令和 3年  2月定例会 農水経済委員会 03月10日-04号


P.123 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 先ほど、吉村委員から聞かれたと思うんですけど、藻場回復等総合推進事業とありますが、その事業は、先ほど聞いていたら母藻関係で違うんだと、そういう話でした。ハード面でも少し対策をやっていくというふうな感じで聞いていたんですけれども、その辺についてもう一回、今回の藻場回復に向けた取組の推進についてということで、どのようなことをやっていこうとしているのか、お尋ねしたいと思います。

P.123 ◎答弁 一丸漁港漁場課企画監

◎一丸漁港漁場課企画監 先ほど、吉村委員からご質問があった時には、藻場回復対策推進事業費という、どちらかというとソフト面のことをお答えさせていただきました。
 今、溝口委員からご指摘があっているのは、ソフトだけではなく、ほかのものもあるんじゃないかということだと思うんですが、それとは別に公共事業の関係で取組をしております。藻場の関係でいうと、藻場礁、つまり増殖場を整備していくように計画しております。
 また、その新しい技術といたしましては、海水温の上昇に伴って食害も増してきて、また、海水温に適応できないということもありまして、藻場が衰退しているということで、南方系のホンダワラ類に着目いたしまして、そういった種類を増やしていくために、現在、種苗生産の技術を開発しているとか、また、新たな候補開発ですとか、そういったことに取り組んでいるところでございます。

P.124 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 わかりました。去年ですか、おととしですか、藻場造成ということで漁協等に補助金をやって、いろいろな事業者がおって、それをぬかですか、何か知らないけど、埋めたりなんかした事例があるんですけど、そういうことじゃなくて、今回は漁港漁場課関係の皆さん方と一緒に取り組みながらやっていくということですか。

P.124 ◎答弁 一丸漁港漁場課企画監

◎一丸漁港漁場課企画監 少し繰り返しになる部分があるかもしれませんが、ソフト対策としては、それぞれ浜の漁業者の皆さん、活動組織の皆さんと一緒に藻場回復に取り組んでいくということでございます。それとは別にハード事業の関係では、それぞれ浜、浜に増殖場、つまり藻場を増やすためのブロックとかを設置していくということで取り組んでいきたいと考えております。

P.124 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 わかりました。それでは、ソフト事業というか、漁協関係とか漁業者との関係でやっていく予算としては、大体どのくらいを見込んでいるんですか。

P.124 ◎答弁 一丸漁港漁場課企画監

◎一丸漁港漁場課企画監 今、予算書に計上しておりますソフト面で一番大きいのは、藻場回復対策推進事業費、横長資料の30ページですが、予算規模でいうと7,400万円ということになっておりますが、これは実は水産多面的機能発揮対策という事業の仕組みが、県の協議会に対しての支援でございまして、県から出す部分が、この事業に掲上しているということで、先ほどの新規の取組も含めて7,400万円ほどとなっております。それ以外に国から直接事業費がございまして、規模でいうと3億円か4億円程度の事業が長崎県で展開されると考えております。

P.124 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 国からの直轄で4億円ぐらいあるということですけど、それは漁場関係に投入する形になるわけですか。ソフト面には、それは全然充てられないんですか。

P.124 ◎答弁 一丸漁港漁場課企画監

◎一丸漁港漁場課企画監 すみません。説明が誤解を招いたかもしれません。最終的に水産多面的機能発揮対策で、事業費が国と県、市町込みでそれぐらいの規模という話をしましたが、それはソフト対策の方でございます。
 ハード面ということでございますれば、横長資料の一覧表、29ページの水産環境整備費がハード面の事業でございます。これには藻場の育成礁以外に漁礁も含んでおりまして、およそ半分ほどが増殖場として計画しております。

P.124 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 わかりました。ソフト面とハード面でやっていくということで、今、漁業者としては藻場がなくなって、アワビ、ウニなんかがだんだん減ってきているということがありますので、ぜひ藻場の造成に努力していただきたいと、このように思っております。
 それに関連して、研究費というのが要るんじゃないかと思うんですけど、総合水産試験場の維持費はわかるんですけれども、16ページに試験研究費ということで9,900万円出ております。それで本当に足りるのかなと思っております。例えば、種苗放流のところで藻場回復技術の開発にも使いますよということですけれども、それが2,600万円です。本当に試験研究費がこれで足りるのかなという感じがします。
 もう一つは、魚類の病気関係です。その研究費が全体で、赤潮とか貝毒等いろいろな調査研究費で1,300万円ということで、本当にこれで足りるのかという気がするわけですけれども、場長、どうでしょうか。

P.124 ◎答弁 中村総合水産試験場長

◎中村総合水産試験場長 当初予算では、ここに試験研究費が上がっておりますが、それ以外に12ページに公設試連携研究推進事業費として5,745万3,000円がございます。これは外部から公募等で評価を受けて採択されれば試験研究に使えるといった競争的資金になっております。これを積極的に活用しているところでございます。
 それから、これ以外に行政分野から調査研究ということで令達予算もございまして、トータルいたしますと、試験研究費全体で約2億円を確保いたしまして研究に取り組んでいるところでございます。
 その中では、先ほどご心配がありました魚病の問題についても、この中でいろいろ試験研究を進めているところでございます。

P.125 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 魚病関係については、養殖をしていく上では、どうしても病気にかかるという部分があります。その辺で陳情なんかもいっていると思いますけれども、ぜひ陳情があった部分についてもしっかりとした研究をしていただくことになれば、予算を獲得していかないと本当の研究にはならないと思うんですけれども、このことについては国からのいろいろな研究費もあるんだろうと思いますけれども、その辺について部長としてどのように国に働きかけていこうとしているのか、お尋ねしたいと思います。

P.125 ◎答弁 斎藤水産部長

◎斎藤水産部長 水産庁でも、いろいろな、要するに技術開発等の予算等も用意しているところでございます。
 あと、ご承知のとおり、総合水産試験場の隣に国の水産研究所がございます。昨年、国の水産試験場も機構統合して、2つ拠点が置かれるところの1つということで、長崎を非常に重視した国の研究機関の拠点が置かれているということでございますので、こういった関連機関とも連携しながら、必要な研究と情報を取って、あるいは連携しながら共同研究を進める等取り組んでいきたいと思います。

P.125 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 わかりました。養殖していく上で魚病というのが漁業者にとっては難解な問題です。だから、それを克服すると、ある程度の生産ができていくと思うんですけれども、早く魚病についての対策を、1年、2年と延ばさないようにして、できる限り研究していただきたいと思っております。
 それと、ハマチの養殖については、ワクチンができてから魚が大変元気になって育つようになったということもありますので、これから県としても水産業は養殖業に力を入れていこうという内容がかなりあるんですけれども、その辺についてもう少し養殖業者が立っていくような、大手を入れるのは構いませんけれども、大手ばかりを見ないで漁家でやっている方々、また、小さな中小企業でやっている方々がたくさんいると思うんですけど、養殖業の振興についてどのように考えているのか、お尋ねしたいと思います。

P.125 ◎答弁 吉田水産加工流通課長

◎吉田水産加工流通課長 県といたしましては、産地の特性を生かした高品質な魚を安定的に供給する体制づくり、大手であればロットをそろえたり、販売員を置いて販路開拓をやったりということができますけど、小さいところでは単独でやっては、なかなか手が回らない部分があろうかと思います。
 そういうことで、県といたしましては、それぞれの地域ごとに養殖産地育成協議会というものをつくりまして、それで少し先を見据えて、自分たちの地域ではどういう取組をしていかないといけないのかという養殖産地計画をつくって、その実践の段階で県において補助事業等で支援をさせていただいている。こうした取組を県下全域に広げて、さらに連携の輪を広げながら養殖振興を図っていきたいと考えているところでございます。

P.126 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 先ほど、吉村委員からも、堤委員からも言われましたけど、ひとが創る持続可能な漁村推進事業ですけれども、概要的なことについては、大体理解したんですけれども、漁村の活性化という形の中で地域というものを定めていかないといけないと思うんですけれども、地域を定めるに当たっての考え方ですね、今年度、どのくらいの地域を考えて、どのようにこの事業を実施していこうと考えているのか、お尋ねしたいと思います。

P.126 ◎答弁 渡邉水産経営課長

◎渡邉水産経営課長 2018年の漁業センサスで申しますと、漁業地区ということで長崎県下に152地区ございます。ただ、これを全部というわけではなくて、今回は、まずは7地区を目標に進めていきたいということで考えております。

P.126 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 せっかくですから、考えている7地区の計画があれば答えていただきたいんですけど。

P.126 ◎答弁 渡邉水産経営課長

◎渡邉水産経営課長 この7地区につきましては、各海区ごとに1地区ずつはとにかくつくりましょうということで考えているところでございます。対馬でいえば、現在活動を行っているような高浜とか上対馬とか、そういうところでいろいろな事例がございますので、そういうことを広げていければと。ほかの地区も同様にいろんな活動をやっていますので、そこを漁村に入ってしっかり進めていきたいと考えております。

P.126 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 わかりました。人を呼び込むという形の中で、今回新しく移住希望者向けのおためし漁業体験をやっていきたいという形ですけれども、それも、この地区ですよということを決めていかないと漁村活性化ということはやっていけないと思うんですけれども、その辺について、今年、何名ぐらいを移住希望者として漁業を体験させようと考えているのか、お尋ねしたいと思います。

P.126 ◎答弁 渡邉水産経営課長

◎渡邉水産経営課長 移住対象者、これはUIターンの方々を中心に考えておりまして、令和3年度に57名を目標に進めていきたいと考えております。

P.126 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 わかりました。7,900万円の予算があるわけですから、57名で考えていけば、その人たちがある程度本格的にやっていこうということを考えた時に、研修生というか、漁業育成という形の中で、予算の範囲で大体何名ぐらいを、体験だけじゃなくて、そっちに進めていこうとしているのか、お尋ねしたいと思います。

P.126 ◎答弁 渡邉水産経営課長

◎渡邉水産経営課長 予算の内容ということになると思いますが、現在、研修コース等で5,800万円の予算をとって様々な研修を支援していこうと考えております。そのほかについては受け皿づくりを行う。漁村の活性化等について200万円近くの予算をとって、各漁村に入って、コーディネーターを入れて漁村の魅力等を発信というか、探していきたいと考えているところでございます。

P.126 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 7地区でということになれば200万円の1,400万円ということで考えていいわけですね。

P.126 ◎答弁 渡邉水産経営課長

◎渡邉水産経営課長 先ほどの7地区というのは、漁村の地域づくりを行うところを7地区と考えておりまして、研修等については、7地区ということに限らずに、様々な地区に入ってくる方々を対象にしております。

P.127 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 わかりました。例えば、今回、1年で7地区が決定したとなった時に、これを続けていくという形では予算を確保していかなければいけないと思うんですけれども、この事業については、何年間をめどに考えているのでしょうか。

P.127 ◎答弁 渡邉水産経営課長

◎渡邉水産経営課長 この予算については、当然これは県の事業でございますので、まずは3年間をめどに進めていきたいと。毎年、7地区を目指していこうと考えております。

P.127 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 わかりました。先ほど、百五十何地区あると聞いたんですけれども、漁村の活性化を必要としている地区がどのくらいあるかは、まだはっきりはわからないんですけれども、3年間で21地区ですか、やっていくということですけれども、それが効果があるような形でやっていかないと、次に進もうとする人たちが、もう、しても一緒だという考えにならないように指導していただきたいなと、このように思っております。要望しておきたいと思います。よろしくお願いいたします。

P.127 ◎答弁 一丸漁港漁場課企画監

◎一丸漁港漁場課企画監 藻場回復ビジョンは、おっしゃられたとおりに平成28年に策定いたしまして、2,000ヘクタール、10年間で目指していたところでございます。
 実は、その根拠となる藻場の面積というのは、県内全域の藻場を全て漏れなく調査したという結果でございまして、それはかなりの費用がかかるので、毎年調査はできてございません。今年度から来年度にかけて、きちんと全域調査をやろうとしております。
 藻場に関しては、対策を打ってきたところ、午前中の吉村委員からのご質問の中でも少しご説明させていただきましたが、藻場の覆っている面積が回復しているというところもありますので、そういった一定の効果はあると思いますが、全体的な評価は、これからでございます。

P.138 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 長崎魚市場の高度衛生化施設の整備で、事務所と詰め所の単位当たりの金額の違いが、なぜこのような形になったのか、その辺についてお尋ねしたいと思います。

P.138 ◎答弁 吉田水産加工流通課長

◎吉田水産加工流通課長 現場詰所につきましては、魚市で荷捌き作業などを行われた皆様方が休息をとる部屋でございます。
 整備に当たりまして魚市場関係者の方とお話をしました際に、大型の空調設備をあらかじめ設置してほしいと。暑い中で汗をかいた方々が入ってこられますので、そういった要望がございましたので、現場詰所につきましては空調設備を設置しております。それに投入した金額の差によりまして100円という違いが生じております。

P.138 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 わかりました。中の整備等が違うのかなと思ったんですけど、冷房設備だけの違いで100円高くなったということで理解していいわけですか。600円とした根拠は、建物の値段から割り当てたのかどうか、その辺についてお尋ねしたいと思います。

P.138 ◎答弁 吉田水産加工流通課長

◎吉田水産加工流通課長 委員おっしゃいましたように、取得価格、耐用年数、それに投じる人件費等を算定の基礎として金額をはじいております。

P.138 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 算定した額は、それで理解するんですけれども、これを使用する方々、仲買の方々とか、そういう人たちとは話し合いをちゃんとつけて、これに至ったということで理解していいわけですか。

P.138 ◎答弁 吉田水産加工流通課長

◎吉田水産加工流通課長 委員おっしゃるとおりでございます。関係者の皆様との協議を通じて、この金額を設定させていただいております。