令和 2年 11月定例会 環境生活建設委員会 12月09日−03号
P.108 ◆質問 溝口委員
◆溝口委員 一つだけ通告していましたので、令和3年度の重点施策についてお尋ねします。
部長説明の中で、主な施策としては「各地域における新たなプロジェクトの進展に合わせて、本県を訪れる多くの方々に感動を持ち帰っていただく」という文面があるんですけれども、その感動を持ち帰っていただく具体的な施策についてお尋ねしたいと思います。
P.108 ◎答弁 佐古観光振興課長
◎佐古観光振興課長 重点戦略の案としてお示ししている中で、庁内の関係課との調整が完全に終わらずに、この資料の中に入れ込めてないんですけれども、今、観光振興課の方で来年度に向けて検討しておりますのは、観光まちづくりをこれまで以上に強く支援をしていきたいということで、具体的には21世紀まちづくり補助金というのが従来からございますけれども、それの活用を少し規模を大きくする。あるいは、各地域でしっかり感動を持ち帰っていただけるようなまちづくりを進めていただくための人的な支援、そういったことも含めて今検討をしております。まだ調整が未了で本日の案には盛り込めておりませんけれども、そういった方向性の事業を考えておりますので、引き続き委員会にもご相談してまいりたいと考えております。
P.108 ◆質問 溝口委員
◆溝口委員 わかりました。今、調整中ということですね。
ただ、今回、食の充実や訪れる方々に訪れてみたくなる体験ということでメニューの開発ということになっているんですけれども、このことについてはどのように考えているんですか。
P.108 ◎答弁 佐古観光振興課長
◎佐古観光振興課長 今考えておりますのは、やはり本県の特色だと考えております食の部分です。食の部分を地域の皆様、単に観光事業者だけではなくて、飲食店の皆様と連携して、しっかり地域全体で付加価値を上げていくというような取組、異業種の方が連携して取り組んでいただく際に、そこの支援を少し厚くするとか、これは一つの例でございますけれども、そういったことを考えているところでございます。
P.108 ◆質問 溝口委員
◆溝口委員 食というと、長崎県はおいしいものがたくさんあるんですけれども、特に、長崎ちゃんぽんとか言われていても、よそから、中国から商標を取られるとか、そういう形の中にあると聞いております。ラーメン大会とか全国大会がありますよね。長崎県の食を何かの形でPRするための大会とか、そういうのは全然考えていないんですか。
P.108 ◎答弁 長野物産ブランド推進課長
◎長野物産ブランド推進課長 食というところに関連して、我々食材を扱っている物産ブランド推進課としてお答えさせていただきたいと思うんですが、食材について我々はブランド化を進めてきたところでございますけれども、そういった食に関しての大会を誘致するとか、そういうものの開催ということについては、来年度具体的な事業として考えてはいないという状況でございます。
ただ、食に関しましては、今後、非常に重要なコンテンツの一つだというふうに考えておりまして、我々も食材だけの提供だけではなくて、少し食を意識して、地元の調理師会の方々、グレードアップネットワークを代表するホテルの方々、そういった方々と連携しながら、我々が扱っている食材を食としてデザインしていただきながら、情報発信やPRといったものに取り組んではいきたいと考えているところでございます。
P.109 ◆質問 溝口委員
◆溝口委員 わかりました。ただ、食材というのが食べてみないとわからないからですね。だから、その宣伝をするのにどのような形でやっていくかということで、百貨店やスーパー、ホテルでの長崎フェアというのをやりながらということですけれども、やはり地元でそれを宣伝していかないと、長崎を魅力的に感じて来るということはないんじゃないかと思うんですけれども、その辺についての今後の取組ですね。先ほど言われたのでいいですけれども、ぜひこの食について、魅力を感じるようなものを何か形をつくっていただきたいと思っているんですけれども、今回の3年度の計画というか、施策の中では魅力あるまちづくりを推進していくというのが一つの課題になっていると思うんですね。この魅力ある観光まちづくりということですが、文化観光国際部の方でどのように全体的に取り組んでいくかというと、やはり私は観光が中心になっていくんじゃないかと思うんですね。だから、その辺について部長の考え方を聞かせていただきたいと思います。
P.109 ◎答弁 中崎文化観光国際部長
◎中崎文化観光国際部長 この重点戦略を構築するに当たっては、やっぱりコロナの影響も考えました。アフターコロナ、ウイズコロナを考えますと、今後、国内客もインバウンドも団体から個人への動きが一層加速されてくると思います。そうすると、求められるのは、本当にその地域でしか得られないようなリアルな感動体験だと思っております。それには歴史や文化、今委員ご指摘の食もあると思います。体験もあると思います。そういった地域ならではの魅力をしっかりと磨き上げていく観光まちづくり、これについてはこれまで以上に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
取組に当たっては、今いろいろ施策を挙げているんですけれども、我々は文化観光国際部でございます。一つの部に文化、観光、国際、さらに物産、スポーツもございます。こういった長崎の本当に強みであるコンテンツが一つの部にあるというのは、多分ほかの県にはあまりないと思います。ちょうど発足して今年度が10年目でございますので、ぜひこういったコンテンツの魅力を結集して、いかに情報発信していくか。今、各課の施策で挙げていますけれども、私がよく各課の皆さんと話をするのも、できるだけ各課の施策がばらばらにならないように、そして、それが相乗効果を上げるようにというような話をしております。
ですから、先ほどずっと課長が答弁しておりますけれども、文化観光推進法による施設の磨き上げであるとか、あるいは食の魅力の発信であるとか、あるいはスポーツツーリズムとか、それぞれのコンテンツは各課が窓口になっていますけれども、それを、いわゆる他の課が持っているところとしっかり合わせもって、魅力をしっかりと最大限発揮して、そして観光客の皆さんに提供していくというのがすごく大事だと思っています。それを「観光まちづくり」という言葉で今回表現させてもらっていますけれども、そういった思いで、ぜひ部の総合力を活かしながら、非常にコロナで大変な状況ではございますけれども、部一丸となって乗り切ってまいりたいと思っております。
P.110 ◆質問 溝口委員
◆溝口委員 わかりました。やはり中心となる部が文化観光国際部じゃないかと思っているんですよ、この魅力ある観光まちづくりというのはですね。それをいろいろな方々と話し合いをしながら、だから、ぜひ部が一体となってその考え方を、各課それぞれあるかと思いますけれども、他の部とも一緒になって、ぜひ魅力ある観光まちづくりをしていただきたいと思っております。
それから、観光といったらクルーズ船関係が今年からぱったりと止まっているということで、大変大きな問題と思うんですけれども、その再開について、どのような形を考えているのか、お尋ねしたいと思います。
P.110 ◎答弁 佐々野国際観光振興室長
◎佐々野国際観光振興室長 先ほど国内クルーズにつきましては10月末から再開していると申し上げましたけれども、国際クルーズにつきましては、今、国の方でガイドラインを策定しているということもありまして、全国的にまだ国際クルーズを受け入れるという状況にはなっておりません。
そういった中で、土木部の方で港湾管理条例も改正をされて、受入環境の整備に向けた協議会も立ち上げて、今後、受け入れに向けて準備をしていくということになっておりますので、国際的な人の動きができた段階で、ほかに遅れをとらないような形で取組を進めていきたいと考えております。
P.110 ◆質問 溝口委員
◆溝口委員 国の方でガイドラインについての話し合いがまだ済んでいないということは、国としてはそこを早く進めていこうという気はないんですかね。
P.110 ◎答弁 佐々野国際観光振興室長
◎佐々野国際観光振興室長 国としても受け入れに向けて検討は進められているんですけれども、新型コロナウイルスの感染というところがありますので、今、ワクチンの開発という動きもありますけれども、そういった国際ルールを踏まえて再開というふうになっていくのかなと考えております。
P.110 ◆質問 溝口委員
◆溝口委員 先ほどの「ながさきスポーツビジョン」なんですけれども、生涯スポーツの推進ということで基本方針の1番になっているんですけれども、やはり県民の皆様方にこのスポーツのよさというのをわかっていただかないといけないと思うんです。スポーツ活動への参加の促進という形の中で、(2)にスポーツ活動への参加促進に向けた普及・啓発ということで載っているんですけれども、どのように県民の方々に伝えていこうとしているのかお尋ねしたいと思います。
P.110 ◎答弁 野口スポーツ振興課長
◎野口スポーツ振興課長 これにつきましては、私ども体育保健課とか、地域のスポーツを担うところ、県のスポーツ協会とも連携したり、それから競技団体の方々とも常日頃から情報交換をしております。
スポーツツーリズムの話も先ほどからしていますけれども、スポーツツーリズムを受け入れるにおいては、県内の競技団体の皆様のご協力がないと受け入れが難しいということがございます。ですから、スポーツツーリズム、それから県民のスポーツ振興をしっかりやっていかないと、ボランティアを集めたり、競技を受け入れるにおいても非常に厳しいということで、各競技団体と対話をしっかり進めていくということで、まずは一つ取組として実施しております。
それから、先ほどからちょっと申し上げています総合型地域スポーツクラブ、これの認知度を上げることで、県民のできるだけ多くの方がスポーツに親しむ、スポーツを身近に感じるような機会を提供していく。それと先ほど言ったプロスポーツクラブを応援することでスポーツを生活の一部として感じていただく。そういうスポーツに親しむことで自分も体を動かしてみたいと、そういう相乗効果ももたらすようなことはできないかということで、地域スポーツの発信を総合的にそういう観点から推進していきたいと考えているところでございます。
P.111 ◆質問 溝口委員
◆溝口委員 ただ、やはり県民の皆様方にスポーツのすばらしさというのを普及・啓発していくためには、県だけではどうにもならないと思うんですよね。市町との関係はどのようにつくっていこうとしているのか、お尋ねしたいと思います。
P.111 ◎答弁 野口スポーツ振興課長
◎野口スポーツ振興課長 現在、市町との連携に関して具体的に進めていることは、スポーツコミッションで地域連絡会議というようなものを実施しておりまして、地域の基本的にはツーリズム中心なんですけれども、その地域地域のスポーツをどういうふうに進めていくかということを、各市や町を訪問いたしまして、そこで関係する市町の職員と、それから競技団体の方、観光関係者等を一緒に集めた形でどういうふうに市町のスポーツを振興していくかという会議をするという取組を今実施しております。
P.111 ◆質問 溝口委員
◆溝口委員 わかりました。
ただ、私は、せっかくスポーツビジョンが県の方でできているわけですから、そのことについて、市町にしてもこれを基本として市町のそういうスポーツビジョンをつくる必要があるんじゃないかと思うんですけれども、県の方として指導的なことはやらないのかどうか、お尋ねしたいと思います。
P.111 ◎答弁 野口スポーツ振興課長
◎野口スポーツ振興課長 おっしゃるとおり、現在、地域計画を同じスポーツビジョンを持っておられる自治体が非常に少ない状況でございます。長崎市と西海市と島原市ですか、現在あると思いますけれども。佐世保市が新たに来年度計画をつくりたいということをおっしゃられて、実は宮島委員から本会議でもそういうお話がありましたので、委員の質問があった翌日に、早速佐世保市を訪問いたしまして、佐世保市の職員と話して、そういう計画をつくるのであれば、一緒に我々も参画してつくっていきたいというお話はさせていただいています。
自治体ごとに少し温度差がまだあります。スポーツだけの計画をつくって推進していくに当たってどういう取組をしたらいいかということを、多分私どもができるだけこのスポーツビジョンとかで範を示すことで、これに基づいて皆さんも一緒にやっていきましょうというような声かけをしっかり進めていきたいというところから始めていきたいと思っております。
P.111 ◆質問 溝口委員
◆溝口委員 ただ、やはり県の方が最初につくって下におりていくというのが今は普通になっているんですけれども、本当はこういうすばらしいビジョンができたなら、やっぱり各市町においてもつくって、県民全体としてそういう機運が高まるように、そうすることが県民に対する普及啓発になっていくんじゃないかと思うんですけれども、そのことについてもう一度お尋ねしたいと思います。
P.112 ◎答弁 野口スポーツ振興課長
◎野口スポーツ振興課長 委員ご指摘のとおりの取組というのがあれば非常にすばらしいことだと思います。
今、非常に悩ましいことで現実的な話を申し上げますと、市町においても観光というか、ツーリズムの視点でのスポーツと、合宿や大会を誘致されるところ、多分そこが私どものカウンターパートナーとなるんですけれども、そこと生涯スポーツ部門として地域住民のスポーツを考える部門と両方ございまして、そちらを上手に連携させていくことがなかなか、正直言ってハードルがある部分も少しございます。
例えば、我々がいつも実際に悩んでいるのが、スポーツツーリズムで県外からの合宿・大会を誘致するにおいて、その施設を通常は市民、町民が利用されておられる。そこに外から競技者を連れてくるということに関して非常に抵抗があるという兼ね合いもございます。こういうバランスをどうとっていくかということ、その中で地域振興の面でどちらがメリットがあるかということと、それから、例えば離島とかであれば、自然環境の中での基礎トレーニング、浜辺でのトレーニングとか、交通量が少ない中で道路を使ってランニングをしたりということに関しても意義を感じていただけるようなチームもございますので、そういったところはそういう強みを活かして進めていくということもございますし、それから今、サイクルツーリズムという話をこのビジョンの中でもしておりますけれども、これに関しては県内の至るところで、スポーツと観光の両方の視点からいろんな可能性があるんじゃなかろうかということで、これについて特に全体のスポーツ振興計画という形にはなりませんけれども、推進計画とか、推進していく方向性というのを各自治体にできるだけ意識を持っていただくような取組というのを現在進めているところでございます。
P.112 ◆質問 溝口委員
◆溝口委員 わかりました。ぜひ県民がそろって参加できるような取組をしていただきたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
先ほどの観光基本計画のところで、17ページです。長崎県観光課題の整理ということで、次の施策を推進していきますということですけれども、「多様な関係者を巻き込みつつ『観光まちづくり』の現場を効率的に動かしていくための人材の確保・育成」ということですけれども、これをどのように具体的にやっていこうとしているのかお尋ねしたいと思います。
P.112 ◎答弁 佐古観光振興課長
◎佐古観光振興課長 まだ、現時点では検討中の案ということでございますけれども、私ども県の職員の場合、地域の観光まちづくりを支援するということに取り組んでいるんですが、どうしても数年で異動していくと。一方で地域のカウンターパートの方、観光協会の方というのは大体常に同じ方、市町の職員についても観光の経験が長い方というのがいらっしゃいます。そういう意味で言うと、県職員の場合がしっかり腰を据えて地域と一緒に観光まちづくりを考えていくというところが少し弱いのかなという課題認識を持っておりますので、県職員以外の、例えば外部の人材を活用して、地域が抱える課題の解決にアドバイスをいただくという形、そのアドバイスをしていくことで、いわゆるОJTと申しますか、従来いらっしゃる地域の人材の方のスキルアップにもつなげていきたいと、そういうことを今検討しているところでございます。
P.112 ◆質問 溝口委員
◆溝口委員 一応、観光のまちづくりという形の中では、人材の確保・育成というのが大事になってくると思うんです。特に、世界遺産関係においては、そこできれいに説明できるような人たちをある程度育成していかないといけないんじゃないかと思いますので、この人材育成についてはしっかりとした施策を講じてやっていただきたいと、このように思っております。よろしくお願いいたします。
P.113 ◎答弁 佐古観光振興課長
◎佐古観光振興課長 これはコロナ対策ではございますけれども、現在取り組んでおりますのが9月補正で措置をいたしました宿泊施設のグレードアップ事業、これはどうしても観光客の方が県内でサービスに対してお金を支払われるというところは宿泊施設が一つの拠点になりますので、この宿泊施設の魅力というものをいかに高めて、満足していただいて、しっかりした対価をお支払いいただくと、そういう意味でこの事業を今後を見据えて取り組んでいるところです。
現在、採択は終わっておりますけれども、いろんな事業者の方から事業計画の提出を受けまして、例えばですけれども、露天風呂付きの客室の改修とか、あるいは2部屋あったものを1部屋に改修してグレードの高い部屋にするといった様々な取組を出していただいて、この事業の要件としましては、平均客室単価を従来よりも5%引き上げていただくということを要件にしております。そういうところで、まずは観光の拠点になる宿泊施設での付加価値向上というのは図ってまいりたいと考えております。
それから、やはり宿以外の部分で、先ほどの答弁の少し繰り返しにもなりますけれども、宿以外の部分でいかにサービスを提供して、滞在する時間を提供して、その対価をお支払いいただくかというところが付加価値向上につながってまいりますので、宿泊施設以外の地域の様々な事業者の方と連携して、体験型のコンテンツを新たにつくっていただくとか、そういったところをまちづくり補助金の中でも来年度以降は少し手厚く支援をしてまいりたいと考えているところでございます。