令和 4年  3月定例会 農水経済委員会 03月24日-04号


P.94 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 効果があるということですけれども、その効果について、調査はどのような形でしたんですか。


P.94 ◎答弁 川口漁港漁場課長

◎川口漁港漁場課長 五島西方の話ですが、水産庁の方で効果を把握、調査をされていまして、漁獲の水産庁が独自に把握できるような形というか、聞き取り等もあったと聞いておりますが、何トンというよりも、何パーセントぐらい増えていると。やっているところと、ほかのやっていないところと比較して、五島でやったところの周辺では2倍ぐらいの割合で増加しているという評価が出ていることと、捕った魚の比較でも、2歳魚だったと思うんですが、1.5倍ぐらいの重量があるという報告がなされております。すみません、1歳魚で比較して1.5倍ぐらいに体重が増えているという調査結果を公表されております。


P.94 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 先ほど、まき網というか、それで漁獲をしてということですけれども、ここは制限がかけられているでしょう。何マイル以内は操業してはだめですよと。そこら辺、確認ですけど、どのくらいか。


P.94 ◎答弁 川口漁港漁場課長

◎川口漁港漁場課長 これは国のフロンティア事業で、基礎生産力を上げるということでやっている事業でございまして、委員のご指摘のとおり、その中心点から半径1マイルの円で操業規制が条件になっております。これを守る条件で整備をされているということでございまして。
 ただ、整備した漁礁の上に魚がいるというわけではなくて、そこで育った魚がその周辺に回遊する中での漁獲だと判断されているものと思っております。


P.95 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 はっきりそこら辺がわかるか、わからないか、自然的に回遊してきた魚かもわからないし、ここで育った魚という断定はできないと私は思うんですよ。それをするなら、一本釣りか何かで調査をしていかないとわからないと思うんですよね。だから、調査の方法によって、これの効果があるかないかということは、やっぱりちゃんとした調査をしないとわからないんじゃないかと思うんです。
 周辺のところで魚が捕れて、それが1年魚で1.5倍になっておったと、そこら辺もちゃんとしたデータを取っていかないと。まき網でするのか、それとも底引きか何かでしていくのわかりませんけれども、一本釣りなら一本釣りとか、やはり調査をよくかけてみないと、その効果がわからないんじゃないかと私は思うんです。
 この調査に対しては、もう一度ちゃんとした調査をやっていただきたいと思っておりますので、一応要望としておきます。


P.95 ◎答弁 川口漁港漁場課長

◎川口漁港漁場課長 当フロンティア事業は、排他的経済水域内で行う事業になっておりまして、選定は、国の事業ということもありますが、国の方で行っております。


P.120 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 すみません、時間が押し迫っていますけれども、資源管理について質問したいと思います。
 国としては、新たな資源管理の推進ということで、令和2年12月に施行された改正漁業法で、漁獲可能量、TAC制度で管理を行っていくというふうに定められています。
 県としては令和5年度までに資源管理協定に移行していきたいということですけれども、そのことについて、今後どのように検討し作成をしていこうとしているのか、お尋ねをしたいと思います。


P.120 ◎答弁 吉田漁業振興課長

◎吉田漁業振興課長 まず、資源の維持管理を図るために、TAC管理は有効な手法の一つと認識しております。ただ、多くの漁業者の皆様が、実践される方々が、理解して納得して取り組むことが重要であると考えております。
 そういった中でTAC対象魚種の拡大につきましては、漁業者が国から説明を受ける機会を設定したり、また、現場の意見を国に伝えたり、丁寧に私どもも、そういう対応をさせていただいているところでございます。
 委員が今おっしゃいました資源管理協定、TACにつきましては、国が、特定水産資源ということで今現在8魚種を指定しておりまして、今後3年間ぐらいをめどに10魚種程度を増やすこととしています。現行の8魚種の場合、6割の国内漁獲量を占めますが、これを15魚種増やすことによって8割を占めるというな中で資源を安定させて漁業を持続的なものにしていこうとしているところでございます。
 資源管理協定は、改正漁業法の中で新たに追加されたものでございまして、今まで漁協を中心として漁業現場の方では、資源管理は重要ということで資源管理計画、これは法的裏づけもない中で計画をつくって、それを実践していただいております。そこには私ども県、市町も関わりながら一緒にいろいろ、休漁日を設定したり、そういったことをしてまいりました。
 ただ、今回は、TACの対象魚種にはならないまでも、地域で自分たちが捕る資源について、法律の中で自ら資源管理協定、これは県の方で認定という手続を行います。そういった協定に、今ある資源管理計画を随時移行していこうというものでございます。これにつきましては、令和3年度で新たな法律で加わったものですから、現場でもなかなか浸透しないということで、モデル地区を選定して、現場と一緒になって県の方で計画を協定に認定いたしまして、そこでいろいろなデータの調査の取りまとめの仕方など、モデルをつくりましたので、昨日の資料にも書いておりますけど、令和4年度からは、それを横展開して各地域で協定への移行を進めていきたいと考えております。
 今までの資源管理計画と協定の違いは、資源管理の目標を定めて、みんなで取り組んでいく、その目標の設定が新たに加わったところでございます。


P.121 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 わかりました。そうしたら、自分たち、漁協なら漁協でとか、例えば魚種によってまき網とかゴチ網とかいろいろありますけれども、そのような形の中で魚種ごとに協定をつくっていくんですか。例えば漁協全体とか、長崎県全体とかと、漁連が中心になってとかということになるのか。
 先ほど、モデル計画地域と言いましたが、何か所ぐらい、そのモデル計画地区を指定してやっていこうとしているのか、お尋ねしたいと思います。


P.121 ◎答弁 吉田漁業振興課長

◎吉田漁業振興課長 委員がおっしゃいましたとおり、この計画につきましては、魚種ごとでありましたり漁業種類ごとでありましたり、それは地域で任意に範囲を設定することが可能でございます。
 先ほど申しましたモデルといいますのは、令和3年度に計画を1件、モデルをつくりまして、それを横展開していくということで、令和4年度からは、もうモデルという扱いではなくて、実際に今ある資源管理計画を協定に移行していくことを進めていくことになります。


P.121 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 モデル計画というのは、県がつくるんですか。それとも漁協を指定して、そこでつくるのか、例えば魚種ごととか漁業種類ごととか、そのモデルがどこら辺になっていくのか、ちょっと私としては見当がつかないんですけど。


P.121 ◎答弁 吉田漁業振興課長

◎吉田漁業振興課長 今年度につきましては、改正漁業法の施行以来、各地域で、この資源管理協定を含めまして説明会を実施してまいりました。
 その中で島原漁協が、自ら資源管理を取り組む上で、この協定を活用して、今ある計画も含めて資源管理を強化していきたいというご意向が県に伝えられましたので、島原漁協と協力して、クルマエビ、ガザミとトラフグを対象魚種とした協定をモデル的につくったところでございます。地元の意向、地元の主体的な取組を県がサポートしたところでございます。


P.121 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 わかりました。魚種ごとにということになるんですね。島原の漁協でということです。
 このTAC制度がものすごく強化されてきて、3年後には15種類の魚種がTAC制度の中に入ってくるということです。
 漁業種類によっては、マアジとかマイワシとか、そこら辺でしか捕れないような漁業もあるんですけれども、そこら辺で混獲という形で捕ってくるとします。そうしたら、マアジとかマサバとかがTAC制度で限られてきたら、それ以上捕れないですよという時には、全ての魚が網に入るので、それを捕りやめるとなれば休業しなければいけないという大きな問題が出てくると思うんです。
 そのことについて、ここの中でも対応という形で国に支援策を要望していくということですけれども、特にまき網とか沖合で仕事をしている方々は従業員をいっぱい雇っていますので、その辺が大変なことになってくるんじゃないかと思うんです。だから、TAC制度を強めていくことになれば、私は、もう漁業者の皆さん方は立っていかなくなってくるんじゃないかという気がするんです。
 漁獲量についても、どこまで捕っていいのか。毎年、入ってくる魚が違うんですよね、漁が。今、だんだんマイワシが捕れるようになってきたんです。もう10年間、20年間捕れなかった魚が入ってきているという状況です。
 そのことについて、やはりしっかりとした考えをもって、漁業者の話を聞いて、国に強く要望していかないと、長崎県の漁業形態が本当にだめになっていくと私は思っているんですけれども、部長、そこら辺についての考え方をお願いしたいと思います。


P.122 ◎答弁 斎藤水産部長

◎斎藤水産部長 ご指摘のとおりだと思います。資源管理というのは、魚は卵を産んで、それが育っていくということで、何か捕り過ぎないような工夫はしていかなければいけない、これは基本でございます。
 ただし、それをやり過ぎてしまって、あまりにも手足を縛られてしまって、漁業者が捕るものもない、経営がつぶれてしまう、要するに魚は残って漁業者が死んでしまうようなことは、あってはならないというふうに考えているところでございます。
 国の方も、スケジュール的に令和5年度までに何魚種かを追加するというスケジュールを示しておりますけれども、強引に進めるようなことはしないというふうな回答を得ているところでございます。
 私も、今月、高平県漁連会長と共に金子農林水産大臣のところに参りまして、TACの新たな指定については、漁業者が納得した形で行ってほしいと。資源評価の手法から、あるいは管理の手法から、いろいろな意見を漁業者の方も持っていると思いますので、それを十分に聞いて実践していただきたいというふうな要望を申し上げたところでございます。
 金子農林水産大臣からは、丁寧に進めるというふうな回答を得たところでございます。
 併せまして、我慢すれば当然、我慢している分、捕れなくなるわけですから、経営状態が悪化していくと。ここの経営負担と申しますか、支援策みたいなものも十分国に要望していかなければならないと考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、TACの新魚種指定につきましては、今後も漁業者の皆様方の意見を十分聞きながら、国に対して意見なり要望なりをしていきたいというふうに考えているところでございます。


P.122 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 わかりました。ありがとうございます。
 それと、先ほど中村(泰)委員から、電子化してシステム改修をして計画的にいろいろなことを推進していくということでしたけれども、漁協の方々に聞いたら、漁獲量を打ち込んでいくのは膨大な量になってくるわけです。そうしたら職員を1人増やさなければやっていけない、経費の増大になって経営がうまくいかないと、そういう大きな悩みがあるんです。このシステムを国がやるというのであれば、そこに働く職員が、これを何人の方々で打っていけるか、大きい漁協は2人も幾らも要るという形になるんじゃないかと思うんです。だから、そこまで考えて、国にとは言いませんけど、国からのTAC制度ですから、国の方に、漁協経営というものも考えていただきたいと思うんです。
 このことについての見解をお聞かせいただきたいと思います。


P.123 ◎答弁 吉田漁業振興課長

◎吉田漁業振興課長 委員おっしゃいますとおり、いくらシステムを入れたとしても、漁協の事務負担は当然発生して、大きくなるものと考えております。
 一方で、正確な情報を伝えていかないと、TACというのは数量管理ですので、漁業者をしっかりと支えることができない。例えば数量が少なかったら、それが数量の実績になってしまうものですから、現場ではそういう悩みがございます。
 政府施策要望等でも、資源管理に関しては支援の充実というところを要望しておりますが、そういう現場の声、漁協の悩みも含めまして、しっかりと要望させていただきたいと思います。


P.123 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 わかりました。
 国に要望するのに、このシステム、TAC制度をちゃんと確実にやっていくことは日本全国の問題になると思いますから、私は、国としての考え方をしっかり持っていかないと、漁協の運営に本当に大きな問題が発生してくると思っております。
 部長は本省から来ているわけですから、部長として、どのようにやっていこうと思っているのか、部長の考え方をお聞かせいただきたいと思います。


P.123 ◎答弁 斎藤水産部長

◎斎藤水産部長 もうまさに、先ほど申しましたとおりでございます。TAC制度が全てということではなくて、資源管理はそもそも漁業者の皆さんのためにあるものでございます。その数量管理をやることが目的となってはいけないと考えております。
 数量管理が非常に効果があると、いろいろデータを吸い上げるところも含めまして、そこに多大な経費をかけて、多大な労力をかけても仕方がないわけでございますので、そのあたりのバランスみたいなものはしっかりとっていくべきではないかと考えております。
 いずれにいたしましても、このTAC制度が真に漁業者のためになるように、ちゃんと効果を上げて、漁業者の皆さんが、これはすばらしいと、これをやると、要はずっと漁業が継続できて漁業が発展するんだと理解した上で進めていくこと、これが一番重要だと思っております。


P.123 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 わかりました。
 TAC制度が本格的に始まったら、国際的な問題もあるかもわかりませんけど、クロマグロ資源の管理、超えたら、定置網に入っても、どの網に入っても逃がさなければいけないと。そういう何十キロもある、何万円もする魚を出しなさいと、そういう命令なんですよね。だから、TAC制度が行き過ぎることがあってはならないと私も思うんです。そういうことでクロマグロを定置網で捕っている方々が悩んで、本当にもう捕れないんですよと、逃がさなければいけないけど、逃がしても死ぬような魚もいる、だから、どうしたらいいのかわかりませんという形なんですよ。
 今回、長崎県では、令和3年4月から令和4年3月までの第7管理期間で小型魚が828トン、大型魚が178トンと漁獲枠が定められております。この消化について、どのくらい漁獲があっているのか、小型魚、大型魚の報告をしていただきたいと思います。


P.124 ◎答弁 吉田漁業振興課長

◎吉田漁業振興課長 直近で把握しておりますのが3月22日時点でございます。30キロ以下の小型魚の消化率は90.2%、大型魚につきましては97.9%という状況でございます。


P.124 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 ありがとうございました。前年度からですかね、先取り方式ということで、2月からさせていただいて90%以上となったんだと思いますけれども、その前は70%ぐらい漁獲していたという感じなんです。よかったなとは思っております。
 ただ、漁獲枠を今、5年か10年前の漁獲枠でずっと定めているんですね、日本全国。やっぱり回遊魚ですから、変わってくると思うんですよ、魚が入るところがですね。今は長崎県の五島とか県北の方で定置網に相当入ってきているんです。その辺の見直しは、長崎県も含めて、3年に1回とかできないんですか。


P.124 ◎答弁 吉田漁業振興課長

◎吉田漁業振興課長 太平洋クロマグロにつきましては、国際会議の合意に基づきまして、平成27年から資源管理の取組が導入されております。その際、国の方では、そういう管理措置が行われる前の漁獲実績に応じて大臣許可漁業、また都道府県に配分をしております。このルールにつきましては、委員がおっしゃいましたように今日まで変更がなされていない現状でございます。
 ただ、一つ明るい話題としましては、昨年12月、WCPFC国際会議において、日本が3年要望してまいりました小型魚、大型魚の捕獲枠の拡大につきまして、漁業者の平成27年以降の取組の評価、また資源の回復動向が堅調であるというところで、大型魚につきましては15%、枠が拡大されたところでございます。小型魚につきましては、残念ながら見送られました。
 今は枠が制限されている中で、なかなかルールが変えられないところでございますので、県としましては、国際会議において、さらにこの枠が増枠されるように国に働きかけてもらうことを要望していくことで、ルールの見直しにつながっていくのではないかと考えております。


P.124 ◆質問 溝口委員

◆溝口委員 わかりました。できるだけですね。
 戦争後、クロマグロが長崎県にもたくさん入ってきたという記憶があるんですけれども、その後は、本当にもう去年、おととしぐらいからですかね、3年か4年前ぐらいから、このように入ってきているんです。だから、いる時に、なんで入った魚を売れないのかと、そこら辺が本当に漁業者の悩みなんですよ。特に定置網なんか、魚を捕りに行くんじゃなくて、魚が入ってくれるのに、それを捕れないと、捕っても売れないと、そういう大きな悩みがありますので、その辺については早く解決をしていただけるように、国際会議で話をしていただければと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。以上です。


P.124 ◎答弁 吉田漁業振興課長

◎吉田漁業振興課長 先ほどの答弁を一部、修正をお願いしたいんですが、よろしいでしょうか。
 先ほど、島原漁協の資源管理協定の対象魚種、ガザミ、クルマエビ、トラフグと申しましたが、トラフグではなくヒラメでございました。大変申し訳ございません。議事録の修正をさせていただければと思います。
 あと、宮島委員から、外国船の現認件数のご質問がございました。正確なところを申しますと、令和元年が6件、令和2年が25件、令和3年はまだ実績が出ておりません。以上でございます。