令和 元年 11月定例会 農水経済委員会 12月10日−02号
P.51 ◆質問 溝口委員
◆溝口委員 研究事業評価に関する意見書ということで知事の方に研究事業についてということで意見書が提出されておりますけれども、研究事業を効率的に進めていくには十分な調査を踏まえて計画を策定することが重要であるということですけれども、今後、それを受けて県の方としてどのように検討し、進めていこうとしているのかお聞かせいただきたいと思っております。
P.51 ◎答弁 井内新産業創造課長
◎井内新産業創造課長 今回、研究事業評価委員会から意見書の提出を頂戴いたしまして、その中で総括的な今後の改善に向けてのご意見を大きく2点いただいております。
一つは計画段階の調査等が不足で、一応目標が明確になっていない部分がございましたので、その事前の十分な調査等を踏まえて研究計画を策定すべきという点と、もう一つが、今後、研究事業評価委員会としても、細かい点にわたって指摘をしていくので、それを十分に踏まえて研究の改善を図るべきというこの2点のご意見をいただいております。
研究事業評価委員会につきましては、県の評価条例に基づいて毎年実施しておりますが、このご意見を踏まえて調査の準備段階の調査をはじめとして、そういう研究の評価の調書がございますが、そういう中でこの事前の調査を十分にしたか、そういう部分も含めて今回のご意見を反映してしっかりやってまいりたいと考えております。
P.52 ◆質問 溝口委員
◆溝口委員 わかりました。ただ、研究として成果が幾らかは出ていると思うんですけれども、やはり商品になるようなものを開発して、経済の活性化につなげていかなければいけないと思うんです。15件ですか、今回、新規に研究として5件が予定されているようですけれども、そのことについてはどのような研究をしていこうとしているのかお聞かせいただきたいと思います。
P.52 ◎答弁 井内新産業創造課長
◎井内新産業創造課長 今回、産業労働部関係15件のうち5件が積極的に推進すべきという評価をいただいたところでございます。その一つといたしまして、非破壊計測装置の応用展開という研究がございまして、今、果物を傷つけることなく糖度をはかれる装置、これは特許を取得しているんですが、そういうものがございまして、それを農産物の品質管理だけではなくて、人間の血液成分を測定したり、そういうところに応用できないかという研究について高い評価を受けているところでございます。このように技術の応用もどんどん図ってまいりたいと考えております。
P.52 ◆質問 溝口委員
◆溝口委員 新規研究というところに5件となっているんですけれども、具体的に5件はどういうものになっているのか、新規の研究を5件指摘されているんですけれども、それはどのような種類ですかということです。
P.52 ◎答弁 井内新産業創造課長
◎井内新産業創造課長 こちらの新規の5件につきましては、いずれも工業技術センターの研究事業の5件でございまして、この5件のうちの評価につきましては、S評価、積極的に推進すべきが2件、A評価、概ね妥当であるが3件の内訳でございます。
P.52 ○議長 大場委員長
○大場委員長 どういう事業をしようとしているのかということを続けてお願いいたします。
P.52 ◎答弁 井内新産業創造課長
◎井内新産業創造課長 この5件のうち、工業分野それぞれ5件でございますが、5件を順番に申し上げますと、水素ガスの光学式検知技術の開発でありますとか、レーザー樹脂溶着の高品質化に向けた研究、さらには、県内食品産業の加工技術高度化に関する研究、それと木型の改善による鋳造品の品質向上に関する研究、それからシート材料の応用に関する研究、以上の5件でございます。
P.52 ◆質問 溝口委員
◆溝口委員 わかりました。これが商品化できるようなものができればいいんですけれども、やはり調査を踏まえて研究してくださいということですけれども、このことに対してはいろいろな調査を今から進めていくんですか。計画はもうできているんですか。
P.52 ◎答弁 橋本工業技術センター所長
◎橋本工業技術センター所長 ただいま、委員のご質問がございました件でございます。概ね事前に1年間フィージビリティスタディというのを実施いたしまして、県内の企業に技術ニーズがあるか、あるいはどういう企業が実際に商品化までもっていけそうかということを調査した上で研究計画を立てて評価委員会に審査していただくという手順になっております。
今回の中では、さまざまな分野がございます。何といいますか、基盤的なものから、もう市場に非常に近いもの、あるいは今後の工業技術センターの業務をしっかりやっていくための技術の確立というようなものが入っております。
例えば、水素ガスの光学式検知技術の開発というのは、今後、水素エネルギーが普及していくことになると、水素ステーションのガス漏れというのが非常に重要な課題になってまいります。従来あります水素の検知技術よりも感度がよくて、あるいは漏れてから早い時間に検知ができるようなセンサーをつくりたいということで私どもの研究員が提案をしております。私は、これはなかなか難しい研究だと思ったんですが、本人の技術レベルが非常に高うございますので、彼ならばできそうだということで、1年間しっかりフィージビリティスタディーをしろということで、さまざまな学会の発表を調査したり、それから共同研究できそうな大学の先生ともいろんな相談をしまして、これはやれそうだということで研究評価委員会に上げさせていただいております。
それから、レーザー樹脂溶着の高品質化に関する研究というのがあります。これは今後、海洋や水中でのIoTというのがだんだん普及してきますと、深海で水圧が高いところでIoTセンサーが水漏れなしに動いていくということが重要になります。そうしますと、その樹脂の接着技術というのが重要になってまいりますので、従来以上に低コストで安定して溶着ができるような技術を確立したいということで提案をさせていただいております。
それから、環境調和型エラストマーの開発というのは、今、プラスチックというのは石油とか石炭等の化石資源を使っているわけですけれども、今後、だんだんそれがやりにくくなるということで、バイオマスを使った樹脂をつくれるような技術を確立したいということで、これも研究員が県内の樹脂の企業と非常に密接に連携しておりますので、開発ができれば県内に還元ができそうだということで提案をさせていただいております。
それから、県内食品産業の加工技術高度化というのは、今後、県内は非常に食品加工産業の企業が多いんですが、なかなか県外で売るところまでいっていない企業が多いということで、食品加工業をもっと高付加価値化していかないといけないという私どもの危機感があります。これを支援するために、今まで以上に技術支援をするための準備をしようということで、県の方でもさまざまな取組をしておりますけれども、それとリンクした形の研究を今回提案させていただいております。
P.53 ◆質問 溝口委員
◆溝口委員 わかりました。ぜひ商品になるまで開発していただいて、そして、企業におろしていただいて、それが日本全国にわたって経済波及効果が出るようにしていただきたいと思いますので、しっかりと研究してください。よろしくお願いいたします。