平成28年 2月定例会 農水経済委員会 - 03月10日−06号
【予算議案についての質問。】
◆溝口委員 新規就農者総合対策の推進について、私も聞かせていただきたいと思います。
先ほど、徳永委員から質問がありましたけれども、新規就農者を確保、育成することが今から大事であるという中で、昨年度の当初予算より3,700万円減額になっているんです。減額になった理由を聞かせていただきたいと思います。
◎佐藤農業経営課長 新規就農者対策につきましては、予算編成の過程におきまして、従来からの制度だけではなくて、地域に農家子弟をとどめるための施策を両方あわせて進めていこうという考え方でございます。具体的にどこがどう減った、あるいは増えたという点については、少し整理をさせていただきたいと思います。
◆溝口委員 いやいや、4,000万円近くが減額になっているから、なぜかなと思って。2月補正で4,200万円組んでいるわけでしょう。だから、そこら辺が理由になっているのかなと思って。
◎佐藤農業経営課長 委員ご指摘のとおり、4,200万円を2月補正に計上しており、これを加えますと、27年度当初予算よりも増額となります。なお、2月補正では、27年度当初予算から1億2,000万円あまり減額しておりますが、これにつきましては、国の青年就農給付金の減額でございます。当初予算におきまして見込んでいた対象者の数から81人ほど減ったということでございます。
この理由といたしましては、所得要件がございまして、一定の所得を確保した場合には給付金の対象にならないので、儲かった方がいらっしゃった。あるいは、大変残念ではありますけれども、農業をやめた方がいらっしゃった。あるいは、就農時期を次年度以降にずらした方がいらっしゃったということで、81人の対象者の減少となっています。
◆溝口委員 何人やめて、何人儲かっているかというのをちゃんとはっきりしてください。ぜひ人数を聞かせていただきたい。
◎佐藤農業経営課長 青年給付金の対象者につきましては、当初402人と見込んでおりました。そこが321人ということで、81人の対象者が減っています。
◆溝口委員 今、儲かった方がいると言ったでしょう。そして、やめた方が何人いるのか、そこら辺の数字をちゃんと言ってください。儲かった人は基金を返さねばならなかったとか、そういう話を。何人の方が儲かったのか、わかればですね。
◎佐藤農業経営課長 整理に多少お時間をいただければと思います。後ほど、整理し次第ご報告させていただきます。
◆溝口委員 平成28年度当初予算では5億5,987万5,000円を就農給付金として計上しているんですけど、先ほどの数字で321人分がこれと理解していいわけですか。
◎佐藤農業経営課長 はい、そうでございます。そのほかに人数の減に伴う技術研修の対象の減などもございますけど、主要因はそこでございます。
◆溝口委員 わかりました。
2年か幾らか研修して、本格的に農業をやっていく中で5年間の保障という中で、途中でやめても罰則も何もないんですか。
◎佐藤農業経営課長 青年就農給付金には、準備型という就農を開始する前の2年間の研修期間に払われるものがございます。こちらにつきましては、2年以上就農されれば返還義務はないですけれども、就農しなかった、あるいは2年未満で農業をやめた場合には返還ということになります。
一方で、開始型ということで、経営を開始してからの5年間に年間150万円を上限として給付されますが、こちらにつきましては返還の義務はございません。
◆溝口委員 わかりました。
新規参入者を求めて、なるだけ農業を強くして人口を増やしていかないといけないと思うんです。これは何年から始めているのかわかりませんけれども、受入団体等登録制度をつくって、より充実した内容にしていくということです。どのような内容充実を図ってきているのか、お尋ねいたします。
◎佐藤農業経営課長 受入団体登録制度につきましては、本年度から開始をしたものでございます。JAの生産部会、あるいは農業法人といったところで新規就農者を受け入れる体制、すなわち技術研修の体制とか農地や空いているハウスの斡旋等々、そういう受入体制ができたところを登録していただきまして、全国へ、長崎のこういった地域では、こういう作目で何人の方を受け入れる体制ができていますよと情報発信をしているところでございます。
県内にいる方であれば、それを見て親の跡を継ごうというような動きになると思うんですけれども、県外から入ってくる方は、営農関係の情報だけではなく住居とか生活環境、そういった関連の情報も必要ということでございますので、県内の各市町と連携をいたしまして、営農関係の就農情報だけでなく住環境とか空き家情報、学校や福祉関係の情報なども併せて発信をする、そういった情報発信力を強化していくということでございます。
また、受入団体登録制度を通じまして、JAの出資法人やJA、農業法人といったところで県外に出ていた農家子弟を雇用いたしまして、一定期間そこで研修をさせた上で親元へ帰す、あるいは独立させるというような流れをつくりたいと考えておりまして、JA出資法人や集落営農法人といったところが、人を雇って一本立ちさせることに取り組んでいただく際に定額の支援をしていきたいと考えているところでございます。
◆溝口委員 この登録制度がかなり充実してくれば、それぞれの皆さん方に情報が発信できると思います。情報発信の手段を市町にも呼びかけているということですが、インターネットで流しているのか、農業大学校とか高校とかに流しているのか、その辺の広報についてどのようにしているのかお尋ねします。
◎佐藤農業経営課長 受入団体登録制度を通じた情報発信でございますが、諫早にございます新規就農相談センターを通じて、ここのホームページで情報発信をしているほか、全国17カ所のハローワークでも情報を提供して閲覧できるようにしております。
また、全国の農学部や生物学関係の学部長さんの集まりである全国農学系学部長会議という組織を通じて、長崎で始めた取組を紹介させていただいております。
このほか、新農業人フェアなど就農や地方への移住を検討される方々を集めて説明会などをしているところでございまして、こういった場にもこの情報を持ち込みまして、具体的に県内のこの産地では受入体制ができていますよというような紹介をする中で、本県に行ってみたいという思いを引き出すような取組をしているところでございます。
◆溝口委員 わかりました。
平成27年度から始まって、その成果と課題等についても分析をしていると思うんですけれども、その辺についてお尋ねをしたいと思います。
◎佐藤農業経営課長 課題の一つとしては、次年度以降の取組のメインになるんですけれども、営農関係の情報のみならず、新農業人フェアのような形での移住相談、新規就農相談の際には、住居とか生活環境といったところの質問が多くございますので、そういった情報を市や町と連携をした上で充実を図っていきたいということでございます。
それと、受入団体につきましても、現在は150団体余りに登録をいただいているところでございますが、JAの生産部会や農業法人、その他農業者の方々も含め、その登録数を増やしていきたいと考えております。
◆溝口委員 問い合わせが何件ぐらいきているのか。もし少なかったら、情報発信がうまくいっていないということになるので、充実して、問い合わせがたくさんくるように考えていかないと。その成果についてお尋ねします。
◎佐藤農業経営課長 受入団体登録制度は今年度から開始したもので、登録数は最近になって増えてきたということでございます。先ほど150余りと申しましたけど、現在134団体でございます。まだ登録していただけていないところの掘り起こしも引き続きやっていきたいと思っております。
今年度から開始したものでありまして、就農までは2年間かかりますので、この制度を通じて就農まで至ったというのは今後の成果ということになろうかと思っております。
この制度を通じまして現地での研修に至った人数は、現在のところは13人ということでございます。取組が始まったばかりということはありますけれども、研修受入人数をもっともっと増やしていく必要があると思っておりますので、我々もPR活動も含めて、より一層推進してまいりたいと考えております。
◆溝口委員 情報発信をハローワークでもやっているということですけど、新規就農ということで高校生とか、そういう人たちをターゲットにしていくのであれば、農業大学校とか高校に積極的に情報発信をして、そこから情報を得ることも必要ではないかと私は思っているんです。住居については、まだサラリーマンをしているけれども農業に入ろうという人たちの問題だろうと思います。学校等にそういう情報発信をする計画は持っていないんですか。
◎佐藤農業経営課長 今年度から、県内の農業高校の校長先生方といろいろ議論をさせていただいておりまして、来年度の地域循環型人材育成システム構築事業の中で、例えばJAの生産部会へのインターンシップ活動ということで、学生が受入団体登録制度に登録していただいている部会で実際に農業体験をしたりというようなことを計画しております。
そのほかにも出前講座とか、地域の農業法人との就職相談会を開いたり、見学会を開いたりというような、農業高校の先生方から、やりたいこと、こういう取組が有効だろうというものをお聞きし、次年度にその活動を支援して我々も一緒になって展開をしていくことを計画しております。
◆溝口委員 わかりました。
このことにつきましては、情報発信をして相談の電話とかがなかったら、違った方向で情報発信をしていかないと成果が上がってこないんじゃないかと思いますので、その辺についてはよく注意をしながら検討していただきたいと思っております。
もう一つは畜産クラスター構築事業費です。前年度が2億5,700万円で今回14億9,700万円と12億円も事業費が上がっているんです。多分、養鶏とか養豚とかのハード面を拡大したからこうなっているんじゃないかと思うんですけれども、この構築事業も昨年度から始まったんですか。
◎大曲畜産課長 昨年度から取り組んでおります。
◆溝口委員 だから、ハード面での拡大で12億円が上がってきたんですか。
◎大曲畜産課長 委員ご指摘のとおり、施設整備でございまして、牛と中小家畜で養豚、酪農、養鶏関係の施設整備費でございます。
◆溝口委員 この事業費で、施設整備が何件ぐらいできていくんですか。
◎大曲畜産課長 すみません、ちょっとお時間をいただきたいと思います。
◎大曲畜産課長 平成28年度の施設整備の分で、国庫の補助金といたしまして、牛関係で5億7,600万円でございます。中小家畜で7億6,500万円となっております。
戸数が、牛関係で繁殖牛舎が20棟、肥育牛舎が1棟でございます。中小家畜につきましては、酪農が1戸、養豚が4戸、鶏が1戸という状況でございます。
牛の増頭規模といたしまして1,366頭となっております。
◆溝口委員 わかりました。牛舎が20棟で1,366頭の増になるということです。
再来年ですか、全国和牛能力共進会がございますので、それに向けて、また長崎県が優秀な成績をとれるように頑張っていかないといけないと思いますので、ぜひ畜産に力を入れていっていただきたいと要望しておきます。よろしくお願いいたします。
◆溝口委員 第28号議案は事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例ということです。ここに農地転用に関することが改正になると書いているんですけれども、農地転用についてはどのように変わってくるのか、お尋ねしたいと思います。
◎綾香農地利活用推進室長 長崎県の事務処理の特例に関する条例の中で、農地転用に関する部分の一部改正を今回お諮りしております。
そもそも現在の特例条例は、地方自治法に基づきまして、本来は4ヘクタール以下では県が農地転用の許可権限を持っておりますけれども、特例条例を用いまして市町村に権限委譲ができる制度がございました。本県におきましては1市、平成19年から雲仙市が特例条例で権限委譲を受けておりまして、実際に現在も運用されております。
今回、これとは別の制度で農地法の改正が国全体で図られまして、指定市町村になりますと、本来は県が持つ農地転用許可の権限を指定を受けた市町村も持つことが可能になりました。国から指定を受けた場合は4ヘクタール以上のものも可能になります。4月以降は、従来からある雲仙市が今持っている特例条例による4ヘクタール以下の農地転用許可をできる制度と、農地法の改正に伴う国から指定を受けた場合に4ヘクタール以上も含めて全ての農地転用ができる権限の委譲の制度と、2つの制度が共存することになりますので、そこの整合をとるために、雲仙市が運用いただいている条例の一部改正を今回お諮りして、きちんとすみ分けをした上でやっていくと、適正に運用していくための条例改正の案をお諮りしている状況でございます。