令和 2年 9月 定例会 09月16日−02号
1.知事の基本姿勢について
(1)新幹線の整備促進について。【質問】・【答弁】・【再質問】・【再答弁】
(2)IR整備促進について【質問】・【答弁】・【再質問】・【再答弁】
(3)石木ダム建設促進について【質問】・【答弁】・【再質問】・【再答弁】
(4)コロナ対策について【質問】・【答弁】
2.コロナ禍における経済対策について
(1)企業振興について【質問】・【答弁】
(2)観光振興について【質問】・【答弁】・【再質問】・【再答弁】
3.農業・水産業の振興について
(1)コロナ禍における農業の影響と支援策の取組について【質問】・【答弁】
(2)コロナ禍における今後の養殖業について【質問】・【答弁】・【再質問】・【再答弁】
4.土木行政について
(1)西九州自動車道の整備促進について【質問】・【答弁】
(2)東彼杵道路の事業化について【質問】・【答弁】
5.長崎県立大学について
(1)県内外の学生が混在する大学内でのコロナ感染対策について【質問】・【答弁】
(2)コロナ禍における就職の状況について【質問】・【答弁】
P.15 ◆質問 42番(溝口芙美雄君)
◆42番(溝口芙美雄君) (拍手)〔登壇〕皆さん、おはようございます。
自由民主党・県民会議、佐世保市・北松浦郡選出、溝口芙美雄でございます。
質問に入ります前に、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に、謹んでお悔やみを申し上げますとともに、罹患された方々、そのご家族、関係者の皆様方、感染拡大により日常生活に影響を受けられている全ての皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。
今般の台風被害をはじめ、大雨被害等によって、本県はもとより、全国各地で大きな被害が生じております。お亡くなりになられた方々、被害を受けられた方々に対して、心からお悔やみ、お見舞いを申し上げますとともに、被災地の一刻も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
また、この場をおかりいたしまして、先般、辞任を表明された安倍内閣総理大臣のこれまでのご功績に対して、深く敬意を表しますとともに、菅新総裁のこれからのご活躍をお祈り申し上げます。
それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
知事、関係部長のご答弁をよろしくお願いいたします。
1、知事の基本姿勢について。
(1)新幹線整備促進について。
九州新幹線西九州ルートは、本県のみならず、九州全体、西日本地域の将来を考えた時に、交流人口の拡大等による地域振興や発展を図るために不可欠な高速交通手段であり、全線フル規格による整備を実現することが必要であります。
また、政府におかれても、全国の新幹線ネットワークは、しっかりつなぐことが重要であるとの考えを示されております。
平成24年に認可を受けた武雄温泉〜長崎間については、トンネルや橋梁等の土木工事がほぼ完成に近づき、現在は、新幹線駅舎の建設やレールの敷設工事等が精力的に進められ、令和4年度の開業がいよいよ近づいていることを実感しているところであります。
昭和48年に整備計画路線として決定されて以来、多くの関係者の皆様のご尽力により、本県にも、ようやく新幹線の時代が訪れようとしております。
一方で、未整備区間の新鳥栖〜武雄温泉間については、早期に議論を進めていく必要がありますが、ようやく6月5日に国土交通省と佐賀県との間で幅広い協議が開始されました。
また、6月16日には、国土交通省から、両者の協議の対象となる「5つの整備方式の全てに対応できる環境影響評価の提案」が行われ、これは複数年を要する環境影響評価の実施期間にわたり、腰を据えて幅広い協議が可能となる案であるとされておりますが、いまだ佐賀県の了解が得られておりません。
昨年1月の長崎、佐賀両県知事会談において、「現在の事態は、フリーゲージトレインの導入断念が原因であり、責任ある立場として、国において協議を進め、具体的な整備の方向性を示していただく必要がある」ことで意見が一致しており、中村知事は、このようなことを踏まえて、政府・与党に対して要望を行ってこられました。
しかしながら、佐賀県は「フル規格は受け入れられない」との姿勢であり、また、国土交通省との幅広い協議も具体的な進捗が見えず、不安に思っているところであります。
西九州ルートについては、財源、在来線等の課題があり、解決のためには、関係者である国や佐賀県、JR九州の協力を得ながら議論を前に進めていく必要がありますが、このような状況を踏まえ、県は、現在、どのような取組を行っているのか、また、今後、どのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。
(2)IR整備促進について。
特定複合観光施設(IR)につきましては、当初予定していた政府スケジュールからは、かなり遅れているという状況ではないかと思います。
確かに、新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより、世界各国のIR事業者が営業停止や営業自粛によって、非常に厳しい経営環境にあったことも承知しております。
これまで、IR事業者の公募開始時期については、「来年の国への申請期間を踏まえると、夏頃には着手する」と県当局から説明を受けてきましたが、県民をはじめ、我々の関心事項は、この政府スケジュールがどうなるのか、事業者の公募がいつから始まり、いつ事業者が決定するのかということです。
我々としては、早期に事業者を選定し、しっかりとした区域整備計画を作成してもらいたいと考えておりますが、一部報道などによりますと、政府が申請期間について、自治体や事業者の意見を踏まえて見直しを検討しているとも言われております。
政府スケジュールが変更される可能性がある中で、県としてどのように対応しようとしているのか、お尋ねいたします。
(3)石木ダム建設促進について。
「令和2年7月豪雨」で氾濫した熊本県球磨川流域においては、未曽有の豪雨災害で甚大な被害が発生しました。
熊本県の蒲島知事は、治水対策をめぐり計画が中止された川辺川ダムについて、「選択肢の一つであると認識している」と述べており、また、国土交通省は、熊本県や流域市町村と開催した検証委員会の場で、「川辺川ダムがあれば、人吉市内で水量が4割程度抑制され、洪水被害が軽減できた可能性があった」と説明したとの報道がなされているところであります。
近年、異常気象により、全国各地で豪雨災害が頻発し、川棚川流域においても、いつ起こっても不思議でない状況の中、石木ダム建設は、洪水被害を防ぐうえでも重要な取組であり、一日も早くダムを完成すべきと考えます。
このような状況を踏まえ、工事の進捗状況と今後の予定、また、昨年9月に知事と反対住民の話し合いが行われましたが、その後の状況と、今後、どのような働きかけを行うのか、知事のお考えをお尋ねいたします。
(4)コロナ対策について。
全国的に感染拡大が続いている新型コロナ感染症については、本県においても、7月以降、若い方を中心に200名を超える感染者が発生しているところであります。
国内の感染状況を踏まえて、これまでに得られた知見では、いわゆる「密閉」、「密集」、「密接」の「3密」となる環境や、大声をあげるような環境において、感染の連鎖が起こりやすいことが確認されております。
また、感染者のうち、8割の方は、他の人に感染させていない。また、8割は、軽症、または無症状のまま治癒するが、約2割の方が症状が悪化し、人工呼吸器などによる管理が必要となる方は、全体の5%程度と言われており、特に、65歳以上の高齢者や、基礎疾患を有する方で重症化のリスクが高くなるとされております。
これからの冬場に向けては、例年、多数の発熱患者が発生しており、季節性インフルエンザの流行も想定されますが、今後の新型コロナウイルス感染症対策は、多数の発熱患者が発生することを前提に、種々の対策を講じておく必要があると考えております。
そこで、これまでの感染実績で得られた知見を踏まえて、今年の冬の新型コロナウイルス感染症対策をどのように考えているのか、お尋ねいたします。
2、コロナ禍における経済対策について。
(1)企業振興について。
最新の国の月例経済報告によりますと、全国の景気は、「依然として厳しい状況にあるが、このところ持ち直しの動きが見られる」とされ、厚生労働省が公表した9月4日現在の全国での解雇等の見込み数は5万2,508人、本県では828人となっており、厳しい状況との認識であります。
また、内閣府が発表した本年4月から6月期の国内総生産の改定値は、物価変動を除く実質で前期比7.9%の減少、年率換算は28.1%の減となっております。
感染拡大で個人消費が激減し、リーマンショック後の年率17.8%を超えて、戦後最悪のマイナス成長であります。
そこで、新型コロナ感染症の影響が長期化している中、県内事業者への影響について、県はどのような認識を持たれているのか、お尋ねいたします。
県におかれては、これまでに補正予算を編成し、影響を受けた中小企業に対して、資金繰り支援や「新しい生活様式」実践のためのガイドラインに沿った取組を支援してきました。今後、どのような支援策を講じていこうとしているのか、お尋ねいたします。
(2)観光振興について。
観光需要を喚起し、景気や経済を回復させるために、7月22日からはじまった国の「GoToトラベルキャンペーン」の県内での効果があまり見えてこないと感じております。
6月1日から県がはじめた県民の県内宿泊を促進する「ふるさと再発見の旅」は、とても盛況で、わずか2週間余りで予定を大きく上回る予約がなされ、6月16日には新規予約が終了になるほどであったと伺っております。
このキャンペーンにより、県民が県内を旅行するきっかけとなり、宿泊施設にもお客が戻ったことを実感していただいたうえで、九州経済調査協会の6月と7月の宿泊施設平均稼働指数が全国トップになったことは、大変喜ばしいことだと考えております。
しかし、全国トップと言っても、7月で43.1と、昨年同月に比べて10.8も低く、まだまだ回復したとは言えない状況ではないかと思います。
「GoToトラベルキャンペーン」は、県民が県内を旅行する際にも利用できますが、あまり知られていないため、県民に対してもっと周知し、県内でも活用してもらうようにすべきではないかと考えますが、県の見解をお尋ねいたします。
次に、今後のクルーズ船の受け入れについて、お尋ねいたします。
長崎港においては、今年度、松が枝岸壁の2バース化が新規事業化となり、また、佐世保浦頭港においてもクルーズターミナルが完成するなど、クルーズ船受け入れ環境の強化が進んでいるものと考えております。
しかしながら、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大により、クルーズ船の動きは止まっている状態にあります。
長崎港においては、停泊していた「コスタ・アトランチカ号」の乗務員の集団感染が発生しました。その検証作業が進んでいると新聞等の報道で聞いておりますが、現在の状況と今後の対応について、お尋ねいたします。
クルーズ船の寄港は、交流人口の拡大による地域の活性化に寄与するものと考えられますが、クルーズ船の運航が再開された場合に備え、水際対策として、あらかじめ受け入れ対応を整理しておく必要があると思いますが、県の考えをお尋ねいたします。
3、農業・水産業の振興について。
(1)コロナ禍における農業の影響と支援策の取組について。
農業においても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるインバウンド需要の減退や飲食店等の休業などにより、消費が大幅に落ち込み、和牛や花卉などの価格が下落するなど、大きな影響を受け、生産者の皆様も大変なご苦労をしているとお聞きしております。
そこで、特に、大きな影響を受けている和牛と花卉の現在の状況について、お尋ねいたします。
また、農業は、離島・半島を多く抱える本県にとって重要な基幹産業となっており、コロナ禍の影響をできる限り少なくし、農業者が安心して経営を継続できるよう支援することが重要だと考えます。
県において、コロナ禍における様々な農業者への支援策を打ち出されていますが、これまでの支援策の主な取組状況について、お尋ねいたします。
(2)コロナ禍における今後の養殖業について。
本県の養殖業は、全国でも有数の生産額を誇っており、その額は、平成25年の279億円から、平成30年には360億円と順調な伸びを示しており、これは本県全体の平成30年の漁業生産額996億円の約36%を占めており、離島をはじめとした県内各地の漁村の活性化や漁業後継者の定着などに貢献しており、本県の基幹産業として重要な産業であります。
また、本県の海面漁業における生産量は、水産資源の減少などから伸び悩んでいる中で、安定的、持続的に生産を確保することが可能な養殖業の振興をこれから図っていくことは大変重要であると考えます。
しかしながら、県内の養殖業者は、小規模な経営規模の業者が多く、出荷価格の低迷や養殖餌料価格の高止まりなどの影響を受け、大変厳しい経営状況が続いています。
そのような中、今回の新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国内では例を見ない感染防止に向けた「緊急事態宣言」が発出され、外出自粛や飲食店の休業、イベントの中止などにより、水産物の需要は大きく落ち込み、養殖魚についても出荷取引が停滞し、価格も低下するなど、県内の小規模な養殖業者は、さらに厳しい経営を強いられています。
国の補正予算と連携した県の緊急対策により、養殖魚の学校給食への食材提供などが取り組まれているところですが、今後、コロナ禍の中で養殖業を持続的に発展させていくためには、感染拡大の影響により、課題として見えてきた「取引価格の低下」、「売り先の確保」についての対策を講じていく必要があると考えます。
そこで、県として、これからの養殖業の振興について、どのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。
4、土木行政について。
(1)西九州自動車道の整備促進について。
西九州自動車道は、長崎県、佐賀県、福岡県の主要都市間の連携強化を促し、観光、産業や経済の活性化に寄与する道路であり、さらには、地域経済や雇用を支える大変重要な事業でもあります。
そのような中、松浦佐々道路については、今年度、80億円もの当初予算が確保され、早期完成を望む地域にとって、工事のさらなる進捗が期待されているところでありますが、現在の進捗状況について、お尋ねいたします。
また、コロナ禍の中、来年度の公共事業を取り巻く環境は大変厳しくなることが懸念されるが、当事業の予算確保に向けて、国に対してどのような働きかけを行うのか、併せてお尋ねいたします。
(2)東彼杵道路の事業化について。
国道205号は、県北地域と県央・県南地域を最短で結び、長崎空港への連絡や、ハウステンボスをはじめ、県内の周遊観光を支える重要な路線であります。
しかしながら、ハウステンボス入口交差点から東そのぎインター間においては、慢性的な交通渋滞が発生しており、産業や観光振興に支障を来しているところです。
さらに、ハウステンボス周辺地域へのIR誘致を進めるに当たっては、当地域の交通混雑解消や定時性を確保することが重要であり、そのためには東彼杵道路の整備が必要不可欠と思われますが、事業化に向けた県の取組をお尋ねいたします。
5、長崎県立大学について。
(1)県内外の学生が混在する大学内でのコロナ感染対策について。
新型コロナウイルス感染症については、飲食店や若年層や学生が集まる場所などにおいて、全国的に発生しており、大学内でクラスターが発生しているケースも見られます。特に、県内外から多くの学生が集まる大学においては、感染拡大やクラスター発生のリスクが高まっている状況であると考えられております。
県立大学においては、9月から夏季休業に入ると聞いておりますが、広域的な移動も想定されることから、新学期開始後の感染防止対策も重要になってくると思います。
そこで、県立大学においては、どのような感染防止対策を実施しているのか、また、学内で感染者が発生した場合、どう対応するのか、お尋ねいたします。
(2)コロナ禍における就職の状況について。
県立大学においては、平成28年4月に学部学科再編を行い、令和2年3月に卒業した第1期生においては、全国的に知名度の高い企業や誘致企業などにも採用され、大学全体として高い就職率を達成したと聞いております。
しかしながら、今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、全国的に見ても求人状況は厳しい状況であり、大規模な就職イベントや合同企業説明会の中止などのほか、一部の企業においては新卒者の採用を中止したいといったことも聞いております。学生の就職活動に様々な影響が出ているのではないかと危惧しているところであります。
そこで、県立大学における今年度の学生の就職活動状況はどうなっているのか、また、学生に対して、どのような支援を実施しているのか、お尋ねいたします。
以上で、壇上からの質問を終了し、再質問につきましては、対面演壇席で行わせていただきます。
ありがとうございました。
P.20 ◎答弁 知事(中村法道君)
◎知事(中村法道君) 〔登壇〕溝口議員のご質問にお答えいたします。
まず、九州新幹線西九州ルートについて、県の現在の取組、そしてまた、今後の取組についてはどう考えているのかとのお尋ねであります。
九州新幹線西九州ルートの新鳥栖〜武雄温泉間の整備については、国土交通省から令和5年度着工に向けた時間軸が示されたものの、佐賀県が環境影響評価の提案に同意しておらず、このままでは着工が大幅に遅れるおそれがあるなど、今が大変重要な局面であると認識しており、これまで関係者に対し、整備促進を働きかけてまいりました。
JR九州に対しては、佐賀県が在来線を重要視されていることから、事態を少しでも前に進めるために、「在来線について、一歩踏み込んだ提案ができないのか」といったお話をしたところ、協議の中で「真摯に議論する」とのことでありました。
また、政府・与党に対しては、事態打開に向けてご尽力をいただくため、県議会や経済界とともに、早急な環境影響評価調査への着手や財源確保等についての要望を行ったところであります。
さらに、佐賀県に対しては、同県の課題解決に向けて具体的な問題認識を聞かせていただくために、知事同士の会談を申し込んだところでありますが、実現には至っておらず、大変難しい状況が続いているところであります。
私といたしましては、佐賀県と一緒に取り組むことで、前に進む課題もあるものと考えており、そのためにも佐賀県知事と腹蔵なく話し合う機会を求めるなど、今後も積極的に働きかけを行い、フル規格による整備の早期実現を目指してまいりたいと考えております。
次に、IRについて、政府スケジュールが変更される可能性がある中で、県としてどのように対応するのかとのお尋ねであります。
IR区域の整備は、地域経済に大きなインパクトをもたらすものであり、質の高い雇用を生み出すことで定住人口の増加も期待されるなど、県勢浮揚の絶好の機会でありますことから、その実現に向け、全力を注いでいるところであります。
IR導入のスケジュールについては、政府は、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、「自治体や事業者の状況を丁寧に確認しながら対応する」とされております。
こうした中、現在、令和3年1月4日から7月30日までとされている区域整備計画の認定申請期間の延期に関する報道もなされております。
本県においても、IR事業者への聞き取りを行ったところ、感染拡大防止のため、出入国制限等が継続されている現状を踏まえ、多くの事業者からは、「現時点で公募が開始された場合、対応が難しい」等の意見をいただいているところであります。
本県といたしましては、国の基本方針案に定める公平・公正な手続のもと、すぐれた事業計画を提案した事業者を選定するためには、より多くの事業者が応募できる環境のもと、競争性を確保することが重要であると考えており、本年夏頃を予定しておりました事業者の公募開始については、一旦見送ることといたしました。
今後のスケジュールにつきましては、国の動向や事業者の状況等を総合的に勘案しながら検討したいと考えているところであり、いかなる状況にも適切に対応できるよう、万全を期してまいりたいと考えております。
次に、石木ダムについて、予算執行ベースにおける進捗状況と今後の予定、また、反対住民に対して、どのように働きかけていくのかとのお尋ねであります。
先般の「令和2年7月豪雨」では、県内及び全国各地において大きな被害が発生したところであり、改めて犠牲となられた皆様方に深く哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
近年、毎年のように自然災害が発生しており、県民の安全・安心を確保するためには、防災・減災対策を進めていかなければならないという思いを強くしたところであります。
石木ダム建設事業の進捗率につきましては、令和元年度末時点で、予算執行ベースで約61%となっております。今年度内には、ダム本体工事の一部に着手してまいりたいと考えており、今後も令和7年度末のダム完成に向けて、適切に工事を進めていく必要があります。
また、事業に反対されている地元住民の方々には、昨年9月に面会をさせていただいた後も、土木部長らが現地に赴き、話し合いに応じていただけるよう呼びかけを行っておりますが、「事業の白紙撤回が前提である」とされ、いまだ応じていただけない状況であります。
反対住民の皆様方には、ダムの早期完成を望む多くの方々の思いや、昨今の自然災害の状況をご理解いただき、早期に事業にご協力いただけるよう、粘り強く働きかけを続けてまいりますとともに、佐世保市や川棚町と連携して事業の推進に力を注いでまいりたいと考えております。
次に、今年冬の新型コロナウイルス感染症対策をどのように考えているのかとのお尋ねであります。
本県の新型コロナウイルス感染症の発生動向については、7月以降、これまでに200名以上の感染者が発生いたしましたが、8月上旬をピークに、感染者数は一定落ち着きを見せております。
これも県民の皆様や各事業者の皆様方が、「新しい生活様式」や「業種別ガイドライン」の遵守など、感染防止対策に取り組んでいただいたおかげであり、基本的な感染予防の徹底が何よりも重要であると考えております。
また、感染者のうち、50歳代以下が約87%を占め、そのほとんどは軽症、または無症状であり、重症者は約1.7%にとどまっております。
そのため、軽症者は宿泊療養を基本として、重症化するリスクが高い高齢者等への感染防止対策を徹底するとともに、限られた医療資源は重症者に重点化する必要があると認識しております。
なお、季節性インフルエンザの流行期には、新型コロナウイルス感染者と判別が困難な発熱等の症状を訴える患者が大幅に増え、検査や医療の需要が急増することが見込まれることから、国は、10月中に医療体制を整備する方針としているところであります。
現在、新型コロナウイルス感染者に対応している帰国者・接触者外来を設置する医療機関だけで、全ての発熱患者に対応することは困難でありますことから、国の方針も踏まえて、県医師会や長崎大学等と連携して、地域ごとに発熱患者に対応するための医療機関を確保し、検査体制の充実を図るよう検討してまいりたいと考えております。
そのほかのお尋ねにつきましては、関係部局長からお答えをさせていただきます。
P.22 ◎答弁 産業労働部長(廣田義美君)
◎産業労働部長(廣田義美君) 私の方からは、2点についてお答えいたします。
まず、新型コロナウイルス感染症の県内中小企業者への影響について、県はどのように認識をしているのかとのお尋ねでございます。
日銀長崎支店が公表した直近の金融経済概況では、「長崎県の景気は、改善に向けた動きが見られるものの、新型コロナウイルス感染症の影響から、引き続き、厳しい状況にある」とされております。
また、長崎経済研究所がまとめた県内企業景況調査の結果においても、7月から9月期の全業種の業況判断指数はマイナス57と低迷し、過去最低水準が続いているとされております。
一方、雇用情勢につきましては、長崎労働局が公表した感染症の影響による解雇及び解雇見込みが、9月4日現在、124事業所で828人となっており、また、7月の有効求人倍率は0.93倍と3か月連続で1倍を下回っております。
このように、県内中小企業の経営環境は依然として厳しい状況にあるものと認識しており、今後とも、個人消費や企業生産の動向、雇用環境など、県内中小企業に与える影響を注視してまいりたいと考えております。
次に、県内中小企業に対して、どのような振興策を講じていくのかとのお尋ねでございます。
これまで、感染拡大防止と経済活動の両立を図るため、業種別ガイドラインの遵守に向けた事業者の取組を支援するとともに、制度融資の融資枠の拡大を図るなど、事業継続に向けた資金繰り支援を行ってまいりました。
また、サービス産業における新たな販売手法への転換や、飲食店の換気・空調設備の整備など、再起に向けた取組に対する支援のほか、製造業のサプライチェーン強靭化に努めております。
さらに、今後は、本格的な経済活動の回復・拡大を見据え、これまでの施策に加え、新たな対策を講じてまいりたいと考えております。
特に、飲食店については、事業者が行う施設改修や、換気設備導入にかかる支援を実施し、安心・安全に買い物や飲食ができる環境整備により、誘客を促進してまいりたいと考えております。
また、影響の拡大が懸念される製造業については、航空機、半導体等の分野において、地域経済や雇用を下支えしながら、今後の成長に向けた基盤整備強化を図るため、県内企業が行う研究開発や設備投資等を支援してまいりたいと考えております。
今後とも、新型コロナウイルス感染症が中小・小規模事業者に及ぼす影響を注視しながら、適時適切に必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
P.23 ◎答弁 文化観光国際部長(中崎謙司君)
◎文化観光国際部長(中崎謙司君) 「GoToトラベルキャンペーン」の県内旅行への活用についてのお尋ねでございますが、県民の皆様には、ぜひ「GoToトラベルキャンペーン」を活用して県内を周遊し、ふるさとの魅力を再発見していただきたいと考えており、本キャンペーンが県内旅行にも活用できることをテレビCМや広報誌等を通じて発信してまいります。
また、観光ポータルサイト「ながさき旅ネット」でも、県内の対象宿泊施設の情報や、民間事業者が造成する県内を巡るツアーなどの情報、また、県内事業者による感染防止対策を紹介するなど、わかりやすい発信に努めているところでございます。
11月からは、県内を楽しみながら周遊していただく「宝探しイベント」の実施により、さらなる県内旅行の需要喚起を行うなど、「GoToトラベルキャンペーン」の効果を、広く県内に波及させてまいりたいと考えております。
P.23 ◎答弁 福祉保健部長(中田勝己君)
◎福祉保健部長(中田勝己君) クルーズ船の集団感染に関する検証作業の現在の状況と今後の対応についてのお尋ねでございます。
県と長崎市が共同で行っているクルーズ船「コスタ・アトランチカ号」での集団感染事案の検証につきましては、本事案に対応いただいた全ての関係者からご意見をいただき、外部有識者を含めた検証評価委員会による評価をいただいたうえで、今回、検証報告書の素案を作成したところであります。
この素案では、国に対し、集団感染への対応に主体的に関わる体制を構築することを求めるほか、県内の感染管理体制の状況などに応じた船の受け入れにかかる運用指針の作成や、官民で新たな組織を設置し、情報共有を図ることなどを盛り込んでおります。
今議会におきまして、ご意見をいただいたうえで、速やかに最終報告書として取りまとめ、国に対する要望や、県が行うべき取組を進めていきたいと考えております。
P.23 ◎答弁 土木部長(奥田秀樹君)
◎土木部長(奥田秀樹君) 今後のクルーズ船の受け入れについてのお尋ねですが、県としては、「コスタ・アトランチカ号」の検証結果を踏まえ、国が進めている感染予防の安全対策とも整合を図り、受け入れの可否や、受け入れる際の条件の付し方など、港湾管理条例の改正等を含めた検討や、関係者との情報共有の場を設けるなど、受け入れ体制の強化を進めてまいりたいと考えております。
クルーズ船の運航再開に備え、県民の皆様に安心していただけるよう、万全の対策を講じてまいります。
次に、松浦佐々道路の進捗状況と予算確保に向けた取組についてのお尋ねですが、平成26年度より、国において事業化されました松浦佐々道路については、今年度の当初予算80億円が確保され、松浦市側より、トンネルや橋梁工事などが鋭意進められるとともに、佐々町側では、今年度より用地買収が行われるなど、事業が全面的に展開されているところです。
県としては、当路線の早期完成に加え、コロナ禍における地域経済の回復を図るうえでも、来年度以降も安定した予算確保が重要であることから、去る6月には、中央官庁での要望活動が制限される中、関係市町とともに、国土交通省道路局長に対し、Web会議を活用した初の要望を行っており、さらに、7月には、知事が、佐世保市長、平戸市長とともに、財務省、国土交通省などに、令和3年度道路予算の確保並びに当該道路の整備促進にかかる要請を行ったところです。
今後も、引き続き、松浦佐々道路の早期完成に向けて、国に対し積極的に働きかけてまいります。
次に、東彼杵道路の事業化に向けた県の取組についてのお尋ねですが、国道205号の交通渋滞対策や、県北地域と県央地域とのアクセス強化のためには、東彼杵道路の早期整備は重要であると考えており、これまでも沿線自治体を含む地元期成会とともに、国に要望を行ってきたところです。
このような中、今年度より、国において事業化の前段階となる計画段階評価に着手されることとなり、学識経験者をはじめとした有識者委員会の意見を聞きながら、概略ルート帯や構造の検討が審議される予定となっています。
IRのハウステンボス周辺地域への誘致を目指す本県においては、東彼杵道路の重要性がますます高まることから、引き続き、有料道路事業の活用も含め、早期事業化が図られるよう、関係市町と一体となって地域の実情や事業の必要性を国に訴えてまいります。
P.24 ◎答弁 農林部長(綾香直芳君)
◎農林部長(綾香直芳君) 私の方から、2点お答えをさせていただきます。
まず、コロナ禍で大きな影響を受けている和牛と花卉の現在の状況はどうかとのお尋ねですが、和牛については、「緊急事態宣言」による外食産業の営業自粛やインバウンド需要の落ち込みなどにより、佐世保食肉市場におけるA4等級の和牛枝肉価格は、5月に1キロ当たり1,867円と、前年同月比で24%下落したところです。その後、8月には2,182円まで回復しつつありますが、まだ前年同月比で10%低い水準にあります。
また、花卉については、冠婚葬祭の延期や規模縮小による需要の落ち込みにより、長崎花市場における輪菊の価格は、4月に1本当たり39.4円、バラについては、1本当たり57.6円と、前年同月比で約30%下落したところです。
その後、8月に入り、輪菊については、お盆の需要により66.6円と、前年同月と同水準まで回復してきましたが、バラについては、依然として前年同月比で8%低い水準にあります。
次に、コロナ禍における農業分野でのこれまでの支援策の取組状況はどうかとのお尋ねですが、県としましては、農業団体や市町と連携し、影響を受けている農業者の経営継続に向けて、資金繰り対策をはじめ、国の補正予算や地方創生臨時交付金を活用し、各種支援策に取り組んでいるところです。
特に、生産対策として優良な肥育牛生産に向けた経営体質強化や、野菜や花卉などの高収益作物を生産する農家の次期作への取組、経営を継続する農家の機械、設備の導入等への支援を行っているところです。
また、消費拡大対策として、県内の学校給食に対し、8月末現在で県産牛肉を355校、県産地鶏を145校に提供したほか、県庁や各市町、長崎駅における県産花卉の装飾などに取り組んでおり、引き続き、和牛や果実等の学校給食への提供や、県内量販店での長崎和牛等県産食材の販売促進、県内小学校への花の展示などを行うこととしております。
新型コロナウイルス感染症拡大の収束が見通せない中、生産者の皆さんが安心して経営を継続できるよう、今後とも、これらの取組、支援策について、市町、関係団体と一体となり、しっかりと取り組んでまいります。
P.25 ◎答弁 水産部長(斎藤晃君)
◎水産部長(斎藤晃君) 県として、これからの養殖業の振興について、どのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございますが、まず、取引価格の低下というふうなことで、県といたしましては、漁業の収入安定対策でございます「積立ぷらす」への加入促進を図ることが非常に重要と考えております。この加入要件でございます漁場改善計画の策定指導といったものを進めてきたところでございます。
本年度につきましては、加入が進んでいなかった8水域で新規の計画を認定したというふうなことでございます。
また、売り先の確保につきましては、県内に滞留いたします養殖魚を学校給食へ提供する、あるいは消費者へ直接購入していただくためのネット通販、こういった取組を実施してきたところでございます。
今後につきましては、国内外市場のニーズに対応いたしました供給安定体制づくりといった必要な対策を、「養殖産地育成計画」の方に盛り込みながら、養殖業者の実践活動といったものを支援してまいりたいと考えております。
さらに、国の方で「養殖業成長産業化総合戦略」といったものを公表したところでございますが、こちらの方は今後の予算措置といったものも見込まれることから、これらの国の対策を活用しつつ、関係者とも連携しながら、本県養殖業の成長産業化、こちらの方に取り組んでいきたいと考えております。
P.25 ◎答弁 総務部長(大田圭君)
◎総務部長(大田圭君) 私から、長崎県立大学についてのご質問について、2点お答えを申し上げます。
県立大学において、どのような新型コロナウイルス感染症対策を実施しているのか、また、発生した場合、どのように対応するのかとのお尋ねでございます。
県立大学におきましては、感染防止対策といたしまして、講義は、原則遠隔授業ということにしてございます。ただ、教育効果の観点から、演習ですとか、語学といった直接的に指導することが必要な科目につきましては、定期的な換気や座席間の距離を取るといった「3密」を回避する対策を行いまして、対面での授業を実施しているという状況でございます。
また、学生に対しましては、「新しい生活様式」の実践のほか、「行動記録表」ですとか、「健康チェックシート」といったものを配布いたしまして、日頃から健康管理に努めるよう注意喚起を徹底してございます。
さらに、感染者が発生した場合、学内で発生した場合の対応につきましては、対応方針といったものをあらかじめ策定いたしまして、発生時には、理事長を本部長とする対策本部を設置をいたしまして、保健所と相談のうえ、大学を閉鎖するなどの適切な対応をとるということにしております。
また、9月4日より夏季休業期間に入っておりますけれども、夏季休業期間におきましては、「3密」が起こる場所への出入りを避けるなど、学生に対して、改めて周知徹底を行ったという状況でございます。
次に、県立大学での学生の就職活動の状況及びどのような支援を実施しているのかとのお尋ねでございます。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴いまして、企業の採用活動にも変化が見られておりまして、Webを活用した選考ですとか、採用活動の一時中止、また、航空会社ですとか、旅行会社におきましては、今年度の採用を中止するといったことなどが起こりまして、学生の就職活動にも影響が及んでいるという状況でございます。
県立大学においては、大学の求人件数は対前年度比で県外・県内企業とも減少しておりまして、内定状況につきましても、昨年度同期と比較して減少していることから、学生の就職活動は例年に比べて遅れているという状況でございます。
大学におきましては、採用活動の変化に対応いたしまして、Webを活用した面接指導を実施しているほか、学生に対してはメールによりまして、Web個別相談の案内…。
P.26 ◆質問 42番(溝口芙美雄君)
◆42番(溝口芙美雄君) 引き続き、答弁をお願いします。
P.26 ◎答弁 総務部長(大田圭君)
◎総務部長(大田圭君) 学生に対しましては、メールにより、Webの個別相談の案内ですとか、企業の説明会の情報といったものを積極的に提供しながら、活動状況の把握ですとか、就職支援に努めてございます。
個々人に寄り添ったきめ細かい就職支援を、今後とも行ってまいりたいというふうに考えております。
P.26 ◆質問 42番(溝口芙美雄君)
◆42番(溝口芙美雄君) ご答弁、いろいろとありがとうございました。
まず、新幹線の整備促進についてですけれども、先ほども環境影響評価ということで、大変佐賀県との隔たりがあるわけです。在来線についても知事が触れられたと思っておりますけれども、やはりこの九州新幹線西九州ルートについては、在来線や財源確保などの課題解決に向けて、県も努力しておられますけれども、特に、在来線問題については、新鳥栖〜武雄温泉間は、佐世保線と直結しておりまして、県北地域にとっても非常に重要な路線であると思っております。
また、佐賀県においても、在来線が大事だということを主張されており、昨日の新聞等でも南里部長から、在来線についての考え方が述べられておりましたけれども、ここの区間をフル規格で整備した場合、利便性の確保を懸念しているものと考えております。
知事は、先ほども触れましたけれども、JR九州の社長とも会いまして、一歩踏み込んだ提案をしていただきたいというそういう話をされたと聞いているんですけれども、そのことについて、社長の方から特別な答えがあったのかどうか。
そしてまた、新鳥栖〜武雄温泉間がフル規格により整備された場合の、この在来線の鳥栖〜武雄温泉間について、県としてどのように考えていくのか、お尋ねしたいと思っております。
P.27 ◎答弁 知事(中村法道君)
◎知事(中村法道君) この新鳥栖〜武雄温泉間は、新幹線がフル規格で整備されますと、並行在来線としての取り扱いが検討される可能性が出てくる路線であります。
しかしながら、この区間は、佐世保線と直結しているところでありまして、住民生活を支える路線、あるいは都市間ネットワークを形成する路線として大変重要な路線であると認識をしているところであります。
したがいまして、長崎県としても、引き続き、ぜひJR九州により経営を継続していただく必要があると考えているところであり、先ほど申し上げましたように、佐賀県においても在来線は重要視されておりますことから、先般、JR九州の社長に対しましても、そうした長崎県の思いを直接お伝えしてまいりますとともに、在来線について、一歩踏み込んだ提案ができないかということを訴えてきたところであります。
具体的な前向きの回答はいただけませんでしたけれども、「今後の話し合いの協議の中で、真摯に対応していく」というお答えをいただいたところであり、また、国においても、先般、佐賀県に地元負担額を示されたところでありますが、その地元負担額の算定根拠となっている考え方については、この並行在来線は、そのまま経営が維持されるという前提で地元負担額が試算されているという事情もありますので、引き続き、在来線の経営維持については、関係機関に、JR九州を含めて働きかけてまいりたいと考えております。
P.27 ◆質問 42番(溝口芙美雄君)
◆42番(溝口芙美雄君) ありがとうございます。
今日の新聞等で、佐賀県の自民党県議団が、アセスについても取り組むようにというそういうお願いをしていくということで出ておりましたけれども、長崎県としても、先ほどなかなか話し合いの場は持てないということでしたけれども、できる限り話し合いの場を設けるような形で交渉をしていただきたいと思いますので、その点については要望にとどめておきたいと思っております。
次に、IR整備促進ですけれども、先ほど交渉に当たって、公募に当たっては、まだ今のところ、全事業者が今はコロナ禍の中では無理ではないかというそういうお話が出たんですけれども、大阪府と市、それから和歌山県については、事業者の公募をもう開始しているという報道がなされているわけです。政府のスケジュールを待って、それでやっていけるのかどうか、遅くならないのかどうか、それがちょっと懸念されるんですけれども、このことについて、知事の考え方をお尋ねいたしたいと思います。
P.27 ◎答弁 企画部長(柿本敏晶君)
◎企画部長(柿本敏晶君) 政府は、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえて、関係自治体等のヒアリングを行うなど、自治体や事業者の状況を丁寧に確認しながら対応することとされておりまして、申請スケジュールについても、それほど遠くない時期に示されると考えております。
一方、申請期間が変更されない場合には、10か月の限られた期間で、事業者の公募・選定と区域整備計画の作成を行う必要があるため、様々な工夫を行いながら準備を進めているところであり、公募・選定に向けては、募集要項や審査基準など、公募に必要な書類は既に作成済みであるほか、審査委員会も設置済みであり、いつでも公募に着手できる状況にあります。
また、区域整備計画についても、行政が主体となる部分の作成や、事業者と締結する基本協定案、実施協定案の作成など、事前に実施可能な作業を先行して進めております。
併せて、作業工程の圧縮や期間の短縮についてもシミュレーションを行い、他地域に遅れをとらず、申請期限に間に合うよう、しっかりと準備を進めておりますが、政府に対しても、早期にスケジュール案を示していただくよう要請をしているところでございます。
P.28 ◆質問 42番(溝口芙美雄君)
◆42番(溝口芙美雄君) 政府のスケジュールが変更になるかもわからないというそういう考え方に立っていることと、事業者が今のところ、公募についてもなかなか難しいということですけれども、やはり政府がもしスケジュールを変えなかった場合でも、すぐに公募して、その対策にのれるように努力していただきたいと思っております。
また、恐らく2026年以降になってくるのかなと思うんですけれども、その頃には新型コロナウイルスのワクチンなんかも開発されているんじゃないかと思うんですけれども、私たちが今進めている観光産業の回復の起爆剤とするためにも、やはりこのコロナ収束を見据えたIR誘致について、引き続き、全力で取り組んでいただきたいと思いますが、改めて知事の考え方をお願いしたいと思います。
P.28 ◎答弁 知事(中村法道君)
◎知事(中村法道君) このIRについて、海外のIRでは、新型コロナウイルス感染症で様々な影響が生じたところでありますが、順次営業が再開され、業績回復に向けた取組が進められていると伺っております。
また、先ほどもご指摘いただきましたけれども、我が国のIRの開業目標を2020年代半ばから後半とされているところでありますので、今後の感染症の収束を見据えながら、我が国への参入に意欲を持っておられる事業者が多いものと受け止めているところであります。
我が国におけるこのIRの導入の意義といたしまして、世界中から観光客を集め、そのおいでいただいた観光客を国内各地に送り出すということで、国際競争力の高い滞在型観光を実現しようということでありますので、こうしたことは本県についても絶好の機会であると受け止めているところであり、何としても、本県のみならず、九州の観光振興にも寄与するようなこの事業を積極的に推進してまいりたいと考えているところであります。
P.28 ◆質問 42番(溝口芙美雄君)
◆42番(溝口芙美雄君) わかりました。
何しろ、私たちとしては、長崎県だけのIR誘致ではないということを認識しながら、九州の各県の皆さん方から了解を得て、「九州・長崎IR」ということでやっていると思いますので、ぜひ長崎県は、せっかく九州の皆様方から応援してもらっていますので、誘致できるように、しっかりとした取組を行っていただきたいと思っております。
それから、石木ダム建設促進についてですけれども、事業を推進していくためには、やはり機運を高めていかなければいけないと思うんです。やはり反対派の方々のことばかり報道関係にも載ってくるんですけれども、やはり佐世保市、また川棚町が一体となってダム建設促進に向けた機運を高めるためにも、どのようにしていけばいいか、また、県がどのように取り組んでいくのかをお尋ねしたいと思っております。
P.29 ◎答弁 土木部長(奥田秀樹君)
◎土木部長(奥田秀樹君) 県としては、ダム建設促進の機運を高めるためには、何より県民の皆様のさらなる事業へのご理解が最も重要だと考えています。
そのため、全世帯広報誌や県政広報番組などを通じて、石木ダム事業の必要性を広くお伝えしているところですが、今後は、佐世保市や川棚町との連携を深めるとともに、ダムの早期完成を望む方々のご支援もいただきながら、県民の皆様の事業への理解が深まるよう、全力で取り組んでまいります。
P.29 ◆質問 42番(溝口芙美雄君)
◆42番(溝口芙美雄君) 先ほどの説明の中で、予算執行ベースでは61%の進捗状況だということで、ダム本体の一部に着工するということでございますけれども、このことについて、本体の着工をいつ頃から考えているのか、お尋ねをしたいと思います。
P.29 ◎答弁 土木部長(奥田秀樹君)
◎土木部長(奥田秀樹君) 現在、整備を進めています付け替え県道等の進捗状況を見ながら、総合的に勘案して判断してまいりたいというふうに考えております。
P.29 ◆質問 42番(溝口芙美雄君)
◆42番(溝口芙美雄君) それでは、観光振興についてですけれども、先ほど官民一体となった組織をつくりながらということでしたけれども、クルーズ船の受け入れについては、先の新聞報道で、今後の条例改正を含めて検討するとのことでした。
受け入れの可否の判断については、県・市の医療部局を含めた全体としての判断が必要と思われますけれども、県としてどのように考えているのか、お尋ねをしたいと思っております。
P.29 ◎答弁 土木部長(奥田秀樹君)
◎土木部長(奥田秀樹君) 具体的には、これから仕組みづくりを検討することとしていますが、受け入れ可否等については、寄港の目的をはじめ、船内の感染管理体制や健康状態、地域の感染状況、医療提供体制の逼迫度などを踏まえ、総合的に判断する必要があると考えています。
このため、クルーズ船の受け入れに関する関係機関の意見を踏まえ、港湾管理者として受け入れの可否等について判断できるような仕組みを構築してまいります。
P.29 ◆質問 42番(溝口芙美雄君)
◆42番(溝口芙美雄君) 養殖業の振興についてですけれども、先ほど部長より答弁いただきましたけれども、養殖業の経営維持には「積立ぷらす」の活用が必要であるとのことですが、国はコロナ禍において、どのような対策を講じ、また、今後、県においては、どのような活用促進に取り組まれていくのか、お尋ねをしたいと思っております。
P.29 ◎答弁 水産部長(斎藤晃君)
◎水産部長(斎藤晃君) 国の方は、いろいろ基金の積み増しですとか、早期の払い戻し、こういったものを行っております。
県の方も、今後、加入率の促進に向けて、先ほども申しましたとおり、取組を進めていきたいと思います。
P.29 ◆質問 42番(溝口芙美雄君)
◆42番(溝口芙美雄君) 終わります。
ありがとうございました。(拍手)