平成28年 11月定例会 農水経済委員会 - 12月12日−04号
【ナガサキ・グリーンイノベーション戦略についての質問】
◆溝口委員 ナガサキ・グリーンイノベーション戦略について質問したいと思います。
 今回、もう何日もないんですけれども、12月16日に第3回長崎県海洋産業フォーラムを開催するようになっております。それぞれ内外から先進的に取り組んでおられる事業者や研究者の方々から講演をいただくようになっているんです。長崎県の取組としても情報発信をやっていきたいということでしているんですけれども、その情報発信はどのような情報発信を県としては検討しているのか、お聞かせいただきたいと思います。
◎森田海洋・環境産業創造課長 情報発信ということの一つに、長崎で海洋産業づくりを積極的に進めていくということを内外に発信するという意味で、このフォーラムを予定をさせていただいております。
 ここにおきましては、パネルディスカッションも行いますけれども、今回につきましては、アジアとの連携ということがしっかり発信できるのじゃないかと思っております。
 お越しになるメンバーの中に、これは基調講演も行っていただきますが、日本海事協会のシンガポール事務所から来ていただきます。シンガポールも長崎と同じように小規模ですけれども、海域の実証フィールドの検討を進めておりまして、これを日本海事協会が支援をしております。この日本海事協会の立場からこの長崎の取組とぜひ連携をすると発展していくというようなことが基調講演なり、パネルディスカッションで発信をされるというようなことでございますし、そこで中心に技術的なことをやっておられます南洋工科大学、これは先般のアジアのランキングでは東京大学よりも上のランキングになったような大学ですが、そこが同様に東南アジアにも大きなポテンシャルがあるというようなことを発信していくということで、そこと長崎が連携することでアジアを発展させられるということをここで発信できるものと思っております。
 そのような形を行いますことで、今回、潮流発電につきましては環境省事業が動き出しましたが、あのきっかけになりましたのも、その1年前、2年前のこの産業フォーラムで海外からのお客様を呼べたというところがきっかけになっております。こういったフォーラムを中心に活動することによりまして、事業拡大、事業推進につなげていきたいと思っております。
◆溝口委員 具体的な取組というよりも、今、実証フィールドとしてやっていこうという海洋とか、いろんなそういうものを長崎県が取り組んでいる部分について発信というか、発表していくんですか。今のあれではそういうふうになるんですか。
 例えば、今回載っている浮体式洋上風力発電が五島の方で実証フィールドとして今進められているんですけれども、ここら辺についての具体的な取組というか、現状についてとか、そういうことを発表していくんじゃないんですか。そういうことじゃないんですね。
◎森田海洋・環境産業創造課長 そのあたりの取組につきましては、県内でここに関心のある県内事業者というのはかなり動きについては承知している中、この発表者そのものは全国で活躍をしておられる先生方、それから海外ということですけれども、長崎のことに触れながらの発信をして、長崎の企業や関係者には海外のことを理解して、今後の長崎の取組方がアジアと連携して取り組んでいくことで進んでいくと、そういう効果を意識しているものでございます。
 資料につきましては、県はこのような取組をしているということは配付資料やパネルディスカッションなどでしっかり触れるようにいたしております。
◆溝口委員 わかりました。ただ、今回、五島の方で浮体式洋上風力発電の実証フィールドを1基だけでしているんですけれども、五島市としてはそれを3基か4基に増やしていきたいという計画があるようです。その辺については、県の方にはまだはっきりとした要望等はきていないんですか。
◎森田海洋・環境産業創造課長 浮体式洋上風力発電につきましては、実証フィールドで実証をいたしまして、それが平成27年で実証がうまく成功したということで、現在のステージは事業化に移っていくステージでございます。この事業化そのものについては、事業者が現在環境アセスメントの手続を始めておりますので、アセスメント上どういうふうになるのかというのをしっかり見極めながら、これは民間事業として進んでいくものということでございます。
 五島市においても、大変積極的にこの事業化についても期待もしておられます。そういった意味で、要望につきましては所管が土木部になりますけれども、今後、海の利用ということにつきましての海域占用料等のことにつきましてなどの要望はいただいております。そういうことについて、関係課が連携して取り組んでいくという状況でございます。
◆溝口委員 それでは、産業労働部としては実証フィールドのそれが大体平成27年度である程度できるという見通しが立ったから、あとは事業化していくなら民間の方々にそのままやっていただくという形になるんですか。産業労働部としては、これで浮体式洋上風力発電は終わりになってくるんですか。
◎森田海洋・環境産業創造課長 実証フィールドそのものの考え方は、実証フィールドでいろんなタイプのものが開発をされて、それが事業化していくというようなものが一つの考え方で、事業化海域、今回、浮体式洋上風力につきましては実証海域、椛島というところから事業化海域としては崎山沖ということになっております。
 この事業化そのものも、アセスメントが非常に重要な手続で、地元の合意とかが非常に大事ですけれども、そこが事業が進むという際には、長崎も関連する技術を持ったところや、さまざまの事業に参画をしていくということは非常に大事なことだと思っております。ここにつきましては、長崎の地場企業群についてはクラスター協議会というものができておりまして、そこの取組も県も支援をいたしております。事業化がなった場合の産業づくりということについても積極的に県も取り組んでいる立場でございます。
◆溝口委員 そうしたら、今のところ、これを実験していくうちに問題点というのはいろいろはなかったんですか。結構風が強かったら止まってみたり、いろいろ問題点があったように聞いていたんですけれども、そのような問題点の解決というのはできたんですか。
◎森田海洋・環境産業創造課長 全国で実証の事業が海洋エネルギーについて行われております。その全国の事例においては、実証はしたけれども、実際に少し事故みたいなことが起こってとん挫をしてしまったり、実証まではしたけれども、採算性が見通せないので研究までということで終わった事例等々ございます。
 この浮体式洋上風力発電につきましては、実証いたしたことの検討から見ますと、事業化に進みたいという関係事業者が出てきたというところが非常にすばらしかったところで、もちろん事業化においても、全く初めてのことですので種々あろうかと思いますけれども、そういう実証については、実証フィールドの名前が示すとおり、失敗ももちろんございます。そういった場合には何らかの解決なり、検討はしないといけないところですが、浮体式洋上風力発電については順調に推移したという状況でございます。
◆溝口委員 わかりました。ある程度うまくいったということで、事業化について、やはり問題点が出てくると思うんです。先ほど海域の問題が出ましたけれども、その辺について、産業労働部として気づいた点があったら、それを事業化する民間の方々に情報発信をして、そしてうまくいくような形をとっていただければと思っておりますので、ぜひノウハウが、もし産業労働部にあるなら、それをしていただきたいと思います。ただ、実証フィールドの中で実験する人たちがそのデータは持っていると思うんですけれども。以上、要望です。
◆溝口委員 今回、計上されております5年間で3億623万5,000円ですけれども、大体1年間に6,100万円ぐらいかかると思うんです。その内訳は、例えばこれを何名の方々で組んでその予算になっているのか。その施設の管理費と一応運営費ということになっているんですけれども、それは前年と比べてどうだったのか。
 それと1者しかなかったので比べようがないんですけれども、県側として最初に提示した額とすり合わせがどのようになったのか、入札になってないようですので。
◎佐藤林政課長 管理費の中身でございますけれども、県の負担金と申しますか、それが大体先ほど言われましたとおり6,000万円でございます。それと県民の森は有料施設がございまして、それの利用料の収入といいますか、それが年度によって多少前後いたしますけれども、1,600万円ほどございます。その合わせた金額で管理運営をしているということになっております。
 歳出の方ですけれども、やはりあれだけ382ヘクタールという広大な敷地を管理しておりますので、どうしても作業員の方、あるいはパートの方を結構雇っていただいております。今のところ、職員の数は8名、常雇で雇っている作業員の方が8名の16名体制で運営をなされております。それと臨時でパートの方も雇っているという状況でございます。
 支出の中身、大部分がいわゆる先ほど申しました職員の方、作業員の方、あるいはパートの方の人件費、賃金ということでございまして、昨年度の実績で申せば、大体4,800万円ほど、先ほど全体の収入が7,500〜7,600万円というふうにあったと思いますが、そのうち4,800万円ほどが人件費、給料も含めた人件費、パートも含めた人件費ということになっております。
 今回、応募していただきました事業計画につきましても、この実績を踏まえた計画になっておりまして、今回の5年間の債務負担の金額は、これまでの5年間、平成24年から28年までの5年間と基本的には同じでございます。ただ、消費税の関係で少し上がっているというのはございますけれども、事業内容としては同じ金額で申請をしていただいております。
◆溝口委員 わかりました。
 職員を8名常時雇っているということですけれども、収入についても1,600万円ということで定額、それでまた5年前と一緒の6,000万円ぐらいということで考えた時に、本当に長崎県林業コンサルタントは運営ができていくのかなという感じがするんですけれども、この一般社団法人は、まだほかにも仕事を何かやっているんですか。
◎佐藤林政課長 長崎県林業コンサルタントは、森林土木工事の設計積算、そういったところがもともとメーンでやられている仕事でございます。森林の測量設計、あるいは技術的な建設コンサルタントの仕事をなさっておられます。
◆溝口委員 わかりました。
 そしたら、この職員の8名の中にはそういう設計者とか何とかも入って、実際にこれを管理する指定管理者としての指定の中の、本当にこれに対する金額とは異なることになるんですか。職員が8名もおってからという感じがするんですけれども、その8名、本当に管理者として、さっき言う、これを管理しているのが何人ぐらいかなということで、パートの方々が8名ぐらいということですけれども、そこら辺がちょっとダブった形で今あったのかなという気がするんですけれども。
◎佐藤林政課長 申し訳ございません。もう少し的確にご回答させていただきたいと思います。
 林業コンサルタントの本体の部分の職員と今回の長崎県民の森の指定管理を担当される方は全然別個でございます。仕事の内容は全然違うことをなさっております。
 やはり人件費の問題が一番運営上問題となりますので、そういった雇う形式を、例えばコンサルタントを定年退職されて、県職員で言えば再任用と申しますか、そういった方々を多く雇うとか、嘱託で運営を一部やっていくとか、そういったことで経費の節減を考えられているということでございます。
◆溝口委員 そしたら、さっき言った、一般社団法人の長崎県林業コンサルタントには何名の方々が働いているんですか、全体的に。それはわからないんですか。
◎佐藤林政課長 コンサルタント全体の職員の数、正式なものを私は持っておりませんけれども、我々が見たところでは十数名ぐらいしか職員はおられないのではないかと思いますけれども、正確な数字は、申し訳ございませんが、今ここに持っておりません。
◆溝口委員 そしたら、先ほどの職員8名、パート8名ぐらいと委託契約でちょっとだけ雇ったりとかする人は、今さっきの指定管理者に関係する部分だけということで理解していいわけですね。(「はい」と呼ぶ者あり)わかりました。
 ただ、やっぱり10年間というスパンになるんですけれども、人件費が全然同じ形だというのは、職員の方々が大変だなという感じがちょっとしたもので質問させていただきました。ありがとうございました。
◆溝口委員 先ほどの徳永委員の関連ですけれども、何しろ素牛価格が大変高騰しておりまして、肥育農家が大変資金繰りに窮しているということなんですね。それを助けるためにどうしても、安定した経営をしていくためには肥育頭数の維持と拡大を図っていかなければいけないということで、素牛導入にかかる支援措置をどのように講じていこうとしているのか、その辺について県の検討している部分についてお聞かせいただきたいと思います。
◎大曲畜産課長 どのように対応していくかというご質問でございます。
 現在は、先ほど申しましたように、現在肥育1頭当たり5万円というような補助、支援をしております。それを年間800頭という計画をしているんですけれども、今おっしゃるように、やはり資金繰りが問題ということで、今の子牛の頭数からいきますと、5万円というのはやはり非常に少ないというお声もございますので、そういった中で、維持の部分と増頭の部分というふうに分けまして、資金繰りの件につきましては、導入事業の資金に係る部分を、現在、利息に対して利子補給をしていこうと、そこの支援を現在考えているところでございます。
◆溝口委員 今までは利子補給はやってなかったんですか。
◎大曲畜産課長 事業費の対象の上限というのがございまして、通常、近代化資金というのがございますけれども、そこが1,800万円という上限がありましたけれども、それを知事の特認であれば2億円上限という金額もございますので、そういったところの上限に対する利子補給ということで考えております。
◆溝口委員 やはりせっかく本県の肉用牛が全国和牛能力共進会で1位になりましたので、また来年あるという共進会で、ぜひこの肥育頭数も維持というより拡大していくような形で、特に離島関係には離島新法でそういう頭数を増やして人を雇うということになれば、いろいろな補助メニューもあると聞いておりますので、その辺について拡大を図っていけるように、ぜひ素牛導入にかかる支援措置を県としてよく検討していただきたいと思っております。
◎加藤農林部長 先ほど畜産課長から申し上げましたように、資金繰りが大変窮屈になっておりますので、その検討を今度の平成29年度の予算の中で今検討しているところで、そういう説明をさせていただきましたが、そういう検討を進めてまいります。
 やはり肥育経営がしっかり成り立っていかないといけないと思っておりますので、併せまして、子牛の増頭をしっかりやって、子牛の単価を安定させていくこと、それから肥育において枝肉価格を上げないといけませんので、ブランド化をしっかり進めること、それから、枝肉重量もしっかり上げていく、そのための種牛もしっかりよいものをつくってまいりました。
 併せまして、収益性を上げないといけないということで、肥育期間を短縮する、肉の品質を落とさないで肥育期間を29カ月から3カ月間短縮するという取組も行っているところでございまして、そういう総合的な対策で肥育経営をしっかり育てていきたいと思っております。