平成27年  予算決算委員会環境生活分科会 - 10月28日−04号

【交通局の審査における質問。】
◆溝口委員 今の説明では、長崎県の交通事業会計決算のほうですけれども、会計基準の見直しというのは、平成26年度どういうふうに見直されたのか。今までも退職金を引き当ててきていたと思うんですけれども、全然引き当ててなかったんですかね。
◎笠山管理部長 退職給与引当金でございますが、これまで引き当ては行っておりませんでした。
 さらに、会計基準の見直しの内容でございますけれども、平成24年に国のほうで会計基準の見直しを行うということが決まりまして、平成26年度の予算及び決算から適用するということになっております。その趣旨は、民間の企業会計基準のグローバル化等を踏まえ、比較が可能な内容というふうな趣旨でございます。
 その内容でございますが、この会計基準の影響額として申し上げたいと思います。大きく4つございます。
 まず、今ご指摘いただきました、退職給付引当金でございますが、これまで退職給与費の支払いにつきましては、通常の年よりも多く退職があった場合につきましては、交通局の収支につきましてはご説明しましたけれども、収益的収支、資本的収支、2つの収支で整理をしておりますが、通常よりも多く退職があった場合、希望退職とか、そういう場合は資本的収支で支払いをいたしまして、当該年度の退職金の影響を分散させるということで、5年間に分割して費用化しておりました。そういった支払いの仕方をしておったんですが、今回、退職給付引当金として17億円計上いたしたところでございます。
 2つ目が賞与引当金の計上でございますが、これは次年度の夏のボーナスに支給する期末勤勉手当のうち、今年度、この決算でいきますと平成27年度の夏のボーナスに反映させる部分について、平成26年度の12月から3月、この間の起因する部分について引当金として計上するということで、これが1億5,800万円。
 それから、貸倒引当金ということで、未収債権にかかる将来の不納欠損見込額について引き当てをいたす分が7,000万円。
 最後に、冒頭申し上げましたけれども、繰延勘定の廃止ということで、先ほどご説明しましたとおり、当年度に支払うもののうち、その効果が次年度以降に及ぶものについて、効果の発生する期間の収益に対応して評価すると。交通局の場合は退職給与の分が相当するんですけれども、繰延勘定という言い方をしておったんですが、この繰延勘定が廃止されるということでございます。
 以上、申し上げた3つの部分、A3の資料で申し上げたんですけれども、事業費用の下に特別損失と書いておりますが、右側に会計基準見直しに伴う影響として3つ書いています。退職引当金、賞与関係引当金、貸倒引当金。それと営業外費用のところに書いております。一つ上でございますが、会計基準見直しに伴う影響、退手繰延償却で、矢印の右側の364、この4つの数字を合計した部分が、下に書いております会計基準見直し影響額23億2,300万円ということで記載させていただいております。
◆溝口委員 そうしたら、退職引当金が17億3,100万円ということですけれども、賞与引当金は毎年発生してくることになってくるんじゃないかと思うんですけれども、その辺の手当てについてはどのように考えているんですか。
 また、先ほど退職引当金は収益から引くのはちょっと困難であるので、一般会計からと言ったんですかね、説明の中で。資本的収支の中ですると言ったんですかね。ちょっとそこら辺、明確に、もやもやと言われたので、わからなかったものですから。
◎笠山管理部長 先ほどの説明が不十分ですみません。
 一般会計からということではありませんで、交通局の会計といいますか、会計処理の中で収益的収支、これは単年度、単年度の営業活動に伴う費用と収益を整理いたしております。それから、投資活動の収支を整理した分が資本的収支、いずれも交通局内部の会計の処理でございます。
 通常、退職者が発生するわけなんですけれども、退職者が非常に多かった場合につきましては、多かった部分につきまして当該年度の収支に影響を与えるということでございますので、平均的な退職者数を上回る退職者数については、資本的収支のほうで支払いをいたしまして、そこにかかる費用につきましては後年度5年間で分割して収益的収支のほうで費用を上げていくというやり方を行っておりました。
 この退職給付引当金につきましては、平成26年度から会計基準の見直しの適用がございましたので、平成26年度期首で交通局の正規職員350名分の退職給付に必要な額として17億3,000万円計上したわけでございます。
 その後、退職者数の増減と職員数の増減等、当然ございますので、平成26年度中の費用として1億3,300万円ほどまた費用化いたしまして、平成26年度期末としては17億4,000万円の引当額になっています。
 そういう状況でございまして、毎年度、その年度、年度の職員数に応じて必要な額を積み立てていくと、その段階で費用化させていただくということで考えております。
◆溝口委員 丁寧に説明していただいて、ありがとうございます。
 ただ、退職引当金は、これで17億円は一遍に落としたんですけれども、毎年どのくらいぐらいの比率で退職引当金を落としていくようになるのか。
 それで、賞与引当金については1億5,800万円、これはずっと毎年、大体そういう形になってくるんですかね。
◎笠山管理部長 退職給付引当金の見込みでございますが、こちらは職員数の状況にもかかわるものでございますので、先ほど平成26年度の状況を申し上げたんですけれども、1億3,400万円ほどと、年度によって若干変動が出てくる、そういった額の費用化を毎年度していくということになろうかと考えております。
 それから、賞与引当金のほうも、給与制度の変更があれば、それに基づいて引き当てを行うことになりますけれども、大体1億3,000万円ほどの額で推移するのではないかと考えております、引き当ての額としてはですね。
◆溝口委員 それで、今回、剰余金処分後ということで、1億9,400万円ですね。これは毎年度発生するんですかね、1億9,400万円というのは。今回は、25億1,700万円が欠損ということになってきているということですね。
 これは、さっき資本的収支のあれで処理していった場合、大体来年度はどういうふうな形になってくるんですか。来年度といったらおかしいけれども、今年のことになるんだろうから。回収がきれいにできていくのかなと思って、ちょっと心配になってきたものですから。
◎笠山管理部長 A3の資料の下に書いてあります数字でございますが、今年度の消費税抜きの収支、当年度純損益が24億8,700万円でございます。こちらにつきましては、下から2つ目の数字で書いておりますけれども、利益剰余金、欠損金としましては、25億1,700万円。
 この数字に至った背景なんですけれども、平成25年度の累積欠損金が1億6,500万円ございまして、あわせまして、今回の会計基準の見直しによって利益剰余金として振り替えることができた部分が1億3,500万円ございまして、これの加算、減算をいたした結果、24億8,700万円から25億1,700万円になっております。
 こちらの額から、さらに1億9,500万円になっているんですけれども、これは右側に記載しております、「平成26年度末未処理欠損金25億1,700万円のうち、会計基準見直し影響額23億2,300万円については資本剰余金の処分により補てんを受ける」と書かせていただいておりますが、この25億1,700万円から23億2,300万円を差し引いた残りの数字とさせていただきます。
 まず、今年度の処理でございますが、この25億1,700万円が利益剰余金、欠損金なんですが、残っておりまして、今回の会計基準の見直しにより、こういった大きな額が出ております。実際、23億2,300万円を除きますと、1億9,400万円ベースの数字になります。今回、国のほうで制度改正をしておるんですけれども、この会計基準の見直しによる23億円余りの数字については、資本または資本剰余金の処分により補てんすることが可能ということで予定されておりまして、今後の議会で、こちらの処分についてご審議賜りたいと考えております。
 その処分をお認めいただきますと、処分後の額というのは1億9,400万円、こちらが、先ほど申し上げましたけれども、昨年度1億6,500万円の累積欠損金があると申し上げたんですけれども、累積欠損金としては1億9,400万円というベースの数字になろうかと考えております。
 今後でございますが、こちらは決算とはちょっと離れてくるんですが、私どもは中期経営計画を策定させていただいて実施中でございます。平成27年度が5年計画の真ん中の年になっておりますけれども、中期経営計画を着実に実施することによって、こういった累積欠損金を解消していくべく収支改善を図り、収支均衡を目指しております。
 ちなみに、平成26年度の中期経営計画の実施状況なんですけれども、予定を上回る改善ということで、1億2,000万円ほど改善した収支とすることができました。あわせて、平成27年度の予算につきましても、収支均衡予算ということで、もともと中期経営計画では平成28年度に収支均衡とする予定でございましたけれども、これを1年前倒しして、予算上でございますけれども、させていただいているということで、今後も中期経営計画を着実に実行することによって経営健全化を進め、県民の皆様に生活路線の確保と、あるいは観光振興という県営バスの役割をしっかりと果たしていきたいと考えております。
◆溝口委員 資本剰余金から処分を今回の議会で行うということで、議会の承認を得るということですけれども、ちなみに、資本剰余金は、現在、大体どれくらいあるんですか。
◎笠山管理部長 まず、資本剰余金でございますが、例えば土地などの固定資産を取得する際に受けた寄附金や移転補償金など、企業債と異なり返済の必要がない資本取引上の剰余金のことでございます。これは資本の部に留保されて、内部留保という形で赤字の補てん等に充てることができるとされております。
 資本剰余金の額なんですけれども、現在、42億4,200万円ございます。このうち、先ほど寄附とか、補償金とか申し上げたんですけれども、土地にかかる移転補償金等が39億6,000万円ございます。こういった資本剰余金の額を踏まえまして、42億円のうち、この土地にかかる移転補償金に伴う資本剰余金から処分させていただきたいと考えております。
◆溝口委員 わかりました。一応、資本剰余金は、使える範囲が決められているんですよね。違うんですかね。大体赤字補てんとかそういうものには完全に使っていいということになっているんですか。資本剰余金の使用についてはどのようなシステムになっているんですか。
◎笠山管理部長 資本剰余金でございますが、通常は、先ほど申し上げましたように、寄附金、あるいは補助金、例えば当局の場合はバスの購入が非常に多くあります。バスの購入をいたしますと、例えば負債で対応する場合もありますし、ほかの投資関係でいきますと、補助金が入る場合もございます。そういった補助金が入る投資の場合につきましては、当然、バスを購入して資産に計上するわけなんですけれども、その補助金の部分につきましては、これまで資本の中の資本剰余金に留保しておりました。先ほど申し上げましたように、土地にかかる移転補償金につきましても、資本剰余金の中に留保してまいりました。
 補助金につきましては、今回の会計基準の見直しにより、資本剰余金から外出しをしまして、長期前受金という科目に計上することになったわけでございますけれども、もともと補助金につきましては、ずっと減価償却をしていく中で補助金部分だけが残っていく形であったわけですけれども、バスの例でいきますと、バスを除却する際に、残っている補助金を収益化できることになっております。
 あわせて、移転補償金といったものにつきましては行き先がないわけでございますけれども、今回の会計基準の見直しによりまして、国のほうで見直しを行いまして、こういった会計基準の見直しによって生じた欠損金については、資本剰余金を用いて処分していいということで決められております。
◆溝口委員 わかりました。
 もう一つだけ聞かせていただきたいんですけれど、翌年度繰越額が2,372万8,000円発生しているんですけれども、中古車の改造費ということですけれども、中古車の改造費を一応平成26年度にしようとしていたものを2,300万円、なぜ繰り越さなければいけなくなったのか、その辺についてお尋ねします。
◎小川営業部長 中古車の車両のバス改造費でございますが、この分は、平成26年度につきましては中古車両を18両購入しておりますが、そのうちリムジンが3両で、一般の乗合分が15両でございます。
 その15両につきましては、東京都営の中古車を購入させていただいているんですが、東京都営のほうで廃車をする時期がそれぞれ違いまして、この分につきまして、11月以降の納車になったということでございます。
 その納車を受けましてから、車両改造の関係の発注をするわけですけれども、九州管内に車両改造関係をする業者が3業者ございますけれども、この3業者の仕事の持ち量が非常に多いということもございまして、発注が3月という形になっておりますので、そのことをもって3月から7月までの工期を設定いたしました関係上、今回、繰り越しをさせていただいたという形になっております。
◆溝口委員 わかりました。東京からの購入が遅くなったことと、九州で3社しかなかったので、そこで改造するのが遅れたということで繰り越しということですね。わかりました。
◎笠山管理部長 先ほどご答弁させていただいた内容で、1点訂正をさせてください。
 資本剰余金の総額42億円のうち、移転補償金に見合う剰余金の額は40億円でございます。申しわけございませんでした。