◆県議会議員定数等調査特別委員長(溝口芙美雄君)
〔登壇〕県議会議員定数等調査特別委員会の活動経過について、ご報告申し上げます。
本委員会は、平成31年春に予定されております県議会議員一般選挙を見据え、「県議会議員の定数、選挙区及び選挙区別議員数に関する調査」を付議事件として設置されたものでございます。
昨年7月の委員会設置以降、本日までの間に、6回の委員会を開催し、この間、公職選挙法等の関係法令や、他県の状況等について調査・確認を進めるとともに、県議会議員定数等のあり方について、総合的に検討を行ってまいりましたが、去る2月6日の委員会をもって調査を終了いたしましたので、ご報告を申し上げます。
まず、はじめに、現行の議員定数等の状況でございますが、平成18年7月に、「長崎県議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例」を一部改正し、議員の総定数を51人から5人削減し、46人と定め、平成21年12月、同条例の改正により、佐世保市及び北松浦郡の任意合区を行い、現行の議員定数及び選挙区に決定されております。
なお、雲仙市選挙区及び諫早市選挙区については、平成26年3月の「『長崎県議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例』に係る決議」により、公職選挙法第15条第8項ただし書きの規定を適用することとし、両選挙区の定数の調整が行われております。
また、この間、本県の人口は減少傾向が続いており、平成22年と平成27年の国調人口を比較いたしますと、5万人近くの減となっているところでございます。
それでは、これまで重ねてまいりました議論の経過について、ご報告申し上げます。
平成31年春に予定されております県議会議員一般選挙に向けて、付議事件であります「県議会議員の定数、選挙区及び選挙区別議員数」については、最終的に全会一致により、現行のとおりとすることと決定いたしました。
次に、付議事件の各項目についての調査結果及び主な論議事項について、ご報告申し上げます。
まず、「定数(総数)」でございますが、@二元代表制の地方自治では、議会はより多くの住民の意見を反映させる必要があること。A議会は行政をチェックする役割があるため、定数を削減することは議会の弱体化が懸念されること。B今後、地方分権や地方創生が進む中で、議会に求められる役割は大きくなっていくこと。C本県は多くの離島・半島を抱えており、他県とは異なる地理的状況があることを考慮する必要があること。D「議員一人当たり人口」を、全国・九州各県と比較した場合、いずれも中位であること。E平成18年に、定数見直しを行った当時の「議員一人当たり人口」よりも、現在の方が上回っていること。F議員定数を現行どおりとした場合の「議員一人当たり人口」の格差は、2倍を超えていないこと。
以上の理由から、平成18年に大幅な議員定数の削減を行った経過を踏まえ、現時点での定数削減には慎重であるべきであり、「定数(総数)」については、現行のとおり46人とすることと決定いたしました。
次に、「選挙区」でございますが、本県におきましては、公職選挙法の規定に基づく「強制合区」の対象となる選挙区はなく、また、「任意合区」の対象となる選挙区は、松浦市・壱岐市・西海市・南松浦郡の4選挙区が該当いたしますが、本県は離島・半島地域を多く抱えており、各地域の状況には大きな違いもあること、特に離島については配慮が必要なことから、広く県民の声を議会に反映させるためには、「任意合区」の規定は適用せず、現行のとおりとすべきであると決定いたしました。
さらに、西彼杵郡選挙区については、公職選挙法の規定に基づき、同選挙区内の2町をそれぞれ単独の選挙区とすることも可能であることから、「分区」についても論議を重ねましたが、「議員一人当たり人口」の格差が拡大すること、また、人口規模が近い他選挙区とのバランスの問題等も考えられるため、「分区」の規定は適用せず、現行のとおりとすることと決定いたしました。
なお、同選挙区の「分区」については、議員の総定数の削減を検討する段階においては、改めて検討する必要があるとの意見も出されております。
次に、「選挙区別議員数」でございますが、現行の「選挙区別議員数」は、平成26年3月の、「『長崎県議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例』に係る決議」により、雲仙市選挙区及び諫早市選挙区について、公職選挙法第15条第8項ただし書きの規定を適用し、両選挙区の定数が調整されているところでございますが、その後に実施されました平成27年国勢調査におきましても、両選挙区にかかる状況に変わりはないことから、引き続き、公職選挙法第15条第8項ただし書きの規定を適用することと決定いたしました。
このように、本委員会の検討結果といたしましては、現行の条例を維持することとなりましたが、人口減少が続く中、議員定数等のあり方についての議論をこのまま終わらせることなく、次回の国勢調査の結果が出された場合は、改めて定数見直しの議論を行うことが必要であるとの一致した意見がありましたことを、併せてご報告いたします。
以上、簡単ではございますが、県議会議員定数等調査特別委員会のご報告といたします。
ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)