPR等は平戸市、松浦市、佐世保市、同じようにやっておりますし、そういう意味では時津町、東彼杵町についても同じような状況でございます。我々としても、できれば各市町、21市町それぞれのところに、午前中にネットワーク化ということを申し上げましたが、そういう形で地域で取り組むような6次化ができないかということは今後進めていきたいと思っているところでございます。
◆友田委員 松浦市もそれぞれ特徴的な産品が、メロンとかブドウとかいろいろあって、こういうのをつくるだけではなくて、6次産業化というのは非常に重要な問題ですから、私も地元に帰って、ほかの自治体がこれだけやっている中で松浦市がこういう状況にあるから、もうちょっと問題意識を持ってやった方がいいよということはお伝えしたいと思います。
○西川委員長 ほかにありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 それでは、通告外での質問も許可しております「政策等決定過程の透明性等の確保及び県議会・議員との協議等の拡充に関する決議」に基づく資料についての質問はありませんか。
◆織田委員 直接補助金が出ている中で、2ページ、3ページ、捕獲報奨金の、20番から38番まで載っています。この中にも自治体で抜けているところがありますね。やっていないはずないんだけど、どうしてそこが抜けているのか教えてください。
◎寺島農山村対策室長 随時上がってきまして、また追加で上がってくることになると思います。
◆織田委員 ということは、何月かまでの段階で上がった分ということで、当然ながら、今後上がってくる分もあるので、それは今後加えていくという考えなんですね。どことどこが抜けているんですか。
◎寺島農山村対策室長 今回上がっているのは6月から8月分でございます。事業はやっておりますので、9月以降随時、そういった分は上げさせていただきたいと思っております。(「どことどこが抜けているの」と呼ぶ者あり)今のところ、全部チェックしておりませんので、ほとんどの市町が実施しておりますので、確認をさせていただきたいと思います。
◆織田委員 外れているというのは、そういう意味で。ただ、この時期というのは一番捕獲しやすい時期じゃないですか。後、まとめてくるんでしょうから、それは当然ながら直接補助金として出ると。合算すると1億円ぐらいになりますか。予算の範囲の中で全部やり上げられることになっていくと思いますが、残っている分はどのくらいあるんですか。
◎寺島農山村対策室長 捕獲は今からが本格化してまいります。10月以降、11月、12月、冬場の方がとれやすくなりますので、年度末に向けて増えてまいります。
 枠は、4万1,000頭分で1億250万円です。その分、まだほとんど使っていない状況でございます。
◆織田委員 事情はわかりました。
 あと、ずっと後ろの方に地すべりとか、山崩れ等の防止工事がずっと載っています。これは発注した内容ですから、発注以前の問題で、山、普通の崖もそうですが、財産の譲渡が何代にもわたっているために共有名義となり、この地域を地すべり防止区域としますよという時に、この地域の部分が、いわゆる了解がとれないがために地滑り全体の工事がとまるとか、そういったことはないですか。
◎新見森林整備室長 地すべりに限って申し上げますと、地すべり防止区域の指定に際しては、基本的には県が基本計画をつくり、国へ申請することで指定はできます。ただ、工事をする場合においては、一応、地権者の、所有者の了解を得て仕事をするというふうになっておりますが、工事ができないということは、今のところ、発生していない状況です。
 例えば、家の裏側の崖地に治山工事を施工する場合、保安林の指定を伴って実施するものでありますが、森林の所有者が居住者と異なる場合がありましてなかなか難しいところがございます。こうした問題については市あるいは町と協力をしながら解決しているところでございます。
◆織田委員 なんでこんな話をするかといいますと、急傾斜の工事がなかなか進まなくて、財産を持っている人たちが亡くなっていくと、相続人が多数となってだんだん難しくなっていくということが、当然ながらあるわけです。そういう場合に財産の譲与ができなくても、要するに公的に返さなくてもいいように、急傾斜の場合、仕組みをいろいろ考えてやりやすくするんですね、今度。
 そういう面で同じような形態がこういう分野についても起こり得るかなと、山林も含めて。そういう面で何らかの緩和措置をとって急傾斜、あるいは地すべり地域というものに対して工事が進むような方法を、ある程度時期がたつと考える必要があるのじゃないかという考えを持っているものですから、なかなか発注までに至らないようなものが結構あるかなと思って今確認させてもらっています。もしそういうものがあるのであれば、できるだけ緩和措置をとって工事に乗りやすいようにもっていく必要があるんじゃないかと思っていますが、そういう問題意識は持っていますかどうですか。
◎新見森林整備室長 今、ご指摘があったとおりでございまして、保安林の指定についても、基本的には土地収用法みたいなことができないことはないんですが、それは逆に多くの時間を要する問題がございますので、実態としては、先ほど申しましたように、市町と協力をして解決を図っているというのが現状です。そのために工事が若干遅れている部分はありますけれども、今のところ、そこは何とかクリアをしています。将来的には、そういう強制的な方法も用いたいと思いますけれども、制度的に所有権に係る問題なのでなかなか難しいところがあるのが現状でございます。
◆織田委員 防災とか減災という話が出てきている、行政の中に新しい価値観が入ってきている中で、なかなかそれが進まないがために、そういう危険性がだんだん高まることは避けようと。であれば何らかの緩和措置をそこにつくり上げて、そういうところであっても改良ができるようにしていこうという流れを土木の方はやっているんですよ。こういう分野についても一緒に歩調をあわせて検討いただく必要があると思います。そのために今おっしゃったように市と町と調整するというのはきれいな言葉なんだけど、現実的にそれが進む手だてをぜひ考えていただいて、できるだけ多くの工事ができるように配慮していく必要がある、それは防災・減災につながることですから。そういう思いでおりますので、課題としてぜひ検討いただきたいと思います。
◎新見森林整備室長 今ご指摘があったとおりです。治山事業あるいは急傾斜地事業につきましては、土木部の砂防課と毎年、協議をしながら調整しておりますので、その中でもそういうことに取り組んでいきたいと思います。
○西川委員長 ほかにありませんか。
◆山田[博]副委員長 幾つかお尋ねしたいと思います。
 最初に、34ページの1番に、ため池一斉点検調査業務委託とあって、これは随意契約していますけど、理由を説明もらえますか。
◎林田農村整備課長 ため池一斉点検調査業務委託、土地改良事業団体連合会に随意契約している分でございます。
 ちょっと長くなりますけれども、本事業は、防災・減災の観点から、昨年、会計検査院が国会にインフラの耐震状況等を報告しておりました。そこで国土交通省、農林水産省も含めてインフラの耐震対策が遅れているということで、国の方から緊急に調査をしてくださいとのことで国費100%の調査費が付いております。
 今回、県内の2ヘクタール以上の受益地を持つため池は、離島も含めまして県下で約1,149カ所ありまして、この一斉点検調査を行っております。中身としましては、ため池の堤体諸元、堤体の体積、規模、土質状況、老朽度調査、漏水量の調査、下流の影響調査、そういうものを調査するものでございます。
 今回、土地改良事業団体連合会に随意契約をしている理由としましては、5点ほど理由を付けております。まず、第1点が、この業務は、ため池の関係者の方への協力依頼、こういうことで調査をしますのでお願いしますというような協力依頼。それから、測量に伴って草刈り等をお願いしなければいけないわけでございまして、そういう伐採作業。それから、調査に伴ってため池の落水等が出てきますが、そういうお願いを地元にしないといけないんですけれども、これは行政だけではなかなか対応できないものですから、これを受注者の方にお願いするようにしております。そういうことに対応できるのが、土地改良事業団体連合会の場合、90の土地改良区の会員、それから21市町の会員を持っておりますので、そういう地元に対する信頼性が厚いということで、行政にかわってこういう業務ができるということ、それが1つの理由でございます。
 それから、もう1つが、土地改良事業団体連合会は土地改良法で定められた公益法人でございます。それから、国の土地改良施設管理円滑化事業とか、維持管理適正化事業とか、そういうものでため池等の診断にかなり実績があり、技術力を持っているということで土地改良事業団体連合会に随意契約をしております。
 もう1点が、この調査の中で水があふれた時に下流の影響を調査するようになっております。それには高度な解析ソフトを使いますけれども、国がつくった解析ソフトがございます。その解析ソフトについては、公共団体、それから土地改良事業団体連合会だと無料で使えますので、そういう意味で土地改良事業団体連合に随意契約をしております。
 もう1点が、土地改良事業団体連合会は公益団体ですので諸経費が10%ほど安い状況でございます。金額で申します約500万円ほど安くなるわけでございます。
 こういう理由で土地改良事業団体連合会に随意契約を行っている状況でございます。
◆山田[博]副委員長 私は全然知りませんでした。土地改良事業団体連合会が実力があるというのは今わかりました。そして、国のソフトが使えると、特権みたいなものがあると。もう一つは、経費が安いと。一番最大のことは信頼性が高いということで今回出しましたと。では、今回、こういった事業は初めて土地改良事業団体連合会と随意契約をされたんですか。
◎林田農村整備課長 今回の調査を外部に委託をしたのは今回が初めてでございます。
◆山田[博]副委員長 なぜ私がこのことを質問したかというと、この前、地元に行ったんですよ。そしたら、「山田さん、今度、ため池の調査をしてもらったんですよ。そのために草刈りをしなければいけませんでした」と、「それは大変でしたね」と言ったら、「土地改良事業団体連合会の人たちが来て、『ぜひ協力してください』と言われたから草刈りをしたんですよ」と。ほかのところは、誰がこんなことをするかと、こんな暑いのに。ボランティアでしているんですよ。「ボランティアでするんですか」と言ったら、「土地改良事業団体連合会の皆さん方には大変お世話になっているし、よくしてくれるんですよ」と言われたんです。そして、「ほかの会社が来たけど、それは協力しない」と言っておられました。
 私は何が言いたいかというと、経費は安いわ、技術力はあるわ、こういうことだったらどんどん活用しなければいけませんよ。5つのポイントがあったんでしょう。農林部政策監、あなたも土地改良事業団体連合会のすばらしさを初めて知ったでしょう、東京におったからわからなかったでしょう。
 それで、農村整備課長、こういったところはぜひ活用しなければいけませんよ。私も今日、新たな発見しました。午前中から審議した中で、今日は大変勉強になりました。5つの項目については、私は初めて知りました。
 県議会でも、随意契約はいけないということでいろいろ指摘されております。しかし、全部が全部、だめと言っているわけじゃないんですよ。理由がきちんとあって、県民の皆さん方が納得いくような随意契約だったら問題ないんだから。例えば、林業コンサルタントだってそうなんだから。専門的であって、信頼性があって地域の皆さん方も協力してくれるようなところについては、しっかりやってもらいたいと思うんですよ。ましてや、経費も安いということでしょう。何%経費が安いのか、お答えください、もう一度。
◎林田農村整備課長 諸経費の出し方はいろいろありますけれども、諸経費でいきますと10%ぐらい安くなります。
◆山田[博]副委員長 10%も安いんですか。農林部長、こんなに厳しい財政状況の中で地域の皆さんが協力してくれると、私はびっくりしたんですよ。山手地区というところに行ったら、きれいに草刈りをしているんです。皆さん方、喜んでやってくれているわけです。だから、さっき言ったように、地元の協力体制があれば、これは大いに活用すべきです。
 随意契約が、全部が全部、悪いと言っているわけじゃないんだから。理由がきちんと説明できれば問題ないんだから。農林部においては、堂々と活用していただきたいと思います。それはぜひ検討していただきたいと思います。
 この件ばかり質問していても時間がありませんので、部長、最後に答えていただけませんか。
◎上田農林部長 土地改良事業団体連合会の方には、いわゆる業務委託ということでこれまでも随意契約でお願いしてきている分がございます。過去には設計等もお願いしてきておりました。ただし、他の一般競争入札で可能なものについては移していくということでこれまできております。
 ただ、今回、この事業は新たに国が立ち上げた事業でございまして、この一斉点検調査をするに当たっては、地元への協力の要請をかけていかないと調査自体ができないという特殊な業務でございます。そこが担えるのは土地改良区という会員を抱えている土地改良事業団体連合会が一番スムーズにいけるというのは、これは私たちも随意契約の検討会議の中で確認し合って、その上でここしかないということで今回、随意契約でさせていただいているところでございます。
 そういった意味では、内容に応じてそこは判断しながらしっかりと活用できるもの、そこしかできないと思われるものについては、ご説明をしながら進めさせていただきたいと思っております。
◆山田[博]副委員長 これだけ信頼性の高い団体があるということは大変喜ばしいことです。災害対策の一環として、ため池の調査とか、そういうことは地元の協力なしにはできないわけですから、こうして協力体制が築かれているのであればぜひ生かしていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 これは農林部長が言ったようにちゃんと説明できるようなものだから、それは大いに活用してもらってやっていただきたいと思います。林田農村整備課長、ぜひよろしくお願いします。これは強く要望しておきたいと思います。
 続きまして、78ページに農林技術開発センター農業用ハウス新築工事が出ています。これが失格者が多いんですけれども、これはどうしてか説明してもらいたい。あと、101ページを見たら辞退の会社が多いです。あと、151ページには無効の業者さんがありますが、このことについて大まかに説明していただけませんか。無効とか辞退が結構出ているんですよ。あと、171ページに指名取消とかありますけれども、こういうことについて説明してもらえませんか。
◎松尾農政課長 まず、78ページの農業用ハウスの1工区の関係でございます。農林技術開発センター農業用ハウス新築工事1工区の関係につきましては、昨年からの県議会の議論を踏まえまして、農業用ハウスの入札の関係については、幅広く業者が参加できる仕組みに改善しておりまして、公正性、競争性を確保することとしております。
 今回の工事の入札に関しましては、改善の手続にのっとりまして全体の工期の中で研究テーマごとに作付時期を勘案しながら、28棟のハウスを2工区に分けまして分割して発注したところでございます。
 今お話の1工区でございますが、このいちご用ハウスの13棟は、8月6日に指名競争入札で実施いたしまして、県内業者が15社参加いたしました。その15社のうち1社が超過、7社が失格というふうなことでございます。
 指名競争入札は、ご存じのとおり、積算価格の算定におきましては、事前にランダム係数あたりを使いながら最低制限価格を算定するということでございまして、結果的に失格が多かったというのは、そのランダム係数の変動幅が大きかったということでございます。
 以上でございます。
◎林田農村整備課長 101ページで辞退が1件あっております。課の取組としまして、辞退が連続して2回起きた場合は聞き取り調査を行って、次の入札に参加意向があるかどうかを把握するようにしておりますけれども、今回の分は、まだ1回のみでございますので、聞き取り調査はしていない状況でございます。
 それから、151ページで無効、山田工業(有)でございますけれども、これは通常、入札に臨む時は設計図書をナーク等から取り寄せまして、そこで積算をするようになっておりますけれども、この会社は、それをしないで応札に臨んでおりました。それで入札を一旦保留にしまして、どういう状況かを聞いております。その結果、山田工業(有)の場合、その上にございます(有)橋本組から設計図書をコピーしてもらっている、そういう状況がございました。これは事務員の方が、山田工業(有)の事務員の方と、女性の方ですが、この方と(有)橋本組の事務員の方がお知り合いだったということで、そういう取り決めがあることを知らなくて、社長も知らない間にそういうことをやったみたいでございます。結果的に保留にしまして、そういう聞き取りを行いまして、その結果、山田工業(有)を無効、それから(有)橋本組を不適格にしております。
◎新見森林整備課長 171ページの指名取消は、指名委員会によって指名業者を選定した後に、アイ総合技術(株)が指名停止の処分を受けたために、指名通知の段階で取り消しを行ったものでございます。
◆山田[博]副委員長 じゃ、お尋ねしますけれども、辞退というのは、その年度に2回連続した場合にはそうなるということで理解していいのかどうかということ。
 今の話ですが、そういった場合は個人個人でちゃんと取りに行きなさいということになっているということですね。それで、そういった処分をしたということですね。そう理解していいですか。
◎林田農村整備課長 辞退した場合の聞き取りは連続して2回という取り決めをしております。
 それから、先ほどの設計図書の件は、ナークに申し込みをしてお金を払って設計図書を入手するようになっております。
◆山田[博]副委員長 ナークまで出向いて入手しないといけないのですか。
◎林田農村整備課長 ホームページから入手できますので、ナークまで出向いてする必要はございません。
◆山田[博]副委員長 理解されていなくて処分をしたということですね。わかりました。
 一旦終わります。
◎寺島農山村対策室長 先ほど、織田委員から資料の2ページ、3ページのところでイノシシの捕獲報奨金の件で抜けている市町はどこかという話がございましたけれども、該当するのは2ページの20番から3ページの38番が捕獲報奨金でありまして、抜けているのは五島市、壱岐市、小値賀町でございます。いずれも新規に生息が確認されているということで調査をしているところです。五島市と壱岐市は報償金の申請は、今のところ、予定はありません。それから、小値賀町につきましては、10頭ほど計画をしておりまして、今、内示に向けた手続をやっているところでございます。
 以上です。
○西川委員長 ほかにありませんか。
◆山口委員 単純な質問で申しわけないんですが、34ページの委託番号7、8、9の関係ですが、7、8が基幹農道の伊木力第3地区測量業務ということで、同じ業務ですが、それを、その1、その2で分けて委託契約をしているようですが、ここはどういう仕分けになっているのか教えていただけますか。
◎林田農村整備課長 今年、新規で着工した伊木力第3地区は、今年、測量・設計をするようにしております。1件で出しますと工期的に厳しいということがございましたので、2件に分けて年度内に完成するような格好で出しております。
◆山口委員 ここは新しくつくっていく部分と拡張する部分とあるので、そういう仕分けなのかなという感がしたんですが、そうなんですか。
◎林田農村整備課長 路線までははっきりしませんが、恐らく真ん中で区切って、終点側と起点側の両方に分けていると思います。
○西川委員長 ほかにありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 ほかに質問がないようですので、次に、議案外所管事務一般の事項について、事前通告に基づき質問をお願いいたします。
◆織田委員 それでは、何点か通告しておりましたけれども、最初にミツバチの件を質問させていただきたいと思います。
 前回の委員会でも話題になりまして、ミツバチがなかなか回帰できない、生態がちょっとおかしくなっているんじゃないか。その原因が農薬で、「ダントツ」という名称でよく知られるネオニコチノイド系の農薬によって影響があるんじゃないかということで委員会でやりとりがございました。
 このことはNHKの「クローズアップ現代」で大きく取り上げられました。当然ながら、全国的に放映されたわけですけれども、中身はヨーロッパのEUでこういうことが行われるようになって、いわゆる予防原則ということで、影響があるだろうから、そういうことがはっきりしてからじゃなくて、はっきりする前から予防でやりましょうということで、2年以内でしっかり見直しをすることを含めて取り組みました。そういうこともあって養蜂関係の方、あるいは農業関係の方、あるいは自然体系を監視していらっしゃる方にとっては非常に関心の高いものでございました。
 実は、この中で長崎県が全国にPRした、PRしたというか、最大限に発信したんですね。というのは、全国でやっていないことを長崎県が取り組んでいるという報道でございました。ということは、EUがやっているんだけれども、もっと前からいろんなことを検討しながら長崎が、もしものことがあった場合のことを考えて、お互いに話し合いをしながら取り組んでいこうという、こういうすばらしい「クローズアップ現代」での報道でありました。
 私は、改めてこの内容を見せていただきながら、長崎県の状況を改めて聞きました。そうすると、長崎県は、平成15年からこの農薬をどんどん増やしているんですけれども、心配になってきてからは、現在、ピーク時の66%ぐらいでありまして、ジノテフランというものにかわっております。日本の他の県は、相変わらず3割ぐらい、平成21年、平成22年を比較すると高くて、クロチアニジン関係の農薬が非常に多い。
 私が心配するのは、長崎県は減ったんだけれども、農薬の全体量が減ったというわけじゃなくて、ほかの農薬に移行しているんですね。同じネオニコチノイド系ではあるんですけれども。そうすると、こっちによる影響が逆に出るようなことはないのかどうか。農薬の中身がよくわかりませんのでお知らせいただきたいと思います。
◎江藤農業経営課長 委員お尋ねの件でございます。
 まず、概況を再確認したいと思います。県におきましては、平成21年にミツバチの大量死が発生いたしまして、その原因といたしましてネオニコチノイド系農薬、先ほど委員がおっしゃいましたクロチアニジン、これは商品名はダントツといいますが、これについては一般名で言わせていただきますが、クロチアニジン粉剤の影響も考えられたことから、本薬剤の使用の多い水稲栽培におきまして代替可能な農薬を使用するように指導いたしまして、産地では使用の自主規制をいたしました。また、柑橘におきましても、開花期でのクロチアニジン水溶剤の使用を自粛しているところでございます。
 先ほど、委員おっしゃいましたけれども、この成果といたしまして、クロチアニジンの長崎県におきます出荷量につきましては、平成23年は4トンということになっておりまして、産地での使用自粛規制を決めました平成21年の134トンと比較しまして97%減の3%の出荷量となっております。
 全国的には、先ほど委員がおっしゃいましたけれども、平成21年の4,314トンから平成23年は5,637トンとなっておりまして、約3割増となっております。委員お尋ねの同じネオニコチノイド系のほかの剤にかわっているじゃないかということでございますけれども、ネオニコチノイド系農薬そのものも、長崎県におきましては平成23年と平成21年を比較しまして66%、約3割以上減っております。
 それと、クロチアニジンは、先ほど、3%になったということを申しましたが、ジノテフラン、商品名スタークルにつきましてはニトログアニジンという同じ系列のものでございますけれども、経口毒性につきましてはクロチアニジンより影響が低いということになっております。しかも、ジノテフランを使う時期につきましては、カメムシ防除ということで使いますが、稲の開花期をずらした使用ということでしているところでございます。
 また、先ほど、ネオニコチノイド系農薬につきましては3割以上減っているということで、ほかの作用機作が違う商品で栽培暦等変更しておりますので、そちらの方も徐々にほかの代替薬剤にかえているということでご理解いただければと思っております。
◆織田委員 こういう取組が長崎県は連絡協議会を持ちながら、農業関係者の方、養蜂関係の方たち、また、行政の皆さんがお互いに連携を取りながら、できるだけ自分たちで生態系を守ろうと、また、時期をずらしてというお話がありましたけれども、使い方を検討しながらやっていきましょうということで取り組んでいらっしゃることはすばらしいことだと思います。こうした取り組みがこれから全国に広がっていくんだろうと思います。
 そういう面で、この連絡協議会のもっていき方、また、これから取り組む内容というのは、全国に発信してくる内容になってくるかと思っていますので、きちっとした体系と、一つ一つ、連絡協議会の中でどういうテーマを上げて、どういう措置をしたかということは、ある面、全国に発信していいんじゃないかと私は思っていますけれども、そういう考えはありませんか、どうですか。
◎松永畜産課長 ミツバチの連絡協議会については、畜産課で事務局を持っております。先般、7月12日に協議会を行ったところでございます。その協議会で検討した内容等につきましては、県のホームページ等で公表いたしておりまして、その取組状況は全国に発信できるような形で進めているところでございます。
◆織田委員 どこでも悩んでいること、また、どうしたらいいかわからないこと、あるいは先例として取り組むことについては、長崎がこういういいことをやっているということは、長崎のイメージアップにつながるわけですから、ぜひ発信していただいて、大いにそれを取り入れて、ミツバチを守ることと同時に農業も、あるいは養蜂もお互いにいい方向に進むんだと思いますので、ぜひこれからさらに深めていただきたい、こう思います。
 それから、給食の件で提案しておりました。実は、地産地消ということを法律で、先ほどの6次産業ではありませんけれども、進めるようになってきて、できるだけその地でとれたものは、その地で使っていこうという動きが強まっております。
 その中で学校給食ですけれども、現在、学校給食で農産物、畜産物が何%ぐらい使われているということは報告できますか。
◎寺島農山村対策室長 本県の学校給食におきます県内の県産品全体の使用の割合の現状ですけれども、教育庁での調査結果によりますと、平成24年度で71.7%と前年度より2.4%増加しております。特に、米や牛乳については100%、みかんについては99%、農産物全体では58.7%ということで、前年度より4.3%増加している状況でございます。
◆織田委員 地産地消の取組が強まっている中、全国でもいろんな工夫をしています。法律ができて、なおさら地産地消を進めなければいけないということで、言葉は悪いですけれども、一番手ごろといいますか、取組を集中してできるのは学校給食だろうと思います。
 私は、この前、徳島県に行ったんですけれども、100%使おうということで目標を明確にして、100%使うぞと。では、100%使うためにはどういうメニューが要るのか、どういう開発をすればいいのか、どういうつながりをつくればいいのかということを逆に設定しながら、上げていくんじゃなくて、100%だぞというふうにしてはっきり目標を定めて、その推進のための予算措置とネットワークをつくってやろうということが進められております。これは、農産、畜産、あるいは水産県である食料自給率の非常に高い長崎県ですから、できないことじゃないというように思っているんですけれども、こういう取組について他県がこういう進め方をしているんだけど、長崎県も一緒になって取り組む意思はありませんか。
◎寺島農山村対策室長 県産品100%の給食メニューの開発につきまして、徳島県で平成25年度に事業費300万円の範囲で県内の3〜4カ所でモデル的に給食用の新メニューの開発を進めていると聞いております。
 本県におきましては、農家が生産した農作物は農協などの団体や農産物直売所、食品加工業者などを通して学校給食用に供給されておりまして、比較的規模の小さい農家も含めてこの取組に参加しているところであります。
 本県の取組ですけれども、本県におきましては、ながさき地産地消推進事業の中で学校給食等県産物供給事業を現在実施しております。これは学校給食会とか漁協、それから農協などが行います給食用の商品開発、あるいは県産品を利用した献立の作成、それから食育活動に対する支援を行っておりまして、県産品を幅広く活用した給食メニューの開発の支援をしております。長崎県も徳島県に負けないように、学校給食の自給率を上げていきたいと思っております。頑張っていきたいと思っております。
◆織田委員 そうですね、ぜひ頑張ってもらいたいですね。水産部の審査でも言ったんですけれども、おっしゃったように水産物についても開発を進めて、報告だと200〜300万円でしたか、予算を組んでいるということでした。それはそれで進めているということはわかります。
 そうやって1〜2%、3%ずつ上がっていくんじゃなくて、100%やりますよというメニューがここの地域でモデル的にできないかとか、そういうことをまずやってみたらいかがかと思うんですよ。100%という目標を達成していくための開発というのは、どういうことがこの地域でできるのか。徳島県はそういうモデル地区を設けて、そして、100%の開発を研究しているわけです、そして実現をしようとしています。そういう取組の手法の方が、即、地産地消の法律に合うんじゃないかと。今までのように予算措置はとったとしても、それはずっと何年か先になるかもしれない。それよりも100%やるためにはどういう問題があるかということを明確にしてやった方が事は進むと思います。そういう意味でモデル地区を決めてやってみたらどうかなという提案をさせていただいているんですけれども、農山村対策室長の説明はわかりましたが、農林部長のところで、学校給食だから教育委員会もある、ほかのところもある、しっかり100%ということを取り組む検討会を設けてもらいたいんだけど、お伺いいたします。
◎上田農林部長 学校給食につきましては、私も体育保健課長ともかなりやりとりをしている経過がございます。基本的な考え方は同じ思いで進んでいるところでございます。ただ、現実的に、いわゆる米飯給食、パン給食が非常にネックになっております。これは単に学校給食費の価格だけではなくて、そこの手間暇、体制の話にまで及ぶ問題でございますので、そこが思いっきりまだ乗り越えられないところでございますけれども、従来、週2.5回ぐらいの米飯給食がもう3回と上がってきております。ここには一定の、いろんな体制の理解も必要だろうと思っております。ただ、先ほど徳島県の事例を委員からご紹介がありました。教育庁と一緒に、その事例を1度、私たちも勉強させていただきたいと思っております。それを踏まえて現実的な動き方をどうするかということを本県では歩ませていただきたいと思っているところでございます。
◆織田委員 次に、諫早湾干拓の問題です。この前から阻止行動といいますか、活動をやりながら、県議会農水経済委員会としても、この諫早湾干拓の国の工事に対しては一定抗議運動をしてまいりました。これからもその意思は変わらない状況で、今、国に対しても意見書を出したり等取り組んでおります。これは行政と同じスタンスでずっと取り組んできているので、このまま11月の段階までこうやっていくんだろうと思っています。それはそれで長崎県としての意思表示を明確にしながら裁判の結果を待ちたいと思います。
 もう一つ、ここのところ、いろんな方たちから、この前、佐世保市で県政懇談会があった時に、「なんで知事は諫早湾干拓で国に反対するんですか」と、「こんな、国に対して反旗を翻していいんですか」と、素朴な県北の人の声がありました。それに対して当然ながら参加した県議会議員の中から、「いや、そうじゃなくてこういうことですよ」ときちんと理解を求めるように話をして、「そうであればそういうことですね」ということで一応理解をされたような感じがありました。
 ただ、あれは素朴に全体的な話だと、ある面。直接、諫早にかかわる方たちはそうじゃないかもしれませんが、県北の皆さんには、やっぱりテレビで映るものというのは、ああいうふうにしか伝わらないのかなと、こう思っています。
 私たちは県議会として、防災の面とかいろんな面を考えたら、どうしても今の状況は許せないと、国がこうやって進むことに対しては絶対理解できませんよという行動を起こしているわけだけれども、県民の中にはそうじゃないという声がかなりあるんじゃないかという気がいたしました。
 これは活動する上で、そういう取組、そういうやり方一辺倒で今やっていることだけでいいのかなという思いが若干しています。
 例えば、全くあれですけれども、諫早湾干拓の問題は、佐賀県と熊本県と福岡県と長崎県とスタンスが違います、もう全然違います。先ほどご説明いただいた内容を見ても、皆さんが言うとおりですよ。付箋を付けていますけれども、海水淡水化に対しても何に対しても納得がいかないことばっかりです。
 ただ、佐賀県の方からはいろんなアプローチがあっていたんですね。これは今年の7月頃ですか、要するに佐賀県は開門を早めなさいという意見があった。だけど、それができなければやむを得ないという話があったけど、対話の糸口を求めていこうという佐賀県の意欲もあるんじゃないかというふうに思うんですけれども、対話をしていこうという長崎県のスタンスは今のところとっていない。この裁判が終わったらこういう話も当然ながら一つの選択肢として考える必要があるのかなと、こういうふうに思っているんですけれども。
 そういう中で、1つだけ具体的な、こういう話をしても、今行政がやっていることをやっていくしかありませんよという答弁しか返ってこないと思いますので、対話の手がかりが何かないかということに対しては、皆さんから発信されるものは今までありませんでした。今もそういう考えでいますか、どうですか。
◎上田農林部長 私どもは地元も含めまして、いわゆる国の考え方、開門を決められたのは国でございますし、対策を実施されるのも国という立場になります。もともと国営諫早湾干拓事業でございますので、これは地元と国と一体となって進めてきた事業でございます。
 そういった意味で、国の開門判決を受入れた時点から、繰り返し、国に対して疑問点、問題点、対策の不備なところを本当に105項目にわたって何回も何回もお出しをしてきております。
 そういった意味では、事業実施主体に対して私たちは、そういう地元が抱えている課題というのを具体的にお示しをして、国の対応の見直しをお願いしてきているというのが現実問題でございます。そこの部分を国の方がしっかりと受け止めていただかないと、これはあくまでも開門義務を負っている国、事業実施主体である国が、地元に対してその事業を実施することで影響が及んでまいるわけですから、そこのやりとりをこれまでの間ずっとさせていただいたところでございます。そこがなかなかまだ対応を見直していただけない。そういう中で現状に至っている。なおかつ、地元住民の方々は、もう訴訟に訴えるしかないということで動かれている。そういう中で現在対応させていただいているところでございます。
◆織田委員 私も、行政がやっていること、私たちがこうやって活動していることに対して、何ら違和感はないんですよ。ただ、冒頭に言いましたように、県北の皆さんの声、あるいは県民の皆さんの声の中には、先ほど言ったような「どうして」という思いを持っていらっしゃる方が多いと思う。そういう中でさっき言ったように「国営だから国ですよ、国ですよ」と言い続けているだけでいいのかということは、やっぱり県民は、そういう面で行政として何らかの手がかりがないのかと、そういうことばっかりじゃなくて何か手がかりがないのかということを期待していらっしゃるんだと思う。
 そういう中で、有明海の再生ですよね、目的は、大目的は有明海の再生ですよ。特別法があって、各県がお互いにテーブルに集まらなければならない機会というのはないんですか。有明海再生のために国が一応音頭をとって、各県が集まって何らかの協議をするという場はないんですか。
◎加藤農林部次長 この開門問題とは別と申しましょうか、もともとの経過を申しますと、平成20年に佐賀地裁の方で開門判決が出ました。その当時は自民党政権でございましたけれども、それにつきまして、控訴するかわりに、一方で開門問題を含めて今後の方策につきましてはやはり科学的な知見をもとに判断していかないといけないということで、環境アセスをやりましょうということでございました。
 その一方で、平成14年に短期開門調査も行いました。その後、平成15年に中長期開門調査をやるかどうかということも検討をいたしました。そういった中で、当時の亀井農林水産大臣だったと思うんですけれども、これについては中長期開門調査の検討会議の中で専門家の先生たちから、これは開門したとしても、有明海の海象とか事象とかそういうのが複雑で、開門の影響を抽出できない、あるいは対策をとっても相当な時間と対策費がかかるということで、そういう報告を踏まえまして、中長期開門調査はやらないと。有明海特措法に基づいて再生を図っていく、そういう2つの方針がございました。
 そういうことを受けまして、有明海につきましては農林水産省が主管でございましたけれども、有明海湾岸の漁業者の方たちが集まっていただいて、有明海特措法の進め方、有明海の再生をどうやってやるのか、そういう話し合いの場というのが実は設けられておりました。それと環境省のもとに、有明海がどういう状況にあるのかということを今後調査していこうということも設けられておりました。
 そういうことをやられておりましたので、私どもも、そういうことをしっかり科学的な部門を含めて再生の道筋を示していくのが本来の筋ではないかということを含めて要請活動を行っていたところでございました。それが開門判決によりまして、開門するのが前提なんだという話に変わってしまったというのが実情でございます。
◆織田委員 そこは残念だね。自公政権の前の政権の時に、環境大臣は公明党の斉藤鉄夫さんだったんですよ。その時に諫早湾干拓の問題で陳情に行きました。それはもう相当その時に大臣に話しました、アセスメントを出してくださいと、アセスメントの結果が出ない限りは開門なんてあり得ませんよと。それはもう必死に藤井副知事と江口県議会議員と一緒になって、斉藤鉄夫さんに踏みとどまってくださいよと、そうやってものすごい勢いで大臣に物を言いましたよ、あの時は。そういう思いで取り組んだんですね。ところが、おっしゃったように突如として、こうやって開門となってしまった。そっちにいってしまった。本当はここの大目的は有明海再生ですよ。そのために予算ももっとつけていこうと、そういう流れを積み上げていたけれども、それが壊れてしまった、今のお話だと。
 だけど、何か手がかりがないかなと、こういうところから手がかりを見つけて話し合う。先ほどの皆さんのデータを見ても、ノリがとれなくなったわけではない、ノリはとれている。逆にノリの影響で貝が少なくなっている可能性も十分にある。佐賀大学で去年か一昨年か調査をした時に、諫早湾干拓の関係かどうかわからないと、佐賀県の方でやってもそういう結果が出ている。
 そんなことを思うと、私は、もう一回、この有明海再生というところから集まっていただいて、11月まではともかく今の流れでいきますよ、当然ながら。だけど、その後の流れの中に何らかの手がかりがあるとすれば、こういったことを通しながらきちっと科学的に判断をしていくということの仕組みをつくらないと、そこに戻らないと、延々とずっと引っ張らなければいけなくなる、裁判で。そんなことは、行政はしてはいけないと思います。答えを聞けますか、どうですか。
◎加藤農林部次長 私どもも最終目的は有明海の再生だと思っております。
 ただし、経過を申しますと、平成22年の開門判決について菅総理が上告を放棄したために確定をしてしまいました。それ以前の段階で申しますと、実は、長崎県の方で、佐賀県からお見えになった県議会の皆様方とか、あるいは漁業者の方たちに長崎県の実情をご説明するという機会もございました、あるいは有明海再生の面で佐賀県の知事と長崎県の知事とが話し合う機会もございました。
 ところが、平成22年の開門判決が確定した後、やはりどうしても判決が前提になってしまいます。話し合いになると、開けることが決まっていると、それを前提として開け方の話をするんだということにしかなりません。
 そういった中で協議をするとすれば、今、国が示している開門対策は不十分なままの対策でございます。そういった不十分なままで、地元に被害が出ることが明らかな中で話し合いということは、地元は到底納得できないということでございます。そういった前提条件がある中では、なかなか難しいんだろうと私どもは思っております。
◆織田委員 まだ議論したいんですけれども、一番最初の話に戻しますと、県民にそういう声があるということも受け止めながらどうやって理解していただくか。余り難しい内容じゃなくて、県民のため、諫早のためにこうやって私たちは取り組んでいるんです。防災上こうなんですということをわかりやすくテーマを絞って県民の皆さんに、できるだけ統一した意思が得られるように県政としては取り組む必要がある、こう今の段階で思います。裁判が終わった後はわかりませんよ、これは。
 以上、終わります。
○西川委員長 ここで10分間程度休憩します。
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     −午後2時35分 休憩−
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     −午後2時46分 再開−
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○西川委員長 委員会を再開します。
◆織田委員 先ほどの諫早湾干拓の問題で、私はちょっと微妙な発言を、今、皆さんと一緒に行動している身ですから、あるいは行政と一緒になって抗議運動をやっている身ですから、当然ながら、現在、県がやっていること、あるいは議会がやっていることを否定するものではありませんよ。今の行動を一体になってやらなければいけないという思いで話をしたことでありますので、お間違いのないように受け止め方をしていただきたいと思います。個人的な話をちょっとしたかもしれませんが、全面的に一緒になって現況の取組を推進しなければいけないと思っています。ただ、今までの経過の中に非常に不自然なものがあったという意味でお話をさせていただいて、これから先のことについては、これから先、考えることです、当然ながら。ということを前提にしてお話をさせていただいたことですから、誤解のないようにお願いしておきたいと思います。
◆山田[博]副委員長 織田委員が今言われたことは、大変大切なことなんです。私も実は地元で言われたんですよ。織田委員の質問が終わった後にでも委員長にお願いしてお話ししようと思ったんですよ。私もこの前地元に行ったら、織田委員と全く同じことを言われました。「山田先生、長崎県が言っていることはわかっている。しかし、よくわからんところもあるんですよ」と言われて、私が、「農業、漁業の問題もさることながら、諫早に住んでいる方々の飲料水の問題も出てくるんです」と説明したら、知らなかったんですよ。
 だから、農林部長、織田委員が今回言われたことは、農水経済委員会としても大事なことだから、私たち農水経済委員会が、委員長、副委員長と委員の皆さん方で寄ってたかって国とけんかしているのかと言われて、誤解を招いたと思って私は反省をしておったわけですよ。
 今日はいい機会だったから、織田委員がああいったことを言われて、織田委員が言われたことはごもっともだから、委員長、できれば委員会として、農林部長、今回のことはもうちょっと県民にわかりやすく、ポイント、ポイントでわかりやすく、「県民だより」とか、現況はこういうふうになっているんですということを改めて新聞とかテレビとか何かで意見広告をして誤解を招かないように、織田委員が言ったことは本当だから。織田委員もおっしゃるように、委員会としては今までずっと諫早湾干拓開門の、これは農業、漁業だけではなくて、諫早市民の方に対して生活環境に大きな影響を与えるわけだから、そういった意見広告を出すなりしてもらいたいと思うんですよ。
 それは織田委員もそういった思いがあって、誤解があったらいけないということでああいった発言をされたのでしょうから、それについて農林部長、織田委員の意見も踏まえて何か見解を聞かせていただけませんか。
◎上田農林部長 先ほど次長の方から、平成20年以降の経過の問題点等も説明をいたしたところでございます。私の方からは、具体的な問題点、意見を繰り返し国に出してきたということをご報告させていただきました。
 そういう中で、これまで国がとられてきた対応あるいは見解、こういうことも踏まえますと、開門そのものに意義を認めることができないと思っております。地元に被害が一切生じないような対策を講じることが本当に可能であるのか、この間の国の見解、対応を見ました時に非常に疑問を感じております。そういった意味では、引き続き開門方針の見直しを含めて、国に対しては対応の見直しを求めていかなければいけないと思っております。
 このような状況につきましては、本年8月の「県民だより」にわかりやすく載せさせていただいたところでございます。これは6月に国の方に意見書を提出させていただきました。その意見書で具体的な問題点を指摘して、国に対応の見直しを求めてきたところでございますけれども、なぜこのような対応をしなければいけないのか、その意見書の内容というのはどういう内容なのか、わかりやすくそこは広報という形で県民の方々にもお知らせする必要があるということでさせていただいたところでございます。
 まだまだ不十分なところがあろうかと思っております。そういった点につきましても今後、広報を含めて対応はしっかりととっていきたいと思っているところでございます。
○西川委員長 私からもそういうことで、県民にわかりやすいような周知、なぜ県が、また地元が反対しているのか。それと諫早湾干拓の必要性、そういうことを、8月号の「県民だより」も確かにわかりやすかったと思いますが、できれば小中学生、高齢者の方にもわかるように、さらによろしくお願いしたいと思います。
 それでは、次の質問に移ります。
◆溝口委員 今、諫早湾干拓の開門問題についてるる述べられましたので、その方から質問をさせていただきたいと思っております。
 今回、先ほど言われましたように、諫早湾干拓事業の開門問題について、去る6月12日に林農林水産大臣に対しまして、開門のいろんな問題点と対策について100項目に及ぶ意見書を出しておりますけれども、その回答が先月20日に来て、九州農政局のホームページ等にその答えが公表されております。このことについてるる説明があっておりますけれども、この回答に対して、今後、県としてはどのような見解をもって対応していくのか、お伺いしたいと思います。
◎宮崎諫早湾干拓課長 県の意見に対します国の見解に対する県の考え方についてのお尋ねでございますけれども、まず、8月20日に国が示しました見解でございますけれども、これは一見しただけでも依然として多くの課題が残されたままとなっております。
 例えば、開門の時期につきましては、まず、本県、地元から開門することが有明海の再生につながる科学的根拠を示していただきたいと繰り返し申し上げてきたところでございますけれども、依然として示されないままであります。
 また、そればかりか、今回の開門の目的につきましては、「漁業の再生産の可能性を調査するというよりも、排水門の開門に伴う環境変化を把握するため」という見解が示されております。このことは有明海再生を目指すというもともとの国の目的が一体どうなったのかと言わざるを得ないというふうに考えております。
 さらに、国は、この諫早湾干拓事業と有明海及び諫早湾における漁獲量の減少との因果関係を認めるものではないと、そのような見解を示されておりますけれども、因果関係がないのであれば、なぜ開門調査を行うのかという、まさしく開門する意義があるのか、ますます疑問が生じているところでございます。
 さらに、防災面につきましては、今回、国は常時閉門し、管理する樋門の数を16カ所と言っておりましたけれども、それを21カ所に増やすとの見解を示されております。しかしながら、地元からは、管理すべき樋門・樋管の数は約300カ所あるということを繰り返し指摘しておりますので、それに対する回答というのは依然として見直されていないということでございます。
 それと、農業面につきましては、農業用水の確保対策といたしまして示されております海水淡水化施設につきましては、現地の実証試験とか環境アセスの実施を求めてきたところでございますけれども、国は室内試験により濁りの低減が可能であると、そのような見解を示すのみでございまして、依然として実証試験というのは実施されておりません。
 それと、漁業面でございますけれども、国は、緩やかな排水門操作、それと排水門の前に汚濁防止膜を設置するという案を示されておりますけれども、それだけでは漁業被害というものを防止できないことを具体的に指摘していたわけでございますけれども、依然として漁業被害を防止できる対策というものは示されていないところでございます。
 県の見解は、一見しただけでもこのような問題があるということでございまして、これに対しまして本県といたしましては、この国の回答内容につきまして現在整理を行っているところでございます。改めて国の見解のこの問題点につきまして意見書として提出をいたしまして、開門の意義とか万全な事前対策が示されないのであれば、やはり開門を白紙の段階から見直す必要があるということを訴えてまいりたいと考えております。
◆溝口委員 県の考え方としてはわかるんですけれども、今後の対応について、先ほど織田委員からも言われましたように、反対、反対ということで地元と一緒になって今やっているんですけど、私は地元のことを考えたら、やはり私たちの立場としてはやっていかなければいけない部分だと思っているんです。
 ただ、今回の国の対応については、事業を進めていかなければいけないという大義名分が今のところあるんですよね。だから、それについてこれから地元と一緒になって今の行動を続けていくような形をとっていくのかどうか、県としての考え方を聞かせていただきたいと思います。
◎上田農林部長 県の立場としましては、一方的に国が受け入れた判決の履行に伴って、裁判に関係のない地元住民の生命・財産に影響を与えることはあってはならないと思っているところでございます。
 そういった意味では、現在、対応の見直しをしっかりと求めているところでございますので、同様にこれは続けていきたいと思っております。
 先ほど諫早湾干拓課長が申しました、この国の回答に対する主な問題点は、もう既に国の方には抗議書の中にそれを盛り込みまして、国にわかるように伝えております。私たちは一方的にいろいろするのではなくて、国に何が問題かということを絶えずお伝えできるようにしながら現在対応の見直しを求めているところでございますので、こういう動きは引き続きあらゆる機会をとらえてさせていただきたいと思っているところでございます。
◆溝口委員 わかりました。
 ただ、今、抗議文を提出しているということですけれども、それに対する回答というのはまだ来ていないんですか。
◎上田農林部長 この抗議文は、国から回答が示された8月20日から3日も経たないうちに国が地元説明会を一方的に開こうとされました。それと追加の対策工事の発注を行われました。これは地元の理解を得ることなく次の準備に入っていこうということでございます。そういったことにつきまして抗議を当時させていただいたところでございます。そこにしっかりと問題点を盛り込んでやらせていただいたところでございますし、先般のそういう抗議にもかかわらず工事に着手されようとしたことに対する抗議につきましても、申しましたような問題点について、国・農政局に出向いてしっかりとお伝えをしてきたところでございます。
 あらゆる機会をとらえてこういう課題の申し立ては行っていきたいと思っているところでございます。
◆溝口委員 わかりました。ぜひ地元の方々が安心するまでは、その抗議はずっと続けていかなければいけないと私は思っております。
 しかしながら、このことについて先ほどの説明の中では、今年の11月12日の開放差し止め仮処分の判決が関係すると思うんですけれども、その時に、もし勝てばこのような形で仮処分の決定の方を強く要請していくことができるんですけれども、もしということがあるかもわからないと私は思うんですよね。そのことについての考え方はどのように、今のところは絶対に勝てると、そういう自信になっているんですか。
◎上田農林部長 その決定がどう出るか、出たことに対してどう対応するか、まさしくこれは仮定の話になってこようかと思います。現時点で仮定の話についてはなかなかお答えはできないと思っております。
 ただ、地元の方の意向としましては、しっかりと問題点が解決されない以上は、法的措置も含めて、次のステップも含めて検討していきたいという考えをお持ちでございます。
 そういったことも踏まえながら、地元と一緒にご意見を聞きながら考えていかないといけない。12日の決定の内容を精査する必要があろうと思っておりますので、仮定の話についてはなかなか現時点ではお答えにくいということでご了承を賜りたいと思います。
◆溝口委員 わかりました。そうですね、仮定のことについて話はできないとは思うんですけれども、それならば県としては、これに絶対に勝つような体制を整えていかなければいけないと思うんですよね。
 だから、弁護士の方々がついていると思うんですけれども、それにつけてもやはり強硬に開門についての問題点というものをこちらの方から積極的に明らかにしていかないといけないと思うんですよ。そのことについてはぜひ強く要望していただきたいと思っております。
 それから、入植の問題ですけれども、6月の委員会においても入植状況についての説明は受けたんですけれども、その時に11ヘクタールがまだ保留になっているということでしたけれども、その貸し付けについては現在どのような状況になっているのか、説明をお願いいたします。
◎宮崎諫早湾干拓課長 6月の委員会におきまして入植状況についてご説明したところでございますけれども、11ヘクタールが保留となっているということで、その後の貸付状況等についてのお尋ねでございます。
 まず、保留とされておりました11ヘクタールのうち、中央干拓地の5.3ヘクタールにつきましては、前借受者が当該農地に設定しておりましたハウス等の売買契約手続が完了いたしましたので、貸し付け決定がされ、利用権が設定されたところでございます。
 残りの小江干拓の5.7ヘクタールにつきましては、平成24年度までの入植者から、排水性とか土壌に問題があると、そういうふうなお話もあって、さらに今年度からの新たな借り手がなかったことから、現在、貸し付けは行っていない状況でございます。
 それと、小江干拓地の5.7ヘクタールにつきましては、排水性の低下の原因とか、土壌の経年変化等を調査する調査圃場として位置づけまして、現在、調査を行っているところでございます。
◆溝口委員 それでは、入植の状況は、5.7ヘクタールですから、ある程度リース料関係については支払いができていくものとは思うんですけれども、70年間の支払いになっているんですよね。それで、5.7%とか、そしてまた、リースの未納などを勘案した時に、70年間で完全に払っていけるのかどうか。長い期間なので私なんか生きてないんですけど、その辺について県の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
◎上田農林部長 この新干拓地のリースの償還のスキームは70年になっております。現在、6年目で更新をして進めているところでございます。
 このことについては、昨年来の農水経済委員会でのご議論、ご指摘も踏まえながら、まずは営農指導、技術指導、販売指導、こういったものを営農者の方々にしっかり行いながら、リース料の安定的な確保を行っていく。
 なおかつ、どうしても滞納というのが出てくるとしますれば、そこの部分につきましては公社の債権管理規程に基づきまして、しっかりと債権保全措置をとっていくということで現在行っているところでございます。
 70年という長期になりますけれども、そこに滞りが出ることがないよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
◆溝口委員 今までの契約の中で懸念対象になってきた圃場のリース料の未納に対しては、今、どのくらいの金額になっているんですか。
◎長岡農地利活用推進室長 諫早湾干拓地のリース料の滞納の状況でございますけれども、9月24日現在のリース料の未納額は、5経営体で合計約2,312万6,000となっております。
 内訳は、再利用の利用権設定をされなかった3経営体と再設定をされました2経営体、合わせて5経営体でございます。
◆溝口委員 現在、5件で2,312万円ということですけれども、やはりこのリース料については完納してもらうように努力をしていかなければいけないと思うんですけれども、そのことについて先ほど言った支払いが大丈夫なのかと。その辺、どうしても70年間というのが余りにも長いと私は思うんですけれども、それが70年の間にこのように少しずつたまっていったら、やはり完全に支払うことができないようになるんじゃないかと、そういう気がしてならないんですけれども、そのことについての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
◎上田農林部長 これはリース料が長期にわたって滞納ということになりますと、委員ご指摘のとおり長期的な管理に支障を来すということはもう間違いございません。
 そういった意味では、債権管理規程に基づきまして滞納が長期化する場合には、いわゆる契約リースの解除、契約の解除、こういったことも法的措置もしっかり盛り込んでおりますので、そこの中でリースの長期的な維持に支障がないように債権管理を行っていきたいと思っているところでございます。
◆溝口委員 わかりました。滞納する人たちは、支払いがきつくなるような経営状態だろうと思います。だから、先ほど言った営農指導ということがものすごく重要になるし、そして、そのリース料を回収していくためにもよい営農をしていかなければいけないと思っているんですけれども、県としてはどのような形で回収していこうとしているのか、聞かせていただきたいと思います。
◎長岡農地利活用推進室長 対応状況でございますけれども、撤退者のリース料の未納者につきましては、これまで債権管理規程に基づきまして、文書、電話、訪問での督促を繰り返しまして回収に努めてまいりましたが、残念ながら、残が残っている状況でございます。
 ただ、この3経営体のうち1経営体につきましては分納されておりまして、わずかな金額の残になっているところでございます。
 また、残りの2経営体につきましては、法的措置も含めて弁護士等と今相談を行っているところでございます。
 また、再利用の設定をされました2経営体につきましても、債権管理規程に基づきまして督促状の発出、催告状の発出、対面による催告を行っております。直近でございますけれども、1経営体につきましては、9月25日に対面での面談を行いまして、9月30日に支払計画書の提出があったところでございます。
 今後も引き続き強くリース料を支払うように求めてまいりたいと考えております。
◆溝口委員 わかりました。ぜひリース料の回収に努めていただきたいと思っております。
 それで、諫早湾干拓の圃場を使っている方々がうまく経営できるような指導もしていかなければいけないと思っておりますので、先ほど言われました指導についてどのように考えていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
◎上田農林部長 今回の入植者の方々の契約の更新に当たりましては、経営診断士、あるいは農業の技術的な専門家、あるいは販売面の専門家、そういう方々に診断を行っていただきました。その診断結果を入植者の方にもお返ししておりますし、そういう診断内容をもとに県の営農指導センター、それから農業振興公社、いわゆる県と公社で営農指導を、そこに基づきながら行っているところでございます。
 具体的には、営農の品目の転換も必要になってこようという場合もございます、あるいは肥培管理の工夫も出てこようと思っております。そういったことやってしっかりと収益が上がるようなやり方、あるいは新たな加工業務用等の販路の紹介、こういったものも行いながら、営農指導をする一方で債権管理保全もあわせて行っているところでございます。引き続き努力してまいりたいと思っております。
◆溝口委員 ぜひ引き続き努力していただいて、そして、諫早湾干拓を利用している方々がぜひ営農で立っていけるような、そういう経営体のあり方を指導していただければと、このように思っております。
 それから、長崎和牛の消費拡大対策についてですけれども、昨年度の全国和牛能力共進会によって大変すばらしい成績をおさめてきたんですけれども、その後の取り組みは、いろいろ長崎フェア等、それぞれ首都圏あるいは関西などで行っているんですけども、どういう取組をしてきたのか、それと、その成果についてぜひ聞かせていただければと思っております。
◎永橋農産加工・流通室長 まず、昨年の全国和牛能力共進会後の取り組みでございますけれども、早速、終了後すぐ補正をお願いいたしまして、肉牛の部で日本一をとったということで、私ども、それと物産ブランド推進課の両方で大規模なPRをやりました。現在もやっておりますけれども、具体的には、まず知ってもらう、認知をしていただくというところでは、目立つところに「長崎和牛」という看板、そういうものを置く必要があるということで、現在、羽田空港のモノレールのターミナル駅、それから、京急の品川駅と羽田空港駅なんかにも設置をしております。あわせて、雑誌とかJALの機内誌、そういうものでもPRをしております。
 その一方で、今度は食べてもらうということも必要ということで、都内、関西圏のデパートとかスーパー、量販店等での試食、そういう取り組みもしているところでございます。それとあわせまして、実際に買って食べていただく、肉を買ってもらうという取り組みも必要ということで、昨年までは、県内に約190店舗、指定店ということで、長崎和牛を売っていただく販売店、スーパーとかデパート、それと、料理として出していただくレストラン、焼き肉店を登録制度で確保しておりますが、今年度はそれを県外に広げて、現在、関係者がいろいろ情報を集めまして、今のところ、9月末現在で私どもが常時把握しているお店というのが、60店舗ぐらい把握をしております。そういうところに個々に指定店制度のご説明をして、ご了解をいただいて、長崎和牛の指定店ということで、常時販売とか、料理として提供していただくお店ということで認定をして、そこは我々も広報等をしていこうと思っている次第でございます。
 こういう取組をいたしまして、先ほど、成果、効果はというお話がございましたが、実は、さきの委員会でも価格面のお尋ねがございまして、全国和牛能力共進会前後6カ月の価格が、A5、A4、A3でそれぞれ1%、8%、11%上昇したというご報告をした次第でございます。その後に、7月27日に長崎和牛系統枝肉共励会ということで、年に1回の一番大きい牛の品評会が佐世保でございました。全国和牛能力共進会の前にも7月にあっておりますけれども、今年度は100頭出品されております。そこの価格の枝肉の平均単価が2,100円でございまして、2,100円というのは、前年度の単価と比べますと2%アップでございます。ただし、2年前と比べますと11%アップしているということで、ここ2〜3年は、肉の価格というのは景気にも左右されるということもよく言われますけども、長崎和牛は、そういうものを含めても上がっているという状況でございます。
◆溝口委員 わかりました。成果が上がっている、効果が上がっているということです。
 それでは、ちょっと聞きますけども、東京のモノレールの駅、京急の品川駅、羽田空港駅等に看板を提示しているということですけれども、それについて、例えば住所を書いているのか、ただ「長崎和牛」だけを書いているのか、今、思い出さないんですけど、電話番号を書いているのか、その効果によって何か問い合わせがあっておりますか。
◎永橋農産加工・流通室長 一番大きくは、「日本一の長崎和牛」、「日本一」という言葉が入っております、「肉牛の部」とですね。まずは知ってもらうということで、そこが一番目立つようなことになっております。
◆溝口委員 それで、日本一の和牛で、例えば住所とか電話番号とか書いてどこかに問い合わせ的な、そういうことを書いているのかどうか。それじゃないと、見ただけで長崎の和牛と思うだけで、問い合わせて聞きたいという人たちもおるかもわからないんです。だから、そのことについての問い合わせとか何とか、そういうことは何もあっていないんですか。
◎永橋農産加工・流通室長 申しわけありません。張ってあるところまで私も確認したんですが、今、どこまで書いてあったかということを思い出せないものですから、申しわけありませんが、後ほど調べて、内容についてご報告させてください。
◆溝口委員 問い合わせがあったかなかったかもわからないんですね。
 ただ、今回、消費拡大月間ということで、今年の11月からしようとしているわけですけども、このことについては具体的にはどのような進め方をしていこうとしているのか。
◎永橋農産加工・流通室長 消費拡大月間の件でございますけれども、これは特に県内に向けて、もう一度長崎和牛というものを知っていただいて食べていただこうという取組をやろうということで、全国和牛能力共進会後ちょうど1年ということで設定することとしております。
 そういうことで、まず、買ってもらう場所、食べてもらう場所というものをもっと多くやりたい、増やしたいという私どもの気持ちというか、まずはそこをスタートにしようということで、先ほど、指定店の数を190というお話をいたしましたが、それとは別に、少なくともこの1カ月間、それ以降もですが、常時でなくてもいいですから、一日限定何食という中でも長崎和牛の料理をご提供いただけるようなお店、それを「協力店」という表現で呼びまして、現在、その協力店の募集、声かけをしている最中でございます。9月末で約90の候補を見出しているところでございまして、もう少し増やしていこうと思っております。
 なお、このお店を核にして11月には消費キャンペーンというものを展開します。その消費キャンペーンについては、テレビコマーシャルとかバス等の広告の中吊りとかでお知らせをいたしまして、11月の1カ月間に長崎和牛を購入とか食べていただいた方について、長崎和牛とか県産品が当たるキャンペーンを仕掛ける予定にしております。
◆溝口委員 今、消費キャンペーンの中でプレゼントということが出たんですけれども、それは肉を食べた人、あるいは肉を買った人ということになるんですけども、幾ら以上の買い上げとか何もなくて、そういう人たち全てに何かの券を、くじは11月が終わってからするのかわかりませんけれども、その辺についての具体的な取組はどのようになるんでしょう。
◎永橋農産加工・流通室長 幾らという線引きをするのが難しいところもありますので、基本は3,000円と思ってはおるんですが、そこは少し柔軟にということで今話を進めているところでございます。今、委員おっしゃったように、1カ月間まとめて最後に抽せんを12月にするということで計画しております。
◆溝口委員 わかりました。ただ、プレゼントを何にするかは決めていかないと、何名にそういうのが当たるのか、金額等もある程度、幾ら以上のお買い上げとかしたほうが、より消費につながっていくんじゃないかなという気がします。その辺についても、11月からですから、もう10月過ぎましたので、半ばまでにはそういう取組を、ちゃんとした形での項目をしていかないと、これに間に合わなくなるんじゃないかなと思っているんですけども、具体的にある程度はできているんですか。
 それと、先ほど、190が指定店で、90は協力店だということで、280ぐらいになるんですけれども、そのお店を、どこでという形というか、店舗の前につけるのか、それとも長崎県の県民の皆様にわかるようにしていくのか。それと、県民であってもいいし、観光客でもいいということになるんですよね。そしたら、かなり大きなプレゼントというか、何百名単位とか何千名単位とかしないと、余りそちらのほうに向いてこないんじゃないかと。消費拡大ですから、いろいろな仕掛けを打っていったほうがいいと私は思うんですけれども、その辺についてもう少し具体的な取組を教えていただきたいと思います。
◎永橋農産加工・流通室長 協力店の方々には、お店の入り口に協力店とわかるものを、タペストリーといいますか、そういうものをお渡ししようということで考えております。
 それと、協力店にお願いできるところにつきましては、リストをつくって、パンフレット、それとホームページ等で広報をしていく予定にしております。そういう状況でございます。
◆溝口委員 せっかく日本一になりましたので、長崎の和牛を全国に知っていただきたいし、あと4年間は日本一ですから、その4年間というものを十分に生かしていただいて、本当に長崎県の和牛が全国に広がっていくように努力をしていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
◆徳永委員 それでは、質問したいと思っております。
 今、溝口委員からも質問がありました、まずは長崎和牛の共進会後の状況についてでありますけれども、ご案内のように、昨年の第10回全国和牛能力共進会においては、長崎県の肉用牛は内閣総理大臣賞という名誉な賞を受賞することができ、PRできたと思っております。そしてまた、この共進会での経済波及効果も約110億円に上ると言われております。そういう中で、首都圏でも先ほど言われたようなPRもしていただいて、大きな反響を呼んでいるのは周知のとおりであります。
 そういう中で、実際にこの効果というものが、先ほど溝口委員からもありましたけれども、次の5年後は宮城県ですか、そうなった場合に、5年じゃなくて、ここ1〜2年でしっかりとした基礎固めをしなければ受賞の効果というのが薄れてくるのじゃないかと思っております。
 そういう中で、いろいろな補正予算を組み、対策も講じておられます。これは流通強化ともリンクするんですけども、まずお聞きしたいのは、指定店というものを強化しているということでありますけれども、県内の指定店で県内の和牛がどれだけ取り扱われているかということを今までに調査をされたことがあるのか、お聞きしたいと思います。
◎永橋農産加工・流通室長 今、ご質問がありました、指定店でどれくらいの長崎和牛が消費されているかというデータについては、調査等はやっておりません。
◆徳永委員 私が聞いている中では、指定店、協力店を一生懸命やられることは、これは大変いいことですけれども、ただ、実際に扱われているのが県内牛なのか。そしてまた、実際、小売業もしくは焼き肉屋さん等、まず、県内の取扱いというものをしっかりやらなければ、ただただ県外、県外ということも、これは確かに戦略的に大きいんですけども、まずここをしっかりやらなければならないと思います。今後、県内のそういった需要、そしてまた、まず、県内のお店でしっかりとした販売強化をするといった対策を考えているのかどうか。これは調査をしなければならないんですけど、その辺も含めたところでのお答えをお願いしたいと思います。
◎永橋農産加工・流通室長 まさに委員おっしゃるとおり、県内対策、先ほどの長崎和牛消費拡大月間というのは、県内でまずしっかり長崎和牛を食べていただきたいということで企画した事業でございます。ですから、県内の190店舗の指定店に、この機会だけでも長崎和牛を料理としてぜひ出してくださいというお願いをして、先ほどの90店は、今のところ、出しましょうということでご了解をいただいたところで、それは県内の数字で申し上げております。
◆徳永委員 わかりました。しっかりと県内を強化していただく。それと県外、特に首都圏でやるということが大事だと思っております。特に、長崎牛だけではなくて、例えば、昨年の宮崎牛、宮崎県はトップセールスを含めたところで一生懸命やられております。宮崎牛は、長崎牛よりもはるかに知名度、ブランド力もありますから。流通対策というのは行政だけではなかなか限界があると私は思うんです。
 そういう中で、流通業、そしてまた、そういった団体との連携といいますか、ここが一体となってやることが、和牛共進会での成績、そしてまた効果というものが、ここ1〜2年でしっかりとした対策を連携してやることが、また一歩、十歩と進むと私は思うんですけど、その辺、どう考えておられますか。
◎永橋農産加工・流通室長 長崎和牛の振興という意味では、私どもも、長崎和牛銘柄推進協議会というのをつくっております。これは徳永委員おっしゃるとおり、県もですけれども、系統、流通、そういうところの方たちが入って、長崎和牛を振興していこうということでつくった団体でございまして、先ほど申し上げた指定店というのも、県ではなくて、県も民間も入った銘柄推進協議会のほうで決めている、最終的には認定をしているものでございますので、まさに官だけじゃなくて民、当然ながら流通、そういうところも一緒になってやっていかないと長崎和牛の振興につながっていかないと思っている次第でございます。
◆徳永委員 その長崎牛銘柄推進協議会、これは民ですか。もう一度、すみません。
◎永橋農産加工・流通室長 長崎和牛銘柄推進協議会は、もちろん全農さんとか農協系の方もおられますし、食肉連さん、流通関係の方も入っておられて、県も入って、そういう中で、長崎和牛をどうしていこうかという議論をやっておりますし、指定店もそこの中で認定をしているという団体でございます。
◆徳永委員 実は、その協議会が余りに手薄というか、余りここが力を発揮していなかったのではないかというような懸念も私は聞いているんです。今そういった各団体の方が集まって長崎牛銘柄推進協議会というものをつくってやっていると、これは評価します。今もこの協議会はあるわけですか。あるわけですね。そういう中で、ここをしっかりと官も民も、流通業団体、JAも含めたところで、いわゆる関連団体・組織が一堂に集まった絶好の協議会なんですよね。ここをもっと効果的に使い、そしてまたPRするということこれは大事だと思うんですけど、それはどう考えておられますか。
◎永橋農産加工・流通室長 おっしゃるとおり、銘柄推進協議会というのは、今後も長崎和牛を推進していく中では、中核として、各団体が入っておりますので、そういうところがきちっと音頭を取ってやっていただくとよくまとまるということで、やっていただきたいと我々も思っておるところでございます。
◆徳永委員 そこはしっかりと県も、ここといろいろと連携をとってやっていただきたい。
 それともう一つ、さっき私が言ったように、民間、そしてまた流通関係団体とは、昨年の補正予算では、いろいろと県も支援、また協力もやったということを聞いておりますけれども、ただ、その辺も予算的な面と内容が少しどうなのかなというところもあるように聞いております。例えば平成25年予算、そして、今後の予算化に向けて、先ほど言うように民間との連携というのも大事ですから、こういったところも今後マニュアル、そしてまた、こうしたところにも予算をつけ、こういうところも取り入れて取り組んでいこうというようなことを考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
◎永橋農産加工・流通室長 最初に戻りますけれども、長崎和牛の振興ということでは、生産団体、流通団体、行政、そういうところが一体となってやっていきたいという思いは変わっておりません。そういう中で、この銘柄推進協議会というのが格好の場でございますので、ここをどのように活用していくのかということについては、今後もいろいろ検討してまいりたいと思っている次第でございます。
◆徳永委員 はっきりとこういうことをやりたいということを言わなければ、やりますよとかなんとか言うけども、何をやりたいのか、どういった対策をしたいのかがよくわからないんですよ、正直言って。予算はそういうふうに付ける。しかし、これを実際やってみて本当に効果があるのか。行政は行政側の立場での考え方というのがあるわけです。流通は流通のほうでもいろいろあるわけです。行政側も民とは、よくよく調べてみれば、販売先とか納入先というのがちょっとお互い認識のずれというのがあるわけです。実際、民間流通業者が、長崎の和牛もしくは豚肉とかを先に首都圏の方に販売している実績というものも、これは事実ですよね。県が先行して民間を主導していくならいいんですけども、先に民間のほうが先行していて、それにまた県が一緒にやっていくということが、今、例えば和牛、豚肉等についても実際にそういう状況があるわけです。その辺を私は言っているんです。
 だから、やはりそこはそこで、メリットですね、そこはしっかり行政側も、県側も活用する。言葉は悪いですけど、利用するところは利用して、目的は一緒ですよ、販売促進、消費拡大です。これは共通の目的を持っているんですから、そういったところがもう少しわかるような事業を、対策、内容をもっと明記して予算化した方がいいと思うんですけど、その辺はどうですか。
◎永橋農産加工・流通室長 長崎和牛の推進といいますか、販売の推進という点では、我々もそれはどんどんやっていきたい。そのためには何が効果があるかということを見きわめながら予算等も考えていきたいと思います。
◆徳永委員 あんまりしっくりいきませんけどね。
 部長にお聞きしたいと思います。今は農産加工・流通室ですが、この流通対策室というのは平成6年にできているんですね。これは当時の農林部長が、生産があるから流通がある、流通が頑張れば生産は伸びると。いわゆる生産と流通が一緒になってやらなければ、長崎の畜産振興ができないと、できないじゃないですけれども、こういうことによってさらなる飛躍があるということで、流通対策室を設置したと私は聞いておりますけれども、その辺どうですか。
◎上田農林部長 平成6年当時であっただろうと。ちょっと記憶があれなんですけども、当時、流通対策室というのが農林部に設けられる。いわゆる農産物の販売促進・ブランド化、そういったもののセクションが、当時は物産振興課というところで一元的にやっているということで、なかなか地域の農産品が見えないということで設置された経過があろうと思っております。その後、本県の一次産業品に限らず、例えば陶磁器、そうめんもひっくるめて長崎ぐるみでブランド化していこうということで物産本部が立ち上がって、そこで一元化された。その時点で農林部から流通販売対策が一時なくなった経過がございます。平成23年から新たに農林部、水産部にそれぞれ加工・流通室を設けまして、これは特にブランド化の対象になる関東、関西の百貨店対策、要するに県自ら店舗の開拓をする、いわゆるとんがった部分を物産ブランド推進課で担い、片方で、裾野が広い量販店あるいは飲食店等ひっくるめた、より産地に近い部分を農林部、水産部で担うということで現在に至っているところでございます。
 そういった意味では、本県の流通販売施策と申しますのが、ブランド推進室がみずから開拓してやっていく。それと、現在、私たちが担っております生産者、流通者の団体が頑張るところに一緒に行政も入っていって応援しましょうという部分があろうと思っております。
 先ほど、委員おっしゃっいましたことは、流通関係者が先に販売展開、PR展開やっている部分、そういったものを活用すべきじゃないかというご意見だったと思います。そういった意味では、現在、農林部で行っておりますのは、関東、関西の中核量販店対策です。それ以外にも、確かに産地が自ら入り込んで売り込みをかけていこうという意欲というのは、これはますます産地間競争が激しくなる中では必要だと思っているところでございます。
 そういう動きの中で、流通業界の方と一緒に動かれるということで、私たちもしっかりとそこは応援していかないといけないと思っておりますし、そういう施策を組んでいかないといけないと思っているところでございます。
◆徳永委員 まさしくそうですよね。さっき部長が言われた産地間競争というのは大変激しいです。実際、県内の流通業のバイヤーの皆さん方も、決して長崎の肉だけではないんです。当然それは他県も売り込みに来るし、相手の小売店、量販店にも、長崎県だけの肉を要求するわけではないんです。これは会社対会社、店対会社という今までの歴史があって、それはお互いの信用の中でやってきた。
 ただ、逆に言えば、先ほどの指定店の問題もそうなんですけれども、まず、県内の流通業者にしっかり長崎県の肉を、まず、優先順位として県内産をお願いしますということも、県としては、これは流通関係者とも確認というか、しっかりとそういう話し合いをしなければならないというのは当然だと思うでしょう、そこは。流通業者はどこで売ってもいいんだということじゃないわけですよね。やはり県内の流通業者にもしっかり長崎の肉をお願いいたしますと、販売をお願いしますということは、これは当然な考え、県としてもそういうことで流通業者ともいろいろ協議をしていきたいというのは、それはそうなんでしょう。
◎上田農林部長 いわゆる消費の拡大という観点では、それは当然でございます。そういう中で、私どもが考えておりますのは、生産者の汗がしっかりと販売価格、手取り収入につながるような形をとっていかないと、生産・供給、これは追いつかなくなってまいります。そういった意味では、今、委員、お話になられた、県内にとどまらず、例えば県外でブランド化が図られるような地域、特に私ども、今、県外対策で行っておりますのは、中京、ここは和牛の日本で一番大きな市場がございます。ここの取扱いというのが百貨店等にかなり流れてまいります。こういったところも戦略的にはしっかりと押さえながら信頼関係をしっかりつくっていく必要があろうと思っているところでございます。
◆徳永委員 まさしくそうです。だから、生産者が一番ですよ。一生懸命生産していただいた肉をどう高く売っていくかというのが、これは当然なことでありますし、そういう面で流通業者ともしっかり連携をとらなければならないということを私は言いたいわけです。
 そういう中で、先ほど言った流通対策室を設置する時の、先ほど部長も言われましたけれども、生産されたものを広く消費者やバイヤー等へ認知度を高める。生産されたものが高く販売されるように品質の向上やブランド化に取り組む。生産者と流通業者が一体となった取り組みを助長するということが大きな柱として、この流通対策室を設置された、さっき農林部長が言われたとおりだと思うんです。
 そういう中で、私たちも県も目的は一緒ですから、どうかそういう意味では、長崎のブランド和牛、そして豚肉等、ここはしっかりと生産者に喜ばれる、そしてまた、長崎県の全国和牛能力共進会での効果というものをしっかりと結びつけて今後の対策に取り組んでいただきたいと思います。
 そういう中で、最後の質問ですけれども、4ページに、「さらなる認知度向上と消費拡大に向けた取組を行ってまいります」と言われておりますので、このことに対してどういう取組を行っていくのか、お尋ねいたします。
◎永橋農産加工・流通室長 今年度というか、一番最初に戻りますけれども、認知度対策、それから、食べる機会、食べる場所を増やしていく、こういうことをやっていって長崎和牛の販売、販路拡大につなげてまいりたいということを考えております。
◆徳永委員 わかりました。私の言わんとしていることは理解していただいたと思いますので、どうかその辺はしっかりと今後の事業、そして、ブランド化に向けてしっかり取り組んでいただきたいと思っております。
 時間がないので、流通強化については、先ほどとリンクするところがありますから飛ばします。
 農地・用水等の保全・管理についてですけれども、基盤整備等、一生懸命やっていただいてすばらしい農地になっていく。そしてまた、土地改良区等が一生懸命管理をしております。そういう中で、農業者の高齢化、そしてまた、土地改良区の会員の減少等、いろんな問題があるし、そういう中で農地の保全というものが非常に危惧されております。
 そういう中で、これは県と市町が連携を取っていかなければなりませんが、そういった中で国でも農地・水保全事業があると思いますが、今、そういった予算をどう取り入れて市町と連携をしてやっているのか、まずそこをお聞きしたいと思います。
◎寺島農山村対策室長 農地、あるいは農業用水路等の保全管理活動につきましては、国の農地・水保全管理支払交付金を活用して、地域ぐるみでの草刈り、それから泥揚げ等の共同活動、それから、農道や農業用水路の補修等の農業用施設の長寿命化を図るための活動を支援しているところです。
 平成24年度の実績は、県下19の市町で草刈り等の共同活動を実施している組織が368組織、それから、施設の長寿命化を図る向上活動を実施している組織が206組織ございまして、これらの活動に対しまして、国、県、市町合計で6億9,800万円の交付金を支出して地域自らが行う農村環境の保全管理等の取組を推進しているところであります。
◆徳永委員 数はありますね。6億9,000万円が補助金ということですが、実際の組織、団体が事業の申請をされると思いますけれども、予算はそれで足りているのかどうか。そして、これによって十分な対策がとれているのか、その辺どうですか。
◎寺島農山村対策室長 この交付金を利用しまして共同活動で1万4,124ヘクタール、それから、向上活動で8,639ヘクタールの取組が地域ぐるみで実施されております。そういうことで農地や農業用施設の適正な維持管理や耕作放棄地の防止、それから農村景観の向上などにつながっているところでございます。
 ただ、現在、共同活動を実施している組織が368組織と先ほど申し上げましたが、659集落で協定を結んで共同活動を実施されております。全域的にという形にはまだなっていないので、足りているかということになりますと、そういった取組をやっていない地域もございますので、そういった地域での取組も進めていかなければならないと思います。
 予算については、主に申請額については対応させていただいております。
◆徳永委員 ということは、申請した団体については、この予算で足りているという判断でいいですか。それとも6億9,000万円しかないから、この中で配分をしているのか、先着順なのか、それはどうですか。
◎寺島農山村対策室長 この予算につきましては、対象とする農地、水田とか畑の面積によりまして単価が決まっております。例えば、水田では10アール当たり4,400円、畑では10アール当たり2,800円、地域で取り組む面積に応じて配分されますので、その中で実施をしていただくということになります。その範囲の中で活動をしていただいております。
◆徳永委員 いいです。細かい内容は、また後でお聞きをします。
 そういう中で、団体とか、そういうふうにしてやれる地域はいいんでしょうけれども、先ほど農山村対策室長が言われるように、そういう組織、団体がないところは、放置というか、そのままなわけですね。だから、県としては、耕作放棄地対策というのが一番大きなことですから、そういった中ではその辺をしっかり把握をされて、例えば、そういうふうな団体がないところ、維持管理ができていないところというのは調査とか把握をし、どういう対策を今後していくのかというところまではされていますか、どうですか。
◎寺島農山村対策室長 この農地・水の活動については、できるだけ取り組んでいただきたいということで、県、それから市町を含めて推進を図って取組を促しているところです。ただ、集落でまとまってやらなければならないということ等がございまして、役員、リーダーになり手がいないとか、そういった形で全部のところが取り組んでいないので、そういったところにはぜひ取り組んでいただくように推進をかけていこうと思っております。
◆徳永委員 実は、私も地元の農家の方から、「ちょっと来てくれんか」と言われて現場に行けば、用水路等に土砂が堆積をし、そして草ぼうぼうで、水の流れが全然ないわけです。それは用水路ですから小さいですよね、これは人力ですよ、機械も入りませんから。「20年若ければね」とか、「跡取りがおればね」とか、それと危険なんですよ、2メートルぐらい下がってやらなければいけないということで。ただ、このことをどこに言ったらいいんですかと。そういう団体があればいいんですけれども、市に言えば、これは県ですよと。県が実際見に行けば市ですと。管理とかなんとかがよくわからないわけですよ。行ってから初めて言われて、「いつからこうなっているんですか」と言うと、「10年前から」とかね、そういうところが何カ所もあるんですよ。
 私は何を言いたいかというと、ここなんですよ。そういう団体、組織があるところはいいんでしょうけれども、そういう組織がないところは、各々の方が、土地改良区があればいいんでしょうけれども、解散したところとか、そういうところは個々の方が言ってこられるわけです。こういったところを県、市町がちゃんとした認識の中で、どこが管理するのか、そして、どこが窓口なのかしっかりやらなければ、我々が呼ばれて行くのはいいんですよ。しかし、結果的に、これは県がやるのか、市がやるのかとなるわけなんですよ。その辺をしっかり今後は調整をしていただいて、そういった対策、窓口がどうなのか、ここのところを今後お願いしたいと思っておりますが、その辺どうですか。
◎寺島農山村対策室長 この農地・水に関しましては、窓口は、町とか県に相談していただいて、対応していきたいと思います。
◎林田農村整備課長 水路の話がありましたので。集中審議の時にも説明しようと思っておりましたけれども、従来は農家の方々とか水利組合等が管理をずっとされておりました。それで、例えば災害が起きれば災害の事業とか、そういう事業等を対応されておりましたけれども、農家の方の管理がなかなか難しいという声が大きくなりまして、農林水産省の方で何年か前から農地・水の制度をつくって、農家の方々が維持管理をする分をできるだけ国も支援しようという格好でこの事業制度が始まったわけでございます。
 そういう意味から、こういう制度に入っていないところにつきましては、できるだけこういう制度に入っていただいて、交付金をもらわれて管理をされる、そういうふうな方法がベターだと私どもは思っておるところでございます。
○西川委員長 ここで休憩します。
 4時から再開いたします。
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     −午後3時56分 休憩−
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     −午後4時3分 再開−
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○西川委員長 委員会を再開します。
◆山口委員 質問の順番が回ってきましたので、質問通告しておりましたので、通告どおり質問させてもらいます。
 実は、9月定例月議会に一般質問で通告をしていた内容とかぶっておりますけれども、時間の関係でほとんどできませんでしたので、一部、答弁いただいている分がありますけれども、それを外して質問させていただきますのでよろしくお願いいたします。
 まず、戸別所得補償制度、いわゆる経営所得安定対策についてお尋ねをいたしますけれども、この戸別所得補償制度というのは、旧政権時代に平成22年度からモデル対策として米戸別所得補償モデル事業というのが開始されています。そして、平成23年度から米戸別所得補償制度として本格実施となったわけでありますけれども、平成24年秋、いわゆる昨年秋の政権交代によって、平成25年度からは制度内容は全然変わらないままですけれども、名称が経営所得安定対策というふうに変わっているところであります。
 制度を新旧対照して見てみますと、「所得補償交付金」が「直接支払交付金」と名称が変更されているようです。「耕作放棄地」が「荒廃農地」または「遊休農地」と記述がされています。それで、「制度」を「対策」というふうに読みかえているようですが、基本的な条文は何も変わっていないようであります。
 そういうことで、この制度は水田農業を対象として、水田を活用して食料自給率の向上を実現するために極めて重要な、麦とか大豆とか米粉用の米とか、そういうものの戦略作物の生産に対して主食用の米の所得を確保する対策と、米の需給調整に参加した販売農家や集落営農に対して恒久的なコスト割れ相当分が補填されるような対策が従来どおりセットで今後とも行われるようになっているようであります。
 農家も、それぞれ交付金がもらえるということで経営安定に役に立つとか、食料自給率の向上にも役に立っているということで、この制度を評価する声が多いというふうに思っているところです。
 私自身も、引き続きこの制度を安定した制度として継続していくことが日本の農業にとって重要であると考えているところであります。
 そういうことで、今日までの本県におけるこの戸別所得補償制度の実績と効果を県はどういうふうに受け止められているのか、まずこのことからお尋ねしたいと思います。
◎田中農産園芸課長 戸別所得補償制度につきましては、制度の推進にこれまで取り組んでまいりました。県としてやってまいりました中での成果でございますけれども、加入件数、交付金とも年々増加をしております。平成24年度の実績につきましては、販売農家の7割に当たります1万7,257戸の方々に37億2,500万円の交付金が支払われております。そういったことから水田農業経営の安定に一定寄与していると考えております。
 また、同制度の創設を契機といたしまして、本県におきましては、特に飼料作物の拡大が進んでおりまして、畜産農家に対します自給飼料の増加にも効果が上がっていると考えております。
◆山口委員 今、県の状況についてお話がありましたが、国の実績を見てみますと、国全体で約5,603億円が支払い実績としてあるようです。それが米、水田作物、畑作、あと加算措置という関係で約5,603億円、それぞれ細かい分もあるんですが、そういう形で今運用がなされているようであります。支払い対象者は111万8,000件余り、支払い面積が103万4,000ヘクタールということであります。そういうことで県の状況については、細かい数字は聞き取れませんでしたが、1万数千戸、37億円の支払いということですが、具体的な長崎県内の支払い対象者、それと支払い面積がどういうふうな状況になっているのか、お尋ねしておきたいと思います。
◎田中農産園芸課長 平成24年度の内訳でございますけれども、37億円のうち、いわゆる1万5,000円の米の所得補償金につきましては11億円の交付となっております。支払い面積では8,828ヘクタールになっております。それと、水田営農の部分でございますけれども、水田活用交付金につきましては21億円でございます。
 その主要な中身を申し上げますと、その中で飼料作物が約10億円でございます。そのほか多いのがホールクロップサイレージが3億円、それと麦が2億円、大豆が1億円強ございます。そのほか飼料用米につきましても1億円強ございます。そのほか産地資金という形で戦略作物以外の野菜ですとか果樹ですとか、それぞれの産地におきます水田農業の再生協議会の中で産地独自の推進すべき品目につきまして出される産地資金というのがございますけれども、それが約2億円ございます。
 そういったような状況で、今、戸別所得補償につきましては県の中で推進が図られているという状況でございます。
◆山口委員 実情を少し詳しくお聞きしたんですが、このほかに、あと、加算措置というのが設けられておりますね。この意味合いと県内の適用がどういうふうになっているのか、そこのところを教えてもらえますか。
◎田中農産園芸課長 加算の部分でございますけれども、そのほかに規模拡大加算というのがございます。規模拡大加算につきましては、本県の量はそんなに多くございませんで270万円ほどございます。あと、耕作放棄地を利用します再生利用加算というのがございます。これも利用の実績が余りございませんで320万円という形になっております。あと、水田活用のほかに畑作物に対しましても所得補償金がございまして、これが約5億円ほど出ていると。それで総額37億円強の実績が出ているというところでございます。
◆山口委員 ということは、加算措置というのは、年度当初に申告登録をするから、その経営個体の状況が変わった部分について適用されるんですか。
◎田中農産園芸課長 この規模拡大加算なり再生利用加算につきましては、6月30日の申請時期までに農地の貸し借りの部分ですとか、耕作放棄地の貸し借りの部分につきまして目途がついたものからやっていきますので、今、委員ご指摘のとおり、その時期までに目途がついたものが交付の対象になるということでございます。
◆山口委員 そういう形で運用がなされているんですが、今度新しく、先ほどから申し上げていますように経営安定対策に名称が変わるわけですが、名称は変われども内容は同じ運用をしていくんですが、今までの評価といいますか、感覚的な部分でいいんですが、このことをどういうふうに県はとらえているのかなと、実運用をされているんですが、じゃ、それを今後どうつないでいこうとされているのか、その部分についてお話しいただけますか。
◎田中農産園芸課長 農業者戸別所得補償制度は、現在は経営所得安定対策となっておりますけれども、本県の中におきましては、先ほども申し上げましたように、水田農業におきましては飼料作物の拡大といった意味におきましては、今、飼料高騰がいろいろ叫ばれている中で水田を活用した自給飼料の増産という意味で非常に大きな効果が出ているのではないかと考えております。
 ただ、私ども、一方で農業者戸別所得補償につきましては、その予算の財源が農業農村整備事業の予算をもってきて創設したという経緯がございまして、その際、県としましては、強い農業づくり交付金ですとか、農業生産施設整備の予算が大幅に削られた経緯が実はございまして、そういった農業生産施設をする際に非常に苦労したという部分が県の中ではありました。
 ですから、片一方では、畜産のそういうところについてはある一定の評価はありますけれども、現在は強い農業づくり交付金につきましては、344億円ですか、かなりの金額がつきました。一番苦労したのは、その金額が平成24年度には100億円、50億円を切るような水準になってしまって、野菜ですとか果樹とかの集出荷施設の整備に影響を与えたという部分がございますので、全般的によしというわけにはいかないのかなと。
 ただ、別の予算措置が現在はされているので、そういった面でいきますと、いろいろプラスとマイナスの評価ができるのかなと考えております。
◆山口委員 諸手を挙げて賛成できるような状況じゃなかった、特に財源についてということですね。しかし、制度そのものについては、今度の新政権も評価したんですね。だから、こうやって、名前を変えてでもとにかくつなぎたいということで、制度は全然いじらずに名前だけ変えて新しく平成25年度からやろうとしているので、政府としては、新政権としても、これはやっておかなければという部分が政治的にもあるわけですね。それで継続されているんだと思うんです。それは農家にとっては決して悪いことではございませんので、きっちり充実をさせて制度をうまくやっていかなければいけない、改良していかなければいけないのではないかと思っております。できたばかりなのでいろんな問題点もあるのじゃないかと思っているところですが、改良しながら定着させていくというのがこれからの経営所得安定、いわゆる戸別所得補償だろうと思っていますので、県としてもそこのところはかっちりやっていただきたいと思うところであります。
 特に欧米は、皆さんに言うのは釈迦に説法みたいなものですが、フランスは80%、スイスは100%、アメリカも穀物については50%の補償をしているわけですから、だとすれば日本としても、弱小農家が世界と戦える、あるいはTPPはどう転ぶかわかりませんけれども、しっかり支えるという意味からは、自給率の問題もあって、かっちりとさせておかなければいけない政策だろうと思いますので、ぜひよろしくお願いしておきたいと思います。
 次に、この制度は農業にだけあるんですけれども、例えば畜産とか漁業にこの補償制度を拡大しようという動きもあるようですが、県としては、そのことについてはどう受け止められていますか。
◎田中農産園芸課長 今、国におきましては、平成26年度の概算要求を見ますと、戸別所得補償、経営安定対策でございますけれども、経営安定対策の見直しと、多面的機能支払の維持に着目した日本型直接支払につきましては、平成26年度の予算編成過程におきまして検討が進められております。
 本県におきましては、離島や中山間地を多く抱え、条件不利地を多く抱えておりますので、地域の特性に合わせました多様な農業を安定して継続できるような制度となるよう、国に対していろいろ働きかけをしてまいりたいと考えております。
◆山口委員 そういうことで現在の経営所得安定対策という形になっているんですが、米のほかに水田活用の戦略作物の麦、大豆、飼料作物、新規需要米、これは米粉用米とか飼料米とか、あとソバ、ナタネ、加工米、そして畑作物の麦の小麦、二条大麦、六条大麦、はだか麦等が対象になっているようです。そして、あと大豆、テンサイ、でん粉、原材料用のばれいしょが対象作物として支払が行われている状況ですが、本県にとっては、むしろそれよりも違う作物を今農家は生産しているわけです。いわゆる柑橘類の青果物であったり野菜等、そういうものが長崎県の主要作物ですが、ちょっとうがった見方をすれば、この制度そのものは農家にとって公平感というか、そういうものに若干欠ける嫌いがあると見ております。それを解消するためには経営所得安定対策の中で対象品目を拡大しないといけないのじゃないか、それが制度をいま少し収れんさせるための手だてではないかと思っているんですが、どうお考えなのか、お伺いしたいと思います。
◎上田農林部長 経営安定所得対策、これは日本型直接支払制度と絡めて、現在、見直しの検討がされているところでございます。委員ご指摘のとおり、本県の農業は、水田主体ではございません。先ほど5,000億円という数字の中で本県は37億円ですけれども、特に東北地方を中心とした大型水田農業地帯には交付がしっかりと全体の割合的にはいっているんだろうと思っております。
 私ども、経営安定対策というものをいろんな品目についてしっかり講じていただきたいと思っております。その際に農家の方々がしっかりと意欲を持って取り組んでいただけるような形にしていただく必要があろうと思っております。さらには、現在、片方で野菜価格安定基金、果樹価格安定基金、あるいは畜産でありますとマルキン制度、いわゆる何らかの形で経営安定につながる制度もございます。こことの関連性が今からどうなっていくのかということもひっくるめて、農家の方々がしっかりと意欲を持って規模拡大なり新規品目なりに取り組んでいける道筋が見えるような制度にぜひしていただきたいなと思っているところでございます。
◆山口委員 そういう形で農家を強くしていくということが極めて大事だと思います。
 もう一つ、農家はつくったものをどう売りさばいていくか、どうやってお金にかえていくかということが一番大事な部分です。それからいくと日本国内での需要と供給の関係からいけば、なかなかさばけない状況にあるわけです。そういうことで、今、政府も農産物の輸出を図って、とにかく農家が少しでも元気になる政策をということで、これは一般質問の中でもちょっと申し上げましたけれども、2020年までに、要するに輸出総額を1兆円、いわゆる現在の5,000億円を1兆円にしようという大きな方針を国は政策として持っています。そういう中で長崎県はどうやるんですかというご質問を申し上げましたところ、部長から、輸出研究会を立ち上げて、中国、台湾、香港、シンガポール、マカオ、タイ、こういうところにそれぞれの品目を売るんだということをおっしゃっていただきましたので、ぜひそれはそれでやっていただきたいと思います。
 そういうことで、実態と2020年をどう見据えているかということでお聞きをしますけれども、今、長崎県の農産物の輸出量といいますか、輸出額といいますか、それがどうあって、2020年度、国のこの指標に合わせてどういう目標を立てておられるのか、そのことについてお尋ねをしておきたいと思います。
◎永橋農産加工・流通室長 今回の本会議の中で山口委員からのご質問に対して、これまで平成22年度から平成24年度までの実績ということをご報告させていただいた次第でございますが、それぞれ量という意味からしますと、テスト輸出に近いということで、10キロとか、50キロとか、そういうことで量的に何トンという単位で出ているものではございません。唯一、みかんのご質問があられて、みかんをカナダに、これは全農経由で共同して全国から出している中で、長崎県から昨年度は11トン出ておりますというご報告をした次第でございます。
 そういう意味では、金額というのは、試験輸出ということでまだ幾らという話でもございません。今から、倍とはいわずに、2020年までにもっともっと上げていかなければいけないと。国は倍と言っておりますけれども、そういう気持ちで輸出には臨んでいきたいと思っている次第でございます。
◆山口委員 わかりました。そういうお気持ちの中で現状の長崎県の輸出総額というのは、額でどうなっているんですか。それをどの程度までもっていこうという、数値的に教えていただけますか。
◎永橋農産加工・流通室長 例えば、平成24年度で申しますと、金額ベースでいきますと、200万円程度でございます。
◆山口委員 200万円というのは現状ですか、それとも200万円にするということですか。
◎永橋農産加工・流通室長 テスト輸出の結果としての売上高でございます。現状でございます。
◆山口委員 それを目標としてどの程度まで、2倍なのか、3倍なのか、国は大体3倍ぐらいを見越しているわけですね、いろんな意味でトータルすれば。
◎永橋農産加工・流通室長 まず、目標を立てる前に、私どもとしては、今年、本県が輸出の可能性が高いところということで、今年度は東アジア、香港、マカオ、台湾の実地調査というものをやるようにしております。そこで具体的にどういう相手、品目ごとに輸入業者がおられて、その輸入の条件とか、引き渡し場所とか、具体的なものをまずは調査をすると。戦略じゃないですけれども、私どもとしても県としての輸出品目、それから可能性の高さ等をまず押さえて、そこからきっちりそれを生産者の方たちに返して輸出につなげていきたいということで、今年度初めて取り組もうとしているところでございます。
 そういう条件を踏まえないと、何倍にするとか、そういうことは今言えるものではございませんが、そういう取組を始めているということのご報告でございます。
◆山口委員 積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 参考までに、これはテレビでやっていたのでご紹介するような形になりますが、徳島県の梨について輸出販売関係の放映がされていました。もうご存じかと思いますけれども。それは、徳島県の農家を出てから香港の消費者の家庭にいくまで35時間で届くということでした。どうやって届くかというと、具体的には一旦、那覇空港までもっていくわけです。那覇空港で農産品を集荷して、それから香港に飛ぶわけです。飛んだら、そこに宅急便みたいな業者が待っておって、そのまま飛行場からそれぞれのところに配達するんですね。そういう態勢で日本企業のスピード感といいますか、そういうことが現地でも、日本の安心できる品物を受け取れるということでかなり評判が高まっていて、運送業者そのものの業績もどんどん上がっていると。当然、農家の売り上げもそれにつれて上がっているという仕組みをつくっているみたいです。
 そういう面で長崎県も流通業界とうまく組んで、水産物も言えると思いますけれども、それはひとつ考えてみる手かなと思います。200万円そこそこであったら、もうすぐその3倍、5倍の金額ははけるんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
◎永橋農産加工・流通室長 委員がおっしゃったテレビ番組は私も見ました。その話題は5月だったと思いますが、まず、新聞記事に載りました。それを読んだメリットとしては、販売価格を生産者が決められること、注文を受けてから出せばいいので在庫リスクが小さい、大手の企業なものですから代金決済も安心だというようなことで非常にメリットがあるんじゃないかと私どもも判断いたしまして、6月に私ども、本会議でもご説明いたしました輸出研究会というものを立ち上げておりますが、そこに講師としてお呼びをいたしました。その時点では試験的にやっておりますということでしたけれども、そういう話はしたところでございます。
 ですから、今後は生産者の意向を確認して、そういう使えるものは使って、ご紹介等は積極的にやっていきたいなと考えております。
◆山口委員 既存のやり方ではなかなか限度があるので、皆さん、知恵を出してもらって、要するに拡販に努めると、現実的に実績を上げていくという方向にしっかり頑張っていただきたいと思います。
 あと1つ、農地中間管理機構の関係です。今、国は今後10年間で担い手の農地利用が全農地の8割を占める農業構造を実現するために担い手への農地集約、いわゆる集約化をさらに加速的に推進する体制として、来年度、都道府県に新たに農地中間管理機構を整備するという検討がされています。近々の情報によりますと、農業予算は全体で昨年度の13%増の2兆6,093億円であるということが日経新聞の9月20日付の新聞に載っておりました。この農地中間管理機構に1,039億円を使うということで本気でやりそうな状況なんですね。
 そうした時に、このことを県はどう受け止めておって、どういうメリットが出るのか、若干疑問なしとはしていないところがありますので、このことはまた別途議論しますけれども、今の受け止め方についてだけ教えていただけますか。
◎長岡農地利活用推進室長 農地中間管理機構についてのご質問でございますけれども、国から説明を受けている現状では、規模縮小農家とか離農農家の農地、また、利用可能な耕作放棄地など集積が可能となる農地を農業委員会が所有者の意向を確認しまして、機構が一旦借り受けて、必要に応じまして簡易な基盤整備等をやって、人・農地プランに位置づけられております担い手とか新しく公募した借り手、そういった借り受け希望者に貸し付けまして農地の集積を進めるという仕組みでございます。今、各都道府県に設置されております農業振興公社を想定して検討がなされている状況でございます。
 本県でも、人・農地プランの地域での話し合いとか、生産部会、そういったところの農業所得向上の関係で規模拡大ということで農地のマッチングを進めているところでございますけれども、なかなかそこが進まないという理由が、対象農地が分散しているとか、基盤整備ができていないとか、また、不在地主とか未相続農地の問題がございます。そういったことがありまして、現場の状況からしますとなかなか進まないというところでございます。そういったところを今度の中間管理機構ができますと、法律改正もセットで進めるということでございますので、担い手の集積に効果があるというふうに期待しているところでございます。体制整備につきましても、今後検討し、しっかりとした体制をつくりたいと考えております。
◆山口委員 わかりました。次回、そのことは議論をしたいと思います。要は、塩漬け農地、借り手の貸し手のバランスがとれないと成り立たない仕事ですから、そこのところが長崎県においてどうなのかと思っておりますので、よろしくお願いします。
○西川委員長 それでは、本日の質問はこれにてとどめ、散会いたします。
 明日は、10時から再開いたします。
 お疲れさまでした。
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     −午後4時37分 散会−
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