平成25年  予算決算委員会農水経済分科会 - 10月24日−02号

平成25年  予算決算委員会農水経済分科会

1、開催年月日時刻及び場所
  平成25年10月24日
       自  午前10時0分
       至  午後4時43分
       於  議会会議室
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2、出席委員の氏名
    分科会長      西川克己君
    副会長       山田博司君
    委員        野本三雄君
     〃        織田 長君
     〃        溝口芙美雄君
     〃        徳永達也君
     〃        山口初實君
     〃        友田吉泰君
     〃        深堀 浩君
     〃        中島浩介君
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3、欠席委員の氏名
     なし
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4、委員外出席議員の氏名
     なし
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5、県側出席者の氏名
    産業労働部長          山田伸裕君
    産業労働部次長         江村 遵君
    次長兼雇用労政課長       池内潔治君
    産業政策課長          中野嘉仁君
    産業人材課長          林田則利君
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    水産部長            下山満寛君
    水産部次長           田添 伸君
    漁政課長            山田芳則君
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    農林部長            上田裕司君
    農林部次長           加藤兼仁君
    農林部次長           峠 純秀君
    農政課長            松尾誠司君
    農山村対策室長         寺島正彦君
    農産園芸課長          田中健一君
    農産加工・流通室長       永橋法昭君
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6、審査の経過次のとおり
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     −午前10時0分 開議−
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○西川分科会長 おはようございます。
 農水経済分科会を再開します。
 これより、本分科会における事業仕分けを行います。
 事業仕分けの具体的な審査順序、対象事業については、お手元に配付しているとおりです。
 次に、実施方法について簡単にご説明いたします。
 審査につきましては、理事者から事業説明を受けた後、各委員からの質疑は答弁を含め80分、質疑が終了した後、対象事業ごとに評価シートに記入していただき、その後、各委員からの評価結果を述べていただき、その後、評価結果との取りまとめを行い、1事業当たり概ね1時間45分といたします。
 なお、評価シートは、本日の分科会終了後、回収いたします。
 次に、理事者の出席範囲についてですが、各部局に対象事業に関係する範囲とし、お手元に配付しております配席表のとおりにしたいと存じますが、ご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西川分科会長 ご異議ないようですので、そのように進めることといたします。
 これより、事業仕分けに入ります。
 まず、産業労働部所管の技能者育成強化対策事業についての審査を行います。
 産業人材課長より事業説明をお願いいたします。
◎林田産業人材課長 それでは、技能者育成強化対策事業につきまして、配付しております事業シートの記載内容に従ってご説明をいたします。
 まず、2番目の項目の事業の目的・対象のところをご覧いただきたいと思います。
 この事業は、県内の社会経済情勢に対応いたしまして、求職者を対象として県立高等技術専門校の施設・設備を活用した職業訓練を実施することにより、求職者の早期就職とあわせ、企業の人材確保を支援することを目的といたしまして、短期訓練(1年以内)を実施するものでございます。
 政策実施の根拠法令につきましては記載のとおり、職業能力向上による労働者福祉施策の基本法でございます職業能力開発促進法及び関係法令でございまして、県立高等技術専門校では自動車、機械、建築、溶接などの1年から2年間の普通課程訓練とあわせて、この短期訓練を実施しているところでございます。
 次に、4番、事業の実施状況・成果等をご覧いただきたいと思います。
 平成24年度の実施訓練につきましてご説明いたします。
 まず、造船溶接科でございますが、本県の基幹産業でございます造船業に必要な溶接の技能・技術者育成を目的に、長崎高等技術専門校において4カ月間の短期訓練を実施いたしました。定員15名に対し14名が訓練を受講し、求職者13名のうち12名が就職しております。これは訓練に当たって、大手造船会社OBによる現場に即応した指導ができた結果であると考えております。
 実施方法につきましては、1.実施方法に記載しておりますとおり、公募を行い、企画コンペ方式によって講師派遣、実技学科の訓練業務等を長崎ダイヤモンドスタッフに委託し実施いたしました。
 なお、この訓練は、造船業界における溶接工不足を背景に平成21年度から実施をしてきましたけれども、平成24年度におきましては、造船溶接科の応募が減少したことに加えまして、これまで主力だったタンカー、コンテナ船、バラ積み船などから、高い技術を要し、国際競争力がある大型客船、新型LNG船、海底資源探査船など、高付加価値船建造へ方針転換され、それに伴い三菱重工関連企業におきまして船穀工(船の本体部分の製造)から艤装(内装や部品の取付)もできる多能工化へのシフト等による採用抑制傾向等も考慮いたしまして、平成25年度におきましては造船溶接科を開講しないということといたしました。
 次に、配管設備科でございますが、これは長崎高等技術専門校の施設・設備を活用し、7カ月間の配管設備訓練を実施することで、高齢化が著しい管工事業界の人材育成・確保を支援いたしました。
 定員10名に対し10名が訓練を受講いたしまして、求職者7名のうち7名全員が就職をしております。これは高校訪問などの募集段階から訓練を担当する講師の派遣、訓練の一環としての実習受け入れ、就職まで管工事業界と緊密な連携がとれたことによるものと考えております。
 実施方法につきましては、1の実施方法に記載しておりますとおり、長崎高等技術専門校において、高等技術専門校の指導員1名と管工事業界からの派遣講師1名の2名体制で職業訓練を実施いたしました。
 この結果、資料3、事業コスト、成果指標に記載しておりますように、成果指標である就職率につきましては、造船溶接科は92%、配管設備科は100%と、いずれも目標値を上回っております。
 事業に要したコストにつきましては、記載のとおり事業費1,155万円、人件費を含めた費用額で1,779万円ということになっております。
 続きまして、5番目の項目の事業の必要性をご覧ください。
 記載しておりますように、雇用情勢が厳しい中、早期就職を希望する求職者にとりまして、企業が必要とする技能・技術を習得し、資格を取得することでミスマッチをなくし、早期就職と企業の人材確保を支援するために有効な施策であると考えております。
 県が関与する必要性といたしましては、ものづくりの訓練の場合、指導員の確保や訓練場所、設備の確保の問題がございまして、高等技術専門校の施設・機械設備等を活用した職業訓練の実施が効果的であると考えておりまして、ほかの機関での実施は難しいものと考えております。
 次に、6番目の項目、平成26年度事業の実施に向けた方向性でございます。
 配管設備科につきましては、管工事業界では若手人材確保の必要性が高く、平成26年度におきましても引き続き配管設備科の訓練を継続し、募集、講師派遣、実習受け入れから就職まで、業界と緊密な連携をとった職業訓練を行っていきたいと考えております。
 ただ、費用対効果面での政策実施の効率性を高めるために、高等技術専門校で実施をしております普通課程訓練と求人確保などの業務を共有化するなどの検討を進めてまいりたいと考えております。
 最後になりますけれども、私どもといたしましては、経済社会情勢の変化等によって、離職者の早期再就職支援、人材の育成・確保など、職業訓練の必要性が生じた場合に短期訓練を活用するなど、できるだけ迅速な対応に努めてまいりたいと考えております。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○西川分科会長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより質疑に入ります。
 事前に2名の方から通告をいただいております。
 本事業に係る質問を予定されている方は、挙手をお願いいたします。
◆深堀委員 幾つか通告しているんですけれども、端的にお尋ねします。
 まず、入校した14名、10名、この年齢層がわかれば教えてください。
◎林田産業人材課長 まず、造船溶接科でございますけれども、10代の方が5名、20代が6名、40代が2名、50代以上が1名、計14名となっております。
 それから、配管設備科でございますが、10代の方が8名、20代の方が2名という年齢構成になっております。
◆深堀委員 わかりました。では、いろんな年代層がいらっしゃるということですね。この事業を見た時に、一番最後の6の項目にもちょっと書いてあるんですが、高等技術専門校の場所ですると、設備が整っているからということなんですけれども、端的に、じゃ、高等技術専門校のコースとしてこれを設置するのが一番妥当ではないのかなと感じたんですけれども、そこはいかがですか。
◎林田産業人材課長 現在、高等技術専門校には、溶接科の訓練コースとして1年課程がございます。この中では、造船に限らず、機械加工とか、あるいは製缶の分野等、幅広い産業分野で必要な溶接の知識、あるいは実技面の訓練を行っております。
 それに対しまして、平成24年度にやりました造船溶接科については、造船業に特化した溶接技術の付与を行うという訓練ですみ分けを行ってきたということがございます。
 それから、配管設備科でございますけれども、現在、高等技術専門校の普通課程訓練、1年ないし2年の普通課程訓練の中には同様の訓練科はないという状況でございます。
◆深堀委員 特化した部分もあると。だから、コースの中にそれを一つ入れれば、それで事足りるんじゃないですか。新たにこういう事業をしなくても場所と設備はあるわけですからね。わざわざこの事業として特別にしなければいけない理由というところをおっしゃってください。
◎林田産業人材課長 造船溶接科につきましては、先ほど冒頭の説明の中で、平成24年度をもって終了し平成25年度は開講しませんというご説明をいたしました。
 配管設備科でございますけれども、これについては平成26年度も引き続き業界の需要等が強くて、やっていく必要があると考えておりますというご説明をいたしました。配管設備科につきましては、このコースができた経過がございます。実は、平成22年度までは長崎校の中に電気・配管システム科という2年コースの普通課程訓練がございました。電気・配管システム科につきましては、平成22年度までということで、平成23年度からは電気工事の訓練内容を充実させる必要があるということから、電気・配管システム科を平成23年度に電気システム科ということで見直しをしております。
 それに伴いまして、平成22年度まで電気・配管システム科の中でやっておりました配管工事関係の訓練内容につきまして、これを別途短期訓練という形でやる必要があるということで平成24年度から7カ月間の短期訓練のコースということで設定して実施しているという経過がございます。
◆深堀委員 今、最後に言われた7カ月の分が、この学校のコースとしてできないんですかということを聞いているんです、この単独事業でするのではなくて。そこを答えてもらわないと、この事業の必要性が判断できないんですけれども。
◎林田産業人材課長 高等技術専門校の訓練の中でカリキュラムを組んでやっているのは、1年ないし2年の普通課程訓練とあわせて、この短期訓練につきましても期間が短いというだけでございまして、普通課程訓練と同じようにカリキュラムを組んで実施をしております。そういう意味ではこの配管設備科につきましては、普通課程訓練と同様のカリキュラムを組んで、ただ7カ月間という期間設定の上でやっているというところでございます。
◆深堀委員 わかりました。
 では、普通課程の中の一つに入っていると理解していいんですね。
 次に、では、この12名と7名が就職できたということですけれども、その就職先はどういうところで、職種はこの技術を活かしたことによって、そこに明確につながっているのかというところを教えてください。
◎林田産業人材課長 まず、造船溶接科の方でございますけれども、12名就職をしております。12名のうち、10名が造船関連の企業に就職しております。残り2名につきましては、それ以外の職種に就職ということでございます。
 それから、配管設備科の7名につきましては、全員管工事業の関連企業に就職をしているということでございます。
◆深堀委員 その造船溶接科の2名が造船以外ということなんですけれども、具体的にはどういうところですか。
◎林田産業人材課長 2名のうち1名が警備会社でございます。もう一名が食品スーパーに就職ということでございます。
◆深堀委員 わかりました。100%そこにというのはいろいろ関係もあるので言えないんですけれども。
 あと、問題は、この修了した人たちに対する就業の斡旋という形では、この事業の中でしているのかいないのかを教えてください。
◎林田産業人材課長 この事業の中で就職支援相談員という形で職員を1名配置いたしまして、就職先の斡旋等を行っております。高等技術専門校では、普通課程訓練におきましても訓練生の100%の就職を目指して企業訪問等に力を入れてやっておりますけれども、この短期訓練につきましても同様に、専任の就職支援相談員を配置いたしまして就職支援を行っているという状況でございます。
◆深堀委員 わかりました。そういう就職支援相談員がサポートしているからこそ、こういう高い就職率につながったのかなというふうには理解をします。
 最後に事業費ですけれども、人件費が623万9,000円で、1,155万4,000円の分ですね。人件費以外の費用の使われ方というのは、あくまでもダイヤモンドスタッフという委託先に対する委託料なのか。人件費の623万9,000円というのはどういうことなのか。その財源というか、費用の内容ですね。
◎林田産業人材課長 まず、事業費の1,155万4,000円の内訳でございますけれども、造船溶接科につきましてはダイヤモンドスタッフへの委託ということで実施しておりまして、約670万円、正確には668万9,000円、これがダイヤモンドスタッフへの委託料でございます。
 配管設備科につきましては、これは直営でやっておりますので、このうち講師の謝金等が約200万円、それから訓練の資材購入費に約30万円ということで230万円、配管設備科でかかっております。
 この2つのコースの共通経費といたしまして、先ほどご説明いたしました就職支援相談員の人件費として共済費等を含めて約250万円ということになっております。これが1,155万4,000円の内訳でございます。
 それから、人件費として623万9,000円という金額が上がっております。これは事業評価シートのつくり方といたしまして、我々県職員の人件費を計算上割り当てた金額だということでご理解いただければと思います。
◆友田委員 それでは、聞きたいところが深堀委員と少しダブっておりましたので、そこは省いて聞きたいと思います。
 まず、先ほどの就職先、造船溶接科は12名中10名が造船関係に入って、配管は7名中全員が配管工になったというお話がありましたけれども、それぞれちゃんと正社員として入っているんですか。その辺はどうですか。
◎林田産業人材課長 正社員ととして就職しております。
◆友田委員 そうしたら、造船溶接科と配管設備科という2つの科が設けられて、これは県内企業のニーズがあったということなんですけれども、この間からも国の事業の海洋エネルギーと同じような議論になるかと思うんですけれども、人材育成というのは本来は企業がやるべきことであって、人材をちゃんと見抜いて、企業側が入れてその人を育てていくというのが本来企業の仕事だろうと思うんですけれども、それをまた国費半分、県費半分でそういうことをやると。
 そうなると、特定の業界だけじゃなくて、ほかにもこんなことをやってほしいという業界があったんじゃないかと思うんですけれども、その辺のニーズ調査というか、企業側のニーズ調査、それとこの2つの科目以外にもこういった学科を設けてほしいという議論にはならなかったんですか。
◎林田産業人材課長 高等技術専門校におきましては、溶接とか機械とか自動車、あるいは建築といった産業界に幅広く就職できるような人材を育成しているところでございますけれども、今、委員ご指摘のように、時代の要請に応じた人材育成を進めていくという観点からは、常に産業界のニーズ把握、これが非常に重要だと考えております。
 高等技術専門校を中心として、年間かなりの数の企業訪問を行っておりますけれども、その中でいただきました要望等につきましては、カリキュラムの見直し等といった形でできるだけ対応するようにしております。
 ただ、現時点で新しい学科をつくってほしいとか、そういった具体的な学科の設置要望についてはお聞きしておりません。
 もう一点でございます。冒頭、委員から人材育成というのは企業の責任において自らやるべき分野ではないかというようなお話がございました。確かに企業の資産という観点から見た時に、そういう考え方もあろうかと思いますけれども、実は今回、この事業の冒頭の説明の中で職業能力開発促進法が根拠法令となっておりますというご説明をいたしました。この法律の趣旨を見た時に、労働者が自ら職業訓練を受ける機会を、国、県あたりの行政として、そこはしっかり確保しなければいけないと。というのは、言ってみれば安定した職業生活を送るために、どうしてもそういう職業能力、あるいは技能・技術を身につける必要があるという観点から、そこは行政の出番だという形で、この法律に基づいて高等技術専門校、これは県だけではなくて国の方にもポリテクセンターという施設がございますけれども、そういう形で行政の方で職業訓練機関を設置しなさいということでこういう事業が進められてきているという経過がございます。
 これは企業という観点というよりも、労働者という観点から見た時に、それは行政として必要な政策だということから、こういった法律に基づいて国、県の政策が進められているものと考えております。
◆友田委員 今、おっしゃるとおり、例えば企業訪問をして、ニーズ調査をして、こういうのがほしいよと言われているのであれば、本来就職率は100%になるべきだと思うんですね。ニーズがあるから設置しているわけだから。それがご本人の都合もあって、造船溶接科の方は2名ほかの業界に行っておられるかもしれませんけれども、せっかくやるのであれば、そういった方がしっかり、身につけた技術を持ってそのまま企業に入られるように、もっとそこはちゃんとやるべきかなという気がします。
 もう一つ、これは4カ月と7カ月とそれぞれありますよね。これは4月から始めて同時スタートだろうと私は認識しているんですけれども、一方で高等技術訓練校に普通に入る人たちがいますよね。その差ですよ。どういう募集の仕方があって、一般コースとこれを望んできたのかというところなんですよね。
 例えば、本人がちゃんと短期を受けて配管を勉強しようと思っていれば、10名入ってきて7名しかいないと、3名脱落とか、結局枠としてはあったけれども、その3名が途中で脱落したばっかりに16人受けているうちの6人は選別アウトになっているわけですよね。そして3名が脱落していくと。それは訓練を受けようと思って来ている人がそうなっていく要因、そのやめた3名はなぜやめたのか。造船溶接科の方も1名脱落していますよね。これはなぜやめたのか。この辺がちゃんとフォローできていて、次回の募集の時、例えば配管は来年以降もやるというわけだから、その人たちがやめていった理由というのが次の募集の際の面接だとか、そういうのに活かされるような仕組みにはなっているんですか。
◎林田産業人材課長 まず、配管設備科でございますけれども、10名入って修了が7名ということで、3名が途中で退校という形になっております。3名の内訳でございますけれども、訓練不適ということで退校をしたのが1名、訓練の途中で早く就職が決まったという方が1人おられます。もう一人は途中で進路変更といいますか、ちょっと別の分野にという形で進路変更をされた方が一人ということで3名が途中で退校されたと聞いております。
 それから、造船溶接科につきましても1名退校しておられますけれども、この方については訓練生の自己都合で退校されたということでございます。
◆友田委員 最後にします。
 これは、県の職業訓練校は長崎と佐世保にありますよね。長崎でやっていますよね。やっぱりそこに通うとなると、例えば県北の人たちがこの職業訓練のためだけに長崎に部屋を借りてという形にはなかなか、まず収入がないわけだから難しいと思うんですけれども、これは県北の佐世保校においても今後取り組むという考えというのは持っているんですか。それとも、平成21年度からやってきた中では、佐世保校でもやってきたんですか。その辺を最後にお聞かせください。
◎林田産業人材課長 この短期訓練のコースにつきましては、平成21年以降、すべてやったコースは長崎校だけでございます。
 ちなみに委員のご質問の趣旨がこういうことだったのかよくわかりませんが、長崎、佐世保両校とも寮を完備しておりますので、遠方から来られた訓練生については、その寮が活用できるという状況にはございます。
○西川分科会長 どなたかほかにありませんか。
◆徳永委員 いろいろと質問が出ましたが、私からも幾つか質問したいと思います。
 これは平成21年から始まったわけですよね。いわゆる平成21年からの就職をしているわけですね。今、平成21年から就職された方の現状、企業に就職されたんでしょうけれども、そのまま勤められているのか、それともやめられているのか、その辺の把握はされておりますか。
◎林田産業人材課長 そこの実態把握まではやっておりません。普通課程の訓練を含めて、一応企業訪問を年間通してかなりの数やっておりますと先ほど申し上げましたけれども、企業訪問をする中で、過去その企業に就職をしたこの出身の訓練生の現状等を、企業訪問をした時に状況をフォローするということはございますけれども、平成21年から実施した分で就職された訓練生のその後の現状について分析まではしておりません。
◆徳永委員 平成21年からの実績、何人来て何人就職されたということは一回出してください。その調査をしなければ、これには県費が入っているわけですよね。この2つに絞って今回やられていますよね。これは平成21年からもずっとこの2つなんですか。それともほかのものもあったわけなんですか、その辺はどうなんですか。
◎林田産業人材課長 過去には電気工事科等、あるいは造船科を含めて、平成24年度に実施した2コース以外の訓練科も実施をしております。
◆徳永委員 では、その年その年でニーズが違うということですよね。それはそれとしていいんですけれども、ただ、先ほどの調査はやらないと、実際その業界からそういう要望があってやったと。そして、就職もした。そういう中で、それは当然継続していっていただかなければならないわけですよね。それは今調査されていませんけれども、やめるようなことがあれば、実際どうだったのかという指摘もされるわけですよね。だから、その辺の調査をしっかりやっていただきたいと思います。
 それと、今回、平成24年度の場合に造船溶接科が4カ月、配管設備科が7カ月ということなんですね。この期間でいいんですか。
◎林田産業人材課長 訓練は、今、委員からお話がございましたように4カ月、7カ月ということで期間は短うございますけれども、1年ないし2年の普通課程訓練同様、カリキュラムを組んで資格取得等ができるレベルまでというような形でカリキュラムを組んで実施しておりますので、それでもって実際企業に就職してやっていけるだけの技能レベル、水準までもっていくというのを目的にカリキュラムを組んで実施しているというところでございます。
◆徳永委員 企業のニーズが確かにあるんですけれども、どこまでの技術がほしいというのがあるわけですよね、水準がね。普通、私も会社をやっていまして、溶接とか何とかは自前で育てたんですね、経験をさせて。そうしたらちゃんとなるんですよ。しかし、会社によっては、同じ溶接でも配管でも、そのレベルがいろいろありますからね。だから、その辺の企業とのマッチングですよね。それが、この訓練等の基準とのマッチングということで考えていいんですか。そういうところにこの技術を持って就職をするということで理解をしていいんですか。
◎林田産業人材課長 それぞれ企業の置かれた状況等はいろいろあろうかと思いますので、できるだけ幅広く就職ができるようにということで、基盤技術の基礎的な部分を中心として技術の習得を目指しています。
◆徳永委員 要するに、それだけの技術を持たなければ就職はできないのかということですよ。
 レベルの問題があるんですよ。溶接でも配管でも、例えばレベルが下の方であっても、企業に入って、そこから産業が必要とするレベルまでもっていくという会社もあれば、最初からレベルの高い技術がないと採用できないというタイプもあるんですよ。だから、どういう考え、企業とのそういうマッチングというか調整をされてやったのかどうかということの確認なんです。
◎林田産業人材課長 その意味では、基礎的なレベルの訓練をやっているとご理解いただいた方がわかりやすいのかなと思います。それを持って企業に入られた後で、また企業で必要なところの技術水準とのギャップを埋めるというところは出てこようかと思いますけれども、高等技術専門校でやっている訓練レベルというのは、比較的基礎的なところを押さえた上で産業界に送り出すという形でやっているということでご理解をいただければと思います。
◎山田産業労働部長 まず、配管設備科の方でございますけれども、管工事業界とも緊密に連携をして、こういった人材が欲しいという打ち合わせもした上で進めてきたわけでして、レベル等々はいろいろとあろうかと思いますけれども、最終的には7名全員が管工事業界に就職しているというところでお考えいただければと思います。
 また、造船溶接科の方ですけれども、こちらの方は13名中12名ということになっております。うち、警備とか食品加工の方に回った者もございますけれども、これは産業人材課長が先ほど説明しましたように、船穀工から艤装工への移転があっていると、人材シフトをしなければいけないということで、溶接工の採用が抑制傾向になったという事情もあることもご理解をいただいて、こっちの方はもう来年度からはやらないんだということもご理解いただいて、相応の数が企業から求められて就職を果たしているということでご了承いただければと思います。
◆徳永委員 それはわかりますけれども、ただ、こういう事業をやっているわけですから、この効果というものがいい方にいってもらいたいというのは我々も同じなんですよ。
 ただ、そういった専門的な技術者をつくるのであれば、レベルの問題があって、そうであればやはり高いところに就職をするのか、そういう技術を得なければできない職種、企業に行くのかという問題が出るんですよ。ただ、会社としてもそんな高等な技術でなくても大丈夫ですよというところがあると私は思うんですよ。だから、その辺をしっかり考えていかないと、どうでもして就職をしましたよとなれば、これは中身が問題になってくるんですよ。別にここに行かなくても、会社に入れて育てることもできるわけなんですよ。そこがレベルなんですよ。どこまでの技術を必要とするかということがあるわけです。私はそこを言っているんですよ。だから、そこはしっかり精査をしてやらないと、ただただ、4カ月と7カ月で技術は教えているんでしょうけれども、そのことがさっきの就職先、そして求めているところとのマッチングが必要ではないかと思いますから、そういったレベル問題も考えて対処していただきたいと思います。そのことについてどうですか。
◎林田産業人材課長 先ほど私は、技能レベルについては基礎的なところの訓練をやって産業界に送り出すというご説明をいたしましたけれども、それに加えて高等技術専門校の普通課程訓練もそうでございますけれども、例えば安全教育とか、最低限の溶接等の資格取得のレベルまでもっていくというところ、あるいはビジネスマナーと申しますか、総合的な職業人としての教育といったところまで含めて訓練をしております。
 技能レベルにつきましては、企業とのマッチングをどこまで図られるかというところはございますけれども、その辺はいろんなニーズ調査等もやりながら、企業訪問等の中でいろいろなお話も聞きながら、できるだけニーズに応えるような形でやっていければと思います。
 求職者を対象とした訓練でございますから、まずは、できるだけ就職をしていただくというところに主眼はあるかなと思っておりますので、できるだけ広く基礎的なところ、さっき申し上げました職業人教育を含めて取り組んでいきたいと考えております。
◆溝口委員 ダブるところもあるかもわかりませんけれども、平成21年度から平成25年度まで実施してきて、先ほど実績の方もそれぞれあったということですけれども、平成26年度からもこれは必要性があるということで業界の方々からも要望されているので続けていきたいという含みがあると思うんです。これは大体基礎訓練でしょう。その辺について、高等技術専門校との関係が、入校してくる方々にそれを学ばせれば若い人材というのは育つ形になるんですけれども、それを余分にしなければならない理由づけがちょっとわからないんですけれども、その辺についての考え方を聞かせていただきたいと思います。
◎林田産業人材課長 先ほど7カ月間の配管設備科の訓練コースを設定した経過をご説明いたしましたけれども、平成22年度までは電気・配管システム科ということで電気工事関係の技能・技術とあわせて配管関係の技能・技術も含めた形でカリキュラムを組んで、そういったコースを設けて実施をしてまいりました。
 平成23年度に電気工事の部門の訓練内容を充実させるということで電気システム科ということで平成23年度から2年課程の普通課程訓練がスタートしたものですから、それに伴って、平成22年度まで電気・配管システム科の中でやっていた管工事、配管関係の訓練等をどうするかという部分、それが外に出た形になったという経過の中で、平成24年度からその部分も、配管関係の技能・技術についても基盤技術の一つだということで、高等技術専門校の方でぜひそこの人材育成をやってほしいという業界の強い要望等もございまして、確かに平成22年度までは一つの2年課程の普通課程訓練の中で電気工事等とあわせてやっておりましたけれども、先ほど申し上げたような経過の中で、配管の部分が外に出た形になりました。出たけれども、それはやっぱり基盤技術の一つなので高等技術専門校で責任を持ってやる部分だということで7カ月間の訓練コースという形で配管設備に特化した訓練をやっているというところでございます。
◆溝口委員 そうしたら、配管工事に特化したということで、溶接の方は募集しないということだったんですかね。
 それで、高等技術専門校には専門的に配管の技術を磨きたいという生徒はいないんですか。
◎林田産業人材課長 高等技術専門校のコースの中には、今、配管関係はこの7カ月間の短期課程だけでございます。ですから、ほかの訓練コースの中では、配管関係の技能・技術を習得する訓練内容というのはございません。
◆溝口委員 わかりました。
 ただ、配管の専門学校がないということであれば、その7カ月間でも配管の設備をする人たちがやはり人材育成してほしいという強い要望があってからのつながりだと思うんです。
 もう一つは、少なくともある程度の配管の技術があったら、平成24年度から造船関連の技能・技術育成事業というのが入ってきていますよね。その中でも主に溶接とか、配管工事の技術を磨いて資格を取得するまでの形をつくっていこうということですけれども、このことを考えれば、まず専門校で基礎的なものを習ってここに行くということであれば、ある程度最初からそういう技術を取得するための新規事業で上がっている造船関連技能・技術者育成事業の方に入っていった方が、基礎から高度化まで勉強になっていくんじゃないかという気がするんですけれども。
 もう一つは関連するところが結構あるんですよね。地域ニーズ対応人材育成支援事業とかも配管工事関係が入っているんですよね。これは人材の育成でどういう事業になるのかわかりませんけれども、関連する事業がものすごく多くて、反対にある程度一つにまとめて予算をそこにつぎ込んでいった方がいいんじゃないかという気がするんですけれども、ほかの事業との違い、新規事業で立ち上げてきている部分と、今続けていこうとしている技能者育成強化対策事業との大きな違いというのはどこになってくるんですか。
◎林田産業人材課長 今回の技能者育成強化対策事業は、高等技術専門校の施設・設備を活用して求職者の早期就職支援という形で実施している事業でございます。
 委員から平成24年度の新規事業として造船関連技能・技術者育成事業と地域ニーズ対応型人材育成事業と2つ似たようなことをやっているではないかと、そこのすみ分けはどうなっているのかというご指摘でございます。
 まず、この短期訓練でやっておりました造船溶接科の方ですが、先ほどから技能のレベルでちょっと議論がございましたが、基礎的なところの技能・技術を付与するというところが目的でございます。今回、平成24年度に新規事業で立ち上げました造船関連技能・技術者育成事業でございますけれども、事業の目的のところにも書いておりますが、大型客船の受注を受けまして、これをできるだけ県内の企業の受注につながるようにということで実施している事業でございます。
 というのは、これまでは県内の造船関連の特に中小企業の従業員の技能・技術を見た時に、船穀工、船の外枠をつくる部分の技能・技術、ここは非常にすぐれていたけれども、客船建造ということになりますと、いわゆる船の上にホテルをつくるような技能・技術が必要になってくるということです。そうなりますと、高度溶接や艤装工事といったところの技能・技術が必要になってくるということで、その辺の技能・技術を習得をしていただくということを目的として造船関連の事業を立ち上げたというところでございます。
 それから、地域ニーズ対応型育成事業の方ですが、これも委員ご指摘のように、確かに溶接等の訓練も行っております。ただ、一番今回の技能者育成強化対策事業の短期訓練と違うところは、専門家を企業に派遣いたしまして、そこでOJT訓練をやるといったところです。あるいは、そこの地域の企業の施設・設備を活用して、そこで近隣の企業の従業員が集まって集合訓練をやるといった2つのパターンで実施しております。長崎と佐世保に高等技術専門校がございますけれども、なかなか地理的な条件等があって、高等技術専門校でやっている訓練等に参加をすることができないといった地域もございますので、出前方式での訓練という形で事業を立ち上げた経過がございます。
◎池内次長兼雇用労政課長 訓練を受ける対象者からの区別で申し上げますと、今、技能・技術者の方の訓練につきましては、求職者、離職者を対象とした訓練ということでございます。
 造船関連の訓練につきましては、要するに客船連続建造対策に対する高度技能人材を訓練するということで、こちらの方は企業在職者を対象とした訓練ということで、ここは端的な違いがあるということでございます。
◎林田産業人材課長 1点補足をさせていただきます。
 配管関係の話でございますけれども、造船関連技能・技術者育成事業でやっている艤装、配管といった場合の配管と、それから短期訓練の配管設備科でやっておりますところの配管というのは、ちょっと意味合いが違うかと思います。この短期訓練でやっております配管の方は、水道・ガス管、ビルの配管等、あるいは家庭用の給排水の配管等、そういったところまで含めた形での技能・技術の訓練を行っているというところでございます。
◆溝口委員 終わりにしますけれども、先ほど言った高等技術専門校の方には配管設備科がないということで7カ月コースが最長ですけれども、もし、そういう業界の需要がものすごくあって、やはり配管設備科というのを本当は高等技術専門校の方に設置して、高校を卒業した人、また離職者でも構わないから、そういうことをしたい人たちの募集は高等技術専門校でするような形はとれないんですか。
◎林田産業人材課長 この配管設備科につきましては、できるだけ若い訓練生を要望する声が業界の方から強うございまして、1年課程、2年課程の普通課程訓練生と同じように、主に高校の新卒者等を対象としたコースということで、高校等に対しましても募集活動は同様に行っているところでございます。
◆溝口委員 だけど、先ほど配管設備科というのは高等技術専門校にはないという答えでした。ただ、離職者の方々のためのコースとして7カ月コースを今設けているんだという話だったと思うんですけれども、今の話では高校新卒の人も募集するような形を考えているということです。私が言いたいのは、やはり委託を長崎ダイヤモンドスタッフですか、こういう人たちに頼んでしているかもしれませんが、高等技術専門校の方でちゃんとした形の中ですると、やはり本当にそういう高等技術を持った団塊の世代の方々が造船業界を退職して今から結構出てくると思うんですよね。そういう方々を高等技術専門校に入れて、そして本格的に1年とか2年コースで教えていった方が技術的には高まっていくんじゃないかという気が私はするんですけれども、この事業の必要性というのが、そういうことになってきたら私は余り感じられない気がしてならないんです。だから、このことについてどういう考え方を持っているのか聞かせていただきたいと思います。
◎林田産業人材課長 すみません、私の説明が誤解を与える部分があったかと思います。
 まず、この配管設備科、7カ月間の短期訓練でございますけれども、これも高等技術専門校の訓練コースの1つでございます。ただ、私がさっき高等技術専門校の普通課程訓練のコースの中にはございませんと申し上げましたけれども、高等技術専門校でやっている訓練は1年ないし2年課程の普通課程の訓練と短期課程の訓練とございます。いずれも高等技術専門校の訓練コースであることには間違いございません。それを1年でやるか、2年でやるか、あるいは短期の4カ月でやるのか、7カ月でやるのかの違いだけでございます。補足して説明させていただきます。
◎池内次長兼雇用労政課長 もともと配管設備につきましては、今、産業人材課長が申しましたけれども、電気・配管システム科という中で配管については訓練をいたしておりました。それは2年課程であったんですけれども、1年半ぐらいが電気で、あと半年ぐらいが配管という形の中でしておりました。そういった中で、電気に対するニーズが非常に高まってきたと。一方で、配管が半年ということもあって、どうしても配管に行く就職者の意向というか意欲というか、非常に意識が低いということもありました。そういう形で業界の方から配管に、より意識の高い訓練生がほしいという要求がございまして、電気・配管システム科の中から配管の部分を取り出しまして、集中的に短期訓練という形でやって、そして業界に送り込むというシステムをつくったということでございます。
 むしろ、そういった意味では業界の方から集中的に訓練をやっていただいているのでありがたいといった声もお聞きしているところでございます。
◆山口委員 2〜3点お尋ねしますが、まず、この4カ月コースの分から聞きます。これは造船溶接の関係なんですが、溶接の対象物というのが鉄であったりアルミであったりステンレスであったり、その他金属であるんですけれども、4カ月でどの程度の部分までやれるのかなという気がしているんですけれども、そこはどうなんですか。
◎林田産業人材課長 溶接の中には、幾つか種類があろうかと思いますけれども、ガス溶接、アーク溶接について、鉄板の一応の溶接ができるレベルぐらいまでもっていくといった本当に基礎的な部分の技能・技術を付与するための訓練ということでご理解いただければと思います。
◆山口委員 この資料を見ますと、「資格を取得することで」となっているものですから、資格というのもレベルに応じてもろもろあるわけですね。そういう意味では、溶接4カ月コースでどの程度の資格を取らせているのか、その辺はどうなんですか。
◎林田産業人材課長 溶接の資格の中にJIS溶接の資格取得の試験というのがございます。一応レベル的にはこれの取得とか、そのほかにクレーン、あるいは玉掛け、この辺の資格取得ができるレベルの訓練を行っているというところでございます。
◆山口委員 ということは、溶接協会の何々レベルまではいかないということですね。4カ月ぐらいではいかせられないでしょうね。特に50代の人もいるし、年齢もまばらだし、溶接などというのは勘的な部分がいっぱいあるので、そう簡単には資格が取れないのじゃないかなと思ったものですから。とりあえずは実務に差し支えない程度のものは訓練するという程度というふうに理解しておいていいんですね。
 ちなみに、これは平成25年度ないし平成26年度は採用しないということなんですか。(「はい」と呼ぶ者あり)
 では、次の質問をします。
 配管の関係ですが、配管も7カ月コースですから、ある程度ちゃんとやれば、ましてや入っている人たちが全部若い人なのでそれ相当のところまでいくのかなという気がするんですが、配管の性格というのは、釈迦に説法かもしれないけれども、要するに物を保護するための配管と機密性を保つための配管というのは全然レベルが違うわけですね。要するに圧力に耐えなければいけない。例えば空気であったり、水であったり、水ぐらいの低圧のものだったら一定のレベルでいいし、例えば単なる保護するための配管というのは電線ケーブルを通して電線を保護するのも一種の配管なんですね。あと、ガスや油、水や空気というのを通すのもやっぱり配管だと思うんですよ。じゃ、この7カ月コースでどういうレベルまでやらせきっているのかなというのがちょっと気になるところなんですけれども、それはどうなんですか。
◎林田産業人材課長 今の委員のご質問に答えるだけのものを私は今持ち合わせておりませんけれども、一応この配管設備科の7カ月間の訓練につきましては、管工事業界からも1名講師の先生に来ていただいて、高等技術専門校の指導員と2名体制で訓練も行っておりますし、訓練内容については、そういう業界の実態を踏まえた上での訓練ができているのではなかろうかと思っております。それで産業界に出ていった時に十分なレベルにあるかどうかというのは、もちろん高校を卒業してわずか7カ月間の訓練を積んだだけでございますから、企業に入った後でそれぞれOJT訓練なりを積みながら実践に即した形での作業を行っていくということにはなろうかと思いますけれども、そういった意味で訓練の実施に当たって、業界と連携をとった上で実施をしておりますので、産業界が必要とする、求めるところの最低限の職業人としてのレベルまでは達しているのではなかろうかとは考えております。
◆山口委員 わかりました。ねらいを客船に絞っているとすれば、この配管というのは相当の作業量があるんだと思うんですよ。なぜかというと、ホテルを積んで回るわけですからね。そのためには生活するためのいろんな配管が必要になるので、これはぜひとも短期コースであっても長崎においてはあっていいのかなと思いますので、質問というわけではありませんが、そういう感覚でいます。以上です。
◎林田産業人材課長 すみません、これも1点補足をさせていただきます。
 今回、この事業の中で2コース、造船溶接科と配管設備科とございますので、私の説明がまずい部分があって誤解を与えているかもしれません。配管設備科につきましては、造船に携わる技能・技術者を育成するためではなくて、水道・ガス管とか、家庭用、あるいはビル用の配管設備等に必要な技能・技術を訓練するためのコースだということでご理解いただければと思います。
◆山口委員 今の産業人材課長の話を聞いてよくわかりました。明確にどういう訓練をしているのかというのが非常に曖昧だったものですからお尋ねしたところです。
◆織田委員 この平成24年度1,800万円近くかけてこの事業をやったんですけれども、雇用のミスマッチ、若者の雇用をできるだけ確保しよう、拡大していこうという制度としては、一つの方法としてこういう方法があった部分は非常によかったんだと思うんですが、平成24年度、逆に考えて、県の一般財源が577万9,000円ですよね。国費が同じ額になって事業費がこうなっているんですけれども、これを例えば倍にすると。県が倍確保しますよと、そうすると国庫も当然倍になりますね。そうしたら倍の事業費になるわけです。そういうことというのは県が判断してできるものですか。国からそういう一つの方針が示されて成り立つものですか。
◎林田産業人材課長 ここで充てられております国費の570万円というのは交付金でございます。これについては高等技術専門校等の運営に必要な形で交付金がきております。ですから、この短期訓練だけではなくて、1年ないし2年課程の普通課程訓練の事業と含めてこの交付金を充てております。便宜上この事業に、県としてこの交付金を事業費の半分という形で財源上充てているということでございます。
 ですから、今の委員のご質問でございますけれども、この事業規模を倍にという形になった時に、交付金でございますので、一つひとつの県の事業に当たって、国費を幾ら財源として充てるといったようなことではございませんので、そこは交付金という形で別途いろんな算定式のもとに交付金を算定して各県に交付されますから、その範囲内で必要な事業に充てていくということでございますので、あとは県内部での予算の優先度等を考慮した形で実施していくということになろうかと思います。
◆織田委員 若者の雇用のミスマッチを解消するというのは時代の要請ですし、長崎県のように若者の雇用がなかなか難しい中で、移動していく方が多い中で定着を図っていくというのは非常に大事な事業だと思うんですね。だから、これはこの隙間をうまく使って、国費を使いながら、交付金を使ってやっているので、県としての知恵を働かせてやっていると思うんですが、全体の交付金の額にもよるんだけれども、優先度をどうするかということもあるんだけれども、先ほど言いましたように若者の雇用のミスマッチという視点からすると、非常に大事だと思うんですね。
 それで、これを見ると、今、定員は配管が10名に対して16名の応募があっているんですね。16名の応募者全員を入れてもよかったのか、能力がそこの中に一定必要だったのか、されど短期の訓練だから、基礎訓練であれば16名を吸収できたのではないだろうか。
 あるいは15名の造船溶接科についても、もっと大きい造船業の会社だったら15名だったかもしれないけれども、中小の造船業とか、もっとすそ野を広げていけばこういう溶接関係の仕事というのはもっと求められているんじゃないかという面では応募のあり方がどうだったのかという点もちょっと思うんですね。
 そうすると、定員を増やすということが一つと、もう一つは先ほどのお話の中でありましたように、ほかの分野でこういう若者の雇用のミスマッチを補う、解消することができる分野があるのであれば、こうした短期の訓練をもっと増やしていくべきだという考え方も当然ながら成り立つと思うんですよね。この辺についてはどう思いますか。
◎林田産業人材課長 まず、短期訓練の定員規模のお話でございますけれども、まず、この訓練は高等技術専門校の施設・設備を活用して実施をするということでございまして、そこには一定収容力の問題があろうかと思います。加えて、求職者の就職支援のための訓練でもございますので、まず出口の方でどれだけ吸収力があるかといったところも踏まえて訓練の定員規模を設定すべきだというところで、その辺を考慮した形で造船溶接科の15名、配管設備科の10名というのを設定したところでございます。
◆織田委員 恐らくいろんな要素があって、この定員は決まってきて、今おっしゃったような状態で落ち着いた数だと思うんですが、応募が16名もあるんだったら、16名に応じた対応がとれない話でもないだろうなという気もいたします。そこは皆さんの判断なので、今年はこうやってされたのでしょうけれども、来年やるに当たって、当然ながらまた応募者が結構あると思いますね、この状態だと。そうすると、応募に応じた事業、正直なところ、事業というのはやりようによっては幾らでもやれるんですよ。だから、そこは学校側の考え方ではなくて、応募している人たちのことを考えて組み立ててやる必要があると思うんですよ。そういう面で人数が幾らかなりとも増えるのであれば、そういう方法をとるべきだと思います。
 とてもじゃないけれども能力がという方であれば別だけれども、それであっても基礎配管の設備はできるかもしれません。そこはもう少し工夫があっていいんじゃないだろうかと思います。
 他の分野についてのニーズ、先ほどもお話があったようですが、そういう部分についての検討は明年に向けてどうなんですか。
◎林田産業人材課長 先ほどもちょっとご説明いたしましたけれども、いろんな機会、企業訪問等を通じてニーズの把握には努めております。業界の要望等については、普通課程訓練のカリキュラム等の見直しを行うといった中で対応してきております。
 ただ、この短期訓練を含めて、新しい学科の新設等については、今のところ具体的な形での要望ということでは聞いておりません。ただ、先ほどちょっと答弁をし忘れましたけれども、先ほどのご質問の中で、いろんな若年者の求職に向けた形での訓練の対応をどうしているかというご質問があったかと思いますけれども、その辺は高等技術専門校の施設内の訓練だけではなくて、事務系を中心とした委託訓練等もやっておりますし、また、国の方で設置しておりますポリテクセンターもございます。そちらの方でも求職者を対象とした、主にものづくり系の施設内訓練、6カ月程度の訓練でございますけれども、行っております。そういった施設、あるいは委託訓練等を活用しながら、求職者の早期就職に向けた取組を国、県でやっているという状況でございます。
◆織田委員 訓練の方法は、今かなり充実してきましたよね。ただ、個々の求職者という点ではハローワークを通してやるのですか。そうじゃない人たちで、いわゆる何もなくて仕事ができない若者が結構多いんですよ。そういう方たちをどう吸収して、そこで訓練を受けさせてスキルアップしてあげてという点も、今は非正規社員とかなんかであって、例えば50万円会社に今年からくるようになったとか、いろんな制度があるんだけれども、県としてやれるところは、最終的にはそういう若者をどう訓練をしてあげるかということだと思うんです。せっかく高等技術専門校というこれは、国がつくっているものじゃない隙間の部分を、地元でやれる部分は何かということでつくったわけですから。そういう時に一番私たちが目につくのは、要するになかなか仕事がなくて就職をあきらめてしまっている若者、そういう人がいっぱいいます。かわいそうですね。こういう人たちに短期でいいから、ハローワークに求職者として登録していくことがまず前提なんだけれども、そうでなくても吸収できるような仕組みをもっと時代に合わせて考えていかないといけない。余りにも固まった場面の中でやっている、それは交付金があるから、それが前提なんだけれども。
 ただ、それは昨日話したように、この産業労働部の金というのは結構残しているというか、当初予算から比べればえらく残っているお金がいっぱいあるんです、金融は別としてね。そうなった時に、一番お金を使って、国がやることと違う隙間で県がやれるところとしてはこういう分野ですよ。私たちが求めているのは、若者の雇用ですよ。そういう面の拡大をこういうことを通しながら、もうちょっと県が研究していく必要があると思います。時代にあわせて広げていく必要があると思います。
◎山田産業労働部長 本県の産業を支える、また基盤技術を支える人材の育成でございます。大変大切だと思っております。
 先ほど来、産業人材課長も申し上げていますように、企業からの人材育成の要請などもあり、意見交換などもいたしておりますし、また、人材育成のニーズというのは年々歳々変わってくるものだと思います。しっかりと取り組んでいく必要があると思っておりますので、企業等から人材育成の必要性が高いということでお話があれば、国とも相談しながら積極的に取り組んでいく必要があると思います。
◆中島[浩]委員 事業シートに記入しなければいけませんので、確認します。
 この造船溶接科においては、もう募集を行わないということで、この業務委託自体はなくなるわけですよね。
 今度は配管設備科ですけれども、ご存じのとおりこの配管工事も含めて、公共工事が長く低迷してきた間に、そういった配管工を含めた技術系の会社がどんどん、どんどん高齢化が進んで新規採用できなかったという状況の中でこういった声が出てきたのかなと思います。
 特に公共工事に携わる方々に話を聞くと、工事がこの15カ月予算でどんどん出てきたと。例えば建設業であると、工事は取りましたけれども施工班がいないということで手を挙げられない現状なんだそうです。だから、こういう事業を通して、これは国のお金もいただけるので、できれば募集活動に関してはもっと果敢に取り組んでいただきたいと思いますし、恐らく配管工以外にも要望があるはずなんです。そうしないと、今、工事がどんどん増える中で、技術者、施工班がいないので手を挙げられないと。結局、建設業としたら監督をする技術者があふれている状況なんですね。手を挙げられないので、会社も困っていると。見過ごすだけの状況になっていますので、これは配管工にかかわらず、ほかの業界からもぜひ細かい情報を得ていただいて、どういったニーズがあるのか。特に、配管工は、この10名以上でも、もし募集をかけたらもっといらっしゃるかと思うんですね。受け入れる側はまだあると思います、配管工事しかり、業者の方も。その辺はしっかりと状況を把握していただいて、これは国の事業を使えるわけですから、ぜひもうちょっと募集に力を入れていただければと思います。以上です。
◆山田[博]副会長 産業人材課長、この事業というのはすばらしい事業だと思っているんです。私は委員の皆さん方と議論した中で、これは本当にいい議論をしたなと思っているんです。
 そこの中で幾つかお尋ねしますけれども、これは人材育成をやっていくわけでしょう。人材育成というのは、将来的なスパンを考えていかないといけないと思うんですね。将来的な見込みというか、どういった方向でいくかというのは、もちろん産業労働部長のもとで長期的な戦略を掲げて産業人材課長はやられていると思うんですけれども、長期的な戦略に基づいてやっているかやっていないか、そこだけまずお聞かせください。
◎林田産業人材課長 職業訓練につきましては、5年間の職業訓練計画というのをつくっております。今、第9次の職業能力開発計画でございます。これは国の方で基本的な計画をつくりまして、あとは各県、地域の実情に応じて5年間の職業訓練計画という形で策定しております。
 その中で本県の産業界に必要とされるところの人材等々について検討した上で、現在の高等技術専門校の普通課程の訓練等を中心としたいろんな訓練の授業を実施しているという状況にございます。そういった形で5年計画をつくって、その計画に基づいていろんな施策を展開しているということでございます。
◆山田[博]副会長 産業人材課長、私が質問しているのは、今回のこの技能者育成強化対策事業でありますけれども、学校はいいんですよ、高等技術専門校は長期的な戦略でやっておりますと。これももちろんその中の一つとしてやっているか、やっていないかというのを簡単にお聞かせいただきたい。
◎林田産業人材課長 高等技術専門校の施設・設備を活用した訓練という意味では、もちろん高等技術専門校の事業の中の一つという位置づけはもちろんございます。ただ、求職者を対象とした短期間の訓練ということで実施しておりますので、それぞれ先ほどからいろんな産業界のニーズ把握をきちんとやっているのかというご議論がございましたけれども、そういった時代の要請といいますか、産業界のニーズ、その辺は把握しながら随時対応していくという性格を持った事業という面もございます。
◆山田[博]副会長 要するに、回りくどい言葉で言ったらそうでしょうが、今回のこの事業に関しては、長期的ではなくて、短期的な戦略でやっているということでしょう。長期的な戦略は学校でやって、短期的な人材育成の戦略というのは、今回の技能者育成強化対策事業でやっていると理解していいんでしょう。簡単に言ってもらいたいんです。私は、あなたみたいに優秀じゃないから、そう理解していいんでしょう。まず、これが大切なことなんですよ。そこをしっかりと言ってください。
◎林田産業人材課長 今、副会長がおっしゃったような形でご理解いただければと思います。
◆山田[博]副会長 それをはっきり言えばわかりやすいんですよ、委員の皆さん方はね。そういったことでやっているということで、ぜひこれからも頑張っていただきたいということが一つ。
 もう一つは、これは国の事業でやられているわけですね、職業能力開発促進法という法律に基づいてですね。そうすると、これをするに当たっては、先ほど中島(浩)委員がおっしゃったようなところもあるんですよ。その中で他県の状況を調べて、長崎県はこうですよと、造船県長崎ということで配管工とか、中島(浩)委員が言っているのは管工事組合の意見だけでなく、建設業協会の意見も聞いて、型枠工や鉄筋工とかも少ないのではと、こう言っていることはごもっともなんですよ。
 そういった中で、他県の状況を調べながら、この事業をやっているか、やっていないかというのをお聞かせください。
◎林田産業人材課長 他県の状況は調査をしておりません。本県の産業界のニーズ等に基づいてこれまで実施してきたところでございます。
◆山田[博]副会長 産業人材課長、そこは弘法も筆の誤りというか、ちょっとあなたらしくないですね。長崎県は長崎県独自でやりますよというのは確かにいいんですよ。そこの中で、他県はどういうふうになっているかというのも調べてほしい。例えば造船県といったら、私の家内の実家は下関ですが、あそこも造船が盛んなところなんです。他県で造船の街というところも多々あるわけですから、舞鶴とか広島県の呉とか、産業労働部長、次長、呉に行ったことがありますか。(「あります」と呼ぶ者あり)あるでしょう。そういうところも参考にしながら、他県もやっているんだから。
 産業人材課長、視野を大きくして、私も最近は考えているんです。五島のことばかり言っていてはいかんと。対馬のことも言わないといけない、壱岐のことも言わないといけないと思っているわけですよ。もちろん雲仙のことも言わなければいけないとね。だから、産業人材課長、もうちょっと視野を広く持って、ぜひこの事業をやってもらいたいと思うんです。
 これはすごくいい事業ですよ。しかし、今、委員の皆さん方がここの中で言っているのは、果たしてこればっかりでいいのかと。長期的な戦略でほかのものもやった方がいいんじゃないかというのもあったから、これは応援の意味で、激励の意味であなたに集中的に言っておりますが、これは集中審査みたいなものですから、これから頑張っていただきたいと思うんです。
 今回わかったことは、これは短期的な戦略で人材育成をやっていると。一つ問題だったのは、今回、他県の状況を見ながらやった方がさらにいい事業になったんじゃないかと思います。
◎林田産業人材課長 今、副会長のご質問で、他県の状況を把握しているかというところで、そこの調査はやっておりませんと申し上げましたけれども、国の方で全国の状況を集約した資料はございます。ですから、今後は、今ご指摘いただきましたように他県の状況等も見ながら、必要な科については検討していきたいと考えます。
◆山田[博]副会長 しかし、あなたの部下は偉いね。ちゃんとそういったことを正直に言うということはいいことです。普通だったら、わかりましたと言うんですよ。そこをちゃんと国はやっていましたよと、これからそれを参考にしてやりますと。普通はそういったことをきちんと言って上司を助けるというのはいいことですよ。私は、実はそれは知っていたんですよ。知っていて言ったんですよ。これを言うか言わないか黙っていたんです。しかし、あえて正直に言って、やっぱり産業人材課長、あなたはすばらしい。これからも頑張ってください。
◎林田産業人材課長 申し訳ございません、先ほど友田委員のご質問の中で、答弁の修正がございます。この短期コースについて、佐世保校の方でやっていないのかというご質問がございまして、私は「ありません」と申し上げました。これは平成24年度に実施しておりました造船溶接科と配管設備科については、佐世保校の方では平成21年度以降やっておりませんけれども、ほかの訓練コース、例えば電気工事科については佐世保校の方でも平成21年、平成22年の2年間、短期訓練のコースを実施した実績がございます。申し訳ございません。
○西川分科会長 大方質問も出尽くしたようですけれども、時間もないですが、ほかに何かありますか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川分科会長 それでは、各委員におかれましては、協議結果を評価シートにご記入ください。
 しばらく休憩いたします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午前11時29分 休憩−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午前11時31分 再開−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
○西川分科会長 再開いたします。
 各委員から評価結果について、判定区分を発表してください。
 また、評価の理由や改善内容、ご意見があればお願いします。
◆中島[浩]委員 私は「現状」ということで、先ほど申しましたとおりで、業界から声が上がってこういう話になったと思います。ですから、こちら側からも募集にもうちょっと力を入れていただいて、もう少し他の業界にも調査をお願いしたいということで現状維持とします。
◆深堀委員 私もB番の「現状」です。
 要望としては、高等技術専門校とのすみ分けを図って、より効率的な運営を実施してほしいということと、可能な限り習得した技術を活用できる就職先に導くようなことを要望します。
◆友田委員 私もB番の「現状」ということで、交付金事業ということで国費が2分の1入っているということ、さらには、この事業を取り組むことで県立高等技術専門校におけるカリキュラムが結果的に増えているということで、県内就職を求める求職者の職業選択が増えるということ、さらには就職率も昨年度においては92%、100%ということで、この技術習得による効果が認められているということから現状維持としています。
 ただ、先ほどから何度も皆さんから出ているように、やはり県内企業のニーズを把握して、企業が求める人材をこの事業によってどんどんつくる上げることで、結果的に県内就職が増えるということでありますから、幅広い県内企業のニーズの把握に努めていただいて、その訓練内容の見直しを図っていただければと思います。
 以上です。
○西川分科会長 Aに近いBですね。
◆山口委員 評価はAにしました。「要改善」、中身を含めて悪いということじゃないんです。要は、今から先の企業というのは、ある一定の資格というのが物を言う時代になっていますので、どう書いたかというと、「資格取得の目標を設定して一定のレベルを確保させるべき」というのが一つ。そして、企業の評価は、いわゆる有資格者の数と質で評価されるんですよ。そういう意味では、せっかくお金を県として使うわけだから、要するに受講生が自信を持って企業に入っていけるような資格を持たせて卒業させるということを、ある意味での要望に付加して「要改善」ということです。
◆徳永委員 私は、Aの「要改善」ですね。先ほども申しましたが、まず、専門技術者の育成ということをしっかりやっていただきたい。そして、企業からの要望をとって、もう一度再検討していただいて、そのニーズ等も合意した中でやっていただきたい。
 そして、先ほどお願いした追跡調査の実行、これもしっかりしていただきたいと思います。
 以上です。
◆溝口委員 私もA番目の「要改善」ということでしましたけれども、1つはやはり7カ月ということで基礎的な中途半端な形になるので、普通科として専門的に資格まで取得できないかということで、1年間の高等技術専門校の方でできないかということです。
 それと、事業の内容ですけれども、やはり先ほど織田委員からも出ましたけれども、定員が10名に対して16名の応募があったということは、ある程度見直して、応募のあった数をできる限り入れてあげるような改善の方法も考えていく必要があるんじゃないかと思っております。
 何しろ、基礎だけじゃなくて、ある程度専門的にできるような形の中で、企業に働ける場所をつくっていただければと思っています。
◆織田委員 私は「拡充」を選択しました。理由は、若者の雇用という点ではミスマッチが多くて仕事をやめる子が非常に多いのが実情ですね。サービス業は非常に多いんですけれども、こうした技術を持つ、技能を持つということは、仕事に就かない若者が多い。そういう時に訓練をしてあげて、自信を持たせて、資格を持って、長い間そこで働くということを、若者はちゃんと訓練を受けるべきだと思いますね。だから、そういう面で若者の雇用ミスマッチが問題となる中で有効な事業だと思います。
 事業の分野については、もっとニーズ調査を行って拡充していく必要があると思います。その際は、費用対効果というだけじゃなくて、長い間、若者の一生の間に、一番大事な若い時にこうした資格や仕事、働く場の訓練を受けるということはお金に換えられないものがあると思いますので、ぜひそうした面での効果を加味して考えていく必要があると思っていますので、拡充といたしました。
◆野本委員 溶接分野というのは、これまでは造船関連に特化した形の中で業界の要望等々踏まえてきているんですけれども、先ほどもちょっと意見が出たように、これからは建設業関連というのはかなり増えてくると思いますので、そういう意味を含めての事業内容を改善するということも必要ではないかと思います。
 もう一つは、やっぱりこの技術・技能者のストックといいますか、そういうバンクというものを考えながら、もっと大きな視点で考えていくことが大事じゃないかなと思います。
 しかし、産業労働部の所管、国との関係になってくると、勢い集約されてくるんでしょうけれども、そうなってくると国庫に取られてしまってということになってくる部分もあるかもしれませんので、県独自の一般財源の活用もしながらやっていくということも十分考えられるんじゃないかと思って、最初「拡充」にしたんですけれども、等々考えた中に、事業内容を改善し県が実施というAの「要改善」にいたしました。
◆山田[博]副会長 私は@番の「拡充」でございます。
 私は、先ほど言ったように、この事業というのは、これからの雇用に当たっては、織田委員も言われましたように雇用者と使用者とのミスマッチがありまして、そのミスマッチを穴埋めする大きな手段の一つだということでありますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 拡充に当たってぜひお願いしたいのは、他県の状況を調査、研究して、また県内の諸産業等の意見、要望を踏まえた上で積極的にこの事業をやっていただきたいと思います。
 先ほどから「要改善」とか言われましたが、これは要するに拡充するような問題ですからね。要改善と言いながら、こうしてもらいたい、ああしてもらいたいというのは拡充だから、私はそういうふうに受け止めて、私がつけた「拡充」で間違いなかったなと。だから、@番の「拡充」にしたということです。
 終わります。
○西川分科会長 分科会長を交代します。
○山田[博]副会長 西川分科会長。
◆西川分科会長 私は、A番の「要改善」にしました。
 内容、手法の見直しなどをして、予算については県の事情などもあると思いますので、拡充に近い要改善なんですけれども、今の規模ででも何かもっと見直して改善をしていただきたい。さっきの応募者全員が入校できるようなこととか、また途中で脱落、方向転換しないように、面接などにももっと力を入れていただければ、もっと効率が上がるのではないかと思います。あとは皆さんと同じような考え方でございます。
○山田[博]副会長 分科会長を交代します。
○西川分科会長 「要改善」が5名、「拡充」が2名、「現状」が3名でございます。人数的に圧倒的に「要改善」が多いので、「要改善」と「拡充」は少し近いと思いますけれども、「要改善」ということでしたいと思いますが、いいですか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◆山田[博]副会長 「要改善」といっても、なんかちょっと、プラス方向の「要改善」ですね、「拡充」の方向のね。
○西川分科会長 そうそう、「拡充」に近いと思いますよ。
◆山田[博]副会長 だから、この事業を積極的にやっていただきたいということで「要改善」と。今の「要改善」の方の意見を聞いたら、「拡充」の方向のことを言っているんですね、特記事項の皆さんの内容は。
◆徳永委員 「拡充」、「要改善」、「現状」となっているから、このうちから選ばないといけないから。
◆山田[博]副会長 徳永委員が言われるから。
○西川分科会長 そういうことで産業労働部におきましては、私たち委員の熱い思いは長崎県内産業の活性化、向上ですので、この事業が造船業界を中心とした人材育成でもあるし、また配管技術者などの充実、確保にも関係していると思いますので頑張っていただきたいという委員のエールだとご理解いただきたいと思います。
 以上で、技能者育成強化対策事業に係る事業仕分けを終了します。
 午前中の審査は、これにてとどめ、午後は1時30分から再開いたします。
 しばらく休憩いたします。
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     −午前11時44分 休憩−
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     −午後1時30分 再開−
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○西川分科会長 分科会を再開します。
 午前中に引き続き事業仕分けを行います。
 これより、水産部所管の小規模漁協等合併支援事業について、審査を行います。
 漁政課長より事業説明をお願いします。
◎山田漁政課長 それでは、小規模漁協等合併支援事業についてご説明いたします。
 事業シートの最初のページ、資料2−1のページをご覧ください。
 この事業は、2の事業の目的・対象に記載のとおり、漁村の中核的組織である漁業協同組合の機能強化及び正組合員数が少ない小規模漁協等の合併を推進するため、市町、漁協、長崎県漁業協同組合連合会及び長崎県信用漁業協同組合連合会が行います合併推進活動に対して支援するものでございます。
 まず、県内の漁協の現状についてご説明させていただきます。
 資料2−4ページの方を見ていただければと思いますけれども、下の方に参考の表がございますが、県内には平成24年度末現在で69の漁協があり、そのうち正組合員数70名以下もしくは正組合員数の著しい減少が生じるおそれのある漁協、いわゆる小規模漁協と言っておりますけれども、これが20漁協ございます。これが全体の約3割を占めているのが現状でございます。
 小規模漁協は、正組合員数が少ないことに加えまして、経営基盤が弱く思うような事業展開ができないこと、また、小規模漁協の中には、高齢化、後継者不足のために、今後、組合員数が20名以上を維持できずに法定解散を回避できない漁協が出てくるおそれがございます。
 地域の漁業者が安心して漁業活動を行うためには漁協の解散は避けなければならないことから、正組合員数が減少する前に、早急に合併による経営基盤の強化に取り組む必要があると考えております。
 県の水産業振興基本計画におきまして、県は、20ある小規模漁協を中心に合併を推進し、平成21年度に71漁協であったものを、平成27年度に50漁協にする目標を掲げておりまして、平成23年度からこの事業を実施して、漁協合併を支援いたしております。
 ここで事業の内容についてご説明いたします。資料の2−2ページにお戻りください。
 1の事業の概要ですけれども、先ほど申し上げましたとおり小規模漁協を中心に、早急に合併を推進し、漁協機能を強化することが急務となっております。このため、合併により生じる組合員の新たな負担への支援や、系統団体が行います合併推進活動への支援を行います。
 また、市町が中心となって漁協間の連携を強化し、漁協の組織や事業の再編を促進するため、事業統合や共同事業化のためのプラン策定や実証試験等に対しまして支援をいたします。
 2の事業の内容についてご説明いたします。
 まず、(1)の小規模漁協等合併支援対策事業は、合併に取り組む小規模漁協に対し、合併に際して、相手漁協との例えば販売手数料、施設使用料等の格差を軽減するために要する経費、または組合員の啓発活動や合併検討組織の活動に要する経費を助成いたします。
 (2)の合併漁協経営戦略構築支援事業は、県漁連や信漁連が合併予定漁協に対しまして合併を推進するために行います啓発指導、あるいは経済事業や信用事業の調査分析、さらには合併計画書等の策定指導を行うために、その活動経費を助成するものでございます。
 次に、資料2−3ページでございます。
 漁協事業再編支援事業は、市町や市町が設置します漁協機能強化検討会に参画します漁協に対しまして、検討会の活動や合併及び共同事業化のプラン策定、あるいは漁協による共同事業化の実証試験に対して、その経費を助成いたします。
 それから(4)の漁協事務所施設整備事業は、平成19年度までに県の認定を受けました認定漁協が「合併及び事業経営計画書」に基づいて実施します漁協事務所等の整備に対し支援をいたしております。
 次に、当該事業の成果について説明させていただきます。
 資料2−1ページに戻っていただきまして、4の事業の実施状況・成果等をご覧ください。
 @に記載のとおり、小規模漁協等合併支援事業によりまして、新上五島町の飯ノ瀬戸漁協と上五島町漁協の合併協議を行う活動を支援いたしました。
 また、合併漁協経営戦略支援事業によりまして、県漁連や信漁連が行います漁協の組合員への合併に関する啓発活動や役職員への研修指導、合併計画の策定指導に対して支援をいたしております。
 さらには、合併した佐世保市相浦漁協の漁協事務所の整備に対して支援をいたしました。
 Aの事業の成果といたしましては、平成24年10月に上五島町漁協と飯ノ瀬戸漁協が合併し、漁協数は69に減少いたしております。
 この合併よりまして、法定解散の危機にありました飯ノ瀬戸漁協の組合員は安心して漁業を営める体制となったこと、また、上五島町漁協職員が飯ノ瀬戸支所の組合員に対しまして、漁獲物の出荷方法の指導を行いまして、出荷技術の向上が図られるなど、経営の効率化が推進されております。
 次に、5の事業の必要性をご覧ください。
 漁業者の高齢化、担い手不足など、漁業を取り巻く環境が厳しくなる中、漁村地域の中核的組織として漁協の機能強化が不可欠となっており、漁協合併推進に対する本事業の重要性はさらに増しております。
 県が関与する必要性についてですが、県としては漁村地域の中核的組織として自立した漁協を育成し、地域の活性化を推進するため、市町や系統団体と連携を重ねながら、漁協合併を推進する必要があると考えております。
 6の平成26年度事業の実施に向けた方向性でございます。
 平成26年度事業の実施に向けた方向性については、これまで財団法人長崎県漁協合併推進基金が中心となって、県や市町、系統団体と連携しながら合併に際しての事務指導を行ってまいりましたけれども、当基金は本年11月末をもって解散するため、系統団体は当基金の機能を継承します後継組織「長崎県漁協合併推進委員会」をこのほど設置したところでございます。資料の作成段階では、まだ設立していなかったものですから、設置を進めているところですと書いておりますけれども、10月7日に設置をいたしました。
 今後も、小規模漁協は増加する傾向にあり、県としましては、長崎県漁協合併推進委員会を支援し、あわせて市町、系統団体と連携を図ることによって、漁協合併を推進したいと考えております。
 以上でございます。
 よろしくご審議のほどをお願いいたします。
○西川分科会長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより、質疑に入ります。
 事前に2名の方から通告いただいております。
 なお、委員一人当たりの質疑時間は約10分以内で進めることとし、ほかの委員の質疑後、残時間がある場合は再度質疑を行うことができることといたします。
 質疑はありませんか。
◆友田委員 分科会長にお伝えしていましたので、お聞きしたいと思います。
 まだ合併をしていない組合が69あるということなんですけれども、先般、ある組合の役員の方とお会いする機会があってお話をしたら、漁協の合併が進められているところもあるけれども、うちは合併しないと、合併してもメリットはないからというお話をなさっているところがありました。
 今、この県の説明だけ聞くと、どうしても合併をした方がいいんだということなんだけれども、一方で単独でいくんだということを言われている、こういったところについては、県の水産部としてはどのように認識しておられるのか。小規模の漁協がいまだに合併せずに、合併に前向きじゃないというところについては、どういったところに原因があると把握しておられるのか、お聞かせください。
◎山田漁政課長 委員ご指摘のとおり、組合員数が20名未満となって、法定解散のおそれがある小さい漁協でありましても、なかなか近隣漁協に対して積極的に合併を申し入れるようなケースが少ないという実態がございます。その原因といたしましては、合併をすると、例えば理事、あるいは監事といった役員数が減ります。そうなりますと、なかなか自分たちの意見が反映しにくくなるとか、そういった警戒や不安というのがあるかなと考えております。
 ほかには、例えば漁業権や漁場利用に関する利害の対立というのがございまして、漁業権で言えば、組合員数の少ない組合の気持ちとしましては合併することによって自分たちの主張が反映しにくくなるとか、そういったことも考えられますし、また、共同漁業権の外で、例えば一本釣り漁業と網漁業といった操業形態が違う漁協が一緒になると競合関係、あるいは利害関係というのもございまして、そこに対してなかなか合併が進まないということもあるのではないかと思っております。
 また、ほかには、組合員数が少なくても事業外収入があったりして経営は何とかやっているということで特に合併する必要はないとか、そういったいろんなケースがあろうかとは考えております。しかしながら、漁業者自体も減っていますので、将来的には合併をしないと法定解散になってしまうという状況は変わらないと考えております。
◆友田委員 そうすると、今おっしゃるように、県の水産部から見ると、将来にわたって未来永劫続いていくのは難しいでしょうというふうに判断しておられる中で、一方では利害関係があって進まないというところがあって、その辺の調整が一番問題だろうと思うんです。一方でもう既に合併した漁協がありますよね。そういったところにおいても、市町村合併と一緒で、合併した後に合併のデメリットが生じてきている部分というのがもう既にあると思うんですね。ですから、今後、合併をするところにおいては、さっきおっしゃるとおり利害関係があるわけだから、そういったところの調整というのは、既に合併した漁協でいろんな問題が起きていて、ここをどんなふうに解決すればスムーズに合併できるのかということが、もう既に教科書というか、事例があるわけだから、それを見てそういった心配がないように、今後、合併を促すに当たって何か新たにその辺の調整を図るとか、先ほど若干単価の違うところは調整しますとか、販売手数料が違うところは軽減するとかありましたけれども、こういったこと以外にもいろんなデメリットが生じてきていると思うんですね。こういったところの調整を図って、それをちゃんと今後合併を検討するところについては、その手当てができるような制度というか、対応というのはできているんでしょうか。
◎山田漁政課長 合併によりまして管理費が削減できたり、規模を拡大することによる効果ということで、合併のメリットの方が大きいとは考えられます。一方でデメリットとして挙げるとすれば、合併によって支所が閉鎖されるとか、施設の集約でサービスが低下するとか、あるいは役員が減少したために、先ほど申し上げましたように組合員一人ひとりの意見がなかなか反映しにくくなるとか、そういったことがあるかもしれません。そういったことにつきましては、できるだけ県としても施設のサービス低下が生じないような支援とか、組合員の方々のそういう意識、考え方を、できるだけ合併をさせて合併の効果があらわれるようにすることは、県としても支援をしていきたいと考えております。
◆友田委員 この事業で小規模漁協の合併推進を図るということでありますから、やはり漁業者の皆さんにとって合併した方がいいんだと、合併することによってこんなメリットがあるんだというところがもうちょっと見えるようにしてあげることが大事だろうと思います。
 既に長崎県は、市町村合併で合併することによってどうだったんだという議論が漁業者のみならず、合併市町の中にはあるわけですね。そういった住民の皆さんがそれを見てきて、漁協まで合併したら、またあの二の舞だと思われないようにしていくことが大事だろうと思います。
 いずれにしても、このまま放置していては、法的に解散を求められたり、あるいはもう有利な事業を受けられなかったりということがあるようですから、そのあたりは十分一人ひとりの組合員の皆さんに、合併することによって今までできなかったこんなことができますよということを、県としても十分周知していくように、そういった取組が必要かと思いますけれども、こういった点についてはどのようになさってこられたのか、お聞きしたいと思います。
◎山田漁政課長 合併によって生まれるスケールメリットといいますか、規模の効果というもので、例えば五島ふくえ漁協あたりは、合併によりまして観光漁業といったものを始めたり、マグロ養殖の誘致とか、こういうことで経営規模を拡大しておりますし、九十九島漁協では、特産のイリコを活用した新商品の開発といったものに取り組んでおられます。そのほかにもいろんな取り組みをしているところがございますので、こういった成功事例もしっかり紹介させていただきながら、合併の効果を小規模漁協を中心に説明して、将来のあり方を考えていただくようにこれからも進めてまいりたいと思っております。
○西川分科会長 ほかに質疑はありませんか。
◆深堀委員 友田委員から質問がいろいろありましたけれども、私も前の委員会でこの問題についていろいろ質疑を交わした経過があるんですけれども、最初にお尋ねしたいのは、この事業の成果指標の中で目標値「数値目標なし」ということで掲げられているんですが、ここら辺の意図をお聞かせいただきたいと思います。
◎山田漁政課長 ここで「数値目標なし」と申しますのは、平成24年度の数値目標がないということでございまして、平成27年度までに50漁協にするということで、年度ごとの数値目標はなかなか立てにくいといいますか、やはり合併というのは組合員の方々の自主的な意思がまずあって進んでいくということもございまして、我々としては50漁協にもっていくために努力はしているんですけれども、なかなか年度ごとの目標値がないということで「目標値なし」ということにさせていただいております。
◆深堀委員 その回答はわかるんだけれども、もちろん資料2−4に平成27年50という数字が出ていますよね。どう考えても、この数字の流れを見た時に、達成可能かどうかというのは容易に想像つきますよね。やはり単年度、単年度にどれくらいの目標を具体的に掲げていくかというところをしないと、最終的に平成27年度50漁協には当然到達しないだろうし、そのあたりについてはどう考えておられますか。
◎山田漁政課長 確かに、あと3年で約20漁協ぐらいなんですけれども、今、県内には6地区で合併の協議を、いろんな段階がございますけれども検討を進めている漁協がございます。そういったところを積極的に合併推進することによって目標を達成するしかないのかなと思っておりますが、現在、佐世保市南部漁協と川棚漁協が具体的に協議会をつくって、来年4月1日の合併を目指して進めているところでございます。
 そのほかにも、すぐには合併できませんけれども、まず事業共同化から進めていこうということで、西海市が今年から4漁協で販売事業を共同化しようという取組を進めておりますので、そういったところを積極的に支援しながら合併を進めていくということで目標達成につなげてまいりたいと思っております。
◆深堀委員 そもそも、では50漁協という目標は正しいのかというところだと私は思っているんですよね。確かに、今の事業説明の中で漁協の機能を強化するということがあって、小規模漁協が合併することが正しいんだというようなことで進んできているようにしか思えないんですよ。確かに合併することによってメリットもあるでしょうし、それを望んでいる漁協もあるでしょう。しかし、今までの数年間の動きを見ていた時に、合併したくないんだという小さな漁協もあるんでしょう。あるからこそ実績としてはこういう動きになっているんだろうと推測するんですよね。そういうふうに理解はしていませんか。
◎山田漁政課長 先ほど申し上げました合併がなかなか進まない理由の中に、そういったいろんな阻害する要因があって、合併をしたくないというわけじゃないんだけれども、なかなかそういう利害関係があって進まないということはあると思います。
◆深堀委員 その阻害要因というのは、解決できることですか。合併できて、今いいところももちろんあるから、そういうところは参考になるんでしょうけれども、例えばさっきいろいろ言われていましたよね、事業外収入がある漁協もあって、合併したらその自分たちの事業が取られると言ったらおかしいけれども、自分たちの利益が少なくなるとか。そこは解決しないですよね。だから、とにかく合併することが全て正なんだというふうに進めていけば、そこはちょっと事業の進め方としてどうなのかということが気になっているんですよ。
◎山田漁政課長 我々も50漁協という目標を掲げている根拠は、先ほど申し上げたように小規模漁協でございまして、70名以下と言いましても、実際には20名台、30名台の漁協がございます。特にそういった漁協は、もう組合員数が高齢化していって増えなければ確実に解散になるわけですから、そういったところはやはり合併をしないと残っていけないといいますか、残された組合員は漁業ができなくなるという形ですので、そこは進めていかざるを得ないかなと判断しております。
◆深堀委員 もう一つ、今言われた法定解散のことですけれども、法定解散が目の前に迫っているからと、多分そのことは漁業者の皆さんは一番わかっているはずですよね、当事者なんだから。それが目の前に迫っていても合併しないわけでしょう。皆さんは、解散になったらとんでもないですからと説明されるけれども、当事者が一番わかっているわけです。なのに踏み切られないというところをどう認識しているのかなと思っているんですよ。
◎山田漁政課長 そこは、やはり解散した時の影響というか、そういったものをしっかりと説明して、組合員の方々にわかっていただくような努力を続けないといけないと考えております。
◆深堀委員 そうしたら、例えば法定解散になったとしたら、漁業者の皆さんの漁業に対してのデメリットというのは、私は素人でわからないんですが、どういうことが一番大きなリスクになるんでしょうか。
◎山田漁政課長 まず、解散した場合には、いわゆる免許漁業という共同漁業権の中で漁業が、誰でも漁業ができるようになるものですから、ほかの組合の方もそこで獲れるようになるということで、例えば小規模漁協の組合員の方々が漁業をしにくくなるというか、混乱が出てくるということです。(発言する者あり)区画漁業権も現状どおり行使できなくなるということです。
 漁業権がなくなって漁業がしにくくなることもありますし、漁協の機能がストップしますので、いろんな漁協の施設が利用できなくなるということもございます。主には漁業活動ができなくなるということが大きいと思います。
◆深堀委員 わかりました。非常に大きなリスクだと思いますけれども、そのことは認識しているんですよね。今、漁政課長が説明されたことは、漁業者の皆さんは理解しているんですよね。
◎山田漁政課長 そういった小規模漁協につきましては、県、あるいは系統団体が漁協の役職員を中心に説明会、勉強会を開いてご説明いたしておりますので、わかっていらっしゃると考えております。
◆深堀委員 最後にします。
 実際に事業の実施状況で、小さな点で3項目ぐらい支援の実施状況が書いてありますね。事業シートの4の@の中に3つほど「・」がありますね。飯ノ瀬戸漁協と上五島町漁協と合併協議を行う活動に支援とか、啓発活動、役職員への研修・指導に支援とか、相浦漁協の漁協事務所の整備に対し支援と、これが恐らく本事業費の4,400万円の中身だと思うんですけれども、この表現では非常にわかりづらいので、もう少し具体的にこの4,400万円の使途を説明していただけませんか。
◎山田漁政課長 まず、飯ノ瀬戸漁協と上五島町漁協の合併協議を行う活動に支援ということでございますけれども、これは飯ノ瀬戸漁協と上五島町漁協が合併協議を進めていく上での協議会の開催費用とか、あるいは飯ノ瀬戸漁協が合併に向けて販売事業を強化していく上での研修の費用、あるいは飯ノ瀬戸漁協の財務分析、こういったものを委託した時の費用、こういったものにつきまして7万2,000円支援をいたしております。
 それから、県漁連と信漁連への支援でございますけれども、これにつきましては県漁連、信漁連が特に小規模漁協を中心に合併の啓発活動を行ったり、経済事業、あるいは信用事業における調査・分析、それから事業再編への計画、こういったものを漁協に対して支援する時の経費を支援しておりまして、県漁連に268万円、信漁連に153万円支援しております。
 漁協の施設の整備でございますけれども、これは平成19年に合併しまして認定漁協となりました佐世保市相浦漁協の漁協事務所の整備に対しまして支援いたしておりまして、県の支援額が3,880万円でございます。
 それから、県が合併のためにいろんな活動を行っておりますけれども、こういった事務費に係るものが142万5,000円ということで、合計4,450万7,000円ということでございます。
◆深堀委員 わかりました。そうしたら、もうほとんどが佐世保市相浦漁協の事務所の整備、箱物と言ったらおかしいですけれども、ここが一番大きかったということですね。
 そうしたら、この事業は平成23年度からやっていますけれども、先ほどから議論しているように、いかにして小規模漁協が合併しやすくするかというところに対して予算をずっと使ってきたんですか。今の説明で言えば、箱物をつくるのに大きなお金が要っていますけれども、例えば協議の費用というのは7万幾らだとか、研修費が268万円、153万円というぐらいなんですけれども、平成23年度以降、このくらいの使い方をしてきたんですか。
○西川分科会長 休憩します。
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     −午後1時59分 休憩−
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     −午後2時0分 再開−
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○西川分科会長 分科会を再開します。
◎山田漁政課長 平成23年度の実績が628万8,000円でございまして、そのうち小規模漁協等合併支援対策で新上五島町に8万5,000円、それから県漁連に315万円、信漁連に180万円、事務費が125万3,000円でございます。
◆徳永委員 質問いたします。
 合併の推移が平成15年の92漁協から平成24年に69漁協、漁協数はわかりますけれども、組合員数はどうなっていますか。
◎山田漁政課長 これは正組合員と准組合員と合計した数字でございますけれども、平成15年が3万4,708名でございました。平成23年が2万7,802名でございます。
◆徳永委員 正組合員と准組合員でいくんですか。(「合計したものです」と呼ぶ者あり)これは正組合員でいくんでしょう、法定は。正組合員で出してください。
◎山田漁政課長 正組合員でいきますと、平成15年が1万7,888名、平成23年が1万1,088名でございます。
◆徳永委員 なぜこれを聞いたかといいますと、この合併するメリット・デメリットをいろいろ言われていましたけれども、要は合併して、組合員数が減るというのはある程度仕方ないところもあるんですけれども、この減り方の問題なんです。合併をすることによって漁協の体質を強くし、そしてまた、組合員数を減らさないようにするというのが大きな意義ではないのかなと思うんですけれども、その辺はどうなんですか。
◎山田漁政課長 委員おっしゃるとおり、確かに合併をすることによって、その合併による効果を発揮して事業を拡大させ、漁業者を増やしていくということができるようにしなければならないというふうには考えております。
◆徳永委員 要するに、合併がなかなか進まない一つの理由は、この辺にあるのかなと思うんです。今、数字を聞いたのはそういう意味なんです。逆に減ったのかどうかというのは、これは検証しなければわからないんですけれども、この数字を見れば、合併をしても組合員数が減ることを防止できなかったのではないかという危惧があるわけなんですよね。その辺はしっかり検証をしなければ、ただただ、法定解散とかいろいろありますけれども、そのことによって早く合併をしなければならない、また、体質の問題とか、それはわかるんですよ。
 ただ、一番の問題は、水産県長崎は漁業者を維持する、そして育成をするということが、本県は日本で第2位の水産県でありますから、そうしなければならないと思いますし、その中で国はどういう考え、スタンスをとられているのか。今、県がやっているこの事業は、国の考えと並行してやっているのかどうか、その辺の確認をしたいんです。
◎山田漁政課長 国におきましても、漁協の機能強化につきましては県と同じ考えだと考えております。そのため、国も漁協の経営を再建するためにいろんな支援策も講じておりますので、基本的には国も同じような考えであり、漁協の経営を強化していくという考えは一緒と考えております。
◆徳永委員 経営を強化するということは、合併を推進するという理解でよろしいですか。
◎山田漁政課長 国は、「漁協組合合併促進法」というのを昭和42年に成立させまして、その後、平成20年には期限が切れ延長されておりませんけれども、基本的には合併を推進する方向で考えていると考えております。
◆徳永委員 考えておりますということは、イコールではないということになるわけですね。そう理解していいんですよね。
 例えば、農協は相当合併が進みました。私の地元の島原半島でも一つになりました。全国でも5位以内に入る農協になりました。
 農協が合併をしてメリット・デメリットもあるでしょうけれども、大方、私の地元ではそれなりのメリットがあったのではないかと思いますし、また支所の強化もしっかりやっております。
 それに比べれば漁協というのは組合員数も少ないし、また農協と比べるのも問題があると思うんです。ただ、合併というのは、私もこれはやむを得ないところもあるとは理解するんですけれども、ただ、この合併によって組合員数がなるべく減らないようにするのが一つの合併の意義だと思うんです。そこのしっかりとした検証と、もう一つはこのことによって漁業、水産の予算、事業費が逆に減るようなことがあって、漁業振興にマイナスになっているかもしれないわけですよ。その辺もしっかり減らして、また縮小するんじゃなくて、合併は合併でそういう意味があるし、今後の水産振興には、やはりやらなければならないという前提として、しかし、漁業は漁業で水産業としてしっかりとした支援と事業の振興をしなければならないと思いますから、その辺のことはしっかり理解していただいて、ただただ、合併をして縮小して、気がつけば組合員数も少ない、漁業県長崎が水産県としてマイナスになったと言われないような取組と、この事業についての検証をし、また、その中でしっかりとした政策を行っていただきたいと思います。最後の質問になりますけれども、そういうことに関して水産部長の見解をお聞きして終わりたいと思います。
◎下山水産部長 確かに委員ご指摘のとおり、漁業者が減少していっている中で、水産政策として活性化、水産業の振興を図るためにはどうすればいいのかということが大きな課題ではございます。
 現状におきましては、確かに組合員数が減っております。これはもう事実でございます。ただ、沿岸漁業の水揚高というか、生産額はどうなのかというと、これはそう大きく減ってはおりません。したがいまして、一人当たりの生産額というのは確実に増えているのではないかと思っている次第です。
 したがいまして、力強い漁業者をつくっていく、もうかる漁業者を育てていくということが大事なことではなかろうかなと思っております。ただ、そうはいいましても、浜の活性化という観点からすると、ある程度若い後継者がいるということが必要だと思っておりますので、この辺の施策については今まで以上に意を払っていきたいと思っている次第でございます。
◆山口委員 基本的なことがよくわかっていないので伺います。
 今、合併に対していろんな議論をしているんですけれども、この合併のメリット・デメリットの関係にもつながるんですけれども、これにかかわる関係者としては県当局、皆さん方がおられるわけですね。県漁連がありますね。それから信漁連という立場の中で、合併のニーズといいますか、それぞれのスタンスというのがどういうふうになっているのか、ここが県として金を使う上においては、極めて大事だろうと思っているんですよ。そこのところのとらまえ方といいますか、立ち位置を含めてお話いただけますか。
◎山田漁政課長 系統団体、県漁連、信漁連と県との考え方だと思いますけれども、系統団体におきましても、合併推進方針で以前から取り組んでおりまして、平成9年ぐらいから合併方針に基づきまして合併に取り組んでおりますけれども、平成23年に「漁協系統新5カ年の取組指針」というのを作成しまして、県と同じく平成27年度までに50漁協にするという目標を掲げまして、合併に取り組んでいるところでございます。
◆山口委員 ということは、指導の立場にある皆さん方も、現場を預かる漁連も、あるいは信漁連も、スタンスといいますか、方向性としてはほとんど合致していて、もろもろの活動はなされていると認識していいんですか。そのあたりはどうですか。
◎山田漁政課長 その合併に向けての方針は、県と系統団体は全く一緒の方向を向いているところでございます。同じでございます。
◆山口委員 という時に、もろもろ具体化をする時に問題になるのは、それなりの立場の方たちの総論賛成と、実態としての漁協のそれぞれの皆さんの立場、いわゆる俗に言う総論賛成、各論反対の部分が出てくるんですね。今、それが現実にあるものだから、そうそう簡単には進んでいないのだろうと思うんですよ。
 そこのところをどういう形で、県は県としてのリーダーシップが要るでしょうし、漁連はそれぞれの漁協の皆さんの代表が集まった組織であるわけですね。そういう部分をどう整合性を持たせてやれるかということによって、合併というのは進むか進まないかとなっていくんだろうと思うんですね。その辺はどうなんですか。いわゆる各論反対の部分が表に出てきたら、これはもうかなり難しい仕事になりはしないかと思うんですけれども。
◎山田漁政課長 系統団体等は、先ほども事業シートの中で説明いたしましたけれども、これまで合併推進基金という組織をつくっておりまして、これは系統団体7団体と県が入った組織でございますけれども、こういった組織をつくって一緒になって合併を進めていこうということでやっておりますし、今回、その後継組織としまして合併推進委員会というのができましたけれども、この中にも同じく県が入り、系統団体も入ったところで同じ目標に向かって進むというところは、以前から全く同じで考えています。
◆山口委員 わかりました。そういうことである一定の合併をやるための一つの規模として組合員数の関係がある。70名以下が今20漁協あるんですか。69漁協全部について、教えてもらえますか。70名から100名の組合員を擁する漁協が幾つあって、100名から200名が幾つあって、200名以上が幾つあるのか。というのが、今後、合併を本当に積極的に、それぞれの漁協に運営をスムーズにやらせるためにも、どういう見方をしておかないといけないのかというのがあるものですから、そこの数字を教えていただけますか。
○西川分科会長 休憩します。
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     −午後2時16分 休憩−
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     −午後2時18分 再開−
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○西川分科会長 再開します。
◎山田漁政課長 70名以下の漁協が先ほど申し上げたように20漁協、100名以下が9漁協、200名以下が21漁協、それ以上が19漁協です。合計69漁協です。
◆山口委員 わかりました。
 こういう状況を見て、今後、あとは市町村合併の絡みもあって、農協もですけれども、合併で気をつけておかないといけないのは、いわゆる市町の行政体と切り離さないようにしておかないと、後で難しくなるんです。実際、農協でもそういう実態が出ているものですから、それぞれの自治体はそれぞれの漁協に対する補助をこう考えているんだけれども、B市はこう考えているという関係があって、うまくいきづらいところがあるものですから、そこは指導する上において、よく注意してやっておかないと、後々難しくなると判断しています。当然皆さんもおわかりのことだと思いますけれども、合併を進めるにしてもどうするにしても、そこのところのバランスをよく見てやるべきだろうと思います。以上です。
◆織田委員 人口が、長崎県で毎年大体9,000人から1万人ぐらい減っているんですよ。特に農業者、漁業者、漁村の人口減少が甚だしいと思うんです。これから5年、10年経った時には、この漁協だったら組合員数はこうなってくるというのは明らかに見えてきますよね。それはできているんですか。
◎山田漁政課長 今後、特に小規模漁協がどういった状況になっていくかというのは、我々も大変危惧しているところでございまして、仮に最近の5年ぐらいの人口年齢別動態から見た時に、例えば平成23年から平成33年にかけて経過した場合に、組合員数は平成33年に約1万3,800人ぐらいになるというふうに推計されております。
 そういった推計をもとに漁協がどうなるかと申しますと、20人未満で法定解散になるような漁協が、今の状況でいくと9漁協ぐらい出るのではないかという推測はできるところです。
◆織田委員 それは甘い数だと私は思いますよ。皆さんの期待値も入っているんだと思います。人口減少の割合は、皆さんが行政上考えている割合よりも、かなり激しい人口減少をたどると思います、特に、漁業の場合は。明らかに年齢層が高いです。この組合員さんたちはもう漁業しかやっていない人たちですよ。そういう実態をきちんと示さないからだめなんですよ、期待値ではなくて。今のこの状況だったら、間違いなく5年後にはこうなりますねと、年齢構成を見ればわかるんですから。皆さんは今、統計でやらせたので、恐らく実態じゃない統計だと私は思います。どこどこの地域では、今どうですよ、こうですよという実態を見ていけば、明らかに出てくるはずです。もっと激しい数が出てくるはずですよ。減少の割合は、そういうところをきちんと見せないと。
 そうしないと、お年寄りの人が今、何とか自分の漁業でやっているわけですよ。お年寄りはそれで精いっぱい、自分の人生のほとんどを海で働いてきた人たちがそういう生涯を通すというのはいいことだけれども、その後、何もなくなってしまったら、これは元も子もないないわけですよ、それによって。だから、そこのところをお年寄りの皆さんも一定考えてくださいよと、こうなるんですよという危機意識を、ある面将来に対して見てもらわないと。そうしないと、漁村というものが壊れてしまいますよ。漁協というのは、漁村です。漁村というのはまちづくり全てに影響するわけです。一回なくしてしまったら元も子もないでしょう。そういう危機意識を共有してもらわないと。その情報を皆さんがびしっと示さないからいけないんですよ。私はそう思いますよ。
 まずはそこから始めないと、なかなかテーブルに着いていただけないでしょう、きっと。何とかなるだろう、自分たちの代はこうやって漁業がやれればいいと、その域ですよ。全体意識にならないんだから。しかし、それはしようがない、行政も悪い、ある意味、誘導しきれないでいるんだから。
 そういう点で、まずきちっと、20漁協とわかっているんだから、この地域は5年後の人口、今の登録者数からして、5年後はどれくらいになりますよというデータを出せませんか。
◎山田漁政課長 先ほど申し上げましたような年齢別動態で推計は出せますので、そこはお示しできると思います。
◆織田委員 推計ではなくて、実態値として明らかにしないといけない。実際に今、漁業をやっていらっしゃる方たちを見てどうかという判断を、推計ではなくて、人口割で云々ではなくて、実態値でやらなければ、年齢構成から含めてそれをやらないと。もうあなたたちも今までの流れで漁業がぐっときていた時代じゃないんだから。部長がいいことをおっしゃった。できるところはどんどん漁獲を上げようと。大変なところはどう支えていくかと、言葉はきれいなことをいいますよ、ここはテーブルの上だから。実態は違うところで動いているんだから。そういう実態に合うような行政としての分析をきちっとまずしなければ。これが一つです。
 もう一つ、組合というのは、基本的には協同組合だから、組合法にのっとってやっていくわけでしょう。理事会があって、定款があって、組合員はこういう人が組合員ですよと。しかも、就業者はどのくらいですよと。それをちゃんと確認することになっているんですよと。当たり前の協同組合法としての運営があるはずですよ。ちゃんとこれが行われていますか。
◎山田漁政課長 組合員につきましては、組合員資格審査というのを各漁協の方でやっておりまして、それに基づきまして正組合員、准組合員というのを各漁協が確認をしているということでございます。
◆織田委員 その域だよね。だから、何というのか、ちゃんと運営して大きくして、漁業計画を立てたり、活性化計画を立てたりして、皆さんが将来の見通しをしっかり立てて、こうやって我が漁協をやっていくんですよと。このために皆さん協力してくださいねと。活性化計画を立てて、じゃ足りない分はほかから収入を得るためにこうしましょうね、ああしましょうねとオープンにしながらやっている漁協もあるし、そうではなくて、組合長がどんといて、なかなか思うような話がこの組合員に伝わらない、定款もどういう定款になっているかわからないねというところもあるかもしれない。
 要するに組合が69漁協ある中で、健全にそういう組合運営ができているところとできてないところがあるとすれば、これは漁政課としては、例えば福祉であれは監査というのがちゃんとある。協同組合法は協同組合でちゃんとする。じゃ、漁業協同組合はどこがこれを監査し、どこが見ていくかというのは基本的には漁協ですよ。だけど、漁協の中でなかなかそれがどうなっているかという点で情報公開がきちっとできていないような、あるいは内部告発もあるかもしれない。そういう時は漁政課が行って、この組合が健全な運営ができているかどうか見る、そういうことをきちっとやっていったら、この動きはもっと変わってきますよ。私はそう思うんですけれども、その辺はどうですか。
◎山田漁政課長 漁協に対しましては、原則2年に1回常例検査というものを漁政課の方でいたしておりまして、運営状況、あるいは先ほど委員がおっしゃった組合員資格審査につきましてもきちんと見させていただき、そういうところに問題があれば指摘をするような体制にしております。そういう意味では常例検査を通して組合の健全な運営を助言、指導しているところでございます。
◆織田委員 そう言わざるを得ないでしょうが、中身を知っているから。もっと明確にやるべきだと思います。そして、健全な漁業をやっていらっしゃるところがしっかり力をつけていかれることが長崎県の水産業界の発展につながると思います。今、漁業でもうかっている、しっかりやっていらっしゃるところ、そうじゃなくて公共的なものを収入に入れたりとか、いろんなことを通しながらやっていらっしゃるところが多くて、本当に漁業をやっていくことの難しさが幾重にも重なっていると私は思います。本当に難しいと思います。だけど、適正にやっているかどうか、適法にやっているかどうかというのは、何を置いても優先しなければいけない。そこはきちっとあなたたちもやらなければ。そこに甘えがあったら、漁業は厳しい環境だから、どこかで前向きなところに出てこないのではないかという気がするんですよ。そういう意味で適法な協同組合というものがあるんだから、ひょっとしたら組合長の思いだけで動いている組合がないとは言えないかもしれない。組合そのものの運営の中で、小さくなってきちっとした組合運営ができないでいるかもしれない。そういうものはやっぱり適法に皆さんがきちっとやる必要があると思っています。ここは一般質問じゃないけれども、どうしてもこういう方向になってしまいます。こういう事業仕分けというのはややこしいですね、区分けしてやらないといけない。
 もう一つは、上五島町漁協が今回、飯ノ瀬戸漁協と合併した。上五島町は4つ漁協があったんですね。非常に難しい地域がやっと、上五島は正直言って大きいところが受けて、また話し合いがついてできたんだと、ご苦労が非常に多かったんだと思うんですね。こういうのは一つの戦略として大事なことだと思うんですよ。大きいところが小さいところを救う。残ったところがあと2つあれば、こういうところに対してもまた合併した小さいところがアプローチしてもいい。これは戦略的な問題です。合併をどう戦略的に進めていくかという、それはその地域だから。これは市町と、あるいは信連とか、経営の話し合いの分でやっていかなければいけないんだけれども、せっかくこうやって難しいところが1つになったので、あとまだ残っているところを含めて、今後、ここで終わるのではなくて、あと若松もありますよね。次にこういうところとどう進めていくかという二の手が大事だと思うんです。その辺は戦略的にどのように考えていますか。
◎山田漁政課長 我々が進めております小規模漁協につきましては、小さい漁協同士が合併してもなかなかその効果があらわれないと思いますので、中規模以上の漁協と小規模漁協が合併することによって大きくなり、それから次の段階に入っていくような合併が好ましいかと思います。
 例えば五島地域、上五島地域で合併をする場合も、やはり地元の漁協の意向、そして、地元の市町の意向を聞きながら、系統団体とも連携して全体的な合併も含めたところの戦略をもって取り組んでまいりたいと思っております。
◆織田委員 そういうことは大事だと思うんですよ。特に、販売事業が一番せっぱ詰まっていることだから、そういう部門の共同化という話があったじゃないですか。そういったことはもうすぐできることだから、ぜひいろんな手だてをとって合併に誘導していくべきだと思いますね。
 それから、平成27年までに50漁協にもってくということだから、今年は平成25年ですからあと3年ですね。集中してやっていくという構えはないんですか。平成27年まであと2〜3年、この間に集中して、行政もある面、集中投資のための支援もしていくというような形をとって、さっき言ったような分析もきちっとして、向こうに示して、こうですよと。そのかわり行政としてこれだけの応援、今の応援よりもさらに工夫しましょうと。あるいは系統も含めていろんな負債があると思うので、そういったことも含めてこうしましょうという集中して事を進めていくという考え方は、今あるんですか、ないんですか。
◎山田漁政課長 平成27年度までの目標の達成に向けての取組ということだと思いますけれども、先ほど来申し上げておりますように、まず、小規模漁協を中心に合併を進めていこうと考えておりまして、県内で幾つか、先ほど申し上げたような事業の共同化とかやっているところがございますので、そういった合併が進みやすいところを集中的に取り組みまして、できるだけ目標達成が可能なように取り組んでまいりたいと考えております。
◆織田委員 それは当然ですよね。そのために次にインセンティブをいろいろ与えて、あるいは考えて、工夫して、ほかの関係者等を含めて集中してそういうことをやっていくという気持ちは今のところまだないわけですね。
◎山田漁政課長 合併に対する取組は、この事業を始めた時、あるいはその以前からも変わっておりませんで、行政としてはとにかく現地に行って合併の効果をしっかり説明して、合併の影響も説明しながらやっているところでございます。ただ、ここを集中的に行政がやっても、その漁協自体がその気にならないと、組合員がその気にならないととんでもないということがございますので、そこは集中的にというのは、小規模漁協、とにかく組合員数が少ないところは集中的にやっていきたいと考えております。
◆中島[浩]委員 先ほど集中的にということで、私も地元の組合員とは定期的に話す機会を持っているんですけれども、やはり組合長自体は、先ほどちょっと話が出ていましたけれども、ある程度認識はされていますよね。ただ、組合員の方になると、なかなか話が100%通っていないことが見受けられます。ですから、会議を開いて組合長同士と職員の方と熱心に話されるのもいいんですけれども、組合員の方にもぜひそういう情報や置かれた状況、これが100%その方たちにも浸透するぐらいの話をしていかないと、今の状況ではこの話はずっと延々と進まないと思います。
 これも私の地元の話ですけれども、若い優秀な職員がこの間やめました。会う機会がありましたので、なんでかと聞いたら、今の状況が恐らくこのまま続くだろうと踏んでいるわけですね。将来を悲観して、せっかくいい人材なのに、まだ子どもが小さいからということでやめました。こういうことが続いてくると、職員の資質にもかかってくるわけですね。ですから、先ほど平成27年度まで集中的にやれと言われましたけれども、周知徹底していただいてやらないことには、どんどん職員も落ちてくるし、そうすると事務能力が落ちてくるわけですから、もちろん組合としてもよくないわけですね。ですから、こういうことも考えていただいて、これはぜひ平成27年度に50漁協というのは、恐らくこれだけしておけば当面は大丈夫だろうという数字だと思っております。その50の枠ができた中で、現状もずっと交渉されていると思いますので、これは集中的に、先ほどの話じゃないですけれども、ぜひ取り組んでいただきたいという思いでシートには書き込ませていただきたいと思います。以上です。
◆溝口委員 小規模漁協の合併は、平成23年度からの支援事業になっていると思うんですけれども、平成19年度までに合併した認定漁協に対して事務所とか、いろいろな計画によって設備投資をしていいですよというメリットを与えていたと思うんです。
 行政当局の考え方として、今後は小規模的な合併だけを望んでいるのか。それとも大きい合併というのを考えていく場合に、津々浦々が遠くなってきますよね。そうしたら、そこにいろんな設備をしていかないといけない部分が出てくるんですよ。そういうことに対する県の今後の考え方というのは、平成27年度までに50漁協ということですけれども、今後の合併に対する考え方というのはどのように考えているんですか。
◎山田漁政課長 合併の目標といいますか、当面は50漁協を目指すということなんですけれども、県によっては一県一漁協という県もございます。長崎の場合は広い海域があって、海域ごとに漁業も漁業形態も違いますので、そこはもし将来的に大きな合併ということになりますと、海域の特性を活かせるような単位の漁協の合併になっていくのではないかと、そういったものが望ましいのではないかと考えております。
 ただ、そうなっても、組合員と漁協の本所の場所が離れてしまうといったことにつきましては、県としてもサービスの低下が生じないような支援はしていかなければならないと考えております。
◎下山水産部長 今、漁政課長が答弁したとおりでございますけれども、少し補足させていただければ、確かに大規模な漁協になった時に、同じ漁協内での機能分担をどういうふうに考えていくのかというのは大きな課題になってくるだろうと思います。したがいまして、津々浦々の漁民の皆さんへのサービスの向上みたいなものはどういったふうに考えるかということでございますけれども、漁協内の機能分担みたいなものをきちっと漁協で考えていただいて、必要な事業については我々といたしましても県単の補助金がありますので、積極的に支援はしていきたいと思っている次第でございます。
◆溝口委員 なぜ私がこれを聞くかというと、今回の仕分けというのが拡充にするか、それともなしにするか、普通にするか、いろいろな段階がここにあるわけですよね。そうしたら、県の考え方として、やはり合併を力強く進めていこうというなら拡充していかないとこの合併はできない。先ほどの皆さん方のいろんな質問を聞いていると、小規模で漁協としての機能がなくなる、正組合員が20人未満になるという法定解散にひっかかるような漁協を眺めていって合併させようという、私としては消極的な聞こえ方しかしないわけですよ。そうしたら、今の普通でいいんじゃないかとか、本当はもう県がそこまでやったら県が携わる必要もないんじゃないかとか、やはり漁連と信漁連がやっていますので、そこに対する支援をこの小規模合併の中でいろいろと考えて委託しているという形もできるのかわかりませんけれども、私としては、やはり漁協合併というのは行政がある程度突っ込んだ、自分たちの力強い指導でやっていかないと合併はできないと思うんですよ。それは組合員同士のいろんな問題もあるんですよね。しかし、行政がこうしてこうやったらこうなりますから、こういうふうに合併の勉強会をしてくださいとか、そういう大きな部分が全然見えなくなって、平成19年まではそういう合併を望んで、一市一漁協ということを望んで物すごく力強く指導してきたと思うんですよ。だから、ある程度大きな合併ができたと思うんです。今の考え方では、もう本当に小規模でいいですよと、合併するところだけさせていこうと、そういう消極的な行政の考え方になっているんじゃないかと私は考えたものですから、このことについて事業仕分けをするといった時に、どこをどういうふうにしていいのかという問題が自分の中に意識がありましたので、質問させていただきました。
 そのことに対して、指導的に一生懸命やろうと考えているのかどうかということを聞きたいんです。
◎山田漁政課長 漁協の合併につきましては、基本は漁協の組合員の意思によるものでございますけれども、県としましては合併の効果があるものと考えておりますので、それは積極的に、先ほど委員がおっしゃるように系統団体に任せるのではなく、一緒になって、むしろ県がリーダーシップをとるような形で進めていきたいと考えております。
◆溝口委員 そうしたら、やはり個々の事業が小規模の関係の中で、先ほど説明があったのは、全部ソフト事業だけの補助なんですね。県単でいろんなメニューがありますからと言っても、恐らく今のところ2,000万円限度のものしかないと思うんです。水産振興基金か何か知らないですけれども。そういうことではやっぱり県が本当に指導的に合併をさせていこうという気持ちがあるとは私は思えないんですけれども、部長、本当にその辺ははっきり県が指導的にやっていこうという考え方を持っているのかどうか、これは部長の考え方だろうと思うんですけれども、お願いします。
◎下山水産部長 漁協合併というのは必要であると思っております。だから、これは推進していく必要があると思っておりますが、ただ、先ほども漁政課長が言いましたように、漁協の皆さんが、漁業者の皆さんがそれをどう考えるか。自分たちの漁協はどういう漁協でありたいのかというのを、まずきちんと自分たちで考えていただいて、大きくしたいんだと、もっと積極的にやっていきたいんだということであれば、我々としてはもっと積極的な支援も可能です。ただ、今、正直申し上げまして漁協も大きくなくてもいいと。漁業権の管理だけをやるぐらいでいいんだという意見も確かに一部あるのは事実です。我々は、もっと積極的に大きくしていった方がいいんじゃないかという普及啓発みたいなことをやってはいるんですけれども、やはり地域の皆さんが、「いやいや、もうこれ以上大きくならなくていいです。これぐらいでいいです」ということになると、どうしてもそれ以上進まない。
 我々としてはやっぱり大きな地域でくくって、以前には県下大体8漁協ぐらいにしたいなという構想も持った時期もありました。自立した漁協ということを考えると広域の漁協が望ましいとは思うんですけれども、漁業者の皆さんがそれをどう考えるのか、決定的なところがあるものですから、そこら辺が結果として見えてこないところがあるのも事実でございます。
◆溝口委員 これで一応やめますけれども、漁業者に言わせたら、自分たちの城を守るというのは自分たちのことだけでいいと思っているんです、多分。しかしながら、県の考え方としては、やはり前回まで一市町一漁協という強い方針を立てて、理念を立てて合併を進めてきたと思うんです。それがいつの間にか、もうある程度合併したから、これで大きな合併も終わったからという形の中でこれがすうっと消えていくような消極的な考え方に行政がなってきたということが問題だと私は言っているんです。
 だから、これを拡充してやろうと言うなら、やはり当初の目的のように一市町一漁協ということを目標して、その指導をしていただかないと、やはりこの合併にはつながっていかないと思うんですよ。だから、あくまでもこの小規模で、そのままだと法定解散にかかるようなところだけを合併させて、ソフト面での支援だけでいいのかというのが私の事業仕分けに対する質問です。
 これで終わりますが、県の考え方は先ほど聞きました。でも、やはり大きな理念を持って合併を進めていくという形の方がより指導力を持った行政のあり方だと私は思っておりますので、その辺については強く要望しておきたいと思います。
◆山田[博]副会長 まず、大前提をお尋ねしたいと思います。
 水産部としては、平成27年度の目標値を50漁協としてやっていくという決意は変わらないということでいいですか。決意と根拠を示してもらいたい、なぜ50漁協なのか。
◎山田漁政課長 平成27年度に50漁協を目指していくということにつきましては、変わっておりません。
 50の根拠は、小規模漁協が20ございますので、それを合併させて50にしていくということでございます。
◆山田[博]副会長 では確認しますが、20漁協というのは小規模だということでありました。平成27年度に50漁協を目指すのであれば、その前提として合併及び事業経営計画書というのをつくらないといけないんでしょう。それは今どれぐらいできているんですか。
◎山田漁政課長 今、合併した漁協が2つございますので、2つでございます。ですから、この計画書というのは、合併協議を始めて、合併直前になってつくる計画書でございますので。
◆山田[博]副会長 そうしたら、50漁協を目指して実際に取り組んでいるのはどれぐらいあるんですか。平成24年度になって取り組んでいる箇所数というのは何箇所ぐらいあるんですか。
◎山田漁政課長 今は、具体的に合併推進協議会を設立している佐世保市南部、川棚漁協、こういった具体的な活動をしているところが3地区、それからそういった検討組織の設立を検討するようなところが3つぐらいということで6地区ぐらいはそういった検討をしているということです。
◆山田[博]副会長 6地区だったら、もし6地区がうまくいって、平成27年度までに50漁協は可能かどうか。目標達成ができるのかできないのか。現時点でこれがうまくいって、いろいろな相談に乗ったりしていますね。この50漁協に対してどれぐらいの達成率になるのか教えてください。
◎山田漁政課長 この6地区につきましては、16ぐらいの漁協が合併できるのではないかと思っております。ですから、もう少しほかにも合併を推進していかないといけないと考えております。
○西川分科会長 休憩します。
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     −午後2時51分 休憩−
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     −午後2時52分 再開−
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○西川分科会長 再開します。
◎山田漁政課長 達成率80%でございます。
◆山田[博]副会長 今、検討している地区とか、合併協議会の設立を検討しているところを合わせると80%ぐらいになると。それらがうまくいったとして達成率80%ですね。そうすると、何組合になるんですか。もう一度お願いします。
◎山田漁政課長 53漁協ぐらいになると思います。
◆山田[博]副会長 そうすると、順調にいけば平成27年度までに53組合になるんですね。それで、過去平成15年から平成21年までに21漁協減ったわけですね。この時の制度と今の制度とはどこが大きく違うのか、説明してもらえますか。合併する時に利子補給とかありましたね。その辺が制度として一番違うんじゃないですか。それをお尋ねしたいと思います。
◎山田漁政課長 副会長がおっしゃっています利子補給については、平成12年までぐらいでした。平成15年以降はそういう利子補給は行っておりません。
◆山田[博]副会長 そうしたら、平成15年まではものすごく合併が進んで、今はなかなか進まないわけでしょう。先ほど各委員から指摘があって、組合の方にいろいろ言っているんだけれども、組合がああでもないこうでもないと言っているんですよと。
 私は、織田委員もほかの委員も言われたけれども、やっぱり組合員の皆さん方が組合の経営とか組合の実態をよく理解していないのが多いんですよ、はっきり申し上げて。だって、いいですか、今の平成23年から平成33年には組合員数が1万3,000人ぐらいになるんでしょう。そうなると言ったって、今の3万4,000人から1万3,000人ぐらいになると言っていますけれども、現時点の平均年齢は何歳ですか。私が聞いているのでは大体65歳以上が80%を占めているんだから、平成33年には1万3,000人どころじゃないと私は思うんですよ。
 それとか、組合員が、実際に経営をやっていけないということを知らない人が多いんですよ。そういったことをしっかり周知しないとなかなか進まないと思うわけですよ。その年齢構成の状況を聞かせていただけますか、。
◎山田漁政課長 組合員の年齢構成ですけれども、現時点で60歳以上が67%を占めているような状況でございます。
◆山田[博]副会長 そうすると、平成33年には何%になりますか。現時点で60歳以上が67%いるんですよ。それが10年後には何%になるかといったら、大半を占めているんだから。こういったことになると、はっきりいって水揚げとか何とかで漁協経営がやっていけるかというと、大変難しいんですよね、田添次長、そうでしょう。そういう状況でしょう。次長も最近まで最前線の現場にいたからね、そうでしょう。だから、そういったことをきちんと組合員の皆さん方や理事の皆さん方に、将来は組合員の数がこうなって、年齢構成がこうなるから、極端に言うと今が自分たちは居心地いいとかということよりも将来を考えたら経営が成り立っていかないということを理解してもらうようにしないといけないと思うんですよ。漁政課長、いかがですか。
◎山田漁政課長 組合の現状につきましては、しっかり状況を組合員の方々までご説明をしまして、将来のあり方を真剣に考えていただかなければならないとは考えております。そのためにも、そういった漁協合併の必要性を各漁協に実際に現場に行って説明していかなければならないと考えております。
◆山田[博]副会長 そういった今の漁政課長の答弁にはいろいろ言いませんけれども、本来であれば平成33年には65歳以上の組合員は何人ぐらいになるんですかと聞かれたらぱっと答えていただきたいんです。
 それと、ざっくばらんに言って、田添次長、合併する際に組合の役員の方が説得するに当たっては伝家の宝刀を抜くことができないわけでしょう、前は利子補給とかあったけれども。はっきり言ってどうですか。漁政課長、組合の皆さん方は合併すると何かメリットがありますかと言って、事務費とか何とかも自己負担なんですよ。私が聞いた話では、今までは経営が厳しい中で合併する時に利子補給があったから、じゃあ合併しようという気運が高まったわけですよ。しかし、今はそれがないからなかなかね。漁政課長、そういったものが前はあったけれども、今はないから、自分たちも最後の切り札がないんですよというのが正直な話じゃないかと私は思うんですけれども、ざっくばらんにそういったことを聞かせていただければ、委員会でもどういうふうにしたらいいかというのを考えるわけだから、率直に見解を聞かせてください。
◎山田漁政課長 以前は大きな欠損金を抱えて、それが合併の阻害要因になっていたということがございました。そういう大きな欠損金を抱えたところにつきましては、大体当時のいろんな利子補給制度を使って合併が終わっておりまして、今残っている合併をしなければならない漁協につきましては、先ほど来申し上げておりますような欠損金というよりは、漁業権の利害対立とか、そういった要因が大きいのではないかと思っておりますので、そこはきちんと理解をしていただくように、お互いが理解して合併していただくように説明することが重要かなと思っております。
◆山田[博]副会長 漁政課長、そうであれば、あとはもういかに理解してもらうように数字上で漁業協同組合の経営が成り立っていかないんですよと。現時点で長崎県は、60歳以上が67%でしょう。離島だったらもっと高いでしょう。この70人以下の小規模漁協は、もっと高齢化率が高いでしょう。そういったところをきちんと踏まえて周知徹底をするというのが、そこが手薄ではなかったかなと思うんです。田添次長、そこまで手が届いていなかったんじゃないかという気がしないでもないんですが、あなたの見解を聞かせていただきたいと思います。
◎田添水産部次長 実は、私は合併基金がある時に合併を担当しておりました。利子助成金という形で欠損金を消す制度であります。その時、私も漁協合併、先ほどから話が出ていますように漁業者の人と組合の人たちと地区懇談会で一緒に話をしながら、どうしていけばいいのだろうということで絵を描きながら、最後には事業計画、合併計画をつくるんですね。そういった中でいろいろ話しながら合併がかなり進んだんですけれども、織田委員もおっしゃったように将来の見込みをその時は一応立てていたんです。人数がその組合ではどうなるということをですね。実態を踏まえてやっていたんですが、それが5年間ぐらいしか見てない部分もあったので、やはり10年、15年という部分、それから後継者も入ってきますね。そういったものをもう少し、当時もやっていたつもりなんですけれども、今となっては非常に厳しい状況ですので、さらに分析して、経営がどうなっていくんだと、個々の漁業者の経営も含めてですね、そういったこともやっていくべきだと考えています。
 ただ、1点だけ申し上げたいのは、正組合員というのは60歳以上が67%とありましたけれども、実は正組合員は1つの漁家に1人というところもあるんです、漁業をやっている人が2人、3人いても。その人たちが引退したら若い人が入ってくるということがありますので、単純に減りはしないんです。その点はあるんです。一つの漁家で2人、3人と認めている漁協もあれば、慣習的に一漁家一人と決めているところもあります。そういうところはお父さんが引退したら40歳の子どもさんが入ってきて正組合員になるという実態もありますので、その辺も踏まえつつ分析をしていく必要があろうかと思います。そういったことは非常に大事ですので、そういったことを踏まえて、漁政課長が答えましたように、我々も漁協合併等に、漁協合併は実は手段でございまして、漁協が基盤強化をして組合員にちゃんとサービスしていくというのが一番大事でございますので、そういった形で漁協合併も有効な手段として進めていきたいと考えております。
◆山田[博]副会長 田添次長、やっぱり苦労されているだけあって言っていることが違うね、味があるね。その地区懇談会というのは特にいいですね。漁政課長も地区懇談会をしながら、将来5年とかじゃなくて、10年、20年後を踏まえた上で地区懇談会をしながらやっていただきたいと思うんです。
 どうも今の田添次長の話であれば、地区懇談会というのを最近していないんだと。そこまで手が回らなかったんだということで、いいヒントというか、それはいい意味で頑張ってもらって、私たちも漁政課長に地区懇談会ができるように負担軽減を図りながら、業務の負担軽減を図りながらやっていかないといけないなと思うんですね。
 事業仕分けで漁協合併をどんどんやれと言いながら、業務の負担があって地区懇談会ができなかったと、田添次長が言っているのはそういうことでしょう。さすがだなと思って聞かせていただきました。
◎田添水産部次長 すみません、皆様に誤解があるような説明をしてはいけないんですが、地区懇談会は、漁協合併を各漁協がやりましょうという決めた後にやるものなんです。その前にやるものは地区懇談会ではなくて、研修会、勉強会みたいなものです。だから、それは必要だと思いますので、そこは誤解のないように。地区懇談会というのは、あくまでも皆さんで漁協がやりましょうと決まった後に組合員に知らしめるものですので、そこだけはよろしくお願いいたします。
○西川分科会長 それでは、質疑を終了します。
 各委員におかれましては、評価結果を評価シートにご記入ください。
 しばらく休憩します。
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     −午後3時05分 休憩−
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     −午後3時05分 再開−
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○西川分科会長 分科会を再開します。
 各委員から、評価結果について、判定区分を発表してください。
 また、評価の理由や改善内容、ご意見があればあわせてお願いします。
◆中島[浩]委員 先ほど勉強会という話が出ましたけれども、小規模な組合ほど、この合併問題のほかにも、少数、一人二人の反対でなかなかそっちの方が決まらないという事例が多々ありますので、必ずそういうところを全員一致で理解していただければいい方向に向かうと思いますので、ぜひそういう勉強会でも何でもしていただきたいということで「拡充」でお願いしたいと思います。以上です。
◆深堀委員 私は、判定A番「要改善」ということです。
 理由としては、もう合併が進まない課題とか、合併をしなくても漁業が発展するような方策もぜひ考えていただきたいという意味合いです。合併ありきの事業ではなく、「小規模漁協の活性化の視点で事業を実施していただきたい」と。また、市町との連携、ある意味合併する漁協は、当然同一市町の中であろうことから、やはりもうちょっと市町の主体的な連携をお願いしたいということで書いております。
◆友田委員 私も「要改善」ということで、今既に残っているというか、現在の69の漁協の所在地というのを見たんですけれども、県内には21市町しかないのに69あって、ある自治体には一つの自治体に12も漁協があったり、8つもあったりというところがあるんですね。だから、全く海域が違うのであれば、例えば一つの湾と一つの湾が全く別に分かれているところに漁協があるのであれば、それはやむを得ないのかなと思うんですけれども、一つの自治体の中にそういうふうに複数あると。ここはやはりもう少し市町が、自分たちの町や市の将来の水産業のためにどうするかという意味では、もう少し市町が主体性を持つべきではないかと思っています。
 あと、やはり合併に当たっては、先ほどからあるように5年後、10年後、どういう姿になるかというものを一人ひとり構成する組合員の方々がご理解いただかないと判断ができないと思うので、そのデータについては県等もしっかり示すべきだろうと思います。その上で自主的に判断をいただくべきではないかと思っています。
 また、以前はあったんだろうと思うんですけれども、県としても長崎県の漁業としては最も望ましい姿はこういう姿だということを示していただいて、これから漁協を担っていく若い人たちにそういう考え方を示して、合併の是非を判断していただくような取組をお願いしたいと思って、「要改善」としております。
◆山口委員 評価はA番の「要改善」です。
 先ほどもお尋ねしましたけれども、県内の69漁協のうち、70名以下が20漁協、100名以下が9漁協、合わせて29漁協、大体30漁協はもう100名以下という状況の中で、やっぱり合併した時のメリット、あるいはデメリットというのをある程度明確にして、あと人口動向等々も踏まえた将来展望を見据えて、県としての役割というか、リーダーシップを発揮しないといけない時期にきているのではないかなと思います。
 そういう面では、次長も先ほどいろんなやり方についてお話があっておりましたが、具体的な手法の改善というのは必要ではないかと思います。
 部長が、やはり合併は避けて通れないと、やらないといけないとおっしゃるのであれば、しっかりとした理屈づけも含めて、各漁協としっかりした議論をしておく必要があるんじゃないかと思います。以上です。
◆徳永委員 A番の「要改善」でお願いしたいと思っております。
 合併の意義というものは私も考慮はしつつ、わかっているんですけれども、先ほど質問したように組合員数の減少対策というものは考えていただきたいし、そして本当の意味での組合のあり方、そして水産振興対策、事業規模確保等に私は努力をしていただきたいと思っています。以上です。
◆溝口委員 私も一応A番目の「要改善」にしたんですけれども、本当は水産部長、漁政課長の意気込みによっては「拡充」というところにしたかったんですけれども、「要改善」にしました。
 それは、ネーミングもですけれども、小規模漁協合併という形になっていますので、このことについては私は本当はあんまり触れたくないんですけれども、やはり漁協合併という事業に対する県の考え方を大きく違う意味でつくってほしいんですよ。
 先ほど山口委員も言ったように、手法の見直しとか、合併に対するメリットという形で、行政としてはこういうことを、ソフト面はこういうメニューがありますけれども、ハード面では先ほど言った県単でもやりますよと、そういう勉強会をしてほしいんですよ。少し勉強会が遠ざかって、ただ、もう合併が必要になったところだけに行って、特に指導して協議会をつくったりして話し合いをしているようですけれども、先ほど言ったように勉強会をして、やはりここは集まってください、勉強会をしてくださいというリーダー的な指導をしていただきたいと思っていますので、「要改善」にさせていただきました。
◆織田委員 私も「要改善」と思っています。
 理由は、漁村に組合が残るということはまちづくりとか、将来にわたって高齢化している地域で組合があるということが前提だと思いますので、大事なことだと思うんですね。できるだけ残ってもらいたいと思うんですね。
 ただ、小規模になって、先ほど言いましたように人口が減少していく中で、一定やっぱり合併せざるを得ない地域がどんどん出てきているんだけれども、それは避けて通れないので、先ほどのように明確な分析をきちっとして、そうすると組合員の皆さんは、その時に行政の出番として、この地域の漁業はどういう地域の活性化を図っていくかという、そういうものを一緒になって考えてあげて、そういう測定をしながら組合員の皆さんに危機意識を持ってもらって、そのためには合併しないといけないんですよというところに落ち着くのかどうか。お金の云々よりも、そういう面でまずは取り組んでみて、そのためには今やっているような内容はちょっと改善する必要があるんじゃないかと思っています。だから、「要改善」ということで挙げています。
 ただ、長崎県の全体の組合という点ではもっと大小関係なく、大きいところが小さいところを吸収していくぐらいの戦略的な対応が必要だと、このように思っています。
◆野本委員 もともとこの漁協合併については、それぞれ経営内容がいい漁協とあまりよくない漁協と、この辺の合併については合併しても悪いところは合併してある意味ではおんぶにだっこじゃないけれども、そういうもので助けてもらうということになる。ところが、内容のいいところはお荷物を抱えるようなことになったと、過去にそういう話もあったことは私も承知しているんですけれども、そうは言いながらも、やっぱり行政が合併が必要だということで、国の指導方針もありながら進めていこうというのは、これはもう平成23年以降ずうっとそのことをやってきているわけですから、皆さん方は専門家中の専門家ですから、そのことについて漁協が主体性をもって組合員との意見交換を行いながら、行政が推進できる方向性を共有して、一番心配している限界集落の方向にいかないように危機感を持って取り組んでまいる、そういう指導の徹底を図ってもらいたいと、そういうことを考えていくと、やはり私は「要改善」というところで、もう一回事業の内容を改善できるところは改善していくということで、理解をし合う、問題点を共有し合うということが今のところ非常に大事ではないかなと、そのように思いました。よろしくお願いいたします。
◆山田[博]副会長 私は、「拡充」です。
 以上です。
○西川分科会長 私は、大方の人が言われましたA番の「要改善」です。
 制度的に云々というよりも、手法の見直しなどをして、漁協にもっと働きかけていただきたい。また、市町との連携も深くしていただいて進めてもらいたいと思います。以上です。
◆山田[博]副会長 誤解があったら困りますので、「拡充」と言ったのは、特に、なかなか組合員の方々が理解するに当たっては、いろんなメリットを出さないといけないから、そのメリットを何かつくってしないと、なかなか合併してくださいと、将来こうですからと言っても、それは職員の負担が大きいからね。だから、前の利子補給みたいな、あめとむちじゃないけれども、ああいうものがないとやっていけないんじゃないかと。
 田添次長は、地域の勉強会を体力と気力と充実していたからできただろうけれども、漁政課長は今大変な状況にきているから、だからそういった、別に漁政課長の能力のことを言っているんじゃなくて、いろんな業務で今大変な時期にきているから、10年前とは違うでしょうから、その意味でそういった制度をつくるなりしないとやっていけないんじゃないかということで私は言っているわけです。以上です。
○西川分科会長 ほとんどの方が「要改善」ということで、また、その理由や内容などもご意見を聞かせていただきました。
 この小規模漁協等合併支援事業について、本分科会の判定は「要改善」とします。
 以上で、小規模漁協等合併支援事業に係る事業仕分けを終了いたします。
 お疲れさまでした。
 ここでしばらく休憩します。
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     −午後3時18分 休憩−
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     −午後3時31分 再開−
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○西川分科会長 分科会を再開いたします。
 農林部所管の農業の6次産業化支援事業費について審査を行います。
 農産加工・流通室長より事業説明をお願いします。
◎永橋農産加工・流通室長 それでは、ただいまから、農業の6次産業化支援事業について、ご説明させていただきます。お手元の事業シートをお開きください。
 初めに、事業名は「農業の6次産業化支援事業」で、担当部局は農林部農産加工・流通室でございます。
 事業実施年度は、平成22年度から平成24年度となっております。国が平成23年3月に施行した地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律、いわゆる六次産業化、地産地消法を事業実施のための根拠法令としております。
 また、シートの1の実施方法でございますが、平成24年度の事業は、県が関係事業、関連事業全て直接実施しております。
 次に、2の事業の目的・対象でございますが、6次産業化とは、もうご承知のとおり、農業者が生産・加工・販売まで一貫して行い、農家の所得向上、地域における雇用の創出を図ることを目的としております。このため、県内における6次産業化を推進するため、6次産業化に興味のある農業者等を事業対象としております。
 平成24年度の取り組みの詳細についての説明の前に、6次産業化事業全体についてご説明を、まずさせていただきとうございます。別添で資料をつけております6次産業化、この資料をお手元にお願いいたします。
 1ページをお開きください。国が想定している6次産業化とは、例えば農山漁村における「いちご」や「みかん」、漁村で言えば「さかな」などの農林水産物とか、農家・漁家の生活・食など、有形・無形の地域資源を活用して、もうかる農林水産業を実現し、農山漁村の雇用の確保と所得の向上を目指すこととしております。
 地域での実際の取り組み例としては、一番下に書いておりますけれども、農村女性グループによる地場産野菜や果物を利用した加工品の製造とか、地元農産物の直売、農家レストラン等の運営などがございます。
 それでは、次の2ぺージをお開けください。そこに平成24年度の6次化産業の事業体系を国と県と合わせた分として載せております。このうち県の事業としては、表の図の左側の点線で囲んでいる部分でございます。これが平成24年度における県が実施した事業部分でございますけれども、地区セミナー、集合セミナー、商品力アップのためのブラッシュアップ相談会、この3つの事業を平成24年度は県の方で実施をしております。
 具体的には、6次産業化の基礎的な内容についての理解を深めるため、各振興局単位において地区セミナーを開催いたしました。また、本格的に6次産業化を行おうとする意欲のある農業者等に対して、長崎で集合セミナーというものを開催し、専門家を招聘して知識を深めていただきました。
 さらに、平成24年度については、商品の販売力アップを目的に、五島、壱岐、対馬の3地区で、東京から地域産品の販売を手がけ商品アドバイスができる専門家を呼びまして、6次化に既に着手している方たちの商品について具体的にアドバイスをいただいたところでございます。
 さらに、商品開発や販路開拓、加工設備や施設の新設といった、今後ある程度大規模な投資が必要となる農業者の方たちには、国が各県に設置しています6次産業化のサポートセンター、右側の方に載せておりますが、そちらの方を紹介して、そちらからプランナーを派遣・指導していただき、国の事業認定を受けて、国のソフト・ハード事業の補助金が活用できるように、進めておりました。
 それでは、再び事業シートにお戻りください。事業シートの3番目でございます。
 県の事業をご説明いたします。平成24年度の事業費コストでございますが、事業費としては、150万8,000円、それに人件費といたしまして、当室の職員と振興局の担当職員の人件費2,354万9,000円、合計2,505万7,000円となっております。
 また、事業の成果目標については、成果目標として、自らが新たに6次化に取り組む経営体数ということで、国の事業認定を受けた経営体数をここでは目標値としております。目標が2経営体に対して、昨年度増えた経営体が7経営体ということを記しております。
 次に、事業の実施状況でございます。事業シートの4番になります。
 各振興局管内で開催しました地区セミナーについては、205名の農業者に参加いただきました。また、長崎で開催した集合セミナーには、20名が参加されました。また、離島地区でのブラッシュアップ相談会には、離島3地区で合計18団体、35の商品のブラッシュアップ・アドバイスを行っております。
 5番の本事業の必要性でございますけれども、6次産業化は農業経営の多角化による所得の向上、地域雇用の推進を図る上で有効であると考えております。このため、県内の農業者に対して、6次産業化の正しい理解促進と、各地域において6次産業化に関心のある経営体の掘り起こし、意識啓発に向けた地域段階でのセミナーの開催や、既に取り組んでいる農業者から要望の多いマーケティングや商品パッケージの改善など、商品販売力の向上などの支援が今後も必要だと考えております。
 また、県が関与する必要性についてでございますが、平成24年度の国の支援制度は、6次産業化を目指す農業者等に対しプランナーを派遣したり、国が認定した6次産業化事業計画について、その内容に沿ったソフト、ハードの支援を行うもので、これから6次産業化に取り組むとか、取り組みを始めたばかりの農業者への支援という部分については非常に薄く少ない状況でございます。県はその部分を普及啓発という形で国の支援が届きにくい部分について、支援を今後もしていく。そのためには、地域に精通した振興局等を活用した支援というのは非常に有効だと考えております。
 最後になりますが、平成26年度事業の実施に向けた方向性でございます。さきの9月定例月議会で補正予算をお願いいたしました。これは、国が今年度6次化の支援スキームを大幅に見直したのを受けてでございます。国はこれまで行ってきた直接的な6次産業化支援事業を県にゆだねることとして、財源は交付金化して県に交付することとなっております。
 また、これまで6次産業化の取り組みは、個々の経営体に対する支援が中心でありましたが、今後は農業者と加工業者とか流通業者など、地元を核としたネットワークを組んで事業化を進めるという方向にシフトしているところでございます。
 本県といたしましても、このような動きを受けまして、地域の実情に応じた6次産業化の推進を進めることとしております。
 また、国が設置していたサポートセンターを県が新たに運営し、6次化の掘り起しから育成、そして、補助金等の交付まで一体的に県の方で支援をしていくという体系的な支援に変えるということで進めているところでございます。
 以上で資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
○西川分科会長 ありがとうござました。
 以上で説明が終わりましたので、これより質疑に入ります。
◆深堀委員 まず、実績についてお尋ねしたいと思います。
 自ら新たに6次産業化に取り組む経営体数として、目標値2経営体に対して、今回7経営体ということで非常にいい実績が出ていると思います。この事業は平成22年度から実施されていますけれども、平成22年と平成23年の実績、そして、この7経営体の中身を少し教えていただけませんか。
◎永橋農産加工・流通室長 先ほど私が申し上げましたが、この法律が平成23年3月に施行されておりますので、実際に認定等が始まったのは平成23年度からでございます。今年度が3年目でございますが、平成23年度に5件採択がございました。ただし、その5件のうち2件がその翌年度にご辞退をされた。要するに計画がうまくいかず、資金調達等ができないということでご辞退されておりますので、実質的には3件でございます。
 前年度に議会にご報告した際は、5件としていたのですが、その後に2件辞退されたので、平成24年度は9件新規で採択されたのですが、2件減っておりますので、純増分の7件をご報告させていただいております。そうしますと2年間で、農業部門で12件の採択でございました。別個に水産部門がございます。水産部門が2年間で4件採択があっておりますので、16件というのが農林水産合わせた平成24年度末までの採択の件数でございます。
 ちなみに、平成25年度は、現在5件認定を受けているということで、現状で何件かと言われますと21件でございます。
 そのうち平成24年度でございますが、申し上げたとおり増えたのは9件でございますが、地域的に見ますと、昨年度は諫早が3件ございます。あとは平戸、川棚、長崎、大村、南島原、雲仙がそれぞれ1件、県下かなり広い地域で1件ずつ出ているということでございます。
 特にどういうものがあるかということですが、例えば、昨年でいえば平戸の果物を加工してフルーツスープというものをつくって新たに取り組んでおられる農業者の方とか、諫早の方では、幻の蕎麦の生産を始められたところがございますし、もう一つ諫早の方では豚に特性を持たせるということで米を飼料にして育てて、米豚ということでトンカツ等に供給するというビジネスモデルとか、多岐にわたって6次化に取り組まれている事例があります。
◆深堀委員 今、事例を示されたような新しい企画が出てきて非常に活性化されているんだなと推察をいたします。
 あと実施状況の分で、地区セミナー、集合セミナー、ブラッシュアップ相談会の開催ということで言われていましたね。参加者の数等々も書かれてあります。率直にお尋ねしますけれども、この参加者というのは、行政側が期待した数、参加していただく数として、実感として、思ったよりも来てくださったのか、思ったよりも来てくれなかったと感じておられるのかそのあたりはどうですか。
◎永橋農産加工・流通室長 まずは地区セミナーでございますが、やはり我々は一番掘り起こしというのが、国との区分けということが一番大きい部分でございますので、205名というのはある程度おられるなとは思うんですけれども、もっと増やしたいということで、実は今年は各地区2回、各地域でやりましょうということで取り組んでおります。そういう意味では、もっともっと増やしたいという気持ちがあります。
 次の集合セミナーですが、集合セミナーといいますのは、ある程度もう本当に6次化をやるぞとか、始められた方ということで地区セミナーから熟度が上がった方と思っているんですが、その人たちが20名となっていますが、昨年は25名申し込みがあって、当日、欠席あって20名なのですが、ここは我々もキャパを持っていますのでもう少し増やしていきたいと思っているところでございます。
 ブラッシュアップセミナーにつきましては、思った以上に、昨年は離島地区でやらせていただきましたが、いろいろ集まっていただいたと思っているところでございます。
◆深堀委員 わかりました。率直な感想だったと思います。
 これから6次産業をこういった形で拡充といいますか、活性化していかなければいけないと思っているんですけれども、この参加された方々に対して、例えばアンケートとか、そういったことで参加された方々の率直な意見、次からはもっとこんなことをしてほしいとか、もうちょっとこんなことをというような意向というのを確認されているのかどうか。
◎永橋農産加工・流通室長 アンケートについては、各セミナーともとっておりまして、特に今、委員がおっしゃったとおり、どういう分野が今後アドバイスなりセミナーとしてやってほしいかという項目がございます。それについては、昨年度で多かったのがマーケティングとか、自分の商品の魅力アップをどうしたらいいかというアドバイスがほしいとか、それから製造技術、加工技術の点でアドバイスがほしいというのが項目的には多うございました。
 もう一つ「6次化をされる上での課題は何ですか」というお尋ねもしたのですが、それには販路開拓は皆さん共通してお持ちになっておりますし、資金、設備の関係も課題と思っていらっしゃるという状況でございます。
◆友田委員 6次産業をぜひ進めていかなければならないという認識は一緒なんですけれども、この間こういったセミナー等に参加をされて、実際に商品化した物が、さっき採択されたものが21件あるということでしたけれども、そういったものが実際に商品化されて、流通してその売上というのはどのような状況にあるのか。
 もう一つは、長崎県としては将来的に、農林部としては6次産業化による所得アップをどのくらいまでもっていきたいと考えておられるのか。そういったプランがあって、県内にいろんなものを示していくのかなと思うんですけれども、そのあたりはどうなんですか。
◎永橋農産加工・流通室長 まず、1点目のご質問でございましたセミナーに参加された方の商品化のお話がございましたが、昨年のセミナーに参加をされた中で具体的に商品化をされたというのが、例えば雲仙市の加工所が「おからこんにゃく」という新商品を出しました。売上が約70万円ぐらい出ましたという報告もあっております。
 また、対馬の方では、商品ブラッシュアップセミナーに参加して、アドバイザーからパッケージのアドバイスを受けて変えましたと。そうすることによって、地元の物産館やスーパーとの取引ができましたという事例の報告があっております。
 金額的なものといたしましては、昨年のセミナーで今年ということなので、一番最初の例は金額を申し上げましたが、金額としてたくさん出ているという方はまだないんですが、昨年の参加者の中で、主なもので41経営体の売上が1億7,000万円という数字を私どもとしては把握しております。
 ちなみに、「平成23年度はどうでしたか」というお尋ねもしておりますが、それからすると平成23年度から平成24年度なんですけれども、総体で300万円程度で1%のアップということですが、平成24年度の研修なので、今後に期待しているというところでございます。
 2点目は所得のお話でございました。6次産業化に基づく県全体の所得額というのは、今のところ数値自体がまだ明らかでない状況でございます。ただ、国の方で、6次産業の市場規模というのを昨年出されております。それは昨年、平成23年度分ということで日本の6次産業化の市場規模が約1兆2,000億円という数字が出ております。この計算の方法に基づいて本県の分を試算いたしますと、本県分は概ね139億円という数字になっております。
 国は、今「攻めの農林水産業」ということで、6次産業化については、その市場規模を2020年、平成32年に10兆円にするということを表明しておられます。即ち、先ほど約1兆2,000億円と申し上げましたので、それの8.2倍でございます。そういうものを国は市場規模として出されているという状況でございます。
 本県については、まだ農産加工分野は今始まったばかりなので設定はできてない状況でございますけれども、6次産業化の一部であります部分で「長崎農林業農山活性化計画」の中で、一つは直売所の販売額の目標値72億円を平成27年には92億円に20億円アップするという数字とか、グリーンツーリズムは4億円を倍増の8億円にするということで、これまである程度長く支援してきた部分については目標値を立てておりますけれども、先ほど申し上げたとおり、加工部門というのは平成23年ぐらいから本格的に始めたものですから、まずは掘り起こしということで、まだ設定できない、困難という状況でございます。
 ただし、6次化に興味を示す潜在者として、認定農業者の中でも80名ぐらいの方は興味を持っているというようなお話とか、先ほどの地域のセミナーでも200名ぐらいの方が参加していただいているということですので、今後ともここの部分は強力に推していきたいというのが今のスタンスでございます。
◆友田委員 潜在市場規模としては、国の試算にあわせてやると139億円ぐらいあると、それは本当に、これは新たな農業者の所得増につながってくるわけでしょうから、ぜひこれは積極的にやっていただきたいと思います。
 一方で、認定農業者の方は意欲を持っているということですけれども、結局、認定農業者にはなってないんだけれども、6次産業ということについて興味を持って、6次産業ができるのであればもっと農業に力を入れたいという潜在的なものというのはどのように把握しておられますか。結局、そういった方々が農業を今までは主な生業としてやってないんだけれども、6次産業化することによって農業所得の拡大が見込めるのであれば、ぜひそんなふうになりたいといったニーズというのは把握されているんですか。
◎永橋農産加工・流通室長 なかなか我々に情報が届きにくい部分のお話なんですけれども、そういう意味からも、まずは掘り起こしということで、去年各地区で1回したものを今年は2回するとか、そういうことで少しでも6次産業化ということを周知するというか、そこを我々としてできる部分としてやっていこうということで取り組んでいる次第でございます。
◆友田委員 平成24年度だけの予算でいくと150万8,000円という、これからの将来性を考えると、もうわずかな額しかない気がします。
 ただ一方で、先ほども見せていただいたこの資料によると、ハード整備だとかは国の事業やっているので、県の事業としてはこれらのセミナーとか、そういうことだったのでこのくらいなのかなと思うんですけれども、もう少しこれは予算規模をどんどん拡大して、周知徹底をするにもいろんな情報のばらまきだとか、そういうことが必要なので、そういった意味ではもっともっと拡充が必要なのではないかと思っております。担当部局としては、先ほどちょっとお話があったと思いますけれども、そういった今後の展開というか、その辺についてどのようにお考えか、もう一度お聞かせいただけますか。
◎永橋農産加工・流通室長 先ほど申し上げましたとおり、国の6次化のスキームが今年度大幅に変わりました。そういうことで国費を取り込んだ県の施策というのが総合的にできるようになりましたので、ぜひそういうものを使って効果的に進めていきたいと考えております。
◆山口委員 ちょっと教えていただきたいんですが、いわゆる6次産業化で地域の農業を元気にするというのが一番基本にあると思うんですけれど、1次というのは今の長崎県内は基本的には家族形態で農業をされている方が大方なんですね。2次になるとそうはいかないので、一定の集合体経営、それを経営体というのかですが、3次はいま少しまた性格が変わるので、またその得意分野が違うということになるので、これをうまく機能させないといけないだろうと思うんです。いろんな得意分野の方が集まらないと、そう簡単にはいかないと思うんです。
 そういうことで基本的には所得を上げることなんですが、その前提になるのはいわゆる仕事をつくるというか、雇用をつくるということにもこれは寄与しているんだと思うんです。その辺についてどうお考えですか。雇用という部分に対する効果というのをどんなふうに見ておられるのか。
 例えば奥さんあたりが2次にいって、1次をおろそかにしてはいけないというのが大前提にあるんだと思うんですね。だから、農業というのは1次をきちっとやって、1次の部分でつくったものをどう加工してどう売るかという世界に発展していくのを、まとめて1次、2次、3次、6次化しようという考えだと思いますので、そこにはやっぱり労働力の関係とか雇用の関係というのが切っても切れない関係になると思うんですが、その辺のお考えをお聞かせください。
◎永橋農産加工・流通室長 雇用の確保となりますと、やはり規模がある程度大きくなっていかないと雇用も伴っていかないという現状があると思います。そういう意味で申しますと、これまで、どちらかというと6次化が、先ほど申し上げましたが、一人の農家の方が加工をして売るとなりますと、やっぱり大きくなるのには限界があろうかという考えのもと、委員がおっしゃったとおりネットワークというか、仲間を募って、得意な分野の方と組んで6次化を進めるという考え方に国もシフトしているところでございますし、我々もそういう方向で規模を大きくしたような6次化、各地域で一つつくるということができないかとか、少し選択の幅が広がっていくのだろうと思っているところでございます。そういう中で規模が大きくなってくれば雇用というものにもつながってくるのかなと。おっしゃるように1次をおろそかにはできませんので、そういうやり方の方が効果的かなとは考えております。
◆山口委員 名称的にはきちんと言い切れないのですが、類似のやり方というのは今までも多種あったと思うんですよ。だけど、こうやって国としても法的にもしっかりやろうということであるので、これはこれからずっと県としては拡大していかないといけないのではないかと思うんです、農業を元気にするという意味においてね。そこの、いわゆるこの6次産業の売りの決めどころといいますか、これはどう考えられているんですか。
◎永橋農産加工・流通室長 売りの決めどころというお話ですけれども、まずは第1次産業ですから生産をおろそかにしてもらっては困るというところが前提でございますけれども、やはり付加価値をつけて売るんですから、よそとの違いとか、そういうところを強調する、そのためには商品アドバイス等、我々ができるのはそこにアドバイザーを連れてきてアドバイスをもらうとか、そういうところは今後も続けていこうと思います。
◆山口委員 そういうことでこの事業そのものが農家の担い手につながっていくように、県としては上手に指導してもらわないといけないという期待を込めているものですから、そういう意味での質問を今しているんです。そこのところに十分配慮していただいて、地域農業を活性化するような売りの部分も含めて、そのエキスの部分を上手に皆さんに宣伝してもらって、地域農業が元気になるようにやってもらわなければいけないと思いますので、何かありましたら部長からお願いします。
◎上田農林部長 6次産業化というのは幅が広くていろんなバリエーションがあると思っているんですけれども、私は遠く県外を目指さなくても県内に、例えば大村のシュシュ、ここはもともと農家の方々が7〜8名集まられてグループをつくって立ち上げられたところです。現在に至るまで10年以上かかっておりますけれども、もともとは加工でジェラードやアイスクリームをつくろうか、次にはいちご摘みの体験ができる場所をつくろうか、その次にはレストランをつくろうか、その次には直売所をつくろうかというふうに、非常に幅を持たせて広がってきております。これは異業種の方が入り込んでということでなくて、農家の方がグループを組んでスタートをされて、そこの雇用を生み出し、専門知識を持たれている方が雇用されて運営が成り立っております。そして、現在では、そこの地域農業の後継者を育成するための研修の場としてもオープンになされております。
 そういった意味では、いろんなバリエーションはあると思うんですけれども、例えば単一の加工だけで6次産業化がうまくいくかというと、やはりそこは非常に私も疑問を持ちますし、難しい部分もあろうと思っております。
 農業はいろんな資源がございます。活用の仕方もありますので、複合的な機能をあわせ持ったような形に持っていくために、多くの方が集まった組織で計画をつくっていく、これがまず基本には必要なのではなかろうかと思っております。そこの中に、農家だけでなくて、異業種の方も入り込まれるケースもあろうかと思いますけれども、まずは県内にも目指すところがございますので、そういったものも視点に入れながら進めてまいりたいと思っているところでございます。
◆山口委員 ぜひそうやっていただくことにして、目標といいますか、平成25年度、26年度には、県内で大体どれぐらいの経営体を組織化しようと考えられているんですか。
◎永橋農産加工・流通室長 6次化の経営体と申しました時には、直販所や加工所もたくさんございますので、我々も目標値をつくる時に議論をしたんですけれども、急に全体のとなるとなかなか難しいと、そういうことでここでは私どもは一応国の認定をもらった経営体を目標値にさせていただいていた次第でございます。ですから、この経営体については今21経営体ということを先ほど申し上げましたが、一つでも多くもらえるように、また我々としてもやっていきたいと思っているところでございます。
◆徳永委員 私は、この事業は大変評価していますし、これはやってもらいたいと思っているんです。
 しかし、実際現実とちょっと違うわけですね。私もいろいろと農業者の方との付き合いがありますので、この6次産業化をやりたいという人もおられます。これは、さっき部長が言われました成功例もあります。しかし、そうは言いつつもそう簡単にはいかない。
 特に一番の問題は販路、それに採算性なんですね、設備投資。農家の方は生産は得意です。これは今あるもので十分できるわけですからね。これに加工ということになれば、当然設備投資を伴う。当然人件費もかさんでくる。そして、次に今度はどこに売るか。これを売るとなった場合に、これは売上も関係するわけですよね。だから、いわゆる今度は商売という方に切り替えなければならないという、逆に言えば生産者とすれば一番不得意なところというか、これが一番問題なわけですよね。
 要するに、この6次産業化を進めるのは、これはもういいことなんです。しかし、ここをしっかり調査をしていかなければ、これは絵に描いた餅というか、やりたいけれども、そういうセミナーにもやりたいと言って来るけれども、結果的にその前で止まってしまうということが今の現状ではないかと私は思うんです。
 だから、今後ともこの事業は進めていただきたいし、当然これをもっともっと私自身も期待をしているんですけれども、そういう中で、今私が言った問題点を掲げたところで、今後、どういう対策をやろうとされているのかお聞きしたいと思います。
◎永橋農産加工・流通室長 委員がおっしゃいますとおり、やはり生産者が加工をやるとか、販売を兼ねるというのは非常に難しいところがあるというのはおっしゃるとおりでございます。そういうことで、単独でやるよりもほかの分野、例えば加工の分野であれば、そういう方を地域でネットワークを組むということができないかとか、そういうアドバイスができるような仕組みというのを少し検討をしていきたいなと思っておりまして、単独というよりも、先ほどから何度も使うネットワークということで、その6次化がもっとうまく動かないかという仕掛けを検討しているところでございます。
◆徳永委員 県がある意味コンサルタント的なところをやらなければならないのかなと思うわけですし、またどういうところとこれをマッチングさせていくのか。例えば量販店、これはJAもありますし、なかなか単独でこれをやるというのは非常に不安ですよ。しかし、やりたいという面もあると。このジレンマが非常にあるのが現状ではないかと思いますから、そういったところで、例えばこの設備投資に幾らかかって、売上がどれぐらい必要なのか、年にどれぐらいの返済をしていくのか、資金計画をどうやっていくのかという試算を、やりたい方にそういうものをやるのが、私はこれはいい方法じゃないかなと思っていますが、そういうこともやっているわけですか。
◎永橋農産加工・流通室長 今度新しく制度も、先ほどから何度も繰り返していますが、国の制度が変わって、私どもの方である程度国のお金も使って、専門家なんかも使えるという状況の中で、プランナー制度という国が今やっておられることを私どもが各県で引き継ぐようになりますけれども、そういう中には、今、委員がおっしゃったような経営面でのアドバイスとか、技術の方もおられますし、私どももアドバイザーというのを持っておりますし、そういうところのご支援というのは今でもできますし、今後はさらにやりやすくなるかなと思っているところでございます。
◆徳永委員 県の方では、とにかく所得アップ、その中に付加価値をつけるということがこの意味だと思いますので、そういう意味では今いろいろと私も関係者から聞く、そして関係者とそういうところに視察調査にも行きました。そういう中での意見ですので、しっかりとそこを検討していただいて、付加価値をつけて、そして所得アップというのが、私もそうだと思いますので、農家が一番弱いのはどうしても売り先、そして設備投資というのが非常に不安ということ不得手というところがありますから、生産者の、これは漁業者も一緒ですけれども、ここはしっかりと認識をしていただいて、今後、事業をするに当たって検討して推進をしていただきたいと思っております。終わります。
◆織田委員 漁業とか農業とか、直でやっている仕事での所得以外に新しい所得を得るためには、こういった方法というのは当然必要になってくると思いますし、長崎県ではいろんな特産物がありますから、そういうものを有効に使って、その地域でしか取れないものを加工して付加価値をつけていくことは非常に大事なことだと思うんですね。加えて、今の若い人たちは、私なんかはもう昔のばあさんたちがつくっていた料理が一番好きなんだけれど、洋食も含めて毎日のように料理番組がある中で、いろんな料理がつくられています。若い人たち、また女性にとっては、この料理というのが非常に関心の高いものになっているから、それを一つの産業、これからの時代は農業の中にもこういったものが求められてきているんだと思います。
 それはそれで、こういう時代の中で6次産業化をしていく体力、知恵や工夫を持つ農業、漁業である必要があるという点では、今までの農業者と違う要素、いろんな面で行政がサポートしていく必要があるとは思います。
 幾つか先行事例がありますね。要するに6次産業化という言葉に集約しなくても、長崎県でいえば、例えば五島のツバキ、何年か前に椿油を利用して「カメリア510」というのをつくったんですよ。五島はツバキの産地として物すごくいいものじゃないか。なのになぜこういうのが産業として成立しないのかという話をさせていただいたことがあったんですけれども、それはつまり農林試験場等と連携をとって、そして新しいものをつくって、この「カメリア510」というのを10億円近くまで伸ばそうじゃないかという夢を、まだ10億円まではとてもとてもいっていないのだけど、そういう希望を持ちながらスタートして、もうかれこれ10年近くなると思いますね。
 それから、小値賀で落花生をやっていますね。これもあんな島ですよ。どこから持ってきたかというと、千葉の落花生を持ってきて、それでここでうまく育つんじゃないかと、こうやり出したのがうまくいって、今は九十九島せんぺいの中に入れるとか、それからディズニーランドに売り込むとか、いわゆるいろんな手だてをとって特産品を開発しながら、新しい加工をしてやっているんですよね。
 だから、何か法律ができて、こういうことをすると、新しく一からするという気持ちになるんだけど、そうじゃなくて、長崎県は既にここの地域にしかない資源、この土地に育つものをうまく利用してやってきています。そういう面はしっかり見て、今やっているところは最大限伸ばしてもらいたいと思います。椿の特区をつくってやったわけです。こんなこともとても大事なことだけれども、もっと産業にできるものが横たわっていると思いますよ。そういう面で、もっと目を広げて長崎のいいものをぜひ6次産業化に仕上げていく努力をしてほしいと思います。
 ただ、ここに「いちご」、「みかん」、「アスパラガス」とかあります。じゃがいもだってあるかもしれませんね。だから、もっと広げてみて、この地域にしか育たないもの、できたらこの地域に来て食べたいもの、またこの地域に来て加工したものを食べたいというものが大事だと思います。
 よく成熟した社会の中で、ヨーロッパなんかはジャムとか、そこに行ったらそこでしかつくっていないものがあるんですよね。ある面でいえば産業化するんだけど、売り込むというのも大事だけれど、ここに来てもらって一緒につくる体験をしてもらって、食べられてという工夫もあっていいのかなという思いもしますけれども、これからどういうふうに発展するか、ちょっと今、私の思いつくまま話をさせてもらいましたが、どんな意見をお持ちですか。
◎永橋農産加工・流通室長 他地域との差別化というところは、今後も非常に重要な視点だろうと思います。そういう意味で、先ほど部長からシュシュの話が出ましたけれども、他地域に先んじてああいう形態をとってこられたというのは、他地域との差別化であろうかと思いますし、例えば佐世保地区でいいましても、委員ご存じのように、重尾の方の産直所と柚木の産直所ではやっぱり違うと思うんです。そういう違いを、同じ産直所と言われても出されているし、そこは今後も大事にしていかなければいけないところだし、多分昨年のアドバイザーの方のアドバイスの中身を読んでも、おたくのオリジナリティーというか何だったら、やっぱり差別化ということに最終的には行き着くんですけれども、そういうご意見というのは出されているところでございますので、たくさんある中でも、「うちは、ここだけは」というのは持っていただきたいなと思っているところでございます。
○西川分科会長 ほかにありませんか。
◆溝口委員 この事業につきましては、ぜひ大きくして頑張っていただきたいと思うんです。
 今年は7経営体が実施してきたということですけれども、今後、6次産業化に取り組んでいる農業者ということで国の支援を受けていくような形になってくると思うんですね。その中で6次産業化のプランナー派遣とか、計画を策定していく段階では、この事業がもう少し拡充していかないと追いついていかないような事態になってくるんじゃないかなと思っているんですけれども、このことについての県としての取り組み、国の支援とあわせてどのような考え方でしていこうとしているのか、お聞かせください。
◎永橋農産加工・流通室長 まさにおっしゃるとおり、例えば今、プランナーの派遣というお話がございましたが、昨年のサポートセンターからのプランナーの派遣件数ということで、前回、174件というご報告を常任委員会でさせていただいたところでございますけれども、今年は上半期だけで100件を超えております。ということで、年々対象者というのは増えてまいりますし、認定を受けた後のフォローというのも、今後、非常に重要な部分になってまいります。そういうことで、ここの部分につきましては、先ほど申し上げたとおり、国が交付金化して県に事業を継続してほしいということできておりますので、しっかり財源を確保するようにお願いして、私どもとしては必要な派遣についてはどんどんやっていきたいと考えているところでございます。
◆溝口委員 本当は平成25年度の予算の時にわからなくてはいけなかった部分と思うんですけれども、ちなみに平成25年度の予算はどのくらいの予算を組んでいるんですか。
◎永橋農産加工・流通室長 県費の予算としては250万円ぐらいでございます。中身は、先ほどの地区セミナーと集合セミナー、それと平成24年度はブラッシュアップということで、商品のブラッシュアップを離島地区でやらせていただきましたが、今年度は、アンケートをとった中で技術面や商品開発にアドバイスがほしいというアンケートもたくさんございましたので、その分野の方を直接派遣するような制度ということで、私どもの方で予算化させていただいております。
◆溝口委員 わかりました。プランナー派遣によって、今度は6次産業化の計画策定等をしていかなければいけないということになると、平成26年度に向けてこの予算をさらに拡充していかなければいけなくなってくるんじゃないかと思うんですけれども、県の考え方としてはこれをどのような計画でやっていこうとしているのか、その辺についてお聞かせいただきたいと思います。
◎永橋農産加工・流通室長 先ほど申し上げたのは平成25年度の当初予算でございまして、9月の補正予算で800万強のお金を補正でお願いしております。これが先ほど申し上げたサポートセンターのプランナー派遣等に充当される予定のものでございます。
◆溝口委員 わかりました。県の方としても、昨年、平成24年度から比べたらいろんと事業化をして、拡充をしていっている段階ということで理解をしておきたいと思います。ありがとうございます。
◆山田[博]副会長 時間も時間ですので、手短にお尋ねしたいと思うんですが、まずこの開催地区セミナーは6カ所とあるんですね。この6カ所を選定した理由を説明してもらえますか。
◎永橋農産加工・流通室長 基本的に私どもは、6次化の事業というのは、もちろん農産加工・流通室もですが、各振興局が6カ所ございます。その6カ所にも、兼務でございますけれども担当者を置かせていただいております。その6カ所、各振興局ごとに昨年は1回ずつ開いた次第でございます。
◆山田[博]副会長 今後もそのようにしていくか、していかないかをお尋ねしたいのと、参加者は農業者が205名だと。そうすると後154名はどういった人がいたのかですね。
◎永橋農産加工・流通室長 まず、今年度は先ほどちょっと申し上げましたが、各地区2回ずつということで、各地域に入り込んで2回ずつということで進めております。
 それから、農業者以外の方ということでは、農協、市町村、それから振興局職員、こういう方たち、関係機関が一緒に受講をしている次第でございます。
◆山田[博]副会長 各地区ということは、五島振興局管内だったら2回するということですね。そうしたら、上五島、下五島に分かれるんですか。私は、選挙区は五島市だけれども、やっぱりこれからは視野を広げて質問しないといけないわけです。五島市のことばかり言ったっていけないということがありますので、だから私は上五島もしないといけないんじゃないかと思うわけですね。
 あと参加者の中で、例えば漁業者がいた場合はどうなるのか。なぜこれを言うかというと、前、奈留島で鳥獣対策の講習会をしてくれたことがあったわけです。その時に、「いや、奈留島ではできません」と。「何で」と言ったら、「あそこは農業者に認定している人が一人しかいませんからできません」ということだったんです。しかし、そこは上田部長の英断でもって、そんなことは関係ないんだと、やっぱりしないといけないだろうということでやったわけです。だから、農業者であろうが漁業者であろうが、縦割り行政ではいけないから、きちんとそういったのを含めてやるのかどうかというのを、まず聞かせていただきたいと思います。
 長崎県のトップは中村知事なんだから、住民からすると、自分は漁業者だから、これは農林部の仕事だから私はいい、あなたは水産部に走ってくださいと言われたら困るから、そこはどうなのかというのを、これは懐の深い上田農林部長が答えるのか、誰が答えるのかわかりませんけれども、その点はお答えいただきたいと思います。
◎永橋農産加工・流通室長 まず農業者、漁業者という関係で言いますと、昨年の参加者の中にも漁業関係の方も参加をされております。ですから、農業者だけではなくて1次産業ということで、そういう方が出席されているということをまずご報告させていただきます。
 それから地区セミナーの開催の件でございますが、今、上五島地区が手元にないものですから、その状況は改めてご報告をさせていただきます。
◎上田農林部長 水産業の方、今は漁業者の方が入っていらっしゃるということですけれども、恐らく基本的に農産加工品を中心に現在考えております。水産部には、同じように水産加工・流通室というのがございます。水産における加工業というのは、私が前にいた時には500億円近い規模の産業だったと思っております。そういった意味では、ここは水産部ともしっかり協議をさせていただいて、今後の進め方、と申しますのは、専門知識がやはり全然違う部分がありますので、そういった意味では水産部としっかり協議して、どういう進め方がいいのかというのは、今後検討させていただきたいと思っております。
◆山田[博]副会長 本当は、農産加工・流通室長、あなたの答弁は漏れているのがいっぱいあるわけです。だけど、上田部長がそこは大所高所からひっくるめてああいった答弁をしてもらったから、もう質問することがなくなったんです。そういうことです。
 私は、部長が言われるように、農業者だろうが漁業者だろうが、このセミナーに来た時に、「あなたは漁業者だからだめです、帰りなさい」と言われたらたまったものじゃないんですよ。だけど、そこはすみ分けをどうしたらいいかというのを考えないといけないと、これはもうごもっともですよ。そこをしっかりやっていただきたいと思います。
 続いて、このセミナーの時に6次産業の成功事例とありますね。これをずっと同じ事例をやっているのか。要するに、簡単に言うと農産加工・流通室長が、一言一句同じことをずっと言っているのかというのをお尋ねしたいと思います。
◎永橋農産加工・流通室長 例えばということで、派遣する先生も異なっておりますので、それぞれ紹介される事例も違います。それと、実際に去年の例で申しますと、奈良県の産直所の成功事例というのを紹介している方もおられれば、福岡の成功事例を紹介している方もいるということで、各地区で派遣した先生によって先進事例というのは違うということでございます。
◆山田[博]副会長 例えば成功事例というのも、道の駅のことを説明するのと、五島に行ったんでしょう、福岡に道の駅ができましたよと、これだけできました、成功事例がありますと言ったって、五島で道の駅といってもないんですから。それを言われても本末転倒なんです。私は何が言いたいかというと、地域によってその成功事例をちゃんと選別してやっているかどうかというのを聞きたいんです。農山村対策室長は五島振興局の農林水産部長をしていたので、そういうことにはこの方は詳しいんです。多分そういうことはないだろうという前提でちゃんとやっていると思うけれども、今は光永さんという農林水産部長の農林部のエースが来ているけれども、そういったことを含めて、ちゃんとそういう選別をやっているかというのをお聞かせ願いたいと思います。
◎寺島農山村対策室長 実際、昨年度の地区セミナーに私も参加をさせていただきました。講師の方も2回にわたって違う方が来られまして、実際に五島に入られて、水産関係でいろいろ取り組みをされた話なんかも、農家の方にいわゆる商品の考え方とかパッケージの仕方とか、販売の考え方とか、そういうのもされていましたので、先ほどある委員が言われていましたけれども、五島地域の物をどう活かすかというところでセミナーをされた方もおられましたので、それはもうそれぞれ話題をたくさん持ってされていると思います。
◆山田[博]副会長 名回答でしたね。ちゃんとやっていることはやっているんですね。びっくりしました。さすがですね。多分そういうことをやってないんじゃないかなと思ったんですけれども、ちゃんとやっているんですね。それは大変失礼しました。そういうふうにやるということは大切なことですからね。
 もう一つ、直売所とさっき部長が言いましたけれども、直売所というものの概念はどういったものですか。これから、農林部長、最終的には直売所といろいろ連携しながらやっていくと思うんですね。農林部と水産部の直売所の概念というのは一緒にしながらこういった6次化というのは進めていくんでしょう、もちろん。先ほど、セミナーも6次化もどういうふうにやっているかという話がありましたけれども、なんか水産部の直売所というと、私たちはすぐ「がんばランド」しか思い浮かばないんですよ。だからそこはきちんとやってもらわないと。先ほど6次化を進めるに当たっては水産部とやっていかなければいかんと言われましたから、これも突き詰めていくと直売所になるわけだから、そこの見解を聞かせていただきたいというのが一つ。
 最後に、11月から県によるサポートセンターを設置するとありますが、ここはどこに設けるのか、体制を説明していただけませんか。
◎永橋農産加工・流通室長 まず直売所というお話ですが、直売所はやっぱり基本的に地元の方たちでやっておられるという認識でございました。
 もう一つの11月からの件でございますけれども、一応11月いっぱいまでは国の方で最大見ますという連絡がございました。その後の話ですけれども、補正を認めていただきましたので、現在どういうやり方で進めるかを時間をかけて検討している状況でございます。
◆山田[博]副会長 サポートセンターは今からやっていくということで、まだ現時点では決まっていないということはいいんですけれども、少なくともこの直売所、直売所といったら「がんばランド」しか思い浮かばないから、そこは農産加工・流通室長、あなたもぴんときていなかったから、今後、直売所とはどういったものかというのをしっかり、農政課長、これは水産部と農林部との縄張り争いじゃないけれども、衝突したらいけないから、うまく調和をとらないといけないからですね。農林部の言う直売所と水産部の言う直売所と大きく違ったら大変なことになるからね。これはなぜかと言うと、行き着くところはそういうところになってくるわけです、農産加工、この6次化産業というのはね。だから、そこの概念が違ったらいけないから、農政課長、ぜひしっかりとやっていただきたいと思うんですよ。この直売所のことは、間違いなく農林部と水産部は現段階では概念が違うと私は思っていますから。以上です。
◎松尾農政課長 直売所でございますけれども、改めまして定義を申し上げさせていただきますと、農業者が自ら地域で生産した農水産物を活用して、地域の活性化のために主体的に農業観点、企業活動とか地産地消とか、地域経済の活性化に大きく貢献するということでございます。それにつきましては、私どもとしましても、地産地消の一環、地域経済の活性化の一環ということでもございますので、ぜひ農林部は農林部、水産部と基本的には農水産物を活用してということではございますけれども、直売所をいかに使ってこういうふうな形、例えば今、6次産業化のお話が先ほどからあっていますけれども、私どもの中では6次産業化で具体的にやっている事例としては、先ほど説明しました直売所やグリーンツーリズムといったことでございますので、そういった活動の一環として、ぜひ今後ともどんどんやっていきたいと思っております。
◎峠農林部次長 直売所につきましては、長崎県では平成13年か14年だったと思いますけれども、地産地消運動ということで始めたと理解をしております。当時、直売所につきましては、例えば中山間地域の農家の方が市場まで持って行くのがなかなか難しいとか、高齢化している、そういうことで地元に売れる場所がないかということで直売所というのを設けております。
 今は、83億円までの売上になっておりまして、これはいわゆる農家の方が自分で値決めができるということから、一つの直売所では数百戸の農家の方がいらっしゃって、物をそこに持って行って販売した物の精算をするという形になっておりまして、そういう形でも今後とも農産物直売所というのはしっかりやっていきたいと考えております。
○西川分科会長 ほかに質疑はありませんか。
◎上田農林部長 サポートセンターの今年度下半期、国から引き継ぐところなんですけれども、この前の農水経済委員会でもご議論がありましたけれども、一般競争入札でできるのか、随意契約でしかできないのか。いわゆる支援者への引き継ぎの関係、これは一般競争入札で仕様の中にどこまで個人情報が入れられるのか、そういったことも加味して非常に難しい部分もありますので、随意契約も検討の視野に入れて、現在、慎重に進めさせていただいているところでございます。
○西川分科会長 質疑はありませんね。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○西川分科会長 それでは、各委員に置かれましては、評価結果を評価シートにご記入ください。
 各委員から評価結果について、判定基準を発表してください。
 また、評価の理由や改善内容、ご意見があればお願いします。
◆徳永委員 「拡充」でお願いします。
 問題点、支援については調査検討、そしてまた、関係機関との連携をとっていただいて、なおかつ生産者の不安解消、生産者の立場で推進をしていただきたいと思っております。
◆溝口委員 私は一応「拡充」ということで、平成24年度が始まりというか、平成22年度からの事業ですけれども、内容を聞いてみると、もう平成25年度が既に1,000万円近くの予算もつけているということで、ぜひ平成26年度、平成27年度にかけて内容を拡充して充実させていただいて、ぜひこれを推進していただきたいと思っております。
◆織田委員 「拡充」です。
 特別に理由はありませんが、ともかく農業の付加価値を高めて、若者が農業に参入できるように頑張っていく必要があると思っています。
◆野本委員 私も「拡充」です。
 この6次産業化支援事業費というのは、説明を聞いたりしてみて非常に期待の持てる、今後、大いに取り組んでいくべきだと思います。それだけに不透明な線引きの難しいところもあるようですので、この辺の問題についても行政が中に入って指導していくという、特にこの販売ということについては、先ほどありました道の駅の問題もありましょうし、あるいは直売所の問題もありましょうしということで、これは個人でなかなかできる問題じゃないんじゃないかと。ネットワークを考えていくと、そういうところに絞っていくとなれば、個人でできる問題じゃない。生産は個人でできても、やはり加工についても、なかなか小さなものならいいでしょうけれども、大きくやろうとすればできないということもありますので、この辺は農協も一緒になって取り組みをしていかなければ、非常に聞こえはいいけれども、実際やってみれば難しい問題があるんじゃないかなと思います。しかし、取り組んでいる姿勢は、今答弁を聞きながら、敬意を表しながら、これからさらなる、新しい法律ですから、いよいよこれからという問題ですから、1次、2次、3次、4、5が抜けて6次ですから、ぜひひとつ頑張ってもらいたいと思います。よろしくお願いします。
◆中島[浩]委員 先ほども理事者からご説明がありましたとおり、この6次産業は1兆円から10兆円に、2020年度までに拡大することで、来年度の国の予算要求でも新たに15項目ですか、今のところいろんな支援体制が新たにできるようですので、この支援体制を今度また農業者の方にうまく活用できるように、交付金事業として引っ張ってこられるような新たな説明会とかがまた必要になってくると思いますので、そういう意味ではこれは拡充していかなければならないものと思いますので、「拡充」ということでお願いします。
◆深堀委員 「拡充」でお願いします。
 以上です。
◆友田委員 「拡充」です。
 とにかく農業者の中には、どんなリスクがあるのかということで、まだ模様眺めをしている方もいらっしゃると思います。そういった中で、やはり成功事例を積み上げていって、こういうことができるんだというのがわかってくれば、さらに底辺が拡大していくと思うので、まずはとにかく成功事例を積み上げていくということが大事だと思いますので、そのためにも拡充をして積極的に取り組んでいただきたいと思います。
◆山口委員 「拡充」です。
 1、2、3次を一元化して、さらに強化をして、活力ある農家といいますか、農業をつくることが当然なので、これはまさに目的とするところです。
 そして、特に生産農家の担い手が今、要するにもうからないものだから、もうつかないわけですよ。そういうことで、特に生産農家の担い手が積極的に農業に従事できる、もうかる農業につながることを期待します。
 県としては、そういう面での支援体制の強化が必要ではないかということで「拡充」とさせていただきました。以上。
◆山田[博]副会長 私は、今日まで一貫して、事業仕分けはずっと「拡充」と言っておりました。今回も「拡充」でございます。
 私は、これは積極的にやっていただきたい。これは地域の人たちが大変期待しておりますので、予算をさらに倍増するなりしてやっていただかないと、特に農業所得、中村知事が県民所得向上を掲げているわけですから、これはマッチしているんです。これ以上マッチしている事業はありませんから、ぜひ頑張っていただいて、この事業の拡充をして、予算の拡大を図って、農業者の所得向上につながるよう頑張っていただきたい。もう一回言います、「拡充」です。
○西川分科会長 私も「拡充」です。
 全員一致で農業の6次産業化支援事業費について、本分科会の判定は「拡充」とします。
 以上で、農業の6次産業化支援事業に係る事業仕分けを終了いたします。
 これをもちまして本日予定しておりました本分科会における事業仕分けの審査を全て終了しました。
 本日の審査はこれにてとどめ、明日は午前10時から産業労働部関係の審査を行います。
 本日はこれをもって散会いたします。
 大変お疲れさまでした。
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     −午後4時43分 散会−
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