平成26年 9月定例会 文教厚生委員会 - 09月29日−04号
平成26年 9月定例会 文教厚生委員会
溝口芙美雄 発言箇所 医療教育開発センター事業の施設整備 1 2 2b 佐世保市、県立高等学校生徒による事件について 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 |
1、開催年月日時刻及び場所
平成26年9月29日
自 午前10時1分
至 午後5時11分
於 第1別館第3会議室
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2、出席委員の氏名
委員長(分科会長) 中村和弥君
副委員長(副会長) ごうまなみ君
委員 三好徳明君
〃 中山 功君
〃 溝口芙美雄君
〃 高比良末男君
〃 瀬川光之君
〃 山田博司君
〃 山口初實君
〃 山田朋子君
〃 前田哲也君
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3、欠席委員の氏名
なし
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4、委員外出席議員の氏名
なし
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5、県側出席者の氏名
教育長 池松誠二君
政策監 島村秀世君
教育次長 池田 浩君
教育次長兼総務課長 木下 忠君
県立学校改革推進室長 林田和喜君
福利厚生室長 野口充徳君
教育環境整備課長 小森孝幸君
教職員課長 松尾康弘君
義務教育課長 長谷川哲朗君
義務教育課人事管理監 木村国広君
児童生徒支援室長 西村一孔君
高校教育課長 渡川正人君
高校教育課人事管理監 荒木典子君
特別支援教育室長 前田博志君
生涯学習課長 堀 輝広君
新県立図書館整備室長 前屋信彦君
学芸文化課長 金子眞二君
体育保健課長 栗原正三君
競技力向上対策課長 森 栄二君
教育センター所長 古川勝也君
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福祉保健部長 伊東博隆君
福祉保健部政策監(高齢者・障害者福祉担当)
太田彰幸君
福祉保健部次長 堀部芳夫君
福祉保健課長 南部正照君
医療政策課長 三田 徹君
医療人材対策室長 村田 誠君
薬務行政室長 重野 哲君
長寿社会課長 上田彰二君
障害福祉課長 園田俊輔君
原爆被爆者援護課長 林 洋一君
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こども政策局長 平尾眞一君
こども未来課長 宮崎 誠君
こども家庭課長 林田則利君
こども家庭課参事 柿田多佳子君
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6、審査の経過次のとおり
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−午前10時1分 開議−
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○中村委員長 おはようございます。
委員会を再開いたします。
先週金曜日に引き続き、教育委員会の議案外所管事項一般についての質問を行います。
どなたか質問はございませんか。
◆前田委員 武道が必修化されて、もう2年か3年経つわけですが、これは各市町教育委員会における活動になっていると思うんですが、現状における実施の状況並びに、課題があるとするならば今後の課題について、お尋ねをしたいと思います。
◎栗原体育保健課長 まず、武道の実施状況でございますが、武道は柔道、剣道、相撲の中から選択をして必修で実施していくものでございます。1年時、2年時で大体16時間から20時間ぐらいの授業をするということでございまして、その選択実施状況は、資料のとおり柔道が非常に多うございまして、中学校全部で177校のうち140校、80%弱が柔道を実施している状況でございます。剣道につきましては20校で11.2%程度です。規模が大きい学校の中には、柔道と剣道を選択できる学校もございます。そこが13校で7.3%です。相撲を選択している学校が2校で1.1%です。
その他としまして、現在、運動場、校舎の改修等々で武道を実施できないところがございます。それは2年の間に履修することになっておりますので、1年か2年のいずれかで実施することで対応しております。
課題としましては、柔道をするには道着、剣道をするには防具等々が必要になってまいりますが、実際に保護者が負担するのはなかなか難しい部分があると思いますので、柔道着等々については学校で準備をしているところでございます。剣道の防具の方が若干高価だということもございまして、市町によりましては、実施する時期をずらして、何校か分を確保し、融通をし合いながら実施しているというような状況が、課題として残っているのではなかろうかと思っております。
◆前田委員 事前に少しレクチャーしてもらう中で、本来は生徒が武道を選ぶと、基本的に選択できるということですけれども、このように柔道にほとんどの比重というか大きなウエートを占めていると。
剣道の防具の話が出ましたけれども、選択できるということであれば、そういう道具とかをきちんと準備すること、その費用がかかるからなかなか用意できないという実態も今の話だとあるのかと。
そもそも今回お聞きしたのは、指導者の問題で、当時、必修化に向けて学校の先生方が研修を受けている模様をテレビ等で見ていました。女子の先生も柔道とか剣道を学ぶ姿を見て、大変だなという思いをいたしておりました。
これは、あくまで学校の先生が全て教えるものではなくて、外部の方も指導ができるとなっていると思います。実際に私の知るところでは外部の方に指導の補助をお願いしている実態があり、そういう方たちに払う謝金もなかなか用意できないというお話を聞いたものですから今回お尋ねしたんです。
そこは答弁いただきたいですが、国の制度としてあるということですので、そういう外部の方の指導の現況と、その人たちに対する報酬というか謝金等の支払いについての補助メニューがあるのかについてお尋ねをしたいと思います。
◎栗原体育保健課長 武道の指導の経験のない先生方、不安を持っていらっしゃる先生など中学校教員に対して、武道・ダンス指導者養成講習会を平成27年度までに100%受講していただくように取り組んでいるところで、本年度末で70%ぐらいに達するのではなかろうかと思っているところでございます。
今お尋ねの外部指導者の部分は、外部経験者といいますか、T・Tの形で対応して先生方の補助をしていただくものと、体育学習アドバイザー派遣事業といいまして、かなりの専門性の高い講師を派遣して教員への指導を行うという2つがございます。
ともに、その講師に対する謝金については県で負担していまして、要請があったところは、平成26年度は柔道で8回、アドバイザー事業では柔道が3回、ダンスが4回、剣道が6回という形で、計13回の派遣を予定しているところでございます。
◆前田委員 国において、必修化するには必修化する目的みたいなものがきちんとあると思いますので、そういう目的を十分達成するために、その環境整備とか学校の先生の支援を、今後もさらに注意深く展開していただきたいと要望しておきます。(「関連」と呼ぶ者あり)
○中村委員長 委員長を交代します。
○ごう副委員長 中村委員長、発言をどうぞ。
○中村委員長 どうしようかなと思ったんですけど、前田委員から資料の提供がありましたので、質問させていただきます。
中学生の必修の部分については、相撲というのは私も知らなかったんですけれども、柔道、剣道があるんです。
1番目に、現在、県内の中学校で柔道部の部活動がないところはありますか。
◎栗原体育保健課長 申しわけありません。正確な情報を今手元に持ち合わせておりませんので、後ほどよろしいでしょうか。
○中村委員長 なんで聞くかというと、剣道と柔道があるんだけれども、剣道の方はどうしても防具の関係上費用がかかると言われたんです。
ところが柔道も、柔道部があるところはもちろん道場がありますからいいんですけれども、柔道部がないところは、畳からそろえなくてはいけない。剣道の防具よりも畳の方が高いんですよ。だから、その辺についても、この場で答えられるぐらいの調査はしておかないといかんと思うんだけどね。
もう1点私が言いたかったのは、剣道について、もう数カ月前から私は担当課に、県内に調査をかけて、ぜひ対処をしてくれとお願いしておりました。それは何かといいますと、購入した剣道の防具の中に、防具をつくる時に使った針が混入しているということが発覚したんです。諫早の一学校で発覚しまして、その学校は、購入業者に依頼して別の防具と交換していただきました。ところが、ほかの学校はまだ対処ができておりません。
なぜ針が防具の中に残っているかというと、剣道の防具は、皆さんたちもご存じだと思うんですけれども、非常に堅く縫ってあるんです。堅く縫う時に、針が耐えられなくて折れるんです。折れた針が防具の中に残っているんです。最初のうちは防具は堅いですから、針が出てくることはあまりないと思うんです。しかし、これが使いこなれていけば、だんだん柔らかくなってきますので、その針が突然として表面に出てくる可能性があります。そうした時には子どもたちが間違いなくけがをします。
だから、それを防止するために検査をして対処をするようにと担当課に言っておったんですけれども、なかなか対処ができていないようです。もちろんこの管轄は市町教育委員会ですので、なかなか難しいところもあると思うけれども、やはりこれは一刻も早く対処をして、新しい防具と交換をしていただかなければいけないと思うんです。
そのためには、まず調査をしなければならない。針が混入しているかどうかの調査をするには専門の道具が要ります。その道具を私の知っている方が持っているから、調査をしてもらってとお願いしたんだけれども、それがまだ可能になっていないところです。この辺について、どうお考えですか。
◎栗原体育保健課長 確かに県立のある学校で、防具の中で金属反応がするということで防具の交換に応じていただいたところがございます。そこからの報告書で、中から金属フェルトみたいなものが出てきたということで、写真を付けて報告が上がってきているところでございまして、その報告だけを見ますと、針が入っていたという部分は私どもでは掌握しておりません。
今お話があったとおり、中学校につきましては剣道をやっているところが少のうございますので、全ての中学校に電話連絡を入れまして、そういった金属片が入っている実態があるので、安全点検をしてくれという指導はしております。そして、金属片を探知する機械があるということもお知らせをして、安全点検に努めてくれという指示は全ての学校に出しているところでございます。
○中村委員長 なぜ私が強く言うかというと、先ほど言いました防具の購入なんです。高額だということは恐らく皆さん知っていると思います。高額だから、できれば安いものをということで、安全性のマークが付いていない武具を購入している学校がほとんどです。諫早市の実例の学校も結局、正規のちゃんとした安全性の高いものを買えば高額だからということで、入札をしているんですけど、格安のものが入ってきている。これはほとんど海外製です。海外製の防具が入ってきているということです。
実をいうと、長崎県には一つ、製造までやっている業者がいるんです。県内業者を使えということを常に私たち、県議の皆さんたちは言っていると思います。そういうところの指導をしてほしい。ただ、営利目的になることはいけないから、それ以上のことは言いませんけどね。
しかし、安全性の高いもの、もちろん安全性が高いとマークが付いているもの、そしてまた針、金属の異物が混入していないものを使ってもらわなくては、子どもたちの安全性が非常に損なわれる。そこら辺をぜひ急いで対処しなければならないと思うんです。
数カ月前から私はお願いしているんだけれども、結局、市町教育委員会の管轄だから対処が遅れていると、それではやっぱりよくない。指導しているのはわかるけれども、一刻も早く対処しなければならない。もしこれが表面に出てきて事故が起こっては遅いんですよ。だから私は言っているんです。
早急に、県として各市町、いろんな関係者のところに対処をしながら調査をして、交換なり何なりしていただきたいと思いますので、よろしくお願いしておきます。(「関連」と呼ぶ者あり)
○ごう副委員長 委員長を交代します。
○中村委員長 山田(博)委員、どうぞ。
◆山田[博]委員 体育保健課長、中村委員長から話があった件の概要を教えてもらいたい。いつ頃、どういうふうにあったかとペーパーにまとめているのであれば出してもらって。そうしないとわからないから。あなたと委員長と2人で話していても、これは大事なことだから。用意しているんでしょう。用意しているんだったら。
例えば学校給食に金属片が入っていたら、大問題になって記者会見をしていたよ。教育長とか何かが平謝りしていたけど、別にそれをとやかく言うつもりはないけれども、今後二度とこういったことを起こさないためにしっかり議論して、こういうふうにしたらいいんじゃないですかということをしたいと思いますのでね。あったことをほじくり返して、ああだこうだと言うつもりはないんだけれども、これはこういうふうにしていこうという前向きな議論をしていきたいから、あるのであれば出していただきたい。答えていただけませんか。
◎栗原体育保健課長 手元に整理しているものがございませんので、整理をして提出をさせていただきたいと思います。
経緯につきましては、先ほども申しましたが、昨年度ではなかったかと思いますけれども、県立学校に納入された防具の中に金属のフェルトのようなものが入っていたという報告でございました。固いものではないということでございます。業者さんの方でそれを全部調べて、新しいものに交換していただいたということでございます。
◆山田[博]委員 提出に時間がかかるというのであれば、昨年のいつ頃で、交換はいつ頃したのか、わかる範囲で答えてくれませんか、口頭でいいですから。
◎栗原体育保健課長 平成24年2月に購入しまして、それがわかりましたのが、記憶だけで申しわけございませんけど、昨年の11月ごろで、交換が完了したのが今年の2月ごろではなかったかと思っております。
◆山田[博]委員 それは何個あったんですか。11月に発覚して、交換したのは2月でしょう。そうしたら半年間近く使えなかったんですか。それで授業には支障なかったんですか。
◎栗原体育保健課長 その辺につきましては、正確な報告を私どもも受けておりません。まことに申しわけないんですけど、その辺も再度、確認させていただきたいと思います。
◆山田[博]委員 体育保健課長、たまたま試合とか練習とかの時に身体を傷つけなかったからよかったものの、これが傷になったら、それが女の子だったら大変なことになっていたと思うよ。
その状態を把握していないというのはいかがなものかということで、まず要望というか指摘しておきたいのは、これだけの事件だな、はっきり申し上げて事件です。体育保健課長、ひょっとしたらほかの事件があって対応が難しかったかもしれませんけれども、もうちょっと精査して、今後どうあるべきかというのをね。
事件の経過を十分把握していないから、事件の把握をして、今後はどうあるべきかというのを次の委員会なりできちんと報告してもらいたいと思うんです。それは委員長が言ったように安全性もさることながら、本来であれば安全対策をしたものを購入するのが大前提ですから。これは特に女性とか女の子だったら、顔に傷がはいり、体に傷が残ったら大変なことだから、そういったことを含めて、今後どうするかという方針なりをきちんと、今回の事件を踏まえた上でどうあるべきかというのをまとめて、次の委員会なりに提出していただきたいと思います。
それだけ聞かせてください。
◎栗原体育保健課長 十分な調べができておりませんで、申しわけございません。その辺についてはしっかり整理をして、指導するところは指導しながら対応させていただき、次回の委員会で報告をさせていただきたいと思います。
◆山田[博]委員 これはPL法、製造物責任法で、このメーカーがそういった責任があるかどうかということも問題。そこまできちんとせんといかんな、これは。
保護者の方も、学校に対して敬意を表しているから申し立てがなかったかもしれないけど、そういったことに甘えてはいかんから、ぜひ体育保健課長、しっかりやっていただきたいと思います。
◆前田委員 私の質問から細かな案件に移ったんですが、別の質問をしていいですか。
企業において従業員の方の健康の保持が求められるように、学校の教職員においても心身の健康づくりは非常に重要な課題だと思っております。そうしないと、子どもたちとしっかり向き合うことも難しいのかなと思います。
自分の周囲や報道等で、学校の教職員に精神疾患の方が増えてきているんじゃないかと聞く中で、本県の教職員の心身の健康づくりという点において、精神疾患による休職者の状況の推移並びに、課題解決に向けて教育委員会としてどのように取り組んでいるのかについてご報告を求めたいと思います。
◎野口福利厚生室長 教職員の精神疾患による休職者数は、本県の公立の小・中学校と県立学校の合計で、毎年度50名から60名で推移をしている状況でございます。
これへの対応ですが、教職員のメンタルヘルスにつきましては、本人自身、あるいは周囲の早い段階での気づきが大切でございます。また、職場での早期の的確な対応が重要であります。
このために、管理職をはじめとしまして教職員のメンタルヘルスの研修会とか、悩みや不安を抱える教職員に対しましては、専門医によります面談、あるいは電話での相談を実施しております。また、県の教育センターにおきましても、教育問題に関しまして電話相談を実施している状況であります。
それと、公務負担の軽減とか、働きやすい職場環境づくりに向けまして、学校、教育委員会が連携をしまして、例えばICTの活用によります公務の事務改善の推進とか、希望する学校へは専門医の派遣等によりまして心身の健康づくりに努めているところでございます。
◆前田委員 毎年50〜60人で推移しているということで、そういう方が出た時の対応を答弁していただいたわけです。メンタルの状況を改善することももちろんですけれども、今おっしゃったように、その環境を変えてあげないと、なかなかそこの回復もですし、ほかの方に及ぼす影響もあると。
以前から個人質問の中でもたび重ねて質問があっていると思うんですが、公務のICT化の推進というのが出てきまして、教職員が生徒に授業を教える、また、生徒と向き合う時間に専念するために、どれだけ公務負担の軽減が図れるかということについては議会からも指摘があっていました。今の答弁のような取組があっていると思うんですが、具体的にどの程度、公務のICT化の推進が進んだのか。もしくは、先進の教育委員会というか、各自治体にそういうものがあるとするならば、そういうモデルを早く県下一斉に広げるべきだと思っていますが、そういう観点からどのように進んでいるのか。
もう1点は、病院につなぐというか、専門医におつなぎをしていくのをサポートしているという答弁でありましたが、相談とか診療に当たる専門医は、教職員のメンタルの部分に本当に的確に対応できるような先生方なのか。要は心療内科的な方ではなくて、きちんとした精神の専門の方々が診て、その方の回復に向けての個別の支援計画をきちんとつくっていくべきだと思います。
一度メンタル的に落ち込んだ方が学校に復帰して、それからまた病むというケースがどれぐらいあるのかについてもお尋ねをしたいと思います。
◎長谷川義務教育課長 ご質問の1点目の校務支援システムについての状況でありますが、本県におきましては早くから校務支援システムの開発に取り組んでまいりまして、必要に応じて改良、改修を行ってきたところであります。
大きく3種類ありまして、一つは学年末に指導要録とか、あるいは高等学校等へ進学する場合の調査書とか、そういう事務を一括して処理する指導要録等の作成支援システムがございます。これの利用校は小学校が93.6%、中学校が98.9%と、ほぼ全ての学校で利用されている状況でございます。
このほかについては、日々の子どもたちの出席状況の把握とか、保健室利用状況の把握とか、日々の子どもの状況を把握するシステムが一つ。
もう一つは、成績処理とか、さまざまな事務の場面で使えるテンプレートを用意すると、この3つを行っているところでございます。
トータルとして、教職員の効果がどう現れているかということでございますが、そのような取組によって効果が概ね図られているというふうに回答している学校が、小学校では92.2%、中学校では95.5%という状況で、概ね良好だと考えておりますけれども、ご指摘のとおり、市町によってまだばらつくところもございますので、全県的にそろえられるものはそろえるという研究については今後していかなければならないのかなというふうに考えているところでございます。
◎野口福利厚生室長 専門の医療機関のことについてでありますが、私どもでお願いしておりますのは、県下全域で安定的な確保が必要であるということと、委員がおっしゃるとおり、どの程度の専門的なものが備えられているかということもございます。
それと、私どもがお願いしている中身が、本人だけではなくて管理監督者、家族の相談も受け入れるということを前提としております。したがいまして、そういったところでの周知徹底をする必要があるということで、県内の精神科の診療所で組織されております長崎県精神神経科診療所協会にお願いをいたしまして紹介をしていただいています。
それと、県外にも1件、九州中央病院というところにお願いしております。ここはいわゆる職域の病院でございまして、公立学校共済組合が運営をしているところでございます。ここは教職員の心身の健康の保持、増進ということに対しまして相当なノウハウを持っておりますので、そこにお願いしているということであります。今年度、県内外27の医療機関にお願いをしているということでございます。
それと、復職云々についてでございますが、庁内で復職の検討委員会に、専門医を交えながら諮っておりまして、6週間から2カ月程度であったかと思いますけれども、復職の訓練等もした中で、専門医の意見とか校長の所見なども含めまして判断をしているという状況でございます。
◎木村義務教育課人事管理監 今の室長の答弁に付け加えさせていただきます。
復職審査会におきましては、再度の休職を行った者、また、6月以上程度の長期の休職を行った者に対して復職審査を行っております。
例えば昨年度の小・中学校だけで7名を対象に、平成24年度は9名を対象でありますので、50〜60名という答弁が先ほどありましたが、そのうちの7名とか9名が、再度の休職とか6カ月以上の休職を行っている者でございます。
○中村委員長 ほかに質問はありませんか。
◆山田[朋]委員 部長説明の中で、外国語教育の充実についてということで質問したいと思います。
県内の50名の高校生が、7月23日から8月5日にかけて、ハウステンボスのイングリッシュ・スクウェア、私が一般質問等で提案をさせていただきましたところを活用したり、長崎国際大学、県立大学を活用して、14日間に及ぶ英語漬けの事業が実施されました。
この事業の成果、実績等をお聞かせいただきたいと思います。
◎渡川高校教育課長 お尋ねの英語コミュニケーションスキルアップ事業は、今年度3回目の実施となります。14日間、長崎国際大学等を利用して、高校の英語教員6名、ALT17名の指導のもとに実施をいたしました。
研修内容の中心になりますのは、ALTの指導による各種コミュニケーション活動でございます。日常会話、英語を使ったゲームや寸劇、スピーチコンテストやディベート大会などを行っております。また、併せて大学教官による英語の授業も実施をしております。
イングリッシュ・スクウェアにつきましては、14日間のうちの8日目に実施をしまして、半日、生徒が意欲的な活動をしました。
成果についてのお尋ねでございますが、イングリッシュ・スクウェアにつきましては、生徒の感想の中に、研修前半で学んだことを効果的に使う機会であったということ、楽しく会話ができ一層自信が深まった、優秀者に表彰がございまして表彰を受けてさらに意欲が高まったと、そういう感想を述べております。
なお、研修全体の成果につきましては、参加者へのアンケートと英語の外部試験の2つで行っております。
一つ目のアンケート結果につきましては、英語を聞く力、英語を話す力が伸びたと思う生徒が参加者の92%、語学を活かした進学、または就職を希望する生徒の割合が98%となっております。
外部試験での成果の測定でございますが、研修前と研修後にGTECというテストを受けて、その伸びをはかっております。今年度はまだ研修後の結果が出ておりませんので昨年度の分で申しますと、810点満点のテストで、平均点が約29点アップしているという状況でございます。
◆山田[朋]委員 高校生が、2週間という長期にわたって英語漬けの中で、数々の実績があり、満足度も非常に高くて、92%が英語に対する自信がついたと、進学に関しても98%が英語に関わる進学先を考えていきたいというような、すごく高い結果が出ています。
私は、子どもたちが夏休みを有効的に活用したこういう事業は非常に重要な機会だと思っておりますので、来年度以降も継続していただきまして、希望している学生が多くおりますので、可能であれば、効果的に対象を広げていただきたいと思っております。
次に、スクールカウンセラーについて伺いたいと思います。今、県内の小学校で49校、中学校で116校、合計165校に配置していただいておりますが、県内の小学校、中学校の数をそれぞれ教えてください。
◎木村義務教育課人事管理監 小学校の数は、本校が347校、分校が14校、うち休校1校です。
中学校は、本校が175校、休校2校で、分校が2校、そのうち休校1校であります。
◆山田[朋]委員 今、数をお聞きいたしました。小学校で360校のうち49校だけにスクールカウンセラーが配置されている。中学校で174校のうち116校ということであります。
佐世保事件もありました。スクールカウンセラーは、学校においてすごく重要な職業だと私は思っております。今後、未配置校に対して、市町教育委員会の配置、予算等も関わることだと思いますけれども、県の教育委員会としてどのように考えているのかをお聞かせください。
◎西村児童生徒支援室長 スクールカウンセラーの配置についてのご質問ですが、スクールカウンセラー活用事業を本県で行っております。この事業については、国から3分の1の補助をいただいています。この事業の実施方針の中に、まずは中学校を対象にすると、中学校がメインだというふうな目的になっております。そういうことで、どうしても中学校の方が116校と、ほとんどの中学校にまずは配置をさせていただきました。
小学校、高校、特別支援学校にもそれぞれ配置をしているわけですけれども、方向としましては拡充していきたいと考えておりますので、国に要望していきたいと考えているところであります。
◆山田[朋]委員 国の予算がそもそもあって、市町も県も負担がかかってくるということであります。
文部科学省は中学校をまずということですけど、小学校の現場の校長先生とお話をいたしましたら、子どもたちが犯罪に巻き込まれるのも低年齢化しているし、ネットの普及等々で子どもたちを取り巻く環境が大きく変わってきていると、小学校にこそ配置をしていただきたいという声を聞きました。私もそのように感じておりますので、優先度は中学校にありますけれども、可能な限り予算の確保を国に求めていただいて、小学校には今、15%程度しか配置ができていないと思いますので、ぜひこちらの方も拡充をいただきたいと思います。
次に、県立高校です。県立高校60校のうち、配置校が19校となっております。県立高校へのスクールカウンセラーの配置についてはどのように考えているか、お聞かせください。
◎西村児童生徒支援室長 スクールカウンセラーの配置につきましては、先ほど申し上げました現状でございます。県としては派遣を行っておりまして、それぞれ配置されていない学校からの派遣要請が私どもに出されますので、そういった希望に対しては全て応えるということで、小学校にも高等学校にも全て、派遣要請の希望をかなえているという状況でございます。
◎木村義務教育課人事管理監 公立学校の高校への配置について、お答えいたします。
文部科学省が作成しています要綱の中で、県内全配置校の約1割程度を高校に配置するものとするという内容が書かれております。本年度、先ほどご指摘のとおりですので、その約1割、19校の県立高校に配置している次第であります。
◆山田[朋]委員 高校に関しては文部科学省が1割程度でいいと言っているということでありました。
配置と派遣では大きく違うのは教育委員会の方もご存じだと思います。例えば週に2回スクールカウンセラーの先生が学校にいるのと、日頃からいることによって相談しやすい環境というのは当然あります。求めに応じて派遣してくれるという現状かもしれませんけれども、このような事件も起きておりますし、私は、1割程度であとは派遣すればいいという問題ではないと思いますので、限られた予算であり、長崎県の財政状況も厳しいところではありますけれども、ぜひこちらも充実していただくことをお願い申し上げます。
次に、スクールソーシャルワーカーについて伺いたいと思います。予算総括質疑でも質問をさせていただきましたが、スクールソーシャルワーカーは、教育と福祉を結ぶ、とても重要な要職だというふうに私は思っております。そこで、県内の市町立小・中学校に関しては、まずは未配置校のところに配置していただくように特段のご配慮等々、予算の確保をいただきたいということを重ねて申し上げ、県立高校について伺いたいと思います。
県立高校は、この春からスクールソーシャルワーカーを鳴滝高校と佐世保中央高校に配置していますが、今後の県立高校に対するスクールソーシャルワーカーの配置についてどのように考えているかをお聞かせください。
◎西村児童生徒支援室長 スクールソーシャルワーカーにつきましては、委員ご指摘のとおり、教育分野に関する知識に加えまして社会福祉等の専門的な知識や技術を有する方を学校に派遣いたしまして、福祉と学校現場をつなぐ大変重要な役割を果たしていただいております。本年から県立学校に2校、県北と県南に1校ずつ配置をいたしました。今後、できるだけ配置校数を増やしていきたいと考えております。
◆山田[朋]委員 県南と県北ということでありましたので、県央とか離島部も含めて、人材確保が難しいというお話も聞いてはおりますが、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーともに、可能な限りの配置をいただきたいとお願い申し上げます。
次に、広域精神科校医について伺いたいと思います。精神科の校医として長崎西高、佐世保北高、島原高校、諫早高校、猶興館高校、五島高校に配置をいただいております。私は、先ほどからずっと心の関係のことで質問をしておりますけれども、今は壱岐とか対馬とか、離島部に配置されていないと思います。外科とか内科の校医は一般的だと思うんですけれども、教育委員会として、精神科の校医がいるメリットをどのように考えているのかをまずお聞かせください。
◎荒木高校教育課人事管理監 今委員がおっしゃったとおり、県立学校には6地区に6人の精神科医の先生が校医として配置されているわけですが、実際に今どういうふうな活用が行われているかといいますと、佐世保地区は、精神科医の先生のご理解がとても深く、月に1度、巡回という形で2時間程度、希望があれば相談を行っていただいています。これは養護部会において周知をしているところでございます。
他の地区におきましては、どちらかといいますと、その学校の相談を受けているという形で、地区全体にという形ではありませんので、こういう方がいらっしゃるということも含めて、これからまずは周知をしっかり徹底していきたいと思っております。そうすると、スクールカウンセラーで対応できないような場合、またはスクールカウンセラーご自身が精神科医の先生にご相談ができるようになろうかと思っております。
◆山田[朋]委員 今のお話だとエリアカバーができていないということでありました。今配置の学校だけ、校医として行っていただいている。学校だけでの活用になっているということでありました。各地区にせっかく配置していただいているので、活用していくようにほかの関係学校に対しても周知をいただきたいと思いますし、まだ未配置の壱岐、対馬等に可能な限り、精神科の先生にご協力をいただき、校医としてのご契約をいただくようお願いをしたいと思います。
最後に1点だけ、土日の部活動について伺いたいと思います。
私にご相談がございました。自分の子どもが教職員をしていて、お正月以外はほとんど部活動をしていると。教務主任もしていて、帰ってくるのは11時とか、そんな感じで、うちの子どもは過労死をするんじゃないかというご心配の声がありました。
私も、部活動で以前に比べて手当額が増えたなという認識はありました。従前は週休日に4時間以上行った際に1,200円が、平成20年から2,400円になっております。しかし、手当だけの問題ではないと理解しています。
まずはこの手当の件で、一般的にほかの県もこのぐらいの金額なのかどうか、そのあたりを教えてください。
◎松尾教職員課長 部活動の指導手当は、国の学校は法人化されて、もうないんですけれども、従前、国立大学附属の小・中学校があった時代から、国に準拠した形で金額を決めておりました。基本的にそれに従って国からの負担金等もございますので、全国ほぼ同じような金額になっております。
◆山田[朋]委員 手当に関しては全国ほぼ一緒だということであります。
うちの子どもも部活動をしているので、外部コーチを雇っています。部費の中から外部コーチを雇ったりしています。
部活動で土日ともに活動しているのが、中学校で73.3%、高校で69.8%という数字があります。私にご相談をいただいた方も、自分はやりたくてやっているんだと、本当に思いをもってその先生はご指導をいただいているけれども、家族は心配だという声が上がっているのが現状です。
このように土日の活動をしていて、子どもたちが発達していく、特に中学校、高校での学校教育活動の一環というふうな捉え方をしていると思いますけれども、教職員に負荷がかかっているとも言えると思います。そこで、負担軽減のために何か考えていることがあれば、お聞かせいただきたいと思います。
◎木村義務教育課人事管理監 部活動につきましては、特に中学校、高校におきまして、教職員の超過勤務の大きな割合を占めているものであります。
よって、まずもっては週1回のノー部活デーをしていこうということで全県的に取り組んでおります。また、土日に関しても、加えて月に1回のノー部活デーをするなど、児童生徒の心身の健康、また教職員の心身の健康、併せもってそういう取組を進めていこうという方向でやっております。
◆山田[朋]委員 平日のノー部活デーと週末のノー部活デーというものを設定していただくとか、いろいろ考えていただいているようでございますけど、根本的になかなか、外部コーチを雇うお金をという話にもならないと思います。
聞くところによると、残業手当は教職員の方はつかないですよね。すごい残業時間をお聞きしました。想像を絶する時間でありました。部活動もしているし、教務主任とかいろいろしている人はすごい時間になると聞きました。そういったことからメンタルの問題も出てきたりするのかなと思っておりますので、負担軽減のための策を、私も考えていきたいと思いますし、皆様方も考えていただいて、ぜひ負担軽減を図っていただくことをお願い申し上げます。
◎野口福利厚生室長 県教育委員会では、働きやすい環境づくりに向けまして、平成21年度に検討チームを設置いたしまして、重点的に取り組む事項とか、あるいは学校の取組に対して教育委員会がどういった支援ができるかというようなところで検討、整理をしてきた経緯がございます。
平成23年度から、この重点事項に向けまして学校、市町教委、県教委が連携して取り組んでおります。重点事項の中身としましては、例えばICTを活用した校務事務の改善の推進とか、管理職の目標管理の一つに必ず「働きやすい職場環境づくり」を設置するということ、あるいは、メンタルヘルス研修会の充実とか、職員の相談体制の充実といったものでございます。
これに加えまして、平成25年度から「プラス1」推進運動というものを実施しております。このことによりまして、県下全域で公務全般の改善に向けて継続的に取り組んでおります。
少し具体的に言いますと、各学校が、公務全般の中から学校の実情に応じた目標を設定いたします。それに向けて職員全体で取り組んでいきます。
私ども県教育委員会は、その取組の状況、あるいは結果について全ての学校から報告を受けまして、それを整理して、ほかの学校の参考になるようないい取組については、広く情報の共有ということで通知いたしましたし、学校単独では取組が困難なようなものにつきましては県教育委員会が横断的に取組をするということで、その解消に向けて、できるものから一つひとつ取り組んでいこうということでありまして、これを今年度以降もずっと続けていこうということで現在は取り組んでいるところでございます。
○中村委員長 ほかにありませんか。
◆山田[博]委員 事前に通告しておりましたので、時間の許す限り質問させていただきたいと思います。
まず、県立高校の中で実際に大幅な定員割れをしている学校が何校あるか、状況等を具体的に説明していただきたいと思います。
◎林田県立学校改革推進室長 平成26年度の入試においての定員割れの状況について説明をいたします。
1学級定員の40名以上定員割れを起こしている高校は8校ございます。猶興館高校、上対馬高校、壱岐高校、五島南高校、大崎高校、国見高校、平戸高校、島原翔南高校でございます。いずれも離島部、もしくは半島部にある学校が中心でございまして、全日制の全体の中で不充足者数の96%が、この離島・半島部の学校に集中しているという状況がございます。
◆山田[博]委員 大変な定員割れをしている状況ですが、平成21年3月に第二期長崎県立高等学校改革基本方針をつくられました。その中で新たな連携型中高一貫教育とか、キャンパス校の導入とかありますけれども、その8校の中でこの状態が続けば、今後こういった議論をせざるを得ないと。改革基本方針に基づいて、中高一貫教育なりキャンパス校の導入要件に当たってくるのではないかというのが、8校のうちに何校あるのか説明していただきたいと思います。
◎林田県立学校改革推進室長 先ほど挙げました8校の中で、第二期の高校改革基本方針の特例的な措置に該当する地域の高校は、上対馬高校、五島南高校、大崎高校、平戸高校の4校かと思います。
このうち、既に上対馬高校と大崎高校に関しては連携型の中高一貫教育を導入していますので、このまま継続していく形になろうかと思います。
残りの例えば五島南高校とか平戸高校に関しては、要件を満たすかどうかという問題になりますけれども、連携型の中高一貫教育を導入する要件はかなり厳しいものがございます。これは中高を合わせて6年間の教育をしっかり努めていくということで、県としても十分な支援をしていくものですから、それだけのまとまった中学生が高校に進学するという要件を入れております。この要件を満たさなければ、特例的な配慮を要する地域の高校についてはキャンパス校を導入するという形になろうかと思います。
なお、キャンパス校の導入に関しましては、今年6月の定例教育委員会で、取り扱いを従来は分校水準でというふうに考えておりましたが、これを独立校、本校として維持していくことを決定しておりまして、この先、幾らか期待が持てる制度になっているかと考えております。
◆山田[博]委員 五島南高校の定員は今80人で、欠員が平成26年度入試で49人でしたね。中五島高校は定員が80人で不足が33人だということです。
キャンパス校で独立校と認められるのであっても、今の状態であったら学校の存続要件が大変厳しい状況になっていくのではないかと思うんです。今まで、そういうふうに学校が定員割れしていく状態になっていたわけですね。これから、地元の市教育委員会、地域の皆さん方と県の担当課と、こういった状況を何とか改善しようと、例えば新たなカリキュラムを設けるとか、そういった話し合いの場、協議会の場をつくって学校の運営を盛り上げていくことも必要なのではないかと思います。
先ほどの2校の校長先生は、地域の皆さん方にお聞きしたら、大変熱心に学校の経営に取り組んでいると。この大幅な定員割れを何とか改善しようということで熱心に取り組まれていることはお聞きしているんです。学校長だけではなくて、地域の方とか市や町の教育委員会もしっかり取り組む体制が必要と思うんですが、そこを県立学校改革推進室が音頭をとって、そういった協議会なりをつくって、ぜひ、学校の大幅な定員割れを改善するような取組を行っていただきたいと思うんですが、見解を聞かせていただきたいと思います。
◎林田県立学校改革推進室長 委員ご指摘の五島南高校、中五島高校に関しては、確かに今までも定員割れを数多く起こしてまいりましたが、特に五島南高校に関しては、大幅に40人を上回った定員割れというのは今年が初めてでございます。そういう意味では、地域の中でしっかりと進路指導をされていく中で、その学校の魅力を地域に伝えて、一定の中学生が入学してきた実績があったと思っています。
確かに地域の方々や関係している市町教育委員会と連携をとることは大事だと考えております。今後、その地域の高校教育をどうするのか、協議会を設けるとなりますと、全ての市町に設けるという形になってまいりますので難しいかと思いますが、十分に意見をお伺いしながら、地元と連携して各学校で何ができるのかということについては研究をしてまいりたいというふうに考えております。
◆山田[博]委員 私は、県議会議員になって今9年です。皆さん方、理事者の言葉の中には「検討する」と「研究する」という言葉があるわけです。検討するというのは前向きに取り組んでいくというのが大体わかってきたんです。私の浅はかな議員経験としてですね。研究というと、ほとんどしないんだな。してくれない、残念ながら。
だから、研究という言葉を聞いたら、私も「ああ、そうですか」と言って下がれるわけはないですよね。地元の人も大変心配している中で、研究という言葉が出てね。広辞苑か何かを持ってきて、研究とはどういうことかと改めて勉強しようかと思いますけど、室長、研究という言葉は使わずに、「協議会はできなくても、懇話会に向けて検討します」と言っていただければですね。ぜひそういう言葉をいただきたいと思っているわけでございますので、よろしくお願いします。
◎林田県立学校改革推進室長 今年、知事及び教育委員会も、人口減少社会に対してどう対応していくかということも考えていますので、離島部の高校のあり方については我々も踏み込んで対応していきたいと思っております。先ほどの研究という言葉を検討と変更させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
◆山田[博]委員 検討という言葉をいただきました。
協議会はできないということでありましたけど、ぜひ懇話会なりつくっていただいてですね。人口減少社会の中でどういうふうに取り組んでいくかという大切なポイントですから、協議会は難しいということでありましたけれども、懇話会なりをつくって取り組んでいただきたいと思います。ぜひお願いしたいと思います。
私の質問時間、とりあえず20分という限られた制限時間に濃い質問内容でやっておりますので、ぜひお願いしたいと思っております。
◎林田県立学校改革推進室長 ご提案いただきました懇話会につきましては、内部で検討して、先に進めるように努力していきたいと思います。
◆山田[博]委員 私の今日のメインの質問はこれだったんです。これで前向きな答弁をいただいたのでね。前向きの答弁をいただけなかったら、さっきの柔道もまた質問したくなるなと思ったけれども、やめました。
それで、もう1つだけで終わりたいと思います。今日は気分爽快ですのでね。
国の方で、学校の統廃合の指針をつくろうとしているわけですね。県は、国のそういった動きに対してどのような考えを持っていらっしゃるのか、聞かせていただきたいと思います。
◎小森教育環境整備課長 現在国の方で、学校の統廃合の指針について検討されております。新聞報道等によりますと、現在は通学距離によって学校の適正規模、統廃合等について規定をされております。小学校4キロ、中学校6キロという基準があるんですけれども、通学バス等を利用して、距離ではなくて時間等による基準に変更することを追加するというような検討がなされておりまして、文部科学省では年内にも通知をするという報道があっているところでございます。
本県におきましては、小・中学校の統廃合については基本的には市町におきまして、子どもたちへの教育の効果とか、その学校の地域での果たす役割も踏まえまして、各市町で統廃合については判断をしているところでございます。
県としまして平成20年2月に、適正規模についてのガイドラインを作成しております。これにつきまして、国の今後の協議の動向を踏まえまして、各市町等のご意見、ご要望がありましたら、国の基準を踏まえて、改定について検討していくことになろうかと思っているところでございます。
◆山田[博]委員 国が公立の小・中学校の適正なあり方としてガイドラインを年内につくるということであれば、県としてはどれぐらいのスケジュールで考えていくのかを大まかに。それを聞いてから次の質問に移りたいと思いますので。
私は、今聞いてぱっと答えろと言っているわけではありません。事前通告しておりますので、そういった点でしっかりお答えいただきたいと思います。
◎小森教育環境整備課長 国の方では年内にということでございますけれども、本県としましては、それがどういう内容で、本県の実情にどう影響を与えるのかということも勘案し、各市町のご意見もお伺いしながら、その基準の改定については検討をしていきたいと思っております。
時期につきましては、前回は平成19年7月ぐらいに適正規模についての検討の依頼がありまして、平成20年2月にガイドラインの作成という形でございましたので、数カ月検討をさせていただくことにはなろうかと思っているところでございます。
◆山田[博]委員 長崎県は、平成20年2月に公立小中学校の適正規模というのをつくったんですね。公立小・中学校は、基本的に各市町で適正規模を判断するのが望ましいんですけれども、各市町の教育委員会から、ぜひ県の教育委員会で考え方を示してほしいと要望があったからつくったんでしょう。これは国から言われてつくったんじゃなくて、市町の教育委員会から言われてつくったんでしょう。まず、それについて確認です。お答えください。
◎小森教育環境整備課長 このガイドラインにつきましては、平成19年7月ごろに、我々の方から小・中学校の統廃合について調査をかけた時に、各市町から、適正な学校規模について県の考え方をお示しいただきたいという要望がありまして、そこから検討を始めまして策定をしたものでございます。
◆山田[博]委員 そうすると、今回国の指針ができた場合には、前につくっているものがある中で、それをまた県の方で率先してつくるのか、要望があってつくるのか、どういうふうになっていくんですか。
平成20年には、市町がつくってくれと言うからつくったんです。今の話では、国がつくるから県も改めてつくるんですよということになっているんです。どっちなんですか。
◎小森教育環境整備課長 現在あります適正規模のガイドラインに、今回国が改定をする内容がどう影響するかというのがまず第1点にあると思います。
もう1点は、今現在のガイドラインにさほど影響がない場合であっても、各市町から、国の指針が変わったので、今の県のガイドラインにそぐわない部分が出てくるので、それについて県としての見解、ガイドラインをそこに示して欲しいという要望がありましたら、そこは改定をしていこうかと思っているところでございます。
◆山田[博]委員 前提としては、要望があった場合につくるんだと。決して、国がつくったから改定するんじゃなくて、市町の教育委員会からそういった声があればやっていくと理解していいんですね。
これは大切なんです。国がつくったから県もやりますよとなったら、私たちにものすごく影響が大きいんですよ、このガイドラインは。
私は、このガイドラインをつくった時にこう言われたんです。県が統廃合を進めているんですと。挙げ句の果てはどうなったかというと、私が責められたんですよ。山田さん、あなたがこの学校の統廃合を進めているんでしょうと。なんで私が進めているんですかと言ったら、県でこういうふうにつくったから、あなたがつくったんだろうがと。私はつくっていませんと、私はそんなに頭が良くありませんよと、県の教育委員会でつくったんじゃないですかと言ったら、やっぱりそうだったんです。
それも、あくまでも市や町の教育委員会から要望があってできたんですよと、最終的な判断は市町なんですよということで誤解をやっと解いたんですよ。そういった誤解を招いて、池松教育長が五島の学校を一つつぶした、またなくしたとかと言われるわけだよ。私まで言われたんだ、その時に。だから、慎重にやってもらわないといかんわけです。
何が言いたいかというと、国がつくるからといって、県も「はい、わかりました」ではいかんということです。慎重にやっていただきたいということを言いたいわけですので、ご理解いただきたいと思います。
そこで、お尋ねします。土曜日の授業の導入というのがありますけれども、指針をつくるには、公立学校の適正化というのは市町から要望があってつくったんですが、この土曜日の授業の導入についてはどういった経過なのか、改めて確認させていただきたいと思います。
◎長谷川義務教育課長 土曜授業の導入について指針を示すという一定のお答えをさせていただいておりますけれども、背景としては2つございます。
1つは、昨年度から文部科学省で、今後の土曜日の豊かな教育環境をどうつくるかという方向性が出されました。すなわちこれまでの、土曜日に授業をするか、あるいは地域に返すかという単純な分け方ではなくて、いかにそれぞれの地域で、学校、家庭、地域社会が連携をして子どもたちの土曜日の学びを豊かなものにしていくか、その一つとして土曜授業も位置付けるという方向性が出されました。
もう一つは、市町教育委員会から土曜授業を実施するという声は挙がっておりませんが、どうしても土曜日に授業を実施するとなると教職員の週休日の取り扱い、勤務条件の取り扱いが絡んでまいりますので、一定、県教委の方から指針を示してほしいという声が挙がっているところでございます。
この2つの状況を踏まえて、タイミング的に現時点で条件整備を進める一つとして示したという背景でございます。
◆山田[博]委員 義務教育課長、そういった背景だというのを地域の人がちょっと誤解しているから、その2点でやるんだと、あくまでもさっき言ったように適正規模化と一緒で、そういった指針を示してもらいたいということであったと周知を図っていただかないとですね。
地域のお母さん、お父さんから言われるのは、今までは豊かな教育、豊かな教育と言って、今度また変わったかと。ころころ、ころころ変わって、たまったものではないという話が出ているわけです。
しかし、それは子どものことを、地域社会のことを思ってのことだからということで話しているわけです。私のつたない知識の中で、そういった話をしているので、今回、この指針をつくるに当たっては、そういった背景があったということを十分理解してもらいながらぜひやっていただきたいと思います。
時間がきたということで、一旦終わりたいと思います。
○中村委員長 ほかにありませんか。
山田(博)委員、まだありますか。
◆山田[博]委員 私は、先ほど県立学校改革室長から前向きな答弁をいただいたので、それをまず調査、研究をしないといかんものですから、もう終わります。
○中村委員長 しばらく休憩をいたします。
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−午前11時11分 休憩−
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−午前11時11分 再開−
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○中村委員長 委員会を再開いたします。
質問もないようでございますので、これにて教育委員会についての質疑を終了いたします。
理事者入れ替えのため、しばらく休憩いたします。25分から再開します。
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−午前11時12分 休憩−
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−午前11時28分 再開−
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○中村委員長 委員会及び分科会を再開いたします。
これより、こども政策局を含む福祉保健部関係の審査を行います。
○中村分科会長 まず、分科会による審査を行います。
予算議案を議題といたします。
福祉保健部長及びこども政策局長より、予算議案説明をお願いいたします。
◎伊東福祉保健部長 福祉保健部関係の議案について、ご説明いたします。
予算決算委員会文教厚生分科会関係議案説明資料の福祉保健部をお開きください。
今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第17号議案「平成26年度長崎県一般会計補正予算(第2号)」のうち関係部分であります。
歳入予算は、福祉保健部合計で4億5,393万5,000円の増、歳出予算は、福祉保健部合計で4億5,393万5,000円の増となっております。
なお、各科目につきましては記載のとおりでございます。
補正予算の内容につきましては、県内全域にかかる医療課題の解決を図り、地域完結型の医療提供体制を構築することを目的として、県が策定いたしました第1次、第2次及び第3次地域医療再生計画に基づく事業の執行見込みに伴う所要額の見直しにより、2億6,846万円を計上いたしております。
このほか、医務行政費、薬務行政費、債務負担行為で、記載のとおりでございます。
以上をもちまして、福祉保健部関係の説明を終わります。
よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
◎平尾こども政策局長 それでは、こども政策局関係の議案について、ご説明いたします。
予算決算委員会文教厚生分科会関係議案説明資料のこども政策局をお開きください。
今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第17号議案「平成26年度長崎県一般会計補正予算(第2号)」のうち関係部分の1件であります。
第17号議案の平成26年度長崎県一般会計補正予算につきましては、歳入予算は、こども政策局合計で3,713万1,000円の増、歳出予算は、こども政策局合計で3,881万円の増であります。
補正予算の内容につきましては、平成26年7月に発生した佐世保市内女子高校生の逮捕事案に対応するために開催する外部専門家を交えた検討会に要する経費として167万9,000円、配偶者間の不妊治療にかかる助成に要する経費として3,713万1,000円を計上いたしております。
以上をもちまして、こども政策局関係の説明を終わります。
よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
○中村分科会長 ありがとうございました。
以上で説明が終わりましたので、これより予算議案に対する質疑を行います。
質問はございませんか。
◆中山委員 こども政策局のこどもの心の危機緊急対策事業費167万9,000円、これについてお尋ねします。
これは恐らく、児童相談所対応分析検証チームの部分と、子ども育成総合検討会議の費用分と思いますが、そういうふうに理解してようございますか。
◎林田こども家庭課長 委員ご指摘のとおり、児童相談所の対応分析・検証にかかる外部委員の報償費と旅費です。それと、子ども育成総合検討会議、教育庁が今、別途やっております検証と児童相談所の検証とあわせて、最終的に全体を統合する形での検討会議を開くんですけれども、その両方の会議の開催に要する費用ということで補正をお願いしているところでございます。
◆中山委員 子ども育成総合検討会議は、どういうことを狙いに開催するのか、この目的についてお尋ねしたいと思います。
◎宮崎こども未来課長 ご質問がありました子ども育成検討会議につきましては、外部の有識者のお知恵をいただきながら、これまで実施してまいりましたココロねっこ運動などの青少年健全育成事業や支援が必要な児童対策などを検証するとともに、こども政策局で行います児童相談所の対応についての検討会での検証結果、さらに教育庁で行っている事案発生に至る背景の調査や学校の対応についての検証の結果、これらを踏まえまして、全体として総合的に再発防止に向けた対応等を審議するということでお願いをしているところでございます。
◆中山委員 こども政策局関係のココロねっこ運動とか、この辺の検証については問題ないと思うんですが、総合検討会議というのは、教育庁の調査委員会で分析、調査した結果をもって、この検討会議でやるわけですね。
そこで私が一番心配というか、考えているのは、子どもの育成総合検討会議を教育委員会ではなくて、教育庁が入っていますけれども、こども政策局が主管課になってこれを取りまとめることが、果たして適切なのかなという感じがしてならないんです。
前回は小学生が小学生を殺害するという事件があったし、今回も高校生が高校生を殺害する事件があって、子どもの総合検討会議というのは、学校に通っている生徒を。学校で、子どもを育成するとか、こういう問題は主体的にやっていると思うんです。
そこの専門の教育委員会ではなくて、なぜ知事部局のこども政策局が総合的な検討会議の主催というか主管課にならねばいかんのか、この辺がなかなか理解しにくいところがあるんです。この辺について、もう一回ご説明いただければありがたいと思います。
◎宮崎こども未来課長 今回、3つの検討会、あるいは検討会議を立ち上げております。それぞれに児童相談所、教育、学校、この面について専門的な観点から掘り下げて検証していくというふうな役目を持っております。
ただ、子どもの育成に関しましては、やはり学校、地域、社会が一体となって連携を図りながらやっていくべきものでもございまして、そういった大きな観点からの議論も一方では必要になってくるわけでございまして、一堂に会した会議が必要だというふうなことでございます。
所管につきましては、子どもを安心して生み育てることができる社会の実現という使命を持っておりますこども政策局の方で今回は対応するという整理でございます。
◆中山委員 そういうふうに全体に、小さな子どもから大きなくくりでやっていこうということで10年前に分離したと思うんですけれども、これはこの前の事件を受けてなんですよね。そうすると、学校の運営のあり方とか、場合によっては学校の教育の内容まで検証すべきと思っているんだけれども、ここの部分を教育委員会ではなくてこども政策局で主管をして、外部の有識者あたりについては恐らくこども政策局が、この人が適当だということで人選していくと思うけれども、こういう教育の基本中の基本を教育庁ではなくて教育委員会がね。
教育の全ての責任は、教育庁というか、教育委員長が最高責任者だと私は思っているんです。そういう中で、教育委員長ではなくて、なぜこども政策局なのかと、ここが非常に合点がいかないんですよね。果たしてこども政策局で取りまとめるものと、教育委員会で別にしても同じような結果が仮に出るとしても、実戦部隊は教育委員会が管理しているわけです。学校も先生方についても皆さん方は直接管理できないし、物を言うことはなかなかできないような状況なんです。その分で知事部局という形になるのかもしれないけど、子どもの育成総合検討をこども政策局でなぜやらねばいかんのかという気がしている。
併せて、この検討会議の予算について、教育委員会からは上がっていなかったんですか。これの調整はなかったんですか。
◎宮崎こども未来課長 まず、予算につきましては、3つの検討会それぞれに計上をしてお諮りをしているところでございます。教育委員会も別途、謝金とか旅費とか、要求をしていると認識をしております。
教育委員会の関係についての審議は教育委員会の調査委員会でかなり掘り下げてやっていると、私どももそれをしっかり見ているところでございまして、その部分は教育委員会の方で専門的な観点からしっかりやっていただくことになるんですけれども、私どもは、それを踏まえた形で検討したいということでございます。
検討に当たりましては、教育委員会の情報とか、あるいは人を出してもらうとか、そういう形でその部分については専門的な観点は引き続き担保しながら進めてまいりたいと考えております。
◆中山委員 何回聞いても、なかなか私個人としては理解しにくいし、果たして、二度とこういう事故が発生しないよう、徹底した議論がなされて、こういう悲惨な事故が二度と起きないというか、その辺を含めた時に、やはりこの種の問題は、お互いに児童相談所についてはそれぞれ検討チームでやっていいし、教育庁の調査についてもやっていいけれども、実質的にはやはり、最終的には教育委員会が中心になってやるべきだと、そういうふうな考え方を持っているわけです。この辺は、幾らやり取りをしてもなかなか難しいと思いますけれども、そういう考え方があるということを指摘しておきたいと思います。
◎平尾こども政策局長 ただいまの中山委員のご指摘については、教育サイドの比重が非常に大きいということについてはうなずける点があるかと思っております。
10年前の事件の後にこども政策局が、子どもに関する総合的な企画、調整、関係部局との連携というような形で発足、設置されている経緯がございます。今回につきましては、学校現場の運営のあり方については、きちんと教育委員会の方で検証していただき、ピンポイントでございますが、児童相談所の関係については我々も当然ながらしっかりと検証していった上で、それぞれの一番の問題は、関係機関の連携、情報共有が足りなかったのではなかったかというところが一番の問題、観点ではないかと思います。そういう観点から我々は、これまでの取組の全体的な検証もやりながら、学校、教育の中での学校現場での運営のあり方、児童相談所も含めた我々の所管部分、それぞれのポイントで関係機関の連携がどうあるべきかというところについてが恐らく中心になるかと思いますけれども、そういう観点から十分に教育委員会とも連携をしながら、先ほど委員からご指摘があった点についても十分に踏まえながら運営、取りまとめを教育委員会とも一緒になってやってまいりたいと思っておりますので、ご理解を賜ればと思います。
◆中山委員 こども政策局長の発言については理解できるんです。ただ、1点だけもう一回言わせてもらえば、10年前の反省を受けてこども政策局を分離したわけです。それで今回起きたものだから、果たしてこの見直しがよかったのかと、そこも検証する必要があると、そこが根っこにあるんですよ。それも含めてさっきお話ししたつもりだったんです。
いずれにいたしましても、こういう形でつくった以上は、二度と起こらないよう徹底した検証と対策を、連携をとりながらやっていただく以外はないと思いますので、先ほど言ったようなこども政策局長の気持ちで真摯に取り組んでいただくことを要望しておきたいと思います。
◆山田[博]委員 こども政策局にお尋ねします。
こどもの心の危機緊急対策事業費で2つの会議を主管するという話がありましたが、これはそれぞれ大体何回ぐらいを予定して、いつ頃報告なり取りまとめをと考えているのか、お答えいただきたいと思います。
◎林田こども家庭課長 まず、児童相談所の対応分析・検証に係る検証会議につきましては、2回程度の開催を予定していまして、時期につきましては年内に2回ほど、外部の専門家を入れた検討会議を開催したいと考えているところです。
◎宮崎こども未来課長 子ども育成総合検討会議につきましては、それぞれの検討会の検証結果を受けまして、年明けごろに設置をいたしまして、3回会議を開催いたしまして、年度内の取りまとめを目指してまいりたいと考えております。
◆山田[博]委員 児童相談所の対応についてを2回程度だと、年内にやって年内にまとめると。子ども育成全般に関する会議は、年明けに設置して、3回開催して年度内に取りまとめるということでありましたね。
私は教育委員会でも話をさせてもらったんですけれども、回数にはあまりこだわらずにした方がいいんじゃないかと。もう一度見解をいただきたいと思います。なぜかというと、回数だけ固めてしまって、十分な議論ができなかったらいけませんから、とにかく2回しかしませんよ、3回しかしませんよとなったら十分な議論ができない。例えば、2回したけど、もう1回必要だから、3回しましょうとか、4回しましょうと、時期的には年内とか年度内にそれぞれやらないといけないと。
もう一度あえて確認ですが、教育委員会は、学校の新学期に向けてぜひやりたいという話がありましたけれども、その点について、こども政策局はどのように考えているのか、踏まえて見解を聞かせていただきたいと思います。
○中村分科会長 しばらく休憩します。
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−午前11時47分 休憩−
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−午前11時48分 再開−
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○中村分科会長 再開します。
◎林田こども家庭課長 児童相談所の対応分析、検証につきましては、確かに外部の専門家を入れたところの会議は2回程度予定しておりますとご説明申し上げました。2回で足りるのかというご質問かと思いますけれども、外部の検討会議に入ります前に、今続けておりますけれども、内部での検証を行っているところでございまして、庁内の関係各課等による内部の検証会議を10月にもう一度開催する予定にしておりまして、その結果を受けまして、外部の検討会につなげていきたいと考えております。
外部の検討会に入ります前に各委員さんには、内部で行った検証の課題等につきまして十分ご説明を差し上げた上で、外部の専門家を交えた検討会の開催につなげていきたいと考えていまして、そこの趣旨等々を踏まえて、2回の会議で十分ご審議をいただけるような配慮をしていきたいというふうに考えております。
◎宮崎こども未来課長 子ども育成総合検討会議につきましては、予算上では3回お願いしているところでございます。まず1回目に問題点を出して、2回目で幅広く検討を行いまして、3回目に取りまとめるといった流れで考えております。ただ、いろいろ種々検討していく中で、さらに掘り下げるべき点等々出てくることは予想されますので、そういう状況になりましたら、その時点で対応してまいりたいと考えております。
◆山田[博]委員 こども政策局長、教育委員会は、回数は3回程度だったけれども、必要があれば4回でもしますと、予算的に足りない時にはまたお願いしますという話だったんです。
児童相談所の件に関してこども家庭課長は、十分いろいろ議論はしますけれども、とにかく2回でやってしまうんだと。こども未来課長は、教育委員会とこども家庭課から出てくる検討結果を受けて柔軟に対応していくという話があった。
私は別にこども家庭課長を責めるわけではないけれども、回数はコンクリートせずに、ある程度柔軟性を。どうしても2回にこだわるのはいかがなものかと。3回必要な時もあるし、2回でも1回でもいいじゃないですかと委員会の皆さん方が判断すればいいけれども、今の時点では2回にこだわることなく柔軟にやった方がいいんじゃないかと思うんですけれども。時間に余裕を持たせないと。回数だけコンクリートしておったらどうかと思うんです。
それについて、こども政策局長がこども家庭課長とこども未来課長をまとめるわけだから、見解を聞かせていただきたいと思います。
◎平尾こども政策局長 会議の開催回数の件でございますが、予算積算上そういう形で上げさせていただいておりますので、それをベースにしながら、必要に応じて、場合によっては臨機応変ということもあり得るかもしれません。
この事案自体がまだ捜査中であって、家裁審判等々いろんな動きが見えてくるところもあると思いますので、その動きも見ながらという部分はあるかと思います。ベースは先ほど申しましたような形で考えたいと思っておりますけれども、場合によっては、そこら辺も勘案するところが出てくるかもしれないとは思っております。
◆山田[博]委員 要するに、回数にこだわらずに柔軟に対応していくと理解していいわけですね。それは大切なところですから。とにかく回数にこだわって、2回しかできませんではいかんから、それは改めてもう一度お尋ねしたい。
年内にしたいというのは、新年度に向けて、これを学校現場等に反映していきたいということで年度内に何とか、回数も3回となっていましたけれども、少なくとも年度内には方向性を示していきたいということと理解していいのかどうか。その2点についてお答えください。
◎平尾こども政策局長 全体としては、新年度に向けた形で方向性を出したいということから、スケジュール的に考えると先ほど申しましたような刻み方で、回数的なものも勘案してやっていきたいと思っております。
◆山田[博]委員 ぜひこれは、あせらず急がず、回数を重ねながらしっかりと議論していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
続きまして、特定不妊治療事業費の予算があります。これは、補正予算の説明によると、補助金事業から基金事業へ移行したことに伴う増ということであります。それだけ移して、これを具体的にどういうふうに使うかというのは、今のところ決まっていないのかどうか、詳しく説明していただけますか。
◎林田こども家庭課長 今回補正をお願いしております特定不妊治療費助成事業費の3,713万円余につきましては、現在、国の補助事業を活用いたしまして、県下の中核市である長崎市を除く20の市町に対して助成を行っているところでございます。
今回、国庫の補助事業から安心こども基金事業へ当該事業が移行したことに伴いまして、中核市である長崎市も、この基金を活用して県の方から助成をするということになった関係で、3,700万円余り所要額の増が必要になったということでございます。
ですから、県が基金事業の中で補助する対象に長崎市が加わったことによる増加ということでございます。
◆山田[博]委員 そういうことですね、わかりました。
私ばかり質問してはいけないので、一旦終わりたいと思います。
◆溝口委員 福祉保健部の2ページに、債務負担行為になっていますけれども、5,011万9,000円、医療教育開発センター事業の施設整備ということです。どのような整備をしていこうとしているのか、お聞かせいただきたいと思います。
◎三田医療政策課長 債務負担の5,011万9,000円の内容についてご説明いたします。
これにつきましては、医療教育開発センター事業の中で、長崎大学病院とか佐世保市立総合病院、長崎医療センターに、県内の医療人の資質向上を図るために宿泊研修施設を整備しているところでございます。このうち、長崎大学病院の宿泊研修施設につきましては、平成25年度に補助金の予算計上しておりましたけれども、長崎大学が、この補助対象の研修施設だけではなくて、病院全体の建替工事を今行っておりますことから、研修施設と病院運営上必要なスペースとの調整を図るために不測の日数が生じたために、平成25年度中に出来高が上がってこなかったということで、補助金につきましては、平成25年度分の予算を一旦落としまして、平成26年度に再度計上するということで、実は今回お願いしている9月補正に上げているところでございます。
併せて工期自体が、この分につきましては平成27年度までまたがるということになってきますので、その分について債務負担で5,011万9,000円をお願いしているということでございます。
◆溝口委員 わかりました。
ただ、平成25年度に組んでいたのを一旦削除して、それからまた再度予算を組んだということですけれども、その中でまた平成27年度まで、債務負担行為でないとできないというのがちょっとわかりにくいんです。平成27年3月までの間にできないのかどうか、その辺の調整を図ってみたのかどうか、聞かせていただきたいと思います。
◎三田医療政策課長 基本的には、平成26年度中の完成という計画でございますけれども、やはり全体のスペースとの調整に相当時間がかかるというような格好で、やむを得ず工期、完成見込みについて現在のところ平成28年2月というような格好になっていまして、その分どうしても債務負担ということで、平成27年度の事業費についてもお願いをしたいということでございます。
◆溝口委員 そうしたら、今から1年以上かかるわけですか。
わかりました。必要な施設だと思っておりますので、ぜひ早く完成させていただくように努力していただきたいと思っております。
○中村分科会長 ほかに質問がないようでございますので、これをもって質疑を終了いたします。
次に討論を行います。
討論はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○中村分科会長 討論がないようでございますので、これをもって討論を終了いたします。
予算議案に対する質疑・討論が終了しましたので、採決を行います。
第17号議案のうち関係部分は、原案のとおり可決することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村分科会長 ご異議なしと認めます。
よって、第17号議案のうち関係部分は、原案のとおり可決すべきものと決定をされました。
午前中の審議をこれにとどめ、午後は1時30分から再開いたします。
しばらく休憩いたします。
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−午後零時0分 休憩−
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−午後1時31分 再開−
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○中村委員長 委員会を再開いたします。
委員会による審査を行います。
なお、本委員会に付託されております「手話言語法制定を求める意見書の提出を求める請願書」の審査につきましては、明日行うよう予定をしております。
また、佐世保の事案に関しましては、議案外の冒頭に別途時間を設けておりますので、そこで質問していただきますようにお願いを申し上げます。
議案を議題といたします。
それでは、福祉保健部長及びこども政策局長より総括説明をお願いいたします。
◎伊東福祉保健部長 福祉保健部関係の議案について、ご説明いたします。
文教厚生委員会関係議案説明資料の福祉保健部をお開きください。
今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第19号議案「長崎県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例」のうち関係部分、第20号議案「長崎県薬務関係手数料条例の一部を改正する条例」、第21号議案「長崎県薬事審議会条例等の一部を改正する条例」、第38号議案「長崎県病院企業団規約の変更に関する協議について」の4件であります。
第19号議案「長崎県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例」のうち関係部分につきましては、知事の権限に属する事務の一部を市町において処理することに関して、関係法令の改正などに伴い所要の改正をしようとするものであります。
第20号議案「長崎県薬務関係手数料条例の一部を改正する条例」につきましては、薬事法等の一部を改正する法律の施行による薬事法の一部改正に伴い、薬務にかかる県の事務手数料について、根拠法令の名称及び根拠用条文を改める等、所要の改正をしようとするものであります。
第21号議案「長崎県薬事審議会条例等の一部を改正する条例」につきましては、薬事法等の一部を改正する法律の施行による薬事法の一部改正に伴い、長崎県薬事審議会条例、附属機関の設置に関する条例及び人と環境にやさしい長崎県農林漁業推進条例中で用いられる根拠法令の名称を改める等、所要の改正をしようとするものであります。
第38号議案「長崎県病院企業団規約の変更に関する協議について」は、平成27年4月の壱岐市民病院の病院企業団加入に向け、長崎県病院企業団規約を変更することについて、本議案により関係市町と協議しようとするものであります。
次に、福祉保健部関係の議案外の主な所管事項についてご説明いたします。
長崎県看護キャリア支援センターにつきましては、8月4日から9月12日にかけて指定管理者の募集を行ったところであり、来月中をめどに選定委員会において指定管理者の候補者を選定し、次回11月定例県議会において、指定管理者の指定に関する議案を上程する予定であります。
平成24年3月に策定した長崎県老人福祉計画及び長崎県介護保険事業支援計画につきましては、本年度、計画期間の終期を迎えるため、平成27年度から平成29年度までを計画期間とした新たな計画を策定することとしております。
新たな計画の策定に当たりましては、本年6月に制定された地域医療介護総合確保推進法や国より示される基本指針等をもとに、2025年までの中長期的なサービス、給付、保険料の水準等も推計しながら計画原案を検討しているところであります。
計画策定に当たりましては、市町や関係団体等からの意見をいただき、県福祉保健審議会高齢者専門分科会において検討していくこととしておりますが、今後、パブリックコメントの実施により県民の皆様の声を反映させるとともに、県議会のご意見を十分にお伺いしながら策定作業を進めてまいります。
平成24年3月に策定した第3期長崎県障害福祉計画につきましては、本年度、計画期間の終期を迎えるため、平成27年度から平成29年度までを計画期間とした新たな計画を策定することとしております。
新たな計画の策定に当たりましては、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づいて、先般、国より示された基本指針をもとに、本県の状況等を踏まえながら、現在、計画原案を検討しているところであります。計画原案策定後、県議会や長崎県障害者施策推進協議会等のご意見をお伺いし、併せてパブリックコメントを実施するなど、策定作業を進めてまいります。
その他の所管事項につきましては、長寿者慶祝事業について、佐世保市内女子高校生の逮捕事案に関する心の緊急支援活動(CRT)について、五島圏域における障害者就業・生活支援センター設置に向けた取組についてで、内容につきましては記載のとおりでございます。
以上をもちまして、福祉保健部関係の説明を終わります。
よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
◎平尾こども政策局長 それでは、私の方から、文教厚生委員会関係議案説明資料のこども政策局の分についてご説明いたします。
資料のこども政策局部分をお開きください。
今回、ご審議をお願いいたしますものは、第18号議案「長崎県いじめ問題調査委員会条例」、第19号議案「長崎県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例」のうち関係部分、第22号議案「長崎県幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営の基準に関する条例」、第23号議案「長崎県認定こども園の認定要件に関する条例の一部を改正する条例」、第24号議案「長崎県児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例等の一部を改正する条例」、第25号議案「長崎県幼保連携型認定こども園審議会条例」の6件であります。
なお、総務部と共管になっております第18号議案につきましては、先日の総務部関係の審査の中でご審議をいただいておりますので、これを除く議案の内容についてご説明いたします。
第19号議案「長崎県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例」のうち関係部分につきましては、平成26年10月からの母子及び寡婦福祉法の改正により、新たに創設される父子福祉資金制度に関する事務の一部を市町が行う事務に追加するなど、所要の改正をしようとするものであります。
第22号議案「長崎県幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営の基準に関する条例」につきましては、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、幼保連携型認定こども園に関し、必要な事項を定めようとするものであります。
第23号議案「長崎県認定こども園の認定要件に関する条例の一部を改正する条例」につきましては、第22号議案のとおり、幼保連携型認定こども園に関する新たな条例を制定することに伴い、幼保連携型認定こども園に関する規定を削除するなど所要の改正をしようとするものであります。
第24号議案「長崎県児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例等の一部を改正する条例」につきましては、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令の施行に伴い、第23号議案同様、幼保連携型認定こども園に関する規定を削除するなど所要の改正をしようとするものであります。
第25号議案「長崎県幼保連携型認定こども園審議会条例」につきましては、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、幼保連携型認定こども園の設置認可等に関して、知事の権限に属することとなる事項を調査、審議する審議会を設置するため、同審議会に関し必要な事項を定めようとするものであります。
次に、議案外の主な所管事項についてご説明いたします。
佐世保事案につきましては、議案外所管事項審査の冒頭でご説明させていただきますので、それ以外の事項についてご説明いたします。
児童福祉施設球技大会については、去る7月29日から30日の2日間、県内の児童養護施設等から約300名の児童が参加し、軟式野球やバレーボールを開催したもので、健やかな心と体を育むとともに、参加児童の親睦が図られました。
子ども子育て会議の開催については、去る7月30日に第3回目の会議を開催し、子ども子育て支援新制度への対応状況や次期長崎県子育て条例行動計画素案等について説明を行い、ご意見をいただきました。
以上をもちまして、こども政策局関係の説明を終わります。
よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
○中村委員長 ありがとうございました。
次に、議案に関する補足説明をお願いします。
◎重野薬務行政室長 第20号議案「長崎県薬務関係手数料条例の一部を改正する条例」について、補足説明をさせていただきます。薬務行政室作成の「第20号議案関係」と記載されている補足説明資料をご覧ください。
1、改正の概要ですが、先ほど部長から説明がありましたように、薬事法等の一部を改正する法律が平成25年11月27日に公布され、薬事法の題名が「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に改められました。施行日は平成26年11月25日となっております。
今回の法改正の内容は、1(2)に記載しておりますとおり、題名改正のほか、医薬品、医療機器等の安全かつ迅速な提供の確保を図るため、医薬品等に添付されている添付文書の届出義務を明文化したこと、民間の第三者機関を活用している医療機器の登録認証機関による認証範囲の基準を定めて、人工呼吸器、ペースメーカー等の人体へのリスクの比較的高いとされる高度管理医療機器まで拡大したこと。iPS細胞等による再生医療は、革新的な医療として実用化に向けた国民の期待が高いことから、再生医療等製品の条件及び期限付承認制度を新たに設けるなど、所要の措置が講じられております。
次に、条例改正の内容について、ご説明させていただきます。
2(1)医療機器及び体外診断用医薬品の製造業が許可制から登録制に簡素化された件です。医療機器とは、ピンセット、X線フィルム等不具合が生じても人体へのリスクが低い一般医療機器から、人工呼吸器、ペースメーカー等の人体へのリスクが高いとされる高度管理医療機器まで分類されておりますが、絶えず改良、改善が行われ、1製品当たりの寿命が短いこと、臨床現場での実際の使用を通じて実用化されることから、医療機器及び体外診断用医薬品の製造業については、許可制から登録制に改め要件を簡素化しております。
具体的には、2ページ目をご覧ください。左側に改正前、右側に改正後を記載した対照表を載せております。
左側、改正前50番、医療機器及び体外診断用医薬品の許可にかかる手数料を削除し、2ページ目右側、改正後69番、登録にかかる手数料を新たに設定いたしました。体外診断用医薬品とは、病気の診断に使用する医薬品で、身体に直接使用しないものです。具体的には、血液、尿、便などを検査するために使用する試薬をいいます。
また、改正前50番(4)(5)をご覧ください。
これまでは体外診断用医薬品の製造業は、国内で製造する場合に取得する「一般」と、外国で製造され輸入した製品を包装する「包装、表示又は保管」の2区分に分類されておりましたが、法改正により分類がなくなり一本化されました。
なお、現在、県内には体外診断用医薬品の許可業者はありません。
同様に、50番(12)(13)(14)をご覧ください。
医療機器の製造業は、手術等で無菌状態で使用される医療機器を国内で製造する場合に取得する「滅菌」と、先ほど説明させていただいた「一般」、「包装、表示又は保管」の3区分に分類されていましたが、登録制になるに当たり一本化されております。
現在、医療機器の製造業は県内に9件あり、レーザーメス、家庭電気治療器等の一般が8件、めがねレンズの輸入で包装・表示・保管が1件となっております。区分が一本化されるため、本改正により手数料も一本化されますが、9件中8件を占める一般については、手数料が減額されることになります。
次に、(2)についてですが、2ページ目左側、改正前46番、右側改正後63番をご覧ください。
医薬品製造販売業に含まれていた体外診断用医薬品の製造販売業が、新たに法律で定義、区分されたことにより、許可にかかる手数料を新たに設定いたしました。
なお、製造販売業とは、医薬品などを日本国内に流通させる上で責任を負う企業であり、医薬品の開発や副作用情報の収集を行う本社が取得いたします。
次に、(3)についてですが、先ほど説明させていただいたように、iPS細胞等による再生医療は、革新的な医療として実用化に向けた国民の期待が高いことから、再生医療等製品販売業、再生医療等製品製造販売業が新たに法律で定義されたことにより、許可にかかる手数料を新たに設定いたしました。
2ページ目右側、改正後46番、67番をご覧ください。
再生医療等製品については、ヒトの細胞等を用いることから、個人差などを反映し品質が不均一になることから、安全性を確保しつつ迅速な実用化が図られるよう、新たな承認制度となっております。
その他、法改正により手数料項目の削除及び項目番号の変更を行っておりますが、ここでは省略させていただきます。
以上で補足説明を終わらせていただきます。
◎三田医療政策課長 第38号議案「長崎県病院企業団規約の変更に関する協議について」、補足してご説明いたします。お配りしております、第38号議案関係「長崎県病院企業団規約の変更に関する協議について(案)」という資料をお手元にご準備いただきたいと思います。
まず、1、規約変更の主旨でございますが、長崎県病院企業団は、県と島原地域の3市、五島市、新上五島町及び対馬市の5市1町を構成団体とし、現在、8病院、3附属診療所の経営を担っておりますが、新たに構成団体として壱岐市を加え、現在の壱岐市民病院を企業団が経営することとするため、所要の改正を行おうとするもので、規約変更の協議につきましては、議会の議決を経る必要があるため、今回、議案としてお諮りするものでございます。
次に、2、壱岐市からの企業団加入要望の経緯等についてご説明いたします。
(1)壱岐市から県への要望でございますが、要望書の形では、平成24年11月及び平成25年11月の2回受けており、その要旨は、壱岐市民病院が地域の中核病院としての役割を果たしていくためには、企業団加入においてほかにないと判断したこと。また、市議会及び壱岐医師会からも同趣旨の要望を受けており、壱岐市全体の総意として企業団加入をお願いしたいとの要望をいただいておりました。
(2)の壱岐市から要望を受けた県の対応でございますが、企業団に加入するためには全ての構成団体の同意を得なければならないこと、そのためには自助努力、経営改善の取組も必要であり、一定期間の経過を踏まえた上で構成市町や企業団と協議したいと回答したところであります。
なお、本県における離島医療の安定的な確保は重要な課題の一つであり、県といたしましても、人的な支援に加え運営面での助言も行ってきたところでございます。
これらの結果、(3)の壱岐市民病院の経営改善の状況でございますが、@の平成25年度決算見込みでは、経常収支で1億3,700万円の黒字となり、大幅な経営改善が図られております。この主な要因は、常勤医が確保できたことによる医業収益の増が一番大きな要因ではございますが、かたばる病院の統合や職員数の見直し、給与制度の見直しなどの経営改革に取り組んだ効果も発現しております。
また、Aの累積欠損金の整理につきましても、資本金及び資本剰余金の処分等により全額解消見込みであると伺っております。
2ページをお開きください。
Bの医師確保については、平成25年度は総病院長の就任や公募医の確保により着実な改善が図られたところであります。また、来年4月からは九州大学第2外科からの医師派遣が再開する予定であり、他の福岡の医師派遣元大学からも、企業団加入後も医師派遣は継続するとの回答を受けていると伺っております。
次に、3、構成団体間事前協議についてご説明いたします。
まず、(1)の県としての判断でございますが、これまでの壱岐市及び壱岐市民病院の取組は評価できるものであること。離島医療を取り巻く環境は依然として厳しく、将来を見据え、安定した医療提供体制を構築するためには、県議会をはじめ各構成市町議会の議決を経ることが前提ではございますが、企業団への加入を了承し、県としても壱岐市民病院を支援していく必要があるとの判断に至りました。
(2)構成市町との協議、これはあくまでも事前協議でございますが、全ての構成市町と協議いたしました結果、規約改正の議案を上程することで合意が得られたところでございます。
なお、一番下に参考として、規約改正に係る手続の法的な根拠を記載しておりますが、説明については省略させていただきます。
次に、3ページをご覧ください。
壱岐市民病院の企業団加入までのスケジュール案を記載しております。
加入までの流れでございますが、@の県議会をはじめ構成市町議会及び壱岐市議会の議決が得られましたら、A速やかに総務省と規約変更のための協議を行い、総務省から許可が得られるのが11月ごろと想定されます。
これを受けまして、B企業団の議会に条例改正議案を諮りまして、議決が得られましたら、加入準備期間の3カ月を経まして、平成27年4月1日から企業団に加入というスケジュールを予定しております。
次に、下段のこれまでの経過でございますが、平成23年12月に壱岐市長が企業団加入を表明してから、この間の主な動きを記載しております。
なお、4ページに壱岐市民病院の概要を、5ページにその沿革を、6ページから8ページにかけて長崎県病院企業団規約(案)を添付しておりますが、説明については省略させていただきます。
以上で、第38号議案「長崎県病院企業団規約の変更に関する協議について」の補足説明を終わります。
よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げます。
◎宮崎こども未来課長 今回、ご審議をいただきます第22号議案から第25号議案までについて、補足説明をいたします。
お手元に配付いたしております資料1をご覧いただきたいと思います。A4があって、A3の両面刷りのペーパーが3枚あるものでございます。
平成24年8月に子ども・子育て関連3法が成立いたしましたが、これによりまして、幼児教育や保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進する子ども・子育て支援新制度が来年4月から施行されることとなっております。その関連3法のうちの一つが、今回ご審議いただきます条例の提案理由にもなっております「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」、いわゆる認定こども園法の一部改正法であります。
認定こども園の類型の中で幼保連携型の認定こども園が新たな認可施設として位置付けられまして、認可・指導監督の一本化が図られ、財政措置も施設型給付ということで一本化されるなどの改善がなされております。
このことに伴いまして、幼保連携型認定こども園の設置認可基準に関する条例の制定及び関係条例の整備を行うものでございます。
1枚目のペーパーの真ん中よりも下のところですけれども、条例の主な内容の4本ございます1番目、「長崎県幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営の基準に関する条例」につきましては、法改正により新たな認可施設として位置付けられた幼保連携型認定こども園の認可基準を定めたものです。条例制定に当たっての基本的考え方といたしまして、国が定める基準に基づくとともに、現行の認定こども園の認定要件に関する条例等を踏襲させていただいております。
国の基準と異なる基準や県独自の基準の主なものとしましては、1学級の園児数について、国の基準では35名であるところを30名としております。これは、小学校低学年で30人学級の取組が進められていることなどにより、現行の認定こども園制度において既に県独自の基準として定められていたものを、新たな幼保連携型認定こども園についても県独自の基準として30名とし、子ども一人ひとりによりきめ細かく対応できるようなものといたしております。
このほか、教育・保育の内容として、食育推進の規定を追加したり、認定こども園で行う子育て支援事業につきましては、実施に当たり市町の意見を聞くことなどを県独自の基準としております。
裏面にまいりまして、2番目の「長崎県認定こども園の認定要件に関する条例の一部を改正する条例」につきましては、これまで4つの類型の認定こども園の認定要件について定めていたものを、先ほどご説明いたしましたとおり幼保連携型の認定こども園の認可基準を別途定めることになりましたので、幼保連携型認定こども園に関する規定を削除するものでございます。
3つ目の条例は保育所など児童福祉施設の設備運営基準を定めたものですけれども、認可幼稚園と連携して幼保連携型認定こども園を設置する保育所の場合、職員配置や設置基準などについて特例規定を設けていたものを、今回、幼保連携型認定こども園の認可基準を別途定めることになりましたので、これに関する規定を削除するものでございます。
4番目の条例につきましては、幼保連携型認定こども園が認可施設になりましたことに伴って、認可の際に審議会等の意見を聞かなければならないため、審議会設置に必要な事項を定めるものでございます。
審議事項として設置の認可、事業停止又は施設閉鎖、認可の取消し等を定め、委員の人数は6名、任期は4年とすることのほか、議事の内容に利害関係がある委員がいる場合、議事への参与を制限するなどの規定を設けております。
資料の3ページから8ページまでのA3の表につきましては、1番目の条例の設置に関する主なものについて記載したものでございます。
それから、9ページをご覧いただきたいと思います。7月10日から31日まで実施いたしました幼保連携型認定こども園の基準条例案についてのパブリックコメントの結果でございます。
パブリックコメントには、9名の方から10件の意見をいただいております。このうち、Aの素案に修正を加え反映させたいもの1件、Bの素案に既に盛り込まれているもの、または素案の考え方や姿勢に合致し、今後、遂行の中で反映・検討していくものが4件、Eのその他、ご提案・ご意見として承るものが5件でございました。10件のご意見に対する回答につきましては、まもなく県のホームページに掲載する予定でございます。
以上が、新たな幼保連携型認定こども園の創設に係る関係条例案の主な概要でございます。
よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
○中村委員長 ありがとうございました。
以上で説明が終わりましたので、これより議案に対する質疑を行います。
質疑はありませんか。
◆山田[博]委員 第38号議案の長崎県病院企業団規約の変更に関する協議について、お尋ねしたいと思います。
私は、壱岐市民病院が病院企業団に入ることは、経緯も知っていますから十分理解した上で賛成するものですけれども、一つ確認したいことがありまして。
病院企業団に壱岐市民病院が入ることによるメリット、県の対応とかアドバイスとか、人的な派遣をするということになっていますけど、病院企業団に入ることはどういったメリットがあるのか、それを説明していただけますか。
◎三田医療政策課長 壱岐市民病院のこれまでの経営改革等については、先ほどご説明したとおりでございますけれども、離島医療を取り巻く環境が依然として厳しいということから、壱岐市民病院が壱岐医療圏の中核病院としての役割を安定的に継続的に担っていくためには、企業団に加入することによって企業団の中で、企業団といった堅固なガバナンス、その対峙性のもとで病院運営を行っていくのがメリットだというふうに感じております。
◆山田[博]委員 ガバナンスというのは、わかりやすい言葉で言ってくれませんか。私は大して頭が良くないんだから、わかりやすく具体的に言っていただけませんか。簡単に言うと、メリットがあるかということを説明してもらいたいんです。お願いします。
○中村委員長 暫時休憩します。
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−午後2時1分 休憩−
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−午後2時1分 再開−
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○中村委員長 委員会を再開します。
◎三田医療政策課長 企業団では、経営会議とか事務長会議、看護部長会議等を定期的に開催して、運営方針の決定とか情報の共有化などを図っております。企業団に参加することで、こうした確立した体制のもとで病院運営が行われるというメリットがあると考えております。
◆山田[博]委員 情報共有して情報交換だけするんだと。
私は、病院企業団の議員を長くさせてもらったんです。一部の会派の理解が得られないで、させられないと、長くやっているから病院企業団の議員はさせないとか、そういう話がありましたけどね。
医療政策課長、私が心配しているのは、入るのは結構なんですが、例えば壱岐の方でも医師不足とか看護師不足かと思うんです。そういった対応はどのようにするのかと。病院企業団に加入しているとどういったメリットがあるかというと、まず、医師・看護師不足をどうやって解消していくかと、お互いに企業団の中で人的な募集とかなんとかを助け合いながらやっているわけです。なおかつ医薬品の購入を一緒にやっているんです。そういったものは見受けられないのかどうかというのを具体的にですね。
私の質問というか、言葉がわかりにくいのか、わかりやすいと思うんだけど、わかりやすく説明していただけませんか。
◎三田医療政策課長 今ご質問がございました、例えば医薬品の購入については、これは当然企業団の方で設立当初から実施していますスケールメリットを生かした医薬品等の共同事業による経費面での節減効果は期待できると考えております。
それから、医師の確保でございますが、企業団につきましては県の養成医が配属される仕組みになっていますが、壱岐につきましては、これまでのつながりから、九州大学とか福岡方面からの医師を十分に確保できる体制とお伺いしております。
◆山田[博]委員 看護師はどうなっているんですか。今、医師と看護師を聞いたんです。看護師はどうですか。
○中村委員長 暫時休憩します。
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−午後2時5分 休憩−
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−午後2時5分 再開−
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○中村委員長 委員会を再開します。
◎三田医療政策課長 現在の壱岐市民病院の看護師の配置については、現在のところ比較的、そう極端に不足しているというような状況ではないと伺っていますが、企業団では看護師に対する修学資金の貸付制度というものを独自に持っていますので、壱岐市民病院が企業団に入れば、そういった制度を活用しながら看護師の確保対策も進められると考えております。
◆山田[博]委員 やっと私の質問の趣旨がわかっていただいたようで。
壱岐市が病院企業団に加入するのは別に、同じ長崎県だから、入るのはいいんですよ。メリットを生かしたいということで、いいんです、それは。
問題は、医師とか看護師不足が、加盟しているほかの市町の病院でも大きな課題であるわけです。壱岐市が加入することによって、例えば予算的に修学資金とかが企業団にしわ寄せになってはいかんから、そこはバックアップをしっかりと長崎県でやっていただきたいと思うんです。
壱岐市が加入するのは大いに結構なんですよ。加入した途端に、例えば奨学金制度で予定しておった人数が確保できなかった、困ったということにならないように、そこは十分な対応をしっかりとやっていただきたいわけです。よろしいでしょうか。そこは明確に答えていただけませんか。心配ご無用ということであったら、私もそれで大いに結構なんです。
◎三田医療政策課長 壱岐市民病院が加入しても、ほかの病院企業団の病院にも十分、医師・看護師が確保できるような体制をとっていきたいと考えております。
◆山田[博]委員 ぜひそれはやっていただきたいと思います。あくまで誤解があったら困りますからね。私も離島選出の議員として、地域の中核の病院が病院企業団に入ることによって、また新たなステージになって、看護師のスキルアップとかにつながることは大いに結構です。
残念ながらそれで、私の地元の五島中央病院でも、奈留病院でも、富江病院でも医師不足が深刻になってきましたとかとなったら困りますからね。医療政策課長がそれはないと、心配ご無用ということだったので、次の質問に移りたいと思います。
こども未来課長にお尋ねしたいと思います。
新たな幼保連携型認定こども園の創設にかかる関係条例の整備ということでありましたけど、考え方とか、県の独自とか、基準は変わらないとかなっておりましたけれども、この基準をつくる経過を説明していただけませんか。
◎宮崎こども未来課長 今回の新たな幼保連携型認定こども園の認可に関する条例の内容についての検討経過をということでございます。
平成18年に既に認定こども園はできておりまして、これに基づいて県は、できるだけそれに移行しようということで、現在は56の認定こども園という形になっております。
その際に関係法規を検討し、児童福祉施設全般に係る条例もございますので、そういうものを勘案しながら一つひとつ、今回の新たな法制度に基づく認定こども園の条例内容についての検討を重ねてきまして、こういう形で上程をさせていただくということでございます。
例えば、1学級の園児数につきまして、国の基準では35人となっておりますが、長崎県は30人としましたのは、現在の幼稚園の大半が30人の学級をつくっているということで、実態に合わせた形にしました。厨房につきましても、特例措置を設ける等々の実態を勘案した形での条例内容としております。
◆山田[博]委員 こども未来課長、これをつくるに当たって、業界団体にも確認したのかどうかというのを聞きたいんです。何回の会議をして、どういうふうにしたのかというのを具体的に答えてもらいたい。
長崎県でも、いろいろ違うわけです。島原の南高と県北と離島だと違うわけですね。長崎県の中でも地域によって若干違うことをどういうふうにするのかと。地域の実情によって違うんですよ。例えば子どもの減少率も違うわけだから、それを県内全部一律にするのか、ある程度弾力的に今から運用に取り組んでいくのか、その2点をお答えください。
◎宮崎こども未来課長 2点目の地域性でございますが、確かに本県は離島も抱えておりますので、こういった部分につきましては、例えば小規模保育におきましては3歳児未満だけのところを3歳児以上も適用させるとか、そういった考慮をしているところでございます。
それから、条例策定に当たっての検討経過についてでございますが、関係団体のご意見、幼稚園関係、保育園関係には随時ご意見を承りながら策定をしております。回数等については資料を持ち合わせておりませんが、十分ヒアリングをした上で、こういう内容で案を作成したということでございます。
◆山田[博]委員 確認です。新たな幼保連携型認定こども園の創設にかかる関係条例の整備は、関係団体と幾たびかの議論を重ねた上でつくりましたと。それがポイントですね。
もう一つは、地域の実情に応じて、離島とか県南とか県北とか、実情に合わせていると。運用面は、この中身はそういうふうになっていると理解していいんですね。
私はあまり専門的でなくて、なかなか理解できないところがあるものだから、総枠的にお尋ねしているんです。その2点だけ、確認の意味でお尋ねしたいと思いますので、それだけお答えください。
◎宮崎こども未来課長 基本的に、そうした理念を盛り込んだ形で策定、当条例につきましても上程させていただいているということでございます。
◆山田[博]委員 そういうことであれば、わかりました。
私の質問は一旦終わります。
◆前田委員 引き続き、認定こども園の創設にかかる関係条例の整備について質問させていただきます。
個々の基準の設定については、私も専門分野ではないので、もうそこは質問いたしません。
先般、関係市町の職員さんたちの実務研修にオブザーバーで参加させてもらったんですが、非常に内容が細かいから、各自治体の準備作業も大変だろうなという思いがいたしておりますので、そういう問い合わせ等についてはしっかりと対応していただきたいと思います。
そもそも先ほど課長がおっしゃったように、平成18年から取りかかってきて、その都度、その都度、制度がどんどん変わっているから、ある意味で振り回されている感があるのと、都会と地方ではかなり違うという思いで見ております。
そうした中でも、できるだけこの制度の趣旨に沿って認定こども園に移行してほしいという考えのもとで、現在56園あるということです。
来年から正式にスタートするわけですけど、今現在、幼稚園、保育園において、この制度が実行された場合に認定こども園に移行するという意向調査をされていると思うんです。それはどんな状況になっているのかをご答弁いただきたいと思います。
◎宮崎こども未来課長 委員ご案内のとおり、本年7月に私立幼稚園に新制度への移行希望の調査をいたしております。その結果、平成27年度から新制度へ移行する、あるいは移行の方向で検討しているところが80園のうち37園、46%でございました。幼稚園のまま存続が7園、認定こども園への移行を検討しているところは26園でございます。また、平成27年度ではなくて、平成28年度以降に新制度へ移行したい、あるいは移行の方向で検討しているところも80園中9園、11%でございまして、平成28年度を合わせまして80園のうち46園、57%が移行したいという意向でございます。
◆前田委員 保育所は関係ないのか。保育所も手を挙げられるんでしょう。
◎宮崎こども未来課長 今回調査したのは私立幼稚園の新制度への移行ということでございましたので、そのデータだけしか持ち合わせておりません。
◆前田委員 保育所はないということです。
この制度のスタート時から言われているのは、保育所に待機児童が増えて、なかなか追い付かないという話。しかし、片や一方では幼稚園の園児が少なくなっている。よくよく見たら、預かる時間等、お母さん方の働き方にマッチしてきていないのではないかという中でスタートしていると私は思っているんです。
幼稚園側にしてみたら、今後この制度によって、自分たちの子どもたちへのよりよい教育の質を保てる、なおかつ経営も安定してくる制度だという認識のもとに進めてきた。注目しながら、幼稚園協会としても全国の組織を通じて国とも話し合ってきたと思うんです。
今の話でいくと、せっかくその制度ができるにもかかわらず移行する園が少ない、もしくは1年程度様子をまだ見たいという状況について、どこに問題点があるのか、どこに課題があるのかというのは、しっかり県として整理をし、推進する立場の県は、それに対してどういう独自の支援策を打てるのかという検討に入ってもらいたいと思うんです。
聞くところによると、躊躇する姿もだけれども、既に移行している認定こども園が認定を返上したいと、こういう制度ではやっていけないという話も聞こえてきています。しかし、返上するということは、もう一旦廃止するということですから、新しくまた幼稚園の学校法人をつくれるかというと、そこは全く見えていないわけです。そうすると、後に戻ることもできないというような制度になっていて、非常に悩ましい問題であるというふうに関係の方から聞いています。
なおかつ、今一番困っていることは、利用者負担がはっきり見えない中で、11月ぐらいになったら来年の園児募集を始めなければいけないけれども、これは各市町の権限ではありますが、園児募集の料金設定ができないような状況に陥っていると。
こういうことをしっかりと県も把握をし、実務者会議などをやっているんでしょうから、そこも含めて指導や助言、もしくは自分たちとしてこういう新たな支援をしていきますよという姿を早急に打ち出すべきではないかと思っていますので、総じての答弁でいいので、今後のそういう課題に向けた取組についてご答弁をいただきたいと思います。
◎宮崎こども未来課長 ご案内のとおり認定こども園につきましては、就労の有無に関わらず預けることができるというメリットを有する制度でございますので、県としてもその推奨を図ってきたところでございます。
そうした中、スケジュールとか補助の形が見えないということで、移行を積極的にまだ進めていない状況でございます。
その原因につきまして、一つは、定員が多くなるとあまり有利に働かないとか、あるいは、今まで幼稚園と保育園の園長さんと2人いたのが、2つが1つになりますので1名になるとか、そういったいろいろなことがございます。そういったものについて、どれぐらい国から運営費の補助が入ってくるのかというシミュレーションを各園でやっているところでございます。
県としては、いろんなご相談にも積極的にのりまして、対応をさせていただきたいと思います。幼稚園が安心して移行ができるよう、県としても国からの情報を積極的に取ってお知らせしているところです。
また、保育料についてのご質問もございましたが、これについても保育者の新たな負担にならないようしっかり目配りをして、全体的に注視して、ご相談にも積極的に応じてまいりたい。
それは市町が窓口になっておりますので、市町ともしっかり連携をとって、県としてもやってまいりたいと考えております。
○中村委員長 ほかにありませんか。
◆山口委員 幼保連携型で働く側の関係でお尋ねします。資格の問題です。
保育園は保育士が保育士の免許を持ってやられていると思うし、幼稚園は幼稚園教諭の免許でやられていると思います。それが一緒になるわけで、中には両方持っている方もおられるわけですけど、5年後には両方持てるようにということで、それぞれ勉強してもらわなければいかんというのがこの前提にあるんです。今の人たちは、法律がこう変わってしまえば、それぞれに勉強をしてもらわざるを得ないのかなと思うんですが、新任の関係です。
新任の人たち、今から保育園なり幼稚園なりで働こうと思う人たちが認定こども園に勤務しようとする場合、それなりの学校でどっちかの資格を取るために頑張っておられると思うんですが、その人たちについてはどういう方向性になるのかなと。一旦学校を出たものの、もう一回、もう一つの免許を取るために学校へとなるのか。それとも、法改正を見越して両方の免許を持って社会に出す制度が同時並行的に構築されようとしているのか。その辺はどうでしょう。
そうしないと、働く側の立場からどうなのかという気がしますので。
◎宮崎こども未来課長 ご案内のとおり、新しい制度での認定こども園につきましては、保育士資格と幼稚園教諭の免許、両方を併有しないといけないということになっております。
どちらか一方しか持っていない方が勤務する幼稚園、保育所が認定こども園に移行する場合には、5年間の猶予期間が設けられているところでございます。
県内の、保育園の保育士さん、幼稚園の先生の免許を取れるような大学、短大において、当然新しい制度を見据えたところでの資格取得を学校でも指導していただきたいと思いますし、私どもも、そういった機関とよく連携をとって、制度について十分目配りをしていきたいと思います。
なお、県内にございます短大、大学でこういった養成をしている学部におきましては、ほとんどが両方の資格をとれるようになっているということでございます。
◆山口委員 今後そういう方向性で、資格を持って卒業できる状況になっているということであれば、それでよしとするんですが、問題は、もう既に働いている保育士さんなり幼稚園の先生方です。それぞれの立場で、それぞれの処遇でやってきたんですけど、これが一緒になるわけですね。その時の処遇がどういう位置付けにお互いになるのかなというのもあるんです。そこはどういうふうな指導というべきか、どういう方向性になろうとしているのか。一緒なのか、若干格差があるのか。1つしか持たない人、2つ持っている人、幼稚園側から来た人、保育園側から来た人、それぞれあるわけですね。その処遇についての基本的な考え方はいかがですか。
◎宮崎こども未来課長 認定こども園は、さまざまな様態を持つことができる制度でございますので、具体的に保育士さんとか幼稚園教諭の処遇につきましては、そこの経営者の方のお考えによるものと考えますけれども、私どもも、そういった面について不当に賃金が安いとかということにならないように、注意してまいりたいと考えております。
◆山口委員 基本的には同じ教室、同じフロアで働くわけですから、そこのところは、子どもたちに与える影響も含めて大事な部分になってくるのではないかと思うものですから、そこには経営者の判断が当然あるにしても、何らかの制度的な指導といいますか、そういうものがあっていいのではないかと思いますが、その辺はどうですか。
◎宮崎こども未来課長 処遇の面については、いろんな観点から国も今度の制度の中において、消費税率を上げた中で処遇改善というのが、質を上げるためにも必要で、そういった給与自体が上がるような施策も盛り込んでいるところでございます。
公としてはそういう取り組みかと思いますけれども、個々の個別ケースににつきましては、経営者の方々のご理解とご判断によって進めていただきたいと考えております。
◆山口委員 子どもが元気にすくすく育つような教育、保育をしてやらなければいかんわけですが、そこに働く人たちも明るく元気に、子どもたちをしっかり育てていく処遇環境をつくるように配慮をしていただきたいと思います。
○中村委員長 ほかに質問がないようでございますので、これで質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 討論がないようでございますので、これをもって討論を終了いたします。
議案に対する質疑・討論が終了しましたので、採決を行います。
第19号議案乃至第25号議案及び第38号議案は、原案のとおり可決することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 ご異議なしと認めます。
よって、各議案は、原案のとおり可決すべきものと決定をされました。
しばらく休憩します。
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−午後2時29分 休憩−
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−午後2時30分 再開−
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○中村委員長 委員会を再開いたします。
この後に予定をしておりました、政策等決定過程等の透明性等の確保などに関することにつきましてと陳情審査につきましては明日に回すことにいたしまして、次に、佐世保市で起こりました県立高等学校生徒による事件について、審査を行いたいと思います。
しばらく休憩をいたします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−午後2時31分 休憩−
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−午後2時32分 再開−
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○中村委員長 委員会を再開いたします。
事件直後の7月31日、8月22日と2度にわたり臨時の委員会を開催しておりましたけれども、その後の経過報告等をこども政策局長よりお願い申し上げます。
◎平尾こども政策局長 佐世保市内の女子高生の逮捕事案に係るその後の調査状況について、ご説明させていただきます。局長説明の中に入れておりますが、お手元に、先ほど委員長からご案内いただきました補足資料を配付しておりますので、この資料に基づいてご説明させていただきます。
今回の報告につきまして、冒頭にちょっと申し述べさせていただきます。児童相談所の相談内容につきましては、児童相談所が職務上知り得た人の秘密に当たり、児童福祉法第61条の守秘義務の規定の対象となりますことから、相談の中身そのものにつきましては、この委員会においても説明が難しい状況がございます。
ただし、相談の内容に触れない範囲で、児童相談所の対応については守秘義務そのものからは外れる部分があると判断しておりますので、今回は、前回8月22日の文教厚生委員会以降に行いました私どもの調査結果等から判明した児童相談所の対応を中心として、対応状況等を説明させていただくということでご了解いただければと思っております。具体的な調査状況の説明につきまして、あくまでもこの時点での中間経過みたいな形ということでご説明させていただきます。
今回の調査状況の説明につきまして、詳しい部分については、後ほど、こども家庭課長から報告させます。私の方からは、資料の中で大きな項目の3の調査概要、4の課題分析、5の今後の検証・検討についてのポイントを説明させていただきます。
まず、5ページをお開きいただければと思っております。5ページの3、調査概要でございます。
調査の趣旨等につきましては、こども政策局では、今回の事案の重大性に鑑み、事件発生前に佐世保児童相談所に被疑者生徒に関する電話があっていたということを、7月31日の臨時の文教厚生委員会で公表させていただいたところでございます。
その後、その時の同所の対応が適切であったかどうか、他にとり得る方法がなかったか等について検証を行うということで、これまで進めてきたところでございます。そのため、6月10日の電話の内容及び対応の実際を詳細に把握することを目的として、この間、調査を行ってきております。
なお、調査結果につきましては、6ページ以降に記載しておりますので、詳細については後ほど、担当課長から説明いたします。
次に、10ページの課題分析のところでございます。
我々の検証の視点といたしましては、先ほど申しましたけれども、6月10日の児童相談所の対応について、その対応の適否の検証にとどまらず、ほかにとり得る選択肢がなかったかという視点から、今後の対応方策の検討などの再発防止策を視野に、広い範囲の検討を目指すというようなことを視点として考えてまいりました。
そのために内部検証、庁内の検証チーム会議の後に、これも説明させていただいておりますが、より専門的な知見をもって対応策までを検討する外部専門家を交えた検討会の設置を予定しております。
ただし、今回の状況説明につきましては、現在はまだ内部検証会議を続けているところでございますために、現時点で課題と考えられることにつきまして、法的な制約も考慮しながら、整理できたものについてご報告をいたすこととしております。今後、さらに検証を進めながら項目を追加、具体化していく予定でございます。
これも別途、課題の細部については担当課長から説明させていただきます。
最後に13ページ、今後の検証、検討の方向性でございます。
これまでに実施した関係者に対する調査を基礎として、現在、佐世保、長崎の中央児童相談所の検証作業、あるいは庁内の関係部課で構成しております庁内検証チームでの検証を実施しているところでございますけれども、そこでの議論や検証の視点や項目については、検証作業の中で繰り返しそれを確認していくと、それを積み重ねていくというような形で、中身について検証作業の双方向性という形で、広がりと深まりを目指して取り組んでいるところでございます。
さらに、庁内検証チーム会議において出された一定の検証結果につきましては、外部専門家を交えた検討会において、より中立的かつ専門的、客観的な見地から助言をいただきまして、児童相談所の相談の対応の向上及び、より効果的な今後の対応策につなげていきたいという視点で検証を続けているというところでございます。
簡単ではございますが、私からの説明とさせていただきます。詳細につきましては担当課長から説明いたします。
◎林田こども家庭課長 それでは、私の方から資料に沿ってご説明をさせていただきます。
まず、資料の1ページ、事案の概要でございます。これは、警察が発表した本事案の概要を記載しております。
続きまして2ページでございます。佐世保児童相談所及びこども政策局の対応につきまして、9月24日時点の状況について、ご説明をさせていただきます。
まず、(1)佐世保児童相談所の対応でございます。本事案発生前の6月10日に、本事案の関係者、以下、発信者といたしますが、発信者から佐世保児童相談所に、本事案に関連した電話があったことにつきましては、既に7月31日及び8月22日の文教厚生委員会でご報告させていただいたところでございます。その経過につきましては、2ページ中ほどの囲みに、6月10日から7月27日までの対応経過といたしまして記載をしているところでございます。
なお、この経過の詳細につきましては、調査結果といたしまして7ページ以降に記載をしております。後ほどご説明をいたします。
次に、(2)こども政策局の対応につきましては、3ページから4ページにかけまして点線の囲みの中に時系列で整理をしているところでございます。
こども政策局におきましては、本事案発生後、佐世保児童相談所からの報告を受けまして、直ちに対策本部を設置し、児童相談所の対応分析、検証、対策方針等の検討と情報収集に取りかかっております。
こども政策局における検証・検討体制につきましては、(資料1)として14ページに記載しております。
その後、8月3日、4日及び8月28日、9月2日、5日及び8日に、本事案に係る佐世保児童相談所の対応に関しまして、同所職員のヒアリングを実施いたしましたほか、9月11日に、発信者に対しましてヒアリングを実施しております。
また、8月初旬及び9月初旬の2回にわたりまして、佐世保児童相談所及び中央児童相談所において、検証作業を実施いたしました。
内部検証につきましては、庁内検証チーム会議を9月9日及び9月24日に開催いたしまして、今回の事案に係る児童相談所の対応及び、これに関連する事項につきまして分析、検証を行ったところでございます。
なお、検証作業を進めるに当たりましては、児童福祉法などの関係法令における法的解釈の確認が重要であるために、弁護士に対しまして法律相談を適宜行いながら進めてきております。
次に、4ページの(3)、今後につきましては、佐世保及び中央両児童相談所における検証作業は今後も検証の視点とか課題を加えて繰り返し行う予定としておりまして、内部検証の内容を整理した上で外部の専門家を交えた検討会を開催する予定といたしております。
続きまして、5ページの3、調査概要についてご説明いたします。
調査の趣旨につきましては先ほど局長が説明いたしましたので、中ほどにございます調査の方法からご説明をさせていただきます。
調査の方法は、発信者からの電話への対応及び、その後の事務処理の流れ、それから当該電話についての所内の情報共有の状況、また、提供された情報、相談内容及び児童相談所の対応の詳細、提供された情報に対する緊急性・重大性の認識及び児童相談所の対応に関する見解をヒアリングのポイントといたしまして、記録の把握と関係者からのヒアリングを行っております。
(2)調査の対象及び実施方法の詳細につきましては、6ページにかけて記載をしております電話口頭受理記録の把握とか、佐世保児童相談所職員を対象といたしました電話口頭受理記録決裁者への個別ヒアリング、職員へのグループヒアリング及び受話者とか発信者へのヒアリングを行っております。
6ページ(3)調査の結果につきましてご報告をさせていただきます。
6月10日に、「高1女児に関する相談がしたい、児童の名前などは言えない」という電話がございました。その時の対応及び事務処理の詳細につきましては、7ページ以降に記載をしておりますけれども、関係法令等の規定によりまして、児童相談所がその職務上知り得た人の秘密について開示することは困難と判断をしているために、佐世保児童相談所の対応を中心にご報告をさせていただきます。
はじめに、@受話者は相談支援班の班員で、以下Aといたします。Aに電話をつなぐまでの対応についてでございます。発信者を以下Bといたします。
Bから電話がございまして、子ども保護判定課の職員が対応いたしまして、大まかな相談内容を聴取しております。Bの相談主旨が児童福祉制度の利用に関するお尋ねであったために、担当である相談支援班の職員の対応が適当であると判断をいたしまして、かけ直す旨をBに伝えて一旦電話を切っています。その後、相談支援班の誰が対応することが適当かについて班長に相談をしております。
当日は定例の研修会を開催しておりまして、相談を受けた班長は、2階で研修会に参加をしておりましたAに電話の内容を伝え、Bへ電話をするよう依頼をしております。
次に、AAによる電話対応についてでございますが、依頼を受けたAは、Bへ電話をかけまして、内容を聞き取り、児童福祉制度や医療、司法制度の活用に関する見解を伝えております。Bは、ほかにも情報があれば連絡してほしい旨を要望して電話を終えております。電話対応の時間は20分程度であったとのことでございます。
続きまして、B電話対応後の処理についてでございます。Aは、電話を切った後、電話の内容について、在籍している相談支援班員に話をしております。その後、当該電話に係る電話口頭受理記録をその日のうちに作成いたしまして、所長、こども・女性支援課長、相談支援班長、こども保護判定課長及び判定班長に回覧を行っております。回覧の順序は、通常であれば相談支援班長、こども・女性支援課長となるところでございますが、当日は2人とも不在であったために、最初にBの電話を受けた経緯から、判定班に持っていきまして、判定班職員に電話の概要を説明しております。その後、判定班長からこども保護判定課長に回覧をいたしまして、併せて所長に口頭で報告をしています。
当日不在だったこども・女性支援課長及び相談支援班長には、翌日に回覧をいたしまして、結果として11日までに所長決裁、報告が終了しております。
なお、Aは、今回の電話につきましては、児童福祉制度の利用に関するお尋ねと判断をいたしまして、関係機関からの問い合わせとして電話口頭受理で事務処理を行っております。
佐世保児童相談所の対応といたしましては、児童福祉による対応策についてBからあった問い合わせに対して回答を行い、他の対応策に関する見解を述べたものであり、このことに対しましてBの一定の了解が得られたと考えたことから、電話口頭受理記録の決裁による処理にとどめ、特に受理会議を実施することをしなかったとのことでございます。
続きまして、C電話対応以降の対応についてでございますが、その後、Bから再度の連絡はなく、児童相談所からも連絡はしておりません。結果的に、この事案についての児童相談所の関わりは6月10日の1回のみでございました。
7月27日の事件報道後、同日に、AがBに電話をかけまして、その後、電話をかわった所長が、被疑者生徒が6月10日の電話の対象児であることを確認いたしまして、さらに、6月10日の電話口頭受理記録を読み上げ、その内容を確認しております。
また同日、所長は、本事案についてこども家庭課参事に報告をし、参事からこども家庭課長及びこども政策局長へ報告を行っております。
9ページには、ただいま7ページから8ページにかけてご説明しました今回の電話相談の流れと文書回覧の流れを載せています。
1点補足でございますが、この9ページの流れの中で、右側の文書回覧の流れは6月10日と6月11日の2日にわたっています。その左の電話相談の流れは、見方によっては右の文書会談の流れと連動するように、6月10日から6月11日にかけてのように見えるかもしれませんけれども、左の電話相談の流れは6月10日の1日で終わっておりますので、念のために補足をさせていただきます。
9ページの参考といたしまして、15ページをお開き願います。こども・女性・障害者支援センターの組織図を記載しています。上の方が長崎センター、下の方が佐世保センターでございます。
佐世保センターの点線で囲ってある部分が児童相談所となっていまして、こども・女性支援課及びこども保護判定課の2課体制となっています。ここについては、また後ほどご説明させていただきます。
申しわけございませんが、10ページに戻っていただきまして、4番の課題分析、検証作業の進捗状況についてご説明いたします。
検証の視点につきましては、先ほど、こども政策局長が説明いたしましたので、(2)検証作業の実施状況から説明をさせていただきます。
9月24日時点で、佐世保及び中央児童相談所におきまして、それぞれ職員による検証作業を2回実施しています。また、こども政策局において内部検証、庁内検証チーム会議を9月9日及び24日の2回開催をしております。これらの検証作業の中で、現時点で課題と考えられること、検証項目につきましては11ページから記載しています。
1点目といたしまして、児童相談所内の事務処理に問題はなかったのかという視点から、電話口頭受理処理は適切だったのか、相談を受けて組織として対応すべきだったのではないか、緊急あるいは臨時の受理会議等で判断すべきだったのではないか、また、組織的要因はなかったのか、上司に相談や助言等受けやすい体制があったか。
2点目といたしまして、児童が特定されない相談への対応に問題はなかったかという視点から、特定する手立てや働きかけの必要性はなかったか、発信者に児童に関する情報提供を促す必要があったのではないか、児童福祉法第25条による通告と捉えるなどの相談情報に対する児童相談所の認識や対応に問題はなかったか、また、児童が特定されない条件下で児童相談所の守秘義務を超えて対応することはできなかったのか。
3点目といたしまして、緊急性、重大性の判断は適切だったかという視点から、緊急性、重大性の認識に問題はなかったか。また、発信者の児童相談所に対する要求、要望を確認できていたか。お互いの見解は十分に確認されたか。
4点目といたしまして、事後対応に問題はなかったかという視点から追跡調査、再相談、あるいは再調査の適否の判断等を行う必要はなかったのか。発信者に直接会うなど動くべきだったのではないか。所内でケースを共有するなど組織として対応する必要があったのではないか、ほかにどのような方策を取り得たかということ。
それから5点目として、機関連携のあり方に課題はないかという視点から、現行制度の中でどのような連携が可能か、具体的には児童が特定されない中で要対協の活用はできないのか。教育分野、市町、警察、家庭裁判所、保健所、医療等の機関が取り得る対応等について情報収集をし対応の連携が図れたのではないか。また、制度(システム)改正によってどのような連携が考えられるのか。加害防止のための保護システムが必要ではないか。個人情報を越えて関係機関が連携して対応できる法整備が必要ではないかといったこと。
最後にその他、危険度を判断するためのチェックリストや重要事案対応のマニュアルの策定が必要ではないか。それから、単に児童相談所の対応を検証するだけではなく、問題があったのであれば、その背景を深く検証して課題を整理し、今後の児童相談所のあるべき姿を検討する必要があるのではないかなど、現時点で課題と考えられる検証項目をまとめているところでございます。
13ページの5、今後の検証・検討につきましては、先ほど局長が説明したとおりでございます。
続きまして14ページからは資料編になっています。
まず、資料の1、14ページでございますが、こども政策局における検証・検討体制を載せております。先ほどご説明いたしましたとおり、こども政策局におきましては、本事案発生後、佐世保児童相談所からの報告を受けまして直ちに対策本部を設置し、児童相談所の対応分析のため、現在、内部検証を進めているところでございまして、外部専門家を交えた検討会の中でさらに検証、検討を行ってまいります。
続きまして、資料2、15ページでございます。長崎、佐世保のこども・女性・障害者支援センターの組織図でございます。先ほど申し上げましたように、点線で囲っている部分が児童相談所の部門でございまして、それぞれ括弧の中の数字は職員数でございます。
佐世保児童相談所につきましては、所長1名、こども・女性支援課のうち女性支援専門の1名を除く13名、こども保護判定課の11名の計25名で児童に係る相談支援、児童の心身の発達とか状態の判定、あるいは児童の一時保護等の業務を行っています。
続きまして、資料3、16ページでございます。これは児童相談所の相談業務の流れについて記載しています。
まず、相談は来所、電話、文書により受付けまして、受け付けた相談については受理会議を開催し、主たる担当者、調査及び診断方法、一時保護の要否等を検討するとともに、最も効果的な援助方法を検討いたします。
調査は、相談部門の児童福祉司、判定部門の児童心理司が中心となって行いますけれども、調査事項につきましては、家庭環境、家族の状況、生活歴、生育歴、学校、地域社会の状況等について行います。
診断には社会診断、心理診断、医学診断、行動診断等がございまして、問題解決に最も適切な専門的所見を確立するために行われます。各診断が実施された後、相談事例の総合的理解を図るために、各診断担当者の協議により判定会議を行います。
判定会議により援助方針案が検討された後、援助方針会議が行われますが、援助方針会議は、調査、診断、判定等の結果に基づきまして、子どもや保護者等に対する最も効果的な援助方針を作成、確認するために行います。
援助方針会議で決定をされる援助の種類は、措置によらない指導といたしまして助言指導、継続指導、他機関あっせんがございます。また、措置による指導として児童福祉司による指導、児童福祉施設への入所、訓戒、誓約等がございます。
続きまして、資料4、17ページでございます。これは、児童相談所が受け付ける相談の内容について記載をしています。
児童相談所では、児童に関する相談の内容を養護相談、保健相談、障害相談、非行相談、育成相談、その他に分類していまして、養護相談としては児童虐待の相談などが、非行相談といたしましては虞犯行為、あるいは触法行為等の相談、育成相談としては性格行動相談とか不登校の相談などがございます。
続きまして18ページ、資料5でございます。これは、児童相談所の相談受付件数の年度推移を県全体、相談所別、テレホン相談を除く県計で、平成12年度から平成25年度までグラフであらわしたものでございます。平成25年度の総件数は4,441件で、前年度に比べて465件減少しています。
それから、19ページから20ページは、相談の受付と処分の状況について掲載しています。平成25年度における相談の受付と処理の状況は、ご覧のとおりでございます。以上でございます。
○中村委員長 ありがとうございました。
しばらく休憩いたします。3時5分から再開します。
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−午後2時59分 休憩−
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−午後3時6分 再開−
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○中村委員長 委員会を再開いたします。
ただいまより、質問を受け付けます。
◆前田委員 検証の視点として、6月10日の児童相談所の対応については、その対応の適否の検証にとどまらず、ほかに取り得る選択肢がなかったかという視点から、今後の対応策の検討、つまりは再発防止策を視野に広範囲の検討を目指すものであると書いていますね。そのとおりだと思います。
しかし、亡くなった命は還ってこないわけで、被害者のご家族の思いも受け止めた時に、やはりしっかりと質疑をするしかないと思っていますので、これから質疑をさせていただきます。
まず、11ページの検証項目について、「問題はなかったか」みたいな疑問的な形で論点の整理がされていますが、私自身は、この件については、行政が職責を意識し使命感を持って危機感を磨いていたならば未然に防げたと思っています。
そういう意味におきまして、こども政策局長、ここまでの検証をする中で、私は私のような考えに立つわけですが、未然に防げたという意識はありませんか。
◎平尾こども政策局長 意識としては、十分に本当に情報の共有とか、連携とか、そういうことを踏み込んだ形でやってきたのかどうかという観点については十分に検証すべき部分があると、問題意識として私自身はそういうふうに思っているところでございます。
◆前田委員 繰り返しになりますが、検証すべきである、問題意識を持っているということではないですよ。10日、11日の対応について、これまで十分検証した中でどう認識しているのかという話をしているわけであって。
まさしく今日説明があった、この16ページにある相談業務の流れ、危機感を持って受理会議にかけていれば、こういうことにならなかったんですよ。と、私は断言できると思っています。
ですから、問題意識を持って、その点を有識者とともに検証するのではなくて、有識者の外部の方が入る前に、内部検証の結果として今現在どう認識しているかということを聞いているんですよ。再度答弁を求めます。
◎平尾こども政策局長 中身について我々も検証しておりますけれども、その時点でしかるべき対応がなされていれば未然に防げた部分もあったのではないかと、私も同様の観点は持っております。
◆前田委員 非常に大事なことです。内部として、このことについてどう自分たちが結論づけるかというのは、本当は外部から指摘される前に結論を出すべきですよ。だって、これだけの検証をやってきているんですから。そうしないと、自分たちの検証が足りない、もしくは悪く取られれば、外部から同様の指摘をされれば、身内をかばったということになるんですよ。
そういう視点に立った時に、こども政策局長の、一定ここまで2カ月近く経った中での今日の報告というのは、この検証項目の挙げ方というのは、まさにそのとおりなんですが、これを第三者のような疑問形で出してくること自体に非常に違和感をおぼえますし、私は個人的には許されるべきものではないと思っています。
個別に少し質問をします。1番のポイントは、6月10日の通報発信者のことですけれども、この発信者は精神科の医師ですか。まず、どんな方なのか、お答えください。
◎林田こども家庭課長 当初からご説明しておりますように、児童相談所がお受けした相談等につきましては、その内容については公表できないという観点から、
○中村委員長 短く答えて。
◎林田こども家庭課長 その相談者が誰であったか、どういった方であったかについては、お答えを控えさせていただきます。
◆前田委員 前回からそのような答弁が終始続いているんですが、個人情報と守秘義務のとらえ方をここで改めて議論しても時間の無駄なので省略しますが、マスコミの報道等を見ると、加害者の診断をしていた精神科医であったというのは、どのマスコミも報道しているんですよね。
そしてまた、まさしくお聞きしたい相談の内容についても、個人情報、守秘義務、関係法令の関係でいまだに公表しない、今日も報告されていません。その姿勢は変わらないんでしょうが、少なくともその相談の内容についてもマスコミで報道されているんですよ。少なくともマスコミ等で報道されている分と自分たちが持っている個人情報が適合するかどうかは示していただかないと、全く私たちは議論できないではないですか。その点については何か検討されましたか。
◎林田こども家庭課長 新聞報道等でいろんな情報が出ていることはもちろん承知をしておりますけれども、だからといって、児童相談所が知り得た内容を公表するというのはまた別問題だと認識をしております。この点につきましては経過報告の中で適宜法律相談を受けてきておりますが、その中で出てきた判断と理解をしております。
◆前田委員 じゃ、聞き方を変えましょう。
8月13日、15日、27日に、発信者へのヒアリングの方法と内容に関する法律相談をしたと。どのような相談内容ですか。
◎林田こども家庭課長 どういう形で発信者に対してヒアリングを行うことができるのか、もともとヒアリング自体を行うことができるのか、そういったことを相談しております。
◆前田委員 その上に立って9月11日にヒアリングを実施していますから、このヒアリングの実施の内容について、ご答弁をいただきたいと思います。これも個人情報で出せないんですか。
◎林田こども家庭課長 ヒアリングにつきましては、口頭でのやりとりではなくて、回答は全て文書で提出をされまして、発信者本人がそれを読み上げる形で実施をされました。
内容に関しては、発信者の意向といたしまして、検証が不十分なタイミングで一部を切り取った形でヒアリング結果が公表されることは望ましくないと、こういったことでございましたので、現時点での公表は差し控えさせていただきます。
◆前田委員 一部を切り取った形での公表は差し控えてほしいということであれば、ヒアリングをした全部を資料として提出してください。
◎林田こども家庭課長 現時点は、そのタイミングではないというふうに判断しています。
◆前田委員 現時点はタイミングではないというのは何ですか。ここの審議は、そのタイミングではないということですか。じゃ、どこで出すんですか。
そもそも終始一貫、個人情報とか守秘義務があると言っていますけれども、その判断はどこと相談しているのか。厚労省とかと、きちんとかけ合っているんですか。
前も言いましたけれども、誰を守る個人情報ですか、守秘義務ですかといった時に、事件が起きる前と起こってからの個人情報の取り扱いは違うと私は思うんですよ。
あなた方は認めていないけれども、この発信者、通報者は、加害者を担当した精神科医であろうと思います。しかし、それすらも認めない。でも、一方では、そういうことが前提とされながらいろんな集会がやられていて、佐世保の集会の中においては、その医師と言われる方が匿名で、なぜ生徒の名前を明かさなかったかということを、ある意味批判的に書かれているわけですよね。
そういう意味においては、その通報者の名誉とか、私は正義感だと思うんですけど、そういうことを守る上でも、ある程度の事実関係、内容は示すべきではないですか。そのことについてはどういうふうな認識を持たれていますか。
◎林田こども家庭課長 先ほど申し上げましたけれども、検証が不十分なタイミングで一部を切り取った形でその結果を公表するのは好ましくないと、発信者の意向でございますので、そこを尊重した形で、公表時期等々については検討したいと考えています。
◆前田委員 切り取ったというところがよくニュアンスがわかりませんが、時間がありませんので。
では、ヒアリングの中でやりとりした内容で少しお答えください。発信者のBという方は、匿名で相談したことについて、なぜ匿名で相談したとおっしゃっていましたか。
◎林田こども家庭課長 申し訳ございません。そこを含めて、現時点では公表できないということでございますので、ご理解をお願いいたします。
◆前田委員 入院をさせたらどうだったのかというようなマスコミ等の論調もある中で、入院について、その方はどういうことをお話しされていましたか。
まず、あなた方が匿名のことと入院のことについてお尋ねしたのかどうか。どうしてそういうふうに匿名だったんですか、入院という措置はとれなかったんですかということをお尋ねしましたか。それはあなたたちの対応だから、答えられるでしょう。
○中村委員長 しばらく休憩します。
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−午後3時18分 休憩−
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−午後3時20分 再開−
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○中村委員長 再開します。
◎林田こども家庭課長 先ほど前田委員から、こういった質問は投げたのかといった形のご質問がございましたけれども、発信者に対するヒアリングにつきましては、口頭でのやりとりではなくて、あらかじめ発信者が用意をされた文書が提示をされまして、それを読み上げる形で実施されております。文書で提供されまして、それをご本人が読み上げる形でヒアリングを実施しているところでございます。
その公表につきましては、先ほど来申し上げましたように、検証が不十分なタイミングで一部を切り取った形で公表することは望ましくないということでございますので、そのタイミングは考えたいと思います。発信者の意向も踏まえまして、検証結果の最終報告、外部検証終了後での公表を検討したいと考えております。
◆前田委員 この点については最後にします。ヒアリングのやり方を法律相談してヒアリングに臨んでいるわけですが、そのヒアリングは、行政側から何か質問を投げかけて、それに答えてもらったという形ではないと理解をした方がいいですか。そこがよくわからないんですよ。行政の方で何か文書を投げかけているんだったら、投げかけている文書を提出してください。
◎林田こども家庭課長 文書を投げかけたわけではなくて、発信者の方から、提供したい内容について文書で提供がされまして、それを読み上げる形でヒアリングが行われたということでございます。
◆前田委員 よくわからないですね。
そもそも、これだけの事件になったんですから、事件後に発信者に対する聞き取り、正確にはその当時どうだったのか、内容も含めてどんな思いで連絡したのかとか、そういうことの確認作業をしていると思うんですけれども、今の話でいくと、このヒアリングというのは、向こうが弁明の機会として求めたんですか。全くこちらが何も質問していないというのは、どういうことですか。その経緯を聞きたいということで、経緯だけ読み上げる形で行政の方に申し立てたという理解をしていいのか、そこがちょっとわからないので、休憩しても構いませんので、きちんと説明してください。
○中村委員長 しばらく休憩します。
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−午後3時23分 休憩−
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−午後3時28分 再開−
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○中村委員長 再開します。
この後、こども家庭課長の横にこども家庭課参事を着席させますので、回答については、できる範囲で双方で回答してください。
◎林田こども家庭課長 先ほどの前田委員のご質問でございますが、ヒアリングの趣旨等をご説明いたしまして、その時に県の方でヒアリング項目は準備をしておりました。結果的に、趣旨等を聞かれた後で、ヒアリング項目をこちらの方から提示する前に発信者が、県が聞こうとしていたヒアリング項目を網羅するような形で文書を準備しておられまして、その文書を読み上げる形で当日、9月11日のヒアリングは実施をされたと、こういう経過でございます。
◆前田委員 ヒアリングの内容もタイミングとして今公表できない、報道であっている発信者が精神科医であるかどうかも答えられない、もちろん相談の内容もお示しできないとなれば、どういう質疑ができるのかなと思っているんですが。
皆さん方は前回から、個人情報や守秘義務があって、他の関係機関に対して働きかけることができなかったというような趣旨の答弁をされていますね。
しかし、報道の内容によると、加害者を診ていたであろう精神科医の先生から、本当に逼迫するような内容の相談があった。しかし、そこは匿名であった。匿名をもってできないということも答弁されていたけれども、そこだけの内容をもってしても、担当部署、センターに危機感というものがあるならば、匿名の中で佐世保市ということは出ているんですから、教育委員会の方に、このような情報があったが該当する生徒がいないかという問いかけは、個人情報、守秘義務を守る中でできたと思うんですよ。それに対して答えが返ってくるでしょう。きた時にその発信元の方に、この子じゃないですかという確認作業をすれば、私は、多分そこで防げたんじゃないかなというか、次の支援体制に入れたという認識はしています。
先週の金曜日に、教育委員会に仮に児童相談所から通報があったら対応できたかという質問に対して、児童生徒支援室長は「特定できる」という答弁をしたんです。
そのことも踏まえて、最初に戻りますが、こども政策局長、あなた方のとってきた対応はやむを得ないみたいな釈明にずっと聞こえてきているわけですが、仮にそういったやるべきことをやっていたら教育委員会は見つけきれたと言っていることに対して、あなた方として今はどんな思いでおられますか。
◎平尾こども政策局長 教育委員会が特定できたかどうかというふうな情報はよくわかりませんけれども、我々としては、どこまで情報を出せるかという、まさに守秘義務にかかる部分をどう解釈するかというところが一番根っこの部分で、どうしてもそこの部分を避けることができないということがあったかと思っております。
◆前田委員 私はこれで終わりますけれども、百歩譲っても、個人情報とか守秘義務とか言わなくても、きちんと職責を全うして、危機感を持ってやっていれば防げたんですよ。そのことだけきちんとお伝えしておきます。
◆瀬川委員 未然に防げたという認識は持っておられるわけですよね。持っていないんですか。
◎平尾こども政策局長 先ほども答弁いたしましたけれども、きちんとした情報の共有、連携というものをきちんと図っておれば、その部分について未然に防げるということも可能性としてはあったかというふうには思っております。
◆瀬川委員 この報告書を見ますと、何度も何度も、相談の趣旨が児童福祉制度の利用に関するお尋ね、福祉制度や医療、司法制度の活用に関することという文章が出てきているわけですが、7月27日の事件報道後、同日にAがBに電話をかけ、その後、電話を代わった所長が、被疑者生徒が6月10日の電話の対象児であることを確認して、さらに、6月10日の電話口頭受理記録を読み上げて、その内容を確認したとあるわけですけれども、整合性がないと、私はそう理解せざるを得ないんです。相談の内容が福祉の制度や司法の制度のお尋ねというふうに受け取って、先ほど前田委員が言ったように、この手続の流れで相談の受付で終わってしまっているわけですね、会議にかけずに。
しかし、報告書の前後を見ると、全然整合性がないというふうに私は解するわけですが、どうですか、その辺は。それでも、このとおりだとおっしゃるわけですか。整合性を保った報告書であるといった見解ですか。
◎林田こども家庭課長 報告書にも記載し、ご報告をしておりますけれども、6月10日にお電話を受けた時点では、制度に係るご相談だというふうな整理をして、こういう回覧の処理で終わっているということでございます。
ただ、11ページ以降に今回の課題といいますか検証項目として挙げておりますけれども、果たしてその処理でよかったのか、十分だったのかといったことについては課題というふうに私どもも認識はしていますので、しっかりそこは検証してまいりたいと考えております。
◆瀬川委員 わけのわからん話なんですが、私自身は整合性がとれてないと言わざるを得ないし、整合性がとれてないという感覚であるからこそ検証を、その点を一つの焦点として持って検証を進めるということになるのではないかなというふうに言わざるを得ない。
一つ確認しておきます。内部の検証会議、あるいは今後の専門家を交えた検討会の中では、守秘義務をかけて、内容全てが会議に付され検討、調査、検証されるわけですね。
◎林田こども家庭課長 相談の内容を含めまして、全て情報は提供をした上で内部検証も今、実施をしておりますし、その後に予定をしております外部専門家を入れた検討会の中でも、そういった情報を提供させていただいた上で検証、検討を、さらに専門的な観点からしていただいて、ご意見等を賜っていきたいと考えております。
◆瀬川委員 ということになると、外部の専門家が入った中で、先ほどのまた繰り返しになりますが、整合性の問題等々については、少なくともその会議の中では内容が明らかになるわけですから、その時にそういった視点を持って指摘をされた時には、この時点であなた方は、内部としての反省に立った報告書の提出なのかどうなのかというのが改めて問われる時期がくるということだけは申し上げておきます。以上。
◆山田[博]委員 質問に当たりまして、今回、中村委員長のご配慮をいただいて、事前に資料を配付いただいて、十分な検証の時間がとれました。大変感謝したいと思います。私の地元でも、これは選挙区外といえども大変関心のある方がいて、しっかりとやっていただきたいと、地元に帰ると声が上がってくるんです。ですから、今回の資料を事前配付いただいたことを感謝して質問に移りたいと思います。
調査状況説明の8ページに、「Bの一定の了解が得られた」と書いてあります。お尋ねしますが、一定の了解が得られたら、こういった受理会議にかけないという対応を児童相談所はしているのか、それだけまずお答えください。
◎林田こども家庭課長 そこは、一定の了解を得られたという前に、電話の趣旨が制度に係るご相談だったということで受理会議にはかけずに、制度にかかるお問い合わせに対して一定の児童相談所としての見解を述べて終了したという理解のもとに、個別の相談という整理はせずに受理会議にもかけなかったと、こういうことでございます。
◆山田[博]委員 児童相談所運営指針というのが厚生労働省の児童家庭局長から出ています。これを私もずっと拝見しましたら、受理会議の方法というのは、提出する事例は児童相談所でその週に受け付けた全事例、調査、診断の結果報告、再検討を要する事例等であるとあります。この指針には、全事例を必ずかけないといけないとなっているんです。だから、一定の理解が得られようが関係ないんですよ。
そういった点ではいかがですか、お答えください。
◎林田こども家庭課長 先ほども申し上げましたが、受理会議にかけなかった理由につきましては、一定の了解が得られたというよりも、制度に係るご照会、お問い合わせだったということで、個別の相談ではなくて制度に係る照会ということで、受理会議にはかけていなかったということでございます。
◆山田[博]委員 こども家庭課長、児童相談所運営指針というのを、私は、部分、部分を抜粋して読ませてもらったんです。この中に、相談、調査、診断、判定、援助決定業務というのがあるんです。児童相談所の職員が受け付けた相談は、全ての児童相談所の責任において対応する相談であると。このため、巡回相談、電話相談等で一回限りで終了した相談についても、児童相談所全体で、その妥当性について確認するとある。
それで、いいですか、次がまた問題。
児童相談所の専門性は、職員の協議により維持されるところが大きく、このためにも受理会議、判定会議、援助方針会議等の各会議の位置付けを明確にするとあるんです。だから、必ずしないといけないんだから、たった一人の判断じゃないんです。一人の判断でこうしたからと言っているけど、理解が得られたと。これは一人の判断じゃなくて、全体でこういうふうな手順をしないといけないと、この運営方針に書いているんです。
私は、今回の事件は、このマニュアル、指針をしっかりやっておけば問題なかったんじゃないかと思っているんですよ、極端に言うと。11ページに検証項目で書いているでしょう。別に私はあなたたちを責めているわけじゃないんだけれども、改めて認識してもらいたいから言っているんです。この運営方針を改めて拝見したら、こうしなさいと細かく書いているんですよ。
いいですか。例えば12ページ、個人情報を関係機関と連携して対応できる法整備が必要じゃないかとあるんです。しかし、この運営方針の中には、児童虐待などに対する相談、援助活動については、幅広い関係機関等の参画と相互の連携が重要であり、日頃から関係機関との意思疎通を十分図っておくと書いているんですよ。
こども政策局長、私は思うけれども、この厚生労働省から来た、平成25年12月22日が最終版になっていますけど、これは平成2年から出ているんです、改正でね、改めてこれを見ていたら、そういうふうにならないためにきめ細かく書いている。あなた方は認識したわけですよ。
私は、検討項目というよりも、改めてこの指針を見直すべきだと思っているんですよ。見直すというか、確認すべきだと思っているんです。これは見解を聞かせていただけませんか。
◎平尾こども政策局長 正直申しまして我々も、今回の検証をやっていく中で、児童相談所の運営指針に基づく対応が十分にできているのかどうかというところを、検証として、やはり問題意識として抱えている状況でございます。
◆山田[博]委員 改めて受理会議のことをお話しさせていただきます。事前にこども家庭課から、大変忙しい中、資料をつくっていただきました。本当にありがとうございます。
この中で、佐世保こども・女性・障害者支援センターは、受理会議を週に1回、火曜日に開催していると。1回の件数は、少ない時は1〜2件、多い時は7件から8件ということです。緊急に対応する時には臨時受理会議を開催しているということです。
その中で、基本的に相談案件は、ほぼ受理会議を開催するとなっているんです、ほぼ。ほぼということは、漏れている時もあるということですね。いかがですか、それを聞かせていただけませんか。
◎林田こども家庭課長 先ほどから、今回の案件につきましては、その時は制度に係るご照会だということで受理会議にはかけなかったというお話をしました。
相談案件については、基本的に受理会議にかけます。それ以外で、例えば単なる照会等々のケースもございますので、そういったものは、いわゆるケース検討会議というか受理会議にはかけずに、単なる照会等で処理が終わるということで、相談案件はほぼとなっていますのは、そういう照会等については受理会議にはかけないという意味でこういう表記になっているということでございます。
◆山田[博]委員 こども家庭課長、受理会議だけじゃなくて、判定会議と援助会議とあるでしょう。改めて言うけれども、指針の中には、電話相談等の1回限りで終了した相談についても児童相談所全体でその妥当性について確認するとなっているんです。ということは、いいですか、全体で考えていけばよかったのを、そういうふうに短絡に考えたのが今回こうなったわけですよ。
もう一度確認しますけれども、最近の受理会議の中でも、過去の中でも、そういった電話照会だからといって受理会議にかけない件数がこれ以外にもあると認識していいんですね。
◎林田こども家庭課長 先ほども申し上げましたように、単なる照会等々については受理会議にはかけずに、助言等で終わるケースもございますから、今回の案件に限らず、ほかにも受理会議にはかけない案件があるということでご理解をいただきたいと思います。(発言する者あり)
○中村委員長 しばらく休憩します。
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−午後3時48分 休憩−
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−午後3時52分 再開−
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○中村委員長 委員会を再開します。
◆山田[博]委員 いいですか、この受理会議には全ての事例を上げるとなっているんです。それが単なる照会だろうが、相談だろうが、かけるようになっているんです。それは間違いありませんね、こども家庭課長。そう指針に書いてあるわけですけど、いかがですか。
◎林田こども家庭課長 受理会議には、単なる照会等は基本的にはかけない、受理会議には相談案件についてかけるということになっております。
◆山田[博]委員 いいですか、こども政策局長、これは大切なところですよ。単なる照会と相談とでは違うんだと、照会の場合には受理会議にかけないんだよと、今回は単なる照会だからかけませんでしたということです。
今後、検証作業をしていった時に、これが単なる照会だったのか、相談だったのかで、これは大きく変わってくるんです。これは大変なことなんですよ。
指針は、私の理解では、相談であろうが事例は全てかけると思っていたんです。しかし、県の児童相談所では、照会はかけないようになっているんだと、そういうふうになっているんだと理解していいんですね。こども政策局長、これは大切なところだから。私は、全ての案件をかけないといけないと理解した、この指針においては。しかし、今回は単なる照会だからかけませんでしたよと。だから、今回こうなったんですよとなっているんです。
こども政策局長、基本的に児童相談所は、単なる照会は受理会議にはかけないようになっているということで間違いないんですね。そう理解していいんですね。それをお答えください。
◎平尾こども政策局長 先ほど担当課長が答弁したとおりでございます。
◆山田[博]委員 児童相談所のあり方はそれでよかったということですね。
今後のことを私は言っているんです。今後、この件に関しては見直す意思があるのかないのか、そこをお答えください。今回の事例はこういうふうになったんですよ。別にあなたたちを個人的に責めているわけじゃないんだよ。よりよい施設にするために言っているわけだから、提案です。見解を聞かせてください。
◎平尾こども政策局長 今回の事案を検証、見直す中で改善すべき部分があれば、当然ながら改善していきたいと思っております。
◆山田[博]委員 今の時点では、今の判断がよかったと理解していいんですか、その答弁からすると。
◎林田こども家庭課長 制度の照会ということで、受理会議にはかけないまま、その処理を終わったということでございますけれども、それは電話を受けた時の判断でございまして、今回のご報告の11ページの検証項目の1番にも挙げておりますけれども、児童相談所内の事務処理に問題はなかったかということの@に「電話口頭受理」処理は適切だったのかと、組織として対応すべきだったのではないか、あるいは受理会議等で判断すべきだったのではないかと、そういった視点から検証は続けているということでございますので、問題意識は持っているとお伝えをしておきたいと思います。
◆山田[博]委員 要は、私が言いたいことは、自分たちが認識している指針と今回やったことがどうだったかというのを確認したいんです。それはどうですか。要するに、今回やったことは指針どおりやっていたのか。やっていなかったら、また読み直して理解度を深めていく必要があると思うんですよ。今回、自分たちとしてはこの指針どおりやったと理解されているのか、されてないのか、それだけお答えください。
◎林田こども家庭課長 先ほども申し上げましたが、電話を受けた時点で、それは制度の照会だという整理をして受理会議にはかけなかったということでございますから、国が示している指針で言っているところの受理会議にかける案件という意味では、単なる照会については受理会議までもっていかずに、アドバイスで終わるケースだってあると理解しております。
◆山田[博]委員 これは今後しっかり検証していただきたいと思います。
最後に質問したいと思うんですが、日頃から関係機関との意思疎通を図っておくとあるんです。今回の事件で、小学校6年生の時に給食に異物を混入した時、学校現場にカウンセラーを派遣したり、加害者はカウンセリングを受けたりしていたんです。
これだけのことがあっていて、児童相談所にそういった情報はあったかなかったか、それだけお答えください。
◎林田こども家庭課長 本日、提出をさせていただきました報告書の8ページにも記載していますが、今回の事案に係る児童相談所の対応といたしましては、6月10日の1回のみであったということでございます。後にも前にも1回きりでございます。
◆山田[博]委員 日ごろの業務で大変お忙しい中と思うんですけれども、指針の中で、児童相談所の性格と任務とありまして、児童相談所の目的を達成するために基本的に3つの条件を満たしていることが必要であると書いてある。1つ目は児童福祉に関する高い専門性を有していること、2つ目は地域住民に浸透した機関であること、3つ目に児童福祉に関する機関、施設等の連携が十分図られていること、この3つがあるわけです。
異物混入事件があって、カウンセラーが派遣された時、今後、そういった通報がなくても情報が共有できるような体制をしっかりとやっていただきたいと思います。今後の検証の中にそれをですね。こども政策局長、これは指針にうたわれているんだけれども。
小学校から中学校に上がる時に、カウンセリングを加害者の子は受けた方がいいだろうとなった時、加害者の親がカウンセリングを受けるのを強く拒否したというんです。だから、カウンセリングが途絶えたんです。こういった状況があったんです。だから、地域連携とか、地域住民にしたらですね。これは私たち政治家も一緒ですよ、議員たちも一緒ですよ、これは。
だから、そういった点ではここも検討会議の中に入れて、改めて3つの条件ということに取り組んでいただきたいと思います。
こども政策局長、私はこの施設を、児童相談所をよりよい相談所にしてもらいたいんです。だから言っているんです。時間ですから、最後にそれを聞いて一旦終わりたいと思います。
◎平尾こども政策局長 ただいまのご指摘の点も含めて、児童相談所の対応がどうだったかという検証も当然やってまいります。そういうことの中で、今後、情報の連携、共有のあり方ということも、当然ながら検討会議のテーマになっていこうかと思っております。
◆高比良[末]委員 幾つか質問したいと思いますが、人の命より関係法令の遵守が重要であると言わんばかりの、何か誤解されるような答弁にも私はちょっと感じるんですが、人の秘密を暴こうという気はありませんが、みんな、これを最後にしたい、再発防止を何とか本気で考えたいという気持でやっているのに、あまりにも法の順守と。ある程度のところは言えるだろう。具体的な名前を言えとは言っていないんです。例えば誰が相談したかという時には、弁護士なのか何なのか、それぐらいはね。そこまでせよと書いているのか。まあ、いいでしょう。
人の秘密は開示できないというなら、児童相談所の考えとか対応については、これは秘密ではないんでしょう。いいですか。児童相談所の考え方、あるいは対応の仕方、こう対応したということについては秘密ではないですね。人の秘密ではないですから、その辺についてお聞きします。
こういう電話がかかった、6月10日に。これは重要なんです、この中身が。ところが、1行、2行しかない。「高1女子に関する相談がしたい。児童の名前など言えない」と言いながら、何かずっと言っているわけだな。それを聞いて、児童相談所としては、これは重大な内容だなと感じたのか否か、ここはどうなんですか。これも秘密かな。(「秘密じゃないよ、対応のあり方の問題だ」と呼ぶ者あり)
○中村委員長 しばらく休憩します。
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−午後4時4分 休憩−
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−午後4時4分 再開−
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○中村委員長 委員会を再開します。
◆高比良[末]委員 そこは児童相談所に聞かねばわからないと。そこまでのやりとりはしていないということなのかな。
それから、7ページに書いているように、児童福祉制度や医療、司法制度の活用に関する見解を伝えたと、相談してきた人にね。ここもまた答えきれないのかな。
ということは、身勝手だけど、こういうのは児童相談所に相談されても困ると、あなたがどこか司法とか警察とか、いろんなところに相談せんねと言うたのかどうか。この辺の対応がどうだったのかというのが大事だなと思うんですよ。ここはいかがですか。ここもだめか。
◎林田こども家庭課長 児童福祉制度の内容につきましては、要対協、要保護児童対策地域協議会についてのお問い合わせでございました。それ以上の説明につきましては、申しわけございませんが、相談内容に係る部分ということで控えさせていただきます。
◆高比良[末]委員 推測でしかね、何もお答えがないですから。相談員は、名前は言えないが、自分が扱っている子どもの中に、高1とは出ていますね、とても危険な子どもがいると、どうしたらいいのかということで相談の電話をしましたと、こういうことでかけてきたんじゃないかなと私は思うんですよ。その辺は極めて重大なものだったにもかかわらず、電話をとった人は、私は担当ではありませんのでということで対応されたのか、その辺は何かお答えできるところはありますか。ないですか。
それからいろいろあって、今度は回覧でこの件を回している。回覧をする人は同じ部署にいるんですか、遠隔地にいるのか。重要でないことだから、自治会で回すような回覧で決裁の印鑑を打つだけか。
緊急だと思ったら、危ない、危険だと思ったら、ちょっと寄ってくださいと言って対応するのが普通の対応の仕方なんだけど、ここはどうなんですか。ここも不思議でたまらない。回覧で、次の日も回覧、所長にだけは口頭で伝えたと。いつもこういう仕事をしているのか。これについてはいかがですか。
○中村委員長 しばらく休憩します。
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−午後4時7分 休憩−
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−午後4時8分 再開−
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○中村委員長 委員会を再開します。
◎林田こども家庭課長 回覧をした職員につきましては同じフロアにおります。近くにおりますので、文書回覧ということで、多分、回覧板に付けて電話口頭受理記録を順次回していったということでございます。
もちろんそこの緊急性、重大性の認識につきましては、まさに検証項目かなというふうに思っております。こういった電話口頭受理を回覧で報告という形で終わったということの是非につきましては、今現在も内部検証をやっているところでございます。それにつきましては、内部検証、それから今後の外部検証でしっかり検証、検討を行っていきたいと考えております。
◆高比良[末]委員 回覧は、所長は一番最後で、こども・女性支援課長、相談支援班長、こども保護判定課長、判定班長に回している。どこかで知見のある人が、「あら、これは回覧ではなくて、ちょっと集まらなくてはいかんな」と言う人はいなかったのか。
ということは、前田委員が言うように危機管理が全くなく、通常の相談というふうな受け方をされたというほかないもんね。何かこれはちょっと危ないな、通常の相談じゃないなという認識があれば、初動がずっと違っていたのかもしれないね。その辺についてはどういうふうな見解をお持ちですか。
◎林田こども家庭課長 電話をお受けした6月10日、11日につきましては、今委員からもご指摘がございましたように、結果として、その時の対応は電話口頭受理記録の回覧という形で終わっております。
これは再三申し上げておりますし、今日の報告書の11ページにも挙げておりますように、電話口頭受理記録の回覧という処理が適切だったのかどうなのかといったことは、一つの課題として私たちも認識をしているところでございます。
◆高比良[末]委員 最後にしますが、いろいろ問題を投げかけましたが、ぴたっとした答えが返ってきていません。この辺がはっきりしないことには、再発防止のための意見も議会としてはいろいろ言えないし、また、本当の再発防止対策もできないのではないかと思いますので、この辺はしっかり明らかにして、今後対策に取り組んでいただければと思いますので、要望しておきたいと思います。
◆山田[朋]委員 先ほどからいろいろと質疑がなされていますが、6月10日の通報の際、通報者と通報の内容は言えないということですけれども、一部報道によると、人を殺しかねないというような本当に緊急性のある通報があったと私は思っております。
ただ、児童相談所においては、関係機関からの問い合わせというふうなことで、今回は個別の相談ケースにも上がらず、受理会議を開く案件ではなかったというふうに処理をされたこと自体が本当におかしいと私は思います。
残念ながら通報内容がわからないから、こちらで議論をすることはできないけれども、どうしてそういうふうに関係機関からのただの問い合わせと思ったのかということ、ここがとても大きな事だと思います。そのことに関して見解を求めるのは難しいと思いますが、先ほど山田(博)委員が言われましたように、全ての事例において受理会議を開くべきという指針も出されているということであればなおのこと、これからは、どんな案件に関してもしっかりと受理会議を開く。
回覧という一つの手段かもしれませんが、それではなかなか温度が伝わりません。同じフロアにいて、限られた人数の中においては、話をする時間は数分程度でできかもしれません。しっかりとやるべきだということも併せて申し上げておきます。
その後の対応ですけれども、こういうふうに年間4,000件以上、いろいろな相談が上がっています。それを全て後追いするのは難しい。私はいつも言っています。児童相談所は人が足りていないと思っております。その限られた数の人で一生懸命やられています。
でも、問い合わせに対してもう一回後追いをしておれば。6月10日に電話があり、折り返しかけたということは相手の連絡先も把握していたんですから、後追いをするということが今後は重要と私は思います。
現在の児童相談所では、きた案件に対してケース、ケースで後追いをしていると思いますけど、一般的にどういうふうに対応しているのか、お聞かせください。
◎林田こども家庭課長 一般的な対応といたしましては、報告書の16ページに「相談業務の流れ」をお示ししております。相談をお受けした後で受理会議にかけまして、その後、調査、診断等を経まして、その支援方針を決定した後で実際の指導とか措置に入っていくと、一般的な対応としては16ページの資料のとおりでございます。
◆山田[朋]委員 それが一般的な対応でしょうけど、電話相談があって、1回で終わったものの後追いです。その後に支援したり各種機関につないだものは別として、電話相談があっても単発で終わった場合です。例えば、ちょっとグレーなものもあると思うんです。その時はどうしているのかと聞いているんです。
◎林田こども家庭課長 ケース・バイ・ケースかとは思うんですけれども、場合によっては確認の電話をかけたり、調査をしたりといった形で対応するケースももちろんございます。
◆山田[朋]委員 私は、児童相談所は命の最前線の現場だと思っています。児童相談所への電話とか通報は、虐待にしても何にしても、電話をかける方は必死にかけるんですよ。私はこの間の委員会でも申し上げました。時間外の電話対応で、後日で大丈夫だというふうに判断したと言われたけれども、そこを私は必ずつないでほしいと思うんです。その時につないでいただきたい。そうしないと、2度、3度となかなかかけられないんですよ。
ケース・バイ・ケースによって後追いをすると言われましたけれども、本当に人が足りないのはよくわかっています、現場の人が大変なのはわかっているけれども、本当に命の最前線の現場にいるということを児童相談所はわかっていただいた上で、人が足りないなら県費を投入して人材を確保すべきと私は思っております。
だから、何でもかんでもグレーだと思ってください。かかってきたものは厳しいと思ってください。後追いをしてほしいと思います。
今回のことを受けて、児童相談所として、これからいろいろ各種検討会議が行われると思いますけれども、かかってきた電話とか相談に対する後追いをしっかりやろうということも一つちゃんと議論をしていただきたいと思いますけど、考えをお聞かせください。
◎林田こども家庭課長 11ページ以降で、課題、検証項目ということで、大項目6点ほどご報告をさせていただいております。その1番に、児童相談所が電話口頭受理記録の回覧という形で終わったことの是非を含めて検証してまいりますというご説明をさせていただいております。そのほか2項目以降の項目を含めまして、いろんな角度から、今回の対応の是非、あるいは、そのほかの関連事項も含めまして、しっかり検証、検討をやっていきたいと考えております。
◆山田[朋]委員 11ページに、児童福祉法第25条による通告と捉えなかったのかという問題がありました。これは国民の義務として通告をするようになっています。これをもし通告として捉えたならば、どういうふうな対応をしたのかをお聞かせください。
◎林田こども家庭課長 児童福祉法第25条では、要保護児童発見者の通告の義務について規定をしています。そういった要保護児童を発見した者は、市町村福祉事務所または児童相談所に通告をしなければならないというふうに規定されています。
発信者からの相談を要保護児童発見者の通告として捉えまして、児童相談所が相談を受理して支援を開始する契機とすることが見込めれば、児童を特定する手段として、この規定を活用できないかといったことにつきまして、今後検討していきたいと考えております。
◆山田[朋]委員 今の課長の答弁の見込めればとか、そんなものではないんですよ。もう限りなく、本当にグレーだと思ってください。もしかしたらその子の命にかかわることだと、最悪のパターンを考えて現場は対応してほしいと思います。
通話の内容の一部だけを先ほど課長が答弁してくださいました。児童福祉制度は要対協のことであると言われました。
12ページにも要対協のことを書いていますが、一部報道によると佐世保市も、もし児童相談所から要対協を開いてくれという旨を言われたら開けたのにというコメントをしています。
私も予算総括質疑で申し上げました。要対協は守秘義務がかかっている。法律で罰則がしっかりかかっていて、唯一、情報を各機関が出し合って子どもたちを守ることができる最終のセーフティネットだと私は思っています。そこの活用ができていればというのが、私は大きな鍵だというふうに思っております。
児童が特定されていない中で要対協を開くことができなかったかというのは、どのような見解をお持ちでしょうか。
○中村委員長 しばらく休憩します。
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−午後4時21分 休憩−
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−午後4時22分 再開−
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○中村委員長 委員会を再開します。
◎林田こども家庭課長 要対協の個別ケース検討会議におきましては、特定された児童に関わる、あるいは関わることが期待される機関等、例えば学校とか福祉関係の機関等々を集めまして情報共有を行って、役割分担を行う場だというふうに認識をしております。
そういった関係機関が寄って、まずは児童を特定するといったところの協議検討を行っていくという形で、要対協が機能すればということで、要対協にはそういった児童を特定するところにまず注力すべきではないかというふうに考えておりまして、そういった意味で、児童が特定されない中で要対協の活用ができるかといったことについては、今後の検討課題ではなかろうかと考えております。
◆山田[朋]委員 今回どういう通報があったかわかりませんが、新聞で報道されているようなキーワードであれば、その情報を関係機関が持ち寄りさえすれば、個人の特定もできたと思います。積極的に要対協の活用をしていただくことをお願い申し上げたいと思います。
次に、12ページの6に、危険度を判断するためのチェックリストや重要事案等の対応マニュアルの策定が必要ではないかとありました。
私は、正直非常に驚きました。児童相談所だから、当然ながらいろいろな個別ケースに対してのマニュアル等があると思っておりました。しかしながら、現状はないと。要は、今までは現場の勘や経験だけで物事を判断していたんだというふうなことで非常に驚いたところです。
ここに「必要ではないか」とあるので、今はないということだと思いますけれども、今までどういうふうにやっていたのか。まず、やっていたのかどうかと、これからはこれをつくるということが本当に最重要だと思いますけど、その辺の見解を求めます。
◎林田こども家庭課長 虐待事案につきましては、国の指針等に基づいて判断がなされているというふうに認識しています。それ以外のもので、危険度を判断する指標とか、その対応方法について定めたマニュアル類は標準化をされていないところでございます。そのために、ケースごとの調整とか、あるいは十分な検討を行う中で事案の解決を図っているものというふうに考えております。
したがいまして、この点につきましても今後の検証、検討の中で、現場の意見、あるいは専門家のご意見等も十分踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
◆山田[朋]委員 児童相談所は、虐待だけに主眼を置くものではないと思います。子どもが自らの命を傷つけたり、人を傷つけたりすることとか、個々の子どもたちの抱えている問題は複雑にいろいろあると思います。これからは、今言われたと思いますけれども、子どもたちを守るためのしっかりとしたマニュアル等々をつくっていただいて、その判断は人によって変わってくると思いますので、しっかりとしたものをつくっていただきたいと思います。
最後に1点。この報告書を見る限り、6月10日の電話が1件だけしかなかったように書いてありますけれども、事件が起きる前日に保護者からの電話が児童相談所にあったと、県の担当者からだったか、マスコミからだったか聞いた記憶があるんですけれども、このことが書いていないように思います。この件に関しては、そちらとしてはどのように対応しているのかをお聞かせください。
◎林田こども家庭課長 7月25日の夕方に電話があったという事実だけは、8月22日の臨時の文教厚生委員会の中で口頭でご説明をさせていただいております。その際にもご説明申し上げましたけれども、この電話と本事案との関連につきましては不明であるということで、今回の検証の対象とはしていないということでございます。
◆山田[朋]委員 一部、保護者であるようなことも聞いたかと思うんですけど。6月10日の分に関しては、こちらからまた改めて電話をかけていますね。この分に関しては、連絡先等も聞かなかったということですね。こちらから後追いすることができない状況にあったんですか、この通話に関しては。どうなんですか。
◎林田こども家庭課長 6月10日の電話につきましては、発信者はご自分の名前を名乗っておられますので特定ができておりますけれども、事件の前日の夕方にかかってきた電話につきましては匿名でございますし、要件等々をお尋ねしたけれども、そこには回答がなく電話は切れたと、そういう状況でございます。
◆山田[朋]委員 この電話の内容に関しては、高1女子についての相談があるとか、そういったことも一切なく、電話相談ができる人が今は時間外でいないから後日かけ直す、で終わったということですね。わかりました。
◆溝口委員 先ほどから高比良(末)委員の質問を聞きながら、私もちょっと不思議な感じがしてきましたので、ちょっと聞かせていただきたいと思うんです。
当初6月10日には、受話時には「高1女児に関する相談がしたい。児童の名前は言えない」ということですけれども、児童のことについて聞きたいということなんですよね。それで、こども保護判定課は、その内容を児童福祉制度の利用に関するお尋ねだろうと判断をした。その内容について、なぜそういう判断をしたのかがわからないんです。
それと同時に、この6月10日の電話がどのくらいの時間あったのか、そこら辺についてお答えができればお聞きしたいと思います。
◎林田こども家庭課長 6月10日の電話につきましては、時間としては、先ほども申し上げましたが、20分程度だったというふうにお聞きしております。
内容について申し上げることは控えさせていただきますけれども、対応につきましては、先ほど来申し上げておりますように、結果として、この電話は制度の照会に係る電話だったということで、それに対する児童相談所としての見解を申し上げて電話は終わったということでございます。
その時の判断はそういうことでございますけれども、先ほどから申し上げておりますように、その対応でよかったのかどうなのかということについては、今、検証を行っているところでございます。
◆溝口委員 その内容が児童福祉制度の利用に関することと判断するのに、こども保護判定課は何人かで判断をしているんですね。何人の方々で検討したんですか。
◎林田こども家庭課長 こども保護判定課の職員が対応しておりまして、その職員が、児童福祉制度の利用に関するお尋ねだったということで、それを班長に相談をしたという経過がございます。ですから、結果として2人でそういうふうに判断をしたということでございます。
◆溝口委員 2人で判断したということは、その時からあまり危機感はなくて、児童福祉制度の利用という判断を2人だけでしたということなんですね。
それでは、わざわざ2階で研修会に参加したAに電話の内容を伝えて、またBに電話をするよう依頼したのはなんでですか。わざわざAがしなければいけなかったんですか。
◎林田こども家庭課長 最初に発信者からの電話をとったのはこども保護判定課の職員ですけれども、この相談をお受けする相談担当は、こども・女性支援課の相談支援班の職員が本来の担当でございます。ですから、電話を取った職員は一旦電話を切りまして、本来の担当であるこども・女性支援課の相談支援班の担当に電話をかけ直すように伝えて、担当の方から再度電話を差し上げたと、そういう経過でございます。
◆溝口委員 わかりました。
その電話をやりとりしながら、多分いろいろな相談があっているから、Bの方が、ほかにも情報があれば連絡してほしいという旨の要望をしたんじゃないですか。ただこの制度だけだったら、そういうことまで聞きますかね。
それで、最初の電話も20分、これも20分程度、話をしているんですよね。違うんですか、電話の対応時間。
◎林田こども家庭課長 ちょっと説明が足らずに失礼をいたしました。
先ほど、電話対応を20分程度と申し上げましたのは、本来の担当から電話をかけ直した後の時間が20分程度だったということでございます。
◆溝口委員 先ほど私は、6月10日にかかった第1回目の電話はどのぐらいの時間がかかったんですかと、時間がわかれば教えてくださいと言ったんですよ。2回目の部分については20分程度というのは、書いてあるからわかります。
◎林田こども家庭課長 7ページの@のところの経過についてのお尋ねかと思いますが、これについては本来の担当ではなくて、たまたま、かかってきた電話を取った職員が要件をお聞きしたという程度のやりとりでございますので、時間にしたら2〜3分程度ではなかったかと思います。
◆溝口委員 それでは、一連の中でAにつないでからが20分間かかったわけですね、児童福祉制度や医療、司法制度の活用に関することを伝えて。
それで、事件の関わりですけれども、7月27日の事件報道後、同日にAがBに電話をかけ、その後、電話をかわった所長が、6月10日の問題についていろんなことを聞いて対象児であることを確認したということですけれども、なぜその対象児を確認しなければいけなかったのか。制度のお尋ねだったらそんなことまで聞く必要はなかったんじゃないか、中身はいろいろと相談があっていたんじゃないかという気がするわけですけれども、なぜわざわざそこを聞かなければいけなかったのか、そこら辺についての聞き取りはありますか。
◎林田こども家庭課長 児童相談所ですから、子どもに係るいろんなご相談をお受けしておりますので、こういう重大事件が発生したという報道を受けまして、児童相談所の方で調べた結果、この案件の児童に係る事案ではなかろうかということで確認をしたというふうに聞いております。
◆溝口委員 Bにわざわざ確認をとるところが、やっぱり6月10日の相談の中で児童に対するいろんなことを聞かれたわけでしょう。制度だけではなくて、高校1年生の女児についていろんな相談が、少し内容があっているわけでしょう。そのことについては新聞報道等にいろいろありますけど、こちらのセンターには、そういう相談はこの電話の中で何にもなかったんですか。
◎平尾こども政策局長 先ほどから具体的な相談の内容あたりのお話に入ってきているかと思っております。申し訳ございませんけれども、6ページのところで(3)の調査結果の一番下の「なお書き」で書かせていただいているところの、関係法令等の規定により、その職務上知り得た人の秘密というような部分で開示が困難であるということでご理解いただければと思っております。
◆溝口委員 やっぱり高校1年生の女児についての相談は、別にあっているんですよね、制度以外に。それだけ確認したいんです。あっているんですよね、中身は言えないとしても。あっていたんでしょう。先ほどから聞いていたら、何もない感じでずっと進んでいくからですね。事件が起きた時に、なんでわざわざそれを聞かなければいけなかったかという部分につながらないんですよ。やっぱり児童についての相談が何かあっているから、ここにたどり着いたわけでしょう。そこら辺があったか、なかったかだけ聞かせてください。
◎林田こども家庭課長 内容については触れることができませんけれども、今、委員おっしゃったように、この高1女子の状態像といいますか、それについてのお話が電話の中であったのは事実でございます。(発言する者あり)
◆溝口委員 わかりました。
そうしたら、相談があっているなら、内容は要りませんけど、そのことを重大なこととして考えないで、センターが会議を開かなかったというのは大きな問題につながっていくんじゃないですか。(発言する者あり)
◆中山委員 今言ったように、最初は相談で受け取って、最終的に照会でしたと、そういう子どもについて実質的に相談があったということになると、照会で済まされんよ、これは。(発言する者あり)撤回になるよ。(発言する者あり)
○中村委員長 しばらく休憩します。
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−午後4時41分 休憩−
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−午後4時43分 再開−
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○中村委員長 委員会を再開します。
もう一回答弁してください。
◎林田こども家庭課長 高1女児に関する状態像の説明があった後で、児童福祉制度に関する照会があったということで、そういう処理を行っているということでございます。(発言する者あり)
◆溝口委員 だから、高1女児に対することがいろいろと、中身はそういうのがちょっとあっているわけよね、内容は言えないけど。だから、そのことについてセンターが受け入れて会議を開かなかったという部分については、私はおかしいんじゃないですかと。今日、新聞報道でもあっていましたけれども、相談があったなら、それを重大に考えて、そこの中身について判断するための努力をする必要があったと思うんですよ、ただ回覧の中で所長に回していくだけじゃなくて。
それも判断を班長と2人だけで、判断をしているわけでしょう。それってやっぱりおかしいんじゃないですか。(発言する者あり)
○中村委員長 しばらく休憩します。
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−午後4時45分 休憩−
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−午後4時47分 再開−
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○中村委員長 再開します。
◎林田こども家庭課長 高1女児に関する状態像についてのご説明があった後で、児童福祉制度に係る制度の照会があったということで、照会処理という形の処理にしたところでございます。
ただ、各委員からご指摘があっているように、また、本日のご報告の中でも触れていますが、その点についても課題だというふうに認識をしておりますので、今やっております内部の検証、それから今後の外部の検討会の中でもしっかり、その点も含めて検証、検討を行っていきたいと考えております。
◆山田[博]委員 こども家庭課長、これは大切なところだからね。今後のよりよい児童相談所であるために確認しているわけだよ。
6月10日に話があった時に、法律的なことの照会と今回の事件に関する相談みたいなことがあったということでしょう。その2つがあったんだけれども、全部を照会という形にしたのかと言っているんだよ。そういうことでしょう。全部引っくるめて照会にしたということでしょう。今回の電話内容は、女児に関するこういった状態の説明もあったと、あと、法律的なことを教えてくださいと言ったということで、結局はそれを1つの照会という形にしてしまったということで理解していいんですね。
じゃ、私たちは、そういったことを聞いたら相談と認識されてもおかしくないじゃないかということを言いたいわけです。
◎林田こども家庭課長 先ほども申し上げましたけれども、高1女児に関する状態像についてのご説明があった後で制度に関するご照会があったということで、その時は最終的に制度の照会だという整理をしたということでございます。
ただ、何度も申し上げますけれども、その処理が適切だったのかどうなのかといった点につきましては、検証、検討をしっかりやっていきたいということでございます。
◆山田[博]委員 そういった状態であれば、私は言っておきますけれども、単なる照会じゃなくて相談という形で認識しなければいけなかったと強く言っておきますよ。そういった子どものことまで言ったんだから、そんな状態でこういうふうに説明を受けたら、普通は相談として認識をしなければいかんということを言っておきます。
◆山口委員 時間も押してきましたので、いろいろ議論もしたいんですが、15ページ以降の資料の関係を含めて、数値的な部分で質問をします。
本件は、こども政策局と教育委員会、両方でそれぞれ検証、対策をやろうということですけど、教育委員会の立場からいけば、小学校、中学校、高校と当事者、加害少女をずっと見てきているので、その間に、異物混入であったり、バット殴打事件があったり、人を殺したいとか、そういう関係で一歩踏み込む部分があったんですが、それは今まで議論してきました。
皆さんの場合はこども政策局、児童相談所の窓口では1本の関係で、今こうやって皆さん方、我々を含めて、その対応は正しかったのか、正しくなかったのかも含めて、今後どうあるべきかを含めて今議論をしているわけです。そういうことで、一般的な児童相談所の負荷といいますか、いわゆる対応力といいますか、このことについてちょっと聞きます。
1年間に平成25年度は4,441件の対応を皆さん方児童相談所はやっている。佐世保は1日になおすと大体5件ですよ。長崎の場合が1日15件ですね。佐世保の場合は、平日は窓口対応が14名おられるので、1日5件ぐらいかかってきても丁寧に対応できるという判断をしておるんです。
そういうことで、佐世保だけについて聞きますけれども、対面での窓口には1日何名置かれていますか。休日、土日の関係も含めてご説明ください。
◎柿田こども家庭課参事 15ページの組織図にありますように、佐世保児童相談所に関しては、平日は13人が相談対応に当たりますが、日曜に相談開設しておりまして2人が対応しますので、そのためのローテーションということで1人、2人が日々欠けるような感じになりますし、あとは出張等の用務もありますので、必ずしも13人が全員いるということではないという状況にあります。
◆山口委員 ということは、通常平日は、2人は窓口対応ができるような体制にしているわけね。14人おられるわけですからね、頭数は、この数値から見たら。(発言する者あり)14名とも対応はできるわけね。だけど重点的に対応する人は誰というのは大体決めておるんでしょう。それはわかった。
それで、土日はどう対応しているんですか。
◎柿田こども家庭課参事 佐世保は日曜日に2人、当番制でおります。長崎は土曜も日曜も2人ずつおります。
◆山口委員 それで、4,441件のうち4,436件の案件を処理したとなっておるわけね。
今一番問題になっているのは、この受理会議なんです。4,436件を対象とした時に、受理会議は何件、何%やっておられるんですか。(発言する者あり)
◎林田こども家庭課長 申し訳ありません。今、そのデータは持ち合わせておりません。
◆山口委員 その点は、先ほど山田(博)委員からも盛んに発言があっておりますように、受付けたら全件受理会議にかけなければならないと基本的にはなっておるということなんですよ。それを、ものの軽重があるにしても、本当にわかりませんぐらいのことでいいのかなというのが、ここが引っ掛かっておるから、今回の案件が発生したんでしょう。ここがポイントなんですよ。後で調査してください。
それで、受理会議と判定会議は同一メンバーですか。
◎柿田こども家庭課参事 同じメンバーです。
◆山口委員 今回の案件の相談者の関係ですから、皆さんには直接じゃないんだけど、実際我々民間人として、この案件について児童相談所に相談をした場合には、必ず氏名を名乗っていいわけです。なぜかというと守秘義務に問われないわけです。この少年は、少女ですが少年という言葉でいきましょうかね。この少年は、今後罪を犯す恐れのある少年なんです。いわゆる虞犯少年です。過去の経歴から、そう判断して児童相談所に電話をされたわけです。
ということは、氏名をきちっと、素性を名乗って報告していいんです。そういうふうになっている。法律的にも、その人は問われないように少年法はなっています。虞犯少年に対する処置は通告ができるようになっているわけです。
それをあなた方に言ってもしようがないんだけれども、我々は守秘義務という大きな壁をあまりにも受け止め過ぎて、そこのところの風通しというか、いわゆる真理につながっていかない部分を抱えているような気がします。それは今後、この案件でマスコミの皆さんを含めてちゃんと報道がなされることによって、県民の皆さんは認識が変わってくると思います。そこのところは、お互いに丁寧に今後対応をしていかなければならないということです。
もう時間がありませんから言いますが、特に今回は、今言った守秘義務の関係も含めて法的な関係が問われているわけです。そういう面では、弁護士を含めて対策会議を今からやりますので、そこのメンバーに法律に精通した人をどれぐらい入れようと考えているのか、お聞きをしておきます。
◎林田こども家庭課長 メンバーの選定については今検討しているところでございますが、法律の専門家につきましても2名程度入っていただく方向で検討しているところでございます。
◆山口委員 必ず複数名、できれば3名以上が望ましいと思います。なぜかというと、弁護士といえども、同じ案件に対しても主義主張が異なると思います。異なっていいんですよ。だとしたら、複数名というのは3名以上が望ましいのかなという気がしています。
そういうことで、今後、こども政策局が原因検証をして対策をつくりますね。教育委員会は教育委員会でつくります。
それを再発させないためには、長崎県として、こども政策局と教育委員会ががちっと一緒になって、本当に将来的に再発をさせない仕組を、対策をするということになってくると思いますが、どのような体制でどういう方向性で臨もうとしておられますか。
◎平尾こども政策局長 この点については、一般質問でも予算決算委員会の総括質疑でもお答えさせていただいているとおりでございまして、教育委員会におきましては学校の教育のシステム、学校運営のあり方についてきちっと検証をいたすということで今進められております。
我々も今ここでご報告し、まだ不十分な点はございますけれども、これからまたきちっと検証をしていく中で、児童相談所としてはどういうふうな対応をしていくかというところが一番ポイントでございます。再発防止に向けてという大きな意味では、これまで取り組んできたところの青少年の健全育成のあり方がどうだったかという部分も含めて、再発防止に一番資する方法は何かというようなところについては、それぞれの外部の専門家も入った形での調査委員会がなされます。そのメンバーも入っていただいた形で総合検討会議をやっていきたいと思っておりますので、そういう中でのご見識、知見も十分に活かさせていただきながら方向性を定めてまいりたいと思っております。
◆山口委員 要するに1本できちっとした対策会議が持たれて、その中でこども政策局としてきちっと言える状況がつくられるということですね。しっかりお願いをいたしておきます。
◆高比良[末]委員 資料のつくり方ですが、「佐世保市内女子高校生の対応事案に係る調査状況説明」と表題は一緒なんです。概況も経過発表というのは同じものでなければいかんけど、知事部局と教育委員会で状況と言っているが、かなり違うんですよね。
今後、県として1本化してのいろんな対策会議もありますし、この辺はある程度そろえておく方がよろしいんじゃないかなと思いますので、教育委員会と知事部局、内部部署から統一をされた方がいいんじゃないかなというふうに思いますので、ご検討をいただければと思います。
○中村委員長 しばらく休憩をいたします。
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−午後5時1分 休憩−
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−午後5時2分 再開−
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○中村委員長 再開します。
答えてください。
◎柿田こども家庭課参事 発信者のヒアリングについてですが、こども政策局から発信者に対して、佐世保事件発生前の発信者からの電話に対する当時の児童相談所の対応について、3点を検証する目的で行われますという趣旨説明を行いました。
3点というのは、この事件発生を回避できる方法がなかったか、当時の児童相談所が実際にとった具体的対応は妥当だったか、事件を未然に防ぐためにほかにとるべき、あるいはとり得る対応方法はなかったのかという点についてお聞きしたいということでした。
この趣意説明をお伝えしましたところ、先ほど課長が述べたとおり、事前にご自分で、これに見合う内容と目されるものを文書で用意され、それを読み上げる形で私たちに回答とされました。
なお、こちらで用意していた相談者に対するヒアリング項目は、緊急性、重大性について、6月10日の児童相談所への電話の意図の確認、相談趣旨の確認、助言内容の確認、助言の妥当性、匿名相談について等の内容です。
それから、この文書については、発信者は公表を前提にしておられますが、公表については検証作業が終了した最終段階での公表を希望していると、今回は中途ということで、発信者の意向で今回は公表を控えさせていただいております。
◆前田委員 最後の最後になって、そんな補足説明が出てくると思わなかったんだけれども、今おっしゃった3点のことを伝えた上で、それとは別に、発信者が用意していたものを読み上げたと。しかし、先ほどのやりとりの中では、そういったお尋ねの項目を用意していたけれども、そのことも包含する形で向こうの申し伝えがあったということになれば、1つ聞きますけれども、今3点言った中で、ざっくりしか聞いていないけれども、回避する方法があったのではないかというような問いかけに対して、包含するような内容の発信者のお答えというのは、事細かに言わなくていいけれども、それはもうイエス、ノーでいいけれども、回避することができた、できなかった、どっちだったんですか。という聞かれ方になるよ、そんなことが出てきたら。
ちょっと、答弁しない方がいいと思うよ、あなたは。(発言する者あり)立場的にも言えないって、多分。
○中村委員長 しばらく休憩します。
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−午後5時5分 休憩−
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−午後5時10分 再開−
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○中村委員長 それでは、再開いたします。
本日の会議はここまでにとどめ、明日、朝10時から再開をいたしますので、よろしくお願いいたします。
本日はこれにて散会いたします。お疲れさまでした。
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−午後5時11分 散会−
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