平成28年 9月定例会 農水経済委員会 - 09月27日−03号
【漁場改善対策に関する質問】
◆溝口委員 陳情番号18番の13ページ、漁場環境改善対策についてですけど、大村湾で実験をしたんじゃないかと思うんです。エアレーションか何かの実験をしなかったですかね。そのことについての成果はどうなったのかなと思っているんです。
◎五島水産部参事監 恐らくおっしゃっているのは、環境部で実施されたエアレーション技術の実用化研究というものだと思います。これは琴海町の長浦の沖合で実施されているもので、周辺の海域と比較して溶存酸素に改善が見られたということと、エアレーションすることによりまして成層が、いわゆる躍層が大村湾はできやすいんですけれども、そういうところの破壊ができるということが確認されております。
この事業につきましては現在も継続中でございまして、また来年度も実施することについて検討されていると伺っております。
◆溝口委員 わかりました。環境部ではそういう実証実験をしているんですけれども、水産部では漁場環境についての新たな実施、どのようにしていこうとしているのか、そこら辺について。
耕うんについてもぜひ続けてほしいという陳情が上がっているんですけれども、そのほかの対策としては何をしているんでしょうか。
◎横山水産部参事監 地元からお聞きしている話としましては、委員おっしゃるように海底耕うんをしてほしいという声が聞かれております。大村湾全体で対策をとっていく必要があることから、関係する市町全てと話をしながら、海底耕うんの事業をいかに今後進めていくのかという点で、今協議をさせていただいているところでございます。海底耕うんの対策、それから貧酸素の環境部の対策、こういったものの効果を確認しながら、引き続き必要な対策について検討をしていきたいということで進めているところでございます。
◆溝口委員 水産部としても、海底耕うんだけじゃなくて何かの対策をしていかないと。漁場環境が悪くなると、水産振興がそこでストップしてしまうのではないかと思っているので、何かをやろうという考え方はないんですか。
◎横山水産部参事監 やはり地元の方々のご意見をしっかりとお聞きしながら、今後、どういう対策が有効なのかについて、私どももしっかり考えていかなければいけないという認識を持っておりますので、引き続きまして海底耕うんの対策とあわせて、今後、地元の漁協さん等と意見交換を積極的に行っていきながら、どういう対策が真に有効なのか、検討していきたいと考えております。
◆溝口委員 例えば、石炭を燃やした灰を固めたものとか、いろいろ言ってきているんですけれども、その実験を何種類か、水産部としてやったほうがいいんじゃないかと思うんです。多分、水産部に言ってきていると思うんですよ。これで環境がよくなったとかなんとか、そういう実証実験をしてですね。
でも、水産部としてのそういう取組が全然伝わってこない。環境部がエアレーションでやっているという形で、水産部としては耕うんのことだけしか聞こえてこないので、その辺の取組を、漁場環境をよくするための努力をしていかなければいけないんじゃないかと思うんです。
水産部長、そこら辺について、もう少し真剣に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎熊谷水産部長 溝口委員がおっしゃるように、新しいさまざまな技術を導入していくというのも一つの考えであると思っております。
一方で、多くの技術につきましては、必ずしも実際に本当に現場で実証していいかどうかということを十分検討していく必要があると思っております。
正直申し上げて、私どもにもさまざまなところから売り込みがございます。そういった場合は、まず、県として取り組むだけの基礎的なものをそろえてほしいということで、場合によってはそういった方々に、現場での実験ができるところについて漁協と連携しながら実験してみると、その結果を踏まえながら今後のあり方を検討していくというような対応ができるのではないかと思っています。
また、大村湾の環境改善全体を考える時に、確かにおっしゃるように耕うんだけではないと考えております。そういった意味で、先ほど申し上げました水産多面的機能発揮事業におきましては、藻場の造成とか、覆砂とか、いろんなことを創意工夫しながらやっております。今後、地元の理解等があれば、先ほど言った新しい技術などを実験していく方法もあると考えております。
◆溝口委員 わかりました。大村湾については真剣に考えていかないと、漁場の環境改善にはつながっていかないと思うんです。先ほど中村委員も言われましたように、生活排水等が入ってくれば、どうしても奥のほうはなかなかきれいな環境になってこないのではないかと思うので、そこら辺についてもしっかりと研究をですね。業者にだけ任せるのではなく、やっぱり県として、水産部として、これはちょっといいんじゃないかというものがあれば、あまりお金をかけないでできる範囲の中で、漁協と一緒になって実験してほしいと思っておりますので、その辺については先ほど部長が言ったように真剣に取り組んでいただければと、このように思っております。
それと、合併のことがありましたよね。漁協合併を県独自の何かの支援で応援していただきたいというお願いが、5漁協がありますのでという形で出ていたと思うんですけれども、その辺について、長崎県全体の合併についてはどのように進めているのか、お尋ねしたいと思います。
◎西漁政課長 県内は今、68漁協ございまして、今度の水産基本計画では、合併そのものの数の目標は掲げておりません。
ただ、合併を積極的に行う漁協につきましては県の支援制度を設けておりまして、複数の漁協による検討組織をつくる場合、3年以内に合併する漁協について、あるいは合併の検討組織をつくる場合については、県の支援制度を設けて積極的に推進するようにしております。
また、3年以内に合併する漁協が欠損金等を整理するための資金についても準備して、合併を県としても漁協と一緒になって推進していくという方向で取り組むことといたしております。
◆溝口委員 今、正組合員が20人を切ったら漁協として成り立たないという形になるんですけれども、その辺について、もうぎりぎりの線まできた漁協がどのくらいあるのか、聞かせていただきたいと思います。
◎西漁政課長 大変失礼しました。
現在、正組合員数が20数名というところは、神部漁協が26名、長崎市の福田漁協が29名でございます。
◆溝口委員 わかりました。ある程度年齢がきて、正組合員がだんだん減ってくる可能性が今の2つはあると思うんです。その辺について、先ほどは漁協が積極的に合併をするような感じを言ったんですけど、県としての指導はどのようにしているんですか。
◎西漁政課長 県といたしましても、漁協の検査に行った時に、合併について積極的に進めるように指導いたしておりますし、県漁連に合併の推進室を設けておりまして、そこと一緒になって合併組織を積極的につくっていきながら、合併の指導は行っているところでございます。
◆溝口委員 わかりました。そうしたら、合併を推進しようと協議をしている漁協、そういう話をしているところは何カ所ぐらいあるんですか、県が把握している部分で。
◎西漁政課長 現在、合併の取組の組織をつくっているところは、西海市地区、大村湾地区、雲仙市地区、西彼地区、離島につきまして五島地域の上五島西部地区、五島市地区、上五島地区、それから県南の南島原市地区が、何らかの組織をつくって検討を進めているという状況でございます。
◎西漁政課長 8カ所でございます。
◆溝口委員 今、8カ所で、それぞれの市町が中心になって合併を進めているのではないかと思うんですけれども、その辺について県はどのように関わっていこうとしているのか。
なんでかといったら、南島原市が、5漁協の合併について今協議をしていると、県独自の支援制度構築をお願いいたしますと陳情しています。ということは、合併したらどういう支援があるかよく把握していない部分があるのかなと思って。それとも、もっと違う支援をしていただきたいというお願いがきているのか、そこら辺についてはどのように把握をしているんですか。
◎西漁政課長 県といたしましても、合併の検討の協議がなされる会議に出席いたしまして、支援内容のご説明や、合併に向けたいろんな検討について一緒になって意見交換をさせていただきながらアドバイスをしているところでございます。
◆溝口委員 県独自の支援制度の構築をお願いしたいということは、具体的にどういうことをしていただきたいとお願いがもうきていると思うんですよ。その辺についての内容が、会議に出ている割には伝わらないんですよ。県に、こういう支援制度をしていただきたいとか、そういうお願いはないんですか。
◎西漁政課長 合併を検討しているところは、まだまだ難しい、クリアしなければならないいろんな課題がございますので、具体的にどういうことをしてほしいというところまでには至っていないという状況でございます。
◆溝口委員 そうしたら、何のためにこの陳情が県独自の支援制度をと。今やっている会議に対する支援とか、そういうことじゃないと思うんですよ、これは。多分、合併するから補助をいただきたいとか、そういう具体的な話がないと、なんで支援制度の構築をお願いしたいというお願いがくるのかなと思って、そこら辺が理解できないんですよね。普通だったら、今までしている制度より、こういうことをお願いしたいということが南島原市からあってもいいと思うんですよ、漁協とかから。そこら辺の内容が全然伝わらない。
そうしたら、ただ組織をつくっているだけで、本当に合併をしようという動きではないんですか、まだ。
◎西漁政課長 具体的な合併をしようという動きまでは至っていないという状況でございますけれども、また改めて、合併の検討をされている組織に、どういう要望があるかというのを具体的にお尋ねした上で、今後の検討を進めていきたいと思っております。
◆溝口委員 漁協が正組合員20人を切って、どうしても解散しなければいけないとなった時は、強制的に吸収合併ということになってくるかもわかりませんけれども、県の方針としては、できるだけ合併をして足腰の強い漁協づくりをやっていかなければいけないという理念があるわけでしょう。そうしたら、県が前回したような形で、もう少し力を入れて、こういう支援をするから合併をしてくださいと、そういうお願いを、県としてもう少し市町と一緒に進めていかれないかなと、そういう気がするんです。今聞いていて、自主的にという形にしか聞こえないんですよ。県としての考え方というのが全然、水産部としての考え方が伝わってこないものですから。
部長、合併についてはどういう考えを持っているんですか。ただ自主的にやっていくことを望んでいるだけなんですか。前は、強制的に基金をつくって合併をさせてきましたよね。今、本当に解散をしなければいけない漁協が数多く出てきていると思うんですよ、30人とかなんとかという形の中で。合併についての部長の考え方はどうなんですか。
◎熊谷水産部長 合併という問題につきましては、本質的にはやはり組合員なり漁協の方々自身のご意思が一番重要だと思っております。
先ほどの南島原市も含めて多くの漁協におきまして、漁協役職員の方々と組合員の方々の十分な議論ができていないというのが、まず大きな問題ではないかと考えております。そういったことがしっかりとできた上で具体的なご要望があるという形になっていないのは非常に残念な状況でございまして、私どもとしては、まず地域において、漁協の今の状況の現状認識、そしてそれを踏まえてどう動いていくかということについて積極的に議論していくことが一番重要ではないかと思っています。
かつて、基金をつくりまして負債整理を進めて、ある時期まで特定の期間を区切って合併を推進してきた時期がありました。それはその当時、多くのところで負債が大きいことが合併の最大の要因になってきたことが一つ大きくあるのではないかと思います。
現状におきましては、そういった負債があるところにつきましては、順次それを解消していくための改善策をとりながら、その中で合併も考える必要がありますが、多くの合併を考えている地域におきましては、むしろそういった内容以前の問題としまして、組合員の理解と役職員の指導力、この辺が非常に重要な要素となっておりますので、今後とも引き続き、しっかりと現場と話し合って、なぜ合併をしないのか、合併をすることによるメリットが何かということで、指導とか、組合の経営にすぐお金を出すとかということではございません。組合員の生活をどう守っていくかという視点で、ぜひ漁業者の方々とも、組合の方々とも話していきたいというふうに思っております。
◆溝口委員 合併について、部長の話を聞いていても、やはり自主性、自主性という形で、県の指導という考え方が、こういうふうにしていただきたいという理念が水産部のほうから伝わってこない。
もうこれ以上は言いませんけれども、それぞれの漁協に自主的に合併していただきたいと、そういう形しか今のところ水産部としてはとれないんですね。
私としては、やっぱり水産部の指導という形で、足腰の強い漁協づくりをしていくためには、組合員の年齢まで把握して、もう何年かの間には漁協を解散しなければいけなくなりますよと、いろんな資料をもって指導的に合併を推進していくという強い理念が要るんじゃないかと私は思うんです。その辺について、私は要望にかえさせていただきますけれども、ぜひ合併について真剣に取り組んでいただきたいと、このように要望いたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
◎熊谷水産部長 先ほど申し上げたところでございますが、非常に組合員数が少なくなっている組合がございます。本当に法定解散をしなくてはいけないかもという組合は各地にございますので、積極的に私自身も現場に伺いまして、そういう話をさせていただきたいと思っております。