平成28年  予算決算委員会農水経済分科会 - 10月27日−01号

◆溝口委員 当初予算と補正予算のことですけれども、58億3,600万円減額しているんですけれども、中身を見ると、中小企業の金融対策費が48億9,300万円の減額になっております。工鉱業費9億9,100万円が減額になっているんですけれども、中小企業の金融については額が少なかったのか、件数が少なかったのか、その辺についても教えていただければと思っております。その両方について質問させていただきます。
◎荒田商務金融課長 中小企業の金融対策の制度資金の預託額のことですけれども、これは景気の状況に応じて適切に対応するために、毎年度、年度当初に多目に予算を計上させていただいておりまして、2月補正で40〜50億円、見通しが立ったところで補正で落としているという状況でございます。そういうことで例年、多目に予算を計上しているものでございます。
◎山下産業政策課長 工鉱業費が10億円余りの補正でございますが、基本的に2月補正でしております。主な内容としましては、立地関係の佐世保つくも工業団地事業に係る分の補正としまして5億8,000万円、減額しております。あわせまして、国の競争資金の分でございますが、ながさき海洋・環境産業雇用創造プロジェクト事業というのがございまして、この分で2億3,000万円というのが主な減額の要素でございます。
◆溝口委員 わかりました。思ったよりも工業団地を整備するのにかからなかったということで理解していいわけですね。事業的に、当初、何か事業を組んでおったのをしなかったという部分はないんですか。
◎貞方企業振興課長 額的には、それほど大きな額にはならないかもしれませんけれども、地場企業立地補助、企業誘致の地場企業版でございますが、これが3件ほど、協定を結んで平成27年度に補助金を出すようにしていたんですが、事業の進捗が少し後送りになって、平成27年度中の支出ができなかったものが3件ございました。
◆溝口委員 わかりました。内容的に工事ができなかったのが3件あったということです。それは当初計画の中で事業的にちゃんとするということの計画を立てたと思うんですけれども、理由としてさっきちょっとわからなかったんですけれども、なぜできなかったのか。
◎貞方企業振興課長 立地協定を結んで工場をつくっていただきます。そして、それから1年経過した以降に雇用人数が定められます、10人以上とかの要件を満たして、はじめて補助金が交付できるんですけれども、その10人という雇用が平成27年度中にできるだろうと、20人なり30人なり協定で結んでですね。それが工場を動かし始めたけど、思うように稼動が進まなかったとか、もろもろの理由で1年、2年、先送りになることがあります。そういったことが3件ございましたということでございます。
◆溝口委員 わかりました。そしたら、その人たちが条件を満たしても、何年間かの間に契約があったわけですね。わかりました。それでいいと思います。
 169ページですが、ふるさと産業振興費ということで、使用料関係で7,300万円の不用額が出ています。それと負担金で2億5,000万円。これについてはなぜこのような不用額が出たのか教えていただきたいと思います。
◎櫻井食品産業・産地振興室長 今ご指摘の169ページのふるさと産業振興費の不用額が3億6,717万281円と出ておりますけれども、産業労働部の決算審査資料が別冊でございまして、それを見ていただきたいと思います。
 10ページをお開きいただきますと、歳出予算の執行状況調というところがございます。この下の方で食品産業・産地振興室の商工費商業費のふるさと産業振興費という部分の不用額が約840万円という形になっておりまして、産業労働部の分は大体これぐらいだと思います。あと残りは文化観光国際部局の分になっていると思います。
◆溝口委員 わかりました。ふるさと産業振興費には文化観光国際部の分が入っているということで理解いたします。
 そしたら、産業労働部関係の9,000万円という不用額が出たのは、どのようなことでこのようになったのか、お聞きいたします。
◎山下産業政策課長 この不用額が9,000万円ほど出ておりますが、そのうち8,072万8,702円、いわゆる約8,000万円の額につきましては、前年度からの国の補正に基づいて繰り越した部分の不用残に係る分でございます。
◆溝口委員 そしたら、この不用額になったのは、戻すことはしなくてもよかったんですか。これは全額、県単じゃなくて、国からの交付金か何かあったんでしょう。
◎山下産業政策課長 減額に基づく交付金の残分につきましては、財政課の方で他の部局の事業費として財源充当したと聞いております。
◆溝口委員 それでは、3ページの委託料調べですけれども、契約額と支払われた金額がちょっと違うところがかなりあるんですけれども、このことについて、2番目が1,880万円で契約していて1,732万9,000円しか支払っていないんですけれども、その辺についての説明を、何個かあるんですよね、9番とか。特に、32番、388万4,000円で契約していたのが、両方合わせて千三百九十何万か払っているんですけれども、この辺について2年とか3年の契約になっているのかどうかわかりませんけれども、ちょっと金額が多いんですよね。この32番について特に説明をお願いしたいと思います。
 それから、50番の長崎高等技術専門学校については、金額が600万円の契約をしておって300万円ぐらいしか払っていないとか、ずっとその金額があるんですけれども、これは契約しておっても実費で支払いをしているのかどうか、その辺についての説明をお願いいたします。
◎貞方企業振興課長 まず、3ページ目でございまして、企業振興課のご説明をしたいと思います。
 例えば、2番目の長崎県産業振興財団1,880万円が1,732万9,000円ということで額が合わないというご指摘だったと思います。これは基本的に契約の内容が委任契約ということでございます。わかりやすく言うと、年度当初に一応予算を組んだ額で契約をいたします。これでお願いしますということで委任契約を結びますが、最終的には年度末に実際かかった額で精算をいたします。その結果として、その額まで落として支出をします。精算をするということで、2番目のところで見ると、一番最後の備考欄に「返還額0円(精算払いで調整)」と書いてありますが、そういったことでご理解を願いたいと思います。いわば、最初の計画はある種の債務負担的なもの、これだけかかりますということで契約を結びますけど、最終的にはこれだけで仕事が終わりましたということで、その額で精算するということでございます。
 あと、32番も企業振興課の事業でございますので、32番についてもご説明したいと思います。
 これにつきましては、左側は平成27年度の契約額、その右側の1,064万円は、全体の契約額でございまして、平成26年度から平成27年度までかかる事業で、この括弧の中に書いてある384万円が今年度の支出額でございまして、上に書いている1,006万4,000円は、平成26年度と平成27年度のトータルの額を記載しているものでございまして、括弧の額が今年度の計画に対する支出済額でございます。
◆溝口委員 32番の今年度というのは、契約額としては平成26年12月に出しているわけですから、こちらに1,000万円というのはこないといけないんじゃないんですか、合計額は契約の方にならないとおかしいんじゃないですか、それで合わないと。平成27年度契約、平成26年度契約ときれいに分けてしているなら、平成26年12月1日からということにはならないと思うんですよ。
◎貞方企業振興課長 平成26年度と平成27年度と分けて契約しているものと思いますが、詳細を調べた上でお答えしたいと思います。
◆溝口委員 普通は、平成26年度で支払った分が1,000万円だったら、その1,000万円は入れないでしないとおかしいんじゃないですか。契約額の方に1,064万円というのは、合計の金額が入ってこないと合わないような気が私としてはしますけど、その辺については詳細を調べてみるということでございますので、平成26年度の契約と別々にしているなら1,000万円は要らないと私は思います。見解の違いだったら言ってください。
◎松本雇用労働政策課長 高等技術専門校の訓練コースの委託契約の関連で28ページをご説明したいと思います。
 訓練関係につきまして、毎月やっていきますものですから、12月に6カ月コースをすれば翌年度までにまたがる場合がありますものですから、備考欄に「債務負担」と書いております。例えば、28ページの47番、その他の委託541万5,683円、これは平成27年1月6日から平成27年10月8日までの委託期間をしておりまして、これにつきましては契約額として当初に541万5,683円をしておりまして、そのうち支出済額(平成26年度支出)、それから平成27年度の支出が292万7,363円という形で、債務負担でまたがっているものについて分けて書いているという状況でございます。
◆溝口委員 普通、随意契約でした場合、金額が余った時には返還が生じてきますね。1ページ、2ページを見ればわかりますが、1ページの3番なんか、最初に払っておったら返還が生じるんですけれども、これは、学校の方は最初からじゃなくて、その都度、その都度、払っていくということで理解していいわけですか。
◎松本雇用労働政策課長 今、委員がご案内のとおり、実績払いという形でしてまいりますから、最終的に実績を確定して、それについて払っているということで、返還は生じないという形で進めております。
◆溝口委員 書き方がそれぞれ違ってくると、さっき言ったように、高等学校のものは備考欄にでも、その時、その時の実績払いですよ、一括契約じゃないですよということで説明しておけば、差額が生じてもわかるんですけれども、1ページにあるように、差額が出た時には、普通は返還という形で一括契約すればですね。その辺については理解できるんですけれども、32番については、どうも私は納得できないんですよね。普通は契約額と支出額が大体合ってきて、できていると思うんですけれども。
◎貞方企業振興課長 まず、お詫びから申し上げます。
 6ページの32番です。契約の欄に契約額として388万4,000円と計上しておりますが、これは、この表をつくる際に誤って当該年度の額だけを契約額として上げているものでありまして、ここの額は正確には1,394万8,000円になります。括弧の中の384万4,000円が昨年度の額、その上の1006万4,000円が今年度の額でございまして、契約は、この2カ年度間を一本で契約して、そのために債務負担行為を行っているものでございます。大変申し訳ございませんでした。
◆溝口委員 わかりました。理解しました。やっぱりちゃんと合うようにしておかないと、ずっと見ておって、決算ですのでチェックをさせていただきました。
 この説明資料の5ページですけれども、産業技術の高度化ということで載っております。先ほど休み時間に説明を受けたところ、19テーマのうち工業技術センターでは、機械装置、知的遠隔監視装置の開発ということで、このことについては説明ができるからこのことを上げているという話でしたので、その説明についてどのくらいまで技術的に開発ができているのか、それとも何年間かまだかかるのか、その辺について現在の進捗状況を教えていただきたいと思います。
◎貞方企業振興課長 この研究は、平成25年度から平成27年度までの3カ年間で取り組んだ事業でございます。
 この内容は、わかりやすく説明できる自信がないのでございますが、要は、工場があって、一方でそこから離れて事務所とか社長の自宅があった場合に、別のところにいても工場の稼働状況を、センサーとかをいっぱい張りつけておいて常にインターネット等でリアルタイムで把握できる。本当の異常の場合には自動的に人工知能が判断して緊急停止スイッチを押す。また、そこまではないけど、社長さんが判断して、これはちょっと止めた方がいいということであればボタンを押して止める。そういうことを自動でどこまでやれるかという研究をやったものでございます。今でいうIoTを先取りした事業だと考えております。
 これがやっと終わったので、これは今年度、工業技術センターで成果発表会を行いますが、その中の1項目としてこれを説明し、企業の皆さんにも来ていただいて、関心の向きがもしあれば、今後、さらに実用化に向けた共同研究に進むということでの事業でございます。現在、共同研究に入ったかどうかまでは確認いたしておりません。
◆溝口委員 わかりました。平成27年度で大体終わって、ある程度、実用化できるような形にはもってきたんですね。わかりました。
 もう一つ、今度は窯業技術センターですけれども、これは機械ろくろ成型技術の開発ということで1つだけ載っているようですけれども、そのことについてのご説明をお願いいたします。
◎貞方企業振興課長 陶磁器につきましては、例えば、普通のおわんを考えたらわかると思うんですが、つくり方が2つあって、手とか足でろくろを回して手作業でつくるやり方と、それは1個、2個だったらそれでいいんですが、数百個単位になると、機械ろくろというものでつくっていきます。
 しかしながら、機械ろくろというものも、機械ろくろを回しながら鉄製のへらを当てておわん型に成型をしていくわけですけれども、それであっても熟練の技が必要です。そこのところを機械ろくろを、そういう熟練のベテランの方じゃなくても、習い始めて3年、4年の方でもできるように上手に回転させて生地を上手に成型できる、そういった技術を今回確立いたしました。平成26年度と平成27年度の事業でございまして、これについては特に今、産地の方、三川内焼、波佐見焼の産地で大量生産をやっております。技術者がいなくなるとすぐにも困るわけですが、高齢化が進んでいて後継者がなかなか見つからない中で、こういうふうに割と初心者に近い方でもできる技術ということで地元の評価も一定いただいているところでございます。
◆溝口委員 わかりました。そしたら、今、機械ろくろについては、それぞれの窯業関係の方々が使っているということで理解していいわけですか。
◎貞方企業振興課長 まだそこまでは至っていないと考えておりまして、窯業技術センターの中にそういうふうに訓練するような、使えるような施設がありますので、これでできるかどうか、今やってもらっている段階です。もう使えるというところまでいっていないと認識しております。でも、近い将来は使えるだろうということでございます。
◆溝口委員 せっかく研究した機械ですから、できれば窯業関係の方々が使っていけるような実施をしていただきたいと思っております。値段的には大分高くなるんでしょうか。
◎貞方企業振興課長 ものにもよると思いますが、例えば、100個、200個をつくる場合、また、小さなおわんをつくる場合と大きなものをつくる場合でも違うと思うので何とも申し上げられませんが、当然ながら、手で回すろくろに比べるとコストは高くつくものと思います。それと人件費との見合いでコストは下がるものと考えております。